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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】照明効果体感システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20231218BHJP
【FI】
H05B47/105
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019136580
(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公開番号】P2021022442
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-07-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [公開者] 積水ハウス株式会社 [展示日] 2018年7月26日 [展示場所] 積水ハウス株式会社 総合住宅研究所 納得工房
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】吉村 昇司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 浩一
(72)【発明者】
【氏名】濱田 智毅
(72)【発明者】
【氏名】阿部 壮一郎
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-149654(JP,A)
【文献】特開平11-191493(JP,A)
【文献】特開2008-223347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
見学者に照明効果を体感させる照明効果体感システムであって、
生活者が居住する屋内居住空間を模した模擬屋内空間と、
前記模擬屋内空間に配置される複数の屋内照明装置と、
前記複数の屋内照明装置を制御する制御部と、
時間帯毎と前記生活者の行動とを組み合わせた生活シーンと、それぞれの前記屋内照明装置の状態と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記模擬屋内空間に隣接して形成される模擬屋外空間と、
前記模擬屋外空間に配置される屋外照明装置と、
前記模擬屋内空間及び前記模擬屋外空間の境界に形成される開口部と、
前記開口部を開閉可能に覆う電動遮蔽装置と、
を備え、
前記制御部は、前記時間帯の順に、前記屋内照明装置を前記生活シーンに関連付けられた状態に制御し、
前記生活シーンは、少なくとも日中、夕方、及び夜間の時間帯の生活シーンを含み、
前記制御部は、前記屋外照明装置の明るさ及び色温度を前記生活シーンの前記時間帯に応じて変化させるとともに、前記電動遮蔽装置の開閉を当該生活シーンの時間帯に応じて変化させること、
を特徴とする照明効果体感システム。
【請求項2】
前記模擬屋内空間は、複数の前記生活者が居住する空間を模したものであり、且つ、リビング空間、ダイニング空間、及びパーソナル空間が一体に設けられた空間であり、
居住者が腰掛けることができる高さ及び強度のベンチ棚が前記模擬屋内空間の壁面に沿って前記リビング空間及び前記パーソナル空間に亘って形成されており、
前記パーソナル空間は、前記ベンチ棚の上方の天井に設けられるパーソナルダウンライトに照らされる空間であり、前記ダイニング空間と前記リビング空間との間に形成される空間であり、前記リビング空間と前記パーソナル空間との間の前記ベンチ棚の上部に飾り棚が形成されることで前記リビング空間と区分けされている空間であり、
前記リビング空間、前記ダイニング空間、及び前記パーソナル空間にそれぞれ異なる前記屋内照明装置が配置されており、
少なくともいずれかの前記生活シーンにおいて、前記屋内照明装置は、前記リビング空間、前記ダイニング空間、及び前記パーソナル空間のうちの2以上の空間を異なる屋内照明装置で照明すること、
を特徴とする請求項1に記載の照明効果体感システム。
【請求項3】
前記模擬屋内空間の壁面に配置され、面状に発光可能であり前記屋内居住空間の窓を模した模擬窓照明装置を更に備え
記制御部は、前記模擬窓照明装置の明るさ及び色温度を前記生活シーンの前記時間帯に応じて変化させること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明効果体感システム。
【請求項4】
前記模擬屋内空間に配置されるディスプレイを更に備え、
前記制御部は、前記ディスプレイの画像を更に制御するものであり、
前記記憶部は、前記生活シーンに関連付けて、当該生活シーンを印象付けるテレビ画面情報を記憶しており、
前記制御部は、前記屋内照明装置を前記生活シーンに関連付けられた状態に制御するときに、前記ディスプレイに、当該生活シーンに関連付けて前記記憶部に記憶されているテレビ画面情報を表示する制御を行うこと、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の照明効果体感システム。
【請求項5】
前記屋内照明装置は、前記ダイニング空間に隣接する壁面を照射する壁面照明を含み、
当該壁面にキッチンを示す表示物が設けられ、
前記生活シーンは、前記キッチンで作業が行われる生活シーンを含み、
当該生活シーンにおいて、前記壁面照明が点灯すること、
