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特許7403951画像形成装置およびその制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】画像形成装置およびその制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20231218BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231218BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20231218BHJP
   H04N 1/48 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H04N1/60
G03G15/00 303
G06T1/00 460D
H04N1/48
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018246039
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020108037
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 慶太
【合議体】
【審判長】五十嵐 努
【審判官】樫本 剛
【審判官】高橋 宣博
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-103805(JP,A)
【文献】特開2003-60917(JP,A)
【文献】特開2006-254409(JP,A)
【文献】特開2007-329929(JP,A)
【文献】特開2016-52063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/46 - 1/62
H04N 1/00
H04N 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿トレイを有する原稿フィーダーと、
原稿を置く原稿台を有する読み取り手段と、
操作部と、
を有する画像形成装置であり、
キャリブレーションを実行する指示に従って、複数の記録媒体上にテスト画像を形成する形成手段と、
前記形成手段により前記複数の記録媒体上に前記テスト画像を形成した後に、搬送手段に前記複数の記録媒体が載置された検知結果に基づき、前記搬送手段により搬送される前記複数の記録媒体上に形成された前記テスト画像を読み取らせ、前記読み取り得られたデータを用いて前記キャリブレーションを実行するための補正データを生成し、
前記形成手段により前記複数の記録媒体上に前記テスト画像を形成した後に、前記複数の記録媒体のうちの1つの記録媒体が前記原稿台に載置された検知結果に基づき、前記複数の記録媒体の中から、前記原稿台に載置された第1の記録媒体上に形成された第1のテスト画像を読み取らせ、前記複数の記録媒体のうちの1つの記録媒体が前記原稿台に載置された検知結果に基づき、前記原稿台に載置された第2の記録媒体上に形成された第2のテスト画像を読み取らせ、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とを読み取ることによって得られたデータを用いて、前記キャリブレーションを実行するための補正データを生成する生成手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
さらに、前記複数の記録媒体のうち少なくとも1つの記録媒体が前記搬送手段と前記原稿台の両方に置かれる場合、前記操作部にエラーメッセージを表示させる第1の表示制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の記録媒体上のテスト画像は、画像形成に使用するディザパターンがそれぞれ異なる画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の記録媒体の中から、少なくとも2つの記録媒体が前記原稿台に置かれる場合、前記第1のテスト画像に対応する補正データを生成してから、前記第2のテスト画像を読み取り、前記第2のテスト画像を読み取ることで取得された画像から得られる濃度情報を用いて、前記第2のテスト画像に対応する補正データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
さらに、前記複数の記録媒体の少なくとも1枚を前記搬送手段と前記原稿台のいずれかに置くことを前記操作部に表示させる第3の表示制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
原稿トレイを有する原稿フィーダーと、
原稿を置く原稿台を有する読み取り手段と、
操作部と
を有する画像形成装置の制御方法であり、
キャリブレーションを実行する指示に従って、複数の記録媒体上にテスト画像を形成する形成ステップと、
