(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】水冷式鋼板防火塀
(51)【国際特許分類】
E04H 17/16 20060101AFI20231218BHJP
E04H 9/14 20060101ALI20231218BHJP
E04B 1/94 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
E04H17/16 104
E04H9/14 A
E04B1/94 F
(21)【出願番号】P 2020084095
(22)【出願日】2020-04-10
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】504196492
【氏名又は名称】株式会社高橋監理
(72)【発明者】
【氏名】高橋 龍夫
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-207153(JP,A)
【文献】特開2004-036328(JP,A)
【文献】特開2004-036115(JP,A)
【文献】特開2009-150135(JP,A)
【文献】国際公開第2013/001662(WO,A1)
【文献】実公昭13-016677(JP,Y1)
【文献】特開2021-167551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/94
E04H 17/16
E04H 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣家の火災から、木造建物を守るための防火塀において、
木造建物の回りの地表面に木造建物を囲うようにH型鋼で形成したH型鋼土台のウェブ面を地表面と平行に設置し、
前記H型鋼土台のウェブ面の上に、平板鋼板を角波形に成形した複数枚の角波形鋼板を
、山谷が略鉛直方向に沿うように横並びに設置し、
角波形鋼板の上部に、平板鋼板をコの字形に成形した笠木を被せて角波形鋼板を固定し、
前記笠木の上部に貯水タンクを設置し、
前記笠木の木造建物側に水を貯めるためコの字形に成形した防火水樋を取り付け、
前記防火水樋の上部の木造建物の屋根上全体に
、隣家の火災で発生した木板等の破片の落下による延焼を防ぐため
の防火金網を取り付け、
さらに前記防火金網の上部にスプリンクラーを設置したことを特徴とする水冷式
鋼板防火塀。
【請求項6】
隣り合う前後の角波形鋼板を固定するため、前の角波形鋼板の概ね上下中央部にアーム装着用ボルトを貫通させアーム装着用ボルトにコの字形に成形した接合アーム受入カバーを取り付け固定すると共に、後の角波形鋼板の概ね上下中央部にアーム取付用ボルトを貫通させ、アーム取付用ボルトにコの字形に成形した接合アームカバーを取り付け固定し、アーム取付用ボルトに回動自在に取り付けた接合アームの先端に形成した三角形状の引掛け部を接合アーム受入カバーに挿入してアーム装着用ボルトに引掛けることにより、前の角波形鋼板と後の角波形鋼板を固定したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水冷式
鋼板防火塀。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建物の延焼を防止するための防火塀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物が密集した住宅地での火災現場において、火元周辺の建物への延焼を防止するため火元の住宅へ大量の水を放水すると共に、隣家への延焼を防ぐため隣家の建物にも水を放水して住宅を濡らすことで延焼を食い止めて来た。
【0003】
ところが、火元の住宅に十分放水が届かず完全に延焼を防止できない場合や、さらに延焼を食い止めるために隣家に大量の水を放水したことで住宅内に水が浸入して室内が水浸しとなることもあった。
【0004】
現在、延焼を防止する方法として実用化されているものに、建物そのものを防火壁として設計することにより延焼を防ぐ方法がある。この方法では延焼防止の信頼性は高くなるが建設コストが増大するといった問題があった。
【0005】
