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特許7403724配送管理装置、配送システム、配送管理方法、及び配送管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】配送管理装置、配送システム、配送管理方法、及び配送管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
B65G61/00 500
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023548064
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 JP2021034330
(87)【国際公開番号】W WO2023042378
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-08-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203677
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 力
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 龍平
(72)【発明者】
【氏名】今井 良枝
(72)【発明者】
【氏名】本山 信明
(72)【発明者】
【氏名】石川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】大澤 隼也
(72)【発明者】
【氏名】古田 訓
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6551564(JP,B1)
【文献】特開2006-11755(JP,A)
【文献】国際公開第2019/176104(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G06Q 10/00
G06F 17/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められたエリアを自律走行し、車両現在位置を示す車両位置情報を出力する複数の車両と通信を行う通信部と、
前記エリアの地図を示す地図情報と、前記複数の車両の種類を示す車両情報と、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報を出力するユーザ端末に関する情報とユーザに関する情報とを含むユーザ情報と、前記ユーザが使用可能な保管庫の位置を含む保管庫情報とに基づいて前記複数の車両に指示を行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、施錠されている前記保管庫に保管されている第1の荷物を前記ユーザに配送する配送依頼を受け取った場合、
前記配送依頼の内容、前記地図情報、前記車両情報、前記ユーザ情報、及び前記保管庫情報のうちのいずれか1つ以上に基づいて、前記複数の車両のうちの1つの車両を担当車両として選択し、前記ユーザをリアルタイムに追跡しながら前記担当車両を前記ユーザ現在位置に移動させ、
前記担当車両に前記保管庫の鍵が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知を前記担当車両から受け取り、
前記担当車両を前記保管庫に移動させ、前記鍵によって解錠された前記保管庫に保管されている前記第1の荷物が前記担当車両に積載されたことを示す集荷の完了の通知を前記担当車両から受け取り、
前記担当車両を再び前記ユーザ現在位置に移動させ、前記担当車両から前記第1の荷物及び前記鍵が取出されたことを示す配送及び鍵返却の完了の通知を前記担当車両から受け取る
ことを特徴とする配送管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ユーザから集荷した第2の荷物を前記保管庫に配送する配送依頼を受け取った場合、
前記配送依頼の内容、前記地図情報、前記車両情報、前記ユーザ情報、及び前記保管庫情報のうちのいずれか1つ以上に基づいて、前記複数の車両のうちの1つの車両を担当車両として選択し、前記ユーザをリアルタイムに追跡しながら前記担当車両を前記ユーザ現在位置に移動させ、
前記担当車両に前記保管庫の鍵が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知と前記担当車両に前記第2の荷物が積載されたことを示す集荷の完了の通知とを前記担当車両から受け取り、
前記担当車両を前記保管庫に移動させ、前記保管庫に前記第2の荷物が保管されことを示す配送の完了の通知と前記鍵を用いて前記保管庫が施錠されたことを示す施錠の完了の通知とを受け取り、
前記担当車両を再び前記ユーザ現在位置に移動させ、前記鍵が前記ユーザに返却されたことを示す鍵返却の完了の通知を前記担当車両から受け取る
ことを特徴とする請求項1に記載の配送管理装置。
【請求項3】
予め定められたエリアを自律走行し、車両現在位置を示す車両位置情報を出力する複数の車両と通信を行う通信部と、
前記エリアの地図を示す地図情報と、前記複数の車両の種類を示す車両情報と、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報を出力するユーザ端末に関する情報とユーザに関する情報とを含むユーザ情報と、前記ユーザが使用可能な保管庫の位置を含む保管庫情報とに基づいて前記複数の車両に指示を行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記ユーザから集荷した第2の荷物を前記保管庫に配送する配送依頼を受け取った場合、
前記配送依頼の内容、前記地図情報、前記車両情報、前記ユーザ情報、及び前記保管庫情報のうちのいずれか1つ以上に基づいて、前記複数の車両のうちの1つの車両を担当車両として選択し、前記ユーザをリアルタイムに追跡しながら前記担当車両を前記ユーザ現在位置に移動させ、
前記担当車両に前記保管庫の鍵が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知と前記担当車両に前記第2の荷物が積載されたことを示す集荷の完了の通知とを前記担当車両から受け取り、
前記担当車両を前記保管庫に移動させ、前記保管庫に前記第2の荷物が保管されことを示す配送の完了の通知と前記鍵を用いて前記保管庫が施錠されたことを示す施錠の完了の通知とを受け取り、
前記担当車両を再び前記ユーザ現在位置に移動させ、前記鍵が前記ユーザに返却されたことを示す鍵返却の完了の通知を前記担当車両から受け取る
ことを特徴とする配送管理装置。
【請求項4】
前記保管庫は、前記ユーザが使用可能な自動車であり、
前記鍵は、前記自動車の解錠及び施錠を行うことができる鍵である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の配送管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
収納庫と、前記鍵による前記保管庫の解錠及び施錠を行う第1の操作実行部とを有する車両を、前記担当車両として選択し、
前記第1の操作実行部による前記鍵を用いた動作を制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の配送管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
収納庫と、前記保管庫と前記収納庫との間の荷物の移動を行う第2の操作実行部とを有する車両を、前記担当車両として選択し、
前記第2の操作実行部による荷物の移動の動作を制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の配送管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
収納庫と、前記鍵による前記保管庫の解錠及び施錠を行う第1の操作実行部と、前記保管庫と前記収納庫との間の荷物の移動を行う第2の操作実行部とを有する車両を、前記担当車両として選択し、
前記第1の操作実行部による前記鍵を用いた動作及び前記第2の操作実行部による荷物の移動の動作を制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の配送管理装置。
【請求項8】
前記第1の操作実行部及び前記第2の操作実行部は、1つ以上のロボットアームで形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の配送管理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記配送依頼を、前記ユーザの待ち合わせ場所の指定のない依頼として受け取る
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の配送管理装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の配送管理装置と、
前記複数の車両と、
を有することを特徴とする配送システム。
【請求項11】
