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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】超音波振動子
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20231215BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
A61B8/12
H04R17/00 330C
H04R17/00 330H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021509403
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2020012778
(87)【国際公開番号】W WO2020196428
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】P 2019058608
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】井口 陽
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/056611(WO,A1)
【文献】特開2009-206789(JP,A)
【文献】特開2009-153603(JP,A)
【文献】特開2009-152786(JP,A)
【文献】特開2009-152785(JP,A)
【文献】特開平08-191835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
A61B 1/00
A61B 1/313
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子と、前記圧電素子を支持する支持部材と、を備える超音波振動子であって、
前記圧電素子は、
扁平状の圧電体と、
前記圧電体の厚み方向の少なくとも一方側に積層されている第1電極と、
前記圧電体の前記厚み方向の少なくとも他方側に積層されている第2電極と、からなり、
前記支持部材は、
前記圧電素子の前記第1電極と接続されている第1端子と、
前記圧電素子の前記第2電極に接続されている第2端子と、を備え、
前記第1端子及び前記第2端子は、前記厚み方向で前記圧電素子と重ならない部分を備え
前記支持部材は、前記厚み方向の前記他方側で前記圧電素子に積層され、前記厚み方向と直交する方向において前記圧電素子よりも外側まで延在している支持本体部を備え、
前記第1端子及び前記第2端子は前記支持本体部に支持されている、超音波振動子。
【請求項2】
前記圧電素子の前記第1電極は、
前記圧電体の前記厚み方向の前記一方側に位置する表面電極層と、
前記圧電体の前記厚み方向の前記他方側に位置する裏面電極層と、
前記表面電極層及び前記裏面電極層を連結する連結導電部と、を備える、請求項に記載の超音波振動子。
【請求項3】
前記第1端子は、前記圧電素子と前記支持本体部との間で、前記第1電極の前記裏面電極層に接続されている、請求項に記載の超音波振動子。
【請求項4】
前記第2端子は、前記圧電素子と前記支持本体部との間で、前記第2電極に接続されている、請求項からのいずれか1つに記載の超音波振動子。
【請求項5】
前記圧電素子は、
前記厚み方向で前記第1端子と重なる部分及び前記第2端子と重なる部分から成る第1部分と、
前記第1部分を除く第2部分と、を備え、
前記第2部分の前記厚み方向の前記他方側の全域は、前記支持本体部に覆われている、請求項からのいずれか1つに記載の超音波振動子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は超音波振動子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波振動子を含む超音波探触子は、医療用超音波診断装置の超音波の送受信器として利用されている。最近では、カテーテルに超音波探触子を装填して、カテーテルを体内に挿入した状態で超音波診断をすることが行なわれている。
【0003】
特許文献1には、頂部主表面及び底部主表面を有するアクティブトランスジューサエレメントと、頂部主表面上に形成される頂部電極と、底部主表面上に形成される底部電極と、底部電極を覆う導電性バッキングエレメントと、頂部電極に電気的に接続されている第1リードと、導電性バッキングエレメントに電気的に接続される第2リードと、を備える超音波探触子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-198425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カテーテルに装填される超音波探触子では、患者負担を軽減するため、及び、血管深部などのより細径な体腔への挿入性を高めるため、小型化の要求が高い。
【0006】
超音波探触子の小型化は、圧電体及び一対の電極からなる圧電素子を含む超音波振動子を小型化することで実現できる。しかしながら、超音波振動子を小型化すると、圧電素子も小さくなる。そのため、圧電素子の電極も小さくなり、圧電素子と外部電源とを接続する電気信号線を、圧電素子の電極に接続する作業が困難になる。
