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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】バックアップシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/14 20060101AFI20231218BHJP
   G06F 16/11 20190101ALI20231218BHJP
【FI】
G06F11/14 669
G06F16/11
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019089078
(22)【出願日】2019-05-09
(65)【公開番号】P2020184265
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】山本 大稀
(72)【発明者】
【氏名】志水 章紀
(72)【発明者】
【氏名】豊田 耕司
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-084944(JP,A)
【文献】特開2005-202774(JP,A)
【文献】特開2012-128702(JP,A)
【文献】特開2013-149114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/14
G06F 16/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、給水装置と通信可能である端末とを含むバックアップシステムであって、
前記サーバは、
識別データをキーデータに関連付けて記憶する第1の記憶部と、
前記キーデータを、交換前の第1の給水装置のパラメータを含むバックアップデータに関連付けて記憶する第2の記憶部と、
前記第1の給水装置の交換時または部品の交換時に、ユーザまたは前記端末から、前記第1の給水装置または前記第1の給水装置の部品を識別する第1の識別データと、交換後の第2の給水装置または前記第2の給水装置の部品を識別する第2の識別データとを含む初期設定要求を取得する第1の取得部と、
前記初期設定要求に応じて、前記第1の記憶部において前記第1の識別データに関連付けられているキーデータである第1のキーデータに関連付けて、前記第2の識別データを前記第1の記憶部に登録する登録部と、
を具備し、
前記端末を介して、前記第1の給水装置から交換された前記第2の給水装置または交換された部品に対して前記バックアップデータを引き継ぐ、バックアップシステム
【請求項2】
サーバと、給水装置と通信可能である端末とを含むバックアップシステムであって、
前記サーバは、
前記給水装置または前記給水装置の部品を識別する識別データをキーデータに関連付けて記憶する第1の記憶部と、
前記キーデータを、前記給水装置のパラメータを含むバックアップデータに関連付けて記憶する第2の記憶部と、
ユーザまたは前記端末から、前記識別データを含む検索要求を取得する取得部と、
前記検索要求に応じて、前記第1の記憶部において前記識別データに関連付けられている前記キーデータを検索し、さらに前記第2の記憶部において前記キーデータに関連付けられている前記バックアップデータを検索する検索部と
をさらに具備し、
前記端末を介して、前記給水装置に前記バックアップデータを設定する、バックアップシステム
【請求項3】
前記サーバは、
前記ユーザまたは前記端末から、の識別データと、第2のバックアップデータとを含むバックアップ要求を取得する第3の取得部をさらに具備し、
前記登録部は、前記バックアップ要求に応じて、前記第1の記憶部において前記第の識別データに関連付けられているキーデータである第のキーデータに関連付けて、前記第2のバックアップデータを前記第2の記憶部に登録する、
請求項1に記載のバックアップシステム
【請求項4】
前記サーバは、
前記初期設定要求の送信元である端末へ、前記第2の記憶部において前記第1のキーデータに関連付けられているバックアップデータである第3のバックアップデータを含む、前記初期設定要求への応答を返す応答部をさらに具備し、
する、請求項1または請求項3に記載のバックアップシステム
【請求項5】
前記端末
前記第1の給水装置から前記第1の識別データおよび前記第2の給水装置から前記第2の識別データをそれぞれ取得する取得部と、
記初期設定要求を発行する要求発行部と、
前記初期設定要求を前記サーバへ送信する通信部と
を具備する、請求項1に記載のバックアップシステム
【請求項6】
前記端末
前記給水装置から前記識別データを取得する取得部と、
記識別データを含む前記検索要求を発行する要求発行部と、
前記検索要求を前記サーバへ送信し、前記検索要求の応答として前記識別データによって識別される前記給水装置に設定されたパラメータを含む前記バックアップデータを受信する通信部と、
記バックアップデータに含まれる前記パラメータに基づいて、前記識別データによって識別される機器に当該パラメータを設定するためのコマンドを発行するコマンド発行部と、
前記コマンドを前記給水装置へ送信するコマンド送信部と
を具備する、請求項2に記載のバックアップシステム
【請求項7】
前記端末
前記第1の給水装置から前記第1の識別データおよび前記第2の給水装置から前記第2の識別データをそれぞれ取得する取得部と、
記初期設定要求を発行する要求発行部と、
前記初期設定要求を前記サーバへ送信し、前記初期設定要求の応答として前記第1の識別データによって識別される前記第1の給水装置に設定されたパラメータを含む前記第3のバックアップデータを受信する通信部と、
前記第3のバックアップデータに含まれる前記パラメータに基づいて、前記第2の識別データによって識別される前記第2の給水装置に当該パラメータを設定するためのコマンドを発行するコマンド発行部と、
前記コマンドを前記第2の給水装置へ送信するコマンド送信部と
を具備する、請求項4に記載のバックアップシステム。
【請求項8】
サーバと、給水装置と通信可能である端末とを含むバックアップシステムであって、
前記サーバは、
識別データを、交換前の第1の給水装置のパラメータを含むに関連付けて記憶する記憶部と、
前記第1の給水装置の交換時または部品の交換時に、ユーザまたは前記端末から、前記第1の給水装置または前記第1の給水装置の部品を識別する第1の識別データと、交換後の第2の給水装置または前記第2の給水装置の部品を識別する第2の識別データとを含む初期設定要求を取得する取得部と、
前記初期設定要求に応じて、前記記憶部において前記第1の識別データに関連付けられているバックアップデータである第1のバックアップデータに関連付けて、前記第2の識別データを前記記憶部に登録する登録部と、
を具備し、
前記端末を介して、前記第1の給水装置から交換された前記第2の給水装置または交換された部品に対して前記バックアップデータを引き継ぐ、
するバックアップシステム
【請求項9】
前記サーバは、
前記初期設定要求に応じて前記第2の識別データが前記記憶部に保存された後に、前記第1の識別データと、前記第1の識別データに関連付けられている前記第1のバックアップデータとを前記記憶部から削除する削除部をさらに具備する、請求項に記載のバックアップシステム
【請求項10】
前記初期設定要求の送信元は、前記サーバに接続された前記端末であって、
前記サーバは、前記初期設定要求に応じて前記第2の識別データが前記記憶部に保存された後に、前記第1のバックアップデータを含む、前記初期設定要求への応答を前記端末へ返す応答部をさらに具備する、
請求項または請求項に記載のバックアップシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データのバックアップに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、給水装置などの各種の機器は、設置時に可変のパラメータを設定され得る。機器に適切なパラメータを設定することで、その使用環境にふさわしい動作を当該機器にさせることが可能となる。そして、機器またはその部品(例えば、制御基板、またはこれを含む電装部など)の交換後にも、交換前のパラメータを継続して設定することがある。また、例えば、機器に不具合が生じた時には、作業員が当該機器のパラメータを調整することがあるが、調整後のパラメータが不適切であることが判明した場合に、調整前のパラメータを機器に再設定することもある。
【0003】