予め定められたエリアを自律走行し、車両現在位置を示す車両位置情報を出力する複数の車両と通信を行う通信部と、前記エリアの地図を示す地図情報と、前記複数の車両の種類を示す車両情報と、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報を出力するユーザ端末に関する情報とユーザに関する情報とを含むユーザ情報と、前記ユーザが使用可能な保管庫の位置を含む保管庫情報とに基づいて前記複数の車両に指示を行う制御部と、を有する配送管理装置が実行する配送管理方法であって、
施錠されている前記保管庫に保管されている第1の荷物を前記ユーザに配送する配送依頼を受け取った場合、前記配送依頼の内容、前記地図情報、前記車両情報、前記ユーザ情報、及び前記保管庫情報のうちのいずれか1つ以上に基づいて、前記複数の車両のうちの1つの車両を担当車両として選択し、前記ユーザをリアルタイムに追跡しながら前記担当車両を前記ユーザ現在位置に移動させるステップと、
前記担当車両に前記保管庫の鍵が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知を前記担当車両から受け取るステップと、
前記担当車両を前記保管庫に移動させ、前記鍵によって解錠された前記保管庫に保管されている前記第1の荷物が前記担当車両に積載されたことを示す集荷の完了の通知を前記担当車両から受け取るステップと、
前記担当車両を再び前記ユーザ現在位置に移動させ、前記担当車両から前記第1の荷物及び前記鍵が取出されたことを示す配送及び鍵返却の完了の通知を前記担当車両から受け取るステップと
を有することを特徴とする配送管理方法。
【請求項12】
予め定められたエリアを自律走行し、車両現在位置を示す車両位置情報を出力する複数の車両と通信を行う通信部と、前記エリアの地図を示す地図情報と、前記複数の車両の種類を示す車両情報と、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報を出力するユーザ端末に関する情報とユーザに関する情報とを含むユーザ情報と、前記ユーザが使用可能な保管庫の位置を含む保管庫情報とに基づいて前記複数の車両に指示を行う制御部と、を有する配送管理装置が実行する配送管理方法であって、
前記ユーザから集荷した第2の荷物を前記保管庫に配送する配送依頼を受け取った場合、前記配送依頼の内容、前記地図情報、前記車両情報、前記ユーザ情報、及び前記保管庫情報のうちのいずれか1つ以上に基づいて、前記複数の車両のうちの1つの車両を担当車両として選択し、前記ユーザをリアルタイムに追跡しながら前記担当車両を前記ユーザ現在位置に移動させるステップと、
前記担当車両に前記保管庫の鍵が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知と前記担当車両に前記第2の荷物が積載されたことを示す集荷の完了の通知とを前記担当車両から受け取るステップと、
前記担当車両を前記保管庫に移動させ、前記保管庫に前記第2の荷物が保管されことを示す配送の完了の通知と前記鍵を用いて前記保管庫が施錠されたことを示す施錠の完了の通知とを受け取るステップと、
前記担当車両を再び前記ユーザ現在位置に移動させ、前記鍵が前記ユーザに返却されたことを示す鍵返却の完了の通知を前記担当車両から受け取るステップと
を有することを特徴とする配送管理方法。
【請求項13】
予め定められたエリアを自律走行し、車両現在位置を示す車両位置情報を出力する複数の車両と通信を行う通信部と、前記エリアの地図を示す地図情報と、前記複数の車両の種類を示す車両情報と、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報を出力するユーザ端末に関する情報とユーザに関する情報とを含むユーザ情報と、前記ユーザが使用可能な保管庫の位置を含む保管庫情報とに基づいて前記複数の車両に指示を行う制御部と、を有する配送管理装置であるコンピュータが実行する配送管理プログラムであって、
請求項11又は12に記載の配送管理方法を前記コンピュータに実行させる
ことを特徴とする配送管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配送管理装置、配送システム、配送管理方法、及び配送管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物を運ぶ車両と、車両と通信する管理サーバとを有する配送システムの提案がある(例えば、特許文献1を参照)。管理サーバは、車両が、設定された時刻に指定された配送先へ到着するように、車両に指示を送信する。ユーザは、設定された時刻に指定された配送先で、車両から荷物を受け取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-101463号公報(例えば、段落0030,0031、図1及び図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記配送システムでは、配送先の保管庫(例えば、ユーザの自動車)内に荷物を届けて保管庫を施錠すること、又は、配送元の施錠されている保管庫を解錠して保管庫内から取り出した荷物を配送することができないという問題がある。
【0005】
本開示の目的は、施錠可能な保管庫を利用する荷物の配送を可能にする、配送管理装置、配送システム、配送管理方法、及び配送管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配送管理装置は、予め定められたエリアを自律走行し、車両現在位置を示す車両位置情報を出力する複数の車両と通信を行う通信部と、前記エリアの地図を示す地図情報と、前記複数の車両の種類を示す車両情報と、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報を出力するユーザ端末に関する情報とユーザに関する情報とを含むユーザ情報と、前記ユーザが使用可能な保管庫の位置を含む保管庫情報とに基づいて前記複数の車両に指示を行う制御部と、を有し、前記制御部は、施錠されている前記保管庫に保管されている第1の荷物を前記ユーザに配送する配送依頼を受け取った場合、前記配送依頼の内容、前記地図情報、前記車両情報、前記ユーザ情報、及び前記保管庫情報のうちのいずれか1つ以上に基づいて、前記複数の車両のうちの1つの車両を担当車両として選択し、前記ユーザをリアルタイムに追跡しながら前記担当車両を前記ユーザ現在位置に移動させ、前記担当車両に前記保管庫の鍵が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知を前記担当車両から受け取り、前記担当車両を前記保管庫に移動させ、前記鍵によって解錠された前記保管庫に保管されている前記第1の荷物が前記担当車両に積載されたことを示す集荷の完了の通知を前記担当車両から受け取り、前記担当車両を再び前記ユーザ現在位置に移動させ、前記担当車両から前記第1の荷物及び前記鍵が取出されたことを示す配送及び鍵返却の完了の通知を前記担当車両から受け取ることを特徴とする。
【0007】
本開示の他の配送管理装置は、予め定められたエリアを自律走行し、車両現在位置を示す車両位置情報を出力する複数の車両と通信を行う通信部と、前記エリアの地図を示す地図情報と、前記複数の車両の種類を示す車両情報と、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報を出力するユーザ端末に関する情報とユーザに関する情報とを含むユーザ情報と、前記ユーザが使用可能な保管庫の位置を含む保管庫情報とに基づいて前記複数の車両に指示を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記ユーザから集荷した第2の荷物を前記保管庫に配送する配送依頼を受け取った場合、前記配送依頼の内容、前記地図情報、前記車両情報、前記ユーザ情報、及び前記保管庫情報のうちのいずれか1つ以上に基づいて、前記複数の車両のうちの1つの車両を担当車両として選択し、前記ユーザをリアルタイムに追跡しながら前記担当車両を前記ユーザ現在位置に移動させ、前記担当車両に前記保管庫の鍵が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知と前記担当車両に前記第2の荷物が積載されたことを示す集荷の完了の通知とを前記担当車両から受け取り、前記担当車両を前記保管庫に移動させ、前記保管庫に前記第2の荷物が保管されことを示す配送の完了の通知と前記鍵を用いて前記保管庫が施錠されたことを示す施錠の完了の通知とを受け取り、前記担当車両を再び前記ユーザ現在位置に移動させ、前記鍵が前記ユーザに返却されたことを示す鍵返却の完了の通知を前記担当車両から受け取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、施錠可能な保管庫を利用する荷物の配送が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。
図2図1に示されるエリアの商業施設を概略的に示す図である。
図3図1の管理サーバの構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図4図3の管理サーバのハードウェア構成の例を示す図である。
図5図1の車両の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図6図5の車両のハードウェア構成の例を示す図である。
図7図1のユーザ端末の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図8図7のユーザ端末のハードウェア構成の例を示す図である。
