(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】遠隔制御可能な物品供給システム、デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20231218BHJP
G06Q 20/08 20120101ALI20231218BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20231218BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20231218BHJP
G07F 9/02 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q20/08 300
G06Q20/32 300
G06Q20/32 320
G07F9/00 L
G07F9/02 B
G07F9/02 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017215927
(22)【出願日】2017-11-08
【審査請求日】2020-06-03
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-21
(32)【優先日】2016-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517391749
【氏名又は名称】ネザル アブ ハマム
(73)【特許権者】
【識別番号】517391750
【氏名又は名称】ハイメ モラレス
(73)【特許権者】
【識別番号】517391761
【氏名又は名称】マリア ジーザス ブラガド ロメオ
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネザル アブ ハマム
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】渡邊 聡
【審判官】梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-56443(JP,A)
【文献】特開2004-348447(JP,A)
【文献】特開2004-295583(JP,A)
【文献】特表2013-531301(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0019010(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q20/08
G06Q20/32
G06Q30/06
G07F9/00
G07F9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品またはサービスを供給するための遠隔制御システムであって、該システムは、
サービス機能を実施するためのソフトウェアを実行させるサーバを含む中央ハブと、
選択された場所にある少なくとも1つの物品供給デバイスと、を含み、前記供給デバイスは、通信チャネルによって
中央ハブサーバに接続され、
前記供給デバイスを操作するための外部コマンドに応答する処理ユニットを含み、
前記中央ハブサーバは、ユーザのスマートデバイスから通信チャネルを介して提供される品物選択要求に応答し、
前記供給デバイスの
前記処理ユニットは
前記中央ハブサーバ
と協働して、
前記ユーザによって選択された1つ以上の支払い確認サービスにアクセスすること、
前記ユーザからシステム管理者の口座に支払いを送金すること、
選択された品物を
前記ユーザに供給すること、および、
前記供給デバイスが
該供給デバイスの補充または修理の必要性を
前記システム管理者に警告するために、
前記システム管理者に在庫状態および作動状態の情報を提供すること、
課税可能な取引に関する情報を税務当局に提供すること、
データソースにアクセスして
、前記ユーザ
の明確な身元確認と、当該ユーザの年齢および/または要求された取引に適用
される他の法的要
件遵守の確認を得ること、
前記ユーザの事前の了承を得ることを条件として、
前記システム管理者および、
前記供給デバイスによって供給可能なブランドの所有者に、
前記供給デバイスまたは他のソースから、
当該ユーザの過去の品物および/またはブランドの選択パターンに関して
前記中央ハブ
サーバを通じて情報を受信させ、かつ、応答して、
前記供給デバイスのディスプレイユニットまたは
前記ユーザの
前記スマートデバイス上にターゲット広告メッセージを提供させること、および、
前記システム管理者
および/または前記ブランドの所有者に、特定の場所の供給デバイスにおいてどの品物が利用可能
であるべきかについて決定することができる
ように、別の場所にある供給デバイスから得られる品物選択パターンデータを提供すること
、
のうち1つ以上を提供することを特徴とし、
ここで、
前記ユーザの
前記明確な身元確認は、顔
面、網
膜または指紋の
画像スキャンのうち1つ以上の生体データに基づき
、この生体データは、キーボード、タッチスクリーン、マウスあるいは音声認識のうち1つ以上の
前記供給デバイスの入力ユニットによって得られ、
前記
中央ハブ
サーバは、選択されたデータ分析機能を実行するように動作する、
前記ブランド
の所有者のためのバックオフィスサーバ機能を含み、
前記
中央ハブ
サーバは
、
前記ユーザ
の身元確認
と、前記中央ハブサーバに送信された購入製品またはサービスの選択情報とを記録し、
当該ユーザと当該選択された製品又はサービスとを関連付け、
前記中央ハブサーバを介して当該ユーザに送信される、ターゲットを絞った市場情報を生成する、ようにプログラムされてなる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記供給デバイスは、市場販売要素供給システム(MMEDS)であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記中央ハブサーバは、
前記ユーザの
前記スマートデバイスに内在するソフトウェアからのコマンド、または、従来のウェブアクセスサービスを通じて提供される
前記ユーザの
前記スマートデバイスからのコマンド、または、
前記供給デバイスを通じて
前記ユーザによって直接入力されるコマンド、に応答することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記中央ハブ
サーバは専用のウェブサイトであるか、または1つ以上のソーシャルメディアウェブサイトのサービスとしてアクセス可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
所望の場所に配置された処理ユニットを含む少なくとも1つの供給デバイスを備え、1つ以上の利用可能なオプションの中からユーザによって
スマートデバイスを用いて選択された品物またはサービスの
配送によって取引を行う
、物品供給システムを作動させる方法であっ
て、当該方法は
、
前記供給デバイスと中央ハブ
サーバとの間
の通信チャネルを
接続する工程と、
前記通信チャネルを通じて
前記供給デバイスに
前記ユーザの選択要求を送信する工程と、
要求された取引が認められうることを確認する工程と、
取引が年齢要件の対象であるかどうかを決定する工程で、および、対象になる場合、
前記供給デバイスによって
前記ユーザの明確な身元確認を得る工程と、
前記中央ハブサーバに
当該身元確認の情報を送信する工程と、
前記身元確認
の情報を、
前記ユーザについての確認済み年齢データを含むデータベース内のデータと相関させる工程と、および、
前記年齢データと
前記ユーザ
の身元確認
の情報とが一致する場合に、
前記取引についての許可を
前記供給デバイスに送信する工程と、
前記通信チャネルを通じて
前記供給デバイスに
前記取引の承認を送信する工程と、
送信された
前記承認に応じて、
前記ユーザに選択された品物あるいはサービスを供給する工程と、および、
前記供給デバイスから
前記中央ハブサーバに在庫状態情報を送信する工程と、を含み、
ここで、
前記ユーザ
の身元確認
の情報は、
前記供給デバイスあるいは前記ユーザの前記スマートデバイスの、キーボード、タッチスクリーン、マウスあるいは音声認識のうち1つ以上によって行なわれる顔面スキャン、網膜スキャンまたは指紋スキャンのうち1つ以上の生体スキャンによって得られ、
前記中央ハブサーバは、ブランド所有者のためのバックオフィスサーバ機能をさらに含み、当該ブランド所有者が各々選択したデータ分析を実行するよう構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