を特徴とする請求項2に記載の照明効果体感システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見学者に照明効果を体感させる照明効果体感システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、リビングルーム及びダイニングルームを模して構成される照明体験ルームに設けられたダウンライト、シーリングライト、ペンダントライトといった各種照明器具を組み合わせて点灯させることにより、見学者が照明の種類によってリビングルームやダイニングルームの雰囲気がどのように異なるか体験することができる住宅学習施設が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設や、オフィスビルの会議室に用いられる照明制御システムであって、各照明器具の明るさ及び色温度等の点灯状態を変化させて実現される照明シーンを、予め設定されたスケジュールに応じて制御するシステムが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-149654号公報
【文献】特開2014-44915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような住宅学習施設においては、生活のワンシーンにおける照明器具の点灯及び消灯の組み合わせは再現されるが、時間帯毎の生活者の行動を考慮して照明シーンを再現しているわけではないので、時間帯毎の照明効果を体感できるものでは無かった。
【0006】
また、特許文献2のような照明制御システムは、商業施設やオフィスビルのようなパターン化されたタイムスケジュールを繰り返す場所の照明制御システムであり、住宅や照明展示施設で見学者に見学さえることを想定したものではない。
【0007】
そこで、本発明は、時間帯及び生活者の行動によって変化する照明効果をわかりやすく体感させることができる照明効果体感システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明効果体感システムは、見学者に照明効果を体感させる照明効果体感システムであって、生活者が居住する屋内居住空間を模した模擬屋内空間と、前記模擬屋内空間に配置される複数の屋内照明装置と、前記複数の屋内照明装置を制御する制御部と、時間帯毎と前記生活者の行動とを組み合わせた生活シーンと、それぞれの前記屋内照明装置の状態と、を関連付けて記憶する記憶部と、前記模擬屋内空間に隣接して形成される模擬屋外空間と、前記模擬屋外空間に配置される屋外照明装置と、前記模擬屋内空間及び前記模擬屋外空間の境界に形成される開口部と、前記開口部を開閉可能に覆う電動遮蔽装置と、を備え、前記制御部は、前記時間帯の順に、前記屋内照明装置を前記生活シーンに関連付けられた状態に制御し、前記生活シーンは、少なくとも日中、夕方、及び夜間の時間帯の生活シーンを含み、前記制御部は、前記屋外照明装置の明るさ及び色温度を前記生活シーンの前記時間帯に応じて変化させるとともに、前記電動遮蔽装置の開閉を当該生活シーンの時間帯に応じて変化させること、を特徴としている。
【0009】
本発明の照明効果体感システムは、前記模擬屋内空間は、複数の前記生活者が居住する空間を模したものであり、且つ、リビング空間、ダイニング空間、及びパーソナル空間が一体に設けられた空間であり、居住者が腰掛けることができる高さ及び強度のベンチ棚が前記模擬屋内空間の壁面に沿ってリビング空間及びパーソナル空間に亘って形成されており、前記パーソナル空間は、前記ベンチ棚の上方の天井に設けられるパーソナルダウンライトに照らされる空間であり、前記ダイニング空間と前記リビング空間との間に形成される空間であり、前記リビング空間と前記パーソナル空間との間の前記ベンチ棚の上部に飾り棚が形成されることで前記リビング空間と区分けされている空間であり、前記リビング空間、前記ダイニング空間、及び前記パーソナル空間にそれぞれ異なる前記屋内照明装置が配置されており、少なくともいずれかの前記生活シーンにおいて、前記屋内照明装置は、前記リビング空間、前記ダイニング空間、及び前記パーソナル空間のうちの2以上の空間を異なる屋内照明装置で照明すること、を特徴としている。
【0010】
本発明の照明効果体感システムは、前記模擬屋内空間の壁面に配置され、面状に発光可能であり前記屋内居住空間の窓を模した模擬窓照明装置を更に備え、前記生活シーンは、少なくとも日中、夕方、及び夜間の時間帯の生活シーンを含み、前記制御部は、前記模擬窓照明装置の明るさ及び色温度を前記生活シーンの前記時間帯に応じて変化させること、を特徴としている。
【0012】
本発明の照明効果体感システムは、前記模擬屋内空間に配置されるディスプレイを更に備え、前記制御部は、前記ディスプレイの画像を更に制御するものであり、前記記憶部は、前記生活シーンに関連付けて、当該生活シーンを印象付けるテレビ画面情報を記憶しており、前記制御部は、前記屋内照明装置を前記生活シーンに関連付けられた状態に制御するときに、前記ディスプレイに、当該生活シーンに関連付けて前記記憶部に記憶されているテレビ画面情報を表示する制御を行うこと、を特徴としている。
【0013】
本発明の照明効果体感システムは、前記屋内照明装置は、前記ダイニング空間に隣接する壁面を照射する壁面照明を含み、当該壁面にキッチンを示す表示物が設けられ、前記生活シーンは、前記キッチンで作業が行われる生活シーンを含み、当該生活シーンにおいて、前記壁面照明が点灯すること、を特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の照明効果体感システムによると、模擬屋内空間に設けられた屋内照明装置を、時間帯及び生活者の行動を組み合わせた生活シーンに対応する状態に、当該時間帯の順に制御するので、時間帯及び生活者の行動によって変化する照明効果を見学者にわかりやすく体感させることができる。