【0007】
本開示は、圧電素子に対して電気信号線を接続することが容易となる構成を備える超音波振動子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様としての超音波振動子は、圧電素子と、前記圧電素子を支持する支持部材と、を備える超音波振動子であって、前記圧電素子は、扁平状の圧電体と、前記圧電体の厚み方向の少なくとも一方側に積層されている第1電極と、前記圧電体の前記厚み方向の少なくとも他方側に積層されている第2電極と、からなり、前記支持部材は、前記圧電素子の前記第1電極と接続されている第1端子と、前記圧電素子の前記第2電極に接続されている第2端子と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子は、前記厚み方向で前記圧電素子と重ならない部分を備える。
【0009】
本開示の1つの実施形態として、前記支持部材は、前記厚み方向の前記他方側で前記圧電素子に積層され、前記厚み方向と直交する方向において前記圧電素子よりも外側まで延在している支持本体部を備え、前記第1端子及び前記第2端子は前記支持本体部に支持されている。
【0010】
本開示の1つの実施形態として、前記圧電素子の前記第1電極は、前記圧電体の前記厚み方向の前記一方側に位置する表面電極層と、前記圧電体の前記厚み方向の前記他方側に位置する裏面電極層と、前記表面電極層及び前記裏面電極層を連結する連結導電部と、を備える。
【0011】
本開示の1つの実施形態として、前記第1端子は、前記圧電素子と前記支持本体部との間で、前記第1電極の前記裏面電極層に接続されている。
【0012】
本開示の1つの実施形態として、前記第2端子は、前記圧電素子と前記支持本体部との間で、前記第2電極に接続されている。
【0013】
本開示の1つの実施形態として、前記圧電素子は、前記厚み方向で前記第1端子と重なる部分及び前記第2端子と重なる部分から成る第1部分と、前記第1部分を除く第2部分と、を備え、前記第2部分の前記厚み方向の前記他方側の全域は、前記支持本体部に覆われている。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、圧電素子に対して電気信号線を接続することが容易となる構成を備える超音波振動子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施形態としての超音波振動子を含む画像診断用カテーテルと、外部装置と、が接続された状態を示す図である。
図2図1に示す画像診断用カテーテルの先端部における長手方向に平行な断面を示す断面図である。
図3図1に示す画像診断用カテーテルの超音波振動子を示す図である。
図4図3に示す超音波振動子における圧電素子の裏面を示す図である。
図5図3に示す超音波振動子の分解斜視図である。
図6図3に示す超音波振動子において、圧電素子と支持部材との厚み方向の重なる領域を示す図である。
図7】電気信号線を第1端子に接続する工程の概要を示す図である。
図8】本開示の一実施形態としての超音波振動子を含む画像診断用カテーテルの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示に係る超音波振動子の実施形態について図面を参照して説明する。各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
【0017】
まず、本開示に係る超音波振動子を適用可能な画像診断装置の一例を説明する。図1は、一実施形態としての超音波振動子11を備える画像診断装置100を示す図である。
【0018】
画像診断装置100は、画像診断用カテーテル110と、外部装置120と、を備える。図1では、画像診断用カテーテル110が外部装置120に接続されている状態を示している。図2は、画像診断用カテーテル110の先端部における長手方向Aに平行な断面を示す断面図である。図3は、超音波振動子11を示す図である。図3では、説明の便宜上、超音波振動子11に接続される電気信号線14の位置を二点鎖線により示している。図4は、図3に示す超音波振動子11における圧電素子1の裏面を示す図である。図5は、図3に示す超音波振動子11の分解斜視図である。図5においても、説明の便宜上、超音波振動子11に接続される電気信号線14の位置を二点鎖線により示している。また、図5では、説明の便宜上、圧電素子1の第1電極5の裏面電極層5bの位置、及び、第2電極6の位置を破線により示している。図6は、図3に示す超音波振動子11において、圧電素子1と支持部材2との厚み方向Bの重なる領域を示す図である。
【0019】
<画像診断用カテーテル110>
画像診断用カテーテル110は、血管内超音波診断法(Intravascular Ultrasound、略称「IVUS」)に適用される。図1に示すように、画像診断用カテーテル110は、外部装置120に接続されることによって駆動される。より具体的に、本実施形態の画像診断用カテーテル110は、外部装置120の駆動ユニット120aに接続されている。
【0020】
