(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】センサタグ、センサタグの読取方法、及びセンサタグを用いたセンサシステム
(51)【国際特許分類】
G01D 21/00 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
G01D21/00 M
(21)【出願番号】P 2023562460
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 JP2022000158
(87)【国際公開番号】W WO2023132022
(87)【国際公開日】2023-07-13
【審査請求日】2023-10-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 航一
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-120104(JP,A)
【文献】特開2009-130560(JP,A)
【文献】特開2016-57223(JP,A)
【文献】特開2019-49454(JP,A)
【文献】特開2016-53958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 21/00-21/02
G01H 9/00
G06K 19/06-19/18
H01Q 15/14-15/22
H04R 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に近接して配置された複数の導体であって共振素子を構成する前記複数の導体と、
前記複数の導体間に介在する感知部であって前記感知部が感知すべき対象物の物理量が変化することにより変化する物性を有する前記感知部と、
を含むセンサタグ。
【請求項2】
前記複数の導体は、前記複数の導体間の相対位置が前記感知部の形状の変化に伴い変化する、
請求項1に記載のセンサタグ。
【請求項3】
前記感知部は、ばねである、
請求項2に記載のセンサタグ。
【請求項4】
前記感知部は、前記対象物の物理量の変化に伴い回路定数が変化する電気回路を有する、
請求項1に記載のセンサタグ。
【請求項5】
前記電気回路は、能動素子を含む、
請求項4に記載のセンサタグ。
【請求項6】
相互に近接して配置された複数の導体であって共振素子を構成する前記複数の導体と、
前記複数の導体間に介在する主感知部及び副感知部であって、前記主感知部及び前記副感知部が感知すべき対象物の物理量が変化することにより前記副感知部の物性が変化することによって前記主感知部の物性が変化する前記主感知部及び前記副感知部と、
を含むセンサタグ。
【請求項7】
前記副感知部は、前記対象物の物理量である振動を感知し、
前記主感知部は、前記副感知部による前記振動の感知に起因して発生する電圧の印加を受けることにより物性が変化する能動素子を有する、
請求項6に記載のセンサタグ。
【請求項8】
識別情報を示すための少なくとも一つの導体パターンを更に含む、
請求項1に記載のセンサタグ。
【請求項9】
前記少なくとも一つの導体パターンは、ループ状である、
請求項8に記載のセンサタグ。
【請求項10】
複数の前記複数の導体及び前記感知部が、2次元的に配置されている、
請求項1に記載のセンサタグ。
【請求項11】
単一周波数の送信波の照射を受けることに応答して、請求項1から請求項6までのいずれかに記載のセンサタグの反射特性又は透過特性が変化することにより、前記対象物の物理量の変動の周期及び振幅を推測する、
センサタグの読取方法。
【請求項12】
前記対象物の振動の周期及び振幅を推測する、
請求項11のセンサタグの読取方法。
【請求項13】
電磁ノイズの振動の周期及び振幅を推測する、
請求項11のセンサタグの読取方法。
【請求項14】
請求項1から請求項10までのいずれかに記載のセンサタグを有する、
センサシステム。
【請求項15】
前記対象物の状態を監視する、
請求項14に記載のセンサシステム。
【請求項16】
前記対象物の個体識別を行う、
請求項14に記載のセンサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサタグ、センサタグの読取方法、及びセンサタグを用いたセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示に係るセンサタグとタグの点で共通する特許文献1に記載のタグに代表される一般的なタグは、感知部を有する。前記感知部は、前記感知部の電磁波反射特性に基づく前記感知部の属性の変化により、例えば、特許文献1に記載の誘電率又は導電率の変化により、前記感知部が感知した対象物の物理量を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したタグでは、上記した感知部が、上記した対象物の物理量が変化するにも拘わらず、前記感知部の誘電率又は導電率が変化しなければ、前記対象物の物理量を感知することができないとの課題があった。
【0005】
