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特許7403691レンズモジュール、撮像装置および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】レンズモジュール、撮像装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20231215BHJP
【FI】
G02B7/02 B
G02B7/02 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023000252
(22)【出願日】2023-01-04
【審査請求日】2023-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】江黒 亨
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智彦
(72)【発明者】
【氏名】横山 武史
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-234008(JP,A)
【文献】特開2019-144532(JP,A)
【文献】特開2021-119400(JP,A)
【文献】特開2021-009386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筒壁と、第2の筒壁と、第3の筒壁と、第4の筒壁とを備えるバレルであって、前記第1の筒壁と前記第2の筒壁が対向配置され、かつ、円弧状になり、前記第3の筒壁と前記第4の筒壁が対向配置され、かつ、前記第3の筒壁の外側壁と前記第4の筒壁の外側壁がいずれも平面側壁であるバレルと、
前記バレルに収容されるレンズ群であって、少なくとも楕円状になる第1レンズを含むレンズ群とを、備え、
前記第3の筒壁の端部には第1開口が配置され、前記第4の筒壁の端部には第2開口が配置され、前記第1の筒壁には第1のフック部が形成され、前記第2の筒壁には第2のフック部が形成され、
前記第1レンズは、前記第1のフック部と前記第2のフック部との間に介設されて固定されている、ことを特徴とするレンズモジュール。
【請求項2】
前記第1レンズは、対向配置された第1円弧縁と第2円弧縁、および、対向配置された第1ストレート辺と第2ストレート辺を有しており、
前記第1円弧縁は前記第1のフック部に介設されて固定されており、前記第2円弧縁は前記第2のフック部に介設されて固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
前記第1のフック部と前記第2のフック部との間の最短距離は、前記第1ストレート辺と前記第2ストレート辺との間の最短距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項4】
前記第1の筒壁の内側壁は、径方向に第1受け部が配置され、前記第2の筒壁の内側壁は、径方向に第2受け部が配置され、前記第1受け部と前記第2受け部は同一平面にあり、
前記第1の筒壁の端部は、径方向に第1延在部が延在して形成され、前記第2の筒壁の端部は、径方向に第2延在部が延在して形成され、
前記第1受け部と、前記第1延在部と、前記第1受け部と前記第1延在部との間の第1の筒壁とにより、前記第1のフック部が形成され、
前記第2受け部と、前記第2延在部と、前記第2受け部と前記第2延在部との間の第2の筒壁とにより、前記第2のフック部が形成される、ことを特徴とする請求項に記載のレンズモジュール。
【請求項5】
前記第1レンズは、第1切り欠き部と、第2切り欠き部とを有し、前記第1切り欠き部は、前記第1ストレート辺に近い前記第1円弧縁に配置され、前記第2切り欠き部は、前記第2ストレート辺に近い前記第2円弧縁に配置され、
前記第1のフック部は、前記第1の筒壁の周方向における一端には第1壁部が配置されており、前記第2のフック部は、前記第2の筒壁の周方向における一端には第2壁部が配置され、
前記第1レンズを前記バレルに組み立てるプロセスにおいて、前記第1壁部は前記第1切り欠き部と嵌合され、前記第2壁部は、前記第2切り欠き部と嵌合される、ことを特徴とする請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項6】
前記第1のフック部の第1側面は、第1斜面であり、前記第1側面は、前記第1の筒壁の頂部平面と隣接しており、
