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特許7403907溶接品質を分析するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】溶接品質を分析するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 31/00 20060101AFI20231218BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231218BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20231218BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20231218BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20231218BHJP
【FI】
B23K31/00 L
G06T7/00 610
G06T7/00 350B
G06T7/60 150S
G06V10/70
B23K26/00 P
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022076135
(22)【出願日】2022-05-02
(65)【公開番号】P2023124755
(43)【公開日】2023-09-06
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】202211010223
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ヴァムシ・コムマレディ
(72)【発明者】
【氏名】スリーカル・カルナティ
(72)【発明者】
【氏名】シヴァッパ・ゴラヴァル
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・シー・ガリアーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフェリー・アール・ティッセン
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-020392(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003202(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/262050(WO,A1)
【文献】特開2020-203294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 31/00
G06T 7/00
G06T 7/60
G06V 10/70
B23K 26/00 ー 26/70
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接品質を分析するためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリデバイスとを有するコントローラを備え、前記少なくとも1つのメモリデバイスが、表面トポロジーデータおよび溶接プロセスパラメータを受信し、前記表面トポロジーデータおよび前記溶接プロセスパラメータを処理して複数の規定の溶接特性からある溶接特性を特定するように構成された少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを記憶し、かつ前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに前記少なくとも1つのプロセッサに動作を実行させる命令を記憶し、前記少なくとも1つのプロセッサが、
複数の履歴溶接特徴量を有する第1の複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接特徴量データであって、前記複数の履歴溶接特徴量に関連する履歴溶接特性を特定するラベル付けされた溶接特徴量データを受信することと、
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して前記複数の履歴溶接特徴量と前記履歴溶接特性との関係を判定することと、
溶接部に関連する溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信することと、
前記溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを受信することと、
前記溶接後表面トポロジーデータまたは前記少なくとも1つの溶接プロセスパラメータの少なくとも一方から少なくとも1つの溶接特徴量を抽出することと、
前記複数の履歴溶接特徴量と前記履歴溶接特性との前記関係に基づいて前記複数の規定の溶接特性から前記溶接部の少なくとも1つの溶接特性を前記コントローラを介して特定することとを行うように構成される、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの溶接特性は、表面不連続部または表面下不連続部の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、
複数の溶接分類器を生成することと、
前記少なくとも1つの溶接特徴量および前記複数の履歴溶接特徴量と前記履歴溶接特性との前記関係に基づいて前記複数の溶接分類器のうちの少なくとも1つの溶接分類器を、前記コントローラを介して前記溶接部に割り当てることとを行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの溶接特性に基づいて溶接分類レポートを生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの溶接特徴量を抽出するために前記溶接後表面トポロジーデータを処理するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの溶接特徴量は、形状、寸法、溶接プロファイルの形状、前記溶接プロファイルの寸法、または前記溶接部の統計的特徴量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
レーザスキャナをさらに備え、前記レーザスキャナは、前記1つまたは複数の検査デバイスを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、
第2の複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接前表面トポロジーデータを受信することであって、前記第2の複数の履歴溶接部についての前記ラベル付けされた溶接前表面トポロジーデータが、履歴溶接前表面トポロジーデータに関連する履歴溶接特性を特定する、受信することと、
少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して前記履歴溶接前表面トポロジーデータと前記履歴溶接特性との関係を判定することと、
前記溶接部に関連する溶接前表面トポロジーデータを受信することと、
前記履歴溶接前表面トポロジーデータと前記履歴溶接特性と前記溶接前表面トポロジーデータとの関係に基づいて前記溶接部の少なくとも1つの溶接特性を前記コントローラを介して特定することとを行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記溶接前表面トポロジーデータおよび前記溶接後表面トポロジーデータは点群データである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、
前記点群データを画像データに変換することと、
前記画像データの明暗度を取得することと、
前記画像データの前記明暗度に基づいて前記溶接部についての溶接セクションを生成することと、
前記溶接セクションに基づいて前記少なくとも1つの溶接特徴量を抽出することとを行うように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
溶接品質を分析するための方法であって、
ラベル付けされた履歴溶接特徴量データと履歴溶接特性とを含む、複数の履歴溶接部に関する情報を受信するステップと、
前記受信された表面トポロジー情報を定義する溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信するステップと、
構成要素の溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを受信するステップと、
前記ラベル付けされた履歴溶接特徴量データと履歴溶接特性との相関関係を少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して判定するステップと、
前記判定された相関関係、少なくとも1つの溶接プロセスパラメータ、および前記受信された表面トポロジー情報に基づいて、前記構成要素の少なくとも1つの表面下欠陥をコントローラを介して予測するステップとを含む方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの表面下欠陥に基づいて少なくとも1つの溶接分類器を前記コントローラを介して前記溶接部に割り当てるステップをさらに含み、前記少なくとも1つの分類器は、前記溶接部を適合状態または不適合状態として特定する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記構成要素は、積層造形された構成要素であり、前記溶接部は重ね継ぎ目である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
溶接品質を分析する方法であって、
溶接部に関連する溶接前表面トポロジーデータおよび溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信するステップと、
前記溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを1つまたは複数の溶接デバイスから受信するステップと、
前記溶接前表面トポロジーデータ、前記溶接後表面トポロジーデータ、および前記少なくとも1つの溶接プロセスパラメータから少なくとも1つの溶接特徴量を抽出するステップと、
溶接特徴量に基づいて溶接特性を特定するように構成された訓練済み機械学習アルゴリズムを介して前記少なくとも1つの溶接特徴量を分析することによって、前記溶接部に関連する少なくとも1つの溶接特性を判定するステップであって、前記訓練済み機械学習アルゴリズムが、前記少なくとも1つの溶接特徴量を入力として受信し、前記溶接部に関連する前記少なくとも1つの溶接特性を出力として特定する、ステップとを含む方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの溶接特性に基づいて少なくとも1つの溶接分類器を前記溶接部に割り当てるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの溶接分類器は、前記溶接部が少なくとも1つの所定の溶接標準に適合しているかどうかを特定する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
検査検証情報を受信するステップであって、前記検査検証情報が、前記溶接部についての目視検査結果または体積検査結果の少なくとも一方を含む、ステップと、
前記検査検証情報を前記少なくとも1つの溶接分類器と比較するステップと、
