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特許7403577カテーテル閉塞を検出するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】カテーテル閉塞を検出するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20231215BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
A61M5/168 520
A61M25/00 530
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022077576
(22)【出願日】2022-05-10
(62)【分割の表示】P 2019554682の分割
【原出願日】2018-03-06
(65)【公開番号】P2022097615
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】15/477,291
(32)【優先日】2017-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ケー.ウィット
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-523120(JP,A)
【文献】国際公開第2017/031394(WO,A1)
【文献】特表2015-529481(JP,A)
【文献】特公平06-006157(JP,B2)
【文献】特開平04-058961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルの閉塞を検出するためのシステムであって、
近位端及び遠位端を有するカテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタの前記遠位端から遠位に延在するカテーテルと、
近位端と、遠位端と、およびハウジングの前記近位端と前記ハウジングの前記遠位端との間で延在する前記ハウジングの内腔を形成する内表面を含む壁とを有し、これによって前記ハウジングが前記カテーテルアダプタに結合されたとき、前記カテーテル内へ流体経路を提供する、前記ハウジングと、
前記ハウジングの前記内腔の壁に配置された1つ以上の送信機であって、前記1つ以上の送信機が、前記ハウジングの前記内腔に遠位方向に電磁信号を放出する、前記送信機と、
前記電磁信号が前記カテーテルによって反射された後に前記電磁信号を受信する1つ以上の変換器と、
前記反射電磁信号を分析して、前記反射電磁信号が前記カテーテルアダプタの前記カテーテルが閉塞されていることを示すときを検出するプロセッサと、
を備えたことを特徴とする前記システム。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記カテーテルアダプタと一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記カテーテルアダプタから分離されているが、前記カテーテルアダプタに接続可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテルの遠位端が、前記電磁信号の前記反射を改善するために、1つ以上の内側ファセット、外側ファセット、内側湾曲部分、または外側湾曲部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテル閉塞を検出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの例において、末梢IVカテーテルを含む静脈(IV)カテーテルが、カテーテルを使用する注入または採血の完了前に使用不能になるまたは損傷することがある。カテーテルが使用不能になることがある1つの理由は、時間経過に伴うカテーテルの閉塞による場合がある。カテーテルが閉塞されていることに対応して、カテーテルは除去されて新しいカテーテルと交換されることが必要な場合がある。カテーテル閉塞は、カテーテルの遠位先端部内または遠位先端部を取り囲む血栓の形成に由来する血栓性である場合がある。カテーテル閉塞は、沈殿物、機械的閉塞、および他の因子に由来する非血栓性である場合もある。さらに、カテーテル閉塞は、肺塞栓症、血栓後症候群、および他の負の健康転帰につながる場合がある。
【0003】
したがって、当技術分野において、カテーテル閉塞の早期インジケーションを提供し、古い静脈ラインが患者に対して無効または危険になる前に臨床医が新しい静脈ラインを確立することを可能にする装置、システム、および方法が必要である。本開示において、そのような装置、システム、および方法が開示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は一般に、IVカテーテル閉塞の検出に関する。特に、本開示は、IVカテーテル閉塞を検出するための装置、システム、および関連付けられた方法に関する。いくつかの実施形態において、静脈カテーテルの閉塞を検出するためのシステムは、ハウジングを含んでよく、ハウジングは、遠位端と、近位端と、流体経路を形成する内腔とを含んでよい。いくつかの実施形態において、内腔は、ハウジングの遠位端と近位端との間に延びてよい。
【0005】
