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特許7403746複数の集積回路を製造するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】複数の集積回路を製造するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20231218BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
G05B19/418 B
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020538557
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 GB2019050250
(87)【国際公開番号】W WO2019150100
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-11
(31)【優先権主張番号】1801473.8
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1807577.0
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520195925
【氏名又は名称】プラグマティック セミコンダクター リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PRAGMATIC SEMICONDUCTOR LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】プライス リチャード デービッド
(72)【発明者】
【氏名】デービス ネイル
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト スコット
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデン ヒーバー トーマス スタンリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムソン ケネス デービッド
(72)【発明者】
【氏名】グリーン ナサニエル ジェームズ
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-199878(JP,A)
【文献】特開2014-107570(JP,A)
【文献】特開平10-189687(JP,A)
【文献】特開2017-211713(JP,A)
【文献】特表2015-502654(JP,A)
【文献】特開2016-157949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性共通支持部に搭載される複数の集積回路ICを製造するシステムであって、
それぞれが各剛性キャリア上にある、少なくとも1つの可撓性共通支持部を受容するように設定れた入力ステーションと、
複数のIC前記少なくとも1つの可撓性共通支持部上に形成された後に前記各剛性キャリア上の前記少なくとも1つの可撓性共通支持部を受容するように設定れた出力ステーションと、
前記ICを前記少なくとも1つの可撓性共通支持部上であり、かつ前記各剛性キャリア上に形成する少なくとも1つの処理ステップ実行するようにそれぞれが動作可能複数の処理モジュールと、
前記入力ステーションから前記出力ステーション、およびそれらの間の前記処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、前記各剛性キャリア上の前記少なくとも1つの可撓性共通支持部を移送させるように動作可能移送手段と、
複数の変更可能な事前プログラム手順含む少なくとも1つの処理手順に従って、前記入力ステーションから前記出力ステーションまで、前記複数の処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて前記各剛性キャリア上の前記少なくとも1つの可撓性共通支持部を案内するように動作可能な制御手段
を備え、
前記制御手段が、前記各剛性キャリア上の他の如何なる可撓性共通支持部からも独立して、前記入力ステーションから前記出力ステーションまで、前記処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて、前記各剛性キャリア上の可撓性共通支持部の動きを案内するように動作可能であり、
各可撓性共通支持部が前記システム全体を通して前記各剛性キャリア上に担持される、システム。
【請求項2】
前記制御手段が、前記システム、ならびに前記入力ステーション、前記出力ステーション、バッファ・ステーションおよび前記処理モジュールの各々をそれぞれ案内するように動作可能なシステム・コントローラよび複数のサブシステム・コントローラ備えた、請求項1に記載のシステ
【請求項3】
前記制御手段が、前記少なくとも1つの処理手順に対して、前記複数の変更可能な事前プログラム手順のうちの1つを選択するように動作可能である、請求項またはに記載のシステム。
【請求項4】
前記変更可能な事前プログラム手順が、前記各剛性キャリア上の前記または各可撓性共通支持部を少なくとも堆積モジュール、パターニング・モジュール、およびエッチング・モジュールへと連続的に案内することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記変更可能な事前プログラム手順が、Cの層を前記各剛性キャリア上の可撓性共通支持部上に形成する繰り返し可能な一連の処理ステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの処理手順が、少なくとも1つの動的手順を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記移送手段が、1つまたは複数の支持部移動機器を備えた、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つまたは複数の支持部移動機器が、モジュール内の少なくとも1つの可撓性共通支持部のあるモジュールから別のモジュールへの移動、あるステーションへの移動、もしくはあるステーションからの移動、ならびに/またはあるバッファ・ステーションへの移動および/もしくはあるバッファ・ステーションからの移動を行うように動作可能な複数のロボット・アームを備えた、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のロボット・アームがそれぞれ、1つまたは複数の可撓性共通支持部を受容するように設定されたバッチ・ローディング機器を移動させるように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数のロボット・アームがそれぞれ、1つまたは複数の可撓性共通支持部を直接移動させるように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
各処理モジュールが、1つまたは複数のサブモジュールを備えた、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
処理モジュール内の各サブモジュールがICの形成における処理ステップのうちの1つを実行するように動作可能である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
ICの少なくとも1つの層共通支持部上に形成するようにサブモジュールが動作可能である、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
処理モジュールがサブモジュールの集合体を備えた、請求項11ら13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記サブモジュールの集合体が、ICの少なくとも1つの可撓性共通支持部上への形成における処理ステップのうちの1つを実行するように動作可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
処理モジュールが単一のサブモジュールを備えた、請求項11ら13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記単一のサブモジュールが、1つまたは複数の可撓性共通支持部を受容するように設定れた、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
各サブモジュールが、複数のICを構成するプロセスのステップの少なくとも一部を実行するように動作可能である、請求項16または17に記載のシステム。
【請求項19】
複数のICそれぞれの設計用の1つまたは複数のマスク備えた、請求項1から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
可撓性共通支持部に搭載される複数の集積回路(IC)を製造する方法であって、
それぞれが各剛性キャリア上にある、少なくとも1つの可撓性共通支持部を用意するとと、
前記各剛性キャリア上の前記少なくとも1つの可撓性共通支持部がロードされる入力ステーションを用意することと、
複数のIC前記少なくとも1つの可撓性共通支持部された後に、前記各剛性キャリア上の前記少なくとも1つの可撓性共通支持部が受容される出力ステーションを用意することと、
ICを前記少なくとも1つの可撓性共通支持部上であり、かつ前記各剛性キャリア上に形成するステップうちの少なくとも1つを実行するようにそれぞれが動作可能複数の処理モジュールを用意することと、
前記入力ステーションから前記出力ステーション、および前記処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、前記各剛性キャリア上の前記少なくとも1つの可撓性共通支持部を移送させるように動作可能移送手段を用意することと、
複数の変更可能な事前プログラム手順含む処理手順に従って、前記入力ステーションから前記出力ステーションまで、前記複数の処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて前記各剛性キャリア上の前記少なくとも1つの可撓性共通支持部のそれぞれを案内することと、
各処理モジュールの処理ステップを案内することと、
前記各剛性キャリア上の他の如何なる可撓性共通支持部からも独立して、前記入力ステーションから前記出力ステーション、および前記処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、前記各剛性キャリア上の可撓性共通支持部の動きを案内するここと、
を含み、
各可撓性共通支持部が前記方法全体を通して前記各剛性キャリア上に担持される、
方法。
【請求項21】
前記複数の変更可能な事前プログラム手順から、1つの変更可能な事前プログラム手順を選択することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ICの設計用の1つまたは複数のマスク選択することを含む、請求項20または21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に通じるプロジェクトは、助成金合意書第726029号の下、欧州連合のHorizon 2020研究イノベーション・プログラムによる資金提供を受けたものである。
【0002】
本発明は、複数の集積回路を製造するシステムおよび方法に関し、それに限定されないが、特に、大量の集積回路の大量生産に適したシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
通常は導体パッドを介して接続される大型の全体的な電子回路に組み込む集積回路を製造するための多種多様な技術が知られている。このような集積回路(すなわち、IC)を製造する技術では、堆積、マスキング、エッチング、洗浄等の多様なプロセスを通じて共通支持部(たとえば、ウェハ)に高密度実装ICのアレイを形成することになる場合が多い。共通支持部上での集積回路の形成は、最終的な回路が共通支持部上に形成されるまで、堆積、マスキング、エッチング、洗浄等の繰り返しプロセスを通じて行われる。その後、これらのICは、(たとえば、共通支持部の分割によって)互いに分離すること、共通支持部から分離すること、ならびに/または何らかの方法で、(通常、IC生産プロセスにおいて支持を与える)共通支持部から大型の電子回路上の最終もしくは目的移動先まで動かすことが必要となる。
【0004】
最初の共通支持部上のICの製造には、多くの問題がある。シリコン・ウェハ構成においては、システムの動作および処理パラメータを設定した、事前にプログラムされた手順(以下、事前プログラム手順)に従って、ICがシリコン支持部上に形成されるまで、堆積ステーションからマスキング・ステーション、エッチング・ステーション、湿式洗浄ステーション等へ製造プロセスを通じて直線的に、大量のシリコン共通支持部(通常、最大150個)が一体的に移動される。各バッチには、製造プロセスを通じて(プロセス実験を除いて)分離されない25個のシリコン・ウェハ(すなわち、1カセット分)の「ロット」が存在する。効率化のため、このようなプロセスでは、システムに導入される共通支持部の処理全体で変わらない事前プログラム手順に従って、大型で一貫したバッチ・サイズの共通支持部が各ステーションへと直線的に進む必要がある。このようなプロセスにおいて、150個の共通支持部(たとえば、シリコン・ウェハ)のバッチは共通しない。各処理ステーションは、製造プロセスの開始時に確立された事前プログラム手順に従って、どの時点においても、ICの層のうちの1つに対して構成プロセスのうちの1つを引き受けることになる。シリコン・ウェハを製造する通常のプロセスには、時間と費用が掛かり、装置を収容する大規模な工場用地が必要となり得る。このプロセスを稼働するシステムは通常、プロセスの長さおよび直線性のため、どの時点においても、多くの共通支持部(たとえば、ウェハ)または在庫を含む。また、製造バッチの事前プログラム手順が確立されると、システムは、そのバッチの共通支持部上に集積回路が形成されるまで、その手順に従って動作することになる。手順を変更するには、新たなバッチが最初から製造プロセスを開始することが必要となる。このため、事前プログラム手順に従って共通支持部の単一または少数のバッチを処理することによりその上に集積回路を製造することは、非効率であり、商業的にも望ましくない。また、その動作中の共通支持部の全体以外に対して、製造中に事前プログラム手順から動作または処理パラメータのいずれかを変更することは、効率的でもなければ商業的に望ましくもない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の特定の実施形態の目的は、従来技術と関連付けられた問題のうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に克服する、複数の集積回路を製造するシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様および実施形態は、添付の特許請求の範囲において請求される複数の集積回路を製造するシステムおよび大量の集積回路を大量生産する方法を提供する。本発明の第1の態様によれば、共通支持部に搭載される複数の集積回路(IC)を製造するシステムであって、
