(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】ユーザ注目ワード分析装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9535 20190101AFI20231218BHJP
G06F 16/958 20190101ALI20231218BHJP
【FI】
G06F16/9535
G06F16/958
(21)【出願番号】P 2019087605
(22)【出願日】2019-05-07
【審査請求日】2022-03-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月18日付掲載 インターネットホームページアドレス(https://www.bebit.co.jp/news/article/20190118) 平成31年3月27日付掲載 インターネットホームページアドレス(https://help.usergram.info/article/413-featured-word)
(73)【特許権者】
【識別番号】500175277
【氏名又は名称】株式会社ビービット
(74)【代理人】
【識別番号】100120145
【氏名又は名称】田坂 一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 直紀
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-264718(JP,A)
【文献】特開2005-107688(JP,A)
【文献】特開2004-362019(JP,A)
【文献】澤田 礼我 外8名,潜在的興味分析に基づく詳細な興味グループ判定方式の提案,第10回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (第16回日本データベース学会年次大会),日本,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会 日本データベース学会 情報処理学会データベースシステム研究会,2018年03月06日,pp. 1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対して、ユーザが注目するワードを分析するユーザ注目ワード分析装置であって、
前記閲覧可能情報を含み、前記閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能情報へのアクセスに関する履歴情報を、ユーザ毎に取得する履歴情報取得手段と、
取得されたユーザ毎の
前記履歴情報に含まれる前記閲覧可能情報において、使用されている前記ワードを抽出するワード抽出手段と、
ユーザ毎に、抽出した前記ワードの数をワード毎に集計する集計手段と、
集計結果に基づき、
ユーザ毎に、前記ワード毎の評価値を決定する評価値決定手段と、
複数のユーザの情報が配列されたユーザ一覧画面を表示手段に表示し、前記ユーザ一覧画面において選択されたユーザ
について抽出された前記ワードを一覧的に表示するワード表示領域を、
前記ユーザ一覧画面において選択された前記ユーザに対応づけて前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記ワード表示領域において、
前記評価値に応じた位置に前記ワードを配置するとともに、
前記評価値が高い前記ワードほど、前記ワードの表示サイズを大きくして表示するユーザ注目ワード分析装置。
【請求項2】
取得された前記閲覧可能情報
に対するユーザの行動パターンの特徴量に応じた重み付け値を決定する重み付け値決定手段を、更に備え、
前記評価値決定手段は、前記集計結果と、前記重み付け値とに基づき、前記評価値を決定する請求項1に記載のユーザ注目ワード分析装置。
【請求項3】
ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対して、ユーザが注目するワードを分析するユーザ注目ワード分析装置が実行する方法であって、
前記閲覧可能情報を含み、前記閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能情報へのアクセスに関する履歴情報を、ユーザ毎に取得するステップと、
取得されたユーザ毎の
前記履歴情報に含まれる前記閲覧可能情報において、使用されている前記ワードを抽出するステップと、
ユーザ毎に、抽出した前記ワードの数をワード毎に集計するステップと、
集計結果に基づき、
ユーザ毎に、前記ワード毎の評価値を決定するステップと、