本開示の目的は、感知部の導電率又は誘電率が、対象物の物理量が変化するにも拘わらず変化しなくても、前記対象物の物理量を感知することができるセンサタグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決すべく、本開示に係るセンサタグは、相互に近接して配置された複数の導体であって共振素子を構成する複数の導体と、複数の導体間に介在する感知部であって感知部が感知すべき対象物の物理量が変化することにより変化する物性を有する感知部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るセンサタグによれば、前記感知部の導電率又は誘電率が、前記対象物の物理量が変化するにも拘わらず変化しなくても、前記対象物の物理量を感知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図2Aは、実施形態1のセンサタグSTの動作(その1(1))を示す。
図2Bは、実施形態1のセンサタグSTの動作(その1(2))を示す。
図2Cは、実施形態1のセンサタグSTの動作(その1(3))を示す。
【
図3】
図3Aは、実施形態1のセンサタグSTの動作(その2(1))を示す。
図3Bは、実施形態1のセンサタグSTの動作(その2(2))を示す。
【
図4】
図4は、実施形態1のセンサタグSTの動作(その3)を示す。
【
図5】実施形態2のセンサタグSTの構成(その1)を示す。
【
図6】実施形態2のセンサタグSTの構成(その2)を示す。
【
図7】実施形態2のセンサタグSTの構成(その3)を示す。
【
図8】実施形態2のセンサタグSTの変位及び変位量を示す模式図である。
【
図9】実施形態2の反射量の周波数特性(その1)を示す。
【
図10】実施形態2の反射量の周波数特性(その2)を示す。
【
図11】実施形態2の反射量の周波数特性(その3)を示す。
【
図12】実施形態3のセンサタグSTの構成を示す。
【
図13】実施形態3の感知部32の電気回路DKを示す。
【
図17】実施形態5のセンサタグSTの構成を示す。
【
図18】
図18Aは、実施形態6のセンサタグSTの構成(その1)を示す。
図18Bは、実施形態6のセンサタグSTの構成(その2)を示す。
図18Cは、実施形態6のセンサタグSTの構成(その3)を示す。
【
図19】実施形態6の反射量の周波数特性(変位なし)を示す。
【
図20】実施形態6の反射量の周波数特性(X方向に変位)を示す。
【
図21】実施形態6の反射量の周波数特性(Y方向に変位)を示す。
【
図22】実施形態6の反射量の周波数特性(Z方向に変位)を示す。
【
図23】実施形態7のセンサタグSTの配置(その1)を示す。
【
図24】実施形態7のセンサタグSTの配置(その2)を示す。
【
図25】実施形態7のセンサタグSTの形状及び寸法を示す。
【
図26】実施形態7のセンサタグSTの動作を示す。
【
図27】実施形態7のn次の係数Cnの計算結果(X方向の振動)である。
【
図28】実施形態7のn次の係数Cnの計算結果(Y方向の振動)である。
【
図29】実施形態7のn次の係数Cnの計算結果(Z方向の振動)である。
【
図30】実施形態8のセンサシステムSSの構成を示す。
【
図31】実施形態9のセンサシステムSSの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に係るセンサタグ、センサタグの読取方法、及びセンサタグを用いたセンサシステムの実施形態について説明する。
【0010】
以下では、説明及び理解を容易にすべく、1つの符号により複数の名称を総称することがある。例えば、1つの符号「11」により、2つの名称「導体11a」及び「導体11b」の両者を総称することがある。
【0011】
実施形態1.
〈実施形態1〉
実施形態1のセンサタグについて説明する。
〈実施形態1の構成〉
図1は、実施形態1のセンサタグSTの構成を示す。
【0012】
実施形態1のセンサタグSTは、
図1に示されるように、複数の導体11、即ち、導体11a及び導体11bと、感知部12と、を含む。
【0013】
「複数の導体11」は、「複数の導体」に対応し、感知部12は、「感知部」に対応し、共振素子13は、「共振素子」に対応する。
【0014】
導体11a及び導体11bは、共振素子13を構成する要素である。導体11a及び導体11bは、相互に近接しており、具体的には、相互間で電磁的に結合可能に近接している。
【0015】
感知部12は、導体11a及び導体11b間に介在している。感知部12は、感知部12が感知すべき対象物TB(例えば、
図30に図示の監視対象物KTB、
図31に図示の識別対象物STBに相当。))の物理量BR(図示せず。)の変化に伴い物性が変化し、例えば、形状が変化する。
【0016】
〈実施形態1の動作〉
図2は、実施形態1のセンサタグSTの動作(その1)を示す。
【0017】
図3は、実施形態1のセンサタグSTの動作(その2)を示す。
【0018】
図4は、実施形態1のセンサタグSTの動作(その3)を示す。
【0019】
感知部12が感知すべき対象物TBの物理量BRが変化すると、センサタグSTでは、感知部12の形状が、変化する。対象物TBの物理量BRの種類と感知部12の種類との組み合わせは、例えば、以下のとおりである。
(1)対象物TBの物理量BRが、変位、機械的振動、または圧力等であり、感知部12が、ばね、ゴム等である。
(2)対象物TBの物理量BRが、温度等であり、感知部12が熱可塑性樹脂等である。