少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された入力ステーションと、
複数の集積回路が形成された少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された出力ステーションと、
集積回路を少なくとも1つの共通支持部上に形成する処理ステップ(たとえば、堆積、パターニング、エッチング)のうちの少なくとも1つを実行するようにそれぞれが動作可能な(設定、構成、適応された)複数の処理モジュールと、
入力ステーションから出力ステーション、およびそれらの間の処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、少なくとも1つの共通支持部を移送させるように動作可能な(設定、構成、適応された)移送手段と、
複数の変更可能な事前プログラム手順のうちの選択された1つを含む少なくとも1つの処理手順に従って、入力ステーションから出力ステーションまで、複数の処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて少なくとも1つの共通支持部を案内するように動作可能な制御手段(たとえば、制御システム、または少なくとも1つのコントローラ、制御ユニット、もしくは制御モジュール)と、
を備え、
制御手段が、他の如何なる共通支持部からも独立して、入力ステーションから出力ステーションまで、処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて、共通支持部の動きを案内するように動作可能である、システムが提供される。
【0007】
特定の実施形態において、このシステムは、少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された少なくとも1つのバッファ・ステーションを備える。
【0008】
特定の実施形態において、このシステムは、少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された複数のバッファ・ステーションを備える。
【0009】
特定の実施形態において、該または各バッファ・ステーションは、少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)されており、また、入力ステーション、処理モジュールのうちの1つもしくは複数、ならびに出力ステーションのうちの1つまたは複数の前段に位置付けられている。
【0010】
このように、該または各バッファ・ステーションは、IC構成プロセスにおいてステーションまたはモジュールへと案内される前に、1つまたは複数の共通支持部を保持する収容能力を与えるように設定されている。バッファ・ステーションは、処理手順に従ってステーションまたはモジュールに入る前に、システムの他の場所からの制御手段の案内によって、共通支持部のバッチが1つにまとまり得る待機ステーションをシステムに提供する。
【0011】
特定の実施形態において、制御手段は、バッファ・ステーションへの各共通支持部の動きを案内するように動作可能である。より具体的に、制御手段は、複数の共通支持部をバッファ・ステーションへと案内するように動作可能である。さらに具体的に、制御手段は、複数の共通支持部をバッファ・ステーションへと案内するように動作可能であり、複数の共通支持部がそれぞれ、システムの他の如何なるステーションまたはモジュールに由来していてもよい。
【0012】
特定の実施形態において、このシステムは、入力ステーション、出力ステーション、バッファ・ステーション、移送手段、および処理モジュールそれぞれのうちの1つまたは複数の動作を案内するように動作可能な制御手段を備える。
【0013】
特定の実施形態において、制御手段は、このシステム、ならびに構成要素ステーションおよびモジュールの各々をそれぞれ案内するように動作可能なシステム・コントローラ(たとえば、制御ユニット、制御モジュール)および複数のサブシステム・コントローラ(たとえば、制御ユニット、制御モジュール)を備える。
【0014】
特定の実施形態において、処理手順が、このシステムを通じて共通支持部を処理することにより複数の集積回路を共通支持部上に形成する命令を一体的に構成する処理ステップならびに動作および処理パラメータを含む。コントローラおよびサブコントローラは、処理手順に従って、このシステムを通る少なくとも1つの共通支持部を案内するように動作可能であるのが好ましい。
【0015】
特定の実施形態において、少なくとも1つの処理手順は、変更可能な事前プログラム手順を含む。
【0016】
特定の実施形態において、制御手段は、所定の一連の処理ステップ集合ならびに処理および動作パラメータにコントローラが従って複数の集積回路を共通支持部上に形成する変更可能な事前プログラム手順に従って、入力ステーションから出力ステーション、およびそれらの間の各処理モジュールまで、少なくとも1つの共通支持部を案内するように動作可能である。このように、共通支持部は、このシステムを通じて、入力ステーションから出力ステーションまで、それらの間の各処理モジュールを通じて、所定の一連の処理ステップおよびパラメータに従う。
【0017】
特定の実施形態において、変更可能な事前プログラム手順は、該または各共通支持部を少なくとも堆積モジュール、パターニング・モジュール、およびエッチング・モジュールへと連続的に案内することを含む。
【0018】
特定の実施形態において、変更可能な事前プログラム手順は、集積回路の層を共通支持部上に形成する繰り返し可能な一連の処理ステップを含む。このように、完全な集積回路が少なくとも1つの共通支持部上に形成されるまで、一連の処理ステップが繰り返される。
【0019】
特定の実施形態において、少なくとも1つの処理手順は、複数の変更可能な事前プログラム手順を含む。より具体的に、少なくとも1つの処理手順は、複数の変更可能な事前プログラム手順のうちの選択された1つを含む。このように、さまざまな製品を構成する変更可能な事前プログラム手順の形態の命令をシステム内に格納することによって、ある製品から別の製品への生産変更時に人手の介入の必要性を抑えることができる。
【0020】
特定の実施形態において、制御手段は、少なくとも1つの処理手順に対して、複数の変更可能な事前プログラム手順のうちの1つを選択するように動作可能である。
【0021】
特定の実施形態において、少なくとも1つの処理手順は、少なくとも1つの動的手順を含む。動的手順によれば、コントローラは、変更可能な事前プログラム手順の処理ステップ、動作パラメータ、および処理パラメータのうちの1つまたは複数を変更するように動作可能である。より具体的に、コントローラは、このシステム内の少なくとも1つの共通支持部に対して、変更可能な事前プログラム手順の処理ステップ、動作パラメータ、および処理パラメータのうちの1つまたは複数を変更するように動作可能である。このように、少なくとも1つの動的手順は、複数の集積回路の共通支持部上への形成中、少なくとも1つの共通支持部に対する事前プログラム手順に優先する。
【0022】
特定の実施形態において、制御手段は、少なくとも1つの動的手順を開始して、変更可能な事前プログラム処理手順の少なくとも一部が変更された動的手順となるように、変更可能な事前プログラム手順の動作および処理ステップおよびパラメータのうちの1つまたは複数を変更するように動作可能である。
【0023】
特定の実施形態において、制御手段は、少なくとも1つの動的手順に従って、変更可能な事前プログラム手順から、このシステムの1つまたは複数の部分における処理速度、モジュールまたはステーションの滞在時間、システムの滞在時間、処理時間、システムまたはモジュールの数、処理モジュールを事前プログラム手順から除外する転換、システム中の別の共通支持部に対するその共通支持部の優先度のうちの1つまたは複数が変更される処理サイクルに従って、入力ステーションから出力ステーション、およびそれらの間の各処理モジュールまで共通支持部を案内するように動作可能である。
【0024】
特定の実施形態において、コントローラは、それ自体の動的手順に従って、入力ステーションから出力ステーションまで、処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて、各共通支持部を案内するように動作可能である。このように、システム中の個々の共通支持部は、システム中の他の如何なる共通支持部からも独立して、制御手段に案内される。このように、システム中で独立して、いずれか1つの共通支持部を優先、遅延、再処理、循環、あるいは処置可能である。このような制御によれば、多くの異なる処理手順に従って単一、少量、または大量の共通支持部を同時にハンドリング可能な高柔軟システムが可能となる。
【0025】
特定の実施形態において、コントローラは、少なくとも1つの動的手順と組み合わせた変更可能な事前プログラム手順に従って、集積回路を共通支持部上に形成する間、入力ステーションから出力ステーションまで、処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて、各共通支持部を案内するように動作可能である。
【0026】
特定の実施形態において、少なくとも1つの動的手順は、集積回路の層を共通支持部上に形成する繰り返し可能な一連の処理ステップを含む。このように、完全な集積回路が少なくとも1つの共通支持部上に形成されるまで、一連の処理ステップが繰り返される。
【0027】
特定の実施形態において、コントローラは、少なくとも1つの動的手順に従って、入力ステーション、バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つから、バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つまで、該または各共通支持部を案内するように動作可能である。
【0028】
特定の実施形態において、制御手段は、複数の動的手順に従って、該または各共通支持部を案内するように動作可能である。
【0029】
特定の実施形態において、制御手段は、少なくとも1つの共通支持部の動きを案内することによって、1つまたは複数の共通支持部を含む一時的バッチを構成するとともに、入力ステーション、処理モジュール、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つへのその一時的バッチの移送を案内するように動作可能である。
【0030】
特定の実施形態において、制御手段は、それぞれが1つまたは複数の共通支持部を含む複数の一時的バッチを構成するとともに、入力ステーション、処理モジュール、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つへと各一時的バッチを案内するように動作可能である。
【0031】
特定の実施形態において、制御手段は、一時的バッチの共通支持部を分離するように動作可能であり、さらに、共通支持部の各一時的バッチが、共通支持部の少なくとも1つの他の一時的バッチに存在しない少なくとも1つの共通支持部を含む別の一時的バッチを構成するように動作可能である。
【0032】
特定の実施形態において、制御手段は、共通支持部の各一時的バッチが、少なくとも1つの他の一時的バッチに存在しない少なくとも1つの共通支持部を含む一時的バッチの共通支持部を連続的に構成および分離するように動作可能である。
【0033】
特定の実施形態において、各一時的バッチは、同じ数の共通支持部または異なる数の共通支持部を有する。
【0034】
特定の実施形態において、制御手段は、変更可能な事前プログラム手順および動的手順のうちの1つまたは複数に従って、該または各一時的バッチの動き、処理、および/または移送のうちの1つまたは複数を案内するように動作可能である。このように、共通支持部の該または各一時的バッチは、複数の集積回路を共通支持部上に形成する間、事前プログラム手順ならびに/または1つもしくは複数の動的手順に従って処理される。
【0035】
特定の実施形態において、制御手段は、変更可能な事前プログラム手順および動的手順のうちの1つまたは複数に従って、1つもしくは複数の処理ユニット、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つまたは複数への該または各一時的バッチの動き、処理、および/または移送のうちの1つまたは複数を案内するように動作可能である。
【0036】
特定の実施形態において、入力ステーションおよび出力ステーションは、まったく同一である。
【0037】
特定の実施形態において、入力ステーションおよび出力ステーションは、別個のユニットである。
【0038】
特定の実施形態において、入力ステーションは、プラットフォームを備える。
【0039】
特定の実施形態において、プラットフォームは、移送手段に対して摺動可能に取り付けられる。
【0040】
特定の実施形態において、プラットフォームは、移送手段に対して回転可能に取り付けられる。
【0041】
特定の実施形態において、入力ステーションは、1つまたは複数の共通支持部を受容するように設定(適応、構成)されたバッファ・ローディング機器を備える。
【0042】
特定の実施形態において、このシステムは、複数のバッチ・ローディング機器を備える。
【0043】
特定の実施形態において、該または各バッチ・ローディング機器は、移送手段、1つもしくは複数のモジュール、バッファ・ステーション、入力ステーション、ならびに出力ステーションのうちの1つまたは複数の間で移動可能である。
【0044】
特定の実施形態において、該または各バッチ・ローディング機器は、1つまたは複数の共通支持部を受容するように設定(適応、構成)されたカセットを備える。
【0045】
特定の実施形態において、移送手段は、連続移送機器である。
【0046】
特定の実施形態において、移送手段は、1つもしくは複数の支持部移動機器、1つもしくは複数のレール、キャリア・ベルト、コンベヤ・システム、ならびに少なくとも1つの共通支持部ホルダのうちの1つまたは複数を備える。
【0047】
特定の実施形態において、1つまたは複数の支持部移動機器は、少なくとも1つの共通支持部をあるモジュールから別のモジュールまたはバッファ・ステーションに移動させるように動作可能な少なくとも1つのロボット・アームを備える。
【0048】
特定の実施形態において、1つまたは複数の支持部移動機器は、モジュール内の少なくとも1つの共通支持部のあるモジュールから別のモジュールへの移動、あるステーションへの移動、もしくはあるステーションからの移動、ならびに/またはあるバッファ・ステーションへの移動および/もしくはあるバッファ・ステーションからの移動を行うように動作可能な複数のロボット・アームを備える。より具体的に、ロボット・アームは、少なくとも1つの共通支持部のシステム中への移送、システムからの移送、およびシステム内の移送を行うように動作可能である。このように、少なくとも1つの共通支持部の効率的な搬送が電力効率良く保証される。