前記検査検証情報と前記少なくとも1つの溶接分類器との比較に基づいて前記訓練済み機械学習アルゴリズムを更新するステップとをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記訓練済み機械学習アルゴリズムを更新するステップは、前記訓練済み機械学習アルゴリズムのための訓練データセットに前記検査検証情報を付加するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記訓練済み機械学習アルゴリズムを訓練するために使用される訓練データセットは、既知の特性を有する溶接部の履歴溶接特徴量を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記履歴溶接特徴量は、履歴溶接前表面トポロジーデータおよび履歴溶接後表面トポロジーデータに基づいて判定され、前記履歴溶接前表面トポロジーデータおよび前記履歴溶接後表面トポロジーデータは、既知の特性を有する前記溶接部に関連付けられる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は、概して溶接品質の分析に関し、より詳細には溶接部に関連する特性の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、溶接工程では、様々な不連続部などの溶接部の特性が検査を介して特定される。そのような不連続部は溶接部自体に存在することもまたは熱影響部(HAZ)に存在することもある。不連続部には、機械的特性、冶金学的特性、または物理的特性における均一性の欠如などの材料の典型的な構造における断続部が含まれる場合がある。いくつかの例では、不連続部が欠陥になることがあり、それによって、部品または製品が、適用される標準または仕様を満たすまたはそのような標準または仕様に適合することができなくなる。溶接部における不連続部は、溶接部の外面上に存在する表面不連続部または溶接部の内部の表面下不連続部となることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書では、溶接パラメータおよび/または溶接プロセスパラメータの表面トポロジーを使用して溶接品質を分析するための方法およびシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】いくつかの実施形態による溶接品質を分析するためのシステムのブロック図である。
図2A】溶接部についての例示的な3次元溶接後トポロジーデータの画像である。
図2B】溶接部についての例示的な溶接セクションの画像である。
図2C】溶接部に関連する例示的な統計的溶接特徴量のグラフである。
図2D】溶接部に関連する例示的な溶接特徴量のグラフである。
図2E】溶接部に関連する例示的なヒストグラムである。
図3図1における溶接品質を分析するためのシステムにおけるモジュールの概略図である。
図4図1における溶接品質を分析するためのシステムにおけるモジュールの概略図である。
図5】いくつかの実施形態による溶接品質を分析するための方法の態様の流れ図である。
図6】いくつかの実施形態による溶接品質を分析するための方法の態様の流れ図である。
図7】いくつかの実施形態による溶接品質を分析するための方法の態様の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
各図における要素は、説明を簡単にかつ明確にするために示されており、必ずしも正確な縮尺で描かれていない。たとえば、図における要素のいくつかの寸法および/または相対位置は、様々な実施形態を理解するのを助けるために他の要素に対して誇張されることがある。さらに、商業的に実現可能な実施形態において有用であるかまたは必要な一般的であるが十分理解されている要素は、これらの様々な実施形態を見づらくしないように図示されないことが多い。
【0006】
溶接部の表面不連続部は、溶接部の目視検査によって溶接者または検査者などの作業者が見ることができる場合がある。目視検査は、不連続部の有無を検出することがあり、そのような不連続部の場所または位置およびそのような不連続部のサイズまたは寸法を特定する寸法検査を伴うことが多い。しかし、表面下不連続部は、超音波検査および/またはX線検査などの体積検査方法によってのみ見ることができる場合があり、体積検査方法は一般に、目視検査の後に行われる。目視検査方法と体積検査方法はどちらも、一般に溶接工程が完了した後に行われる。さらに、目視検査方法および体積検査方法は、たとえば、検査結果が溶接品質標準に適合しているかどうかまたは検査結果が不適合不連続部(すなわち、欠陥)を含むかどうかの解釈において、ある程度の主観性を伴うことが多い。
【0007】
本明細書では、溶接品質を分析するシステムおよび方法が提供される。詳細には、溶接品質を分析するシステムおよび方法は、溶接部に関連する溶接特性を特定または予測する場合がある。溶接特性は、不連続部(たとえば、表面不連続部および/または表面下不連続部)、溶接部が溶接標準に適合しているかどうかに関する指示(たとえば、適合状態と不適合状態)、または溶接部の任意の機械的特性、冶金学的特性、または物理的特性(たとえば、溶接寸法、溶接形状、溶接プロファイル、および/または余盛)などの溶接部に関連する任意の特性を含んでもよい。いくつかの手法では、溶接品質を分析するシステムおよび方法は、溶接前の親材料の表面トポロジー(すなわち、「溶接前表面トポロジー」)、溶接後の溶接部の表面トポロジー(すなわち、「溶接後表面トポロジー」)、および/または溶接プロセスパラメータに基づいて特性を検出してもよい。
【0008】
本明細書で説明する溶接品質を分析するシステムおよび方法は、機械学習アルゴリズムを利用して履歴溶接部に関連する履歴溶接特性と履歴溶接前表面トポロジーデータ、履歴溶接後表面トポロジーデータ、および/または溶接プロセスパラメータとの関係を特定する。溶接品質を分析するシステムおよび方法は次いで、上記の関係ならびに分析中の溶接部についての溶接前表面トポロジー、溶接後表面トポロジー、および/または溶接パラメータに基づいて溶接部についての溶接特性を特定してもよい。さらに、本明細書で説明するシステムおよび方法はまた、溶接部に溶接分類器を割り当てて、たとえば、1つまたは複数の溶接標準に適合しているかまたは適合していないことをラベル付けするかまたは場合によってはそのように分類してもよい。このようにして、溶接部の目視検査または体積検査が不要にされるかまたは場合によっては軽減され得ることが企図される。
【0009】
また、本明細書で説明するシステムおよび方法を使用して溶接部に関連する不連続部を特定し、次いで仕様または標準に対する不連続部の程度を評価してもよい。このようにして、システムおよび方法は、溶接部および/または不連続部を仕様または標準に適合しているかまたは適合していないことをラベル付けするかまたは場合によってはそのように分類してもよい。いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、適合していない不連続部を欠陥として分類してもよい。
【0010】
図1は、溶接品質を分析するためのシステム100を示す。システム100を使用して本明細書で説明する方法のうちの1つもしくは複数を実行し得ることが企図される。システム100は、1つまたは複数の検査デバイス106と、1つまたは複数の溶接デバイス107と、コントローラ108と、画像処理モジュール122と、特徴量エンジニアリングモジュール123と、不連続部特定モジュール124と、1つまたは複数のデータベース128とを含む。システム100を使用して構成要素102を分析してもよい。
【0011】
構成要素102は、1つまたは複数の溶接部104を有する任意の部品であってもよい。システム100は、本明細書で説明する方法のうちの1つまたは複数を介して構成要素102の1つまたは複数の溶接部104を分析してもよい。本明細書で説明する方法を介して分析される場合がある構成要素102の例には、限定はしないが、気体または液体を含むチューブまたはパイプ、構造用または非構造用チューブまたはパイプ、シリンダ、コーン、シート、プレート、鋳造部品、追加部品、鍛造部品、ボス、およびピンが含まれる。1つまたは複数の溶接部104は、隅肉溶接部、開先溶接部、表面溶接部、栓溶接部、スロット溶接部、フラッシュ溶接部、シーム溶接部、スポット溶接部、アプセット溶接部などの任意の種類の溶接部を含み得ることが企図される。溶接部104は、表側および/または裏側を含んでもよい。非限定的な一例では、溶接部104は、表側と裏側の両方を有するI形開先溶接部であってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、構成要素102は、重ね継ぎ目を有する積層造形された構成要素であってもよい。従来の溶接技術は、単一の溶接ビードまたは溶接継ぎ目を含む場合があり、一方、積層造形技法は、材料の1つまたは複数の層が互いに重なり合う重ね継ぎ目を生成する場合がある。したがって、本明細書で説明するシステムおよび方法を使用して、付加製造構成要素の重ね継ぎ目または他の部分における不連続部または欠陥を検出し得ることが企図される。重ね継ぎ目は、たとえば直接金属レーザ溶融(DMLM)または直接エネルギー堆積(DED)などの積層造形技法によって生成される場合がある。
【0013】
検査デバイス106は、溶接部104の表面トポロジーについての情報(すなわち、表面トポロジーデータ)を生成、出力、または受信するように構成された任意のデバイスであってもよく、いくつかの態様では、点群を生成することのできる任意の機器である。検査デバイス106はまた、溶接部104自体の表面トポロジーについての情報に加えて、たとえば、溶接部104に隣接するベース材料の領域または構成要素102の他の部分の表面トポロジーについての情報を生成、出力、または受信してもよい。検査デバイス106は、レーザスキャナなどの撮像デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、検査デバイス106は青色光スキャナであるが、赤色光スキャナ、緑色光スキャナ、またはカメラが使用され得ることも企図される。さらに、2種類以上の検査デバイス106の組合せが使用されてもよい。検査デバイス106は、3次元スキャナ、2次元スキャナ、および/または1次元スキャナであってもよい。検査デバイス106は、溶接部104についての表面トポロジーデータを生成または出力してもよい。出力データは、任意の適切な形態の3次元、2次元、または1次元表面トポロジーデータであってもよい。そのような出力データはたとえば、点群データまたは画像データの形態であってもよい。
【0014】
いくつかの手法では、検査デバイス106が直接または間接的に溶接デバイス107に取り付けられる。たとえば、検査デバイス106は、溶接ガンまたは溶接トーチに直接取り付けられるか、溶接ガンまたは溶接トーチ用の取付け表面に取り付けられた二次ブラケット上に取り付けられるか、またはロボット上の別個のエンドエフェクタとして取り付けられてもよい。検査デバイス106は、ロボットの端部に取り付けられ、固定された溶接部104をスキャンするように操作されてもよい。さらに、検査デバイス106は、ロボットが構成要素102を操作して検査デバイス106のスキャニングライン、スキャニングエリア、またはスキャニングボリューム内に入れる間ハードマウントされてもよい。他の手法では、検査デバイス106は、溶接部104のトポロジースキャンを得るために使用される場合があるハンドヘルドデバイスである。状況に応じて、検査デバイス106は構成要素102および/または溶接部104を並行して検査してもまたは順次検査してもよいことを理解されたい。並行検査は、溶接が進行中の間に行われ、溶接デバイス107に後続または追尾して、溶接が行われている間に溶接部104を検査するトレーリングデバイスまたはフォロワーデバイスを使用する。順次検査は、溶接が完了した後に行われ、溶接が終了した後に溶接部104を検査するスキャニングデバイスを要する。
【0015】
溶接デバイス107は、アーク溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、スタッド溶接、軌道溶接、またはガス溶接などの任意の種類の溶接プロセスにおいて有用な任意の溶接機であってもよい。いくつかの手法では、溶接デバイス107は自動化溶接機であってもよい。溶接デバイス107は、たとえば、溶接デバイス107に結合された1つまたは複数のプローブ、メータ、および/またはセンサーを介して、1つまたは複数の溶接プロセスパラメータに関するデータを収集するように構成されてもよい。たとえば、溶接デバイス107が自動化溶接機である場合、溶接デバイス107は、プロセスパラメータログまたはレポートを提供することができるか、または溶接ジョブロギング機能を実現することが可能であってもよい。いくつかの態様では、溶接デバイス107は、溶接デバイス107に組み込まれるかまたは外部から取り付けられた1つまたは複数のセンサーを含んでもよい。
【0016】
1つまたは複数の溶接プロセスパラメータは、溶接工程に関連する任意のパラメータを含んでもよい。いくつかの手法では、溶接プロセスパラメータは、溶接電流、溶接電流におけるサージ、溶接電圧、溶接アンペア数、溶接質量読み取り速度、ワイヤ送り速度、時間パラメータ、金属消費量または消費率、電力消費量または消費率、溶接部104上の位置、ガス流量、走行速度、電極直径、卑金属温度、溶接パドル形状、溶接パドル流動力学特性、およびワイヤサイズのうちの1つもしくは複数を含む。溶接プロセスパラメータは、たとえば、溶接プロセスの過程またはその一部にわたる1つまたは複数のプロセスパラメータの時間履歴を含む時系列データであり得ることが企図される。いくつかの手法では、溶接プロセスパラメータは、溶接部104のX-Y-Z位置に関連付けられてもよい。
【0017】
