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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】選定システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20231218BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019127658
(22)【出願日】2019-07-09
(65)【公開番号】P2021012636
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏
(72)【発明者】
【氏名】渥美 智美
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 淑子
(72)【発明者】
【氏名】森下 和彦
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-334118(JP,A)
【文献】特開2005-293218(JP,A)
【文献】特開2017-068834(JP,A)
【文献】特開2013-210873(JP,A)
【文献】特開2004-164419(JP,A)
【文献】特開2006-209362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第一構成要素と第二構成要素で構成される製品を端末で選定するために用いられる選定システムであって、端末と通信可能な第一サーバは、製品を構成する第一構成要素に関する情報を記憶する第一データベースと、第一演算部と、を備え、第一演算部は、端末及び第二通信手段と通信する第一通信手段と、端末から入力される第一入力情報を受け付ける第一入力情報受付手段と、第一データベースに記憶された第一構成要素に関する情報と第一入力情報を照合し、第一構成要素を選定する第一照合手段と、を備え、第一サーバと通信可能な第二サーバは、第一構成要素とは異なる第二構成要素に関する情報を記憶する第二データベースと、第二演算部と、を備え、第二演算部は、少なくとも第一通信手段と通信する第二通信手段と、端末から入力される第二入力情報を受け付ける第二入力情報受付手段と、第二データベースに記憶された第二構成要素に関する情報と第二入力情報を照合し、第二構成要素を選定する第二照合手段と、を備え、第一通信手段と第二通信手段の少なくとも一方が、もう一方に対して、第一構成要素に関する情報若しくは第二構成要素に関する情報のいずれかを送信し、第一構成要素と第二構成要素のうちの一方の構成要素が選定された後に、もう一方の構成要素を選定する際、選定された一方の構成要素の情報に基づいてもう一方の構成要素の選定範囲を制限することを特徴とする選定システム。
【請求項2】
第一構成要素は、製品を構成する筐体であり、第二構成要素は、筐体内部に収納される機器若しくは筐体外周面に固定される機器であることを特徴とする請求項1に記載の選定システム。
【請求項3】
第一構成要素は、取付部材に取付けられる被取付部材であり、第二構成要素は、被取付部材に取付けるための取付部材であることを特徴とする請求項1に記載の選定システム。
【請求項4】
端末で電気電子機器用キャビネットを選定するために用いられる選定システムであって、端末と通信可能な筐体サーバは、製品を構成する筐体に関する情報を記憶する筐体データベースと、第一演算部とを備え、第一演算部は、端末及び第二通信手段と通信する第一通信手段と、端末から入力される第一入力情報を受け付ける第一入力情報受付手段と、筐体データベースに記憶された筐体に関する情報と第一入力情報とを照合して、筐体を選定する第一照合手段と、を備え、筐体サーバと通信可能な電気電子機器サーバは、製品を構成する電気電子機器に関する情報を記憶する電気電子機器データベースと、第二演算部と、を備え、第二演算部は、少なくとも第一通信手段と通信する第二通信手段と、端末から入力される第二入力情報を受け付ける第二入力情報受付手段と、電気電子機器データベースに記憶された電気電子機器に関する情報と第二入力情報を照合し、電気電子機器を選定する第二照合手段とを備え、第一通信手段と第二通信手段との間で筐体に関する情報若しくは電気電子機器に関する情報の送受信を行うことを特徴とする選定システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の選定システムを利用して製品を選定する方法。
【請求項6】
端末とサーバを利用した製品の選定に用いられる方法であって、
端末から入力された第一入力情報をもとに、第一サーバの第一演算部第一構成要素を選定するステップと、
端末から入力された第二入力情報をもとに、第二サーバの第二演算部で第二構成要素を選定するステップと、
選定された第二構成要素に関する情報を、第一サーバが受け付けるステップと、選定された第一構成要素と第二構成要素を、製品の選定品として第一サーバで確定するステップとを備え
かつ、第一構成要素若しくは、第二構成要素を選定するステップで、選定された一方の構成要素の情報に基づいてもう一方の構成要素の選定範囲を制限する、製品の選定に用いられる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末とサーバを利用した製品の選定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、電気電子機器収納用キャビネットなど、箱体とそれに収納される電気電子機器に関するデータをデータベースに記憶させ、1つのシステム上で箱体および電気電子機器の選択が行われ、電気電子機器収納用キャビネットが選定されるシステムは知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-326219号公報