以下、説明の便宜上、画像診断用カテーテル110において、画像診断用カテーテル110の長手方向Aで生体内に挿入される側を「先端側」と記載し、その反対側を「基端側」と記載する。また、画像診断用カテーテル110の基端側から先端側に向かう方向を単に「挿入方向A1」と記載する場合がある。また、画像診断用カテーテル110の先端側から基端側に向かう方向を単に「抜去方向A2」と記載する場合がある。
【0021】
図1に示すように、画像診断用カテーテル110は、挿入部110aと、操作部110bと、を備える。挿入部110aは、画像診断用カテーテル110のうち、生体内に挿入されて使用される部位である。操作部110bは、画像診断用カテーテル110のうち、挿入部110aが生体内に挿入されている状態で、生体外で操作される部位である。本実施形態の画像診断用カテーテル110では、後述する先端側コネクタ42(図1参照)よりも先端側の部分が挿入部110aであり、先端側コネクタ42から基端側の部分が操作部110bである。
【0022】
図1図2に示すように、挿入部110aは、超音波探触子10と、シース20と、を備える。
【0023】
図1に示すように、操作部110bは、内管部材30と、外管部材40と、を備える。内管部材30は、超音波探触子10の基端側の端部を保持している。外管部材40は、シース20の基端側の端部を保持している。詳細は後述するが、内管部材30が外管部材40内を中心軸方向に移動することで、超音波探触子10がシース20内を長手方向Aに移動することができる。また、詳細は後述するが、超音波探触子10の一部である駆動シャフト13及び電気信号線14は、内管部材30及び外管部材40の内部を通じて、長手方向Aにおいて、挿入部110aの領域のみならず、操作部110bの領域に亘って延在している。つまり、本実施形態の操作部110bは、内管部材30及び外管部材40に加えて、超音波探触子10により一部が構成されている。
【0024】
[超音波探触子10]
図2に示すように、超音波探触子10は、超音波振動子11と、ハウジング12と、駆動シャフト13と、電気信号線14と、を備える。
【0025】
図3に示すように、超音波振動子11は、圧電素子1と、支持部材2と、音響整合部材3と、を備える。具体的に、圧電素子1は、扁平状の圧電体4と、この圧電体4の厚み方向Bの少なくとも一方側に積層されている第1電極5と、圧電体4の厚み方向Bの少なくとも他方側に積層されている第2電極6と、からなる。以下、説明の便宜上、少なくとも第1電極5の一部が設けられている、圧電体4の厚み方向Bの一方側を「圧電素子1の表面側」と記載する。また、説明の便宜上、少なくとも第2電極6の一部が設けられている、圧電体4の厚み方向Bの他方側を「圧電素子1の裏面側」と記載する。圧電素子1の表面側とは、超音波の送受信を行う側である。また、圧電素子1の裏面側とは、超音波の送受信を行う側とは反対側である。
【0026】
圧電素子1の圧電体4は、例えば、圧電セラミックシートにより構成される。圧電セラミックシートの材料としては、例えば、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、ニオブ酸リチウムなどの圧電セラミック材料が挙げられる。圧電体4は、圧電セラミック材料ではなく、水晶により形成されていてもよい。
【0027】
圧電素子1の第1電極5及び第2電極6は、例えば、マスク材を用いたイオンプレーティング法、蒸着法、スパッタ法により、圧電体4の厚み方向Bの両面それぞれに電極層として積層させることで形成できる。第1電極5及び第2電極6の材料としては、例えば、銀、クロム、銅、ニッケル、金などの金属や、これら金属の積層体などが挙げられる。
【0028】
図3図4に示すように、本実施形態の第2電極6は、圧電素子1の裏面側のみに形成されている。
【0029】
これに対して、図3図4に示すように、本実施形態の第1電極5は折返し電極により構成されている。具体的に、本実施形態の第1電極5は、表面電極層5aと、裏面電極層5bと、連結導電部5cと、を備える。表面電極層5aは、圧電素子1の表面側に位置する。裏面電極層5bは、圧電素子1の裏面側に位置する。連結導電部5cは、表面電極層5a及び裏面電極層5bを連結している。換言すれば、本実施形態の第1電極5は、圧電素子1の表面側から裏面側に亘って形成されている。第1電極5を折返し電極とすることで、圧電素子1の裏面側に、第1電極5の裏面電極層5b、及び、第2電極6、を共に配置できる。これにより、第1電極及び第2電極それぞれが圧電素子の別々の面のみに配置されている場合と比較して、電気信号線14と第1電極5及び第2電極6との接続作業を圧電素子1の片面側のみで行うことができるようになる。
【0030】
また、図6に示すように、圧電素子1は、厚み方向Bで、後述する支持部材2の第1端子7と重なる部分及び第2端子8と重なる部分から成る第1部分1aと、厚み方向Bで、第1部分1aを除く第2部分1bと、を備える。この詳細は後述する。
【0031】
また、図6に示すように、超音波振動子11を厚み方向Bで見た平面視において、圧電素子1の外形は、長方形とするよりも、本実施形態のように正方形とすることが好ましい。このようにすることで、超音波の直進性を高めることができる。したがって、図6に示すように、圧電素子1の縦(図6の上下方向)及び横(図6の左右方向)の長さを略等しくすることが好ましい。更に、血管内で使用される小型の超音波振動子11の場合には、超音波の出力を高めることが好ましい。そのため、圧電素子1の主に振動する部分である第2部分1bを大きく確保することが好ましい。以上のことから、圧電素子1は、図6に示す平面視で正方形の外形であり、かつ、圧電素子1の第2部分1bの面積は、圧電素子1の第1部分1aの面積よりも大きいことが好ましい。