いくつかの実施形態において、システムはカテーテルアダプタを含んでよい。いくつかの実施形態において、カテーテルは、カテーテルアダプタの遠位端から遠位方向に延びてよい。いくつかの実施形態において、流体経路は、カテーテルの内腔、およびカテーテルアダプタを通じて延びてよい。いくつかの実施形態において、ハウジングの遠位端は、カテーテルアダプタの近位端に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、ハウジングは、カテーテルアダプタと一体的に形成されてよく、および/またはカテーテルアダプタの部分を含んでよく、もしくはカテーテルアダプタの部分に相当してよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、ハウジングは、1つまたは複数の波送信機を含んでよく、1つまたは複数の波送信機は、カテーテルアダプタのカテーテルの長さに沿って電磁波またはエネルギー波を送信してよい。いくつかの実施形態において、ハウジングは、1つまたは複数のトランスデューサを含んでよく、1つまたは複数のトランスデューサは、カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分を検出してよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは、カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分を1つまたは複数のトランスデューサが検出することを可能にするハウジング内の任意の位置に配置されてよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の送信機が、カテーテルの長さに沿ってそれらがエネルギー波を送信することを可能にするハウジング内の任意の位置に配置されてよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは、ハウジングの内腔の壁に埋め込まれまたは封入されてよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは、流体経路において配置されてよく、流体経路内に一部が配置されてよく、または、緩衝要素、例えば、膜、コーティング、接着剤、もしくは他の適切な要素などによって、流体経路から分離されてよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、システムは、プロセッサを含んでよく、プロセッサは、1つまたは複数のトランスデューサに結合されてよい。いくつかの実施形態において、プロセッサは、カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分に対応する電気信号を受信してよい。いくつかの実施形態において、プロセッサは、電気信号をベースライン電気信号と比較して、電気信号とベースライン電気信号との間の差異を決定してよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、システムは、インジケータユニットを含んでよく、インジケータユニットは、プロセッサに結合されてよい。いくつかの実施形態において、インジケータユニットは、電気信号とベースライン電気信号との間の差異が閾値を満たすことに応答して、ユーザに警告してよい。例えば、インジケータユニットは、アラームを鳴らしおよび/または警告メッセージを生成してよく、それらは、ユーザに対して表示されおよび/または音声的に伝達されてよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の波送信機は、超音波を送信する超音波送信機を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の波送信機は、音波を送信する音波送信機を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の波送信機は、電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、またはガンマ線を含む電磁波を送信する電磁波送信機を含んでよい。いくつかの実施形態において、電磁波送信機は、不可視光線を発する例えば赤外線レーザまたは紫外線レーザなどの不可視光源を含んでよい。いくつかの実施形態において、電磁波送信機は、可視光線を発する例えばHe-Neレーザなどの可視光源を含んでよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは各々が、カテーテルから反射された超音波を検出してよい超音波トランスデューサを含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは各々が、カテーテルから反射された音波を検出してよい音波トランスデューサを含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは、電磁波トランスデューサを含んでよい。例えば、1つまたは複数のトランスデューサは各々が、カテーテルから反射された光波を検出してよい例えばフォトダイオードなどの光トランスデューサを含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは、カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分を電気信号に変換してよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは各々が、例えば圧電結晶などの圧電素子を含んでよい。いくつかの実施形態において、特定の圧電素子が、カテーテルの長さに沿って超音波を送信してよい。いくつかの実施形態において、同じまたは異なる圧電素子が、カテーテルから反射されて返された超音波の部分を受信し、部分を対応する電気信号に変換してよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、ベースライン電気信号は、カテーテルが開放しているまたは閉塞されていないとき、1つまたは複数の超音波トランスデューサを含んでよい波送信機を介して、カテーテルの長さに沿って他の超音波を送信することと、カテーテルから反射されて返された上記他の超音波の部分を、ベースライン電気信号に変換することとによって決定されてよい。