【0004】
ところで、利用者が、筐体についてはA社製、電気電子機器についてはB社製としたいなど、構成するパーツ毎に異なるメーカの製品で構成させたいという要望があった場合、データベースに記憶されている範囲を超えてしまうと要望に応えることができない。また、多くのメーカのパーツを利用できるシステムを一つのサーバで構築することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、電気電子機器用キャビネットや、キャビネット、作業用ボックスなど、複数の構成要素を組み合わせて構成される製品を選定する際に発生し得る負担を、複数のサーバで分担できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、少なくとも第一構成要素と第二構成要素で構成される製品を端末で選定するために用いられる選定システムであって、端末と通信可能な第一サーバは、製品を構成する第一構成要素に関する情報を記憶する第一データベースと、第一演算部と、を備え、第一演算部は、端末及び第二通信手段と通信する第一通信手段と、端末から入力される第一入力情報を受け付ける第一入力情報受付手段と、第一データベースに記憶された第一構成要素に関する情報と第一入力情報を照合し、第一構成要素を選定する第一照合手段と、を備え、第一サーバと通信可能な第二サーバは、第一構成要素とは異なる第二構成要素に関する情報を記憶する第二データベースと、第二演算部と、を備え、第二演算部は、少なくとも第一通信手段と通信する第二通信手段と、端末から入力される第二入力情報を受け付ける第二入力情報受付手段と、第二データベースに記憶された第二構成要素に関する情報と第二入力情報を照合し、第二構成要素を選定する第二照合手段と、を備え、第一通信手段と第二通信手段の少なくとも一方が、もう一方に対して、第一構成要素に関する情報若しくは第二構成要素に関する情報のいずれかを送信することを特徴とする選定システムとする。
【0007】
また、第一構成要素は、製品を構成する筐体であり、第二構成要素は、筐体内部に収納される機器若しくは筐体外周面に固定される機器である構成とすることが好ましい。
【0008】
また、第一構成要素は、取付部材に取付けられる被取付部材であり、第二構成要素は、被取付部材に取付けるための取付部材である構成とすることが好ましい。
【0009】
また、端末で電気電子機器用キャビネットを選定するために用いられる選定システムであって、端末と通信可能な筐体サーバは、製品を構成する筐体に関する情報を記憶する筐体データベースと、第一演算部とを備え、第一演算部は、端末及び第二通信手段と通信する第一通信手段と、端末から入力される第一入力情報を受け付ける第一入力情報受付手段と、筐体データベースに記憶された情報と入力された筐体に関する情報とを照合して、筐体を選定する第一照合手段と、を備え、筐体サーバと通信可能な電気電子機器サーバは、製品を構成する電気電子機器に関する情報を記憶する電気電子機器データベースと、第二演算部と、を備え、第二演算部は、少なくとも第一通信手段と通信する第二通信手段と、端末から入力される第二入力情報を受け付ける第二入力情報受付手段と、電気電子機器データベースに記憶された情報と入力された電気電子機器に関する情報を照合し、電気電子機器を選定する第二照合手段とを備え、第一通信手段と第二通信手段との間で筐体に関する情報若しくは電気電子機器に関する情報の送受信を行う構成とすることが好ましい。
【0010】
また、前記選定システムを利用して製品を選定する方法とすることが好ましい。
【0011】
また、端末とサーバを利用した製品の選定に用いられる方法であって、端末から入力された第一入力情報をもとに、第一サーバの第一演算部が第一構成要素を選定するステップと、端末から入力された第二入力情報をもとに、第二サーバの第二演算部で選定された第二構成要素に関する情報を、第一サーバが受け付けるステップと、選定された第一構成要素と第二構成要素を、製品の選定品として第一サーバで確定するステップとを備えた製品の選定に用いられる方法とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、電気電子機器用キャビネットや、キャビネット、作業用ボックスなど、複数の構成要素を組み合わせて構成される製品を選定する際に発生し得る負担を、複数のサーバで分担できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】端末が第一サーバと第二サーバの各々と直接通信をする例を示す図である。
図2】端末が直接通信を行うのは第一サーバのみとし、第二サーバとは第一サーバを介して通信をする例を示す図である。
図3】3つ以上のサーバで通信をする場合の例を示す図である。
図4】第一サーバで第一構成要素を入力した後、第二サーバ側で第二構成要素を入力し、その後に第一サーバで発注受付作業を行った例を示すフロー図である。
図5】第二サーバで第二構成要素を入力した後、第一サーバ側で第一構成要素を入力し、その後に第一サーバで発注受付作業を行った例を示すフロー図である。
図6】第一サーバで第一構成要素を入力した後、第二サーバ側で第二構成要素を入力し、更に、第三サーバ側で第二構成要素を入力し、その後に第一サーバで発注受付作業を行った例を示すフロー図である。
図7】第一サーバで定められる製品選定画面の例である。ただし、製品の種類としてキャビネット関連を選択し、タイプやサイズ、カラーを入力することで選定結果が表示されている。
図8】第二構成要素として熱対策機器を選択した場合における、第一サーバ側で選定した第二構成要素の選定サイトの一覧画面の例である。
図9図8に示すURLの一つにアクセスすることで到達する、第二サーバにおけるパーツの選定画面の例である。
図10】第一サーバで定められる製品選定画面の例である。ただし、第二サーバで選択した第二構成要素が反映されている。