また、近年では首都直下型地震や南海トラフ巨大地震が発生する可能性について頻繁に注意喚起がなされており、特に都市部では老朽化した木造住宅が密集している地域も多く、このような地域では巨大地震等による火災が発生する可能性が極めて高いため早急な対策が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するため、簡単な構造で木造建物への延焼を防止するための防火塀を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、隣家の火災から、木造建物を守るための防火塀において、木造建物の回りの地表面に木造建物を囲うようにH型鋼で形成したH型鋼土台のウェブ面を地表面と平行に設置し、前記H型鋼土台のウェブ面の上に、平板鋼板を角波形に成形した複数枚の角波形鋼板を、山谷が略鉛直方向に沿うように横並びに設置し、角波形鋼板の上部に、平板鋼板をコの字形に成形した笠木を被せて角波形鋼板を固定し、前記笠木の上部に貯水タンクを設置し、前記笠木の木造建物側に水を貯めるためコの字形に成形した防火水樋を取り付け、前記防火水樋の上部の木造建物の屋根上全体に、隣家の火災で発生した木板等の破片の落下による延焼を防ぐための防火金網を取り付け、さらに前記防火金網の上部にスプリンクラーを設置したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造に加え、防火水樋と笠木を一体型として構成するため、平板鋼板を概ね己型に折り曲げ防火水樋一体型笠木を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構造に加え、隣家の火災により角波形鋼板が高温になるのを防ぐため、角波形鋼板の谷部に熱冷却用鋼管を固定し、貯水タンクの水を防火水樋を介して熱冷却用鋼管に貯水したことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の構造に加え、防火水樋の概ね対角線状の屋根上部に防火水樋と連結させたコの字形の上部筋交い用樋を設置し、笠木に防火水樋と上部筋交い用樋を固定することにより角波形鋼板を自立させたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、近隣で火災が発生した場合に開かれ、防火水樋と上部筋交い用樋に水を給水する貯水タンクの給水栓と、給水を停止する止水バルブと、防火水樋と上部筋交い用樋が満水になった時点で、止水バルブを作動させるために防火水樋に設置された浮き球と、を備えて構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の構造に加え、隣り合う前後の角波形鋼板を固定するため、前の角波形鋼板の概ね上下中央部にアーム装着用ボルトを貫通させアーム装着用ボルトにコの字形に成形した接合アーム受入カバーを取り付け固定すると共に、後の角波形鋼板の概ね上下中央部にアーム取付用ボルトを貫通させ、アーム取付用ボルトにコの字形に成形した接合アームカバーを取り付け固定し、アーム取付用ボルトに回動自在に取り付けた接合アームの先端に形成した三角形状の引掛け部を接合アーム受入カバーに挿入してアーム装着用ボルトに引掛けることにより、前の角波形鋼板と後の角波形鋼板を固定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、隣家の火災から、木造建物を守るための防火塀において、木造建物の回りの地表面に木造建物を囲うようにH型鋼で形成したH型鋼土台のウェブ面を地表面と平行に設置し、前記H型鋼土台のウェブ面の上に、平板鋼板を角波形に成形した複数枚の角波形鋼板を、山谷が略鉛直方向に沿うように横並びに設置し、角波形鋼板の上部に、平板鋼板をコの字形に成形した笠木を被せて角波形鋼板を固定し、前記笠木の上部に貯水タンクを設置し、前記笠木の木造建物側に水を貯めるためコの字形に成形した防火水樋を取り付け、前記防火水樋の上部の木造建物の屋根上全体に、隣家の火災で発生した木板等の破片の落下による延焼を防ぐための防火金網を取り付け、さらに前記防火金網の上部にスプリンクラーを設置したことにより、簡単な構造で安価に防火塀を構築することが出来るようになり隣家等の火災から建物を守ることが可能となった。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、防火水樋と笠木を一体型として構成するため、平板鋼板を概ね己型に折り曲げ防火水樋一体型笠木を形成したことにより、簡単な構造で安価に笠木と兼用の水樋を形成することが可能となった。