図9図1の店舗端末の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図10図9の店舗端末のハードウェア構成の例を示す図である。
図11図1のホテル端末の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図12図11のホテル端末のハードウェア構成の例を示す図である。
図13】(A)から(F)は、実施の形態に係る配送システムの第1の動作例を説明するための概略図である。
図14】第1の動作例におけるユーザ端末、車両、管理サーバの動作を示すシーケンス図である。
図15】第1の動作例における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
図16】(A)から(E)は、実施の形態に係る配送システムの第2の動作例を説明するための概略図である。
図17】第2の動作例におけるユーザ端末、車両、管理サーバの動作を示すシーケンス図である。
図18】第2の動作例における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
図19】(A)から(E)は、実施の形態に係る配送システムの第3の動作例を説明するための概略図である。
図20】第3の動作例におけるユーザ端末、車両、管理サーバの動作を示すシーケンス図である。
図21】第3の動作例における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
図22】(A)から(F)は、実施の形態に係る配送システムの第4の動作例を説明するための概略図である。
図23】第4の動作例におけるユーザ端末、車両、管理サーバの動作を示すシーケンス図である。
図24】第4の動作例における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
図25】(A)から(E)は、実施の形態に係る配送システムの第5の動作例を説明するための概略図である。
図26】第5の動作例におけるユーザ端末、車両、管理サーバの動作を示すシーケンス図である。
図27】第5の動作例における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
図28】(A)から(F)は、実施の形態に係る配送システムの第6の動作例を説明するための概略図である。
図29】第6の動作例におけるユーザ端末、車両、管理サーバの動作を示すシーケンス図である。
図30】第6の動作例における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
図31】(A)から(G)は、実施の形態に係る配送システムの第7の動作例を説明するための概略図である。
図32】第7の動作例におけるユーザ端末、車両、管理サーバの動作を示すシーケンス図である。
図33】第7の動作例における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
図34】(A)から(G)は、実施の形態に係る配送システムの第8の動作例を説明するための概略図である。
図35】第8の動作例におけるユーザ端末、車両、管理サーバの動作を示すシーケンス図である。
図36】第8の動作例における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態に係る配送管理装置、配送システム、配送管理方法、及び配送管理プログラムを、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、実施の形態を適宜組み合わせること及び各実施の形態を適宜変更することが可能である。
【0011】
《配送システム》
図1は、本実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。図1に示されるように、本実施の形態に係る配送システムは、配送管理装置である管理サーバ100と、予め定められたエリア700内を自律走行する複数の自律走行車である複数の車両200とを有している。管理サーバ100は、実施の形態に係る配送管理方法を実行することができる装置である。管理サーバ100は、例えば、コンピュータである。管理サーバ100は、実施の形態に係る配送管理プログラムを実行することができる。
【0012】
図1の例では、エリア700内に施設が設けられている。図1の例では、エリア700内に、商業施設710、娯楽施設720、駐車場施設730、及び宿泊施設としてのホテル510が設けられている。ただし、エリア700内の施設は、図示されたものに限定されない。施設の他の例として、旅館、荷物預かり所、コインロッカーが挙げられる。
【0013】
図2は、図1に示されるエリア700内の商業施設710を概略的に示す図である。図1及び図2には、商業施設710を利用するユーザ310と、ユーザ310が携行するスマートフォンなどのユーザ端末300と、店舗(例えば、会計レジ)に備えられた店舗端末400と、複数の車両200(#1、#2、#3、#4)とが示されている。複数の車両200は、種類(例えば、収納庫の容量、走行用の電力を要求する充電池の容量、車両アーム部205の有無、など)が異なる複数種類の車両を含むことが望ましい。ただし、ユーザ310の数、ユーザ端末300の数、店舗端末400の数、車両200の数及び種類は、図1及び図2に示されたものに限定されない。
【0014】
管理サーバ100は、エリア700の地図を示す地図情報111と、複数の車両200の種類(構造、性能などを含む)示す車両情報112と、ユーザ情報113と、保管庫情報115とにアクセス可能である。ユーザ情報113は、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報Uを出力するユーザ端末300に関する情報(例えば、ユーザ端末300を特定する情報)と、ユーザ310に関する情報(例えば、ユーザを特定する情報)とを含む。ユーザ310に関する情報は、例えば、ユーザ310の個人情報(例えば、属性情報)、ユーザ310と同伴する家族についての情報を含むことができる。ユーザ情報113は、例えば、ホテル510を利用する旅行に際して、事前登録されている情報を含む。保管庫情報115は、ユーザ(例えば、ユーザ310)が使用可能な保管庫としての自動車731(例えば、ユーザ310が所有する自動車731)の駐車位置、車種、自動車731内における荷物の保管場所、などに関する情報である。ユーザ310は、自動車731を施錠及び解錠するための鍵732を所持している。地図情報111、車両情報112、ユーザ情報113、及び保管庫情報115は、管理サーバ100の記憶装置又は外部の記憶装置から取得される。外部の記憶装置は、通信ネットワーク600に接続された他のサーバの記憶装置であってもよい。
【0015】
管理サーバ100、複数の車両200、及び1つ以上のユーザ端末300は、例えば、通信ネットワーク600を介して相互に通信可能である。また、管理サーバ100、複数の車両200、及び1つ以上のユーザ端末300に加えて、1つ以上の店舗端末400、及び他の施設の端末(例えば、ホテル510に備えられたホテル端末500)が、通信ネットワーク600を介して相互に通信可能であってもよい。管理サーバ100は、地図情報111、車両情報112、ユーザ位置情報U、及び保管庫情報115に基づいて、複数の車両200に指示を行う。例えば、図2に示されるように、複数の車両200は、商業施設710内を、予め定められたスケジュール及び予め定められた走行経路にしたがって、移動していてもよい。
【0016】
管理サーバ100は、荷物の配送の依頼を受け取った場合、車両200から車両位置情報Vを取得し、ユーザ端末300からユーザ位置情報Uを取得し、配送の依頼の内容、地図情報111、車両情報112、ユーザ情報113、及び保管庫情報115のうちのいずれか1つ以上に基づいて、複数の車両200のうちの1つの車両を選択(すなわち、決定)し、選択された車両200を担当車両210としてユーザ現在位置に移動させる。したがって、管理サーバ100は、配送依頼を、ユーザ310の待ち合わせ場所(すなわち、担当車両210とユーザ310との間で荷物、鍵などの受け渡しを行う場所)の指定のない依頼として受け取ることができる。また、管理サーバ100は、配送依頼を、ユーザ310の待ち合わせ時間(すなわち、担当車両210とユーザ310との間で荷物、鍵などの受け渡しを行う時刻)の指定のない又は時間幅を持たせた時刻の指定(つまり、おおよその時刻の指定)を伴う依頼として受け取ることができる。担当車両210の決定においては、決定時における車両の充電池の充電残量、各車両200とユーザ位置との間の道路事情(例えば、工事中、凹凸が多い、など)を考慮に入れてもよい。
【0017】
《管理サーバ100》
図3は、図1の管理サーバ100の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図3に示されるように、管理サーバ100は、通信ネットワーク600を介して複数の車両200と通信を行う通信部102と、地図情報111と、車両情報112と、ユーザ情報113と、保管庫情報115とを取得し、取得した情報に基づいて複数の車両200の走行の指示及び保管庫である自動車731内へのアクセスの指示などを行う制御部101とを有している。
【0018】
