(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】空気調和システムおよび検知方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/56 20180101AFI20231215BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20231215BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20231215BHJP
G01S 5/14 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
F24F11/56
F24F11/64
F24F11/52
G01S5/14
(21)【出願番号】P 2022534565
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(86)【国際出願番号】 JP2020026734
(87)【国際公開番号】W WO2022009343
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昇平
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-107782(JP,A)
【文献】特開2016-080196(JP,A)
【文献】特開2016-070837(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0315697(US,A1)
【文献】特開2019-020097(JP,A)
【文献】国際公開第2019/180844(WO,A1)
【文献】特開2016-095148(JP,A)
【文献】特開2016-217931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
G01S 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和システムであって、
複数の室内機と、
少なくとも1つの携帯端末と、を備え、
前記複数の室内機の各々は、当該室内機を識別する信号を発信する第1無線通信機を含み、
前記少なくとも1つの携帯端末は、
前記複数の室内機の各々の位置を示す位置ファイルを記憶する記憶部と、
前記信号を受信する第2無線通信機と、
前記信号によって識別される室内機の位置を前記位置ファイルから特定し、特定した位置と前記信号の受信強度とに基づいて、前記少なくとも1つの携帯端末の位置を検知する検知部と、を含
み、
前記少なくとも1つの携帯端末は、複数の携帯端末を含み、
前記第2無線通信機は、
前記複数の室内機のうち前記検知部によって検知された位置から最も近い室内機の前記第1無線通信機に、前記検知された位置を送信し、
前記複数の室内機の各々は、
前記第1無線通信機による前記検知された位置の受信に応じて、前記検知された位置と前記検知された位置を送信した携帯端末を識別する識別情報とを対応付けた管理情報を管理する管理部をさらに含み、
前記第2無線通信機は、前記最も近い室内機の前記第1無線通信機に、他の携帯端末の検索指示を送信し、
前記複数の室内機の各々は、
前記検索指示の受信に応じて、前記複数の室内機のうちのいずれかの前記管理部によって管理される前記管理情報の中から、前記他の携帯端末を識別する前記識別情報に対応する前記検知された位置を取得し、取得した位置を前記検索指示の送信元の携帯端末に送信する検索部をさらに含む、空気調和システム。
【請求項2】
前記位置ファイルは、前記複数の室内機の設置された建物を構成する複数のオブジェクトの各々の属性および位置を示し、
前記検知部は、
前記特定した位置からの電波を前記受信強度以上で受信可能な領域を候補領域として決定し、
前記属性に基づいて、前記複数のオブジェクトのうち前記候補領域内に位置するオブジェクトの中から、人の侵入が不可能な対象オブジェクトを抽出し、
前記候補領域のうち前記対象オブジェクトの占める領域以外の位置を、前記少なくとも1つの携帯端末の位置として決定する、請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記第2無線通信機は、前記複数の室内機のうちの第1~第n室内機から第1~第n信号をそれぞれ受信し、nは2以上の整数であり、
前記検知部は、前記第1~第n信号によってそれぞれ識別される前記第1~第n室内機の位置を前記位置ファイルから特定し、
前記候補領域は、特定された前記第1~第n室内機の位置からの電波を前記第1~第n信号の受信強度以上でそれぞれ受信可能な第1~第n領域が重なり合う領域である、請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記位置ファイルは、IFC形式を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの携帯端末は、
ディスプレイと、
前記位置ファイルから作成されるフロア図を前記ディスプレイに表示させるとともに、前記フロア図において前記検知部によって検知された位置を示すマークを表示させる通知部と、をさらに含む、請求項4に記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記位置ファイルは、IFC形式を有し、
前記複数の携帯端末の各々は、
ディスプレイと、
前記位置ファイルによって示されるフロア図を前記ディスプレイに表示させるとともに、前記フロア図において前記取得した位置を示すマークを表示させる通知部と、をさらに含む、請求項
1から4のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの携帯端末は、空気調和のための操作指示の入力を受ける入力装置をさらに備え、
前記第2無線通信機は、前記複数の室内機のうち前記検知部によって検知された位置から最も近い室内機の前記第1無線通信機に、前記操作指示を送信する、請求項1から
6のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記信号は、BLE規格におけるアドバタイズパケットであり、
前記第2無線通信機は、前記最も近い室内機の前記第1無線通信機に接続要求を送信し、
前記第1無線通信機は、前記第2無線通信機からの前記接続要求に応じて、前記第2無線通信機との接続を確立させる、請求項
1から
7のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項9】
複数の室内機と、
少なくとも1つの携帯端末と、を備える空気調和システムにおける前記少なくとも1つの携帯端末の位置の検知方法であって、
前記少なくとも1つの携帯端末は、前記複数の室内機の各々の位置を示す位置ファイルを記憶しており、前記検知方法は、
前記複数の室内機の各々が当該室内機を識別する信号を発信するステップと、
前記少なくとも1つの携帯端末が前記信号を受信するステップと、
前記少なくとも1つの携帯端末が前記信号によって識別される室内機の位置を前記位置ファイルから特定するステップと、
前記少なくとも1つの携帯端末が、特定した位置と前記信号の受信強度とに基づいて、前記少なくとも1つの携帯端末の位置を検知するステップと、を備え
、
前記少なくとも1つの携帯端末は、複数の携帯端末を含み、前記検知方法は、さらに、
前記複数の携帯端末の各々が、前記複数の室内機のうち前記検知するステップによって検知された位置から最も近い室内機に、前記検知された位置を送信するステップと、
前記複数の室内機の各々が、前記検知された位置の受信に応じて、前記検知された位置と前記検知された位置を送信した携帯端末を識別する識別情報とを対応付けた管理情報を管理するステップと、
前記複数の携帯端末のうちの第1携帯端末が、前記最も近い室内機に、前記複数の携帯端末のうちの第2携帯端末の検索指示を送信するステップと、
