(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】3D印刷されたドラッグデリバリー製品を製造するための製造プロセス及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61J 3/06 20060101AFI20231215BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20231215BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
A61J3/06 F
A61K9/20
A61K9/00
(21)【出願番号】P 2021500153
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(86)【国際出願番号】 NL2019050422
(87)【国際公開番号】W WO2020009583
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-09
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】595115802
【氏名又は名称】ネーデルランセ オルハニサチエ フォール トゥーヘパスト-ナツールウェーテンシャッペルック オンデルズク テーエヌオー
【氏名又は名称原語表記】Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk onderzoek TNO
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ブラウエルス、レオナルトゥス アントニウス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ホッペンブラウエルス、マルカス ベネディクテュス
(72)【発明者】
【氏名】アウルベルス、アントニウス パウルス
(72)【発明者】
【氏名】フェルフーフェン、ホーデフリトゥス ヘンドリクス ヴィレブロルトゥス
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0251713(US,A1)
【文献】国際公開第2017/175792(WO,A1)
【文献】特表2018-502878(JP,A)
【文献】特開2011-245790(JP,A)
【文献】特開2013-252643(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104742375(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/06
A61K 9/00
A61K 9/20
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出成形物として一定の流れで押し出すための押出機装置によって賦形剤と活性医薬成分(API)とを所定の比率で含む粉末又はペレット材料の混合物を受け取ること、
前記押出機からの前記押出成形物の一定の出力流れを、
熱溶解積層法(FDM)プリントヘッドへの前記押出成形物の調整された供給に適した計量ポンプ
に向か
わせること、
前記計量ポンプにより受け取
った前記流れ
を用いて、製品の3D印刷に適した1つ以上のノズルを備える
前記プリントヘッドによって
熱溶解積層法で前記製品を
形成すること、及び、
前記
押出機と前記計量ポンプとの間に設けられた分配部材によって、前記押出機からの前記一定の出力流れ
のうち前記プリントヘッドに必要ではない残余を、オーバーフロー出口へ向かう残余流れへ分配すること、
を含む、
賦形剤と活性医薬成分との混合物によって製造される医薬製品を製造する方法。
【請求項2】
前記オーバーフロー出口は、品質管理のためのサンプリングポートに接続されており、
前記押出機から前記計量ポンプに向かう前記押出成形物の流れは、前記残余流れの
前記品質管
理に応じて中断される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法
。
【請求項3】
前記残余流れは、少なくとも部分的に廃棄へ分配される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法
。
【請求項4】
前記APIは、
一定の熱
負荷に曝される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
賦形剤と活性医薬成分との混合物から製造される医薬製品を製造するための装置であって、
押出成形物として一定の流れで押し出すための、所定の比率の賦形剤と活性医薬成分の粉末又はペレット材料の混合物を受け取るために適した押出機装置、
計量ポンプによって受け取られた前記流れから計量される方法での前記製品の3D印刷に適した1つ以上のノズルを備えるプリントヘッド、
前記押出機装置の出口と前記プリントヘッドの入口との間に設けられた計量ポンプであって、前記プリントヘッドへの前記押出成形物の調整された供給に適した計量ポンプ、及び、
前記押出機装置と前記計量ポンプとの間に設けられた分配部材、
