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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】管内清掃方法
(51)【国際特許分類】
   E03F 9/00 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
E03F9/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020026322
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021130958
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-02-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和元年6月10日に東京都下水道局におけるプレゼンテーションにて下水管内清掃方法の内容をプレゼンテーションソフトにより公開。 (2)令和元年7月18日に大阪府大東市新田旭町4付近にて、下水管内清掃方法を実機を用いた現場試験及びデモンストレーションにより公開。 (3)令和元年7月24日に神奈川県小田原市飯泉11-1にて、下水管内清掃方法を実機を用いた現場試験及びデモンストレーションにより公開。 (4)令和元年7月31日に東京都下水道局におけるプレゼンテーションにて下水管内清掃方法の内容をプレゼンテーションソフトにより公開。 (5)令和元年8月6日~9日に高田淳及び内海克哉は、下水道展´19横浜にて、下水管内清掃方法の内容をビデオ上映により公開した。 (6)令和元年9年26日に広島県三原市本郷南2丁目9にて、下水管内清掃方法を実機を用いた現場試験及びデモンストレーションにより公開。 (7)令和元年10月10日に東京都下水道局西部第一事務所におけるプレゼンテーションにて下水管内清掃方法の内容をプレゼンテーションソフトにより公開。 (8)令和元年11月19日に内海克哉は、第30回非開削技術研究発表会にて、下水管内清掃方法の内容をプレゼンテーションソフトにより公開。 (9)令和元年11月19日発行の第30回非開削技術研究発表会論文集(一般社団法人日本非開削技術協会)に掲載。 (10)令和元年12月5日~7日に高田淳及び内海克哉は、エコプロダクツ2019にて、下水管内清掃方法の内容をビデオ上映により公開。 (11)令和2年2月14日に株式会社エヌ・エス・シー・エンジニアリングにおけるプレゼンテーションにて下水管内清掃方法の内容をプレゼンテーションソフトにより公開。 (12)令和2年2月17日に管清工業株式会社 横浜研修センターにて、東京都下水道局計画調整部技術開発課職員に対し実機を示して説明することにより公開
(73)【特許権者】
【識別番号】592185666
【氏名又は名称】管清工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091410
【弁理士】
【氏名又は名称】澁谷 啓朗
(72)【発明者】
【氏名】高田 淳
(72)【発明者】
【氏名】内海 克哉
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-287796(JP,A)
【文献】特開平9-195236(JP,A)
【文献】実開平5-89585(JP,U)
【文献】特開平2-70841(JP,A)
【文献】特開2018-16957(JP,A)
【文献】特開2000-160673(JP,A)
【文献】特開平5-302354(JP,A)
【文献】特開平9-108643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水管等の管内の汚泥等の堆積付着物を清掃する管内清掃方法であって、
清掃ホースを有し、高圧水等の噴射装置又は発射装置が設けられた、下水管等の管内を走行できる管内清掃ロボットと、前記管内清掃ロボットの前記清掃ホースが接続されるレシーバタンク装置と、前記レシーバタンク装置の排出口からの排出物を受けるように配置される回収タンクと、吸引タンク及びこの吸引タンクに接続された吸引ホースを有し、前記レシーバタンク装置にこの吸引ホースが接続される吸引装置と、を準備する準備工程と、