図11】第一サーバで定められる製品選定画面の例である。ただし、製品の種類としてシステムラック関連を選択している。
図12】システムラックのタイプを選択可能な画面例である。
図13図12に示す画像例において、筐体のタイプを選択した後、サイズや塗装色を選択することにより、選定結果が表示された例を表している。
図14】第二構成要素としてシステムラックのオプションパーツを選択した場合における、第一サーバ側で選定した第二構成要素の選定サイトの一覧画面の例である。
図15図14に示すURLの一つにアクセスすることで到達する、第二サーバにおけるパーツの選定画面の例である。
図16】第一サーバで定められる製品選定画面の例である。ただし、第二サーバで選択した第二構成要素が反映されている。
図17】第一サーバで定められる製品選定画面の例である。ただし、製品の種別として電気機器用キャビネット関連を選択しており、第一構成要素のタイプとして機器取付用部材を選択している。
図18】第一サーバで定められる製品選定画面の例である。ただし、先に選定した第二構成要素により第一構成要素の寸法が制限されていることを表している。
図19】第二構成要素として作業用ボックスオプションパーツを選択した場合における、第一サーバ側で選定した第二構成要素取り扱い先の一覧画面の例である。
図20図19に示すURLの一つにアクセスすることで到達する、第二サーバで定められる製品選定画面の例である。ただし、第二構成要素の配置位置を選定できるようにしている。
図21】第一サーバで定められる製品選定画面の例である。ただし、第二サーバで選択した第二構成要素が反映されており、完成品のイメージ図が表されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図6に示されていることから理解されるように、本実施形態の選定システムは、少なくとも第一構成要素と第二構成要素で構成される製品を端末2で選定するために用いられるものである。この選定システムは、端末2と通信可能な第一サーバ5が、製品を構成する第一構成要素に関する情報を記憶する第一データベース51と、第一演算部52と、を備えている。また、第一演算部52は、端末2及び第二通信手段と通信する第一通信手段と、端末2から入力される第一入力情報を受け付ける第一入力情報受付手段と、第一データベース51に記憶された第一構成要素に関する情報と第一入力情報を照合し、第一構成要素を選定する第一照合手段と、を備えている。第一サーバ5と通信可能な第二サーバ6は、第一構成要素とは異なる第二構成要素に関する情報を記憶する第二データベース61と、第二演算部62と、を備えている。第二演算部62は、少なくとも第一通信手段と通信する第二通信手段と、端末2から入力される第二入力情報を受け付ける第二入力情報受付手段と、第二データベース61に記憶された第二構成要素に関する情報と第二入力情報を照合し、第二構成要素を選定する第二照合手段と、を備えている。
また、第一通信手段と第二通信手段の少なくとも一方が、もう一方に対して、第一構成要素に関する情報若しくは第二構成要素に関する情報のいずれかを送信する。このため、電気機器用キャビネットや、キャビネット、作業用ボックスなど、複数の構成要素を組み合わせて構成される製品を選定する際に発生し得る負担を、複数のサーバで分担できる。
【0015】
なお、製品は、複数の構成要素、つまりパーツで構成したものなら如何なるものであってもよい。ここで、第一構成要素は、製品の主となるパーツであり、第二構成要素は、第一構成要素とともに製品を構成するパーツや第一構成要素に機能を付加するパーツなどであることが好ましい。例えば、製品を分電盤や配電盤、制御盤などの電気電子機器用キャビネットとした場合には、その主となるパーツである筐体が第一構成要素となり、筐体に収納される配電機器やセンサ部材などの電気電子機器が第二構成要素となる。また、鎖錠機能を備えたキャビネットを製品とする場合には、その主となるパーツである筐体が第一構成要素となり、筐体に鎖錠機能を付加する鎖錠装置が第二構成要素となる。
【0016】
ここで、筐体には、板状に形成された金属からなる板金部材を折り曲げ若しくは溶接等することで、上下、左右、背面の5面を覆う側板を形成し、正面に扉を設けた箱型筐体と、複数本のフレーム(例えば上下フレーム4本、左右フレーム4本、前後フレーム4本の計12本のフレーム)で形成されたフレーム式筐体などがある。フレーム式筐体は、上下、左右、背面の5面をパネル部材で覆い、正面に扉を設けることで、箱形状となる。また、筐体は正面を除く5面を樹脂材料を射出して成型し、正面に樹脂材料からなる扉を設けた樹脂製の箱型筐体であってもよい。
【0017】
筐体を主とする製品としては、筐体内部に電気電子機器を収納することで形成した電気電子機器収納用キャビネット(電気機器収納箱)や筐体外周面に電気電子機器を設置・固定することを目的とした電気電子機器設置用キャビネットなどを含む電気電子機器用キャビネットと、電気電子機器以外の構成部材を収納することや設置・固定することを目的とした構成部材用キャビネットに大きく分けられる。ただし、それらに限定されない。
【0018】
電気電子機器とは、ブレーカや開閉器、遮断器、トランス、電源装置、コンセントタップなどの配電機器や、電流センサや温度センサ、感震センサなどのセンサ部材、電流測定器や温度測定器、振動測定器などの測定装置、ファンや熱交換器などの熱対策機器、通信機器、サーバ、蓄電池、車両充電装置、電子錠など、であるが、これらに限定されない。
【0019】
また構成部材とは、電気電子機器に含まれない部材のことであり、例えば、筐体の正面に設ける扉や、フレーム式筐体の周面を覆うパネル部材、扉やパネル部材に設けられる鎖錠装置やヒンジ、パッキンなどや、パネル部材に設けられるルーバーなどの熱対策部材、筐体内での配線用の配線用部材、筐体内に電気電子機器などを取付けるための取付部材、筐体を設置するための設置用部材などであるが、これらに限定されない。なお、筐体も電気電子機器に含まれない部材であるため、構成部材に含まれるものとしてもよい。つまり、製品を構成する第一構成要素や第二構成要素などの構成要素、つまりパーツは、電気電子機器若しくは構成部材などを示している。