さらに、本発明の照明効果体感システムによると、制御部は、屋外照明装置の明るさ及び色温度を生活シーンの時間帯に応じて変化させるとともに、電動遮蔽装置の開閉を当該生活シーンの時間帯に応じて変化させることで、時間帯毎の外光の変化を示しつつ、電動遮蔽装置の開閉によっても、昼夜の変化を示すので、見学者が直感的に時間帯の変化を理解させることができ、時間帯変化と屋内照明装置による照明効果とを見学者に判りやすく体感させることができる。
【0015】
本発明の照明効果体感システムによると、複数の生活者が居住する空間を模した模擬屋内空間のリビング空間、ダイニング空間、及びパーソナル空間のうちの2以上の空間を、異なる屋内照明装置が照明することで、複数の生活者がそれぞれ異なる行動をとっている状態を見学者にわかりやすく体感させることができる。
【0016】
本発明の照明効果体感システムによると、制御部は、模擬窓照明装置の明るさ及び色温度を生活シーンの時間帯に応じて変化させることで、時間帯毎の外光の変化と屋内照明装置による照明効果とを見学者に判りやすく体感させることができる。
【0018】
本発明の照明効果体感システムによると、ディスプレイに生活シーンを印象付けるテレビ画面情報を表示することで、時間帯や生活者の行動をわかりやすく見学者に示すことができ、この生活シーンにおける屋内照明装置の照明効果を見学者に判りやすく体感させることができる。
【0019】
本発明の照明効果体感システムによると、ダイニング空間に隣接する壁面にキッチンを示す表示物が設けられ、ダイニング空間に隣接して仮想的にキッチンが存在することを見学者に示すことができ、壁面照明を点灯することで、キッチンで作業が行われる生活シーンであることを見学者にわかりやすく示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】照明効果体感システムが設けられる照明展示コーナーの全体構成を示す図。
図2】ダイニング空間、及びパーソナル空間の屋内照明装置の配置を説明する図。
図3】リビング空間の屋内照明装置の配置を説明する図。
図4】ダイニング空間、及びパーソナル空間の構成を図1のI-I線断面図。
図5】ディスプレイ、及び模擬窓照明装置の構成を説明する図1のII-II線断面図。
図6】模擬屋外空間の構成を説明する図。
図7】照明効果体感システムの全体構成を説明するブロック図。
図8】記憶部に記憶される生活シーン及び当該生活シーンに関連付けられて記憶される屋内照明装置などの状態を模式的に表した一覧表図。
図9】表示操作部に表示される個別操作画面を示す図。
図10】照明効果体感システムを用いて見学者に照明効果を体感させる処理の一例を示すフローチャート。
図11】生活シーン1から3において表示操作部に表示される生活シーン説明情報及び照明説明情報を示す図。
図12】生活シーン4から6において表示操作部に表示される生活シーン説明情報及び照明説明情報を示す図。
図13】生活シーン7から9において表示操作部に表示される生活シーン説明情報及び照明説明情報を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態の照明効果体感システム1について各図を参照しつつ説明する。照明効果体感システム1は、住宅及び住宅に設置される設備の性能や効果を見学者に体感させる見学施設に設けられる照明展示コーナー2のシステムである。照明展示コーナー2は、図1に示すように、生活者が居住する屋内居住空間を模して形成された模擬屋内空間3と、模擬屋内空間3に隣接して庭を模して形成された模擬屋外空間4と、を有している。照明展示コーナー2は、模擬屋内空間3及び模擬屋外空間4の他に、照明効果を体感できる仕切られた他の空間を有していても良く、例えば、図示しない廊下や和室等の住宅の屋内空間を模した空間や照明効果の基礎知識や操作方法を説明するためのレクチャールームを備えていてもよい。
【0022】
照明効果体感システム1は、模擬屋内空間3及び模擬屋外空間4における各種照明演出を制御して見学者に照明効果を体感させるシステムであり、模擬屋内空間3と、模擬屋外空間4と、模擬屋内空間3に配置される屋内照明装置Lnと、屋内居住空間の窓を模した模擬窓照明装置5と、模擬屋外空間4に配置される屋外照明装置6と、模擬屋内空間3及び模擬屋外空間4の境界に形成される開口部7と、開口部7を覆う電動遮蔽装置8と、テレビ受像機を模したディスプレイ9と、を備えている。また、照明効果体感システム1は、図7に示すように、屋内照明装置Ln、模擬窓照明装置5、屋外照明装置6、電動遮蔽装置8、及びディスプレイ9を制御する制御部10と、時間帯と生活者の行動とを組み合わせた複数の生活シーンを各装置の状態と関連付けて記憶する記憶部11と、各種操作を受け付けるとともに、生活シーンを説明する文章を表示する表示操作部12と、を備えている。
【0023】
模擬屋内空間3は、図1において、二点鎖線で示すように、リビング空間13、ダイニング空間14、及びパーソナル空間15が仕切られること無く一体となって形成された空間である。なお、一体となって形成される空間とは、間仕切壁によって区切られることの無く、屋内照明装置Lnの照射範囲や家具の配置によって、リビング空間13、ダイニング空間14、及びパーソナル空間15に区別される空間であることをいう。模擬屋内空間3は平面視略長方形となるように壁面に囲まれており、長辺を構成する一方の壁面に見学者が出入りする出入口16が形成されている。出入口16から模擬屋内空間3に入って右側にはリビング空間13が形成され、出入口16の左側にダイニング空間14が形成されている。また、出入口16から入って正面側にパーソナル空間15が形成されている。
