(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】袋支持装置及び商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
G07G1/00 301Z
(21)【出願番号】P 2019213844
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】石村 栄二
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-315726(JP,A)
【文献】特開平08-080923(JP,A)
【文献】特開2012-086917(JP,A)
【文献】特開2007-069953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00
B65B 67/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋を保持する収納部と、
前記収納部を支持する支持部材と、
前記収納部を前記袋とともに収納可能な収納領域と、
を備え
る袋支持装置であって、
前記収納部は
、当該収納部と前記袋が前記収納領域に収納される第1の位置と、
当該収納部と前記袋の少なくとも一部が前記収納領域から上方に突出する第2の位置と、を選択的に取り得ることを特徴とする袋支持装置。
【請求項2】
前記収納部の上部に天板を備えており、前記第2の位置で前記天板は商品の一時置き台に利用できる請求項1に記載された袋支持装置。
【請求項3】
前記収納部の上部に天板を備えており、前記第1の位置における前記天板は、商品販売データ処理装置と並んで配置された状態において、当該商品販売データ処理装置の載置面と略面一とされる請求項1または2に記載された袋支持装置。
【請求項4】
前記収納部の上部に天板を備えており、前記天板の下側には前記袋を係止する進退可能な係止部が配設され、
前記係止部は、前記天板の下側に収まる第1の状態と、前記天板の下側から突出する第2の状態と、を選択的に取り得る請求項1から3のいずれか1項に記載された袋支持装置。
【請求項5】
載置面を有する筐体と、
前記載置面に取り付け可能な請求項1から4のいずれか1項に記載された前記袋支持装置と、を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を収納する袋を取り外し可能に支持する袋支持装置及びこれを備えた商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗には商品販売データ処理装置が設置されている。商品販売データ処理装置では、顧客が購入した商品のバーコードをスキャナで読み込んで登録して、袋収納部に掛けたレジ袋やマイバッグに商品を詰め込んで精算後に退出する。このような商品販売データ処理装置として、店員が商品の読み取りを行って登録した商品を袋に詰め込む対面式モードの装置が知られている。また、顧客が商品の登録と精算と袋への詰め込みを全て行うフルセルフのセルフ式モードの装置も提案されている。
【0003】
対面式モードでは、商品の精算を行う店員が店員側に設置したレジ袋の支持具からレジ袋を取り出して精算の済んだかごに投入して顧客に渡している。一方、セルフ式モードでは、顧客が商品の精算を終えた後、顧客の近傍に設置した支持具からレジ袋を取り外して商品を収納している。そのため、対面式モードとセルフ式モードにおいて、切り換えて使用可能な袋支持具はなかった。