を備え、
前記分配部材は、
i)前記押出機装置の前記出口に接続された入口、
ii)オーバーフロー出口へ向かう出口、及び、
iii)前記計量ポンプの入口へ向かう出口、
を備え、
前記分配部材は、前記プリントヘッドへ供給されていない前記押出機からの前記一定の出力流れを、前記オーバーフロー出口へ向かう残余流れに分配することに適し、前記押出機からの前記押出成形物の前記一定の流れを、前記計量ポンプの前記入口に分配する、
装置。
【請求項6】
前記分配部材は、自動的に、前記押出機からの前記一定の出力流れを、前記計量ポンプへ向かう入力流れと前記オーバーフロー出口へ向かう残余流れとへ分配する三方圧力弁を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記オーバーフロー出口を通る前記残余流れは、少なくとも部分的に廃棄出口へ分配される、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記オーバーフロー出口を通る前記残余流れは、少なくとも部分的に、品質管理目的のサンプリングに適したサンプリングポートへと分配される、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記計量ポンプは、ギアポンプである、
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記計量ポンプは、オージェポンプである、
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記オージェポンプは、アルキメデスタイプスクリューポンプまたはプログレッシブキャビティポンプである、
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D印刷された製品の製造方法に関連し、特に熱溶解積層法(FDM)プロセスにより製造されたドラッグデリバリー製品に関連する。
【背景技術】
【0002】
医薬製品の開発において、3D印刷は、経口剤形のようなドラッグデリバリー製品の従来製法のいくつかの課題を克服する方策として、ますます注目を集めている。
【0003】
従来製法では、ミリング、混合、造粒及び圧縮のような多くのステップが含まれる。それらの全ての異なるステップは、薬物負荷、薬物放出、薬物安定性及び医薬製品剤形の安定性に関して、最終製品の品質に望ましくない変動をもたらす可能性がある。プロセスの性質から、多くの場合で、許容可能なコストで大量の錠剤のみを効率的に製造することが求められる。3D印刷は、パーソナライズされた及びプログラム可能な医療で使用可能な複雑な物の設計及び製造において前例のない柔軟性を示した。3D印刷は、サブプロセスの数を減らすことによって、プロセス制御工程及び関連する事務処理を著しく削減し、それにより製造コストを著しく削減する可能性ももたらす。
【0004】
医薬製剤は、一般に、活性医薬成分(API)が分散されている剤形の本体を形成する賦形剤材料からなる。FDMに適した賦形剤の1つのカテゴリは、熱可塑性ポリマー賦形剤である。製薬会社では、これらの賦形剤は、ホットメルト押出成形(HME)による処理で一般に使用される。特に興味深いことは、HMEを使用して、活性医薬成分をマトリックス中に分子レベルで分散させて、固溶体を形成することである。医薬製品開発において溶解性の低い新しい化学物質の割合が絶えず増加しているため、この方法は、ますます重要となっている。特にBCSクラスII化合物について、APIの溶解性を高めることによって、吸収及び治療効果の改善が実現できることが知られている。技術自体は、賦形剤とAPI材料との混合物が昇温昇圧下で溶融又は軟化し、一般にスクリューポンプ装置を備える押出機によってオリフィスを通って押し出される処理として説明することができる。
【0005】
他の態様において、本発明は温度に敏感な食品原料の堆積モデリングに関連する。
【0006】
熱可塑性樹脂の適切な挙動は、ホットメルト押出成形で使用されるポリマーの前提条件である。押出成形ドラッグデリバリーシステムでは、ポリマーがバインダ又はコーティング剤として使用される場合と比べて大量のポリマーが必要である。従って、ポリマーは毒性がなく、高用量でヒトへ提供することを承認されていることが極めて重要である。
【0007】
しかしながら、そのような医薬用途に承認されたポリマーの数は限られており、ほとんどの候補は、更なる処理に適さないという限られた機械的特性を有する。
【0008】
スクリュー押出機は、プラスチック大量製造業界で知られている。スクリュー押出機は、様々な出発成分の溶融と混合とを良好にできるが、それらには制限が伴う。これらは、とりわけ、出力温度の点からも出力組成の点からも長い平衡時間を含む。これは、回転速度及び固体出発材料の供給速度のような押出処理パラメータを変えることによって、流量のような出力パラメータの制御を得ることを非現実的とする。
【0009】