下水管等の管内に配置された前記管内清掃ロボットの前記噴射装置又は発射装置により粉砕等された管内の堆積付着物を前記清掃ホースで吸い込んで清掃するために、前記レシーバタンク装置を介する前記吸引装置の吸引力により管内の水を前記清掃ホースで吸い込み、吸い込んだ水を前記清掃ホースから前記レシーバタンク装置に吐き出す清掃工程と、
前記レシーバタンク装置に溜まった水を、前記レシーバタンク装置の前記排出口から前記回収タンクに回収する回収工程と、を備え、
前記レシーバタンク装置には一対のレシーバタンクが設けられ、
前記清掃工程は、前記清掃ホースで吸い込んだ水を一方の前記レシーバタンクに吐き出す第1の清掃工程と、前記清掃ホースで吸い込んだ水を他方の前記レシーバタンクに吐き出す第2の清掃工程と、を有し、
前記回収工程は、前記第1の清掃工程の終了後に一方の前記レシーバタンクに溜まった水を一方の前記レシーバタンクの前記排出口から前記回収タンクに回収する第1の回収工程と、前記第2の清掃工程の終了後に他方の前記レシーバタンクに溜まった水を他方の前記レシーバタンクの前記排出口から前記回収タンクに回収する第2の回収工程と、を有していて、
前記回収タンクには、回収した水を堆積付着物を除去又は分離して排出するための排出構造が設けられている、ことを特徴とする管内清掃方法。
【請求項2】
前記排出構造による回収した水の排出工程は、前記清掃工程の実施中に又は前記清掃工程の実施中から終了後にかけて行われる、ことを特徴とする請求項1記載の管内清掃方法。
【請求項3】
前記回収タンクからの水の排出は前記管内に向けて行われる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の管内清掃方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管内を清掃ロボットにより清掃する管内清掃方法に関し、特に大口径の下水管内を清掃する下水管内清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下水管や側溝などの流路内には汚泥等が堆積したり付着したりするので、この堆積や付着する汚泥等を取り除くために流路内を清掃する必要がある。流路内の清掃は、例えば特許文献1に示すように、流路内で高圧洗浄水を噴射することによって堆積や付着している汚泥等を粉砕し、粉砕した汚泥等を洗浄水や下水などとともに吸引車で吸引することにより行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-105520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この流路内の清掃方法では、吸引車で吸引する洗浄水や下水などの水の量が多い場合には、吸引車の吸引タンクが早期に汚泥等を含んだ水によって満量となってしまう。吸引車の吸引タンクが満量となると、一旦清掃作業を中断し、吸引タンク内の水を排水してから再び清掃作業を開始することとなるので、吸引タンクの早期の満量は清掃作業効率を低下させる。
【0005】
そこで本発明は、清掃効率に優れた管内清掃方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するための本発明の管内清掃方法は、下水管等の管内の汚泥等の堆積付着物を清掃する管内清掃方法であって、清掃ホースを有し、高圧水等の噴射装置又は発射装置が設けられた、下水管等の管内を走行できる管内清掃ロボットと、前記管内清掃ロボットの前記清掃ホースが接続されるレシーバタンク装置と、前記レシーバタンク装置の排出口からの排出物を受けるように配置される回収タンクと、吸引タンク及びこの吸引タンクに接続された吸引ホースを有し、前記レシーバタンク装置にこの吸引ホースが接続される吸引装置と、を準備する準備工程又は準備作業と、下水管等の管内に配置された前記管内清掃ロボットの前記噴射装置又は発射装置により粉砕等された管内の堆積付着物を前記清掃ホースで吸い込んで清掃するために、前記レシーバタンク装置を介する前記吸引装置の吸引力により管内の水を前記清掃ホースで吸い込み、吸い込んだ水を前記清掃ホースから前記レシーバタンク装置に吐き出す清掃工程又は清掃作業と、前記レシーバタンク装置に溜まった水を、前記レシーバタンク装置の排出口から前記回収タンクに回収する回収工程又は回収作業と、を備え、前記レシーバタンク装置には一対のレシーバタンクが設けられ、前記清掃工程又は清掃作業は、前記清掃ホースで吸い込んだ水を一方の前記レシーバタンクに吐き出す第1の清掃工程又は清掃作業と、前記清掃ホースで吸い込んだ水を他方の前記レシーバタンクに吐き出す第2の清掃工程又は清掃作業と、を有し、前記回収工程又は回収作業は、前記第1の清掃工程又は清掃作業の終了後に一方の前記レシーバタンクに溜まった水を一方の前記レシーバタンクの前記排出口から前記回収タンクに回収する第1の回収工程又は回収作業と、前記第2の清掃工程又は清掃作業の終了後に他方の前記レシーバタンクに溜まった水を他方の前記レシーバタンクの前記排出口から前記回収タンクに回収する第2の回収工程又は回収作業と、を有していて、前記回収タンクには、回収した水を前記堆積付着物を除去又は分離して排出するための排出構造が設けられているものである。