作動状態情報を
前記供給デバイスから
前記中央ハブサーバに送信する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
利用可能なウェブアクセスソフトウェアのみを通じて
前記ユーザにアクセスされる
前記中央ハブサーバ上で実行するソフトウェアによって、または、
前記ユーザの
前記スマートデバイス上で実行されるか、または
前記供給デバイス内の入力デバイスを通じてアクセスされる、ソフトウェアと連携して、
前記取引が制御されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザによって事前の了承を得ることを条件として、
前記取引の間、ターゲット宣伝メッセージを
前記ユーザに配信する工程をさらに含み、その内容は、
前記ユーザの以前の
前記供給デバイスからの品物の選択についての情報、および、
前記ユーザの興味を反映する可能性のある他の情報によって、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記メッセージは、
前記ユーザの
前記スマートデバイス、または
前記供給デバイスの一部であるディスプレイユニットを介して
前記ユーザに配信されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記物品供給システム内で、供給デバイスでの取引の納税額を反映するデータを収集する工程と、
当該収集した
データを関連する税務当局に送信する工程と、および、
前記税務当局の口座に納税額を送金する工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
この出願は、2016年11月17日に出願された米国仮特許出願第62/423,208号、および2017年9月11日に出願された米国特許出願第15/700,242号の利益を主張する。これらの先行出願の開示は、本出願の一部として考慮され、引用によって本出願の開示に組み込まれる。
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、一般に、選択可能な物品供給システムに関し、より詳細には、システムを用いて、選択された品物および情報を人へ、および人から送るように、かつ、システム管理者に在庫管理および作動状態の情報を提供するように遠隔制御できるシステムに関する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、スマートデバイスを使用して起動することができる自動販売機システムに適用可能である。
【0003】
以下の説明のために、本発明に係る自動販売機システムは、時に、「市場販売要素供給システム(Market Merchandising Element Dispensing Systems)」または「MMEDS」と称されるであろう。用語「ユーザ」は、本発明に係る物品供給システムから選択された品物を得ることを求める個人に適用されると理解されるべきである。用語「システム管理者」は、システムを所有またはサービスする存在を含むと理解されるべきであり、一方、ユーザによって選択可能な物品の供給者はブランド所有者と呼ばれる。
【背景技術】
【0004】
自動販売機および他の販売要素供給機械は、当該技術分野において長い間知られている。典型的には、これらのデバイスは、現金が貨幣箱に入れられた後に選択された製品を供給する、コインで作動する供給機械であった。場合によっては、それらは選択されたレバーを引いて、機械的に起動された。より現代的な機械は、例えばキーパッドを用いて、電気的に操作された。
【0005】
携帯電話の到来および他のポータブルスマートデバイスの人気が高まり、携帯電話口座またはクレジットカードを介する支払い後に選択された製品を供給する販売要素供給機械が開発された。
【0006】
しかし、これらの機械は、互いに、または中央ハブと、接触しないかまたは互いに通信しない、個々の機械として作動および維持されていた。典型的には、ベンダーおよび/または機械管理者が、どの製品が供給され交換されなければならないかを決定するために、各機械を訪れていただろう。自動販売機会社は、遠隔在庫管理を可能にするシステムから大きく利益を得るであろう。
【0007】
さらに、ターゲットマーケティング(すなわち、潜在的な顧客に、彼らの明白な興味に応じて直接公告を出すこと)は、ソーシャルメディアやインターネットサーチエンジンなどのメカニズムを通じてオンライン世界に容易に適合したが、これは本質的には自動販売機業界を回避した。この能力を得ることはまた、業界に大きな利益をもたらすであろう。
【0008】
本発明は、これらのニーズを満たそうとする。
【発明の概要】
【0009】
本発明によれば、サービス機能を実行するためのソフトウェアを稼働させるサーバを含む中央ハブと、選択された場所にある少なくとも1つの物品供給デバイスと、を有する、物品またはサービスを供給するための遠隔制御システムが提供される。供給デバイスは、通信チャネルによってハブサーバに接続され、供給デバイスを操作するための外部コマンドに応答する処理ユニットを含む。ハブサーバは、ユーザのスマートデバイスから通信チャネルを介して提供される品物選択要求に応答し、供給デバイスの処理ユニットは協働して:潜在的なユーザによって選択された1つ以上の支払い確認サービスにアクセスすること、ユーザからシステム管理者の口座に支払いを送金すること、選択された品物をユーザに供給すること、および、供給デバイスが供給デバイスの補充または修理の必要性をシステム管理者に警告するために、システム管理者に在庫状態および作動状態の情報を提供すること、のうちの1つ以上を提供する。
【0010】
本発明の例示的な実施形態によれば、物品またはサービスを供給するための遠隔制御システム内の供給デバイスの処理ユニットと、ハブサーバとは、さらに、協働して:課税可能な取引に関する情報を税務当局に提供すること;データソースにアクセスして、潜在的なユーザ、およびその年齢についての明確な身元確認、および/または要求された取引に適用可能な他の法的要件への遵守、を得ること:ユーザの事前の了承を得ることを条件として、システム管理者および、供給デバイスによって供給可能なブランドの所有者に、供給デバイスまたは他のソースから、特定のユーザの過去の品物および/またはブランドの選択パターンに関して、ハブを通じて情報を受信させ、かつ、応答して、供給デバイスのディスプレイユニットまたはユーザのスマートデバイス上にターゲット広告メッセージを提供させるようにすること;および、システム管理者に、特定の場所の供給デバイスにおいてどの品物が利用可能かについて決定することができる、別の場所にある供給デバイスから得られる品物選択パターンデータを提供すること;のうちの1つ以上を提供する。
【0011】
本発明の例示的な実施形態によれば、生体データに基づく明確な身元確認は、供給デバイスの入力ユニットによって得られる。本発明の例示的な実施形態によれば、供給デバイスは、市場販売要素供給システム(MMEDS)である。本発明の例示的な実施形態によれば、ハブサーバは、ユーザのスマートデバイスに内在するソフトウェアからのコマンド、または、従来のウェブアクセスサービスを通じて提供されるユーザのスマートデバイスからのコマンド、または、供給デバイスを通じてユーザによって直接入力されるコマンド、に応答する。本発明の例示的な実施形態によれば、ハブは、選択されたデータ分析機能を実行するように動作する、ブランド所有者のための、バックオフィスサーバ機能を含む。本発明の例示的な実施形態によれば、中央ハブは専用のウェブサイトであるか、または1つ以上のソーシャルメディアウェブサイトのサービスとしてアクセス可能である。
【0012】
本発明によれば、供給可能な品物についてのストレージユニット;および、通信チャネルを通じて中央ハブに接続可能な処理ユニット;を有し、処理ユニットは、通信チャネルを通じて配信され、かつ、ユーザのスマートデバイスから発せられるか、または、供給デバイス自身の一部である入力デバイスを通じて提供される命令に対する、取引要求命令によって遠隔制御可能であり、要求された取引が法的に認められるものであり、商業的条件を満たしていることの確認を開始し、かつ、法的および商業的条件が満たされる場合に要求された品物を供給し、および、処理ユニットはさらに、ハブに作動状態を提供するように動作し、取引の完了に応答して、在庫状態情報をハブに送信する、物品供給デバイスが提供される。
【0013】