前記最も近い室内機が、前記検索指示の受信に応じて、前記複数の室内機のうちのいずれかによって管理される前記管理情報の中から、前記第2携帯端末を識別する前記識別情報に対応する前記検知された位置を取得し、取得した位置を前記検索指示の送信元の前記第1携帯端末に送信するステップと備える、検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システムおよび検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017-96752号公報(特許文献1)は、建物内の端末装置の位置を推定する位置推定システムを開示している。この位置推定システムは、管理サーバと、建物に設置された複数の無線送信装置とを含む。管理サーバは、無線送信装置から通知された信号の受信状況を示すデータを端末装置から受信して、当該データから端末装置の位置の存在確率を推定する。管理サーバは、推定された存在確率を用いて、空調設備、照明設備などを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、端末装置の位置の存在確率の推定のために、管理サーバと、管理サーバと端末装置との間のデータの送受信とが必要である。そのため、設備費用、ネットワーク構築費用などが高くなる。さらに、空調設備とは別に無線送信装置が設置され、無線送信装置の位置に関する情報を管理サーバに設定する必要がある。そのため、初期設定のための作業費用もかかる。その結果、システム費用が高くなる。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、携帯端末の位置を検知でき、かつ、システム費用を低減することが可能な空気調和システムおよび検知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面の空気調和システムは、複数の室内機と、少なくとも1つの携帯端末と、を備える。複数の室内機の各々は、当該室内機を識別する信号を発信する第1無線通信機を含む。少なくとも1つの携帯端末は、複数の室内機の各々の位置を示す位置ファイルを記憶する記憶部と、信号を受信する第2無線通信機と、検知部と、を含む。検知部は、信号によって識別される室内機の位置を位置ファイルから特定し、特定した位置と信号の受信強度とに基づいて、少なくとも1つの携帯端末の位置を検知する。
【0007】
本開示のある局面の検知方法は、複数の室内機と、少なくとも1つの携帯端末と、を備える空気調和システムにおける少なくとも1つの携帯端末の位置を検知する。少なくとも1つの携帯端末は、複数の室内機の各々の位置を示す位置ファイルを記憶している。検知方法は、複数の室内機の各々が当該室内機を識別する信号を発信するステップと、少なくとも1つの携帯端末が信号を受信するステップと、少なくとも1つの携帯端末が信号によって識別される室内機の位置を位置ファイルから特定するステップと、少なくとも1つの携帯端末が、特定した位置と信号の受信強度とに基づいて、少なくとも1つの携帯端末の位置を検知するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、携帯端末の位置の検知のために、複数の室内機の位置を示す位置ファイルが利用される。位置ファイルは、複数の室内機の設置される建物の設計の際に作成されている。そのため、携帯端末の位置の検知のための初期設定に手間がかからない。さらに、携帯端末は、信号によって識別される室内機の位置を位置ファイルから特定し、特定した位置と信号の受信強度とに基づいて、携帯端末の位置を検知する。すなわち、携帯端末の位置の検知は、特許文献1のように管理サーバを介することなく実行される。そのため、特許文献1と比較して、設備費用、ネットワーク構築費用などを低減できる。このように、携帯端末の位置を検知でき、かつ、システム費用を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る空気調和システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】空気調和機100の回路構成の一例を示す概略図である。
【
図3】ファイルサーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】FCファイル400から作成されるフロア図が示される。
【
図5】携帯端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る携帯端末200のプロセッサ201によって実現される機能構成を示す図である。
【
図7】携帯端末200によって受信されたアドバタイズパケットに関する情報を示す図である。
【
図9】ディスプレイ208に表示される検知結果の一例を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係る空気調和システム1の検知処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図10に示すステップS5のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態2に係る空気調和システム1Aの全体構成を示す図である。
【
図13】実施の形態2に係る室内機110の制御装置114によって実現される機能構成を示す図である。
【
図14】制御装置114によって管理される管理情報12の一例を示す図である。
【
図15】実施の形態2に係る携帯端末200のプロセッサ201によって実現される機能構成を示す図である。
【
図16】実施の形態2に係る携帯端末200に表示される設定画面の一例を示す図である。
【
図17】実施の形態2に係る携帯端末200に表示される検索結果の通知画面の一例を示す図である。
【
図18】実施の形態2に係る空気調和システム1Aにおける検知位置の管理処理の流れを示すフローチャートである。
【
図19】実施の形態2に係る空気調和システム1Aにおける検索処理の流れを示すフローチャートである。
【
図20】実施の形態3に係る携帯端末200のプロセッサ201によって実現される機能構成を示す図である。
【
図21】実施の形態3に係る携帯端末200による操作対象の室内機110の決定方法を示す図である。
【
図22】実施の形態3に係る空気調和システムにおける操作処理の流れを示すフローチャートである。
【
図23】変形例に係る携帯端末200に表示されるアプリ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。以下の図は各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態1.
(空気調和システムの概要)
図1は、実施の形態1に係る空気調和システム1の全体構成を示す図である。
図1に示す空気調和システム1は、建物1000の室内空気を調和する。空気調和システム1は、建物1000に設置された複数の室内機110と、少なくとも1つの携帯端末200と、ファイルサーバ300と、を備える。複数の室内機110は、3台の室内機110A,110B,110Cを含む。ただし、複数の室内機110の台数は特に限定されない。
【0012】
室内機110は、室外機とともに空気調和機を構成し、建物1000の室内空気を調和する。室内機110は、例えば天井埋込タイプの形状を有する。室内機110は、無線通信機を含み、室内機110を識別する信号を発信する。信号は、例えばビーコンである。
【0013】
携帯端末200は、例えばスマートフォン、タブレット、ノートパソコンである。携帯端末200は、室内機110から発信される信号を受信可能である。
【0014】
ファイルサーバ300は、複数の室内機110の各々の位置を示す位置ファイルを提供する。本実施の形態では、ファイルサーバ300は、当該位置ファイルとして、建物1000を構成する複数のオブジェクトの各々の属性および位置を示すIFC(Industry Foundation Classes)ファイルを提供する。複数のオブジェクトには、室内機110の他、ドア、壁、柱、什器などが含まれる。IFCファイルは、BIM(Building Information Modeling)と呼ばれる建築図面作成方法によって作成されたデータを流通させるためのIFC形式(Industry Foundation Classes形式)を有するファイルである。
【0015】
空気調和システム1では、携帯端末200の位置の検知のための初期設定として、ファイルサーバ300から携帯端末200にIFCファイルがインポートされる(図中(1)参照)。IFCファイルは、通常、建物1000の室内レイアウトの設計の際に作成されている。そのため、携帯端末200の位置の検知のための初期設定に手間がかからない。
