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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】バッテリ情報管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20231215BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231215BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231215BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20231215BHJP
   G01R 31/392 20190101ALI20231215BHJP
【FI】
H01M10/42 P
H01M10/48 P
H02J7/00 Y
G01R31/367
G01R31/392
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022004319
(22)【出願日】2022-01-14
(65)【公開番号】P2023103669
(43)【公開日】2023-07-27
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】尾上 由希子
(72)【発明者】
【氏名】内田 翼
(72)【発明者】
【氏名】世良 啓太
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/230069(WO,A1)
【文献】特開2021-086816(JP,A)
【文献】特開2020-162309(JP,A)
【文献】国際公開第2012/140835(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0367277(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0258646(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0103355(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0309858(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
G01R 31/367
G01R 31/392
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上のコンピュータが、
バッテリの電気特性に関する測定結果を含む測定データと、前記測定データから前記バッテリの状態評価を行うためのアルゴリズムと、前記アルゴリズムによる前記バッテリの状態評価の結果を含む評価データとを含むバッテリ情報を取得し、
前記バッテリ情報に含まれる前記測定データまたは前記アルゴリズムのうち少なくともいずれかのハッシュ値である第1ハッシュ値を算出する第1処理を実行し、
前記第1ハッシュ値と前記評価データとを対応付けたデータであるパッケージデータのハッシュ値である第2ハッシュ値を算出する第2処理を実行し、
前記第2ハッシュ値をキーにして、前記測定データまたは前記アルゴリズムのうち少なくともいずれかを検索可能にデータベースに記憶させる第3処理を実行する、
バッテリ情報管理方法。
【請求項2】
前記一以上のコンピュータは、前記バッテリ情報を取得した日または前記第1ハッシュ値を算出した日の日時に関するデータを前記パッケージデータに含めて、前記第2ハッシュ値を算出する前記第2処理を実行する、
請求項1に記載のバッテリ情報管理方法。
【請求項3】
前記一以上のコンピュータは、
前記バッテリの電気特性に関する測定結果が生成される毎に前記第1処理および前記第2処理を実行し、
同一の前記バッテリに対して実行された前記第1処理および前記第2処理により算出された前記第1ハッシュ値および前記第2ハッシュ値を関連づけて前記データベースに記憶させる前記第3処理を実行する、
請求項1又は2に記載のバッテリ情報管理方法。
【請求項4】
前記一以上のコンピュータは、前記測定データのハッシュ値である第3ハッシュ値を前記バッテリが搭載される装置において算出する第4処理を実行し、
前記第1処理は、前記第3ハッシュ値を取得する処理を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリ情報管理方法。
【請求項5】
一以上のコンピュータに、
バッテリの電気特性に関する測定結果を含む測定データと、前記測定データから前記バッテリの状態評価を行うためのアルゴリズムと、前記アルゴリズムによる前記バッテリの状態評価の結果を含む評価データとを含むバッテリ情報を取得させ、
前記バッテリ情報に含まれる前記測定データまたは前記アルゴリズムのうち少なくともいずれかのハッシュ値である第1ハッシュ値を算出する第1処理を実行させ、
