(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】ホッパ取付け構造及びそれを備えた計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
G01G19/387 E
(21)【出願番号】P 2022515168
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(86)【国際出願番号】 JP2020016897
(87)【国際公開番号】W WO2021210167
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-237643(JP,A)
【文献】実開平1-88897(JP,U)
【文献】国際公開第2018/056182(WO,A1)
【文献】特開2017-15600(JP,A)
【文献】中国実用新案第204301843(CN,U)
【文献】特開2010-281745(JP,A)
【文献】特開2002-168681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパ本体の排出口をゲートで開閉するホッパを、前記ゲートを開閉駆動する駆動ユニットに着脱可能に取り付けるホッパ取付け構造であって、
前記駆動ユニットは、係合突起及び支持突起をそれぞれ有し、
前記ホッパは、前記ホッパ本体から延出された取付けブラケットを備え、前記取付けブラケットは、前記係合突起に係合するフック部と、前記支持突起に当接する当接部とをそれぞれ有し、
前記ホッパは、前記取付けブラケットのフック部を、前記駆動ユニットの係合突起に係合させると共に、前記取付けブラケットの当接部を、前記駆動ユニットの前記支持突起に当接支持させて取付けら
れ、
前記駆動ユニットの両側面に、前記係合突起が突設されると共に、前記両側面に、前記支持突起が突設されており、前記取付けブラケットは、前記ホッパ本体から対向するように一対延出されており、
前記駆動ユニットの前記両側面の一方の側面に突設された前記係合突起が、前記ゲート開閉用の駆動アームを回動可能に軸支するボス部である、
ホッパ取付け構造。
【請求項2】
前記駆動アームを軸支する前記ボス部が、前記駆動ユニットの前記一方の側面にネジ込み装着されている、
請求項1に記載のホッパ取付け構造。
【請求項3】
前記駆動ユニットの前記両側面の前記支持突起は、前記係合突起よりもホッパ本体側に突設され、前記支持突起は、前記取付けブラケットの前記当接部に当接して、前記取付けブラケットを下方から支持する、
請求項
1または2に記載のホッパ取付け構造。
【請求項4】
センター基体の上部に、物品を放射状に分散搬送する分散フィーダと、該分散フィーダで分散搬送された物品を外方に搬送する複数の直進フィーダとが設けられ、前記センター基体の外周部に、複数の駆動ユニットが設けられ、物品を一時保持して排出する複数のホッパが、前記複数の駆動ユニットに着脱可能に取付けられる計量装置であって、
前記複数の各ホッパは、ホッパ本体の排出口をゲートで開閉するものであり、前記複数の各駆動ユニットは、前記ゲートを開閉駆動するものであり、
前記複数のホッパを、前記複数の駆動ユニットに着脱可能に取付ける前記請求項1または2に記載のホッパ取付け構造を備える、
計量装置。
【請求項5】
センター基体の上部に、物品を放射状に分散搬送する分散フィーダと、該分散フィーダで分散搬送された物品を外方に搬送する複数の直進フィーダとが設けられ、前記センター基体の外周部に、複数の駆動ユニットが設けられ、物品を一時保持して排出する複数のホッパが、前記複数の駆動ユニットに着脱可能に取付けられる計量装置であって、
前記複数の各ホッパは、ホッパ本体の排出口をゲートで開閉するものであり、前記複数の各駆動ユニットは、前記ゲートを開閉駆動するものであり、
前記複数のホッパを、前記複数の駆動ユニットに着脱可能に取付ける前記請求項3に記載のホッパ取付け構造を備える、
計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を一時保持して排出するホッパの取付け構造、及び、それを備えた計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
