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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】電池セル異常劣化診断装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/392 20190101AFI20231218BHJP
   G01R 31/396 20190101ALI20231218BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231218BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20231218BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231218BHJP
   G01R 31/382 20190101ALI20231218BHJP
   G01R 31/387 20190101ALI20231218BHJP
【FI】
G01R31/392
G01R31/396
H01M10/48 P
H01M10/42 P
H02J7/00 Y
G01R31/382
G01R31/387
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021571008
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 KR2020009802
(87)【国際公開番号】W WO2021107323
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0156065
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・チュル・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドン・クン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ユル・ユン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】アン・ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】チェ・ビン・シン
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-243042(JP,A)
【文献】特開2017-110664(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235496(WO,A1)
【文献】特開2015-158416(JP,A)
【文献】特開2002-246073(JP,A)
【文献】特開2004-031120(JP,A)
【文献】特開2005-003414(JP,A)
【文献】特開2007-113953(JP,A)
【文献】特表2016-513249(JP,A)
【文献】特開2016-9659(JP,A)
【文献】特開2010-216914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/392
G01R 31/396
H01M 10/48
H01M 10/42
H02J 7/00
G01R 31/382
G01R 31/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルの充電状態(SOC)を算出する充電状態算出部と、
前記複数の電池セルそれぞれに対して、前記算出された充電状態の予め設定された期間の間の変化量である充電状態変化量および前記複数の電池セル全体の充電状態変化量の平均である充電状態変化量平均を計算する変化量計算部と、
前記充電状態変化量および前記充電状態変化量平均を用いて前記複数の電池セルそれぞれの異常劣化有無を診断する異常劣化診断部と、
を含み、
前記異常劣化診断部は、前記充電状態変化量を前記充電状態変化量平均で割った値が基準値以上である電池セルを異常劣化した電池セルと診断する、電池セル異常劣化診断装置。
【請求項2】
複数の電池セルの充電状態(SOC)を算出する充電状態算出部と、
前記複数の電池セルそれぞれに対して、前記算出された充電状態の予め設定された期間の間の変化量である充電状態変化量および前記複数の電池セル全体の充電状態変化量の平均である充電状態変化量平均を計算する変化量計算部と、
前記充電状態変化量および前記充電状態変化量平均を用いて前記複数の電池セルそれぞれの異常劣化有無を診断する異常劣化診断部と、
を含み、
前記異常劣化診断部は、前記充電状態変化量を前記充電状態変化量平均で割った値が基準値以上である状態が基準期間以上維持される電池セルを異常劣化した電池セルと診断する、電池セル異常劣化診断装置。
【請求項3】
前記変化量計算部は、前記複数の電池セルの待機期間の間に、前記充電状態算出部が算出した充電状態を用いて、前記充電状態変化量および前記充電状態変化量平均を計算することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電池セル異常劣化診断装置。