これに対し、特許文献1に記載されたチェックアウトカウンタは、対面式モードでは開口凹部で袋掛けユニットを反転させて底部を載置面と同一面上に配置している。セルフ式モードでは、開口凹部で袋掛けユニットの開口を上面にして袋保持部にレジ袋やマイバッグを掛けて商品を収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のチェックアウトカウンタでは、対面式モードとセルフ式モードの切り替え時に袋掛けユニットを反転して設置する必要があり、操作が煩雑であった。しかも、袋掛けユニットの開口上部にレジ袋やマイバッグの把持部を引っ掛ける袋掛けフレームを設けたため、反転設置を繰り返して商品の重量を受けることで袋掛けフレームが損傷され易いという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、不使用時に損傷する恐れがなく、使用時には袋を使用可能な位置に突出させることができる袋支持装置及び袋支持装置を備えた商品販売データ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る袋支持装置は、袋を保持する収納部と、前記収納部を支持する支持部材と、前記収納部を前記袋とともに収納可能な収納領域と、を備える袋支持装置であって、前記収納部は、当該収納部と前記袋が前記収納領域に収納される第1の位置と、当該収納部と前記袋の少なくとも一部が前記収納領域から上方に突出する第2の位置と、を選択的に取り得ることを特徴とする。
本発明によれば、袋を保持する収納部を不使用の場合には第1の位置に保持し、収納部の袋を使用する場合には第1の位置より高い第2の位置に保持することで、袋を取り外し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一実施形態による袋支持装置を第1の位置に収納した状態の斜視図である。
【
図2】袋支持装置を第2の位置に突出させた状態の斜視図である。
【
図3】第1の位置の袋支持装置付き商品販売データ処理装置を顧客側から見た正面図である。
【
図4】
図3に示す商品販売データ処理装置を出口側から見た図である。
【
図5】第2の位置の袋支持装置付き商品販売データ処理装置を顧客側から見た正面図である。
【
図6】
図5に示す商品販売データ処理装置を出口側から見た図である。
【
図7】第二実施形態による袋支持装置の収納部を示す要部斜視図である。
【
図8】第三実施形態による袋支持装置の収納部を示す要部側面図である。
【
図9】第三実施形態の変形例による袋支持装置の収納部を示す要部側面図である。
【
図10】第四実施形態による袋支持装置を示すもので、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【
図11】第五実施形態による袋支持装置を示すもので、(a)は第1の位置の図、(b)は第2の位置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の各実施形態による商品販売データ処理装置の袋支持装置について説明する。
本発明の第一実施形態による商品販売データ処理装置1に取り付けた袋支持装置2について
図1乃至
図6により説明する。
図1に示す本実施形態の商品販売データ処理装置1は、例えば店員が商品の登録を行う対面式モード(対面セルフ)と顧客が商品の登録と商品の詰め込みを行うセルフ式モード(フルセルフ)の一方を選択できるレジスタ装置である。
図1及び
図2において、商品販売データ処理装置1は、床面に設置されたレジ台である筐体3の上部のスペース内に決済手段として釣銭機4が設置されており、筐体3の上面3aに不図示の制御部を内蔵する本体部6が固定されている。筐体3の釣銭機4側が顧客側スペースGであり、これに対向する側が店員側スペースTである。
【0010】
本体部6の店員側スペースT側には店員用スキャナ部7が第1の商品登録部として設けられ、顧客側スペースG側には顧客用スキャナ部8が第2の商品登録部として設けられている。両スキャナ部7,8では商品に対応付けられたバーコードを読み込んで商品情報を商品登録することができる。
各スキャナ部7、8は、本体部6の制御部による商品登録処理の実行中に、商品のバーコード状の商品コードを読み取り、商品コードの情報を制御部に供給する光学式読取装置である。スキャナ部7,8は、バーコード読み取り用の窓口を備えた固定型スキャナであるが、店員用スキャナ部7はこれに代えてハンディスキャナにより実現されてもよい。
【0011】