特定の3D製造処理の1つは、3D印刷技術として使用可能な熱溶解積層法又はFDM処理である。一般に、FDMでは温度制御されたプリントヘッドが熱可塑性樹脂材料を層ごとにビルドプラットフォーム上に押し出す。通常、材料はワイヤのフィラメントの形でプリントヘッドへ供給され、従って、上述のホットメルト押出成形について、フィラメントがFDMプリントヘッドへ供給されるのが当然である。一般に、計量は、プリントヘッドへ向かうフィラメントの供給速度によって行うことができる。印刷される材料の流量の制御を改善するために、許容されるスピードで3D印刷に必要とされる俊敏な方法でプリントヘッドへの流れを自由に開始及び停止する計量ポンプを使用することができる。例えば、第1の印刷シーケンスの終了と第2の印刷シーケンスの開始とを可能にする、又はより微妙に出力を変更して、より精細な3D印刷構造を作成することができる。この変化は、印刷プロセスのタイムスケールと互換性を有するために十分な速さであるべきである。しかし、FDMプリントヘッドへフィラメントを供給するこの方法に関連し、以下:
i)一般に使用されるフィラメントは機械的特性が低く、FDMプリントヘッドで扱うことが困難である、
ii)FDMプリントヘッドの投与の精度は、フィラメントの直径の精度に大きく依存し、利用可能な熱可塑性の賦形剤材料の制御が容易ではないことがある、
iii)錠剤内のAPI分布の精度は、フィラメント内のAPIの分布の均一性に非常に依存する、
iv)2つの別々の溶融ステップを実行すると、材料への熱負荷が増え、特に医薬製品の場合、原薬の劣化につながる可能性がある、
v)別々の溶融ステップは、使用された成分の混合物中の成分の分離につながる可能性があり、賦形剤と活性生成物との混合組成物の不確実性をもたらす可能性がある、
vi)ペレット又は粉末からフィラメントの製造をすること及び印刷プロセスは、一般に別個のプロセスであり、特に製薬用途では、追加の品質管理ステップが必要になることがある、
を含むいくつかの問題がある。
【0010】
特許文献1は、圧力体積を溶融物で満たす、加圧された溶融物を開口に供給する、及び3次元体を構築するために溶融物の液滴を放出するステップを含む連続するプロセスで対象物が形成される3次元プラスチック体を形成するためのFDM装置を説明する。特許文献1は、システムが非定常運転にない時に、つまりスタートアップ中、又は印刷が一時停止又は停止している時に、加熱されたシステム内の構築材料の滞留時間を制御する方法を提供しない。代わりに、印刷開口部を閉じることは、システム内の圧力上昇と、それに伴って加熱されたシステム内の構築材料の滞留時間が延びることにつながる。システムを再起動すると、これは、液滴体積の制御が不十分となることにつながる、より重大には、制御されていない混合と、構築材料を含む成分の温度又は圧力による劣化とにつながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】独国特許発明第102012000988号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
1つの態様において、本発明は、出発成分の混合及び加熱の安定したプロセスを維持しながら、プロセスフローの正確な制御及び計量によって、印刷プロセスを良好に制御する医薬製品を製造するための3D製造方法及び装置を提供することによって、上記の問題の少なくとも一部に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの態様において、賦形剤と活性医薬成分との混合物によって製造される医薬製品の製造方法が提供される。該方法は、押出成形物として一定の流れで押し出すための押出機装置によって、賦形剤と活性医薬成分とを所定の比率で含む粉末又はペレット材料の混合物を受け取ること、押出機からの押出成形物の一定の出力流れを、プリントヘッドへの押出成形物の調整された供給に適した計量ポンプへ向かう入力流れへと分配すること、計量ポンプにより受け取られた流れから計量される方法で、製品の3D印刷に適した1つ以上のノズルを備えるプリントヘッドによって製品を印刷すること、及び、プリントヘッドへ供給されてない、押出機からの一定の出力流れの一部を、オーバーフロー出口へ向かう残余流れへ分配すること、を含む。それにより、押出機の一定の出力流れは、計量ポンプの入力への十分な圧力、例えば入口バルブの閾値よりも高い圧力を提供するように調整され、それにより、計量ポンプが常に満たされることを確実にする。押出機によって提供される一定の流れと計量ポンプによって受け取られて変化する流れとの差である残余流れは、オーバーフロー出口へ向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は図面に表されている例示的な実施形態に基づき、更に解明される。例示的な実施形態は、非限定的な説明により与えられる。本発明の概略図は非限定的な例として与えられることに留意されたい。
【0015】
【
図2】
図2は、本発明に係る医薬製品の製造方法を示す。
【
図3】
図3は、本発明に係る医薬製品を製造装置の第1の例示的な実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本発明に係る医薬製品を製造装置の第2の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
医薬製剤の開発において、3D印刷は、経口剤形のようなドラッグデリバリー製品の従来の製造のいくつかの課題を克服するための方策として、ますます注目を集めている。
