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特許7403776電池モジュールおよびこれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20231218BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20231218BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20231218BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20231218BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20231218BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/647
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021571010
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 KR2021003176
(87)【国際公開番号】W WO2021221312
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0051167
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スンファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンピル・ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ソプ・キム
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/027299(WO,A1)
【文献】特表2019-516225(JP,A)
【文献】特開2019-046748(JP,A)
【文献】特表2019-519884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6556
H01M 50/204
H01M 10/613
H01M 10/6554
H01M 10/647
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム、および
前記モジュールフレームの上部に位置する第1ヒートシンク
を含み、
前記第1ヒートシンクは、上部プレートと下部プレートとを含み、
前記第1ヒートシンクの下部プレートは、前記モジュールフレームの上部カバーを構成し、
前記第1ヒートシンクは、前記上部プレートと前記モジュールフレームの上部カバーとの間に少なくとも一つの隔壁が形成されることによって冷却流路を形成しており、
前記モジュールフレームの上部と前記電池セル積層体の上部とは直ちに接触しており、
前記モジュールフレームの下部と前記電池セル積層体との間に熱伝導性樹脂層が形成され、
前記モジュールフレームの下部に熱伝達部材および第2ヒートシンクが順次に形成され、
前記第2ヒートシンクの内部には冷媒流路が形成される電池モジュール。
【請求項2】
前記電池セル積層体で発生した熱は第1方向に伝達され、前記第1方向は前記電池セルの中心を基準として前記第1ヒートシンクに向かうそれぞれの方向と対応する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記第1ヒートシンクの冷却流路を流れる冷媒は、前記モジュールフレームの上部カバーと接する、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記隔壁は、前記上部プレートから前記モジュールフレームの上部に向かう方向に突出している、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記隔壁は、前記上部プレートから前記モジュールフレームの上部まで延長されている、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記隔壁は、前記冷却流路の幅より狭い厚さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記冷却流路は同一の幅を有し、
前記冷却流路の注入口及び排出口が前記モジュールフレームの上部の同一の側面に位置する、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記第1ヒートシンクは、前記上部プレートの一側で互いに離隔して位置する第1突出部および第2突出部を含み、
前記第1突出部および前記第2突出部の下部は、前記第1突出部および前記第2突出部の端部から前記モジュールフレームに向かって延長される補助プレートが位置する、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記第1突出部の下部に位置する前記補助プレートに前記上部プレートに向かって貫通する第1貫通部が位置し、