前記第1ハッシュ値と前記評価データとを対応付けたデータであるパッケージデータのハッシュ値である第2ハッシュ値を算出する第2処理を実行させ、
前記第2ハッシュ値をキーにして、前記測定データまたは前記アルゴリズムのうち少なくともいずれかを検索可能にデータベースに記憶させる第3処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ情報管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されたバッテリの性能に関する情報を高い信頼性で管理する技術が知られている。例えば、特許文献1には、二次電池の性能情報をブロックチェーンなどの分散型データベースネットワークに改ざん不能に記録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2021/010092号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術のように、例えば、ブロックチェーンなどの分散型データベースネットワークを用いてバッテリの性能情報を高い信頼性で管理する場合、管理手法が複雑化し、かつ管理コストが増大するという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、より簡易かつ低コストでバッテリの性能情報を高い信頼性で管理することができる、バッテリ情報管理方法およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るバッテリ情報管理方法およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係るバッテリ情報管理方法は、一以上のコンピュータが、バッテリの電気特性に関する測定結果を含む測定データと、前記測定データから前記バッテリの状態評価を行うためのアルゴリズムと、前記アルゴリズムによる前記バッテリの状態評価の結果を含む評価データとを含むバッテリ情報を取得し、前記バッテリ情報に含まれる前記測定データまたは前記アルゴリズムのうち少なくともいずれかのハッシュ値である第1ハッシュ値を算出する第1処理を実行し、前記第1ハッシュ値と前記評価データとを対応付けたデータであるパッケージデータのハッシュ値である第2ハッシュ値を算出する第2処理を実行し、前記第2ハッシュ値をキーにして、前記測定データまたは前記アルゴリズムのうち少なくともいずれかを検索可能にデータベースに記憶させる第3処理を実行するものである。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記一以上のコンピュータは、前記バッテリ情報を取得した日または前記1ハッシュ値を算出した日の日時に関するデータを前記パッケージデータに含めて、前記第2ハッシュ値を算出する前記第2処理を実行するものである。
【0008】
(3):上記(1)又は(2)の態様において、前記一以上のコンピュータは、前記バッテリの電気特性に関する測定結果が生成される毎に前記第1処理および前記第2処理を実行し、同一の前記バッテリに対して実行された前記第1処理および前記第2処理により算出された前記第1ハッシュ値および前記第2ハッシュ値を関連づけて前記データベースに記憶させる前記第3処理を実行するものである。
【0009】
(4):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記一以上のコンピュータは、前記測定データのハッシュ値である第3ハッシュ値を前記バッテリが搭載される装置において算出する第4処理を実行し、前記第1処理は、前記第3ハッシュ値を取得する処理を含むものである。
【0010】
(5):この発明の一態様に係るプログラムは、一以上のコンピュータに、バッテリの電気特性に関する測定結果を含む測定データと、前記測定データから前記バッテリの状態評価を行うためのアルゴリズムと、前記アルゴリズムによる前記バッテリの状態評価の結果を含む評価データとを含むバッテリ情報を取得させ、前記バッテリ情報に含まれる前記測定データまたは前記アルゴリズムのうち少なくともいずれかのハッシュ値である第1ハッシュ値を算出する第1処理を実行させ、前記第1ハッシュ値と前記評価データとを対応付けたデータであるパッケージデータのハッシュ値である第2ハッシュ値を算出する第2処理を実行させ、前記第2ハッシュ値をキーにして、前記測定データまたは前記アルゴリズムのうち少なくともいずれかを検索可能にデータベースに記憶させる第3処理を実行させるものである。
【発明の効果】
【0011】
(1)~(5)の態様によれば、より簡易かつ低コストでバッテリの性能情報を高い信頼性で管理することができる。
【0012】
(2)の態様によれば、バッテリの性能情報の信頼性をさらに向上させることができる。
【0013】
(3)の態様によれば、特定のバッテリの性能情報に関する履歴を管理することができる。