前記第2のフック部の第2側面は、第2斜面であり、前記第2側面は、前記第2の筒壁の頂部平面と隣接しており、
前記第1斜面の第1辺から前記第1の筒壁の外側壁までの最短距離は、前記第1斜面の第2辺から前記第1の筒壁の外側壁までの最短距離よりも小さく、前記第2辺と前記第1辺は、前記第1斜面の2つの対向する辺であり、前記第1辺は前記第1斜面と前記第1の筒壁の頂部平面との共通辺であり、
前記第2斜面の第3辺から前記第2の筒壁の外側壁までの最短距離は、前記第2斜面の第4辺から前記第2の筒壁の外側壁までの最短距離よりも小さく、前記第3辺と前記第4辺は、前記第2斜面の2つの対向する辺であり、前記第3辺は前記第2斜面と前記第2の筒壁の頂部平面との共通辺である、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項7】
前記第1のフック部と前記第1レンズとの係合幅は、0.2mm以上1mm以下であり、前記第2のフック部と前記第1レンズとの係合幅は、前記第1のフック部と前記第1レンズとの係合幅に等しい、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項8】
前記第1のフック部の径方向における第1延在部の厚さと前記第2のフック部の径方向における第2延在部の厚さは等しく、両者とも0.3mm以上1mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項9】
前記第1のフック部の高さと前記第2のフック部の高さは等しく、両者とも前記第1レンズの最大厚さである、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のレンズモジュールを備えることを特徴とする、撮像装置。
【請求項11】
請求項10に記載の撮像装置を備えることを特徴とする、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子技術分野に関し、特にレンズモジュール、撮像装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術におけるレンズモジュールとしては、レンズモジュール中のレンズ側面を外観から確認できる構造を実現する目的から、通常、レンズを挿入するバレルの一部を除去してレンズの一部もカットした方案が採用されている。図1に示すように、バレルbに対してレンズaを上から挿入し組立を行っていき、最後にレンズaをバレルbに固定していくが、接着剤の塗布領域を狭く設定する必要が出てきた。なぜなら、バレルbの一部を除去してしまうために接着剤がバレルbの外周に流れ出ないようにする必要が発生したためである。
【0003】
図2に示すように、レンズとバレルとの接着範囲cを狭めたり、あるいは、図3に示すように、接着剤をレンズとバレルとの接着範囲である切り欠き部dへ塗布したりしている。しかしながら、レンズとバレルとの接着範囲が狭くなることにより、レンズを固定する強度が低下する問題が発生した。また、レンズを固定する強度が低下することで、一連の問題がもたらされ、例えば、落下衝撃によりレンズの上方向へ衝撃がかかった時に、レンズとバレルの接着が剥がれてレンズが脱落したり、レンズ位置が動いてしまうなどの問題が発生し易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の少なくとも一つの実施例は、レンズモジュールにおけるレンズとバレルとの固定強度を向上することができるレンズモジュール、撮像装置および電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した技術的課題を解決するために、本発明は、以下のようになされたものである。
第一の面では、本発明の実施例は、
第1の筒壁と、第2の筒壁と、第3の筒壁と、第4の筒壁とを備えるバレルであって、前記第1の筒壁と前記第2の筒壁が対向配置され、かつ、円弧状になり、前記第3の筒壁と前記第4の筒壁が対向配置され、かつ、前記第3の筒壁の外側壁と前記第4の筒壁の外側壁がいずれも平面側壁であるバレルと、
前記バレルに収容されるレンズ群であって、少なくとも楕円状になる第1レンズを含むレンズ群とを、備え、
前記第3の筒壁の端部には第1開口が配置され、前記第4の筒壁の端部には第2開口が配置され、前記第1の筒壁には第1のフック部が形成され、前記第2の筒壁には第2のフック部が形成され、
前記第1レンズは、前記第1のフック部と前記第2のフック部との間に介設されて固定されている、レンズモジュールを提供する。