【0024】
リビング空間13には、図3に示すように、ソファ17及びローテーブル18が配置されている。ソファ17は出入口16が設けられた壁面と同じ壁面に沿って配置されており、ソファ17に着座した場合に、左側にダイニング空間14が設けられ、右側に模擬屋外空間4が設けられている。また、出入口16と対向する壁面には居住者が腰掛けることができる高さ及び強度のベンチ棚19が当該壁面に沿ってリビング空間13及びパーソナル空間15に亘って形成されており、リビング空間13のソファ17の正面側のベンチ棚19にはテレビを模したディスプレイ9が載置されている。
【0025】
ダイニング空間14は、図2及び図4に示すように、リビング空間13と反対側に形成された壁面に当接するようにダイニングテーブル20が配置されている。このダイニングテーブル20が当接する壁面は、キッチンカウンタ21がダイニング空間14側に突出して形成されている。またこの壁面のキッチンカウンタ21よりも上側には、キッチンを示す表示物22が貼付されており、現実には壁面が形成されているが、本来、キッチンカウンタ21の向こう側にキッチンが設けられることを見学者に対して示している。表示物22は例えばキッチン用具の図柄が記載されたステッカーである。表示物22はこれに限られず、壁面に貼り付けて視覚的にキッチンが設けられていることを示すことができるものであればよい。
【0026】
パーソナル空間15は、図2及び図5に示すように、ダイニング空間14とリビング空間13の間に形成された空間であり、ベンチ棚19に腰掛けて、例えば読書やSNSなどの個人的な作業を行う空間である。リビング空間13とパーソナル空間15のベンチ棚19が設けられた壁面は模擬屋内空間3の外側に突き出して形成されており、リビング空間13とパーソナル空間15との間のベンチ棚19の上部には飾り棚23が形成されてリビング空間13及びパーソナル空間15を区分けしている。また、模擬屋内空間3の見学者の動線に重ならない隅部にはそれぞれ観葉植物が配置されている。なお、模擬屋内空間3には図示しないスピーカが設けられており、演出するシーンの効果を高めるBGM又は効果音を流すことができる。
【0027】
次に、模擬屋内空間3に配置される屋内照明装置Lnの配置について説明する。なお、屋内照明装置Lnは天井に形成されるものであるが、図2及び図3においては、説明の都合上、屋内照明装置Lnを一点鎖線で示している。屋内照明装置Lnは、リビング空間13、パーソナル空間15、及びダイニング空間14に亘って形成されており模擬屋内空間3の天井を照射するコーブ照明L1~L3、リビング空間13全体を照らすリビングシーリングライトL4、リビング空間13の壁際で壁面の装飾品を照らす壁際ダウンライトL5、リビング空間13の中央に設けられてリビング空間13全体を照らすリビングダウンライトL6、模擬屋内空間3から見て開口部7の左側に配置される開口部左スタンド照明L7、模擬屋内空間3からみて開口部7の右側に配置される開口部右スタンド照明L8、キッチンを模した壁面に照射するブラケット照明であるキッチン壁面照明L9、ダイニングテーブル20を照らす天井から吊り下がったダイニングペンダントライトL10、ダイニングテーブル20を照らすダイニングダウンライトL11、キッチンカウンタ21を照らすカウンタダウンライトL12、ディスプレイ9の背面の壁面を照射するコーニス照明L13、パーソナル空間15を照らすパーソナルダウンライトL14、を含む。
【0028】
これらの屋内照明装置Lnのうち、コーブ照明L1~L3、リビングダウンライトL6、ダイニングペンダントライトL10、ダイニングダウンライトL11、カウンタダウンライトL12、コーニス照明L13、パーソナルダウンライトL14はそれぞれ明るさ及び色温度を変更可能な調光調色機能を有する。これらの調光調色機能は、例えば1から7の7段階に変更可能となっており、数字が大きくなるにつれて、明るく、且つ、色温度が高くなる。なお、本実施形態においては、屋内照明装置Lnは、1つのパラメータを変更することで明るさ及び色温度がともに連動して変更されるものであるが、これに限られるものではなく、例えば明るさと色温度がそれぞれ別々に操作可能なものであってもよい。また、本実施形態では屋内照明装置Lnは、明るさ及び色温度を操作可能なものとしたが、例えば、明るさ及び色温度に加えて、光の照射範囲や照射方向を変更する操作が可能であってもよい。
【0029】
模擬窓照明装置5は、パーソナル空間15のベンチ棚19の背もたれ面となる壁面に形成されており、面状に発光可能となっている。模擬窓照明装置5は例えば腰高の嵌め殺し窓を模したデザインに形成されている。なお、ここで「面状に発光可能」とは、光源自体が面状に配置されるものに限られず、光源から反射板又は透光板に乱反射させることによって面状に発光することも含む。模擬窓照明装置5は、前述の屋内照明装置Lnと同様の調光調色機能を有する。
【0030】
ディスプレイ9は、図5に示すように、例えばテレビ受像機である。ディスプレイ9には記憶部11に記憶されている5つのテレビ画面情報を表示操作部12の操作に従って表示することができる。テレビ画面情報は例えば、様々なジャンルのテレビ番組を模した静止画である。
【0031】