【0014】
(4)の態様によれば、バッテリの性能情報の改ざん防止性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係るバッテリ情報管理装置100が適用される車両10の構成の一例を示す図である。
図2】第1実施形態に係るバッテリ情報管理装置100の構成の一例を示す図である。
図3】測定データ140Aの構成の一例を示す図である。
図4】市場データDB140Bの構成の一例を示す図である。
図5】社内DB140Cの構成の一例を示す図である。
図6】バッテリ情報管理装置100によって実行される処理の流れの一例を示す図である。
図7】第2実施形態に係るバッテリ情報管理装置100が適用される車両10を含むシステムSの構成の一例を示す図である。
図8】着脱式バッテリ510の構成の一例を示すブロック図である。
図9】本発明のユースケースの一例を示す図である。
図10】本発明のユースケースの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明のバッテリ情報管理方法およびプログラムの実施形態について説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、実施形態に係るバッテリ情報管理装置100が適用される車両10の構成の一例を示す図である。図1に示した車両10は、走行用のバッテリ(二次電池)から供給される電力によって駆動される電動機(電動モータ)によって走行するBEV(Battery Electric Vehicle:電気自動車)である。代替的に、車両10は、ハイブリッド車両に外部充電機能を持たせたPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)又はPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)であってもよい。なお、車両10は、例えば、四輪の車両のみならず、鞍乗り型の二輪の車両や、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)の車両、アシスト式の自転車、さらには、電動船など、バッテリから供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する移動体の全般が含まれる。
【0018】
モータ12は、例えば、三相交流電動機である。モータ12の回転子(ロータ)は、駆動輪14に連結される。モータ12は、バッテリ40が備える蓄電部(不図示)から供給される電力によって駆動され、回転の動力を駆動輪14に伝達させる。また、モータ12は、車両10の減速時に車両10の運動エネルギーを用いて発電する。
【0019】
ブレーキ装置16は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、を備える。ブレーキ装置16は、ブレーキペダル(不図示)に対する車両10の利用者(運転者)による操作によって発生した油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてもよい。なお、ブレーキ装置16は、上記説明した構成に限らず、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0020】
車両センサ20は、例えば、アクセル開度センサと、車速センサと、ブレーキ踏量センサと、を備える。アクセル開度センサは、アクセルペダルに取り付けられ、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出し、検出した操作量をアクセル開度として後述する制御部36に出力する。車速センサは、例えば、車両10の各車輪に取り付けられた車輪速センサと速度計算機とを備え、車輪速センサにより検出された車輪速を統合して車両10の速度(車速)を導出し、制御部36に出力する。ブレーキ踏量センサは、ブレーキペダルに取り付けられ、運転者によるブレーキペダルの操作量を検出し、検出した操作量をブレーキ踏量として制御部36に出力する。
【0021】
PCU30は、例えば、変換器32と、VCU(Voltage Control Unit)34と、を備える。なお、図1においては、これらの構成要素をPCU30として一まとまりの構成としたのは、あくまで一例であり、車両10におけるこれらの構成要素は分散的に配置されても構わない。
【0022】
変換器32は、例えば、AC-DC変換器である。変換器32の直流側端子は、直流リンクDLに接続されている。直流リンクDLには、VCU34を介してバッテリ40が接続されている。変換器32は、モータ12により発電された交流を直流に変換して直流リンクDLに出力する。
【0023】
VCU34は、例えば、DC-DCコンバータである。VCU34は、バッテリ40から供給される電力を昇圧して直流リンクDLに出力する。
【0024】