【0016】
携帯端末200は、室内機110から周期的に発信されている信号を受信する(図中(2)参照)。携帯端末200は、信号によって識別される室内機110の位置をIFCファイルから特定し、特定した位置と信号の受信強度とに基づいて、携帯端末200の位置を検知する(図中(3)参照)。このように、携帯端末200の位置の検知は、特許文献1のように管理サーバを介することなく実行される。そのため、特許文献1と比較して、設備費用、ネットワーク構築費用などを低減できる。以下、空気調和システム1の詳細について説明する。
【0017】
(空気調和機のハードウェア構成)
図2は、空気調和機100の回路構成の一例を示す概略図である。
図2に示されるように、空気調和機100は、室内機110と、室外機120とを備える。空気調和機100は、室内機110および室外機120が冷媒配管によって接続されている。冷媒配管内を冷媒が流れることによって冷凍サイクルが形成されている。空気調和機100は、運転モードとして、冷房モードおよび暖房モードを有する。
図2に示す例において、冷房モードでの冷媒の循環方向が実線で示され、暖房モードでの冷媒の循環方向が点線で示されている。
【0018】
図2の例では、1台の室内機110と1台の室外機120とが接続される場合を示すが、室内機110および室外機120の台数は、この例に限られない。たとえば、1台の室外機120に対して複数の室内機110が接続されてもよいし、複数の室外機120に対して1または複数の室内機110が接続されてもよい。
【0019】
室内機110は、膨張弁111、室内熱交換器112、室内送風機113、制御装置114、無線通信機115および通信インターフェイス116を含む。室外機120は、圧縮機121、冷媒流路切替装置122、室外熱交換器123および室外送風機124を含む。
【0020】
膨張弁111は、冷媒を減圧して膨張させる。膨張弁111は、例えば電子式膨張弁などの開度の制御が可能な弁を含む。
【0021】
室内熱交換器112は、室内送風機113によって供給される室内空気と冷媒との間で熱交換を行なう。室内熱交換器112は、冷房モードにおいて、冷媒を蒸発させて冷媒の気化熱により室内空気を冷却する蒸発器として機能する。室内熱交換器112は、暖房モードにおいて、冷媒の熱を室内空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。
【0022】
制御装置114は、例えばマイクロコンピュータ、あるいはCPU(Central Processing Unit)などの演算装置上で実行されるソフトウェア、および各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア等を含む。制御装置114は、例えば不図示のリモートコントローラに対するユーザの操作あるいは図示しない温度センサからの温度情報などに基づき、室内機110の動作を制御する。
【0023】
無線通信機115は、室内機110の外部の装置と無線通信を行なう。無線通信機115は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy、「Bluetooth」は登録商標)規格に従って無線通信を行なう。以下、無線通信機115がBLE規格に従うものとして説明する。無線通信機115は、BLE規格におけるペリフェラル(スレーブ)として動作する。
【0024】
具体的には、無線通信機115は、信号(ビーコン)としてアドバタイズパケットを生成し、生成したアドバタイズパケットを一定周期で無線送信する。アドバタイズパケットの送信は、アドバタイズメントチャンネルを用いて行なわれる。周期は、BLE規格で定められており、20ms~10.24sの範囲内である。無線通信機115は、予め定められた送信強度でアドバタイズパケットを送信する。アドバタイズパケットは、無線通信機115を含む室内機110を識別するアドレスを含む。
【0025】
無線通信機115は、携帯端末200からの接続要求を受けたことに応じて、アドバタイズパケットの送信を終了し、当該携帯端末200との通信接続を確立する。通信接続が確立された後、無線通信機115は、データチャンネルを用いて、携帯端末200とデータのやり取りを行なう。
【0026】
無線通信機115は、携帯端末200との通信接続が切断されると、再度アドバタイズパケットの生成および送信を開始する。
【0027】
通信インターフェイス116は、通信ネットワークに接続可能であり、通信ネットワークを介して他の装置(例えば他の室内機110)を通信する。通信ネットワークは、例えばローカルエリアネットワークである。
【0028】
圧縮機121は、吸入された冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機121には種々のタイプのものを採用でき、例えばスクロールタイプ、ロータリータイプ、スクリュータイプ等のものを採用できる。
【0029】
室外熱交換器123は、室外送風機124によって供給される、室外空気と冷媒との間で熱交換を行なう。室外熱交換器123は、冷房モードにおいて、冷媒の熱を室外空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。室外熱交換器123は、暖房モードにおいて、室外空気からの熱を用いて冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。
【0030】
冷媒流路切替装置122は、冷媒の流路を切り替える。冷媒流路切替装置122は、例えば四方弁を含む。冷房モードにおいては、冷媒流路切替装置122が
図2の実線で示す状態に切り替えられる。これにより、冷媒は、圧縮機121、室外熱交換器123、膨張弁111および室内熱交換器112の順に循環する。暖房モードにおいては、冷媒流路切替装置122が
図2の点線で示す状態に切り替えられる。これにより、冷媒は、圧縮機121、室内熱交換器112、膨張弁111および室外熱交換器123の順に循環する。
【0031】
(ファイルサーバのハードウェア構成)
図3は、ファイルサーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、ファイルサーバ300は、主たる構成要素として、プログラムを実行するプロセッサ301と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)302と、プロセッサ301によるプログラムの実行により生成されたデータ、又は入力装置を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM(Random access memory)303と、データを不揮発的に格納するHDD(Hard Disk Drive)304と、通信インターフェイス305と、操作キー306と、ディスプレイ307と、を含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
【0032】
HDD304には、建物1000を構成する複数のオブジェクトの各々の属性および位置を示すIFCファイル400が格納される。IFCファイル400は、建物1000の室内レイアウトの設計の際に作成される。なお、IFCファイル400は、建物1000全体に対して作成されてもよいし、建物1000の一部の領域(例えばフロア)ごとに作成されてもよい。例えば、建物1000に含まれる複数のフロアが異なる組織によって使用される場合、フロアごとにIFCファイルが作成される。
【0033】
ファイルサーバ300における処理は、各ハードウェアおよびプロセッサ301により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、HDD304に予め記憶されている。ソフトウェアは、プロセッサ301によってHDD304から読み出され、RAM303に実行可能なプログラムの形式で格納される。プロセッサ301は、そのプログラムを実行する。
【0034】
