(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
G01G19/387 C
(21)【出願番号】P 2022514917
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(86)【国際出願番号】 JP2020016557
(87)【国際公開番号】W WO2021210092
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】川島 隆明
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-85856(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174113(JP,U)
【文献】米国特許第4714151(US,A)
【文献】中国特許出願公開第108674925(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列配置されて、手動で供給される被計量物を搬送する複数の計量コンベヤと、
前記複数の計量コンベヤから排出される被計量物を、前記複数の計量コンベヤの並列方向に沿って搬送する集合コンベヤと、
前記計量コンベヤの搬送方向始端側の外方に設けられて、前記並列方向に延びる保護カバーとを備え、
前記保護カバーは、前記計量コンベヤの搬送方向始端側に対向した閉じ姿勢と、外方に回動した開放姿勢とに亘って回動自在に支持されている、
組合せ秤。
【請求項2】
前記集合コンベヤを挟むように該集合コンベヤの両側に、前記複数の計量コンベヤからなる計量コンベヤ群がそれぞれ設けられると共に、各計量コンベヤ群にそれぞれ対応して前記保護カバーがそれぞれ設けられる、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記保護カバーは、トルクヒンジを介して回動自在に支持されている、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記保護カバーは、トルクヒンジを介して回動自在に支持されている、
請求項2に記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記保護カバーの下方に、該保護カバーを回動自在に支持する制御ボックスを配置している、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項6】
前記保護カバーの下方に、該保護カバーを回動自在に支持する制御ボックスを配置している、
請求項2に記載の組合せ秤。
【請求項7】
前記保護カバーの下方に、該保護カバーを回動自在に支持する制御ボックスを配置している、
請求項3に記載の組合せ秤。
【請求項8】
前記保護カバーの下方に、該保護カバーを回動自在に支持する制御ボックスを配置している、
請求項4に記載の組合せ秤。
【請求項9】
前記制御ボックスの上面は、外方へ向けて先下がり傾斜した傾斜面となっている、
請求項
5ないし8のいずれか一項に記載の組合せ秤。
【請求項10】
前記制御ボックス上部の外方側端縁と前記開放姿勢の前記保護カバーとの間には、間隙が形成される、
請求項
5ないし8のいずれか一項に記載の組合せ秤。
【請求項11】
前記保護カバーには、各計量コンベヤにそれぞれ対応する表示灯が設けられている、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物を所定重量範囲の重量となるように組合せ計量して排出する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤は、計量部への被計量物の供給方法及び排出方法の違いにより、自動式、半自動式、手動式に大別することができる。手動式の組合せ秤では、被計量物の供給と排出とが人手によって行われる。また、半自動式の組合せ秤では、被計量物の供給は人手によって行われ、被計量物の排出は自動で行われる。また、自動式の組合せ秤では、被計量物の供給と排出が自動で行われる。
【0003】
組合せ秤への被計量物の供給を自動で行うことができない被計量物あるいは自動で行うことに適さない被計量物に対して、手動式あるいは半自動式の組合せ秤が用いられる。