管理サーバ100は、予め定められたエリアを自律走行し、車両現在位置を示す車両位置情報を出力する複数の車両と通信を行う通信部102と、エリアの地図を示す地図情報111と、複数の車両(すなわち、自律走行車両)の種類を示す車両情報112と、ユーザ現在位置を示すユーザ位置情報を出力するユーザ端末に関する情報とユーザに関する情報とを含むユーザ情報113と、前記ユーザが使用可能な保管庫の位置を含む保管庫情報115とに基づいて複数の車両200に指示を行う制御部101とを有している。地図情報111、車両情報112、ユーザ情報113、及び保管庫情報115は、記憶装置からの情報ではなく、通信部102を介して取得した情報であってもよい。
【0019】
制御部101は、施錠されている保管庫(例えば、図1における自動車731)に保管されている第1の荷物(すなわち、受取荷物)をユーザ(例えば、ユーザ310)に配送する配送依頼(すなわち、荷物受取依頼)を受け取った場合、配送の依頼の内容、地図情報111、車両情報112、ユーザ情報113、及び保管庫情報115のうちのいずれか1つ以上に基づいて、複数の車両のうちの1つの車両を担当車両210として選択し、ユーザをリアルタイムに追跡しながら担当車両210をユーザ現在位置に移動させ、担当車両210に保管庫の鍵(例えば、自動車731の鍵732)が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知を担当車両210から受け取り、担当車両210を保管庫(例えば、自動車731)に移動させ、鍵によって解錠された保管庫に保管されている第1の荷物が担当車両210に積載(例えば、収納庫内に収納)されたことを示す集荷の完了の通知を担当車両210から受け取り、担当車両210を再びユーザ現在位置に移動させ、担当車両210から第1の荷物及び鍵(例えば、732)が取出されたことを示す配送及び鍵返却の完了の通知を担当車両210から受け取るための制御動作を実行する。ユーザ310が荷物受取依頼を行ったときの動作例は、後述の第7の動作例及び図31から図33で説明される。
【0020】
上記荷物受取依頼を受け取った場合の制御に加えて、又は、上記荷物受取依頼を受け取った場合の制御の代わりに、制御部101は、ユーザから集荷した第2の荷物(すなわち、発送荷物)を保管庫(例えば、図1における自動車731)に配送する配送依頼(すなわち、荷物発送依頼)を受け取った場合、配送の依頼の内容、地図情報111、車両情報112、ユーザ情報113、及び保管庫情報115のうちのいずれか1つ以上に基づいて、複数の車両のうちの1つの車両を担当車両210として選択し、ユーザ(例えば、ユーザ310)をリアルタイムに追跡しながら担当車両210をユーザ現在位置に移動させ、担当車両210に保管庫の鍵(例えば、自動車731の鍵732)が預けられたことを示す鍵預かりの完了の通知と担当車両210に第2の荷物が積載されたことを示す集荷の完了の通知とを担当車両210から受け取り、担当車両210を保管庫に移動させ、保管庫に第2の荷物が保管されことを示す配送の完了の通知と鍵を用いて保管庫が施錠されたことを示す施錠の完了の通知とを受け取り、担当車両210を再びユーザ現在位置に移動させ、鍵が前記ユーザに返却されたことを示す鍵返却の完了の通知を担当車両210から受け取るための、制御動作を実行してもよい。ユーザ310が荷物発送依頼を行ったときの動作例は、後述の第8の動作例及び図34から図36で説明される。
【0021】
図4は、図3の管理サーバ100のハードウェア構成の例を示す図である。図4に示されるように、管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ151と、揮発性の記憶装置であるメモリ152と、通信を行う通信回路153と、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などの不揮発性の記憶装置154とを有する。メモリ152は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの半導体メモリである。
【0022】
管理サーバ100の各機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリ152に格納されるプログラムを実行するプロセッサ151であってもよい。プロセッサ151は、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、及びDSP(Digital Signal Processor)のいずれであってもよい。
【0023】
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらのうちのいずれかを組み合わせたものである。
【0024】
処理回路がプロセッサ151である場合、配送管理プログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ152に格納される。プロセッサ151は、メモリ152に記憶された配送管理プログラムを読み出して実行することにより、図3に示される各部の機能を実現する。
【0025】
なお、管理サーバ100は、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0026】
《車両200》
図5は、図1の車両200の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図5に示されるように、車両200は、通信ネットワーク600を介して管理サーバ100などの他の装置と通信を行う通信部202と、車両200の走行、配送先又は配送元の保管庫(例えば、自動車731)の内部へアクセスするために用いる鍵732の操作、及び荷物の積み下ろし作業などを制御する車両制御部201と、車両200の位置(すなわち、自身の車両200の位置)である車両位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)などの車両位置取得部203と、車両200を走行させるモータなどを駆動させる車両走行部204と、配送先又は配送元である保管庫(例えば、自動車731)の内部へアクセスするために用いる鍵732の操作、及び荷物の積み下ろし作業(すなわち、荷物の移動)を行う車両アーム部205を有している。鍵732は、保管庫としての自動車731の解錠及び施錠を行うことができる鍵である。鍵732は、遠隔で解錠及び施錠を行うもの(「スマートキー」とも呼ばれる)であってもよい。保管庫は、例えば、自動車731の乗車スペース又はトランクのいずれであってもよい。
【0027】
車両アーム部205は、例えば、鍵732による保管庫の解錠及び施錠を行う第1の操作実行部を有する。また、車両アーム部205は、例えば、保管庫と車両200の収納庫との間の荷物の移動を行う第2の操作実行部を有する。車両アーム部205は、鍵732による保管庫の解錠及び施錠を行う第1の操作実行部と、保管庫と車両200の収納庫との間の荷物の移動を行う第2の操作実行部との両方を有してもよい。また、車両アーム部205は、鍵732による保管庫の解錠及び施錠と、保管庫と車両200の収納庫との間の荷物の移動とを行うことができる機構であってもよい。車両アーム部205は、例えば、人間の手及び腕の動作に類似した動作を行うことができるロボットアーム(すなわち、多関節アーム機構)である。また、駐車場施設730に、保管庫の解錠及び施錠、荷物の移動を行う人員が配置されている場合には、車両アーム部205を備えない車両200であってもよい。
【0028】
車両制御部201は、管理サーバ100から受け取った走行の指示及び車両位置情報Vなどに基づいて、車両走行部204及び車両アーム部205の動作を制御する。また、車両制御部201は、自身の車両200が担当車両210である場合、ユーザ現在位置に到達して担当車両210に発送荷物及び鍵732が積載されたことを示す集荷の完了、担当車両210が配送先又は配送元の保管庫に到達して鍵732を用いて配送先又は配送元の保管庫の内部にアクセスし、荷物が積み下ろしされたことを示す配達又は集荷の完了、担当車両210がユーザ現在位置に到達して担当車両210から受取荷物及び鍵が取出されたことを示す配達の完了、の通知を送信する。また、車両制御部201は、荷物を収納するユーザ又は荷物を収納庫から取り出すユーザを認証するための処理を行ってもよい。認証は、例えば、ユーザ端末300との間の近距離通信、又はパスワードの入力などにより行うことができる。
【0029】
図6は、図5の車両200のハードウェア構成の例を示す図である。図6に示されように、車両200は、CPUなどのプロセッサ251、揮発性の記憶装置であるメモリ252、通信を行う通信回路253、不揮発性の記憶装置254、車両走行用のモータを駆動させるモータ駆動回路255、車両200の周辺を撮影するカメラ256、GPS257、荷物を検出する荷物センサ258、及び鍵732の操作と荷物の積み下ろしとを行う車両アーム部205を動作させるアーム部駆動回路259とを有している。車両200は、例えば、コンピュータを備えた装置である。車両200は、カメラ256に加えて、LiDAR(Light Detection And Ranging)又はレーダーなどの測距センサを備え、撮影画像又は検出された物体についての情報を車両200の自立走行の制御及び鍵732の挿入位置の検出などに用いてもよい。また、車両200は、荷物を収納している状態又はしていない状態を検出するための荷物センサ258を備え、荷物センサ258による検出結果を管理サーバ100に通知する機能を有してもよい。荷物センサ258は、荷物を判別するため(すなわち、配送対象であるか否かを決定するため)に用いられてもよい。