開口部7は、模擬屋内空間3及び模擬屋外空間4の間に形成された引き違いの掃き出し窓である。なお、開口部7は模擬屋内空間3から模擬屋外空間4を視認可能な開口部7であればよく、例えば腰高さの窓であってもよい。また、開口部7を覆う電動遮蔽装置8は例えば電動カーテンである。なお、電動遮蔽装置8は電動カーテンに限定されるものではなく、例えば、電動シャッターのように開口部7を覆って、模擬屋内空間3から模擬屋外空間4を視認不能に遮蔽する状態から、開口部7を開放する状態に移行可能に形成されていればよい。
【0032】
模擬屋外空間4は、図6示すように、住宅の庭を模した空間である。模擬屋外空間4は実際には見学施設の建物の屋内に形成された壁面と天井に囲まれた空間であり、屋外照明装置6によって外光に近い明るさに演出することができるものである。模擬屋外空間4は模擬屋内空間3に隣接する壁面に開口部7が形成されている。屋外照明装置6は、昼白色のダウンライトL19と電球色のダウンライトL20がそれぞれ4つずつ天井に取り付けられて構成されている。屋外照明装置6は、昼白色のダウンライトL19と電球色のダウンライトL20との点灯及び消灯を切り替えることで、発光する色温度を変更している。屋外照明装置6の2つのダウンライトL19,L20はそれぞれ明るさを調節可能となっている。なお、屋外照明装置6は、2種類のダウンライトL19,L20の点灯及び消灯を切り替える構成に限定されるものではなく、例えば調光及び調色機能を有する照明装置により構成されていても良い。
【0033】
また、模擬屋外空間4には、水を貯留する池24が形成されており、当該池24に波を発生させるための波発生装置25が設けられている。波発生装置25は池24の水中に設けられており振動することによって水面に波を発生させる装置である。また、模擬屋外空間4の池24には、プランタに植えられた樹木26が配置されている。さらに模擬屋外空間4には、下方から樹木26に光を照射するアップスポットライトL16、上方から樹木26に光を照射するダウンスポットライトL15、上方から池24の水面に光を照射して、水面で反射した光を壁面に照射する反射演出照明L17と、水中に配置されており池24の底に光を照射する水中照明L18と、が配置されており、模擬屋外空間4に様々な照明演出を行うことができる。
【0034】
表示操作部12は本実施形態においては、タッチパネルであり、照明効果体感システム1の操作者の操作を受け付けるとともに、操作者が見学者に対して行う照明効果の説明を補助するものである。表示操作部は、入り口から模擬屋内空間3に入って右手側の壁面に固定されている。表示操作部12は、図7に示すように、例えば有線接続されるものであっても良く、又はタブレット端末やパソコンのようにネットワークを介して有線及び無線のいずれでも接続可能な構成であっても良い。また、制御部10は、屋内照明装置Ln、模擬窓照明装置5、屋外照明装置6、波発生装置25、電動遮蔽装置8、ディスプレイ9、及び模擬屋外空間4に配置された各種照明装置をそれぞれ制御可能なコンピュータである。
【0035】
記憶部11は各生活シーン毎に制御部10が制御する各種装置の状態を記憶したストレージである。記憶部11には、生活シーンと各種装置の状態とを関連付けて記憶される他に、例えば、照明効果体感システム1を動作させるアプリケーションソフトが記憶されていても良い。生活シーンは、所定の時間帯における生活者の行動のモデルケースである。照明効果体感システム1は、この生活シーンにおいて最適な屋内照明装置Lnの状態の組み合わせを見学者に対して体感させるものである。制御部10及び記憶部11は表示操作部12と一体のものであってもよいし、通信ケーブルやネットワークを通じて表示操作部12及び各種装置に接続可能な構成であってもよい。
【0036】
また、記憶部11には、図8に模式的に示すように、時間帯と生活者の行動とを組み合わせた生活シーン毎に、当該生活シーンと、屋内照明装置Ln、屋外照明装置6、アップスポットライトL16、ダウンスポットライトL15、反射演出照明L17、水中照明L18、模擬窓照明装置5、波発生装置25、ディスプレイ9、電動遮蔽装置8、及びBGMの状態とを、関連付けて記憶されている。
【0037】
以上のように構成される照明効果体感システム1を用いて見学者に照明効果を体感させる際には、図10に示すように、制御部10は、時間帯の順に、屋内照明装置Lnを生活シーンに関連付けられた状態に制御する。制御部10は、例えば記憶部11に記憶されているプログラムに従って処理を行う。制御部10はまず、表示操作部12に図示しない初期説明画面を表示する(S1)。初期説明画面は、照明効果体感システム1の操作者に対して、見学者に生活シーンの中でのあかりの変化を体感させる旨の説明するように促すとともに、この照明効果体感システム1で想定している家族構成や想定される空間を説明するように促す旨の情報が表示される画面である。具体的には、本実施形態では、家族構成が父親、母親、中学生の娘、小学生の息子の4人家族をモデルケースとし、想定される空間はリビング空間13、ダイニング空間14、パーソナル空間15、及びキッチンであることが表示される。操作者は、初期説明画面の内容を確認して見学者に初期説明を行った後、表示操作部12に表示されている「次へ」のボタンをタッチする。