前記形成ステップにより前記複数の記録媒体上に前記テスト画像を形成した後に、搬送手段に前記複数の記録媒体が載置された検知結果に基づき、前記搬送手段により搬送される前記複数の記録媒体上に形成された前記テスト画像を読み取らせ、前記読み取り得られたデータを用いて前記キャリブレーションを実行するための補正データを生成し、
前記形成ステップにより前記複数の記録媒体上に前記テスト画像を形成した後に、前記複数の記録媒体のうちの1つの記録媒体が前記原稿台に載置された検知結果に基づき、前記複数の記録媒体の中から、前記原稿台に載置された第1の記録媒体上に形成された第1のテスト画像を読み取らせ、前記複数の記録媒体のうちの1つの記録媒体が前記原稿台に載置された検知結果に基づき、前記原稿台に載置された第2の記録媒体上に形成された第2のテスト画像を読み取らせ、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とを読み取ることによって得られたデータを用いて、前記キャリブレーションを実行するための補正データを生成する生成ステップと
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
さらに、前記複数の記録媒体のうち少なくとも1つの記録媒体が前記搬送手段と前記原稿台の両方に置かれる場合、前記操作部にエラーメッセージを表示させる第1の表示制御ステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
前記複数の記録媒体上のテスト画像は、画像形成に使用するディザパターンがそれぞれ異なる画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
前記複数の記録媒体の中から、少なくとも2つの記録媒体が前記原稿台に置かれる場合、前記第1のテスト画像に対応する補正データを生成してから、前記第2のテスト画像を読み取り、前記第2のテスト画像を読み取ることで取得された画像から得られる濃度情報を用いて、前記第2のテスト画像に対応する補正データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
さらに、前記複数の記録媒体の少なくとも1枚を前記搬送手段と前記原稿台のいずれかに置くことを前記操作部に表示させる第3の表示制御ステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置におけるキャリブレーション制御に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置を継続して使用すると、用紙に印刷される画像の濃度は多様な要因により変動する。例えば、画像形成装置を構成するパーツの劣化度、画像形成装置が設置された環境(温湿度)、画像形成装置が印刷を行う際に用いるトナーや用紙などの消耗品などが画像の濃度の変動の要因として挙げられる。
【0003】
よって、画像形成装置により印刷される画像の濃度が目標となる濃度で印刷されるように、キャリブレーションが実行される。具体的には、パッチ画像を用紙などの媒体に対し印刷したテストパターンを読み取った結果と目標となる濃度との色差を用いて補正データを生成する。
【0004】
特許文献1は、自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder、以下ADFと呼ぶ)により搬送される原稿上のテストパターンをスキャナで読み取ることで効率的に補正データを生成する画像形成装置について開示する。
【0005】
特許文献2は、ADFを搭載する画像形成装置はADFにより搬送される原稿上のテストパターンを読み取った結果を用いて補正データを生成する。また、ADFが搭載されていない画像形成装置は原稿台に載置された原稿上のテストパターンを読み取った結果を用いて補正データを生成する点について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-329929
【文献】特開2002-59626
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ADFにより搬送される原稿を読み取る方法は、原稿台に載置された原稿を読み取る方法と比べて、原稿押圧板を開閉する作業が不要になる。よって、複数の原稿を一度に連続して読み取る際に、ユーザの作業負荷を低減できる。一方、原稿台に載置された原稿を読み取る方法は、ADFにより搬送される原稿を読み取る方法と比べて、読み取り精度が高い場合がある。
【0008】