コントローラ108は、コンピューティングデバイスとして働いて本明細書で説明する機能および方法を実行してもよい。コントローラ108は、1つまたは複数のプロセッサ110と、入出力(I/O)デバイス112と、トランシーバ114と、メモリデバイス116とを含んでもよい。プロセッサ110は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、または他の適切な処理デバイスなどの任意の適切な処理デバイスを含んでもよい。プロセッサ110は、本明細書で説明するプロセス、方法、機能、および技法を実行するかまたはそれらのプロセス、方法、機能、および技法を実行するのを助け、様々な通信、決定、プログラム、コンテンツ、リスト作成、サービス、インターフェース、ロギング、報告などを制御するために使用されてもよい。さらに、1つまたは複数のプロセッサ110は、メモリデバイス116にアクセスしてもよく、メモリデバイス116は、意図される機能を実現するためにプロセッサ110によって実施される命令120、コードなどを記憶してもよい。
【0018】
メモリデバイス116は一般に、少なくともプロセッサ110によってアクセスされる1つまたは複数のプロセッサ可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体を含み、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、および/または他のメモリ技術などの揮発性媒体および/または不揮発性媒体を含んでもよい。さらに、メモリデバイス116は、コントローラ108の内部に位置するように示されているが、メモリデバイス116は、内部メモリであっても、外部メモリであっても、または内部メモリと外部メモリの組合せであってもよい。同様に、メモリデバイス116のうちのいくつかまたはすべてをプロセッサ110の内部メモリとすることも、外部メモリとすることも、または内部メモリと外部メモリの組合せとすることもできる。メモリデバイス116は、限定はしないが、ソリッドステートデバイスもしくはドライブ、ハードドライブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)スティックもしくはドライブ、フラッシュメモリセキュアデジタル(SD)カード、他のメモリカード、および他のそのようなメモリまたは2つ以上のそのようなメモリの組合せなどの実質的に任意の関連するメモリであってもよく、メモリの一部またはすべてがコンピュータネットワーク全体にわたる複数の位置に分散されてもよい。メモリデバイス116は、コード、ソフトウェア、実行ファイル、スクリプト、データ、コンテンツ、リスト、プログラミング、プログラム、ログまたは履歴データ、エンジン情報、構成要素102に関する情報などのデータ118を記憶してもよい。図1は、バスを介して結合されたシステム100の様々な要素を示しているが、様々な要素が実際にコントローラ108および/または1つまたは複数の他の要素に直接結合されてもよいことを理解されたい。
【0019】
一般に、コントローラ108は、1つまたは複数の通信インターフェース、ポート、またはトランシーバ114などをさらに含み、これらの通信インターフェース、ポート、またはトランシーバ114などは、コントローラ108が通信バス、分散コンピュータ、および/または通信ネットワーク(たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)など)を介して他のデバイスおよび/または他のそのような通信もしくは2つ以上のそのような通信方法の組合せと通信するのを可能にする。さらに、トランシーバ114は、有線通信、無線通信、光通信、光ファイバケーブル通信、衛星通信、または他のそのような通信構成もしくは2つ以上のそのような通信の組合せ向けに構成されてもよい。
【0020】
入出力デバイス112は、限定はしないが、USB、イーサネット、または他のそのようなポートなどの、任意の関連するポートまたはポートの組合せであってもよい。入出力デバイス112は、外部デバイスとの有線通信結合および/または無線通信結合を可能にするように構成されてもよい。たとえば、入出力デバイス112は、有線通信および/または無線通信(たとえば、Wi-Fi、Bluetooth、セルラ、RF、および/または他のそのような無線通信)を可能にしてもよく、いくつかの例では、限定はしないが、1つまたは複数の送信機、受信機、トランシーバ、または2つ以上のそのようなデバイスの組合せなどの、任意の適切な有線および/または無線インターフェースデバイス、回路、および/または接続デバイスを含んでもよい。
【0021】
システム100の画像処理モジュール122、特徴量エンジニアリングモジュール123、および不連続部特定モジュール124は、データの受信、処理、分析、生成、および/または送信を行ってもよい。画像処理モジュール122、特徴量エンジニアリングモジュール123、および不連続部特定モジュール124は図1に別個のモジュールとして示されているが、モジュールは別個である必要はなく、いくつかの実施形態では、コントローラ108によって実現されてもよい。
【0022】
画像処理モジュール122は、検査デバイス106によって収集された表面トポロジーデータを処理するように構成されてもよい。画像処理モジュール122は、表面トポロジーデータに基づいて溶接部104についての溶接セクションを生成してもよく、表面トポロジーデータから1つまたは複数の溶接特徴量が抽出されてもよい。溶接セクションは、ベース材料の隣接するプレートから溶接領域を特定する溶接部104の表側(またはいくつかの例では裏側)の領域である(すなわち、溶接部104の領域)。したがって、溶接セクションは、場合によっては不連続部などの溶接特性が存在する領域である。いくつかの実施形態では、溶接セクションは2次元空間またはX-Y空間に存在してもよい。溶接セクションは、検査デバイス106によって生成される点群データなどの点群データから抽出される。
【0023】
任意の画像処理技法を使用して溶接部104についての点群データから溶接セクションを生成し得ることが企図される。画像処理モジュール122は、表面トポロジーデータの明暗度を得て、表面トポロジーデータの明暗度に基づいて溶接セクションを抽出してもよい。いくつかの態様では、画像処理モジュール122は、検査デバイス106からのデータを特定の溶接タイプおよび/または形状に正規化してもよい。表面トポロジーデータが3次元空間における点群データであるとき、画像処理モジュール122は、点群データをいくつかの手法において2次元空間における画像データである画像データに変換してもよい。さらに、画像処理モジュール122は、たとえば、2次元データをスケーリングし、ならびに/または2次元データをX-Y座標系に対して位置合わせするように2次元データを構造化してもよい。また、画像処理モジュール122がしきい値化を行って溶接セクションなどの関心領域を2次元データから抽出し得ることが企図される。画像処理モジュール122は、溶接セクションについての溶接プロファイルまたはヒストグラムを生成してもよく、このヒストグラムは、溶接表面の高さのビン(すなわち、X軸)および各ビンにおける点群データの点のカウント(すなわち、Y軸上)を示す。その場合、溶接プロファイル(すなわち、溶接セクション全体にわたるプロファイル)を使用して不連続部などの溶接部104の特性を特定してもよい。例示的なヒストグラムが図2Eに示されている。
【0024】
特徴量エンジニアリングモジュール123は、表面トポロジーデータおよび溶接プロセスパラメータのうちの1つまたは複数に基づいて1つまたは複数の溶接特徴量を特定するように構成される。溶接特徴量は、溶接部104のトポロジーまたは構造に関する任意の特徴量を含んでもよい。溶接特徴量は、溶接プロファイル、溶接部104の形状、溶接部104の寸法(たとえば、最大高さ、最小高さ、長さ)、ベース材料の隣接するプレートに対する溶接部104のプロファイルの形状、溶接部104の断面の寸法のうちの1つまたは複数を含んでもよい。溶接特徴量はまた、任意の統計的特徴量、たとえば、溶接部104のトポロジーまたは構造態様に関する任意の統計的特徴量を含んでもよい。そのような統計的特徴量は、たとえば、溶接部104の平均高さ、溶接部104の最大高さにおける分散、および溶接部104の最大高さにおける分散を含んでもよい。例示的な溶接特徴量は図2Cおよび図2Dに示されている。さらに、統計的特徴量は、歪度、ヒストグラムの尖度、およびヒストグラムの面積など、溶接高さのヒストグラム(すなわち、溶接表面の高さのビンおよび各ビンにおける点群データの点のカウントを示すヒストグラム)から抽出された特徴量を含んでもよい。いくつかの手法では、特徴量エンジニアリングモジュール123は、表面トポロジーデータからおよび/または表面トポロジーデータから生成された溶接セクションから溶接特徴量を抽出する。
【0025】
他の手法では、特徴量エンジニアリングモジュール123は、溶接プロセスパラメータから溶接特徴量を抽出する。たとえば、溶接プロセスパラメータから抽出される溶接特徴量は、溶接部104の単位長さ当たり電力消費量、サージの数、溶接プロセスパラメータの任意の統計的特徴量、または溶接プロセスパラメータの時間履歴に関連する溶接部のX-Y-Z位置を含んでもよい。いくつかの手法では、溶接プロセスパラメータから抽出される溶接特徴量はまた、サージまたはディップなどの溶接プロセスパラメータの時間履歴ログにおける統計的特徴量または異常を含んでもよい。たとえば、抽出される溶接特徴量は、電流信号における平均雑音、平均雑音の持続時間など、電流の時系列信号または電流の時間履歴ログから得た特徴量を含んでもよい。
【0026】
不連続部特定モジュール124は、1つまたは複数の機械学習アルゴリズム126を含む。不連続部特定モジュール124によって任意の適切な機械学習手法が使用されてもよいことを理解されたい。適切な機械学習手法は、ロジスティック回帰、K近傍分類器、サポートベクター分類器、ツリーベースの分類器、ランダムフォレスト分類器、勾配ブースティングアルゴリズム、ニューラルネットワークベースのアルゴリズム、またはそれらの組合せなどの分類アルゴリズムに基づく機械学習を含んでもよい。いくつかの手法では、機械学習アルゴリズム126は、溶接特徴量に基づいて1つまたは複数の溶接特性を特定するように構成される。溶接特性は、たとえば、溶接不連続部(たとえば、表面不連続部、表面下不連続部)、溶接部104が溶接標準に適合しているかどうかに関する指示、または溶接部104の任意の機械的特性、冶金学的特性、または物理的特性を含んでもよい。不連続部特定モジュール124が、溶接部104自体に伴うかまたは熱影響部に伴う不連続部などの特性を特定する場合があることを理解されたい。
【0027】
さらに、不連続部特定モジュール124の機械学習アルゴリズム126は、溶接部についての溶接特性(表面欠陥または表面下欠陥など)を予測するように構成または訓練されてもよい。詳細には、機械学習アルゴリズム126は、履歴溶接後表面トポロジーデータを履歴溶接プロセスパラメータと組み合わせて使用して訓練されてもよい。したがって、不連続部特定モジュール124は、履歴溶接後表面トポロジーデータおよび/または履歴溶接プロセスパラメータと履歴溶接特性との関係を特定してもよい。たとえば、不連続部特定モジュールは、履歴溶接後表面トポロジーデータおよび/または履歴溶接プロセスパラメータと履歴表面下欠陥との相関関係を引き出してもよい。このようにして、機械学習アルゴリズム126を使用して、特定の溶接部に関連する溶接後表面トポロジーデータおよび/または溶接プロセスパラメータに基づいて、表面下欠陥が存在するときにそれを予測してもよい。機械学習アルゴリズムを利用すると、溶接部の溶接後体積検査または目視検査を必要とせずに欠陥などの溶接特性を予測することが可能になる場合がある。
【0028】
