(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0029 20190101AFI20231215BHJP
F24F 1/0033 20190101ALI20231215BHJP
F24F 1/0011 20190101ALI20231215BHJP
F24F 1/0014 20190101ALI20231215BHJP
F24F 1/0068 20190101ALI20231215BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20231215BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20231215BHJP
F24F 13/10 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
F24F1/0029
F24F1/0033
F24F1/0011
F24F1/0014
F24F1/0068
F24F13/20
F24F13/08 A
F24F13/10 A
(21)【出願番号】P 2022531216
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(86)【国際出願番号】 JP2020024126
(87)【国際公開番号】W WO2021255916
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇賀神 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】永井 宏典
(72)【発明者】
【氏名】山下 哲央
(72)【発明者】
【氏名】早丸 靖英
(72)【発明者】
【氏名】上村 教将
(72)【発明者】
【氏名】池田 尚史
(72)【発明者】
【氏名】小柳 洋平
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-023622(JP,U)
【文献】特開昭58-077200(JP,A)
【文献】特開2014-134364(JP,A)
【文献】特開平09-004872(JP,A)
【文献】実開平06-023806(JP,U)
【文献】特開2017-019486(JP,A)
【文献】実公昭41-001028(JP,Y2)
【文献】実公昭40-000320(JP,Y2)
【文献】実公昭48-003081(JP,Y2)
【文献】特開昭63-279033(JP,A)
【文献】特開昭55-085827(JP,A)
【文献】特開平05-312346(JP,A)
【文献】特開2004-278846(JP,A)
【文献】特開2009-085484(JP,A)
【文献】特開平05-248663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0029
F24F 1/0033
F24F 1/0011
F24F 1/0014
F24F 1/0068
F24F 13/20
F24F 13/08
F24F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外殻を構成するケーシングと、
前記ケーシングの内部に設けられ、内部を流れる冷媒と空気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、
前記ケーシングの内部に上下方向に並んで設けられ、空気を前方に送る複数の軸流ファンと、
前記ケーシングの対向する内側面同士を接続する第1プレートと、
前記ケーシングの対向する内側面同士を接続する第2プレートと、
複数の前記軸流ファンを格納するファンケーシングと、
後部が前記ファンケーシングに支持され、前記ケーシングの側方に延びる板状である内部ダンパと、を備え、
前記ケーシングは、
前記室内熱交換器よりも後方に形成された、空気を吸い込む吸込口と、
前記ケーシングの複数の前記軸流ファンよりも前方の下部に形成された、空気を吹き出す第1吹出口と、
前記ケーシングの複数の前記軸流ファンよりも前方の一側部に形成された、空気を吹き出す第2吹出口と、
前記ケーシングの複数の前記軸流ファンよりも前方の他側部に形成された、空気を吹き出す第3吹出口と、
前記ケーシングの複数の前記軸流ファンよりも前方の上部に形成された、空気を吹き出す第4吹出口と、を有し、
前記第2プレートは、
前記第1プレートの上方において前記第1プレートの上部と間隔を空けて設けられ、
前記内部ダンパは、
前部が前記第1プレートの上部と前記第2プレートの下部との間を回動する
空気調和機の室内機。
【請求項2】
前面を構成する前面パネ
ルを更に有し、
前記前面パネルは、
前記ケーシングの内部に位置し、空気を前記第1吹出口、前記第2吹出口、前記第3吹出口及び前記第4吹出口に導く整流部を有し、
前記整流部は、
前部が広がり、後部に前記軸流ファンに対向して突出する頂点を有する錐形状であり、前記頂点が前記軸流ファンの回転軸の延長線からずれた箇所に位置している
請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記前面パネルから前記ケーシングの後方に向かって突出し、前記ケーシング内の前記軸流ファンよりも前の空間を上下方向に区画する仕切り部を更に有する
請求項
2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記室内熱交換器は、
前記室内熱交換器が凝縮器として作用する際に、前記室内熱交換器に冷媒を流入する冷媒配管が接続される流入口と、
前記室内熱交換器から冷媒が流出する冷媒配管が接続される流出口と、が形成され、
前記流入口は、
前記仕切り部よりも下方に形成され、
前記流出口は、
前記仕切り部よりも上方に形成されている
請求項
3に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記第1吹出口を覆う下部ダンパと、
前記第2吹出口を覆う上部ダンパと、を更に備える