【0020】
上記したように、感知部12の形状が変化すると、導体11a及び導体11b間の相対的な位置関係、換言すれば、導体11a及び導体11b間の距離が変化する。
【0021】
上記したように、導体11a及び導体11b間の相対的な位置関係が変化すると、共振素子13の反射係数又は透過係数の周波数特性が変化する。
【0022】
ここで、「反射係数」及び「透過係数」は、電磁波を反射し又は透過する量、及びそのときの位相の変化量を表す。
【0023】
上述した、対象物TBの物理量BRの変化に起因する共振素子13の反射係数又は透過係数の周波数特性の変化を観測しようとするときには、読取装置YS(例えば、
図23に図示。)が、センサタグSTに向けて電磁波(例えば、
図23に図示の送信波SHに相当。)を照射し、センサタグSTから、対象物TBの物理量BRの変化に起因して周波数特性が変化した反射波又は透過波(例えば、
図23に図示の反射波HHに相当。)を受信することにより、前記反射波又は前記透過波の周波数特性を観測する。
【0024】
前記観測された反射波HH等の周波数特性に基づき、予め計算され又は予め実験により取得された、反射波HH等の周波数特性と感知部12の状態との対応関係(
図2Cに図示。)を参照することにより、感知部12の状態、即ち、形状の変化である伸縮の状態(
図2A、2Bに図示。)を推定することができる。
【0025】
更に、感知部12の状態と対象物TBの物理量BRとの対応関係(
図3A、
図3Bに図示。)から、対象物TBの物理量を推定することができる。例えば、感知部12の長さ、換言すれば、導体11a及び導体11b間の距離が、Z1(mm)であるとき、対象物TBの物理量BRが、Z1(mm)であると推定し、同様に、導体11a及び導体11b間の距離が、Z2(mm)であるとき、対象物TBの物理量が、Z2(mm)であると推定することができる。
【0026】
上記した2つの対応関係(
図2、
図3に図示。)を用いることに代えて、反射波HH等の周波数特性と対象物TBの物理量BRとの対応関係(
図4に図示。)を用いてもよい。これにより、例えば、対象物TBの物理量BR1と対象物TBの物理量BR2とを峻別することができる。
【0027】
〈実施形態1の効果〉
上述したように、実施形態1のセンサタグSTでは、対象物TBの物理量BRが変化すると、感知部12の物性の一例である形状が変化し、それにより、導体11a及び導体11b間の相対位置が変化する。更に、導体11a及び導体11bの相対位置の変化に起因して共振素子13の反射係数又は透過係数が変化することにより、センサタグSTが反射等することによる反射波HH等の周波数特性が変化する。その結果、前記した周波数特性を観測することを以って、対象物TBの物理量BRを推定することができる。
【0028】
実施形態1のセンサタグSTでは、上記したように機能することにより、従来の感知部に必要であった電気特性(導電率又は誘電率)を必要とすることなく、対象物TBの物理量BRを感知することが可能となる。
【0029】
実施形態2.
〈実施形態2〉
実施形態2のセンサタグについて説明する。
【0030】
実施形態2のセンサタグSTは、対象物TBの物理量BRとして、対象物TBの変位又は振動を感知する。
【0031】
〈実施形態2の構成〉
図5は、実施形態2のセンサタグSTの構成(その1)を示す。
【0032】
図6は、実施形態2のセンサタグSTの構成(その2)を示す。
【0033】
図7は、実施形態2のセンサタグSTの構成(その3)を示す。
【0034】
実施形態2のセンサタグSTは、
図5に示されるように、基本的に、実施形態1のセンサタグSTの構成(
図1に図示。)と同様な構成を有する。
【0035】
実施形態2のセンサタグSTでは、他方で、実施形態1のセンサタグSTと相違し、感知部22は、
図5に示されるように、ばね(材質は不問。)である。
【0036】
実施形態2のセンサタグSTでは、また、
図5に示されるように、基板24a及び基板24bを有する。基板24aは、導体21aを支持し、同様に、基板24bは、導体21bを支持する。導体21a及び導体21bは、例えば、
図6に図示の寸法を有する。
【0037】
図5に示されるように、導体21a及び基板24aは、センサタグSTの上層25を構成し、同様に、導体21b及び基板24bは、センサタグSTの下層26を構成する。
【0038】
図7に示されるように、上層25は、感知すべき対象物TB1の底面に貼り付けられており、他方で、下層26は、感知すべき対象物TB2の上面に貼り付けられている。上層25及び下層26は、具体的には、建造物(橋梁等)を構成する離隔された2つの構成物の間に設けられ、また、電子機器を構成する離隔された2つの構成物の間に設けられている。
【0039】
〈実施形態2の動作〉
以下では、対象物TB1(
図7に図示。)の位置が固定されており、他方で、対象物TB2(
図7に図示。)の位置が変位することを想定する。
【0040】
図8は、実施形態2のセンサタグSTの変位及び変位量を示す模式図である。
【0041】
ここで、「基準状態」を、Z軸方向から見て上層25と下層26とが完全に重なっている状態であり、かつ、下層26のZ方向の位置が特定の位置(
図8Cの「下層26(変位前)」に示す。)である状態であると定義する。変位量dx、dy、dz(単位はmm)は、
