(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】自動分析装置及び分析方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
G01N35/02 D
(21)【出願番号】P 2022532277
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(86)【国際出願番号】 JP2021004556
(87)【国際公開番号】W WO2021260994
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2020107593
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 将行
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 真理子
(72)【発明者】
【氏名】濱崎 孝伸
(72)【発明者】
【氏名】野田 和弘
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-222533(JP,A)
【文献】国際公開第97/44671(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/140680(WO,A1)
【文献】特開2018-87786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/02,
G01N 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体及び試薬を吸引及び吐出するプローブと、
前記プローブの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
空の容器に対し前記検体、前記試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記分注後、前記微粒子の沈殿前に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第1攪拌と、
前記第1攪拌後、前記微粒子の沈殿後に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第2攪拌と、を行うように前記プローブを制御し、
前記第1攪拌における吐出速度よりも、前記第2攪拌における吐出速度が速いことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
検体及び試薬を吸引及び吐出するプローブと、
前記プローブの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
空の容器に対し前記検体、前記試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記分注後、前記微粒子の沈殿前に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第1攪拌と、
前記第1攪拌後、前記微粒子の沈殿後に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第2攪拌と、を行うように前記プローブを制御し、
前記第1攪拌における吐出位置よりも、前記第2攪拌における吐出位置が前記容器の底に近い位置であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
検体及び試薬を吸引及び吐出するプローブと、
前記プローブの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
空の容器に対し前記検体、前記試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記分注後、前記微粒子の沈殿前に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第1攪拌と、
前記第1攪拌後、前記微粒子の沈殿後に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第2攪拌と、を行うように前記プローブを制御し、
前記第1攪拌における吸引速度よりも、前記第2攪拌における吸引速度が遅いことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
検体及び試薬を吸引及び吐出するプローブと、
前記プローブの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
第1のチップを前記プローブの先端に装着して、空の容器に対し前記検体、前記試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記分注後、前記微粒子の沈殿前に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第1攪拌と、
