(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
A01C 11/02 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A01C11/02 350F
A01C11/02 360A
A01C11/02 310
(21)【出願番号】P 2022014407
(22)【出願日】2022-02-01
【審査請求日】2022-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 修平
(72)【発明者】
【氏名】三宅 浩喜
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-113885(JP,A)
【文献】特開2010-252759(JP,A)
【文献】特開平08-275636(JP,A)
【文献】特開2009-207503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行しながら、所定の苗植付け深さおよび所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、
前記所定の苗植付け深さの調節駆動を行う苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)と、
前記所定の苗取り量の調節駆動を行う苗取り量調節アクチュエーター(21)と、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)が取付けられている苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁面を有する苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)と、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)が取付けられている苗取り量調節アクチュエーター取付け壁面を有する苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)と、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)、および前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)を支持するアクチュエーター支持機構(30)と、
を備えており、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁面、および前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁面は、車体左右方向に関して同じ側へ向いており、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)の出力軸、および前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の出力軸は、前記車体左右方向に関して前記同じ側へ向いており、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)の前記出力軸が視認可能であるように、孔または切欠きが前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)へ設けられており、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の前記出力軸が視認可能であるように、孔または切欠きが前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)へ設けられていることを特徴とする
作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植え機などのような作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
走行しながら、所定の苗植付け深さおよび所定の苗取り量で苗を植付ける、田植え機などのような作業車両が、知られている(たとえば、特許文献1から3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-55704号公報
【文献】特開2017-136009号公報
【文献】特開2017-153453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述された従来の田植え機などのような作業車両については、苗を植付ける作業に関する高い作業性は、必ずしも十分に実現されていない。
【0005】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することができる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明は、走行しながら、所定の苗植付け深さおよび所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、
前記所定の苗植付け深さの調節駆動を行う苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)と、
前記所定の苗取り量の調節駆動を行う苗取り量調節アクチュエーター(21)と、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)が取付けられている苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁面を有する苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)と、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)が取付けられている苗取り量調節アクチュエーター取付け壁面を有する苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)と、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)、および前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)を支持するアクチュエーター支持機構(30)と、
