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特許7403913単一又は複数の動力電池を使用して電気車両に電力を供給するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】単一又は複数の動力電池を使用して電気車両に電力を供給するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231218BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231218BHJP
   B60L 58/18 20190101ALI20231218BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 P
B60L50/60
B60L58/18
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020073460
(22)【出願日】2020-04-16
(62)【分割の表示】P 2016533415の分割
【原出願日】2014-08-06
(65)【公開番号】P2020171190
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2020-04-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】61/862,852
(32)【優先日】2013-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514022545
【氏名又は名称】ゴゴロ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,イ-ツォン
(72)【発明者】
【氏名】ルーク,ホクサム ホレース
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,マシュー ホワイティング
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】丸山 高政
【審判官】高野 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-84212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J
B60L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両原動機に電力を供給する電力供給システムであって、
原動機と、
前記原動機を1つ以上の電気エネルギー貯蔵装置に電気的に結合する回路と、
幾つかの動作状態を有する少なくとも1つの回路要素とを備え、
前記動作状態が、
電気車両が第1の動作モードにされ、エネルギーが第1の電気エネルギー貯蔵装置によって前記電気車両原動機に供給される第1の状態と、
電気車両が第2の動作モードにされ、エネルギーが複数の電気エネルギー貯蔵装置によって前記電気車両原動機に供給される第2の状態と、を有し、
前記複数の電気エネルギー貯蔵装置は、前記第1の電気エネルギー貯蔵装置と、第2の電気エネルギー貯蔵装置と、を含み、
前記少なくとも1つの回路要素は、前記第2の電気エネルギー貯蔵装置が前記電気車両の電気エネルギー貯蔵装置容器に配置されることに応じて前記第1の状態から前記第2の状態に移行するように構成され、
前記第1の状態は、前記少なくとも1つの回路要素が後で前記第2の状態に移行するのを妨げず、
前記第2の状態は、前記電気車両が前記第1の電気エネルギー貯蔵装置および前記第2の電気エネルギー貯蔵装置を使用しているときに、前記少なくとも1つの回路要素が後で前記第1の状態に移行するのを妨げ、
前記電力供給システムは、前記少なくとも1つの回路要素に動作可能に結合されたコントローラをさらに備える、電力供給システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの回路要素が、少なくとも1つの脆弱分流路を含み、
前記第1の動作モードで、前記少なくとも1つの脆弱分流路が導電性であり、
前記第2の動作モードで、前記少なくとも1つの脆弱分流路が非導電性である、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの脆弱分流路が、ユーザが交換できない少なくとも1つの回路構成要素を含む、請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの脆弱分流路が、ユーザが交換できる少なくとも1つの回路構成要素を含む、請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記少なくとも1つの回路要素から、前記少なくとも1つの回路要素の状態を示すデータを含む情報を受け取るように構成され、
前記回路要素が前記第2の状態になったことを示すデータの受け取りに応じて、前記複数の電気エネルギー貯蔵装置が、前記電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が電気的直列に配置された動作構成、前記電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が電気的並列に配置された動作構成、又は前記電気エネルギー貯蔵装置の一部が電気的並列にされ前記電気エネルギー貯蔵装置の一部が電気的直列に配置された動作構成のうちの少なくとも1つを提供するように選択的に構成されうる、請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの回路要素が、少なくとも1つのソリッドステート切り換え装置を含む、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記第1の状態で、前記少なくとも1つのソリッドステート切り換え装置の少なくとも1つの態様が、前記コントローラによって、前記第1の電気エネルギー貯蔵装置から前記原動機への電力の流れを許可するように変調された、請求項6に記載の電力供給システム。
【請求項8】
前記第2の状態で、前記少なくとも1つのソリッドステート切り換え装置の少なくとも1つの態様が、前記コントローラによって、前記複数の電気エネルギー貯蔵装置の一部又は全てから前記原動機への電力の流れを許可するように変調された、請求項7に記載の電力供給システム。
【請求項9】
前記コントローラに伝達可能に結合された通信インタフェースを更に含み、前記通信インタフェースが、前記少なくとも1つの回路要素を前記第1の状態から前記第2の状態に移行させ、前記少なくとも1つの回路要素を前記第2の状態から前記第1の状態に移行させるデータを含む1つ以上の信号を受け取る、請求項6に記載の電力供給システム。
【請求項10】
車両原動機にエネルギーを供給する電力供給方法であって、
第1の動作モードで、第1の状態の少なくとも1つの回路要素を含む回路によって第1の電気エネルギー貯蔵装置から車両原動機にエネルギーを供給する段階と、
数の電気エネルギー貯蔵装置の前記車両原動機への電気的結合に応じて、前記少なくとも1つの回路要素を前記第1の状態から第2の状態に移行させ、第2の動作モードに移行させる段階であって前記電気エネルギー貯蔵装置と前記車両原動機との前記電気的結合は、第2の電気エネルギー貯蔵装置が電気車両の電気エネルギー貯蔵装置容器に配置されることに起因すること、を含み、
前記複数の電気エネルギー貯蔵装置は、前記第1の電気エネルギー貯蔵装置と、前記第2の電気エネルギー貯蔵装置と、を含み、
前記少なくとも1つの回路要素が前記第2の状態に移行された後で、前記電気車両が前記第1の電気エネルギー貯蔵装置および前記第2の電気エネルギー貯蔵装置を使用しているときに、前記少なくとも1つの回路要素が後で前記第2の状態から前記第1の状態に移行することを妨げる段階と、
前記少なくとも1つの回路要素に伝達可能に結合されたコントローラに、前記少なくとも1つの回路要素の状態を示すデータを含む信号を受け取る段階と、を含む電力供給方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの回路要素が前記第2の状態になったことを示すデータの受け取りに応じて、前記電気車両を、選択的に、前記複数の電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が前記車両原動機と電気的直列に結合された第1の動作構成、又は前記複数の電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が前記車両原動機と電気的並列に結合された第2の動作構成にする段階を更に含む、請求項10に記載の電力供給方法。
【請求項12】
前記電気車両を選択的に前記第1の動作構成又は前記第2の動作構成にする段階が、
前記コントローラによって前記電気車両を選択的かつ自律的に前記第1の動作構成又は前記第2の動作構成にする段階を含む、請求項11に記載の電力供給方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの回路要素を前記第1の状態から第2の状態に移行させる段階が、
前記少なくとも1つの回路要素の構造を物理的に変更して、前記少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性が変更されるようにする段階を含む、請求項10に記載の電力供給方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの回路要素が前記第2の状態に移行された後で、前記少なくとも1つの回路要素が後で前記第2の状態から前記第1の状態に移行するのを妨げる段階が、
前記少なくとも1つの回路要素の前記電気的連続特性を不可逆的に中断する段階を含む、請求項13に記載の電力供給方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性を不可逆的に中断する段階が、
前記複数の電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの外側面に配置された物理的特徴形状を使用して、前記少なくとも1つの回路要素の前記電気的連続特性を不可逆的に中断する段階を含む、請求項14に記載の電力供給方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性を不可逆的に中断する段階が、