本発明の例示的な実施形態によれば、物品供給デバイスはMMEDである。本発明の例示的な実施形態によれば、物品供給デバイスは、生体データ入力ユニットをさらに含む。本発明の例示的な実施形態によれば、物品供給デバイスは、メッセージをテキストおよび/または口頭でユーザに配信しうるディスプレイユニットをさらに含む。
【0014】
本発明によれば、1つ以上の利用可能なオプションの中からユーザによって選択された品物またはサービスの配信によって取引を行いうように、物品分配システムを作動させる方法も提供され、該選択はスマートデバイスを用いてなされ、該方法は、選択された位置に、処理ユニットを含む少なくとも1つの供給デバイスを配置する工程と;供給デバイスと中央ハブとの間に通信チャネルを確立する工程と;通信チャネルを通じて供給デバイスにユーザの選択要求を送信する工程と;要求された取引が法的に認められることを確認する工程と;通信チャネルを通じて供給デバイスに取引の承認を送信する工程と;送信された承認に応じて、ユーザに選択された品物あるいはサービスを供給する工程と;および、供給デバイスからハブサーバに在庫状態情報を送信する工程と、を含む。
【0015】
例示的な実施形態によれば、該方法はさらに、作動状態情報を供給デバイスからハブサーバに送信する工程を含む。例示的な実施形態によれば、利用可能なウェブアクセスソフトウェアのみを通じてユーザにアクセスされるハブサーバ上で実行するソフトウェアによって、または、ユーザのスマートデバイス上で実行するか、または供給デバイス内の入力デバイスを通じてアクセスされる、ソフトウェアと連携して、取引が制御される。
【0016】
例示的な実施形態によれば、該方法は、取引が年齢要件の対象であるかどうかを決定する工程をさらに含み、対象になる場合、供給デバイスによってユーザの明確な身元確認を得る工程と;
ハブサーバに身元確認情報を送信する工程と;
身元確認データを、ユーザについての確認済み年齢データを含むデータベース内のデータと相関させる工程と;
および、年齢データとユーザ身元確認データとが一致する場合に、取引についての許可を供給デバイスに送信する工程と、を含む。
【0017】
例示的な実施形態によれば、ユーザ身元確認データは、供給デバイスあるいはユーザのスマートデバイスによって行なわれる生体スキャンによって得られる。
【0018】
例示的な実施形態によれば、該方法はさらに、ユーザによって事前の了承を得ることを条件として、取引の間、ターゲット宣伝メッセージをユーザに配信し、その内容は、ユーザの以前の供給デバイスからの品物の選択についての情報、および、ユーザの興味を反映する可能性のある他の情報によって、少なくとも部分的に決定される。
【0019】
例示的な実施形態によれば、メッセージは、ユーザのスマートデバイス、または供給デバイスの一部であるディスプレイユニットを介してユーザに配信される。
【0020】
例示的な実施形態によれば、該方法はさらに、システム内で、供給デバイスでの取引の納税額を反映するデータを収集する工程と;収集した情報を関連する税務当局に送信する工程と;および、税務当局の口座に納税額を送金する工程と、を含む。
【0021】
例示的な実施形態によれば、該方法は、さらに、ブランド所有者のためのバックオフィスサーバ性能を確立する工程を含み、バックオフィスは、それぞれのブランド所有者によって選択された機能を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明は、図面と併せて、以下の詳細な説明により、さらに理解され、認識されるであろう。
【
図1a】
図1aは、本発明のいくつかの実施形態に従って構成され作動する販売要素供給機械(merchandising element dispensing machine)システムの概略図である。
【
図1b】
図1bは、本発明のいくつかの実施形態に係る販売要素供給機械コントローラの詳細なブロックダイアグラム図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態に係る、販売要素供給機械システムの動作方法のブロックダイアグラム図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る、例示的なシステムアーキテクチャおよび認証方法の概略図である。
【
図4a】
図4aは、本発明の代替的な実施形態に係る、製品を注文する方法の概略図である。
【
図4b】
図4bは、本発明の例示的な実施形態に係る、認証方法の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の例示的な実施形態に係る、ターゲット宣伝材料を生成する方法を示す。
【
図6】
図6は発明のさらなる代替的な実施形態に係る、製品を注文する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
導入の概要
【0024】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、一般に、選択可能な物品供給システムに関し、より詳細には、システムを用いて、選択された品物および情報を人へ、および人から送るように、かつ、システム管理者に在庫管理および作動状態の情報を提供するように遠隔制御できるシステムに関する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、スマートデバイスを使用して起動することができる自動販売機システムに適用可能である。
【0025】
前述したように、以下の説明のために、本発明に係る自動販売機システムは、時に、「市場販売要素供給システム(Market Merchandising Element Dispensing Systems)」または「MMEDS」と称され、および、用語「ユーザ」は、本発明に係る物品供給システムから選択された品物を得ることを求める個人に適用されると理解されるべきである。用語「システム管理者」は、システムを所有またはサービスする存在を含むと理解されるべきであり、一方、ユーザによって選択可能な物品の供給者は「ブランド所有者」または「ベンダー」と呼ばれる。
【0026】
本発明に係るMMEDSは、温かい食品および冷たい食品、アルコールおよびノンアルコール飲料、タバコ製品、ヘルスケア製品および様々な他の物品のための供給システムを含む。それらは、従来の自動販売機の形態、またはミニ冷却器、冷却器、ディスペンサー、ファウンテンディスペンサー、チェストクーラー、マーチャンダイザー、冷凍庫などの他の形態、またはロッカー、工業用自動販売機などの他の同様の機能を有するデバイスであってもよい。
【0027】
MMEDSは、固定された場所にあってもよいし、可動性があってもよく、牽引車両または運搬車両によって、または自己動力供給車両の形態で、移動可能であってもよい。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、中央ハブと、複数の遠隔配置された物品供給デバイスであって、それぞれのデバイスがプロセッサを含むデバイス、通信チャネルと、および、ハブ、ユーザ、供給デバイスおよびシステム管理者の間の相互通信を提供するように作動するコンピュータソフトウェアと、を含むシステムが提供される。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、上述したように、システムは、少なくとも1つ、好ましくは複数のMMEDSを含む。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、ソフトウェアは中央ハブに配置されたサーバ上で実行される。随意に、ソフトウェアは、ユーザのスマートデバイス上で実行するようにダウンロード可能なアプリケーション(「アプリ」)を含む。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、中央ハブは専用ウェブサイトである。随意に、それは1つ以上のソーシャルメディアウェブサイトのサービスとしてアクセス可能であってもよい。API、Server to Server、アーキテクチャーなどを介した第三者統合のためにアクセス可能であってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、スマートデバイスは、例えば、スマートフォン、タブレット、ファブレット、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、デスクトップコンピュータおよびラップトップコンピュータ、および、ウェアラブル、3Dホログラフィックインターフェイスなどのより風変りなデバイス(コンピュータおよび高度な電子技術を組み込んだ衣服やアクセサリー)、例えば、スマートウォッチなどである。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、アプリを含むすべてのソフトウェアは、中央ハブに含まれるサーバ上で実行され、かつ、インターネットサービスプロバイダまたは電気通信サービスプロバイダを通じ、インターネットを介してユーザのスマートデバイスによってアクセス可能である。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、双方向通信は、有線通信チャネルを介して行われる。他の実施形態によれば、通信チャネルは無線である。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、ソフトウェアおよびハブは、複数のシステム管理者および/またはブランド所有者のためのサービスを提供することができる。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、ソフトウェアは、供給デバイスプロセッサが1つ以上の機能および/またはサービスを提供することを可能にし、これらは、限定されないが、