よって、これら2つの読み取り方法を1台の画像形成装置に搭載し、ユーザの目的に応じて読み取り方法を使い分けるようにすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、原稿トレイを有する原稿フィーダーと、原稿を置く原稿台を有する読み取り手段と、操作部と、を有する画像形成装置であり、キャリブレーションを実行する指示に従って、複数の記録媒体上にテスト画像を形成する形成手段と、前記形成手段により前記複数の記録媒体上に前記テスト画像を形成した後に、搬送手段に前記複数の記録媒体が載置された検知結果に基づき、前記搬送手段により搬送される前記複数の記録媒体上に形成された前記テスト画像を読み取らせ、前記読み取り得られたデータを用いて前記キャリブレーションを実行するための補正データを生成し、前記形成手段により前記複数の記録媒体上に前記テスト画像を形成した後に、前記複数の記録媒体のうちの1つの記録媒体が前記原稿台に載置された検知結果に基づき、前記複数の記録媒体の中から、前記原稿台に載置された第1の記録媒体上に形成された第1のテスト画像を読み取らせ、前記複数の記録媒体のうちの1つの記録媒体が前記原稿台に載置された検知結果に基づき、前記原稿台に載置された第2の記録媒体上に形成された第2のテスト画像を読み取らせ、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とを読み取ることによって得られたデータを用いて、前記キャリブレーションを実行するための補正データを生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザが所望の原稿載置位置にテストパターンが印刷された原稿であるチャートを載置すると、この載置された位置に基づき、キャリブレーションを実行する補正モードが自動的に決定される。これにより、原稿載置位置に基づき自動的に決定されたモードに従ったフローでキャリブレーションを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施例における画像形成装置のシステムブロック図。
図2】本実施例におけるスキャナ部を示す図。
図3】本実施例におけるスキャナ部を制御する制御部のブロック図。
図4】本実施例1における動作を示すフローチャート。
図5】本実施例における動作モードの判定方法について示す図。
図6】本実施例1における画面表示例について説明する図。
図7】本実施例2における動作を示すフローチャート。
図8】本実施例2における画面表示例について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳しく説明する。
【0013】
なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【実施例1】
【0014】
図1は、本実施例における画像形成装置に含まれる制御ユニット115のブロック図である。制御ユニット115の各構成部は、システムバス101及び画像バス110に接続されている。ROM102には、システムのブートプログラムが格納されている。また本実施例の各手段を実現するシステムソフトウェアはROM102または、蓄積メモリ105に記憶されており、CPU103により実行される。RAM104は、CPU103がソフトウェアを実行するためのシステムワークメモリエリアであり、画像データを処理する際に一時記憶するための画像メモリでもある。蓄積メモリ105は、内部ストレージとして使用される。スキャナ部112により読み取られたデータや、画像データ、システムソフトウェアなどが記憶される。蓄積メモリ105は、HDD(ハードディスク)や、SSD(SolidStateDrive)から構成される。LAN(ローカルエリアネットワーク)I/F部106は、LANと接続するためのI/F部でありLANに接続された各機器との情報の入出力を行う。回線I/F部107は、WANと接続するためのI/F部でありWANに接続された各機器との情報の入出力を行う。以上の構成がシステムバス101上に配置される。IO制御部A109は、システムバス101と画像データを高速で転送する画像バス110を接続し、システムバス101データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス110は、PCIバスやIEEE1394、PCIExなどの汎用バスで構成される。画像バス110上には以下の構成が配置される。画像入出力デバイスであるスキャナ部112やプリンタ部113と画像処理部111を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。画像処理部111は、入力及び出力画像データに対し解像度変換、圧縮伸張、2値多値変換などの画像処理を行う複数のASICから構成される。画像データの操作部制御部B108は、操作部(User Interface、以下UIと呼ぶ)114とのインターフェース部で、操作部に表示する画像データを操作部に対して出力する。また、操作部から本システム使用者が入力した情報を、CPU103に伝える役割をする。表示装置やキーパッド装置を搭載する操作部114をソフトウェアが制御するためのI/F部である。本実施例において、操作部114は、LCDタッチパネル等から構成され、操作部制御部B108から出力される、VGA信号を解釈して表示する。
【0015】