計量装置である組合せ秤、例えば、特許文献1に示される組合せ秤(組合せ計量装置)では、装置本体の上部に、供給される物品を放射状に分散搬送する分散フィーダと、分散フィーダで分散搬送された物品を更に外方に向けて搬送する複数の直進フィーダとが備えられている。また、装置本体の外周部には、各直進フィーダからの物品を一時保持して排出する複数の供給ホッパと、各供給ホッパから排出される物品を一時保持して計量する複数の計量ホッパとが備えられている。
【0003】
組合せ秤では、複数の計量ホッパの物品の重量に基づいて、組合せ演算を行って、所定重量範囲となるホッパの組合せを選択し、選択したホッパのゲートを開放して物品を排出する。排出された物品は、集合シュートを介して装置本体の中心側に集合案内されて下方の包装装置等に投入される。
【0004】
計量する物品が食品である組合せ秤では、物品の欠片や滓などが組合せ秤の各部に付着することが多い。この付着した物品の欠片や滓などを取り除くために、ホッパ等を装置本体から簡単に取り外して洗浄できるように、ホッパ等は、着脱可能に取り付けられている。
【0005】
ホッパを着脱可能に取付けるホッパ取付け構造として、例えば、上記特許文献1では、ホッパの背面に上下一対の支持棒を左右水平に設ける一方、組合せ秤の装置本体に取り付けた駆動ユニットの外面に、上下一対のハンガーを設けている。このハンガーに備えた上向きの溝に、ホッパの前記支持棒を上方から引っ掛けることで、ホッパを駆動ユニットに一定姿勢で取り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1のホッパ取付け構造に用いられるハンガーは、平板状のベース部から延出されており、この平板状のベース部を、駆動ユニットの前面にボルト等で取り付けるようにしている。このため、その取付け箇所には、平板状のベース部の上端に、該ベース部の板厚に相当する上向きの段差が横方向に長く形成されることになる。この段差に、物品の欠片や滓などが付着して溜まり易い。特に、段差の隙間、すなわち、平板状のベース部と駆動ユニット前面との間に生じた長い隙間に、物品の欠片や滓などが入り込んで溜まり易い。このように段差や隙間に残留した物品の欠片や滓などは、雑菌が繁殖する温床になる虞がある。このため、洗浄に際しては念入りな洗浄作業が必要となり、多数のホッパを装備した組合せ秤では、洗浄作業に多大な手数と労力がかかるものとなる。
【0008】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、物品の欠片や滓などが溜まることが少なく、洗浄等を容易に行うことができるホッパ取付け構造、及び、それを備えた計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0010】
(1)本発明に係るホッパ取付け構造は、ホッパ本体の排出口をゲートで開閉するホッパを、前記ゲートを開閉駆動する駆動ユニットに着脱可能に取り付けるホッパ取付け構造であって、
前記駆動ユニットは、係合突起及び支持突起をそれぞれ有し、前記ホッパは、前記ホッパ本体から延出された取付けブラケットを備え、前記取付けブラケットは、前記係合突起に係合するフック部と、前記支持突起に当接する当接部とをそれぞれ有し、前記ホッパは、前記取付けブラケットのフック部を、前記駆動ユニットの係合突起に係合させると共に、前記取付けブラケットの当接部を、前記駆動ユニットの前記支持突起に当接支持させて取付けられ、
前記駆動ユニットの両側面に、前記係合突起が突設されると共に、前記両側面に、前記支持突起が突設されており、前記取付けブラケットは、前記ホッパ本体から対向するように一対延出されており、
前記駆動ユニットの前記両側面の一方の側面に突設された前記係合突起が、前記ゲート開閉用の駆動アームを回動可能に軸支するボス部である。