いくつかの実施形態では、不連続部特定モジュール124は、溶接部104に伴う不連続部の特定および/または分類を行い(たとえば、溶接特徴量に基づいて)、かつ溶接部104が適合状態であるかそれとも不適合状態であるか(たとえば、溶接部104が1つまたは複数の溶接標準に適合しているかどうか)を分類するように訓練される。いくつかの非限定的な例において、不連続部特定モジュール124は間隙、スラグ巻き込み、溶融不良、継手溶け込み不足、過度の溶融、ボーリング、冷間割れ、熱間割れ、溶接部104におけるベースプレートとの不整合またはずれなどの不連続部を特定するように構成されてもよい。非限定的な一例では、不連続部特定モジュール124は、溶接部104(I形開先溶接部など)について溶接部104の表側からの溶接部の継手溶け込みが完全または十分であるかどうかを特定するように訓練されてもよい。溶接部の完全な溶け込みは、溶接部がベース材料の厚さを完全に貫通して延びていることを示し、一方、溶接部の部分的な継手溶け込みは、溶接部がベース材料を完全に貫通していないことを示す。溶接部の完全な継手溶け込みまたは部分的な継手溶け込みが溶接部の十分な継手溶け込みを構成するかどうかは、溶接部104の特定の塗布状態によって決まってもよく、たとえば、溶接部104が受ける装着状態によって決まってもよい。不連続部特定モジュール124は、履歴溶接部に関連するデータに基づいて溶接部の継手溶け込みが十分であるかどうかを特定または予測するように訓練され得ることが企図される。たとえば、不連続部特定モジュール124は、溶接特徴量310(たとえば、履歴溶接部の溶接高さ)と検査データ(たとえば、履歴溶接部の溶け込みが完全であったかそれとも部分的であったか)との関係に基づいて溶接部の継手溶け込みが十分であるかどうかを特定するように訓練されてもよい。別の非限定的な例では、不連続部特定モジュール124は、溶接部104の表側位置およびサイズ(たとえば、溶接止端部から溶接止端部まで)から溶接部104についての継手溶け込みが十分であるかどうか(重ね溝溶接など)を特定するように訓練されてもよい。
【0029】
さらに別の非限定的な例では、不連続部特定モジュール124は、溶接部104(ビーム溶接など)に対する溶融が十分であるかどうかを特定してもよい。ビーム溶接では、ビームが溶接部104の表側から入って裏側から出てもよく、砂時計形状を形成する。いくつかの手法では、不連続部特定モジュール124は、溶接部104の中央セクションまたは最も狭い部分における溶融が十分であるかどうかを特定してもよい。溶融不良は、溶接材料面とベース材料面との間または溶接ビード同士の間に溶融が生じない溶接不連続部である。溶融不良が十分であるかどうかは、溶接部104の特定の塗布状態によって決まってもよく、たとえば、溶接部104が受ける装着状態によって決まってもよい。不連続部特定モジュール124は、履歴溶接部に関連するデータに基づいて溶融が十分であるかどうかを特定または予測するように訓練されてもよいことが企図される。たとえば、不連続部特定モジュール124は、溶接特徴量310(たとえば、履歴溶接部の溶接高さ)と検査データ(たとえば、履歴溶接部の溶融が不完全であったかどうか)との関係に基づいて溶融が十分であるかどうかを特定するように訓練されてもよい。
【0030】
いくつかの手法では、機械学習アルゴリズム126はまた、溶接特徴量および/または不連続部に基づいて少なくとも1つの溶接分類器を割り当てるように構成される。たとえば、分類器は、溶接部104が所望の品質レベルを実現していることを示すように溶接部104を適合状態または不適合状態としてラベル付けするかまたは場合によっては分類してもよい。いくつかの手法では、溶接分類器は、溶接部104が様々な溶接標準に適合するかどうかを特定してもよい。本明細書では、溶接標準は、溶接部についての特性、品質管理要件、または容認基準に関する任意のコード、標準、または仕様を指す。溶接標準は、溶接部についての幅、高さ、またはその他の寸法を指定してもよい。溶接標準は、亀裂、溶け込み不良、巻き込み、または溶融不良などの不連続部が溶接部104において許容されるかどうかを指定してもよい。たとえば、溶接標準が、溶接部に不連続部が存在しない場合があることを示し、機械学習アルゴリズム126が不連続部を特定した場合、溶接部は不適合状態としてラベル付けされる。機械学習アルゴリズム126は、少なくとも1つの溶接特徴量または溶接前検査データなどの他の入力データを入力として受信してもよく、溶接部104の特性を特定しならびに/または溶接分類器を出力として割り当ててもよい。図3は、機械学習アルゴリズム126がどのように訓練されるかを示し、図4は、1つまたは複数の溶接部104を分析するために機械学習アルゴリズム126がどのように使用されるかを示す。
【0031】
データベース128は、システム100によって使用され、受信され、収集され、および/または生成される任意の形態のデータを記憶してもよい。いくつかの手法では、データベース128は、溶接デバイス107によって収集された溶接プロセスパラメータおよび/または検査デバイス106によって収集された表面トポロジーデータを記憶してもよい。いくつかの手法では、データベース128は、画像処理モジュール122、特徴量エンジニアリングモジュール123、および/または不連続部特定モジュール124によって使用されならびに/または生成されたデータを記憶してもよい。いくつかの手法では、データベース128は、溶接プロセスパラメータの時間履歴データを含んでもよい。データベース128では、溶接プロセスパラメータは、溶接プロセスの間溶接デバイス107(たとえば、溶接ガン)のX-Y-Z位置などの溶接部104に関連する位置データにさらに関連付けられてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、検査デバイス106は、溶接部104が完成した後、フォロアデバイスとして、または独立したデバイスとして、溶接プロセスの間溶接デバイス107のX-Y-Z経路を辿ってもよい。したがって、位置データおよび/または時間履歴データのうちの1つまたは複数は、データベース128に記憶されてもよく、いくつかの態様では、表面トポロジーデータおよび/または溶接プロセスパラメータに関連付けられてもよい。
【0032】
図1に示すように、ネットワーク130などの1つまたは複数の分散通信ネットワークなどを介して、システム100の様々な要素は直接または間接的に通信してもよい。たとえば、ネットワーク130は、LAN、WAN、インターネット、セルラ、Wi-Fi、および他のそのような通信ネットワークまたは2つ以上のそのようなネットワークの組合せを含んでもよい。
【0033】
動作時には、検査デバイス106は、1つまたは複数の溶接部104に関連する表面トポロジーデータを取得する。検査デバイス106は溶接部104の全長に沿って溶接部104についての表面トポロジーデータを取り込む必要はなく、その一部について表面トポロジーデータを取り込んでもよい。さらに、検査デバイス106は、溶接部104に関連する溶着部および/または熱影響部についてのデータを取り込んでもよいことが企図される。
【0034】
画像処理モジュール122は、表面トポロジーデータを検査デバイス106から直接的または間接的に受信してもよい。その場合、画像処理モジュール122は、表面トポロジーデータを処理して溶接部104についての溶接セクションを生成する。特徴量エンジニアリングモジュール123は、溶接セクションから、溶接部104に関連する1つまたは複数の溶接特徴量を抽出する。図2A図2Eは、例示的な表面トポロジーデータ、溶接セクション、および様々な溶接特徴量を示す。不連続部特定モジュール124は、溶接部104に関連する溶接特徴量を受信する。不連続部特定モジュール124は、溶接特徴量を分析して溶接部104に関連する1つまたは複数の不連続部を特定してもよい。不連続部特定モジュール124は、さらに溶接特徴量を分析して溶接部104に1つまたは複数の溶接分類器を割り当ててもよい。
【0035】
図2Aは、例示的な溶接部についての3次元表面トポロジーデータ202の画像である。3次元表面トポロジーデータ202は、点群データの形態である。3次元表面トポロジーデータ202は、検査デバイス106、たとえば青色光スキャナを介して取得されてもよい。さらに、3次元表面トポロジーデータ202は、図1を参照しながら説明したシステム100の画像処理モジュール122によって受信されてもよい。
【0036】
図2Bは、例示的な溶接部についての溶接セクション204の画像である。溶接セクション204は、画像処理モジュール122を介して取得されてもよい。画像処理モジュール122は、図2Aに示す3次元表面トポロジーデータ202などの表面トポロジーデータに基づいて溶接セクション204を生成してもよい。たとえば、画像処理モジュール122は、図2Aに示す種類の点群データから溶接セクション204を抽出してもよい。溶接セクション204は、溶接領域を特定する例示的な溶接部の表側の領域をベース材料の隣接するプレートから取り込む。溶接セクション204は、不連続部などの溶接特性が存在する場合がある領域を示す。
【0037】
図2Cおよび図2Bは、例示的な溶接部に関連する溶接特徴量のグラフを示す。図2Cは、例示的な溶接部に関連する統計的溶接特徴量のグラフ206である。統計的溶接特徴量は、最小高さ207、最大高さ209、および平均高さ211を含む。統計的溶接特徴量は、図2Bに示す溶接セクション204などの溶接セクションから導出されてもよい。図2Cに示す統計的溶接特徴量を使用して溶接部を適合状態または不適合状態として特定してもよい。たとえば、領域208は、最大高さにより大きい分散がある溶接部の長さに沿った領域である。領域210は、より低い平均高さを有する溶接部の長さに沿った領域である。したがって、図2Cにおける最大高さ207溶接特徴量および平均高さ211溶接特徴量を使用して例示的な溶接部を不適合状態として特定するかまたはラベル付けしてもよい。一例では、不連続部特定モジュール124は、グラフ206に示す統計的溶接特徴量データを入力として受信し、そのような統計的溶接特徴量データに基づいて例示的な溶接部が不適合状態であることを特定または予測してもよい。別の例では、グラフ206における統計的溶接特徴量データを例示的な溶接部の体積検査に基づいてラベル付けしてもよい。体積検査によって、例示的な溶接部が不適合状態であるかまたは欠陥を有することが確認された場合、体積溶接特徴量データをそのようにラベル付けし、体積溶接特徴量データを使用して不連続部特定モジュール124の機械学習アルゴリズムを訓練してもよい。
【0038】
図2Dは、例示的な溶接部に関連する別の溶接特徴量のグラフ212である。詳細には、グラフ212は、高い溶接部214および低い溶接部216についての溶接プロファイルを示す。高い溶接部214のプロファイルはより高さが大きく、このことは、溶接材料がより多いかまたは溶接部の品質がより高いことを示す場合がある。低い溶接部216のプロファイルはより高さが小さく、このことは、溶接材料がより少ないかまたは溶接部の品質がより低いことを示す場合がある。したがって、図2Dにおける溶接特徴量を使用して、高い溶接部を適合状態として特定またはラベル付けし、低い溶接部を不適合状態として特定またはラベル付けしてもよい。一例では、不連続部特定モジュール124は、グラフ212から溶接特徴量データを入力として受信し、そのような溶接特徴量データに基づいて高い溶接部が適合状態であり、低い溶接部が不適合状態であることを特定または予測してもよい。別の例では、低い溶接部および高い溶接部の体積検査に基づいてグラフ212からの溶接特徴量データをラベル付けしてもよい。体積検査によって、低い溶接部が不適合状態であり、高い溶接部が適合状態であることが確認された場合、溶接特徴量データをそのようにラベル付けし、溶接特徴量データを使用して不連続部特定モジュール124の機械学習アルゴリズムを訓練してもよい。
【0039】
図2Eは、例示的な溶接部についての様々なヒストグラムを示す。ヒストグラムは、例示的な溶接部についての溶接セクションから導出され、x軸上の高さについてのビンおよびy軸上の各ビンにおける点群データの点のカウントを示す。ヒストグラムのプロファイルは様々な不連続部に対応してもよい。このようにして、ヒストグラムのプロファイルを使用して溶接部に関連する不連続部を特定または予測してもよく、このようにして、プロファイルを使用して溶接部が適合状態であるかそれとも不適合状態であるかを予測してもよい。
【0040】
図3は、いくつかの実施形態によるシステム100における不連続部特定モジュール124を訓練するために使用される場合がある例示的なシステムアーキテクチャを示す。図3は、履歴溶接前表面トポロジーデータ302、履歴溶接後表面トポロジーデータ304、および履歴溶接プロセスパラメータ308を使用して不連続部特定モジュール124の機械学習アルゴリズム126を訓練するための一手法を示す。他の訓練手法を使用してもよいことが企図される。
【0041】
図3に示すように、訓練データは、機械学習アルゴリズム126を訓練するように訓練データベース316内にコンパイルされてもよい。訓練データベース316は、ラベル付けされた溶接特徴量データ318を含んでもよい。さらに、訓練データベース316は、任意の適切なデータソースから受信される場合がある履歴溶接前表面トポロジーデータ302、履歴溶接後表面トポロジーデータ304、履歴溶接プロセスパラメータ308、履歴溶接特徴量310、履歴表面検査データ312、または履歴体積検査データなどの他の形式のデータを含んでもよい。訓練データベース316内に収容された1種類または複数種類のデータを使用して不連続部特定モジュール124の機械学習アルゴリズム126を訓練してもよい。
【0042】