複数のユーザの情報が配列されたユーザ一覧画面を表示手段に表示し、前記ユーザ一覧画面において選択されたユーザ
について抽出された前記ワードを一覧的に表示するワード表示領域を、
前記ユーザ一覧画面において選択された前記ユーザに対応づけて前記表示手段に表示するステップと、を含み、
前記表示するステップは、前記ワード表示領域において、
前記評価値に応じた位置に前記ワードを配置するとともに、
前記評価値が高い前記ワードほど、前記ワードの表示サイズを大きくして表示するユーザ注目ワード分析方法。
【請求項4】
ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対して、ユーザが注目するワードを分析するユーザ注目ワード分析装置を、
前記閲覧可能情報を含み、前記閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能情報へのアクセスに関する履歴情報を、ユーザ毎に取得する履歴情報取得手段、
取得されたユーザ毎の
前記履歴情報に含まれる前記閲覧可能情報において、使用されている前記ワードを抽出するワード抽出手段、
ユーザ毎に、抽出した前記ワードの数をワード毎に集計する集計手段、
集計結果に基づき、
ユーザ毎に、前記ワード毎の評価値を決定する評価値決定手段、
複数のユーザの情報が配列されたユーザ一覧画面を表示手段に表示し、前記ユーザ一覧画面において選択されたユーザ
について抽出された前記ワードを一覧的に表示するワード表示領域を、
前記ユーザ一覧画面において選択された前記ユーザに対応づけて前記表示手段に表示する表示制御手段、として機能させ、
前記表示制御手段は、前記ワード表示領域において、
前記評価値に応じた位置に前記ワードを配置するとともに、
前記評価値が高い前記ワードほど、前記ワードの表示サイズを大きくして表示するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対して、ユーザが注目するワードを分析するユーザ注目ワード分析装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットの普及に伴い、ウェブを利用した集客が行われている。このような、ウェブを利用した集客では、ウェブサイトに誰がアクセスしてきたのか、サイト上でどのような行動パターンを示したのか、といったアクセス情報を分析する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、解析対象となるウェブサイトへのアクセス情報を、指定された条件のもとにクロス集計し、クロス集計の各欄には、アクセス元内訳を解析し表示する画面へのハイパーリンクが記述され、このハイパーリンクをクリックするだけで種々の条件のもとにおけるアクセス数のアクセス元内訳を参照できる営業支援システムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の情報表示装置は、詳細なアクセス解析結果を参照可能とするものの、各ユーザが、それぞれ興味関心を持っているワードまでは、解析することはできず、また、このような各ユーザの興味関心を容易に把握することは困難である。
【0006】
本発明は、これらの課題に鑑み、各ユーザが興味関心があるワードを、容易に把握することが可能なユーザ注目ワード分析装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
本発明は、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報に対して、ユーザが注目するワードを分析するユーザ注目ワード分析装置であって、
前記閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能情報へのアクセスに関する履歴情報を、ユーザ毎に取得する履歴情報取得手段と、
取得されたユーザ毎の前記閲覧可能情報において、使用されている前記ワードを抽出するワード抽出手段と、
前記ワードを、ユーザ毎に集計する集計手段と、
集計結果に基づき、前記ワードの評価値を決定する評価値決定手段と、
ユーザ毎に、抽出された前記ワードを一覧的に表示するワード表示領域を、表示手段に表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記ワード表示領域において、
前記評価値に応じた位置に配置するとともに、
前記評価値が高い前記ワードほど、前記ワードの表示サイズを大きくして表示するユーザ注目ワード分析装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、取得された前記閲覧可能情報のパターンの特徴量に応じた重み付け値を決定する重み付け値決定手段を、更に備え、前記評価値決定手段は、前記集計結果と、前記重み付け値とに基づき、前記評価値を決定してもよい。