しかしながら、従来、機器に設定されているパラメータは、様々に管理されてきた。例えば、パラメータを記載したラベルが機器に貼り付けられることもあれば、機器とは別体の文書としてもしくは電磁的に記録されていることもあったし、そもそも全く管理されないこともあり得た。このようにパラメータの管理法が統一されていなければ、例えば機器もしくはその部品の交換時またはパラメータの調整時などの必要時に、作業員が機器に設定されていたパラメータを効率的に特定することが困難となることが予想される。故に、機器のパラメータを統一的に管理することが望まれる。
【0004】
特許文献1には、MFP(Multifunction Peripheral)を対象に、データのバックアップ/復元をするための技法が開示されている。具体的には、特許文献1の[0021]によれば、データバックアップサーバ400A~400Cは、MFP100側から取得したバックアップ情報a1~a3を記憶する記憶デバイス403を有しており、バックアップ情報a1~a3には、MFP100を識別するための機器固有情報と、識別情報を有するバックアップ(特定)データが含まれる。すなわち、特許文献1の技法によれば、多数のMFP100のバックアップデータを、データバックアップサーバ400A~400Cによって統一的に管理することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-84944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、MFP100またはその部品を交換すること、ましてや交換前のバックアップデータを交換後も引き継ぐこと、については想定されていない。仮に、ある機器固有情報を持つMFP100またはその部品が、異なる機器固有情報を持つMFPまたは部品に交換されるとすれば、後者の機器固有情報から直ちに前者の機器固有情報に対応するバックアップデータを取得することはできない。
【0007】
本発明は、機器のバックアップデータを当該機器またはその部品の交換後も自動的に引き継いで管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るバックアップサーバは、第1の記憶部と、第2の記憶部と、第1の取得部と、登録部とを含む。第1の記憶部は、識別データをキーデータに関連付けて記憶する。第2の記憶部は、キーデータをバックアップデータに関連付けて記憶する。第1の取得部は、第1の識別データと、第1の識別データとは異なる第2の識別データとを含む初期設定要求を取得する。登録部は、初期設定要求に応じて、第1の記憶部において第1の識別データに関連付けられているキーデータである第1のキーデータに関連付けて、第2の識別データを第1の記憶部に登録する。
【0009】
本発明の別の態様に係るバックアップサーバは、記憶部と、取得部と、登録部とを含む。記憶部は、識別データをバックアップデータに関連付けて記憶する。取得部は、第1の識別データと、第1の識別データとは異なる第2の識別データとを含む初期設定要求を取得する。登録部は、初期設定要求に応じて、記憶部において第1の識別データに関連付けられているバックアップデータである第1のバックアップデータに関連付けて、第2の識別データを記憶部に登録する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機器のバックアップデータを当該機器またはその部品の交換後も自動的に引き継いで管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係るバックアップサーバを含むバックアップシステムを例示するブロック図。
図2図1中のバックアップサーバを例示するブロック図。
図3図1中の端末を例示するブロック図。
図4図1中の給水装置を例示するブロック図。
図5図2のキーデータ記憶部に保存されるキーデータテーブルの説明図。
図6図2のバックアップデータ記憶部に保存されるバックアップデータテーブルの説明図。
図7】バックアップデータ登録時における図1のバックアップシステムの動作を例示するシーケンス図。
図8】データ復元時における図1のバックアップシステムの動作を例示するシーケンス図。
図9】給水装置交換時における図1のバックアップシステムの動作を例示するシーケンス図。
図10】第2の実施形態に係るバックアップサーバを例示するブロック図。
図11図10のバックアップデータ記憶部に保存されるバックアップデータテーブルの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0013】
なお、以降の説明において便宜上、データバックアップの対象となる機器を給水装置と仮定するが、機器は給水装置に限定されない。例えば、機器は、揚水、排水、圧縮などの任意の用途のポンプ装置であってもよいし、ポンプ装置以外の種々の電気または機械設備、例えば、コンピュータ、OA(Office Automation)機器、家電機器、ロボット、産業機械、などであってもよい。
【0014】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るバックアップシステムは、図1に例示されるように、バックアップサーバ100と、端末200-1,200-2,200-3,・・・と、給水装置300-1,300-2,300-3,300-4,300-5,300-6,・・・とを含む。
【0015】
なお、図1における各装置の数は例示に過ぎない。例えば、バックアップサーバ100は、複数台のサーバとして冗長化されてもよいし、端末200および給水装置300の数は任意であるので、端末200の数は3台より多くても少なくてもよいし、給水装置300の数は6台より多くても少なくてもよい。
【0016】
端末200は、例えば、移動通信(例えば、3G、4G、5G、モバイルWiMAX)、無線LAN(Local Area Network)、WiMAXなどの無線通信技術を用いて、ネットワーク経由でバックアップサーバ100に接続可能である。また、端末200は、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、NFC(Near Field Communication)などの(近距離)無線通信技術、またはUSB(Universal Serial Bus)などの有線通信技術を用いて、給水装置300に接続可能である。
【0017】
端末200は、給水装置300に対して当該給水装置300(またはその制御基板などの部品)を識別する識別データを要求したり、当該給水装置300に設定されているパラメータなどのバックアップデータを要求したりするためのデータ取得コマンドを発行し、これを当該給水装置300へ送信する。端末200は、給水装置300から受信したデータに基づいて、バックアップサーバ100に対する種々の要求を発行する。
【0018】
そして、端末200は、給水装置300のバックアップデータを登録するために後述するバックアップ要求をバックアップサーバ100へ送信したり、給水装置300のパラメータを復元するために後述する検索要求をバックアップサーバ100へ送信したり、給水装置300について登録済みのバックアップデータを当該給水装置300またはその部品の交換後も引き継ぐために後述される初期設定要求をバックアップサーバ100へ送信したりする。
【0019】
また、端末200は、給水装置300のパラメータなどのデータ復元時には、バックアップサーバ100から上記検索要求への応答として当該給水装置300のパラメータを含むバックアップデータを受信し、このパラメータを当該給水装置300に設定するためのパラメータ設定コマンドを発行し、当該給水装置300へ送信し得る。
【0020】
バックアップサーバ100は、給水装置300毎にバックアップデータを管理する。具体的には、バックアップサーバ100は、端末200から受信したバックアップ要求に応じて端末200のバックアップデータを内部のデータベースに登録したり、端末200から受信した検索要求に応じて該当する給水装置300のバックアップデータをこのデータベースから検索して端末200に返したり、端末200から受信した初期設定要求に応じて新規(例えば交換後)の給水装置300の識別データを、既存(例えば交換前)の給水装置300の識別データと関連付ける。このように、「初期設定」は、2つの識別データの関連付けを行うものであるので、「リンク設定」などと呼ぶこともできる。
【0021】