【0007】
本発明の管内清掃方法は、例えば大口径の下水管内を清掃するために実施されるものである。管内清掃ロボットは、例えば10cm乃至50cmの深さ(最大深さ)の下水が流れる下水管内を、例えば下水の流れに逆らって又は上流側に移動しながら、あるいは下流側に移動しながら清掃を行っていく。管内清掃ロボットは、例えば高圧洗浄水の噴射装置又は発射装置により堆積付着物(堆積物又は付着物)の粉砕や剥離などを行う。管内清掃ロボットは、例えばテレビカメラを有し、このテレビカメラにより確認された堆積付着物の粉砕等を噴射装置又は発射装置により行う。管内清掃ロボットは停車して堆積付着物の粉砕等を噴射装置又は発射装置により行うことができる。
【0008】
管内清掃ロボットの噴射装置又は発射装置により粉砕等された堆積付着物を清掃ホースで吸い込んで清掃するために、例えば、吸引装置の吸引力を常にレシーバタンク装置に作用させ、清掃ホースを常に吸引状態に保持しておくことができる。このように構成すると、清掃ホースからレシーバタンク装置に運ばれる下水等の水の量が多くなるが、レシーバタンク装置に一対のレシーバタンクを設けておき、例えば、清掃ホースから一方のレシーバタンクに水が吐き出される状態では他方のレシーバタンクは水が吐き出されない状態であり(第1の清掃工程又は清掃作業)、例えば、一方のレシーバタンクに水が所定量溜まると、一方のレシーバタンクは水が吐き出されない状態に切り換わり、例えば空の状態の他方のレシーバタンクは清掃ホースから水が吐き出される状態に切り換わる(第2の清掃工程又は清掃作業)。例えば、第1の清掃工程又は清掃作業が終了すると第2の清掃工程又は清掃作業中に一方のレシーバタンクに溜まった水が回収タンクに回収される(第1の回収工程又は回収作業)。また、例えば、他方のレシーバタンクに水が所定量溜まると、他方のレシーバタンクは水が吐き出されない状態に切り換わり、例えば空の状態の一方のレシーバタンクは清掃ホースから水が吐き出される状態に切り換わる(第1の清掃工程又は清掃作業)。例えば、第2の清掃工程又は清掃作業が終了すると第1の清掃工程又は清掃作業中に他方のレシーバタンクに溜まった水が回収タンクに回収される(第2の回収工程又は回収作業)。このようにして、例えば、第1の清掃工程又は清掃作業と第2の清掃工程又は清掃作業が必要な回数だけ交互に繰り返されるが、例えば、清掃工程又は清掃作業の間中又は全清掃工程又は清掃作業中、吸引装置の吸引力が常にレシーバタンク装置に作用している。
【0009】
ここで、回収タンクの容量が大きければ、回収されるべき総量の水を収容することができるが、それでは回収タンクの設置や運搬が煩雑となる。そこで、回収タンクに回収した水を堆積付着物を除去又は分離して排出するための排出構造を設けておくことが好ましい。このように構成すれば、堆積付着物を除去又は分離した水のみを、随時、例えば清掃工程又は清掃作業の実施中に若しくは清掃工程又は清掃作業の実施中から終了後にかけて、例えば下水管などの管内に戻すことができるので、回収タンクの容量を小さくしておくことができる。具体的には、回収タンクの内部を回収槽と水の槽とに区画する隔壁を形成し、隔壁に、回収槽に回収した水をろ過して水の槽に流し込むための窓(例えばメッシュ窓)を設け、水の槽の外壁の下側に排水手段を設けておく。窓は例えば排水手段よりも上側に設ける。
【発明の効果】
【0010】
本発明の管内清掃方法を用いれば、効率的に下水管等の管内を清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る下水管内清掃方法の実施に用いられる下水管内清掃システムを概略的に示す図である。
図2】下水管内清掃ロボットを示す図である。
図3】ホース巻取リール装置、回収タンク及びレシーバタンク装置を示す図である。
図4】回収タンク及びレシーバタンク装置の斜視図である。
図5】回収タンクの斜視図である。
図6】第1の清掃工程、第2の清掃工程、第1の回収工程及び排出工程を説明する図である。