いくつかの実施形態において、ベースライン電気信号は、静脈カテーテルの長さに沿ってエネルギー波を送信すること、および/または静脈カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分を対応する電気信号に変換することの前に決定されてよい。例えば、ベースライン電気信号は、患者の静脈内へのカテーテルの挿入の直後またはすぐ後に決定されてよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、静脈カテーテルの遠位先端部の外表面がファセットされて1つまたは複数のファセットを含んでよく、それによりエネルギー波の反射を改善してよい。いくつかの実施形態において、カテーテルの内腔を形成する壁がファセットされて1つまたは複数のファセットを含んでよく、それによりエネルギー波の反射を改善してよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の上記および他の特徴および利点が容易に理解されるように、上記で簡単に説明されたカテーテル閉塞を検出するためのシステムおよび方法のより詳細な説明が、添付された図面に示されているそれらの特定の実施形態を参照することによって与えられる。これらの図は典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定すると考えられるべきではないことを理解して、本発明は、添付の図面の使用を通じて追加的な特定性および詳細と共に記述され説明される。
【0015】
図1A】いくつかの実施形態に従う、カテーテル閉塞を検出するための例示的システムのブロック図である。
図1B】いくつかの実施形態に従うシステムのブロック図である。
図2A】いくつかの実施形態に従うシステムの分解図である。
図2B】いくつかの実施形態に従うシステムの部分の断面図である。
図2C】いくつかの実施形態に従うシステムの部分の別の断面図である。
図2D】いくつかの実施形態に従うシステムの部分の別の断面図である。
図2E】いくつかの実施形態に従うシステムの部分の別の断面図である。
図3A】いくつかの実施形態に従うシステムの例示的カテーテルの例示的遠位先端部の断面図である。
図3B】いくつかの実施形態に従うシステムの例示的カテーテルの別の例示的遠位先端部の断面図である。
図3C】いくつかの実施形態に従うシステムの例示的カテーテルの別の例示的遠位先端部の断面図である。
図3D】いくつかの実施形態に従うシステムの例示的カテーテルの別の例示的遠位先端部の断面図である。
図4】いくつかの実施形態に従う、システムを使用してカテーテル閉塞を検出するための例示的方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
説明される本発明の現在の好ましい実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解され、図面では、同様の部分は全体を通じて同様の数字で示される。本明細書の図面で全体的に説明され例示される本発明の構成要素は、様々な異なる構成において配置され設計され得ることは容易に理解されよう。したがって、図1ないし4に示す実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を限定することは意図されず、本発明のいくつかの実施形態を表すにすぎない。
【0017】
一般に、本開示は、IVカテーテル閉塞または閉塞をもたらすことがあるIVカテーテル内の状態の検出に関する。特に、本開示は、IVカテーテル閉塞または閉塞をもたらすことがあるIVカテーテル内の状態を検出するためのデバイス、システム、および関連付けられた方法に関する。ここで図1Aを参照すると、いくつかの実施形態において、自己診断カテーテルアセンブリまたはシステム100は、波送信機102を含んでよく、波送信機102は、カテーテルアダプタの静脈カテーテルの長さに沿って電磁波またはエネルギー波を送信してよい。いくつかの実施形態において、波送信機102は、カテーテルが閉塞について試験されたとき、カテーテルの長さに沿ってエネルギー波を生成および/または送信してよい。いくつかの実施形態において、カテーテルは、カテーテルが任意の期間患者の静脈内に挿入された後に、閉塞について試験されてよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、システム100は、1つまたは複数のトランスデューサ104を含んでよい。いくつかの実施形態において、波送信機102および/またはトランスデューサ104は、ハウジングの流体経路にあってよく、流体経路内に一部があってよく、または、緩衝要素、例えば、膜、コーティング、接着剤、もしくは他の適切な要素などによって、流体経路から分離されてよい。いくつかの実施形態において、ハウジングはカテーテルアダプタと結合されてよい。いくつかの実施形態において、ハウジングは、カテーテルアダプタと一体的に形成されてよく、および/またはカテーテルアダプタの部分を含んでよく、もしくはカテーテルアダプタの部分に相当してよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサ104は、カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分を検出してよい。いくつかの実施形態において、波送信機102および/または1つもしくは複数のトランスデューサ104は、電源106と結合されてよい。いくつかの実施形態において、システム100はハウジングを含まなくてよい。