具体的には、第1の実施形態に係るバックアップサーバ100は、給水装置300のバックアップデータを索引用のキーデータに関連付けた第1のデータベースと、当該キーデータを給水装置300の識別データに関連付けた第2のデータベースとを構築している。上記初期設定要求は、後述するように、第2のデータベースに登録済みであるリンク元識別データと、このリンク元識別データに新たに関連付けられることになるリンク先識別データとを含んでいる。バックアップサーバ100は、初期設定要求に含まれるリンク元識別データに関連付けられたキーデータを第2のデータベースから検索し、当該初期設定要求に含まれるリンク先識別データをこのキーデータに関連付けて第2のデータベースに登録する。故に、初期設定要求が正常に処理された以後は、バックアップサーバ100は、リンク先識別データを含んだ検索要求を受信すると、第2のデータベースからリンク元識別データに関連付けられていたキーデータと同一のキーデータを検索し、第1のデータベースからこのキーデータに関連付けられた、すなわちリンク元識別データによって識別される給水装置300のバックアップデータを検索し、端末200に返すことが可能となる。すなわち、リンク元識別データによって識別される給水装置300またはその部品が、リンク先識別データによって識別される給水装置300またはその部品と交換された後にも、前者の給水装置300のバックアップデータを引き継ぐことができる。
【0022】
給水装置300は、後述されるように記憶部を含む電装部を備えており、例えば製造時、出荷時、納入時などの時点で、この記憶部に当該給水装置300の識別データが書き込まれている。そして、給水装置300は、例えば端末200からのデータ取得コマンドに応じて、自己の識別データ、バックアップサーバ100にバックアップされるべきデータ(例えば、設定されているパラメータ)、などを記憶部から読み出し、端末200へ送信する。また、給水装置300は、端末200からパラメータ設定コマンドなどのコマンドを受信し、当該コマンドに従って例えばパラメータの設定などを行う。
【0023】
以下、図1中のバックアップサーバ100、端末200、および給水装置300の構成および動作について順に図面を用いて説明する。
まず、バックアップサーバ100の構成例を説明する。バックアップサーバ100は、例えばサーバコンピュータである。バックアップサーバ100は、端末200からの要求の処理、すなわち、バックアップデータの登録および検索と、識別データ間の関連付け(すなわちリンク設定)、などを行うプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)など)を含む。さらに、バックアップサーバ100は、かかる処理を実現するためにプロセッサによって実行されるプログラムおよび当該プロセッサによって使用されるデータなどを一時的に格納するメモリを含む。
【0024】
バックアップサーバ100は、さらに、外部装置に接続するための通信I/F(インタフェース)を利用可能である。通信I/Fは、バックアップサーバ100に内蔵されてもよいし、バックアップサーバ100に外付けされてもよい。
【0025】
通信I/Fは、ネットワーク、典型的にはインターネット経由で端末200と通信をする。通信I/Fは、端末200から種々の要求を受信したり、当該要求に対する応答を端末200へ送信したりする。
【0026】
バックアップサーバ100は、さらに、データを蓄積するための補助記憶装置を利用可能である。補助記憶装置は、バックアップサーバ100に内蔵されてもよいし、バックアップサーバ100に外付けされてもよい。
【0027】
補助記憶装置は、例えば、端末200または図示されない他の通信装置から受信した要求に基づいて登録された、識別データ、キーデータ、バックアップデータ、などを蓄積する。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体であることが好ましい。或いは、補助記憶装置は、バックアップサーバ100にネットワーク経由で接続されたファイルサーバであり得る。
【0028】
バックアップサーバ100は、さらに、ユーザ入力を受け付けるための入力I/Fを利用可能である。入力I/Fは、バックアップサーバ100に内蔵されてもよいし、バックアップサーバ100に外付けされてもよい。
【0029】
入力I/Fは、例えば、キーボード、マウス、テンキー、マイクロフォン、カメラなどであってもよいし、タッチスクリーンのように出力I/Fの機能を備えていてもよい。ユーザ入力は、典型的には、タップ、クリック、ドラッグ、特定のキーの押下などであり得る。このほか、ユーザ入力は、例えば、マイクロフォンによって捉えられる音声などを含むこともできる。
【0030】
次に、図2を用いてバックアップサーバ100の構成例の説明を続ける。図2のバックアップサーバ100は、初期設定要求取得部101と、バックアップ要求取得部102と、検索要求取得部103と、データ登録部104と、キーデータ記憶部105と、バックアップデータ記憶部106と、データ検索部107と、要求応答部108とを含む。
【0031】
初期設定要求取得部101は、初期設定要求を取得する。初期設定要求は、キーデータ記憶部105に構築されるデータベースに登録済みのリンク元識別データと、これとは異なるリンク先識別データとを含む。初期設定要求は、典型的には、給水装置300(またはその電装部などの部品)の交換時に発行され得、この場合にリンク元識別データは交換前の給水装置300を識別するデータであって、リンク先識別データは交換後の給水装置300を識別するデータである。初期設定要求取得部101は、端末200から初期設定要求を受信することもあり得るし、例えば、キー入力などのユーザ入力、画像(バーコードを含む)読み取り、などに基づいて初期設定要求を取得することもあり得る。すなわち、初期設定要求取得部101は、前述の通信I/Fおよび/または入力I/Fに相当し得る。初期設定要求取得部101は、初期設定要求をデータ登録部104へ送る。
【0032】
なお、各種の要求に含まれる識別データは、ハッシュ化されていてもよい。これにより、キーデータ記憶部105および/またはバックアップデータ記憶部106に保存されたデータが何らかの理由で漏洩したとしても、個々のバックアップデータがいずれの給水装置300のものであるかを特定されるのを防ぐことができる。
【0033】
バックアップ要求取得部102は、バックアップ要求を取得する。バックアップ要求は、識別データと、バックアップデータとを含む。バックアップ要求は、典型的には、給水装置300の初回設置時、給水装置300のパラメータの変更時、などに発行され得る。バックアップ要求取得部102は、端末200からバックアップ要求を受信することもあり得るし、例えば、キー入力などのユーザ入力、画像(バーコードを含む)読み取り、などに基づいてバックアップ要求を取得することもあり得る。すなわち、バックアップ要求取得部102は、前述の通信I/Fおよび/または入力I/Fに相当し得る。バックアップ要求取得部102は、バックアップ要求をデータ登録部104へ送る。
【0034】
検索要求取得部103は、検索要求を取得する。検索要求は、識別データを含む。検索要求は、典型的には、給水装置300のパラメータなどのデータ復元時に発行され得る。検索要求取得部103は、例えば端末200から検索要求を受信する。すなわち、検索要求取得部103は、前述の通信I/Fに相当し得る。検索要求取得部103は、検索要求をデータ検索部107へ送る。
【0035】
データ登録部104は、前述のプロセッサに相当し得る。データ登録部104は、種々の要求、例えば、初期設定要求、バックアップ要求、などに応じて、キーデータ記憶部105および/またはバックアップデータ記憶部106に構築されたデータベースへデータ(エントリ)を登録する。
【0036】
データ登録部104は、初期設定要求取得部101から初期設定要求を受け取る。データ登録部104は、初期設定要求に含まれるリンク元識別データに関連付けられているキーデータである第1のキーデータを、キーデータ記憶部105に構築されているデータベースから検索する。そして、データ登録部104は、初期設定要求に含まれるリンク先識別データをこの第1のキーデータに関連付けて、上記データベースに登録する(すなわち、キーデータ記憶部105に登録する)。
【0037】
