(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】チョップドファイバ付加製造における空隙検出
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019104397
(22)【出願日】2019-06-04
【審査請求日】2022-05-30
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サファイ, モルテザ
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-075662(JP,A)
【文献】特開平11-257932(JP,A)
【文献】特開平01-195303(JP,A)
【文献】特開2007-212430(JP,A)
【文献】特開2005-091182(JP,A)
【文献】特開2013-156045(JP,A)
【文献】特開2016-119542(JP,A)
【文献】国際公開第2012/176556(WO,A1)
【文献】特開2003-069888(JP,A)
【文献】特開2016-133454(JP,A)
【文献】特開2016-052652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
G06T 7/00 - G06T 7/90
B29C 64/00 - B29C 64/40
B29C 67/00 - B29C 67/08
B29C 67/24 - B29C 69/02
B29C 73/00 - B29C 73/34
B29D 1/00 - B29D 29/10
B29D 33/00
B29D 99/00
B33Y 10/00 - B33Y 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造プロセスによって製造される製品における規格外空隙を検出するシステム(200)であって、前記システムは、
第1の角度から、付加製造容器(204)内の材料(202)の堆積の第1の複数の画像を撮像するよう位置付けられた第1のカメラ(206)と、
第2の角度から、前記付加製造容器(204)内の前記材料の堆積の第2の複数の画像を撮像するよう位置付けられた第2のカメラ(208)と、
前記第1のカメラ及び前記第2のカメラに通信可能に結合された少なくとも1つのハードウェア特徴検出器(218、220)であって、前記第1の複数の画像と前記第2の複数の画像から抽出された画像データにおける前記材料の要素の特徴を検出するようハードコードされた少なくとも1つのハードウェア特徴検出器(218、220)と、
前記少なくとも1つのハードウェア特徴検出器に通信可能に結合された少なくとも1つの三角測量機(222)であって、前記少なくとも1つのハードウェア特徴検出器からの特徴データを受信し、前記特徴データから前記付加製造容器内の前記材料の三次元表示を生成するよう構成された少なくとも1つの三角測量機(222)と、
前記付加製造容器内の前記材料の前記三次元表示から、
前記材料が占める総体積が所定の総体積閾値よりも小さいこと、又は、最大空隙の大きさが所定の最大体積閾値を超過していることに基づいて、前記付加製造容器内に規格外空隙が存在することを判定するよう構成された少なくとも1つの空隙検出器(224)と、
前記付加製造容器内に規格外空隙が存在するというアラートを提供するよう構成された少なくとも1つのディスプレイ(234)と、
を備える、システム(200)。
【請求項2】
前記材料は、チョップドファイバチップ(102)を含み、前記少なくとも1つのハードウェア特徴検出器は、複数の個別チョップドファイバチップ(102)のエッジを検出するようさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の複数の画像及び前記第2の複数の画像におけるノイズを低減するためにフーリエ変換を行うよう構成されたノイズ低減器(214、216)をさらに備える、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項4】
複数の撮像された画像の平均化を行うよう構成された平均器(226、228)をさらに備える、請求項1から
3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記付加製造容器内の前記材料の堆積へと光パルスを向けるよう構成されたレーザ(230、232)をさらに備え、前記光パルスの継続時間は、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラの積分時間の2倍よりも短い、請求項1から
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のカメラ及び前記第2のカメラは、一秒あたり少なくとも5000画像の速度で、前記付加製造容器内の前記材料の堆積の前記画像を撮像するよう構成される、請求項1から
5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
付加製造プロセスによって製造される製品における規格外空隙を検出する方法(400)であって、前記方法は、
第1のカメラ(206)によって、第1の角度から、付加製造容器(204)内の材料(202)の堆積の第1の複数の画像を撮像すること(402)と、
第2のカメラ(208)によって、第2の角度から、前記付加製造容器内の前記材料の堆積の第2の複数の画像を撮像すること(402)と、
前記第1のカメラ及び前記第2のカメラに通信可能に結合され、前記材料の要素の特徴を検出するようハードコードされた少なくとも1つのハードウェア特徴検出器(218、220)によって、前記第1の複数の画像及び前記第2の複数の画像から抽出された画像データから前記材料の要素の特徴に対応する特徴データを検出すること(408)と、
前記ハードウェア特徴検出器に通信可能に結合された少なくとも1つの三角測量機(222)によって、前記特徴データから前記付加製造容器内の前記材料の三次元表示を生成すること(410)と、
前記付加製造容器内の前記材料の前記三次元表示から、
前記材料が占める総体積が所定の総体積閾値よりも小さいこと、又は、最大空隙の大きさが所定の最大体積閾値を超過していることに基づいて、前記付加製造容器内に規格外空隙が存在することを判定すること(412)と、
前記付加製造容器内に規格外空隙が存在するというアラートを提供すること(414)と、
を含む、方法(400)。
【請求項8】