本発明に係るホッパ取付け構造によると、駆動ユニットには、ホッパの取付けブラケットを係合支持する係合突起と、取付けブラケットの当接部を当接支持する支持突起が設けられればよく、ハンガーを有する平板状のベース部を、駆動ユニットの前面にボルト等で取付ける必要がない。したがって、物品の欠片や滓などが溜まりやすい長い段差や隙間が形成されることがない。また、係合突起や支持突起は、その上部が、取付けられたホッパの取付けブラケットのフック部や当接部で覆われるので、物品の欠片や滓などが殆ど溜まることがなく、溜まっても簡単に洗浄除去することができる。
【0011】
また、ホッパのフック部と当接部は、取付けブラケットの一部を形状加工することで形成することができるので、ハンガーに引っ掛けるための支持棒などの別部材を必要としない。これによって、コストを低減できると共に、ホッパ全体の軽量化を図ることができる。
【0013】
本発明によると、ホッパ本体から延出された一対の対向する取付けブラケットの各フック部を、駆動ユニットの両側面の各係合突起に係合させると共に、取付けブラケットの各当接部を、駆動ユニットの両側面の各支持突起に当接させるだけで、ホッパを簡単に駆動ユニットに取付けることができ、また、ホッパ本体を持ち上げて、各フック部と各係合突起との係合を解除して簡単に取外すことができる。
【0015】
本発明によると、駆動アームを軸支するボス部を、一方の側面の係合突起として利用するので、ボス部とは別に専用の係合突起を設ける場合に比べて、部品点数を削減してコストを低減することができる。
【0016】
(2)本発明の更に他の実施態様では、前記駆動アームを軸支する前記ボス部が、前記駆動ユニットの前記一方の側面にネジ込み装着されている。
【0017】
この実施態様によると、ボス部の取付けは、ボス部自体を、駆動ユニットの側面にネジ込むだけでよく、取付け用に他の部材を必要としない。
【0018】
(3)本発明の他の実施態様では、前記駆動ユニットの前記両側面の前記支持突起は、前記係合突起よりもホッパ本体側に突設され、前記支持突起は、前記取付けブラケットの前記当接部に当接して、前記取付けブラケットを下方から支持する。
【0019】
この実施態様によると、駆動ユニットにおける両側面の係合突起に係合支持されたホッパは、その自重によって係合箇所を支点にして下方に回動変位しようとする。このとき、係合箇所よりホッパ本体側に突設された支持突起で取り付けブラケットの当接部を受け止めることで、ホッパ全体を所定の位置及び姿勢で確実に支持することができる。
【0020】
(4)本発明に係る計量装置は、センター基体の上部に、物品を放射状に分散搬送する分散フィーダと、該分散フィーダで分散搬送された物品を外方に搬送する複数の直進フィーダとが設けられ、前記センター基体の外周部に、複数の駆動ユニットが設けられ、物品を一時保持して排出する複数のホッパが、前記複数の駆動ユニットに着脱可能に取付けられる計量装置であって、
前記複数の各ホッパは、ホッパ本体の排出口をゲートで開閉するものであり、前記複数の各駆動ユニットは、前記ゲートを開閉駆動するものであり、
前記複数のホッパを、前記複数の駆動ユニットに着脱可能に取付ける上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のホッパ取付け構造を備える。
【0021】
本発明に係る計量装置によると、ホッパが取付けられる駆動ユニットには、ホッパの取付けブラケットを係合支持する係合突起と、取付けブラケットの当接部を当接支持する支持突起が設けられればよく、物品の欠片や滓などが溜まりやすい長い段差や隙間が形成されることがない。これによって、段差や隙間に残留した物品の欠片や滓などを洗浄除去するのに比べて、洗浄に要する手間が大幅に削減され、洗浄作業を容易かつ速やかに行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明によれば、被計量物品の欠片や滓などが溜まることが少なく、洗浄作業を容易に行うことができるホッパ取付け構造、及び、それを備えた計量装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態の計量装置である組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図である。
【
図2】
図2はホッパ取付け部の一方の側面図である。