図2はスキャナ部112のDF(Document Feeder)ユニット200の内部構造を示す側断面図である。DFユニット200には読み取り原稿を積載するための原稿トレイ201があり、原稿トレイ201上に、原稿有無を検知するためのドキュメントセンサ203と2つの原稿ガイド202、原稿サイズ検知センサ204が設けられている。用紙搬送路中にあるドキュメントセンサ203に原稿があると検知されると、検知された原稿が搬送される。原稿ガイド202は原稿縦方向(原稿の搬送方向と垂直)に2つ並んで設けられ、原稿トレイ201上に積載された原稿はピックアップローラ205、搬送ローラ207、排紙ローラ209の3つのローラにより搬送される。ピックアップローラ205は原稿トレイ201に積載された原稿をDFユニット内部の原稿搬送路内へ搬送するためのローラである。搬送ローラ207はピックアップローラ205により原稿搬送路内部に搬送されてきた原稿を搬送する。排紙ローラ209は搬送ローラ207により搬送されてきた原稿を排紙トレイ211まで搬送する。また、ピックアップローラ205により搬送された原稿は、原稿通過検知センサ206により検出され、この検出時間をもとに1枚目の原稿が通過終了したか否かが判定される。また、図示は省略したが、搬送ローラ207、ピックアップローラ205、排紙ローラ209は全てステッピングモータにより駆動される。DF部での副走査間引き処理は、上記の搬送、ピックアップ、排紙ローラの駆動パルスを倍周波数とすることで実現される。DF部により搬送された原稿は、DF読み取り窓208を通してその下にあるセンサユニット212に備えられたセンサであるCIS210により読み取られる。センサユニット212は、副走査方向に自由に移動可能であり、搬送ローラ207から排紙ローラ209に向かって搬送されてくる原稿の搬送方向と同一方向にも移動可能である。なお、DF読み取り窓208には副走査方向にある程度の長さがあり、その長さの範囲内では、任意の位置にセンサであるCIS210を移動して、その移動位置で原稿読み取りを行うことができる。CIS210は、CCD等の光電変換素子によって構成され、各素子の画像を蓄積するためのFIFO、及び、FIFO、CCDを制御するための制御信号生成を同時に行う。CIS210は一般的に、複数の光電変換素子を一列に並べた形で実現される。
【0016】
また、スキャナ部112は原稿台213を備えている。この原稿台213を介して原稿の読み取りを行う場合は、原稿押圧板214を開き、原稿台213上に原稿を載置し、原稿押圧板214を閉じた後に、CIS210を有するセンサユニット212を副走査方向に移動させながら原稿を読み取らせることも可能である。
【0017】
また、CIS210は原稿台213に原稿が設置されているか否かを検知する役割もある。公知の技術のため詳細は割愛するが原稿押圧板214を閉じた際にCIS210は原稿台213の下部において原稿の一部を読み取る。読み取った画像を解析して原稿が設置されているか否かを判定することが可能である。
【0018】
本実施例では、CIS210を有するセンサユニット212を固定した状態でトレイ201に載置された原稿を搬送させながら読み取る方法をADF読み取りモード(第1の読み取りモード)と呼ぶ。一方、原稿台213に載置された原稿に対して、センサユニット212を移動させて読み取る方法を圧板読み取りモード(第2の読み取りモード)と呼ぶ。
【0019】
図3はスキャナ部制御アプリケーションプログラムによって、スキャナ部112を制御するためのハードウェアが集結したブロックであり、スキャナ部112に含まれるブロックである。スキャナ部112はスキャナ制御ユニット300のCPU301上で実行されるスキャナ部制御アプリケーションプログラムにより制御されるものとして、以下の説明を行う。スキャナ部112を制御するためのアプリケーションプログラムを、制御ユニット115に含まれるCPU103により、実行する形式であってもよい。スキャナ制御ユニット300は、CPU301、RAM302、CLK制御部303、ROM304、モータコントローラ部305、CCD制御部307、により構成される。スキャナ部制御アプリケーションプログラムはROM304に記憶されており、CPU301で実行される。CLK制御部303から各ブロックにクロックが分配される。CLK制御部303は、クロック生成のための、水晶振動子と、水晶振動子が生成したクロックを逓倍、分周するPLL素子により構成される。スキャナ制御ユニット300を制御するスキャナ部制御アプリケーションは、スキャンを行う際の指示に基づき、CLK制御部303より、制御クロックを、モータコントローラ部305、CCD制御部307、RAM302に出力する。CLK制御部303から入力されたクロックに従い、各ブロックでは、さらに逓倍、分周を行い、CCD素子や各種ローラを回転させるモータの制御クロックを生成する。スキャンを行う際の指示には、カラー/モノクロ区別、解像度などの情報を含み、スキャナ部制御アプリケーションは、指示の内容により、CLK制御部303のPLLの設定を変更する。PLLの設定変更により、各種クロックの周波数を変えることで、読み取り速度の変更を行う。RAM304はCIS210により読み取った画像データを蓄積する。
【0020】
キャリブレーション機能の動作について、以下詳述する。本実施例では、画像の濃度調整に用いる補正データの生成を例として説明を行う。本実施例はこれに限らず、画像位置調整や、濃度ムラ調整など、用紙上にパッチ画像を印刷し、スキャナ部でこのパッチ画像を読み取り、読み取った結果を用いて補正データを生成するようなキャリブレーションを行うものに適用可能である。
【0021】