請求項1~請求項
4のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記軸流ファンは、
上下方向に対して傾斜している
請求項1~請求項
5のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項7】
前記軸流ファンは、
上下方向及び側方に回動する
請求項1~請求項
6のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軸流ファンを備えた空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーシングの内部に軸流ファンが格納された空気調和機の室内機が知られている。このような室内機の軸流ファンは、軸流ファンの回転軸がケーシングの前後方向に延びるように設けられることで、前方に向かって空気を吹き出す。特許文献1には、ケーシングの前面において、軸流ファンと対向する位置に吹出口が形成された室内機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された空気調和機の室内機は、一方向に集中して空気を吹き出す構成となっている。このため、熱交換された空気は、室内の一か所に集まってしまう。したがって、特許文献1の室内機は、熱交換された空気を室内の全体に拡散させることができない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、熱交換された空気を室内の全体に拡散させる空気調和機の室内機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る空気調和機の室内機は、外殻を構成するケーシングと、ケーシングの内部に設けられ、内部を流れる冷媒と空気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、ケーシングの内部に上下方向に並んで設けられ、空気を前方に送る複数の軸流ファンと、ケーシングの対向する内側面同士を接続する第1プレートと、ケーシングの対向する内側面同士を接続する第2プレートと、複数の軸流ファンを格納するファンケーシングと、後部がファンケーシングに支持され、ケーシングの側方に延びる板状である内部ダンパと、を備え、ケーシングは、室内熱交換器よりも後方に形成された、空気を吸い込む吸込口と、ケーシングの複数の軸流ファンよりも前方の下部に形成された、空気を吹き出す第1吹出口と、ケーシングの複数の軸流ファンよりも前方の一側部に形成された、空気を吹き出す第2吹出口と、ケーシングの複数の軸流ファンよりも前方の他側部に形成された、空気を吹き出す第3吹出口と、ケーシングの複数の軸流ファンよりも前方の上部に形成された、空気を吹き出す第4吹出口と、を有し、第2プレートは、第1プレートの上方において第1プレートの上部と間隔を空けて設けられ、内部ダンパは、前部が第1プレートの上部と第2プレートの下部との間を回動する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ケーシングには、第1吹出口、第2吹出口、第3吹出口及び第4吹出口が上下左右にそれぞれ形成されている。このため、室内機は、熱交換された空気を四方に分散させて吹き出す。したがって、室内機は、熱交換された空気を室内の全体に拡散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る空気調和機1を示す回路図である。
【
図2】実施の形態1に係る室内機3を示す正面図である。
【
図3】実施の形態1に係る室内機3を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る室内機3を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る室内機3を示す構成図である。
【
図6】実施の形態2に係る室内機103を示す構成図である。
【
図7】実施の形態2の変形例1に係る室内機103Aを示す構成図である。
【
図8】実施の形態2の変形例2に係る室内機103Bを示す構成図である。
【
図9】実施の形態3に係る室内機203を示す正面図である。
【
図10】実施の形態3に係る室内機203を示す構成図である。
【
図11】実施の形態3の変形例1に係る室内機203Aを示す構成図である。
【
図12】実施の形態4に係る室内機303を示す構成図である。
【
図13】実施の形態4に係る室内機303を示す構成図である。
【
図14】実施の形態4に係る室内機303を示す構成図である。
【
図15】実施の形態4の変形例1に係る室内機303Aを示す構成図である。
【
図16】実施の形態4の変形例1に係る室内機303Aを示す構成図である。
【
図17】実施の形態4の変形例1に係る室内機303Aを示す構成図である。
【
図18】実施の形態5に係る室内機403を示す構成図である。
【
図19】実施の形態5の変形例1に係る室内機403Aを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る空気調和機1の室内機3について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1に係る空気調和機1を示す回路図である。
図1に示すように、空気調和機1は、室外機2、室内機3及び冷媒配管4を有している。なお、
図1では、1台の室内機3を例示しているが、室内機3の台数は、2台以上でもよい。
【0010】
室外機2は、空調対象空間の外に設置されている。室外機2は、圧縮機5、流路切替弁6、室外熱交換器7、室外送風機8及び膨張弁9を有している。室内機3は、室内等の空調対象空間に設置されている。室内機3は、室内熱交換器10及び軸流ファン11を有している。冷媒配管4は、圧縮機5、流路切替弁6、室外熱交換器7、膨張弁9及び室内熱交換器10を接続すると共に、内部に冷媒が流れる配管である。冷媒配管4及び、冷媒配管4に接続された各機器は、冷媒回路を構成している。