【
図3】
図3はホッパ取付け部の他方の側面図である。
【
図4】
図4は計量ホッパの取付け構造を一側方から見た斜視図である。
【
図5】
図5は計量ホッパの取付け構造を他側方から見た斜視図である。
【
図6】
図6は計量ホッパの駆動ユニットを一側方から見た斜視図である。
【
図7】
図7は計量ホッパの駆動ユニットを他側方から見た斜視図である。
【
図8】
図8は計量ホッパの取付け形態の一方の側面図である。
【
図9】
図9は計量ホッパの取付け形態の他方の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、計量装置である本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す縦断面正面図である。
【0026】
この組合せ秤は、例えば、菓子類やその他の食品等の物品を計量して、所定重量範囲の物品を、図示しない下方の包装装置に排出投入して袋詰めする包装ラインなどに利用される。
【0027】
この組合せ秤は、その中央に略円柱状の装置本体としてのセンター基体1が、複数本の脚部3を介して基台2に支持されている。基台2は、組合せ秤の下部が挿通する上下に貫通する開口を有しており、床面Fに設置されている。
【0028】
このセンター基体1の上部に、図示されていない供給装置から落下供給される物品を振動によって放射状に分散搬送する分散フィーダ4が設けられている。また、分散フィーダ4の周囲には、分散搬送された物品を振動によって外方に向けて直進搬送する複数の直進フィーダ5が放射状に設けられている。更に、各直進フィーダ5の終端下方には、供給ホッパ6、及び、計量ホッパ7がそれぞれ対応して設けられている。これら直進フィーダ5、供給ホッパ6、及び、計量ホッパ7を一連とする複数連の計量ユニットが、センター基体1の周囲に円状に配置されている。
【0029】
円状に配置された各計量ホッパ7の下方には、所定重量範囲となるように組合せ選択された複数の計量ホッパ7から排出された物品を集めるための集合シュート8が配備されている。集合シュート8の下方には、集合シュート8から滑落した物品を集める漏斗状の集合ファネル9が配備されている。更に、その下方に、集合ファネル9に沿って中央下方に案内されてきた物品を一旦受け止め保持した後、包装装置からの排出要求指令に基づいて開放作動する集合ホッパ10が配備されている。
【0030】
センター基体1上部の分散フィーダ4は、物品が供給されるトップコーン11と、このトップコーン11を振動駆動する図示しない加振機とを備えている。直進フィーダ5は、内外方向に沿う樋形のトラフ(フィーダパン)12と、これを振動駆動する図示しない加振機とを備えている。
【0031】
センター基体1の外周部には、供給ホッパ6のゲートの開閉を行う駆動ユニット13と、計量ホッパ7のゲートの開閉を行うと共に、計量ホッパ7内の物品の重量を計測する駆動ユニット14が装着されている。これら駆動ユニット13、14に、供給ホッパ6及び計量ホッパ7が、フック方式で着脱可能に取付けられている。
【0032】
図2は、各ホッパ6,7の取付け部の一方の側面図であり、
図3は、各ホッパ6,7の取付け部の他方の側面図である。
【0033】
供給ホッパ6は、上下に開口した角筒状のホッパ本体6aに、内外一対のゲート6b、6cを揺動開閉可能に支持して構成されている。両ゲート6b、6cは、同調して開閉するように同調リンク15で連動連結されている。また、ホッパ本体6aの左右の両外側面には、一対の取付けブラケット16が溶接固着されている。
【0034】
両ゲート6b,6cを開閉するための駆動側となる一方の取付けブラケット16の外側面には、
図2に示すように、作動リンク17が、横向き支点a周りに回動可能に支持されている。この作動リンク17は、内側のゲート6bに連係リンク18を介して連動連結されている。
【0035】
駆動ユニット13の一方の側面には、
図2に示すように、内蔵モータによって横向き支点a周りに正逆に回動される駆動アーム19が軸支されている。この駆動アーム19の遊端部に備えた駆動ピン20と、前記作動リンク17の端部に備えた係合部17aとが係合されている。これによって、駆動アーム19の正逆回動に伴って、内外のゲート6b、6cが同調して開閉するようになっている。