【0009】
また、本発明は、装置のカテゴリであるが、方法及びプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、各ユーザが興味関心があるワードを、容易に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るユーザ注目ワード分析装置におけるユーザが注目するワードを分析した結果の表示例である。
【
図2】
図2は、本実施形態のユーザ注目ワード分析装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、ユーザ情報DBを模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、履歴情報DBを模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態のユーザ注目ワード分析装置による評価値決定の概要を説明する図である。
【
図6】
図6は、本実施形態のユーザ注目ワード分析処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態に係るユーザ注目ワード分析装置によるユーザ一覧画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0013】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るユーザ注目ワード分析装置におけるユーザが注目するワードを分析した結果の表示例である。
本実施形態に係るユーザ注目ワード分析装置は、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能情報(例えば、インターネットを利用して閲覧することが可能なウェブサイトや、インターネットを利用して商品等を販売するアプリケーション上の表示等)に対して、ユーザが注目するワードを分析する。ユーザ注目ワード分析装置は、例えば、商品を販売する者や、ユーザが注目しているワードを分析する者や、ユーザに所望の行動を促す者(以下、「操作者」ともいう。)により使用される。
【0014】
具体的には、ユーザ注目ワード分析装置は、閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける閲覧可能情報へのアクセスに関する履歴情報を、ユーザ毎に取得し、取得したユーザ毎の閲覧可能情報において、使用されているワードを抽出し、ユーザ毎に集計し、ワード毎の評価値を決定する。
【0015】
そして、ユーザ注目ワード分析装置は、ユーザ毎に、抽出されたワードを一覧的に表示するワード表示領域19aを、表示手段19に表示する。
【0016】
ユーザ注目ワード分析装置は、ワード表示領域19aにおいて、評価値に応じた位置にワードを配置するとともに、評価値が高いワードほど、ワードの表示サイズを大きくして表示する。具体的には、
図1に示す例では、ワード「エクスペリエンス」の評価値が最も高かったため、ワード表示領域19aの中心に配置し、ワード表示領域19aに表示させたワードのうち、最も大きいフォントサイズで表示している。
【0017】
このように、ユーザ注目ワード分析装置は、閲覧可能情報に対して、個々のユーザにおける閲覧可能情報へのアクセスに関する履歴情報を、ユーザ毎に取得し、取得したユーザ毎の閲覧可能情報において、使用されているワードを抽出し、ユーザ毎に集計し、ワード毎の評価値を決定する。そして、ユーザ注目ワード分析装置は、ユーザ毎に、抽出されたワードを一覧的に表示するワード表示領域において、評価値に応じた位置に配置するとともに、評価値が高いワードほど、ワードの表示サイズを大きくして表示する。
【0018】
一般的に、ウェブにおいて、ユーザが興味関心がある事項について検索する場合、自分が興味関心のあるワードを入力し、このワードが含まれるウェブサイト等の閲覧可能情報を閲覧する。このため、あるユーザの閲覧可能情報へのアクセスに関する履歴情報には、当該ユーザが興味関心があるワードが含まれる閲覧可能情報がより多く含まれていると推測できる。
【0019】
本実施形態のユーザ注目ワード分析装置によれば、ユーザ毎に、履歴情報における閲覧可能情報において使用されているワードを抽出し、集計することで、これらのワードに対し、各ユーザが興味関心がある順に評価することが可能となる。そして、この順位付けをしたワードを、一覧的に表示するとともに、評価が高いワードほど、中心側に配置し、なおかつ、ワードの表示サイズを大きくして表示することが可能となる。このため、ウェブにおける閲覧可能情報に対するユーザのアクセス等の行動を分析する者は、このような表示により、一見して、あるユーザが興味関心があるワードを把握することが可能となる。