図8に示されるように、「基準状態」から変位している量であると定義される。
【0042】
対象物TB2の位置が変位すると、実施形態1と同様に、感知部22の形状が変化し、導体21a及び導体21b間の相対位置が変化し、共振素子23の反射係数又は透過係数の周波数特性が変化する。
【0043】
図9は、実施形態2の反射量の周波数特性(その1)を示す。
【0044】
図10は、実施形態2の反射量の周波数特性(その2)を示す。
【0045】
図11は、実施形態2の反射量の周波数特性(その3)を示す。
【0046】
図9~
図11に図示された反射量の周波数特性は、対象物TB2が、X、Y、Zの3方向のいずれかに変位したときの、電磁波、より正確には、X偏波(X方向に振動する偏波)に対するセンサタグSTの反射係数の大きさを表す。
【0047】
図9~
図11に図示された反射量の周波数特性は、得られる反射量を大きくすべく、例えば、多数のセンサタグST(
図1に図示。)をXY平面上に25mm間隔で2次元配列することにより算出される。
【0048】
図9~11に示されるように、対象物TB2がX、Y、Zのいずれかの方向に変位すると、反射量の周波数特性が変化する。他方で、対象物TB2がX、Y、Zのいずれの方向に変位するか、及び変位量が大きいか小さいかによって、反射量の周波数特性が相違する。
【0049】
実施形態1と同様に、読取装置YSがセンサタグSTに向けて送信波SHを照射し、センサタグSTから反射波HH等を受信することにより、共振素子23の反射波HH等の周波数特性を観測する。
【0050】
実施形態1と概ね同様にして、前記観測された反射波HH等の周波数特性に基づき、予め計算され又は予め実験により取得された、反射波HH等の周波数特性と感知部22の状態との対応関係を参照することにより、感知部22の状態を推定し、更には、対象物TB2の変位方向及び変位量を推定することができる。
【0051】
〈実施形態2の効果〉
上述したように、実施形態2のセンサタグSTでは、対象物TB2が変化することに対応して感知部22の導電率又は誘電率が変化しなくても、対象物TB2の変位方向及び変位量を感知することができる。
【0052】
実施形態3.
〈実施形態3〉
実施形態3のセンサタグについて説明する。
【0053】
実施形態3のセンサタグSTでは、感知部32は、電気回路DK(
図13に図示。)の回路定数が変化する。
【0054】
〈実施形態3の構成〉
図12は、実施形態3のセンサタグSTの構成を示す。
【0055】
図13は、実施形態3の感知部32の電気回路DKを示す。
【0056】
実施形態3のセンサタグSTは、
図12に示されるように、基本的に、実施形態1のセンサタグSTの構成(図示1に図示。)と同様な構成を有する。
【0057】
実施形態3のセンサタグSTでは、実施形態1のセンサタグSTと相違して、感知部32は、対象物TBの物理量BRの変化に伴い、感知部32の電気回路DK(
図13に図示。)の回路定数が変化する。
【0058】
〈実施形態3の動作〉
対象物TBの物理量BRが変化すると、感知部32の電気回路DKの回路定数が変化し、具体的には、
図13に示されるように、例えば、能動素子であるバラクタダイオードと等価である電気回路DKを構成する、抵抗器TE、インダクタIN、又はキャパシタCAの大きさが変化する。
【0059】
対象物TBの物理量BRが変化すると、換言すれば、バラクタダイオードに印加される逆バイアス電圧の値が変化すると、バラクタダイオードの性質により、例えば、電気回路DKのキャパシタCAの値が変化する。
【0060】
対象物TBの物理量BRと、感知部32との組み合わせは、例えば、以下のとおりである。
(1)対象物TBの物理量BRは、電圧、電界等であり、感知部32は、ダイオード等である。
(2)対象物TBの物理量BRは、磁界等であり、感知部32は、磁気センサ等である。
(3)対象物TBの物理量は、光等であり、感知部32は、CdSセンサ等である。
(4)対象物TBは、温度等であり、感知部32は、サーミスタ等である。
(5)対象物TBは、湿度等であり、感知部32は、湿度センサ等である。
(6)対象物TBは、ガス等であり、感知部32は、ガスセンサ等である。
【0061】
感知部32の電気回路DKの回路定数が変化すると、導体31a及び導体31bの電気的な接続状態(どのように電気的に接続されているかの状況)が変化し、共振素子33の反射係数又は透過係数の周波数特性が変化する。
【0062】
実施形態1と同様に、読取装置YSがセンサタグSTに向けて送信波SHを照射し、センサタグSTから反射波HH等を受信することにより、共振素子33の反射波HH等の周波数特性を観測する。
【0063】
実施形態1と概ね同様にして、前記観測された反射波HH等の周波数特性に基づき、予め計算され又は予め実験により取得された、反射波HH等の周波数特性と感知部32の状態との対応関係を参照することにより、感知部32の状態を推定し、更に、対象物TBの物理量BRを推定することができる。
【0064】
〈実施形態3の効果〉
上述したように、実施形態3のセンサタグSTでは、対象物TBが変化することに対応して感知部32の導電率又は誘電率が変化しなくても、対象物TBの物理量BRを推定することができる。
【0065】
実施形態4.