【0020】
第一構成要素が筐体、第二構成要素が筐体の内部に収納若しくは外周面に固定される電気電子機器であり、第一構成要素と第二構成要素とで、分電盤や配電盤、制御盤、高圧受電設備、システムラックなどの電気電子機器用キャビネットを構成する場合には、次に記すような構成となる。
【0021】
端末2で電気電子機器用キャビネットを選定するために用いられる選定システムであって、端末2と通信可能な筐体サーバは、製品を構成する筐体に関する情報を記憶する筐体データベースと、第一演算部52とを備える。また、第一演算部52は、端末2及び第二通信手段と通信する第一通信手段と、端末2から入力される第一入力情報を受け付ける第一入力情報受付手段と、受け付けた入力された第一入力情報と筐体データベースに記憶された筐体に関する情報とを照合して、筐体を選定する第一照合手段と、を備える。また、筐体サーバと通信可能な電気電子機器サーバは、製品を構成する電気電子機器に関する情報を記憶する電気電子機器データベースと、第二演算部62と、を備える。この第二演算部62は、少なくとも第一通信手段と通信する第二通信手段と、端末2から入力される第二入力情報を受け付ける第二入力情報受付手段と、受け付けた第二入力情報と電気電子機器データベースに記憶された電気電子機器に関する情報とを照合し、電気電子機器を選定する第二照合手段とを備える。更には、第一通信手段と第二通信手段との間で筐体に関する情報若しくは電気電子機器に関する情報の送受信を行う。
【0022】
また、第二構成要素を取付部材とし、第一構成要素を、それが取付けられる被取付部材としても良い。例えば、第一構成要素がフレーム式筐体の場合には、フレーム式筐体に取付けられる側板や天板などのパネル部材若しくは扉などが第二構成要素である。また、第一構成要素が箱型筐体の場合には、筐体の側板や扉などに取付けられる熱対策機器や、筐体を設置するための設置用部材などが第二構成要素であってもよい。
【0023】
なお、第一構成要素は筐体に限られず、筐体の正面に設ける扉や、フレーム式筐体の周面を覆うパネル部材を第一構成要素としてもよい。この場合に、扉やパネル部材に設置・固定される電気電子機器や構成部材などが第二構成要素となり、それらによって、鎖錠機能を備えた扉や熱対策機能を備えたパネル部材などの製品が形成される。
【0024】
また、電気電子機器を第二構成要素とし、電気電子機器を取付けるための鉄製基板・木製基板・取付レールなどの電気電子機器取付部材を第一構成要素とすることで、筐体に収納することで電気電子機器収納キャビネットを構成する電気電子機器ユニットを形成するようにしても良い。
【0025】
ここで、実施形態の選定システムに用いられるサーバなどについて説明する。なお、選定システムには第一サーバ5と第二サーバ6が用いられるが、それらの構成は概ね同様であるため、第二サーバ6についての詳細についての説明は省略する。
【0026】
先ず、端末2と通信可能な第一サーバ5は、第一演算部52と第一データベース51を備えている。第一演算部52は、次に列記するような手段などを備えている。端末2の通信部および第二サーバ6の第二通信手段と通信する「第一通信手段」。端末2の入力部からの第一入力情報の入力を受け付ける「第一入力情報受付手段」。入力を受け付けた第一入力情報を第一データベース51で照合し、第一構成要素を選定する「第一照合手段」。第一サーバ5と第二サーバ6との間でアクセスするサーバを変更する「第一アクセス先変更手段」。端末2の入力部からの入力情報を一時的に記憶する「第一記憶手段」。端末2の入力部から入力された第一入力情報若しくは第一構成要素に関する情報と、第二サーバ6の第二入力情報受付手段で受け付けられ第二通信手段を介して通信された第二入力情報若しくは第二抽出手段で選定され第二通信手段を介して通信された第二構成要素に関する情報との適合性を判定する「入力情報判定手段」。第一照合手段で選定された第一構成要素に関する情報と、第二照合手段で選定され第二サーバ6の第二通信手段を介して送信された第二構成要素に関する情報とを取りまとめる「集計手段」。第一サーバ5はこれらを少なくとも備えるようにすることが好ましい。各手段などの役割については、以降に記載する。なお、第二サーバ6の第二演算部62についても、同様の手段を備えてもよいが、一部の手段を備えていなくてもよい。また、一部の手段を共通のものとし、第一サーバ5の第一演算部52に備えさせてもよい。
【0027】
第一サーバ5に備えられた第一データベース51は、第一構成要素に関する情報が記憶されている。第一構成要素に関する情報とは、パーツの型式番号やサイズ・重量・価格・パーツの性能・パーツの取付条件・画像・図面など、パーツを選定するために必要となる情報である。
【0028】
ここで、パーツの機能や性能とは、第一構成要素を筐体とした場合には、防音性能や防水性能など筐体が有する性能のことであり、第一構成要素をブレーカとした場合には、ブレーカの電流容量や定格電流値などのブレーカの有する性能のことである。さらに、第一構成要素が電気電子機器取付部材の場合には、取付けることのできる電気電子機器の回路数や許容される電流容量などである。
【0029】
また、パーツ取付条件とは、筐体や側板、扉、パネル体などに対して、パーツを取付けるための条件に関する情報であり、取付可能な筐体の型式番号や、取付孔の形状などの情報である。
【0030】
第二サーバ6に備えられた第二データベース61についても、第二構成要素に関する情報が記憶されているが、第二構成要素に関する情報は、第一構成要素に関する情報と同様のものである。
【0031】