【請求項4】
前記異常劣化診断部は、前記複数の電池セルの電圧を所定の条件に合わせることなく前記電池セルの異常劣化有無を診断することを特徴とする、請求項に記載の電池セル異常劣化診断装置。
【請求項5】
前記変化量計算部は、前記充電状態変化量として前記待機期間の間の自己放電による充電状態変化量を算出する、請求項に記載の電池セル異常劣化診断装置。
【請求項6】
前記変化量計算部は、周期的に前記充電状態変化量および前記充電状態変化量平均を計算することを特徴とする、請求項に記載の電池セル異常劣化診断装置。
【請求項7】
前記充電状態算出部は、
前記複数の電池セルそれぞれの電圧を測定する電圧測定部を含み、
前記電圧測定部により測定された電圧に基づいて、前記複数の電池セルそれぞれの充電状態を算出することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の電池セル異常劣化診断装置。
【請求項8】
前記充電状態算出部は、
前記複数の電池セルに充放電される電流を測定する電流測定部と、前記電流が充放電される時間を測定するタイマと、を含み、
前記電流測定部により測定された電流および前記タイマにより測定された時間に基づいて、前記複数の電池セルそれぞれの充電状態を算出することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の電池セル異常劣化診断装置。
【請求項9】
複数の電池セルの充電状態(SOC)を算出するステップと、
前記複数の電池セルそれぞれに対して、前記算出された充電状態の予め設定された期間の間の変化量である充電状態変化量を計算するステップと、
前記複数の電池セル全体の充電状態変化量の平均である充電状態変化量平均を計算するステップと、
前記充電状態変化量および前記充電状態変化量平均を用いて前記複数の電池セルそれぞれの異常劣化有無を診断するステップと、
を含み、
前記異常劣化有無を診断するステップは
前記充電状態変化量を前記充電状態変化量平均で割った値を計算するステップと、
前記計算された値を基準値と比較するステップと、
前記充電状態変化量を前記充電状態変化量平均で割った前記値が前記基準値以上である電池セルを異常劣化した電池セルと診断するステップと、
を含む、電池セル異常劣化診断方法。
【請求項10】
複数の電池セルの充電状態(SOC)を算出するステップと、
前記複数の電池セルそれぞれに対して、前記算出された充電状態の予め設定された期間の間の変化量である充電状態変化量を計算するステップと、
前記複数の電池セル全体の充電状態変化量の平均である充電状態変化量平均を計算するステップと、
前記充電状態変化量および前記充電状態変化量平均を用いて前記複数の電池セルそれぞれの異常劣化有無を診断するステップと、
を含み、
前記異常劣化有無を診断するステップは
前記充電状態変化量を前記充電状態変化量平均で割った値を計算するステップと、
前記計算された値を基準値と比較するステップと、
前記計算された値が前記基準値以上である場合に、前記電池セルが前記基準値以上である状態を基準期間以上維持するか否かを判断するステップと、
前記充電状態変化量を前記充電状態変化量平均で割った前記値が前記基準値以上である状態が基準期間以上維持される電池セルを異常劣化した電池セルと診断するステップと、
を含む、電池セル異常劣化診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2019年11月28日付けの韓国特許出願第10-2019-0156065号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、電池セル異常劣化診断装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スマートフォンなどの電子機器の普及と電気自動車の開発に伴って、電力供給源としての二次電池に関する研究も活発に行われている。二次電池は、複数の電池セルが直列および/または並列に連結された電池モジュールと、電池モジュールの動作を管理する電池管理システム(BMS、Battery Management System)と、を含む電池パック形態で提供される。
【0003】
電池管理システムは、電池セルの状態をモニターして電池セルに異常が発生したか否かを判断する。その中でも、電池の容量および抵抗劣化度などの寿命と関連した特性を示すパラメータであるSOH(State of Health)を通じて電池の異常劣化を診断した。しかし、既存のモデリング技法およびアルゴリズムにより算出されるSOH値は、実際状態との比較時に5%以上の誤差を有する。よって、SOH値をそのまま用いる既存の診断方法は、電池の異常劣化の診断に高い信頼性を有することができなかった。実際に、従来は、主にSOH値を電池セルの状態変化の傾向確認用として用いた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、高い信頼度を有し、且つ、既存に比べて構成上の複雑度が大きく増加しない電池セル異常劣化診断装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような技術的課題を解決するために、本開示の実施形態の一側面によると、複数の電池セルの充電状態(SOC)を算出する充電状態算出部と、複数の電池セルそれぞれに対して、算出された充電状態の予め設定された期間の間の変化量である充電状態変化量および複数の電池セル全体の充電状態変化量の平均である充電状態変化量平均を計算する変化量計算部と、充電状態変化量および充電状態変化量平均を用いて複数の電池セルそれぞれの異常劣化有無を診断する異常劣化診断部と、を含む、電池セル異常劣化診断装置を提供する。