次に図4を用いて、本実施例における濃度調整に用いる補正データ生成処理のフローについて説明する。なお、この本実施例では所定のテストパターンが印刷された3枚の原稿(チャート)を印刷し、印刷されたテスト原稿を読み取らせ、読み取らせた結果を用いて、補正データを生成する場合を記載する。
【0022】
なお、必要とされるテスト原稿の枚数は、画像形成装置が画像形成時に用いるディザパターンの種類に応じて決定されることが一般的である。これは、画像処理を実行する際に用いられる各ディザパターンに対して補正データを生成する必要があるためである。よって、複数のディザパターンを用いることが可能な画像形成装置では、各ディザパターンに対して補正データを生成する必要がある。この補正データは、ある1種類のディザパターンを用いて印刷された1枚のテスト原稿を読み取った結果を用いて生成される。よって、3種類のディザパターン(例えば、低線数、高線数、誤差拡散)に対応する補正データを生成する場合、テスト原稿は3枚必要となる。また、他の実施例として1枚のテスト原稿に複数のディザパターンを用いて印刷を行ってもよい。その場合は必要なテスト原稿の枚数は少なくなる。なお、このようにディザパターンの数に応じてテスト原稿の枚数を決めてもよいし、選択されたディザパターンに対応する補正データ生成に必要なテスト原稿の枚数で実施してもよい。
【0023】
本フローに係る制御ユニット115のプログラムは、制御ユニット115のROM102に格納されておりRAM104に読み出されCPU103によって実行される。
【0024】
ユーザからのキャリブレーション実行の指示に従い、ステップS401では、操作部114においてテスト原稿が印刷される用紙が格納されているプリンタ部113が有する給紙カセットが選択される。
【0025】
次にステップS402では、操作部114を介して印刷実行の指示を受ける。この指示に従い、ステップS403では、テスト原稿を3枚印刷する。公知の技術のため詳細は省くが、補正データを生成する場合、テスト原稿毎に画像処理部111にて生成した異なるディザパターンで出力する。また、読み取ったテスト原稿がどのディザパターンで出力されたものであるかを判定できるように各テスト原稿を区別できる色あるいは形状のパッチパターンを余白部分に印刷してもよい。また、ユーザが容易に各テスト原稿を区別できるように余白に原稿番号を示す数字を印刷してもよい。
【0026】
ステップS404では、RAM104上に変数N用の領域を確保し、0に初期化する。また、補正データの生成のために使用済であるテスト原稿を識別するためのテスト原稿毎の使用済みフラグ用の領域を確保し、未使用状態を示す値で初期化する。
【0027】
ステップS405では、原稿台213またはADFの原稿トレイ201のうち所望の原稿載置位置に、S403で出力したテスト原稿をセットするように操作部114に表示を行う。これを見たユーザは印刷されたテスト原稿を所望する原稿載置位置にセットする。
【0028】
ステップS406では、操作部114を介してテスト原稿の読み取り開始指示を受ける。
【0029】
ステップS407では、CPU103はIO制御部A109を通じてCPU301に対してADFの原稿トレイ201と原稿台213の其々に対して原稿が検知されたか否かを示す原稿検知有無情報を問い合わせる。原稿検知有無情報の問い合わせはこのタイミングでなくてもよい。例えば、S405の後に原稿台213にテスト原稿をセットして原稿台213の原稿押圧板214を閉めた際に原稿台213の原稿検知情報を取得しておいてもよい。また、S406とS407の順序を逆にして、原稿が原稿台213とADFの原稿トレイ201のどちらにも検知できなかった場合、原稿の読み取り開始指示を受け付けないという構成にしてもよい。
【0030】
ステップS408では、ステップS407で取得した原稿検知有無情報に基づき、以降の動作モードを判定する。判定内容の詳細は図5で説明するが、ADFの原稿トレイ201にて載置された原稿が検知された場合、補正データの生成は、第1の補正モードで実行する。この第1の補正モードでは、第1の読み取りモード(ADF読み取りモード)でテスト原稿の読み取りを行う。すなわち、ADFの原稿トレイに載置された複数枚のテスト原稿を1度の読み取り指示に従い読み取る。そして、この各テスト原稿を読み取ることで得られた濃度情報を用いて、各テスト原稿に対応する複数の補正データを生成する。つまり、全てのテスト原稿を読み取った後で、補正データ生成を開始する。一方、原稿台213にて載置された原稿が検知された場合、補正データの生成は、第2の補正モードで実行する。この第2の補正モードでは、第2の読み取りモード(圧板読み取りモード)でテスト原稿の読み取りを行う。原稿台に載置された1枚のテスト原稿を読み取ることで得られた濃度情報を用いて、このテスト原稿に対応する補正データを生成する。この一連の処理を、テスト原稿を1枚読み取る度に実行する。つまり、テスト原稿の読み取りと補正データの生成の処理を複数回繰り返し実行する。
【0031】
エラー判定した場合はS409に進む。ADF読み取りモード(第1の読み取りモード)を実施すると判定した場合はS410へ進む。圧板読み取りモード(第2の読み取りモード)を実施すると判定した場合はS415へ進む。