いくつかの手法では、システム100の画像処理モジュール122は、履歴溶接後表面トポロジーデータ304を分析して履歴溶接特徴量310を生成または特定してもよい。画像処理モジュール122は、複数の履歴溶接部について履歴溶接前表面トポロジーデータ302および/または履歴溶接後表面トポロジーデータ304を受信する。いくつかの手法では、システム100は、履歴溶接前表面トポロジーデータ302および/または履歴溶接後表面トポロジーデータ304をデータベース128のうちの1つまたは複数に記憶してもよい。しかし、履歴溶接前表面トポロジーデータ302および/または履歴溶接後表面トポロジーデータ304が他のソースから受信され得ることが企図される。画像処理モジュール122は、履歴溶接前表面トポロジーデータ302および/または履歴溶接後表面トポロジーデータ304を受信し、履歴溶接部についての履歴溶接セクションを生成する。システムはまた、履歴溶接部についての履歴溶接プロセスパラメータ308を受信する。いくつかの手法では、システム100は、履歴溶接プロセスパラメータ308をデータベース128のうちの1つまたは複数に記憶してもよいが、履歴溶接プロセスパラメータ308が他のソースから受信され得ることが企図される。いくつかの手法では、特徴量エンジニアリングモジュール123は、履歴溶接セクションおよび履歴溶接プロセスパラメータ308に基づいて履歴溶接部についての履歴溶接特徴量310を抽出してもよい。履歴溶接特徴量310は、訓練データベース316によって受信されてもよい。他の手法では、訓練データベース316は、データベースなどの他の入力ソースから履歴溶接特徴量310を受信してもよい。
【0043】
訓練データベース316は、システム100の不連続部特定モジュール124に関連付けられてもよく、履歴溶接部についての履歴表面検査データ312および/または履歴体積検査データ314も受信する。いくつかの手法では、システム100は、データベース128のうちの1つまたは複数から履歴表面検査データ312および/または履歴体積検査データ314を受信する。しかし、履歴表面検査データ312および/または履歴体積検査データ314は他のソースから受信され得ることが企図される。履歴表面検査データ312は、履歴溶接部の目視検査などの表面検査から取得されたデータを含み、履歴溶接部についての表面不連続部などの特性を特定する。履歴表面検査データ312はまた、履歴溶接部が1つまたは複数の溶接標準に適合しているか否かを特定してもよい。履歴体積検査データ314は、履歴溶接部のX線検査または超音波検査などの体積検査から取得されたデータを含み、履歴溶接部についての表面不連続部などの特性を特定する。履歴体積検査データ314はまた、履歴溶接部が1つまたは複数の溶接標準に適合しているか否かを特定してもよい。
【0044】
履歴溶接特徴量310、履歴表面検査データ312、および履歴体積検査データ314は、ラベル付けされた溶接特徴量データ318を生成するために使用される。ラベル付けされた溶接特徴量データ318は、たとえば、不連続部特定モジュール124についての訓練データベース316に収容されてもよい。ラベル付けされた溶接特徴量データ318は、複数の溶接部104についての履歴溶接特徴量310に関連する溶接特性を特定する。すなわち、ラベル付けされた溶接特徴量データ318は、1つまたは複数の溶接特性を有する履歴溶接部についての履歴溶接特徴量310をラベル付けする。溶接特性は、履歴溶接部が1つもしくは複数の溶接標準に対して適合しているか否かを特定してもよく、または履歴溶接部に関連する表面不連続部または表面下不連続部などの1つまたは複数の不連続部を特定してもよい。たとえば、履歴溶接部のうちの1つの最小高さを示す溶接特徴量は、この最小高さが溶接標準に準拠しないとき不連続部または不適合状態としてラベル付けされてもよい。いくつかの手法では、ラベル付けされた溶接特徴量データ318は訓練データベース316に記憶される。ラベル付けされた溶接特徴量データ318、履歴溶接プロセスパラメータ308、および/または履歴体積検査データ314は、不連続部特定モジュール124における機械学習アルゴリズム126のための訓練データセットとして使用されてもよい。このようにして、機械学習アルゴリズム126は、履歴溶接特徴量310と履歴溶接特性との関係を特定するように訓練されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、履歴溶接前表面トポロジーデータ302、履歴溶接後表面トポロジーデータ304、および/または履歴溶接プロセスパラメータ308は、機械学習アルゴリズム126についての追加のラベル付けされた訓練データを生成するために使用される。履歴表面検査データ312および/または履歴体積検査データ314は、そのようなラベル付けされた訓練データを生成するために使用される。たとえば、履歴表面検査データ312を使用して履歴溶接前表面トポロジーデータ302を特定の欠陥によってラベル付けするかまたは適合状態としてラベル付けしてもよい。したがって、ラベル付けされた訓練データは、履歴溶接前表面トポロジーデータ302、履歴溶接後表面トポロジーデータ304、および/または履歴溶接プロセスパラメータ308に関連する履歴溶接特性(欠陥、不連続部、適合状態、不適合状態など)を特定する。このようにして、機械学習アルゴリズム126は、履歴溶接前表面トポロジーデータ302と履歴溶接特性との関係を特定するように訓練されてもよい。さらに、機械学習アルゴリズム126は、履歴溶接後表面トポロジーデータ304と履歴溶接特性との関係を特定するように訓練されてもよい。さらに、機械学習アルゴリズム126は、履歴溶接プロセスパラメータ308と履歴溶接特性との関係を特定するように訓練されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、不連続部特定モジュール124は、溶接部104を分類するために使用される1つまたは複数の溶接部署名を生成してもよい。たとえば、不連続部特定モジュール124は、1つまたは複数の溶接標準に適合する溶接部104についての溶接特性を特定する適合溶接署名324および1つまたは複数の溶接標準に適合しない溶接部104についての溶接特性を特定する不適合溶接署名326を生成してもよい。適合溶接署名324は、適合溶接部に関連する様々なトポロジー特徴量(たとえば、溶接プロファイル、溶接形状、最大溶接高さ、最小溶接高さ、溶接長さ、または溶接部の他の寸法もしくは溶接部の断面)または統計的特徴量(たとえば、溶接部の平均高さ、溶接部の最大高さにおける分散、溶接部の最小高さにおける分散)などの特性を含んでもよい。適合溶接署名324はまた、適合溶接部の1つまたは複数のモデル(たとえば、点群、2次元画像、溶接セクション、またはヒストグラム)を含んでもよい。図2A図2Eは、適合溶接署名324に含まれるかまたは関連付けられる場合がある情報の例を示す。適合溶接署名324および不適合溶接署名326は、溶接分類データベース322に記憶されてもよい。
【0047】
図4は、いくつかの実施形態による、不連続部特定モジュール124を使用して1つまたは複数の溶接部104を分析するために使用される場合がある例示的なシステムアーキテクチャを示す。
【0048】
システム100は、溶接部104についての溶接前表面トポロジーデータ402および溶接後表面トポロジーデータ404を受信する。いくつかの手法では、画像処理モジュール122は、溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信し、溶接部104についての溶接セクションを生成する。システム100はまた、溶接部104に関連する1つまたは複数の溶接プロセスパラメータ406を受信する。特徴量エンジニアリングモジュール123は、溶接部104についての溶接セクションおよび溶接プロセスパラメータ406に基づいて溶接部104の1つまたは複数の溶接特徴量408を抽出する。
【0049】
不連続部特定モジュール124は次いで、溶接特徴量408に基づいて溶接部104に関連する1つまたは複数の溶接特性410を特定する。機械学習アルゴリズム126は、溶接特徴量408に基づいて溶接部104に関連する溶接特性410を特定する。いくつかの手法では、機械学習アルゴリズム126は、図3を参照しながら説明したシステムアーキテクチャを使用して訓練されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、不連続部特定モジュール124は、溶接前表面トポロジーデータ402、溶接後表面トポロジーデータ404、および/または溶接プロセスパラメータ406に基づいて溶接部104に関連する1つまたは複数の溶接特性410を特定してもよい。機械学習アルゴリズム126は、溶接前表面トポロジーデータ402、溶接後表面トポロジーデータ404、および/または溶接プロセスパラメータ406に基づいて溶接部104に関連する溶接特性410を特定するように訓練されてもよい。
【0051】
上記で説明したように、溶接特性410は、溶接部104が溶接標準に適合しているかどうかの指示を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、不連続部特定モジュール124は、溶接部104が1つまたは複数の溶接標準に適合しているかどうか(たとえば、溶接部104が適合状態であるかそれとも不適合状態であるか)を特定してもよい。いくつかの手法では、不連続部特定モジュール124は、溶接プロセスパラメータ406が範囲外であるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、溶接部104が適合状態であると判定してもよい。すなわち、機械学習アルゴリズム126は、溶接プロセスパラメータ406が範囲外になったときにそれを認識し、溶接部104についての不適合特性の作成および/または特定を行ってもよく、それによって、溶接部104の検査または分析が不要になる。
【0052】
システムは、溶接部104に関連する溶接特性410についての検査検証情報412をさらに受信してもよい。いくつかの手法では、検査検証情報412は、表面検査または体積検査などの1つまたは複数の検査方法を介して溶接部104の検査から取得された情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、検査検証情報412はまた、金属組織データを含んでもよく、それによって、溶接部104の断面がもたらされる場合がある。このようにして、検査検証情報412は、不連続部特定モジュール124および/または不連続部特定モジュール124を介して割り当てられる1つまたは複数の溶接分類器を使用して特定される溶接特性410の精度が確認されてもよい。たとえば、金属組織データを使用して溶融不良または溶け込み不良などの溶接特性410の精度を検証または確認してもよい。検査検証情報412はまた、たとえば、機械学習アルゴリズム126の更新および/または訓練を行うために使用される訓練データセットを更新するために不連続部特定モジュール124によって受信されてもよい。
【0053】
図5は、溶接品質を分析する方法500の高レベル概要を示す。方法500またはその各部は、システム100を使用して実行されてもよく、いくつかの手法では、図3のシステムアーキテクチャ300および/または図4のシステムアーキテクチャ400を使用して実行されてもよい。
【0054】
方法500は、不連続部特定モジュール124を溶接部104の溶接特徴量408に基づいて溶接部104に関連する溶接特性410を特定するように訓練すること502を含む。いくつかの手法では、図3に示すシステムアーキテクチャ300を使用して不連続部特定モジュール124を訓練してもよい。方法500はまた、溶接部104に関連する溶接特性410を特定するために不連続部特定モジュール124を介して溶接部104を分析すること504を含む。いくつかの実施形態では、方法500は、溶接部104に関連する溶接特性410の溶接後検査検証に基づいて不連続部特定モジュール124を更新すること506をさらに含む。いくつかの手法では、溶接後検査検証は、溶接部104を検査して検査検証情報412を取得することを含む。溶接部104は、不連続部特定モジュール124を使用して特定される溶接特性410の精度を確認するために表面検査方法または体積検査方法などの1つまたは複数の検査方法を介して検査されてもよい。溶接部104が完成した後で溶接特性410の精度を検証するには、検査検証情報412(すなわち、溶接部104の目視検査または体積検査から取得される)を、不連続部特定モジュール124を使用して特定される溶接特性410と比較してもよい。
【0055】
図6を参照するとわかるように、溶接品質を分析する方法600が示されている。方法600またはその一部は、システム100を使用して実行されてもよく、いくつかの手法では、図3のシステムアーキテクチャ300および/または図4のシステムアーキテクチャ400を使用して実行されてもよい。いくつかの手法では、方法600は、機械学習アルゴリズム126を訓練して訓練済み機械学習アルゴリズムを生成するために使用されてもよい。さらに、方法600は、機械学習アルゴリズム126を使用して溶接部104に関連する1つまたは複数の溶接特性410を特定するために使用されてもよい。