【0017】
従来製法において、ミリング、混合、造粒及び圧縮のような多くのステップが含まれる。それらの全ての異なるステップは、薬物負荷、薬物放出、薬物安定性及び医薬製品剤形の安定性に関して、最終製品の品質に望ましくない変動をもたらす可能性がある。これらの製法の性質から、多くの場合で、許容可能なコストで大量の錠剤のみを効率的に製造することが求められる。3D印刷は、パーソナライズされた及びプログラム可能な薬物療法で使用可能な複雑な物の設計及び製造において前例のない柔軟性を示した。3D印刷は、サブプロセスステップの数を減らす可能性ももたらし、結果としてプロセス制御ステップを著しく減少させる。
【0018】
本発明の1つの態様は、経口剤形のような3D印刷されたドラッグデリバリー製品の製造に好適な3D印刷システムを提供することである。
【0019】
熱溶解積層法(FDM)は、プラスチック3D体の製造に特に適する3D造形の特定の種類である。好適な従来の材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリ乳酸、高耐衝撃性ポリスチレン、及びポリアミド(ナイロン)等の熱可塑性ポリマーを一般に含む。FDM装置には、一般に、そのような原料から形成されるフィラメント又はワイヤが供給される。これらのフィラメントは、スプールから引き出されるとで装置へと導入され、それらは、スプールから原料が液化され開口に向かって押される装置のホットエンドへと搬送される。この開口は、溶融又は液化した材料をシステム外に出すことができる直径を備えるノズル端のホールであることができる。ノズルが移動可能なプリントヘッド上に設けられる場合及び/又は材料が、コンピュータで移動可能なビルディングプラットフォーム上に堆積される場合に、3D体を形成することができる。一般的に、3D体は、事前にプログラムされた2D軌道に沿って材料の連続ストリームを堆積することによって層ごとに形成される。一般に、例えば、最終製品を取り出せるように、第1の軌道の終点から第2の軌道の始点までノズルを動かすことができるように、第1の層の印刷終了後に終点から第2の層の印刷の始点までノズルを動かすことができるように、及び/又は、例えば軌道の角の印刷中にプリントヘッドを減速できるように、材料の流れは中断され及び/又は減速される。そして、プロセスを再開して、更に同一の又は、必要ならば異なる個別の製品を製造することができる。装置内での材料の固化を防ぐため、もしあれば、ノズル及び圧力チャンバを含む液化された材料の流れに接触する装置の全てのパーツを、加熱する必要がある。ノズルの形状、圧力、及び液化された材料の流れの溶融挙動は、プロセスにおける重要なパラメータである。
【0020】
本発明の実施形態において、3D印刷製品の製造方法のために、熱溶解積層法が提供される。
【0021】
本発明の実施形態において、3D印刷されたドラッグデリバリー製品の製造のために熱溶解積層法が提供される。
【0022】
医薬製剤は、一般に、活性医薬成分(API)が分散されている、剤形の本体を形成する賦形剤材料からなる。FDMに好適な賦形剤の1つのカテゴリは、熱可塑性ポリマー賦形剤である。製薬分野では、これらの賦形剤は、一般にホットメルト押出成形(HME)による処理に使用される。特に興味深いのは、HMEを使用して、分子レベルでマトリクス内に活性医薬成分(API)を分散させ、それにより固溶体を形成することである。APIの溶解性を高めることで、吸収性及び治療効果の向上を実現できることが知られている。技術自体は、昇温昇圧下で賦形剤とAPI材料との混合物が溶融又は軟化し、一般にスクリューポンプ装置を備える押出機によってオリフィスを通って押し出されるプロセスとして説明できる。
【0023】
本発明の実施形態において、熱溶解積層法は、改善された吸収性及び治療効果を実現可能な3D印刷されたドラッグデリバリー製品の製造のために提供される。APIとポリマー賦形剤材料との良好な混合が提供される。
【0024】
本発明の実施形態において、熱に敏感な活性医薬成分を含む3D印刷されたドラッグデリバリー製品の製造のための熱溶解積層法に適している装置が提供される。
【0025】
FDM装置が、異なる原料から1つの製品とされる3Dプラスチック部品を製造するために使用される場合、装置は、複数の独立した液化材料ストリーム及びノズルと共に使用することができる。これらのストリームを組み合わせることで、多成分体を形成することができる。しかし、溶融熱可塑性材料の複数のストリームは、印刷にとって望ましいタイムスケールでは、混合が不十分となる傾向がある。
【0026】
それゆえ、事前に混合された原料を使用することが好ましいことがある。この場合、例えば、所望の出発材料が所望の量及び程度で混合された事前に形成されたフィラメントを、FDM装置に供給してもよい。例えば、このフィラメントは、例えば、着色剤又は充填剤のような添加剤を加えることができる上述の従来の任意のポリマーの組み合わせから形成されてもよい。
【0027】