制御部36は、車両センサ20が備えるアクセル開度センサからの出力に基づいて、モータ12の駆動を制御する。制御部36は、また、車両センサ20が備えるブレーキ踏量センサからの出力に基づいて、ブレーキ装置16を制御する。制御部36は、また、バッテリ40に接続された後述するバッテリセンサ42からの出力に基づいて、例えば、バッテリ40のSOC(State Of Charge;以下「バッテリ充電率」ともいう)を算出し、VCU34に出力する。VCU34は、制御部36からの指示に応じて、直流リンクDLの電圧を上昇させる。
【0025】
バッテリ40は、例えば、リチウムイオン電池など、充電と放電とを繰り返すことができる二次電池である。バッテリ40は、車両10に対して着脱自在に装着される、例えば、カセット式などのバッテリパックであってもよい。バッテリ40は、車両10の外部の充電器(不図示)から供給される電力を蓄え、車両10の走行のための放電を行う。
【0026】
バッテリセンサ42は、バッテリ40の電流や、電圧、温度などの物理量を測定する。バッテリセンサ42は、例えば、電流センサ、電圧センサ、温度センサを備える。バッテリセンサ42は、電流センサによってバッテリ40を構成する二次電池(以下、単に「バッテリ40」という)の電流を測定し、電圧センサによってバッテリ40の電圧を測定し、温度センサによってバッテリ40の温度を測定する。バッテリセンサ42は、測定したバッテリ40の電流値、電圧値、温度などの物理量のデータを制御部36や通信装置50に出力する。
【0027】
通信装置50は、セルラー網やWi-Fi網を接続するための無線モジュールを含む。通信装置50は、Bluetooth(登録商標)など利用するための無線モジュールを含んでもよい。通信装置50は、無線モジュールにおける通信によって、車両10に係る種々の情報を、バッテリ情報管理装置100との間で送受信する。通信装置50は、例えば、車両10を識別する車両識別番号(vehicle identification number:VIN)又はバッテリ40を識別するバッテリIDに紐づけて、バッテリセンサ42によって測定されたバッテリ40の電流値、電圧値、温度や制御部36によって算出されたSOCなどの測定データをバッテリ情報管理装置100に送信する。
【0028】
[バッテリ情報管理装置の構成]
次に、車両10のバッテリ40に関する情報を管理するバッテリ情報管理装置100の一例について説明する。図2は、実施形態に係るバッテリ情報管理装置100の構成の一例を示す図である。バッテリ情報管理装置100は、例えば、制御部110と、第1ハッシュ値算出部120と、第2ハッシュ値算出部130と、を備える。制御部110と、第1ハッシュ値算出部120と、第2ハッシュ値算出部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部140は、例えば、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等である。記憶部140は、例えば、測定データ140Aと、市場データDB140Bと、社内DB140Cとを記憶する。
【0029】
制御部110は、車両10の通信装置50から、バッテリの電気特性に関する測定結果を含む測定データ140Aを取得する。図3は、測定データ140Aの構成の一例を示す図である。測定データ140Aは、車両10ごとに記録されるものであり、例えば、測定データ140Aが取得された時刻を示すタイムスタンプに対して、電流値、電圧値、温度、SOCなどの情報が対応付けられたものである。測定データ140Aは、例えば、直近から一ヵ月の期間にわたって記録される情報である。
【0030】
制御部110は、さらに、取得した測定データ140Aに基づいて、車両10のバッテリ40の状態評価を行う。例えば、制御部110は、車両10のバッテリ40の状態評価として、バッテリ40の初期の満充電容量[Ah]を100%とした際における、劣化時の満充電容量の割合を示すSOH(State Of Health)を算出する。初期の満充電容量は、例えば、バッテリ40の出荷時の満充電容量である。制御部110は、算出したSOHを市場データDB140Bに格納する。
【0031】
図4は、市場データDB140Bの構成の一例を示す図である。市場データDB140Bは、例えば、VINに対して、タイムスタンプ、SOH、算出アルゴリズムファイル、算出アルゴリズムコードなどの情報が対応付けられたものである。タイムスタンプは、SOHが算出された時刻(又は、SOHを算出するために用いた測定データ140Aのタイムスタンプによって示される最新時刻)を示す。SOHは、測定データ140Aに基づいて制御部110によって算出された値を示し、算出アルゴリズムファイルは、当該SOHを算出する際に用いたSOH算出アルゴリズムのファイル(例えば、Pythonファイル)の名称を示し、算出アルゴリズムコードは、SOH算出アルゴリズムを格納したファイルのパスを示している。なお、代替的に、市場データDB140Bは、SOH算出アルゴリズムを格納したファイルのパスに代えて、SOH算出アルゴリズムの実行コードそのものを格納してもよい。