【0030】
車両200の各機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリ252に格納されるプログラムを実行するプロセッサ251であってもよい。車両200の制御系の構成は、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0031】
《ユーザ端末300》
図7は、図1のユーザ端末300の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図7に示されるように、ユーザ端末300は、通信ネットワーク600を介して管理サーバ100などの他の装置と通信を行う通信部302と、端末制御部301と、ユーザ位置情報Uを取得するGPSなどの車両位置取得部303と、ユーザ操作を行う操作部304と、情報を表示する表示部305とを有している。ユーザ端末300は、例えば、スマートフォン(すなわち、小型のコンピュータ)である。端末制御部301は、管理サーバ100に、配送の要求を送信する。また、端末制御部301は、車両200に荷物を収納する際又は荷物を収納庫から取り出す際のユーザの認証に使用してもよい。認証は、例えば、車両200との間の近距離通信により行うことができる。
【0032】
図8は、図7のユーザ端末300のハードウェア構成の例を示す図である。図8に示されように、ユーザ端末300は、CPUなどのプロセッサ351、揮発性の記憶装置であるメモリ352、通信を行う通信回路353、不揮発性の記憶装置354、タッチパネル355、及びGPS356を有している。
【0033】
ユーザ端末300の各機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリ352に格納されるプログラムを実行するプロセッサ351であってもよい。ユーザ端末300の構成は、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0034】
《店舗端末400》
図9は、図1の店舗端末400の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図9に示されるように、店舗端末400は、通信ネットワーク600を介して管理サーバ100などの他の装置と通信を行う通信部402と、店舗端末制御部401と、販売している商品の特定情報としてのバーコードを読み取る商品情報読取部403と、操作を行う操作部404と、情報を表示する表示部405とを有している。店舗端末400は、例えば、コンピュータである。店舗端末制御部401は、管理サーバ100に、配送の要求を送信する。また、店舗端末制御部401は、ユーザ端末300の代りに、荷物の配送の依頼を管理サーバ100に送信してもよい。このとき、店舗端末制御部401は、商品情報読取部403で読み取った商品情報を、配送する荷物の情報として送信してもよい。
【0035】
図10は、図9の店舗端末400のハードウェア構成の例を示す図である。図10に示されるように、店舗端末400は、CPUなどのプロセッサ451、揮発性の記憶装置であるメモリ452、通信を行う通信回路453、タッチパネル454、及びバーコードリーダ455を有している。
【0036】
店舗端末400の各機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリ452に格納されるプログラムを実行するプロセッサ451であってもよい。店舗端末400の構成は、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0037】
《ホテル端末500》
図11は、図1のホテル端末500の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図11に示されるように、ホテル端末500は、通信ネットワーク600を介して管理サーバ100などの他の装置と通信を行う通信部502と、ホテル端末制御部501と、販売している商品の特定情報としてのバーコードを読み取る商品情報読取部403と、ユーザ情報を記憶する記憶部503と、入力操作を行う操作部504と、情報を表示する表示部505とを有している。ホテル端末500は、例えば、コンピュータである。ホテル端末制御部501は、管理サーバ100からの要求に基づいて、ユーザに届ける荷物をホテル510に到着した車両200の収納庫に収納するための連絡に使用される。また、ホテル端末制御部501は、ユーザ端末300の代りに、荷物の配送の依頼を管理サーバ100に送信してもよい。
【0038】
図12は、図11のホテル端末500のハードウェア構成の例を示す図である。図12に示されように、ホテル端末500は、CPUなどのプロセッサ551、揮発性の記憶装置であるメモリ552、通信を行う通信回路553、不揮発性の記憶装置554、及びタッチパネル555を有している。
【0039】
ホテル端末500の各機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリ552に格納されるプログラムを実行するプロセッサ551であってもよい。ホテル端末500の構成は、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0040】
《第1の動作例》
図13(A)から(F)は、本実施の形態に係る配送システムの第1の動作例を説明するための概略図である。先ず、図13(A)に示されるように、荷物320の配送を依頼するユーザ310は、ユーザ端末300から配送の依頼を送信する。配送の依頼には、配送先が宿泊先のホテル510であることを含まれる。また、配送の依頼には、発送される荷物320である発送荷物のサイズ情報が含まれてもよい。また、配送の依頼には、例えば、「今から1時間後位に集荷をお願いします。」又は「今から1時間経過した後に集荷をお願いします。」又は「今から1時間以内に集荷をお願いします。」などのように、集荷時間についての指定を含んでもよい。
【0041】
図13(B)及び(C)に示されるように、配送の依頼をしたユーザ310は、設定された時刻に指定された場所で待つ必要がないので、エリア700内を自由に行動できる。
【0042】
その後、図13(D)に示されるように、担当車両210が自由に行動しているユーザ310の位置に到着する。このとき、担当車両210がユーザ310に荷物の集荷に来たことを音声出力、担当車両210の表示部における表示、又は、ユーザ端末300への通知などにより伝える。
【0043】
図13(E)に示されるように、担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、担当車両210の収納庫に荷物320を積載された後に、配送先(例えば、ホテル510)に移動する。また、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷が完了したことを通知する。
【0044】
その後、図13(F)に示されるように、ユーザ310は、手ぶらで自由行動(例えば、観光、買い物、食事、など)することができる。
【0045】
図14は、第1の動作例におけるユーザ端末300、担当車両210、管理サーバ100の動作を示すシーケンス図である。図15は、第1の動作例における管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。
【0046】
先ず、ステップS101において、管理サーバ100にユーザ情報が登録される。ユーザ情報の登録は、ホテル510への宿泊予約と同時に行われてもよい。
【0047】
次に、ステップS102において、管理サーバ100に配送の依頼がなされる。管理サーバ100は、配送を予定リストに登録し、ステップS103において、依頼の受領をユーザ端末300に通知する。また、管理サーバ100は、配送先のホテル510のホテル端末500に、配送予定を通知してもよい。
【0048】
次に、ステップS105において、管理サーバ100は、ユーザ端末300にユーザ位置情報Uを要求し、ユーザ端末300からユーザ位置情報Uを受領する処理を、担当車両210による集荷が完了するまで繰り返す。また、ステップS106において、管理サーバ100は、エリア700内を移動している車両200#1~#Nの中から集荷に向かわせる担当車両210を選択し、ステップS107において、集荷のための走行の指示を行う。担当車両210は、自由行動しているユーザ310の位置へ移動し、集荷に来たことをユーザ310に通知する。
【0049】
次に、担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、担当車両210の収納庫に荷物320を積載された後に、配送先であるホテル510に向けて移動を開始する。また、ステップS108において、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷が完了したことを通知する。
【0050】
次に、ステップS109において、担当車両210は、管理サーバ100に対し、ホテル510への配送が完了したことを通知する。ステップS110において、管理サーバ100は、ユーザ端末300に対し、配送完了を通知する。