前記第2突出部の下部に位置する前記補助プレートに前記上部プレートに向かって貫通する第2貫通部が位置する、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記第1貫通部および前記第2貫通部のうちの一方は前記第1ヒートシンク内部に冷媒を注入する流入口であり、他方は前記第1ヒートシンク内部から冷媒を排出する排出口である、請求項9に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記流入口および前記排出口のうちの少なくとも一つは、その外周を囲むシーリング部材を含む、請求項10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記電池セル積層体で発生した熱は第2方向に伝達され、前記第2方向は前記電池セルの中心を基準として前記第2ヒートシンクに向かうそれぞれの方向と対応し、
前記電池セルの中心を基準として前記第1ヒートシンクに向かうそれぞれの方向と対応する第1方向に伝達される熱が前記第2方向に伝達される熱より多い、請求項に記載の電池モジュール。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)との相互引用
本出願は、2020年4月28日付韓国特許出願第10-2020-0051167号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には冷却性能が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要が増加することに伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても大きな関心を受けている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり1個または2~4個の電池セルが使用されることに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。中大型電池モジュールは、可能な限り小さい大きさと重量で製造されることが好ましいため、高い集積度に積層可能であり、容量に比べて重量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用され、次第により多い電池セルを電池モジュール内に装着しようとする必要性が増大している。
【0005】
また、二次電池は、適正温度より高くなる場合、二次電池の性能が低下することがあり、激しい場合は爆発や発火の危険もある。特に、多数の二次電池、つまり、電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは、狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合算されて温度がより速くかつ激しく上がることがある。つまり、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱が良好になされない場合、電池セルの劣化が速くなって寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0006】
さらに、車両用バッテリーパックに含まれる中大型電池モジュールの場合、直射光線によく露出され、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれることがある。
【0007】
また、電池モジュールは、より多い電池セルを含むための必要性が増大することによって、電池モジュールの放熱と関連しても安定的かつ効果的な冷却性能を確保することが非常に重要になってきている。
【0008】
図1は従来の電池モジュールの斜視図である。図2図1の切断線A-A’に沿って切断した断面図である。特に、図2は電池モジュールの下に位置する熱伝達部材およびヒートシンクを追加的に示した。
【0009】
図1および図2を参照すれば、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11が積層されて電池セル積層体20を形成し、電池セル積層体20はモジュールフレーム30に収納される。
【0010】
前述したように、複数の電池セル11を含むため、電池モジュール10は充放電過程で多量の熱を発生させる。冷却手段として、電池モジュール10は、電池セル積層体20とモジュールフレーム30の底部31との間に位置する熱伝導性樹脂層40を含むことができる。また、電池モジュール10がパックフレームに装着されて電池パックを形成する時、電池モジュール10の下に熱伝達部材50およびヒートシンク60が順次に位置することができる。熱伝達部材50は、放熱パッドであり、ヒートシンク60は内部に冷媒流路が形成され得る。
【0011】
図3図2のA1領域を拡大して示す図面である。図1乃至図3を参照すれば、電池セル11から発生した熱がヒートシンク60に向かう方向Dに沿って、熱伝導性樹脂層40、モジュールフレーム30の底部31、熱伝達部材50、およびヒートシンク60を順次に経て電池モジュール10の外部に伝達される。しかし、従来の電池モジュール10は、前述のように熱伝達経路が複雑であり、電池セル11から発生した熱が効果的に外部に伝達され難い。特に、モジュールフレーム30自体が熱伝導特性を低下させることがあり、モジュールフレーム30、熱伝達部材50およびヒートシンク60のそれぞれの間に形成され得るエアーギャップ(Air gap)などの微細な空気層も熱伝導特性を低下させることがある。