* 潜在的な消費者のための1つ以上の支払い確認サービスにアクセスすること;
* ブランド所有者の口座へ支払いを送金すること;
* 課税可能な取引に関する情報を税務当局に提供すること;
* 選択された品物をユーザに供給すること;
* データソースにアクセスして、潜在的なユーザ、およびその年齢についての明確な身元確認、および/または他の法的要件への遵守を得ること、例えば、ユーザが、所望の品物、例えばタバコ製品またはアルコール飲料を供給デバイスから受け取ることが合法的に許可されていることを保証すること:
* システム管理者および/またはブランド所有者に、彼らの供給デバイスが補充または修理の必要性を彼らに警告するために、在庫制御および機械作動の状態の情報を提供すること;
* ユーザの事前の了承を得ることを条件として、システム管理者および、ブランド所有者に、供給デバイスまたは他のソースから、特定のユーザの過去の品物および/またはブランドの選択パターンに関してハブを通じて情報を受信できるようにし、かつ、応答して、供給デバイスのディスプレイユニットまたはユーザのスマートデバイス上にターゲット広告メッセージを提供できるようにすること;
および、
* システム管理者および/またはブランド所有者に、特定の場所の供給デバイスにおいてどの品物が利用可能かについて決定することができる、別の場所にある供給デバイスから得られる品物選択パターンデータを受信できるようにすること;
* MMEDS周辺の匿名ユーザ(トラフィック);を含む。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、供給デバイスは入力デバイスを含み、供給デバイスプロセッサは、入力デバイスによって得られた生体データに基づいて、明確な身元確認を開始するように作動する。
【0038】
本発明によって提供することができる他の機能は、関連技術の当業者には明白であろう。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、中央ハブは、様々な機能のミドルウェアを含み、かつ、分配デバイスは、自動システムを生成し、さもなければ受動的なアセット、例えば数々の従来のMMEDSを、ユーザが個人のスマートデバイスを用いて所望の品物を得ることができるデジタルアクセスポイントのネットワークに変換するプロセッサを含む。システムはまた、ユーザとのリアルタイム会話のための通信チャネルを提供する。
【0040】
システムアーキテクチャは、消費者関係管理(Consumer Relationship Management)(CRM)システム(消費者データを管理するハードウェアおよびソフトウェアを含み、それにより、自動販売機システム所有者および利用可能な品物のブランドの所有者がターゲットマーケティング、ならびに便利な遠隔の在庫およびシステムの機能性管理、を可能にする)を可能にするインテリジェントネットワークを生成する。
【0041】
本発明に係るシステムは、人間が介入してもしなくても、オブジェクトが製造業者(ブランド所有者)、サービス組織とデータを交換できるように、エレクトロニクス、ソフトウェア、センサ、および接続性とともに埋め込まれた物理的オブジェクトのネットワークを含むため、モノの産業インターネット(Industrial Internet of Things)の一部であると見なされることができ、ブロックチェーンアーキテクチャの一部であると見なされることもできる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態の別の態様によれば、通信チャネルを通じて中央ハブに接続可能であり、かつ、ハブのサーバ上にインストールされたソフトウェアによってチャネルを通じ遠隔制御可能である、供給デバイスが提供される。随意に、ソフトウェアの一部は、ユーザのスマートデバイス上にインストールするためにダウンロード可能なアプリを含んでいる。
【0043】
いくつかの実施形態では、供給デバイスは上に定義されるようなMMEDSである。
【0044】
いくつかの実施形態では、中央ハブは専用ウェブサイトである。随意に、それは1つ以上のソーシャルメディアウェブサイトを通じてアクセス可能であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、供給デバイスは、潜在的なユーザが利用可能な品物の現在の在庫に関してデータを提供するセンサを含む。いくつかの実施形態では、作動状態情報を提供するセンサも含まれる。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、供給デバイスは、通信チャネルを介してハブに現在のセンサデータを送信するために、中央ハブからのクエリに応答する。いくつかの実施形態では、供給デバイスは、データ伝送を開始するために、ハブに接触するように作動する。
【0047】
いくつかの実施形態では、供給デバイスは、消費者の身元確認データおよび品物選択データをハブに送信するように作動することができ、身元が確認されたユーザが持ちそうな関心に合わせたターゲット広告又は他のメッセージを表示するように応答する。
【0048】
いくつかの実施形態では、供給デバイスは、ハブからの確認メッセージに応じてユーザによって選択された品物を供給するように作動することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、確認メッセージは、1つ以上の、支払い、消費者の身元、品物を入手するための法的許可、または他の情報、に関する。
【0050】
いくつかの実施形態では、供給デバイスは、ユーザが身元を確認することができる入力デバイスを含む。いくつかの実施形態では、身元確認は、例えば、顔面スキャン、網膜スキャンまたは指紋スキャンなどの生体データによって提供される。
【0051】
いくつかの実施形態では、供給デバイスは、メッセージがユーザに配信されうるディスプレイユニットを含む。
【0052】
発明のいくつかの実施形態のさらなる態様によれば、いくつかの利用可能な品物の中からユーザによって選択された品物を供給するように、供給デバイスを遠隔制御する方法が提供され、該選択はスマートデバイスを用いてなされる。
【0053】
いくつかのそのような方法の実施形態によれば、処理ユニットを含み、選択可能な品物を備える供給デバイスは所望の位置に置かれ、ユーザが品物を得ようとした時供給デバイスのプロセッサは通信チャネルを通じ中央ハブに接続可能であり、かつ、ユーザによって所望の品物が選択され取引の許可が確認されたら、供給コマンドが中央ハブから供給デバイスに送信される。選択された品物の供給と共に、情報が、供給デバイスプロセッサから取引に関する中央ハブに送信される。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、取引は、ハブのサーバ上で実行するソフトウェアによって制御される。随意に、取引は、ユーザのスマートデバイス上で実行するアプリによって部分的に制御される。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、ハブに送信された取引情報は、限定されないが、在庫状態情報、作動状態情報、および、ユーザに関する情報、の1つ以上を含む。随意に、ユーザ情報は、ユーザが選択した品物の識別を含む。いくつかの実施形態によれば、取引情報の送信は、供給デバイスプロセッサによって開始される。随意に、送信は中央ハブからのリクエストによって開始される。