押出は、プラスチック材料で知られる高体積製造プロセスであり、液化されたビルディング材料の連続するストリームが、狭い開口を通って押し出され、冷却バスへと供給され、細長いフィラメントを形成する。熱可塑性ポリマー、又はセラミック又は、更にはチョコレートのようなペースト状の材料を含む様々な種類の材料を使用することができる。
【0028】
押出機は、一般にウォームエンドとコールドエンドとを備える。ペレット又は粉末状の冷たい原料を、ホッパーから、細長いバレルの後部近くの開口に供給する。このバレル内では、原料は、バレルの長さ方向に延びる1つ以上のスクリューと接触する。回転する1つ又は複数のスクリューが、原料をバレル内へと押し込み、摩擦によって生ずる熱と、加えて外部から供給される熱とによって、原料がバレルの他端の開口に向かって処理されるに従い、徐々に原料は溶融し混合する。この時点で、溶融流れは、開口から押し出される。開口の形状及び寸法に応じて、及び出口のプロセスストリームに適切な冷却をすることによって、成分の混合物を含むフィラメントを形成することができる。
【0029】
押出プロセスにおいて、一旦定常状態に達すると、押出機からの出力は、粉末又はペレットの入力流れによって決まり、押出スクリューのスピードからは独立する。一般に押出システムは、プロセス条件の変化及び投入物の組成の変化に対して非常にゆっくり反応する。かく乱が発生すると、再び定常状態に達するために、長い時間が必要になることがある。
【0030】
本発明の実施形態において、多数の出発原料から形成された安定な混合物が長時間プリンタに提供され、組成及び特性の変化が最小限の一連の製品の製造を容易にする、3D印刷された製品の製造方法が提供される。
【0031】
出発原料の混合は、押出機で実施されてもよい。
【0032】
3D印刷されたドラッグデリバリー製品の製造のためのAPI及びポリマー賦形剤の混合は、押出機で実施されてもよい。
【0033】
スクリュー押出機は、出発成分の範囲の溶融及び混合を良好にすることができるが、制限が伴う。これらは、とりわけ、出力温度の点からも、出力組成の点からも、長い平衡時間を含む。これにより、回転速度及び固体出発材料の供給速度のような押出プロセスパラメータを変えることによって、流量のような出力パラメータを制御することが非現実的となる。
【0034】
製薬用途に承認された好適なポリマーの数は限られており、候補の大半は、更なる処理にあまり適していない限られた機械的特性を有する。
【0035】
1つの特定の3D製造プロセスは、3D印刷技術で使用できる熱溶解積層法又はFDMプロセスである。温度制御されたFDMプリントヘッドにおいて、熱可塑性材料は、ビルドプラットフォーム上に押し出され、層ごとに製品を形成する。一般に、材料は、ワイヤのフィラメントの形でプリントヘッドに供給され、従って、上述したホットメルト押出成形では、フィラメントがFDMプリントヘッドに供給されることが当然である。印刷される材料の流量の制御を改善するため、押出機の排出口とプリントヘッドとの間に計量ポンプを加えることができる。前記計量ポンプを使用し、許容可能な速度で3D印刷に必要とされる機敏な方法で、プリントヘッドへの流れを自由に開始する及び停止することができる。例えば、最初の印刷シーケンスの終了と第2の印刷シーケンスの開始とを可能とする、又は出力を微妙に変更して、より正確な3D印刷構造を作成する。この変更は、印刷プロセスのタイムスケールと両立できるために十分な速さがある必要がある。FDMプリントヘッドにフィラメントを供給することを含む、方法に関連するいくつかの重要な制限がある。
【0036】
フィラメント供給FDM法の制限は、押出機によって製造されるフィラメントの機械的特性を含む。これらは、プリントヘッドでの取り扱いにとって十分である必要がある。脆いといった低い機械的特性は、フィラメントの取り扱いが難しくなり、FDMプリントヘッドの低いパフォーマンスにつながる。
【0037】
フィラメント供給FDM法の更なる制限は、FDMプリントヘッドの投与の精度が、フィラメントの直径の精度に強く依存するという事実に由来する。この理由から、フィラメントの長さに沿って均一な直径を有するフィラメントが必要となる。フィラメント構成要素の1つに低い機械的特性があると、直径が不均一なフィラメントの形成につながる可能性がある。
【0038】
フィラメント供給FDM法の更なる制限は、成分分布の精度と、それらの変動に関連する。製造された製品全体に良好に成分を分散させるためには、フィラメント内に成分を均一に分布させることが求められる。これは、特に薬剤投与製品にとって重要である。
【0039】
追加の制限は、フィラメント供給FDM法では、フィラメントを構成する成分が、1つはフィラメントを形成する間ともう1つはフィラメントを処理する間という2つの溶融ステップに曝されるという事実に関連する。これは、成分が増加された熱又は熱負荷に曝される製品を製造するという結果となる。これは、食品原料のような熱に敏感な成分又は温度に敏感な活性医薬成分について特に問題となりうる。ドラッグデリバリー製品では、過剰な熱負荷は、活性医薬成分の劣化につながる可能性がある。加えて、2つの別個の溶融ステップを使用することも、物質の分離を起こす可能性があり、賦形剤と活性製品との混合組成物における不確実性を生ずる。
【0040】