を備えており、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁面、および前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁面は、車体左右方向に関して同じ側へ向いており、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)の出力軸、および前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の出力軸は、前記車体左右方向に関して前記同じ側へ向いており、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)の前記出力軸が視認可能であるように、孔または切欠きが前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)へ設けられており、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の前記出力軸が視認可能であるように、孔または切欠きが前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)へ設けられていることを特徴とする作業車両である。
本発明に関連する第1の発明は、走行しながら、所定の苗植付け深さおよび所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、
前記所定の苗植付け深さの調節駆動を行う苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)と、
前記所定の苗取り量の調節駆動を行う苗取り量調節アクチュエーター(21)と、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)が取付けられている苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁面を有する苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)と、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)が取付けられている苗取り量調節アクチュエーター取付け壁面を有する苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)と、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)、および前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)を支持するアクチュエーター支持機構(30)と、
を備えており、
前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁面、および前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁面は、車体左右方向に関して同じ側へ向いていることを特徴とする作業車両である。
【0007】
本発明に関連する第2の発明は、前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)の出力軸、および前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の出力軸は、前記車体左右方向に関して前記同じ側へ向いていることを特徴とする本発明に関連する第1の発明の作業車両である。
【0008】
本発明に関連する第3の発明は、前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)の前記出力軸が視認可能であるように、孔または切欠きが前記苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部(31)へ設けられており、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の前記出力軸が視認可能であるように、孔または切欠きが前記苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部(32)へ設けられていることを特徴とする本発明に関連する第2の発明の作業車両である。
【0009】
本発明に関連する第4の発明は、走行しながら、所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、
前記植付けられる苗を載置する苗載置台(40)と、
前記苗載置台(40)の高さの変更を利用して前記所定の苗取り量の調節駆動を行う苗取り量調節アクチュエーター(21)と、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の制御を行うコントローラー(50)と、
を備えており、
前記苗載置台(40)の現在高さが目標高さより大きい場合においては、前記苗載置台(40)の前記高さが、前記目標高さより小さい高さと一致させられた後に、前記目標高さと一致させられるように、前記コントローラー(50)は前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の前記制御を行い、
前記苗載置台(40)の現在高さが目標高さより小さい場合においては、前記苗載置台(40)の前記高さが、単調に増大させられ、前記目標高さと一致させられるように、前記コントローラー(50)は前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の前記制御を行うことを特徴とする作業車両である。
【0010】
本発明に関連する第5の発明は、走行しながら、所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、