前記複数の電気エネルギー貯蔵装置の一部又は全てを使用して熱的過負荷状態又は過電流状態を作り出すことによって、前記少なくとも1つの回路要素の前記電気的連続特性を不可逆的に中断する段階を含んでもよく、前記熱的過負荷状態又は前記過電流状態が、前記少なくとも1つの回路要素を不可逆的に物理的に破壊するのに十分である、請求項14に記載の電力供給方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの回路要素を前記第2の状態に移行させる段階が、
前記少なくとも1つの回路要素の少なくとも1つの固体回路要素の電気特性を電気的又は電磁的に変化させる段階を含む、請求項10に記載の電力供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、車両の推進に必要な原動力の少なくとも一部分を提供する1つ以上の充電式動力電池によって電力供給される電気原動機又はモータを使用する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリン電気ハイブリッド及び完全電気自動車は一般的になってきている。そのような車両は、従来の内燃機関車両より優れた幾つかの利点を実現することがある。例えば、ハイブリッド又は電気自動車は、より高い燃料経済性を達成し、排気ガスがほとんどない。詳細には、完全電気自動車は、排気ガスがないだけでなく、人口密集地域内の全体的汚染の削減と関連付けられることがある。例えば、1つ以上の再生可能エネルギー源(例えば、太陽光、風力、地熱、水力発電)は、電気自動車の動力電池を充電するために使用される電力の一部又は全てを提供することがある。また、例えば、内燃機関より高い効率を有しかつ/又は個人車両で使用するにはサイズ、コスト及び費用が大きすぎる汚染制御又は除去システム(例えば、産業用空気スクラバ)を使用する比較的「クリーンな燃焼」の燃料(例えば、天然ガス)を燃やす発電所は、電気自動車の動力電池の充電に使用される電力の一部又は全てを提供することがある。
【0003】
ガソリン式スクータやモータバイクなどの個人用輸送車両は、例えばアジアの多くの大都市に見られる人口密集地域の多くの場所のどこにでもある。そのようなスクータ及び/又はモータバイクは、特に乗用車、自動車又はトラックと比べて、取得、登録及び保守が比較的安価になる傾向がある。また、多数の内燃機関スクータ及び/又はモータバイクのある都市は、高度な空気汚染を受けやすく、それにより、大都市圏で生活し仕事している全ての人にとっての空気品質が低下する。多くの内燃機関スクータ及び/又はモータバイクは、新しいとき、個人交通手段の汚染源になることは比較的少ない。例えば、そのようなスクータ及び/又はモータバイクは、大きい車両より燃費が高いことがある。更に、幾つかのスクータ及び/又はモータバイクは、基本的な汚染制御機器(例えば、触媒コンバータ)を装備していることもある。残念ながら、工場で規定された排気レベルは、スクータ及び/又はモータバイクが経年変化したときに破られ、スクータ及び/又はモータバイクが所有者によって改造されたとき(例えば、触媒コンバータの意図的又は非意図的除去によって)には維持されない。多くの場合、スクータ及び/又はモータバイクの所有者又は運転者には、自分の車両を保守する財源や動機がない。
【0004】
空気汚染とその結果生じる空気品質の低下は、様々な疾病の発生及び悪化と関連した悪影響を人間の健康に及ぼす(例えば、多数のレポートは、空気汚染を、肺気腫、喘息、肺炎及び嚢胞性繊維症、並びに様々な心血管疾患と結び付けている)。そのような疾病は、多数の生命を奪い、無数の人の生活の質を極度に低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガソリン電気ハイブリッド車両及び全電気車両と関連した排気ガス削減は、人口密度の高い市街地の空気品質に極めて有益であり、したがって多数の人口の健康を改善する傾向がある。
【0006】
全電気車両のゼロ排気ガスはよく理解されており、またその大きな市街地の生活品質を改善する能力は理解されているが、多数の人口による全電気車両の採用は遅れている。ハイブリッド及び電気車両のより幅広い受け入れと使用を妨げてきた要因は、車両が搭載する電気エネルギー貯蔵装置によって提供される有効範囲が限定されるという認識である。電気エネルギー貯蔵装置は、車両原動機によって消費される電力の少なくとも一部分を提供できる電荷を蓄積又は生成できる任意の装置を含みうる。したがって、電気エネルギー貯蔵装置は、鉛/酸化物、リチウムイオン、ニッケル-カドミウムなどのバッテリを含みうる。電気エネルギー貯蔵装置は、また、スーパーキャパシタやウルトラキャパシタなどの容量性電荷貯蔵装置を含みうる。電気エネルギー貯蔵装置は、また、例えば、膜を使用する燃料電池技術や加水分解を使用して電流を生成する類似技術など、新しい電気化学技術を含みうる。
【0007】
車両は、幾つかの電気エネルギー貯蔵装置を収容する機能を有することが多い。例えば、幾つかの車両は、1つの電気エネルギー貯蔵装置だけが車両に結合されたときは単一の電気エネルギー貯蔵装置で、また幾つかのそのような装置が車両に結合されたときは2つ以上の電気エネルギー貯蔵装置で動作することがある。車両に取り付けられた電気エネルギー貯蔵装置間の電気的結合は、電気エネルギー貯蔵装置によって車両原動機に提供されるエネルギー量に影響を及ぼす。例えば、2つの12ボルト50アンペア時の電池が直列に接続されて、24ボルト50アンペア時「スタック」が提供される。あるいは、2つのそのような電池が並列に接続されると、12ボルト100アンペア時「スタック」が提供される。したがって、2つ以上の電気エネルギー貯蔵装置を電気接続することによって、装置が、車両走行可能距離を潜在的に犠牲してより大量の出力を利用可能にするか(即ち、電気エネルギー貯蔵装置が原動機と直列接続される)、車両出力を潜在的に犠牲してより大量のエネルギー/車両走行可能距離を利用可能にするか(即ち、電気エネルギー貯蔵装置が原動機と電気並列に接続される)が決定される。
【0008】
幾つかの例では、比較的軽い負荷を有する消費者には、車両を、単一の電気エネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーを1つ以上の車両システムが利用できる第1の動作モードにする、単一電気エネルギー貯蔵装置案を提案することが有利である。幾つかの例では、比較的重い負荷を有する消費者には、車両を、複数の電気エネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーを1つ以上の車両システムに利用できる第2の動作モードにする、複数電気エネルギー貯蔵装置案を提案することが有利である。少なくとも幾つかの実施態様では、第2の電気エネルギー貯蔵装置を車両に結合することにより、車両を第2の動作モードにすることができ好都合である。少なくとも幾つかの実施態様では、第2の動作モードになった後で、車両は、第1の動作モードになるか戻ることが不可能にされる(即ち、2つの電気エネルギー貯蔵装置を使用する車両が、単一電気エネルギー貯蔵装置だけを使用することが不可能にされる)。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で述べる手法は、特に混雑した街及び財源が限られた住民における排気ガスゼロ技術の採用を制限する問題の幾つかに対処可能である。詳細には、本明細書に記載された手法は、1つ以上の電気エネルギー貯蔵装置によって電力供給される車両の動作と関連した問題に対処する。
【0010】
電気車両原動機に電力を供給する電力供給システムは、原動機と、原動機を1つ以上の電気エネルギー貯蔵装置に電気的に結合する回路と、幾つかの動作状態を有する少なくとも1つの回路要素とを含むように要約され、幾つかの動作状態は、少なくとも、電気車両が、単一の電気エネルギー貯蔵装置によって電気車両原動機にエネルギーが供給される第1の動作モードにされた第1の状態と、複数の電気エネルギー貯蔵装置によって電気車両原動機にエネルギーが供給される第2の動作モードに電気車両がされた第2の状態とを有し、第1の状態は、少なくとも1つの回路要素が後で第2の状態に移行するのを妨げず、第2の状態は、少なくとも1つの回路要素が後で第1の状態に移行するのを妨げる。少なくとも1つの回路要素は、少なくとも1つの脆弱分流路を含み、第1のモードで、少なくとも1つの脆弱分流路が導電性であり、第2のモードで、少なくとも1つの脆弱分流路が非導電性である。少なくとも1つの脆弱分流路は、ユーザが交換できない少なくとも1つの回路構成要素を含んでもよい。少なくとも1つの脆弱分流路は、ユーザが交換できる少なくとも1つの回路部品を含んでもよい。
【0011】
電力供給は、更に、少なくとも1つの回路要素に動作可能に結合されて少なくとも1つの回路要素から情報を受け取るコントローラを含んでもよく、この情報は、少なくとも1つの回路要素の状態を示すデータを含み、複数の電気エネルギー貯蔵装置は、回路要素が第2の状態になったことを示すデータの受け取りに応じて、電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が電気的直列にされた動作構成、電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が電気的並列にされた動作構成、又は電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部が電気的並列で電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部が電気的直列の動作構成のうちの少なくとも1つを提供するように選択的に構成されてもよい。
【0012】
電力供給システムは、更に、少なくとも1つの回路要素に動作可能に結合されたコントローラを含んでもよく、少なくとも1つの回路要素は、少なくとも1つのソリッドステート切り換え装置を含んでもよい。第1の状態で、少なくとも1つのソリッドステート切り換え装置の少なくとも1つの態様は、コントローラによって、単一の電気エネルギー貯蔵装置から原動機への電力の流れを許可するように変調されてもよい。第2の状態で、少なくとも1つのソリッドステート切り換え装置の少なくとも1つの態様は、コントローラによって、複数の電気エネルギー貯蔵装置のうちの一部又は全てから原動機への電力の流れを許可するように変調されてもよい。
【0013】