【0032】
図3に示すように、支持部材2は、圧電素子1を支持する。また、図3図5に示すように、支持部材2は、圧電素子1の第1電極5と接続されている第1端子7と、圧電素子1の第2電極6に接続されている第2端子8と、を備える。また、図3に示すように、第1端子7及び第2端子8は、厚み方向Bで圧電素子1と重ならない部分を備える。このような第1端子7及び第2端子8を備えることで、圧電素子1の第1電極5及び第2電極6との電気接点を、圧電素子1の外側に引き出すことができる。そのため、例えば小型化された圧電素子1など、電気信号線14を圧電素子1の第1電極5及び第2電極6に直接接続することが困難な場合であっても、上述の第1端子7及び第2端子8を利用することで、圧電素子1に対して電気信号線14を電気的に接続することが容易となる。
【0033】
図3に示すように、本実施形態の支持部材2は、圧電素子1の裏面側から圧電素子1を支持している。換言すれば、支持部材2は、圧電素子1の裏面側を覆うように、圧電素子1の裏面側に積層されている。
【0034】
第1端子7及び第2端子8の材料としては、例えば、銀、クロム、銅、ニッケル、金などの金属や、これら金属の積層体などが挙げられる。
【0035】
より具体的に、本実施形態の支持部材2は、圧電素子1の裏面側に積層されている支持本体部9を備える。支持本体部9は、圧電素子1の少なくとも圧電体4の裏面側の全域を覆っている。本実施形態の支持本体部9は、圧電素子1の裏面側の全域を覆っている。より具体的に、本実施形態の支持本体部9は、圧電素子1の厚み方向Bと直交する方向C(以下、「面内方向C」と記載する。)において圧電素子1よりも外側まで延在している。本実施形態の第1端子7及び第2端子8は、支持本体部9に支持されている。
【0036】
支持部材2の支持本体部9は、例えば、ゴムや、タングステン粉末などの金属粉末を分散させたエポキシ樹脂など、により構成される吸音体である。支持部材2の支持本体部9により、ノイズとなる圧電素子1からの超音波を吸収することができる。つまり、本実施形態の支持部材2は、圧電素子1の超音波を吸収する吸音層を構成している。
【0037】
支持部材2としての吸音層は、支持本体部9を形成するシート材上に、第1端子7及び第2端子8を予め配設しておき、このシート材を圧電素子1に張り合わせる方法などによって形成することができる。第1端子7及び第2端子8は、例えば、マスク材を用いたイオンプレーティング法、蒸着法、スパッタ法により、支持本体部9を形成するシート材に積層させて形成してもよく、その製法は特に限定されない。第1端子7及び第2端子8を形成する端子部材を支持本体部9に接着等して接合してもよい。
【0038】
図3図5に示すように、本実施形態の第1端子7は、圧電素子1と支持本体部9との間で、第1電極5の裏面電極層5bに接続されている。換言すれば、本実施形態の圧電素子1及び支持部材2は、第1電極5の裏面電極層5bと第1端子7とが対向するように積層されている。また、本実施形態の第1端子7は、圧電素子1と支持本体部9との間の位置から、面内方向Cにおいて圧電素子1よりも外側まで延在している。換言すれば、第1端子7は、支持本体部9の厚み方向Bの圧電素子1側の面(以下、「支持本体部9の上面」と記載する。)上で、厚み方向Bで圧電素子1と重ならない位置まで引き出されている。
【0039】
図3図5に示すように、本実施形態の第2端子8は、圧電素子1と支持本体部9との間で、第2電極6に接続されている。換言すれば、本実施形態の圧電素子1及び支持部材2は、第2電極6と第2端子8とが対向するように積層されている。また、本実施形態の第2端子8は、圧電素子1と支持本体部9との間の位置から、面内方向Cにおいて圧電素子1よりも外側まで延在している。換言すれば、第2端子8は、支持本体部9の上面上で、厚み方向Bで圧電素子1と重ならない位置まで引き出されている。
【0040】
このように、圧電素子1の第1電極5及び第2電極6は、圧電素子1の裏面側で、支持部材2の第1端子7及び第2端子8に接続される。そのため、超音波の送受信を行う圧電素子1の表面側で、電気信号線14の接続箇所を確保しなくてよく、電気信号線14の接続に際して、超音波振動子11のうち超音波の送受信を行う圧電素子1の表面側の部分が破損することを抑制できる。また、第1端子7及び第2端子8を、圧電素子1と支持本体部9との間の位置から、面内方向Cにおいて圧電素子1よりも外側まで延在させることで、第1端子7及び第2端子8は、圧電素子1の表面側から視認可能な状態となる。そのため、電気信号線14を第1端子7及び第2端子8に接続する作業を、接続箇所を目視等で監視しながら、実行することができる。これにより、接続不良による不良品の発生を抑制できる。
【0041】
また、本実施形態の第1端子7及び第2端子8は、画像診断用カテーテル110において、厚み方向Bで圧電素子1と重なる位置から、長手方向Aの基端側に向かって引き出されている。そのため、本実施形態の第1端子7及び第2端子8のうち、厚み方向Bで圧電素子1と重ならない部分は、圧電素子1に対して基端側に設けられている。これにより、図2に示すように、本実施形態の第1端子7及び第2端子8は、駆動シャフト13の先端からハウジング12内に延在する電気信号線14の先端部14aと、容易に接続することができる。