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、隣家の火災により角波形鋼板が高温になるのを防ぐため、角波形鋼板の谷部に熱冷却用鋼管を固定し、貯水タンクの水を防火水樋を介して熱冷却用鋼管に貯水したことにより、簡単な構造で角波形鋼板が高温になるのを防止することが可能になった。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、防火水樋の概ね対角線状の屋根上部に防火水樋と連結させたコの字形の上部筋交い用樋を設置し、笠木に防火水樋と上部筋交い用樋を固定することにより角波形鋼板を自立させたことにより、周辺の家からの木葉板等の火粉による延焼を防ぐと共に、簡単な構造で安価に角波形鋼板を自立させることが可能となった。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、近隣で火災が発生した場合に開かれ、防火水樋と上部筋交い用樋に水を給水する貯水タンクの給水栓と、給水を停止する止水バルブと、防火水樋と上部筋交い用樋が満水になった時点で、止水バルブを作動させるために防火水樋に設置された浮き球と、を備えて構成したことにより、貯水タンクの水を有効に活用することが可能となった。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、隣り合う前後の角波形鋼板を固定するため、前の角波形鋼板の概ね上下中央部にアーム装着用ボルトを貫通させアーム装着用ボルトにコの字形に成形した接合アーム受入カバーを取り付け固定すると共に、後の角波形鋼板の概ね上下中央部にアーム取付用ボルトを貫通させ、アーム取付用ボルトにコの字形に成形した接合アームカバーを取り付け固定し、アーム取付用ボルトに回動自在に取り付けた接合アームの先端に形成した三角形状の引掛け部を接合アーム受入カバーに挿入してアーム装着用ボルトに引掛けることにより、前の角波形鋼板と後の角波形鋼板を固定したことにより、隣家との間の隙間が狭く、人が隙間に入って作業出来ないような場合でも、隣り合うALCパネルを簡単に固定することが可能となった。
【実施例】
【0019】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
【0021】
図1は、木造建物1を囲うように、本発明の防火塀を構成するH型鋼(フランジ幅50mm、ウェブ幅100mm、フランジ厚さ7mm、ウェブ厚さ5mm)で形成したH型鋼土台4のウェブ面を地表面に対して平行に設置した状態を斜視図で示す。
【0022】
図2は、
図1で説明したH型鋼土台4のウェブ面の上に横並びに複数枚の角波形鋼板10(
図5bで詳しく説明する)を設置した状態を斜視図で示す。さらに隣り合う前後の角波形鋼板10を固定するため角波形鋼板10の概ね上下中央部に角波形鋼板固定装置11(
図8で詳しく説明する)を取り付けた状態を示す。このように構成したH型鋼土台4のウェブ面の上に横並びに設置した角波形鋼板10をH型鋼土台4に固定するため、H型鋼土台4のウェブ面の上に角波形鋼板10を設置した後、ウェブ面にコンクリートを流し込みH型鋼土台4と角波形鋼板10を固定させる。
【0023】
図3は、木造建物1の屋根上面に火の粉が落下することにより木造建物1が延焼するのを防止するため、
図2で説明した角波形鋼板10の上部に取り付ける防火水樋一体型笠木19と、その防火水樋一体型笠木19の上部に取り付ける防火金網18と、さらに防火水樋一体型笠木19に水を供給するための貯水タンク15を示す。このように木造建物1の屋根の上面に落下する木葉板等の火の粉を消火させるため貯水タンク15の水を防火水樋一体型笠木19に貯水させると共に、さらに防火水樋一体型笠木19の上部に火災で燃えた破片の落下を防止するための防火金網18(材質・形状は、ステンレスクリンプ織金物2.5φ×30mm目)を取り付けることにより、近隣の火災で発生した木板等の火の破片から木造建物1を守ることが可能となった。
【0024】
図4は、
図3で説明した防火水樋一体型笠木19と防火金網18と貯水タンク15を角波形鋼板10の上部に取り付けた状態を示す。
【0025】
図5は、
図2、
図3で説明したH型鋼土台4と角波形鋼板10と防火水樋一体型笠木19を示す。