製品を、例えば医薬製品をFDM印刷によって製造することの更なる制限は、FDMが、一般に複数のステッププロセスを含む点にあり、ペレット又は粉末からフィラメントを製造することと、印刷プロセスとは、一般に別個のプロセスである。これは、特に医薬用途では、付加的な品質管理ステップが必要となる場合がある。
【0041】
本発明の目標は、原料に過度な熱負荷をかけずに成分の均一な混合物を有する製品の3D製造方法を提供することによって、上述した態様に対処することである。
【0042】
所望の成分のペレット又は粉末を直接導入することによって、加熱ステップの数と熱負荷とを減らすことができる。本発明に係る1つの実施形態において、押出機の出口を、加熱された計量ユニットの入口につなげることによって達成できる。この方法では、付加的な冷却ステップと、フィラメントとして材料を供給する場合に必要となる再溶融ステップとを備えることなく、良好に混合された材料が計量ポンプに供給される。
【0043】
図2は、本発明に係る例示的な製造方法の概略を説明する。例示的な方法では、出発材料の混合物が、押出ステップで押し出される。これは、単軸押出機を備える押出ユニットを含みうる。原料又は材料の混合物は、押出機のバレルに供給される。バレルは加熱されてもよい。スクリューの回転が、原料を混合し、チューブの長さに沿って出口開口に向かって原料を搬送する。材料がバレルに沿って動くに従い、スクリューの回転によって生ずる摩擦によって、プロセスフローが徐々に混合し、溶融する。
【0044】
押出機の出口流れは、一般に一定の体積の流れであることを理解することが重要である。同様に、押出機の操作中、バレルの壁とスクリューとの間の空間は、一般にプロセス流れでは完全に満たされておらず、一部の空間は利用可能なままであることを理解することも重要である。例えば、一時的な遮断で生ずる出口流れの遮断は、バレル内の圧力上昇につながる。バレルの端では、出発材料の溶融混合物が出口開口から流れ出す。一旦、定常状態の操作に達すると、出発材料の溶融流れの組成は、原料出発材料の供給比に依存する。例えば、もし供給比が変わると、新しい定常状態に達するまで長時間が必要となる可能性がある。
【0045】
押出後、本発明に係る方法は、分配プロセスを含む。バレルの出口開口から、材料の溶融混合物は、分配部材へと運ばれる。この分配部材は、流入する流れの一部を、プリントヘッドへの押出成形物を調整された供給に適する計量ポンプへ分配するために好適である。プリントヘッドに提供されない押出流れの残りは、オーバーフロー出口へ向けられる。押出流れの非使用部分をオーバーフロー出口へと移動させることによって、押出機内の圧力上昇が避けられ、チューブ内での材料の滞留時間が変化せず維持される。これは、押出プロセスでの乱れを防ぐのに役立ち、従って、定常状態に達した後、押出機の一定の流出を維持することに役立つ。分配部材は、押出流れを完全にオーバーフロー出口に向けるためにも使用することができる。これは、例えば、印刷プロセスが停止した場合、又は押出機が定常状態条件下で動作していない場合に有用である。分配部材は、三方圧力弁、又は上記の目的に適した任意の他の種類のバルブであることができる。
【0046】
オーバーフロー出口は、廃棄出口に接続され、品質管理のようなサンプリング目的のために、サンプリングポートに更に接続されてもよい。任意に、温度に敏感ではない成分を使用する場合、オーバーフロー出口は、押出機にフィードバックされ得る。これは、材料の損失を低減する。熱に敏感な活性医薬成分を使用する場合、材料の損失は、流れを更なる押出サイクルへ曝すことを引き起こすリサイクルよりも好ましい。そのような場合、オーバーフロー出口は、一般に廃棄出口へ接続される。
【0047】
印刷プロセスに必要な流れの一部は、計量ポンプの入口に供給される。このポンプは、印刷される材料の流量を制御するのに適した任意の種類のポンプであり得る。この計量ポンプは、許容可能な速さでの3D印刷に求められる機敏な方法で、プリントヘッドへの流れを自由に開始する及び停止するために使用されてもよい。例えば、最初の印刷シーケンスの終了と第2の印刷シーケンスの開始とを可能とする、又は出力を微妙に変更して、より正確な3D印刷構造を作成する。この変更は、印刷プロセスのタイムスケールと互換性があるために十分な速さである必要がある。
【0048】
計量ポンプから、材料の溶融混合物が、印刷ユニットへ向けられる。これは、計量ポンプから受け取られた流れから計量される方法での製品の3D印刷に適した1つ以上のノズルを備えるプリントヘッドであり得る。
【0049】
任意に、プリントヘッド内の個々のノズル又はノズルのセットは、更に計量ユニットを備えてもよい。これにより、ノズルからの流出をより正確に制御することができる。オーガーポンプは、材料が回転するスクリューによって移動するポンプである。アルキメデスタイプのスクリューは、オーガーポンプの好適なタイプを形成する。代わりに、ロータが回転する時に流体がポンプを介して、一連の小さな固定形状の個別のキャビティを介して移動する点に特徴があるプログレッシブポンプも好適である。
【0050】
システム内で材料の溶融流れの固化を避けるため、印刷される材料に接触する装置の全ての部分は、好適な温度に維持されてもよい。
【0051】
(図の詳細な説明)