【0032】
第1ハッシュ値算出部120は、任意のハッシュ関数を用いて、車両10の測定データ140Aのハッシュ値を算出する。より具体的には、例えば、第1ハッシュ値算出部120は、車両10の測定データ140Aを記憶した測定データファイル(例えば、CSVファイル)を読み込み、当該測定データファイルに対して、ハッシュ関数を適用することによって、測定データ140Aのハッシュ値を算出する。第1ハッシュ値算出部120は、算出した測定データ140Aのハッシュ値を、VINおよび測定データファイルのファイル名(及び/又は当該ファイルへのパス)と紐づけて、社内DB140Cに格納する。
【0033】
第1ハッシュ値算出部120は、さらに、市場データDB140Bに格納されている車両10のSOHを算出する際に用いた算出アルゴリズムのハッシュ値を算出する。より具体的には、例えば、第1ハッシュ値算出部120は、車両10のSOHを算出する際に用いた算出アルゴリズムを記憶した算出アルゴリズムファイルを読み込み、当該算出アルゴリズムファイルに対して、ハッシュ関数を適用することによって、算出アルゴリズムのハッシュ値を算出する。第1ハッシュ値算出部120は、算出した算出アルゴリズムのハッシュ値を、VINおよび算出アルゴリズムファイルのファイル名(及び/又は当該ファイルへのパス)と紐づけて、社内DB140Cに格納する。
【0034】
なお、本実施形態では、第1ハッシュ値算出部120は、測定データ140Aのハッシュ値と、算出アルゴリズムのハッシュ値とを算出しているが、本発明は、そのような構成に限定されず、第1ハッシュ値算出部120は、測定データ140Aのハッシュ値と、算出アルゴリズムのハッシュ値とのうちの少なくともいずれかを算出すればよい。測定データ140Aのハッシュ値と、算出アルゴリズムのハッシュ値とのうちの少なくともいずれかは、「第1ハッシュ値」の一例である。
【0035】
第2ハッシュ値算出部130は、第1ハッシュ値算出部120によって算出された測定データ140Aのハッシュ値と、算出アルゴリズムのハッシュ値とを、市場データDB140Bに格納されているSOHに対応付けたパッケージデータ(例えば、測定データ140Aのハッシュ値と、算出アルゴリズムのハッシュ値と、SOHを記録したCSVファイル)を生成し、当該パッケージデータにハッシュ関数を適用することによって、SOHのハッシュ値を算出する。第2ハッシュ値算出部130は、算出したSOHのハッシュ値を、VINおよびSOHファイルのファイル名(及び/又は当該ファイルへのパス)と紐づけて、社内DB140Cに格納する。
【0036】
図5は、社内DB140Cの構成の一例を示す図である。社内DB140Cは、例えば、VINに対して、上述した測定データファイル、測定データハッシュ値、算出アルゴリズムファイル、算出アルゴリズムハッシュ値、SOHファイル(上述した「パッケージデータ」に相当するファイルである)、SOHハッシュ値などの情報が対応付けられたものである。
【0037】
図5に示す通り、社内DB140Cは、SOHハッシュ値を検索キーにして、対応する測定データ140Aおよび算出アルゴリズムを検索可能なように構成されている。社内DB140Cは、市場データDB140Bに比して、バッテリ情報管理装置100のユーザによるアクセス権限がより強く制限されているデータベースである。
【0038】
図2に戻ると、制御部110は、市場データDB140Bに格納されているSOHと、社内DB140Cに格納されているSOHハッシュ値とを、インターネットなどの任意のネットワークNWを介して、外部機関(例えば、法規当局や自動車販売業者など)に定期的又は依頼に応じて提供する。
【0039】
上述した第1ハッシュ値算出部120および第2ハッシュ値算出部130の処理は、例えば、車両10の通信装置50から、測定データ140Aを受信するたびに実行される。車両10の通信装置50から測定データ140Aを受信すると、第1ハッシュ値算出部120は、受信した測定データ140Aに基づいて、第1ハッシュ値を算出し、第2ハッシュ値算出部130は、算出された第1ハッシュ値と、SOHとに基づいて第2ハッシュ値を算出し、算出された第1ハッシュ値および第2ハッシュ値は、これらのハッシュ値が算出された車両10のVINに紐づけて、社内DB140Cに格納される。これにより、測定データ140Aの更新に合わせて、第1ハッシュ値および第2ハッシュ値を最新の状態に保つことができる。
【0040】
なお、本実施形態では、第2ハッシュ値算出部130は、測定データ140Aのハッシュ値と、算出アルゴリズムのハッシュ値と、SOHとを含めたパッケージデータに対して、ハッシュ関数を適用している。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、測定データ140Aを取得した日時(例えば、タイムスタンプの最新日時)、又は第1ハッシュ値を算出した日時をパッケージデータに含めた上で、当該パッケージデータのハッシュ値を算出してもよい。これにより、ハッシュ値の機密性をさらに高めることができる。