前記第1攪拌後、前記第1のチップとは異なる第2のチップを前記プローブの先端に装着して、前記微粒子の沈殿後に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第2攪拌と、を行うように前記プローブを制御する自動分析装置。
【請求項5】
検体及び試薬を吸引及び吐出するプローブと、
前記プローブの動作を制御する制御部と、を備え
る自動分析装置であって、
前記制御部は、
空の容器に対し前記検体、前記試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記分注後、前記微粒子の沈殿前に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第1攪拌と、
前記第1攪拌後、前記微粒子の沈殿後に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第2攪拌と、を行うように前記プローブを制御し、
前記微粒子が磁性粒子であり、
前記自動分析装置は、前記容器を搬送する搬送装置と、前記容器に磁場を印加する磁石と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1攪拌後、前記搬送装置により、前記容器を前記磁石の前記磁場に搬送し、
前記プローブにより前記磁性粒子以外の前記混合液を吸引して除去し、
前記混合液の除去後、前記プローブにより液体を前記容器に分注し、
前記液体の分注後、前記プローブにより前記第2攪拌を実行することを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
プローブにより、空の容器に検体、試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記プローブにより、前記微粒子の沈殿前に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、
前記プローブにより、前記攪拌後、前記微粒子の沈殿後に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、を含み、
前記微粒子の沈殿前の攪拌における吐出速度よりも、前記微粒子の沈殿後の攪拌における吐出速度が速いことを特徴とする分析方法。
【請求項7】
プローブにより、空の容器に検体、試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記プローブにより、前記微粒子の沈殿前に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、
前記プローブにより、前記攪拌後、前記微粒子の沈殿後に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、を含み、
前記微粒子の沈殿前の攪拌における吐出位置よりも、前記微粒子の沈殿後の攪拌における吐出位置が前記容器の底に近い位置であることを特徴とする分析方法。
【請求項8】
プローブにより、空の容器に検体、試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記プローブにより、前記微粒子の沈殿前に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、
前記プローブにより、前記攪拌後、前記微粒子の沈殿後に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、を含み、
前記微粒子の沈殿前の攪拌における吸引速度よりも、前記微粒子の沈殿後の攪拌における吸引速度が遅いことを特徴とする分析方法。
【請求項9】
第1のチップが先端に装着されたプローブにより、空の容器に検体、試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、
前記プローブにより、前記微粒子の沈殿前に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、
前記第1のチップとは異なる第2のチップが先端に装着された前記プローブにより、前記攪拌後、前記微粒子の沈殿後に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、を含むことを特徴とする分析方法。
【請求項10】
プローブにより、空の容器に検体、試薬及び磁性粒子を分注して混合液を取得することと、
前記プローブにより、前記磁性粒子の沈殿前に、前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌することと、
前記磁性粒子の沈殿前における攪拌後、前記容器を搬送する搬送装置により、前記容器を、磁石の磁場に搬送することと、
前記プローブにより前記磁性粒子以外の前記混合液を吸引して除去することと、
前記混合液の除去後、前記搬送装置により、前記容器を前記磁場の外に搬送することと、
前記磁場の外に搬送後、前記プローブにより液体を前記容器に分注することと、