【0012】
したがって、電池モジュールに対する容量増大のような要求が続いている中、冷却性能を高めながらも、このような多様な要求事項を共に充足できる電池モジュールを開発することが実質的に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の解決しようとする課題は、冷却構造が単純化されると共に、冷却性能が改善された電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することにある。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていない課題は明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム、および前記モジュールフレームの上部に位置する第1ヒートシンクを含み、前記第1ヒートシンクは、上部プレートと下部プレートを含み、前記第1ヒートシンクの下部プレートは、前記モジュールフレームの上部カバーを構成し、前記第1ヒートシンクは、前記上部プレートと前記モジュールフレームの上部カバーとの間に少なくとも一つの隔壁が形成されることによって冷却流路を形成する。
【0016】
前記電池セル積層体で発生した熱は第1方向に伝達され、前記第1方向は前記電池セルの中心を基準として前記第1ヒートシンクに向かうそれぞれの方向と対応することができる。
【0017】
前記第1ヒートシンクの冷却流路を流れる冷媒は、前記モジュールフレームの上部カバーと接することができる。
【0018】
前記隔壁は、前記上部プレートから前記モジュールフレームの上部に向かう方向の反対方向に突出していてもよい。
【0019】
前記隔壁は、前記上部プレートから前記モジュールフレームの上部まで延長されていてもよい。
【0020】
前記隔壁は、前記冷却流路の幅より狭い厚さを有することができる。
【0021】
前記冷却流路は同一の幅を有し、前記冷却流路の注入口及び排出口が前記モジュールフレームの上部の同一の側面に位置することができる。
【0022】
前記第1ヒートシンクは、前記上部プレートの一側で互いに離隔して位置する第1突出部および第2突出部を含み、前記第1突出部および前記第2突出部の下部は、前記第1突出部および前記第2突出部の端部から前記モジュールフレームに向かって延長される補助プレートが位置することができる。
【0023】
前記第1突出部の下部に位置する前記補助プレートに前記上部プレートに向かって貫通する第1貫通部が位置し、前記第2突出部の下部に位置する前記補助プレートに前記上部プレートに向かって貫通する第2貫通部が位置することができる。
【0024】
前記第1貫通部および前記第2貫通部のうちの一方は前記第1ヒートシンク内部に冷媒を注入する流入口であり、他方は前記第1ヒートシンク内部から冷媒を排出する排出口であり得る。
【0025】
前記流入口および前記排出口のうちの少なくとも一つは、その外周を囲むシーリング部材を含むことができる。
【0026】
前記モジュールフレームの下部と前記電池セル積層体との間に熱伝導性樹脂層が形成され、前記モジュールフレームの下部に熱伝達部材および第2ヒートシンクが順次に形成され、前記第2ヒートシンクの内部には冷媒流路が形成され得る。
【0027】
前記電池セル積層体で発生した熱は第2方向に伝達され、前記第2方向は前記電池セルの中心を基準として前記第2ヒートシンクに向かうそれぞれの方向と対応し、前記第1方向に伝達される熱が前記第2方向に伝達される熱より多くてもよい。
【0028】
また、前記熱伝達部材は、防熱パッドである電池モジュールが提供され得る。
【0029】
また、本発明の一実施形態による電池モジュールを含む電池パックが提供され得る。
【発明の効果】
【0030】
実施形態によれば、モジュールフレームとヒートシンクが一体化した構造で、冷却構造が単純化されると共に、冷却性能が改善された電池モジュールが提供され得る。
【0031】
また、電池セルで発生した熱が外部に伝達される熱伝達経路が単純化されて、電池モジュールの冷却効率を増大させることができる。
【0032】
本発明の効果は、前述した効果に制限されず、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】従来の電池モジュールの斜視図である。
図2図1の切断線A-A’に沿って切断した断面図である。
図3図2のA1領域を拡大して示す図面である。
図4】本発明の一実施形態による電池モジュールを示す分解斜視図である。
図5図4の電池モジュールを構成する構成要素を結合した状態を示す斜視図である。
図6図5のB1領域を拡大して示す図面である。
図7図6の切断線C-C’に沿って切断した断面図である。
図8】本発明の他の一実施形態による電池モジュールであり、図5の切断線B-B’に沿って切断した断面図である。
図9図8のB2領域を拡大して示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0035】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0036】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0037】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0038】