〈実施形態4〉
実施形態4のセンサタグについて説明する。
【0066】
実施形態4のセンサタグSTは、対象物TBの物理量BRである電界を感知する。
【0067】
〈実施形態4の構成〉
図14は、実施形態4の構成(その1)を示す。
【0068】
【0069】
実施形態4のセンサタグSTは、
図14に示されるように、基本的に、実施形態1のセンサタグSTの構成(
図1に図示。)と同様な構成を有する。
【0070】
実施形態4のセンサタグSTでは、実施形態1のセンサタグSTと相違し、感知部42は、バラクタダイオードである。実施形態4のセンサタグSTは、また、基板44を含む。基板44は、導体41a及び導体41bを支持する。導体41a及び導体41bは、例えば、
図15に図示の寸法を有する。
【0071】
〈実施形態4の動作〉
図16は、実施形態4の反射量の周波数特性を示す。
【0072】
以下では、センサタグSTが、電子回路上の電磁ノイズ源、例えば、ICチップの近傍に配置されていることを想定する。
【0073】
上記した電磁ノイズ源は、電磁波を放出し、前記電磁波に起因して、導体41a及び導体41b間に電界が発生し、その結果、導体41a及び導体41b間に電圧が発生する。前記発生した電圧の方向が、感知部42のバラクタダイオードの逆バイアス電圧の方向に沿っていると、前記電圧の大きさに応じて、感知部42の回路定数、具体的には、キャパシタの容量が変化する。
【0074】
上記したキャパシタの容量が変化すると、導体41a及び導体41bの電気的な接続状態が変化し、その結果、センサタグSTの反射波HH等の周波数特性が変化する。
【0075】
図16は、実施形態2の
図9~
図11と同様な手法により算出される。
図16に示されるように、上記した逆バイアス電圧の値が0V、0.1V、0.2Vと変化すると、反射量の周波数特性が変化する。
【0076】
実施形態1と同様に、読取装置YSがセンサタグSTに向けて送信波SHを照射し、センサタグSTから反射波HH等を受信することにより、共振素子43の反射波HH等の周波数特性を観測する。
【0077】
実施形態1と概ね同様にして、前記観測された反射波HH等の周波数特性に基づき、予め計算され又は予め実験により取得された、反射波HH等の周波数特性と感知部22の状態との対応関係を参照することにより、感知部22の状態を推定し、更には、感知部42に印加される逆バイアス電圧を推定することができ、即ち、対象物TBの電界の大きさを推定することができる。
【0078】
〈実施形態4の効果〉
上述したように、実施形態4のセンサタグSTでは、対象物TBの電界が変化することに対応して感知部42の導電率又は誘電率が変化しなくても、対象物TBの電界を感知することができる。
【0079】
〈変形例〉
上述した、空間を伝搬する電磁ノイズ、いわゆる、放射ノイズに代えて、電子回路の配線を伝搬する電磁ノイズ、いわゆる、伝導ノイズを感知することができる。伝導ノイズを感知しようとする場合には、配線上で電磁ノイズによる電圧が生じる2箇所を、導体41a及び導体41bにそれぞれ電気的に接続し、即ち、導体41a及び導体41b間に電磁ノイズによる電圧が生じるように配線する。これにより、上述したと同様に、伝導ノイズを感知することができる。
【0080】
実施形態5.