【0032】
ステップS409では、操作部114においてテスト原稿を適切に置き直すよう、ユーザに促す画面を表示する。
【0033】
ステップS410では、ADFの原稿トレイ201に載置されたテスト原稿を順に搬送し、スキャナコントローラによりテスト原稿を読みとり、テスト原稿を読み取ることで得られた画像を制御ユニット115へ転送する。そしてCPU103により、転送された画像が補正データの生成に適するか否かの解析を実施する。例えば、テスト原稿を読み取ることで得られた画像から輝度パターンが検知できない場合、適切なテスト原稿を使用していない場合、テスト原稿が不適切な状態で印刷された場合は、補正データ生成に用いる画像としては不適切とする。
【0034】
ステップS411では、3枚のテスト原稿を読み取ることで得られた3つの画像が全てS410で補正データ生成に使用できると判定された場合はS412に進む。3枚のテスト原稿を読み取ることで得られた3つの画像のうち、1つ以上補正データ生成に使用できない画像があると判定された場合はS413に進む。
【0035】
ステップS412では、S410で3枚のテスト原稿を読み取ることで得られた各画像を解析し、印刷される画像の濃度補正に用いられる補正テーブルの生成を実施する。詳細は公知の技術のため割愛するが、読み取り画像の輝度値を濃度値に変換した値とRAM104に格納されている目標値の差分を基に、印刷画像に対して施される画像処理において使用され、RAM104に記憶している濃度補正テーブルを生成(更新)する。
【0036】
ステップS413では、操作部114においてテスト原稿を適切に置き直すよう、ユーザに促す画面を表示する。
【0037】
ステップS414では、操作部114において補正データ生成が完了したことを示す画面を表示し、濃度調整に用いる補正データ生成処理を終了する。
【0038】
ステップS415では、原稿台213に載置された1枚のテスト原稿をスキャナコントローラにより読み取り、テスト原稿を読み取ることで得られた画像を制御ユニット115へ転送する。そして、CPU103により転送された画像の解析を実施する。画像の解析についてはS410と同様である。
【0039】
ただし、S403で説明したテスト原稿判断用のパッチを解析し、RAM104上にテスト原稿毎に用意されている使用済フラグと比較し、既に補正データ生成に使用されたテスト原稿を再度読み込んだと判断された場合は補正データ生成に使用できないと判断する。また、別の構成としてS403で説明したテスト原稿判断用のパッチを解析し、適切なテスト原稿でない場合はエラーと判断してもよい。例えばN=0の場合はディザパターン1用の補正データ生成に用いられるテスト原稿とする。N=1の場合はディザパターン2用の補正データ生成に用いられるテスト原稿とする。N=2の場合はディザパターン3用の補正データ生成に用いられるテスト原稿とする。
【0040】
ステップS416では、読み取り画像がS415で補正データ生成に使用できると判定された場合はS417へ進む。補正に使用できないと判定された場合はS422へ進む。
【0041】
ステップS417では、S415で得られた画像を解析し、印刷される画像の濃度補正に用いられる補正テーブルの生成を実施する。詳細は公知の技術のため割愛するが、読み取り画像の輝度値を濃度値に変換した値とRAM104に格納されている目標値を基に、印刷画像に対して施される画像処理において使用され、RAM104に記憶している濃度補正テーブルを生成(更新)する。また、RAM104上にテスト原稿毎に用意されている使用済フラグのうち、補正データ生成に用いられたテスト原稿に対するフラグを使用済状態にセットする。
【0042】
ステップS418では、RAM104上に格納されている変数Nに1を加算する。
【0043】
ステップS419では、変数Nが3以上の場合はテスト原稿3枚それぞれを用いて補正データ生成が完了したと判断しS414へ進む。そうでない場合はS420へ進む。
【0044】
ステップS420では、操作部114においてN枚目の原稿を原稿台213に載置することを指示する画面を表示する。
【0045】
ステップS421では、操作部114を介してテスト原稿読み取り開始の指示を受ける。
【0046】
ステップS422では、操作部114においてテスト原稿を適切に置き直すよう、ユーザに促すための画面を表示する。
【0047】
ステップS423では、変数Nが1の場合は次にS405に進むことで、テスト原稿を原稿台からADFに置き直してもよい。変数Nが2以上の場合は引き続き原稿台からの読み取りによる補正データ生成を継続するためにS420へ進む。また、S423の判断は省く構成でもよい。その場合はS422からS420に進む。
【0048】
また、ステップS405、およびS420では操作部114への指示により、本フローにて実行される、濃度調整に用いる補正データ生成処理をキャンセルできるようにしてもよい。
【0049】
次に図5を用いて、S408における動作モードの判定方法を説明する。
【0050】