前記材料は、チョップドファイバチップ(102)を含み、前記特徴データを検出することは、複数の個別チョップドファイバチップ(102)のエッジを検出することを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の複数の画像及び前記第2の複数の画像におけるノイズを除去すること(406)をさらに含む、請求項
7又は8に記載の方法。
【請求項10】
レーザ(206、208)により、前記付加製造容器内の前記材料の堆積へと光パルスを向けることをさらに含み、前記光パルスの継続時間は、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラの積分時間の2倍よりも短い、請求項
7から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のカメラによって撮像すること及び前記第2のカメラによって撮像することのそれぞれは、一秒あたり少なくとも5000画像の速度で、前記付加製造容器内の前記材料の前記堆積の前記画像を撮像することを含む、請求項
7から
10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、チョップドファイバ又は他の一般的にチップ形状をした材料を利用する製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
短く切り揃えられた炭素繊維チップといったチョップドファイバ材料は、幾つかの付加製造プロセスに従った、製造される製品の形成において使用される。このようなプロセスは結果的に、望まれぬポロシティ(porosity)をもたらし、製品を利用不可にすることがある。最終的な製品が作製されて、硬化されて、かつ、例えばその製品の内部構造を撮像するためのコンピュータ断層撮影法(CT:computer tomography)を利用して、検査されるまでは、規格外のポロシティを判定することが出来ない。このことにより、特に問題が、更なる不良製品が既に製造されてしまうまで製造プロセスが修正されないことに起因している場合には、結果的に時間、資金、及び材料が失われることになりうる。
【発明の概要】
【0003】
様々な実施例によれば、付加製造プロセスによって製造された製品における規格外空隙を検出するシステムが提供される。本システムは、第1の角度から、付加製造容器内の材料の堆積の第1の複数の画像を撮像するよう位置付けられた第1のカメラと、第2の角度から、付加製造容器内の材料の堆積の第2の複数の画像を撮像するよう位置付けられた第2のカメラと、第1のカメラ及び第2のカメラに通信可能に結合された少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器であって、第1の複数の画像から抽出された画像データ及び第2の複数の画像における材料の要素の特徴を検出するようハードコードされた少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器と、少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器に通信可能に結合された少なくとも1つの電子三角測量機であって、少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器からの特徴データを受信し、特徴データから付加製造容器内の材料の電子的な三次元表示を生成するよう構成された少なくとも1つの電子三角測量機と、付加製造容器内の材料の電子的な三次元表示から、付加製造容器内に規格外空隙が存在することを判定するよう構成された少なくとも1つの電子空隙検出器と、付加製造容器内に規格外空隙が存在するというアラートを提供するよう構成された少なくとも1つのディスプレイと、を備える。
【0004】
上述の実施形態の様々なオプションの特徴には、以下が含まれる。材料は、チョップドファイバチップを含みうる。少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器は、複数の個別チョップドファイバチップのエッジを検出するようさらに構成されうる。少なくとも1つの電子空隙検出器は、複数のチョップドファイバチップの体積を計算し、体積から空隙情報を計算するようさらに構成可能であり、空隙情報は、付加製造容内の少なくとも1つの空隙の大きさを表す。アラートは、付加製造容器を空にするという命令を含みうる。本システムは、第1の複数の画像及び第2の複数の画像におけるノイズを低減するためにフーリエ変換を行うよう構成されたノイズ低減器を備えうる。付加製造容器は、モールドを含みうる。本システムは、複数の撮像された画像の平均化を行うよう構成された平均器を含みうる。本システムは、付加製造容器内の材料の堆積へと光パルスを向けるよう構成されたレーザをさらに備えることが可能であり、光パルスの継続時間は、第1のカメラと第2のカメラとの積分時間の2倍よりも短い。第1のカメラ及び第2のカメラは、一秒あたり少なくとも5000画像の速度で、付加製造容器内の材料の堆積の画像を撮像するよう構成されうる。
【0005】
様々な実施形態に従って、付加製造プロセスにより製造された製品における規格外空隙を検出する方法が提示される。本方法は、第1のカメラによって、第1の角度から、付加製造容器内の材料の堆積の第1の複数の画像を撮像することと、第2のカメラによって、第2の角度から、付加製造容器内の材料の堆積の第2の複数の画像を撮像することと、第1のカメラ及び第2のカメラに通信可能に結合され、材料の要素の特徴を検出するようハードコードされた少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器によって、第1の複数の画像及び第2の複数の画像から抽出された画像データから特徴データを検出することと、ハードウェア電子特徴検出器に通信可能に結合された少なくとも1つの電子三角測量機によって、特徴データから付加製造容器内の材料の電子的な三次元表示を生成することと、付加製造容器内の材料の電子的な三次元表示から、付加製造容器内に規格外空隙が存在することを判定することと、付加製造容器内に規格外空隙が存在するというアラートを提供することと、を含む。
【0006】