【0049】
特定の実施形態において、複数のロボット・アームは、バッチ・ローディング機器を移動させるように動作可能である。より具体的に、バッチ・ローディング機器は、1つまたは複数の共通支持部を受容するように設定されている。
【0050】
特定の実施形態において、該または各ロボット・アームは、1つまたは複数の共通支持部を直接移動させるように設定されている。
【0051】
特定の実施形態において、このシステムは、中央バッファ・ステーションと、少なくとも1つの共通支持部を中央バッファ・ステーションに移動させるとともに、中央バッファ・ステーションからモジュール、出力ステーション、およびバッファ・ステーションのうちの1つまたは複数に移動させるようにそれぞれ動作可能な複数のロボット・アームとを備える。
【0052】
特定の実施形態において、支持部移動機器は、移送手段、1つもしくは複数のモジュール、バッファ・ステーション、入力ステーション、ならびに出力ステーションのうちの1つまたは複数の間で1つまたは複数のバッチ・ローディング機器を移動させるように動作可能である。
【0053】
特定の実施形態において、組み合わされた複数の処理モジュールは、少なくとも共通支持部の堆積、パターニング、およびエッチングによって集積回路(IC)を共通支持部上に形成する集積回路構成ステップを実行するように動作可能である。
【0054】
特定の実施形態において、制御手段は、事前プログラム手順および/または動的処理手順に従って、1つまたは複数のモジュールで処理ステップを開始するように動作可能である。
【0055】
特定の実施形態において、このシステムは、集積回路構成プロセスにおいて、共通支持部上での層の堆積、層のパターニング、および堆積層のエッチングをそれぞれ行うように動作可能な堆積処理モジュール、パターニング処理モジュール、およびエッチング処理モジュールを備える。
【0056】
特定の実施形態において、このシステムは、集積回路構成プロセスにおいて、共通支持部から破片を除去するように動作可能な洗浄処理モジュールを備える。
【0057】
特定の実施形態において、各処理モジュールは、入力ステーション、バッファ・ステーション、別の処理モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つから制御手段によりそのモジュールに案内される1つまたは複数の共通支持部に対して、集積回路の形成におけるステップである処理ステップを実行するように動作可能である。
【0058】
特定の実施形態において、処理モジュールは、制御手段による案内と同時に、複数の共通支持部における他の共通支持部と同じ集積回路構成プロセスの段階または異なる段階にそれぞれ存在する複数の共通支持部に対して、堆積、パターニング、エッチング、または洗浄処理ステップのうちの1つを実行するように動作可能である。
【0059】
特定の実施形態において、各処理モジュールは、入力ステーション、バッファ・ステーション、別の処理モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つから制御手段によりそのモジュールに案内される1つまたは複数の共通支持部に対して、集積回路の形成におけるステップである少なくとも1つの処理ステップを実行するように動作可能である。
【0060】
特定の実施形態において、各処理モジュールは、入力ステーション、バッファ・ステーション、別の処理モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つから制御手段によりそのモジュールに案内される1つまたは複数の共通支持部に対して、集積回路の形成におけるステップである複数の処理ステップを実行するように動作可能である。
【0061】
特定の実施形態において、各処理モジュールは、1つまたは複数の共通支持部に対して、集積回路の形成におけるステップである堆積ステップ、パターニング・ステップ、エッチング・ステップ、焼成ステップ、および洗浄ステップのうちの1つまたは複数を実行するように動作可能である。
【0062】
特定の実施形態において、各処理モジュールは、1つまたは複数のサブモジュールを備える。
【0063】
特定の実施形態において、処理モジュール内の各サブモジュールは、集積回路の形成における処理ステップのうちの1つを実行するように動作可能である。
【0064】
特定の実施形態において、集積回路の少なくとも1つの層を共通支持部上に形成するようにサブモジュールが動作可能である。
【0065】
特定の実施形態において、各サブモジュールは、1つまたは複数の共通支持部を受容するように設定されている。
【0066】
特定の実施形態において、処理モジュールが複数のサブモジュールを備えていてもよい。より具体的に、処理モジュールは、サブモジュールの集合体を備える。
【0067】
特定の実施形態において、サブモジュールの集合体は、集積回路の少なくとも1つの共通支持部上への形成における処理ステップのうちの1つを実行するように動作可能である。各サブモジュールは通常、集積回路の少なくとも1つの層を共通支持部上に形成するように動作可能である。たとえば、堆積処理モジュールにおいて、集合体の各サブモジュールは、異なる材料を共通支持部上に堆積させるように動作可能であってもよい。
【0068】
特定の実施形態において、各サブモジュールは、少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(構成、適応)されている。
【0069】
特定の実施形態において、各サブモジュールは、複数の共通支持部を受容するように設定(構成、適応)されている。より具体的に、複数の共通支持部は、サブモジュールに直接ロードされるようになっていてもよい。あるいは、複数の共通支持部は、サブモジュールにロードされるバッチ・ローディング機器(たとえば、カセットまたはカルーセル)にロードされるようになっていてもよい。
【0070】
特定の実施形態において、処理モジュールが単一のサブモジュールを備える。これらの実施形態において、単一のサブモジュールは、1つまたは複数の共通支持部を受容するように設定(構成、適応)されている。処理モジュールに単一のサブモジュールのみを設けることにより、複数のサブモジュールを備えた処理モジュールに対して、移送手段までのハンドリング・ステップの数および移送手段からのハンドリング・ステップの数が少なくなる。
【0071】
特定の実施形態において、各サブモジュールは、複数の集積回路を構成するプロセスのステップの少なくとも一部を実行するように動作可能である。
【0072】
特定の実施形態において、各処理モジュールは、ICの共通支持部上への形成におけるステップのうちの1つを実行するように動作可能な単一のサブモジュールを備える。
【0073】
特定の実施形態において、各サブモジュールは、どの時点においても、1つまたは複数の共通支持部を受容するように動作可能である。
【0074】
特定の実施形態において、単一のサブモジュールが複数の集積回路の単一の層を共通支持部上に堆積させるようにしてもよい。この代替または追加として、単一のサブモジュールが複数の集積回路の複数の層を共通支持部上に堆積させるようにしてもよい。
【0075】
特定の実施形態において、このシステムは、複数の集積回路それぞれの設計用の1つまたは複数のマスク(または、レチクル)を備える。このように、システムにより生産される複数の製品それぞれ用の一組のマスクまたはレチクルがシステム(たとえば、リソグラフィ処理モジュール)に格納される。
【0076】
特定の実施形態において、制御手段は、構成される目的の集積回路の設計用のマスク(または、レチクル)を選択するように動作可能である。
【0077】
特定の実施形態において、制御手段は、プログラム可能なCPU(たとえば、PC、ラップトップ・コンピュータ等)を備える。
【0078】
特定の実施形態において、CPUは、本発明の方法を実装し、制御手段の処理ステップ、動作パラメータ、および処理パラメータを含めて、制御手段の少なくとも1つの処理手順を確立するようにソフトウェアでプログラムされる。
【0079】
特定の実施形態において、ソフトウェアは、変更可能な事前プログラム手順および/または少なくとも1つの動的手順を実装するように実行可能である。
【0080】
特定の実施形態において、ソフトウェアは、複数の変更可能な事前プログラム手順のうちの少なくとも1つを実装するように実行可能である。
【0081】
特定の実施形態において、このシステムは、オペレータ・インターフェースを備える。より具体的に、オペレータ・インターフェースは、CPUに対して動作可能に接続され、オペレータ入力を可能にするとともにオペレータへの出力を与えるように動作可能である。出力は、たとえば可視および/または可聴出力であってもよい。
【0082】
第2の態様によれば、本発明は、共通支持部に搭載される複数の集積回路(IC)を製造する方法であって、
少なくとも1つの共通支持部を用意する(たとえば、製造する)ことと、
少なくとも1つの共通支持部がロードされる入力ステーションを用意することと、
複数の集積回路が搭載された少なくとも1つの共通支持部が受容される出力ステーションを用意することと、
集積回路を共通支持部上に形成するステップ(たとえば、堆積、パターニング、エッチング)のうちの少なくとも1つを実行するようにそれぞれが動作可能な(設定、構成、適応された)複数の処理モジュールを用意することと、
入力ステーションから出力ステーションおよび処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、少なくとも1つの共通支持部を移送させるように動作可能な(設定、構成、適応された)移送手段を用意することと、
複数の変更可能な事前プログラム手順のうちの選択された1つを含む処理手順に従って、入力ステーションから出力ステーションまで、複数の処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて少なくとも1つの共通支持部のそれぞれを案内することと、
各処理モジュールの処理ステップを案内することと、
他の如何なる共通支持部からも独立して、入力ステーションから出力ステーションおよび処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、各共通支持部の動きを案内するここと、
を含む、方法を提供する。
【0083】
特定の実施形態において、この方法は、複数の変更可能な事前プログラム手順から、1つの変更可能な事前プログラム手順を選択することを含む。
【0084】
特定の実施形態において、この方法は、集積回路の設計用の1つまたは複数のマスク(または、レチクル)を選択することを含む。
【0085】
特定の実施形態において、この方法は、少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された複数のバッファ・ステーションを用意することを含む。
【0086】
特定の実施形態において、この方法は、入力ステーション、処理モジュールのうちの1つもしくは複数、ならびに出力ステーションのうちの1つまたは複数の前段にあるバッファ・ステーションに少なくとも1つの共通支持部を受容することを含む。
【0087】
特定の実施形態において、この方法は、少なくとも1つの共通支持部のバッファ・ステーションへの動きを案内することを含む。
【0088】
特定の実施形態において、この方法は、共通支持部の動きを案内することによって、1つまたは複数の共通支持部を含む一時的バッチを構成するとともに、入力ステーション、処理モジュール、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つへのその一時的バッチの移送を案内することを含む。
【0089】
特定の実施形態において、この方法は、それぞれが1つまたは複数の共通支持部を含む複数の一時的バッチを構成するとともに、入力ステーション、処理モジュール、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つへと各一時的バッチを案内することを含む。
【0090】
特定の実施形態において、この方法は、一時的バッチの共通支持部を分離するとともに、共通支持部の各一時的バッチが、共通支持部の少なくとも1つの他の一時的バッチに存在しない少なくとも1つの共通支持部を含む別の一時的バッチを構成することを含む。
【0091】
特定の実施形態において、この方法は、共通支持部の各一時的バッチが、少なくとも1つの他の一時的バッチに存在しない少なくとも1つの共通支持部を含む一時的バッチの共通支持部を連続的に構成および分離することを含む。
【0092】
特定の実施形態において、各一時的バッチは、同じ数の共通支持部または異なる数の共通支持部を有する。
【0093】
特定の実施形態において、この方法は、入力ステーションにおいて移送手段に搭載されたプラットフォーム上に共通支持部をロードすることを含む。
【0094】
特定の実施形態において、複数の処理モジュールは、共通支持部の堆積、パターニング、およびエッチングの処理ステップを実行する。
【0095】
特定の実施形態において、この方法は、入力ステーション、バッファ・ステーション、別の処理モジュールのうちのいずれか1つから処理モジュールに1つまたは複数の共通支持部を受容するとともに、集積回路の該または各共通支持部上への形成と同時に、共通支持部のうちの1つまたは複数に対して処理ステップを実行することを含む。
【0096】
特定の実施形態において、処理モジュールは、複数の共通支持部における他の共通支持部と同じ集積回路構成プロセスの段階または異なる段階に存在する複数の共通支持部に対して、堆積、パターニング、エッチング、または洗浄処理ステップのうちの1つを実行するように動作可能である。
【0097】
特定の実施形態において、制御手段は、変更可能な事前プログラム手順および少なくとも1つの動的手順の一方または両方に従って、入力ステーションから出力ステーションまで、1つまたは複数の処理ユニットを通じて該または各共通支持部を案内する。
【0098】
特定の実施形態において、制御手段は、複数の変更可能な事前プログラム手順から、1つの変更可能な事前プログラム手順を選択するように動作可能である。
【0099】
特定の実施形態において、制御手段は、集積回路の設計用の1つまたは複数のマスク(または、レチクル)を選択するとともに、それに応じて適当な処理モジュールを案内するように動作可能である。
【0100】
特定の実施形態において、少なくとも1つの動的手順は、該または各共通支持部を1つまたは複数のバッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、およびエッチング・モジュールへと非連続的に案内することを含む。このように、該または各共通支持部は、事前プログラム手順から逸れ、一組の事前プログラム・パラメータおよび条件に従って、ICが共通支持部上に形成されるまでの繰り返しサイクルで、入力ステーションから堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュールまで連続的に移動した後、出力ステーションへと移動するように設定可能である。