【0011】
圧縮機5は、低温且つ低圧の状態の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して高温且つ高圧の状態の冷媒にして吐出するものである。流路切替弁6は、冷媒回路において、冷媒の流通方向を切り替えるものであり、例えば四方弁である。室外熱交換器7は、冷媒と室外空気との間で熱交換を行うものであり、例えばフィンアンドチューブ型熱交換器である。室外熱交換器7は、冷房運転時には凝縮器として作用し、暖房運転時には蒸発器として作用する。室外送風機8は、室外熱交換器7に室外空気を送る機器である。膨張弁9は、冷媒を減圧して膨張させるものであり、例えば、電子膨張弁である。
【0012】
室内熱交換器10は、室内空気と室内熱交換器10の内部を流れる冷媒との間で熱交換を行うものである。室内熱交換器10は、ケーシング12の内部に設けられている。室内熱交換器10には、流入口21及び流出口22が形成されている。流入口21には、室内熱交換器10に冷媒を流入する冷媒配管4が接続される。流出口22には、室内熱交換器10から冷媒が流出する冷媒配管4が接続される。室内熱交換器10は、冷房運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する。軸流ファン11は、室内熱交換器10に空気を送るものである。
【0013】
(冷房運転)
ここで、空気調和機1の動作について説明する。先ず、冷房運転について説明する。空気調和機1は、圧縮機5の吐出側と室外熱交換器7とが接続されるように流路切替弁6を切り替えることで、冷房運転を行う。冷房運転において、圧縮機5に吸入された冷媒は、圧縮機5によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機5から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替弁6を通過して、凝縮器として作用する室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は、室外送風機8によって送られる室外空気と熱交換されて凝縮し、液化する。液状態の冷媒は、膨張弁9に流入し、減圧及び膨張されて、低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。気液二相状態の冷媒は、蒸発器として作用する室内熱交換器10に流入する。室内熱交換器10に流入した冷媒は、軸流ファン11の回転によって送られる室内空気と熱交換されて蒸発し、ガス化する。その際、室内空気が冷却されて室内における冷房が実施される。その後、蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、流路切替弁6を通過して、圧縮機5に吸入される。
【0014】
(暖房運転)
次に、暖房運転について説明する。空気調和機1は、圧縮機5の吐出側と室内熱交換器10とが接続されるように流路切替弁6を切り替えることで、暖房運転を行う。暖房運転において、圧縮機5に吸入された冷媒は、圧縮機5によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機5から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替弁6を通過して、凝縮器として作用する室内熱交換器10に流入する。室内熱交換器10に流入した冷媒は、軸流ファン11の回転によって送られる室内空気と熱交換されて凝縮し、液化する。その際、室内空気が温められて、室内における暖房が実施される。液状態の冷媒は、膨張弁9に流入し、減圧及び膨張されて、低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。気液二相状態の冷媒は、蒸発器として作用する室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は、室外送風機8によって送られる室外空気と熱交換されて蒸発し、ガス化する。その後、蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、流路切替弁6を通過して、圧縮機5に吸入される。
【0015】
(室内機3の構成)
図2は、実施の形態1に係る室内機3を示す正面図である。
図2は、説明のため、ケーシング12の内部に配置された軸流ファン11を点線で示している。また、
図2において、実線で示された矢印は、空気の流れを表している。
図3は、実施の形態1に係る室内機3を示す斜視図である。
図3において、実線で示された矢印は、空気の流れを表している。
図4は、実施の形態1に係る室内機3を示す斜視図である。
図4は、説明のため、軸流ファン11、ファンケーシング13並びに、ケーシング12の下部及び後部を点線で示している。
図5は、実施の形態1に係る室内機3を示す断面模式図である。
図5は、
図2におけるA-A断面を示している。即ち、
図5は、室内機3の中央を上下方向に切断した断面を示している。また、
図5において、実線で示された矢印は、空気の流れを表している。室内機3は、床置き型の室内機である。
図2~
図5に示すように、室内機3は、軸流ファン11、ケーシング12及びファンケーシング13を有している。
【0016】
軸流ファン11は、ケーシング12の内部において室内熱交換器10の前方に設けられ、空気を前方に送るものである。軸流ファン11が回転することにより、ケーシング12の内部は、負圧になる。この際に、室内空気は、後述する、ケーシング12に形成された吸込口40を通してケーシング12の内部に吸い込まれ、室内熱交換器10に送られる。
【0017】
ケーシング12は、略直方体をなしており、室内機3の外殻を構成する。なお、ケーシング12は、直方体以外の形状であってもよい。ケーシング12は、下面パネル31、前面パネル32、第1側面パネル33、第2側面パネル34、後面パネル35及び上面パネル36を有している。また、ケーシング12には、吸込口40、第1吹出口42、第2吹出口43、第3吹出口44及び第4吹出口45が形成されている。