上述の実施例の様々なオプションの特徴には、以下が含まれる。材料は、チョップドファイバチップを含みうる。特徴データは、複数の個別チョップドファイバチップのエッジの表示を含みうる。本方法は、複数のチョップドファイバチップの体積を計算することと、体積から空隙情報を計算することを含むことが可能であり、空隙情報は、付加製造容器内の少なくとも1つの空隙の大きさを表す。アラートは、付加製造容器を空にするという命令を含みうる。本方法は、第1の複数の画像及び第2の複数の画像におけるノイズを除去することをさらに含みうる。付加製造容器は、モールドを含みうる。本方法は、第1の複数の画像の部分集合を平均化すること及び第2の複数の画像の部分集合を平均化することにより、第1の複数の画像及び第2の複数の画像から画像データを抽出することを含みうる。本システムは、レーザにより、付加製造容器内の材料の堆積へと光パルスを向けることを含むことが可能であり、光パルスの継続時間は、第1のカメラと第2のカメラとの積分時間の2倍よりも短い。第1のカメラよって撮像すること及び第2のカメラによって撮像することはそれぞれ、一秒あたり少なくとも5000画像の速度で、付加製造容器内の材料の堆積の画像を撮像することを含みうる。
【0007】
実施例は、以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と関連性を考慮することによって、より深く理解されるため、実施例の様々な特徴が更に十分に評価されうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】様々な実施例に係る、付加製造プロセスでの利用に適したチョップドファイバ材料の拡大された画像である。
【
図2】様々な実施例に係る、付加製造されたチョップドファイバ製品における規格外空隙を検出するシステムの概略図である。
【
図3】様々な実施例に係る、付加製造されたチョップドファイバ製品における規格外空隙を検出するシステムのタイミングチャートである。
【
図4】様々な実施例に係る、チョップドファイバ製造プロセスにおける規格外空隙を検出する方法のフローチャートを示す。
【
図5】様々な実施例に係る、付加製造容器モールド及び付加製造容器シェルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面に示す開示された実施例に、以下で詳しく言及していく。同じ又は同様の要素に言及するために、可能な場合は常に、図面全体を通じて同じ参照番号を使用する。以下の記載において添付図面が参照されるが、添付図面は本明細書の一部を形成するものであり、特定の実施例を図示するという形で示される。上記の実施例は、当業者が本発明を実施しうるように十分に詳細に記載されており、他の実施例が利用されてもよく本開示の範囲から逸脱することなく変更が行われうると解されたい。従って、以下の説明は単なる例示にすぎない。
【0010】
図1は、様々な実施例に係る、付加製造プロセスでの利用に適したチョップドファイバチップ102の拡大された画像100である(チョップドファイバチップ102は、当該技術分野では「チョップドファイバフレーク」(chopped fiber flake)としても知られている)。チョップドファイバチップは、炭素繊維又は他の繊維性材料で形成されうる。チョップドファイバチップは、概して方形、矩形、平行四辺形、(繊維の方向に延びる平行な辺を含む)台形、及び/又は四辺形の形状をした外形を有する。チョップドファイバチップは一般に、輪郭表面のいずれの辺よりも短い、輪郭表面に直交する次元において厚さを有する。上記輪郭表面に直交する次元の厚さは、寸法が、1mm(又は、例えば炭素繊維チップについては、1mm未満)~1cm以上でありうる。上記の輪郭表面のエッジは、幾つかの用途について、寸法が、5mm~5cm以上でありうる。
【0011】
一般に、チョップドファイバチップ102を、モールド又はシェルといった、製品を成形するための付加製造容器に堆積させることが可能である(付加製造モールド及び付加製造シェルの一例が、以下では、
図5を参照して示され記載される)。より詳細には、チョップドファイバチップ102は、互いに積み重なるようにして容器の中に落とされ、その後で圧縮され、加熱され、硬化されうる。上記の容器を保持して、チョップドファイバチップ102の圧縮時に支援するために、加振台が利用されうる。容器がモールドである場合は、製品は取り外されて、利用されうる。容器がシェルである場合には、シェルは製品の一部として残され、その後、取り外されて利用されうる。
【0012】
製造プロセスの間には、チョップドファイバチップ102を容器の上方で解放することで、チョップドファイバチップ102を容器の中に堆積させることが可能であり、従って、重力の力によってチョップドファイバチップ102が上記の容器の中に運ばれる。この目的のために、コンベヤベルト又は他の製造システムが利用されうる。チョップドファイバチップ102は、チップごとに様々な置き方をされており、一般には、他の種類のポリマ粉末又は金属粉末(例えば、概して球状の要素を含む粉末)のようには、融合して規則的又は半規則的なパターンとならない。従って、本プロセスに従って製造された製品では、ポロシティ、即ち、空いた空間の可能性が零パーセントではない。
【0013】
或る製品の製造が一度完了すると、例えば構造的完全性のためには、ポロシティが多過ぎる場合には、その製品は使用不可となる可能性がある。CTの利用等の、既存の非破壊的な空隙検出技術によると、許容しえない空隙は、圧縮、加熱、及び硬化を含む、製品のための製造プロセスが完了するまで検出されないかもしれない。しかしながらこの期間内に、既存の技術に従うと、製造プロセスが継続される可能性があり、処理上の問題が存在することが認識されるより先に、更なる容器が不適切に充填され、チョップドファイバチップが圧縮され、加熱され、さらに硬化さえ行われる可能性がある。従って、付加製造された製品における規格外空隙のリアルタイム検出のための技術は、無駄に費やされる時間、エネルギー、資金、および材料を実質的に削減するために非常に有益であろう。
【0014】
チョップドファイバチップの画像を撮像することに依拠した、空隙(例えば、規格外空隙)のリアルタイム検出の問題に対する単純なアプローチは、非常に大量のデータを生じさせるであろうし、この大量のデータは、リアルタイムでは処理することは出来ない。例えば、各コンピュータ読み取り可能な画像が25MBとなるような、5000画素×5000画素の画像について、一秒あたり5000画像の画像撮像速度によって、一秒あたり125テラバイト又は一分あたり7.5ペタバイトの撮像された画像データが得られるであろう。この規模のデータを、既存の技術を用いて、本明細書の文脈でリアルタイムで空隙を検出するために処理することは出来ない。従って、既知の技術では対応出来ない、付加製造された製品のリアルタイム撮像及び解析における問題が存在している。幾つかの実施例によって、この問題及び他の問題が、本明細書で検討する様々な特化された装置及び技術の利用を通じて解決される。