【0041】
次に、図6を参照して、バッテリ情報管理装置100によって実行される処理の流れについて説明する。図6は、バッテリ情報管理装置100によって実行される処理の流れの一例を示す図である。
【0042】
まず、制御部110は、車両10の通信装置50から、バッテリ40の測定データ140Aを取得し、当該車両10に対応するSOHの算出アルゴリズムを用いて、車両10のSOHを算出する(ステップS100)。次に、第1ハッシュ値算出部120は、測定データ140Aを記憶した測定データファイルを読み込み、当該測定データファイルに対して、ハッシュ関数を適用することによって、測定データ140Aのハッシュ値を第1ハッシュ値として算出する(ステップS102)。
【0043】
次に、第1ハッシュ値算出部120は、車両10のSOHを算出する際に用いた算出アルゴリズムを記憶した算出アルゴリズムファイルを読み込み、当該算出アルゴリズムファイルに対して、ハッシュ関数を適用することによって、算出アルゴリズムのハッシュ値を第1ハッシュ値として算出する(ステップS104)。次に、第2ハッシュ値算出部130は、算出された2つの第1ハッシュ値と、SOHとを含むパッケージデータに対して、ハッシュ関数を適用することによって、第2ハッシュ値を算出する(ステップS106)。次に、第2ハッシュ値算出部130は、算出された第2ハッシュ値を、測定データ140Aおよび算出アルゴリズムと紐づけて、社内DB140Cに格納する。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
【0044】
[第1実施形態の変形例]
上述した第1実施形態では、車両10は、バッテリセンサ42によって測定された測定データ140Aをバッテリ情報管理装置100に送信し、バッテリ情報管理装置100は、ハッシュ関数を用いて、受信した測定データ140Aのハッシュ値を算出している。しかしながら、本発明はそのような構成に限定されない。第1実施形態の変形例として、例えば、車両10の制御部36は、ハッシュ関数を用いて、測定データ140Aのハッシュ値を算出する機能を有してもよい。その場合、通信装置50は、測定データ140Aとそのハッシュ値とを合わせてバッテリ情報管理装置100に送信し、バッテリ情報管理装置100は、これらのデータを記憶部140に記憶することとなる。その後、バッテリ情報管理装置100が、算出アルゴリズムのハッシュ値と、SOHのハッシュ値とを算出するのは第1実施形態と同様である。
【0045】
以上の通り説明した第1実施形態によれば、車両10の測定データ140Aのハッシュ値を算出し、測定データ140Aに基づいてSOHを算出する際に用いた算出アルゴリズムのハッシュ値を算出し、測定データ140Aのハッシュ値と、算出アルゴリズムのハッシュ値とを合わせてSOHのハッシュ値を算出し、算出したSOHのハッシュ値を検索キーにして、対応する測定データ140Aおよび算出アルゴリズムを検索可能なようにデータベースに記憶する。これにより、より簡易かつ低コストでバッテリの性能情報を高い信頼性で管理することができる。
【0046】
[第2実施形態]
第1実施形態は、車両10が電動機によって走行するBEVである場合に、当該車両10のバッテリ情報管理に本発明を適用したものである。一方、第2実施形態は、車両10が、着脱式バッテリ510から供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する電動車両である場合に本発明を適用するものである。
【0047】
図7は、第2実施形態に係るバッテリ情報管理装置100が適用される車両10を含むシステムSの構成の一例を示す図である。図7に示すように、システムSは、着脱式バッテリ510と、バッテリ情報管理装置100と、バッテリ交換装置200(BEX)とを含んで構成される。システムSでは、1つのバッテリ情報管理装置100が複数のバッテリ交換装置200に対応する構成とすることもできるが、図1においては、1つのバッテリ交換装置200のみを示している。
【0048】
着脱式バッテリ510は、車両10に対して着脱自在に装着される例えばカセット式の蓄電装置(二次電池)である。着脱式バッテリ510は、1つの車両10に少なくとも1つ装着される。以下の説明においては、車両10が、1つの着脱式バッテリ510が装着される電動車両であるものとして説明する。
【0049】
着脱式バッテリ510は、複数の電動車両で共同利用される。着脱式バッテリ510は、着脱式バッテリ510を識別可能な識別情報(以下、「バッテリID」(バッテリ識別情報)という)が排他的に割り当てられている。バッテリIDは、着脱式バッテリ510のシリアル番号(製造番号)であってもよい。着脱式バッテリ510は、バッテリ交換装置200のスロット220-1~220-8のいずれかに返却され保管される。
【0050】