【0042】
更に、図3に示すように、本実施形態の第1端子7及び第2端子8は、支持部材2の面内方向Cの周縁まで延在している。より具体的に、本実施形態の第1端子7及び第2端子8は、支持本体部9の面内方向Cの端面と面一となる位置まで延在している。このようにすることで、超音波振動子11の外部から電気信号線14を、より容易に第1端子7及び第2端子8に接続することができる。
【0043】
また、本実施形態の支持部材2では、圧電素子1の裏面と対向する支持本体部9の上面に2つの溝部9aが区画されている。本実施形態の溝部9aの横断面は矩形状であるが、例えば、V字形状、円弧形状など、別の横断面形状であってもよい。本実施形態の第1端子7及び第2端子8は、支持本体部9の溝部9a内に配置されている。また、圧電素子1の裏面と対向する第1端子7の上面及び第2端子8の上面は、支持本体部9の上面と面一になるように配置されている。これにより、圧電素子1及び支持部材2を積層することで、圧電素子1の第1電極5及び第2電極6と、支持部材2の第1端子7及び第2端子8と、を接触させること可能になると共に、圧電素子1の支持部材2上での位置安定性を向上させることができる。圧電素子1の第1電極5及び第2電極6と、支持部材2の第1端子7及び第2端子8と、は導電性接着剤等を用いて接続される。
【0044】
但し、圧電素子1の裏面と対向する第1端子7の上面及び第2端子8の上面は、支持本体部9の上面よりも突出せず、溝部9a内に配置されていてもよい。このような場合は、圧電素子1の第1電極5及び第2電極6と、支持部材2の第1端子7及び第2端子8と、の間を、上述の導電性接着剤等の導電材で充填すればよい。このようにすることで、第1端子7の上面、第2端子8の上面、及び、支持本体部9の上面を面一とすることによる上述の効果と同様の効果を得ることができる。
【0045】
更に、図3図5に示すように、本実施形態の第1端子7は、電気信号線14を収容する溝部7aを区画している。第1端子7がこのような溝部7aを区画していることで、電気信号線14を溝部7a内に位置決めした状態で、電気信号線14を第1端子7に接続することができる。そのため、電気信号線14と第1端子7との接続作業の効率が向上する。
【0046】
また、図3図5に示すように、本実施形態の第2端子8についても、電気信号線14を収容する溝部8aを区画している。第2端子8がこのような溝部8aを区画していることで、電気信号線14を溝部8a内に位置決めした状態で、電気信号線14を第2端子8に接続することができる。そのため、電気信号線14と第2端子8との接続作業の効率が向上する。
【0047】
このように、第1端子7及び第2端子8に溝部(本実施形態では溝部7a、8a)を設けることで、電気信号線14を各端子(本実施形態では第1端子7、第2端子8)に接続し易くなる。本実施形態の溝部7a及び溝部8aの横断面形状は矩形状であるが、例えば、V字形状、円弧形状などの横断面形状を有する溝部としてもよい。また、溝部7a及び溝部8aについても、支持本体部9の面内方向Cの端面と面一となる位置まで延在していることが好ましい。このようにすることで、電気信号線14を、より位置決めし易くなる。
【0048】
ここで、電気信号線14を第1端子7に接続する方法の一例を説明する。図7は、電気信号線14を第1端子7に接続する工程の概要を示す図である。まず、電気信号線14の端部に、被覆材が除去された導線からなる接続部14aを形成する。また、第1端子7の溝部7aにハンダペースト205を充填する。ハンダペースト205に代えて、予備はんだを溝部7aに充填してもよい。この状態で、電気信号線14の接続部14aを、第1端子7の溝部7aに充填されているハンダペースト205上に配置する。溝部7aに充填されているハンダペースト205内に埋没させてもよい。ハンダペースト205との間に接続部14aを挟み込むように、予備はんだやハンダペーストを更に塗布してもよい。次に、熱風で加熱することで、ハンダペースト205や予備はんだを溶融させ、接続部14aを溝部7a内で、第1端子7に接続する。このようにして、電気信号線14を第1端子7に接続することができる。
【0049】
ここでは電気信号線14と第1端子7との接続方法を示したが、電気信号線14と第2端子8との接続方法についても同様である。
【0050】
また、上述したように、圧電素子1は、厚み方向Bで第1端子7と重なる部分及び第2端子8と重なる部分から成る第1部分1aと、第1部分1aを除く第2部分1bと、を備える(図6参照)。図6に示すように、本実施形態では、圧電素子1の第2部分1bの裏面側の全域は、支持本体部9に覆われている。このような構成とすることで、圧電素子1の主に振動する部分である第2部分1bの裏面全域に支持本体部9が配置される。そのため、ノイズとなる圧電素子1からの超音波を、支持本体部9により、より確実に吸収することができる。
【0051】
図3に示すように、音響整合部材3は、圧電素子1の表面側の一部を覆うように積層されている。より具体的に、本実施形態の音響整合部材3は、圧電素子1の第2部分1bの表面側の大部分(例えば80%以上)を覆うように積層されているが、この構成に限られず、圧電素子1の第2部分1bの表面側の全域を覆うように積層されていてもよい。また、圧電素子1の第1部分1a及び第2部分1bの両方の表面側を覆うように積層されていてもよく、圧電素子1の表面側の全域を覆うように積層されていてもよい。