本体部6の上部の店員側には第1の表示部として店員用表示部10が連結され、対向する顧客側には第2の表示部として顧客用表示部11が連結されている。店員用表示部10は例えば表示面とキーボードを備えた操作部(図示せず)とを備えているため、表示面を有する顧客用表示部11より面積が大きい。
顧客用表示部11は、操作受付機能を有するタッチパネル付液晶表示装置により実現される。この場合、制御部は、合計金額以上の額の貨幣(硬貨および紙幣またはいずれか)が釣銭機4に投入された場合に、終了キーを顧客用表示部11に表示させる。終了キーは、制御部により実行されている決済処理(精算処理)を完了させるためのGUIボタンまたはハードウェアキーである。タッチパネルは、その終了キーの操作入力を受け付けて、操作に応じた操作情報を制御部に供給する。
【0012】
筐体3の上面3aにおいて、本体部6の側部にはレシートを印字して発行するプリンター12が、印字手段として設置されている。
顧客側に設置された釣銭機4は、顧客による貨幣の投入を受け付けて入金処理を行い、つり金、返金、またはリジェクトの紙幣および硬貨を排出する自動釣銭機である。つまり、釣銭機4は現金による決済手段である。決済手段としては、釣銭機4の他、例えばクレジットカードの決済機、電子マネーの決済機が含まれる。
【0013】
釣銭機4は、紙幣投入口と紙幣排出口、硬貨投入口と硬貨排出口とリジェクト口を備える。紙幣投入口は、顧客により投入される紙幣を取り込む口である。紙幣排出口は、おつりの紙幣およびリジェクト紙幣を排出する口である。紙幣投入口および紙幣排出口は、上下の二段に配置構成される。なお、紙幣投入口及び紙幣排出口に代えて、紙幣の投入口と排出口とを兼用する一つの紙幣投入排出口であってもよい。
硬貨投入口は、顧客により投入される硬貨を取り込む口である。硬貨排出口は、おつりとしての硬貨を排出する口であり、硬貨の識別に失敗した場合や偽造硬貨として識別した場合の硬貨を排出する口である。リジェクト口は、入金後、キャンセルの操作がされた場合に硬貨を排出する口である。
【0014】
筐体3の左右の側面3b、3cには水平方向に延びる第一載置面14と第二載置面15とが固定されている。第一載置面14は筐体3の入り口側に設置され、顧客が購入する商品を収納した買い物かごや商品そのものが載置される。第二載置面15にはスキャナ部7、8で登録の済んだ商品を収納するレジ袋またはマイバッグ、或いは別の買い物かごが載置される。
第二載置面15の延長上には、袋支持装置2が昇降可能に設置されている。
図1及び
図2に示すように、袋支持装置2は、収納ボックス17内にレジ袋Rが収納されて降下位置(第1の位置)と上昇位置(第2の位置)とを選択的に取り得るように昇降可能とされている。
【0015】
図1乃至
図6において、袋支持装置2は、例えばレジ袋Rを収納可能な直方体形状の収納ボックス17を備えている。収納ボックス17は対向する幅広の第一面18及び第二面19と、第一面18及び第二面19の間に形成された幅の狭い第一側面20及び第二側面21と、底面22とを有しており、上部に開口23を有している。収納ボックス17は少なくとも第一側面20及び第二側面21を透明な樹脂板で形成することで内部のレジ袋Rを目視可能としている。本実施形態では、筐体3側の第一面18及び外側の第二面19も透明な樹脂板で形成されている。
【0016】
第二面19の内部には例えば3本の金属製の固定部材25と固定部材25に対して昇降可能な可動部材26とが設けられている。可動部材26の上端には開口23を開閉可能な天板27が連結されている。固定部材25は例えば略四角形または円形の筒状とされ、収納ボックス17の第一面18及び第二面19と略同一高さを有している。可動部材26は固定部材25の内部に収納されていて固定部材25にガイドされて昇降可能である。
図5及び
図6に示すように、天板27の下面には略コの字状の袋掛け部28が取り付けられ、袋掛け部28にはレジ袋Rの束がU字状に折り曲げられて掛けられている。天板27の下側の袋掛け部28はレジ袋Rの束を垂下して保持するレジ袋Rの収納部とされている。
【0017】