〈実施形態5〉
実施形態5のセンサタグについて説明する。
【0081】
実施形態5のセンサタグSTでは、対象物TBの物理量BRを直接的に感知する実施形態1~実施形態4と相違し、複数の感知部を組み合わせることにより、対象物TBの物理量BRを間接的に感知する。
【0082】
〈実施形態5の構成〉
図17は、実施形態5のセンサタグSTの構成を示す。
【0083】
実施形態5のセンサタグSTは、
図17に示されるように、基本的には、実施形態1のセンサタグSTの構成(
図1に図示。)と同様な構成を有する。
【0084】
実施形態5のセンサタグSTでは、主感知部52(
図14に図示された実施形態4の感知部42に相当。)に加えて、副感知部52a及び副感知部52bを有する。副感知部52a及び副感知部52bは、例えば、圧電素子を用いた振動センサである。副感知部52a及び副感知部52bは、導体51a及び導体51b間で、主感知部52に平行に設けられている。
【0085】
〈実施形態5の動作〉
実施形態5のセンサタグSTでは、対象物TBの物理量BRが変化すると、副感知部52a及び副感知部52bの物性が変化する。副感知部52a及び副感知部52bの物性が変化すると、主感知部52の物性が変化する。
【0086】
主感知部52は、対象物TBの物理量BRを直接的に感知する実施形態1~実施形態4の感知部12~感知部42と相違し、副感知部52a及び副感知部52bを介して間接的に感知する。
【0087】
対象物TBが振動すると、副感知部52a及び副感知部52bが電圧を発生する。それにより、導体51a及び導体51b間に電圧が発生する。
【0088】
導体51a及び導体51b間の電圧の方向が、主感知部52のバラクタダイオードの逆バイアス電圧の方向に沿うとき、当該電圧の大きさに応じて、主感知部52の回路定数、具体的には、キャパシタの大きさが変化する。
【0089】
以後、実施形態4のセンサタグSTと同様にして、反射量の周波数特性を観測することにより、主感知部52に印加される逆バイアス電圧の大きさを推定し、更に、逆バイアス電圧の大きさから、対象物TBの振動を推定することができる。
【0090】
〈実施形態5の効果〉
上述したように、実施形態5のセンサタグSTでは、対象物TBの物理量BRが変化することに対応して主感知部52、副感知部52a、及び副感知部52bの導電率又は誘電率が変化しなくても、対象物TBの振動を感知することができる。
【0091】
実施形態6.
〈実施形態6〉
実施形態6のセンサタグについて説明する。
【0092】
実施形態6のセンサタグSTには、チップレスRFIDの技術が用いられており、より詳しくは、実施形態1~実施形態5のセンサタグSTに識別情報が付加されている。
【0093】
〈実施形態6の構成〉
図18は、実施形態6のセンサタグSTの構成を示す。
【0094】
実施形態6のセンサタグSTは、基本的には、実施形態2のセンサタグSTの構成(
図5に図示。)と同様な構成を有する。
【0095】
実施形態6のセンサタグSTでは、他方で、
図18に示されるように、実施形態2のセンサタグSTと相違し、上層25は、識別情報「01」、「10」、「11」に対応する、一重又は二重のループ構造を備える導体パターンを有する。
図18に示されるように、内側の導体パターンの有無は、識別情報の下位ビットが1であるか0であるかに対応し、同様に、外側の導体パターンの有無は、識別情報の上位ビットが1であるか0であるかに対応する。
【0096】
〈実施形態6の動作〉
図19は、実施形態6の反射量の周波数特性(変位なし)を示す。
【0097】
図20は、実施形態6の反射量の周波数特性(X方向に変位)を示す。
【0098】
図21は、実施形態6の反射量の周波数特性(Y方向に変位)を示す。
【0099】
図22は、実施形態6の反射量の周波数特性(Z方向に変位)を示す。
【0100】
実施形態6のセンサタグSTは、基本的には、実施形態2のセンサタグSTの動作(
図8~
図11に図示。)と同様な動作を行う。
【0101】
図19~
図22は、実施形態2の
図9~
図11と同様な手法により算出される。変位量については、実施形態2の
図8に図示されたdx、dy、dzが、それぞれ、2mm、2mm、-2mmである。
【0102】
上層25の導体21a(
図5に図示。)の構造、即ち、上記した内側の導体パターンの有無及び外側導体パターンの有無(
図18に図示。)が、識別情報「01」、「10」、「11」毎に異なることから、たとえ、対象物TBの変位量が同一であっても、共振素子23(
図5に図示。)の反射係数又は透過係数の周波数特性が、識別情報「01」、「10」、「11」毎に相違することになる。
【0103】
識別情報「01」を有するセンサタグST(
図18Aに図示。)、識別情報「10」を有するセンサタグST(
図18Bに図示。)、及び、識別情報「11」を有するセンサタグST(
図18Cに図示。)を用いることにより、対象物TBの変位量によって相違する周波数特性が得られる。その結果、前記した3つのセンサタグSTからの受信の状況に基づき、対象物TBの変位量を感知するとともに、センサタグSTの識別情報「01」、「10」、「11」のいずれであるかを読み取ることができる。
【0104】
〈実施形態6の効果〉
上述したように、実施形態6のセンサタグSTでは、対象物TBの変位量に対応して感知部22の導電率又は誘電率が変化しなくても、対象物TBの変位量を感知することができ、かつ、識別情報「01」、「10」、「11」を読み取ることができる。
【0105】
実施形態7.