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、ユーザによる事前の了承を得ることを条件として、ターゲットメッセージは、ユーザのスマートデバイスあるいは供給デバイスの一部であるディスプレイデバイス経由でユーザに配信される。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、ユーザに送信されるメッセージは、供給デバイスからユーザの事前の品物の選択についての情報によって、部分的に決定される。随意に、メッセージはまた、ユーザの関心についての他の情報によって決定される。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、該方法はさらに、課税可能な出来事である取引についての情報の税務当局への送信を含む。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、取引の承認は品物に対する支払いの確認に基づく。随意に、該方法はさらに、システム管理者の口座への支払いを送金することを含む。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、法的に規制された年齢またはその他の制限に係る取引については、取引の承認は、ユーザの身元の確認およびユーザが取引の法的要件を満たしていることの確認に基づく。随意に、ユーザの身元の確認は、供給デバイスに含まれる入力ユニットによって得られた、生体データに基づく。随意に、生体データは、顔面スキャン、網膜スキャンまたは指紋スキャンのうちの1つ以上である。例示的な実施形態の説明
【0061】
ここで
図1aを参照すると、MMEDSシステムのコンテクストにおける本発明に係る、全体的に10で示される物品分配システムの実施形態のブロック図が示されている。
【0062】
システム10は、1つのみが例示として説明を明確に容易にするために示されている複数の供給デバイス12を含み、ユーザのスマートデバイス16を含み、複数のベンダーデータ管理システムを含み、そのうちの1つが18で示されかつ「ベンダー」として図面中に簡単に指定され、および、ソーシャルMMEDSハブとして例示として示されている中央ハブ30を含む。スマートデバイス16は、全体的に14で示されるソフトウェアを含み、これは、システムの使用を許可するためにハブ30にアクセス可能な従来のウェブアクセスソフトウェアを含む。随意に、スマートデバイスソフトウェア14は、ユーザがシステムにアクセスすることができるダウンロードされた専用アプリを含むことができる。
【0063】
供給デバイス12は、例えばMMEDとして示されているが、遠隔のユーザとの相互作用から利益を得ることができる他の用途に使用可能な供給デバイスであってもよいことを理解されたい。同様に、ソーシャルMMEDSハブ30は専用ウェブサイトであってもよい。さらに、ベンダーデータ管理システムは、複数のシステム所有者、契約に基づきシステムをサービスする組織、および、供給デバイス12のうちの別の1つから利用可能な品物の複数のブランドの所有者に属していてもよい。説明を明確かつ容易にするために、それぞれのうちの1つのみが
図1aに示されている。
【0064】
システムの構成要素間の相互通信(両方向矢印で表されている)は、有線または無線チャネルを介して行われうることも理解されたい。
【0065】
供給デバイス12は、本発明の原理に従って修正された既知の電動式自動販売機技術に基づいて様々な形態をとってもよい。従って、供給デバイスはそれぞれ処理ユニット20を含み、それは、選択された品物の供給を制御し、利用可能な品物の在庫を測定し、デバイス、ユーザの身元確認、ハブ30との相互通信の作動状態を測定するための、複数のセンサおよびアクチュエーターを含む。他に示されない場合、機能を実行するために使用される技術は、従来のものであってもよく、その応用は、当業者によって容易に理解されるであろう。
【0066】
処理ユニット20の一実施形態は、MMEDSのコンテクストにおいて一例として説明されており、
図1bに示されている。ユニット20は、ハブ30中の相補的な支払い制御システム、例えば米国メリーランド州Hunt ValleyのNayax Ltd.により利用可能なもの、または任意の他の従来の遠隔支払いシステム、と通信する支払い確認システム22を含む。処理ユニット20はまた、主分配ボード(Main Distribution Board)(MDB)システムを含み、これはユーザと供給デバイス間の通信との相互作用を可能にするが、典型的には、必ずしもハブ30に媒介されない。
【0067】
処理ユニット20は、さらに、必要なデータストレージ、メモリ、および、カスタマイズされたシステム作動ソフトウェア26を実行するマイクロプロセッサユニットを含むプロセッサコントローラ25、を含む。処理ユニット20は、さらに、複数のセンサ27を含み、例えば、利用可能な品物の各々のための在庫計数器、温度センサ、湿度センサ、磁気センサ、重量センサ、検出器、レシーバー、ジャイロスコープ、3Dタッチセンサおよびユーザの生体認証用の視覚的なスキャナのうちの1つ以上を含む。センサは、ハブ30に直接、またはプロセッサコントローラ25を介して接続される。ハブ30はまた、以下でより詳細に説明するように、コントローラプロセッサ25によって実行される作動コマンドを供給ユニット12に提供する。
【0068】
図1aを再び参照すると、以前に述べたように、処理ユニット20は、双方向通信のためにユーザのスマートデバイス16にハブ30を介して接続され、ワールドワイドウェブまたはクラウド中の複数の遠隔システムサーバおよび第三者サーバを含む。スマートデバイス16はそれぞれ、ハブ30に関連するサーバ上で実行するウェブアプリを通じて、ダウンロードされうるかまたはアクセスされうるシステムアプリ14を実行する。ユーザは、個人のデータを提供する従来の登録プロセスによって、または、システムが匿名での使用のために構成される場合には登録せずに、システムにアクセスできる。後者の場合、ハブソフトウェアは、支払い命令、例えばクレジットカード番号またはデビットカード番号、をユーザから得るであろう。支払い要求が受理されたという確認がとれたら、許可通知が支払い確認システム22に送信され、供給デバイスは選択された品物を供給するために起動される。
【0069】
1人以上のブランド所有者またはベンダー18は、様々なMMEDSとの、またはそれを通じてのモニタリングおよび通信のための、ハブ30への双方向通信のために接続される。あるいは、ベンダー18は、MMEDS内の処理ユニット20と直接通信して、そのMMEDSから情報を収集し、ユーザのスマートデバイスと直接通信することができる。
【0070】
図2は、本発明の方法のいくつかの特徴を高レベルで抽象化して示したブロック図であり、そのうちの1つ以上が本発明の様々な実施形態で実装されている。再び、例示として、これらはMMEDS/ソーシャルハブアプリケーションのコンテクストにおいて示される。
【0071】
このような全ての実施形態では、全体の作動は、ハブ30に随意に配置されたサービス機能ソフトウェア36と、供給デバイス32のプロセッサユニットソフトウェア33に含まれる取引制御ソフトウェアと、およびユーザのスマートデバイスにインストールされたサービス要求ソフトウェア34との相互作用によって制御される。随意に、しかしながら、実際のサービス要求ソフトウェアは、サービス機能ソフトウェア36の一部であってもよい。後者の場合、当業者には理解されるであろうが、サービス要求ソフトウェアは、どんなものであれユーザのスマートデバイス上で利用可能なウェブブラウザアプリケーションによってアクセスされる。
【0072】
上記のソフトウェアアプリケーションは、有線または無線チャネルを介した双方向通信のために接続され、以前説明したように、これによりユーザの取引、在庫の制御、およびシステムメンテナンス警告のオンラインまたはオフラインの管理が可能になる。
【0073】
これらの機能に加えて、サービス機能ソフトウェア36は、いくつかの方法の実施形態による、より高度な機能でさえいくつか提供するようにプログラムすることができる。例えば、双方向通信は、消費者の個人的な詳細の確認および認証のために、1つ以上の独立したデータベース管理システム38とともに提供されてもよい。これらの詳細は、ハブ30に保存することができ、再び外部データベースにアクセスすることを要求せずに、同じユーザによる以降の取引に再び使用することができる。
【0074】
したがって、新しいユーザがシステムへのアクセスを求める時に、ユーザの名前、およびそのユーザの携帯電話番号、配達住所、および意図した支払い方法、例えばクレジットカード、デビットカード、PayPal等、のうちの1つ以上を含む身元確認データが、それぞれの場合に応じて、必要になることがある。