したがって、各ユーザが興味関心があるワードを、容易に把握することが可能となる。
【0020】
<機能構成>
図2は、本実施形態のユーザ注目ワード分析装置の機能構成を示すブロック図である。
ユーザ注目ワード分析装置1は、例えば、サーバで構成され、図示しないプロセッサ、メモリ、ストレージを備え、これらはバスにより接続されている。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成され、メモリに記憶された各種プログラムを読み出して実行し、各種処理を行うことで、後述する各手段として機能する。メモリは、CPUにより実行されるプログラムを記憶するものであり、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成される。ストレージは、後述するデータベースや制御プログラムなどを記憶するものである。
なお、ユーザ注目ワード分析装置1は、1つのサーバで構成する必要はなく、例えば、ユーザ注目ワード分析装置1の管理者により操作される端末(例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末等)や、このような端末とネットワークを介して接続されたサーバ等により、各種処理の全部又は一部を実行してもよい。
【0021】
ユーザ注目ワード分析装置1は、ユーザ情報取得手段11と、ユーザ情報データベース(以下、「ユーザ情報DB」とも言う。)12と、履歴情報取得手段13と、履歴情報データベース(以下、「履歴情報DB」とも言う。)14と、ワード抽出手段15と、集計手段16と、重み付け値決定手段17と、評価値決定手段18と、表示手段19と、表示制御手段20と、を備える。
【0022】
ユーザ情報取得手段11は、ユーザに操作される端末(例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末等)や、外部の装置であるオフラインデータベース(以下、「オフラインDB」とも言う。)200等から、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報DB12に記憶する。
【0023】
図3は、ユーザ情報DBを模式的に示す図である。
ユーザ情報DB12は、各ユーザを識別する識別情報に、年齢、所在地(ユーザが居住する都道府県や、住所等)等が対応付けられたユーザ情報が記憶されている。なお、ユーザ情報には、その他、性別、ユーザのネーム(例えば、ユーザにより設定されたニックネームや、ユーザの名前等)、ユーザ属性(例えば、ウェブサイトの運営者が運営するグループの会員ランク、PV(Page View)数、CV(Conversion)数等)や、オフラインデータ(例えば、ユーザの現実の行動履歴、NPS(Net Promoter Score)、ビジネス指標等)、商品購入や来店履歴等を含めてもよい。この場合、これらの情報は、ユーザ情報取得手段11が取得し、ユーザ情報DB12において、識別情報に、対応付けて記憶してもよい。
【0024】
図2に戻って、履歴情報取得手段13は、ユーザ毎に、当該ユーザがアクセスした閲覧可能情報、当該閲覧可能情報にアクセスした時間を示す訪問日時、当該ユーザが当該閲覧可能情報へのアクセスに利用した利用端末(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)や、携帯端末(スマートフォン)等)を示す情報、当該閲覧可能情報における当該ユーザの行動を示すイベントタイプ(例えば、PVだけであったのか、CVに至ったのか)を示す情報、当該閲覧可能情報にアクセスしていた時間を示す滞在時間、イベントタイプの詳細(例えば、CVの内容や、サービスや商品の導入先)等を含む履歴情報を、当該閲覧可能情報をユーザの端末に表示させ、ユーザの端末からアクセスされている装置(サーバ等)や、ユーザ注目ワード分析装置1にネットワークを介して接続されたオフラインDB200や、ユーザ注目ワード分析装置1にネットワークを介して接続された外部データベース(以下、「外部DB」とも言う。)300から取得し、履歴情報DB14に記憶する。
【0025】
図4は、履歴情報DBを模式的に示す図である。