具体的には、キーデータ記憶部105は、図5に例示されるように、エントリe11,e12,e13,・・・を含むキーデータテーブル(DB)を保存し得る。ここで、初期設定要求がリンク元識別データとしてのid_b1、およびリンク先識別データとしてのid_b2を含んでいたとする。この場合に、データ登録部104は、このキーデータテーブルから、リンク元識別データとしてのid_b1に関連付けられているキーデータであるkey_2を検索する。そして、データ登録部104は、このキーデータを複製し、リンク先識別データとしてのid_b2をこれに関連付けて、上記テーブルに新たなエントリとして登録する。これにより、リンク元識別データとしてのid_b1によって識別される給水装置300のバックアップデータを、リンク先識別データとしてのid_b2に基づいて検索、そして復元することが可能となる。
【0038】
なお、初期設定要求がいずれかの端末200から受信されていた場合には、データ登録部104はリンク先識別データの登録完了後に、この初期設定要求への応答として初期設定完了通知を発行し、要求応答部108へ送ってもよい。或いは、データ登録部104はリンク先識別データの登録完了後に、この初期設定要求への応答として、バックアップデータ記憶部106に構築されたデータベースにおいて第1のキーデータに関連付けられているバックアップデータを読み出し、要求応答部108へ送ってもよい。後者の応答によれば、端末200は検索要求を発行せずともリンク先識別データによって識別される給水装置300のバックアップデータを取得することができる。これは、例えば、給水装置300の交換時に、バックアップデータの引き継ぎに加えて、交換後の給水装置300に交換前の給水装置300のパラメータを設定するのに有用である。
【0039】
データ登録部104は、バックアップ要求取得部102からバックアップ要求を受け取る。データ登録部104は、まずは、バックアップ要求に含まれる識別データに関連付けられているキーデータを、キーデータ記憶部105に構築されているデータベースから検索する。そして、検索に成功した場合に、データ登録部104は、バックアップ要求に含まれるバックアップデータをこのキーデータに関連付けて、バックアップデータ記憶部106に構築されているデータベースに登録する(すなわち、バックアップデータ記憶部106に登録する)。
【0040】
他方、検索に失敗した場合、具体的にはバックアップ要求に含まれる識別データがキーデータ記憶部105に構築されているデータベースに登録されていなかった場合には、データ登録部104は、このデータベースに登録されているいずれのキーデータとも異なる新規のキーデータを発行し、この識別データを新規のキーデータに関連付けてこのデータベースに登録し得る。
【0041】
なお、バックアップ要求がいずれかの端末200から受信されていた場合には、データ登録部104はバックアップデータの登録完了後に、このバックアップ要求への応答としてバックアップ完了通知を発行し、要求応答部108へ送ってもよい。
【0042】
キーデータ記憶部105は、識別データをキーデータに関連付けて保存している。例えば、キーデータ記憶部105は、識別データおよびキーデータをテーブル形式で保存し得る。このテーブルは、データベースと呼ぶこともできる。キーデータ記憶部105において、各識別データは、1つのキーデータに関連付けられる。すなわち、いずれの識別データも複数のキーデータには関連付けられない。他方、キーデータ記憶部105において、キーデータが、複数の識別データに重複して関連付けられることはあり得る。キーデータ記憶部105は、前述のメモリおよび/または補助記憶装置に相当し得る。
【0043】
キーデータ記憶部105は、データ登録部104により識別データおよびキーデータを書き込まれ得る。また、キーデータ記憶部105に保存されたデータは、データ登録部104およびデータ検索部107によって読み出され得る(検索を含む)。
【0044】
バックアップデータ記憶部106は、キーデータをバックアップデータに関連付けて保存している。例えば、バックアップデータ記憶部106は、キーデータおよびバックアップデータをテーブル形式で保存し得る。このテーブルは、データベースと呼ぶこともできる。具体的には、バックアップデータ記憶部106は、図6に例示されるように、エントリe21,e22,e23,・・・を含むバックアップデータテーブル(DB)を保存し得る。バックアップデータ記憶部106は、前述のメモリおよび/または補助記憶装置に相当し得る。なお、ここで、バックアップデータは、バックアップデータ本体に限らず、URL(Uniform Resource Locator)などのバックアップデータ本体の所在を示すデータであってもよい。
【0045】
バックアップデータ記憶部106は、データ登録部104によりキーデータおよびバックアップデータを書き込まれ得る。また、バックアップデータ記憶部106に保存されたデータは、データ登録部104およびデータ検索部107によって読み出され得る(検索を含む)。
【0046】
データ検索部107は、前述のプロセッサに相当し得る。データ検索部107は、種々の要求、例えば検索要求などに応じて、キーデータ記憶部105および/またはバックアップデータ記憶部106に構築されたデータベースから、索引用のデータ、例えば、識別データ、キーデータ、などに関連付けられたデータを検索する。
【0047】
データ検索部107は、検索要求取得部103から検索要求を受け取る。データ検索部107は、まずは、検索要求に含まれる識別データに関連付けられているキーデータを、キーデータ記憶部105に構築されているデータベースから検索する。さらに、データ検索部107は、このキーデータに関連付けられているバックアップデータを、バックアップデータ記憶部106に構築されているデータベースから検索する。
【0048】
なお、検索要求がいずれかの端末200から受信されていた場合には、データ検索部107はバックアップデータの検索完了後に、この検索要求への応答としてバックアップデータを、要求応答部108へ送ってもよい。
【0049】
要求応答部108は、データ登録部104またはデータ検索部107から、端末200を送信元とする種々の要求に対する応答を受け取り、これを当該端末200へ返す(すなわち、ネットワーク経由で端末200へ送信する)。要求応答部108は、前述の通信I/Fに相当し得る。
【0050】
例えば、要求応答部108は、データ登録部104から、初期設定完了通知、またはバックアップデータを受け取り、これを初期設定要求に対する応答として端末200に返し得る。ここでのバックアップデータは、バックアップデータ記憶部106に構築されたデータベースにおいてあるキーデータに関連付けられているバックアップデータであって、このキーデータは、キーデータ記憶部105に構築されたデータベースにおいて、初期設定要求に含まれるリンク元識別データに関連付けられている。
【0051】
また、要求応答部108は、データ登録部104から、バックアップ完了通知を受け取り、これをバックアップ要求に対する応答として端末200に返し得る。
【0052】
さらに、要求応答部108は、データ検索部107から、バックアップデータを受け取り、これを検索要求に対する応答として端末200に返し得る。ここでのバックアップデータは、バックアップデータ記憶部106に構築されたデータベースにおいてあるキーデータに関連付けられているバックアップデータであって、このキーデータは、キーデータ記憶部105に構築されたデータベースにおいて、検索要求に含まれる識別データに関連付けられている。
【0053】
次に、端末200の構成例を説明する。端末200は、例えば、PC(Personal Computer)、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォンなど)などであり得るが、これらに限られない。端末200は、バックアップサーバ100への要求の発行、給水装置300へのコマンドの発行、後述されるローカルデータベースの管理、などを行うプロセッサを含む。さらに、端末200は、かかる処理を実現するためにプロセッサによって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータなどを一時的に格納するメモリを含む。
【0054】
端末200は、さらに、外部装置に接続するための通信I/Fを利用可能である。通信I/Fは、端末200に内蔵されてもよいし、端末200に外付けされてもよい。
【0055】
通信I/Fは、例えば、移動通信、無線LAN、WiMAXなどの通信技術を利用して、ネットワーク、典型的にはインターネット経由でバックアップサーバ100と通信をする。通信I/Fは、バックアップサーバ100へ種々の要求を送信したり、バックアップサーバ100から当該要求に対する応答を受信したりする。