【0006】
このような本開示の実施形態の他の特徴によると、異常劣化診断部は、充電状態変化量を充電状態変化量平均で割った値が基準値以上である電池セルを異常劣化した電池セルと診断することができる。
【0007】
本開示の実施形態のまた他の特徴によると、異常劣化診断部は、充電状態変化量を充電状態変化量平均で割った値が基準値以上である状態に基準期間以上維持される電池セルを異常劣化した電池セルと診断することができる。
【0008】
本開示の実施形態のまた他の特徴によると、変化量計算部は、複数の電池セルの待機期間の間に、充電状態算出部が算出した充電状態を用いて、充電状態変化量および充電状態変化量平均を計算することができる。
【0009】
本開示の実施形態のまた他の特徴によると、異常劣化診断部は、複数の電池セルの電圧と関係なく電池セルの異常劣化有無を診断することができる。
本開示の実施形態のまた他の特徴によると、変化量計算部は、充電状態変化量として待機期間の間の自己放電による充電状態変化量を算出することができる。
【0010】
本開示の実施形態のまた他の特徴によると、変化量計算部は、周期的に前記充電状態変化量および充電状態変化量平均を計算することができる。
本開示の実施形態のまた他の特徴によると、充電状態算出部は、複数の電池セルそれぞれの電圧を測定する電圧測定部を含み、電圧測定部により測定された電圧に基づいて複数の電池セルそれぞれの充電状態を算出することができる。
【0011】
本開示の実施形態のまた他の特徴によると、充電状態算出部は、複数の電池セルに充放電される電流を測定する電流測定部と、電流が充放電される時間を測定するタイマと、を含み、電流測定部により測定された電流およびタイマにより測定された時間に基づいて、複数の電池セルそれぞれの充電状態を算出することができる。
【0012】
上記のような技術的課題を解決するために、本開示の実施形態の一側面によると、複数の電池セルの充電状態(SOC)を算出するステップと、複数の電池セルそれぞれに対して、算出された充電状態の予め設定された期間の間の変化量である充電状態変化量を計算するステップと、複数の電池セル全体の充電状態変化量の平均である充電状態変化量平均を計算するステップと、充電状態変化量および充電状態変化量平均を用いて複数の電池セルそれぞれの異常劣化有無を診断するステップと、を含む、電池セル異常劣化診断方法を提供する。
【0013】
本開示の実施形態のまた他の特徴によると、異常劣化有無を診断するステップは、充電状態変化量を充電状態変化量平均で割った値を計算するステップと、計算された値を基準値と比較するステップと、充電状態変化量を充電状態変化量平均で割った値が基準値以上である電池セルを異常劣化した電池セルと診断するステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上の構成により、電池セルに対する異常劣化の診断を正確に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電池管理システムを含む電池パックの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電池管理システムの機能を示すブロック図である。
図3】本発明の他の実施形態に係る充電状態算出部の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電池管理システムの制御方法を示すフローチャートである。
図5図4の電池管理システムの制御方法において異常劣化診断方法の一例を示すフローチャートである。
図6図4の電池管理システムの制御方法において異常劣化診断方法の他の例を示すフローチャートである。
図7】電池セルに対する試験データを示すグラフである。
図8】電池セルに対する試験データを示すグラフである。
図9】電池セルに対する試験データを示すグラフである。
図10】電池管理システムのハードウェアの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の多様な実施形態について詳細に説明する。本文書において、図面上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を付し、同一の構成要素に対して重複した説明は省略する。
【0017】
本文書に開示されている本発明の多様な実施形態に対して、特定の構造的、機能的説明は、単に本発明の実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本発明の多様な実施形態は、種々の形態で実施されてもよく、本文書に説明された実施形態に限定されものと解釈されてはならない。
【0018】