【0015】
図2は、様々な実施例に係る、付加製造された製品における規格外空隙を検出するシステム200の概略図である。図示されるように、システム200は、チョップドファイバチップ102といった材料202を付加製造容器204の中に堆積させることを含むプロセスに従って製造された製品における空隙を検出する。続いて、組み立てられた付加製造容器204及びそこに含まれる材料202に対して、圧縮、加熱、および硬化を施すことが可能である。付加製造容器204は、製品がそこから取り外されるモールドであってよく、又は、製品の外層として残るシェルであってもよい。材料202を、コンベヤベルト、ホッパー、又は他の製造技術によって付加製造容器204へと運んで、重力の力により付加製造容器204の中に堆積させることが可能である。付加製造容器204は、コンベヤベルト、加振台、又は他の製造装置上で保持出来る。
【0016】
システム200は、第1のカメラ206と、第2のカメラ208とを含む。カメラ206、208は、例えば5000画素×5000画素の解像度により、画像を撮像することが可能である。カメラ206、208は、一秒あたり2、000~200、000画像の画像撮像速度をサポートするために、5~500ミリ秒の範囲内の関連付けられた積分時間(即ち、画像撮像の継続時間)を有しうる。カメラ206、208は、材料202が付加製造容器204に堆積される間、材料202の画像を撮像するよう位置付けられうる。特に、カメラ206、208は、同じ空間の画像を異なる角度から撮像するように位置付けることが可能であり、従って、両カメラ206、208による同時の、画像中の撮像された製品の位置の三角測量が可能となる。三角測定プロセスの一例を、以下では三角測量機222を参照しながら記載する。カメラ206、208の出力は、平均器226、228のそれぞれに結合されている。
【0017】
平均器226、228は、カメラ206、208それぞれの出力画像をバッチ処理で一緒に平均化する。幾つかの実施例において、平均器226、228は任意である。平均器226、228を含む実施例において、画像の連続的な集合(例えば、2~10のいずれの数の画像から成る集合)が、一緒に画素単位で平均化され、その後、平均化された画像が出力される。平均器226、228は、平均化の目的で一群の画像を一時的に格納するための高速の電子メモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)を含みうる。この平均化は、一秒あたり2、000~200、000画像の速度でのカメラ206、208による画像撮像を処理するために、スピードのためにソフトウェアよりむしろ平均化ハードウェアによって行われうる。平均器は、様々な実施例によれば、カメラ206、208内に存在してもよく、又は、カメラ214、216の出力に結合されていてよい。平均器226、228の出力は、各ノイズ低減器214、216の入力に結合されている。
【0018】
ノイズ低減器214、216は画像を受け取り、この結果ノイズをリアルタイムで除去する。受け取られる画像は、様々な実施例によれば、カメラ206、208からの出力でもよく、又は、平均器226、228からの出力でもよい。ノイズ低減器214、216は、(ソフトウェアとは異なり)ハードウェアで高速フーリエ変換を実現し、ノイズを除去するために、ハードウェアに実装されたローパスフィルタを利用し、ハードウェアに実装された逆フーリエ変換を用いて上記変換を逆方向に変換することが可能である。幾つかの実施例によれば、ノイズ低減器214、216は、ハードウェアに実装されている。なぜならば、ソフトウェアでの実装では、所望の速度(例えば、一秒あたり2、000~200、000画像)で画像をリアルタイム処理するのに十分に高速ではない可能性があるからである。平均器214、216の出力は、各特徴検出器218、220の入力と結合されている。
【0019】
特徴検出器218、220は、受信された画像における特徴を検出して、この検出された特徴を表す特徴データを出力する。特徴検出器は、様々な実施例によれば、カメラ206、208、平均器226、228、又はノイズ低減器214、216のいずれからも画像データを入力しうる。即ち、特徴検出器218、220は、カメラ208、208のそれぞれにより撮像された生の画像、又は、平均部226、228それぞれにより処理された画像、及び/又はノイズ低減器214、216それぞれにより処理された画像から抽出された画像データにおける特徴を検出する。
【0020】
様々な実施例に係る、特徴検出器218、220により検出される適切な特徴の例は、エッジを含む。このような実施例において、特徴検出器218、220はエッジ検出器を含む。公知の適切なリアルタイムエッジ検出プロセスの例が、例えば、Chenらによる「Real-time Edge-Aware Image Processing with the Bilateral Grid」(ACM Transactions on Graphics、Proceedings of the ACM SIGGRAPH 2007 Conference)、及び、www.embedded-vision.com/platinum-members/bdti/embedded-vision-training/documents/pages/building-machines-see-finding-edges-iに開示されている。公知のエッジ検出プロセスの一例には、ガウシアンフィルタを用いて画像のノイズを除去することと、強度勾配を検出することと、線をはっきりさせるために非最大値抑制(non-maximum suppression)を適用することと、望まれぬ画素をフィルタで除去するためにヒステリシスを適用することが含まれる。しかしながら、代替例においては、他のエッジ検出技術が特徴検出器218、220によって利用されうる。幾つかの実施例によれば、特徴検出器218、220は、材料202の別々の構成要素のエッジを、カメラ206、208により撮像された(場合によっては、平均器226、228及び/又はノイズ低減器214、216に掛けられている)画像に当該エッジが現れている間に、リアルタイムで検出することが可能である。検出に適した他の特徴に、角及び表面が含まれうる。このような特徴は、エッジの代わりに又はエッジに加えて利用することが可能である。
【0021】