また、明細書全体において、「平面状」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面状」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0039】
以下、本発明の一実施形態による二次電池用電極について説明する。ただし、ここで電池モジュールの前後面のうち前面を基準として説明するが、必ずこれに限定されるのではなく、後面である場合にも同一または類似の内容で説明され得る。
【0040】
図4は本発明の一実施形態による電池モジュールを示す分解斜視図である。図5図4の電池モジュールを構成する構成要素を結合した状態を示す斜視図である。
【0041】
図4および図5を参照すれば、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200、電池セル積層体200が配置されたモジュールフレーム300、モジュールフレーム300の上部に位置する第1ヒートシンク700、および電池セル積層体200の前後面を覆うエンドプレート800を含む。
【0042】
一例として、モジュールフレーム300は、上部面、前面および後面が開放されたU字形フレーム320、電池セル積層体200の上部を覆う上部カバー310を含む。U字形フレーム320は、電池セル積層体200が挿入される方向に位置する底部321と、底部321両側で電池セル積層体200の両側面を囲む側面部322を含む。ただし、モジュールフレーム300はこれに限定されるものでなく、L字形フレームまたは前後面を除いて電池セル積層体200を囲むモノフレームのような他の形状のフレームに代替され得る。
【0043】
本実施形態による第1ヒートシンク700は、陥没部715が形成された上部プレート710と、上部プレート710と結合する下部プレート310を含む。この時、第1ヒートシンク700の下部プレート310は、モジュールフレーム300の上部カバー310を構成することができる。以下、第1ヒートシンク700の下部プレート310とモジュールフレーム300の上部カバー310は同一の構成として説明する。
【0044】
第1ヒートシンク700は、上部プレート710と下部プレート310との間に少なくとも一つの隔壁720が形成されることによって冷媒が流動する冷却流路を形成することができる。隔壁720は、上部プレート710に形成された陥没部715により形成される構造物に該当し、陥没部715は、下部プレート310から遠ざかる方向に上部プレート710内に形成され得る。
【0045】
モジュールフレーム300は、上部面、前面および後面が開放されたU字形フレーム320、電池セル積層体200の上部を覆う上部カバー310を含む。ただし、モジュールフレーム300はこれに限定されるものでなく、L字形フレームまたは前後面を除いて電池セル積層体200を囲むモノフレームのような他の形状のフレームに代替され得る。
【0046】
電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましい。電極組立体を樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに収納した後、前記パウチケースのシーリング部を熱融着して製造され得る。このような電池セル110は、複数個で構成することができ、複数の電池セル110は、互いに電気的に連結され得るように積層された電池セル積層体200を形成する。特に、図4に示されているようにx軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層され得る。
【0047】
ただし、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、電池セル積層体120が既存の電池モジュールに比べて相対的に多い個数の電池セルを含む大面積モジュールであり得る。大面積モジュールの場合、電池モジュールの水平方向長さが相対的に長くなる。ここで、電池モジュールの水平方向の長さとは、電池セルが積層された方向への長さを意味し得る。そのために、電池モジュール100が大面積モジュールに該当する場合、電池セル積層体200に含まれている電池セル110の個数がより多くなることによって発生される熱も増加することができる。そのために、電池モジュール100は冷却性能がより向上される必要がある。
【0048】
本実施形態による電池モジュール100に含まれる第1ヒートシンク700は、モジュールフレーム300の上部に位置する。第1ヒートシンク700は、モジュールフレーム300の上部カバー310が第1ヒートシンク700の下部プレートを構成することによって、第1ヒートシンク700の冷却流路を通じて流れる冷媒がモジュールフレーム300の上部カバー310と接触することができる。そのために、電池セル110で発生した熱がモジュールフレーム300の上部と接する冷媒により急速に冷却されて、冷却効率が向上することができる。また、従来の電池モジュール10とは異なり、不要な冷却構造が除去されて電池モジュール100の高さが減少して原価節減および空間活用度も向上することができる。
【0049】
特に、電池セル積層体200の上端部に電池セル110のシーリング部(図示せず)が位置する場合、前記シーリング部で火炎などが排出される可能性がある。そのために、電池セル積層体200上端部で発熱が相対的に激しくなり得るが、本実施形態によれば、電池セル積層体200上端部に隣接して第1ヒートシンク700が配置されることによって冷却効率をより向上させることができる。