履歴情報DB14は、ユーザ毎に、当該ユーザがアクセスした閲覧可能情報に、当該閲覧可能情報にアクセスした時間を示す訪問日時、当該ユーザが当該閲覧可能情報へのアクセスに利用した利用端末を示す情報、当該閲覧可能情報における当該ユーザの行動を示すイベントタイプを示す情報、当該閲覧可能情報にアクセスしていた時間を示す滞在時間等が対応付けられて記憶されている。
図4に示すように、履歴情報DB14には、ある閲覧可能情報への訪問日時毎に履歴情報が記憶されている。すなわち、履歴情報取得手段13は、ユーザ毎に、ある閲覧可能情報に、何回アクセスしているかや、ある期間に、ある閲覧可能情報に何回アクセスしているかの頻度も、履歴情報DB14に記憶している。
【0026】
なお、
図4に示す例では、「閲覧可能情報」の一例として、ウェブページのタイトル(
図4に示す例では「Ug特設ページ」)を示しているが、「閲覧可能情報」は、ウェブページで表示されるテキストデータや、ウェブページのアドレスや、ウェブサイトにおけるショップ名や、インターネットを利用して商品等を販売するアプリケーションの名称等、ユーザがインターネットを利用して、閲覧可能な情報であれば任意の情報とすることができる。
【0027】
また、履歴情報には、各閲覧可能情報におけるユーザの操作に関する情報として、表示画面においてスクロールされた量やスクロールする速度を示すスクロール情報や、ユーザに操作される端末におけるマウス操作やタッチ操作により、表示画面上で移動させることが可能なポインタの移動経路や移動量や移動速度を示すポインタ情報等を含めてもよい。この場合、これらの情報は、履歴情報取得手段13が取得し、履歴情報DB14において、閲覧可能情報に、対応付けて記憶してもよい。また、履歴情報取得手段13は、流入経路を示す情報を、ユーザの初回アクセス時と2回目以降のアクセス時とで分類して取得し、それぞれ記憶してもよいし、CVに至ったときの流入経路を示す情報を、PVのみの場合と分類して取得し、それぞれ記憶してもよい。
【0028】
図2に戻って、ワード抽出手段15は、履歴情報DB14に記憶されたユーザ毎の閲覧可能情報において、使用されているワードを抽出する。具体的には、ワード抽出手段15は、閲覧可能情報(例えば、ウェブページのタイトルや本文等)のテキストデータを、形態素解析により、ワード単位に分解し、閲覧可能情報において、使用されているワードを抽出する。ワード抽出手段15は、閲覧可能情報に加え、その他の履歴情報DB14に記憶された情報に含まれるワードを抽出してもよい。さらに、ワード抽出手段15は、履歴情報DB14に記憶された情報に加え、ユーザの商品購入や来店履歴を示す情報等やその他のユーザ情報DB12に記憶された情報に含まれるワードを抽出してもよい。
【0029】
集計手段16は、ワード抽出手段15が抽出したワードを、ユーザ毎に集計する。詳細には、集計手段16は、ユーザ毎、閲覧可能情報(例えば、ウェブページ)毎に、ワード抽出手段15が抽出したワードの数を、ワード毎に集計する。
【0030】
重み付け値決定手段17は、履歴情報取得手段13が取得した閲覧可能情報のパターンの特徴量に応じた重み付け値を決定する。具体的には、重み付け値決定手段17は、ユーザ毎の履歴情報DB14を参照し、ある閲覧可能情報に関するCV数、CVの頻度、PV数、PV頻度等を示す値が大きいほど(例えば、所定期間(例えば、24時間、1週間等)において、あるウェブページを閲覧した回数(PV頻度)が多いほど、滞在時間が長いほど)、当該閲覧可能情報から抽出されたワードに対する重み付け値を大きい値に決定する。また、重み付け値決定手段17は、PVに関する情報より、CVに関する情報に対する重み付け値をより大きくするようにしてもよい。また、重み付け値決定手段17は、あるユーザの重み付け値を決定する際に、他のユーザの重み付け値を参照してもよい。例えば、重み付け値決定手段17は、全てのユーザの各閲覧可能情報(例えば、ウェブページ)の閲覧時間の分布から、各閲覧可能情報自体の重み付け値(重要度)を決定する。また、重み付け値決定手段17は、上述した例に限らず、履歴情報DB14に記憶された各種の履歴情報に示される行動パターンの特徴量に応じた重み付け値を決定することができる。
【0031】
評価値決定手段18は、集計手段16が集計した集計結果と、重み付け値決定手段17が決定した重み付け値とに基づき、ワード毎の評価値を決定する。重み付け値は、任意の計算方法で集計結果に反映させることが可能であるが、例えば、評価値決定手段18は、集計手段16が集計したワード毎のワード数に、重み付け値決定手段17が決定した重み付け値を乗算することで、ワード毎の評価値を決定してもよい。なお、評価値決定手段18は、集計手段16が集計したワード毎のワード数をそのまま評価値に決定してもよいし、単なる乗算以外の計算方法で、重み付け値を使用して評価値を決定してもよい。