【0052】
音響整合部材3を設けることにより、被検体への超音波の伝播効率を高めることができる。つまり、本実施形態の音響整合部材3は、超音波の伝播効率を高める音響整合層を構成している。
【0053】
音響整合部材3としての音響整合層は、音響整合層を形成するシート材を圧電素子1に張り合わせる方法、音響整合層を形成する液状の音響整合性材料を塗布して硬化させる方法、などによって形成することができる。音響整合部材3の材料としては、例えば、エポキシ樹脂などの樹脂材料が挙げられる。また、音響整合部材3は、樹脂材料から構成された樹脂層の積層体により構成されていてもよい。
【0054】
図2に示すように、ハウジング12は、超音波振動子11を内部に収容している。ハウジング12の基端側は、駆動シャフト13に接続されている。ハウジング12は、軸方向の両端部が閉鎖されている円筒状の金属パイプの周壁の一部に開口部12aが設けられた形状をしており、金属塊からの削り出しやMIM(金属粉末射出成形)等により形成される。
【0055】
より具体的に、本実施形態のハウジング12は、上述した開口部12aよりも先端側に位置する先端壁部12bと、上述した開口部12aよりも基端側に位置する基端壁部12cと、を備える。本実施形態のハウジング12の内部空間は、先端壁部12b及び基端壁部12cにより軸方向の両端部が閉鎖されている。このように超音波振動子11の先端側及び基端側でハウジング12が閉鎖されていることで、超音波の誤検出を抑制し、画像診断の精度を向上させることができる。図2に示すように、駆動シャフト13内を延在する電気信号線14は、基端壁部12cを貫通してハウジング12内まで延在している。
【0056】
駆動シャフト13は、可撓性を有する管体により構成されている。駆動シャフト13の内部には、超音波振動子11に接続される電気信号線14が配置されている。駆動シャフト13は、例えば、軸まわりの巻き方向が異なる多層のコイルによって構成される。コイルの材料としては、例えば、ステンレス、Ni-Ti(ニッケル・チタン)合金などが挙げられる。このような駆動シャフト13にすることで、2本の電気信号線14を二重らせん状のツイストペアケーブルにより構成しても、シールド性を高めて電気信号線14から発生するノイズによる影響を軽減することができる。
【0057】
駆動シャフト13は、内管部材30及び外管部材40の内部を通って、内管部材30の基端部に位置する後述のハブ32まで延在している。つまり、駆動シャフト13は、長手方向Aにおいて、挿入部110aの先端部から操作部110bの基端部まで延在している。
【0058】
図2に示すように、電気信号線14は、駆動シャフト13内に延在しており、超音波振動子11と外部装置120とを電気的に接続している。つまり、電気信号線14は、駆動シャフト13と同様、長手方向Aにおいて、挿入部110aの先端部から操作部110bの基端部まで延在している。電気信号線14は複数(本実施形態では2本)設けられており、各電気信号線14は、上述した支持部材2の第1端子7又は第2端子8を介して、上述した圧電素子1の第1電極5又は第2電極6に接続されている。複数の電気信号線14は、例えば、2本の電気信号線14が撚り合わされたツイストペアケーブルにより構成される。各電気信号線14は、外径が0mmより大きく0.1mm以下の、可撓性を有する柔軟な細線部材とすることができる。各電気信号線14は、例えば、0mmより大きく0.05mm以下の導線と、絶縁材料により形成され、導線の周囲を被覆する被覆材と、により構成可能である。このような電気信号線14は、被覆材が除去されて露出した導線により構成される接続部14a(図3図5参照)で、圧電素子1と接続される。
【0059】
本実施形態において、2本の電気信号線14の接続部14aは、はんだ、導電性接着剤などを用いて、支持部材2の第1端子7及び第2端子8に接続される(図7参照)。これにより、2本の電気信号線14は、支持部材2の第1端子7及び第2端子8を介して、圧電素子1の第1電極5及び第2電極6に電気的に接続される。より具体的に、2本の電気信号線14は、ハウジング12の基端壁部12cよりも先端側で、支持部材2の第1端子7及び第2端子8に接続されている。
【0060】
[シース20]
図2に示すように、シース20は、第1中空部21a及び第2中空部21bを区画している。第1中空部21aには、超音波探触子10が収容されている。超音波探触子10は、第1中空部21a内において、長手方向Aに進退移動することができる。第2中空部21bには、ガイドワイヤWが挿通可能である。本実施形態では、第2中空部21bを区画する管状のガイドワイヤ挿通部20bが、第1中空部21aを区画する管状の本体部20aの先端部に対して、互いが平行な状態になるように位置している。本体部20a及びガイドワイヤ挿通部20bは、互いに異なる管部材を熱融着等によって接合することで形成可能であるが、このような形成方法に限られない。
【0061】