電力供給は、更に、コントローラに伝達可能に結合された通信インタフェースを含んでもよく、通信インタフェースは、データを含む1つ以上の信号を受け取って、少なくとも1つの回路要素を第1の状態から第2の状態に移行させ、少なくとも1つの回路要素を第2の状態から第1の状態に移行させる。
【0014】
車両原動機にエネルギーを供給する電力供給方法は、第1の動作モードで、第1の状態の少なくとも1つの回路要素を含む回路を介して、単一の電気エネルギー貯蔵装置から車両原動機にエネルギーを供給する段階と、複数の電気エネルギー貯蔵装置の原動機への電気的結合に応じて、少なくとも1つの回路要素を第1の状態から第2の状態に移行させ、第2の動作モードに移行させる段階と、少なくとも1つの回路要素が第2の状態に移行した後で、少なくとも1つの回路要素が後で第2の状態から第1の状態に移行するのを妨げる段階と、を含むように要約されうる。
【0015】
電力供給方法は、更に、少なくとも1つの回路要素に伝達可能に結合されたコントローラに、少なくとも1つの回路要素の状態を示すデータを含む信号を受け取る段階を含んでもよい。
【0016】
電力供給方法は、更に、少なくとも1つの回路要素が第2のモードになったことを示すデータの受け取りに応じて、車両を、選択的に、複数の電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が車両原動機と電気的直列に結合された第1の動作構成、又は複数の電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が車両原動機と電気的並列に結合された第2の動作構成にする段階を含んでもよい。車両を選択的に第1の動作モード又は第2のモードにする段階が、車両をコントローラによって選択的かつ自律的に第1の動作構成又は第2の動作構成にする段階を含んでもよい。少なくとも1つの回路要素を第1の状態から第2の状態に移行する段階が、少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性が変化するように少なくとも1つの回路要素の構造を物理的に変更する段階を含んでもよい。少なくとも1つの回路要素が第2の状態に移行された後で少なくとも1つの回路要素の第2の状態から第1の状態へのその後の移行を妨げる段階が、少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性を不可逆的に中断してもよい。少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性を不可逆的に中断する段階が、複数の動力電池のうちの少なくとも1つの外側面に配置された物理的特徴形状を使用して、少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性を不可逆的に中断する段階を含んでもよい。少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性を不可逆的に中断する段階が、複数の電気エネルギー貯蔵装置の一部又は全てを使用して熱的過負荷状態又は過電流状態を作り出すことによって、少なくとも1つの回路要素の電気的連続特性を不可逆的に中断する段階を含んでもよく、熱的過負荷状態又は過電流状態が、少なくとも1つの回路要素を不可逆的に物理的に破壊するのに十分である。少なくとも1つの回路要素を第2の動作モードに移行する段階が、少なくとも1つのソリッドステート回路要素の電気的連続特性を電気的又は電磁的に変更する段階を含んでもよい。
【0017】
図面では、同一の参照番号は、類似の要素又は行為を示す。図面内の要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも一律の倍率で描かれていない。例えば、様々な要素の形状及び角度は、一律の倍率で描かれておらず、そのような要素の幾つかは、図面の可読性を改善するために任意に拡大されている。更に、描かれた要素の特定形状は、特定要素の実際形状に関するいかなる情報を伝えるものでなく、単に図面内で認識を容易にするように選択された。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】1つの非限定的に示された実施形態による、本明細書に記載された様々な構成要素又は構造のうちの幾つか又は全てを含む電気車両の等角部分分解図である。
図2】1つの非限定的に示された実施形態による、図1の車両の構成要素又は構造の幾つかのブロック図である。
図3A】1つの非限定的な例示実施形態による、電気車両を、電気車両原動機に結合された単一の電気エネルギー貯蔵装置だけを含む第1の動作モードにする、第1の状態の脆弱分流要素を有する電気車両の概略図である。
図3B】1つの非限定的な例示実施形態による、電気車両を、複数の電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が電気車両原動機と直列に電気的に結合された第1の動作構成で配列された複数の電気エネルギー貯蔵装置を含む第2の動作モードにする、第2の状態の脆弱分流回路要素を有する電気車両の概略図である。
図3C】1つの非限定的な例示実施形態による、電気車両を、電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が電気車両原動機と並列に電気的に結合された第2の動作構成で配列された複数の電気エネルギー貯蔵装置を含む第2の動作モードにする、第2の状態の脆弱分流回路要素を有する電気車両の概略図である。
図4】1つの非限定的な例示実施形態による、電気車両を、複数の電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部分が電気車両原動機と直列に電気的に結合された第1の動作構成で配列された複数の電気エネルギー貯蔵装置を含む第2の動作モードにする、第2の状態のコントローラ式半導体回路要素を有する電気車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、様々な開示された実施形態の完全な理解を提供するために、ある特定の具体的な詳細が述べられる。しかしながら、当業者は、これらの特定の詳細の1つ以上なしに又は他の方法、構成要素、材料などで実施形態が実施されうることを理解するであろう。他の例では、販売装置、バッテリ、スーパー又はウルトラキャパシタ、変圧器を含むがこれらに限定されない電力変換器、整流器、DC/DC電力変換器、スイッチモード電力変換器、コントローラ、並びに通信システム、構造及びネットワークと関連付けられた周知の構造は、実施形態の記述を無駄に不明瞭にするのを回避するために、詳細に示されず述べられない。
【0020】
文脈で特に必要とされない限り、以下の明細書と特許請求の範囲の全体にわたって、言葉「comprise(含む)」及び「comprises」や「comprising」などのその変形は、「including, but not limited to(含むがそれに限定されない)」という開かれた包括的な意味に解釈されるべきである。
【0021】
本明細書全体にわたって「一実施形態」又は「実施形態」の参照は、実施形態に関して述べられた特定の特徴、構造又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な場所の「in one embodiment(一実施形態では)」又は「in an embodiment(実施形態では)」の語句の使用は、必ずしも全て同じ実施形態を指すとは限らない。
【0022】
第1、第2、第3などの序数の使用は、必ずしも格付けされた順序を意味せず、単に活動又は構造の複数の例を区別するだけの場合がある。
【0023】
原動機に関する言及は、電気エネルギーを動力出力に変換するのに適した任意の装置を意味する。そのような動力出力は、電気牽引モータによって提供されるような軸出力を含みうるがこれに限定されない。
【0024】
携帯型電力貯蔵装置又は電気エネルギー貯蔵装置の言及は、電気エネルギーを貯蔵し、貯蔵した電気エネルギーを放出可能な任意の装置(バッテリ、スーパー又はウルトラキャパシタを含むがこれらに限定されない)を意味する。バッテリに関する言及は、化学貯蔵電池、例えば、ニッケルカドミウム合金又はリチウムイオン電池を含むがこれらに限定されない充電式電池又は二次電池を含む特定タイプの電気エネルギー貯蔵装置を示す。
【0025】
本明細書に示された開示の見出しと要約は、単に便宜のためであり、実施形態の範囲や意味を解釈しない。
【0026】
図1は、電気車両100を示す。少なくとも幾つかの実施態様では、電気車両100は、電気エネルギー貯蔵装置に貯蔵された電気エネルギーを使用して部分的に電力供給される車両(例えば、ガソリン/電気ハイブリッド車両)、又は電気エネルギー貯蔵装置に貯蔵された電気エネルギーを使用して完全に電力供給される車両(例えば、電気車両)を含みうる。少なくとも幾つかの実施態様では、電気自動車100は、図1に示された電気スクータなどの個人用輸送車両を含みうる。
【0027】
前述したように、内燃機関スクータ及びモータバイクは、例えばアジア、ヨーロッパ及び中東内の多くの大都市で一般的である。車両用の主又は一次エネルギー源としての電気エネルギー貯蔵装置(例えば、二次電池)の使用と関連した性能又は効率問題に取り組むことができると、内燃機関スクータとモータバイクの代わりに全電気スクータとモータバイク108の使用が促進され、それにより、空気汚染が軽減され、騒音が減少することがある。
【0028】
電気車両100は、フレーム102、車輪104a、104b(集合的に104)、及びスロットル108、ブレーキレバー110、方向指示器スイッチ112などのユーザ制御機構を備えたハンドルバー106を含み、これらは全て、従来設計のものでよい。電気車両100は、また、牽引モータ116を車輪104bの少なくとも1つに動作可能に結合する動力伝達システムを含んでもよい。任意数の電気エネルギー貯蔵装置(118aと118bの2つが示され、集合的に「電気エネルギー貯蔵装置118」、及び単独で「電気エネルギー貯蔵装置118」)によって供給された電気エネルギーは、動力伝達システムに提供されて車両100を駆動できる。車両100は、更に、電気エネルギー貯蔵装置118からのエネルギーの割り当て又は分配を制御する1つ以上の制御回路120と、任意数の車両システムを含みうる。例えば、電気エネルギー貯蔵装置118と原動機116の間にある。
【0029】