【0032】
単なる乗算以外の計算方法の一例として、評価値決定手段18は、tf(Term Frequency)-idf(Inverse Document Frequency)により、ワード毎の評価値を決定する。詳細には、「tf」(tf=閲覧可能情報(例えば、ウェブページ)におけるあるワードの出現頻度/閲覧可能情報における全ワードの出現頻度の和)は、ある閲覧可能情報において、あるワードがどのくらい出現したのかを示す値であり、値が大きいほど、ある閲覧可能情報における、あるワードの出現頻度が大きくなる。「idf」(idf=log(全閲覧可能情報/あるワードを含む閲覧可能情報))は、全閲覧可能情報における、あるワードの出現頻度を示す値であり、値が大きいほど、全閲覧可能情報における、あるワードの出現頻度が低くなる(全閲覧可能情報における、あるワードのレア度が大きくなる)。そして、評価値決定手段18は、「tf」と「idf」とを乗算することで、ワード毎の評価値を決定する。すなわち、ある閲覧可能情報における出現頻度が大きく、全閲覧可能情報におけるレア度が大きいワードほど、評価値が大きくなる。
【0033】
図5は、本実施形態のユーザ注目ワード分析装置による評価値決定の概要を説明する図である。
集計手段16は、ワード抽出手段15が抽出したワードの数を、ワード毎、閲覧可能情報毎に、集計する。例えば、
図5に示す例では、集計手段16は、閲覧可能情報「Ug特設ページ」から抽出されたワード「エクスペリエンス」の数が3個であったので集計値「3」を算出し、閲覧可能情報「Topページ」から抽出されたワード「エクスペリエンス」の数が5個であったので集計値「5」を算出し、閲覧可能情報「ブログ」から抽出されたワード「エクスペリエンス」の数が2個であったので集計値「2」を算出している。
また、重み付け値決定手段17は、閲覧可能情報「Ug特設ページ」に対して重み付け値「5」を決定し、閲覧可能情報「Topページ」に対して重み付け値「3」を決定し、閲覧可能情報「ブログ」に対して重み付け値「1」を決定している。
【0034】
このような場合に、評価値決定手段18は、ワード「エクスペリエンス」に対して、閲覧可能情報「Ug特設ページ」から抽出されたものには集計値「3」と重み付け値「5」を乗算して評価値「15」を算出し、閲覧可能情報「Topページ」から抽出されたものには集計値「5」と重み付け値「3」を乗算して評価値「15」を算出し、閲覧可能情報「ブログ」から抽出されたものには集計値「2」と重み付け値「1」を乗算して評価値「2」を算出し、これらの評価値を合算することで、ワード「エクスペリエンス」の評価値「32」を決定する。
【0035】
表示手段19は、例えば、ディスプレイやタッチパネルで構成され、表示制御手段20の制御により、ワード抽出手段15により抽出されたワードを一覧的に表示するワード表示領域19a(
図1参照)等を表示する。
【0036】
表示制御手段20は、ワード表示領域19a(
図1参照)等を、表示手段19に表示する。また、表示制御手段20は、ワード表示領域19aにおいて、ワードの評価値に応じた位置に、当該ワードを配置する。具体的には、表示制御手段20は、ワード表示領域19aにおいて、評価値決定手段18が決定した評価値が高いワードほど中心側に配置するとともに、評価値決定手段18が決定した評価値が高いワードほど、ワードの表示サイズを大きくして表示する。また、表示制御手段20は、ワード表示領域19aにおいて、評価値決定手段18が決定した評価値に応じて表示するワードの色や字体を変化させてもよい。なお、表示制御手段20は、評価値決定手段18が決定した評価値が高いワードほど中心側に配置する態様に限らず、操作者が認知しやすい位置であれば、中心側に限らず任意の位置に配置することができる。
【0037】
<ユーザ注目ワード分析処理>
次に、ユーザ注目ワード分析装置によるユーザ注目ワード分析処理の一例について、
図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態のユーザ注目ワード分析処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、ユーザ情報取得手段11は、ユーザに操作される端末や、外部の装置であるオフラインDB200等から、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報DB12に記憶する。
【0038】