本実施の形態では、プロセッサ301は、ファイル提供プログラムを実行する。具体的には、プロセッサ301は、通信インターフェイス305が受けたファイル要求に応じて、HDD304からIFCファイル400を読み出し、通信インターフェイス305を介して、読み出したIFCファイル400を要求元に送信する。なお、プロセッサ301は、IFCファイル400ごとに予め設定されたパスワードを用いた認証処理を実行し、認証成功に応じてIFCファイル400を提供してもよい。
【0035】
IFCファイル400は、建物1000を構成する各オブジェクトについて、アドレス、属性および位置を示す。アドレスは、オブジェクトに予め付与された識別情報であり、例えばユニークに付された番号である。属性は、オブジェクトの種類(室内機、ドア、柱、机、椅子、壁など)を示す。位置は、フロアの階数と、当該フロアにおけるオブジェクトの座標(XY座標)とによって示される。なお、IFCファイル400が1フロアを構成するオブジェクトのアドレス、属性および位置を示す場合、当該位置は、フロアにおけるオブジェクトの座標(XY座標)のみによって示されてもよい。
【0036】
図4は、IFCファイル400から作成されるフロア図が示される。フロア図は、仮想空間に配置されたオブジェクトモデル40の平面図である。
図4において、XY平面は水平面を示す。オブジェクトモデル40は、例えば室内機110のオブジェクトモデル410、机のオブジェクトモデル411、壁のオブジェクトモデル412などを含む。仮想空間上のオブジェクトモデル40の位置は、実空間上のオブジェクトの位置を模している。そのため、
図4に示すフロア図を確認することにより、実空間におけるオブジェクト(例えば室内機110、机、壁など)の相対的な位置関係が容易に把握される。
【0037】
(携帯端末のハードウェア構成)
図5は、携帯端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5に示されるように、携帯端末200は、主たる構成要素として、プログラムを実行するプロセッサ201と、データを不揮発的に格納するROM202と、プロセッサ201によるプログラムの実行により生成されたデータ、又は入力されたデータを揮発的に格納するRAM203と、データを不揮発的に格納するフラッシュメモリ204と、無線通信機205,206と、タッチスクリーン207とを含む。タッチスクリーン207は、ディスプレイ208とタッチパネル209とを有する。タッチパネル209は、ユーザの入力を受ける入力装置である。
【0038】
無線通信機205は、BLE規格に従った無線通信を行なう。無線通信機205は、BLE規格におけるセントラル(マスタ)として動作する。無線通信機205は、アドバタイズパケットを受信することにより、周辺に存在する室内機110の無線通信機115を認識する。無線通信機205は、指示に応じて、認識された無線通信機115に対して接続要求を送信する。通信接続が確立されると、無線通信機205は、データチャンネルを用いて、無線通信機115とデータのやり取りを行なう。
【0039】
無線通信機206は、BLE規格とは異なる通信プロトコル(例えば、WiFi(登録商標)、4G/LTEなど)に従った無線通信を行なう。なお、携帯端末200は、無線通信機205,206と異なる通信プロトコルに従った無線通信を行なう別の無線通信機をさらに備えていてもよい。
【0040】
携帯端末200における処理は、各ハードウェアおよびプロセッサ201により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ204に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、無線通信機206を介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ204に一旦格納される。そのソフトウェアは、プロセッサ201によってフラッシュメモリ204から読み出され、RAM203に実行可能なプログラムの形式で格納される。プロセッサ201は、そのプログラムを実行する。
【0041】
図5に示されるように、フラッシュメモリ204には、空調アプリケーション210が格納される。空調アプリケーション210は、例えばアプリケーションストアからダウンロードされる。さらに、フラッシュメモリ204には、空調アプリケーション210の実行に必要な設定情報211が格納される。
【0042】
(携帯端末の機能構成)
図6は、実施の形態1に係る携帯端末200のプロセッサ201によって実現される機能構成を示す図である。
図6に示されるように、携帯端末200は、設定部21と検知部22と通知部23とを備える。設定部21、検知部22および通知部23は、プロセッサ201が
図5に示す空調アプリケーション210を実行することにより実現される。
【0043】
設定部21は、空調アプリケーション210の動作に必要な設定情報211を設定する。設定部21は、設定情報211の設定のための画面(設定画面)をディスプレイ208に表示し、タッチパネル209への入力に応じて設定情報211を設定する。具体的には、設定部21は、無線通信機206を介して、指定されたIFCファイル400をファイルサーバ300に要求し、ファイルサーバ300から受けたIFCファイル400を設定情報211の1つとして設定する。
【0044】
検知部22は、無線通信機205によって受信されたアドバタイズパケットに基づいて、携帯端末200の位置を検知する。
【0045】
検知部22は、受信したアドバタイズパケットから、当該アドバタイズパケットを送信した室内機110のアドレスを読み取る。検知部22は、読み取ったアドレスに対応する位置をIFCファイル400から特定する。特定した位置は、アドバタイズパケットを送信した室内機110の位置である。
【0046】
検知部22は、アドバタイズパケットの受信強度を計測し、特定した位置と受信強度とに基づいて、携帯端末200の位置を検知する。
【0047】
アドバタイズパケットの受信強度は、当該アドバタイズパケットを送信する室内機110と携帯端末200との距離に依存する。すなわち、室内機110と携帯端末200との距離が短いほど、室内機110から発信されるアドバタイズパケットの受信強度が強くなる。検知部22は、受信強度と発信元からの距離との関係式を予め記憶しており、関係式に受信強度を代入することにより、室内機110からの距離を算出する。
【0048】
アドバタイズパケットの受信強度は、室内機110と携帯端末200との間の障害物の存在などの要因によって弱まりうる。そのため、検知部22は、特定した位置からの電波を、計測された受信強度以上で受信可能な領域を候補領域として決定し、候補領域内の位置(例えば候補領域の重心)を携帯端末200の位置として決定する。典型的には、検知部22は、特定した位置を中心とし、算出した距離を半径とする領域を候補領域として決定する。
【0049】
携帯端末200はユーザによって携帯される。そのため、検知部22は、人が侵入できない領域を候補領域から除いてもよい。
【0050】
具体的には、検知部22は、IFCファイル400によって示される属性に基づいて、候補領域内に位置するオブジェクトの中から、人の侵入が不可能な対象オブジェクトを抽出する。対象オブジェクトは、その上または中に人が立ち入らないオブジェクトであり、その占める領域内に人の重心が通常位置しないオブジェクトである。例えば、柱、壁、キャビネットには人が侵入できない。さらに、通常、机、テーブルの上に人は乗らない。そのため、柱、壁、キャビネット、机、テーブルは対象オブジェクトになり得る。一方、椅子の上には人が座る。そのため、椅子は対象オブジェクトにはならない。検知部22は、属性と人の侵入の可否とを対応付けたテーブルを予め記憶しており、当該テーブルを用いて対象オブジェクトを抽出すればよい。
【0051】
検知部22は、候補領域のうち対象オブジェクトの占める領域以外の位置を、携帯端末200の位置として決定する。
【0052】
通知部23は、検知部22によって検知された位置(以下、「検知位置」と称する。)をユーザに通知する。具体的には、通知部23は、IFCファイル400から作成されるフロア図をディスプレイ208に表示させるとともに、フロア図において検知位置を示すマークを表示させる。これにより、ユーザは、自身の位置を容易に把握できる。
【0053】
(携帯端末の位置の検知例)
図7~