原動機116は、様々な形態をとりうるが、典型的には、想定負荷を望ましい速度と加速度で駆動するのに十分な出力(ワット又は馬力)とトルク生成可能な牽引モータ又は類似の永久磁石誘導モータである。幾つかの例では、原動機116は、運転モードで動作できまた回生制動モードで動作可能な従来のモータでよい。駆動モードでは、原動機116は、車輪104を駆動するために電気エネルギーを消費する。回生制動モードでは、牽引電気モータは、発電機として働き、車輪104の回転に応じて電流を生成し、車両100を減速する制動効果を生成する。
【0030】
電気車両100に電力供給する電気エネルギー貯蔵装置118は、様々な形態(例えば、1つ以上のバッテリ(例えば、バッテリ電池アレイ)、1つ以上のスーパーキャパシタ(例えば、スーパーキャパシタ電池アレイ)、1つ以上のウルトラキャパシタ(例えば、ウルトラキャパシタ電池アレイ))をとりうる。例えば、電気エネルギー貯蔵装置118は、充電式バッテリ(即ち、二次電池又はバッテリ)の形態をとってもよい。充電式バッテリは、鉛/酸蓄電池、ニッケル/カドミウム蓄電池、リチウムイオン蓄電池、薄膜リチウム蓄電池、ニッケル/金属水素化物蓄電池などを含むがこれらに限定されない任意の現在又は将来開発されるエネルギー貯蔵装置を含んでもよい。少なくとも幾つかの実施態様では、電気エネルギー貯蔵装置118は、スクータやモータバイクなどの個人用移動車両100に物理的に適合しまた電力供給するようにサイズ決めされ、置換又は交換を容易にするように携帯可能でよい。多くの移動用途による需要が比較的高い場合、電気エネルギー貯蔵装置118は、1つ以上の二次(即ち、充電式)化学電池の形態を取る可能性が高い。
【0031】
電気エネルギー貯蔵装置118は、電気エネルギー貯蔵装置118の外部からアクセス可能な幾つかの電気的突起、スペード、接点、及び/又は端子(122aと122bの2つが示され、集合的に「端子122」)を有することがある。少なくとも幾つかの実施態様では、電気エネルギー貯蔵装置118が車両100から取り外されている間に閉じられてどちらか又は両方の端子と偶然に接触しないようにする取り外し可能なスライド又は扉が、端子122の全て又は一部分を覆うことができる。端子122は、電気エネルギー貯蔵装置が放電するときに電気エネルギー貯蔵装置118からのエネルギーの送出を可能にする電気接点を提供する。端子122は、電気エネルギー貯蔵装置が充電するときに電気エネルギー貯蔵装置118へのエネルギーの送出を可能にする電気接点を提供する。
【0032】
図1には柱として示されたが、端子122は、電気エネルギー貯蔵装置ハウジングのスロット内に位置決めされた端子122を含む、電気エネルギー貯蔵装置118の外部からアクセス可能な任意の他の形態をとってもよい。少なくとも幾つかの実施態様では、端子122は、操作中の電気端子122の偶然の短絡の可能性を減らすために、電気エネルギー貯蔵装置118の外側にカップやスロットなどの凹部内に配置されてもよい。
【0033】
後でより詳しく示し述べるように、制御回路120は、1つ以上の電気エネルギー貯蔵装置118から車両100に搭載された様々な車両システムへの電気エネルギーの分配及び流れを伝達、調整及び制御するための様々な構成要素を含む。詳細には、制御回路120は、電気エネルギー貯蔵装置118と原動機116の間のエネルギーの流れを制御できる。少なくとも幾つかの実施態様では、制御回路120は、電気エネルギー貯蔵装置118の一部又は全ての電圧、電流、温度、充電レベル、サイクル、温度などを含むがこれらに限定されない任意数の電気エネルギー貯蔵装置パラメータを監視できる。制御回路120は、電気エネルギー貯蔵装置118から様々な車両システムへのエネルギーの流れ及び/又は分配を変更、調整又は制御できる。制御回路120は、そのようなエネルギー分配を、1つ以上の測定又は検出された電気エネルギー貯蔵装置パラメータに対応する所定の方式で行ないうる。
【0034】
車両100の中、上又は周りに1つ以上の切り換え装置124が配置される。1つ以上の切り換え装置は、電流の流れの選択可能な電気的連続経路、又は電流の流れを中断する電気的不連続経路を手動又は自動で提供できる任意の現行の装置又は将来開発される装置を含みうる。1つ以上の切り換え装置124は、少なくとも2つの状態を有しうる。第1の状態では、複数の電気エネルギー貯蔵装置118は、電気エネルギー貯蔵装置118の幾つか又は全てが原動機116と電気的に直列構成で結合された第1の動作構成で配置される。1つ以上の切り換え装置124が第2の状態のとき、複数の電気エネルギー貯蔵装置118は、電気エネルギー貯蔵装置118の幾つか又は全てが原動機116と電気的に並列構成で結合された第2の動作構成で配置される。
【0035】
少なくとも幾つかの例では、1つ以上の切り換え装置124は、1つ以上の切換器やトグルスイッチなどの1つ以上の手動スイッチを含みうる。他の例では、1つ以上の切り換え装置124は、1つ以上のリレーなどの1つ以上の電気的又は電気機械スイッチを含みうる。更に他の例では、1つ以上の切り換え装置124は、1つ以上の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの1つ以上の半導体スイッチを含みうる。
【0036】
1つ以上の回路要素130は、電気エネルギー貯蔵装置118の幾つか又は全てを原動機116に電気的に結合する回路内に配置されてもよい。少なくとも幾つかの例では、1つ以上の回路要素130には、1つ以上の脆弱又は違うふうに物理的に破壊可能な切り換え装置、システム及び/又は要素が含まれる。そのような脆弱又は物理的に破壊可能な切り換え装置の一例には、第2の電気エネルギー貯蔵装置118を車両100に結合する際に非導電状態になる分流路が含まれる。他の例では、1つ以上の回路要素130は、幾つかの機械、電気、電子、電気機械切り換え装置、システム及び/又は要素を含みうる。更に他の例では、1つ以上の回路要素130には、1つ以上のソリッドステート又は半導体電気切り換え装置、システム及び/又は要素が含まれる。
【0037】
図2は、1つの例示された実施形態による電気車両100の一部分を示す。図示されたように、原動機116は、シャフト202などの動力伝達装置に動作可能に結合されてもよく、シャフト202は、電気車両100の少なくとも1つの車輪104bを駆動するために直接又は間接に動作可能に結合される。図2は、例示的なシャフト202を示すが、ベルトと滑車やチェーンとスプロケットなどの他のタイプの動力伝達装置が可能である。
【0038】
制御回路120は、種々様々な任意の形態をとってもよく、典型的には、コントローラ204、1つ以上の電力変換器306a-306d(4つが示された)、及び/又はセンサSTB、SVB、SIB、STC、SVC、SIC、STM、SVM、SIM及びSRMを含む。
【0039】
図2に示されたように、制御回路120は、駆動モード又は構成で、電気エネルギー貯蔵装置118から原動機116にエネルギーを供給する第1のDC/DC電力変換器206aを含んでもよい。第1のDC/DC電力変換器206aは、電気エネルギー貯蔵装置118からの電気エネルギーの電圧を、原動機116を駆動するのに十分なレベルまで引き上げうる。例えば、第1のDC/DC電力変換器206aは、様々な形態(例えば、無調整又は調整スイッチモード電力変換器)を取ってもよく、絶縁されてもよくされなくてもよい。例えば、第1のDC/DC電力変換器206aは、調整式ブーストスイッチモード電力変換器又はバックブーストスイッチモード電力変換器の形態を取ってもよい。
【0040】
制御回路120は、駆動モード又は構成で第1のDC/DCコンバータ206aを介して電気エネルギー貯蔵装置118から原動機116にエネルギーを供給する、一般にインバータと呼ばれるDC/AC電力変換器206bを含んでもよい。DC/AC電力変換器206bは、第1のDC/DCコンバータ206aからの電力を、原動機116を駆動するのに適した交流波形に反転させてもよい。交流波形は、単相又は多相、例えば二又は三相の交流電力でもよい。DC/AC電力変換器206bは、様々な形態(例えば、無調整又は調整スイッチモード電力変換器)を取ってもよく、絶縁されてもよくされなくてもよい。例えば、DC/AC電力変換器206bは、調整式インバータの形態を取ってもよい。
【0041】
コントローラ204によって供給された制御信号C1,C2はそれぞれ、第1のDC/DC電力変換器206aとDC/AC電力変換器206bの1つ以上の動作態様を制御する。例えば、コントローラ204又は幾つかの中間ゲート駆動回路は、パルス幅変調ゲート駆動信号を供給して、第1のDC/DC及び/又はDC/AC電力変換器206a,206bのスイッチ(例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ即ちMOSFET、又はバイポーラ絶縁ゲートトランジスタ即ちIGBT)の動作を制御できる。
【0042】
図2に更に詳しく示されたように、制御回路120は、一般に整流器と呼ばれるAC/DC電力変換器206Cを含んでもよく、この変換器206Cは、制動又は回生制動モード又は構成で、原動機116を結合してそれにより生成された電力を電気エネルギー貯蔵装置118に供給する。AC/DC電力変換器206cは、原動機116によって生成された交流波形を、少なくとも電気エネルギー貯蔵装置118を充電するのに適した直流に整流してもよい。AC/DC電力変換器206cは、様々な形態(例えば、フルブリッジ受動ダイオード整流器、フルブリッジ能動トランジスタ整流器)を取ってもよい。
【0043】
制御回路120は、また、AC/DC電力変換器206cを介して原動機116を電気エネルギー貯蔵装置118に電気的に結合する第2のDC/DC電力変換器206dを含んでもよい。第2のDC/DC電力変換器206dは、原動機116によって生成された電力の電圧を、電気エネルギー貯蔵装置118に適したレベルに下げてもよい。第2のDC/DC電力変換器206dは、様々な形態(例えば、無調整又は調整スイッチモード電力変換器)を取ってもよく、絶縁されてもよくされなくてもよい。例えば、第2のDC/DC電力変換器206dは、調整式バックスイッチモード電力変換器、同期バックスイッチモード電力変換器又はバックブーストスイッチモード電力変換器の形態をとりうる。
【0044】
AC/DC電力変換器206cと第2のDC/DC電力変換器206dは、コントローラ204によって供給される制御信号C3,C4によってそれぞれ制御される。例えば、コントローラ204又は何らかの中間ゲート駆動コントローラは、パルス幅変調ゲート駆動信号を供給してAC/DC及び/又は第2のDC/DC電力変換器206c,206dのスイッチ(例えば、MOSFET、IGBT)の動作を制御してもよい。