【0006】
第二の面では、本発明の実施例は、前記第一の面に記載のレンズモジュールを備える撮像装置を提供する。
【0007】
第三の面では、本発明の実施例は、前記二の面に記載の撮像装置を備える電子機器を提供する。
【0008】
従来技術と比べて、本発明の実施例が提供するレンズモジュール、撮像装置および電子機器は、バレルに形成されたフック部により、レンズをフック部に介設して固定し、レンズモジュールにおけるレンズとバレルとの固定強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、従来のレンズモジュールの組立概要図である。
図2図2は、従来のレンズとバレルとの接着範囲の概要図の一である。
図3図3は、従来のレンズとバレルとの接着範囲の概要図の二である。
図4図4は、本発明の実施例に係るレンズモジュールの概略構成図の一である。
図5図5は、図4における第1レンズをバレルに組み立てる組立プロセスの概要図の一である。
図6図6は、図4における第1レンズをバレルに組み立てる組立プロセスの概要図の二である。
図7図7は、図4に示すレンズモジュールの断面図である。
図8図8は、本発明の実施例に係る第1レンズの概略構成図である。
図9図9は、図8と嵌合装着するバレルの概略構成図である。
図10図10は、図8に示す第1レンズを図9に示すバレルに組み立てる組立プロセスの概要図の一である。
図11図11は、図8に示す第1レンズを図9に示すバレルに組み立てる組立プロセスの概要図の二である。
図12図12は、図8に示す第1レンズと図9に示すバレルとの組立が完成した後の平面図である。
図13図13は、図8に示す第1レンズと図9に示すバレルとの組立が完成した後のレンズモジュールの概略構成図である。
図14図14は、本発明の実施例に係るレンズモジュールの概略構成図の二である。
図15図15は、本発明の実施例に係るレンズ固定範囲と従来のレンズ固定範囲との比較概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、本出願の実施例に係る図面に合せて、本出願の実施例に係る技術案を明確且つ完全に記述し、記述されている実施例が本出願の実施例の一部であり、全てではないことは明らかである。本出願に係る実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を払わない前提で得られた他の実施例の全てはいずれも、本出願の保護する範囲に属する。
【0011】
本出願の明細書および特許請求の範囲における「第1」、「第2」などの用語は、類似のオブジェクトを区別するために用いられるものであり、特定の順序または前後順序を記述するためのものではない。このように用いられるデータは、本出願の実施例がここで図示または記述されているこれらの順序以外の順序で実施され得るように、適切な場合において互いに置き換え可能であり、そして、「第1」、「第2」などで区別されるオブジェクトは、通常同類のものであり、オブジェクトの数を限定するものではなく、例えば、第1のオブジェクトは、一つでもよく、複数でもよいと理解されるべきだ。また、明細書および請求項における「及び/又は」は、接続されるオブジェクトのうちの少なくとも一つを表しており、「/」という記号は、一般的に、前後の関連オブジェクトが「または」の関係にあることを表している。
【0012】
図4図15に示すように、本発明の実施例は、第1の筒壁1と、第2の筒壁2と、第3の筒壁3と、第4の筒壁とを備えるバレル100であって、第1の筒壁1と第2の筒壁2が対向配置され、かつ、円弧状になり、第3の筒壁3と第4の筒壁が対向配置され、かつ、第3の筒壁3の外側壁と第4の筒壁の外側壁がいずれも平面側壁であるバレル100と、バレル100に収容されるレンズ群200であって、少なくとも楕円状になる第1レンズ4を含むレンズ群200とを備える、レンズモジュールを提供する。
【0013】
選択的には、第1レンズ4は、最も物体側にあるレンズである。
【0014】
前述したバレル100の各構成部に対する記述については、円柱状のバレルの外径部の対角位置の2か所を除去して本発明の実施例に係るバレル100を形成するものと理解され得る。
【0015】
ここで、第1の筒壁1の内側壁と、第2の筒壁2の内側壁と、第3の筒壁3の内側壁と、第4の筒壁の内側壁とに囲まれてなったバレル100の内壁は、筒状になっている。
【0016】