図7】第2の清掃工程から切り替わった第1の清掃工程、第2の回収工程及び排出工程を説明する図である。
図8】清掃工程及び排出工程の終了状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、図1を参照して本発明に係る下水管内清掃方法の実施に用いられる下水管内清掃システムを概略的に説明する。
【0013】
下水管内清掃システム1は、管径800mm以上の大口径の下水管3内を清掃するために下水管3内に配置された下水管内清掃ロボット5と、例えばマンホール7の近傍の道路9に設置された、下水管内清掃ロボット5の清掃ホース11を巻き取っているホース巻取リール装置13と、例えばマンホール7の近傍の道路9に設置された回収タンク15と、この回収タンク15上に載せられるように配置されたレシーバタンク装置17と、道路9に停車している吸引車19(吸収装置)と、を備えている。
【0014】
次に、図2乃至図5を参照して下水管内清掃ロボット5、ホース巻取リール装置13、回収タンク15及びレシーバタンク装置17を詳細に説明する。
【0015】
下水管内清掃ロボット5は、図2に拡大して示すように、モータ(図示せず)で駆動される車輪21を備えた本体23と、本体23の先端部に設けられた高圧洗浄水噴射装置(ノズル)25及びテレビカメラ27と、先端側がこの本体23の下側に配置され、後側がマンホール7を通って、道路9に設置されているホース巻取リール装置13(図3参照)に巻き取られている清掃ホース11と、この清掃ホース11の先端部に設けられた吸込口部材31と、本体23の先端部と吸込口部材31との間に設けられた、吸込口部材31の昇降用のシリンダ33と、を備えていて、ホース巻取リール装置13から清掃ホース11を繰り出しながら下水管3内を上流側に向かって自走し(矢印参照)、吸込口部材31内に高圧洗浄水により粉砕等した汚泥等を含んだ下水を集めて吸引する。なお、下水管3内には、例えば車輪21に達する深さの下水35が流れている。また、高圧洗浄水噴射装置25に高圧水を供給する高圧ホース及び高圧車と電源信号ケーブルなどは図示を省略している。
【0016】
ホース巻取リール装置13は、図3に示すように、道路9上に設置された基台37と、この基台37に回転可能に取り付けられた巻取リール39と、を備え、この巻取リール39に清掃ホース11が繰出可能に巻き取られている。
【0017】
回収タンク15は、図3図4及び図5に示すように、上面開口のボックス状に形成され、内部は隔壁41によって、汚泥等を含んだ下水を回収する回収槽43と、汚泥等を分離して下水を受けるための下水槽45と、に区分けされている。隔壁41には、下側と上側に一つずつ、回収槽43から下水槽45に下水を流すための窓47、49があけられ、それぞれの窓47、49には取り外し可能な網目部材51、53が取り付けられていて、窓47、49はメッシュ窓として構成されている。下水槽45の外壁の下側には、下水槽45内の下水を排水するための下水戻しパイプ55(排水手段)が設けられ、この下水戻しパイプ55に接続された下水戻しホース57はマンホール7を通って下流側の下水管5に導かれている(図1も参照)。なお、図3の符号59、59は回収タンク15を移動させるための、ストッパ付きのキャスタである。また、図3の符号58は、回収槽43に溜った汚泥等を排出するためのドレン口であり、通常はキャップ60で閉塞されている。
【0018】
レシーバタンク装置17は、図3及び図4に示すように、一対のレシーバタンク61、63を有していて、回収タンク15の支持バー65、67上に載せられて支えられている。一対のレシーバタンク61、63の前側の上端部にはそれぞれ、例えばコ字状の吸気パイプ69の一端部71及び他端部73が接続され、この吸気パイプ69の一端側及び他端側にはそれぞれ、一方側吸気用バタフライバルブ(図示せず)及び他方側吸気用バタフライバルブ(図示せず)を収容する一方側吸気バルブ収容部75及び他方側吸気バルブ収容部77が形成されていて、吸気パイプ69の中央部には真空引きパイプ79が接続され、この真空引きパイプ79には吸引車19の吸引タンク(吸引車のレシーバタンク)81(図1参照)から延びる吸引ホース83が連結されている。また、一対のレシーバタンク61、63の後側の上端部にはそれぞれ、例えばコ字状の吸水パイプ85の一端部87及び他端部89が接続され、この吸水パイプ85の一端側及び他端側にはそれぞれ、一方側吸水用バタフライバルブ(図示せず)及び他方側吸水用バタフライバルブ(図示せず)を収容する一方側吸水バルブ収容部91及び他方側吸水バルブ収容部93が形成されていて、吸水パイプ85の中央部には吸上げ用パイプ95が接続され、この吸上げ用パイプ95には、清掃ホース11の後端部と連通するように巻取リール39の軸に一端部が連通された吸上げホース97の他端部が接続されている。なお、図1及び図3に仮想線で示すように、吸上げホース97を用いずに、清掃ホース11の後端側を巻取リール39に1回乃至3回程度巻き付けた状態としておき、清掃ホース11の後端部をレシーバタンク装置17側に延ばして吸上げ用パイプ95に直接接続しておいてもよい。