【0004】
従来の半自動式の組合せ秤としては、例えば、特許文献1に示されているように、横一列に並列配置された複数の計量コンベヤに手作業で被計量物を供給する。複数の計量コンベヤに供給された被計量物の重量に基づく組合せ演算を行って、所定重量範囲内となる計量コンベヤの排出組合せを選択する。選択した排出組合せの計量コンベヤを駆動して、計量コンベヤの被計量物を、複数の計量コンベヤの並列方向に沿って搬送する集合コンベヤに排出する。この集合コンベヤによって所定重量範囲内の被計量物を搬送して、包装機等の後段装置へ排出するように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような半自動式の組合せ秤においては、並列配置された複数の計量コンベヤの前に立つ作業者が、不用意に計量コンベヤに接近し過ぎて、身体の一部が計量コンベヤの搬送方向の始端部付近に接触することがないように、保護カバーが設けられている。この保護カバーは、並列配置された複数の計量コンベヤの搬送方向の始端側に配置されて、組合せ秤本体にネジ止め連結されている。
【0007】
計量コンベヤや保護カバーには、例えば、食品等の被計量物の欠片や滓などが付着残留しやすいので、保護カバーを開放して簡単に洗浄できることが望まれる。
【0008】
また、複数の計量コンベヤから排出された被計量物を搬送する集合コンベヤの下方には、電源ユニットや制御基板等を内装した制御ボックスが配備されている。このため、例えば、計量コンベヤから集合コンベヤへ被計量物を移載する際に落下した被計量物の欠片や滓などが、制御ボックスの上面に溜まり易い。
【0009】
食品を計量処理する組合せ秤では、洗浄作業が行われるので、制御ボックスの上面に溜まった被計量物の欠片や滓などを洗浄除去することができるが、洗浄水が残留し易く、衛生上好ましくない。
【0010】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、洗浄等のメンテナンスを容易に行うことができる組合せ秤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0012】
(1)本発明に係る組合せ秤は、並列配置されて、手動で供給される被計量物を搬送する複数の計量コンベヤと、前記複数の計量コンベヤから排出される被計量物を、前記複数の計量コンベヤの並列方向に沿って搬送する集合コンベヤと、前記計量コンベヤの搬送方向始端側の外方に設けられて、前記並列方向に延びる保護カバーとを備え、前記保護カバーは、前記計量コンベヤの搬送方向始端側に対向した閉じ姿勢と、外方に回動した開放姿勢とに亘って回動自在に支持されている。
【0013】
本発明の組合せ秤によると、並列配置された複数の計量コンベヤに対応する保護カバーは、並列方向に長くて、重量が比較的大きいものとなるが、取り外すような手間がなく、回動操作だけで簡単かつ軽快に開閉して、洗浄などのメンテナンスを行うことができる。
【0014】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記集合コンベヤを挟むように該集合コンベヤの両側に、前記複数の計量コンベヤからなる計量コンベヤ群がそれぞれ設けられると共に、各計量コンベヤ群にそれぞれ対応して前記保護カバーがそれぞれ設けられる。
【0015】
この実施態様によると、集合コンベヤの両側に計量コンベヤ群を配置することによって、集合コンベヤの長さを短くでき、被計量物の排出時間の短縮化及び組合せ秤のコンパクト化を図ることができる。更に、各計量コンベヤ群及び対応する保護カバーの長さも短くできるので、一層取扱い易い保護カバーとなる。
【0016】
(3)本発明の他の実施態様では、前記保護カバーは、トルクヒンジを介して回動自在に支持されている。
【0017】
この実施態様によると、特別なロック手段を操作しなくても、保護カバーを、トルクヒンジの回動抵抗によって、閉じ姿勢と開放姿勢に保持することができ、取扱いが容易となる。
【0018】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記保護カバーの下方に、該保護カバーを回動自在に支持する制御ボックスを配置している。
【0019】