【0101】
特定の実施形態において、少なくとも1つの動的手順は、入力ステーション、バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つから、バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つまで、該または各共通支持部を案内することを含む。
【0102】
特に明記しない限り、以下の実施形態は、本発明の第1の態様および第2の態様の両方の実施形態である。
【0103】
特定の実施形態において、前記少なくとも1つの共通支持部は、各IC上の端子群が共通支持部と対向しないように、複数のICそれぞれを指示するように構成されている。
【0104】
特定の実施形態において、共通支持部は、実質的に平坦である。
【0105】
特定の実施形態において、共通支持部は、剛性である。
【0106】
特定の実施形態において、剛性の共通支持部は、ガラス、ポリカーボネート、金属(たとえば、ステンレス鋼)、または石英である。
【0107】
特定の実施形態において、共通支持部は、可撓性である。
【0108】
特定の実施形態において、可撓性の共通支持部は、ポリマーである。
【0109】
より具体的に、特定の実施形態において、可撓性の共通支持部は、ポリイミド、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリエチレン・ナフタレート(PEN)、およびポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)のうちの1つまたは複数を含む。
【0110】
特定の実施形態において、可撓性の共通支持部は、剛性キャリアに担持される。より具体的に、キャリアは、ガラス、ポリカーボネート、または石英である。この代替または追加として、剛性のキャリアは、静電チャック・キャリア等の一時的結合構成を含む。
【0111】
特定の実施形態において、共通支持部は、薄膜支持部である。
【0112】
第2の態様の特定の実施形態において、各ICは、各端子群が設けられた名目上の上面および名目上の下面を有し、各下面が支持部に対向し、各端子群が共通支持部に対向しないように、共通支持部に支持されている。
【0113】
第2の態様の特定の実施形態において、各ICは、各端子群が設けられた名目上の下面および名目上の上面を有し、各下面が支持部に対向し、各端子群が共通支持部に対向するように、共通支持部に支持されている。
【0114】
特定の実施形態において、各ICは、各端子群がICの一方面(表面)に設けられた状態で、実質的に平面状(大略平坦)である。
【0115】
特定の実施形態において、本発明に係る方法は、異なる集積回路の設計がそれぞれ同時に製造された少なくとも2つの共通支持部を用意する(たとえば、製造する)ことを含む。このような実施形態において、制御手段は、共通支持部ごとに、複数の変更可能な事前プログラム手順のうちの1つを選択するように動作可能である。
【0116】
本発明の別の態様によれば、本発明の第2の態様に係る方法を実装するように構成された装置が提供される。
【0117】
特定の実施形態において、移送手段は、1つまたは複数のレールに搭載された第1の搬送体を備える。より具体的に、移送手段は、2つの直線状レールに搭載された第1の搬送体を備える。レールに沿った搬送体の動きを補助する滑り軸受が設けられていてもよい。
【0118】
特定の実施形態において、移送手段は、1つもしくは複数のロボット・アーム、ローラー、1つもしくは複数のレール、チェーン、ならびにコンベヤのうちの1つまたは複数を備える。より具体的に、移送手段のローラー、1つもしくは複数のレール、チェーン、ならびに/またはコンベヤは、連続したループである。
【0119】
特定の実施形態において、制御手段は、移送手段、共通支持部把持手段、入力ステーション、出力ステーション、および複数の処理モジュールそれぞれを制御することにより、該または各共通支持部をシステム中の所要位置に案内(位置決め)するように適応されている。より具体的に、制御手段は、制御手段に対して動作可能にリンクされた処理ユニットにプログラムされた1つまたは複数の手順に従ってシステムの構成要素を制御するように適応されている。
【0120】
特定の実施形態において、システム中の各共通支持部の位置は、その共通支持部に関する処理手順に従って、制御手段により案内される。
【0121】
特定の実施形態において、処理手順には、システムの滞在時間、入力ステーション、各処理モジュール、および出力ステーションのうちの1つまたは複数の間の移送時間、バッファ・ステーションにおけるバッファ時間のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。
【0122】
特定の実施形態において、制御手段は、移送手段の制御によって(すなわち、移送手段により支持されている場合)、入力ステーション、処理モジュール、および出力ステーションに対して各共通支持部を平行移動させるように適応されている。
【0123】
特定の実施形態において、このシステムは、カメラを備える。より具体的に、カメラは、各共通支持部の位置を特定するように動作可能である。
【0124】
特定の実施形態において、少なくとも1つの該または各共通支持部は、コード(たとえば、英数字コード)がエッチングされている。このように、コードは、このシステムの1つまたは複数の任意好適なリーダ(たとえば、OCRバーコード・リーダ)により読み取られるようになっていてもよい。このように、システム中の任意の共通支持部の位置が追跡されるようになっていてもよい。共通支持部を追跡する代替的な手法(たとえば、磁気的、光学的、または電磁気的識別を可能にするRFID等の手法)が用いられるようになっていてもよい。
【0125】
本発明の特定の実施形態によれば、このシステムは、少なくとも2つの異なる集積回路の設計が同時に製造される少なくとも2つの共通支持部を備える。
【0126】
別の態様は、本発明に係る方法を実装するように構成された装置を提供する。
【0127】
本発明の別の態様によれば、本発明に係る方法に従って製造された集積回路が提供される。
【0128】
本発明の別の態様によれば、本発明の方法に従って製造された共通支持部上の複数の集積回路が提供される。
【0129】
本発明の別の態様によれば、本発明に係るシステムに実装された本発明の方法に従って製造された集積回路が提供される。
【0130】
本発明の別の態様によれば、本発明に係るシステムに実装された本発明の方法に従って製造された共通支持部上の複数の集積回路が提供される。
【0131】
本発明の別の態様によれば、コンピュータにより実行された場合に、本発明の方法のステップをコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0132】
本発明の別の態様によれば、複数の集積回路(IC)を製造するシステムの中央移送システムであって、
長手方向軸を有する中央カラム・アセンブリと、
前記中央カラム・アセンブリの前記長手方向軸に対して動作可能かつ同軸に取り付けられ、少なくとも1つの共通支持部を受容して格納するように設定された少なくとも1つのレセプタクルを備えた少なくとも1つの格納部材と、
を備え、
前記中央カラム・アセンブリが、前記少なくとも1つの格納部材のうちのいずれか1つの前記長手方向軸周りの回転可能な移動および/または前記長手方向軸に沿った直線移動を行うことにより、複数の集積回路(IC)を製造するシステムの所定の処理モジュール(ポート)において前記少なくとも1つのレセプタクルのうちのいずれか1つを提供するように設定された、中央移送システムが提供される。
【0133】
特定の実施形態において、中央カラム・アセンブリは、前記少なくとも1つの格納部材のうちのいずれか1つを前記長手方向軸周りで回転可能に移動させるように適応されたターンテーブル機構を備える。
【0134】
特定の実施形態において、ターンテーブル機構は、前記中央カラム・アセンブリを前記長手方向軸に沿って移動させるようにさらに適応されている。
【0135】
特定の実施形態において、中央移送システムは、前記長手方向軸に沿って動作可能に積み重ねられた複数の前記少なくとも1つの格納部材を備える。
【0136】
特定の実施形態において、前記複数の少なくとも1つの格納部材のうちのいずれか1つが、前記複数の少なくとも1つの格納部材のうちの隣り合ういずれか1つから独立して、前記長手方向軸周りに回転可能である。
【0137】
特定の実施形態において、中央カラム・アセンブリは、前記長手方向軸に沿って、前記複数の少なくとも1つの格納部材のうちのいずれか1つから前記少なくとも1つの共通支持部を受容し、前記複数の少なくとも1つの格納部材のうちのいずれか1つへと移動させるように設定された内部ハンドリング機構をさらに備える。
【0138】
特定の実施形態において、中央移送システムは、前記少なくとも1つの共通支持部の前記少なくとも1つのレセプタクルへの移動および/または前記少なくとも1つの共通支持部の前記少なくとも1つのレセプタクルからの移動を行うように適応された少なくとも1つの半径方向搬送機構をさらに備える。
【0139】
特定の実施形態において、少なくとも1つの半径方向搬送機構は、前記内部ハンドリング機構、前記少なくとも1つのレセプタクル、および処理モジュールのうちのいずれか1つとの間で前記少なくとも1つの共通支持部を移動させるように適応されている。
【0140】
以下の番号付き条項において、本発明の別の実施形態が規定される。
【0141】
1.共通支持部に搭載される複数の集積回路(IC)を製造するシステムであって、
少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された入力ステーションと、
複数の集積回路が形成された少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された出力ステーションと、
集積回路を少なくとも1つの共通支持部上に形成する処理ステップ(たとえば、堆積、パターニング、エッチング)のうちの少なくとも1つを実行するようにそれぞれが動作可能な(設定、構成、適応された)複数の処理モジュールと、
入力ステーションから出力ステーション、およびそれらの間の処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、少なくとも1つの共通支持部を移送させるように動作可能な(設定、構成、適応された)移送手段と、
少なくとも1つの処理手順に従って、入力ステーションから出力ステーションまで、複数の処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて少なくとも1つの共通支持部を案内するように動作可能な制御手段(たとえば、制御システム、または少なくとも1つのコントローラ、制御ユニット、もしくは制御モジュール)と、
を備え、
制御手段が、他の如何なる共通支持部からも独立して、入力ステーションから出力ステーションまで、処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて、共通支持部の動きを案内するように動作可能である、システム。
【0142】
2.少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された少なくとも1つのバッファ・ステーションを備えた、条項1に記載のシステム。
【0143】
3.少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された複数のバッファ・ステーションを備えた、条項2に記載のシステム。
【0144】
4.該または各バッファ・ステーションが、少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)されており、また、入力ステーション、処理モジュールのうちの1つもしくは複数、ならびに出力ステーションのうちの1つまたは複数の前段に位置付けられた、条項2または3に記載のシステム。
【0145】
5.制御手段が、バッファ・ステーションへの各共通支持部の動きを案内するように動作可能である、条項2から4のいずれか一項に記載のシステム。
【0146】
6.制御システムが、入力ステーション、出力ステーション、バッファ・ステーション、移送手段、および処理モジュールそれぞれのうちの1つまたは複数の動作を案内するように動作可能である、条項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【0147】
7.制御手段が、このシステム、ならびに構成要素ステーションおよびモジュールの各々をそれぞれ案内するように動作可能なシステム・コントローラ(たとえば、制御ユニット、制御モジュール)および複数のサブシステム・コントローラ(たとえば、制御ユニット、制御モジュール)を備えた、条項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【0148】
8.少なくとも1つの処理手順が、変更可能な事前プログラム手順を含む、条項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【0149】
9.制御手段が、所定の一連の処理ステップ集合ならびに処理および動作パラメータにコントローラが従って複数の集積回路を共通支持部上に形成する変更可能な事前プログラム手順に従って、入力ステーションから出力ステーション、およびそれらの間の各処理モジュールまで、少なくとも1つの共通支持部を案内するように動作可能である、条項8に記載のシステム。
【0150】
10.変更可能な事前プログラム手順が、該または各共通支持部を少なくとも堆積モジュール、パターニング・モジュール、およびエッチング・モジュールへと連続的に案内することを含む、条項8または9に記載のシステム。
【0151】
11.変更可能な事前プログラム手順が、集積回路の層を共通支持部上に形成する繰り返し可能な一連の処理ステップを含む、条項8から10のいずれか一項に記載のシステム。
【0152】
12.少なくとも1つの処理手順が、少なくとも1つの動的手順を含む、条項8から11のいずれか一項に記載のシステム。
【0153】
13.制御手段が、少なくとも1つの動的手順を開始して、変更可能な事前プログラム処理手順の少なくとも一部が変更された動的手順となるように、変更可能な事前プログラム手順の動作および処理ステップおよびパラメータのうちの1つまたは複数を変更するように動作可能である、条項12に記載のシステム。
【0154】