【0018】
下面パネル31は、ケーシング12の下面を構成する板状の部材である。前面パネル32は、下面パネル31の前端から上方に延び、ケーシング12の前面を構成する板状の部材である。
【0019】
(第1側面パネル33、第2側面パネル34)
第1側面パネル33は、下面パネル31の一側端から上方に延び、ケーシング12の一側面を構成する板状の部材である。第2側面パネル34は、下面パネル31の他側端から上方に延び、ケーシング12の他側面を構成する板状の部材である。第2側面パネル34は、第1側面パネル33に対向している。
【0020】
後面パネル35は、下面パネル31の後端から上方に延び、ケーシング12の後面を構成する板状の部材である。上面パネル36は、ケーシング12の上面を構成する板状の部材である。上面パネル36は、前面パネル32、第1側面パネル33、第2側面パネル34及び後面パネル35のそれぞれの上部に接続している。
【0021】
吸込口40は、後面パネル35に形成された開口であり、ケーシング12の内部に吸い込まれる空気を吸い込む。なお、吸込口40は、室内熱交換器10よりもケーシング12における後方であれば、後面パネル35以外に形成されていてもよい。
【0022】
第1吹出口42は、前面パネル32の下部と下面パネル31の前部とにわたって形成された開口である。第1吹出口42は、ケーシング12の下方に空気を吹き出す。なお、第1吹出口42は、軸流ファン11よりもケーシング12における前方であれば、前面パネル32の下部のみ又は下面パネル31の前部のみに形成されていてもよい。また、第1吹出口42は、複数の開口に分断されていてもよい。
【0023】
第2吹出口43は、前面パネル32の一側部と第1側面パネル33の前部とにわたって形成された開口である。第2吹出口43は、ケーシング12の一側方に空気を吹き出す。なお、第2吹出口43は、軸流ファン11よりもケーシング12における前方であれば、前面パネル32の一側部のみ又は第1側面パネル33の前部のみに形成されていてもよい。また、第2吹出口43は、複数の開口に分断されていてもよい。
【0024】
第3吹出口44は、前面パネル32の他側部と第2側面パネル34の前部とにわたって形成された開口である。第2側面パネル34は、ケーシング12の他側方に空気を吹き出す。なお、第3吹出口44は、軸流ファン11よりもケーシング12における前方であれば、前面パネル32の他側部のみ又は第2側面パネル34の前部のみに形成されていてもよい。また、第3吹出口44は、複数の開口に分断されていてもよい。
【0025】
第4吹出口45は、前面パネル32の上部と上面パネル36の前部とにわたって形成された開口である。第4吹出口45は、ケーシング12の上方に空気を吹き出す。なお、第4吹出口45は、軸流ファン11よりもケーシング12における前方であれば、前面パネル32の上部のみ又は上面パネル36の前部のみに形成されていてもよい。また、第4吹出口45は、複数の開口に分断されていてもよい。
【0026】
図5に示すように、ファンケーシング13は、軸流ファン11を格納する部材である。ファンケーシング13は、ケーシング12の前後方向の中央部に設けられ、下面パネル31と上面パネル36とに接続している。
【0027】
本実施の形態1によれば、ケーシング12には、第1吹出口42、第2吹出口43、第3吹出口44及び第4吹出口45が上下左右にそれぞれ形成されている。このため、室内機3は、熱交換された空気を四方に分散させて吹き出す。したがって、室内機3は、熱交換された空気を室内の全体に拡散させ、快適性を向上させることができる。
【0028】
また、本実施の形態1によれば、室内機3には、軸流ファン11が設けられている。このため、室内機3は、クロスフローファン等の他の種類の送風機が設けられる場合と比較して、消費電力が低減している。
【0029】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る室内機103を示す構成図である。
図6は、室内機103を
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図6において、実線で示された矢印は、空気の流れを表している。
図6に示すように、本実施の形態2は、前面パネル132が整流部151を有する点で実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と同一の部分は同一の符合を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0030】
前面パネル132は、整流部151を有している。整流部151は、板状の部材であり、ケーシング12の内部に位置している。整流部151は、第1吹出口42、第2吹出口43、第3吹出口44及び第4吹出口45の縁に沿って広がる板状の部材である。整流部151は、正面視において、略長方形をなしている。
【0031】
整流部151の下部は、下面パネル31に向かって膨らむように湾曲している。このため、整流部151は、軸流ファン11から前方に送られた空気を第1吹出口42に導く。整流部151の一側部は、第1側面パネル33に向かって膨らむように湾曲している。このため、整流部151は、軸流ファン11から前方に送られた空気を第2吹出口43に導く。
【0032】
整流部151の他側部は、第2側面パネル34に向かって膨らむように湾曲している。このため、整流部151は、軸流ファン11から前方に送られた空気を第3吹出口44に導く。整流部151の上部は、上面パネル36に向かって膨らむように湾曲している。このため、整流部151は、軸流ファン11から前方に送られた空気を第4吹出口45に導く。なお、整流部151は、半球体等の形状としてもよい。
【0033】