図9を参照して、携帯端末200の位置の検知例について説明する。
図7は、携帯端末200によって受信されたアドバタイズパケットに関する情報を示す図である。
図8は、候補領域の決定方法の一例を示す図である。
図9は、ディスプレイ208に表示される検知結果の一例を示す図である。
【0054】
携帯端末200は、建物1000に設置された複数の室内機110のうちの少なくとも1台の室内機110からアドバタイズパケットを受信する。
図7には、携帯端末200が3台の室内機110から3つのアドバタイズパケットをそれぞれ受信した例が示される。
【0055】
検知部22は、受信した各アドバタイズパケットによって示されるアドレスに対応する位置をIFCファイル400から特定する。
図7に示す例では、アドレス「1」,「2」,「3」の室内機110の位置として、(x、y)=(20,40),(20,50),(10,50)が特定されている。
【0056】
さらに、検知部22は、各アドバタイズパケットの受信強度を計測する。
図7に示す例では、アドレス「1」,「2」,「3」の室内機110からのアドバタイズパケットの受信強度は、それぞれ80,60,40である。
【0057】
検知部22は、特定した位置からの電波を、計測された受信強度以上で受信可能な領域を候補領域として決定する。上述したように、検知部22は、受信強度と発信元からの距離との関係式に受信強度を代入することにより、室内機110からの距離を算出する。検知部22は、特定した位置を中心とし、算出した距離を半径とする領域を特定する。
図8に示す例では、検知部22は、アドレス「1」の室内機110Aの位置を中心とし、受信強度「80」から換算される距離を半径とする領域52Aを特定する。検知部22は、アドレス「2」の室内機110Bの位置を中心とし、受信強度「60」から換算される距離を半径とする領域52Bを特定する。検知部22は、アドレス「3」の室内機110Cの位置を中心とし、受信強度「40」から換算される距離を半径とする領域52Cを特定する。検知部22は、領域52A~52Cが重なり合う領域を候補領域53として決定する。
【0058】
検知部22は、候補領域53内の位置(例えば、候補領域53の重心)を携帯端末200の位置として決定する。
【0059】
図9に示されるように、通知部23は、IFCファイル400から作成されるフロア図において、検知位置を示すマーク50を表示させる。これにより、ユーザは、マーク50の位置を確認することにより自身の位置を容易に把握できる。
【0060】
図7~
図9に示す例では、検知部22は、3台の室内機110から3つのアドバタイズパケットをそれぞれ受信する。しかしながら、検知部22は、1台の室内機110からアドバタイズパケットを受信してもよい。ただし、2台以上の室内機110から2つ以上のアドバタイズパケットをそれぞれ受信することにより、候補領域が絞り込まれる。その結果、携帯端末200の位置の検知精度が向上する。
【0061】
さらに、候補領域内に人の侵入の不可能な対象オブジェクトが存在する場合、検知部22は、候補領域のうち対象オブジェクトの占める領域以外の位置を、携帯端末200の位置として決定すればよい。これにより、携帯端末200の位置の検知精度がさらに向上する。特に、アドバタイズパケットの受信強度から決定される候補領域のサイズが大きい場合に、候補領域から対象オブジェクトの領域を除くことが有効である。
【0062】
(空気調和システムの処理の流れ)
図10は、実施の形態1に係る空気調和システム1の検知処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示されるように、携帯端末200は、室内機110から信号(例えばアドバタイズパケット)を受信する(ステップS1)。携帯端末200は、信号の受信強度を計測する(ステップS2)。携帯端末200は、受信した信号から、発信元の室内機110を識別するアドレスを取得する(ステップS3)。携帯端末200は、予め記憶しているIFCファイル400から、取得したアドレスに対応する室内機110の位置を特定する(ステップS4)。携帯端末200は、特定した位置と信号の受信強度とに基づいて、携帯端末200の位置を検知する(ステップS5)。携帯端末200は、検知位置を通知する(ステップS6)。例えば、ディスプレイ208に検知位置が表示される。ステップS6の後、空気調和システム1は、処理を終了する。
【0063】
図11は、
図10に示すステップS5のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
図11に示されるように、携帯端末200は、ステップS4によって計測された受信強度を距離に変換する(ステップS11)。
【0064】
携帯端末200は、ステップS3で特定した位置を中心とし、ステップS11で変換された距離を半径とする領域を用いて、特定した位置からの電波を計測された受信強度以上で受信可能な候補領域を決定する(ステップS12)。
【0065】
例えば、ステップS1において1つの信号を受信した場合、携帯端末200は、ステップS3で特定した位置を中心とし、ステップS11で変換された距離を半径とする領域を候補領域として決定する。ステップS1において第1~第n室内機から第1~第n信号をそれぞれ受信した場合、携帯端末200は、第1~第n室内機の位置からの電波を第1~第n信号の受信強度以上でそれぞれ受信可能な第1~第n領域を特定する。nは2以上の整数である。すなわち、携帯端末200は、第1~第n信号の各々について、ステップS3で特定した位置を中心とし、ステップS11で変換された距離を半径とする領域をそれぞれ特定する。それから、携帯端末200は、第1~第n領域が重なり合う領域を候補領域として決定する。
【0066】
次に、携帯端末200は、IFCファイル400の属性に基づいて、複数のオブジェクトのうち候補領域内に位置するオブジェクトの中から、人の侵入が不可能な対象オブジェクトを抽出する(ステップS13)。
【0067】
携帯端末200は、候補領域のうち対象オブジェクトの占める領域以外の位置を、携帯端末200の位置として決定する(ステップS14)。
【0068】
実施の形態2.
実施の形態1では、携帯端末200の検知位置は、当該携帯端末200のユーザへの通知のために利用される。しかしながら、検知位置の利用方法は、これに限定されない。実施の形態2では、検知位置は、他の携帯端末に送信される。これにより、ユーザは、他のユーザの位置を容易に把握できる。以下、実施の形態2に係る空気調和システムについて説明する。
【0069】
(空気調和システムの概要)
図12は、実施の形態2に係る空気調和システム1Aの全体構成を示す図である。
図12に示す空気調和システム1Aは、
図1に示す空気調和システム1と比較して、複数の携帯端末200を備える点で相違する。
図11に示す例では、複数の携帯端末200は、携帯端末200A,200Bを含む。なお、携帯端末200の台数は2台に限定されない。室内機110、携帯端末200およびファイルサーバ300のハードウェア構成については、実施の形態1において説明した通りである。そのため、ハードウェア構成の詳細について説明を省略する。
【0070】
図12に示されるように、複数の室内機110は、空調ネットワーク500を介して、互いに通信接続される。各室内機110の通信インターフェイス116(
図2参照)は、空調ネットワーク500に接続される。空調ネットワーク500は、例えばローカルエリアネットワークである。
【0071】
携帯端末200A,200Bには、空調アプリケーション210(
図5参照)の動作に必要な設定情報211(
図5参照)として、IFCファイルがファイルサーバ300からインポートされる(図中(1)参照)。
【0072】
複数の携帯端末200の各々は、実施の形態1と同様の方法に従って、当該携帯端末200の位置を検知する。携帯端末200は、複数の室内機110のうち検知された位置(検知位置)から最も近い室内機110(最近傍の室内機110)に、当該検知位置を送信する。
図12に示す例では、携帯端末200Aは、室内機110Aに検知位置を送信している(図中(2)参照)。
【0073】
複数の室内機110の各々は、検知位置の受信に応じて、当該検知位置と送信元の携帯端末200を識別する識別情報(例えば端末ID)とを対応付けた管理情報を管理する。