【0045】
コントローラ204は、1つ以上の集積回路、集積回路構成要素、アナログ回路又はアナログ回路構成要素を含みうる様々な形態をとってもよい。図示されたように、コントローラ204は、マイクロコントローラ220、読み出し専用メモリ(ROM)222及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)224などの非一時的コンピュータ若しくはプロセッサ読取可能メモリを含み、また必要に応じて1つ以上のゲート駆動回路326を含んでもよい。少なくとも幾つかの実施態様では、1つ以上の回路は、コントローラ204を回路要素130に伝達可能に結合する。そのような伝達可能な結合は、コントローラ204に回路要素130の状態を監視する機能を提供する。幾つかの例では、そのような伝達可能な結合は、コントローラ204に、機械、電気機械、電子、ソリッドステート又は半導体回路要素130の状態を変化させるか又は他の方法で変更する機能を提供する。
【0046】
マイクロコントローラ220は、電力システムの1つ以上の動作態様を変更、調整、又は制御する1つ以上の機械実行命令セット又はロジックを実行し、様々な形態をとってもよい。例えば、マイクロコントローラ220は、マイクロプロセッサ、プログラムドロジックコントローラ(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGS)などのプログラマブルゲートアレイ(PGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他のそのようなマイクロコントローラ装置の形態を取ってもよい。ROM222は、制御ロジックを実施するためプロセッサ実行命令及び/又はデータを記憶できる様々な任意の形態を取ってもよい。RAM224は、プロセッサ実行命令又はデータを一時的に保持できる様々な任意の形態を取ってもよい。マイクロコントローラ220、ROM222、RAM224、及び必要に応じてゲート駆動回路226は、電力バス、命令バス、データバス、アドレスバスなどを含む1つ以上のバス(図示せず)によって結合されてもよい。あるいは、幾つかの例では、1つ以上のアナログ回路が、制御ロジックの少なくとも一部分を実現してもよい。
【0047】
ゲート駆動回路226は、電力変換器206のスイッチ(例えば、MOSFET、IGBT)を駆動信号(例えば、PWMゲート駆動信号)によって駆動するのに適した様々な任意を取ってもよい。コントローラ204の一部として示されたが、1つ以上のゲート駆動回路が、コントローラ204と電力変換器206の中間にあってもよい。
【0048】
コントローラ204は、1つ以上のセンサからプロセス変数信号STB、SVB、SIB、STC、SVC、SIC、STM、SVM、SIM、SRMを受け取ってもよい。コントローラ204は、1組以上の制御ロジックを介して、信号のうちの少なくとも幾つかに含まれるデータを1つ以上の制御変数信号出力CS1-CSNを生成するのに役立つプロセス変数入力として使用してもよい。そのような制御変数信号出力CS1-CSNは、1つ以上の車両システムへのエネルギー消費、エネルギー分配、及び/又はエネルギー割り振りを制御するのに役立つことがある。例えば、コントローラ204は、所定のしきい値を超える搭載電気エネルギー貯蔵装置118の温度を示すプロセス変数信号STBの受け取ると、1つ以上の制御変数信号出力CS1~CSNを生成してもよい。制御変数信号出力は、1つ以上の車両システムに割り当てられるエネルギーを変更、調整、制御、又は制限することによって、電気エネルギー貯蔵装置118に要求されるエネルギーを減少できる。
【0049】
電気エネルギー貯蔵装置118の両端の電圧を検出するために位置決めされた電気エネルギー貯蔵装置電圧センサは、電気エネルギー貯蔵装置118で検出された電圧を示すデータを含むプロセス変数信号SVBを生成し送信できる。
【0050】
電気エネルギー貯蔵装置118sの電流を検出するために位置決めされた電気エネルギー貯蔵装置電圧センサは、電気エネルギー貯蔵装置118で検出された電流を示すデータを含むプロセス変数信号SIBを生成し送信できる。
【0051】
電力変換器206又は電力変換器206近くの周囲環境の1つ以上の温度を検出するために位置決めされた電力変換器温度センサは、1つ以上の電力変換器206におけるそれぞれの検出温度を示すデータを含むプロセス変数信号STCを生成し送信できる。
【0052】
電力変換器206の1つ以上の両端の電圧を検出するために位置決めされた電力変換器電圧センサは、1つ以上の電力変換器206における検出電圧を示すデータを含むプロセス変数信号SVCを生成し送信できる。
【0053】
電力変換器206の1つ以上における電流を検出するために位置決めされた電力変換器電流センサは、1つ以上の電力変換器206における検出電荷を示すデータを含むプロセス変数信号SICを生成し送信できる。
【0054】
原動機116又は原動機116近くの周囲環境の温度を検出するために位置決めされた牽引モータ温度センサは、原動機116における検出温度を示すデータを含むプロセス変数信号STMを生成し送信できる。
【0055】
原動機116の両端の電圧を検出するために位置決めされた牽引モータ電圧センサは、原動機116における検出電圧を示すデータを含むプロセス変数信号SVMを生成し送信できる。
【0056】
原動機116に流れる電流を検出するために位置決めされた牽引モータ電流センサは、原動機116における検出電流を示すデータを含むプロセス変数信号SIMを生成し送信できる。
【0057】
原動機116の回転速度を検出するために位置決めされた回転センサは、原動機116の検出回転速度(例えば、毎分回転数即ち「RPM」)を示すデータを含むプロセス変数信号SRMを生成し送信できる。
【0058】
本明細書で考察するように、コントローラ204は、プロセス変数信号STB、SVB、SIB、STC、SVC、SIC、STM、SVM、SIM、SRMの1つ以上によって提供されるデータを使用して、1つ以上の車両システムの1つ以上の動作態様を制御することができる。詳細には、1つ以上の所定のしきい値を超える電気エネルギー貯蔵装置温度プロセス変数信号の変化が検出又は感知されたことに応じて、コントローラ204は、1つ以上の車両システムの電力消費動作態様を変更、調整、又は制御できる。
【0059】
例えば、電気エネルギー貯蔵装置温度の上昇を示すデータの受け取りに応じて、例えば、コントローラ204は、1つ以上の制御変数出力信号を生成して1つ以上の車両システムの電力消費などの動作態様を減少させうる。幾つかの例では、電力消費動作態様のそのような減少は、特定の車両システムに利用可能なエネルギーの制限の形態でよい。幾つかの例では、そのようなエネルギー制限及び/又は電力割り当ての変化は、階段的変化の形でもよく、階段的変化の形では、車両システムに利用可能なエネルギー及び/又は車両システムの電力消費は、検出された電気エネルギー貯蔵装置温度と1つ以上の所定のしきい値とのずれの大きさに依存する離散的段階で減少する。1つ以上の車両システムに利用可能なエネルギー及び/又は1つ以上の車両システムの電力消費を減らすことによって、電気エネルギー貯蔵装置上の負荷が減少し、したがって、電気エネルギー貯蔵装置の温度が下がる。
【0060】
別の例では、電気エネルギー貯蔵装置温度の低下を示すデータの受け取りに応じて、コントローラ204は、1つ以上の制御変数出力信号を生成して、1つ以上の車両システムへのエネルギー割り当て及び/又は1つ以上の車両システムの電力消費動作態様を高めてもよい。幾つかの例では、エネルギー割り当ての増大及び/又は電力消費動作態様などは、階段状変化の形態でもよく、階段変化の形態では、車両システムに利用可能なエネルギー及び/又は車両システムの電力消費が、検出された電気エネルギー貯蔵装置温度と1つ以上の所定のしきい値とのずれの大きさに依存して離散的段階状に増える。1つ以上の車両システムの電力消費を増やすことによって、電気エネルギー貯蔵装置上の負荷が増大し、電気エネルギー貯蔵装置の温度が上昇する。
【0061】
幾つかの例では、コントローラ204は、外部ソースから受け取った1つ以上の信号に少なくとも部分的に基づいて、車両100に結合された電気エネルギー貯蔵装置118の電力分配プロファイルの1つ以上の態様を変更、調整、又は他の方法で制御できる。例えば、コントローラ204は、コントローラ204に、1つ以上の電気エネルギー貯蔵装置118の電圧送出プロファイル、1つ以上の電気エネルギー貯蔵装置118の電流送出プロファイル又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上を制限させる1つ以上の信号を受け取る。幾つかの例では、そのような信号は、車両の特定ユーザと論理的に関連付けられた車両性能プロファイルの形をとってもよい。他の例では、そのような信号は、供給業者及び/又は販売者が電気エネルギー貯蔵装置118を車両ユーザに賃貸する契約の形を取ってもよい。
【0062】
一例では、二電気エネルギー貯蔵装置118契約を有するユーザは、幾つかの実行案から選択してもよい。そのような実行案は、ユーザが電気エネルギー貯蔵装置118からモータへのエネルギーの流れを調整不可能な「走行可能距離」案を含むことがある。そのような実行案は、ユーザが、バッテリの電気的構成を、走行可能距離を最大にする第1の構成と車両100が達成可能な加速度及び/又は速度を最大にする第2の構成とに変更可能な「走行可能距離/性能」案を含んでもよい。
【0063】
コントローラ204は、別個のトランスミッタ及びレシーバシステム、又は組み合わせトランスミッタ/レシーバ即ちトランシーバ228を含む。少なくとも幾つかの例では、トランシーバ228は、スクータ100から遠い構成要素、システム又は装置との有線及び/又は無線通信を提供しうる。トランシーバ228は、有線又は無線の通信を提供するのに適した種々様々の形態を取りうる。例えば、トランシーバ228は、セルラサービスプロバイダネットワークを介してリモートシステムとの通信を続けるために、携帯電話チップセット(ラジオとも呼ばれる)とアンテナの形態を取ってもよい。トランシーバ228は、セルラ式通信以外の無線通信手法を実施してもよい。通信は、リモートシステム又は装置から情報及び/又は命令を受信すること、並びにリモートシステム又は装置に情報及び/又は命令又はクエリを送信することを含みうる。