【0056】
方法600は、既知の履歴溶接特性(たとえば、既知の不連続部)および履歴溶接特徴量310を有する複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接特徴量データ318を収集すること602を含む。ラベル付けされた溶接特徴量データ318は、複数の履歴溶接部の履歴溶接特徴量310に関連する履歴溶接特性を特定する。履歴溶接特性は、たとえば、溶接不連続部、または履歴溶接部が溶接標準に適合しているかどうかに関する指示を含んでもよい。方法600はまた、ラベル付けされた溶接特徴量データ318を使用して少なくとも1つの機械学習アルゴリズム126を介して履歴溶接特徴量310と履歴溶接特性との関係を特定すること604を含んでもよい。いくつかの手法では、機械学習アルゴリズムは、不連続部特定モジュール124の一部である。
【0057】
方法600は、606において、溶接部104に関連する溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を1つまたは複数の検査デバイス106から直接または間接的に受信することをさらに含む。606における受信することは、溶接部104の長さについての溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信することを含んでもよいが、表面トポロジーデータが溶接部104の長さの一部のみについてのデータであり得ることが企図される。いくつかの手法では、606において受信することは、溶着部(WMZ)および/または熱影響部(HAZ)についての溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信することを含む。すなわち、606における受信することは、溶接部104とその熱影響部の両方について溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信することを含んでもよい。606における受信することが、溶接部104の裏側および/または表側について溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信することを含んでもよいことも理解されたい。
【0058】
方法600はまた、溶接部104に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータ406を1つまたは複数の溶接デバイス107から直接または間接的に受信すること608を含む。いくつかの手法では、溶接プロセスパラメータ406が、方法600で使用される機械学習アルゴリズム126に入力されることもあり、または溶接工程に関連付けられたカメラ、高温計、測位デバイス(たとえば、サーボエンコーダ)、またはガス流量計を介して収集され得ることが企図される。方法600はまた、溶接前表面トポロジーデータ402、溶接後表面トポロジーデータ404、および/または溶接プロセスパラメータ406から少なくとも1つの溶接特徴量408を抽出すること610を含む。いくつかの手法では、610における抽出することは、図1を参照しながら説明した特徴量エンジニアリングモジュール123を介して実行される。
【0059】
方法600はまた、溶接特徴量408および履歴溶接特徴量310と履歴溶接特性との関係に基づいて溶接部104の少なくとも1つの溶接特性410を特定すること612を含む。いくつかの手法では、612における特定することは、図1図3を参照しながら説明した不連続部特定モジュール124を介して実行されてもよい。機械学習アルゴリズム126は、溶接特徴量408を入力として受信し、溶接部104に関連する溶接特性410を出力として特定する。
【0060】
いくつかの実施形態において、方法600では、溶接特性410に基づいて溶接部104をラベル付けしてもよい。詳細には、方法600は、履歴溶接特徴量310と履歴溶接特性との関係に基づいて複数の溶接分類器を生成することを含んでもよい。溶接分類器は、溶接部104をその溶接特性410に基づいてラベル付けするかまたは場合によっては分類してもよい。たとえば、溶接分類器は、1つまたは複数の溶接標準に適合しているとラベル付けするかまたは適合していないとラベル付けしてもよい。溶接標準は、溶接部104についての検査標準または仕様を含んでもよい。方法600は、複数の溶接分類器のうちの少なくとも1つの溶接分類器を溶接部104に割り当てることをさらに含んでもよい。溶接特徴量408および履歴溶接特徴量310と履歴溶接特性との関係に基づいて少なくとも1つの溶接分類器が割り当てられてもよい。溶接分類器が、溶接分類レポートにおいて出力されることがあり、または1つもしくは複数のインターフェースを介してオペレータに表示され得ることが企図される。
【0061】
図7を参照するとわかるように、溶接品質を分析する方法700が示されている。方法700は、溶接部104に関連する1つまたは複数の溶接特性410を特定するために使用されてもよい。方法700またはその一部は、システム100を使用して実行されてもよく、いくつかの手法では、図3のシステムアーキテクチャ300および/または図4のシステムアーキテクチャ400を使用して実行されてもよい。
【0062】
方法700は、溶接部104に関連する溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信すること702を含む。溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404は、1つまたは複数の検査デバイス106から直接または間接的に受信されてもよい。702における受信することは、溶接部104の長さについての溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信することを含んでもよいが、表面トポロジーデータが溶接部104の長さの一部のみについてのデータであり得ることが企図される。いくつかの手法では、702において受信することは、溶着部(WMZ)および/または熱影響部(HAZ)についての溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信することを含む。すなわち、702における受信することは、溶接部104ならびにその熱影響部および/または溶着部について溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信することを含んでもよい。702における受信することが、溶接部104の裏側および/または表側について溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を受信することを含んでもよいことも理解されたい。
【0063】
方法700はまた、1つまたは複数の溶接特徴量408を抽出するために溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を処理すること704を含む。いくつかの手法では、704において溶接特徴量408を抽出するために溶接前表面トポロジーデータ402および/または溶接後表面トポロジーデータ404を処理することは、特徴量エンジニアリングモジュール123を介して実行される。
【0064】
方法700は、1つまたは複数の溶接プロセスパラメータ406を受信すること706をさらに含む。いくつかの手法では、溶接プロセスパラメータ406は、たとえば、溶接デバイス107に組み込まれるかまたは外部から取り付けられた1つまたは複数のセンサーを介して、1つまたは複数の溶接デバイス107から受信されてもよい。他の手法では、溶接プロセスパラメータ406が、方法700で使用される機械学習アルゴリズム126に入力されてもよく、または溶接工程に関連付けられたカメラ、高温計、測位デバイス(たとえば、サーボエンコーダ)、またはガス流量計を介して収集されてもよい。方法700はまた、溶接プロセスパラメータ406から1つまたは複数の溶接特徴量408を抽出すること708を含む。いくつかの手法では、溶接プロセスパラメータ406から1つまたは複数の溶接特徴量408を抽出すること708は特徴量エンジニアリングモジュール123を介して実行される。
【0065】
方法700はまた、訓練済み機械学習アルゴリズムを介して溶接特徴量408を分析することによって溶接部104に関連する1つまたは複数の溶接特性を判定すること710を含む。訓練済み機械学習アルゴリズムは、溶接特徴量408に基づいて溶接特性を特定するように構成されてもよい。訓練済み機械学習アルゴリズムは、溶接部に関連する溶接特徴量408を入力として受信し、溶接部104に関連する溶接特性410を出力として特定する。いくつかの手法では、訓練済み機械学習アルゴリズムは図3で説明したように生成される。
【0066】
いくつかの実施形態では、方法700は、溶接特性410に基づいて溶接分類レポートを生成すること712をさらに含む。溶接分類レポートは、方法700を介して特定された溶接特性410に関する情報を提供してもよい。溶接分類レポートは、溶接部104の品質に関する任意の追加の情報をさらに含んでもよい。一例では、溶接分類レポートは、不連続部の説明、溶接部104上の不連続部の位置、および/または不連続部に関連する溶接プロセスパラメータ406などの不連続部に関する情報を提供してもよい。いくつかの手法では、溶接分類レポートは、溶接部104についての小分類、中分類、または大分類、1つまたは複数の溶接標準との準拠レベルを示す分類を特定してもよい。溶接分類レポートが、溶接部104をその溶接特性410に基づいてラベル付けするかまたは場合によっては分類する溶接部104についての1つまたは複数のラベルを提供し得ることが企図される。
【0067】
溶接分類レポートは、溶接部104に関する1つまたは複数の推奨事項を含んでもよい。推奨事項は、方法700を介して分析された溶接部104についての1つまたは複数の是正策を提示してもよい。いくつかの態様では、溶接分類レポートはまた、将来の溶接部についての1つまたは複数の是正策を提示してもよい。是正策は、溶接プロセスパラメータ406を最適化する条件または準拠の向上もしくは不連続部の低減をもたらす場合がある溶接プロセスパラメータ406を示してもよい。一例では、推奨事項は、溶接部104を再溶接すべきであることを示してもよい。
【0068】
溶接品質を分析する従来の方法は、溶接部に表面下欠陥が存在するかどうかを判定するために、溶接が完了した後のX線検査または超音波検査などの体積検査に依存する場合がある。さらに、溶接部に表面欠陥が存在するかどうかを評価するために、たとえばボアスコープを使用した目視検査が必要になることがある。本開示の態様は、そのような体積検査または目視検査をなくすかまたは軽減するのを可能にする場合があり、したがって、作業現場における溶接後検査プロセスを不要にすることがある。さらに、体積溶接後検査プロセスおよび/または目視溶接後検査プロセスをなくすことによって、適合欠陥と不適合欠陥を特定するための検査結果の解釈に伴う主観性が不要になるかまたは低減する場合がある。
【0069】
詳細には、本明細書で説明する方法およびシステムは、溶接後表面トポロジー情報を溶接プロセスパラメータと組み合わせて使用して表面欠陥を特定し、ならびに/または機械学習および人工知能アルゴリズムを使用することによって溶接部に表面下欠陥が存在するときにそれを予測する。そのようなアルゴリズムは、溶接プロセスについての品質管理および品質保証を向上させるために使用されてもよい。溶接後表面トポロジーデータおよび溶接の間に収集された溶接プロセスパラメータを使用して、訓練セットが作成され、適合溶接部または部品および不適合溶接部または部品を定義する溶接後検査からのデータがラベル付けされてもよい。次いで、訓練データを使用して、溶接部についての表面欠陥および/または表面下欠陥のさらなる結果を予測することができる機械学習アルゴリズムが作成される。さらに、機械学習アルゴリズムは、その精度を向上させるために新しい注釈付きデータによって連続的に更新されてもよい。
【0070】
さらに、本開示で説明する方法およびシステムは、溶接プロセスの最適化および溶接部における欠陥の低減を可能にする場合がある。たとえば、機械学習アルゴリズムを使用して溶接プロセスパラメータを最適化してもよく、それによって、結果的な溶接欠陥が減少し、部品の適合性が向上する場合がある。そのような欠陥の低減または適合性の向上によって廃棄物が低減する場合がある。
【0071】