図12に示す例では、室内機110Aは、携帯端末200Aの検知位置を管理する(図中(3)参照)。
【0074】
複数の携帯端末200の各々は、複数の室内機110のうち検知位置から最も近い室内機110に、他の携帯端末200の検索指示を送信する。
図12に示す例では、携帯端末200Bは、携帯端末200Aの検索指示を室内機110Cに送信している(図中(4)参照)。
【0075】
複数の室内機110の各々は、検索指示の受信に応じて、複数の室内機110のうちのいずれかによって管理される管理情報の中から、検索対象の携帯端末200を識別する端末IDに対応する位置を取得する。
図12に示す例では、室内機110Cは、室内機110Aが管理する管理情報から、携帯端末200Aを識別する端末IDに対応する位置を取得している(図中(5)参照)。
【0076】
さらに、複数の室内機110の各々は、検索指示の受信に応じて、取得した位置を含む検索結果を検索指示の送信元の携帯端末200に送信する。
図12に示す例では、室内機110Cは、携帯端末200Aを識別する端末IDに対応する位置を含む検索結果を携帯端末200Bに送信している(図中(6)参照)。
【0077】
複数の携帯端末200の各々は、検索結果の受信に応じて、当該検索結果を通知する。
図12に示す例では、携帯端末200Bは、携帯端末200Aの位置を含む検索結果を受信し、受信した検索結果を表示している(図中(7)参照)。
【0078】
(室内機の機能構成)
図13および
図14を参酌して、実施の形態2に係る室内機110の制御装置114によって実現される機能構成について説明する。
図13は、実施の形態2に係る室内機110の制御装置114によって実現される機能構成を示す図である。
図14は、制御装置114によって管理される管理情報12の一例を示す図である。
【0079】
図13に示されるように、制御装置114は、記憶部11と、管理部13と、検索部14と、を備える。記憶部11は、制御装置114に含まれるメモリによって実現される。管理部13および検索部14は、制御装置114に含まれるプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。
【0080】
管理部13は、無線通信機115が携帯端末200から検知位置を受信したことに応じて管理情報12を生成する。
図14に示されるように、管理情報12は、検知位置の送信元である携帯端末200を識別する端末IDと、当該検知位置と、当該検知位置を受信した時刻(以下、「更新時刻」と称する。)とを互いに対応付けた情報である。管理部13は、生成した管理情報12を記憶部11に格納する。
【0081】
検索部14は、携帯端末200の検索に関する処理を実行する。検索部14は、無線通信機115が携帯端末200から検索指示を受信したことに応じて、以下に記す検索処理を実行する。検索部14は、通信インターフェイス116が他の室内機110から問い合わせを受信したことに応じて、以下に記す回答処理を実行する。
【0082】
検索処理は、第1処理から第5処理を含む。第1処理は、記憶部11に記憶される管理情報12から、検索対象となる携帯端末200を識別する端末IDに対応する検知位置および更新時刻を読み出す処理である。第2処理は、通信インターフェイス116を介して、空調ネットワーク500(
図12参照)に接続された全ての他の室内機110に対して、問い合わせを送信する処理である。問い合わせには、検索対象となる携帯端末200を識別する端末IDが付加される。第3処理は、他の室内機110から、上記の問い合わせに対する回答として、検知位置および更新時刻を取得する処理である。第4処理は、第1処理および第3処理によって取得された検知位置のうち最新の更新時刻に対応する検知位置を検索結果として選択する処理である。すなわち、検索結果には、検索対象の携帯端末200の最新の検知位置が含まれる。第5処理は、無線通信機115を介して、検索指示の送信元の携帯端末200に検索結果を送信する処理である。
【0083】
回答処理は、第6処理および第7処理を含む。第6処理は、記憶部11に記憶される管理情報12から、問い合わせに付加された端末IDに対応する検知位置および更新時刻を読み出す処理である。第7処理は、通信インターフェイス116を介して、問い合わせの送信元の室内機110に、読み出された検知位置および更新時刻を送信する処理である。
【0084】
(携帯端末の機能構成)
図15は、実施の形態2に係る携帯端末200のプロセッサ201によって実現される機能構成を示す図である。実施の形態2に係る携帯端末200は、
図6に示す携帯端末200と比較して、設定部21、検知部22および通知部23の代わりに設定部21a、検知部22aおよび通知部23aをそれぞれ備え、かつ、検索指示部24をさらに備える点で相違する。設定部21a、検知部22a、通知部23aおよび検索指示部24は、プロセッサ201が空調アプリケーション210を実行することにより実現される。
【0085】
設定部21aは、空調アプリケーション210の動作に必要な設定情報211を設定する。設定部21aは、実施の形態1の設定部21と同様に、ファイルサーバ300から受けたIFCファイル400を設定情報211の1つとして設定する。
【0086】
さらに、設定部21aは、グループ情報212を設定情報211の1つとして設定する。グループ情報212は、ユーザが所属するグループを識別するグループIDと、当該グループに所属する複数のユーザによってそれぞれ携帯される複数の携帯端末200の端末IDとを含む。設定部21aは、タッチパネル209への操作に応じて、新たなグループを作成したり、既存のグループへ端末IDを登録したりする。
【0087】
設定部21aは、グループに自身の端末IDを登録すると、無線通信機206を介して、当該グループに登録済みの端末IDの携帯端末200に新規登録の通知を行なう。新規登録の通知には、グループIDと新たに登録された端末IDとが付加される。
【0088】
設定部21aは、新規登録の通知を受けると、当該通知に付加されるグループIDに対応するグループ情報212に当該通知に付加される端末IDを追加登録する。
【0089】
検知部22aは、実施の形態1の検知部22と同様に、無線通信機205によって受信されたアドバタイズパケットに基づいて、携帯端末200の位置を検知する。
【0090】
さらに、検知部22aは、IFCファイル400を参照して、受信したアドバイタイズパケットに含まれるアドレスの中から検知位置に最も近い室内機110のアドレスを特定する。検知部22aは、特定した室内機110の無線通信機115に対して接続要求を送信するように無線通信機205を制御する。通信接続が確立されると、検知部22aは、検知位置と自身の端末IDとを室内機110に送信するように無線通信機205を制御する。
【0091】
検索指示部24は、タッチパネル209への入力に応じて、グループ情報212に含まれる端末IDを指定した検索指示を生成する。検索指示部24は、通信接続の確立している室内機110(すなわち、検知位置から最も近い室内機110)に検索指示を送信するように無線通信機205を制御する。検索指示部24は、無線通信機205を介して、検索指示に対する検索結果を取得する。上述したように、検索結果は、検索対象となる携帯端末200の最新の検知位置を含む。
【0092】
通知部23aは、実施の形態1の通知部23と同様に、検知位置をユーザに通知する。さらに、通知部23aは、検索結果に含まれる検索対象の携帯端末200の位置もユーザに通知する。具体的には、通知部23aは、IFCファイル400から作成されるフロア図をディスプレイ208に表示させる。さらに、通知部23aは、フロア図において、検知部22aによって検知された位置(自身の位置)と検索指示部24が取得した検索結果に含まれる位置(検索対象の携帯端末200の位置)とを示すマークを表示させる。これにより、ユーザは、自身の位置とともに、他のユーザの位置を容易に把握できる。
【0093】
図16は、実施の形態2に係る携帯端末200に表示される設定画面の一例を示す図である。
図16に示す設定画面は、設定部21aによってディスプレイ208に表示される。
【0094】
図16に示されるように、設定画面は、グループIDを設定するための項目80を含む。ユーザは、項目80を操作することにより、所属するグループを識別するグループIDを設定する。