ステップS2において、履歴情報取得手段13は、ユーザ毎に、当該ユーザがアクセスした閲覧可能情報、当該閲覧可能情報にアクセスした時間を示す訪問日時、当該ユーザが当該閲覧可能情報へのアクセスに利用した利用端末を示す情報、当該閲覧可能情報における当該ユーザの行動を示すイベントタイプを示す情報、当該閲覧可能情報にアクセスしていた時間を示す滞在時間等を含む履歴情報を、当該閲覧可能情報をユーザの端末に表示させ、ユーザの端末からアクセスされている装置や、オフラインDB200や、外部DB300から取得し、履歴情報DB14に記憶する。
【0039】
ステップS3において、ワード抽出手段15は、ステップS2で履歴情報取得手段13により履歴情報DB14に記憶されたユーザ毎の閲覧可能情報において、使用されているワードを抽出する。
【0040】
ステップS4において、集計手段16は、ステップS3でワード抽出手段15が抽出したワードを、ユーザ毎に集計する。
【0041】
ステップS5において、重み付け値決定手段17は、ユーザ毎の履歴情報DB14を参照し、閲覧可能情報に対するユーザの行動パターンの特徴量に応じた重み付け値を決定する。
【0042】
ステップS6において、評価値決定手段18は、ステップS4で集計手段16が集計した集計結果と、ステップS5で重み付け値決定手段17が決定した重み付け値とに基づき、ワード毎の評価値を決定する。
【0043】
ステップS7において、表示制御手段20は、ワード表示領域19a(
図1参照)を、表示手段19に表示する。また、表示制御手段20は、ワード表示領域19aにおいて、評価値決定手段18が決定した評価値に応じた位置にワードを配置するとともに、評価値決定手段18が決定した評価値が高いワードほど、ワードの表示サイズを大きくして表示する。
【0044】
図7は、本実施形態に係るユーザ注目ワード分析装置によるユーザ一覧画面の表示例である。
表示制御手段20は、
図7に示すように、複数のユーザの各種情報が配列されたユーザ一覧画面を表示手段19に表示する。そして、表示制御手段20は、ユーザ注目ワード分析装置1を操作する操作者の操作により、例えば、
図7中上から2段目のユーザ(「d23e542ebd1e...」)が選択されると、
図1に示すようなワード表示領域19aを表示手段19に表示する。
【0045】
図5に示す例では、評価値決定手段18が決定した評価値(合計値)が最も高いワードは「エクスペリエンス」であり、次に評価値(合計値)が高いワードは「デザイン」であり、次に評価値(合計値)が高いワードは「パートナー」である。
このような場合、表示制御手段20は、
図1に示すように、ワード表示領域19aにおいて、ワード抽出手段15が抽出したワードを、ランダムに配置しつつ、最も評価値(合計値)が高いワード「エクスペリエンス」を、ワード表示領域19aの中心に配置し、かつ、最も大きいフォントサイズで表示し、次に評価値(合計値)が高いワード「デザイン」や「パートナー」を「エクスペリエンス」の周囲(中心より)に配置し、最も大きいフォントサイズで表示する。なお、表示制御手段20は、「エクスペリエンス」より評価値(合計値)が低い「デザイン」や「パートナー」のフォントサイズを、「エクスペリエンス」よりも小さいが、その他のワードよりは大きくしてもよい。
【0046】
<効果>
以上説明した本実施形態のユーザ注目ワード分析装置によれば、ユーザ毎に、履歴情報における閲覧可能情報において使用されているワードを抽出し、集計することで、これらのワードに対し、各ユーザが興味関心がある順に評価することが可能となる。そして、この順位付けをしたワードを、一覧的に表示するとともに、評価に応じた位置に配置し、なおかつ、ワードの表示サイズを大きくして表示することが可能となる。このため、ウェブにおける閲覧可能情報に対するユーザのアクセス等の行動を分析する者は、このような表示により、一見して、あるユーザが興味関心があるワードを把握することが可能となる。
したがって、各ユーザが興味関心があるワードを、容易に把握することが可能となる。
【0047】
また、集計結果と、閲覧可能情報のパターンの特徴量に応じた重み付け値とに基づき、各ユーザが興味関心があるワードを評価するので、各ユーザの行動パターンに応じたワードの評価が可能となり、ユーザ個々に、興味関心があるワードに対する評価の精度が向上する。
したがって、各ユーザが興味関心があるワードを、精度よく容易に把握することが可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1・・・ユーザ注目ワード分析装置、11・・・ユーザ情報取得手段、12・・・ユーザ情報DB、13・・・履歴情報取得手段、14・・・履歴情報DB、15・・・ワード抽出手段、16・・・集計手段、17・・・重み付け値決定手段、18・・・評価値決定手段、19・・・表示手段、20・・・表示制御手段、200・・・オフラインDB、300・・・外部DB