多くの実施例では色又は美的感覚のような特徴が利用されておらず、従って、カメラ206、208により生ぜられた、25MBのオーダーでありうる画像全体が必要ではないことに注意されたい。その代わり、実施例では、各チョップドファイバチップ202の体積及び付加製造容器204内での位置を定めるために、エッジ情報を利用することが可能である。従って、特徴検出器218、220は、カメラ206、208それぞれにより生ぜられた、場合によっては平均器226、228及び/又はノイズ低減器214、216の一方又は双方により処理された画像データを入力し、検出された特徴と、当該特徴の寸法と、付加製造容器204内での当該特徴の位置とを表す特徴データを出力することが可能である。従って、幾つかの実施例では、規格外空隙を検出するために処理されるデータ量が実質的に低減される。25MBの画像を、例えば250KBの特徴データへと縮小することによって、このデータを、付加製造容器204内の材料202の非常に効率が良く正確な体積測定を獲得するために利用することが可能である。
【0022】
特徴検出器218、220は、高速実装のために、ソフトウェアとは異なりハードウェアに、例えばCMOSに実装することが可能である。特徴検出器218、220(及び、存在する場合は、ノイズ低減器214、216及び/又は平均器226、228のいずれか)は、各カメラ206、208に搭載して実装することが可能である。特徴検出器218、220の出力は、三角測量機222の入力に結合されている。
【0023】
三角測量機222は、特徴検出器218、220から特徴データを受け取り、付加製造容器204内に堆積させられた実質的にすべての材料202について位置データを定める。特に、公知の特徴処理三角測量技術を利用して、三角測量機222は、材料202の各個別の要素の位置を定める。三角測量機222は、このようなチップごとに配置方向を定めることがさらに可能である。検出されたエッジを利用して、場合によっては、既知のチョップドファイバチップの幅を併用して、三角測量機222は、標準的な掛け算を利用して各このようなチップの体積を定める(他の実施例によれば、このような体積計算は、空隙検出器224によって、又はその代わりに他のシステム構成要素によって行われる)。三角測量機222は、付加製造容器204内に存在する材料202の三次元表示を出力し、上記三次元表示には、このようなチップごとに、その位置、体積、及び/又は配置方向のうちの1つ以上が含まれる。上記の三次元表示は、非限定的な例として、ステレオCAD‐3D 2.0画像ファイル(.3D20)又は3Dフォーマット(.3DF)又はgITF 3D2 Studio_Autodesk及びFBX-Autodeskといった様々なフォーマットのいずれかによるものでありうる。三角測量機222は、高速実装のために、ソフトウェアとは異なりハードウェアに、例えばCMOSに実装することが可能である。三角測量機222の出力は、空隙検出器224への入力に結合されている。
【0024】
空隙検出器224は、三角測量機222から、付加製造容器204内に存在する材料202の三次元表示を受け取り、表示された製品に規格外空隙が存在するかどうかを判定する。このような判定の基準には、例えば、材料202が占める総体積が何らかの所定の総体積閾値よりも小さいこと、又は、最大空隙の大きさが何らかの所定の最大体積閾値を超過していることが含まれる。このような閾値の値は、特定の製造された製品と、意図されているその製品の用途とに従って変わる。空隙の大きさは、様々な測定基準を用いて、例えば、いずれのチョップドファイバチップにも又は付加製造容器に接触することなく付加製造容器内に存在しうる最大球体の直径を用いて特徴付けられうる。上記の判定によって、規格外空隙が存在することが示された場合には、空隙検出器224はアラートを出力することが可能である。アラートは、メッセージであってよく、1ビット値であってよく、又は、許容しうる製品を示すビット値(各ビット値は特定の製品に対応している)の連なりの中で規格外空隙を示す変更されたビット値であってよい。空隙検出器224は、製造プロセスにおいて、ディスプレイ234、別のヒューマンインタフェース、又は機械にアラートを提供することが可能である。
【0025】
ディスプレイ234は、コンピュータの画面であってよく、携帯機器の画面であってよく、又は、製造された製品における検出された規格外空隙についてリアルタイム処理で人間のユーザにアラートを発することが可能な他の種類のディスプレイであってよい。幾つかの実施例によれば、ディスプレイ234は、アラートを表現する音声を生成しうるスピーカといった、音声出力装置を備えてもよく、又は、当該音声出力装置と置換されてもよい。人間のユーザにアラートを伝えるための他の方策も、代替的に又は追加的に可能である。
【0026】
システム200は、レーザ230及びレーザ232も備える。レーザ230、232は、カメラ206、208による画像撮像のために、付加製造容器204内のチョップドファイバチップ204の堆積を照射するよう位置付けられている。レーザ230、232の波長は、特定の付加製造プロセス及び材料について選択されうる。例えば、波長は、付加製造材料により反射されて製造システム自体の機械部品によって吸収されるよう選択されてよい。レーザ230、232、並びに、カメラ206、および、システム200の他の部分が、同期装置210によって制御される。
【0027】
同期装置210は、システム200の動作の大部分を制御して調整する。同期装置210は、様々な実施例によれば、カメラ206、208、レーザ230、232、三角測量機222、及び、空隙検出器224のいずれか、又は、カメラ206、208、レーザ230、232、三角測量機222、及び、空隙検出器224のうちのいずれかの組み合わせに通信可能に結合されている。幾つかの実施例によれば、同期装置が、画像データを運ぶ通信チャネルとは異なる通信チャネルを用いて上記システムのいずれかと通信可能に結合されうることに注意されたい。同期装置210は同期パルスを生成し、この同期パルスは、結合されたシステム構成要素によるアクションをトリガする電気信号である。同期装置210は、システム全体の動作を調整するために、様々なシステム構成要素に対してタイミングパルスを提供し、これにより、付加製造プロセスにおける非常に高速のリアルタイム空隙検出が可能となる。同期装置210の動作及びその同期パルスの相対的な配置を、以下では、
図3を参照しながら記載する。
【0028】