【0051】
第1の動作例の場合、ユーザ310は、集荷のために設定された時刻に指定された場所にいる必要はなく、エリア700内で自由に行動することができる。
【0052】
《第2の動作例》
上記第1の動作例では、ユーザ310が荷物320を持つことを希望していない場合における配送システムの動作を説明した。しかし、ユーザ310が、エリア700内を、人形玩具である縫いぐるみと一緒に(例えば、縫いぐるみを抱きながら)散策することを希望する場合がある。そこで、第2の動作例では、ユーザ310が、エリア700内で購入した商品を持って歩くことを希望すると推定される場合を説明する。
【0053】
図16(A)から(E)は、本実施の形態に係る配送システムの第2の動作例を説明するための概略図である。先ず、図16(A)に示されるように、購入した商品である荷物330の配送を依頼するユーザ310は、店舗端末400から配送の依頼を送信する。配送の依頼には、配送先が宿泊先のホテル510であることを含まれる。また、配送の依頼には、発送される荷物320である発送荷物についての荷物情報(例えば、サイズ情報)が含まれてもよい。荷物情報は、商品のバーコードをバーコードリーダで読み取って得られた情報であってもよい。また、配送の依頼には、例えば、集荷時間についての具体的な指定、又は「少したってから集荷をお願いします。」などのような集荷時間についての大まかな指定が含まれてもよい。また、図16(A)の発送の依頼は、ユーザ端末300で行われてもよい。
【0054】
次に、図16(B)に示されるように、配送の依頼をしたユーザ310は、設定された時刻に指定された場所で待つ必要がないので、エリア700内を縫いぐるみと一緒に自由に行動できる。
【0055】
その後、図16(C)に示されるように、担当車両210が自由に行動しているユーザ310の位置に到着する。管理サーバ100は、ユーザ310についてのユーザ情報(例えば、ユーザの属性)、購入した商品情報(例えば、商品の大きさ及び重さ)、散策している施設の種類などに基づいて、担当車両210がユーザ位置に到着するまでの望ましい時間を推定する。この推定は、予め、ユーザの属性、購入した商品についての商品情報、散策する施設の種類などに基づく機械学習によって得られた学習済モデルを用いて行ってもよい。担当車両210がユーザ位置に到達したとき、担当車両210は、ユーザ310に対し、音声出力、担当車両210の表示部における表示、又は、ユーザ端末300への通知などにより伝えることが望ましい。
【0056】
次に、図16(D)に示されるように、担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、担当車両210の収納庫に荷物330が積載された後に、配送先(例えば、ホテル510)に移動する。また、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷が完了したことを通知する。
【0057】
その後、図16(F)に示されるように、ユーザ310は、手ぶらで自由行動(例えば、観光、買い物、食事、など)することができる。
【0058】
図17は、第2の動作例におけるユーザ端末300、車両200、管理サーバ100の動作を示すシーケンス図である。図18は、第2の動作例における管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。図17及び図18は、店舗端末400が配送依頼を送信し、依頼の受領通知が店舗端末400(又は店舗端末400とユーザ端末300の両方)に送信される点(ステップS202、S203)と、管理サーバ100が、ユーザ情報113、商品情報、ユーザ位置情報U、車両位置情報Vに基づいて、担当車両210と集荷時刻を決定する点(ステップS206)とが、図14及び図15に示される第1の動作例と異なる。上記以外の点について、第2の動作例は、第1の動作例と同じである。
【0059】
第2の動作例の場合、ユーザ310は、集荷のために設定された時刻に指定された場所にいる必要はなく、エリア700内で自由に行動することができる。
【0060】
また、ユーザ310が疲れすぎない程度の適切な時間、ユーザ310は、購入した縫いぐるみと一緒に施設内を散策できるので、ユーザ310が感じる楽しさの度合いを上げることができ、ユーザ310の施設利用に対する満足度を上げることができる。
【0061】
《第3の動作例》
上記第1及び第2の動作例では、荷物320を商業施設710とは異なる施設であるホテル510に配送するための配送システムの動作を説明した。しかし、ユーザ310は、商業施設710を出た後に、他の施設(例えば、娯楽施設720)に行く場合がある。そこで、第3の動作例では、ユーザ310が、自分のバッグである荷物340を商業施設710の出口で受け取る場合を説明する。
【0062】
図19(A)から(E)は、本実施の形態に係る配送システムの第3の動作例を説明するための概略図である。先ず、図19(A)に示されるように、荷物340の配送を依頼するユーザ310は、ユーザ端末300から配送の依頼を送信する。配送の依頼には、配送先が現在いる商業施設710の出口(例えば、出口付近の荷物の引き取り場所)であることが含まれる。出口付近の荷物の引き取り場所には、コンピュータである施設端末があり、ユーザ310による荷物340の引き取りのための認証などの処理を行う。施設端末の構成は、ホテル端末のものと同様である。
【0063】
次に、図19(B)に示されるように、配送の依頼をしたユーザ310は、設定された時刻に指定された場所で待つ必要がないので、商業施設710内を自由に行動できる。
【0064】
その後、図19(C)に示されるように、担当車両210が自由に行動しているユーザ310の位置に到着する。担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、担当車両210の収納庫に荷物340が積載された後に、配送先である出口に移動する。また、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷が完了したことを通知する。
【0065】
その後、図19(D)に示されるように、ユーザ310は、手ぶらで自由行動(例えば、観光、買い物、食事、など)することができる。図19(E)に示されるように、ユーザ310は、商業施設710の出口で荷物340を受け取り、商業施設710から他の場所に移動することができる。
【0066】
図20は、第3の動作例におけるユーザ端末300、車両200、管理サーバ100の動作を示すシーケンス図である。図21は、第3の動作例における管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。図20及び図21は、荷物340の配送先が施設の出口である点(ステップS302)と、荷物340が施設の出口に配送されたことが管理サーバ100に通知される点(ステップS309)とが、図14及び図15に示される第1の動作例と異なる。上記以外の点について、第3の動作例は、第1の動作例と同じである。
【0067】
第3の動作例の場合、ユーザ310は、集荷のために設定された時刻に指定された場所にいる必要はなく、エリア700内で自由に行動することができる。
【0068】
《第4の動作例》
上記第1から第3の動作例では、担当車両210が1人のユーザ310の荷物を集荷する動作を説明した。しかし、ユーザ310は、集荷を急がない場合がある。この場合、複数の収納庫を備えた担当車両210が複数のユーザの集荷を順に行えば、集荷の効率が向上する。そこで、第4の動作例では、複数の収納庫を備えた担当車両210を用いる場合を説明する。
【0069】
図22(A)から(F)は、本実施の形態に係る配送システムの第4の動作例を説明するための概略図である。先ず、図22(A)に示されるように、荷物320の配送を依頼するユーザ310は、ユーザ端末300から配送の依頼を送信する。配送の依頼には、配送先がホテル510であること、「集荷を急がないこと」が含まれている。
【0070】
次に、図22(B)及び(C)に示されるように、配送の依頼をしたユーザ310は、設定された時刻に指定された場所で待つ必要がないので、商業施設710内を自由に行動できる。
【0071】
その後、図22(C)に示されるように、複数の収納庫を備えた担当車両210が自由に行動しているユーザ310の位置に到着する。次に、図22(E)に示されるように、担当車両210(又は管理サーバ)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、担当車両210の収納庫の一つに荷物340が積載された後に、配送先であるホテル510に移動する。また、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷が完了したことを通知する。
【0072】
その後、図22(F)に示されるように、ユーザ310は、手ぶらで自由行動(例えば、観光、買い物、食事、など)することができる。
【0073】
図23は、第4の動作例におけるユーザ端末300、車両200、管理サーバ100の動作を示すシーケンス図である。図24は、第4の動作例における管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。図23及び図24は、荷物320の集荷を急がない旨を通知した点(ステップS402)と、この場合、複数の収納庫を有する担当車両210が選択された点(ステップS406)とが、図14及び図15に示される第1の動作例と異なる。上記以外の点について、第4の動作例は、第1の動作例と同じである。