〈実施形態7〉
実施形態7のセンサタグについて説明する。
【0106】
実施形態7のセンサタグSTは、実施形態1~実施形態6のセンサタグSTを用いて、特に、対象物TBの時間的な周期性を有する物理量BRの変動を感知し、前記変動の周期及び振幅を読み取ることに適用される。
【0107】
〈実施形態7の構成〉
図23は、実施形態7のセンサタグSTの配置(その1)を示す。
【0108】
図24は、実施形態7のセンサタグSTの配置(その2)を示す。
【0109】
図25は、実施形態7のセンサタグSTの形状及び寸法を示す。
【0110】
図26は、実施形態7のセンサタグSTの動作を示す。
【0111】
実施形態7のセンサタグSTは、
図24に示されるように、基本的に、実施形態2のセンサタグSTの構成(
図5に図示。)と同様な構成を有する。
【0112】
実施形態7のセンサタグSTでは、他方で、実施形態2のセンサタグSTと相違し、
図24に示されるように、センサタグSTの下層26の裏面にスペーサSPを介して導体板DBが配置されている。
【0113】
センサタグSTの上層25及び下層26は、
図25に図示の形状及び寸法を有する。
【0114】
読取装置YSは、
図23に示されるように、センサタグSTへ送信波SHを送信すること、センサタグSTから反射波HHを受信すること、及び、受信された反射波HHのスペクトラムを算出することを行う。
【0115】
〈実施形態7の動作〉
実施形態7では、実施形態2と同様に、対象物TBの振動を感知することを想定する。
【0116】
〈動作の基本原理〉
実施形態7のセンサタグSTは、以下のとおり動作する。
【0117】
対象物TBの物理量BRが変化すると、感知部22(
図5に図示。)の形状が変化し、導体21a及び導体21b(
図5に図示。)間の相対位置が変化し、共振素子23の反射係数又は透過係数の周波数特性が変化する。
【0118】
読取装置YSが、読取装置YSから送信された送信波SHのうち、センサタグSTにより反射等された後の反射波HH等のスペクトラムを観測する。読取装置YSは、前記スペクトラムの周波数間隔から、周期変動の周波数を知得し、他方で、前記スペクトラムのパターンから、周期変動の振幅を知得する。
【0119】
〈動作の詳細〉
実施形態7のセンサタグSTは、より詳しくは、以下のとおり動作する。
【0120】
センサタグSTでの反射量は、導体板DB(
図24に図示。)の存在により、0dBである。
【0121】
センサタグSTでの反射位相は、
図26に示されるとおりである。
図26は、実施形態2の
図9~
図11と同様な手法により算出される。
【0122】
感知部22が時間的な周期性を有する物理量BRの変動を感知するとき、共振素子23の反射量及び反射位相、換言すれば、反射係数は、時間的な周期性を有する。
【0123】
従って、反射係数Rは、以下のフーリエ級数で表される。
【0124】
Cnは、n次の係数であり、fvは、対象物TBの物理量BRの変動周波数であり、tは、時間である。係数Cnは、以下のように求められる。
【0125】
Tvは、対象物TBの物理量BRの変動周期であり、fvの逆数である。以上の式より、反射波HHの電界Erは、以下のように表される。
【0126】
Eiは、読取装置YSが放射する送信波SHの電界であり、A、fiは、それぞれEiの振幅及び周波数である。上記より、読取装置YSが単一周波数fiの送信波SHを出すとき、反射波HHは、fiに加えて、高調波成分fi+nfvを有する。
【0127】
読取装置YSは、単一周波数の送信波SHを送信する。対象物TBの物理量BRが時間的に周期的な変動を行う場合、上記の式により計算される高調波成分が、反射波HHのスペクトラムに現れる。
【0128】
図27は、実施形態7のn次の係数Cnの計算結果(X方向の振動)である。
【0129】
図28は、実施形態7のn次の係数Cnの計算結果(Y方向の振動)である。
【0130】
図29は、実施形態7のn次の係数Cnの計算結果(Z方向の振動)である。
【0131】
Ax、Ay、Azは、対象物TBの振動の振幅(mm単位)である。
【0132】
【0133】
Cnは、n次高調波の周波数成分の振幅を表すことから、反射波HHのスペクトラムも、
図27~29に図示されたと同様なパターンを持つスペクトラムとなる。
【0134】
上記したスペクトラムは、(fi+nfv)の周波数に成分を持つ離散的なスペクトラムである。スペクトラムの周波数間隔は、fv、即ち、周期変動の周波数により決まる。
【0135】
スペクトラムのパターンは、周期変動の振幅により決まる。従って、予め計算され又は実験により取得された反射波HHのスペクトラムと観測された反射波HHのスペクトラムとの対応関係を参照することにより、周期変動の周波数及び振幅が推定することができる。
【0136】
〈実施形態7の効果〉
上述したように、実施形態7では、例えば、読取装置YSが出す電磁波の周波数を走査することにより反射波のスペクトラムを得ることを行うことなく、即ち、読取装置YSが送出する送信波SHの周波数を単一周波数とし、対象物TBの物理量BRが時間的に変動する場合に現れる高調波成分を観測し、前記観測された高調波成分のパターンを分析することにより、対象物TBの物理量BRの変動周波数及び変動振幅を読み取ることができる。
【0137】
実施形態8.