図8は、着脱式バッテリ510の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、着脱式バッテリ510は、蓄電部511と、BMU(Battery Management Unit)513と、接続部515とを備えている。BMU513は、測定センサ512と記憶部514とを備えている。
【0051】
蓄電部511は、充電した電力の蓄電および蓄電した電力の放電をする蓄電池を含んで構成される。蓄電部511に含まれる蓄電池としては、例えば、鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどのキャパシタ、または二次電池とキャパシタとを組み合わせた複合電池などである。
【0052】
測定センサ512は、蓄電部511の状態を測定する各種のセンサを含んで構成される。測定センサ512は、例えば、電圧センサによって、蓄電部511に蓄電されている電圧を測定する。測定センサ512は、例えば、電流センサによって、蓄電部511が流す電流を測定する。測定センサ512は、例えば、温度センサによって、蓄電部511を充電または蓄電部511が放電する際の温度を測定する。測定センサ512は、測定した蓄電部511の状態を表す測定値を、BMU513上のプロセッサに出力する。
【0053】
BMU513は、バッテリーマネージメントユニットであり、蓄電部511の充電や放電を制御する。BMU513は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサや、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを記憶部514として含んで構成される。BMU513では、CPUが、記憶部514に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、蓄電部511の制御機能を実現する。そして、BMU513は、測定センサ512から出力された蓄電部511の状態を表す測定値に基づいて蓄電部511に対して行った制御の内容などの情報を、記憶部514に記憶させる。
【0054】
記憶部514は、着脱式バッテリ510に対して割り当てられたバッテリIDなどのバッテリ状態情報を記憶している。バッテリ状態情報には、バッテリIDの他に、例えば、充電回数、製造日、初期状態の容量、充電率等の情報が含まれている。記憶部514は、BMU513自身で検知した異常や故障、測定センサ512を利用して把握した蓄電部511の異常や故障などの情報を記憶する。
【0055】
接続部515は、着脱式バッテリ510が車両10に装着された際に、車両10の駆動源である電動モータに蓄電部511に蓄電された電力を供給する接続部である。接続部515は、着脱式バッテリ510がバッテリ交換装置200に備えたスロット220に収容された際に、スロット220の収容部の奥側に設けられた着脱式バッテリ510と接続する構造と接続される。接続部515は、着脱式バッテリ510とバッテリ交換装置200との間でやり取りするバッテリID、充電回数、および蓄電部511の状態を表す測定値などの情報や電力の電送をするための接続部でもある。
【0056】
バッテリ交換装置200は、充電交換ステーション(不図示)内に設置される。充電交換ステーションは、例えば複数の地点に設置されている。バッテリ交換装置200は、インターネットなどの任意のネットワークNWを介した通信によってバッテリ情報管理装置100との間で情報のやり取りを行う。より具体的には、バッテリ交換装置200は、例えば使用済み着脱式バッテリ510が返却された際、BMUによって計測された着脱式バッテリ510の電流値、電圧値、温度、SOCなどの物理量の時系列データを測定データ140Aとして取得する。
【0057】
次に、バッテリ交換装置200は、任意のハッシュ関数を用いて、車両10の測定データ140Aのハッシュ値を算出する。バッテリ交換装置200は、さらに、測定データ140Aに基づいて、着脱式バッテリ510のSOHを算出するとともに、任意のハッシュ関数を用いて、当該SOHを算出する際に用いたSOH算出アルゴリズムのハッシュ値を算出する。バッテリ交換装置200は、バッテリIDに紐づけて、算出した測定データ140Aと、測定データ140Aのハッシュ値と、SOHの値と、SOH算出アルゴリズムのハッシュ値とを、ネットワークNWを介して、バッテリ情報管理装置100に送信する。
【0058】
バッテリ情報管理装置100は、測定データ140Aと、測定データ140Aのハッシュ値と、SOHの値と、SOH算出アルゴリズムのハッシュ値とを受信すると、測定データ140Aのハッシュ値と、SOH算出アルゴリズムのハッシュ値と、SOHの値とに基づいて、任意のハッシュ関数を用いて、SOHのハッシュ値(より具体的には、例えば、測定データ140Aのハッシュ値と、算出アルゴリズムのハッシュ値と、SOHを記録したCSVファイルのハッシュ値)を算出する。その他の処理は、第1実施形態と同様である。
【0059】