本実施の形態2によれば、前面パネル132は、整流部151を有している。整流部151は、上部、下部、一側部及び他側部が湾曲している。このため、軸流ファン11から前面パネル132に向かって送られる空気は、整流部151に沿って流れる際に、第1吹出口42、第2吹出口43、第3吹出口44及び第4吹出口45で滞留せず、風速が失われない。したがって、室内機103は、室内空間の遠くまで送風することができる。これにより、熱交換された空気の拡散を更に促進できる。
【0034】
(実施の形態2の変形例1)
図7は、実施の形態2の変形例1に係る室内機103Aを示す構成図である。
図7は、室内機103Aを
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図7において、実線で示された矢印は、空気の流れを表している。
図7に示すように、整流部152は、前部が広がり、後部に軸流ファンに対向して突出する頂点を有する四角錐状である。四角錐の頂点は、軸流ファン11の回転軸の延長線上に位置している。なお、整流部152の頂点は、軸流ファン11の回転軸の延長線上に位置していなくてもよい。また、整流部152は、円錐状であってもよい。
【0035】
軸流ファン11から前面パネル132に向かって送られる空気は、整流部152に沿って流れる。即ち、軸流ファン11から送られた空気は、ケーシング12の内部で滞留せず、風速が失われない。したがって、室内機103Aは、室内空間の遠くまで送風することができる。
【0036】
(実施の形態2の変形例2)
図8は、実施の形態2の変形例2に係る室内機103Bを示す構成図である。
図8は、室内機103Bを
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図8において、実線で示された矢印は、空気の流れを表している。
図8に示すように、軸流ファン11は、上下方向に並んで2つ設けられている。なお、軸流ファン11は、3つ以上設けられてもよい。整流部153は、2つの四角錐が上下方向に並んだ形状である。上方に配置された錐体の頂点は、上方に配置された軸流ファン11の回転軸の延長線上に位置している。また、下方に配置された錐体の頂点は、下方に配置された軸流ファン11の回転軸の延長線下に位置している。
【0037】
室内機103Bは、例えば、CPUで構成された制御装置が各軸流ファン11の回転数を個別に調整することで、第4吹出口45から吹き出される風量と第1吹出口42から吹き出される風量とを個別に変化させることができる。
【0038】
また、実施の形態2の変形例2も実施の形態2の変形例1と同様に、各軸流ファン11から前面パネル132に向かって送られる空気は、整流部153に沿って流れる。即ち、各軸流ファン11から送られた空気は、ケーシング12の内部で滞留せず、風速が失われない。したがって、室内機103Bは、室内空間の遠くまで送風することができる。
【0039】
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係る室内機203を示す正面図である。なお、
図9は、説明のため、軸流ファン11及び、仕切り部214のうちケーシング12の内部に位置する部分を点線で示している。
図10は、実施の形態3に係る室内機203を示す構成図である。
図10は、室内機203を
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。
図10において、実線で示された矢印は、冷房運転時において、冷媒配管4を流れる冷媒の向きを示している。また、
図10において、破線で示された矢印は、暖房運転時において、冷媒配管4を流れる冷媒の向きを示している。
図9及び
図10に示すように、本実施の形態3は、室内機203が仕切り部214を有する点で実施の形態2と相違する。本実施の形態3では、実施の形態2と同一の部分は同一の符合を付して説明を省略し、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
【0040】
室内機203は、仕切り部214を有している。仕切り部214は、整流部151の後部において、上下方向の略中央の位置からケーシング12の後方に向かって突出している。仕切り部214は、ケーシング12内において、軸流ファン11の前方の空間を上下方向に区画する。
【0041】
本実施の形態3によれば、室内機203は、仕切り部214を有している。このため、軸流ファン11から送られた空気が上下方向で干渉せず、風速が失われない。したがって、空気調和機1の室内機203は、室内空間の遠くまで送風することができる。
【0042】
室内熱交換器10の流入口21は、室内熱交換器10が凝縮器として作用し、室内機203が暖房を行う際に、仕切り部214よりも下方に位置するように形成されている。室内熱交換器10の流出口22は、室内熱交換器10が凝縮器として作用する際に、仕切り部214よりも上方に位置するように形成されている。
【0043】
暖房運転時において、流入口21付近では、高温且つ高圧のガス冷媒が流れている。このため、流入口21が形成された室内熱交換器10の下部を通過した空気は、高温且つ高圧のガス冷媒と熱交換され、温度が高い。また、流出口22付近では、液冷媒が流れている。このため、流出口22が形成された室内熱交換器10の上部を通過した空気は、液冷媒と熱交換され、温度が低い。即ち、室内熱交換器10の下部を通過した空気は、室内熱交換器10の上部を通過した空気より温度が高い。
【0044】
ここで、室内機203が仕切り部214を有していることから、室内熱交換器10の上部を通過した空気と室内熱交換器10の下部を通過した空気とは、軸流ファン11を通過した後に、交わり難い。したがって、第1吹出口42から吹き出される空気は、高温且つ高圧のガス冷媒と熱交換された空気であるため、温度が高い。また、第4吹出口45から吹き出される空気は、液冷媒と熱交換された空気であるため、温度が低く、室内温度との差が小さい。
【0045】