【0064】
少なくとも幾つかの例では、トランシーバ228は、ユーザによって所持されるセルラ通信装置(例えば、携帯電話又はスマートフォン)と通信可能に結合できる1つ以上の装置を含んでもよい。そのような装置の例には、Bluetooth(登録商標)装置やニアフィールド通信(NFC)装置などの、任意の現行又は将来開発される無線周波数通信が含まれるがこれらに限定されない。少なくとも幾つかの例では、トランシーバ228は、ユーザが所持するセルラ装置へのBluetooth又はNFC接続によって、1つ以上の外部システム又は装置に通信可能に結合できる。
【0065】
コントローラ204は、コントローラ204がスクータ100の現在位置を決定することを可能にするGPS衛星からの信号を受信する全地球測位システム(GPS)受信器230を含んでもよい。少なくとも幾つかの実施態様では、GPS受信器230は、スクータ100上にユーザディスプレイを備えることなくGPSチップセットを含んでもよい。種々様々の任意の市販GPS受信器を使用してもよい。現在地又は位置は、座標(例えば、3メートル以内の精度の経度と緯度)で指定されてもよい。あるいは、スクータ100の現在地又は位置を決定するために他の技術(例えば、3つ以上のセルラタワー又は基地局に基づく三角測量)を使用してもよい。
【0066】
現在の場所における高度は、GPSの座標に基づいて識別又は決定されてもよい。同様に、現在地と1つ以上の他の場所又は宛先との間の高度変化は、GPS座標を高度と関連付ける地形マッピングや他の構造化フォーマットを使用して決定されてもよい。そのような高度変化は、スクータ100の走行可能距離を適切に推定する際に有利に使用されうる。代替又は追加として、スクータ100は、高度を検出する高度計、又は高度の変化を検出する他のセンサ(例えば、加速度計)を備えてもよい。そのような高度計やセンサは、推定走行可能距離を決定するときに、坂(例えば、坂の上、坂の下)に対するスクータ100の相対位置と関連付けられたポテンシャルエネルギーを考慮することを可能にすることがある。そのような高度計やセンサは、より正確又は推定の走行可能距離を有利に作成し、動作性能の不要な制限を防ぎうる。例えば、スクータ100が長い坂の上又はその近くにあることが分かると、決定される推定走行可能距離が大きくなり、交換又は補給場所が範囲内になり、運転動作を制限する必要がなくなる。あるいは、スクータ100が、長い坂の下又はその近くにあることが分かると、決定される推定走行可能距離が小さくなり、最も近い交換又は補給位置が推定走行可能距離外にあることが示され、運転動作の制限が他の場合よりも早く行われ、スクータ100が交換又は補給場所に到達することが保証される。
【0067】
図3Aは、1つの示された実施形態による、2つの電気エネルギー貯蔵装置容器304a,304b(集合的に「容器304」)を有するスクータなどの電気車両100の概略図を示す。図3Aに示されたように、容器304aに実装された1つの電気エネルギー貯蔵装置118aだけが車両100に電力を供給する。単一の電気エネルギー貯蔵装置118が車両100に結合された場合、車両は、単一の電気エネルギー貯蔵装置118が原動機116にエネルギーを提供する第1の動作モードにある。
【0068】
また、図3Aに示されたように、脆弱シャント型要素302が、回路要素130を提供できる。脆弱分流路型要素302は、脆弱要素302が電流の流れを支援する導電性の第1の状態と、脆弱要素302が電流の流れを支援しない非導電性の第2の状態とを有しうる。
【0069】
少なくとも幾つかの実施態様では、第2の電気エネルギー貯蔵装置容器304bに第2の電気エネルギー貯蔵装置118bを挿入することによって、脆弱要素302を非導電性の第2の状態に変更、破壊又は他の方法で移行できる。少なくとも幾つかの例では、第2の電気エネルギー貯蔵装置188bが車両100に結合されたとき、第2の容器304b又は電気エネルギー貯蔵装置118b上の突起又は物理的特徴形状306が、脆弱要素302を破壊し、それにより脆弱要素302を第2の非導電状態にしうる。脆弱要素302を使用することにより、車両100を第1の動作モードから第2の動作モードに変換するための単純で頑強なシステムが提供され有益である。
【0070】
少なくとも幾つかの例では、脆弱要素302は、1つ以上の車両ユーザ交換可能構成要素を含んでもよい。例えば、脆弱要素302は、ユーザが非導電性の脆弱要素302を導電性の交換用脆弱要素302と交換することを可能にするスペード、突起又はねじ山を有しうる。他の例では、脆弱要素302は、1つ以上のユーザ交換不能構成要素を含んでもよい。例えば、脆弱要素302は、認定保守要員による交換又は再設定を必要とする1つ以上の構成要素、装置又はシステムを含んでもよい。
【0071】
1組以上の端子、接点など308a、308b、310a、310b(集合的に「端子308」と「端子310」)が、第2の電気エネルギー貯蔵装置容器304bに配置されてもよい。第2の電気エネルギー貯蔵装置容器304b内の端子308及び310は、第2の電気エネルギー貯蔵装置118bを、第2の電気エネルギー貯蔵装置118b上の端子122を介して車両100に電気的に結合する。
【0072】
1つ以上の回路328が、コントローラ120を1つ以上の切り換え装置124に伝達可能に結合する。少なくとも幾つかの例では、1つ以上の回路328が、コントローラ120と1つ以上の切り換え装置124との間で情報を伝達する。少なくとも幾つかの例では、そのような情報は、1つ以上の切り換え装置124の位置を示すデータを含んでもよい。少なくとも幾つかの例では、そのような情報は、コントローラ120によって生成された1つ以上の制御変数出力信号を示すデータを含んでもよい。そのような制御変数出力信号を使用して、コントローラ120は、1つ以上の切り換え装置124の状態を変化させる。コントローラ120は、そのような制御変数出力信号を、1つ以上の回路328を介して1つ以上の切り換え装置124に伝達できる。
【0073】
図3Bは、1つの示された実施形態による、2つの電気エネルギー貯蔵装置容器304a,304b(集合的に「容器304」)を有するスクータなどの電気車両100の概略図を示す。図3Bに示されたように、容器304a、304bはそれぞれ、単一の電気エネルギー貯蔵装置118a,118bをそれぞれ収容する。第2の電気エネルギー貯蔵装置118bが第2の電気エネルギー貯蔵装置容器304bに入ると、物理的特徴形状306が、回路要素130を破壊するか他の方法で非導電状態にする。複数の電気エネルギー貯蔵装置118が車両100に結合された場合、車両は、複数の電気エネルギー貯蔵装置118が原動機116にエネルギーを提供する第2の動作モードにある。
【0074】
図3Bに示されたような実施態様では、少なくとも1つの切り換え装置124は、2つの電気エネルギー貯蔵装置118を、選択的に、電気エネルギー貯蔵装置118が原動機116と電気的直列構成になる第1の動作構成にする第1の状態で示される。そのような構成は、より短い期間にわたってかつ原動機116と電気エネルギー貯蔵装置118の並列構成よりも高い電圧で、原動機116にエネルギーを提供できる。
【0075】
少なくとも幾つかの例では、車両運転者は、少なくとも1つの切り換え装置124の状態を第1の状態にするか他の方法で変化させて、電気エネルギー貯蔵装置118を原動機116と電気的直列にすることが可能である。他の例では、コントローラ120は、自律的に、少なくとも1つの切り換え装置124を第1の状態にするか他の方法で配置して、電気エネルギー貯蔵装置118を原動機116と電気的直列にすることができる。少なくとも1つの切り換え装置124を第1の状態にすることにより、原動機116によって生成されたトルク及び/又は出力などの1つ以上の車両性能特性を高めてもよい。
【0076】
図3Cは、1つの示された実施形態による、2つの電気エネルギー貯蔵装置容器304を有するスクータなどの電気車両100の概略図を示す。図3Cに示されたように、容器304a、304bはそれぞれ、単一の電気エネルギー貯蔵装置118a,118bをそれぞれ収容する。第2の電気エネルギー貯蔵装置118bが第2の電気エネルギー貯蔵装置容器304bに入ると、回路要素130が破壊するか他の方法で非導電状態になる。複数の電気エネルギー貯蔵装置118が車両100に結合された場合、車両は、複数の電気エネルギー貯蔵装置118が原動機116にエネルギーを提供する第2の動作モードになる。
【0077】
図3Cに示されたような実施態様では、少なくとも1つの切り換え装置124は、2つの電気エネルギー貯蔵装置118を選択的に、電気エネルギー貯蔵装置118が原動機116と電気的並列構成になる第2の動作構成にする第2の状態で示される。そのような構成は、より低い電圧で、かつ原動機116と電気エネルギー貯蔵装置118の直列構成よりも長い持続時間にわたって、原動機116にエネルギーを提供できる。
【0078】
少なくとも幾つかの例では、車両運転者は、少なくとも1つの切り換え装置124の状態を第2の状態にするか他の方法で変化させて、電気エネルギー貯蔵装置118を原動機116と電気的並列にすることが可能である。他の例では、コントローラ120は、少なくとも1つの切り換え装置124を自律的に第2の状態にするか他の方法で位置決めして、電気エネルギー貯蔵装置118を原動機116と電気的並列にすることが可能である。そのような自律的調整は、1つ以上の電気エネルギー貯蔵装置118の残存電荷の低下の検出に応じて車両100の走行可能距離を増大させるために、コントローラ120によって行われてもよい。
【0079】
図4は、1つの示された実施形態による、2つの電気エネルギー貯蔵装置容器304a,304b(集合的に「容器304」)を有するスクータなどの電気車両100の概略図を示す。図4に示されたように、容器304a,304bはそれぞれ、単一の電気エネルギー貯蔵装置118a,118bをそれぞれ収容する。また図4に示されたように、図3A図3Cに描かれた脆弱シャント型回路要素130の代わりに、機械、電気機械、電子又は半導体スイッチ(「切り換え装置402)が、回路要素130を提供できる。
【0080】