前記液体の分注後、かつ前記磁性粒子の沈殿後に、前記プローブにより、前記容器内の前記液体を吸引及び吐出して攪拌することと、を含むことを特徴とする分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動分析装置及び分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置や化学実験装置等は、種々の試薬を用いて分析や実験を行う装置である。例えば、臨床検査用免疫分析装置においては、一般的に、測定対象をそれ以外の物質と分離するための試薬の一つとして磁性粒子が用いられている。
【0003】
磁性粒子を用いた分離方法は、磁性粒子の表面に、特異的な結合をもたらす化合物を吸着もしくは結合し、この化合物を介して、試料溶液中の成分を回収し濃縮する方法である。しかしながら、磁性粒子は比重が大きいため、重力によって次第に沈降する性質がある。
【0004】
特許文献1には、自動分析装置において、攪拌機構を用いて反応容器内の磁性物質を含む液を攪拌することが記載されている(同文献の請求項1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の自動分析装置においては、攪拌機構を配置するスペースが必須であるため、装置の省スペース化が難しい。
【0007】
そこで、本開示は、専用の攪拌機構を設けることなく微粒子を含む液体の攪拌が可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の自動分析装置は、検体及び試薬を吸引及び吐出するプローブと、前記プローブの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、空の容器に対し前記検体、前記試薬及び微粒子を分注して混合液を取得することと、前記分注後、前記微粒子の沈殿前に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第1攪拌と、前記第1攪拌後、前記微粒子の沈殿後に前記容器内の前記混合液を吸引及び吐出して攪拌する第2攪拌と、を行うように前記プローブを制御することを特徴とする。
【0009】
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではない。
【発明の効果】
【0010】
本開示の自動分析装置によれば、専用の攪拌機構を設けることなく微粒子を含む液体の攪拌が可能になる。上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る自動分析装置を示す概略図。
【
図2】第1の実施形態に係る分析方法を示すフローチャート。
【
図3】第1の実施形態に係る第1攪拌の動作を説明するための概略図。
【
図4】第1の実施形態に係る第2攪拌の動作を説明するための概略図。
【
図5】各攪拌条件におけるパラメータの値及び磁性粒子の分散度を示す図。
【
図6】各攪拌条件における粒子密度の分布を示すグラフ。
【
図7】第2攪拌の各パラメータと分散度との関係性を示すグラフ。
【
図8】第2の実施形態に係る第2攪拌の動作を説明するための概略図。
【
図9】第3の実施形態に係る自動分析装置を示す概略図。
【
図10】第3の実施形態に係る第2攪拌の動作を説明するための概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
<自動分析装置の構成例>
図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置100を示す概略図である。
図1に示すように、自動分析装置100は、検体容器ディスク102、試薬容器ディスク104、インキュベータディスク105、分注機構106、検出部107、制御装置108、反応容器収納部109、分注チップ収納部110、廃棄部111、搬送装置112、分注チップ装着部113を備える。
【0013】
検体容器ディスク102には、血液や尿などの生体サンプル(以下、検体と称する)を収容する複数の検体容器101が収納される。試薬容器ディスク104には、検体の分析に用いる種々の試薬を収容する複数の試薬容器103が収納される。インキュベータディスク105には、検体と試薬を反応させるための複数の反応容器34が収納される。
【0014】
分注機構106は、回転軸の周りに回転するアームに設けられたプローブ(
図1には不図示)を駆動して、吸引及び吐出の動作により、検体容器101から反応容器34に検体を分注し、試薬容器103から反応容器34に試薬を分注する。検出部107は、反応容器34に分注された検体及び試薬の反応液の特性を検出する。
【0015】
制御装置108は、例えばコンピュータデバイスであり、自動分析装置100全体の動作を制御する。また、制御装置108は、検出部107から検出結果を受信し、検体中の測定対象物質についての分析を行う。
【0016】
反応容器収納部109には、未使用である複数の反応容器34が収納される。分注チップ収納部110には、未使用である複数の分注チップ32が収納される。廃棄部111には、使用済みの反応容器34及び分注チップ32が廃棄される。