機器の選定時には、利用者は端末2を使用するが、この端末2は、少なくとも入力部と出力部を備えるものであり、具体的にはPC・スマホ・タブレット端末などの電気機器である。入力部の典型例は、マウス・キーボードなどであり、出力部の典型例は、ディスプレイやプリンタなどであるが、入力部と出力部の両方を兼ねたタッチパネル対応のディスプレイなどを用いた端末2であってもよい。
【0032】
入力部からの入力は、利用者がマウス操作やキーボード入力など、直接入力操作を実行するものだけに限られない。例えば、電子データの端末2への取り込みや、文字認識や画像認識、音声認識などでのデータの読み取りも入力部からの入力である。
【0033】
利用時には、第一サーバ5に対しては、少なくとも第一構成要素を選定するために必要な第一入力情報を入力部により入力し、第二サーバ6に対しては、少なくとも第二構成要素を選定するために必要な第二入力情報を入力部により入力する。なお、出力部に表示された入力欄に各入力情報(第一構成要素に関する型式番号・サイズ・性能・パーツの種類など)を入力するようにしてもよいし、出力部に表示された各入力情報(型式番号・図面・画像・パーツの種類など)の中から、第一構成要素を選択するようにしてもよい。それら両方を組み合わせて入力してもよい。
【0034】
端末2と、各サーバの関係性は、一様ではないため、その用い方も一様ではない。例えば、図1に示すように、第一サーバ5と第二サーバ6のそれぞれが端末2と通信する場合、選定システムを利用するときに、第一サーバ5で構成されたシステムと第二サーバ6で構成されたシステムのそれぞれに対してログインするためのID情報が必要となるようにしても良い。この場合、双方にログインした状態に限り、第二サーバ6から第一サーバ5へ構成要素に関する情報が送信され、情報が共有されるようにするのが好ましい。
【0035】
図1に示す例の第一サーバ5は、第一演算部52と、製品を構成する第一構成要素に関する情報を記憶する第一データベース51と、を備えている。また、第一演算部52は、端末2及び第二通信手段と通信する第一通信手段と、端末2から入力される第一入力情報を受け付ける第一入力情報受付手段を備えている。
【0036】
図1に示す例の第二サーバ6は、第二演算部62と、製品を構成する第一構成要素とは異なる第二構成要素に関する情報を記憶する第二データベース61を備えている。また、第二演算部62は、端末2及び第一通信手段と通信する第二通信手段と、端末2から入力される第二入力情報を受け付ける第二入力情報受付手段を備えている。なお、第二通信手段は、第一通信手段に対して、第二照合手段で照合され、選定された第二構成要素に関する情報を通信するが、第二入力情報を通信するようにしてもよい。第二通信手段が第一通信手段に通信する第二入力情報は、第二入力手段で入力された情報を通信してもよいし、一部の情報を通信してもよい。
【0037】
また、図2に示す例では、端末2が第一サーバ5と通信するが、第二サーバ6とは直接的に通信しないものであり、第一サーバ5が第二サーバ6と通信することにより、間接的に端末2と第二サーバ6の間で情報がやり取りされる。
【0038】
より具体的には、図2に示す選定システムでは、第一サーバ5は、第一演算部52と、製品を構成する第一構成要素に関する情報を記憶する第一データベース51とを備え、この第一演算部52は、端末2と第二通信手段と通信する第一通信手段と、端末2から入力される第一入力情報を受け付ける第一入力情報受付手段を備えている。また、第二サーバ6は、第二演算部62と、製品を構成する第一構成要素とは異なる第二構成要素に関する情報を記憶する第二データベース61とを備え、第二演算部62は、第一演算部52と通信する第二通信手段と、端末2から入力され、第一通信手段を介して通信された第二入力情報を受け付ける第二入力情報受付手段を備えている。そして、第一通信手段が、第二通信手段に対して、第二入力情報を通信した後、第二照合手段で照合され、選定された第二構成要素に関する情報が、第二通信手段から第一通信手段へ通信されるようにしている。
【0039】
このような場合、例えば、第一サーバ5と第二サーバ6にログインするためのID情報を共通にして、第一サーバ5にログインするのみで第二サーバ6の選定システムを利用することができるようにしても良い。
【0040】
また、図3に示すことから理解されるように、3つ以上のサーバを利用した選定システムとしても良い。この場合には、メインとなる第一サーバ5がハブとなり、それ以外のサーバが第一サーバ5と通信するようにしてもよいし、メインの第一サーバ5と通信する第二サーバ6がハブとなり、それ以外のサーバの情報を集計して、第一サーバ5へ送信するようにしてもよい。
【0041】
ここで、図1図2に示す構成の選定システムの利用例を図4に沿って説明する。まず、第一サーバ5の選定システムにログインする。第一サーバ5の入力画面上で、第一入力情報を入力し、第一構成要素を選定する。その後、第二構成要素を選定するために、第二サーバ6へアクセス先を変更する。
【0042】
第二サーバ6へアクセス先が変更された際に、第一サーバ5の第一通信手段から、第一構成要素に関する情報、例えば、第一構成要素の型式番号やサイズ、取付条件などの情報が第二サーバ6の第二通信手段に送信されてもよい。第二サーバ6は、送信された第一構成要素に関する情報に基づいて、選定することのできる第二構成要素を制限してもよい。例えば、第一構成要素の取付条件に合致しない第二構成要素は選定不可とするなどの方法がある。
【0043】
このとき、第一サーバ5は待機中となる。第二サーバ6の入力画面上で、第二入力情報を入力し、第二構成要素を選定する。選定された第二構成要素に関連する情報が第二サーバ6から第一サーバ5へ送信される。第一サーバ5は、送信された情報に基づき更新する。
【0044】