【0095】
図17は、実施の形態2に係る携帯端末200に表示される検索結果の通知画面の一例を示す図である。
図17に示す通知画面は、通知部23aによってディスプレイ208に表示される。
【0096】
図17に示されるように、通知部23aは、IFCファイル400から作成されるフロア図において、検索結果に含まれる位置(検索対象の携帯端末200の最新の検知位置)にマーク70を表示させる。さらに、通知部23aは、フロア図において検知部22aによって検知された位置にマーク71を表示させる。マーク70,71には、端末IDが記される。もしくは、マーク70,71には、ユーザ名が記されてもよい。これにより、ユーザは、自身の位置と、他のユーザの位置とを容易に把握できる。
【0097】
(空気調和システムの処理の流れ)
図18は、実施の形態2に係る空気調和システム1Aにおける検知位置の管理処理の流れを示すフローチャートである。
図18に示すフローチャートは、
図10に示すフローチャートと比較して、ステップS6の代わりにステップS21~S23を含む点で相違する。
【0098】
ステップS21において、携帯端末200は、IFCファイル400を参照して、受信したアドバイタイズパケットに含まれるアドレスの中からステップS5で検知された位置(検知位置)に最も近い室内機110のアドレスを特定する。そして、携帯端末200は、特定したアドレスの室内機110に対して接続要求を送信し、通信接続を確立させる。
【0099】
次に、携帯端末200は、最近傍の室内機110に検知位置と端末IDとを送信する(ステップS22)。次に、室内機110は、受信した検知位置と端末IDと受信した時刻(更新時刻)とを互いに対応付けた管理情報12を記憶する(ステップS23)。
【0100】
ステップS23の終了後、管理処理は終了する。
図18に示す管理処理は、周期的に実行される。これにより、携帯端末200の最新の位置が最近傍の室内機110に記憶される。
【0101】
図19は、実施の形態2に係る空気調和システム1Aにおける検索処理の流れを示すフローチャートである。
【0102】
携帯端末200は、通信接続している室内機110(つまり、最近傍の室内機110)に対して、検索対象の携帯端末200の端末IDを指定した検索指示を送信する(ステップS31)。
【0103】
検索指示を受信した室内機110は、記憶部11に記憶される管理情報12から、検索対象となる携帯端末200を識別する端末IDに対応する検知位置および更新時刻を読み出す(ステップS32)。なお、検索対象となる携帯端末200を識別する端末IDに対応する管理情報12が記憶部11に記憶されていない場合、ステップS32の処理は省略される。
【0104】
さらに、検索指示を受信した室内機110は、空調ネットワーク500(
図12参照)に接続された全ての他の室内機110に対して、検索対象となる携帯端末200を識別する端末IDを付加した問い合わせを送信する(ステップS33)。
【0105】
問い合わせを受けた各室内機110は、記憶部11に記憶される管理情報12から、問い合わせに付加された端末IDに対応する検知位置および更新時刻を読み出し、問い合わせを送信した室内機110に回答する(ステップS34)。なお、検索対象となる携帯端末200を識別する端末IDに対応する管理情報12が記憶部11に記憶されていない場合、ステップS34の処理は省略される。
【0106】
検索指示を受信した室内機110は、ステップS32およびステップS34によって取得された検知位置のうち最新の更新時刻に対応する検知位置を検索結果として選択し、検索指示の送信元の携帯端末200に検索結果を送信する(ステップS35)。
【0107】
検索結果を受けた携帯端末200は、検索結果を通知する(ステップS36)。例えば、ディスプレイ208に検索結果が表示される。このとき、検索結果に含まれる位置(検索対象の携帯端末200の最新の検知位置)とともに、ステップS4において検知された位置(自身の検知位置)も表示されてもよい。ステップS36の後、空気調和システム1Aは、検索処理を終了する。
【0108】
実施の形態3.
実施の形態3では、携帯端末200は、検知位置から最も近い室内機110を操作対象として決定し、操作対象となる室内機110を操作する。これにより、最近傍の室内機110が操作対象として自動的に決定される。その結果、ユーザは、最近傍の室内機110を操作しやすくなる。以下、実施の形態3に係る空気調和システムについて説明する。
【0109】
実施の形態3に係る空気調和システムは、
図1に示す空気調和システム1と同様に、複数の室内機110と、少なくとも1つの携帯端末200と、ファイルサーバ300とを備える。室内機110、携帯端末200およびファイルサーバ300のハードウェア構成については、実施の形態1において説明した通りである。そのため、ハードウェア構成の詳細について説明を省略する。
【0110】
(携帯端末の機能構成)
図20は、実施の形態3に係る携帯端末200のプロセッサ201によって実現される機能構成を示す図である。実施の形態3に係る携帯端末200は、
図6に示す携帯端末200と比較して、操作部25をさらに備える点で相違する。操作部25は、プロセッサ201が空調アプリケーション210を実行することにより実現される。
【0111】
操作部25は、ディスプレイ208に空気調和のための操作指示の入力を促す操作画面を表示させる。操作指示には、例えば設定温度、風量および風向きの変更指示が含まれる。操作部25は、入力装置であるタッチパネル209に入力された操作指示を取得する。
【0112】
さらに、操作部25は、IFCファイル400を参照して、受信したアドバイタイズパケットに含まれるアドレスの中から検知位置に最も近い室内機110のアドレスを特定する。操作部25は、特定した室内機110の無線通信機115に対して接続要求を送信するように無線通信機205を制御する。通信接続が確立されると、操作部25は、取得した操作指示を特定した室内機110に送信するように無線通信機205を制御する。
【0113】
図21は、実施の形態3に係る携帯端末200による操作対象の室内機110の決定方法を示す図である。
図21に示す例では、携帯端末200の検知部22は、自身の位置(x、y)=(28,42)を検知している。
【0114】
操作部25は、受信したアドバタイズパケットに含まれるアドレスの中から、検知位置に最も近い室内機110のアドレスを特定する。そして、操作部25は、特定したアドレスの室内機110を操作対象として決定する。
図21に示す例では、室内機110A~110Cの中から、検知位置に最も近い室内機110Cが操作対象として決定される。
【0115】
操作対象として決定された室内機110Cは、携帯端末200から操作指示を受信する。操作指示を受信した室内機110Cでは、制御装置114が操作指示に応じて制御を行なう。
【0116】
(空気調和システムの処理の流れ)
図22は、実施の形態3に係る空気調和システムにおける操作処理の流れを示すフローチャートである。
図22に示すフローチャートは、
図10に示すフローチャートと比較して、ステップS6の代わりにステップS41~S44を含む点で相違する。
【0117】
ステップS41において、携帯端末200は、IFCファイル400を参照して、受信したアドバイタイズパケットに含まれるアドレスの中からステップS5で検知された位置(検知位置)に最も近い室内機110のアドレスを特定する。そして、携帯端末200は、特定したアドレスの室内機110を操作対象として決定する。
【0118】
次に、携帯端末200は、操作対象の室内機110に対して接続要求を送信し、通信接続を確立させる(ステップS42)。
【0119】
次に、携帯端末200は、ディスプレイ208に空気調和のための操作指示の入力を促す操作画面を表示させ、タッチパネル209に入力された操作指示を取得する(ステップS43)。なお、ステップS43は、ステップS41またはステップS42の前に実行されてもよい。
【0120】
次に、携帯端末200は、通信接続が確立された室内機110(操作対象の室内機110)に、取得した操作指示を送信する(ステップS44)。ステップS44の終了後、空気調和システムは、操作処理は終了する。これにより、ユーザは、携帯端末200を用いて、最近傍の室内機110を容易に操作できる。
【0121】
変形例.