【0017】
搬送装置112は、反応容器34及び分注チップ32を把持し、三軸方向に移動可能なアクチュエータを備える。搬送装置112は、反応容器収納部109に収納された反応容器34をインキュベータディスク105に搬送したり、分注チップ収納部110に収納された分注チップ32を分注チップ装着部113に搬送したり、使用済み反応容器34を廃棄部111に破棄したりする。分注チップ32は、分注チップ装着部113において分注機構106のプローブの先端に装着される。
【0018】
<分析方法>
図2は、自動分析装置100による検体の分析方法を示すフローチャートである。以下においては、免疫測定方法を例として説明する。免疫測定の試薬には、検体中の測定対象成分と結合する抗体と、この抗体と化学的に結合された標識とが一体となったもの(以下、単に「標識」という)、及び、磁性粒子と検体中の測定対象成分を結合させるビオチン化修飾抗体が含まれる。自動分析装置100による分析を開始する前に、免疫測定の試薬は、試薬容器103に収納された状態で試薬容器ディスク104にセットされる。また、表面にアビジンがコーティングされた磁性粒子(微粒子)の溶液(以下、単に「磁性粒子溶液」という)も、試薬容器103に収納された状態で試薬容器ディスク104にセットされる。アビジンとビオチンは極めて強く結合する性質がある。
【0019】
(ステップS1:分析開始)
ステップS1において、ユーザが動作開始の指示を制御装置108に入力すると、制御装置108は自動分析装置100の各部を起動して分析を開始する。ここで、制御装置108は、分注機構106及び搬送装置112を駆動して、分注チップ装着部113においてプローブに分注チップ32を装着する。
【0020】
(ステップS2:第1分注)
ステップS2において、制御装置108は、検体容器ディスク102を回転させ、分注機構106を移動させて、検体容器101からインキュベータディスク105の反応容器34に検体を分注する。また、制御装置108は、試薬容器ディスク104を回転させ、分注機構106を移動させて、試薬容器103から反応容器34に試薬を分注する。
【0021】
試薬及び検体を分注後、例えば37℃で9分間放置する間に、検体に含まれる測定対象成分と、標識とが結合する。さらに、測定対象成分とビオチン化修飾抗体が結合し、標識とビオチンが測定対象成分を介して一体となった状態になる。放置している間は、拡散により反応が継続し、平衡状態になることが期待される。この反応が平衡に到達した後、次のステップに移行する。
【0022】
(ステップS3:第2分注)
ステップS3において、制御装置108は、試薬容器ディスク104を回転させ、分注機構106を移動させて、磁性粒子溶液を収容する試薬容器103から反応容器34に磁性粒子溶液を分注する。
【0023】
(ステップS4:第1攪拌)
ステップS4において、制御装置108は、分注機構106を駆動して、磁性粒子の沈殿前に、検体、試薬及び磁性粒子の混合液を吸引及び吐出して、攪拌する。この磁性粒子の沈殿前に行う攪拌を第1攪拌とする。第1攪拌の具体的な条件については後述する。
【0024】
第1攪拌後、制御装置108は、分注機構106を回転させ、廃棄部111において分注チップ32を廃棄し、搬送装置112を駆動して新たな分注チップ32を分注チップ装着部113にセットし、分注機構106を回転させ、分注チップ装着部113において分注プローブに新たな分注チップ32を装着する。
【0025】
(ステップS5:反応)
ステップS5において、制御装置108は、第1攪拌から所定時間経過後、検体と試薬との反応が終了したかどうかを判断する。ここで、試薬若しくは検体ごとに予め設定された反応時間が経過した場合に、反応が終了したと判断することができる。反応が終了していない場合はステップS6に移行する。
【0026】
磁性粒子溶液を分注して第1攪拌を行った後、例えば37℃で9分間放置することにより、磁性粒子、測定対象成分及び標識が反応して結合する。しかし、測定対象及び試薬によっては、高感度に測定するために、より長時間、例えばさらに9分間、18分間、27分間又は36分間の追加の反応時間が必要な場合がある。長時間反応の場合、磁性粒子のような比重の大きい微粒子は反応容器34中で沈降していくため、反応液中に存在する測定対象物質との反応性が低下し、測定結果にバラつきが生じる可能性がある。そのため、長時間反応の場合は所定時間毎に、例えば9分毎に反応液を攪拌する必要がある。この所定時間毎の攪拌は、以下のステップS6の通りである。
【0027】
(ステップS6:第2攪拌)
ステップS6において、制御装置108は、分注機構106を駆動して、磁性粒子が沈殿した状態の混合液を吸引及び吐出して、攪拌する。この磁性粒子の沈殿後に行う攪拌を第2攪拌とする。第2攪拌の具体的な条件については後述する。第2攪拌が複数回行われる場合は、毎回同じ条件で攪拌を行うことができる。
【0028】
(ステップS7:測定)