図5を参照すると、第3の筒壁3の端部には、第1開口31が配置されており、第4の筒壁の端部には、第2開口41が配置されている。第1の筒壁1には、第1のフック部300が形成されており、第2の筒壁2には、第2のフック部400が形成されている。図4を参照すると、第1レンズ4は、第1のフック部300と第2のフック部400との間に介設されて固定されている。
【0017】
ここで、第3の筒壁3の端部には、第1開口31が配置されており、第3の筒壁3に対向する第4の筒壁の端部には、第2開口41が配置されている。このように、バレル100内の第1レンズ4の側面を外観から確認する構造とすることができる。
【0018】
バレル100との嵌合装着のために、同様に円形のレンズの一部を除去して、本実施例における、形状が楕円状となる第1レンズ4を形成する。
【0019】
第1の筒壁1に第1のフック部300を形成し、第2の筒壁2に第2のフック部400を形成することにより、第1レンズ4を第1のフック部300と第2のフック部400との間に介設して固定する。このように、レンズモジュールにおけるレンズとバレルとの固定強度を向上することができるので、落下衝撃によりレンズの上方向へ衝撃がかかった時にレンズとバレルの接着が剥がれてレンズが脱落したり、レンズ位置が動てしまうなどの問題を回避することができる。
【0020】
幾つかの実施例では、図4を参照すると、第1レンズ4は、対向配置された第1円弧縁51と第2円弧縁52、および、対向配置された第1ストレート辺53と第2ストレート辺54を有しており、第1円弧縁51は第1のフック部300に介設されて固定されており、第2円弧縁52は第2のフック部400に介設されて固定されている。
【0021】
第1円弧縁51はそれぞれ第1ストレート辺53と第2ストレート辺54とに接続されており、第2円弧縁52はそれぞれ第1ストレート辺53と第2ストレート辺54とに接続されている。第1ストレート辺53は、第2ストレート辺54に平行している。
【0022】
当該実施例における第1レンズ4は、円形のレンズの対角の2か所を除去して当該実施例における第1レンズ4を形成するものと理解され得る。
【0023】
具体的には、第1のフック部300と第2のフック部400との間の最短距離は、第1ストレート辺53と第2ストレート辺54との間の最短距離よりも大きい。このように配置する目的は、第1レンズ4をバレル100に組み立てることができるようにするためである。
【0024】
選択的には、第1のフック部300と第1レンズ4との係合幅は、0.2mm以上1mm以下であり、第2のフック部400と第1レンズ4との係合幅は、第1のフック部300と第1レンズ4との係合幅に等しい。
【0025】
ここで、第1のフック部300と第1レンズ4との係合幅は、第1のフック部300が径方向にて第1レンズ4に掛かる幅であると理解され得る。
【0026】
選択的には、第1のフック部300の高さと第2のフック部400の高さは等しく、両者とも第1レンズ4の最大厚さである。例えば、第1レンズ4が凸レンズであると、第1のフック部300の高さは、第1レンズ4のフランジ厚と等しく、約0.3mm~1mm程度である。
【0027】
実施例1では、図5を参照すると、第1の筒壁1の内側壁は、径方向に第1受け部11が配置され、第2の筒壁2の内側壁は、径方向に第2受け部12が配置され、第1受け部11と第2受け部12は同一平面にある。
【0028】
第1の筒壁1の端部は、径方向に第1延在部13が延在して形成されており、第2の筒壁2の端部は、径方向に第2延在部14が延在して形成されている。
【0029】
第1受け部11と、第1延在部13と、第1受け部11と第1延在部13との間の第1の筒壁1とにより、第1のフック部300は形成されている。
【0030】
第1のフック部300は、第1の筒壁1に形成された、径方向に向かって開口する溝であると理解されるべきである。
【0031】
第2受け部12と、第2延在部14と、第2受け部12と第2延在部14との間の第2の筒壁2とにより、第2のフック部400は形成されている。
【0032】
同様に、第2のフック部400は、第2の筒壁2に形成された、径方向に向かって開口する溝である。
【0033】
なお、第1のフック部300の第1の筒壁1の周方向の両端における溝口はいずれも閉鎖されず、かつ、第3の筒壁3における第1開口31、第4の筒壁における第2開口41にそれぞれ連通している。
【0034】
同様に、第2のフック部400の第2の筒壁2の周方向の両端における溝口はいずれも閉鎖されず、かつ、第3の筒壁3における第1開口31、第4の筒壁における第2開口41にそれぞれ連通している。