多様な実施形態で用いられた「第1」、「第2」、「1番目」、または「2番目」などの表現は、多様な構成要素を、順序および/または重要度に関係なく修飾してもよく、当該構成要素を限定しない。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに、第1構成要素は第2構成要素と命名してもよく、それと同様に第2構成要素も第1構成要素に変更して命名してもよい。
【0019】
本文書で用いられた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであって、他の実施形態の範囲を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上、明らかに他を意味しない限り、複数の表現を含んでもよい。
【0020】
図1は、電池管理システム20を含む電池パック1の構成を示す図である。
図1を参照すると、電池パック1は、1つ以上の電池セルからなり、充放電可能な電池モジュール10と、電池モジュール10の+端子側または-端子側に直列に連結され、電池モジュール10の充放電電流の流れを制御するためのスイッチング部30と、電池セルおよび/または電池モジュール10の電圧、電流、温度などをモニターして、過充電および過放電などを防止するように制御および管理する電池管理システム20(以下、「BMS」という)と、を含む。
【0021】
電池モジュール10は、充放電可能な1つ以上の電池セル11を含む。電池セル11は、リチウムイオン(Li-ion)電池、リチウムイオンポリマー(Li-ion polymer)電池、ニッケルカドミウム(Ni-Cd)電池、ニッケル水素(Ni-MH)電池などであってもよく、これらに限定されない。
【0022】
BMS20は、電池モジュール10の充放電を制御するためにスイッチング部30の動作を制御することができる。また、BMS20は、電池モジュール10および/または電池モジュール10に含まれた各電池セル11の電圧、電流、温度などをモニターすることができる。そして、BMS20によるモニターのために、図示していないセンサや各種測定モジュールが電池モジュール10や充放電経路、または電池パック1などの任意の位置にさらに設けられてもよい。BMS20は、モニターした電圧、電流、温度などの測定値に基づいて、電池モジュール10の状態を示すパラメータ、例えば、SOCやSOHなどを算出することができる。
【0023】
BMS20は、電池パック1の全般的な動作を制御および管理する。このために、BMS20は、プログラムを実行させ、BMS20の全体動作を制御するコントローラとしてのマイコン、センサや測定手段などの入出力装置、およびその他の周辺回路などの多様な構成を含むことができる。
【0024】
また、BMS20は、電池セル11の充電状態を算出することができ、算出した充電状態を用いて電池セル11の異常劣化有無を診断することができる。特に本実施形態に係るBMS20は、電池モジュール10に含まれた複数の電池セル11それぞれの充電状態の変化量と充電状態変化量の平均に基づいて、電池セルそれぞれの異常劣化有無を診断することができる。BMS20の異常劣化の診断に関する具体的な内容は後述することにする。
【0025】
スイッチング部30は、電池モジュール10の充電または放電に対する電流流れを制御するための構成であり、リレーやマグネチックコンタクタなどが用いられることができる。または、スイッチング部30としてMOSFETなどの半導体スイッチング素子が用いられることができる。
【0026】
電池パック1は、さらに外部の上位コントローラ2と通信可能に連結されることができる。すなわち、電池パック1は、上位コントローラ2に電池パック1に対する各種データを伝送し、上位コントローラ2から電池パック1の動作に関する制御信号を受信することができる。上位コントローラ2は、電池パック1が電気自動車に搭載された場合、車両の運行を制御するための車両コントローラであってもよい。上位コントローラ2は、電池パック1がエネルギー貯蔵装置(ESS)に用いられる場合、複数の電池モジュールを管理するラックBMSや、ESSの全体動作を制御するBMSであってもよい。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係る電池管理システム20の機能を示すブロック図である。
図2を参照すると、BMS20は、充電状態算出部110、変化量計算部120、異常劣化診断部130、格納部140、および通信部150を含むことができる。
【0028】
充電状態算出部110は、複数の電池セル11の充電状態(SOC、State of Charge)を算出する。本実施形態において、充電状態算出部110は、充電状態を算出するために電圧測定部111を含むことができる。電圧測定部111は、電池モジュール10に含まれた複数の電池セル11それぞれの電圧を測定する電圧センサであってもよい。そして、充電状態算出部110は、電圧測定部111により測定された複数の電池セル11それぞれの電圧に基づいて、複数の電池セル11それぞれの充電状態を算出する。この際、充電状態算出部110は、電圧と充電状態との間の関係を示すテーブルに基づいて充電状態を算出することができる。例えば、格納部140が電圧と充電状態との間の関係を示すテーブルを予め格納しておき、充電状態算出部110が当該テーブルを参照することで複数の電池セル11それぞれの充電状態を算出することができる。しかし、これは例示的なものであり、電圧と充電状態との間の関係を示すテーブルを用いることの他に、電圧から充電状態を算出する公式を用いて直接計算するなどの多様な方法を用いることができる。また、本実施形態においては、充電状態を算出するために電圧値のみを用いるものと説明したが、これに限定されるものではない。例えば、充電状態を算出するために、電圧値の他に、電池セル11および/または電池パック1の温度、電池セル11の種類、使用時間などの充電状態に影響を及ぼす他のパラメータをさらに考慮することもできる。