本発明に係る医薬製品を製造する例示的な製造方法、又は医薬製品の製造装置が視覚化されたステージは、例示的なプロセス又は実施形態に限られず、これらの例で使用されている材料にも限定されないことが理解される。例えば更なるステップを含む他の製造方法、又は他の材料を使用する製品、同様にそのようなステップのために好適な部品又は部品を備える装置も想定される。
【0052】
図1は、特許文献1の教示に係るFDM装置を示す。装置は、ノズル1を備えるプリントヘッド2であって、そこから材料が印刷されるプリントヘッド2と、1つのスクリューを備えるバレルを有する押出ユニット3と、印刷される材料を押出機に供給するホッパー4と、を備える。特許文献1に記載の装置では、材料の溶融流れは、材料がそこから堆積されるプリントヘッドへ押出機から直接供給される。分配ユニットがない場合は、押出機の完全な出力ストリームがプリントヘッドへ向けられる。計量ユニットもない場合は、このストリームの流れは、調整されず、押出機からの出口流における流速及び又は組成の変動は、プリントユニットに向けられる。反対に、プリントヘッドによる堆積速度の変動は、押出機に伝わる。例えば、プリントヘッドからの中断する出力流れは、押出機内の圧力上昇をもたらし、印刷される材料の組成変動につながる処理条件の乱れを引き起こす。
【0053】
図2は、本発明の態様に係る製造方法の例示的な概略図を示す。この方法では、印刷される材料の混合物は、押出ユニット10に供給される。医薬製品の製造のため、混合物は、賦形剤と活性医薬成分との混合物を含む。食品原料のような他の成分も使用することができる。押出ユニットにおいて、出発物質の混合物は、混合され、溶融される。押出機を出る溶融流れ11は、分配ユニットへと供給される。このユニットは、押出機からの押出成形物の出力流れを、プリントヘッドへの押出成形物の調整された供給に適する計量ポンプに向けられる入力流れ12に分配するように適切に選択される。プリントヘッドに提供されない押出機からの一定の出力流れの一部は、オーバーフロー出口へ向かう残余流れ15へと分配される。
【0054】
プリントヘッドへの押出成形物の調整された供給のために適した計量ポンプは、前記プリントヘッドへの流れ13を提供し、プリントヘッドからは流れ14が排出され、所望の製品を形成する。オーバーフロー出口に接続された分配ユニットを含む方法を提供することで、印刷プロセスで使用されない流れの一部を、廃棄出口に向けさせることができる。これは、押出ユニット内の圧力上昇を防ぎ、前記押出機の安定した状態の出力の維持を容易とする。押出出力流れの未使用部分を廃棄出口に向けることにより、押出機内の成分の一定の滞留時間を維持することも容易となる。この方法では、押出プロセス中、一定の熱負荷が材料へ提供される。上述した両方の効果は、製造された製品の一定の組成と品質を維持することに役立つ。
【0055】
図3は、賦形剤と活性医薬成分との混合物22によって製造される医薬製品を製造するための装置21の第1の例示的な実施形態を概略的に示す。例示的な装置は、1つのスクリューが設けられたバレルを備える押出機装置23を備える。例示的な押出機は、一定の流れで押出成形物として押し出すための、所定の比率の賦形剤及び活性医薬成分の粉末又はペレット材料の混合物を受け取るために適している。出口開口から、押出成形物24は、押出機装置と計量ポンプ28との間に設けられた分配部材26の入口に供給される。分配装置は、押出機からの、印刷プロセス27で必要な押出成形物の一定の出力流れの一部を計量ポンプ28の入力へ分配するために適している。残余流れ25、つまり、プリントヘッドに提供されない押出機からの一定の出力流の一部を、オーバーフロー出口へ向ける。第1の例示的な実施形態において、
図3に示すように、分配部材は、三方圧力弁を備える。
【0056】
印刷プロセスに必要な流れは、プリントヘッド29への押出成形物の調整された供給に適した計量ポンプの入口に供給される。例示的な実施形態では、計量ポンプによって受け取られた流れから計量される方法で製品の3D印刷に適した、1つのノズルを含むプリントヘッドを示す。それぞれが1つ以上のノズルを有する複数のノズルを備えるプリントヘッド、又は代わりに複数のプリントヘッドも想定されることが理解される。同様に、食品原料のような他の成分から製品が形成されることも想定されることが理解される。
【0057】
図4は、賦形剤及び活性医薬成分の混合物32によって製造される医薬製品を製造する装置31の第2の例示的な実施形態を概略的に示す。例示的な装置は、1つのスクリューが設けられたバレルを備える押出機装置33を備える。例示的な押出機は、押出成形物として一定の流れで押し出すための所定の比率の賦形剤と活性医薬成分との粉末又はペレット材料の混合物を受け取るために適している。押出成形物34は、出口開口から、押出機装置とプリントヘッド38の入口との間に設けられた分配部材36の入口に供給される。分配装置は、印刷プロセスで必要となる押出機からの押出成形物の一定の出力流れの一部37を、プリントヘッドの入口に分配するために適している。残余流れ35、つまり、プリントヘッドに提供されない押出機からの一定の出力流の一部は、オーバーフロー出口へと向けられる。
【0058】