前記植付けられる苗を載置する苗載置台(40)と、
前記苗載置台(40)の高さの変更を利用して前記所定の苗取り量の調節駆動を行う苗取り量調節アクチュエーター(21)と、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の制御を行うコントローラー(50)と、
を備えており、
前記苗載置台(40)の現在高さが目標高さより大きい場合においては、前記苗載置台(40)の前記高さが、前記目標高さと一致させられ、前記目標高さより大きい高さと一致させられた後に、再び前記目標高さと一致させられるように、前記コントローラー(50)は前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の前記制御を行うことを特徴とする作業車両である。
【0011】
本発明に関連する第6の発明は、走行しながら、所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、
前記植付けられる苗を載置する苗載置台(40)と、
前記苗載置台(40)の高さの変更を利用して前記所定の苗取り量の調節駆動を行う苗取り量調節アクチュエーター(21)と、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の制御を行うコントローラー(50)と、
を備えており、
前記苗載置台(40)の現在高さが苗取りのための位置の最小高さと異なる場合においては、前記苗載置台(40)の前記高さが、前記現在高さと前記最小高さとの間で二回往復させられ、前記最小高さと一致させられた後に、目標高さと一致させられるように、前記コントローラー(50)は前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の前記制御を行うことを特徴とする作業車両である。
【0012】
本発明に関連する第7の発明は、走行しながら、所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、
前記植付けられる苗を載置する苗載置台(40)と、
前記苗載置台(40)の高さの変更を利用して前記所定の苗取り量の調節駆動を行う苗取り量調節アクチュエーター(21)と、
前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の制御を行うコントローラー(50)と、
を備えており、
前記苗載置台(40)の前記高さが、苗取りのための位置の高さではない、苗取り量調節専用高さと一致させられた後に、目標高さと一致させられるように、前記コントローラー(50)は前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の前記制御を行うことを特徴とする作業車両である。
【0013】
本発明に関連する第8の発明は、走行しながら、所定の苗植付け深さで苗を植付ける作業車両であって、
前記植付けられる苗を載置する苗載置台(40)と、
前記苗載置台(40)に前記載置された苗の苗残量を検出する苗残量検出機構(51)と、
前記所定の苗植付け深さの調節駆動を行う苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)と、
前記苗残量検出機構(51)により前記検出された苗残量に基づいて、前記苗植付け深さ調節アクチュエーター(11)の制御を行うコントローラー(50)と、
を備えていることを特徴とする作業車両である。
【0014】
本発明に関連する第9の発明は、走行しながら、所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、
前記植付けられる苗を載置する苗載置台(40)と、
前記苗載置台(40)に前記載置された苗の苗残量を検出する苗残量検出機構(51)と、
前記所定の苗取り量の調節駆動を行う苗取り量調節アクチュエーター(21)と、
前記苗残量検出機構(51)により前記検出された苗残量に基づいて、前記苗取り量調節アクチュエーター(21)の制御を行うコントローラー(50)と、
を備えていることを特徴とする作業車両である。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することが可能である。そして、本発明により、上述された本発明の効果に加えて、苗を植付ける作業に関する利便性を向上することが可能である。さらに、本発明により、上述された本発明の効果に加えて、苗を植付ける作業に関する利便性をさらに向上することが可能である。
本発明に関連する第1の発明により、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することが可能である。
【0016】
本発明に関連する第2の発明により、本発明に関連する第1の発明の効果に加えて、苗を植付ける作業に関する利便性を向上することが可能である。
【0017】
本発明に関連する第3の発明により、本発明に関連する第2の発明の効果に加えて、苗を植付ける作業に関する利便性をさらに向上することが可能である。
【0018】
本発明に関連する第4の発明により、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することが可能である。
【0019】
本発明に関連する第5の発明により、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することが可能である。
【0020】
本発明に関連する第6の発明により、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することが可能である。
【0021】
本発明に関連する第7の発明により、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することが可能である。
【0022】
本発明に関連する第8の発明により、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することが可能である。
【0023】