【0029】
充電状態算出部110は、複数の電池モジュール10をリアルタイムでモニターすることができる。それにより、充電状態算出部110は、電池セル11の電圧値をリアルタイムで測定することができ、また、充電状態をリアルタイムで算出することができる。
【0030】
変化量計算部120は、複数の電池セル11それぞれに対して、充電状態算出部110により算出された充電状態の予め設定された期間の間の変化量である充電状態変化量を計算する。予め設定された期間とは、電池パック1が待機期間である場合を意味する。すなわち、変化量計算部120は、複数の電池セル11の待機期間の間に、充電状態算出部110が算出した充電状態を用いて、充電状態変化量を計算することができる。
【0031】
また、変化量計算部120は、複数の電池セル11全体の充電状態変化量の平均である充電状態変化量平均を計算する。変化量計算部120は、複数の電池セル11の待機期間の間の充電状態変化量を計算する場合、計算された充電状態変化量を用いて、同様に待機期間に対する充電状態変化量平均を計算することができる。
【0032】
変化量計算部120が計算する充電状態変化量は、複数の電池セル11それぞれの待機期間の間の自己放電による充電状態の変化量であってもよい。また、同様に変化量計算部120が計算する充電状態変化量平均も、複数の電池セル11の待機期間の間の自己放電による充電状態変化量の平均であってもよい。
【0033】
一方、待機期間は、周期的に設定されてもよい。よって、変化量計算部120は、周期的に発生する待機期間それぞれに対して、充電状態変化量および充電状態変化量平均を繰り返し計算することができる。但し、これは例示的なものであり、待機期間がESSや電気車などの電池パック1が設けられる環境に応じて適切に設定されることができる。
【0034】
異常劣化診断部130は、変化量計算部120が計算した充電状態変化量および充電状態変化量平均を用いて、複数の電池セル11それぞれの異常劣化有無を診断する。
【0035】
異常劣化診断部130は、異常劣化を診断する1つの方法として、
(充電状態変化量/充電状態変化量平均)≧第1基準値:条件1
を満たす電池セル11を異常劣化した電池セルと診断する。すなわち、単に各電池セル11の充電状態の値、SOHの値、または充電状態の変化量を直接的に用いて異常劣化有無を診断するものではない。換言すると、本実施形態においては、電池セル11の充電状態の変化量および「充電状態変化量の平均」を用いて異常劣化を診断することにその特徴がある。具体的には、充電状態変化量平均に対する特定の電池セル11の充電状態変化量が第1基準値以上である場合に、当該電池セル11が異常劣化したと判断する。
【0036】
異常劣化診断部130は、異常劣化を診断する他の方法として、
(充電状態変化量/充電状態変化量平均)≧第2基準値:条件2
[条件2]を満たす期間≧基準期間:条件3
を満たす電池セル11を異常劣化した電池セルと診断する。すなわち、充電状態変化量平均に対する特定の電池セル11の充電状態変化量が第2基準値以上である状態が基準期間以上維持される場合に、当該電池セル11を異常劣化したと判断する。ここで、第2基準値は、第1基準値より小さい値であってもよい。
【0037】
格納部140は、BMS20の動作に必要な各種プログラムおよびデータを格納することができる。格納部140は、上述したように電池セル11の充電状態を算出するための電圧と充電状態との間の関係を示すテーブルを格納することができる。また、格納部140は、上述した第1基準値、第2基準値、基準期間などのデータを格納することができる。
【0038】
通信部150は、必要に応じて、電池セル11、電池モジュール10、および/または電池パック1に対する各種情報を上位コントローラ2に送信することができる。また、通信部150は、上位コントローラ2から電池パック1を制御するための制御信号を受信することができる。通信部150は、異常劣化診断部130により、複数の電池セル11のうち異常劣化した電池セルが検出された場合、その旨を上位コントローラ2に送信することができる。
【0039】
図3は、本発明の他の実施形態に係る充電状態算出部110の構成を示すブロック図である。
図3を参照すると、充電状態算出部110は、充電状態を算出するために、電流測定部113およびタイマ115を含むことができる。
【0040】
電流測定部113は、複数の電池セル11に充放電される電流を測定する。電流測定部113は、電池パック1の充放電経路上に備えられる電流センサであってもよい。
【0041】