これらおよび他の実施形態において、1つもしくは複数のトランスデューサ104および/または波送信機102は、カテーテルアダプタ126内に配置されてよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、システム100は、プロセッサ108を含んでよく、プロセッサ108は、1つまたは複数のトランスデューサ104に結合されてよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ108は、カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分に対応する電気信号を受信してよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ108は、電気信号をベースライン電気信号と比較して、電気信号とベースライン電気信号との間の差異を決定してよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、ベースライン電気信号は、カテーテルが閉塞されていないとき、超音波トランスデューサを含んでよい波送信機102を介して、カテーテルの長さに沿って他の超音波を送信することと、カテーテルから反射されて返された上記他の超音波の部分を、ベースライン電気信号に変換することとによって決定されてよい。いくつかの実施形態において、ベースライン電気信号は、カテーテルの長さに沿ってエネルギー波を送信すること、および/またはカテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分を対応する電気信号に変換することの前に決定されてよい。例えば、ベースライン電気信号は、患者の静脈内へのカテーテルの挿入の直後またはすぐ後に決定されてよい。いくつかの実施形態において、ベースライン電気信号は、上記カテーテルと類似または同一の別のカテーテルを使用して決定されてよい。いくつかの実施形態において、上記他の超音波は、上記超音波と等価であってよい。例えば、上記他の超音波と上記超音波は、同じ周波数、振幅などを有してよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、電気信号とベースライン電気信号との差異は、カテーテルが閉塞について試験されたときにカテーテルから反射されて返された超音波の部分と、カテーテルが閉塞されたときに静脈カテーテルから反射されて返された他の超音波の部分との間の振幅および/または周波数の差異に対応してよい。いくつかの実施形態において、電気信号とベースライン電気信号との差異は、カテーテル内の状態変化によるものであってよい。例えば、電気信号とベースライン信号との間のより大きな差異は、カテーテル内の1つまたは複数の血餅の存在に応じて発生することがあるいくつかの実施形態において、差異が大きいほど、カテーテルは閉塞されやすく、または閉塞状態になりやすい。
【0022】
いくつかの実施形態において、システム100は、インジケータユニット110を含んでよく、インジケータユニット110は、プロセッサ108に結合されてよい。いくつかの実施形態において、インジケータユニット110は、電気信号とベースライン電気信号との間の差異が閾値を満たすことに応答して、ユーザに警告してよい。例えば、インジケータユニット110は、アラームを鳴らしおよび/または警告メッセージを生成してよく、それらは、ユーザに対して表示されおよび/または音声的に伝達されてよい。いくつかの実施形態において、アラームおよび/またはメッセージは、カテーテルが新しいカテーテルに変えられるべきことをユーザに対して示してよい。いくつかの実施形態において、インジケータユニット110は、ディスプレイを含んでよく、ディスプレイは、システムのハウジングまたは別の要素上に配置されてよく、ユーザに対して警告メッセージを提示するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、閾値は、カテーテルの閉塞の可能性、または閉塞をもたらしやすいカテーテル内の血液の状態を示してよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、波送信機102は、超音波を送信する超音波送信機を含んでよい。いくつかの実施形態において、波送信機102は、音波を送信する音波送信機を含んでよい。いくつかの実施形態において、波送信機102は、電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、またはガンマ線を含む電磁波を送信する電磁波送信機を含んでよい。いくつかの実施形態において、電磁波送信機は、不可視光線を発する例えば赤外線レーザまたは紫外線レーザなどの不可視光源を含んでよい。いくつかの実施形態において、電磁波送信機は、可視光線を発する例えばHe-Neレーザまたは別の種類のレーザなどの可視光源を含んでよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサ104は各々が、カテーテルから反射された超音波を検出してよい超音波トランスデューサを含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは、電磁波トランスデューサを含んでよい。例えば、1つまたは複数のトランスデューサ104は各々が、カテーテルから反射された光波を検出してよい例えばフォトダイオードなどの光トランスデューサを含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサ104は、カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分を電気信号に変換してよい。
【0025】
ここで図1Bを参照すると、いくつかの実施形態において、図1Aの1つまたは複数のトランスデューサ104は各々が、例えば圧電結晶などの圧電素子112を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の圧電素子112は、波送信機102として機能してよい。いくつかの実施形態において、特定の圧電素子112が、カテーテルの長さに沿って超音波を送信してよい。いくつかの実施形態において、同じまたは異なる圧電素子112が、カテーテルから反射されて返された超音波の部分を受信し、部分を対応する電気信号に変換してよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、システム100は、信号発生器114を含んでよく、信号発生器114は、電源106、および1つまたは複数の圧電素子に結合されてよい。いくつかの実施形態において、信号発生器114は、1つまたは複数の圧電素子を励振してよく、その結果、カテーテルの内腔、および/または流体経路の1つもしくは複数の他の部分にわたって超音波の伝播を生じてよい。超音波の伝播は、流体経路内の流体の振動を提供してよく、それは、カテーテル内の1つまたは複数の凝血塊の存在によって容易に変えられることがある。