【0036】
なお、取付けブラケット16からはストッパ16aが、外側方に屈折延出され、内側のゲート6bの閉じ方向への揺動限界をストッパ16aで当接規制する。これによって、両ゲート6b、6cが所定のホッパ閉じ位置に維持されるようになっている。
【0037】
計量ホッパ7も、供給ホッパ6と同様に、上下に開口した角筒状のホッパ本体7aに、内外一対のゲート7b、7cを揺動開閉可能に支持して構成されている。両ゲート7b、7cは、同調して開閉するように同調リンク21で連動連結されている。また、ホッパ本体7aの左右の両外側面には、一対の取付けブラケット22が溶接固着されている。
【0038】
両ゲート7b,7cを開閉するための駆動側となる一方の取付けブラケット22の外側面には、
図2に示すように、作動リンク23が、横向き支点b周りに回動可能に支持されている。この作動リンク23は、内側のゲート7bに連係リンク24を介して連動連結されている。
【0039】
計量ホッパ7の駆動ユニット14には、上部ケース14aと、上部ケース14aに対して上下変位可能に支持された下部ケース14bが備えられている。下部ケース14bに作用する荷重が、上部ケース14aに内装された荷重センサによって計量されるようになっている。
【0040】
下部ケース14bの一方の側面には、
図2に示すように、内蔵モータによって横向き支点b周りに正逆に回動される駆動アーム25が軸支されている。この駆動アーム25の遊端部に備えた駆動ピン26と、前記作動リンク23の端部に備えた係合部23aとが係合されている。これによって、駆動アーム25の正逆回動に伴って内外のゲート7b、7cが同調して開閉するようになっている。また、取付けブラケット22から屈折延出されたストッパ22aに、内側のゲート7bが当接規制されることで、両ゲート7b、7cが所定のホッパ閉じ位置に維持される。
【0041】
供給ホッパ6及び計量ホッパ7を、駆動ユニット13,14に着脱可能に取り付ける構造は、基本的に同様であるので、以下では、計量ホッパ7の取付け構造について代表的に説明する。
【0042】
図4は、計量ホッパ7の取付け構造を一側方から見た斜視図であり、上記
図2に示される取付け構造の作動リンク23及び連係リンク24を取外した状態の斜視図である。
図5は、計量ホッパ7の取付け構造を他側方から見た斜視図である。また、
図6は、計量ホッパ7の駆動ユニット14を一側方から見た斜視図であり、
図7は、計量ホッパ7の駆動ユニット14を他側方から見た斜視図である。
【0043】
計量ホッパ7におけるホッパ本体7aの左右側面に連結した一対の取付けブラケット22は、背面側、つまり、駆動ユニット14側に延出されている。この一対の取付けブラケット22は、対向するように延出しており、その延出端部に、下向きに開口したフック部27が形成されている。
【0044】
駆動ユニット14における下部ケース14bの一方の側面には、
図6に示すように、前記駆動アーム25を回動自在に軸支する係合突起としてのボス部28が、ネジ込み固定されている。このボス部28の一部には、一方の取付けブラケット22の前記フック部27がガタつきなく係合する円形部28aが形成されている。つまり、ボス部28が、取付けブラケット22を引っ掛け支持する係合突起として利用されている。このようにゲート7b、7c開閉用の駆動アーム25を回動自在に軸支するボス部28を、係合突起として利用するので、ボス部とは別に専用の係合突起を設ける場合に比べて、部品点数を削減してコストを低減することができる。
【0045】
また、下部ケース14bの他方の側面には、
図7に示すように、係合突起としてのボス部29が専用にネジ込み固定されている。このボス部29の一部には、他方の取付けブラケット22のフック部27がガタつきなく係合する円形部29aが形成されている。
【0046】
更に、下部ケース14bの両側面におけるボス部28、29より外側、つまり、ホッパ側箇所には、支持突起としての支持ピン30がそれぞれネジ込み固定されている。
【0047】
図8は、計量ホッパ7の取付け形態を示す側面図であって、一方から見た側面図である。