表面トポロジーデータを使用することによって、本明細書で説明する方法およびシステムがロバストな欠陥特定または予測を実現し得ることが企図される。表面トポロジーデータは、アンダーカット、過度の溶接材料、またはより低い溶接部などの多くの欠陥タイプを対象とする。したがって、機械学習アルゴリズムにおいて表面トポロジーデータを使用することによって、総合的な欠陥特定または予測が可能になる場合がある。
【0072】
「結合された」、「固定された」、「取り付けられた」などの用語は、本明細書において特に具体的に明記しない限り、直接的な結合、固定、または取り付けと、1つまたは複数の中間構成要素または特徴を介した間接的な結合、固定、または取り付けの両方を指す。
【0073】
単数形"a"、"an"、および"the"は、文脈上明らかに別の意味が指示される場合を除いて複数の参照を含む。
【0074】
本明細書および特許請求の範囲全体にわたって使用される近似表現は、関連する基本機能を変更せずに変化することが可能な任意の量的表現を修飾するように適用される。したがって、「約」、「近似的な」、および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、指定された厳密な値に限定すべきではない。少なくともいくつかの例では、近似表現は、値を測定するための計器の精度、または構成要素および/もしくはシステムを構築または製造するための方法もしくは機器の精度に対応してもよい。たとえば、近似表現は差が10%以内であることを指してもよい。
【0075】
本発明のさらなる態様は、以下の条項の主題によって与えられる。
【0076】
溶接品質を分析するためのシステムであって、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリデバイスとを有するコントローラを備え、少なくとも1つのメモリデバイスが、表面トポロジーデータおよび溶接プロセスパラメータを受信し、表面トポロジーデータおよび溶接プロセスパラメータを処理して複数の規定の溶接特性からある溶接特性を特定するように構成された少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを記憶し、かつ少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに少なくとも1つのプロセッサに動作を実行させる命令を記憶し、少なくとも1つのプロセッサが、複数の履歴溶接特徴量を有する第1の複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接特徴量データを受信することであって、ラベル付けされた溶接特徴量データが、複数の履歴溶接特徴量に関連する履歴溶接特性を特定する、受信することと、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して複数の履歴溶接特徴量と履歴溶接特性との関係を判定することと、溶接部に関連する溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信することと、溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを受信することと、溶接後表面トポロジーデータまたは少なくとも1つの溶接プロセスパラメータの少なくとも一方から少なくとも1つの溶接特徴量を抽出することと、複数の履歴溶接特徴量と履歴溶接特性と少なくとも1つの溶接特徴量との関係に基づいて複数の規定の溶接特性から溶接部の少なくとも1つの溶接特性をコントローラを介して特定することとを行うように構成されるシステム。
【0077】
少なくとも1つの溶接特性は、表面不連続部または表面下不連続部の少なくとも一方を含む、上記条項に記載のシステム。
【0078】
少なくとも1つのプロセッサはさらに、複数の溶接分類器を生成することと、少なくとも1つの溶接特徴量および複数の履歴溶接特徴量と履歴溶接特性との関係に基づいて複数の溶接分類器のうちの少なくとも1つの溶接分類器をコントローラを介して溶接部に割り当てることとを行うように構成される、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0079】
少なくとも1つのプロセッサはさらに、少なくとも1つの溶接特性に基づいて溶接分類レポートを生成するように構成される、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0080】
少なくとも1つのプロセッサはさらに、少なくとも1つの溶接特徴量を抽出するために溶接後表面トポロジーデータを処理するように構成される、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0081】
少なくとも1つの溶接特徴量は、形状、寸法、溶接プロファイルの形状、溶接プロファイルの寸法、または溶接部の統計的特徴量のうちの少なくとも1つを含む、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0082】
レーザスキャナをさらに備え、レーザスキャナは、1つまたは複数の検査デバイスを形成する、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0083】
少なくとも1つのプロセッサはさらに、溶接後表面トポロジーデータから溶接セクションを生成するように構成される、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0084】
プロセッサはさらに、第2の複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接前表面トポロジーデータを受信することであって、第2の複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接前表面トポロジーデータが、履歴溶接前表面トポロジーデータに関連する履歴溶接特性を特定する、受信することと、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して履歴溶接前表面トポロジーデータと履歴溶接特性との関係を判定することと、溶接部に関連する溶接前表面トポロジーデータを受信することと、履歴溶接前表面トポロジーデータと履歴溶接特性と溶接前表面トポロジーデータとの関係に基づいて溶接部の少なくとも1つの溶接特性をコントローラを介して特定することとを行うように構成される、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0085】
溶接前表面トポロジーデータおよび溶接後表面トポロジーデータは点群データである、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0086】
少なくとも1つのプロセッサはさらに、点群データを画像データに変換することと、画像データの明暗度を取得することと、画像データの明暗度に基づいて溶接部についての溶接セクションを生成することと、溶接セクションに基づいて少なくとも1つの溶接特徴量を抽出することとを行うように構成される、上記条項のいずれか一項に記載のシステム。
【0087】
溶接品質を分析する方法であって、複数の履歴溶接特徴量を有する複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接特徴量データを収集するステップであって、ラベル付けされた溶接特徴量データが、複数の履歴溶接特徴量に関連する履歴溶接特性を特定する、ステップと、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して複数の履歴溶接特徴量と履歴溶接特性との関係を特定して複数の溶接分類器を生成するステップと、溶接部に関連する溶接前表面トポロジーデータおよび溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信するステップと、溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを1つまたは複数の溶接デバイスから受信するステップと、溶接前表面トポロジーデータ、溶接後表面トポロジーデータ、および少なくとも1つの溶接プロセスパラメータから少なくとも1つの溶接特徴量を抽出するステップと、少なくとも1つの溶接特徴量および複数の履歴溶接特徴量と履歴溶接特性との関係に基づいて複数の溶接分類器のうちの少なくとも1つの溶接分類器をコントローラを介して溶接部に割り当てるステップとを含む方法。
【0088】
溶接分類器は、溶接部を適合状態または不適合状態として特定する、上記条項に記載の方法。
【0089】
検査検証情報を受信するステップであって、検査検証情報が、溶接部についての目視検査結果および体積検査結果の少なくとも一方を含む、ステップと、検査検証情報を少なくとも1つの溶接分類器と比較するステップとをさらに含む、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
上記方法がさらに、検査検証情報と少なくとも1つの溶接分類器との比較に基づいて少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを更新するステップを含む、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0091】
少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを更新するステップは、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムのための訓練データセットに検査検証情報を付加するステップを含む、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0092】
溶接品質を分析する方法であって、溶接部に関連する溶接前表面トポロジーデータおよび溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信するステップと、溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを1つまたは複数の溶接デバイスから受信するステップと、溶接前表面トポロジーデータ、溶接後表面トポロジーデータ、および少なくとも1つの溶接プロセスパラメータから少なくとも1つの溶接特徴量を抽出するステップと、溶接特徴量に基づいて溶接特性を特定するように構成された訓練済み機械学習アルゴリズムを介して少なくとも1つの溶接特徴量を分析することによって溶接部に関連する少なくとも1つの溶接特性を判定するステップであって、訓練済み機械学習アルゴリズムが、少なくとも1つの溶接特徴量を入力として受信し、溶接部に関連する少なくとも1つの溶接特性を出力として特定する、ステップとを含む方法。
【0093】
少なくとも1つの溶接特性に基づいて少なくとも1つの溶接分類器を溶接部に割り当てるステップをさらに含む、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
少なくとも1つの溶接分類器は、溶接部が少なくとも1つの所定の溶接標準に適合しているかどうかを特定する、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0095】
検査検証情報を受信するステップであって、検査検証情報が、溶接部についての目視検査結果または体積検査結果の少なくとも一方を含む、ステップと、検査検証情報を少なくとも1つの溶接分類器と比較するステップと、検査検証情報と少なくとも1つの溶接分類器との比較に基づいて訓練済み機械学習アルゴリズムを更新するステップとをさらに含む、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0096】
訓練済み機械学習アルゴリズムを更新するステップは、訓練済み機械学習アルゴリズムのための訓練データセットに検査検証情報を付加するステップを含む、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
訓練済み機械学習アルゴリズムを訓練するために使用される訓練データセットは、既知の特性を有する溶接部の履歴溶接特徴量を含む、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0098】
履歴溶接特徴量は、履歴溶接前表面トポロジーデータおよび履歴溶接後表面トポロジーデータに基づいて判定され、履歴溶接前表面トポロジーデータおよび履歴溶接後表面トポロジーデータは、既知の特性を有する溶接部に関連付けられる、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0099】