【0027】
ここで図2Aないし2Bを参照すると、いくつかの実施形態において、カテーテル116の閉塞を検出するためのシステム100は、ハウジング118を含んでよく、ハウジング118は、遠位端120と、近位端122と、流体経路を形成する内腔124とを含んでよい。いくつかの実施形態において、内腔124は、ハウジング118の遠位端120と近位端122との間に延びてよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、システム100はカテーテルアダプタ126を含んでよい。いくつかの実施形態において、カテーテル116は、カテーテルアダプタ126の遠位端128から遠位方向に延びてよい。いくつかの実施形態において、流体経路は、カテーテル116の内腔129およびカテーテルアダプタ126の内腔131を通じて延びてよく、これらの内腔は連続してよい。いくつかの実施形態において、ハウジング118の遠位端120は、カテーテルアダプタ126の近位端130に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ126の近位端130とハウジング118の遠位端120とは、一緒にねじ結合されてよい。いくつかの実施形態において、ハウジング118の近位端122は、ルアー装置132を介してIVラインを受け入れるように構成されてよく、ルアー装置132は、近位端122にねじ結合されてよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、システム100は、1つもしくは複数の圧電素子112または1つもしくは複数の他のトランスデューサを含んでよく、それらは、ハウジング118の流体経路に配置されてよく、または流体経路におけるエネルギー波を検知することが可能であってよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の圧電素子112は圧電結晶を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つもしくは複数の圧電素子112または1つもしくは複数の他のトランスデューサは、カテーテル116から反射されて返されたエネルギー波の部分を検出してよい。いくつかの実施形態において、1つもしくは複数の圧電素子112または1つもしくは複数の他のトランスデューサは、ハウジング118の内腔124の壁に埋め込まれまたは封入されてよい。いくつかの実施形態において、圧電素子112は、図2Cに示されるように、障壁または緩衝要素133、例えば、膜、コーティング、接着剤、もしくは他の適切な要素などによって、流体経路から分離されてよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の圧電素子112は、カテーテルアダプタ126のカテーテル116の長さ全体に沿って、および/またはカテーテル116の管腔全体を通じてエネルギー波を送信してよい。したがって、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の圧電素子112は、図1Aの波送信機102および/または図1Aの1つもしくは複数のトランスデューサ104として機能してよい。いくつかの実施形態において、信号発生器114は、ハウジング118における開口を通じて延びてよい1つまたは複数のコネクタまたはケーブル113を介して、1つまたは複数の圧電素子112に電気的に結合されてよい。
【0031】
ここで図2Dを参照すると、いくつかの実施形態において、波送信機102は、ハウジング118の壁において配置されてよく、エネルギー波は、波送信機102から、1つまたは複数の導波路135を介して、ハウジング118、カテーテルアダプタ126、およびカテーテル116のうちの1つまたは複数の長さに沿って送信されてよい。これらおよび他の実施形態において、エネルギー波は、赤外線、可視光、紫外光、または他の電磁波を含んでよい。図2Dに示されるように、いくつかの実施形態において、導波路135は、波送信機102からハウジング118の壁を通じてハウジング118の遠位端に対して延びてよい。いくつかの実施形態において、導波路135に沿って移動するエネルギー波は、ハウジングの遠位端に出現し、カテーテルアダプタ126および/またはカテーテル116を通じて進み続けてよい。いくつかの実施形態において、導波路135は、光導波路または光ファイバを含んでよい。
【0032】
ここで図2Eを参照すると、いくつかの実施形態において、波送信機102は、ハウジング118および/またはカテーテルアダプタ126の外部にあってよい。いくつかの実施形態において、エネルギー波は、外部波送信機102からハウジング118の壁を通じて1つまたは複数の導波路135を介して送信されてよい。いくつかの実施形態において、導波路135は、ハウジング118の壁を通じてハウジングの遠位端に対して延びてよい。いくつかの実施形態において、導波路135に沿って移動するエネルギー波は、ハウジングの遠位端に出現し、カテーテルアダプタ126および/またはカテーテル116を通じて進み続けてよい。ここで図2D図2Eの両方を参照すると、いくつかの実施形態において、1つまたは複数のトランスデューサは、図2Bまたは図2Cに示されるように、または、カテーテル116から反射されて返されたエネルギー波の部分を1つもしくは複数のトランスデューサ104が検出することを可能にするハウジング118内の任意の位置に配置されてよい。