この実施態様によると、制御ボックスを、従来のように集合コンベヤの下方に配置するのではなく、計量コンベヤの搬送方向始端側の外方に設けられる保護カバーの下方に配置しているので、前記集合コンベヤの下方の空間は、制御ボックスの無い開放空間とすることができる。
【0020】
これによって、例えば、計量コンベヤへの被計量物の供給や計量コンベヤ
から集合コンベヤへの被計量物の移載の際などに、計量コンベヤや集合コンベヤから落下した被計量物の欠片や滓などは、床面まで落下することになる。これによって、従来のように、被計量物の欠片や滓などが制御ボックスの上面に溜まったり、洗浄水が残留するといったことがなく、衛生的である。
【0021】
(5)本発明の他の実施態様では、前記制御ボックスの上面は、外方へ向けて先下がり傾斜した傾斜面となっている。
【0022】
この実施態様によると、洗浄の際には、制御ボックスの上面の傾斜面に沿って洗浄水が流下排出されるので、洗浄水が制御ボックスの上面に残留することがなく、衛生的である。
【0023】
(6)本発明の更に他の実施態様では、前記制御ボックス上部の外方側端縁と前記開放姿勢の前記保護カバーとの間には、間隙が形成される。
【0024】
この実施態様によると、保護カバーを開放姿勢にして洗浄する際には、洗浄水が、被計量物の欠片や滓などと共に、開放姿勢の保護カバーと制御ボックス上部との間隙を通って円滑に流下排出されるので、洗浄作業を効率的に行うことができる。
【0025】
(7)本発明の他の実施態様では、前記保護カバーには、各計量コンベヤにそれぞれ対応する表示灯が設けられている。
【0026】
この実施態様によると、複数の計量コンベヤに対応する複数の表示灯を一括して保護カバーに装備するので、各計量コンベヤの脇に表示灯をそれぞれ配備する場合に比べて配線やその防水処理が容易となる。
【発明の効果】
【0027】
このように、本発明に係る組合せ秤よれば、並列配置された複数の計量コンベヤに対応する保護カバーは、取り外すような手間がなく、回動操作だけで簡単かつ軽快に開閉して、洗浄などのメンテナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態の組合せ秤の斜視図である。
【
図4】
図4は保護カバーを開放した組合せ秤の斜視図である。
【
図5】
図5は保護カバーを開放した組合せ秤の平面図である。
【
図6】
図6は保護カバーを開放した組合せ秤の正面図である。
【
図7】
図7は計量コンベヤを取り外した組合せ秤の斜視図である。
【
図11】
図11は計量コンベヤにおけるコンベヤフレームの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤1の斜視図であり、
図2はその平面図であり、
図3はその正面図である。
【0031】
この実施形態の組合せ秤1は、作業者が被計量物を手作業で供給し、所定重量範囲内となる被計量物の排出を自動で行う半自動式の組合せ秤である。この組合せ秤1は、被計量物を搬送方向Aへ搬送するベルトコンベヤからなる集合コンベヤ2と、この集合コンベヤ2を挟むようにその両側に並列配置されたベルトコンベヤからなる複数の計量コンベヤ3と、組合せ秤1の運転制御用パラメータの設定や作動状況の表示などを行うタッチパネル式の操作設定表示器4と、これらを支持する架台5を備えている。
【0032】
集合コンベヤ2は、計量コンベヤ3から排出された所定重量範囲内の被計量物を搬送して、例えば、後段の包装機(図示せず)へ排出する。排出された被計量物は、包装機でパック詰めされる。
【0033】
計量部である計量コンベヤ3は、集合コンベヤ2の両側に、該集合コンベヤ2の搬送方向に沿って複数、この例では7台ずつ2列に直線状に並列配置されている。すなわち、集合コンベヤ2の両側に、複数の計量コンベヤ3からなる計量コンベヤ群がそれぞれ配置されている。各計量コンベヤ3は、集合コンベヤ2の搬送方向Aに直交する搬送方向Bへ被計量物を搬送する。
【0034】
各計量コンベヤ3は、架台5の上部に並列設置された荷重計測部6に着脱自在に支持されている。被計量物が載置された計量コンベヤの重量が、荷重計測部6に組み込まれたロードセルなどの重量センサで検知され、図示しない制御部へ出力される。各計量コンベヤ3は、荷重計測部6に組み込まれた駆動モータによって駆動される。
【0035】