図9は、計量ホッパ7の取付け形態を示す側面図であって、他方から見た側面図である。
【0048】
上記構成を有するホッパ取付け構造では、
図8、
図9に示すように、センター基体1の外周部に取り付けられた駆動ユニット14に対して、計量ホッパ7を外方上部から接近させ、左右の取付けブラケット22のフック部27を、下部ケース14bの左右側面に備えた係合突起であるボス部28、29に係合させる。また、取付けブラケット22の下端縁に形成した当接部31を、下部ケース14bの支持ピン30に当接させる。
【0049】
当接部31は、角部となっている。この当接部31の角部が、支持ピン30に上方及び内方(駆動ユニット側)の二方向から当接することによって、計量ホッパ7の前後移動及び下方回動が阻止された所定の姿勢で、かつ、左右に位置決めされて下部ケース14bに取り付けられる。
【0050】
また、上記のホッパ取付け操作と同時に、作動リンク23を駆動ピン26に係合させることで、ゲート7b、7cを駆動開閉できる状態となる。
【0051】
なお、取付けられた計量ホッパ7を、外方上方に持ち上げて、フック部27を係合突起28、29から抜き外すことで容易に取り外すことができる。
【0052】
上記のように本実施形態によれば、計量ホッパ7を取付けるために、駆動ユニット14には、計量ホッパ7の一対の取付けブラケット22を係合支持するボス部28,29と、取付けブラケット22の当接部31,31を当接支持する支持ピン30,30とを両側面に設ければよい。したがって、駆動ユニット14の上部ケース14a及び下部ケース14bの前面、すなわち、計量ホッパ7のホッパ本体7aに対向する面は、上記
図6及び
図7に示すように、部材が設けられていない平坦面となっており、ハンガーの平板状のベース部を、駆動ユニットの前面にボルト等で取り付ける上記特許文献1のような段差や隙間は存在しない。
【0053】
このように駆動ユニット14の上部ケース14a及び下部ケース14bの前面には、段差や隙間がないので、物品の欠片や滓などが溜まることがなく、また、上部ケース14a及び下部ケース14bの両側面のボス部28,29や支持ピン30,30は、取付けられた計量ホッパ7の取付けブラケット22で覆われるので、物品の欠片や滓などが殆ど溜まることがなく、溜まっても簡単に洗浄除去することができる。
【0054】
したがって、段差や隙間に溜まった物品の欠片や滓などを除去するために、念入りな洗浄作業が必要な特許文献1に比べて、洗浄作業を容易かつ速やかに行うことができる。
【0055】
また、駆動ユニット14には、上記のようにボス部28,29と支持ピン30,30を設ければよく、上記特許文献1のような上下一対のハンガーを設ける必要がない。更に、計量ホッパ7は、一対の取付けブラケット22の一部を形状加工して、フック部27及び当接部31を形成すればよく、上記特許文献1のように、ホッパの背面に上下一対の支持棒を設ける必要がなく、コストを低減できると共に、ホッパ全体の軽量化を図ることができる。
【0056】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0057】
(1)上記実施形態では、駆動アーム25を軸支するボス部28を、ホッパ7の左右に備えられた一方のフック部27を係合支持する係合突起として利用しているが、駆動アーム25を軸支するボス部28とは別に設けた専用の係合突起に係合させるようにしてもよい。
【0058】
(2)ケース側面に支持ピンを打ち込み固定して支持ピン30を構成してもよい。
【0059】
(3)上記実施形態の計量装置では、直進フィーダ5、供給ホッパ6、及び、計量ホッパ7を備える計量ユニットの複数連を円形に配置したが、複数連の計量ユニットを、横一列状に配置した計量装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 センター基体
4 分散フィーダ
5 直進フィーダ
6 供給ホッパ
7 計量ホッパ
7a ホッパ本体
7b,7c ゲート
13,14 駆動ユニット
22 取付けブラケット
27 フック部
28,29 ボス部(係合突起)
30 支持ピン(支持突起)
31 当接部