【0050】
第1ヒートシンク700は、モジュールフレーム300の上部カバー310の少なくとも一部領域に熱融着または溶接のような工程を通じて連結され得る。特に、第1ヒートシンク700の上部プレート710は、モジュールフレーム300の上部カバー310と接する領域が熱融着または溶接のような工程を通じて直接結合され得る。そのために、第1ヒートシンク700の内部に形成された陥没部715に流れる冷媒が外部に漏れることなく流動され得る。
【0051】
第1ヒートシンク700に形成された陥没部715は、上部プレート710が上側に突出形成された部分であり、陥没部715は上部プレート710内で曲がりくねった冷却流路を形成することができる。したがって、隣接した陥没部715の間に隔壁720が作られ得る。陥没部715は、冷媒が流れる方向を基準として垂直にyz平面で切断した断面がU字形管であり、前記U字形管の開放された下側にモジュールフレーム300の上部カバー310が位置することができる。
【0052】
第1ヒートシンク700は、上部プレート710とモジュールフレームの上部カバー310との間に少なくとも一つの隔壁720が形成されることによって陥没部715に対応する冷却流路を形成することができる。ここで、隔壁720は、上部プレート710からモジュールフレーム300の上部カバー310に向かう方向に突出した模様であり得る。隔壁720は、モジュールフレーム300の上部カバー310と直接結合することができる。特に、モジュールフレーム300の上部カバー310と直接結合する隔壁720の一領域は、モジュールフレーム300の上部カバー310の少なくとも一部領域に熱融着または溶接のような工程を通じて連結され得る。そのために、第1ヒートシンク700の内部で冷媒が隔壁720に沿って形成された冷却流路を通じて流動され得る。
【0053】
また、隔壁720は、陥没部715の幅より狭い厚さを有することができる。隔壁720は、冷却流路が形成される空間である陥没部715を最大限に広げるために、モジュールフレーム300の上部カバー310と直接結合できる程度の最小化された厚さを有することができる。そのために、第1ヒートシンク700に含まれる冷媒の量を最大化することができるため、電池セル110で発生した熱に対する冷却効率が向上することができる。
【0054】
陥没部715は、冷媒流路の幅間の温度偏差を減らすために、第1ヒートシンク700内で冷却流路が数回曲がる形状を有することがより好ましい。
【0055】
以下、本発明の一実施形態による第1ヒートシンク700の構成についてより詳細に説明する。
【0056】
図6図5のB1領域を拡大して示す図面である。図7図6の切断線C-C’に沿って切断した断面図である。
【0057】
図6および図7を参照すれば、本発明の一実施形態による電池モジュール100に含まれる第1ヒートシンク700は、上部プレート710、上部プレート710から延長して形成された隔壁720、隔壁720により区画される陥没部715だけでなく、第1ヒートシンク700の一側に形成された第1突出部740および第2突出部745を含むことができる。特に、第1突出部740および第2突出部745は、モジュールフレーム300の上部カバー310と隣接した一側に位置することができる。
【0058】
第1突出部740および第2突出部745は、上部プレート710が延長して形成され、モジュールフレーム300の上部カバー310を逸脱してy軸方向に延長された領域である。一例として、第1突出部740および第2突出部745のそれぞれの下部に補助プレート730が熱融着または溶接のような工程を通じて直接結合していてもよい。
【0059】
補助プレート730は、少なくとも一部領域に貫通部730Pを含むことができる。貫通部730Pは、補助プレート730から上部プレート710に向かうように貫通した領域である。つまり、貫通部730Pは、陥没部715の一部領域が開放されるようにするホールであり得る。貫通部730Pは、第1貫通部740Pおよび第2貫通部745Pを含むことができ、第1突出部740には第1貫通部740Pが形成され、第2突出部745には第2貫通部745Pが形成され得る。第1貫通部740Pは、外部から第1ヒートシンク700内部に冷媒を供給する流入口または第1ヒートシンク700内部で流動された冷媒が第1ヒートシンク700外部に排出されるようにする排出口であり得る。一例として、第1突出部740に形成された第1貫通部740Pが流入口である場合には、第2突出部745に形成された第2貫通部745Pが排出部であり得、その反対の場合にも同様である。
【0060】
また、図7に示されているように、貫通部730Pは、その外周を囲むシーリング部材750を含むことができる。貫通部730P外周にシーリング部材750が形成されることによって、冷媒の流入および排出時に冷媒の漏出が防止され得る。また、本実施形態によるシーリング部材750の構造に制限はないが、ガスケット(Gasket)形態の部材またはバルブポート(Valve port)の部材が適用され得る。
【0061】
また、貫通部730Pは、冷媒をヒートシンクに供給および排出する別途の冷却ポート(図示せず)が連結され得る。ここで冷却ポート(図示せず)は、冷媒注入ポートと冷媒排出ポートを含むことができる。一例として、第1貫通部740Pが流入口である場合には冷媒注入ポートが連結され、第2貫通部745Pが排出口である場合には冷媒排出ポートが連結され得る。