【0019】
それぞれのレシーバタンク61、63の内部には、タンク内に吸い上げられた又は吸い込まれた下水の水面が所定高さに達したことを検知する一方側液面センサ99及び他方側液面センサ101が設けられ、それぞれのレシーバタンク61、63の下端開口(排出口)103、105は、一方側開閉シリンダ(図示せず)及び他方側開閉シリンダ(図示せず)の駆動により開閉する一方側ハッチ(一方側の蓋)107及び他方側ハッチ(他方側の蓋)109により閉塞されている。レシーバタンク61、63の下端開口103、105は回収槽43の上側に位置している。
【0020】
図6乃至図8を参照して下水管内清掃システム1の作動態様を説明する。
【0021】
まず、吸気パイプ69の一方側吸気バルブ収容部75に収容されている一方側吸気用バタフライバルブ及び吸水パイプ85の一方側吸水バルブ収容部91に収容されている一方側吸水用バタフライバルブを開状態、吸気パイプ69の他方側吸気バルブ収容部77に収容されている他方側吸気用バタフライバルブ及び吸水パイプ85の他方側吸水バルブ収容部93に収容されている他方側吸水用バタフライバルブを閉状態とし、かつ、一対のレシーバタンク61、63のハッチ107、109を閉状態として吸引車19の吸引タンク81内を減圧する。そうすると、吸引ホース83、真空引きパイプ79及び吸気パイプ69を介して一方のレシーバタンク61内が減圧され(図6のaの矢印A参照)、清掃ホース11を介し(図6のaの矢印B参照)、かつ吸水ホース97、吸上げ用パイプ95及び吸水パイプ85を介して(図6のaの矢印C参照)下水管3内の下水(あるいは下水及び洗浄水)が一方のレシーバタンク61内に吸い上げられる(第1の清掃工程又は清掃作業)。なお、吸水ホース97を使用しない場合は、清掃ホース11、吸上げ用パイプ95及び吸水パイプ85を介して下水管3内の下水(あるいは下水及び洗浄水)が一方のレシーバタンク61内に吸い上げられる。したがって、汚泥等の堆積付着物を粉砕等し、粉砕した堆積付着物を含んだ下水を吸い上げて下水管3内を清掃することができる。
【0022】
一方のレシーバタンク61内に吸い上げられた下水が所定量となり、下水の液面が一方側液面センサ99によって検知されると、一方側液面センサ99から検知信号が出力され、吸気パイプ69の一方側吸気バルブ収容部75に収容されている一方側吸気用バタフライバルブ及び吸水パイプ85の一方側吸水バルブ収容部91に収容されている一方側吸水用バタフライバルブが閉状態に自動的に切り替わり、吸気パイプ69の他方側吸気バルブ収容部77に収容されている他方側吸気用バタフライバルブ及び吸水パイプ85の他方側吸水バルブ収容部89に収容されている他方側吸水用バタフライバルブが開状態に自動的に切り替わる。そうすると、吸引ホース83、真空引きパイプ79及び吸気パイプ69を介して他方のレシーバタンク63内が減圧され(図6のbの矢印D参照)、清掃ホース11を介し(図6のbの矢印E参照)、かつ吸水ホース97、吸上げ用パイプ95及び吸水パイプ85を介して(図6のbの矢印F参照)下水管3内の下水(あるいは下水及び洗浄水)が他方のレシーバタンク63内に吸い上げられる(第2の清掃工程又は清掃作業)。なお、吸水ホース97を使用しない場合は、清掃ホース11、吸上げ用パイプ95及び吸水パイプ85を介して下水管3内の下水(あるいは下水及び洗浄水)が他方のレシーバタンク63内に吸い上げられる。したがって、汚泥等の堆積付着物を粉砕等し、粉砕した堆積付着物を含んだ下水を吸い上げて下水管3内を清掃することができる。また、吸引車19の吸引タンク81内の減圧や下水管内清掃ロボット5の清掃作業を中断することなく継続させて第1の清掃工程又は清掃作業から第2の清掃工程又は清掃作業に移行できる。
【0023】