【0038】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン1「起床」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン1「起床」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S2)。具体的には、屋内照明装置Lnのコーブ照明L1~L3、リビングダウンライトL6、及びカウンタダウンライトL12を7段階中「5」の明るさ及び色温度で点灯させる。そして、模擬窓照明装置5を「5」の明るさ及び色温度で点灯させる。「5」の明るさ及び色温度は、早朝の屋内を再現する明るさ及び色温度である。また、電動遮蔽装置8はOPENに制御されるとともに、屋外照明装置6は、昼白色のダウンライトを点灯するように制御される。これによって、開口部7から屋外照明装置6の昼白色の明かりが模擬屋内空間3に入射するので、窓から明るい外光が入っているように見学者に感じさせることができる。
【0039】
また、ディスプレイ9には、テレビ画面情報1を表示する。テレビ画像情報1は、早朝の生活シーンを印象付けるテレビ画面情報であり、本実施形態においては、例えば朝の情報番組の天気予報を模した静止画である。朝の情報番組風の天気予報がディスプレイ9に表示されることで見学者は早朝の時間帯であることを直感的に感じとることができる。なお、特に言及しない各種装置はoffとなっている。
【0040】
また、表示操作部12には、図11(a)に示すように、生活シーン1「起床」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、このシーンでは、母親が朝食準備中、父親がリビング空間13で天気予報を見ており、子供たちはまだ寝ていることが、上段に表示される。そして、下段には、外光に合わせた昼白色で空間構成し、ベースがコーブ照明L1~L3の昼白色で、リビング空間13及びキッチンの明かりを昼白色で点灯している点が説明され、誰もいないダイニングが消灯中であり、外光が入ってくるのでテレビ背面のコーニス照明L13が消灯中であることが表示される。操作者は、表示操作部12に表示された生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明することで、適切な説明をすることができるので、照明展示コーナー2の案内に慣れていない操作者であっても、見学者に対して適切な説明を行うことができる。
【0041】
この生活シーン1「起床」では、ダイニング空間14に隣接して形成された壁面を照射するキッチン壁面照明L9が点灯しており、当該壁面にはキッチンを示す表示物22が設けられているので、実際にはこの照明展示コーナー2にはキッチン空間は存在していないが、この生活シーン1「起床」で、キッチンで作業が行われることを見学者に示すことができる。操作者は、シーン1「起床」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0042】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、図10に示すように、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン2「朝食」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン2「朝食」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S3)。具体的には、屋内照明装置Lnのコーブ照明L1~L3、及びカウンタダウンライトL12を7段階中「7」の明るさ及び色温度で点灯させ、ダイニングペンダントライトL10、を7段階中「5」の明るさ及び色温度で点灯させる。また、模擬窓照明装置5を「7」の明るさ及び色温度で点灯させ、電動遮蔽装置8はOPENに制御するとともに、屋外照明装置6は、昼白色のダウンライトを点灯するように制御する。これによって、外光や模擬屋内空間3の全体の明かりがシーン1「起床」よりも明るくなることで、早朝からの時間経過を見学者に感じさせることができ、ダイニングペンダントライトL10が点灯したことで、朝食のシーンであることを直感的に感じさせることができる。また、ディスプレイ9を含んで、特に言及しない各種装置はoffとなっている。
【0043】
また、表示操作部12には、図11(b)に示すように、生活シーン2「朝食」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、このシーンでは、家族全員が朝食を取っていることが、上段に表示される。そして、下段には、外光に合わせた昼白色で空間構成し、ベースがコーブ照明L1~L3の昼白色で、ダイニング空間14及びキッチンの明かりを昼白色で点灯している点が説明され、誰もいないリビング空間13が消灯中であることが表示される。操作者は、シーン2「朝食」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0044】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、図10に示すように、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン3「帰宅」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン3「帰宅」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S4)。具体的には、屋内照明装置Lnのコーブ照明L1~L3、リビングダウンライトL6、コーニス照明L13を7段階中「3」の明るさ及び色温度で点灯させ、壁際ダウンライトL5及びキッチン壁面照明L9を点灯させ、カウンタダウンライトL12を「4」の明るさで点灯させる。また、模擬窓照明装置5を「3」の明るさ及び色温度で点灯させ、電動遮蔽装置8はOPENに制御するとともに、屋外照明装置6は、電球色のダウンライトを点灯するように制御する。これによって、外光や模擬屋内空間3の全体の明かりがシーン2「朝食」よりも明るさ及び色温度の低いあかりとなることで、さらに時間が経過し夕方となったことを見学者に感じさせることができる。