図3は、様々な実施例に係る、付加製造されたチョップドファイバ製品における規格外空隙を検出するシステム(例えば、システム200)のタイミングチャート300である。タイミングチャート300は、同期パルス302の相対的なタイミング、及び、同期パルス302の相対的な継続時間、並びに、カメラ206、208、レーザ230、232、平均器226、228、三角測量機222、及び空隙検出器224により行われる様々なアクションを図示している。
【0029】
タイミングチャート300に図示するように、同期装置210は、同期パルス302を生成して、カメラ206、208及びレーザ230、232に渡す。同期パルス302は、任意の速度で、例えば一秒あたり2,000~200,000パルスの速度で、生成されうる。同期パルス302は、様々なシステムに送信される5ボルトのパルスを含みうる。同期パルス302によって、カメラ206、208による画像撮像、及び、レーザ230、232による照射をトリガすることが可能である。
【0030】
タイミングチャート300には、カメラ206のための積分区間304、カメラ208のための積分区間306、カメラ206のためのデータ転送区間308、及び、カメラ208のためのデータ転送区間310も図示されている。積分区間304、306に図示される各ブロックは、各カメラ206、208が画像を撮像する時間区間の長さを表している。レーザ230、232による照射の継続時間は、カメラ206、208の積分時間とほぼ同じ長さであり、又はカメラ206、208の積分時間よりも幾分長い(例えば、積分時間の90%~190%)。このような実施例において、カメラ206、208にはシャッタが無くてもよい。積分区間304、306に図示された各ブロックの直ぐ後に続いて、カメラ206、208それぞれのためのデータ転送区間308、310を図示するブロックがある。このようなブロックは、各カメラ206、208が、その次のシステム構成要素が平均器226、228であれ、ノイズ低減器214、216であれ、又は特徴検出器218、220であれ、次のシステム構成要素へと自身の画像データを転送する時間区間の長さを表している。タイミングチャート300に図示された様々なシステム構成要素のタイミング、具体的には、他のタイミングアクションに対するカメラ206のための積分区間304及びカメラ208のための積分区間306の処理が、特徴検出器218、220によりもたらされる実質的なメモリ削減と連携して、付加製造プロセスにおいて空隙を検出するためにシステムがリアルタイムで動作することを可能とすることに注意されたい。
【0031】
タイミングチャート300には、カメラ206のための平均化、ノイズ低減、及び特徴検出が行われる区間312、並びに、カメラ208のための平均化、ノイズ低減、及び特徴検出が行われる区間314も図示されている。同期装置210は、バッチ処理により画像データを平均化するよう平均器226、228に命令しうることに注意されたい。特に、同期装置は、平均器224、226に対してタイミングパルスを渡し、このタイミングパルスによって、平均器は、画像群を画素単位で平均化するようトリガされる。従って、同期装置210は、N個の同期パルス203ごとに、平均器226、228にトリガパルスを送ることが可能であり、ここで、Nは、2~10のいずれかの数でありうる。他の実施例によれば、同期装置210は、平均器226、228に同期パルス302を送ることが可能であり、平均器226、228は、N番目の同期パルスごとにトリガされる。特定のトリガイベントにかかわらず、トリガに応じて、平均器226、228は、自身の各メモリから、N又はN-1個の先行する画像を取り出し、画素単位で平均化を行う。タイミングチャート300に図示される非限定的な例について、平均器226、228は、5個の画像群を平均化し、従って、この非限定的な例についてはN=5である。タイミングチャート300に図示されるように、平均化、ノイズ低減、及び特徴検出が行われる区間312、314が、任意の特定の群の第1の画像のためのデータ転送区間の間、又は当該データ転送区間の直後に開始することに注意されたい。
【0032】
平均化、ノイズ低減、及び特徴検出が行われる区間312、314は、特定の例において存在する場合にノイズ低減器214、216が自身の各ノイズ低減処理を行う間の時間も表す。
【0033】
平均化、ノイズ低減、及び特徴検出が行われる区間312、314は、特徴検出部218、220が自身の各特徴検出処理を行う間の時間も表す。
【0034】
タイミングチャート300には、三角測量区間316も図示されている。三角測量区間316は、三角測量機222が、特徴検出器218、220により提供された特徴データ上でその三次元表示を生成するために動作する時間区間を表す。
【0035】
最後に、タイミングチャート300には体積測定処理区間318も図示されている。体積測定処理区間318は、三角測定機222により提供された三次元表示に基づいて、場合によっては、体積検出器224により定められた体積データと組み合わせて、規格外空隙が存在するかどうかを判定するために空隙検出器224が体積情報を処理する時間区間を表す。各体積測定処理区間318の終わりで、空隙検出器224は、このような処理が規格外空隙が存在することを示すかどうかをディスプレイ234(又は、他のシステム構成要素)に示すことが可能である。
【0036】
図4は、様々な実施例に係る、チョップドファイバ製造プロセスにおける規格外空隙を検出する方法400のフローチャートである。方法400は、
図2のシステム200を用いて実現することが可能であり、システム構成要素のタイミングは、例えば、
図3のタイミングチャートに図示したとおりである。
【0037】
ブロック402では、カメラ206が第1の複数の画像を撮像し、カメラ208が第2の複数の画像を撮像する。第1の複数の画像は、第2の複数の画像と同時に撮像されうる。各画像は、各レーザ230、230からの照射レーザパルスによりトリガされたときに撮像されうる。各複数の画像は、各平均器226、228によって一緒に平均化されるN>1個の画像の一群に対応しうる。先に
図2を参照して示し記載したように、チョップドファイバチップが付加製造容器204内に堆積される間に画像が撮像される。その後、複数の画像は任意に、このような画像データが特徴検出器218、220に渡されるより先に、平均器226、228とノイズ低減器214、216との一方又は双方により処理される。代替的に、このような画像データは、平均器226、228及びノイズ低減器214、216により処理されることなく、特徴検出器218、220に渡される。
【0038】
ブロック404では、平均器226、228が、カメラ206、208から受信された画像群を一緒に画素単位で平均化する。この処理は、先に