第二サーバ6の第二通信手段から、第一サーバ5の第一通信手段へ送信される第二構成要素に関連する情報とは、第二構成要素の型式番号や価格、サイズ、取付条件などの情報であるが、これらに限られない。
【0045】
次に、第二サーバ6から第一サーバ5へアクセス先を変更する。このとき第二サーバ6は待機中である。なお、選定された第二構成要素に関連する情報の第二サーバ6から第一サーバ5への送信については、第二サーバ6から第一サーバ5への切り替えの時に送信されるものであってもよい。その場合には、第一サーバ5における送信された情報に基づいて行われる更新も、サーバの切り替えが終了した段階で行われていればよい。
【0046】
第一サーバ5へアクセス先を変更した後、選定された第一構成要素に関する情報と第二構成要素に関する情報との集計結果が表示される。表示された内容に対して、問題がある場合には、各構成要素に関する情報を修正する。なお、第一構成要素情報の修正は、第一サーバ5上で修正できるようにすればよいが、第二構成要素情報の修正については、第二サーバ6へアクセス先を変更した後に第二サーバ6上で修正してもよいし、第二サーバ6へアクセス先を変更せず、第一サーバ5上で修正するようにしてもよい。後者の場合には、第二構成要素に関する情報の修正情報については、即時に第二サーバ6へ送信してもよいし、後述する発注情報の送信のときに送信してもよい。
【0047】
表示された内容に対して、問題がない場合には、製品の選定を終了し、発注を行う。製品の選定のみならず、決済方法や配送方法についても確定した後に、発注の受付を行ってもよい。また、発注の受付の後、決済方法と配送方法の入力を行ってもよい。
【0048】
第一サーバ5は、発注を受け付けると第二サーバ6へ発注情報を送信する。送信される発注情報には、選定された第一構成要素および第二構成要素の型式番号、個数、価格などの情報や、決済方法・配送方法に関する情報などが含まれる。その後、第一サーバ5は、発注処理を開始する。また、第二サーバ6は、送信された発注情報により発注を受け付け、発注処理を開始する。なお、第一サーバ5の発注処理と第二サーバ6の発注処理を同時に実施してもよいし、それぞれ別で実施してもよい。以上のようなフローでサーバへのアクセス先を変更しながら製品を選定することができる。
【0049】
本選定システムは、上記したフローに限られず異なる流れで進めても構わない。例えば、図5に示すことから理解されるように、先ず、第二サーバ6にアクセスし、第二構成要素の選定を最初に行ってもよい。このようにすれば、例えば、パーツの選定の次に筐体の選定を行うことができる。なお、発注受付以降のフローについては、上記フローと同様に進めればよい。
【0050】
ところで、図3に示すことから理解されるように、選定システムに用いられるサーバを二つとすることに限ることは無く、例えば、選定システムが3つのサーバを備える場合、図6に示すような流れで、進めても良い。すなわち、第一サーバ5で第一構成要素を選定し、第二サーバ6で第二構成要素を選定し、第三サーバで第二構成要素を選定するという順で構成要素の選定を行い、各第二構成要素に関する情報を、第一サーバ5が得られるような流れとしても良い。この場合、第一サーバ5で受け付けた発注情報については、第二サーバ6、第三サーバへ送信するのが好ましい。
【0051】
上記したことから理解されるように、本発明では、端末2とサーバを利用した製品の選定に用いられる方法であって、端末2から入力された第一入力情報をもとに、第一サーバ5の第一演算部52が第一構成要素を選定するステップと、端末2から入力された第二入力情報をもとに、第二サーバ6の第二演算部62で選定された第二構成要素に関する情報を、第一サーバ5が受け付けるステップと、選定された第一構成要素と第二構成要素を、製品の選定品として第一サーバ5で確定するステップとを備えた製品の選定に用いられる方法を採用することができる。このため、電気機器収納用箱や、キャビネット、作業用ボックスなど、複数のパーツを組み合わせて構成される製品のパーツを選定する際に発生し得る負担を、複数のサーバで分担できる。なお、この方法は、複数のパーツ選定システム(サーバ)へのアクセス先を変更して利用し、製品の選定を完成させるものである。具体的には、製品のパーツのまとまり毎にそれぞれシステム(サーバ)があり、システム(サーバ)を変更しつつ、各システム(サーバ)で選定した情報を共有することで製品を選定する選定システムを用いている。
【0052】
ここで、端末2の出力部に出力される内容について説明する。例えば、第一入力情報受付手段として、図7に示すような入力画面が端末2の出力部に表示される。出力部に表示される内容としては、「第一構成要素」の入力欄、入力した情報により選定された構成要素等の選定内容一覧を少なくとも備えるようにするのが好ましい。この入力欄については、第一構成要素の種類ごとに表示を分けてもよいし、一体として選択するものとしてもよい。なお、出力部に他のサーバへのアクセス先変更手段が表示されるようにしても良い。
【0053】
図7に示す例では、「キャビネット関連」、「電気機器用キャビネット関連」、「システムラック関連」、「その他」という風に、大まかな製品の種類を選択できるようにしている。図7に示す例では、製品の種類として「キャビネット関連」を選択している状態である。「キャビネット関連」には、主に、箱型筐体に電気電子機器以外の構成部材を収納・設置することを目的とした構成部材用キャビネットなどが含まれるが、電気電子機器が側板、扉等に設置される電気電子機器設置用キャビネットが含まれるものであってもよい。なお、「その他」で扱う製品は、キャビネット関連、電気機器収納箱関連、システムラック関連に該当しないものなら如何なるものを扱えるようにしても良い。例えば、ボックス内で人が作業・仕事・学習することを目的とした「作業用ボックス」などを製品として選定する際に使用できるようにしても良い。
【0054】