【0045】
また、ディスプレイ9には、テレビ画面情報2を表示する。テレビ画像情報2は、夕方の生活シーンを印象付けるテレビ画面情報であり、本実施形態においては、例えばHEMSの情報画面を模した静止画である。夕方にその日の発電量や消費電力量をチェックしていることを見学者に理解させることができる。なお、特に言及しない各種装置はoffとなっている。
【0046】
また、表示操作部12には、図11(c)生活シーン3「帰宅」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、このシーンでは、息子の帰宅前後の時間帯である旨、及び、母親がHEMSチェックをしている旨の情報が上段に表示される。そして、下段に、夕暮れの外光に合わせた、温白色で空間を構成していること、コーブ照明L1~L3及びリビング空間13の照明が温白色で、誰も居ないキッチンが消灯中であることなどの情報が表示される。操作者は、シーン3「帰宅」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0047】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、図10に示すように、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン4「夕食前」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン4「夕食前」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S5)。具体的には、屋内照明装置Lnのコーブ照明L1~L3、及びパーソナルダウンライトL14を7段階中「3」の明るさ及び色温度で点灯させるとともに、壁際ダウンライトL5、開口部左スタンド照明L7、及びキッチン壁面照明L9を点灯させる。ダイニングペンダントライトL10及びカウンタダウンライトL12を「5」の明るさ及び色温度で点灯させる。このとき、模擬窓照明装置5及び屋外照明装置6は消灯され、電動遮蔽装置8はCLOSEに制御される。これによって、日没後のほとんど外光が無い状態であることを見学者に理解させることができる。これによって外光が暗い夜間であることを見学者に直感的に理解させることができ、ダイニング空間14やキッチンで作業中であるとともに、リビング空間はそれよりも暗い暖色系の光でくつろいでいるシーンであることを示すことができる。なお、特に言及しない各種装置はoffとなっている。
【0048】
また、表示操作部12には、図12(a)に示すように、生活シーン4「夕食前」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、このシーンでは、母親がキッチンで夕食準備中である旨、父親がリビング空間13でお風呂上りの一杯を楽しんでおり、息子はダイニング空間14で学校の宿題を行っている旨の情報が上段に表示される。そして、下段に、コーブ照明L1~L3が温白色で、キッチン及びダイニングが昼白色で点灯している旨などの情報が表示される。操作者は、シーン4「夕食前」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0049】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、図10に示すように、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン5「夕食」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン5「夕食」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S6)。具体的には、屋内照明装置Lnのコーブ照明L1~L3を7段階中「2」の明るさ及び色温度で点灯させ、コーニス照明L13を「1」の明るさ及び色温度で点灯させ、ダイニングペンダントライトL10を「4」の明るさ及び色温度で点灯させる。ダイニングペンダントライトL10を他の屋内照明装置Lnよりも明るく点灯することで、見学者に食事のシーンであることを理解させる。なお、特に言及しない各種装置はoffとなっている。
【0050】
また、表示操作部12には、図12(b)に示すように、生活シーン5「夕食」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、このシーンでは、家族がダイニングテーブル20で夕食をとっている旨の情報が上段に表示される。そして、下段に、電球色で空間構成される点、コーブ照明L1~L3及びダイニング空間14の照明が電球色である点、及び、誰も居ないキッチン及びリビング空間13の明りが消灯中である旨の情報が表示される。操作者は、シーン5「夕食」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0051】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、図10に示すように、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン6「それぞれがくつろぎ」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン6「それぞれがくつろぎ」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S7)。