【0075】
これらの基本データ以外にも、ユーザが法的に規制されたある特定の取引を行うことを希望する場合は、追加情報が必要となることがある。このような取引には、典型的には特定の年齢以下の人は関われない、アルコール飲料、たばこ製品、成人向け娯楽用具、抽選くじなどの購入が含まれる。現在、遠隔販売者は、そのような製品を販売することを選択しないか、または買う人の年齢または他の特徴についての宣言を、その宣言が真実か偽証かを判断する方法なしに、信頼しなければならない。したがって、ベンダーは、禁止されている製品を違法にユーザに販売することによって、知らないうちに法律を破ることがある。出願人に知られている従来の用途のいずれにおいても、特定の年齢以上の人にしか得られないグッズまたはサービスの販売または無料配布が関わる時、要求されるユーザの年齢の認証は、ユーザの有効性の申告、および、おそらくは、何らかの身分証明書を提示しかなかった。
【0076】
本発明は、ユーザの申告とは無関係に、ユーザの年齢(および/または他の個人データ)を認証または確認する方法を提供する。これは、独立した外部のデータベース38にアクセスすることによって、例えば、生体スキャン、例えば指紋、網膜、または顔面の画像スキャンに基づいて、またはそういった性能がある場合のユーザのスマートデバイスによる類似のスキャンを介して供給デバイスのところで得られた、明確かつ客観的な身元確認データに基づき、ユーザの年齢および身元の関連付けが達成される。
【0077】
データベース38は、出生証明書などの信頼できる一次資料、または、パスポート、免許証、または政府の発行した身分証明などの二次資料から年齢データが確認されている限り、公的または私的な法人によって維持されるものであってもよい。
【0078】
明確な身元および年齢の確認のさらなる資料として、スマート身分証明カードは、確認された年齢および生体データの両方を提供するようにプログラムされることができ、分配デバイスは互換性のあるカードリーダーを含んでもよい。
【0079】
さらに進む前に、スマートデバイスのタッチスクリーン機能、または、利用可能であれば音声認識を使用して、ユーザのシステムとの対話を達成できることに留意されたい。
【0080】
前述のことを念頭に置いて、本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な方法を
図3に概略的に示す。
【0081】
最初に、ユーザは、MMEDSで自分のスマートデバイスを用いて所望の製品またはサービスを選択する(ブロック70)。
【0082】
これは、いくつかの方法のうちの1つで開始できる。ユーザがダウンロードしたアプリまたは従来のインターネットアクセスを用いてシステムにアクセスした後、ユーザは、MMEDSのディスプレイデバイス上に見えるか、さもなければデバイス上に表示される身元確認コードを入力するよう促されうる。あるいは、GPSに基づく位置特定システムを使用することができる。さらなる選択肢として、MMEDSの場所のリストが提供され、そこからユーザが選択を行うことができる。他の可能性も同様に当業者には明らかであろう。
【0083】
使用される予定のMMEDSが識別されると、利用可能な品物のリストがユーザに送信される。所望の製品またはサービスが選択された後、MMEDSは、すべての要求された条件、例えばユーザから受理可能な身元確認の受け取り、に従い、チェックアウトプロセス(ブロック72)を進める。ユーザは、次いで、支払いおよび/または払い戻しの方法(すなわち、ある種の商品券または特別オファー)など、提案された商業的条件を選択する(ブロック74)。商業的条件は、例えば、中央ハブを通じての、クレジットカードなどの選択された支払代理店、またはPay Palなどの設備へのクエリによって確認される(ブロック76)。
【0084】
その後、所望の取引に適用可能な法的条件または要件が、もしあるなら、調べられる(ブロック78)。例えば、法的要件は、購入する場所および/または時間を含むことができる。このような条件に関するデータは、サービス機能処理ユニット36に関連するデータベースに保存されてもよい(
図2参照)。
【0085】
取引が法的要件を満たす場合(ブロック79)、システムは、次に、ユーザ年齢要件もあるかどうかを判定する(ブロック80)。年齢要件がない場合、取引は承認され、選択された品物は受け取りエリアに供給されるか、またはアクセスドアがロック解除される(ブロック82)。
【0086】
年齢確認が必要な場合、年齢確認プロセスは、年齢確認用の公的なサーバおよびデータベース(ブロック85)を介して、実行される(ブロック84)。ユーザの年齢
が、取引が許可されるような年齢である場合、取引は承認され、選択された品物はユーザに供給されるか、またはアクセス可能になる(ブロック82)。ユーザの年齢を確認することができないか、ユーザが未成年ならば、供給されないであろう(ブロック86)。
【0087】
好ましくは、ユーザが、自分の名前および/または携帯電話番号および/または個人識別番号および/または配達住所および/またはクレジットカードの詳細および/または指紋および/または他の生体データなどを入力した後、ユーザは、ベンダーにアクセスされる外部データベースがユーザの詳細を有することを同意するよう要求されるであろう。そのような同意は、ユーザ登録の時に前もって得られてもよい。いくつかの実施形態では、適切な同意がなければ、その取引は異常終了する。
【0088】
公的記録または機密記録へのアクセスは、同様の状態でデータベース所有者が要求する個人データの保護に関する法的基準に従ってなされるであろうことも、認識されたい。随意に、適切な暗号化がデータベース所有者によって使用されてもよい。随意に、供給デバイスと中央ハブの間で通信される個人情報も暗号化されてもよい。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態によれば、品物は、後で受け取るために事前に注文することができる。例えば、ユーザは、上演の開催地以外の場所で、ユーザの都合の良いときに受け取るために、演劇、映画、またはコンサートのチケットを事前に注文してもよい。
【0090】
本発明の実施形態に係る、ユーザ/購入者の認証を含む、事前に製品を注文する例示的な方法の概略図が、
図4aおよび
図4bに、概略的に示されている。ユーザ/買い手の属性の認証が必要な時、ユーザのスマートデバイス中で実行するアプリ(ソフトウェアアプリケーション)を単独で使用して、または、以前に述べたように、従来のインターネットアクセスを通じて、この方法を、即時供給のために、または機械に到着する前に製品を注文するために、使用することができる。事前注文オプションを利用するために、登録時に、ユーザの指紋または他の生体識別子がユーザのスマートデバイスを介してサーバに入力され、ハブサーバ38に保存される(
図2参照)。
【0091】
どのオプションによっても、例えば
図3(ブロック90)に関連して説明したように、取引は選択プロセスとともに始まり、受け取り位置の識別および製品選択を含む。選択されたMMEDSから後で収集することが所望される場合、それも示される。
【0092】
次に、この方法は、すべての要求された条件の遵守を含む、チェックアウトプロセス(ブロック92)に進む。商業的条件、例えば、支払いおよび/または払い戻し、が選択される(ブロック94)。これは中央ハブで確認される(ブロック96)。提案された商業的条件が受理されれば、上記のような法的条件または要件の存在が判定される(ブロック98)。例えば、法的条件は、取引に許可された場所および/または日時を含みうる。取引に許容された時間が日によって変化する場合、取引が完了する日も確認される(ブロック99)。
【0093】
次に、提案された取引に適用可能な年齢要件があるかどうかが判定される(ブロック100)。もしなければ、注文は承認され(ブロック102)、供給デバイスは、要求に応じて製品を供給することができ、または、ユーザが指定していれば、所望の受渡時間に製品を供給することができる(ブロック103)。
【0094】
図4aに示されるように、年齢確認が必要な場合、年齢確認のために適切なデータソースを使用して(ブロック106)、年齢確認および生体認証プロセスが実行される(ブロック104)。これは、上述したようないくつかのオプションの1つによって達成することができる。
図4aおよび4bの実施形態については、確認は、GSMA Mobile Connect、すなわち Groupe Speciale Mobile(もともとはConfederation of European Posts and Telecommunications(CEPT)が汎ヨーロッパモバイル技術を設計するために創設された)によって世界的に提供され、かつ今や全世界で利用可能なサービス、などの私営データベースから提供され得る。