【0033】
ここで図3Aを参照すると、いくつかの実施形態において、カテーテル116の遠位先端部134の外表面は、カテーテル116の長手軸138に関して角度を付けられてよい1つまたは複数の外側ファセット136または平坦面を含んでよい。いくつかの実施形態において、ファセット136がエネルギー波の反射を改善してよい。追加的または代替的に、いくつかの実施形態において、カテーテル116の内腔129を形成する壁が、1つまたは複数の内側ファセット140を含んでよく、それによりエネルギー波の反射を改善してよい。いくつかの実施形態において、内側ファセット140は、誘導針146が患者の静脈に挿入されたときに誘導針の引き抜きより前に誘導針146に接触するように構成された先端部134の部分に対して近位にあって近接してよい。いくつかの実施形態において、遠位先端部124の外表面および/または内表面は、長手軸138に関して対称であってよい。
【0034】
ここで図3Bを参照すると、いくつかの実施形態において、カテーテル116の遠位先端部134の外表面は、1つまたは複数の外側湾曲部分142を含んでよく、それによりエネルギー波の反射を改善してよい。追加的または代替的に、いくつかの実施形態において、カテーテル134の内腔129を形成する壁は、1つまたは複数の内側湾曲部分144を含んでよく、それによりエネルギー波の反射を改善してよい。いくつかの実施形態において、内側湾曲部分114は、導入針146に接触するように構成された先端部134の部分から近位方向にカテーテル116の近位端に対して延びてよい。先端部134の部分と導入針146との接触は、導入針146が患者の静脈に挿入されたときから導入針の引き抜きまでの間発生してよい。
【0035】
ここで図3Cを参照すると、いくつかの実施形態において、遠位先端部134は、外側湾曲部分142および内側ファセット140を含んでよく、それによりエネルギー波の反射を改善してよい。ここで図3Dを参照すると、いくつかの実施形態において、遠位先端部134は、外側ファセット136および内側湾曲144を含んでよく、それによりエネルギー波の反射を改善してよい。
【0036】
ここで図4を参照すると、IVカテーテル閉塞または閉塞をもたらすことがあるIVカテーテル内の状態を検出する例示的方法200が、ブロック202で開始してよく、ここでは、エネルギー波が、カテーテルアダプタに結合されたIVカテーテルの長さに沿って送信されてよい。いくつかの実施形態において、カテーテルおよびカテーテルアダプタは、図2Aないし2Bのカテーテル116およびカテーテルアダプタ126を含んでよく、またはそれらに相当してよい。ブロック202はブロック204によって後続されてよい。
【0037】
ブロック204で、カテーテルから反射されて返されたエネルギー波の部分が、対応する電気信号に変換されてよい。ブロック204はブロック206によって後続されてよい。
【0038】
ブロック206で、電気信号はプロセッサで受信されてよい。ブロック206はブロック208によって後続されてよい。プロセッサは、図1のプロセッサ108を含み、またはそれに相当してよい。ブロック208で、電気信号がベースライン電気信号と比較され、電気信号とベースライン電気信号との間の差異を決定してよい。ブロック208はブロック210によって後続されてよい。
【0039】
ブロック210で、電気信号とベースライン電気信号との間の差異が閾値を満たすことに応答して、ユーザは警告されてよい。
【0040】
別個のブロックとして示されているが、様々なブロックは、所望される実装に応じて、追加のブロックに分割され、より少ないブロックに組み合わされ、または除去されてよい。いくつかの実施形態において、方法200は追加のブロックを含んでよい。例えば、いくつかの実施形態において、方法200は、ハウジング、トランスデューサ、およびカテーテルアダプタのうちの1つまたは複数を提供するステップを含んでよい。いくつかの実施形態において、ハウジングは、図2Aないし2Bのハウジング118を含み、またはそれに相当してよく、トランスデューサは、図1Aのトランスデューサ104を含み、またはそれに相当してよい。別の例として、いくつかの実施形態において、方法200は、ベースライン電気信号を決定するステップを含んでよく、ベースライン電気信号を決定するステップは、静脈カテーテルが閉塞されていないとき、静脈カテーテルの長さに沿って他のエネルギー波を送信するステップと、静脈カテーテルから反射されて返された上記他のエネルギー波の部分を、ベースライン電気信号に変換するステップとを含む。
【0041】
本発明は、本明細書において広く説明されまた以下で特許請求されるその構造、方法、または他の本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてよい。いくつかの実施形態において、図1ないし2のハウジング118は、カテーテルアダプタ126および/またはルアー装置132に直接結合されなくてよい。例えば、図1ないし2のシステム100は、針安全機構を含んでよく、針安全機構は、カテーテルアダプタ126とハウジング118との間に、または別の位置で配置されてよい。別の例として、カテーテルアダプタ126は様々な構成を含んでよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ126は、サイドポート、隔壁、隔壁アクチュエータ、または1つもしくは複数の他の要素を含んでよい。説明された実施形態および例は、すべての点で単に例示として考えられるべきであり、限定的ではない。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付された特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と等価な意味および範囲内に入るすべての変更は、その範囲内に含まれるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4