【0056】
また、通信I/Fは、(近距離)無線通信技術、または有線通信技術を用いて、給水装置300と通信をする。通信I/Fは、給水装置300へ種々のコマンドを送信したり、給水装置300から当該コマンドに対する応答(例えば、識別データおよび/またはバックアップデータを含み得る)を給水装置300から受信したりする。
【0057】
なお、バックアップサーバ100に接続するための通信I/Fは、給水装置300に接続するための通信I/Fと共通であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、前者が4Gモジュールであって、後者がBluetoothモジュールであってもよい。
【0058】
端末200は、さらに、データを蓄積するための補助記憶装置を利用可能である。補助記憶装置は、端末200に内蔵されてもよいし、端末200に外付けされてもよい。
【0059】
補助記憶装置は、種々のデータ、例えば、後述されるローカルデータベース(DB)などが保存され得る。かかるローカルDBを用いることで、例えば給水装置300の設置場所が地下であるなどの端末200によるバックアップサーバ100への接続が困難な状況においても、バックアップサーバ100から事前にダウンロードしたデータに基づく復元処理、などが可能となる。
【0060】
端末200は、さらに、ユーザ入力を受け付けるための入力I/Fを利用可能である。入力I/Fは、端末200に内蔵されてもよいし、端末200に外付けされてもよい。
【0061】
次に、図3を用いて端末200の構成例の説明を続ける。図3の端末200は、識別データ取得部201と、バックアップデータ取得部202と、要求発行部203と、通信部204と、コマンド発行部205と、コマンド送信部206と、ローカルDB管理部207と、ローカルDB記憶部208とを含む。
【0062】
識別データ取得部201は、給水装置300を識別する識別データを取得する。識別データ取得部201は、給水装置300から識別データを受信することもあり得るし、例えば、キー入力などのユーザ入力、画像(バーコードを含む)読み取り、などに基づいて識別データを取得することもあり得る。すなわち、識別データ取得部201は、前述の通信I/Fおよび/または入力I/Fに相当し得る。なお、給水装置300は、端末200からの識別データ取得コマンドに応じて自己の識別データを送信することもあり得るし、例えば無線通信技術におけるビーコン信号のように自発的に自己の識別データを送信し、または端末200が読み取り可能な形式で表示することもあり得る。識別データ取得部201は、識別データを要求発行部203へ送る。
【0063】
バックアップデータ取得部202は、給水装置300に設定されているパラメータなどのバックアップデータを取得する。バックアップデータ取得部202は、給水装置300からバックアップデータを受信することもあり得るし、例えば、キー入力などのユーザ入力、画像(バーコードを含む)読み取り、などに基づいてバックアップデータを取得することもあり得る。すなわち、バックアップデータ取得部202は、前述の通信I/Fおよび/または入力I/Fに相当し得る。なお、給水装置300は、端末200からのバックアップデータ取得コマンドに応じて自己のバックアップデータを送信することもあり得るし、例えば無線通信技術におけるビーコン信号のように自発的に自己のバックアップデータを送信することもあり得る。バックアップデータ取得部202は、バックアップデータを要求発行部203へ送る。
【0064】
要求発行部203は、識別データ取得部201から識別データを受け取り、バックアップデータ取得部202からバックアップデータを受け取り得る。要求発行部203は、受け取ったデータに基づいて種々の要求を発行する。例えば、要求発行部203は、異なる2つの給水装置300の識別データに基づいて初期設定要求を発行したり、ある給水装置300の識別データおよびバックアップデータに基づいてバックアップ要求を発行したり、ある給水装置300の識別データに基づいて検索要求を発行したりする。要求発行部203は、発行した要求を基本的には通信部204へ送るが、ローカルDBの検索時には検索要求をローカルDB管理部207へ送り得る。要求発行部203は、前述のプロセッサに相当し得る。
【0065】
要求発行部203は、例えばユーザ入力をトリガとして、種々の要求を発行し得る。ここでのユーザ入力は、例えば、プロセッサによって実行される給水装置管理用のアプリケーションが端末200の画面に表示させる「給水装置交換」、「データバックアップ」、「データ復元」などのボタンの押下であり得る。要求発行部203は、かかるトリガに応じて、コマンド発行部205に必要なデータ取得コマンドを発行するよう命令し得る。
【0066】
通信部204は、前述の通信I/Fに相当し得る。通信部204は、ネットワークを介して、バックアップサーバ100と種々のデータをやり取りする。
【0067】
例えば、通信部204は、要求発行部203から種々の要求を受け取り、これをバックアップサーバ100へ送信する。なお、オフライン環境などのように要求をバックアップサーバ100へ送信することができない、または送信に失敗した場合に、発行済みの要求を一時保存しておいてもよい。そして、通信部204とバックアップサーバ100との接続確立時に、通信部204はバックアップサーバ100へ要求を(再)送信してもよい。
【0068】
また、通信部204は、送信済みの要求に対する応答をバックアップサーバ100から受信し、これをコマンド発行部205へ送り得る。例えば、通信部204は、送信済みの初期設定要求または検索要求に対する応答としてのバックアップデータ(これは、給水装置300に設定可能なパラメータを含み得る)をコマンド発行部205へ送り得る。
【0069】
さらに、通信部204は、ローカルDB記憶部208に保存されるべきデータをバックアップサーバ100から受信(ダウンロード)し、これをローカルDB管理部207へ送り得る。例えば、オフライン環境でパラメータなどのデータ復元を行うために、バックアップサーバ100のキーデータ記憶部105およびバックアップデータ記憶部106に構築されているデータベースのエントリの一部または全部が、端末200によって事前にダウンロードされ得る。
【0070】
コマンド発行部205は、給水装置300を制御するための種々のコマンドを発行し、コマンド送信部206へ送る。例えば、コマンド発行部205は、通信部204から、送信済みの初期設定要求または検索要求に対する応答として、パラメータを含むバックアップデータを受け取り得る。そして、コマンド発行部205は、給水装置300にこのパラメータを設定するためのパラメータ設定コマンドを発行し得る。ここで、この給水装置300は、初期設定要求に含まれるリンク先識別データまたは検索要求に含まれる識別データによって識別される。また、コマンド発行部205は、識別データ取得部201および/またはバックアップデータ取得部202が識別データおよび/またはバックアップデータを取得するために、識別データ/バックアップデータ取得コマンドを発行してもよい。コマンド発行部205は、前述のプロセッサに相当し得る。
【0071】
コマンド送信部206は、コマンド発行部205からコマンドを受け取り、これを給水装置300へ送信する。コマンド送信部206は、前述の通信I/Fに相当し得る。
【0072】
ローカルDB管理部207は、ローカルDB記憶部208への読み書きを行う。ローカルDB管理部207は、前述のプロセッサに相当し得る。具体的には、ローカルDB管理部207は、通信部204によって事前にダウンロードされた、バックアップサーバ100のキーデータ記憶部105およびバックアップデータ記憶部106に構築されているデータベースのエントリの一部または全部を、ローカルDB記憶部208にローカルDBとして書き込み得る。かかるローカルDBを利用することで、ローカルDB管理部207は、例えばオフライン環境であっても、要求発行部203によって発行された検索要求に応えることが可能となり、応答としてのバックアップデータをコマンド発行部205へ返し得る。
【0073】
ローカルDB記憶部208には、バックアップサーバ100のキーデータ記憶部105およびバックアップデータ記憶部106に構築されているデータベースの一部または全部が移植され得る。ローカルDB記憶部208に対する読み書きは、ローカルDB管理部207によって行われる。ローカルDB記憶部208は、前述のメモリおよび/または補助記憶装置に相当し得る。