上記の実施の形態では、複数の室内機110の各々の位置を示す位置ファイルとして、IFCファイル400が使用される。しかしながら、位置ファイルは、IFCファイル400に限定されず、他のデザインツールを用いて作成されるファイルであってもよい。たとえば、位置ファイルは、マイクロソフト社製のVisio(登録商標)などによって生成されてもよい。このような位置ファイルであっても、フロア図を作成することができる。なお、複数のオブジェクトのうち候補領域内に位置するオブジェクトの中から人の侵入が不可能な対象オブジェクトを抽出するために、デザインツールを用いて、建物1000を構成する什器の属性および位置が位置ファイルに登録される。
【0122】
実施の形態2において、室内機110の管理部13は、現時刻よりも規定時間(例えば5分)以上古い更新時刻を有する管理情報12を記憶部11から削除してもよい。これにより、記憶部11の容量を小さくできる。
【0123】
あるいは、管理部13は、無線通信機205が検知位置を受信したことに応じて、当該検知位置を送信した携帯端末200を識別する端末IDを付加した削除指示を他の室内機110に送信してもよい。管理部13は、削除指示を受けると、当該削除指示に付加された端末IDを含む管理情報12を記憶部11から削除する。これにより、複数の携帯端末200の各々に対応する管理情報12は、当該携帯端末200の最新の検知位置に最も近い室内機110の記憶部11にのみ記憶される。その結果、記憶部11の容量を小さくできる。
【0124】
上記の実施の形態2の説明では、室内機110の検索部14は、最新の更新時刻に対応する検知位置を含む検索結果を生成するものとした。しかしながら、検索部14は、取得した検知位置の全てを含む検索結果を生成してもよい。取得した各検知位置には更新時刻が対応付けられている。これにより、検索結果を受けた携帯端末200の通知部23aは、検索対象の携帯端末200の移動軌跡を通知できる。具体的には、通知部23aは、IFCファイル400から作成されるフロア図において、検索結果に含まれる複数の検知位置にそれぞれ対応する複数の点を更新時刻に沿って順に連結させた移動軌跡を表示させてもよい。
【0125】
上記の実施の形態1~3は適宜組み合わされてもよい。携帯端末200は、空調アプリケーション210を起動すると、空調アプリケーション210に対応するアプリ画面を表示し、アプリ画面への操作に応じて、実施の形態1~3のいずれかの処理を実行すればよい。
【0126】
図23は、変形例に係る携帯端末200に表示されるアプリ画面の一例を示す図である。
図23に示すアプリ画面は、IFCファイル400から作成されるフロア図が表示される領域60を含む。さらに、アプリ画面は、チェックボックス61~64と、コマンドボタン65とを含む。
【0127】
チェックボックス61がチェックされると、領域60に表示されるフロア図において、障害物となるオブジェクトモデルが強調表示される。プロセッサ201は、IFCファイル400の属性に応じて、オブジェクトが障害物か否か判定し、障害物と判定されたオブジェクトに対応するオブジェクトモデルを強調表示する。
【0128】
チェックボックス62がチェックされると、領域60に表示されるフロア図において、検索対象の携帯端末200の移動軌跡が表示される。
【0129】
チェックボックス63がチェックされると、領域60に表示されるフロア図において、自身の検知位置の推定円が表示される。例えば、プロセッサ201は、候補領域53の外接円を推定円としてディスプレイ208に表示する。ユーザは、推定円を確認することにより、自身の位置を把握しやすくなる。
【0130】
チェックボックス64がチェックされると、プロセッサ201は、アプリ画面に、最近傍の室内機110を操作するためのリモコン画面を含ませる。これにより、ユーザは、最近傍の室内機110に対する操作指示を入力できる。なお、室内機110の操作を禁止する場合には、チェックボックス64は、非表示にされるか、または、チェック不可の状態に変更される。あるいは、室内機110の操作を禁止する期間または時間帯が設定されている場合、当該期間または時間帯において、チェックボックス64は、非表示にされるか、または、チェック不可の状態に変更される。これにより、ユーザは、室内機110の操作が禁止されていることを認識できる。
【0131】
コマンドボタン65が操作されたことに応じて、プロセッサ201は、グループ情報212に含まれる端末ID(グループメンバーが携帯する携帯端末200の端末ID)を指定した検索指示を最近傍の室内機110に送信する。そして、プロセッサ201は、最近傍の室内機110から受けた検索結果に含まれる検知位置を示すマーク70(
図17参照)をフロア図に表示させる。
【0132】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1,1A 空気調和システム、11 記憶部、12 管理情報、13 管理部、14 検索部、21,21a 設定部、22,22a 検知部、23,23a 通知部、24 検索指示部、25 操作部、40,410~412 オブジェクトモデル、50,70,71 マーク、52A~52C,60 領域、53 候補領域、61~64 チェックボックス、65 コマンドボタン、80 項目、100 空気調和機、110,110A~110C 室内機、111 膨張弁、112 室内熱交換器、113 室内送風機、114 制御装置、115,205,206 無線通信機、116,305 通信インターフェイス、120 室外機、121 圧縮機、122 冷媒流路切替装置、123 室外熱交換器、124 室外送風機、200,200A,200B 携帯端末、201,301 プロセッサ、202 ROM、203,303 RAM、204 フラッシュメモリ、207 タッチスクリーン、208,307 ディスプレイ、209 タッチパネル、210 空調アプリケーション、211 設定情報、212 グループ情報、300 ファイルサーバ、306 操作キー、400 IFCファイル、500 空調ネットワーク、1000 建物。