作業者は、停止している空の計量コンベヤ3上に、被計量物を手動で供給載置する。図示しない制御部は、計量コンベヤ3の重量を検知する重量センサの検知出力に基づいて、被計量物の重量値を取得し、組合せ演算を行う。この組合せ演算では、各計量コンベヤ3上の被計量物の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲内となる計量コンベヤ3の組合せである排出組合せを選択する。所定重量範囲内になる排出組合せが複数存在する場合には、その複数の排出組合せの内、組合せ重量と目標組合せ重量との差の絶対値が最小である排出組合せを選択する。そして、排出組合せに選択された計量コンベヤ3上の被計量物は、計量コンベヤ3によって搬送されて集合コンベヤ2上へ排出される。集合コンベヤ2上に排出された被計量物は、集合コンベヤ2よって包装機へ搬送されて排出される。
【0036】
以下の説明において、構造の理解を容易にするために、計量コンベヤ3の並列方向(集合コンベヤ2の長手方向)を左右方向、計量コンベヤ3の長手方向を前後方向と呼称する。
【0037】
集合コンベヤ2の両側の各計量コンベヤ群の外側下方、すなわち、各計量コンベヤ3の搬送方向始端側の外方下方には、電源ユニットや制御基板などを収容した制御ボックス7が設けられている。各制御ボックス7は、架台5にそれぞれ支持されている。このように制御ボックス7を、集合コンベヤ2の両側の各計量コンベヤ群の外側下方に設けているので、集合コンベヤ2の下方には、制御ボックスは配置されておらず、開放空間となっている。
【0038】
したがって、例えば、計量コンベヤ3や集合コンベヤ2から落下した被計量物の欠片や滓などは、床面まで落下することになる。これによって、被計量物の欠片や滓などが、従来のように制御ボックスの上面に溜まったり、洗浄水が残留するといったことがなく、衛生的である。
【0039】
また、計量コンベヤ3を支持する荷重計測部6及び集合コンベヤ2の下方が、開放空間となっているので、集合コンベヤ2の洗浄やメンテナンスを、広い作業空間を利用して容易に行うことができる。
【0040】
制御ボックス7の上部には、制御ボックス7を覆う左右に長い保護カバー8が配備されている。この保護カバー8が、手動で被計量物を計量コンベヤ3へ供給する作業者と計量コンベヤ3との間に介在しているので、作業者が計量コンベヤ3の搬送始端部や、その駆動部に不用意に接近して接触するのを阻止することができる。これによって、計量コンベヤ3による計量に誤りが生じるのを防止できると共に、安全性が向上する。
【0041】
図4は、保護カバー8を開放した組合せ秤1の斜視図であり、
図5は、保護カバー8を開放した組合せ秤1の平面図であり、
図6は、保護カバー8を開放した組合せ秤1の正面図である。
【0042】
保護カバー8は、
図5に示すように、制御ボックス7の上部に複数のヒンジ9を介して回動自在に支持されている。この保護カバー8は、
図1~
図3に示すように、上方に振り上げた閉じ姿勢と、
図4~
図6に示すように、中央の集合コンベヤ2から離間する方向(遠ざかる方向)である外方に振り下げた開放姿勢とに切換え回動可能となっている。保護カバー8は、前記閉じ姿勢では、計量コンベヤ3の搬送方向始端側に近接して対向する。保護カバー8が、外方に回動された前記開放姿勢では、保護カバー8の内面が露出すると共に、計量コンベヤ3の搬送方向始端側及び荷重計測部6が露出する。
【0043】
ヒンジ9は、保護カバー8の回動に適度の抵抗を付与するトルクヒンジである。このトルクヒンジを用いた保護カバー8は、特別なロック操作を要することなく、閉じ姿勢及び開放姿勢に安定保持することができる。
【0044】
なお、保護カバー8を外方に回動させた開放姿勢に保持することで、制御ボックス7の側板を外側から脱着できるようになっている。
【0045】
また、保護カバー8の上面には、各計量コンベヤ3にそれぞれ対応して表示灯10が装備されていると共に、運転を停止するための緊急停止ボタン11が装備されている。表示灯10は、例えば、計量コンベヤ3上に供給さたれ被計量物が、適量重量範囲でないことを作業者に報知して、被計量物の交換を促す場合などに使用される。これら表示灯10及び緊急停止ボタン11は、防水処理されて制御ボックス7に接続されている。
【0046】