また、昇降機構として、可動部材26と固定部材25との間には例えばラックとピニオンが設置されて不図示の電動モータ等にピニオンを支持させ、可動部材26を昇降可能としている。上昇位置と降下位置との切り換え操作は、例えば不図示の押しボタンを押して電動モータ等を正逆回転させることで行える。不図示の押しボタンは第一面18等に設置してもよいし、店員用表示部10または顧客用表示部11に設けてもよい。
また、対面式モードとセルフ式モードを切り換えた場合に、モードの切り換えに応じて上昇位置と下降位置を切り換えるように作動制御してもよい。
【0018】
可動部材26の昇降機構はこの構成に限定されることなく適宜の昇降機構を採用可能である。例えば、天板27を手動で引き揚げて不図示のクリック機構や係脱機構で上昇位置に係止可能である。
可動部材26の上端には天板27が設置されているため、
図1、
図3、
図4に示すように、降下位置で袋掛け部28に支持されたレジ袋Rの束が収納ボックス17内に収納されて開口23を天板27で閉鎖させる。閉鎖位置で天板27は第二載置面15と略面一に保持される。
【0019】
図2、
図5、
図6に示すように、可動部材26の上昇位置で袋掛け部28に係止されたレジ袋Rの束の少なくとも一部が第二載置面15の上方に露出しており、顧客は袋掛け部28に掛けられたレジ袋Rを手で取り外し可能である。
図2、
図5、
図6に示す例では、上昇位置でレジ袋Rのほとんどが第二載置面15上に位置している。
図1~
図6に示すように、筐体3の一方の側面3cには上面3aの近傍にレジ袋Rやマイバッグの一方の把持部を係止可能な例えば略U字状の第一係止部30aが固定されている。天板27の側部にもレジ袋Rやマイバッグの他方の把持部を係止可能な略U字状の第二係止部30bが支持されている。第一係止部30aと上昇位置の第二係止部30bとは略同一高さで互いに対向する位置に保持され、一組または二組設けられていることが好ましい。
【0020】
天板27及び袋掛け部28の上昇位置で、天板27の上面は商品の一時置き台として利用できる。そのため、顧客が精算した商品を買い物かごからレジ袋Rやマイバッグに収納する際、変形し易かったり壊れ易かったりするパンや卵パック等を天板27上に一時載置できてレジ袋Rやマイバッグへの収納順序を調整することができる。
また、天板27の下面にスプーンや箸等を載置するための引き出し(図示せず)を設置してもよい。この場合、袋掛け部28はこの引き出しの下面に取り付けてもよい。
【0021】
なお、天板27に設けた第二係止部30bは降下時に第二載置面15に干渉するおそれがあるため、天板27に進退可能に装着することが好ましい。或いは、第二係止部30bを天板27に固定配置し、第二載置面15の端部において、降下する第二係止部30bを受け入れ可能なように凹溝部や貫通孔を設けてもよい。
また、袋支持装置2は収納ボックス17を、商品販売データ処理装置1の第二載置面15と一体に連結してもよいし、分離可能に接合してもよい。本実施形態では、収納ボックス17の第一面18に第二載置面15の下面に当接する連結板31が設けられ、連結板31と第二載置面15がボルト等で固定されている。そして、袋支持装置2は、降下位置で天板27は開口23を閉鎖して第二載置面15と面一に保持される。
【0022】
本実施形態による袋支持装置2を備えた商品販売データ処理装置1は上述した構成を有しており、次にその使用方法を説明する。
商品販売データ処理装置1の使用状態の一例として、店舗等のレジにおいて、商品販売データ処理装置1の筐体3及び袋支持装置2を並列及び縦列に複数台配列させている。レジが多くの顧客で混んでいる場合には、対面式モード(対面セルフ)で店員が商品登録(商品の精算)に対応する。顧客が少なく空いている場合には、セルフ式モード(フルセルフ)で顧客が商品登録(商品の精算)に対応する。
【0023】
先ず、対面式モードで使用する場合、袋支持装置2の天板27やレジ袋Rが第二載置面15より高い上昇位置にあると邪魔である。そのため、第二係止部30bを天板27側に押し込むと共に、押しボタンを押して電動モータを作動させ、天板27やレジ袋Rを降下させる。
図1、
図3、
図4に示すように、袋支持装置2は天板27及び袋掛け部28に支持されたレジ袋Rを降下位置に保持し、天板27を第二載置面15と面一に保持する。