図5aでは角波形鋼板10の谷部29に装着して角波形鋼板10の温度上昇を抑えるための熱冷却用鋼管28を前方に配置した状態を示す。熱冷却用鋼管28の寸法は、厚さ約1.6mm、断面寸法が約50mm×約30mm、長さは概ね角波形鋼板10と同一の角形鋼管で、水を充填して貯水するため下端部が密閉した状態で形成される。このように形成した熱冷却用鋼管28を、
図5bで示す角波形鋼板10の谷部29に嵌め込み固定することにより隣家の火災により角波形鋼板10が高温になるのを防ぐことが可能になった。
【0026】
図5bは角波形鋼板10を断面図で示す。角波形鋼板10は、厚さ約1mm平板状のガルバリウム鋼板を折り曲げ成形した波型鋼板で、全幅Aは614mm、谷寸法Bは58.6mm、山寸法Cは146.1mm、端寸法Dは15mm、谷底寸法Eは38.6mm、山底寸法Fは166.1mm、山高寸法Gは50mm、端寸法Hは15mmで成形される。
【0027】
図6は、
図5で示したH型鋼土台4に角波形鋼板10と熱冷却用鋼管28と防火水樋一体型笠木19を取り付けた状態を示す。さらに
図6のA―B断面図で示すように、防火水樋一体型笠木19は厚さ約1mmのガルバリュウム鋼板を己型に折り曲げコの字形の笠木26とコの字形の防火水樋25で形成され、笠木26を構成する笠木側面(A)43の高さは約100mm、天端面44の幅は約120mm、笠木側面(B)45の高さは約100mmで成形され、防火水樋25を成形する側面40の高さは100mm、底面42の幅は120mmで成形される。なお防火水樋25の底面42と笠木26の笠本側面(A)43は直角に折り曲げた状態で一体で成形される。さらに上部筋交い用樋27は防火水樋25と同一断面形状、同一寸法で成形され、防火水樋25の側面40に上部筋交い用樋27の端部を結合することにより、
図3で示したように貯水タンク15から給水管17により給水された水は防火水樋25を経由して上部筋交い用樋27にも供給されると共に、上部筋交い用樋27と防火水樋一体型笠木19を合体して構成し、角波形鋼板10の上部に防火水樋一体型笠木19の笠木26を被せることにより隣り合う角波形鋼板10を固定し自立させることが可能となった。
【0028】
図7は、給水タンク15の水を防火水樋25に給水させる際、給水タンク15の水を効率よく利用するための止水装置55について示す。
図7aで示すように止水装置55は給水タンク15より防火水樋25に給水61された水により上下する浮き球59と、その浮き球59の上下により支持棒58と支点60を介して上下する動作レバー57と、その動作レバー57の上下により給水61を停止するための止水バルブ56により構成され、
図7bで示すように防火水樋25が満水になった時点で浮き球59が水面上に浮き上がり止水バルブ56が給水タンク15の水を止水するように構成される。このように構成することにより貯水タンク15の水を効率良く使用することが可能になった。
【0029】
図8は、
図2で説明した角波形鋼板固定装置11について示す。
図8aは横並びに配置した前の角波形鋼板70の後端部68から約70mmの位置の上下中央部に直径10mmのアーム装着用ボルト74を貫通させて取り付け、アーム装着用ボ74の先端のねじ部に厚さ約1mmのガルバリュウム鋼板で、高さ約30mm、長さ約35mm、折り曲げ部が上下共に約7mmでコの字形に成形した接合アーム受入カバー73を取り付けると共に、後の角波形鋼板71の先端部69から約70mmの位置で上下中央部に直径10mmのアーム取付用ボルト78を貫通させて取り付け、さらに貫通させて取り付けたアーム取付用ボルト78に、先端に厚さ2.3mm~3.2mmの正三角形に成形した引掛け部77を固定した厚さ2.3mm~3.2mmで長さ約170mmの概ねくさび形をした接合アーム76を回動自在に取り付け、さらにアーム取付用ボルト78の先端のねじ部に厚さ約1mmのガルバリュウム鋼板で前幅84が約23mm、後幅85が約27mm、長さ約35mm、折り曲げ部が上下共に約7mmで概ねコの字形に成形した接合アーム受入カバー81を取り付けた状態を示す。
図8cでは、