本実施の形態3によれば、室内熱交換器10の流入口21は、室内熱交換器10が凝縮器として作用する際に、仕切り部214よりも下方に位置するように形成されている。概して、暖房運転時において、室内機から吹き出される空気は、室内温度より温度が高く、密度が小さいことから上昇する。また、吹き出された温度の高い空気は、室内機のより下方から吹き出されるほど、上昇するまでにより広い空間に広がる。ここで、本実施の形態3において、高温且つ高圧のガス冷媒と熱交換され、温度が高い空気は、第1吹出口42から吹き出される。したがって、室内機203は、室内熱交換器10が凝縮器として作用する際に、流入口21が仕切り部214よりも上方に形成される場合と比較して、高温の空気をより広い空間に送り出すことができる。
【0046】
更に、本実施の形態3によれば、室内熱交換器10の流出口22は、室内熱交換器10が凝縮器として作用する際に、仕切り部214よりも上方に位置するように形成されている。第4吹出口45から吹き出された空気は、液冷媒と熱交換されたため、室内空気との温度の差が小さい。このため、第4吹出口45から吹き出された空気は、室内を上昇し難い。したがって、室内機203は、室内熱交換器10が凝縮器として作用する際に、流入口21が仕切り部214よりも上方に形成される場合と比較して、第4吹出口45から吹き出された空気をより遠くまで送ることができる。
【0047】
なお、本実施の形態3における整流部151は、実施の形態2の変形例1の整流部152のように、前部が広がり、後部に軸流ファン11に対向して突出する頂点を有する四角錐状であってもよい。
【0048】
(実施の形態3の変形例1)
図11は、実施の形態3の変形例1に係る室内機203Aを示す構成図である。
図11は、室内機203Aを
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。
図11に示すように、軸流ファン11は、上下方向に並んで複数設けられている。また、仕切り部214は、それぞれの軸流ファン11の間に位置している。
【0049】
本変形例によると、上方に設けられた軸流ファン11から送られた空気と、下方に設けられた軸流ファン11から送られた空気が干渉せず、風速が失われない。このため、室内機203Aは、室内空間の遠くまで送風することができる。
【0050】
なお、本実施の形態3における整流部151は、実施の形態2の変形例2の整流部153のように、2つの四角錐が上下方向に並んだ形状であってもよい。
【0051】
実施の形態4.
図12は、実施の形態4に係る室内機303を示す構成図である。
図12は、室内機303を
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図12において、実践で示された円弧上の矢印は、下部ダンパ316及び上部ダンパ317が回動する方向を表している。
図12に示すように、本実施の形態4は、下部ダンパ316及び上部ダンパ317を有する点で実施の形態1と相違する。本実施の形態4では、実施の形態1と同一の部分は同一の符合を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0052】
図12に示すように、本実施の形態4の整流部351の下部及び上部は、湾曲していない。整流部351の一側部及び他側部は、湾曲していてもよいし、していなくてもよい。なお、本実施の形態4においても、整流部351の下部及び上部を湾曲させてもよい。
【0053】
室内機303は、下部ダンパ316及び上部ダンパ317を有している。下部ダンパ316は、ファンケーシング13の下部に接続され、第1吹出口42を覆う板状の部材である。下部ダンパ316は、ファンケーシング13の下部を支点にして開閉する。下部ダンパ316が開放されている際、第1吹出口42から空気が吹き出される。また、下部ダンパ316が閉止されている際、第1吹出口42から空気が吹き出されない。
【0054】
上部ダンパ317は、ファンケーシング13の上部に接続され、第4吹出口45を覆う板状の部材である。上部ダンパ317は、ファンケーシング13の上部を支点にして開閉する。上部ダンパ317が開放されている際、第4吹出口45から空気が吹き出される。また、上部ダンパ317が閉止されている際、第4吹出口45から空気が吹き出されない。なお、室内機303は、第2吹出口43及び第3吹出口44のそれぞれを覆うダンパを有していてもよい。
【0055】
前面パネル32は、ダンパ受け361及びダンパ受け362を有している。ダンパ受け361は、ケーシング12の後方に向かって突出し、下部ダンパ316に対向するように延びている。ダンパ受け361は、下部ダンパ316が閉止されている際に、下部ダンパ316と接する部材である。ダンパ受け362は、ケーシング12の後方に向かって突出し、上部ダンパ317に対向するように延びている。ダンパ受け362は、上部ダンパ317が閉止されている際に、上部ダンパ317と接する部材である。
【0056】
ファンケーシング13は、ダンパ受け371及びダンパ受け372を有している。ダンパ受け371は、ファンケーシング13の前面からケーシング12の前方に向かって突出し、下部ダンパ316に対向するように延びている。ダンパ受け371は、下部ダンパ316が開放されている際に、下部ダンパ316と接する部材である。ダンパ受け372は、ファンケーシング13の前面からケーシング12の前方に向かって突出し、上部ダンパ317に対向するように延びている。ダンパ受け372は、上部ダンパ317が開放されている際に、上部ダンパ317と接する部材である。
【0057】
図13は、実施の形態4に係る室内機303を示す構成図である。
図13は、室内機303を
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図13において、実線で示された矢印は、上吹き運転時の空気の流れを表している。
図14は、実施の形態4に係る室内機303を示す構成図である。
図14は、室内機303を
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図14において、実線で示された矢印は、下吹き運転時の空気の流れを表している。室内機303は、上吹き運転又は下吹き運転といった送風方法がユーザによって設定される。上吹き運転が設定されている際に、制御装置は、下部ダンパ316を閉止し、上部ダンパ317を開放する。このため、