本発明に関連する第9の発明により、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明における実施の形態の田植え機の左側面図
【
図2】本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構および苗取り量調節機構近傍の平面図
【
図3】(a)本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構近傍の左側面図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量調節機構近傍の左側面図
【
図4】本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構近傍の左側面図(その二)
【
図5】本発明における実施の形態の田植え機のアクチュエーター支持機構近傍の斜視図(その一)
【
図6】本発明における実施の形態の田植え機のアクチュエーター支持機構近傍の斜視図(その二)
【
図7】本発明における実施の形態の田植え機のアクチュエーター支持機構近傍の斜視図(その三)
【
図8】本発明における実施の形態の田植え機のアクチュエーター支持機構近傍の斜視図(その四)
【
図9】本発明における実施の形態の田植え機のアクチュエーター支持機構近傍の斜視図(その五)
【
図10】本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構および苗取り量調節機構近傍の模式的な正面図
【
図11】本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構近傍の拡大左側面図
【
図12】(a)本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量検出ポテンショメーター構成の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量検出ポテンショメーター構成の説明図(その二)、(c)本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量検出ポテンショメーター構成の説明図(その三)
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
以下同様であるが、いくつかの構成要素は図面において示されていないこともあるし透視的にまたは省略的に示されていることもある。
【0027】
(1)はじめに、
図1から4を主として参照しながら、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作について具体的に説明する。
【0028】
ここに、
図1は本発明における実施の形態の田植え機の左側面図であり、
図2は本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構10および苗取り量調節機構20近傍の平面図であり、
図3(a)は本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構10近傍の左側面図(その一)であり、
図3(b)は本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量調節機構20近傍の左側面図であり、
図4は本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構10近傍の左側面図(その二)である。
【0029】
本実施の形態の田植え機の動作について説明しながら、コントローラー50などにより実現される、本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法についても説明する。
【0030】
本実施の形態の田植え機は、車体100の操縦装置230における手動操縦操作または自動操縦操作のための制御装置の制御に応じて、左右一対の前輪221および後輪222を有する走行装置220で走行しながら、整地ローター部材261および整地フロート部材262を有する整地装置260により圃場の整地を行って苗植付け具241を有する苗植付け装置240により圃場への苗植付けを行うとともに施肥装置250により圃場への施肥を行うための田植え機である。
【0031】
走行装置220ならびに苗植付け装置240、施肥装置250および整地装置260は、HSTである主変速装置および副変速装置などを介して伝達されるエンジン210の動力により駆動される。
【0032】
本実施の形態の田植え機は、走行しながら、所定の苗植付け深さおよび所定の苗取り量で苗を植付ける作業車両であって、本発明における作業車両の例である。
【0033】
苗植付け装置240により、苗載せ台とも呼ばれる苗載置台40に載置されている、苗マットから苗植付け具241の苗植付け爪で掻取られた苗は、圃場に植付けられる。
【0034】
苗植付け深さ調節アクチュエーター11は、所定の苗植付け深さの調節駆動を行う調節アクチュエーターである。
【0035】
苗植付け深さ調節機構10により、苗植付け深さ調節アクチュエーター11を利用して、苗植付け装置240に対する整地フロート部材262のフロート支持部材の位置が上下方向において変更される。このように、苗植付け深さ調節アクチュエーター11は、苗植付け装置240に対する整地フロート部材262のフロート高さを上下方向において変更することにより、苗植付け深さを変更するためのアクチュエーターである。
【0036】
苗取り量調節アクチュエーター21は、植付けられる苗を載置する苗載置台40の高さの変更を利用して所定の苗取り量の調節駆動を行う調節アクチュエーターである。
【0037】
苗取り量調節機構20により、苗取り量調節アクチュエーター21を利用して、苗載置台40の位置が苗取出し口の位置とともに上下方向において自由に変更可能であるように苗載置台40を支持する位置変更部が操作される。このように、苗取り量調節アクチュエーター21は、苗載置台40の位置を変更することにより、苗植付け具241の苗植付けアームが苗取出し口を通過して取出す苗の苗取り量を変更するためのアクチュエーターである。
【0038】
苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31は、苗植付け深さ調節アクチュエーター11が取付けられている苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁面を有する取付け壁板部である。
【0039】
苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32は、苗取り量調節アクチュエーター21が取付けられている苗取り量調節アクチュエーター取付け壁面を有する取付け壁板部である。
【0040】
図5から11に示されているように、アクチュエーター支持機構30においては、苗植付け深さ調節アクチュエーター11および苗取り量調節アクチュエーター21を車体左右方向に関して右向きの壁板面で別々に支持するためのアクチュエーター支持部材としての苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32がそれぞれ設けられている。
【0041】
ここに、
図5から9は本発明における実施の形態の田植え機のアクチュエーター支持機構30近傍の斜視図(その一から五)であり、
図10は本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構10および苗取り量調節機構20近傍の模式的な正面図であり、
図11は本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け深さ調節機構10近傍の拡大左側面図である。
【0042】
アクチュエーター支持機構30は、苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31、および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32を支持する支持機構である。
【0043】
たとえば、苗植付け深さ調節アクチュエーター11および苗取り量調節アクチュエーター21が車体左右方向におけるボルト挿入で締結されたアクチュエーター取付けボルトBによりそれぞれ固定される、苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32は別々の板部材であり、縦支持フレーム部材の本数は2であるので、十分なアクチュエーター取付け強度が保証される。
【0044】
苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁面、および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁面は、車体左右方向に関して同じ側へ向いている。
【0045】
苗植付け深さ調節アクチュエーター11の出力軸、および苗取り量調節アクチュエーター21の出力軸は、車体左右方向に関して同じ側へ向いている。
【0046】
苗植付け深さ調節アクチュエーター11のモーター出力ピニオンギア向きおよび苗取り量調節アクチュエーター21のモーター出力ピニオンギア向きは、共通である。
【0047】
たとえば、整地フロート部材262および苗載置台40に関する上述された位置変更がそれぞれ行われるように、位置変更アームAの上端へそれぞれ取付けられたギアと噛合する、苗植付け深さ調節アクチュエーター11の出力軸および苗取り量調節アクチュエーター21の出力軸へそれぞれ取付けられたモーター出力ピニオンギアGの向きは、矢印Xの向きで示されているように、互いと一致しており、これらは、車体左右方向に関して、両方とも左向きである、または両方とも右向きである。
【0048】
苗植付け深さ調節アクチュエーター11および苗取り量調節アクチュエーター21のモーター出力ピニオンギア向きが車体外側向きであることが、メンテナンス容易性などの観点からしばしば望ましい。
【0049】
アクチュエーター支持機構30におけるアクチュエーター取付け側板部としての苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32は、モーター出力ピニオンギア側へ設けられている。
【0050】
たとえば、側板としての二つの縦支持フレーム部材である、苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32は、苗植付け深さ調節アクチュエーター11および苗取り量調節アクチュエーター21の共通なモーター出力ピニオンギア側へ設けられており、これらは、車体左右方向に関して、両方とも左側へ設けられている、または両方とも右側へ設けられている。
【0051】
苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32は、有効なスペースの利用を促進することができる、底部分なしの側板である。
【0052】
たとえば、苗植付け深さ調節アクチュエーター11および苗取り量調節アクチュエーター21のアクチュエーターカバーCは、下方へ向かって開放されるようにモーター出力ピニオンギア側である一方の側板面の片面側へ設けられている。
【0053】
苗植付け深さ調節アクチュエーター11の出力軸が視認可能であるように、孔または切欠きが苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31へ設けられており、苗取り量調節アクチュエーター21の出力軸が視認可能であるように、孔または切欠きが苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32へ設けられている。
【0054】
苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32においては、モーター出力ピニオンギア視認のための孔部が設けられている。
【0055】
たとえば、モーター出力ピニオンギア視認のための半月形状の長孔Hが、苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部31および苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部32へ設けられている。
【0056】