14.制御手段が、少なくとも1つの動的手順に従って、変更可能な事前プログラム手順から、このシステムの1つまたは複数の部分における処理速度、モジュールまたはステーションの滞在時間、システムの滞在時間、処理時間、システムまたはモジュールの数、処理モジュールを事前プログラム手順から除外する転換、システム中の別の共通支持部に対するその共通支持部の優先度のうちの1つまたは複数が変更される処理サイクルに従って、入力ステーションから出力ステーション、およびそれらの間の各処理モジュールまで共通支持部を案内するように動作可能である、条項12または13に記載のシステム。
【0155】
15.コントローラが、それ自体の動的手順に従って、入力ステーションから出力ステーションまで、処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて、各共通支持部を案内するように動作可能である、条項12から14のいずれか一項に記載のシステム。
【0156】
16.コントローラが、少なくとも1つの動的手順と組み合わせた変更可能な事前プログラム手順に従って、集積回路を共通支持部上に形成する間、入力ステーションから出力ステーションまで、処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて、各共通支持部を案内するように動作可能である、条項12から15のいずれか一項に記載のシステム。
【0157】
17.少なくとも1つの動的手順が、集積回路の層を共通支持部上に形成する繰り返し可能な一連の処理ステップを含む、条項12から16のいずれか一項に記載のシステム。
【0158】
18.コントローラが、少なくとも1つの動的手順に従って、入力ステーション、バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つから、バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つまで、該または各共通支持部を案内するように動作可能である、条項12から17のいずれか一項に記載のシステム。
【0159】
19.制御手段が、複数の動的手順に従って、該または各共通支持部を案内するように動作可能である、条項18に記載のシステム。
【0160】
20.制御手段が、少なくとも1つの共通支持部の動きを案内することによって、1つまたは複数の共通支持部を含む一時的バッチを構成するとともに、入力ステーション、処理モジュール、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つへのその一時的バッチの移送を案内するように動作可能である、条項1から19のいずれか一項に記載のシステム。
【0161】
21.制御手段が、それぞれが1つまたは複数の共通支持部を含む複数の一時的バッチを構成するとともに、入力ステーション、処理モジュール、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つへと各一時的バッチを案内するように動作可能である、条項20に記載のシステム。
【0162】
22.制御手段が、一時的バッチの共通支持部を分離するように動作可能であり、さらに、共通支持部の各一時的バッチが、共通支持部の少なくとも1つの他の一時的バッチに存在しない少なくとも1つの共通支持部を含む別の一時的バッチを構成するように動作可能である、条項20または21に記載のシステム。
【0163】
23.制御手段が、共通支持部の各一時的バッチが、少なくとも1つの他の一時的バッチに存在しない少なくとも1つの共通支持部を含む一時的バッチの共通支持部を連続的に構成および分離するように動作可能である、条項20から22のいずれか一項に記載のシステム。
【0164】
24.各一時的バッチが、同じ数の共通支持部または異なる数の共通支持部を有する、条項20から23のいずれか一項に記載のシステム。
【0165】
25.制御手段が、変更可能な事前プログラム手順および動的手順のうちの1つまたは複数に従って、該または各一時的バッチの動き、処理、および/または移送のうちの1つまたは複数を案内するように動作可能である、条項20から24のいずれか一項に記載のシステム。
【0166】
26.制御手段が、変更可能な事前プログラム手順および動的手順のうちの1つまたは複数に従って、1つもしくは複数の処理ユニット、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つまたは複数への該または各一時的バッチの動き、処理、および/または移送のうちの1つまたは複数を案内するように動作可能である、条項25に記載のシステム。
【0167】
27.入力ステーションおよび出力ステーションが、まったく同一である、条項1から26のいずれか一項に記載のシステム。
【0168】
28.入力ステーションおよび出力ステーションが、別個のユニットである、条項1から27のいずれか一項に記載のシステム。
【0169】
29.入力ステーションが、プラットフォームを備えた、条項1から28のいずれか一項に記載のシステム。
【0170】
30.プラットフォームが、移送手段に対して摺動可能に取り付けられた、条項29に記載のシステム。
【0171】
31.プラットフォームが、移送手段に対して回転可能に取り付けられた、条項29または30に記載のシステム。
【0172】
32.入力ステーションが、1つまたは複数の共通支持部を受容するように設定(適応、構成)されたバッファ・ローディング機器を備えた、条項1から31のいずれか一項に記載のシステム。
【0173】
33.バッチ・ローディング機器が、1つまたは複数の共通支持部を受容するように設定(適応、構成)されたカセットを備えた、条項32に記載のシステム。
【0174】
34.移送手段が、連続移送機器、条項1から33のいずれか一項に記載のシステム。
【0175】
35.移送手段が、1つもしくは複数の支持部移動機器、1つもしくは複数のレール、キャリア・ベルト、コンベヤ・システム、ならびに少なくとも1つの共通支持部ホルダのうちの1つまたは複数を備えた、条項1から34のいずれか一項に記載のシステム。
【0176】
36.1つまたは複数の支持部移動機器が、共通支持部をあるモジュールから別のモジュールまたはバッファ・ステーションに移動させるように動作可能な少なくとも1つのロボット・アームを備えた、条項35に記載のシステム。
【0177】
37.中央バッファ・ステーションと、少なくとも1つの共通支持部を中央バッファ・ステーションに移動させるとともに、中央バッファ・ステーションからモジュール、出力ステーション、およびバッファ・ステーションのうちの1つまたは複数に移動させるようにそれぞれ動作可能な複数のロボット・アームとを備えた、条項35または36に記載のシステム。
【0178】
38.組み合わされた複数の処理モジュールが、少なくとも共通支持部の堆積、パターニング、およびエッチングによって集積回路(IC)を共通支持部上に形成する集積回路構成ステップを実行するように動作可能である、条項1から37のいずれか一項に記載のシステム。
【0179】
39.集積回路構成プロセスにおいて、共通支持部上での層の堆積、層のパターニング、および堆積層のエッチングをそれぞれ行うように動作可能な堆積処理モジュール、パターニング処理モジュール、およびエッチング処理モジュールを備えた、条項1から38のいずれか一項に記載のシステム。
【0180】
40.集積回路構成プロセスにおいて、共通支持部から破片を除去するように動作可能な洗浄処理モジュールを備えた、条項1から39のいずれか一項に記載のシステム。
【0181】
41.各処理モジュールが、入力ステーション、バッファ・ステーション、別の処理モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つから制御手段によりそのモジュールに案内される1つまたは複数の共通支持部に対して、集積回路の形成におけるステップである処理ステップを実行するように動作可能である、条項1から40のいずれか一項に記載のシステム。
【0182】
42.処理モジュールが、制御手段による案内と同時に、複数の共通支持部における他の共通支持部と同じ集積回路構成プロセスの段階または異なる段階にそれぞれ存在する複数の共通支持部に対して、堆積、パターニング、エッチング、または洗浄処理ステップのうちの1つを実行するように動作可能である、条項41に記載のシステム。
【0183】
43.制御手段が、プログラム可能なCPU(たとえば、PC、ラップトップ・コンピュータ等)を備えた、条項1から42のいずれか一項に記載のシステム。
【0184】
44.CPUが、IC製造方法を実装し、制御手段の動作パラメータを確立するようにソフトウェアでプログラムされた、条項43に記載のシステム。
【0185】
45.ソフトウェアが、変更可能な事前プログラム手順および/または動的手順を実装するように実行可能である、条項44に記載のシステム。
【0186】
46.共通支持部が、剛性である、条項1から45のいずれか一項に記載のシステム。
【0187】
47.共通支持部が、可撓性である、条項1から45のいずれか一項に記載のシステム。
【0188】
48.共通支持部に搭載される複数の集積回路(IC)を製造する方法であって、
少なくとも1つの共通支持部を用意する(たとえば、製造する)ことと、
少なくとも1つの共通支持部がロードされる入力ステーションを用意することと、
複数の集積回路が搭載された少なくとも1つの共通支持部が受容される出力ステーションを用意することと、
集積回路を共通支持部上に形成するステップ(たとえば、堆積、パターニング、エッチング)のうちの少なくとも1つを実行するようにそれぞれが動作可能な(設定、構成、適応された)複数の処理モジュールを用意することと、
入力ステーションから出力ステーションおよび処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、少なくとも1つの共通支持部を移送させるように動作可能な(設定、構成、適応された)移送手段を用意することと、
処理手順に従って、入力ステーションから出力ステーションまで、複数の処理モジュールのうちの1つまたは複数を通じて少なくとも1つの共通支持部のそれぞれを案内することと、
各処理モジュールの処理ステップを案内することと、
他の如何なる共通支持部からも独立して、入力ステーションから出力ステーションおよび処理モジュールのうちの1つまたは複数まで、各共通支持部の動きを案内するここと、
を含む、方法。
【0189】
49.少なくとも1つの共通支持部を受容するように設定(適応、構成)された複数のバッファ・ステーションを用意することを含む、条項48に記載の方法。
【0190】
50.入力ステーション、処理モジュールのうちの1つもしくは複数、ならびに出力ステーションのうちの1つまたは複数の前段にあるバッファ・ステーションに少なくとも1つの共通支持部を受容することを含む、条項48または49に記載の方法。
【0191】
51.少なくとも1つの共通支持部のバッファ・ステーションへの動きを案内することを含む、条項49または50に記載の方法。
【0192】
52.共通支持部の動きを案内することによって、1つまたは複数の共通支持部を含む一時的バッチを構成するとともに、入力ステーション、処理モジュール、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つへのその一時的バッチの移送を案内することを含む、条項49から51のいずれか一項に記載の方法。
【0193】
53.それぞれが1つまたは複数の共通支持部を含む複数の一時的バッチを構成するとともに、入力ステーション、処理モジュール、バッファ・ステーション、および出力ステーションのうちの1つへと各一時的バッチを案内することを含む、条項52に記載の方法。
【0194】
54.一時的バッチの共通支持部を分離するとともに、共通支持部の各一時的バッチが、共通支持部の少なくとも1つの他の一時的バッチに存在しない少なくとも1つの共通支持部を含む別の一時的バッチを構成することを含む、条項52または53に記載の方法。
【0195】
55.共通支持部の各一時的バッチが、少なくとも1つの他の一時的バッチに存在しない少なくとも1つの共通支持部を含む一時的バッチの共通支持部を連続的に構成および分離することを含む、条項52から54のいずれか一項に記載の方法。
【0196】
56.各一時的バッチが、同じ数の共通支持部または異なる数の共通支持部を有する、条項52から55のいずれか一項に記載の方法。
【0197】
57.入力ステーションにおいて移送手段に搭載されたプラットフォーム上に共通支持部をロードすることを含む、条項48から56のいずれか一項に記載の方法。
【0198】
58.複数の処理モジュールが、共通支持部の堆積、パターニング、およびエッチングの処理ステップを実行する、条項48から57のいずれか一項に記載の方法。
【0199】
59.入力ステーション、バッファ・ステーション、別の処理モジュールのうちのいずれか1つから処理モジュールに1つまたは複数の共通支持部を受容するとともに、集積回路の該または各共通支持部上への形成と同時に、共通支持部のうちの1つまたは複数に対して処理ステップを実行することを含む、条項48から57のいずれか一項に記載の方法。
【0200】
60.処理モジュールが、複数の共通支持部における他の共通支持部と同じ集積回路構成プロセスの段階または異なる段階に存在する複数の共通支持部に対して、堆積、パターニング、エッチング、または洗浄処理ステップのうちの1つを実行するように動作可能である、条項59に記載の方法。
【0201】
61.制御手段が、変更可能な事前プログラム手順および少なくとも1つの動的手順の一方または両方に従って、入力ステーションから出力ステーションまで、1つまたは複数の処理ユニットを通じて該または各共通支持部を案内する、条項48から60のいずれか一項に記載の方法。
【0202】
62.少なくとも1つの動的手順が、該または各共通支持部を1つまたは複数のバッファ・バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、およびエッチング・モジュールへと非連続的に案内することを含む、条項61に記載の方法。
【0203】
63.少なくとも1つの動的手順が、入力ステーション、バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つから、バッファ・ステーション、堆積モジュール、パターニング・モジュール、エッチング・モジュール、および出力ステーションのうちのいずれか1つまで、該または各共通支持部を案内することを含む、条項61または62に記載の方法。
【0204】
64.条項48から63のいずれか一項に記載の方法に従って製造された集積回路。
【0205】
65.条項48から63のいずれか一項に記載の方法に従って製造された共通支持部上の複数の集積回路。
【0206】
66.条項1から47のいずれか一項に記載のシステムに実装された条項48から63のいずれか一項に記載の方法に従って製造された集積回路。
【0207】
67.条項1から47のいずれか一項に記載のシステムに実装された条項48から63のいずれか一項に記載の方法に従って製造された共通支持部上の複数の集積回路。
【0208】
68.コンピュータにより実行された場合に、条項48から63のいずれか一項に記載の方法のステップをコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【0209】