通常の運転時には、保護カバー8は閉じ姿勢に保持されているが、洗浄作業時には、保護カバー8を開放すると共に、計量コンベヤ3を取り外して、被計量物の欠片や滓などを洗い流すことになる。ここで、制御ボックス7の上面7aは、
図6に示すように、外方へ向けて先下がり傾斜した傾斜面となっている。更に、制御ボックス7の上部の外方側の端縁と、開放した保護カバー8との間には、
図5及び
図6に示すように、排水用の間隙cが形成されるようになっている。これによって、洗浄水が制御ボックス7の上面7aの傾斜面に沿って外側に流れ、保護カバー8との間隙cから流下排出され、制御ボックス7の上面7aに残留することがない。
【0047】
次に、計量コンベヤ3の構造について説明する。
【0048】
図7は、計量コンベヤ3を取り外した組合せ秤1の斜視図であり、
図8は、計量コンベヤ3の斜視図であり、
図9は、計量コンベヤ3の平面図であり、
図10は、計量コンベヤ3の側面図である。また、
図11は、計量コンベヤ3におけるコンベヤフレーム21の平面図であり、
図12は、コンベヤフレーム21の縦断正面図であり、
図13は、コンベヤフレーム21の分解斜視図である。
【0049】
計量コンベヤ3は、コンベヤフレーム21の搬送方向始端側に軸支した駆動ローラ22と、コンベヤフレーム21の搬送方向終端側に軸支したテンションローラ23とに亘って幅広のコンベヤベルト24が巻き掛けられて構成されている。
【0050】
駆動ローラ22の一端部に連結した
図10及び
図11に示される従動ギヤ25が、荷重計測部6に備えられた駆動ギヤ26に上方から噛合っている。駆動ギヤ26は、荷重計測部6に内装された図示されていない駆動モータに連動されている。荷重計測部6の上部において、駆動ギヤ26が上向きに露出して配備されている。
【0051】
コンベヤフレーム21は、
図13等に示すように、ステンレス等の金属板材を屈折プレス加工して、対向する左右一対の側板部21aと天板部21bとを一体形成したものである。コンベヤフレーム21の一端部(後端部)の両側板部21aに亘って、駆動ローラ22が遊転自在に軸支される。コンベヤフレーム21の他端部(前端部)の両側板部21aにそれぞれ連結した別部材の両軸受けブラケット27に亘って、テンションローラ23が遊転自在、かつ、バネを組み込んだテンション機構29よって外方へスライド弾性付勢した状態で軸支されている。また、コンベヤフレーム21には、コンベヤベルト24の幅方向の両側及び搬送方向の始端側に沿って延びる被計量物のはみ出しを防止する供給ガイド28が脱着自在に装着されている。
【0052】
なお、詳細な構造は図示されていないが、駆動ローラ22及びテンションローラ23は、軸心に沿って挿通した支軸にベアリングを介して遊転自在に支持されている。駆動ローラ22の支軸の両端部を、コンベヤフレーム21の側板部21aに固定している。また、テンションローラ23の支軸を、軸受けブラケット27に回転不能かつ前後スイライド可能に挿通支持している。
【0053】
コンベヤフレーム21の一方の側板部21aの一端部には、駆動ローラ22の従動ギヤ25を収容するギヤ収容部21cが連設されている。このギャ収容部21cは、従動ギヤ25を、外方及び上方から覆い隠すように突出形成されている。このギヤ収容部21cの下方は、従動ギヤ25の下端部を駆動ギヤ26の露出上端部に噛合わせるために、開放されている。
【0054】
コンベヤフレーム21の天板部21bは、巻き掛けたコンベヤベルト24の搬送径路側での内周面を下方から摺接案内するものである。この天板部21bは、その左右方向の中間には、天板部全長に亘る凹溝30が屈折形成されている。この凹溝30は、コンベヤベルト24の内周面に備えられた
図11,
図12に示される蛇行防止用の案内突条24aとの干渉を回避すると共に、コンベヤフレーム21全体の剛性を高めるリブ機能を発揮する。
【0055】
また、軸受けブラケット27からは片持ち状のベルトガイド部27a、27aが延出され、テンションローラ23と天板部21bとの間におけるコンベヤベルト24の落ち込みが防止されている。
【0056】
コンベヤフレーム21の天板部21bには、円形の開口31が千鳥状に複数個形成されている。このように開口31を複数個形成することによって、天板部21bのコンベヤベルト24に対する接触面積を低減して摺接抵抗を少なくすると共に、コンベヤフレーム21全体の軽量化が図られている。