この状態で、第一載置面14に置かれた商品を収納した買い物かごから店員が商品を順次取り出して店員用スキャナ部7でバーコードをスキャンすることで商品登録(精算)し、第二載置面15に置かれた別の買い物かごに入れ替える。精算終了後、顧客は買い物かごの商品をレジ袋Rまたはマイバッグに入れ替えて退店する。
【0024】
次に、フルセルフのセルフ式モードで使用する場合、不図示の押しボタンを押すことで、
図2、
図5、
図6に示すように、袋支持装置2は天板27及び袋掛け部28を降下位置(第1の位置)から上昇位置(第2の位置)に移動させる。天板27、袋掛け部28及びレジ袋Rを第2の位置に保持する。
この状態で、筐体3の一方の側面3cに設けた第一係止部30aと天板27に設けた第二係止部30bが対向する位置にあり、第二係止部30bを第一係止部30a側に引き出す。そして、レジ袋Rまたはマイバッグの把持部を広げて第一係止部30a及び第二係止部30bにそれぞれ係止させる。
【0025】
顧客は購入した商品を収納した買い物かごを第一載置面14に載置し、商品を取り出して顧客用スキャナ部8でスキャンさせて精算し、レジ袋Rまたはマイバッグに収納する。その際、買い物かごの上部に載せたパンや卵パック等の変形し易く壊れやすい商品は顧客用スキャナ部8でスキャンして天板27の一時置き台に一時的に載置する。そして、他の商品をスキャンさせてレジ袋Rまたはマイバッグの底部に収納する。
最後に天板27に一時置きしたパンや卵パック等をレジ袋Rまたはマイバッグ内の上部に載置する。また、商品の登録終了後に箸やスプーン等が必要な場合には天板27の下の箸置きボックスから適宜取り出してレジ袋またはマイバッグ内に収納できる。その後、釣銭機4で支払いとお釣りの回収を済ませ、レシートを受け取った後に、顧客は第一係止部30a及び第二係止部30bから把持部を引き抜いてレジ袋Rまたはマイバッグを持って退店する。
【0026】
上述のように本実施形態による袋支持装置2を備えた商品販売データ処理装置1によれば、袋支持装置2はセルフ式モード時に天板27及びレジ袋Rを上昇位置に保持して顧客がレジ袋Rを取り出し可能であり、対面式モード時には天板27及びレジ袋Rを降下位置に収納して邪魔にならない上に損傷しないように保護することができる。そのため、セルフ式モード時と対面式モード時とで、袋支持装置2の天板27及びレジ袋Rを昇降させて切り換え使用できる。
しかも、セルフ式モード時では天板27を一時置き台として使用でき、対面式モード時では天板27を第二載置面15に連結して買い物かご等の載置面を広く使用できる。また、天板27の下部に箸置きボックス等を収納可能であり、便利である。
また、押しボタンによって袋支持装置2をセルフ式モードと対面式モードに簡単に切り替え操作できる。
【0027】
以上、本発明の第一実施形態による商品販売データ処理装置1の袋支持装置2について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。以下に、本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
【0028】
次に本発明の第二実施形態による袋支持装置2Aについて
図7により説明する。
図7に示す袋支持装置2Aにおいて、天板27の下面には、収納部として、その長手方向に所定間隔を開けて一対の係止具32が設けられ、各係止具32にはレジ袋Rを略U字状に折り曲げて引っ掛けるための袋掛け部33が係止されている。係止具32は略U字状に形成されていて両端部が天板27の下面に固定されている。袋掛け部33はレジ袋Rを引っ掛けるための略直線状の主部33aと、主部33aの両端で略L字状または円弧状に湾曲して形成されていてそれぞれ係止具32に係止させるフック部33bとを有している。
【0029】
本第二実施形態による袋支持装置2Aによれば、袋掛け部33に掛けたレジ袋Rがなくなった場合には、袋掛け部33を係止具32から外して新たなレジ袋Rの束が掛けられた別の袋掛け部33を係止具32に係止させることができる。本第二実施形態では、第一実施形態のように、天板27の下面側の袋掛け部28に新たなレジ袋Rの束を掛け直す場合と比較して、新たなレジ袋Rの束の取り付けが容易である。