第2の例示的な実施形態において、分配部材は、三方圧力弁を備える。任意に、容積及び可動ピストンを含む部材のような圧力調整部材を、分配部材とプリントヘッドとの間に設けてもよい。例示的な第2の実施形態において、装置には2つのプリントヘッド38が設けられ、各ヘッドは、計量ポンプ39によって供給される2つのノズルを備え、ノズルは、圧力調整部材から受け取られた流れから計量される方法での製品の3D印刷に適している。本発明に係る第2の例示的な実施形態において、各ノズルは、個別の計量ポンプを備える。これは、例えば各ノズルの固有の必要性に対して材料の流れを調整する及び適合させることができるという追加の利点を有する。そのような流れを計量するために好適な任意のポンプを使用することができる。好適なポンプは、例えば、ギアポンプ、又はオージェポンプ若しくはプログレッシブキャビティポンプのようなアルキメデスタイプのスクリューポンプを含む。
【0059】
印刷プロセス中、押出機からの出力流れは、好ましくは、このプロセス中に計量ポンプによって要求される、例えば向けられる流れより大きいことが理解される。残余流れは、もしあれば、廃棄出口へと向けられてもよい。計量ポンプ流れへ向かう流れより多い、押出機からの出力流れを有することは、印刷プロセスにおける乱れを、例えば、材料の堆積の一時的な停止を回避することに貢献し得る。
【0060】
異なる数のプリントヘッド及び又は異なる数のノズルを備えるプリントヘッドを備える実施形態、又は単一の計量ポンプから流れが供給される複数のノズルを備えるプリントヘッド、並びに他の圧力調整部材を備える実施形態も想定されることが理解される。
【0061】
同様に、食品原料などの他の材料から形成された製品も同様に想定されることが理解されるだろう。
【0062】
[付記]
[付記1]
押出成形物として一定の流れで押し出すための押出機装置によって賦形剤と活性医薬成分(API)とを所定の比率で含む粉末又はペレット材料の混合物を受け取ること、
前記押出機からの前記押出成形物の一定の出力流れを、プリントヘッドへの前記押出成形物の調整された供給に適した計量ポンプへ向かう入力流れへ分配すること、
前記計量ポンプにより受け取られた前記流れから計量される方法で、製品の3D印刷に適した1つ以上のノズルを備えるプリントヘッドによって前記製品を印刷すること、及び、
前記プリントヘッドへ供給されてない、前記押出機からの前記一定の出力流れの一部を、オーバーフロー出口へ向かう残余流れへ分配すること、
を含む、
賦形剤と活性医薬成分との混合物によって製造される医薬製品を製造する方法。
【0063】
[付記2]
前記押出成形物の流れは、前記残余流れの品質管理パラメータに応じて中断される、
ことを特徴とする付記1に記載の方法、
【0064】
[付記3]
前記残余流れは、少なくとも部分的に廃棄へ分配される、
ことを特徴とする付記1に記載の方法、
【0065】
[付記4]
前記APIは、熱に敏感なAPIを含む、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
【0066】
[付記5]
賦形剤と活性医薬成分との混合物から製造される医薬製品を製造するための装置であって、
押出成形物として一定の流れで押し出すための、所定の比率の賦形剤と活性医薬成分の粉末又はペレット材料の混合物を受け取るために適した押出機装置、
計量ポンプによって受け取られた前記流れから計量される方法での前記製品の3D印刷に適した1つ以上のノズルを備えるプリントヘッド、
前記押出機装置の出口と前記プリントヘッドの入口との間に設けられた計量ポンプであって、前記プリントヘッドへの前記押出成形物の調整された供給に適した計量ポンプ、及び、
前記押出機装置と前記計量ポンプとの間に設けられた分配部材、
を備え、
前記分配部材は、
i)前記押出機装置の前記出口に接続された入口、
ii)オーバーフロー出口へ向かう出口、及び、
iii)前記計量ポンプの入口へ向かう出口、
を備え、
前記分配部材は、前記プリントヘッドへ供給されていない前記押出機からの前記一定の出力流れを、前記オーバーフロー出口へ向かう残余流れに分配することに適し、前記押出機からの前記押出成形物の前記一定の流れを、前記計量ポンプの前記入口に分配する、
装置。
【0067】
[付記6]
前記分配部材は、自動的に、前記押出機からの前記一定の出力流れを、前記計量ポンプへ向かう入力流れと前記オーバーフロー出口へ向かう残余流れとへ分配する三方圧力弁を含む、
ことを特徴とする付記5に記載の装置。
【0068】
[付記7]
前記オーバーフロー出口を通る前記残余流れは、少なくとも部分的に廃棄出口へ分配される、
ことを特徴とする付記6に記載の装置。
【0069】
[付記8]
前記オーバーフロー出口を通る前記残余流れは、少なくとも部分的に、品質管理目的のサンプリングに適したサンプリングポートへと分配される、
ことを特徴とする付記6に記載の装置。
【0070】
[付記9]
前記計量ポンプは、ギアポンプである、
ことを特徴とする付記5に記載の装置。
【0071】
[付記10]
前記計量ポンプは、オージェポンプである、
ことを特徴とする付記5乃至8のいずれか1つに記載の装置。
【0072】
[付記11]
前記オージェポンプは、アルキメデスタイプスクリューポンプまたはプログレッシブキャビティポンプである、
ことを特徴とする付記10に記載の装置。