【0074】
次に、給水装置300の構成例を説明する。給水装置300は、電装部を内蔵している。この電装部は単独で交換可能であってもよい。つまり、給水装置300の他の機械的または電気的要素、例えばポンプ、モータ、などを維持したまま、電装部のみを新しいものと交換することも可能であり得る。この場合に、給水装置300の識別データは、その電装部の交換前後で変化し得る。給水装置300の電装部は、識別データ、バックアップデータなどの種々のデータの読み書き、コマンドの実行、モータの制御、などを行うプロセッサを含む。また、給水装置300の電装部は、かかる処理を実現するためにプロセッサによって実行されるプログラムおよび当該プロセッサによって使用されるデータなどを一時的に格納するメモリを含んでいる。これらプロセッサおよびメモリは、例えばマイクロコントローラとして統合されていてもよい。
【0075】
給水装置300の電装部は、さらに、外部装置に接続するための通信I/Fを利用可能である。通信I/Fは、給水装置300に内蔵されてもよいし、給水装置300に外付けされてもよい。
【0076】
通信I/Fは、例えば端末200によって利用される通信I/Fと通信可能な任意のインタフェースであり得る。例えば、通信I/Fは、(近距離)無線通信技術、または有線通信技術を用いて、端末200と通信をする。通信I/Fは、端末200へ給水装置300(またはその電装部)の識別データ、バックアップデータ(パラメータを含み得る)を送信したり、端末200からコマンドを受信したりする。
【0077】
給水装置300は、さらに、データを蓄積するための補助記憶装置を利用可能である。補助記憶装置は、給水装置300に内蔵されてもよいし、給水装置300に外付けされてもよい。
【0078】
補助記憶装置は、例えば、給水装置300の識別データ、パラメータなどを保存する。補助記憶装置は、不揮発性記憶媒体であることが好ましい。なお、識別データは、給水装置300の製造時、出荷時、納入時、または給水装置300もしくはその電装部の交換時などに、例えばマイクロコントローラに内蔵されたROMに書き込まれてもよい。これらのデータの書き込みは、有線または無線通信のいずれを用いて行われてもよい。
【0079】
ここで、給水装置300の識別データは、例えば、当該給水装置300の製品名に相当する形式データおよび/または当該形式データをコード化した製品番号と、当該給水装置300またはその電装部の個体識別番号に相当する製造番号とを含み得る。これらのデータにより、給水装置300がどの製品のどの個体であるのかを識別することが可能となる。なお、製品番号および製造番号は、必ずしも別のデータ要素でなくてもよく、1つの番号から製品および個体の両方が識別可能であるように設計することも可能である。
【0080】
次に、図4を用いて給水装置300の構成例の説明を続ける。図4の給水装置300は、ポンプ301と、モータ302と、電装部310とを含む。モータ302は、信号線を介して電装部310に接続され、電装部310によって回転速度などが制御される。ポンプ301は、モータ302の回転軸に接続される。
【0081】
図4の例では、ポンプ301は給水用のポンプであるが、給水装置300を別のポンプ装置に置き換える場合には、ポンプ301は任意の種類のポンプに置き換えられてよい。すなわち、ポンプ301は、揚水、排水、圧縮、などいずれの用途のポンプであってもよい。また、ポンプ301は、水に限らず、ガスなどの任意の流体を扱い得る。さらに、前述のように、給水装置300は本実施形態が適用可能な機器の一例にすぎず、給水装置300は他の機器に置き換えられ得る。
【0082】
電装部310は、制御部311と、通信部312と、識別データ記憶部313と、パラメータ記憶部314とを含む。
【0083】
制御部311は、モータ302および電装部310の内部の各種の機能部に対する制御、入出力、などを行ったり、種々の演算を行ったりする。制御部311は、前述のプロセッサに相当し得る。
【0084】
具体的には、制御部311は、給水装置300の製造時、出荷時、納入時、または給水装置300もしくはその電装部310の交換時などに、通信部312または図示されない入力I/Fから、給水装置300またはその電装部310の識別データの書き込み要求を受け取り、識別データを識別データ記憶部313に保存する。
【0085】
また、制御部311は、例えば図示されない検出装置によって検出された圧力、流量、および/またはパラメータ記憶部314に保存されているパラメータに基づいて、モータ302の回転数などを制御し得る。
【0086】
さらに、制御部311は、通信部312からパラメータを設定するためのコマンドを受け取り、これに従ってパラメータを設定する。例えば、制御部311は、パラメータ記憶部314に保存されているパラメータを書き換えたり、新たなパラメータを書き込んだり、保存されているパラメータを削除したりする。
【0087】
さらに、制御部311は、識別データ記憶部313に保存されている識別データおよび/またはパラメータ記憶部314に保存されているパラメータを読み出して、通信部312を介して端末200へ送信し、または端末200が読み取り可能な形式で表示してもよい。かかる動作は、自発的に行われてもよいし、端末200からのデータ取得コマンドをトリガに行われてもよい。また、制御部311は、読み出したパラメータの他に例えば日時データなどを含んだバックアップデータを作成し、通信部312へ送ってもよい。
【0088】
通信部312は、端末200と種々のデータをやり取りする。例えば、通信部204は、端末200から識別データおよび/またはバックアップデータ(パラメータを含み得る)の取得コマンド、パラメータの設定コマンドなどを受信し、受信データを制御部311へ送り得る。他方、通信部312は、制御部311から識別データおよび/またはバックアップデータを受け取り、これを端末200へ送信し得る。通信部312は、前述の通信I/Fに相当し得る。
【0089】
識別データ記憶部313は、給水装置300またはその電装部310を一意に識別する識別データを保存する。識別データは、制御部311によって読み書きされる。ただし、識別データを不変とする場合には、制御部311による識別データの書き込みは1回に制限されてよい。識別データ記憶部313は、前述のメモリ(ただし、好ましくは不揮発性メモリである)および/または補助記憶装置に相当し得る。
【0090】
パラメータ記憶部314は、給水装置300に設定されているパラメータを保存する。パラメータは、制御部311によって読み書きされる。パラメータ記憶部314は、前述のメモリおよび/または補助記憶装置に相当し得る。
【0091】
以下、図7乃至図9を用いて、図1のバックアップシステムの動作例を説明する。
図7は、バックアップデータ登録時におけるシステムの動作を例示する。かかる動作は、例えば給水装置300を担当する作業員が、パラメータの設定/調整後に当該パラメータなどのデータをバックアップすべく端末200を操作することで開始し得る。
【0092】
端末200は、識別データおよびバックアップデータ取得コマンドを発行し、給水装置300へ送信する(ステップS401)。なお、給水装置300が自発的にかかるデータを送信し、または端末200が読み取り可能な形式で表示する場合や、作業員がかかるデータを直接入力する場合にはステップS401は省略可能である。
【0093】
給水装置300は、ステップS401におけるコマンドに応じて、識別データおよびバックアップデータを端末200に返す(ステップS402)。なお、作業員がかかるデータを直接入力する場合にはステップS402は省略可能である。
【0094】
端末200は、ステップS402において受信した識別データおよびバックアップデータを含むバックアップ要求を発行する(ステップS404)。そして、端末200は、発行したバックアップ要求をバックアップサーバ100へ送信する(ステップS405)。なお、端末200は、オプションとして、発行したバックアップ要求を一時保存してもよい。これにより、端末200がバックアップサーバ100にアクセスできない環境であっても、バックアップ要求を後から再送信することが可能となる。また、前述のように、バックアップ要求は、バックアップサーバ100に直接入力されることもあり得る。この場合に、ステップS401乃至ステップS405、および後述されるステップS409は省略可能である。
【0095】