【0035】
選択的には、第1のフック部300の径方向における第1延在部13の厚さと第2のフック部400の径方向における第2延在部14の厚さは等しく、両者とも0.3mm以上1mm以下である。
【0036】
具体的には、第1レンズ4をバレル100に組み立てる組立プロセスは以下の通りである。
【0037】
まず、図5を参照すると、第1レンズ4の第1ストレート辺53の方向をバレル100の第3の筒壁3の方向と90度回転させた位置にて、第1レンズ4をバレル100に挿入する。
【0038】
つまり、円形のレンズの対角2か所がカットされている方向を、円柱状のバレルの外径部の対角2か所が除去されている方向と90度回転させる。
【0039】
次に、図6を参照すると、第1レンズ4の底部をバレル100の受け面(すなわち、第1受け部11と第2受け部12により形成された受け面)に接触している状態で、第1レンズ4を回転させる。図4を参照すると、第1レンズ4の側面がバレル100の第3の筒壁3の所在する平面に重ね合わせる位置まで第1レンズ4を回転させる(つまり、第1レンズ4の対角2か所のカット面とバレル100の対角2か所の除去部が合致する位置まで第1レンズ4を回転させる)ことにより、第1のフック部300と第2のフック部400が第1レンズ4を抱える状態となる。
【0040】
最後に、第1レンズ4とバレル100の側面に接着剤を塗布し、第1レンズ4が回転して出てくることを防止する。
【0041】
上述したプロセスにより、第1レンズ4とバレル100との間の組み立てが完成し、組立完成状態については、図4を参照する。該当の断面図については、図7を参照する。
【0042】
実施例2では、図8を参照すると、第1レンズ4は、第1切り欠き部5と、第2切り欠き部6とを有し、第1切り欠き部5は、第1ストレート辺53に近い第1円弧縁51に配置されており、第2切り欠き部6は、第2ストレート辺54に近い第2円弧縁52に配置されている。
【0043】
図9を参照すると、第1のフック部300は、第1の筒壁1の周方向における一端には第1壁部7が配置されており、第2のフック部400は、第2の筒壁2の周方向における一端には第2壁部8が配置されている。
【0044】
第1レンズ4をバレル100に組み立てるプロセスにおいて、第1壁部7は第1切り欠き部5と嵌合され、第2壁部8は、第2切り欠き部6と嵌合される。
【0045】
具体的には、第1レンズ4をバレル100に組み立てるプロセスにおいて、まず、図10を参照すると、バレル100における2つの壁部の位置と第1レンズ4における2つの切り欠き部の位置に基づき、第1レンズ4を回転させた時の回転方向の位置を決め、その後、円形のレンズの対角2か所がカットされている方向を、円柱状のバレルの外径部の対角2か所が除去されている方向と90度回転させる。次に、図11を参照すると、第1レンズ4の底部をバレル100の受け面に接触している状態で、第1レンズ4を回転させ、第1レンズ4の対角2か所のカット面とバレル100の対角2か所の除去部が合致する位置まで第1レンズ4を回転させる。この時、図12を参照すると、第1レンズ4の第1切り欠き部5は、第1壁部7に当接して接着固定され、第1レンズ4の第2切り欠き部6は、第2壁部8に当接して接着固定され、第1レンズ4の精確な位置決めは実現された。
【0046】
最後に、第1レンズ4とバレル100の側面に接着剤を塗布する。そして、第1壁部7と第2壁部8の配置位置により、第1レンズ4とバレル100との接着範囲を大きくすることができ、さらにレンズモジュールにおけるレンズとバレルとの固定強度を向上することができる。
【0047】
上述したプロセスにより、第1レンズ4とバレル100との間の組み立てが完成し、組立完成状態については、図13を参照する。
【0048】
本実施例では、第1レンズ4の角の対角2か所への切り欠きを追加し、バレル100の対角2か所への壁を追加することにより、第1レンズ4を回転させた時の回転方向の位置を決めることが出来る。これにより、第1レンズ4の位置を容易に決めることができ、組立性が向上し、第1レンズ4の位置精度が向上する。
【0049】
また、当該実施例の構成により、落下衝撃についても一層強度の向上が達成できる。当該実施例に係るレンズモジュールのその他の構成特徴は、実施例1と同じになってもよい。
【0050】
実施例3では、図14を参照すると、第1のフック部300の第1側面は、第1斜面301であり、第1側面は、第1の筒壁1の頂部平面と隣接している。第2のフック部400の第2側面は、第2斜面401であり、第2側面は、第2の筒壁2の頂部平面と隣接している。