図13に示すように、室内機303は、上吹き運転を行っている際に、第1吹出口42から空気を吹き出さない。したがって、第2吹出口43、第3吹出口44及び第4吹出口45から吹き出される空気の量が増加する。下吹き運転が設定されている際に、制御装置は、上部ダンパ317を閉止し、下部ダンパ316を開放する。このため、
図14に示すように、室内機303は、下吹き運転を行っている際に、第4吹出口45から空気を吹き出さない。したがって、第1吹出口42、第2吹出口43及び第3吹出口44から吹き出される空気の量が増加する。
【0058】
本実施の形態4では、室内機303は、下部ダンパ316及び上部ダンパ317を有する。このため、室内機303は、第1吹出口42を閉止させることによって、第4吹出口45から出る風量を増加させる上吹きの運転を行うことができる。また、室内機303は、第4吹出口45を閉止させることによって、第1吹出口42から出る風量を増加させる下吹きの運転を行うことができる。このように、室内機303は、ユーザの設定に応じて、空気を送る位置を変更することができる。これにより、ユーザの希望する場所へ熱交換された空気を送ることができる。
【0059】
なお、本実施の形態4における整流部151は、実施の形態2の変形例1の整流部152のように、前部が広がり、後部に軸流ファン11に対向して突出する頂点を有する四角錐状であってもよい。
【0060】
(実施の形態4の変形例1)
図15は、実施の形態4の変形例1に係る室内機303Aを示す構成図である。
図15は、室内機303Aを
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図15において、実践で示された円弧上の矢印は、下部ダンパ316、上部ダンパ317及び内部ダンパ320が回動する方向を表している。
図15に示すように、室内機303Aは、第1プレート318、第2プレート319及び内部ダンパ320を有している。
【0061】
第1プレート318は、第1側面パネル33の内側面と、第2側面パネル34の内側面とを接続する。即ち、第1プレート318は、ケーシング12の対向する内側面同士を接続している。第1プレート318は、下方に設けられた軸流ファン11と対向している。また、第1プレート318は、上部にダンパ受け381を有している。なお、第1プレート318は、実施の形態2の変形例1の整流部152に相当する部材を有していてもよい。
【0062】
第2プレート319は、第1側面パネル33の内側面と、第2側面パネル34の内側面とを接続する。即ち、第2プレート319は、ケーシング12の対向する内側面同士を接続している。第2プレート319は、上方に設けられた軸流ファン11と対向している。また、第2プレート319は、第1プレート318の上方において第1プレート318の上部と間隔を空けて配置されている。第2プレート319は、下部にダンパ受け382を有している。なお、第2プレート319は、実施の形態2の変形例1の整流部152に相当する部材を有していてもよい。
【0063】
内部ダンパ320は、ケーシング12の左右方向に延びる板状の部材である。内部ダンパ320は、後部がファンケーシング13に支持され、前部が第1プレート318の上部と第2プレート319の下部との間を回動する。内部ダンパ320の前部が第2プレート319の下部側に位置している際、第4吹出口45から吹き出される空気の量が多くなる。内部ダンパ320の前部が第1プレート318の上部側に位置している際、第1吹出口42から吹き出される空気の量が多くなる。なお、内部ダンパ320の前部は、第1プレート318の上部と第2プレート319の下部との間に位置した状態で停止していてもよい。
【0064】
ダンパ受け381は、上方に向かって突出し、内部ダンパ320に対向するように延びている。ダンパ受け381は、内部ダンパ320の前部と接した際に、内部ダンパ320が下方へ回動することを規制する。ダンパ受け382は、下方に向かって突出し、内部ダンパ320に対向するように延びている。ダンパ受け382は、内部ダンパ320の前部と接した際に、内部ダンパ320が上方へ回動することを規制する。
【0065】
図16は、実施の形態4の変形例1に係る室内機303Aを示す構成図である。
図16は、室内機303Aを
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図16において、実線で示された矢印は、上吹き運転時の空気の流れを表している。
図17は、実施の形態4の変形例1に係る室内機303Aを示す構成図である。
図17は、室内機303Aを
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図17において、実線で示された矢印は、下吹き運転時の空気の流れを表している。
図16に示すように、内部ダンパ320は、室内機303Aが上吹き運転を行っている際には、ダンパ受け381に接している。また、
図17に示すように、内部ダンパ320は、室内機303Aが下吹き運転を行っている際に、ダンパ受け382に接している。
【0066】
上述のように、内部ダンパ320は、室内機303Aが上吹き運転を行っている際には、第1プレート318の上部側に位置している。このため、室内機303Aが上吹き運転を行っている際に、軸流ファン11から前方に送られた空気は、内部ダンパ320に沿って上方に流れ、第4吹出口45に導かれる。また、内部ダンパ320は、室内機303Aが下吹き運転を行っている際には、第2プレート319の下部側に位置している。このため、室内機303Aが下吹き運転を行っている際に、軸流ファン11から前方に送られた空気は、内部ダンパ320にそって下方に流れ、第1吹出口42に導かれる。このように、室内機303Aは、内部ダンパ320を回動させることで、設定された送風方向により多くの空気を吹き出すことができる。
【0067】
実施の形態5.