第一構成要素を選定するための第一入力情報の入力では、第一構成要素のタイプの選択若しくは入力を行う。選択可能とする場合には、第一構成要素の図面や画像を表示して、その中から選択できるようにしてもよい。図7に示す例では、第一構成要素の入力項目として、タイプの選択を行うことができるようにしている。タイプとは、第一構成要素の機能、種別、性能などを示すものであり、キャビネットの場合には、「標準タイプ」、「防塵防水タイプ」、「自立タイプ」、「熱対策タイプ」、「樹脂タイプ」などがある。
【0055】
電気機器用キャビネットの場合には、「電灯盤」、「動力盤」、「開閉器盤」、「太陽光接続箱」、「独立電源盤」、「高圧受電盤」、「住宅用分電盤」、「制御盤」、「機器取付用部材」などをタイプとして扱うことができ、システムラックの場合には、「スタンダードタイプ」、「連結タイプ」、「耐震タイプ」、「サーバ収納タイプ」、「防塵タイプ」、「小型タイプ」などをタイプとして扱うことができる。
【0056】
利用者は第一構成要素のタイプ若しくは図面などから第一構成要素の種類を選択した後、サイズ(ヨコ、タテ、フカサ)やカラーなど、第一構成要素を選定するための情報を入力することで、第一構成要素を選定する。なお、選定後に決定ボタン等を押すことで、選定内容一覧に第一構成要素の情報が表示されるようにすることが好ましい。選定内容一覧には、選定したものの型式番号、数量、重量、価格など、選定するに際し必要な情報が表示されればよい。
【0057】
この例では、第二構成要素の入力を可能とするために、他のサーバへアクセス先を変更し、他のサーバ上で第二構成要素を選定する。他のサーバへの変更方法として、入力画面上で、他のサーバへ切り替えるためのURLが掲載されたページが表示されるようにするのが好ましい。
【0058】
実施形態では、一覧表示ボタンを押すと、第二構成要素の選定サイトの一覧が表示される。一覧上で、取扱製品を選択したり入力したりすることで、情報の並び替えが行われ、選択された取扱製品との関連性が高い順に他社サイト(他のサーバ)の一覧が表示される例えば、図8に示す例では、取扱製品として熱対策製品を選択すると、「社名」「取扱製品」「URL」が一覧表示される。利用者は、それらの中から1つを選択することで、選択した他社サイトへ移動、つまりは、他のサーバへの切り替えが行われる。なお、図7に示す例のように、第一サーバ5上で第二構成要素のタイプを選択する手段を設け、タイプを選択することで、表示される他社サイトの一覧の並び替えが行われるようにしてもよい。
【0059】
第一サーバ5とは異なるサーバにおける第二入力情報受付手段として、図9のような入力画面が表示される。出力部に表示される項目種としては、第一構成要素の場合と同様であってもよいし、異なるものであってもよい。最低限、第二構成要素を選定するために必要な入力欄さえ備えていればよい。
【0060】
図9に示す例では、ルーバーのタイプを選択した後、表示される図面の中から希望のルーバーを選択するような構成である。利用者は希望のルーバーを選択した後、ルーバーのサイズとカラーを選択したり入力したりすることで、第二構成要素としてルーバーを選定する。選定された第二構成要素に関する情報は、選定内容一覧に表示される。
【0061】
第二サーバ6での選定が完了し、第一サーバ5へアクセス先の変更を行う場合、第二サーバ6で選定された第二構成要素に関する情報は、第一サーバ5へ送信され、共有される。第一サーバ5の表示画面上には、図10に示すように、第一サーバ5で選定した第一構成要素の情報と、第二サーバ6で選定した第二構成要素の情報が、選定内容一覧に表示され、選定内容を確認することができるようにすることが好ましい。
【0062】
選定内容に問題がある場合には、選定内容一覧上で修正や削除を行えるようにしてもよい。第二構成要素の修正や削除については、再度第二サーバ6へ切り替えて実行してもよいし、第一サーバ5上で実行した後、その情報を第二サーバ6へ送信するようにしてもよい。修正や削除が実行された場合には、それに伴って、選定内容一覧の表示が変更される。
【0063】
選定内容に問題がない場合には、選定を終了し、発注フローへ移行する。第一サーバ5上で選定が終了した情報若しくは発注フローへ移行する情報は、第二サーバ6に送信され、共有される。
【0064】
発注フローとは、選定された製品を発注するためのフローであり、決済方法や、製品の組立、配送に関する条件を決定していくためのフローである。特に、製品の組立や配送に関する条件については、決定させることが好ましい。
【0065】
例えば、製品を製造するA社に全ての構成要素を集め、A社で組み立てた後、利用者へ配送するのか、全ての構成要素を利用者へ配送した後、利用者が組み立てを行うのか、など、組立及び配送に関する条件は様々である。
【0066】
なお、第一サーバ5上で、選定された製品全ての発注を完了させる場合には、発注が完了した後、第二サーバ6へ決定した発注に関する情報を送信する。その後、組立条件や配送条件に従って、製品が配送される。また、第一構成要素の発注は第一サーバ5上で行い、第二構成要素の発注は第二サーバ6上で行うようにしてもよい。
【0067】
次に、「システムラック関連」を製品の種類として、選定する場合を例に挙げて使用例などを説明する。「システムラック関連」には、主に、フレーム式筐体からなる電気電子機器用キャビネットや構成部材用キャビネットなどが含まれる。図11に示す例では、第一構成要素が筐体である。この筐体のタイプを選択することができる。例えば、図12に示すことから理解されるように、表示された図面から第一構成要素の種類を選択できるようにすることが好ましい。その後、図13に示すように、サイズ(高さ、横幅、奥行き)や塗装色などを入力することで第一構成要素が選定される。選定された内容は、選定内容一覧に表示されるようにするのが好ましい。
【0068】