ステップS5において反応が終了したと判断された場合、ステップS7において、制御装置108は、搬送装置112を駆動して、反応容器34を検出部107に搬送する。検出部107は、反応容器34中の測定対象物質についての測定を行う。このとき、反応容器34中で測定対象成分及び標識と一体となった磁性粒子は、検出部107において磁石により捕捉される。その後、電圧が印加されることで、電気化学的な方法によって発せられる発光量を検出される。
【0029】
なお、分析項目に応じて、第1分注において検体と第1試薬を分注し、第2分注において第2試薬と磁性粒子溶液とを分注してもよい。また、検体、試薬及び磁性粒子溶液を一回で分注してもよい。
【0030】
<第1攪拌の条件>
図3(a)~(c)は、第1攪拌の動作を説明するための概略図である。実際には制御装置108が分注機構106を制御することにより攪拌動作が実行されるが、説明の簡略化のため、以下においては分注機構106を動作の主体として説明する。
【0031】
図3に示すように、分注機構106は、分注プローブ31と、分注プローブ31の先端に装着された分注チップ32を有する。
図3(a)は、第1分注において検体及び試薬を反応容器34に分注し、第2分注において磁性粒子33を含む溶液を反応容器34に分注した直後の状態を示している。
図3(a)に示すように、検体、試薬及び磁性粒子が混合されることにより、反応液35(混合液)が得られる。磁性粒子33の分注直後は、磁性粒子33は反応液35の全体には分散していない。
【0032】
次に、
図3(b)に示すように、分注機構106は、分注チップ32の先端を反応液35に浸漬した状態のまま、吸引速度V
S1(μL/s)で分注チップ32に反応液35を吸引する。吸引量A
S1の反応液35の吸引終了後、分注機構106は、分注チップ32の先端の位置が吐出位置P
D1となるように分注プローブ31を移動させる。吐出位置P
D1は、吐出開始時の分注チップ32の先端と反応容器34の底面との距離で表すことができる。
【0033】
次に、
図3(c)に示すように、分注機構106は、吐出速度V
D1(μL/s)で分注チップ32に吸引した反応液を吐出する。これにより、磁性粒子33が反応液35の全体に分散した状態となる。吐出終了後、分注機構106は、分注チップ32の先端の位置が反応液35の液面より高くなるように、分注チップ32を退避させる。
【0034】
<第2攪拌の条件>
図4(a)~(c)は、第2攪拌の動作を説明するための概略図である。
図4(a)は、第1攪拌から所定時間が経過後、反応容器34内で磁性粒子33が沈降した状態を示している。
【0035】
次に、
図4(b)に示すように、分注機構106は、分注チップ32の先端が反応液35に浸漬した状態のまま、吸引速度V
S2(μL/s)で反応液35の上澄みを吸引しながら、分注チップ32の位置を下降させる。吸引量A
S2の反応液35の吸引終了後、分注機構106は、分注チップ32の先端の位置が吐出位置P
D2となるように分注プローブ31を移動させる。
【0036】
次に、
図4(c)に示すように、分注機構106は、吐出速度V
D2(μL/s)で分注チップ32に吸引した反応液を吐出する。これにより、磁性粒子33が反応液35の全体に分散した状態となる。吐出終了後、分注機構106は、分注チップ32の先端の位置が反応液35の液面より高くなるように、分注チップ32を退避させる。
【0037】
以上のように、磁性粒子33の分注直後と磁性粒子33の沈降後に攪拌を行うことで、溶液中に分散する測定対象物質と磁性粒子33との反応性を向上することができる。結果として、測定結果のばらつきを低減することができるので、分析精度を向上することができる。
【0038】
上述のように、反応容器34中の反応液35を吸引及び吐出する点で、第1攪拌の動作と第2攪拌の動作は同じであるが、第2攪拌では、沈降している磁性粒子33を攪拌対象としているため、第1攪拌と同じ条件では反応容器34の底に沈降した磁性粒子33を分散させることが難しい。そこで、第2攪拌の条件を第1攪拌の条件とは異なる適切な条件とすることにより、沈降した磁性粒子33に対して十分な攪拌効率を与えることができる。
【0039】
具体的には、第1攪拌における吐出速度VD1よりも、第2攪拌における吐出速度VD2を速くすることにより、沈降した磁性粒子33を高い攪拌効率で分散させることができる。
【0040】
第1攪拌における吐出位置PD1よりも、第2攪拌における吐出位置PD2を低く、すなわち反応容器34の底により近い位置とすることによっても、沈降した磁性粒子33を分散させることができる。
【0041】
第1攪拌における吸引速度VS1よりも、第2攪拌における吸引速度VS2を遅くすることによっても、沈降した磁性粒子33を分散させることができる。
【0042】
第2攪拌における反応液35の分注チップ32への吸引量AS2は、反応液35の全量よりも少ない量とすることができ、具体的には、例えば反応液35の全量の95%以下とすることができる。この理由は、吸引量AS2が反応液35の全量を超えると気泡も吸引してしまい、吐出後に泡が混入し、攪拌が安定しない虞があるためである。
【0043】
<第2攪拌のシミュレーション>