図18は、実施の形態5に係る室内機403を示す構成図である。
図18は、室内機403を
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図18において、実線で示された矢印は、空気の流れを表している。
図18に示すように、本実施の形態5は、軸流ファン11が上方に傾斜している点で実施の形態2と相違する。本実施の形態5では、実施の形態2と同一の部分は同一の符合を付して説明を省略し、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
【0068】
軸流ファン11は、第4吹出口45に向かって上方に傾斜している。なお、軸流ファン11は、第1吹出口42、第2吹出口43又は第3吹出口44に向かって傾斜していてもよい。
【0069】
本実施の形態5によれば、軸流ファン11は、上下方向に対して傾斜している。このため、室内機403は、軸流ファン11を傾斜させた方向への風量を増加させることができる。したがって、室内機403は、軸流ファン11を傾斜させた方向に向かって遠くまで空気を送ることができる。
【0070】
なお、本実施の形態5における整流部151は、実施の形態2の変形例1の整流部152のように、前部が広がり、後部に軸流ファン11に対向して突出する頂点を有する四角錐状であってもよい。
【0071】
(実施の形態5の変形例)
図19は、実施の形態5の変形例1に係る室内機403Aを示す構成図である。
図19は、室内機403Aを
図2のA-A断面に相当する位置で切断した断面模式図である。また、
図19において、実線で示された矢印は、空気の流れを表している。
図19に示すように、軸流ファン11は、上下方向に並んで複数設けられている。また、上方に設けられた軸流ファン11は、上方に傾斜し、下方に設けられた軸流ファン11は、下方に傾斜している。
【0072】
上方に設けられた軸流ファン11から送られた空気と、下方に設けられた軸流ファン11から送られた空気とは、干渉せず、風速が失われない。したがって、空気調和機1の室内機403Aは、室内空間の遠くまで送風することができる。
【0073】
なお、本実施の形態5における整流部151は、実施の形態2の変形例2の整流部153のように、2つの四角錐が上下方向に並んだ形状であってもよい。
【0074】
また、各軸流ファン11は、上下方向及び側方に回動するように設けられてもよい。また、各軸流ファン11は、ユーザが設定した送風方向に応じて、傾斜角度が任意に調整されてもよい。これらの場合も、室内機403Aは、軸流ファン11を傾斜させた方向への風量を増加させることができる。したがって、室内機403Aは、軸流ファン11を傾斜させた方向に向かって遠くまで空気を送ることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 空気調和機、2 室外機、3 室内機、4 冷媒配管、5 圧縮機、6 流路切替弁、7 室外熱交換器、8 室外送風機、9 膨張弁、10 室内熱交換器、11 軸流ファン、12 ケーシング、13 ファンケーシング、21 流入口、22 流出口、31 下面パネル、32 前面パネル、33 第1側面パネル、34 第2側面パネル、35 後面パネル、36 上面パネル、40 吸込口、42 第1吹出口、43 第2吹出口、44 第3吹出口、45 第4吹出口、103 室内機、103A 室内機、103B 室内機、132 前面パネル、151 整流部、152 整流部、153 整流部、203 室内機、203A 室内機、214 仕切り部、303 室内機、303A 室内機、316 下部ダンパ、317 上部ダンパ、318 第1プレート、319 第2プレート、320 内部ダンパ、351 整流部、361 ダンパ受け、362 ダンパ受け、371 ダンパ受け、372 ダンパ受け、381 ダンパ受け、382 ダンパ受け、403 室内機、403A 室内機。