70.少なくとも2つの異なる集積回路の設計が同時に製造される少なくとも2つの共通支持部を備えた、条項1から47のいずれか一項に記載のシステム。
【0210】
71.異なる集積回路の設計がそれぞれ同時に製造された少なくとも2つの共通支持部を用意する(たとえば、製造する)ことを含む、条項48から63のいずれか一項に記載の方法。
【0211】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0212】
図1】本発明を具現化するとともに複数の集積回路の製造に適したシステムを示した概略図である。
図2】本発明を具現化するとともに複数の集積回路の製造に適した別のシステムを示した概略図である。
図3】本発明を具現化するとともに複数の集積回路の製造に適したシステムを示した模式図である。
図4】本発明を具現化するとともに複数の集積回路の製造に適したさらに別のシステムを示した模式図である。
図5】4つのプロセス・ツールが動作可能に適合し、複数のICを製造するシステム内に動作可能に組み込まれた中央移送システムを模式的に示した(a)上面図、(b)部分側面図、および(c)各プロセス・ツールがアクセス可能なカセット(たとえば、1つまたは複数のウェハを保持)を模式的に示した図である。
図6図5に示す中央移送システムの別の実施形態を模式的に示した(a)上面図および(b)側面図である。
図7図5に示す中央移送システムのさらに別の実施形態を模式的に示した(a)上面図および(b)側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0213】
(i)コンベヤ支持移送を伴うシステムおよび方法
ここで図1を参照すると、この図は、本発明の一態様を具現化する、複数の集積回路を製造するシステムまたは装置を示している。
【0214】
システム1は、ユーザ・インターフェース9に対して動作可能にリンクされたプログラム可能なコントローラ7を備える。バッファ・ステーション15を介して、コンベヤ13である共通支持部移送手段に入力ステーション11が接続されている。コンベヤ13はさらに、バッファ・ステーション23、25、および27を介して、堆積処理モジュール17、エッチング処理モジュール19、およびパターニング(または、マスキング)処理モジュール21に接続されている。入力ステーション11、堆積モジュール17、エッチング・モジュール19、およびパターニング・モジュール21はそれぞれ、剛性キャリア5上の可撓性ポリマー支持部3をバッファ・ステーションと隣り合うステーションまたはモジュール(11、17、19、21)との間で移送可能な双方向インターフェースによって、隣り合うバッファ・ステーション15、23、25、27にリンクされている。同様に、剛性キャリア5上の可撓性ポリマー支持部3をバッファ・ステーションと隣り合うコンベヤ13との間で移送可能な双方向インターフェースによって、各バッファ・ステーションがコンベヤ13にリンクされている。図示の構成において、入力ステーション11は、複数の完全な集積回路が形成された可撓性ポリマー支持部3の出力ステーション29でもある。入力ステーション11および出力ステーション29は、それぞれ剛性キャリア5上の複数の可撓性ポリマー支持部3を保持する収容能力を与えるカセット31、33を備える。入口カセット31においては、可撓性ポリマー支持部/キャリアの組み合わせ3、5のバッチ(剛性キャリア上の1つまたは複数の可撓性ポリマー支持部)が参照文字a、b、c、dによって示される。カセットとしては、双方向カセットが可能である。このように、可撓性ポリマー支持部/キャリアの組み合わせ3、5は、カセットの前後両方向から、カセットに送り込むとともに、カセットから取り出すことができる。
【0215】
特定の実施形態(図示せず)において、バッファ・ステーションからコンベヤへの移送は、コンベヤに搭載されたプラットフォームとバッファ・ステーションにおけるカセット(たとえば、ローディング・ラック)のスロットとの間で共通支持部(たとえば、ウェハ)を移動させるように動作可能なロボット・アームにより実行されると考えられる。バッファ・ステーションからモジュールへの移送は、バッファ・ステーションにおけるカセットとモジュールにロード可能な可動性移送カセットのスロットとの間で共通支持部(たとえば、ウェハ)を移動させるロボット・アームにより実行される。
【0216】
コンベヤ13としては、システム13を通じて支持部を移動させる任意好適な搬送システム(たとえば、ロボット・アーム、ローラー、1つまたは複数のレール、チェーン、連続ループ・コンベヤ等)も可能である。
【0217】
図示の構成においては、システム全体を通して、可撓性ポリマー共通支持部3が剛性ガラス・キャリア5に支持される。代替実施形態において、共通支持部が剛性のガラス支持部であってもよい。
【0218】
各双方向インターフェース(37a~37h)は、コントローラ7の案内によって、モジュール(たとえば、堆積モジュール17、エッチング・モジュール19、もしくはパターニング・モジュール21)または入力ステーション11からバッファ・ステーション23、25、27、15まで、1つまたは複数の共通支持部3を移動させる。その後、別の双方向インターフェースが1つまたは複数の共通支持部3をバッファ・ステーション23、25、27、15からコンベヤ13へと移動させて、別のモジュールまたはステーションへと搬送させる。
【0219】
双方向インターフェース(37a、37b、37c、37d、37e、37f、37g、37h)は、1つまたは複数の共通支持部3をピッキングして次のモジュール、ステーション、またはコンベヤ13に移動させるように動作可能な1つまたは複数のロボット・アームを備えていてもよい。
【0220】
システム1の各モジュールは、集積回路の層の構成における1つまたは複数の処理ステップを実行するように動作可能である。各層が形成される場合は、共通支持部3上に形成される集積回路の層の構成に適した処理ステップをモジュールのうちの1つまたは複数が引き受ける。完全な集積回路の共通支持部3上への構成時に、各処理モジュールは、集積回路の1つまたは複数の層の構成において動作することになる。
【0221】
システム1は、複数の共通支持部3に対して、複数の処理モジュールにおける複数の処理ステップを同時に実行するように動作可能である。
【0222】
集積回路の層ごとに、システム1の各モジュールは、共通指示部3の1つまたは複数のバッチ(a、b、c、d)に対して処理ステップを実行し、それぞれのバッチが1つまたは複数の共通支持部3(ウェハ)含む。処理ステップを受けるいずれか1つのモジュールにおける各バッチは、同時に同じモジュールにあるその他任意のバッチに対して、集積回路構成プロセスの異なる層に存在していてもよい。このように、共通支持部3のバッチは、一時的バッチ(モジュール17のa、cおよびモジュール21のb、d)にまとまって、同時に同じモジュールで同じ処理ステップを受けることができる。その後、このように形成された一時的バッチは、コントローラ7の案内によって分離され、1つまたは複数の共通支持部3を含む別の一時的バッチを構成するようになっていてもよい。そして、この別の一時的バッチは、次のモジュールおよび処理ステップの準備のため、コンベヤ13を用いてバッファ・ステーション15、23、25、27に搬送されるか、または、システム1および出力ステーション29から出力される。この別の一時的バッチはそれぞれ、過去の一時的バッチに対して、同じ共通支持部3で構成されていてもよいし、異なる共通支持部3で構成されていてもよい。
【0223】
各モジュールは、コントローラ7に案内されて動作する。コントローラ7は、処理手順の命令を与えるスケジューリング・ロジックでプログラムされたプロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ、CPU等)を備える。処理手順は、集積回路の共通支持部3上への構成時にシステム1を通る共通支持部3の移動を管理する規則を設定する。
【0224】
処理手順には、コントローラ7によってシステム1に実装された場合に、システム1において各共通支持部3上に1つまたは複数の集積回路を垂直に構築する処理パラメータおよび動作パラメータと併せて、一連の処理ステップを含む。
【0225】
処理手順における一連の処理ステップは、一連の堆積、パターニング、およびエッチングを含むように事前にプログラムされる。また、この一連には、焼成ステップおよび洗浄ステップを含んでいてもよい。事前プログラム手順における洗浄ステップは、一連のステップ中のエッチング・ステップに続く。事前プログラム手順における焼成ステップは、一連のステップ中の堆積ステップに続く(図2参照)。
【0226】
プロセッサは、システム1において各共通支持部3上に1つまたは複数の集積回路を垂直に構成する命令をそれぞれ与える複数の事前プログラム手順でプログラムされる。コントローラ7は、製造対象の集積回路製品を記述した1つの事前プログラム手順を選択して、システム上で実行させるように動作可能である。このように、どの時点においても、さまざまな製品(すなわち、多くの事前プログラム手順)をシステムにプログラム可能である。
【0227】
処理手順の処理パラメータとしては、たとえば集積回路の層ごと(たとえば、半導体層、絶縁層、ゲート層、ソース-ドレイン層、電気的相互接続層)の1つまたは複数のレシピ、システムの各構成要素が動作可能な温度および圧力が挙げられる。
【0228】
処理手順の動作パラメータとしては、たとえばシステムにおける共通支持部3の滞在時間、モジュールまたはステーション、システム中の他の共通支持部に対してシステムを通る1つまたは複数の共通支持部の通過時間を短くし得る優先ロジック、システム/モジュール/ステーションの数の制御、システムを通じた一連の処理を事前プログラム手順から変更し得るモジュール転換ロジック、高優先度の共通支持部3の最長滞在時間および最短処理時間が挙げられる。付加的な動作パラメータが処理手順において設定され、処理手順の実装時にコントローラ7の制御の範囲内となるであろうことが了解される。
【0229】
大量の共通支持部を効率的に処理するのに必要な動作の柔軟性を与えるため、処理手順には、動的手順を含んでいてもよい。動的手順において、コントローラ7は、システムを通じた一連の処理ステップ、処理パラメータ、および/または動作パラメータを事前プログラム手順から変更できるようにプログラムされる。1つまたは複数の共通支持部3に対して、どの時点においても動的手順が開始されるようになっていてもよい。1つまたは複数の共通支持部3に対して、どの時点においても2つ以上の動的手順が開始されるようになっていてもよい。
【0230】
コントローラ7は、システム1中の共通支持部3のうちのいずれか1つまたは複数に対して、事前プログラム手順に優先する動的手順を開始可能である。システム中のフィードバックおよび/またはモニタリングに応答して、動的手順を開始可能である。このようなフィードバックまたはモニタリングは、システム1中の共通支持部3のうちの1つまたは複数を追跡して、共通支持部3のうちの1つまたは複数に適用可能な動作および処理パラメータのうちの1つまたは複数をモニタリングすることにより与えられ得る。たとえば、システムにおける通過時間にわたって共通支持部3がモニタリングされ、所要時間を超えていると見なされる場合は、その共通支持部3に対してコントローラ7が動的手順を開始することにより、システム1中のその他すべての共通支持部3に対してその共通支持部3を優先させ得る。このように、システムは、コントローラ7に案内されて、共通支持部3のうちの1つまたは複数に適用可能な処理ステップ、動作パラメータ、および/または処理パラメータを随時変更するように動作可能である。このように、各共通支持部3のシステム1の通過は、システム中の他の如何なる共通支持部からも独立して、動的に制御可能である。また、システム1の通過中は、1つまたは複数の動的手順に従って、1つまたは複数の共通支持部3のバッチが処理されるようになっていてもよい。各バッチは、分離に先立って、一時的に形成されるようになっていてもよいし、動的手順を受けるようになっていてもよい。その後、その一時的バッチの各共通支持部3が1つまたは複数の別の一時的バッチを構成するようにしてもよい。
【0231】
システム1の動作において、コントローラ7は、システム1中の該または各共通支持部3上への複数の集積回路の形成において、実行された場合にシステム1の構成要素を制御する処理パラメータおよび動作パラメータと併せて、一連の処理ステップを設定した事前プログラム手順でプログラムされる。システム1の通過中の随時、コントローラ7は、事前プログラム手順に優先するとともに、システムの残りの通過の少なくとも一部にわたって、共通支持部3をハンドリング(すなわち、処理)する動的手順を開始するように動作可能である。コントローラは、共通支持部のシステム1の通過中の随時、1つまたは複数の動的手順を開始するようにしてもよい。各共通支持部3には、システム1の搬送時に保持され、事前プログラム手順ならびに1つもしくは複数の動的手順を含む処理手順に従って処理されるシステム1中の場所が割り当てられている。このように、システム1を通過する際の共通支持部3の処理手順には、一連の手順(事前プログラムおよび動的手順)を含むことになる。コントローラ7(すなわち、プロセス制御システム)は、システム1において共通支持部3が常に存在する場所を把握しており、事前プログラム手順ならびに1つもしくは複数の動的手順を含む関連処理手順に従って、その処理を優先可能である。処理手順は、たとえば共通支持部3がバッファ・ステーション15、23、25、27に移動するか、別のモジュール(11、17、19、21)に移動するか、または出力ステーション29に移動してシステム1から出るかを制御する。
【0232】
コントローラ7は、実行された場合に、どの時点においても、システム1中の1つまたは複数の共通支持部3に対して処理手順(一組の処理ステップ、動作パラメータ、および処理パラメータ)を開始する処理手順を符号化したソフトウェアでプログラムされる。少なくとも共通支持部3上に形成される集積回路の構造を設定したマスタ・ジョブ・スケジュールでプログラムされているコントローラ7によって、最高レベルのシステム優先制御が提供される。また、マスタ・ジョブ・スケジュールには、コントローラ7により開始された場合に、そのマスタ・ジョブ・スケジュールに設定された集積回路設計をシステム1の構成要素それぞれに構成させる命令を設定した変更可能な事前プログラム手順を含むことになる。この変更可能な事前プログラムによれば、処理モジュールにおける所定の一連の処理ステップおよび各システム構成要素における所定の動作および処理パラメータ集合に従って、1つまたは複数の共通支持部3がシステム1、100を搬送され、複数の集積回路を共通支持部3上に形成する。
【0233】