以下、第2攪拌のより具体的な条件を説明する。本発明者らは、シミュレータを用いて、反応容器内で沈降した磁性粒子に対して十分な攪拌効率を与えることが可能な第2攪拌の条件を検討した。
【0044】
本シミュレーションにおいて設定するパラメータを吸引量、吸引速度、吐出速度及び吐出位置(吐出開始時の分注チップ先端と反応容器底面の距離)と定義した。磁性粒子の直径を2.8μmとし、比重を1.4とし、溶媒の粘性を0.89mPa・sと設定した。反応液の総量は200μLと設定した。分注チップの先端径は0.4mmとし、内容積は368μLと設定した。
【0045】
第1攪拌の攪拌液量を80μLとしたのに対して、第2攪拌の攪拌液量を95、140又は190μLと設定した。
【0046】
第1攪拌の吸引速度を200μL/sとしたのに対して、第2攪拌の吸引速度VS2を125、190又は250μL/sと設定した。
【0047】
第1攪拌の吐出速度を125μL/sとしたのに対して、第2攪拌の吐出速度VD2を100、200又は300μL/sと設定した。
【0048】
第1攪拌の吐出位置を2.8mmとしたのに対して、第2攪拌の吐出位置を0.8、3.2又は5.6mmと設定した。また、第2攪拌の吸引終了時の分注チップ先端の位置が5.6mmであり吐出開始時の吐出位置が0.8mmになる条件も加えて設定した。
【0049】
上記のそれぞれのパラメータを組み合わせて、ケース1からケース13までの第2攪拌の条件を設定し、シミュレーションを実施した。第2攪拌後の磁性粒子の分散度を示す指標として、反応容器内における各層(反応容器の底面からそれぞれ0~2mm、2~4mm、4~6mm、6~8mm、8~10mm、10~11mmに区切った領域)の粒子密度の標準偏差を用いた。例えば、反応容器内の下層の粒子密度が高く、上層の粒子密度が低い場合は、粒子分布が下層に偏っており分散度が低い。一方、反応容器内の下層の粒子密度と上層の粒子密度が同等の場合は、反応容器全体で磁性粒子が均一に分散していると判定できる。したがって、各層の粒子密度の標準偏差が低いほど、粒子密度が反応容器全体で均一であり、分散度が高いと言える。
【0050】
図5は、各攪拌条件におけるパラメータの値及び磁性粒子の分散度を示す図である。
図5に示すように、ケース1~13における粒子密度の標準偏差は、それぞれ1.36、1.11、1.84、0.55、1.91、1.55、0.60、0.66、1.05、0.81、0.24、0.52、0.95であった。
【0051】
図6は、ケース1~13における粒子密度の分布を示すグラフである。
図6の各グラフにおいて、横軸は反応容器の各層の底面からの高さ(mm)を示し、縦軸は粒子密度(個/μL)を示す。
図6に示した各層の粒子密度から、上述の標準偏差が算出される。
【0052】
次に、
図5及び
図6の結果から、第2攪拌の各パラメータの分散度(攪拌性)への依存性について検討した。
【0053】
図7(a)~(d)は、第2攪拌の各パラメータと分散度との関係性を示すグラフである。
図7の各グラフの横軸は第2攪拌の各パラメータを示し、縦軸は粒子密度の標準偏差を示す。
【0054】
まず、ケース1、4及び8の比較により、吐出速度と分散度との関係性を検討した。
図7(a)は、吐出速度と分散度との関係性を示している。
図7(a)に示すように、ケース1(吐出速度100μL/s)の粒子密度の標準偏差が1.36であるのに対し、ケース4(吐出速度200μL/s)の粒子密度の標準偏差が0.55であり、ケース8(吐出速度300μL/s)の粒子密度の標準偏差が0.66である。このように、ケース4及びケース8は、ケース1と比較して粒子密度の標準偏差が小さいことから、第2攪拌の吐出速度が第1攪拌の吐出速度より速いことにより、磁性粒子の分散性が良くなることが分かる。この理由は以下の通りである。第1攪拌においては、磁性粒子が分散した状態の試薬を反応容器に分注し、その直後に再度反応液を吸引及び吐出するので、沈降した磁性粒子を巻き上げるほどの吐出速度は必要ない。一方、第2攪拌においては、磁性粒子は反応容器の底面に沈降しているため、吸引した反応液を沈降している磁性粒子に勢いをつけて当てることで分散性を高めることができる。よって、第2攪拌の吐出速度を第1攪拌の吐出速度よりも速くすることで、磁性粒子の分散性を向上することができる。
【0055】
なお、第1攪拌において吐出速度を速くすると、分注チップ内部に一度吸引した反応液が液膜となって分注チップ内に残留しやすくなる。つまり、分注チップ内に液膜と共に磁性粒子が残存しやすくなる。沈降した磁性粒子を分散させる目的が無い限り、第1攪拌では吐出速度を遅くすることで、磁性粒子の残存を防止することができる。よって、吐出速度に関しては、第2攪拌の吐出速度は第1攪拌の吐出速度(126μL/s)より速い、例えば200μL/s~300μL/sに設定することで、磁性粒子を反応容器34中の反応液全体に、より均一に分散させることが可能である。第2攪拌の吐出速度を300μL/sより速くすることも可能であるが、速くし過ぎると磁性粒子が分注チップ内に残留しやすくなる虞があるので、分注チップの径や反応液の量などに応じて、吐出速度を調整する。もちろん、第1攪拌の吐出速度より速いという条件で、第2攪拌の吐出速度を200μL/sより遅くすることも可能である。