【0030】
次に本発明の第三実施形態による袋支持装置2Bについて
図8により説明する。
図8に示す袋支持装置2Bにおいて、天板27の下面には袋掛け部35(収納部)として可動部材26側に比較的長さの短い略U字状の第一袋掛け部35aが固定され、その筐体3側には比較的長さの大きい略U字状の第二袋掛け部35bが固定されている。そして、第一袋掛け部35aと第二袋掛け部35bにはそれぞれレジ袋Rの束がU字状に折り曲げられて係止されている。
この場合、第二袋掛け部35bに掛けられたレジ袋Rの束は第一袋掛け部35aに掛けられたレジ袋Rの束より前側且つ下側に配設されているため、顧客は両方のレジ袋Rの束を目視可能であり、両方のレジ袋Rの束をそれぞれ取り外し可能である。
【0031】
しかも、両側の可動部材26には略U字状の袋押さえ部36が取り付けられており、この袋押さえ部36は第二袋掛け部35bに掛けられたレジ袋Rの束を押さえている。袋押さえ部36は収納ボックス17の開口23及び第二載置面15の内側に設置されており、天板27及びレジ袋Rが昇降する際、開口23及び第二載置面15に引っかからない。
これにより、天板27及びレジ袋Rを昇降させる際、第一袋掛け部35a及び第二袋掛け部35bに掛けられたレジ袋Rをスムーズに昇降させることができる。
なお、袋押さえ部36は他の実施形態等にも採用することができる。
【0032】
次に本発明の第三実施形態の変形例による袋支持装置2Cについて
図9により説明する。
本変形例では、第三実施形態による袋支持装置2Bにおける第一袋掛け部35a及び第二袋掛け部35bとその形状が相違する。即ち、本変形例における袋支持装置2Cでは、第一袋掛け部38として天板27の下面の両端部に略コの字状の第一腕部38aがそれぞれ固定され、両側の第一腕部38a間の下部には、レジ袋Rの束を掛ける第一主部38bが連結されている。
また、第二袋掛け部39として、天板27の下面にはその長手方向両端部に第一腕部38aより下方に延びる第二腕部39aがそれぞれ固定され、両側の第二腕部39a間には、レジ袋Rの束を引っ掛ける第二主部39bが連結されている。しかも、第二主部39bは第一主部38bより筐体3側に寄せられて下方に位置している。
【0033】
そのため、第一袋掛け部38と第二袋掛け部39における第一主部38b及び第二主部39bにレジ袋Rの束をそれぞれ掛ける。この状態で、第二袋掛け部39の第二主部39bに掛けられたレジ袋Rの束は第一袋掛け部38の第一主部38bに掛けられたレジ袋Rの束より下側且つ筐体3側に配設されている。そのため、顧客は両方のレジ袋Rの束を目視可能であり、両方のレジ袋Rの束をそれぞれ取り外し可能である。
【0034】
次の本発明の第四実施形態による袋支持装置2Dについて
図10により説明する。
本実施形態における袋支持装置2Dは、天板27の下面において、可動部材26側から筐体3側に向けて斜め下方に延びる略コの字状の袋押さえ部42が設置されている。袋押さえ部42は両側部のアーム部42aとレジ袋Rの束を押さえる押さえ部42bとで形成されている。また、両側部のアーム部42aの長手方向中間部にはレジ袋Rの束を折り曲げて掛けるための袋掛け部44が連結されている。
この袋掛け部44にレジ袋Rの束を略U字状に掛けた状態で、押さえ部42bによってレジ袋Rの束が押さえつけられる。そのため、天板27及び袋押さえ部42の昇降時にレジ袋Rの束が収納ボックス17の開口23や第二載置面15の端部に引っかかるのを防止できる。
【0035】
また、収納ボックス17の開口23には第一面18と第一及び第二側面20、21に断面コの字状の起立片部43が設置され、天板27及びレジ袋Rの束の昇降をガイドして保護する。起立片部43は、第一面18から袋押さえ部42に当接または近接する位置まで延びる起立片主部43aと、その両側部に設けた起立片側部43bとを有している。
そのため、袋支持装置2Dにおいて、天板27及びレジ袋Rの束の昇降時に、袋押さえ部42と起立片部43によってレジ袋Rの束の昇降をガイドし、開口23等に引っかかるのを防止して保護できる。