【0095】
ユーザ/購入者の年齢が取引のために確認する必要がある場合、ユーザ/購入者は、自分の身元を確認するために、スマートデバイスを介して指紋(または他の生体識別子)を入力するように促される。サーバは、入力された生物学的識別子が確認されるユーザ/購入者のものであることを確認して、注文が承認されるであろう(ブロック102)。
【0096】
製品またはサービスがすぐに収集されない場合、ユーザは、認証された注文を待機モードで保持するように手配することができる。これは、中央ハブを通じて、指紋などのユーザに固有の生体識別子を供給デバイスに再び入力する(ブロック110)ことによって達成することができる(ブロック108)。ユーザが供給デバイスに到着する時、それは特定または不特定の期間の直後または後であってもよいが、ユーザは、自分の生体識別子を、供給デバイスの一部である生体データ入力ユニットに供給する(ブロック112)。次いで、ユーザによって提供される生体認証データは、例えば注文があった時に、送信された指紋とユーザのスマートデバイスを通じて提供された指紋とを比較する(ブロック114)ことによるユーザの身元確認、のためにハブに送信される。2つの指紋が一致する場合、供給が承認され、かつ、ユーザは注文した製品を取り払うことができる(ブロック116)。一致しなければ、製品は供給されないであろう(ブロック118)。
【0097】
本発明の別の任意の特徴によれば、システムは、税務当局に情報を提供しかつ納税する方法を実行するために使用されてもよい。理解されるように、多くの取引は、販売価格に基づいてその土地の販売税または付加価値税の対象となる。その他の取引、特に自動販売機を通じての取引は、グッズおよびサービスの種類、および/または供給デバイスの位置に応じて、免税になることがある。同様に理解されるように、供給デバイスのオペレーターは、課税対象品目に対する税金の徴収、販売の報告、税金の納付の責任を負う。現在、オペレーターは、オフラインデータ収集システムおよび/または手動プロセスを通じて取引データを取得し、次に税務当局に報告書を準備しなければならないため、このプロセスは、特に多くの販売場所を有するシステムのオペレーターにとっては、時間がかかり負担となる可能性がある。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態によれば、この退屈な作業は、都合の良いことに、中央ハブで実行されるデータ処理と、関連する税務当局へのデータの送信とによって、自動化することができる。いくつかの実施形態では、定義で供給される品目のそれぞれの数量を識別する在庫データは、関連するデータベースに保存された販売価格、税率、および課税可能な状況の情報と共に、サービス機能ソフトウェア36(
図2参照)によって使用され、適切な報告を作成し、その情報を税務当局のサーバ40に伝える。
【0099】
同時に、サービス機能ソフトウェア36は、システム所有者またはブランド所有者の口座から税務当局の口座へ、必要な納税額の送金を開始することができる。
【0100】
さらに
図2を参照すると、いくつかの実例では、ある特定のユーザ、例えば観光客、は付加価値税などの税を免除されてもよい。そのような状態を説明するために、ユーザのスマートデバイス34上で実行するソフトウェア、供給デバイス32、および中央ハブソフトウェア36は、ユーザ身元確認データが、そのような状態を認識し、かつ、それに応じて取引価格を調節し、または、ユーザに還付するため、支払われた税金を適切な税務当局に報告するために使用されうるようにプログラムされてもよい。
【0101】
理解されるように、いくつかの品物は、他の場所より、ある場所において、より容易に売れるであろう。本発明の別の特徴によれば、システムは、システムオペレーター、および、供給デバイスを通じて分配される品物のブランドの所有者、によって使用されることで、供給デバイスの場所に応じてどの品物をどれだけ供給デバイス内にストックするべきかということに関して情報に基づく決定が下される。
【0102】
さらに
図2を参照すると、そのような実施形態では、供給デバイス32上で実行するソフトウェアによって送信される在庫データは、供給デバイスの位置と品物の人気を相互に関連させ、供給デバイスの場所に応じた、供給デバイスにとって有利なストックのパターンを示す報告をシステムオペレーターに提供するために、中央ハブソフトウェア36によって使用される。
【0103】
同様の情報を、ブランド所有者の独立したデータベース38に送信することができ、そこから、特定の品目を、その時点でストックされているものに代わり、またはそれに加えて、供給デバイスで利用可能にするべきかどうかに関する、情報に基づく決定を下すことができる。
【0104】
本発明は、さらに、ターゲットマーケティングの概念が自動販売機環境において効果的に適用されることを可能にする。ターゲットマーケティングは、消費者は一般化された広告よりも、自分の興味や以前の購買行動に関連する広告により影響されやすいという証明された事実に基づく。この概念は、ダイレクトメール広告プログラムで長年利用されており、現代においてはオンラインで広く利用されてきた。ターゲット広告を開発するための技術(データ解析論など)はマーケティングや宣伝の専門家にはよく知られており、ここで詳しく説明する必要はない。
【0105】
利用可能な技術であるにもかかわらず、今まで、自動販売機での販売のコンテクストにおいてはターゲットマーケティングの概念を適用することは実用的ではなかった。本発明のいくつかの実施形態の特徴は、システムがそれを行うことを実用的にすることである。
【0106】
図5を参照すると、ターゲットマーケティングの性能を提供する実施形態では、ユーザ身元確認データおよび製品選択データが、供給デバイス32から機能ソフトウェア36を実行するハブサーバに送信された後、情報は、適用可能なブランド所有者に関連するサーバに直ちに送信される(ブロック124)。典型的には、商業的条件情報が提出され処理される前に、ハブサーバはこの情報を受信する。ブランド所有者のサーバへの即時送信により、取引が処理されている間にターゲット広告が生成され、表示されることが可能になる。
【0107】
身元確認情報がハブサーバに受け取られる時、ユーザが宣伝材料を受け取ることに同意したことを確認する予備チェックを行う(ブロック126)。ユーザが最初にシステムへのアクセスを登録し、ユーザの他の身元を確認するデータをハブに保存した時点で、同意することが勧められる。随意に、取引時に最初の身元を確認するデータを受け取ったときに、ハブサーバは推奨を送信する。
【0108】
ブロック126でのチェックが否定的なものである場合、ターゲット広告プロセスは終了される(ブロック128)。肯定的なものである場合、身元を確認するデータは、選択された製品のブランド所有者に関連するサーバに送信される(ブロック130)。
【0109】
ブロック132では、ブランド所有者のサーバは、ブランド所有者の製品、ブランド所有者のウェブサイトでの閲覧履歴、およびユーザの興味に関連する他の利用可能な情報を含む、ユーザの取引に関する利用可能なすべてのデータにアクセスする。情報は、次に、例えば上記の従来技術または所有のデータ解析アルゴリズムまたはブランド所有者の他の所有の技術を用いて分析され、ユーザが関心を持ちそうな、例えば準備された材料のデータベースから、宣伝情報を選択する(ブロック134)。選択された宣伝情報は、次に、ユーザへの表示のためにハブを通じて返送される(ブロック136)。この情報は、ユーザのスマートデバイスに表示するためにそこに送信され、内蔵ディスプレイデバイス上に表示するために供給デバイスに送信することができる。
【0110】
ブランド所有者の設備にあるサーバの代わりに、バックオフィスが、ハブによって、そのサービスを望む各ブランド所有者に提供されてもよい。類似のバックオフィスは、サービスに登録されているシステム所有者および/または保守組織(まとめていうとクライアント)に提供されうる。
【0111】
特定のサービス機能は、選択された消費者関係管理(Consumer Relationship Management)(CRM)プロトコルおよび他のニーズに従って提供される様々なサービスの中から、各クライアントによって選択されうる。これにより、本発明のシステムは、複数のベンダーシステムに属する供給デバイスの位置で利用可能な品物のブランドの市場浸透に関する情報を統合でき、かつ、すべてのシステムのクライアントに関連するような新しく導入された製品の浸透度を測ることができる。