【0056】
次に、ケース4、5及び9の比較により、吐出位置と分散度との関係性を検討した。
図7(b)は、吐出位置と分散度との関係性を示している。
図7(b)に示すように、ケース4(吐出位置0.8mm)の粒子密度の標準偏差が0.55であり、ケース5(吐出位置5.6mm)の粒子密度の標準偏差が1.91であり、ケース9(吐出位置3.2mm)の粒子密度の標準偏差が1.05である。このように、吐出位置が反応容器の底面に近い方が、すなわち吐出位置が低い方が粒子密度の標準偏差が小さくなり、分散性が良くなることが分かる。この理由は以下の通りである。第1攪拌においては、磁性粒子を分注した直後の反応液を吸引するため、吐出位置を低い位置にすると分注チップが反応液に浸漬される量が増えることで表面に磁性粒子を含む試薬が付着する。その結果、チップへの磁性粒子の持ち出し量が増えてしまう。よって、第1攪拌の吐出位置を高くすることで、分注チップへの磁性粒子の付着を防止することができる。一方、第2攪拌においては、磁性粒子は反応容器の底面に沈降しているため、第1攪拌より反応容器の底面に近い位置まで分注チップ先端を近づけて反応液を吐出することで、沈降した磁性粒子に対して流体の運動エネルギーを減衰しないまま与えることが可能である。その結果、攪拌効率を上げることができる。
【0057】
よって、第2攪拌の吐出位置を第1攪拌の吐出位置より低い位置に設定することで、磁性粒子を反応容器中の反応液全体に均一に分散させることが可能である。具体的には、上記の分注チップや磁性粒子の寸法を採用する場合、分注チップ先端と反応容器底面の距離を2.8mm未満とすることができ、より具体的には0.8mmになるように設定することができる。さらに、磁性粒子の量に応じて、沈降した磁性粒子に分注チップの先端が接触しない範囲で吐出位置をできる限り低くすることにより、より均一に磁性粒子を分散させることができる。
【0058】
次に、ケース4、10及び11の比較により、攪拌液量(吸引液量)と分散度との関係性を検討した。
図7(c)は、攪拌液量と分散度との関係性を示している。
図7(c)に示すように、ケース4(攪拌液量95μL)の粒子密度の標準偏差が0.55であり、ケース10(攪拌液量140μL)の粒子密度の標準偏差が0.81であり、ケース11(攪拌液量190μL)の粒子密度の標準偏差が0.24である。
【0059】
ケース4と比較して、より吸引液量が多いケース11の方が粒子密度の標準偏差が小さくなり、分散性が良いことが分かる。しかし、ケース11の場合、反応液の大部分を吸引するため、分注チップ内により多くの磁性粒子を含んだ試薬が吸引され、分注チップ内に残存する磁性粒子の量が多くなる虞がある。ここで、第1攪拌の吸引量80μLに近いケース4の吸引量95μLであっても、
図6に示すように反応容器全体に磁性粒子が分散されているため、吐出速度が十分速い条件では、吸引量を少量にしても十分に攪拌できるといえる。したがって、吐出速度を速くすることができない場合、吸引量を多くすることによって第2攪拌の攪拌効率を向上することができる。本シミュレーションにおいては、反応液の全量を200μLと設定したのに対し、最大の吸引液量を190μL(ケース11)としている。この理由は、上述のように、気泡の吸引を防ぐためである。
【0060】
次に、ケース4、12及び13の比較により、吸引速度と分散度との関係性を検討した。
図7(d)は、吸引速度と分散度との関係性を示している。
図7(d)に示すように、ケース4(吸引速度125μL/s)の粒子密度の標準偏差が0.55であり、ケース12(吸引速度250μL/s)の粒子密度の標準偏差が0.52であり、ケース13(吸引速度190μL/s)の粒子密度の標準偏差が0.95である。
【0061】
ケース12及び13のように、ケース4より吸引速度を速くしても、吸引速度の遅いケース4と比較して分散性が良くなるわけではないことが分かる。また、吸引速度を速くすると、沈降している磁性粒子が分注チップ内に吸引されて、分注チップ内から吐出しきれずに残存する磁性粒子の量が多くなる虞がある。そのため、磁性粒子の吸引を避けるためには、第1攪拌の吸引速度よりも第2攪拌の吸引速度を遅くすることができる。
【0062】
<まとめ>
以上のように、第1の実施形態に係る自動分析装置100は、検体及び試薬を分注する分注プローブを用いて、磁性粒子(微粒子)の混合直後の第1攪拌と、第1攪拌から所定時間が経過して磁性粒子が沈殿後に、第2攪拌を行う。このように、専用の攪拌機構を用いずに磁性粒子が沈殿した反応液を攪拌することができるので、装置の省スペース化及び低コスト化が可能になる。また、第2攪拌を行うことで磁性粒子、検体及び試薬の反応を進行させることができるので、測定結果のばらつきを低減することができ、検体の分析精度を向上することができる。
【0063】
さらに、第1攪拌の条件と第2攪拌の条件を異ならせることにより、磁性粒子の分散性を向上することができるので、測定結果のばらつきをより低減することができる。
【0064】