本体部20aには、X線が不透過な材料で形成されるX線造影性を有するマーカ22が設けられている。また、ガイドワイヤ挿通部20bにおいても、X線造影性を有するマーカ23が設けられている。マーカ22及び23は、例えば、白金、金、イリジウム、タングステン等のX線不透過性の高い金属コイルにより構成可能である。
【0062】
シース20の長手方向Aにおいて超音波振動子11が移動する範囲には、超音波の透過性が他の部位に比べて高く形成された窓部24が形成されている。より具体的に、本実施形態の窓部24は、シース20のうち本体部20aに形成されている。
【0063】
本体部20aの窓部24、及び、ガイドワイヤ挿通部20bは、可撓性を有する材料で形成され、その材料は特に限定されない。構成材料としては、例えば、ポリエチレン、スチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリブタジエン、トランスポリイソプレン、フッ素ゴム、塩素化ポリエチレン等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等も使用することができる。
【0064】
本体部20aの窓部24よりも基端側は、窓部24よりも剛性が高い材料によって補強された補強部を有する。補強部は、例えば、樹脂等の可撓性を有する管状部材に、ステンレス製などの金属素線を網目状に編組した補強材が配設されて形成される。上記管状部材は、窓部24と同様の材料によって形成される。
【0065】
シース20の外表面には、湿潤時に潤滑性を示す親水性潤滑被覆層を配置することが好ましい。
【0066】
シース20の本体部20aの先端部には、第1中空部21aの内部と外部とを連通する連通孔26が形成されている。プライミング時には、この連通孔26を通じて、本体部20a内の気体を排出することができる。
【0067】
[内管部材30及び外管部材40]
図1に示すように、内管部材30は、内管31と、ハブ32と、を備える。内管31は、外管部材40内で進退移動可能に挿入されている。ハブ32は、内管31の基端側に設けられている。
【0068】
図1に示すように、外管部材40は、外管41と、先端側コネクタ42と、基端側コネクタ43と、を備える。外管41は、内管31の径方向外側に位置し、外管41内を内管31が進退移動する。先端側コネクタ42は、シース20の本体部20aの基端部と、外管41の先端部と、を接続している。基端側コネクタ43は、外管41の基端部に設けられ、内管31を外管41内に受容するように構成されている。
【0069】
上述した超音波探触子10の駆動シャフト13及び電気信号線14は、シース20の本体部20a、この本体部20aの基端側に接続された外管部材40、及び、この外管部材40に一部が挿入されている内管部材30の基端部に位置するハブ32まで、延在している。
【0070】
上述した超音波探触子10及び内管部材30は、それぞれが一体的に長手方向Aに進退移動するように互いに接続されている。そのため、例えば、内管部材30が、挿入方向A1に向かって押される操作がなされると、内管部材30は、挿入方向A1に向かって、外管部材40内に押し込まれる。内管部材30が挿入方向A1に向かって外管部材40内に押し込まれると、内管部材30に接続されている超音波探触子10がシース20の本体部20a内を挿入方向A1に移動する。逆に、内管部材30が、抜去方向A2に向かって引かれる操作がなされると、内管部材30は、外管部材40内から抜去方向A2に引き出される。内管部材30が外管部材40内から抜去方向A2に引き出されると、内管部材30に接続されている超音波探触子10はシース20の本体部20a内を抜去方向A2に移動する。
【0071】
内管部材30が挿入方向A1へ最も押し込まれたときには、内管部材30の先端部は、外管部材40の先端側コネクタ42付近まで到達する。この際、超音波探触子10の超音波振動子11は、シース20の本体部20aの先端付近に位置する。
【0072】
内管部材30の先端部には、内管部材30が外管部材40よりも先端側に飛び出すことを防止すると共に、内管部材30が最も基端側に引かれたときに外管部材40の基端側に抜け落ちることを防止するストッパ部が設けられている。ストッパ部は、上記機能を実現できる構成であれば特に限定されず、例えば、所定の位置で外管部材40と長手方向Aにおいて突き当たる壁部などにより構成すればよい。
【0073】
内管部材30のハブ32の基端には、外部装置120と機械的および電気的に接続されるコネクタ部が設けられている。つまり、画像診断用カテーテル110は、内管部材30のハブ32に設けられたコネクタ部により、外部装置120と機械的および電気的に接続される。より具体的に、超音波探触子10の電気信号線14は、超音波振動子11からハブ32のコネクタ部まで延在しており、ハブ32のコネクタ部が外部装置120に接続された状態で、超音波振動子11と外部装置120とを電気的に接続する。超音波振動子11における受信信号は、ハブ32のコネクタ部を介して外部装置120に送信され、所定の処理を施されて画像として表示される。
【0074】
<外部装置120>
図1に示すように、外部装置120は、駆動シャフト13を回転させるための動力源であるモータ121と、駆動シャフト13を長手方向Aに移動させるための動力源であるモータ122と、を有する。モータ122の回転運動は、モータ122に接続したボールネジ123によって軸方向の運動に変換される。
【0075】