図8aで説明した前の角波形鋼板70と後の角波形鋼板71を接合させることにより接合金物79に取り付けた接合アーム76の引掛け部77を接合アーム受入カバー73のアーム挿入部75に挿入させ、引掛け部77の先端がアーム装着用ボルト74を乗り越え自重により落下することにより接合アーム76の先端に取り付けた引掛け部77をアーム装着用ボルト74に引っ掛けた状態を示す。このように接合アーム76の先端に取り付けた引掛け部77をアーム装着用ボルト74に引っ掛けることによりアーム装着用ボルト74とアーム取付用ボルト78が固定され、前の角波形鋼板70と後の角波形鋼板71が固定される。
【0030】
なお、
図8cにおいて接合アーム76の引掛け部77が接合アーム受入カバー73の内側に接触して接合アーム76の引掛け部77が自重によりアーム装着用ボルト74に落下しないような場合は、
図8cの拡大図で示すように接合アーム受入カバー73の上部の端部を長さ約3mm、角度約30度で、への字形に折り曲げて折り曲げ部83を成形し、アーム挿入部75に接合アーム76を挿入する際、接合アーム76の先端部に成形した引掛け部77の先端を折り曲げ部83に突き当て引掛け部77を強制的に落下させることにより、引掛け部67の先端をアーム装着用ボルト62に引っ掛けることが可能になった。
【0031】
図9は、
図4で説明した防火金網18の上部にスプリンクラー90を取り付けた状態を示す。貯水タンク15の水をスプリンクラー90に給水するため給水管92に止水栓(図示せず)が取り付けられる。
【0032】
このように構成することにより、隣家で火災が発生した場合でも、角波形鋼板10で延焼を防ぐと共に、近隣の火災により木葉板等の火の粉が降りかかってきた場合においても、防火金網18と防火水樋25と上部筋交い用樋27に貯水した水が火粉を消火し延焼を防ぐことが可能になった。
【0033】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係る水冷式鋼板防火塀について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【0034】
図5で熱令用鋼管28を角形鋼管と説明したが、丸形鋼管を使用することも、もちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施の形態に係る、木造住宅の回りにH型鋼土台を設置した状態を斜視図で示す。
【
図2】同実施の形態に係る、
図1で示したH型鋼土台に角波形鋼板を設置した状態を斜視図で示す。
【
図3】同実施の形態に係る、
図2で示した角波形鋼板の上部に取り付ける防火水樋一体形笠木と防火金網と貯水タンクを斜視図で示す。
【
図4】同実施の形態に係る、
図3で示した防火水樋一体形笠木と防火金網と貯水タンクを角波形鋼板の上部に取り付けた状態を斜視図で示す。
【
図5】同実施の形態に係る、
図2、
図3で示した角波形鋼板を断面図で示すと共に、角波形鋼板に熱冷却用鋼管を配置した状態を斜視図で示す。
【
図6】同実施の形態に係る、角波形鋼板の上部に防火水樋一体型笠木を取り付けた状態を斜視図と断面図で示す。
【
図7】同実施の形態に係る、貯水タンクに取り付けた止水装置を断面図で示す。
【
図8】同実施の形態に係る、前の角波形鋼板と後ろの角波形鋼板を固定するための角波形鋼板固定装置を斜視図で示す。
【
図9】同実施の形態に係る、
図4で示した防火金網の上に設置するスプリンクラーを斜視図で示す。
【符号の説明】
【0036】
A 全幅
B 谷寸法
C 山寸法
D 端寸法
E 谷底寸法
F 山底寸法
G 山高寸法
H 端寸法
1 木造建物
2 隣家
3 道路
4 H型鋼土台
10 角波形鋼板
11 角波形鋼板固定装置
14 固定金具
15 貯水タンク
16 上水道
17 給水管
18 防火金網
19 防火水樋一体形笠木
25 防火水樋
26 笠木
27 上部筋交い用樋
28 熱冷却用鋼管
29 谷部
40 側面
41 給水穴
42 底面
43 笠木側面(A)
44 天端面
45 笠木側面(B)
46 給水
55 止水装置
56 止水バルブ
57 動作レバー
58 支持棒
59 浮き球
60 支点
61 給水
68 後端部
69 先端部
70 前の角波形鋼板
71 後の角波形鋼板
72 ナット
73 接合アーム受入カバー
74 アーム装着用ボルト
75 アーム挿入部
76 接合アーム
77 引掛け部
78 アーム取付用ボルト
79 接合金物
80 ナット
81 接合アームカバー
82 受け金物
83 折り曲げ部
84 前幅
85 後幅
90 スプリンクラー
91 給水
92 給水管