図5は原稿台213とADFの原稿トレイ201上に原稿が載置されたと検知されたか否かを示す情報によって、S408の動作を判断する処理を表にしたものである。原稿台213に原稿が載置されており、ADFの原稿トレイ201に原稿が載置されていないと検知された場合はS408からS410に進む。つまり、圧板読み取りモードでテスト原稿を読み取り、第2の補正モードで補正データを生成する。一方、原稿台213に原稿が載置されておらず、ADFの原稿トレイ201に原稿が載置されていると検知された場合はS408からS411に進む。つまり、ADF読み取りモードでテスト原稿を読み取り、第1の補正モードで補正データを生成する。
【0051】
原稿台213とADFの原稿トレイ201の両方に原稿が載置されていると検知された場合、あるいはどちらにも原稿が載置されていないと検知された場合はエラーと判断しS408からS409に進む。
【0052】
他の構成としては、原稿台213とADFの原稿トレイ201の両方に原稿が載置されていると検知された場合、操作部114に原稿台とADF(第1の読み取りモードか第2の読み取りモードか)のどちらでテスト原稿を読み込みむか選択できる画面を表示する。そして、ユーザに選択されたモードでテスト原稿を読み取るようにしてもよい。また、さらに他の実施例としては、原稿台213とADFの原稿トレイ201の両方にテスト原稿が載置されている場合に、予め決められた一方から読み込みを実行する構成でもよい。例えば、コピー機能と同様にADFからの読み込みを優先する、あるいは予め操作部114で設定しておいた方を優先的に読み取るという構成である。
【0053】
次に図6を用いて操作部114に表示する画面の例を示す。
【0054】
図6(a)はS405およびS406で表示される画面の例である。テスト原稿3枚をADFの原稿トレイにセットするか、原稿台に1枚目のテスト原稿をセットするようにユーザに促す。図では省略しているが、画面にて、テスト原稿の載置方法(向きや表裏)や枚数を指示する表示をしてもよい。読み込み開始ボタンを押下することでS406を実行する。
【0055】
図6(b)はS420およびS421で表示される画面の例である。次に読み込ませるべきテスト原稿を原稿台にセットするように指示する。例はN=2の場合であるがNの値によって何枚目のテスト原稿をセットするのかに応じて文言が変化する。読み込み開始ボタンを押下することでS421を実行する。なお、この画面でキャンセルボタンが押下された場合は濃度調整に用いる補正データ生成処理を終了する。
【0056】
図6(c)はS409で表示される画面の例である。図5で示したテスト原稿の検知状態によるエラーを解消するためにテスト原稿の載置方法を確認するようにユーザに促す。戻るボタンを押下することでS405に進む。
【0057】
図6(d)はS413およびS422で表示する画面の例である。読み取られた画像が補正データ生成に不適切であるため、読み取った原稿がテスト原稿であるか、テスト原稿の印字状態に問題が無いかといった確認項目を表示して、ユーザに対して確認するように促す。戻るボタンを押下することでS405またはS423に進む。
【0058】
以上、説明したように、原稿台213およびADFの原稿トレイ201から得られる原稿検知結果に基づき、テスト原稿の読み取り方法を決定し、濃度補正データ生成のフローを決定することができる。よって、ユーザが所望の位置に載置したテスト原稿を用いて適切なフローでキャリブレーションを実施することが可能となる。
【0059】
また、原稿台213またはADFの原稿トレイ201のうちユーザが所望の載置位置にテスト原稿を載置すると、自動的に適切な補正データ生成のフローが決定されるため、ユーザが予め設定入力をする手間を省くことができる。
【実施例2】
【0060】
実施例1では、濃度補正データ生成の処理フローが、テスト原稿の載置を検知した箇所つまりテスト原稿を読み取る読み取りモードに応じて決定するという例を示した。
【0061】
本実施例では補正データ生成の途中で読み取りモードを変更できる構成について説明する。これにより、より自由に柔軟にテスト原稿の読み取りができるため、キャリブレーション機能において、ユーザの所望する使い方が可能な画像形成装置を提供することができる。
【0062】
実施例1の図1図2図3で説明した内容は実施例2でも同様のため割愛する。
【0063】
図7を用いて、本実施例における濃度調整に用いる補正データ生成フローについて説明する。なお、この例では3枚のテスト原稿を印刷し、読み込ませて補正を行う。しかし、このテスト原稿は3枚に限らず、所望の補正データ生成に必要な枚数を用いてよい。図4と重複する点は説明を割愛する。
【0064】
ステップS701では、操作部114に、ユーザに対して所望の読み取り部にS403で出力したテスト原稿をセットするように表示を行う。詳細は図8に示すが、補正データ生成済フラグを参照する。そして、どのテスト原稿も、読み取った結果を用いて補正データを生成することに成功していない場合、ADF読み取りモードを用いた第1の補正モード実行中であれば、3枚のテスト原稿をADFの原稿トレイ201にセットするように促す。一方、圧板読み取りモードを用いた第2の補正モード実行中であれば、1枚目のテスト原稿を原稿台213にセットするように促す。
【0065】