切り換え装置402の使用は、回路要素130の物理的交換や復元を必要とせずに、車両100を第2の動作モード(即ち、二電気エネルギー貯蔵装置モード)から第1の動作モード(即ち、一電気エネルギー貯蔵装置モード)に再設定する機能を提供し有益である。幾つかの例では、車両運転者は、例えばコントローラ120に所定のコード又はパスワードを提供することによって、車両100の動作モードを再設定できる。幾つかの例では、1つ以上のリモート装置(例えば、車両100、電気エネルギー貯蔵装置118又は類似の車両構成要素に伝達可能に結合された1つ以上のバックエンドシステム)は、回路要素130の状態を変化させることによって車両の動作モードを再設定できる。1つの例では、バックエンドシステムは、コントローラ120に回路要素を第2の状態から第1の状態に移行させる1つ以上のコマンド又は実行命令セットを、コントローラ120に無線で通信できる(例えば、車両100に伝達可能に結合されたスマートフォンを介して、又はGSM又はCDMAによって車両100内のトランシーバ228に直接)。別の例では、車両100に伝達可能に結合された持続性記憶媒体は、バックエンドシステムによって提供された、コントローラ120に回路要素を第2の状態から第1の状態に移行させる1つ以上のコマンド又は実行命令セットを記憶できる。
【0081】
少なくとも幾つかの例では、切り換え装置402は、1つ以上の機械スイッチを含みうる。例えば、切り換え装置402は、第1の電気的連続状態と第2の電気的不連続状態を有する単極単投(「SPST」)セレクタ又はトグルスイッチを有しうる。幾つかの例では、機械スイッチは、第1の状態から第2の状態への意図しない移行を防ぐ一体型ロック又は他の機能を有しうる。他の例では、機械スイッチは、スイッチを第1と第2の状態で位置決め可能な1つ以上のアクチュエータを含みうる。そのような例では、コントローラ120は、1つ以上の回路326によってアクチュエータに伝達される電気信号を使用して、機械スイッチの位置を自動的に制御できる。
【0082】
他の例では、切り換え装置402は、1つ以上の電気機械スイッチを含みうる。例えば、切り換え装置402は、第1の電気的連続状態と第2の電気的不連続状態を有する1つ以上のソレノイド式リレーを含みうる。少なくとも幾つかの例では、電気機械式スイッチの状態は、ソレノイドに流れる電流の有無に基づいて変化できる。幾つかの例では、車両運転者は、パイロットソレノイドに供給された電流を手動で制御できる。他の例では、コントローラ120は、1つ以上の回路326によってパイロットソレノイドに供給された電流を自動的に制御できる。
【0083】
更に他の例では、切り換え装置402は、1つ以上の半導体スイッチを含みうる。例えば、切り換え装置402は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(「IGBT」)などの1つ以上のトランジスタを含みうる。少なくとも幾つかの例では、コントローラ120は、1つ以上の回路326によって半導体スイッチの状態を自動的に制御できる。
【0084】
本明細書で述べた様々な方法は、追加の行為を含んでもよく、何らかの行為を省略してもよく、かつ/又は行為を様々な流れ図に示した順序と異なる順序で実行してもよい。
【0085】
以上の詳細な説明は、ブロック図、概略図及び例を使用して装置及び/又は方法の様々な実施形態を示す。そのようなブロック図、概略図及び例が、1つ以上の機能及び/又は操作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート又は例に含まれる各機能及び/又は操作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの実質的に任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実施されうることを当業者は理解されよう。一実施形態では、この内容は、1つ以上のマイクロコントローラによって実現されてもよい。しかしながら、当業者は、本明細書に開示された実施形態は、全体的又は部分的に、1つ以上のコンピュータによって実行される1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上のコンピュータシステム上で動作する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のコントローラ(例えば、マイクロコントローラ)によって実行される1つ以上のプログラムとして、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)によって実行される1つ以上のプログラムとして、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして、標準集積回路(例えば、特定用途向け集積回路又はASIC)で等価に実施されうること、また、ソフトウェア及び/又はファームウェアのための回路の設計及び/又はコードの記述が、この開示の教示を考慮する当業者の能力の範囲内にあることを理解するであろう。
【0086】
ロジックが、ソフトウェアとして実現されメモリに記憶されるとき、ロジック又は情報は、任意のプロセッサ関連システム又は方法によって或いはそれらのシステム又は方法と関連して使用される任意の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されうる。この開示の分脈では、メモリとは、コンピュータ及び/又はプロセッサプログラムを非一時的に収容又は記憶する電子、磁気、光学又は他の物理装置若しくは手段である非一時的コンピュータ又はプロセッサ可読記憶媒体である。ロジック及び/又は情報は、命令実行システム、機器又は装置から命令をフェッチし、ロジック及び/又は情報と関連付けられた命令を実行可能なコンピュータシステム、プロセッサ内蔵システム又は他のシステムなどの命令実行システム、機器又は装置によって使用されるかそれらと接続する任意のコンピュータ可読媒体に実装されてもよい。
【0087】
この明細書の分脈では、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、機器及び/又は装置によって使用されるかそれらと接続する、ロジック及び/又は情報と関連付けられたプログラムを記憶できる任意の物理要素であってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線又は半導体システム、機器又は装置でよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)には、ポータブルコンピュータディスケット(磁気、コンパクトフラッシュカード、(登録商標)セキュアデジタルなど)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM、EEPROM又はフラッシュメモリ)、携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、及びデジタルテープがある。
【0088】
前述の様々な実施形態を組み合わせて、更に他の実施形態を提供できる。本明細書の特定の教示及び定義と矛盾しない限り、以下のものを含むがこれらに限定されない、本明細書で参照されかつ/又はアプリケーションデータシートに列挙された全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許公開は、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR COLLECTION, CHARGING AND DISTRIBUTING POWER STORAGE DEVICES, SUCH AS BATTERIES」と題し2011年7月26日に出願された米国仮特許出願第61/511、900号(代理人整理番号170178.401P1)、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR COLLECTION, CHARGING AND DISTRIBUTING POWER STORAGE DEVICES, SUCH AS BATTERIES」と題し2012年5月16日に出願された米国仮特許出願第61/647,936号(代理人整理番号170178.401P2)、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR REDISTRIBUTING POWER STORAGE DEVICES, SUCH AS BATTERIES, BETWEEN COLLECTION, CHARGING AND DISTRIBUTION MACHINES」と題し2011年9月14日に出願された米国仮特許出願第61/534,753号(代理人整理番号170178.402P1)、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR AUTHENTICATION, SECURITY AND CONTROL OF POWER STORAGE DEVICES SUCH AS BATTERIES」と題し2011年9月14日に出願された米国仮特許出願第61/534,761号(代理人整理番号170178.403P1)、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR AUTHENTICATION, SECURITY AND CONTROL OF POWER STORAGE DEVICES, SUCH AS BATTERIES, BASED ON USER PROFILES」と題し2011年9月14日に出願された米国仮特許出願第61/534,772号(代理人整理番号170178.404P1)、「THERMAL MANAGEMENT OF COMPONENTS IN ELECTRIC MOTOR DRIVE VEHICLES」と題し2011年7月26日に出願された米国仮特許出願第61/511,887号(代理人整理番号170178.406P1)、「THERMAL MANAGEMENT OF COMPONENTS IN ELECTRIC MOTOR DRIVE VEHICLES」と題し2012年5月16日に出願された米国仮特許出願第61/647,941号(代理人整理番号170178.406P2)、「DYNAMICALLY LIMITING VEHICLE OPERATION FOR BEST EFFORT ECONOMY」と題し2011年7月26日に出願された米国仮特許出願第61/511,880号(代理人整理番号170178.407P1)、「APPARATUS, METHOD, AND ARTICLE FOR PHYSICAL SECURITY OF POWER STORAGE DEVICES IN VEHICLES」と題し2011年11月08日に出願された米国仮特許出願第61/557,170号(代理人整理番号170178.408P1)、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR A POWER STORAGE DEVICE COMPARTMENT」と題し2011年12月29日に出願された米国仮特許出願第61/581,566号(代理人整理番号170178.412P1)、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR PROVIDING VEHICLE DIAGNOSTIC DATA」と題し2012年2月21日に出願された米国仮特許出願第61/601,404号(代理人整理番号170178.417P1)、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR PROVIDING LOCATIONS OF POWER STORAGE DEVICE