〈実施形態8〉
実施形態8のセンサタグシステムについて説明する。
【0138】
実施形態8のセンサシステムSSは、実施形態1~実施形態7のセンサタグSTを用いて、
監視対象物KTBである電気機器及び建造物等の故障及び異常を検知すべく、電気機器及び建造物等の状態を監視する。
【0139】
〈実施形態8の構成〉
図30は、実施形態8のセンサシステムSSの構成を示す。
【0140】
実施形態8のセンサシステムSSは、
図30に示されるように、センサタグST1~センサタグST3(実施形態1~実施形態7のセンサタグSTに相当。)を含む。センサタグST1~センサタグST3は、
図30に示されるように、監視対象物KTBである電気機器及び建造物等の表面に設置されている。
【0141】
〈実施形態8の動作〉
読取装置YSは、実施形態1~実施形態7で説明した感知方法を用いて、監視対象物KTBの物理量BRの変化(例えば、橋梁の振動、建造物の振動、建物内及び電子機器の近傍の電磁ノイズ)を、センサタグST1~センサタグST3を通じて取得する。
【0142】
読取装置YSは、取得された監視対象物KTBの物理量BRを、例えば、予め定められた閾値と比較することにより、監視対象物KTBに異常が発生していないか否かを判断する。
【0143】
〈実施形態8の効果〉
上述したように、実施形態8のセンサシステムSSでは、実施形態1~実施形態7のセンサタグSTを用いて、即ち、実施形態1~実施形態7の効果を奏するセンサタグSTを用いて、電気機器及び建造物等の監視対象物KTBの状態を監視することができる。
【0144】
実施形態9.
〈実施形態9〉
実施形態9のセンサシステムについて説明する。
【0145】
実施形態9のセンサシステムSSは、実施形態1~実施形態7のセンサタグSTを用いて、電子機器及びロボット等の個体を識別する。前記識別には、例えば、実施形態6で説明した識別情報(
図18に図示。)が用いられる。
【0146】
実施形態9のセンサシステムSSは、上記の識別に加えて、いわゆる人工物メトリクス、より詳しくは、センサタグSTが設置された個体の特徴を用いることにより個体を識別する。
【0147】
〈実施形態9の構成〉
図31は、実施形態9のセンサシステムSSの構成を示す。
【0148】
実施形態9のセンサシステムSSは、
図31に示されるように、センサタグST(実施形態1~実施形態7のセンサタグSTに相当。)を含む。
【0149】
〈実施形態9の動作〉
読取装置YSは、実施形態1~実施形態7で説明した感知方法を用いて、識別対象物STB(例えば、無人航空機)の物理量BR(例えば、無人航空機の振動及び電磁ノイズ、電子機器の電磁ノイズ)の変化を、センサタグSTを通じて取得する。
【0150】
読取装置YSは、取得された識別対象物STBの物理量BRを、例えば、人工物メトリクス、例えば、個体の種類と識別情報と物理量BRとの間の関係を示す予め取得された情報により定まる閾値と比較することにより、識別対象物STBの真偽、即ち、正規であるか否かを判定する。
【0151】
〈実施形態9の効果〉
上述したように、実施形態9のセンサシステムSSでは、実施形態1~実施形態7のセンサタグSTを用いて、即ち、実施形態1~実施形態7の効果を奏するセンサタグSTを用いて、電子機器及びロボット等の個体を識別することができる。
【0152】
本開示の要旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態同士を組み合わせてもよく、また、各実施形態中の構成要素を適宜、削除し、変更し、または、他の構成要素を追加してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本開示に係るセンサタグは、感知部が対象物の物理量が変化するにも拘わらず導電率又は誘電率が変化しなくても、前記対象物の物理量を感知することに利用可能である。
【符号の説明】
【0154】
11a 導体、11b 導体、12 感知部、13 共振素子、21a 導体、21b 導体、22 感知部、23 共振素子、24a 基板、24b 基板、25 上層、26 下層、31a 導体、31b 導体、32 感知部、33 共振素子、41a 導体、41b 導体、42 感知部、43 共振素子、44 基板、51a 導体、51b 導体、52 主感知部、52a 副感知部、52b 副感知部、BR 物理量、BR1 物理量、BR2 物理量、CA キャパシタ、Cn 係数、DK 電気回路、dx 変位量、dy 変位量、dz 変位量、Er 電界、fi 単一周波数、HH 反射波、IN インダクタ、KTB 監視対象物、R 反射係数、SH 送信波、SP スペーサ、SS センサシステム、ST センサタグ、ST1 センサタグ、ST3 センサタグ、STB 識別対象物、TB 対象物、TB1 対象物、TB2 対象物、TE 抵抗器、YS 読取装置。