(2)つぎに、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作についてより具体的に説明する。
【0057】
(2A)はじめに、
図3(a)および3(b)を主として参照しながら、苗載置台40の高さに基づく苗取り量調節アクチュエーター21の制御について具体的に説明する。
【0058】
(2A1)苗載置台40の現在高さが目標高さより大きい場合においては、苗載置台40の高さが、目標高さより小さい高さと一致させられた後に、目標高さと一致させられるように、コントローラー50は苗取り量調節アクチュエーター21の制御を行い、苗載置台40の現在高さが目標高さより小さい場合においては、苗載置台40の高さが、単調に増大させられ、目標高さと一致させられるように、コントローラー50は苗取り量調節アクチュエーター21の制御を行う。
【0059】
より具体的には、苗載置台40の高さを苗取り量調節のために変更するとき、苗載置台40の自重、および苗載置台40に載置された苗の自重に起因する機械的なガタおよび撓みなどを抑制しながら、苗載置台40の駆動機構としての苗取り量調節アクチュエーター21を制御する制御機構としてのコントローラー50によるつぎのような制御が考えられる。
【0060】
すなわち、苗取出し口が機械的な可動域の上限高さと下限高さとの間に存在する目標高さの位置へ移動させられるとき、苗取出し口の現在高さが目標高さより大きい場合においては、苗取出し口は、目標高さより小さい高さの位置へ直線的にまたは非直線的に移動させられた後に、目標高さの位置へ直線的にまたは非直線的に移動させられる(苗載置台40の上昇動作)が、苗取出し口の現在高さが目標高さより小さい場合においては、苗取出し口は現在高さの位置から目標高さの位置へ直線的に移動させられる(苗載置台40の上昇動作)。
【0061】
かくの如き苗載置台40の上昇動作は、苗載置台40の自重、および苗載置台40に載置された苗の自重に起因する機械的なガタおよび撓みなどの抑制に寄与すると考えられる。
【0062】
(2A2)苗載置台40の現在高さが目標高さより大きい場合においては、苗載置台40の高さが、目標高さと一致させられ、目標高さより大きい高さと一致させられた後に、再び目標高さと一致させられるように、コントローラー50は苗取り量調節アクチュエーター21の制御を行う。
【0063】
より具体的には、苗載置台40の自重、および苗載置台40に載置された苗の自重に起因する機械的なガタおよび撓みなどを抑制しながら、苗取り量調節アクチュエーター21を制御する制御機構としてのコントローラー50によるつぎのような制御が考えられる。
【0064】
すなわち、苗取出し口が現在高さより小さい目標高さの位置へ移動させられるとき、苗取出し口は、一旦は目標高さの位置へ直線的にまたは非直線的に移動させられて再び目標高さより大きい高さの位置へ直線的にまたは非直線的に移動させられた(苗載置台40の上昇動作)後に、目標高さの位置へ直線的にまたは非直線的に移動させられる。
【0065】
(2A3)苗載置台40の現在高さが苗取りのための位置の最小高さと異なる場合においては、苗載置台40の高さが、現在高さと最小高さとの間で二回往復させられ、最小高さと一致させられた後に、目標高さと一致させられるように、コントローラー50は苗取り量調節アクチュエーター21の制御を行う。
【0066】
より具体的には、上述された苗載置台40の上昇動作が一度だけ行われても、苗載置台40の自重、および苗載置台40に載置された苗の自重に起因する機械的なガタおよび撓みなどは十分に抑制されないことがあるので、たとえば、このような上昇動作および下降動作による往復動作の回数が必要に応じて三回に増やされる、つぎのような制御が考えられる。
【0067】
すなわち、苗取出し口の現在高さが最小苗取り量の高さである場合においては、苗取出し口は現在高さの位置から目標高さの位置へ直線的に移動させられるが、苗取出し口の現在高さが最小苗取り量の高さでない場合においては、現在高さの位置と最小苗取り量の高さの位置との間での往復動作が二回行われた後に、苗取出し口は最小苗取り量の高さの位置を経由して目標高さの位置へ移動させられる。
【0068】
(2A4)苗載置台40の高さが、苗取りのための位置の高さではない、苗取り量調節専用高さと一致させられた後に、目標高さと一致させられるように、コントローラー50は苗取り量調節アクチュエーター21の制御を行う。
【0069】
より具体的には、たとえば、苗取り量が8ミリメートル以上18ミリメートル以下であるロボット田植え機の苗取り量制御において、8ミリメートルより小さい苗取り量の位置と対応する位置がガタを抑制するための専用位置として定義されて設定される。
【0070】
苗載置台40の高さが苗取り量調節のために変更されるとき、苗取り量調節アクチュエーター21のモーター駆動が行われても、現実の苗取り量がガタに起因する撓みなどのためにしばしば上手く変化しない。そして、苗取り量が小さい側へのまたは苗取り量が大きい側への一回または複数回のスウィングの後に、目標高さの位置への移動が行われるガタ解消動作も考えられるが、苗取り量の位置と対応する位置の範囲内での移動が繰返されても、十分なガタ解消は期待されないことがある。
【0071】
少なくとも一回の大きなスウィングがガタを抑制するための専用位置の設定にともなって保証されると、このような専用位置が位置検出などにより確認された後に、苗取出し口が目標高さの位置へ移動させられることにより、効果的なガタ寄せが実現されることが多い。
【0072】
(2B)つぎに、
図3(a)および3(b)を主として参照しながら、苗載置台40に載置された苗の苗残量に基づく苗植付け深さ調節アクチュエーター11および苗取り量調節アクチュエーター21の制御について具体的に説明する。
【0073】
苗残量検出機構51は、苗載置台40に載置された苗の苗残量を検出する検出機構である。
【0074】
たとえば、各々の苗植付け条に一個ずつ設けられている、または各々の苗植付け条の上部および下部に一個ずつ設けられている、いわゆる苗減少スイッチを利用することにより、苗載置台40に載置された残りの苗の苗積載量が判定される。
【0075】
コントローラー50は、苗残量検出機構51により検出された苗残量に基づいて、苗植付け深さ調節アクチュエーター11の制御を行う。
【0076】