COLLECTION, CHARGING AND DISTRIBUTION MACHINES」と題し2012年2月22日に出願された米国仮特許出願第61/601,949号(代理人整理番号170178.418P1)、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR PROVIDING INFORMATION REGARDING AVAILABILITY OF POWER STORAGE DEVICES AT A POWER STORAGE DEVICE COLLECTION, CHARGING AND DISTRIBUTION MACHINE」と題し2012年2月22日に出願された米国仮特許出願第61/601、953号(代理人整理番号170178.419P1)、2012年7月26日に出願され、発明者としてホックサム・ホレース・ルーク、マシューホワイトニング・テーラー及びフアンチェン・フンが指名され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR COLLECTION, CHARGING AND DISTRIBUTING POWER STORAGE DEVICES, SUCH AS BATTERIES」と題した米国出願第13/559,314号(代理人整理番号170178.401)、2012年7月26日に出願され、発明者としてホックサム・ホレース・ルークとマシュー・ホワイトニング・テーラーが指名され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR AUTHENTICATION, SECURITY AND CONTROL OF POWER STORAGE DEVICES SUCH AS BATTERIES」と題した米国出願第13/559,038号(代理人整理番号170178.403)、2012年7月26日に出願され、発明者としてマシュー・ホワイトニング・テーラー、イツン・ウィ、ホックサム・ホレース・クーク及びフアンチェン・フンが指名され、「APPARATUS, METHOD, AND ARTICLE FOR PHYSICAL SECURITY OF POWER STORAGE DEVICES IN VEHICLES」と題した米国出願第13/559,054号(代理人整理番号170178.408)、2012年7月26日に出願され、発明者としてチン・チェン、ホックサム・ホレース・ルーク、マシュー・ホワイトニング・テーラー、イツン・ウィが指定され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR PROVIDING VEHICLE DIAGNOSTIC DATA」と題した米国特許出願第13/559,390号(代理人整理番号170178.417)、2012年7月26日に出願され、発明者としてイツン・ウィ、マシュー・ホワイトニング・テーラー、ホックサム・ホレース・ルーク及びジュンシ・チェンが指定され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR PROVIDING INFORMATION REGARDING AVAILABILITY OF POWER STORAGE DEVICES AT A POWER STORAGE DEVICE COLLECTION, CHARGING AND DISTRIBUTION MACHINE」と題した米国出願第13/559,343号(代理人整理番号170178.419)、2012年7月26日に出願され、発明者としてホックサム・ホーレス・ルーク、イツン・ウィ、ジュンシウ・チェン、ユーリン・ウィ、チェン・ミン・フアン、ツン・チン・チャン、センチ・チェン及びフェン・カイ・ヤンが指名され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR RESERVING POWER STORAGE DEVICES AT RESERVING POWER STORAGE DEVICE COLLECTION, CHARGING AND DISTRIBUTION MACHINES」と題した米国出願第13/559,064号(代理人整理番号170178.423)、2013年3月12日に出願され、発明者としてホックサム・ホレース・リュークが指名され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR CHANGING PORTABLE ELECTRICAL POWER STORAGE DEVICE EXCHANGE PLANS」と題して米国仮出願第61/778,038号(代理人整理番号170178.424P1)、2013年3月13日に出願され、発明者としてホックサム・ホレース・リュークが指名され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR PROVIDING INFORMATION REGARDING A VEHICLE VIA A MOBILE DEVICE」と題して米国仮出願第61/780,781号(代理人整理番号170178.425P1)、2013年3月6日に出願され、発明者としてホックサム・ホーレス・ルーク、フェン・カイ・ヤン及びジュンシウ・チェンが指名され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR PROVIDING TARGETED ADVERTISING IN A RECHARGEABLE ELECTRICAL POWER STORAGE DEVICE DISTRIBUTION ENVIRONMENT」と題した米国仮出願第61/773,614号(代理人整理番号170178.426P1)、2013年3月15日に出願され、発明者としてホックサム・ホーレス・ルーク、マシュー・ホワイトニング・テーラー及びフアンチェン・フンが指定され、「MODULAR SYSTEM FOR COLLECTION AND DISTRIBUTION OF ELECTRIC STORAGE DEVICES」と題した米国仮出願第61/789,065号(代理人整理番号170178.427P1)、2013年3月6日に出願され、発明者としてホックサム・ホーレス・ルークとチン・チェンが指名され、「APPARATUS, METHOD AND ARTICLE FOR AUTHENTICATION, SECURITY AND CONTROL OF PORTABLE CHARGING DEVICES AND POWER STORAGE DEVICES, SUCH AS BATTERIES」と題した米国仮出願第61/773,621号(代理人整理番号170178.428P1)、2013年6月14日に出願され、発明者としてチン・チェン、マシュー・ホワイトニング・テーラー、ジュイ・シェン・フアン及びホックサム・ホーレス・ルークが指名され、「APPARATUS, SYSTEM, AND METHOD FOR AUTHENTICATION OF VEHICULAR COMPONENTS」と題する米国出願第13/918,703号(代理人整理番号170178.429)、2013年8月6日に出願され、発明者としてチン・チェン、アレックス・ウィ、ホックサム・ホーレス・ルーク及びマシュー・ホワイトニング・テーラーが指名され、「ADJUSTING ELECTRIC VEHICLE SYSTEMS BASED ON AN ELECTRICAL ENERGY STORAGE DEVICE THERMAL PROFILE」と題する米国仮出願番号61/862,854号(代理人整理番号170178.433P1)が、参照により全体が本明細書に組み込まれる。実施形態の態様は、必要に応じて、様々な特許、出願及び公開のシステム、回路及び概念を使用して更に他の実施形態を提供するように修正されうる。
【0089】
全電気スクータ及び/又はモータバイクなどの個人用輸送車両と共に使用するための電力システムの環境及び文脈で一般的に考察したが、本明細書の教示は、他の車両並びに非車両環境を含む種々様々な他の環境にも適用されうる。
【0090】
要約に記載された説明を含む図示された実施形態の以上の説明は、網羅的なものではなく、実施形態を開示された厳密な形態に制限するものでもない。本明細書では説明のために特定の実施形態及び例について述べたが、開示の趣旨及び範囲から逸脱せずに様々な等価な修正を行えることを当業者は理解されよう。
【0091】
これら及び他の変更は、以上の詳細な説明を考慮して実施形態に行なわれうる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書と特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきでなく、そのような特許請求の範囲に与えられる等価物の範囲と共に全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0092】
100 電気車両
102 フレーム
104 車輪
106 ハンドルバー
108 スロットル
108 全電気スクータ及びモータバイク
110 ブレーキレバー
112 方向指示器
116 牽引モータ
118 電気エネルギー貯蔵装置
120 制御回路
122 端子
204 コントローラ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4