【0074】
第4の動作例の場合、ユーザ310は、集荷のために設定された時刻に指定された場所にいる必要はなく、エリア700内で自由に行動することができる。また、複数の収納庫を有する担当車両210を用いるので、集荷の効率が向上する。
【0075】
《第5の動作例》
上記第1から第4の動作例では、ユーザ情報113として、ユーザ310の情報を利用する場合又はユーザ情報113を利用しない場合の動作を説明した。しかし、ユーザ310とその家族との情報を利用することで、施設利用者であるユーザ310の利便性が向上する場合がある。そこで、第5の動作例では、配送依頼者であるユーザ310とその家族(一緒に行動するグループ)の情報を考慮に入れて、担当車両210を決める場合を説明する。
【0076】
図25(A)から(E)は、本実施の形態に係る配送システムの第5の動作例を説明するための概略図である。先ず、図25(A)に示されるように、荷物320の配送を依頼するユーザ310は、ユーザ端末300から配送の依頼を送信する。配送の依頼には、配送先がホテル510であること、妻と子供を含む合計3人のグループで行動していること、荷物の個数が3個であることが含まれている。
【0077】
次に、図25(B)に示されるように、配送の依頼をしたユーザ310のグループは、設定された時刻に指定された場所で待つ必要がないので、商業施設710内で自由に行動できる。
【0078】
その後、図25(C)に示されるように、予め定められた通常(標準)の容量より大きな容量の収納庫を備えた担当車両210が、自由に行動しているユーザ310のグループの位置に到着する。管理サーバ100は、ユーザ310についてのユーザ情報(例えば、ユーザの家族構成)113に基づいて、担当車両210の収納庫の望ましい大きさを推定する。この推定は、予め、ユーザ310の属性、家族の構成、購入した商品についての商品情報、散策する施設の種類、などに基づく機械学習によって生成された学習済モデルを用いて行われてもよい。例えば、子供が、比較的大きな荷物であるベビーカーに乗る年齢である場合、子供の人数が多い場合などでは、担当車両210の収納庫として大きな容量のものが必要になる。
【0079】
次に、図25(D)に示されるように、担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、担当車両210の収納庫に荷物340、341、320が積載された後に、配送先であるホテル510に移動する。また、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷が完了したことを通知する。
【0080】
その後、図25(E)に示されるように、ユーザ310は、手ぶらで自由行動(例えば、観光、買い物、食事、など)することができる。
【0081】
図26は、第5の動作例におけるユーザ端末300、車両200、管理サーバ100の動作を示すシーケンス図である。図27は、第5の動作例における管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。図26及び図27は、ユーザ情報113がユーザの家族情報を含む点(ステップS501)と、ユーザ情報113、ユーザ位置情報U、車両位置情報Vに基づいて担当車両210を選択(すなわち、決定)する点(ステップS506)とが、図14及び図15に示される第1の動作例と異なる。上記以外の点について、第5の動作例は、第1の動作例と同じである。
【0082】
第5の動作例の場合、ユーザ310、妻、子供は、集荷のために設定された時刻に指定された場所にいる必要はなく、エリア700内で自由に行動することができる。また、大きな容量の収納庫を有する担当車両210を用いることが可能になるので、確実に荷物を収納することができる。
【0083】
《第6の動作例》
上記第1から第5の動作例では、ユーザ310が担当車両210の収納庫に発送荷物を積載する場合における、配送システムの動作を説明した。第6の動作例では、ユーザ310が担当車両210の収納庫から受取荷物を受領する場合における、配送システムの動作を説明する。具体的には、ホテル510のユーザ310の部屋にあるコートを、商業施設710を歩いているユーザ310に届ける場合における、配送システムの動作例を説明する。
【0084】
図28(A)から(F)は、本実施の形態に係る配送システムの第6の動作例を説明するための概略図である。先ず、図28(A)に示されるように、荷物としてコート350をホテル510のユーザ310の部屋から商業施設710にいるユーザ310に配送する依頼が、ユーザ端末300から送信される。配送の依頼には、配送先がエリア700内を移動しているユーザ310であること、荷物がホテル510の自分の部屋にあるコート350であることが含まれている。
【0085】
次に、図28(B)に示されるように、管理サーバ100は、担当車両210を決定し、エリア700内のホテル510(例えば、フロント)に到着する。図28(C)に示されるように、ホテル510の係員により、コート350が担当車両210の収納庫内に収納された後に、図28(D)に示されるように、担当車両210は、商業施設710内を自由に行動しているユーザ310の位置に到達する。
【0086】
次に、図28(E)に示されるように、担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、担当車両210の収納庫に収納されているコート350の取出しを許可する。図28(F)に示されるように、担当車両210からコート350が取り出された後、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷した荷物の配送が完了したことを通知する。
【0087】
その後、ユーザ310は、コートを着て自由行動することができる。
【0088】
図29は、第6の動作例におけるユーザ端末300、車両200、管理サーバ100の動作を示すシーケンス図である。図30は、第6の動作例における管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。図29及び図30は、ホテル510で荷物を集荷しユーザ310へ荷物を配送する集荷・配送が依頼された点(ステップS602)と、担当車両210がホテル510に行き、ユーザへ配達する荷物であるコート350を集荷し、その後、ユーザ位置に移動して荷物を配送する点(ステップS607、S608、S609)とが、図14及び図15に示される第1の動作例と異なる。上記以外の点について、第6の動作例は、第1の動作例と同じである。
【0089】
第6の動作例の場合、ユーザ310は、集荷のために設定された時刻に指定された場所にいる必要はなく、エリア700内で自由に行動することができる。
【0090】
《第7の動作例》
上記第1から第6の動作例では、配送先又は配送元がホテル510に代表される有人の地点である場合における、配送システムの動作を説明した。第7の動作例では、配送元が駐車場施設730に駐車している保管庫としての自動車731である場合における、配送システムの動作を説明する。駐車場施設730は、無人であってもよい。具体的には、ユーザ310が使用可能な(例えば、所有する)自動車731内(例えば、そのトランク内)にあるコート350を、商業施設710を歩いているユーザ310(すなわち、自由行動しているユーザ310)に届ける場合における、配送システムの動作例を説明する。なお、ユーザ310が使用可能な自動車731は、ユーザ310の自動車731とも言う。
【0091】
図31(A)から(G)は、本実施の形態に係る配送システムの第7の動作例を説明するための概略図である。先ず、図31(A)に示されるように、荷物としてコート350をユーザ310の自動車731から商業施設710にいるユーザ310に配送する依頼が、ユーザ端末300から送信される。配送の依頼には、配送先がエリア700内を移動しているユーザ310であること、配送元がユーザ310の自動車731であり、自動車731内にアクセスするためには鍵732が必要であること、荷物がユーザ310の自動車731内にあるコート350であることが含まれている。
【0092】
次に、図31(B)に示されるように、管理サーバ100は、担当車両210を決定し、商業施設710内を自由に行動しているユーザ310の位置に到達する。図31(C)に示されるように、担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、ユーザ310により、自動車731の鍵732が担当車両210の収納庫内に収納された後に、図31(D)に示されるように、担当車両210は、駐車場施設730内に駐車されているユーザ310が所有する自動車731に到達する。
【0093】
次に、図31(E)に示されるように、担当車両210は、担当車両210の車両アーム部205を用いて収納庫に収納されている自動車731の鍵732を把持し、自動車731を開錠し、自動車731内にあるコート350を取り出して収納庫に収納し、自動車731を施錠する。図31(F)に示されるように、担当車両210は再び商業施設710内を自由に行動しているユーザ310の位置に到達し、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行う。次に、図31(G)に示されるように、ユーザ310からコート350及び自動車731の鍵732が取り出された後、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷した荷物の配送が完了したことを通知し、ユーザ310は、管理サーバ100に対し、指定した荷物であるコート350及び鍵732の受け取りが完了したことを通知する。