【0057】
前記開口31は、表面側からの打抜きプレス加工によって形成されている。これによって、コンベヤベルト24に摺接する表面側の開口縁がアール面となり、開口縁の面取り加工が不要となっている。
【0058】
コンベヤフレーム21における左右の側板部21aの外面下部には、荷重計測部6への着脱用に前後一対の頭付きの連結ピン32が設けられている。この連結ピン32は、荷重計測部6の左右外側面に取付け立設された連結金具33の係止溝34に上方から挿脱されるものである。左右の連結金具33の間に、コンベヤフレーム21を挿入すると共に、連結ピン32を係止溝34に圧入気味に挿入する。これによって、計量コンベヤ3を荷重計測部6に対して前後左右に位置決めして組み付け固定することができる。
【0059】
また、この組み付けに伴って駆動ローラ22の従動ギヤ25が駆動ギヤ26に自動的に噛合わされて、計量コンベヤ3が駆動制御可能となる。また、コンベヤフレーム21を連結金具33から上方へ抜き外すことで、計量コンベヤ3を重量計測部6から分離することができると共に、駆動ギヤ26との連動が自動的に解除される。
【0060】
また、コンベヤフレーム21における左右の側板部21aの外面上部には、供給ガイド28を脱着するために前後一対の頭付きの連結ピン35が設けられている。この連結ピン35は、供給ガイド28の左右下端から下向きに延出された連結辺28aの係止溝36に下方から挿脱されるものである。左右の連結辺28aの間に、左右の側板部21aを挟み込むように挿入すると共に、係止溝36を連結ピン35に圧入する。これによって、供給ガイド28をコンベヤフレーム21に対して前後左右に位置決めして組み付け固定することができる。
【0061】
上記のように本実施形態によれば、並列配置された複数の計量コンベヤ3に対応する保護カバー8は、並列方向に長くて、重量が比較的大きいものとなるが、取外すような手間を必要とせず、回動操作によって、簡単に閉じ姿勢と開放姿勢とに切換えることができる。したがって、洗浄等のメンテナンス時には、開放姿勢に回動操作してメンテナンスを行い、メンテナンス終了時には、閉じ姿勢に回動させればよく、洗浄等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0062】
また、集合コンベヤ2の下方には、制御ボックスは配置されておらず、開放空間となっているので、被計量物の欠片や滓などは床面まで落下することになり、従来のように制御ボックスの上面に溜まったり、洗浄水が残留するといったことがなく、衛生的である。
【0063】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0064】
(1)集合コンベヤ2の一方側にのみに計量コンベヤ3群を配置した仕様で実施することもできる。
【0065】
(2)保護カバー8を、単純なヒンジを介して回動自在に支持すると共に、セルフロック機構で閉じ姿勢に保持できるようにしてもよい。但し、この場合、保護カバー8の開放時にロック解除操作が必要となる。
【0066】
(3)上記実施形態では、保護カバー8を外方に大きく回動させた開放姿勢に保持することで、制御ボックス7の側板を外側から脱着できるようにしているが、保護カバー8を、更に外側下方にまで大きく振り下げ回動できるようにすれば、保護カバー8に邪魔されることなく計量コンベヤ3のメンテナンスを行うことができる。
【0067】
(4)並列配置された計量コンベヤ3の台数が多く、保護カバー8による保護領域が長大になる場合には、保護カバー8をその長手方向で複数に分割してもよい。
【0068】
(5)上記実施形態では、保護カバー8を上下に回動させて開閉する構造としているが、組合せ秤の周囲に広い作業空間がある場合には、保護カバー8を、その一端の縦軸支点周りに旋回回動して開閉する仕様で実施することも可能である。この場合、作業者は保護カバー8の重量を支える必要がないので、軽快に開閉回動することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 組合せ秤
2 集合コンベヤ
3 計量コンベヤ
6 荷重計測部
7 制御ボックス
8 保護カバー
9 ヒンジ
10 表示灯
c 間隙