タイマ115は、電流が充放電される時間を測定する。すなわち、タイマ115は、電池パック1の充電開始から終了までの時間、および放電開始から終了までの時間をそれぞれ測定することができる。
【0042】
充電状態算出部110は、電流測定部113により測定された電流およびタイマ115により測定された時間に基づいて、複数の電池セル11それぞれの充電状態を算出する。具体的には、充電状態算出部110は、測定された電流を積分することで、電池セル11の充電状態を算出できるようになる。本実施形態においては、電流値および時間だけを用いるものと説明したが、これに限定されるものではない。例えば、充電状態を算出するために、電流値および時間の他に、電池セル11および/または電池パック1の温度、電池セル11の種類、使用時間などの充電状態に影響を及ぼす他のパラメータをさらに考慮することもできる。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態に係る電池管理システム20の制御方法を示すフローチャートである。
図4を参照すると、BMS20は、電圧測定部111、電流測定部113などの各種センサを介して、電池セル11および/または電池モジュール10の電圧、電流などをモニターする(S10)。充電状態算出部110は、モニターした電圧、電流などの値に基づいて、そして上述したような方法を用いて、複数の電池セル11それぞれの充電状態を算出する(S11)。S10ステップおよびS11ステップは、リアルタイムで行われてもよい。
【0044】
一方、BMS20は、S10ステップおよびS11ステップの実行中、電池パック1が待機期間であるか否かを判断する(S12)。待機期間は、電池パック1に充放電が行われない休止期間であってもよい。
【0045】
BMS20が、S12ステップにおいて電池パック1が待機期間ではないと判断した場合には、再びS10ステップに戻り、S10ステップおよびS11ステップの動作を繰り返し行う。その反面、BMS20が、S12ステップにおいて電池パック1が待機期間であると判断した場合には、当該待機期間が基準時間以上持続するか否かを判断する(S13)。基準時間は、各電池セル11が自己放電により充電状態が有意に変更されることを測定できる時間であってもよい。
【0046】
BMS20が、待機期間が基準時間以上持続しなかったと判断した場合、すなわち、基準時間以内に電池パック1が再び充放電された場合には、S10ステップに戻る。その反面、BMS20が、待機期間が基準時間以上持続したと判断した場合には、変化量計算部120は、複数の電池セル11それぞれに対して、算出された充電状態の予め設定された期間の間の変化量である充電状態変化量(ΔSOC)を計算する(S14)。また、変化量計算部120は、複数の電池セル11全体の充電状態変化量(ΔSOC)の平均である充電状態変化量平均(ΔSOCavg)を計算する(S15)。
【0047】
異常劣化診断部130は、S14ステップおよびS15ステップにおいて計算された充電状態変化量(ΔSOC)および充電状態変化量平均(ΔSOCavg)を用いて、複数の電池セル11それぞれの異常劣化有無を診断する(S16)。
【0048】
以下では、異常劣化診断部130が電池セル11の異常劣化を診断する具体的な方法について説明する。
図5は、図4の電池管理システム20の制御方法において異常劣化診断方法の一例を示すフローチャートである。
【0049】
図5を参照すると、先ず、1番目の電池セルから始め(S20)、計算した電池セル11の充電状態変化量(ΔSOCn)を充電状態変化量平均(ΔSOCavg)で割った値を第1基準値と比較する(S21)。nは電池セルの順番を示し、電池モジュール10内にN個の電池セル11が含まれていると仮定する。
【0050】
S21ステップにおいて(ΔSOCn/ΔSOCavg)が第1基準値以上であれば、当該電池セル11を異常劣化した電池セルと診断する(S22)。その反面、S21ステップにおいて(ΔSOCn/ΔSOCavg)が第1基準値未満であれば、当該電池セル11を正常な電池セルと診断する(S23)。
【0051】
そして、全ての電池セル11に対して異常劣化の診断を行ったか否かを判断する(S24)。全ての電池セル11に対して異常劣化の診断を行っていない場合には、次の電池セル11に進行する(S25)。その反面、全ての電池セル11に対して異常劣化の診断を行った場合には、異常劣化の診断を終了する。この場合、次の待機期間まで待機した後、次の待機期間が到来すれば、上述した動作を再び繰り返す。
【0052】
以上のようなBMS20の構成およびその制御方法により、電池セル11の異常劣化を正確に診断できるようになる。これと関連し、電池セルに対して測定した試験データを参照して、本発明の実施形態の効果について説明する。
【0053】
図7図9は、電池セルに対する試験データを示すグラフである。
先ず、図7は、複数の電池セルが含まれた実際の電池モジュールにおいて、各電池セルの充電状態を測定したデータに基づいて作成されたものである。この中において、丸で表示されたグラフ(上側グラフ)は、電池セルのうち、最大充電状態を有する電池セルと最小充電状態を有する電池セルとの充電状態の差(ΔSOC(Max-Min))を示すグラフである。そして、三角形で表示されたグラフ(下側グラフ)は、電池セルの平均充電状態と最小充電状態を有する電池セルの充電状態との差(ΔSOC(Avg-Min))を示すグラフである。