また、一方側液面センサ99から検知信号が出力されると、一方のレシーバタンク61の一方側ハッチ107が開状態に自動的に変位する(図6のc)。したがって、一方のレシーバタンク61内に引き込まれた下水111は回収タンク15の回収槽43内に流れ込む。一方側ハッチ107は開いてから所定時間経過後に自動的に閉状態に復帰する。回収槽43内に回収された下水111は窓47からろ過されて下水槽45内に流れ込み(符号112参照)、下水戻しパイプ55から下水管3内に流出する(図6のd)。
【0024】
他方のレシーバタンク63内に吸い上げられた下水が所定量となり、下水の液面が他方側液面センサ101によって検知されると、他方側液面センサ101から検知信号が出力され、吸気パイプ69の他方側吸気バルブ収容部77に収容されている他方側吸気用バタフライバルブ及び吸水パイプ85の他方側吸水バルブ収容部89に収容されている他方側吸水用バタフライバルブが閉状態に自動的に切り替わり、吸気パイプ69の一方側吸気バルブ収容部75に収容されている一方側吸気用バタフライバルブ及び吸水パイプ85の一方側吸水バルブ収容部91に収容されている一方側吸水用バタフライバルブが開状態に自動的に切り替わる。そうすると、吸引ホース83、真空引きパイプ79及び吸気パイプ69を介して一方のレシーバタンク61内が再び減圧され(図7のaの矢印G参照)、清掃ホース11を介し(図7のaの矢印H参照)、かつ吸水ホース97、吸上げ用パイプ95及び吸水パイプ85を介して(図7のaの矢印I参照)下水管3内の下水(あるいは下水及び洗浄水)が再び一方のレシーバタンク61内に吸い上げられる(第1の清掃工程又は清掃作業)。なお、吸水ホース97を使用しない場合は、清掃ホース11、吸上げ用パイプ95及び吸水パイプ85を介して下水管3内の下水(あるいは下水及び洗浄水)が再び一方のレシーバタンク61内に吸い上げられる。したがって、汚泥等の堆積付着物を粉砕等し、粉砕した堆積付着物を含んだ下水を吸い上げて下水管3内を清掃することができる。また、吸引車19の吸引タンク81内の減圧や下水管内清掃ロボット5の清掃作業を中断することなく継続させて第2の清掃工程又は清掃作業から第1の清掃工程又は清掃作業に移行できる。
【0025】
また、他方側液面センサ101から検知信号が出力されると、他方のレシーバタンク63の他方側ハッチ109が開状態に自動的に変位する(図7のb)。したがって、他方のレシーバタンク63内に引き込まれた下水111は回収タンク15の回収槽43内に流れ込む。他方側ハッチ109は開いてから所定時間経過後に自動的に閉状態に復帰する。回収槽43内に回収された下水111は窓47からろ過されて下水槽45内に流れ込み(符号112参照)、下水戻しパイプ55から下水管3内に流出する(図7のc)。
【0026】
このような一対のレシーバタンク61、63の切り替え作動を繰り返すことにより、下水管内清掃ロボット5の堆積付着物の粉砕等の作業や自走及び吸引車19の吸引タンク81内の減圧を中断することなく清掃作業を継続して行うことができる。
【0027】
回収タンク15の回収槽43の収容容量は、それぞれのレシーバタンク61、63の収容容量の2倍乃至6倍とすることができるが、ここでは例えばほぼ4倍となっている。上側の窓49は回収槽43内の下水111の水位が上昇しすぎないようにするためのものである。
【0028】
すべての清掃工程又は清掃作業が終了すると、あるいはすべての清掃工程又は清掃作業が終了し、排出工程も終了すると、回収槽43内に、回収した下水に含まれていた汚泥等113が溜った状態となっている。したがって、図8に示すように、キャップ60を外したドレン口58に吸収車19の吸引ホース83を接続し、この汚泥等113を吸引タンク81内に吸い込む。ドレン口58に吸引ホース83を接続する際にドレン口58から汚泥等113がこぼれてしまわないように、ドレン口58の内側に取り外し可能な栓(図示せず)を設けておくことが好ましい。そして、ドレン口58に吸引ホース83を接続したらこの栓を外して吸引ホース83で汚泥等113を吸収タンク81内に引き込む。
【0029】
なお、レシーバタンク装置17及び回収タンク装置15を小型に構成し、地上ではなくマンホール内に配置することもできる。
【符号の説明】
【0030】
1 下水管内清掃システム
3 下水管
5 下水管内清掃ロボット
11 清掃ホース
13 ホース巻取リール装置
15 回収タンク
17 レシーバタンク装置
19 吸引車
41 隔壁
43 回収槽
45 下水槽
47、49 窓
55 下水戻しパイプ
61、63 レシーバタンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8