また、いずれかのモードにて1枚でも補正データを生成することに成功した後に、S701に戻った場合は以下のように指示を切り替える。
【0066】
ADF読み取りモードを用いた第1の補正データモード実行中であれば、補正データ生成に用いていないテスト原稿(複数または1枚)をADFの原稿トレイ201にセットするように指示する。
【0067】
一方、圧板読み取りモードを用いた第2の補正データモード実行中であれば、まだ補正データ生成のために読み込んでいない他のテスト原稿を1枚原稿台213にセットするように指示する。
【0068】
ステップS702では、ADFの原稿トレイ201に載置されたテスト原稿を順に搬送し、搬送されたテスト原稿がスキャナコントローラにより読み取られ、テスト原稿を読み取ることで得られた画像を制御ユニット115へ転送する。そして、転送された画像が補正データ生成に適切か否かCPU103により解析を実施する。例えば、テスト原稿を読み取ることで得られた画像から輝度パターンが検知できない場合、適切なテスト原稿を使用していない場合、テスト原稿が不適切な状態で印刷された場合は、補正データ生成に用いる画像としては不適切とする。また、原稿検知フラグを参照し、補正データ生成のために使用済のテスト原稿に対しては補正データ生成用の画像として不適切と判断する。
【0069】
ステップS703では、S702において読み込んだテスト原稿のうち、1つ以上補正データ生成に使用できると判定された場合はS704に進む。そうでない場合はS413に進む。別の実施例として、S702で読み込んだテスト原稿の全てが補正データ生成に使用できると判定した場合にS703に進み、そうでない場合はS413に進む構成でもよい。
【0070】
ステップS704では、S702で読み込んだテスト原稿のうち、補正データ生成に使用できると判定された各画像を解析し、補正データ生成処理を実行する。補正データ生成処理の内容についてはS412と同じため割愛する。
【0071】
ステップS705では、RAM104上に格納されている変数Nに補正を実施したテスト原稿の枚数を加算する。
【0072】
次に図8を用いて操作部114に表示される画面の例を示す。エラー時の画面は図6で説明したものと同じため割愛する。
【0073】
図8(a)はまだ補正データ生成が成功していない場合のS406およびS407で表示する画面の例である。テスト原稿3枚をADFの原稿トレイにセットするか、原稿台に1枚目のテスト原稿をセットするよう、ユーザに対して促す画面を表示する。図では省略しているがテスト原稿の載置方法やテスト原稿の枚数を指示する表示をしてもよい。読み込み開始ボタンを押下することでS407を実行する。
【0074】
図8(b)は例として、初めにテスト原稿1枚目を原稿台で読み取り、補正データの生成に成功した場合にS406およびS407に表示する画面である。補正データ生成済みフラグを参照し、対応する補正データ生成済みのテスト原稿1枚目は必要が無いため、ADFの原稿トレイに2枚目のテスト原稿と3枚目のテスト原稿を置くように促す。この点が(a)と異なる。また、ADFの原稿トレイ201へは常にテスト原稿を3枚置くように促す構成でもよい。この場合S702で説明した通り、補正データ生成済みのテスト原稿は補正対象外になるため問題にならない。
【0075】
図8(c)は例として、初めにテスト原稿2枚目と3枚目をADFで読み取り、補正データ生成に成功した場合のS406およびS407に表示する画面である。補正データ生成済みフラグを参照し、まだ補正データを生成していない1枚目のテスト原稿をADFの原稿トレイ201か原稿台213にセットするように促す。
【0076】
実施例2では実施例1と同様に画面上ではADFの原稿トレイ201にテスト原稿3枚をセットするように促す。しかし、例えば、ユーザがテスト原稿を3枚ともADFの原稿トレイ201にセットしたつもりが2枚しかセットできていなかった場合、本実施例ではテスト原稿2枚をADF読み取りモードで読み取り第1の補正モードで補正データ生成をする。そして残りの1枚のテスト原稿は、別途、圧板読み取りモードで読み取り、第2の補正モードで補正データを生成することが可能である。(再度、ADF読み取りモードで読み取り第1の補正モードで補正データ生成を行ってもよい)。
【0077】
また、特定のディザパターンだけ高い精度の補正データが必要で残りのディザパターンは効率的に補正データを生成したいと考えるユーザは、2つの補正モードを使い分けて補正データを生成することができる。具体的には、特定のディザパターンに対応する補正データについては、対応するテスト原稿を原稿台213にセットし、圧板読み取りモードでテスト原稿を読み取る。これにより、高い精度の読み取りを行うことが可能となるため、精度の高い補正データを生成することが可能になる。
【0078】
また、残りのディザパターンに対応する補正データについては、対応するテスト原稿をADFの原稿トレイ201にセットし、ADF読み取りモードでテスト原稿を読み取る。これにより、効率よく読み取りを行うことが可能となるため、補正データ生成に要するユーザ負荷を抑制することが可能になる。
【0079】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8