バックアップサーバ100は、ステップS405におけるバックアップ要求に含まれる識別データに関連付けられたキーデータを例えば前述のキーデータテーブル(DB)から検索する(ステップS406)。なお、ステップS406において、キーデータの検索に失敗した場合には、バックアップサーバ100は、登録済みのキーデータのいずれとも異なる新規のキーデータを発行し、この新規のキーデータをバックアップ要求に含まれる識別データに関連付けて登録してもよい(ステップS407)。
【0096】
バックアップサーバ100は、ステップS406において検索されたキーデータ、またはステップS407において登録された新規のキーデータに関連付けて、ステップS405におけるバックアップ要求に含まれるバックアップデータを、例えば前述のバックアップデータテーブル(DB)に登録する(ステップS408)。そして、バックアップサーバ100は、バックアップ完了通知を端末200に返す(ステップS409)。
【0097】
図8は、データ復元時におけるシステムの動作を例示する。かかる動作は、例えば給水装置300を担当する作業員が、パラメータを試験的に調整した場合、パラメータ記憶部314としての補助記憶装置の不具合などにより設定済みのパラメータが消失した場合、などに、当該給水装置300についてバックアップ済みのデータを復元すべく端末200を操作することで開始し得る。
【0098】
端末200は、識別データ取得コマンドを発行し、給水装置300へ送信する(ステップS411)。なお、給水装置300が自発的にかかるデータを送信し、または端末200が読み取り可能な形式で表示する場合や、作業員がかかるデータを直接入力する場合にはステップS411は省略可能である。
【0099】
給水装置300は、ステップS411におけるコマンドに応じて、識別データを端末200に返す(ステップS412)。なお、作業員がかかるデータを直接入力する場合にはステップS412は省略可能である。
【0100】
端末200は、ステップS412において受信した識別データを含む検索要求を発行する(ステップS413)。そして、端末200は、発行した検索要求をバックアップサーバ100へ送信する(ステップS415)。
【0101】
なお、オプションとして、端末200は、発行した検索要求に基づいて、バックアップサーバ100から事前にダウンロードされているローカルDBを検索してもよい(ステップS414)。これにより、オフライン環境にもデータ復元が可能となるし、オンライン時であってもバックアップサーバ100とデータをやり取りするのに比べて高速にデータ復元が可能となる。ステップS414の検索が成功した場合には、ステップS415および後述するステップS416乃至ステップS418は省略可能である。
【0102】
バックアップサーバ100は、ステップS415における検索要求に含まれる識別データに関連付けられたキーデータを例えば前述のキーデータテーブル(DB)から検索する(ステップS416)。さらに、バックアップサーバ100は、ステップS416において検索されたキーデータに関連付けられたバックアップデータを例えば前述のバックアップデータテーブル(DB)から検索する(ステップS417)。そして、バックアップサーバ100は、検索したバックアップデータ(パラメータを含む)を検索応答として端末200に返す(ステップS418)。
【0103】
端末200は、ステップS418における検索応答に基づいて、当該検索応答に含まれるパラメータを給水装置300に設定するためのパラメータ設定コマンドを発行する(ステップS419)。端末200は、パラメータ設定コマンドを給水装置300へ送信する(ステップS420)。
【0104】
給水装置300は、ステップS420におけるパラメータ設定コマンドに従って、パラメータを設定(更新)する(ステップS421)。そして、給水装置300は、パラメータ設定完了通知を端末200に返す(ステップS422)。
【0105】
図9は、初期設定(リンク設定)時におけるシステムの動作を例示する。かかる動作は、例えば給水装置300を担当する作業員が、給水装置300またはその電装部310を交換した/する場合などに、交換前後の識別データ間でリンクを設定すべく端末200を操作することで開始し得る。図9の例では、給水装置300-b2の識別データと給水装置300-b1の識別データとの間でリンクが設定される。
【0106】
端末200は、識別データ取得コマンドを発行し、給水装置300-b1および給水装置300-b2へ送信する(ステップS431およびステップS433)。なお、給水装置300-b1および/または給水装置300-b2が自発的にかかるデータを送信し、または端末200が読み取り可能な形式で表示する場合や、作業員がかかるデータを直接入力する場合にはステップS431および/またはステップS433は省略可能である。
【0107】
給水装置300-b1は、ステップS431におけるコマンドに応じて、識別データを端末200に返す(ステップS432)。なお、作業員がかかるデータを直接入力する場合にはステップS432は省略可能である。
【0108】
給水装置300-b2は、ステップS433におけるコマンドに応じて、識別データを端末200に返す(ステップS434)。なお、作業員がかかるデータを直接入力する場合にはステップS434は省略可能である。
【0109】
端末200は、ステップS432およびステップS434において受信した識別データをそれぞれリンク元識別データおよびリンク先識別データとして含む初期設定要求を発行する(ステップS436)。そして、端末200は、発行した初期設定要求をバックアップサーバ100へ送信する(ステップS437)。なお、端末200は、オプションとして、発行した初期設定要求を一時保存してもよい。これにより、端末200がバックアップサーバ100にアクセスできない環境であっても、初期設定要求を後から再送信することが可能となる。また、前述のように、初期設定要求は、バックアップサーバ100に直接入力されることもあり得る。この場合に、ステップS431乃至ステップS434、ならびに、後述されるステップS439またはステップS440乃至ステップS445は省略可能である。
【0110】
バックアップサーバ100は、ステップS437における初期設定要求に含まれるリンク元識別データに関連付けられたキーデータを例えば前述のキーデータテーブル(DB)から検索し、このキーデータを当該初期設定要求に含まれるリンク先識別データに関連付けて当該キーデータテーブルに登録する(ステップS438)。
【0111】
オプションとして、ステップS438の後に、バックアップサーバ100は、初期設定応答としての初期設定完了通知を端末200へ送信してもよい(ステップS439)。この場合には、後述されるステップS440乃至ステップS445は省略可能である。或いは、ステップS440乃至ステップS445を用いて後述されるように、システムは、給水装置300-b2の識別データを含む検索要求を待たずに、当該給水装置300-b2において、給水装置300-b1のバックアップデータを自動的に復元してもよい。
【0112】
ステップS440において、バックアップサーバ100は、前述のバックアップデータテーブル(DB)から、ステップS438において登録したキーデータに関連付けられたバックアップデータを検索する。そして、バックアップサーバ100は、検索したバックアップデータ(パラメータを含む)を初期設定応答として端末200に返す(ステップS441)。
【0113】
端末200は、ステップS441における初期設定応答に基づいて、当該初期設定応答に含まれるパラメータを給水装置300に設定するためのパラメータ設定コマンドを発行する(ステップS442)。端末200は、パラメータ設定コマンドを給水装置300へ送信する(ステップS443)。
【0114】
給水装置300は、ステップS443におけるパラメータ設定コマンドに従って、パラメータを設定する(ステップS444)。そして、給水装置300は、パラメータ設定完了通知を端末200に返す(ステップS445)。
【0115】
以上説明したように、第1の実施形態に係るバックアップシステムは、機器のバックアップデータを当該機器の識別データに直接的に関連付けず、キーデータを介して間接的に関連付ける。そして、このバックアップシステムは、リンク設定の対象となる複数の異なる機器の識別データを同一のキーデータに関連付ける。故に、このバックアップシステムによれば、例えば、交換前の機器の識別データと交換後の機器の識別データとを同一のキーデータに関連付けることができるので、交換後の機器の識別データを用いて交換前の機器のバックアップデータを復元することが可能となる。すなわち、機器のバックアップデータを当該機器またはその部品の交換後も自動的に引き継いで管理することができる。