図1図2、および図3に示す実施形態において、コントローラ7、107、307は、一連のサブコントローラ35、135に対して動作可能にリンクされている。そして、各サブコントローラ35、135は、動作可能にリンクされたモジュール/ステーションに関連する事前プログラム手順(命令)を開始するように動作可能である。各サブコントローラ35、135は、リンクされたモジュール/ステーションの動作および処理状態をコントローラ7、107、307へと後方中継するように動作可能なプロセッサ(マイクロプロセッサ等)を備える。第2のレベルの優先制御において、コントローラ7、107、307およびサブコントローラ35、135は、モジュール/ステーションの動作および処理状態に応じてモジュール/ステーションの1つまたは複数の処理または動作パラメータが事前プログラム手順から変更された1つまたは複数の動的手順を開始するように動作可能である。
【0234】
コントローラ7、107、307およびサブコントローラ35、135による動的手順の開始は、事前プログラム手順に優先して、1つまたは複数の動作または処理パラメータの変更を開始する。このようなパラメータの例としては、モジュール滞在時間、システム滞在時間、次のモジュール移送、バッファ・ステーション、システム数、モジュール数、バッファ・ステーション数、出力ステーション数、および入力ステーション数が挙げられる。
【0235】
1つまたは複数の共通支持部3に対して、コントローラ7の案内により、動的手順が1つまたは複数のサブコントローラ35により開始および/または実行されるようになっていてもよい。各ステーション/モジュール点において、共通支持部は、システム中の他の共通支持部からの異なるパラメータに応じて、異なる第2優先度を有することになる。このように、システム1中の他の如何なる共通支持部3からも独立して、各共通支持部3を処理可能である。たとえば、システム1中の他の共通支持部3の通過時間を同時に管理する事前プログラム手順のシステム通過時間と比較して、システム通過時間が短い動的手順に従って、ある共通支持部3が緊急に処理されるようになっていてもよい。
【0236】
図示の例において、共通支持部は、可撓性ポリマーである。システム1は、そのシステムおよびその構成要素の処理命令ならびに動作および処理パラメータを規定した処理手順に従って動作可能であり、この手順に従って、剛性ガラス・キャリア5上に堆積された共通支持部3に複数の集積回路(IC)が垂直に積層される。システム1は、この処理手順に従って動作することにより、複数の完全な集積回路が形成されるまで、複数のICの層を共通支持部3上に形成する。ICは、プラスチック膜ベースのICであってもよく、最初は、このようなデバイスの平坦アレイ状としてガラス・キャリア板または共通支持部上に設けられる。
【0237】
異なる回路設計が積層されて異なる集積回路を構成する共通支持部3がシステム1に設けられている場合、パターニング・モジュール21のサブコントローラ35は、たとえばパターニング・モジュール21にロードされる共通支持部3のバッチに対して、正しいパターンの選択をモジュールに案内する。選択パターンに従った処理の後、共通支持部3のバッチは、共通支持部の別のバッチがパターニング・モジュール21にロードされ、(最初と異なる)別のパターンに従った処理がサブコントローラ35により開始される前に、コンベヤ13に戻される。コントローラ7は、システム1中の各共通支持部3の位置を把握しているため、正しい共通支持部3を適時にパターニング・モジュール21へと案内して、正しい回路パターンを受けることができる。たとえば堆積モジュールおよび/またはエッチング・モジュール等、システム中の他のモジュールに対しても同様の制御が実行されるようになっていてもよい。
【0238】
コントローラ7は、システム1中の各共通支持部3を案内するとともに、共通支持部3に適用可能な処理手順に従って、その共通支持部のステーションまたはモジュールへの移動をシステム1に指示するように動作可能である。システム1の通過中、各共通支持部3は、複数のバッチの一部(たとえば、1つまたは複数の共通支持部から成る群)を構成可能である。システム中の各ステーションおよび/またはモジュールにおいては、コントローラの案内によって、共通支持部の一時的バッチを構成可能である。各一時的バッチは、プロセスの1つまたは複数の段階において、サイズおよび構成が変動し得る。
【0239】
図2に示すように、システム100は、パターニング・モジュール121、堆積モジュール117a、117b、エッチング・モジュール119a、119b、焼成モジュール140、組み合わせ入出力ステーション111、129、コンベヤ112(たとえば、ローラー、1つまたは複数のレール、チェーン、連続ループ・コンベヤ等)およびコンベヤ112に対して摺動可能であり、キャリア5上の可撓性共通支持部3を搬送するようにそれぞれ設定された摺動搬送体114で構成された共通支持部搬送手段113、ならびにバッファ・ステーション115、123a、123b、125a、125b、127、142を備える。
【0240】
図示の実施形態において、エッチング・モジュール119aおよび119bは、単一のエッチング・モジュール19に対して増強されたエッチング能力を与え得る。たとえば、複数のエッチング・モジュールは、付加的な収容能力もしくはスループットまたはより広範なエッチング技術を与え得る。エッチング・モジュール119aおよび/または119bはそれぞれ、ウェットおよび/もしくはドライ(プラズマ)エッチングまたは当技術分野において既知の他の技術を実行するようにしてもよい。堆積モジュール117aおよび117bは、単一の堆積モジュール17に対して増強された堆積能力を与え得る。たとえば、複数の堆積モジュールは、付加的な収容能力もしくはスループットまたはより広範な堆積技術を与え得る。堆積モジュール117aおよび/または117bはそれぞれ、物理的気相成長(PVD)、化学的気相成長(CVD)、電気化学析出(ECD)、分子線エピタキシ(MBE)、原子層堆積(ALD)、印刷、および/または当技術分野において既知の他の技術を実行するようにしてもよい。パターニング・モジュール121は、たとえば一方がCBD(被覆、焼成、現像)用で他方がフォトリソグラフィ(露光)用の2つのサブユニットを1つのモジュール121内に備えた組み合わせCBD・フォトリソグラフィ・モジュールであってもよい。あるいは、上述のエッチングおよび堆積モジュールと同様に、複数のパターニング・モジュールが採用されるようになっていてもよい。たとえば電子線リソグラフィ、X線リソグラフィ、イオン・ビーム・リソグラフィ、印刷、および/または当技術分野において既知の他の技術等、他のパターニング技術がパターニング・モジュール121または別のパターニング・モジュールにより提供されていてもよい。
【0241】
焼成モジュール140は、プロセス・シーケンスの1つまたは複数の特定のステップでアニールに使用可能なオーブンである。任意選択として、IR加熱、光学処理(たとえば、UV)、または急速熱アニーリング等の他の処理を含み得る。図示の実施形態において、別個のモジュールとして焼成モジュールを示している。この代替または追加としては、システム中のその他のモジュールのうちの1つまたは複数において、このような焼成等の熱または光学処理が実行されるようになっていてもよい。
【0242】
入出力ステーション111/129は、位置合わせ・測定検査ユニットも含み得る識別リーダ・モジュール(図示せず)を備えた共通支持部3ロード・アンロード組み合わせステーションである。
【0243】
図示の実施形態において、共通支持部移送手段は、レールを備えたコンベヤ・モジュール112である。搬送体114は、レール112に搭載され、レール112に対して摺動可能であり、剛性ガラス・キャリア5上の可撓性ポリマー支持部3を搬送する。代替構成(図示せず)において、各搬送体114は、バッファ・ステーション115、123a、123b、125a、125b、127、および142のいずれか1つまでレール112に沿って、共通支持部のカセットを搬送するようにしてもよい。実施形態(図示せず)において、コンベヤ112は、ローラー、1つまたは複数のレール、チェーン、連続ループ・コンベヤ等を備え得る。
【0244】
共通支持部3は、たとえばロボット・アーム等の任意好適な双方向インターフェースによって、搬送体114からバッファ・ステーション115、123a、123b、125a、125b、127、142に移送される。バッファ・ステーション115、123a、123b、125a、125b、127、142は、搬送体114とモジュール111、117a、117b、119a、119b、121、140、および129との間で移動する共通支持部3の通過ステーションである。
【0245】
図3は、複数の集積回路を製造するシステム300を示しており、このシステムまたは装置は本発明の一態様を具現化する。
【0246】
システム300は、組み合わせ入出力ステーション311/329と、剛性ガラス・キャリア(図示せず)上でシステム300にロードされて移動する可撓性ポリマー支持部(図示せず)の移送手段を構成するコンベヤ312とを備える点において、図2に示すシステムに類似する。コンベヤ312としては、システム300を通じて支持部を移動させる任意好適な搬送システム(たとえば、ローラー、1つまたは複数のレール、チェーン、連続ループ・コンベヤ等)も可能である。
【0247】
バッファ・ステーション315、323b、323a、325a、325b、327、および342は、入出力ステーション311/329、堆積モジュール317b、317a、エッチング・モジュール319a、319b、パターニング・モジュール321、および焼成モジュール340それぞれを移送コンベヤ312と接続する。このように、ユーザ・インターフェース309を備えたコントローラ307の案内により、可撓性ポリマー支持部がコンベヤ312に沿ってステーションおよびモジュールに出入り可能である。図示の構成においては、ユーザ351がユーザ・インターフェースと相互作用するのにシステム300周りで作業する必要がないように、システム300の反対側にも別のユーザ・インターフェース309aが設けられている。両ユーザ・インターフェース309、309aがコントローラ7に対して動作可能にリンクされている。
【0248】
堆積モジュール317aおよびエッチング・モジュール319bはそれぞれ、サブモジュールの集合体を備える。堆積モジュール317a内の各サブモジュールは、単一の材料層を共通支持部上に堆積させるように動作可能であってもよい。同様に、エッチング処理モジュール319b内の各サブモジュールは、共通支持部上に形成される集積回路の1つまたは複数の層をエッチングするように動作可能である。
【0249】
サブモジュール(317a、319b)の各集合体は、共通支持部のサブモジュール間の移動、処理モジュール(317a、319b)への出入り、移送コンベヤ312上への移動のため、複数のロボット・アーム(図示せず)を備える。
【0250】
ユーザ351は、ユーザ・インターフェース309、309aを用いて、マスタ・ジョブ・スケジュールおよび事前プログラム手順を含む処理手順をコントローラ307に入力する。コントローラ307は、マスタ・ジョブ・スケジュールおよび事前プログラム手順において提供される命令に従って、入力ステーション311にロードされた可撓性ポリマー支持部(図示せず)の処理手順を開始するように動作可能である。コントローラ307は、システム300を通る可撓性ポリマー支持部を追跡するとともに、その可撓性ポリマー支持部に関して事前プログラム手順に優先する1つまたは複数の動的手順を開始することにより、共通支持部に適用可能な処理ステップの順序、処理パラメータ、および動作パラメータのうちの1つまたは複数を変更するように動作可能である。このように、事前プログラム手順および少なくとも1つの動的手順を含む処理手順(一組の処理命令)に従って、システム300中のいずれか1つの可撓性ポリマー支持部がコントローラ307によってシステム300を通るように案内される。
【0251】
可撓性ポリマー支持部は、マスタ・ジョブ・スケジュールに設定された設計に従って、システム300の要素を通じて繰り返し循環することにより、完全な集積回路がその可撓性ポリマー支持部上に形成されるまで、各サイクルにおいて複数の集積回路の層を垂直に構築する。
【0252】
(ii)中央カラム支持部移送を利用したシステムおよび方法
コンベヤ・ベルト・システム1、100、300の利点にも関わらず、このような直線状レーストラック上のウェハ移送では、プロセス・ツール(モジュール17、19、21等)間の搬送時にすれ違うことも追い越すことも不可能である。一部のプロセス・ツール(たとえば、複数のウェハ(たとえば、バッチの共通支持部3)を処理するもの)では、レーストラック(たとえば、コンベヤ13、113、312)へのアンロードに相当な時間を要する場合があり、その間、トラック上の他のウェハを移動させることができない。これらの問題により、時間遅延が累積することで、製造プロセスの効率が低下し得る。また、このような直線状のコンベヤ(たとえば、13、113、312)は、かなりの量の電力を消費するため、ICの生産コストが上昇する。さらに、レーストラックの比較的大きな物理的サイズにより、それに比例して大量の動作用の清浄な空気が必要となり得ることから、より大型で高コストな清浄空気システムが求められる。
【0253】
結果として、直線状のレーストラックを有するシステム(すなわち、システム実施形態1、100、300)の代替実施形態では、複数のレベルでウェハを支持する場所を有するバッファ・カセット(または、他のウェハ保持レセプタクル)の中央カラムまたはカルーセルを利用するようにしてもよい。
【0254】
図4は、複数の集積回路を製造するシステム200を示しており、システム200または装置は本発明の一態様を具現化する。図示の構成は、コンベヤ13が中央カルーセル213により置き換えられた点を除いて、図1に示すシステムに類似する。カルーセル213は、入力ステーション211にロードされるガラス・キャリア(図示せず)(たとえば、ウェハ)上の可撓性ポリマー支持部(図示せず)が双方向インターフェース(たとえば、ロボット・アーム)によりカルーセル213への移送およびカルーセル213からの移送が可能となるように、それぞれ双方向インターフェース(たとえば、ロボット・アーム)237b、237d、237f、および237hによってバッファ・ステーション215、223、225、227に接続されている。可撓性ポリマー支持部(図示せず)を支持する剛性ガラス・キャリアをバッファ・ステーション215、223、225、227から堆積モジュール217、エッチング・モジュール219、およびパターニング・モジュール221へとそれぞれ移送させるように、別の双方向インターフェース(たとえば、ロボット・アーム)237a、237c、237e、237gが動作可能である。
【0255】
中央カルーセル213は、コントローラ(図示せず)がバッファ・ステーション215、223、225、227のうちの1つへと案内する前に1つまたは複数の共通支持部(たとえば、ウェハ)が一時的に存在し得る別のバッファ・ステーションを提供する。
【0256】