ロボット田植え機の苗植付け深さ電動式駆動制御において、同じ苗植付け深さ制御でも、アクチュエーター作動時間が苗積載量に依存して異なることがあり、たとえば、マット苗の床土の土質はさまざまであるので、床土が重くて苗が満載であると、苗植付け深さが上手く調節されないことがある。苗積載量が小さい場合においては、苗植付け深さ駆動信号はパルスデューティー比の減少で遅い側へ向かって補正され、苗積載量が大きい場合においては、苗植付け深さ駆動信号はパルスデューティー比の増大で速い側へ向かって補正されることにより、モーター応答速度は苗積載量に応じた駆動で均一化される。
【0077】
モーターエラー検出が同一の時間を基準とした一律な条件で行われると、正常なアクチュエーター作動にもかかわらず、誤ったモーターエラー検出が行われることがある。苗積載量が小さい場合においては、苗植付け深さ調節モーターエラー判定時間は短い側へ向かって補正され、苗積載量が大きい場合においては、苗植付け深さ調節モーターエラー判定時間は長い側へ向かって補正されることにより、たとえば、設定位置への到達が一律な5秒間の駆動信号出力で実現しなければモーターエラー判定が行われる場合と比較して、誤ったモーターエラー検出の発生は苗積載量に応じたモーターエラー検出時間の変更で抑制される。
【0078】
コントローラー50は、苗残量検出機構51により検出された苗残量に基づいて、苗取り量調節アクチュエーター21の制御を行う。
【0079】
ロボット田植え機の苗取り量電動式駆動制御において、同じ苗取り量制御でも、アクチュエーター作動時間が苗積載量に依存して異なることがあり、たとえば、マット苗の床土の土質はさまざまであるので、床土が重くて苗が満載であると、苗取り量が上手く調節されないことがある。苗積載量が小さい場合においては、苗取り量駆動信号はパルスデューティー比の減少で遅い側へ向かって補正され、苗積載量が大きい場合においては、苗取り量駆動信号はパルスデューティー比の増大で速い側へ向かって補正されることにより、モーター応答速度は苗積載量に応じた駆動で均一化される。
【0080】
モーターエラー検出が同一の時間を基準とした一律な条件で行われると、正常なアクチュエーター作動にもかかわらず、誤ったモーターエラー検出が行われることがある。苗積載量が小さい場合においては、苗取り量調節モーターエラー判定時間は短い側へ向かって補正され、苗積載量が大きい場合においては、苗取り量調節モーターエラー判定時間は長い側へ向かって補正されることにより、たとえば、設定位置への到達が一律な5秒間の駆動信号出力で実現しなければモーターエラー判定が行われる場合と比較して、誤ったモーターエラー検出の発生は苗積載量に応じたモーターエラー検出時間の変更で抑制される。
【0081】
(3)つぎに、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作についてさらにより具体的に説明する。
【0082】
(3A)はじめに、
図1から4を主として参照しながら、本発明における実施の形態の田植え機のロボット直進制御器の切替えについて具体的に説明する。
【0083】
<ロボット直進制御器の切替え(1)>
経路に対する横ズレ量と方位ズレ量を基に直進操舵制御を行うロボット田植え機において、各ズレ量に応じて、直進操舵制御の制御手法を切替える構成が、考えられる。
【0084】
ロボット田植え機においては素早く直線経路に乗せようとした場合、植付け部が左右に大きく振られる形となり植付け姿勢および植付け跡が乱れることがあるが、経路に乗せるための制御と経路上で直線から離れず真っすぐ植えるための制御を適切に切替えながらロボット走行を行うことで、素早く経路に寄せることと、植付け姿勢および植付け跡の美しさと、を両立できる。
【0085】
<ロボット直進制御器の切替え(2)>
経路に対する横ズレ量と方位ズレ量を基に直進操舵制御を行うロボット田植え機において、各ズレ量に応じて、直進操舵制御のパラメーターを切替える構成が、考えられる。
【0086】
ロボット田植え機においては、経路に乗せるための制御と経路上で直線から離れず真っすぐ植えるための制御を一つの制御器で実現してもよいが、パラメーターを切替えることで、素早く経路に寄せることと、植付け姿勢および植付け跡の美しさと、の比重を変えられる。
【0087】
<ロボット直進制御器の切替え(3)>
経路に対する横ズレ量が任意の一定値より大きい場合には、経路に対する横ズレ量を小さくすることを目的とした制御器の切替えまたはそのパラメーターの切替えを行う構成が、考えられる。
【0088】
これにより、直進経路への素早い寄せが実現される。
【0089】
<ロボット直進制御器の切替え(4)>
経路に対する横ズレ量が任意の一定値より小さい場合には、経路に対する方位ズレ量を小さくすることを目的とした制御器の切替えまたはそのパラメーターの切替えを行う構成が、考えられる。
【0090】
横ズレを小さくしようとする場合、経路上では左右細かく操舵が行われ、これにより植付け部は左右に大きく振られることになり、植付け跡は蛇行しているように見えがちであるが、方位ズレを小さくすることで植付け部のぶれを小さくし、植付け姿勢と植付け跡を真っすぐにする制御を行うことができる。
【0091】
<ロボット直進制御器の切替え(5)>
横ズレ重視の制御器と方位ズレ重視の制御器の双方で同時に演算を行い、適する一方の演算結果で操舵制御を行う構成が、考えられる。
【0092】
制御器の切替えがスムーズに行われ、このような操舵制御は積分制御を活用する場合に必須である(PID制御のI項)。
【0093】
<ロボット直進制御器の切替え(6)>
横ズレ重視の制御器と方位ズレ重視の制御器のうち、適する一方のみ演算を行い、操舵制御を行う構成が、考えられる。
【0094】
これにより、計算負荷の低減が実現される。
【0095】
<ロボット直進制御器の切替え(7)>
上述された<ロボット直進制御器の切替え(5)>において、制御器の切替えが行われた時から、切替え後の制御器により演算された操舵量に達するまでの間、単位時間当たりの操舵量の変化量を一定値以下に規制する構成が、考えられる。
【0096】
切替えが急に行われた場合、急ハンドルになり制御不能になりがちであるが、変化量を規制することで急ハンドルを避けスムーズな操舵の切替えが実現される。