【0062】
図8は本発明の他の一実施形態による電池モジュールであり、図5の切断線B-B’に沿って切断した断面図である。図9図8のB2領域を拡大して示す図面である。特に、図8および図9の実施形態による電池モジュール100は、電池モジュール100の下に位置する熱伝達部材500および第2ヒートシンク600を追加的に含むことができる。
【0063】
前述したように、電池モジュール100は、複数の電池セル110を含むため、充放電過程で多量の熱を発生させる。特に、電池モジュール100が大面積モジュールを形成するために既存の電池モジュールに比べてより多い電池セルを含む電池セル積層体を一つの電池モジュール内に装着することによって、従来の電池モジュール10に比べてより多量の熱が発生することがある。これに対する冷却手段として、電池モジュール100は、モジュールフレーム300の上部310に位置する第1ヒートシンク700を含むことができる。
【0064】
図8および図9を参照すれば、電池セル110から発生した熱が第1方向D1に沿って、モジュールフレーム300の上部310および第1ヒートシンク700に含まれている冷媒を順次に経て電池モジュール100の外部に伝達され得る。ここで、第1方向D1は、電池セル110の中心を基準として第1ヒートシンク700に向かう方向と対応する方向であり得る。そのために、従来の不要な冷却構造が除去されて熱伝達経路が単純化され、各層の間のエアーギャップが減ることができるため、冷却効率や性能が増大することができる。特に、図1および図2の従来のヒートシンク60と比較すると、第1ヒートシンク700に含まれている冷媒がモジュールフレーム300の上部310に接触し、より直接的な冷却が可能になり得る。
【0065】
また、モジュールフレーム300の下部310は、電池セル積層体を固定したり、絶縁性能を確保するための別途の層が要求されるのとは異なり、モジュールフレーム300の上部310は、電池セル積層体200の上部と直ちに接触している。そのために、モジュールフレーム300の下部321に第1ヒートシンク700が位置するよりは、モジュールフレーム300の上部310に第1ヒートシンク700が位置することが冷媒による直接的な冷却を行うことにおいてより効果的であり得る。
【0066】
本発明の他の一実施形態によれば、電池モジュール100は、第1ヒートシンク700と共に補助的な冷却手段として、電池セル積層体200とモジュールフレーム300の底部321との間に位置する熱伝導性樹脂層400を含むことができる。また、電池モジュール100がパックフレームに装着されて電池パックを形成する時、電池モジュール100の下に熱伝達部材500およびヒートシンク600が順次に位置することができる。熱伝達部材500は、放熱パッドであり、ヒートシンク600内部には冷媒流路が形成され得る。
【0067】
図8および図9を参照すれば、電池セル110から発生した熱の少なくとも一部は第2方向D2に沿って、熱伝導性樹脂層400、モジュールフレーム300の底部321、熱伝達部材500、および第2ヒートシンク600を順次に経て電池モジュール100の外部に伝達され得る。ここで、第2方向D2は、電池セル110の中心を基準として第2ヒートシンク600に向かう方向と対応する方向であり得る。第2ヒートシンク600を通じた熱伝達経路は、第1ヒートシンク700に比べて複雑であるが、電池モジュール100が大面積モジュールを形成することによって発生される熱に対して補助的に冷却を行うことができる。つまり、第1方向D1に伝達される熱が第2方向D2に伝達される熱より多くてもよい。
【0068】
そのために、電池モジュール100は、電池セル110で発生した熱が主に第1ヒートシンク700に向かう第1方向D1に伝達されて直接的に冷却され、補助的に第2方向D2に伝達されて第2ヒートシンク600を通じて冷却されることによって冷却性能がより向上し、発熱の問題を細部的に統制することができる。また、電池セル110で発生した熱が第1方向D1および第2方向D2に分散して冷却されることによって、電池セル積層体200の温度偏差が従来に比べて減ることができる。
【0069】
前述した本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0070】
前記電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0071】
以上で本出願で説明する発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本出願で説明する発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本出願で説明する発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本出願で説明する発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0072】
100:電池モジュール
110:電池セル
120:電池セル積層体
130:バスバ-フレーム
140:保護フレーム
200:電池セル積層体
300:モジュールフレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9