【0054】
本試験においては、土曜日朝から月曜日昼間までは、電池の状態を待機状態(rest状態)に維持した。すなわち、週末の間には電池モジュールを使用しなかった。そして、月曜日午後から土曜日朝までは、持続的に充放電が行われるように運営した。
【0055】
上記のような条件により、月曜日午後から土曜日朝までの間には、ΔSOC(Max-Min)およびΔSOC(Avg-Min)値が大きく増加しなかった。その反面、土曜日午後から月曜日午前までの待機状態では、ΔSOC(Max-Min)およびΔSOC(Avg-Min)値がいずれも大きく増加することを確認することができた。これは、最小充電状態を有する電池セルは異常劣化した電池セルであるため、自己放電の量が正常な電池セルより大きいためである。
【0056】
しかしながら、本グラフから確認できるように、ΔSOC(Max-Min)およびΔSOC(Avg-Min)値が大きく揺れるため、ΔSOC(Max-Min)およびΔSOC(Avg-Min)の値だけでは、特定の電池セルの異常劣化有無を正確に判断することができない。単にΔSOC(Max-Min)およびΔSOC(Avg-Min)値の推移だけで電池セルの異常劣化有無を判断できるだけである。
【0057】
図8は、図7のグラフにおいて、待機状態での各電池セルの自身の変化量を示す。変化量の判断区間は、土曜日午前8時から月曜日午前8時である。
具体的な測定値は以下の通りである。
【0058】
【表1】
【0059】
上記の測定値のうち問題のあるCellを実線で示し、比較Cellを1点鎖線で示し、Avgを破線で示した。
図8のグラフを見てみると、問題のあるCell(すなわち、異常劣化セル)は5週目以後の待機状態で自己放電が増加することを確認することができた。しかし、同様に、比較CellおよびAvg値も5週目に増加するなどの様子を示した。
したがって、単に自己放電量が増加するだけで異常劣化を診断する場合、誤診断の心配があった。
【0060】
図9は、表1の値に対して、図2および図5で説明したように、(ΔSOC/ΔSOCavg)値を計算して示したグラフである。図9のグラフにおいて、実線で示したグラフが問題のあるCellの充電状態変化量を充電状態変化量平均で割ったグラフであり、1点鎖線で示したグラフが比較Cellの充電状態変化量を充電状態変化量平均で割ったグラフである。
【0061】
図9のグラフから確認できるように、問題のあるCellの場合、6週目から値が急速に増加した。それのみならず、全期間にわたって、問題のあるCellに対する値が比較Cellに対する値より大きいことを確認することができる。
【0062】
すなわち、本発明の実施形態のように、各電池セルの充電状態の変化量を全体電池セルの充電状態変化量の平均で割った値が所定の基準値以上であれば、直ちに異常劣化した電池セルと診断できるようになる。例えば、本例の場合、基準値を2に設定し、(ΔSOC/ΔSOCavg)値が2以上であれば、異常劣化した電池セルと診断することができる。但し、このような基準値は例示に過ぎず、他の値に設定できるということは通常の技術者に明らかである。
【0063】
このような本発明の実施形態によると、電池セルの待機状態での自己放電による充電状態変化量および充電状態変化量平均を用いて診断を行う。よって、診断のために電池セルを特定の電圧まで充電または放電させるなどの特定の条件を合わせる必要がない。換言すると、複数の電池セルの電圧と関係なく電池セルの異常劣化有無を診断することができる。そして、特定のC-rateで充電あるいは放電させる必要もない。また、温度および充放電終了時点のC-rateに影響を受ける電圧ではなく、充電状態を用いて電池セルの異常劣化を診断する。
【0064】
すなわち、本発明の実施形態においては、充放電の区分なしに、待機状態での充電状態の変化量の充電状態変化量平均に対する割合により、異常劣化有無を診断できるようになる。そして、このような方法を用いることにより、異常劣化の誤診断の確率を下げてBMS20の制御および管理の信頼性を向上できるようになる。
【0065】
図6は、図4の電池管理システムの制御方法において異常劣化診断方法の他の例を示すフローチャートである。
図6を参照すると、先ず、1番目の電池セルから始め(S30)、計算した電池セル11の充電状態変化量(ΔSOCn)を充電状態変化量平均(ΔSOCavg)で割った値を第2基準値と比較する(S31)。nは電池セルの順番を示し、電池モジュール10内にN個の電池セル11が含まれていると仮定する。
【0066】
S31ステップにおいて(ΔSOCn/ΔSOCavg)が第2基準値以上であれば、当該電池セル11が第2基準値以上である状態を基準期間以上維持するか否かを判断する(S32)。第2基準値以上である状態を基準期間以上維持する場合には、当該電池セルを異常劣化した電池セルと診断する(S33)。その反面、S31ステップにおいて(ΔSOCn/ΔSOCavg)が第1基準値未満であるか、またはS32ステップにおいて基準期間未満である場合であれば、当該電池セル11を正常な電池セルと診断する(S34)。
【0067】