次に、図14に示すように、第二構成要素の選定サイトの一覧を表示させ、表示された中から選択された他社サイト(サーバ)へアクセス先を変更する。図15に示す例では、第二入力情報受付手段を利用して表示される画面には、第二構成要素として、システムラックに取付けられる配線・固定用パーツの情報が表示されている。利用者は、その中から希望するパーツを選定する。選択されたパーツの情報は第一サーバ5へ共有され、図16に示すように、第一サーバ5上の選定内容一覧に表示される。
【0069】
これまでの例では、第一構成要素としてキャビネットやシステムラックの筐体を対象にしていたが、第一構成要素は筐体に限られず、筐体を構成する側板・扉や、筐体内に収納される機器取付用部材(鉄製基板、木製基板、電気電子機器取付ユニットなど)であってもよい。
【0070】
図17に示した例では、製品の種別として「電気電子機器用キャビネット関連」を選択している状態である。「電気電子機器用キャビネット関連」には、主に、箱型筐体に電気電子機器を収納・設置することを目的とした電気電子機器用キャビネットなどが含まれるが、構成部材を収納・設置するものが含まれてもよい。この例では、機器取付用部材を第一構成要素のタイプとして選択している。第一構成要素を機器取付用部材とした場合、第二構成要素は、それに取付けられる機器などである。例えば、機器取付用部材が基板の場合には、基板に直接固定されるブレーカ、センサ、電流計測器、電力測定器などの電気電子機器が第二構成要素に該当する。ただし、基板に取付けられる機器は、電気電子機器に限定する必要はない。
【0071】
第一構成要素が電気電子機器取付ユニットの場合には、第二構成要素は電気電子機器が該当する。なお、電気電子機器取付ユニットとは、電気電子機器と、電気電子機器に給電する母線バーと、母線バーを支持するバー支持部材、電気電子機器を載置する載置部と載置部を支持する支持部で構成されるユニットである。この支持部は分電盤等の電気電子機器用キャビネット内に直接取付けられるものであてもよいし、基板を介して取付けられるものであってもよい。つまり、第一構成要素を基板とした場合には、電気電子機器取付ユニットも第二構成要素に含まれる。
【0072】
第一構成要素として機器取付用部材を選定した後、第二構成要素である機器を選定する流れについては、前述したものと同様であるため、説明を省略する。
【0073】
ところで、図5に示すフローなどからも理解されるように、製品を選定する際、第二構成要素を先に選定しても構わない。これは、図2に示すような構成であっても同様である。第一サーバ5から第二サーバ6へアクセス先を変更し、第二構成要素を選定する流れについては前述と同様なものとすればよい。
【0074】
第二構成要素の選定が完了した状態で、第一構成要素を選定するが、その場合、選定完了した第二構成要素の情報に基づいて第一構成要素の選定範囲を制限するものとしてもよい。例えば、第二構成要素として選定したパーツのサイズによって、第一構成要素で選択することのできる筐体のサイズを制限したり、第二構成要素で選定した電気電子機器の回路数や電流容量などの情報によって、第一構成要素の選択範囲を制限したりするものであってもよい。
【0075】
次に、「その他」を製品の種類として選択し、作業用ボックスを選定する場合の例を説明する。作業用ボックスは、人が内部で作業や仕事、学習することを目的としたものである。作業用ボックスを製品とした場合、外郭を構成する筐体や、フレーム式筐体の場合に各面に取付けられるパネルなどが第一構成要素となり、筐体内部に設置若しくはパネルに固定される机、椅子等の家具やコンセントタップ、照明器具、通信機器、熱対策機器、防災・防犯機器などが第二構成要素となる。
【0076】
また、フレーム式筐体で構成される作業用ボックスの場合には、筐体の外側に取付けられる外側パネルと、筐体の内側に取付けられる内側パネルと、扉で筐体の外周面が覆われるものとすることが好ましく、外側パネルや内側パネルを第一構成要素とし、それらのパネルに貼付される壁紙を第二構成要素としてもよい。
【0077】
まず、図18に示すように、タイプやサイズ、塗装色などの情報を入力することにより、作業用ボックスの筐体を選定する。選定された筐体の情報は、選定内容一覧に表示されるが、その際に製品イメージも同様に表示されることが好ましい。
【0078】
第一構成要素を選定後、第二構成要素を選定するために、図19に示すような画面から第二サーバ6へアクセス先の変更を行い、第二サーバ6上で表示された第二構成要素の中から第二構成要素を選択する(図20参照)。このとき、筐体に対する配置位置の情報についても選択できるようにすることが好ましい。また、選択された第一構成要素に関する情報から、第一構成要素に取付けることのできないパーツについては、選択できないようにすることが好ましい。
【0079】
第二サーバ6で第二構成要素を選択した情報が第一サーバ5へ送信され、第一サーバ5の選定内容に一覧が表示される(図21参照)。このとき、選定された第一構成要素と第二構成要素で構成される作業用ボックスのイメージを端末2に表示するようにすれば、利用者は、より明確に完成品をイメージすることができるようになる。
【0080】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、単一のサーバ内で複数の第二構成要素を選定できるようにしてもよい。複数選定された場合には、選定内容一覧に選定した全てが表示されるようにすることが好ましい。
ことも可能である。
【0081】
第二サーバ上における第二構成要素入力欄上で、タイプを選択した後、他社サイト一覧を表示すると、選択したタイプと関連性が高い他社サイトが優先的に表示されるようにしても良い。
【符号の説明】
【0082】
2 端末
5 第一サーバ
6 第二サーバ
51 第一データベース
52 第一演算部
61 第二データベース
62 第二演算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21