より具体的に、本実施形態の外部装置120は、駆動ユニット120aと、この駆動ユニット120aに有線又は無線で電気的に接続されている制御装置120bと、この制御装置120bが画像診断用カテーテル110から受信した受信信号に基づいて生成した画像を表示可能なモニタ120cと、を備える。本実施形態の上述したモータ121、モータ122及びボールネジ123は、駆動ユニット120aに設けられている。この駆動ユニット120aの動作は、制御装置120bによって制御される。制御装置120bは、CPU及びメモリを含むプロセッサにより構成することができる。
【0076】
外部装置120は、本実施形態で示す構成に限られず、例えば、キーボード等の外部入力部を更に備える構成であってもよい。
【0077】
本開示に係る超音波振動子は上述した実施形態で特定される具体的な構成に限られず、請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。本実施形態の超音波振動子11では、第1電極5が折返し電極により構成されているが、第1電極5及び第2電極6がいずれも折返し電極ではなく、それぞれ片面のみに積層されている構成であってもよい。また、第1電極5に代えて、第2電極6が折返し電極により構成されていてもよい。但し、本実施形態のように、第1電極5を折返し電極として構成することで、圧電素子1の第1電極5及び第2電極6は、圧電素子1の裏面側で、支持部材2の第1端子7及び第2端子8に接続される。そのため、上述したように、超音波の送受信を行う圧電素子1の表面側で、電気信号線14の接続箇所を確保しなくてよく、電気信号線14の接続に際して、超音波振動子11のうち超音波の送受信を行う圧電素子1の表面側の部分が破損することを抑制できる。
【0078】
また、本開示に係る超音波振動子が適用可能な超音波探触子についても、上述した実施形態で示す超音波探触子10の構成に限られない。上述した実施形態の超音波探触子10は、イメージングコアとして、血管内超音波診断を可能とする超音波振動子11のみを備える構成であるが、この構成に限られず、例えば、光干渉断層診断(Optical CoherenceTomography、略称「OCT」)を可能とする光送受信部を更に備える構成であってもよい。図8は、超音波振動子11及び光送受信部301を備える超音波探触子310、を備える画像診断用カテーテル410の一部を示す断面図である。図8に示す超音波探触子310は、上述の超音波探触子10と比較して、光干渉断層診断を可能とする構成が付加されている点で異なっている。
【0079】
具体的に、図8に示す超音波探触子310では、ハウジング12内に超音波振動子11に加えて光送受信部301が配置されている。この光送受信部301は、駆動シャフト13内に延在する光信号線302としての光ファイバケーブルから伝送される光(測定光)を連続的に生体管腔内に送信すると共に、生体管腔内の生体組織からの反射光を連続的に受信する。光送受信部301は、受信した反射光を、光信号線302を通じて外部装置120(図1参照)に送信する。外部装置120の制御装置120b(図1参照)は、測定により得られた反射光と、光源からの光を分離することで得られた参照光とを干渉させることで干渉光データを生成する。また、外部装置120の制御装置120bは、生成された干渉光データに基づいて光断層画像を生成し、モニタ120c(図1参照)に表示させる。
【0080】
図8に示すように、駆動シャフト13内において、複数の電気信号線14は、光信号線302の周りに螺旋状に巻き付いており、複数の電気信号線14同士は平行に延在している。より具体的に、図8に示す2本の電気信号線14は、長手方向Aに延在する光信号線302としての光ファイバケーブルの周囲を二重らせん状に延在している。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示は超音波振動子に関する。
【符号の説明】
【0082】
1:圧電素子
1a:第1部分
1b:第2部分
2:支持部材
3:音響整合部材
4:圧電体
5:第1電極
5a:表面電極層
5b:裏面電極層
5c:連結導電部
6:第2電極
7:第1端子
7a:溝部
8:第2端子
8a:溝部
9:支持本体部
9a:溝部
10、310:超音波探触子
11:超音波振動子
12:ハウジング
12a:開口部
12b:先端壁部
12c:基端壁部
13:駆動シャフト
14:電気信号線
14a:接続部
20:シース
20a:本体部
20b:ガイドワイヤ挿通部
21a:第1中空部
21b:第2中空部
22、23:マーカ
24:窓部
26:連通孔
30:内管部材
31:内管
32:ハブ
40:外管部材
41:外管
42:先端側コネクタ
43:基端側コネクタ
100:画像診断装置
110、410:画像診断用カテーテル
110a:挿入部
110b:操作部
120:外部装置
120a:駆動ユニット
120b:制御装置
120c:モニタ
121:モータ
122:モータ
123:ボールネジ
205:ハンダペースト
301:光送受信部
302:光信号線
A:画像診断用カテーテルの長手方向
A1:挿入方向
A2:抜去方向
B:圧電素子の厚み方向
C:面内方向(圧電素子の厚み方向と直交する方向)
W:ガイドワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8