【0116】
(第2の実施形態)
前述の第1の実施形態に係るバックアップシステムは、キーデータを利用することにより、例えば交換後の機器の識別データを用いて交換前の機器のバックアップデータを復元することを可能とする。他方、第2の実施形態に係るバックアップシステムは、キーデータを利用せずとも同様の効果を実現可能である。本実施形態に係るバックアップシステムは、第1の実施形態に係るバックアップシステムにおけるバックアップサーバ100に代えて、バックアップサーバ500を含む。
【0117】
バックアップサーバ500は、バックアップサーバ100と同一または類似のハードウェア構成を有するが、機能構成および動作の少なくとも一部において異なる。図10を用いてバックアップサーバ500の構成例の説明を続ける。図10のバックアップサーバ500は、初期設定要求取得部501と、バックアップ要求取得部502と、検索要求取得部503と、データ登録部504と、バックアップデータ記憶部506と、データ検索部507と、要求応答部508と、データ削除部509とを含む。このうち、初期設定要求取得部501、バックアップ要求取得部502、検索要求取得部503、および要求応答部508は、図2における同名の要素とそれぞれ同一または類似であり得る。
【0118】
データ登録部504は、前述のプロセッサに相当し得る。データ登録部504は、種々の要求、例えば、初期設定要求、バックアップ要求、などに応じて、バックアップデータ記憶部506に構築されたデータベースへデータ(エントリ)を登録する。データ登録部504は、少なくとも以下に説明する点で図2のデータ登録部104と異なる。
【0119】
データ登録部504は、初期設定要求取得部501から初期設定要求を受け取る。データ登録部504は、初期設定要求に含まれるリンク元識別データに関連付けられているバックアップデータを、バックアップデータ記憶部506に構築されているデータベースから検索する。そして、データ登録部504は、初期設定要求に含まれるリンク先識別データをこのバックアップデータに関連付けて、上記データベースに登録する(すなわち、バックアップデータ記憶部506に登録する)。
【0120】
具体的には、バックアップデータ記憶部506は、図11に例示されるように、エントリe31,e32,e33,・・・を含むバックアップデータテーブル(DB)を保存し得る。ここで、初期設定要求がリンク元識別データとしてのid_b1、およびリンク先識別データとしてのid_b2を含んでいたとする。この場合に、データ登録部504は、このバックアップデータテーブルから、リンク元識別データとしてのid_b1に関連付けられているバックアップデータであるbackup_Bを検索する。そして、データ登録部504は、このバックアップデータを複製し、リンク先識別データとしてのid_b2をこれに関連付けて、上記テーブルに新たなエントリとして登録する。これにより、リンク元識別データとしてのid_b1によって識別される給水装置300のバックアップデータ(backup_B)を、リンク先識別データとしてのid_b2に基づいて検索、そして復元することが可能となる。
【0121】
なお、初期設定(リンク設定)の終了後に、リンク元識別データおよび対応するバックアップデータ(図11の例では、エントリe32)が不要であるならば、後述するデータ削除部509によってこのエントリがバックアップデータ記憶部506から削除されてもよい。これにより、バックアップデータが重複登録されることによるバックアップデータ記憶部506の容量圧迫を防止することができる。データ登録部504は、例えば、初期設定の終了後に、削除対象となるエントリをデータ削除部509に通知してもよい。
【0122】
バックアップデータ記憶部506は、識別データをバックアップデータに関連付けて保存している。例えば、バックアップデータ記憶部506は、識別データおよびバックアップデータをテーブル形式で保存し得る。このテーブルは、データベースと呼ぶこともできる。バックアップデータ記憶部506は、前述のメモリおよび/または補助記憶装置に相当し得る。
【0123】
バックアップデータ記憶部506は、データ登録部504により識別データおよびバックアップデータを書き込まれ得る。また、バックアップデータ記憶部506に保存されている識別データおよびバックアップデータは、データ削除部509によって削除され得る。さらに、バックアップデータ記憶部506に保存されたデータは、データ登録部504およびデータ検索部507によって読み出され得る(検索を含む)。
【0124】
データ検索部507は、前述のプロセッサに相当し得る。データ検索部507は、種々の要求、例えば検索要求などに応じて、バックアップデータ記憶部506に構築されたデータベースから、識別データに関連付けられたバックアップデータを検索する。データ検索部507は、少なくとも以下に説明する点で図2のデータ検索部107と異なる。
【0125】
データ検索部507は、検索要求取得部503から検索要求を受け取る。データ検索部507は、検索要求に含まれる識別データに関連付けられているバックアップデータを、バックアップデータ記憶部506に構築されているデータベースから検索する。
【0126】
データ削除部509は、前述のプロセッサに相当し得る。データ削除部509は、データ登録部504から削除対象となるエントリ(識別データおよび対応するバックアップデータ)を通知されると、バックアップデータ記憶部506からこのエントリを削除する。なお、データ削除部509は、データ登録部504に代わって、初期設定完了通知を発行し、要求応答部508へ送ってもよい。
【0127】
以上説明したように、第2の実施形態に係るバックアップシステムは、機器の識別データと当該機器のバックアップデータとを関連付けるデータベースを有している。そして、バックアップサーバは、リンク設定の対象となる複数の異なる機器の識別データを含んだ初期設定要求を取得すると、リンク先識別データを、このデータベースにおいてリンク元識別データに関連付けられたバックアップデータに関連付けて、当該データベースに登録する。故に、このバックアップシステムによれば、例えば、交換前の機器の識別データに関連付けられたバックアップデータが、交換後の機器の識別データにも関連付けられるので、交換後の機器の識別データを用いて交換前の機器のバックアップデータを復元することが可能となる。すなわち、機器のバックアップデータを当該機器またはその部品の交換後も自動的に引き継いで管理することができる。
【0128】
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
【0129】
上述の実施形態では、いくつかの機能部を説明したが、これらは各機能部の実装の一例に過ぎない。例えば、1つの装置に実装されると説明された複数の機能部が複数の別々の装置に亘って実装されることもあり得るし、逆に複数の別々の装置に亘って実装されると説明された機能部が1つの装置に実装されることもあり得る。
【0130】
上記各実施形態において説明された種々の機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
【0131】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【符号の説明】
【0132】
100,500・・・バックアップサーバ
101,501・・・初期設定要求取得部
102,502・・・バックアップ要求取得部
103,503・・・検索要求取得部
104,504・・・データ登録部
105・・・キーデータ記憶部
106,506・・・バックアップデータ記憶部
107,507・・・データ検索部
108,508・・・要求応答部
200・・・端末
201・・・識別データ取得部
202・・・バックアップデータ取得部
203・・・要求発行部
204,312・・・通信部
205・・・コマンド発行部
206・・・コマンド送信部
207・・・ローカルDB管理部
208・・・ローカルDB記憶部
300・・・給水装置
301・・・ポンプ
302・・・モータ
310・・・電装部
311・・・制御部
313・・・識別データ記憶部
314・・・パラメータ記憶部
509・・・データ削除部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11