【0112】
したがって、システムのクライアントは、関連情報を定期的に、または、本質的にはリアルタイムで提供できる、供給機械および分析ツール(モノの産業インターネット)のインテリジェントネットワークの一部となる。このすべてのビジネスデータをアクセス可能な中央ロケーションに(ビジネス間の機密性の制限を条件として)保存することにより、経営陣と従業員は、必要な時に、最も有用な形で、最新のデータに直ちにアクセスできる。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、(システムに登録されているか否かにかかわらず)潜在的なユーザが供給デバイスに近づくと、その中の処理ユニットは、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi接続、GPS受信機などによって提供される機能を使用してその存在を感知することによって、ユーザのスマートデバイスの存在をしばしば検出することができる。ユーザがその場所の選択された距離内に近づいた時、供給デバイスは起動されることができ、保存されたメッセージ、または中央ハブサーバから送信されたメッセージを、それ自体のディスプレイデバイス上またはユーザ自体のスマートデバイス上に表示する。
【0114】
さらに、供給デバイスプロセッサユニットがユーザを認識できる場合、表示されるメッセージを個人に合わせたものにすることができ、例えば、一般化されたメッセージを、ユーザの名前を含む挨拶で始めることができる。あるいは、取引が開始される前であっても、身元を確認された人物が取引を開始する意思を示さなかった場合であっても、ターゲット宣伝メッセージを表示してもよい。
【0115】
例えば、供給デバイスに歩いてくるマリアという名の人が認識されれば、MMEDS機械のスクリーンは、「こんにちは、マリア。喉が乾いたんですか?」という言葉、または、登録ユーザの誕生日には「誕生日おめでとうマリア」という言葉を表示することができる。このメッセージは、随意に、MMDSに組み込まれたスピーカーによって口頭でも表現されてもよい。
【0116】
宣伝材料の例には、幅広く利用可能な特別オファーや、ユーザのためにその人に合うようにしたものなどが含まれる。宣伝メッセージも、身元が確認されたユーザに対し口頭で表現されてもよいことが理解されるであろう。
【0117】
もう1つのオプションは、システムが、ユーザ購入履歴情報を用いて、時間限定の割引またはその他の特別オファー、例えば、「今すぐ何かを買って、その購入で無料のホットまたはコールドドリンクを受け取ろう」などで、消費者の忠実さに報いて、常連ユーザ褒賞システムを確立することである。あるいは、単にプログラムへの参加を促進するメッセージを送ることができる。理解されるように、ユーザがたくさん買うほど、ユーザの消費習慣や関心が明らかになり、これにより、ターゲットマーケティングプログラムの効果を高めることができる。
【0118】
選択された品物の支払いは、典型的には、ユーザのスマートデバイスを通じてデジタル的に行われる。しかしながら、供給デバイスは現金またはクレジットカードまたはデビットカードを受理することにより、比較的従来の方法でも使用することができる。そのようなカードがユーザの身元確認を提供するため、購入の詳細は、純粋なデジタル取引の場合のように、顧客のマーケティングプログラムで使用することができる。
【0119】
加えて、このシステムは、直接的に、またはできる限り、雇用された広告の専門家と協力して使用することができ、または、広告代理店へのパイプ役として使用することで、クライアントの特定の製品のための広告キャンペーンを作成することができる。クライアントは、そのターゲットになる観衆、目標、広告を流すのに好ましいチャンネル、アクションプランの工程などを入力することができる。システムは、時間の経過とともに、指定された地理的位置にある様々な供給デバイスの統計とともに提供される情報を補うことができ、データを分析して、プロセスに参加する人のために使用可能な形式でそれを提示することができる。それは、システムにあらかじめ保存されたか、または重点的なインターネット検索から集められた画像や音楽などを提案もして、入力要件を満たす適切な広告キャンペーンを作成するのにも役立つ。そのようなコンピュータと人間の相互作用は広告業界においては従来からあるが、供給デバイスネットワークのコンテクストには今まで適用されていなかった。
【0120】
記載された方法の工程は、例証のために特定の順序で実行され、限定のためではないことに留意されたい。状態に応じて、パフォーマンスの順序が異なると、取引の効率が向上する場合がある。タバコ製品またはアルコール飲料を供給することができるMMEDSに特に適用可能な変形例を
図6に示す。ここで、以前に記述されたように取引が開始された後、次の動作は、例えば、私営データベース152および/または公的データベース154によって前述したように提供される生体データを用いる、ユーザ認証(ブロック150)である。潜在的なユーザの身元が確認できなければ、取引は直ちに終了する(ブロック156)。
【0121】
ユーザの身元が確認される場合、年齢確認が、私営データベース160および/または公的データベース162へのアクセスを通じて行われる(ブロック158)。随意に、同じデータベースを身元確認および年齢確認に使用することができる。随意に、2つの確認工程を同時に行うことができる。理解されるように、ユーザの年齢の適格性を確認することができなければ、処理は終了する(ブロック164)。
【0122】
ユーザの年齢適格性が確認された場合、その取引は、任意の他の法的要件が存在し、かつ満たされる場合かどうかの判定に進む(ブロック166)。そのような要件に関する情報は、前述したように、中央ハブに関連付けられたデータベース168に保存されてもよい。そのような法的要件が存在し、かつ満たされない場合、処理は終了する(ブロック170)。
【0123】
既存の要件がすべて満たされる場合、取引は品物選択プロセス(ブロック172)、チャックアウトプロセス(ブロック174)、ハブサーバへのアクセス(ブロック178)を通じて商業的条件の確認(ブロック176)へと進み、これらすべて先述の
ように実行されてもよい。
【0124】
ユーザに提案された商業的条件が受理されない場合、取引は終了する(ブロック180)。それらが受理される場合、供給は承認され、かつ、選択された品物は供給される(ブロック182)。
【0125】
要約すると、本発明の実施形態の方法および/またはシステムによる機能のいくつかの実装は、従来のデータ処理技術を利用するものとして説明されていることを理解されたい。簡潔さのために、必要なプログラミングを生成するために、このような技術がどのように使用されるかについての詳細、および、そのようなプログラミングの詳細は、当業者には周知であるので、記述されていなかったが、他方で、発明の特徴を表わすシステムアーキテクチャとプログラム機能は完全に開示され、かつ、必要に応じて例証された。
【0126】
例えば、本発明の実施形態に係る選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、適切に商業的に利用可能なストレージおよびメモリデバイス、ディスプレイデバイス、生体スキャナ、およびネットワーク接続デバイスと組み合わせて、ASICチップまたは回路として実装することができる。随意に、キーボード、タッチスクリーン、マウスあるいは音声認識などのユーザ入力デバイスが、例えばスマートデバイスを持っていないユーザのために、供給デバイスによって提供されうる。
【0127】
特段定めのない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語と科学用語は、本発明が関連する技術分野における当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有するとさらに理解されたい。本明細書に記載されたものと類似または同等の方法および材料が、本発明の実施形態の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が統制力を持つ(control)。加えて、材料、方法、および実施例は単なる例示に過ぎず、必ずしも限定的なものではない。
【0128】
本発明は限られた数の実施形態に関して記載されているが、多くの本発明の改良、修正、および他の適用がなされてもよいことが企図されよう。本発明は、単なる例として上に記載されたものに限定されないことがさらに理解されるであろう。むしろ、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。