図2の平均器226、228を参照して示され記載されている。具体的には、様々な実施例によれば、2、3、4、5、6、又は20よりも小さい任意の数の画像群が、一緒に画素単位で平均化されうる。
【0039】
ブロック406では、ノイズ低減器214、216が、第1の複数の画像及び第2の複数の画像から抽出された画像データからノイズを除去する。ノイズ低減器は、先に
図2を参照して記載したように、ハードウェアによる処理を用いて、画像データを周波数領域に変換して、高周波成分をフィルタで除去することが可能であり、かつ、空間領域へと変換して戻すことが可能である。その後、画像データは特徴検出器218、220に渡される。
【0040】
ブロック408では、特徴検出器218、220が、個別の例次第でカメラ206、208、平均器226、228、又はノイズ低減器214により提供された画像データにおいて特徴を検出する。特徴検出器は、先に
図2の特徴検出器218、220を参照して示し記載したように、エッジを検出することが可能である。特徴検出器214、216は、自身が受信して処理した画像データを表わした特徴データを出力する。その後、特徴検出器218、220は、三角測量機222に特徴データを渡す。
【0041】
ブロック410では、三角測量機222が、特徴検出器218、220から受信された特徴データを処理する。先に
図2を参照して示し記載したように、三角測量機は、特徴検出器218、220から受信された特徴データに対して、既知の三角測量技術を適用し、付加製造容器204内に存在する材料202の三次元表示を生成する。特に、三次元表示は、25KBより小さくあってよく、このようなチョップドファイバチップごとに、位置、配置方向、及び体積の1つ以上を含みうる。三角測量機222は、更なる処理のために、三次元表示を空隙検出器412に渡す。
【0042】
ブロック412では、空隙検出器224が、チョップドファイバチップの付加製造容器204内に空隙が存在するかどうかを判定する。上記判定は、チョップドファイバチップの付加製造容器204が、少なくとも所与の大きさの空隙を含むかどうかについてでありうる。上記判定は、様々な測量基準のいずれかを用いて行われうる。幾つかの実施例によれば、上記判定は、少なくとも所与の大きさの空隙が存在することを三次元表示が示しているかを判定することによって行われる。このような判定は、例えば、チョップドファイバチップの付加製造容器204が、対応する所与の直径を有する球体を含みうるかどうかを判定することによって行われうる。他の実施例によれば、上記判定は、材料202が占める総体積が何らかの総体積閾値よりも小さいことを三次元表示が示しているかどうかを判定することによって行われる。他の判定測定基準が、幾つかの実施例の範囲内で可能である。
【0043】
ブロック412での判定が「いいえ」(No)である場合には、制御は、ブロック402に戻る。そうではなく、ブロック412での判定が「はい」(Yes)である場合には、制御は、ブロック414に進む。
【0044】
ブロック414では、ディスプレイ234が、ユーザに対して、製造されたチョップドファイバ製品に規格外空隙が存在するというアラートを提供する。アラートは、可聴的であってよく、可視的であってよく、又はこれらの組み合わせであってよい。アラートは、いくつかの実施例によれば、ユーザの携帯機器に送信されうる。この処理は、製品が取り除かれて処理されるまで、製造ライン又は製造ラインの一部を停止することも可能である。
【0045】
図5は、様々な実施例に係る、付加製造容器モールド504及び付加製造容器シェル502の概略図である。使用時に、付加製造シェル502は、開口506を通じて、チョップドファイバチップを受け取る。付加製造シェル502は、製造品の一部として残ってチョップドファイバチップと共に硬化されうる。付加製造モールド504は、開口508を通じて、チョップドファイバチップを受け取る。付加製造製品は、使用前に付加製造モールド504から取り外され、付加製造モールドは、いずれの完成された製品の部分も形成しない。
【0046】
更に、本開示は下記の条項に係る実施例を含む。
【0047】
条項1.付加製造プロセスによって製造された製品における規格外空隙を検出するシステムであって、システムは、
第1の角度から、付加製造容器内の材料の堆積の第1の複数の画像を撮像するよう位置付けられた第1のカメラと、
第2の角度から、付加製造容器内の材料の堆積の第2の複数の画像を撮像するよう位置付けられた第2のカメラと、
第1のカメラ及び第2のカメラに通信可能に結合された少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器であって、第1の複数の画像から抽出された画像データ及び第2の複数の画像における材料の要素の特徴を検出するようハードコードされた少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器と、
少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器に通信可能に結合された少なくとも1つの電子三角測量機であって、少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器からの特徴データを受信し、特徴データから付加製造容器内の材料の電子的な三次元表示を生成するよう構成された少なくとも1つの電子三角測量機と、
付加製造容器内の材料の電子的な三次元表示から、付加製造容器内に規格外空隙が存在することを判定するよう構成された少なくとも1つの電子空隙検出器と、
付加製造容器内に規格外空隙が存在するというアラートを提供するよう構成された少なくとも1つのディスプレイと、を備える、システム。
【0048】
条項2.材料は、チョップドファイバチップを含む、条項1に記載のシステム。
【0049】
条項3.少なくとも1つのハードウェア電子特徴検出器は、複数の個別チョップドファイバチップのエッジを検出するようさらに構成される、条項2に記載のシステム。
【0050】
条項4.少なくとも1つの電子空隙検出器は、複数のチョップドファイバチップの体積を計算し、体積から空隙情報を計算するようさらに構成され、空隙情報は、付加製造容器内の少なくとも1つの空隙の大きさを表す、条項2に記載のシステム。
【0051】
条項5.アラートは、付加製造容器を空にするという命令を含む、条項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【0052】