そして、全ての電池セル11に対して異常劣化の診断を行ったか否かを判断する(S35)。全ての電池セル11に対して異常劣化の診断を行っていない場合には、次の電池セル11に進行する(S36)。その反面、全ての電池セル11に対して異常劣化の診断を行った場合には、異常劣化の診断を終了する。この場合、次の待機期間まで待機した後、次の待機期間が到来すれば、上述した動作を再び繰り返す。
【0068】
本実施形態の場合、電池セル11の(ΔSOCn/ΔSOCavg)が単に基準値以上であるからといって異常劣化した電池セルと判断せず、そのような状態が基準期間以上維持されるか否かを判断する。それにより、一時的に(ΔSOCn/ΔSOCavg)が基準値以上になった場合を異常劣化した電池セルと診断するという誤診断を防止することができる。このような第2基準値は、第1基準値に比べて低い値に設定されることができる。例えば、表1の場合、基準値を1.3程度に設定し、(ΔSOC/ΔSOCavg)値が1.3以上であれば、異常劣化した電池セルと診断することができる。比較Cellの場合、1.3に近接した場合が存在するものの(11週目)一時的なものであるため、その値が1.3以上が一定期間以上維持され難いことを予想することができる。よって、一時的に基準値以上になっても直ちに異常劣化した電池セルと診断しないため、誤診断を防止することができる。
【0069】
図10は、電池管理システム20のハードウェアの構成図である。
図10を参照すると、BMS20は、コントローラ(MCU)210、メモリ220、入出力インターフェース230、および通信インターフェース240を含むことができる。
【0070】
MCU210は、BMS20内の各種動作および演算の処理と各構成の制御を行う。
メモリ220には、オペレーティングシステムプログラムおよびBMS20の機能を行うためのプログラムが記録される。すなわち、メモリ220には、本発明の実施形態に係る異常劣化の診断を行うためのアルゴリズムが記述されたプログラムが格納されてもよい。メモリ220は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含むことができる。例えば、メモリ220は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスクなどの各種ストレージ媒体のうち少なくとも何れか1つが用いられてもよい。メモリ220は、MCU210に内蔵されたメモリであってもよく、MCU210とは別に設けられた追加のメモリであってもよい。
【0071】
入出力インターフェース230は、各種入力信号および出力信号の入出力を行う。例えば、BMS20に含まれたMCU210は、入出力インターフェース230を介して各種センサからの信号を受信することができる。
通信インターフェース240は、外部と有線および/または無線で通信可能な構成である。
【0072】
MCU210がメモリ220に格納されたプログラムを実行することにより、充電状態算出部110、変化量計算部120、および異常劣化診断部130の機能を行うモジュールを実現することができる。メモリ220は、格納部140としての機能を行うことができる。MCU210が入出力インターフェース230と共に動作して電圧測定部111、電流測定部113としての機能を行うことができる。また、MCU210が通信インターフェース240と共に動作して通信部150としての機能を行うことができる。
【0073】
また、以上に記載された「含む」、「構成する」、または「有する」などの用語は、特に反する記載がない限り、当該構成要素が内在できることを意味するため、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいものと解釈されなければならない。技術的または科学的な用語を含む全ての用語は、別に定義しない限り、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有するものと解釈されてもよい。辞書に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されなければならず、本発明で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0074】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能であろう。よって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は後述の請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0075】
1 電池パック
2 上位コントローラ
10 電池モジュール
11 電池セル
20 BMS、電池管理システム
30 スイッチング部
110 充電状態算出部
111 電圧測定部
113 電流測定部
115 タイマ
120 変化量計算部
130 異常劣化診断部
140 格納部
150 通信部
210 MCU、コントローラ(MCU)
220 メモリ
230 入出力インターフェース
240 通信インターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10