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、分注プローブ及び分注チップを有する分注機構を用いた反応液の攪拌方法を説明した。これに対し、第2の実施形態においては、分注チップを用いず分注プローブに溶液を直接吸引する構成の分注機構を採用する場合の攪拌方法を提案する。
【0065】
<分析方法>
図8(a)~(c)は、第2の実施形態に係る第2攪拌の動作を説明するための概略図である。
図8(a)~(c)に示すように、本実施形態においては、分注チップを使用しない分注プローブ81を用いる点で、第1の実施形態と異なっている。本実施形態の構成においては、第1攪拌後に分注チップを廃棄して新たな分注チップを装着する動作は実行されず、代わりに洗浄液を収容する洗浄槽において分注プローブ81を洗浄する動作が実行される。分注プローブ81は、例えば、洗浄槽内で洗浄液を吸引及び吐出することにより洗浄することができる。
【0066】
その他の点については、第1の実施形態と同様の動作であるので、説明を省略する。なお、本実施形態における第1攪拌の条件及び第2攪拌の条件も、第1の実施形態と同様である。
【0067】
<まとめ>
以上のように、第2の実施形態においては、分注プローブ81を用いて、磁性粒子33を含む反応液35の攪拌が行われる。これにより、分注チップを収容及び廃棄するスペースが不要となるので、第1の実施形態と比較して、装置のサイズをより低減できる。
【0068】
[第3の実施形態]
第3の実施形態においては、B/F分離(抗原抗体反応などによって特異的に磁性粒子に吸着したBoundと、非特異的に物理吸着しているFreeを分離する工程)を含む分析方法について説明する。
【0069】
<自動分析装置の構成例>
図9は、第3の実施形態に係る自動分析装置200を示す概略図である。
図9に示すように、自動分析装置200は、B/F分離のための磁気分離装置114をさらに備える点で、第1の実施形態の自動分析装置100(
図1)と異なっている。その他の構成については第1の実施形態と同様である。検体、試薬及び磁性粒子溶液の分注後、反応容器34は、搬送装置112により磁気分離装置114に搬送される。
【0070】
<分析方法>
本実施形態の分析方法は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、第1攪拌後の動作が以下の点で異なっている。
【0071】
図10(a)~(e)は、第3の実施形態に係る分析方法の動作を説明するための概略図である。
図10(a)は、第1攪拌後、搬送装置112により、磁気分離装置114に反応容器34を搬送した状態を示している。
図10(a)に示すように、磁気分離装置114は、反応容器34が収納される凹部の周りに磁石91が配置されており、当該磁石91によって生じる磁場により反応容器34の内壁に磁性粒子33が捕捉される。
【0072】
次に、
図10(b)に示すように、分注機構106は、反応容器34から、磁性粒子33を含まない溶液を吸引して取り除く。
【0073】
次に、
図10(c)に示すように、搬送装置112は、反応容器34を磁気分離装置114からインキュベータディスク105に搬送する。その後、分注機構106は、反応容器34に洗浄液92を分注する。このとき、反応容器34内の磁性粒子33は磁石91による磁場の影響を受けなくなるため、反応容器34の底部に沈殿し、分注プローブ31による吸引及び吐出動作によって攪拌可能となる。
【0074】
次に、
図10(d)及び(e)に示すように、分注機構106は、吸引速度V
S2(μL/s)で洗浄液92の上澄みを吸引したのち、吐出速度V
D2(μL/s)で分注チップ32に吸引した洗浄液92を吐出する。吸引速度V
S2、吸引量A
S2、吐出速度V
D2、吐出位置P
D2の条件については、第1の実施形態で説明した第2攪拌の条件と同様である。
【0075】
<まとめ>
以上のように、第3の実施形態においては、磁気分離装置114によるB/F分離により捕捉した磁性粒子33を、第2攪拌により再懸濁させることができる。
【0076】
[変形例]
本開示は、上述した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施形態の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
【符号の説明】
【0077】
31、81 分注プローブ
32 分注チップ
33 磁性粒子
34 反応容器
35 反応液
VS1 第1攪拌の吸引速度
AS1 第1攪拌の吸引量
PD1 第1攪拌の吐出位置
VD1 第1攪拌の吐出速度
VS2 第2攪拌の吸引速度
AS2 第2攪拌の吸引量
PD2 第2攪拌の吐出位置
VD2 第2攪拌の吐出速度
91 磁石
92 洗浄液
100、200 自動分析装置
101 検体容器
102 検体容器ディスク
103 試薬容器
104 試薬容器ディスク
105 インキュベータディスク
106 分注機構
107 検出部
108 制御装置
109 反応容器収納部
110 分注チップ収納部
111 廃棄部
112 搬送装置
113 分注チップ装着部
114 磁気分離装置