条項6.第1の複数の画像及び第2の複数の画像におけるノイズを低減するためにフーリエ変換を行うよう構成されたノイズ低減器をさらに備える、条項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【0053】
条項7.付加製造容器はモールドを含む、条項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【0054】
条項8.複数の撮像された画像の平均化を行うよう構成された平均器をさらに備える、条項1に記載のシステム。
【0055】
条項9.付加製造容器内の材料の堆積へと光パルスを向けるよう構成されたレーザをさらに備え、光パルスの継続時間は、第1のカメラ及び第2のカメラの積分時間の2倍よりも短い、条項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【0056】
条項10.第1のカメラ及び第2のカメラは、一秒あたり少なくとも5000画像の速度で、付加製造容器内の材料の堆積の画像を撮像するよう構成される、条項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【0057】
条項11.付加製造プロセスによって製造された製品における規格外空隙を検出する方法であって、方法は、
第1のカメラによって、第1の角度から、付加製造容器内の材料の堆積の第1の複数の画像を撮像することと、
第2のカメラによって、第2の角度から、付加製造容器内の材料の堆積の第2の複数の画像を撮像することと、
第1のカメラ及び第2のカメラに通信可能に結合され、材料の要素の特徴を検出するようハードコードされたハードウェア電子特徴検出器によって、第1の複数の画像及び第2の複数の画像から抽出された画像データから特徴データを検出することと、ハードウェア電子特徴検出器に通信可能に結合された少なくとも1つの電子三角測量機によって、特徴データから付加製造容器内の材料の電子的な三次元表示を生成することと、
付加製造容器内の材料の電子的な三次元表示から、付加製造容器内に規格外空隙が存在することを判定することと、
付加製造容器内に規格外空隙が存在するというアラートを提供すること
を含む、方法。
【0058】
条項12.材料はチョップドファイバチップを含む、条項11に記載の方法。
【0059】
条項13.特徴データは、複数の個々のチョップドファイバチップのエッジを検出することを含む、条項12に記載の方法。
【0060】
条項14.複数のチョップドファイバチップの体積を計算することと、体積から空隙情報を計算することをさらに含む方法であって、空隙情報は、付加製造容器内の少なくとも1つの空隙の大きさを表す、条項12又は13に記載の方法。
【0061】
条項15.アラートは、付加製造容器を空にするという命令を含む、条項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【0062】
条項16.第1の複数の画像及び第2の複数の画像におけるノイズを除去することをさらに含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【0063】
条項17.付加製造容器はモールドを含む、条項11から16のいずれか一項に記載の方法。
【0064】
条項18.第1の複数の画像の部分集合を平均化すること及び第2の複数の画像の部分集合を平均化することにより、第1の複数の画像及び第2の複数の画像から画像データを抽出することをさらに含む、条項11から17のいずれか一項に記載の方法。
【0065】
条項19.レーザにより、付加製造容器内の材料の堆積へと光パルスを向けることをさらに含む方法であって、光パルスの継続時間は、第1のカメラ及び第2のカメラの積分時間の2倍よりも短い、条項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
条項20.第1のカメラによって撮像すること及び第2のカメラによって撮像することのそれぞれは、一秒あたり少なくとも5000画像の速度で、付加製造容器内の材料の堆積の画像を撮像することを含む、請求項11から19のいずれか一項に記載の方法。
【0067】
例示的な例について、チョップドファイバチップを用いる付加製造プロセスに関連して記載してきたが、実施例がそのようには限定されないことに注意されたい。開示された技術は、エッジといった特徴を含む別々の要素から成る付加製造材料を使用するいかなる付加製造技術にも適用可能であり、特徴は、上記要素の体積を定めるために利用することが可能である。例えば、上記技術は、平行六面体の形状をした別々の要素から成る材料を利用するいかなる付加製造技術にも適用されうる。
【0068】
上述の特定の実施例は、部分的にコンピュータアプリケーション又はプログラムを使用して実行することが可能である。コンピュータプログラムは、稼働時と非稼働時との双方において、様々な形態により存在しうる。例えば、コンピュータプログラムは、1つ以上のソフトウェアプログラム、ソフトウェアモジュール、又はその双方として存在することが可能であり、ソースコード、オブジェクトコード、実行可能なコード、又は他の形式によるプログラム命令、ファームウェアプログラム、又はハードウェア記述言語(HDL:hardware description language)ファイルから成りうる。上述のいずれも、圧縮された又は圧縮されていない形態によるコンピュータ読み取りが可能な記憶装置及び媒体を含みうるコンピュータ読み取り可能な媒体で具現されうる。例示的なコンピュータ読み取り可能な記憶装置及び媒体は、従来のコンピュータシステムのRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EPROM(erasable,programmable ROM)、EEPROM(electrically erasable,programmable ROM)、及び、磁気ディスク若しくは光ディスク又は磁気テープ若しくは光テープを含む。
【0069】
当業者であれば、上述の実施例に対して、その真の思想及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことが可能であろう。本明細書で使用される用語及び説明は、解説のみを目的として記載されており、限定としては意図されていない。詳細には、本方法は実施例によって説明されてきたが、本方法の工程は、例示とは異なる順序で、又は同時に実行することが可能である。当業者は、これらの変形例及び他の変形例が、以下の特許請求の範囲及びその均等物において規定される思想及び範囲において可能であることが分かるであろう。