特に、図5図6、および図7に示すように、カラムまたはカルーセル213がターンテーブル(図示せず)に取り付けられていてもよく、カラムまたはカルーセル213の外側周りには、ツール(たとえば、モジュール211、217、219、221のうちのいずれか1つ等の処理モジュール)が取り付けられている。各ツール211、217、219、221とバッファ・カセットまたはバッファ230との間でウェハ203またはカセットを移送させるインターフェース・ロボット237が設けられていてもよい。ウェハ203が次のツール211、217、219、221へと進む必要がある場合は、ターンテーブルが繰り返し回動する。各インターフェース・ロボット237は、カラム213のすべてのレベル232に届くように、レーストラック(すなわち、コンベヤ13、113、312)よりも大きな垂直方向(すなわち、Z方向)の運動を必要とする。バッファ230の収容能力は、ウェハを支持する1つまたは複数の場所をそれぞれ有するカセット等のバッファ・レセプタクル間に分散する。たとえば、各カセット内には、50カ所もの場所が存在していてもよく、たとえばバッファ・レベル232等の1つまたは複数の垂直階にカセットが配置されていてもよい。インターフェース・ロボット237は、プロセス・ツール211、217、219、221の移送ポートを介して、バッファ230とツール211、217、219、221との間でウェハ203または1つもしくは複数のウェハ203を含むカセットを搬送する。カラム213と2つ以上のプロセス・ツール211、217、219、221との間で、単一のインターフェース・ロボット237がウェハ203を移送させるようにしてもよい。1つまたは複数のプロセス・ツール211、217、219、221は、付加的な内部バッファ収容能力を備えていてもよい。
【0257】
カルーセル213の別の改良として、それ自体の回転機構で動作可能な各バッファ(カセット)「レベル」232を有することにより、ウェハ203で満たされたカセットが次のツール(たとえば、プロセス・ツール211、217、219、221のうちのいずれか1つ)へと進み得るようにしてもよい。これは場合により、ICスタックの各層に割り当てられたレベル232または「棚」を有することにより最も扱いやすくなり、ウェハ203は、1つのICスタック層を完了すると、次のレベル(棚)等へと上昇する。この手法は、一部のツール移送ロボットに必要なZ軸平行移動距離(すなわち、垂直移動)を制限しかねない。このようなロボットでは、バッファ・レベル232のカラムの2つの隣接レベルに対処すればよいからである。ただし、ハンドリング・システムにおける潜在的な時間遅延は短縮され得る。たとえば、図5(c)に示すように、第1のプロセス・ツール(たとえば、ツール1)によりアクセス可能なカセット(たとえば、1、2、3)および第2のプロセス・ツール(たとえば、ツール2)によりアクセス可能なカセット(たとえば、4、5、6)にウェハ203が配置されていてもよい。いくらかの処理時間の後、カセット2のウェハ203がツール1で完了し、カセット5のウェハ203がツール2で完了するようになっていてもよい。ハンドリング装置は、各カセット(すなわち、バッファ)を次の場所へと移動させる(たとえば、プロセス・ツール1および2を交換する)ように適応されている。
【0258】
ここで図6を参照して、図5に示す改良カルーセル213の代わりに、内部ウェハ・ハンドリング・システム235をカラム(すなわち、カルーセル213)に導入することが考えられる。内部ウェハ・ハンドリング・システム235は、カラム213の1つまたは複数の移送レベル234でツール・インターフェース・ロボット237を介してカルーセル213との間でウェハ203(または、1つもしくは複数のウェハ203を含むカセット)を搬送するように設定されている。すべてのプロセス・ツール移送ポート236の垂直方向位置(すなわち、高さ)が同等または少なくとも同様である場合は、単一の移送レベル234のみが必要となり得る。ただし、プロセス・ツール移送ポート236の広範な高さのため、2つ以上の移送レベル234が必要となる場合もあるが、これらは互いに隣り合っていてもよいし、1つまたは複数のバッファ・レベル232により分離されていてもよい。使用時、移送レベル234のスロットによるウェハ203(または、1つもしくは複数のウェハ203を含むカセット)の受容に際して、カラム213の内部ハンドリング・システム235は、ウェハ203をバッファ・レベル232へと移動させる一方、別のプロセス・ツール211、217、219、221への移送を待つ。所定の時間に、ウェハ203は、カラム213内で所定の移送レベル234のスロットに移動し、そこで各インターフェース・ロボット237によりピッキングされるようになっていてもよい。内部ハンドリング・システム235は、一度に1つまたは複数のウェハ203を搬送するように適応された少なくとも1つの垂直方向および/または半径方向搬送機構238をさらに備えていてもよい。対応するインターフェース・ロボット237によるピッキングに対して各ウェハ203を位置決めするため、
(i)カラム213の該または各移送レベル234の回転、および/または
(ii)内部ハンドリング・システム235の回転、
のうちのいずれか一方によって、ウェハがカラム213周りに移動するようになっていてもよい。
【0259】
図7は、図6に示す実施形態(すなわち、内部ハンドリング・システム235を具備)の代替実施態様を示しており、使用されるインターフェース・ロボット237の数を減らすことができる。実際のところ、この代替実施形態は、如何なるインターフェース・ロボット237の必要性も排除されるように設定されていてもよい。たとえば、カルーセル213の内部ハンドリング・システム235は、半径方向の範囲が延びて、プロセス・ツール211、217、219、221の少なくとも一部または全部との直接的なウェハ交換(すなわち、キャリア)ができるように適応されていてもよい。このようなウェハ交換は、プロセス・ツール移送ポート236の垂直方向位置に応じて、1つまたは複数の移送レベル234で行われるようになっていてもよい。当技術分野においては、好適な内部ウェハ・ハンドリング・システム235が既知である(たとえば、ロボット・アームを採用)ため、これ以上詳しく論じることはない。
【0260】
中央回転カラム(すなわち、カルーセル)213を備えたシステム200は、たとえばレーストラック型のコンベヤ搬送システムを利用したシステムに対して、少なくともいくつかの利点をもたらし得る。そのような利点としては、以下のようなことが考えられる。
中央集中配置のシステムを有することにより、ツール当たりのバッファ・ユニット設置空間が低減される可能性がある。
レーストラック・コンベヤがターンテーブル機構により置き換えられる。
よりコンパクトな円形フォーマットによって、システム全体の設置面積が低減される可能性があり、また、ツール間の供給経路を短縮可能であることから、設置コストが低減され得る。
カセットによる移動によってバッチ生産効率が向上し、たとえば、コンベヤ・システムを介して移動される個別のウェハとは対照的に、ウェハのスタックが全体として次のツールへと移動され得る。また、これによって、清浄空気システムの必要性に潜在的な影響を及ぼす清浄度が向上し得る。
システムのスケジューリングの複雑性が抑えられる(特に、フォトリソグラフィ・ローディングおよびバッファにおけるウェハの記録)。
システムの設置面積を大きくすることなく、システムのウェハ収容能力を向上可能である。たとえば、カラムを単に高くすること、および/または、ウェハ間の間隔を狭くすることによって、アクセス可能なウェハの数を増やすことができる。
【0261】
(iii)他の製品用のシステムおよび方法
本明細書においては、ICの製造との関連でシステムおよび方法を説明するが、さまざまな製品の製造にも同じシステムおよび方法が等しく適用可能である。たとえば、堆積、パターニング、およびエッチングの同じサイクルの採用によって、集積回路とは考えられない「離散」等の形態のコンデンサ、抵抗、コイル、トランジスタ、ダイオード等の電子部品を製造するようにしてもよい。1つの具体例は、適当なプロセス・ツールを用いた精密なリソグラフィ技術により形成された薄膜コンデンサである。このような精密コンデンサは、可撓性基板上に低温で形成可能であるが、たとえばウェアラブル電子機器、健康管理および医療機器における多くの潜在的な用途を有する。1つまたは複数の共通支持部がシステムに挿入されるようになっていてもよく、また、ICが形成されている他の共通支持部と並行して、これらの共通支持部上にコンポーネントが形成されるようになっていてもよい。あるプロセス・ツールにおいては、1つまたは複数の「IC共通支持部」と同時および/または同じ条件下で、1つまたは複数の「コンポーネント共通支持部」が処理されるようになっていてもよい。コンポーネント共通支持部は、IC共通支持部とは異なる優先により、ツール数制御または利用、システムの通過時間、システム効率等を最適化するようにしてもよい。あるいは、コンポーネントおよびICの両方が同じ共通支持部上に形成され、それに応じて優先されるようになっていてもよい。
【0262】
本開示において使用する集積回路(IC)という用語は、非常に広く解釈可能であり、上記システムおよび方法により製造されるIC等の製品の性質は、極めて多様となり得る。電子部品を含むとともに何らかの電子的活性を示す任意の品目が範囲内である。ICとしては、デジタルIC、アナログIC、混合信号IC、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、ロジックIC、マイクロコントローラ、インターフェースIC、プログラマブル・ロジック・デバイス、特定用途向けIC(ASIC)、RFID IC、RF IC、メモリIC、センサ、電力管理回路、演算増幅器、データ取得IC、クロック/タイミングIC等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0263】
前述の「単純」なガラスまたはシリコン・ウェハの代替として、共通支持部が一部製造基板の形態であってもよい。たとえば、複数の一部製造シリコンICを含む一部製造シリコン・ウェハが挙げられる。このようなシリコンICの製造においては、上記システムにおいて柔軟に別のステップが実行されるようになっていてもよいし、上記方法を用いて柔軟に別のステップが実行されるようになっていてもよい。他の例としては、一部製造ディスプレイ、バッテリ、またはセンサが挙げられる。このような1つまたは複数の一部製造基板すなわち共通支持部がシステムに挿入される一方、IC等の製品が「単純」なガラス共通支持部上に製造されるようになっていてもよい。1つまたは複数の「IC共通支持部」と同時および/または同じ条件下で、一部製造共通支持部が処理されるようになっていてもよい。一部製造共通支持部は、IC共通支持部とは異なる優先により、ツール数制御または利用、システムの通過時間、システム効率等を最適化するようにしてもよいし、単に、ある製品種の試行を第2の製品種の大量生産と同時に実行するようにしてもよい。
【0264】
また、より複雑な製品が製造されるようになっていてもよい。たとえば、他のプロセスにより製造されたコンポーネントならびに本システムにおいて製造されたICおよび/もしくは他のプロセスにより製造されたICが組み込まれたハイブリッド・システムがある。
【0265】
(iv)補足情報
システム1、100、200、および300の特定の実施形態において、バッファ・ステーションのうちの1つまたは複数を除去することにより、移送手段に対して、該または各共通支持部のモジュールおよび/または入出力ステーションへの直接移送を可能にし得ることが了解されるものとする。
【0266】
本明細書に示すシステム1、100、200、300のいずれかにおいては、入力および出力ステーションとして別個のステーションが可能であることがさらに了解されるものとする。
【0267】
任意選択として、システム1、100、200、300が微小環境(図示せず)に包囲されていてもよい。このように、たとえばシステム環境の温度、湿度、および浮遊微粒子数をモニタリングおよび制御可能である。
【0268】
移送手段(たとえば、コンベヤ13、一対のレール113、212a、212b、カルーセル213)は、最大5ms-1で動作するようになっていてもよい。
【0269】
コントローラ7、107、307は、システム1を通る共通支持部の自動化移送を提供するように動作可能である。これにより、システム1は、システム1のその他の構成要素から離れた場所に位置決めされ得るユーザ・インターフェース9、109、309を除いて、最小限の人手の介入または人手の介入なく動作可能である。
【0270】
このシステムは、処理モジュールに関して、いわゆる「ホット・スワップ」をもたらし得ると考えられる。「ホット・スワップ」状態において、システムは、付加的なモジュール空間を備える。より具体的には、この予備モジュール空間によって、生産を中断することなく、新たなモジュールの導入または欠陥モジュールもしくは保守期限となったモジュールの交換を行うことができる。コントローラは、必要により予備モジュール位置において、少なくとも1つの共通支持部を処理モジュール(または、サブモジュール)へと案内するように動作可能である。
【0271】
本明細書の説明および特許請求の範囲の全体を通して、単語「備える(comprise)」、「含む(contain)」、およびそれぞれの活用形は、「~を含むが、これらに限定されない(including but not limited to)」を意味しており、他の部分、添加物、構成要素、整数、またはステップを除外することを意図していない(除外しない)。本明細書の説明および特許請求の範囲の全体を通して、文脈上の別段の必要性のない限り、単数形は複数形を網羅する。特に、不定冠詞が用いられている場合、文脈上の別段の必要性のない限り、その明細は、単数以外に複数も考慮していることが了解されるものとする。
【0272】
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例と併せて記載された特徴、整数、特性、化合物、化学部分、または化学基は、不適合でない限り、本明細書に記載のその他任意の態様、実施形態、または実施例にも適用可能であることが了解されるものとする。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示のすべての特徴および/または同開示の任意の方法またはプロセスのすべてのステップは、このような特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的となる組み合わせを除いて、如何なる組み合わせも可能である。本発明は、上述の如何なる実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示の特徴のうちの任意の新規特徴もしくは任意の新規組み合わせまたは同開示の任意の方法もしくはプロセスのステップのうちの任意の新規ステップもしくは任意の新規組み合わせへと拡張される。
【0273】
読者の注意は、本願に関して本明細書と同時または本明細書に先立って提出され、本明細書とともに公衆の閲覧に付されたすべての文書および文献に向けられ、このようなすべての文書および文献の内容が参照により本明細書に組み込まれる。

図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】