溶接品質を分析するための方法であって、ラベル付けされた履歴溶接特徴量データと履歴溶接特性とを含む、複数の履歴溶接部に関する情報を受信するステップと、受信された表面トポロジー情報を定義する溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信するステップと、構成要素の溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを受信するステップと、ラベル付けされた履歴溶接特徴量データと履歴溶接特性との相関関係を少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して判定するステップと、判定された相関関係、少なくとも1つの溶接プロセスパラメータ、および受信された表面トポロジー情報に基づいて構成要素の少なくとも1つの表面下欠陥をコントローラを介して予測するステップとを含む方法。
【0100】
少なくとも1つの表面下欠陥に基づいて少なくとも1つの溶接分類器をコントローラを介して溶接部に割り当てるステップをさらに含み、少なくとも1つの分類器は、溶接部を適合状態または不適合状態として特定する、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0101】
構成要素は、積層造形された構成要素であり、溶接部は重ね継ぎ目である、上記条項のいずれか一項に記載の方法。
【0102】
可動構成要素と固定構成要素との間の動的シールの特性を説明するために本明細書で説明し図示した部品および構成要素の詳細、材料、および配置の様々な変更を、当業者が添付の特許請求の範囲の原則および範囲内で施してもよいことが理解されよう。さらに、特定の実施形態に関して様々な特徴について説明したが、1つの実施形態について説明した特徴が説明した他の特徴と組み合わされてもよいことが諒解されよう。
【0103】
本発明のさらなる態様は、以下の項の主題によって提供される。
【0104】
[項1]溶接品質を分析するためのシステムであって、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリデバイスとを有するコントローラを備え、前記少なくとも1つのメモリデバイスが、表面トポロジーデータおよび溶接プロセスパラメータを受信し、前記表面トポロジーデータおよび前記溶接プロセスパラメータを処理して複数の規定の溶接特性からある溶接特性を特定するように構成された少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを記憶し、かつ前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに前記少なくとも1つのプロセッサに動作を実行させる命令を記憶し、前記少なくとも1つのプロセッサが、複数の履歴溶接特徴量を有する第1の複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接特徴量データを受信することであって、前記ラベル付けされた溶接特徴量データが、前記複数の履歴溶接特徴量に関連する履歴溶接特性を特定する、受信することと、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して前記複数の履歴溶接特徴量と前記履歴溶接特性との関係を判定することと、溶接部に関連する溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信することと、前記溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを受信することと、前記溶接後表面トポロジーデータまたは前記少なくとも1つの溶接プロセスパラメータの少なくとも一方から少なくとも1つの溶接特徴量を抽出することと、前記複数の履歴溶接特徴量と前記履歴溶接特性との前記関係に基づいて前記複数の規定の溶接特性から前記溶接部の少なくとも1つの溶接特性を前記コントローラを介して特定することとを行うように構成される、システム。
【0105】
[項2]前記少なくとも1つの溶接特性は、表面不連続部または表面下不連続部の少なくとも一方を含む、任意の前項に記載のシステム。
【0106】
[項3]前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、複数の溶接分類器を生成することと、前記少なくとも1つの溶接特徴量および前記複数の履歴溶接特徴量と前記履歴溶接特性との前記関係に基づいて前記複数の溶接分類器のうちの少なくとも1つの溶接分類器を、前記コントローラを介して前記溶接部に割り当てることとを行うように構成される、任意の前項に記載のシステム。
【0107】
[項4]前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの溶接特性に基づいて溶接分類レポートを生成するように構成される、任意の前項に記載のシステム。
【0108】
[項5]前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの溶接特徴量を抽出するために前記溶接後表面トポロジーデータを処理するように構成される、任意の前項に記載のシステム。
【0109】
[項6]前記少なくとも1つの溶接特徴量は、形状、寸法、溶接プロファイルの形状、前記溶接プロファイルの寸法、または前記溶接部の統計的特徴量のうちの少なくとも1つを含む、任意の前項に記載のシステム。
【0110】
[項7]レーザスキャナをさらに備え、前記レーザスキャナは、前記1つまたは複数の検査デバイスを形成する、任意の前項に記載のシステム。
【0111】
[項8] 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、第2の複数の履歴溶接部についてのラベル付けされた溶接前表面トポロジーデータを受信することであって、前記第2の複数の履歴溶接部についての前記ラベル付けされた溶接前表面トポロジーデータが、履歴溶接前表面トポロジーデータに関連する履歴溶接特性を特定する、受信することと、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して前記履歴溶接前表面トポロジーデータと前記履歴溶接特性との関係を判定することと、前記溶接部に関連する溶接前表面トポロジーデータを受信することと、前記履歴溶接前表面トポロジーデータと前記履歴溶接特性と前記溶接前表面トポロジーデータとの関係に基づいて前記溶接部の少なくとも1つの溶接特性を前記コントローラを介して特定することとを行うように構成される、任意の前項に記載のシステム。
【0112】
[項9]前記溶接前表面トポロジーデータおよび前記溶接後表面トポロジーデータは点群データである、任意の前項に記載のシステム。
【0113】
[項10]前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記点群データを画像データに変換することと、前記画像データの明暗度を取得することと、前記画像データの前記明暗度に基づいて前記溶接部についての溶接セクションを生成することと、前記溶接セクションに基づいて前記少なくとも1つの溶接特徴量を抽出することとを行うように構成される、任意の前項に記載のシステム。
【0114】
[項11] 溶接品質を分析するための方法であって、ラベル付けされた履歴溶接特徴量データと履歴溶接特性とを含む、複数の履歴溶接部に関する情報を受信するステップと、 前記受信された表面トポロジー情報を定義する溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信するステップと、構成要素の溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを受信するステップと、前記ラベル付けされた履歴溶接特徴量データと履歴溶接特性との相関関係を少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを介して判定するステップと、前記判定された相関関係、少なくとも1つの溶接プロセスパラメータ、および前記受信された表面トポロジー情報に基づいて、前記構成要素の少なくとも1つの表面下欠陥をコントローラを介して予測するステップとを含む方法。
【0115】
[項12]前記少なくとも1つの表面下欠陥に基づいて少なくとも1つの溶接分類器を前記コントローラを介して前記溶接部に割り当てるステップをさらに含み、前記少なくとも1つの分類器は、前記溶接部を適合状態または不適合状態として特定する、任意の前項に記載の方法。
【0116】
[項13] 前記構成要素は、積層造形された構成要素であり、前記溶接部は重ね継ぎ目である、任意の前項に記載の方法。
【0117】
[項14] 溶接品質を分析する方法であって、溶接部に関連する溶接前表面トポロジーデータおよび溶接後表面トポロジーデータを1つまたは複数の検査デバイスから受信するステップと、前記溶接部に関連する少なくとも1つの溶接プロセスパラメータを1つまたは複数の溶接デバイスから受信するステップと、前記溶接前表面トポロジーデータ、前記溶接後表面トポロジーデータ、および前記少なくとも1つの溶接プロセスパラメータから少なくとも1つの溶接特徴量を抽出するステップと、溶接特徴量に基づいて溶接特性を特定するように構成された訓練済み機械学習アルゴリズムを介して前記少なくとも1つの溶接特徴量を分析することによって、前記溶接部に関連する少なくとも1つの溶接特性を判定するステップであって、前記訓練済み機械学習アルゴリズムが、前記少なくとも1つの溶接特徴量を入力として受信し、前記溶接部に関連する前記少なくとも1つの溶接特性を出力として特定する、ステップとを含む方法。
【0118】
[項15] 前記少なくとも1つの溶接特性に基づいて少なくとも1つの溶接分類器を前記溶接部に割り当てるステップをさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0119】
[項16] 前記少なくとも1つの溶接分類器は、前記溶接部が少なくとも1つの所定の溶接標準に適合しているかどうかを特定する、任意の前項に記載の方法。
【0120】
[項17] 検査検証情報を受信するステップであって、前記検査検証情報が、前記溶接部についての目視検査結果または体積検査結果の少なくとも一方を含む、ステップと、前記検査検証情報を前記少なくとも1つの溶接分類器と比較するステップと、前記検査検証情報と前記少なくとも1つの溶接分類器との比較に基づいて前記訓練済み機械学習アルゴリズムを更新するステップとをさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0121】
[項18] 前記訓練済み機械学習アルゴリズムを更新するステップは、前記訓練済み機械学習アルゴリズムのための訓練データセットに前記検査検証情報を付加するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0122】
[項19] 前記訓練済み機械学習アルゴリズムを訓練するために使用される訓練データセットは、既知の特性を有する溶接部の履歴溶接特徴量を含む、任意の前項に記載の方法。
【0123】
[項20] 前記履歴溶接特徴量は、履歴溶接前表面トポロジーデータおよび履歴溶接後表面トポロジーデータに基づいて判定され、前記履歴溶接前表面トポロジーデータおよび前記履歴溶接後表面トポロジーデータは、既知の特性を有する前記溶接部に関連付けられる、任意の前項に記載の方法。
【符号の説明】
【0124】
100 システム
102 構成要素
104 溶接部
106 検査デバイス
107 溶接デバイス
108 コントローラ
110 プロセッサ
112 入出力デバイス
114 トランシーバ
116 メモリデバイス
118 データ
120 命令
122 画像処理モジュール
123 特徴量エンジニアリングモジュール
124 不連続部特定モジュール
126 機械学習アルゴリズム
128 データベース
130 ネットワーク
202 3次元表面トポロジーデータ
204 溶接セクション
206 グラフ
207 最小高さ
209 最大高さ
210 領域
211 平均高さ
214 高い溶接部
216 低い溶接部
302 履歴溶接前表面トポロジーデータ
304 履歴溶接後表面トポロジーデータ
308 履歴溶接プロセスパラメータ
310 履歴溶接特徴量
312 履歴表面検査データ
314 履歴体積検査データ
316 訓練データベース
318 ラベル付けされた溶接特徴量データ
322 溶接分類データベース
324 適合溶接署名
326 不適合溶接署名
402 溶接前表面トポロジーデータ
404 溶接後表面トポロジーデータ
406 溶接プロセスパラメータ
408 溶接特徴量
410 溶接特性
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図7