以上の通り説明した第2実施形態によれば、バッテリ交換装置200が、測定データ140Aのハッシュ値と、SOHの値と、SOH算出アルゴリズムのハッシュ値とを算出してバッテリ情報管理装置100に送信し、バッテリ情報管理装置100は、受信したこれらの値に基づいて、SOHのハッシュ値を算出し、算出したSOHのハッシュ値を検索キーにして、対応する測定データ140Aおよび算出アルゴリズムを検索可能なようにデータベースに記憶する。これにより、より簡易かつ低コストでバッテリの性能情報を高い信頼性で管理することができる。
【0060】
[ユースケース1]
次に、図9および図10を参照して、本発明が適用されるユースケースについて説明する。図9は、本発明のユースケースの一例を示す図である。図9は、本発明に係るバッテリ情報管理装置100によってバッテリ情報が管理されている車両10を、中古車販売業者が中古車購買者に販売する場面を表している。図9に示す通り、まず、中古車販売業者が車両10を中古車販売業者に販売する際、中古車販売業者は、バッテリ情報管理装置100から提供されたSOHの値と、SOHのハッシュ値とを、VIN(又はバッテリID)と合わせて、中古車購買者に提供する。
【0061】
次に、中古車購買者は、例えば、自身の端末装置を用いて、バッテリ情報管理装置100が提供するインタフェース画面にアクセスし、VIN(又はバッテリID)と、提供されたSOHの値と、SOHのハッシュ値とをインタフェース画面に入力する。VIN(又はバッテリID)と、提供されたSOHの値と、SOHのハッシュ値とがインタフェース画面に入力されると、これらの値はバッテリ情報管理装置100に送信され、バッテリ情報管理装置100は、市場データDB140Bおよび社内DB140Cを検索する。
【0062】
入力されたSOHのハッシュ値が社内DB140Cに存在し、かつ市場データDB140Bに格納されているSOHの値が入力値と一致する場合には、SOHが改ざんされていない旨の情報をインタフェース画面に表示させる。一方、入力されたSOHのハッシュ値が社内DB140Cに存在しないか、又は市場データDB140Bに格納されているSOHの値が入力値と一致しない場合には、SOHが改ざんされている可能性を示す情報をインタフェース画面に表示させる。このとき、インタフェース画面は、市場データDB140Bに格納されている正しいSOHの値を表示してもよい。このような処理により、SOHの改ざんを容易に検知することができる。
【0063】
[ユースケース2]
図10は、本発明のユースケースの別の例を示す図である。図10は、本発明に係るバッテリ情報管理装置100によってバッテリ情報が管理されている車両10について、当局関係者が、当該バッテリ情報を管理するプロセスの正当性を確認する場面を表している。図10に示す通り、まず、当局関係者は、バッテリ情報管理装置100から提供されたSOHの値と、SOHのハッシュ値とを、VIN(又はバッテリID)と合わせて、バッテリ情報管理装置100のシステム担当者に提供する。
【0064】
次に、バッテリ情報管理装置100のシステム担当者は、VIN(又はバッテリID)と、提供されたSOHの値と、SOHのハッシュ値を用いて、市場データDB140Bおよび社内DB140Cを検索する。提供されたSOHのハッシュ値が社内DB140Cに存在し、かつ市場データDB140Bに格納されているSOHの値が提供値と一致する場合には、SOHの値に改ざんはないものとして、測定データ140Aおよび算出アルゴリズムなどの一連のデータを含むSOH算出プロセスを提示することによって証明が完了する。
【0065】
一方、提供されたSOHのハッシュ値が社内DB140Cに存在しないか、又は市場データDB140Bに格納されているSOHの値が提供値と一致しない場合には、バッテリ情報管理装置100のシステム担当者は、測定データ140Aに基づいて、規定のSOH算出アルゴリズムを用いてSOHを再算出することによって、再算出されたSOHと、そのプロセス情報とを当局関係者に提出する。この過程で、バッテリ情報管理装置100のシステム担当者は、測定データ140Aのハッシュ値と、SOH算出アルゴリズムのハッシュ値と、SOHのハッシュ値とを再算出し、社内DB140Cに格納された真値と比較することによって、具体的にプロセスのどのポイントにおいて改ざんが行われたかを特定および証明することもできる。
【0066】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0067】
10 車両
12 モータ
14 駆動輪
16 ブレーキ装置
20 車両センサ
30 PCU
32 変換器
34 VCU
36 制御部
40 バッテリ
42 バッテリセンサ
50 通信装置
100 バッテリ情報管理装置
110 制御部
120 第1ハッシュ値算出部
130 第2ハッシュ値算出部
140 記憶部
140A 測定データ
140B 市場データDB
140C 社内DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10