【0094】
その後、ユーザ310は、コート350を着て自由行動することができる。
【0095】
図32は、第7の動作例におけるユーザ端末300、担当車両210、管理サーバ100の動作を示すシーケンス図である。図33は、第7の動作例における管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。
【0096】
先ず、ステップS101において、管理サーバ100にユーザ情報が登録される。次に、ステップS702において、管理サーバ100に配送の依頼がなされる。管理サーバ100は、配送を予定リストに登録し、ステップS103において、依頼の受領をユーザ端末300に通知する。
【0097】
次に、ステップS104からS106において、管理サーバ100は、ユーザ端末300にユーザ位置情報Uを要求し、ユーザ端末300からユーザ位置情報Uを受領する処理を、担当車両210による集荷が完了するまで繰り返し、エリア700内を移動している車両200#1~#Nの中から集荷に向かわせる担当車両210を選択し、ステップS707において、集荷のための走行の指示を行う。担当車両210は、自由行動しているユーザ310の位置へ移動し、集荷に来たことをユーザ310に通知する。
【0098】
次に、ステップS708において、担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、ステップS709において、担当車両210の収納庫に鍵732を入れた後に、配送元である駐車場施設730に駐車している自動車731に向けて移動し、集荷することが指示される。また、ステップS710において、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷が完了したことを通知する。
【0099】
次に、ステップS711において、担当車両210は、管理サーバ100に対し、鍵732の返却と荷物の配送の指示を受け、ステップS712において、担当車両210は、管理サーバ100に対し、鍵732の返却と配送完了を通知する。その後、ステップS713において、ユーザから荷物受取確認完了の通知を受領する。
【0100】
第7の動作例の場合、ユーザ310は、集荷及び受取のために設定された時刻に指定された場所にいる必要はなく、エリア700内で自由に行動しながら、コート350を駐車場施設730に駐車している自動車731からユーザ310に配送することができる。
【0101】
《第8の動作例》
上記第7の動作例では、配送元が駐車場施設730に駐車している自動車731であり配送先がエリア700内を自由行動しているユーザ310である場合における、配送システムの動作を説明した。第8の動作例では、配送元がエリア700内を自由行動しているユーザ310であり配送先が駐車場施設730に駐車している自動車731である場合における、配送システムの動作を説明する。具体的には、商業施設710を歩いているユーザ310が着ているコート321を、ユーザ310の自動車731内(例えば、トランク内)に届ける場合における、配送システムの動作例を説明する。
【0102】
図34(A)から(G)は、本実施の形態に係る配送システムの第8の動作例を説明するための概略図である。先ず、図34(A)に示されるように、荷物としてコート321を商業施設710にいるユーザ310からユーザ310の自動車731内に配送する依頼が、ユーザ端末300から送信される。配送の依頼には、配送元がエリア700内を移動しているユーザ310であること、配送先はユーザ310の自動車731であり、自動車731内にアクセスするためには鍵732が必要であること、荷物がユーザ310の持ち物であるコート321であることが含まれている。
【0103】
次に、図34(B)に示されるように、管理サーバ100は、担当車両210を決定し、商業施設710内を自由に行動しているユーザ310の位置に到達する。図34(C)に示されるように、担当車両210(又は管理サーバ100)は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、ユーザ310により、自動車731の鍵732及びコート321が担当車両210の収納庫内に収納された後に、図34(D)に示されるように、担当車両210は、駐車場施設730内に駐車されているユーザ310の所有する自動車731に到達する。
【0104】
次に、図34(E)に示されるように、担当車両210は、担当車両210の車両アーム部205を用いて収納庫に収納されている鍵732を把持し、自動車731を開錠し、収納庫に収納されているコート321を自動車731内に収納し、自動車731を施錠する。図34(F)に示されるように、担当車両210(又は管理サーバ100)は再び商業施設710内を自由に行動しているユーザ310の位置に到達し、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、図34(G)に示されるように、ユーザ310から自動車731の鍵732が取り出された後、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷した荷物の配送が完了したことを通知し、ユーザ310は、管理サーバ100に対し、鍵732の受け取りが完了したことを通知する。
【0105】
その後、ユーザ310は、コートを着て自由行動することができる。ユーザ310が観光などを終え自動車731に到着し、自動車731内にコート350が収納されていることを確認した場合、ユーザ310は、管理サーバ100に対し、荷物の受け取りが完了したことを通知する。
【0106】
図35は、第8の動作例におけるユーザ端末300、車両200、管理サーバ100の動作を示すシーケンス図である。図36は、第8の動作例における管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。
【0107】
先ず、ステップS101において、管理サーバ100にユーザ情報が登録される。次に、ステップS802において、管理サーバ100に配送の依頼がなされる。管理サーバ100は、配送を予定リストに登録し、ステップS103において、依頼の受領をユーザ端末300に通知する。
【0108】
次に、ステップS104からS106において、管理サーバ100は、ユーザ端末300にユーザ位置情報Uを要求し、ユーザ端末300からユーザ位置情報Uを受領する処理を、担当車両210による集荷が完了するまで繰り返し、エリア700内を移動している車両200#1~#Nの中から集荷に向かわせる担当車両210を選択し、ステップS807において、鍵取得と集荷の指示を受ける。担当車両210は、自由行動しているユーザ310の位置へ移動し、集荷に来たことをユーザ310に通知する。
【0109】
次に、ステップS808において、担当車両210は、ユーザ310が配送を依頼した本人であることの認証を行い、集荷完了を通知する。
【0110】
次に、ステップS809において、担当車両210は、配送の指示を受取、担当車両210が配送先である駐車場施設730に駐車している自動車731に向けて移動し、ステップS810において配送が完了したことの通知を受ける。集荷することが指示される。また、ステップS810において、担当車両210は、管理サーバ100に対し、集荷が完了したことを通知する。
【0111】
次に、ステップS811において、担当車両210は、管理サーバ100から鍵732の返却の指示を受け、ステップS812において、担当車両210は、管理サーバ100に対し、鍵732の返却完了を通知する。その後、ステップS813において、ユーザから荷物の受取確認完了の通知を受領する。
【0112】
第8の動作例の場合、ユーザ310は、集荷及び受取のために設定された時刻に指定された場所にいる必要はなく、エリア700内で自由に行動しながら、コート321を自動車731へ送ることができる。
【0113】
《他の動作例》
管理サーバ100は、上記第1から第8の動作例で説明された動作を自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0114】
100 管理サーバ(配送管理装置)、 101 制御部、 102 通信部、 111 地図情報、 112 車両情報、 113 ユーザ情報、 115 保管庫情報、 200 車両、 205 車両アーム部、 210 担当車両、 300 ユーザ端末、 310 ユーザ、 320、330、340 荷物(発送荷物)、 321 コート、 350 荷物(受取荷物)、 400 店舗端末、 500 ホテル端末(発送者端末)、 510 ホテル(宿泊施設)、 600 通信ネットワーク、 700 エリア、 710 商業施設、 720 娯楽施設、 730 駐車場施設、 731 自動車(保管庫)、 732 鍵。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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