【0097】
<ロボット直進制御器の切替え(8)>
上述された<ロボット直進制御器の切替え(5)>において、切替え後の制御器により演算された操舵量に達した後には、制御器の演算結果に基づいて操舵を行う構成が、考えられる。
【0098】
<ロボット直進制御器の切替え(9)>
制御器の切替えを行う横ズレ量の値に、経路に対して近づく際と遠ざかる際では異なる基準値を持たせる構成が、考えられる。
【0099】
これにより、ヒステリシスを持つことで、制御の切替えの際のハンチングを回避する。
【0100】
<ロボット直進制御器の切替え(10)>
横ズレ重視の制御器と方位ズレ重視の制御器の双方で、横ズレと方位ズレそれぞれの量を考慮した直進操舵制御を行う構成が、考えられる。
【0101】
このような構成は既存のロボット田植え機の構成に近い形であり、横ズレと方位ズレ双方をバランスでみるため、制御の切替わりも少なく、安定性が実現される。
【0102】
<ロボット直進制御器の切替え(11)>
上述された<ロボット直進制御器の切替え(10)>において、横ズレ重視の制御器では横ズレのみを用いて制御を行う構成が、考えられる。
【0103】
たとえば、<ロボット直進制御器の切替え(10)>の構成に対して、直線経路への寄せが早い制御が実現される。
【0104】
<ロボット直進制御器の切替え(12)>
上述された<ロボット直進制御器の切替え(10)>において、方位ズレ重視の制御器では方位ズレのみを用いて制御を行う構成が、考えられる。
【0105】
たとえば、<ロボット直進制御器の切替え(10)>の構成に対して、植付け姿勢と植付け跡が真っすぐに見える。
【0106】
(3B)つぎに、
図12(a)から12(c)を主として参照しながら、本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量検出ポテンショメーター構成について具体的に説明する。
【0107】
ここに、
図12(a)から12(c)は、本発明における実施の形態の田植え機の苗取り量検出ポテンショメーター構成の説明図(その一から三)である。
【0108】
<苗取り量検出ポテンショメーター構成(1)>
ロボット田植え機において苗取り量を検出するポテンショメーター301を植付け部土台であるアルミフレームに取付ける構成が、考えられる。
【0109】
苗の重さによって、苗タンクフレームが歪んでポテンショメーター301の値が変化しがちであるが、上述された植付け部土台への取付けを利用してより正確な検出を行うことができる。
【0110】
<苗取り量検出ポテンショメーター構成(2)>
ポテンショメーター301を動かすピン302を受ける土台としてのスライドメタル303を設け、撓みを防ぐ構成が、考えられる。
【0111】
<苗取り量検出ポテンショメーター構成(3)>
ポテンショメーター301を動かすピン302を受ける土台としてのスライドメタル303を上述されたアルミフレームに取付けた部材に取付けることでさらに精度を向上させる構成が、考えられる。
【0112】
<苗取り量検出ポテンショメーター構成(4)>
ポテンショメーター301を動かすピン302を車体内側に設けることで泥水の影響を低減する構成が、考えられる。
【0113】
なお、本発明に関連した発明のプログラムは、上述された本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0114】
また、本発明に関連した発明の記録媒体は、上述された本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の全部または一部の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、読取られたプログラムがコンピュータと協働して利用されるコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0115】
なお、上述された「一部のステップ(または工程、動作および作用など)」は、それらの複数のステップの内の一つまたはいくつかのステップを意味する。
【0116】
また、上述された「ステップ(または工程、動作および作用など)の動作」は、上述されたステップの全部または一部の動作を意味する。
【0117】
また、本発明に関連した発明のプログラムの一利用形態は、インターネット、光、電波または音波などのような伝送媒体の中を伝送され、コンピュータにより読取られ、コンピュータと協働して動作するという形態であってもよい。
【0118】
また、記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)などが含まれる。
【0119】
また、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのような純然たるハードウェアに限らず、ファームウェア、OS(Operating System)、そしてさらに周辺機器を含んでもよい。
【0120】
なお、上述されたように、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明における作業車両は、苗を植付ける作業に関する作業性を向上することができ、田植え機などのような作業車両に利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0122】
10 苗植付け深さ調節機構
11 苗植付け深さ調節アクチュエーター
20 苗取り量調節機構
21 苗取り量調節アクチュエーター
30 アクチュエーター支持機構
31 苗植付け深さ調節アクチュエーター取付け壁板部
32 苗取り量調節アクチュエーター取付け壁板部
40 苗載置台
50 コントローラー
51 苗残量検出機構
100 車体
210 エンジン
220 走行装置
221 前輪
222 後輪
230 操縦装置
240 苗植付け装置
241 苗植付け具
250 施肥装置
260 整地装置
261 整地ローター部材
262 整地フロート部材
301 ポテンショメーター
302 ピン
303 スライドメタル
A 位置変更アーム
B アクチュエーター取付けボルト
C アクチュエーターカバー
G モーター出力ピニオンギア
H 長孔
X 矢印