【0051】
第1斜面301の第1辺から第1の筒壁1の外側壁までの最短距離は、第1斜面301の第2辺から第1の筒壁1の外側壁までの最短距離よりも小さく、第2辺と第1辺は、第1斜面301の2つの対向する辺であり、第1辺は第1斜面301と第1の筒壁1の頂部平面との共通辺である。
【0052】
第2斜面401の第3辺から第2の筒壁2の外側壁までの最短距離は、第2斜面401の第4辺から第2の筒壁2の外側壁までの最短距離よりも小さく、第3辺と第4辺は、第2斜面401の2つの対向する辺であり、第3辺は第2斜面401と第2の筒壁2の頂部平面との共通辺である。
【0053】
つまり、本実施例では、バレル100のフック部の、第1レンズ4の挿入されていく上側面に斜面部を追加し、固定強度を改善することができるだけではなく、レンズモジュールのフレアー(flare)を改善することもできる。当該実施例に係るレンズモジュールのその他の構成特徴は、実施例1または実施例2と同じになってもよい。
【0054】
本発明の実施例が提供するレンズモジュールの、従来のレンズとバレルとの固定強度に対しての改善の程度については、図15を参照する。
【0055】
図面には、破線eは、従来の接着によるレンズ固定範囲を示しており、実線fは、本発明の実施例におけるレンズ固定範囲を示している。
【0056】
従来のレンズ固定範囲を1とすると、改善範囲では、1.2倍以上の範囲にて固定をすることができることになり、強度についても少なくとも1.2倍以上の効果が得られる。
【0057】
上述した各実施例で提供したレンズモジュールに加えて、本発明の実施例は、上述した実施例に記載のレンズモジュールを備える撮像装置をさらに提供する。
【0058】
さらに、本発明の実施例は、上述した撮像装置を備える電子機器をさらに提供する。
【0059】
上述した撮像装置は、いわゆるスマートフォン、いわゆるフィーチャーフォン(feature phone)、またはタブレット機器などの携帯情報機器用の撮像装置に用いられてもよい。
【0060】
本発明の実施例における電子機器は、携帯型の電子機器であってもよく、非携帯型の電子機器であってもよい。例えば、携帯型の電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、ラップトップコンピュータ、車載電子機器、ウェアラブルデバイス、ウルトラモバイルピーシー(Ultra-Mobile Personal Computer:UMPC)、ネットブックやパーソナルディジタルアシスタント(Personal Digital Assistant:PDA)などであってもよく、非携帯型の電子機器は、サーバ、ネットワーク接続ストレージ(Network Attached Storage:NAS)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)、テレビ(TeleVision:TV)、ATMやセルフサービス機器などであってもよく、本発明の実施例は、これらに限定されない。
【0061】
以上、図面に合せて、本発明に係る実施例について記述したが、本発明は上述した具体的な実施形態に限られず、上述した具体的な実施形態は例示的なものだけであり、限定的なものではない。当業者は、本発明による啓示のもとで、本発明の主旨および請求項で保護する範囲を逸脱しない場合、さまざまな形態をさらになさることができ、それらはいずれも本発明の保護に属する。
【要約】
【課題】レンズモジュール、撮像装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明のレンズモジュールは、第1の筒壁と、第2の筒壁と、第3の筒壁と、第4の筒壁とを備えるバレルであって、第1の筒壁と第2の筒壁が対向配置され、かつ、円弧状になり、第3の筒壁と第4の筒壁が対向配置され、かつ、第3の筒壁の外側壁と第4の筒壁の外側壁がいずれも平面側壁であるバレルと、バレルに収容されるレンズ群であって、少なくとも楕円状になる第1レンズを含むレンズ群とを、備え、第3の筒壁の端部には第1開口が配置され、第4の筒壁の端部には第2開口が配置され、第1の筒壁には第1のフック部が形成され、第2の筒壁には第2のフック部が形成され、第1レンズは、第1のフック部と第2のフック部との間に介設されて固定されている。
【選択図】図4
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