なお、本実施形態における袋支持装置2Dにおいて、天板27の側面に第二係止部30bが2つ固定されている。この場合、筐体3の側面3bに固定する第一係止部30aは2個であることが好ましいが、1個でもよい。
【0036】
また、天板27は第二係止部30bと共に上方に回動可能とされている。これによって、天板27を上方に開いた状態で袋掛け部44に対するレジ袋Rの取り外しや取り付けが容易になる。収納ボックス17の側面20、21に透明な窓47を設けてもよい。これによって、窓47を通して収納ボックス17内に予備のレジ袋17があることを店員等が目視確認できる。
また、収納ボックス17の底面22には切欠部22aが形成されており、レジ袋Rが収納ボックス17の内部に落下した場合には切欠部22aを通して容易に取り出すことができる。
【0037】
次の本発明の第五実施形態による袋支持装置2Eについて
図11により説明する。
本実施形態における袋支持装置2Eでは、天板27及び可動部材26を昇降させる電動モータやラック及びピニオン等の駆動機構は設けられていない。これに代えて、
図11(a)、(b)に示すように、天板27の筐体3の反対側で、長辺の側面に沿って略コの字状の取っ手45が固定されている。この取っ手45は天板27の長辺の全長に亘って設けられていることが好ましい。
なお、商品販売データ処理装置1のモードを対面式モードからセルフ式モードに切替えた場合には、袋支持装置2Eを引き上げるように店員用表示部10に報知し、セルフ式モードから対面式モードに切替えた場合には、袋支持装置2Eを引き下げるように店員用表示部10に報知することが望ましい。
【0038】
そして、天板27及びレジ袋Rの束を昇降させる際には、店員等が取っ手45を把持して昇降させ、上昇時には図示しない係止部に係止させることで上昇位置に保持できる。取っ手45を把持して降下させた際には、天板27が収納ボックス17の開口23に着座することで第二載置面15と面一に保持される。
上昇位置で天板27が一時置き台として使用される場合には、取っ手45はパンや卵パック等の一時置き商品が天板27から落下することを阻止するガード部としても機能する。また、降下位置で天板27が第二載置面15と面一に配設された場合にも、取っ手45は商品が落下するのを阻止するガード部として機能する。
【0039】
なお、上述した各実施形態や変形例では、袋支持装置2、2A、2B、2C、2D、2Eは商品販売データ処理装置1の第二載置面15に連結板31がネジ固定された一体構造としたが、不使用時には袋支持装置2、2A、2B、2C、2D、2Eを商品販売データ処理装置1の第二載置面15から分離させてもよい。この場合、連結板31をネジで第二載置面15に固定する構成に代えて、連結板31が第二載置面15の下面に離脱可能に圧接された構成を採用してもよい。
【0040】
また、上述した各実施形態では、レジ袋Rの束を掛ける袋掛け部28、33、35a、35b、38、39を天板27の下面に取り付けたが、これに代えて可動部材26に取り付けてもよい。袋掛け部28、33、35a、35b、38、39をフックで形成してレジ袋Rに設けた穴に係止させてもよい。
固定部材25と可動部材26は支持部材に含まれる。なお、袋掛け部28、33、35a、35b、38、39等はレジ袋Rの束を保持する収納部に含まれる。収納部は天板27を介して可動部材26に昇降可能に支持されていなくてもよい。例えば、固定配置された支持部材に沿って収納部を昇降させて下方の第1の位置と上方に突出させた第2の位置とを選択的に取り得るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 商品販売データ処理装置
2、2A、2B、2C、2D、2E 袋支持装置
3 筐体
15 第二載置面
17 収納ボックス
25 固定部材
26 可動部材
27 天板
28、33、44 袋掛け部
30a 第一係止部
30b 第二係止部
32 係止具
35a、38 第一袋掛け部
35b、39 第二袋掛け部
36、42 袋押さえ部
45 取っ手
R レジ袋