具体的には、屋内照明装置Lnのコーブ照明L1~L3及びコーニス照明L13を7段階中「3」の明るさ及び色温度で点灯させ、リビングダウンライトL6、ダイニングペンダントライトL10、パーソナルダウンライトL14を「4」の明るさ及び色温度で点灯させ、開口部左スタンド照明L7及び開口部右スタンド照明L8を点灯する。またディスプレイ9にテレビ画面情報3を表示する。テレビ画像情報3は、夜の生活シーンを印象付けるテレビ画面情報であり、本実施形態においては、例えばプロ野球のナイター中継を模した静止画である。このようにリビング空間13のリビングダウンライトL6、ダイニング空間14のダイニングペンダントライトL10、パーソナル空間15のパーソナルダウンライトL14を比較的明るく点灯することで、ダイニング空間14、パーソナル空間15、及びリビング空間13で、家族がそれぞれ、思い思いのくつろぎ時間を過ごしていることを見学者に理解させる。なお、特に言及しない各種装置はoffとなっている。
【0052】
また、表示操作部12には、図12(c)に示すように、生活シーン6「それぞれがくつろぎ」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、このシーンでは、父親と息子がリビング空間でスポーツ観戦、母親がダイニング空間14で雑誌をよみ、娘がパーソナル空間15でSNSをしている旨の情報が上段に表示される。そして、下段に、コーブ照明L1~L3が電球色でベースのあかりを作り、リビング空間13、ダイニング空間14、及びパーソナル空間15にそれぞれ温白色のあかりで、それぞれの空間を照明している旨の情報が表示される。操作者は、シーン6「それぞれがくつろぎ」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0053】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、図10に示すように、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン7「就寝前」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン7「就寝前」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S8)。具体的には、屋内照明装置Lnのリビング空間13側のコーブ照明L3及びパーソナルダウンライトL14を「1」の明るさ及び色温度で点灯させる。そして、模擬屋外空間4に配置されたアップスポットライトL16、反射演出照明L17、波発生装置25、及びBGMをONにして、模擬屋外空間4を幻想的にライトアップする。なお、特に言及しない各種装置はoffとなっている。
【0054】
また、表示操作部12には、図13(a)に示すように、生活シーン7「就寝前」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、このシーンでは、子供たちが自室で寝ている旨、母親がパーソナル空間15でヨガ体操している旨、及び父親がリビング空間13で庭を眺めながら飲酒している旨の情報が上段に表示される。そして、下段に、コーブ照明L1~L3の一部が電球色でベースのあかりを作り、パーソナル空間15に電球色のあかりが点灯し、模擬屋外空間4が幻想的にライトアップされている旨の情報が表示される。操作者は、シーン7「就寝前」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0055】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、図10に示すように、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン8「適人適光(夜)」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン8「適人適光(夜)」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S9)。具体的には、前述した生活シーン6「それぞれがくつろぎ」と同じ制御を行う。
【0056】
また、表示操作部12には、図13(b)に示すように、生活シーン8「適人適光(夜)」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、操作者は、生活シーン8「適人適光(夜)」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0057】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、図10に示すように、次に制御部10は表示操作部12の画面に生活シーン10「適人適光(昼)」を説明する画面を表示し、各種装置を記憶部11の生活シーン10「適人適光(昼)」に関連付けて記憶されている状態に制御する(S10)。具体的には、屋内照明装置Lnのコーブ照明L1~L3、リビングダウンライトL6、ダイニングペンダントライトL10、パーソナルダウンライトL14、及びカウンタダウンライトL12を「5」の明るさ及び色温度で点灯させる。
【0058】
また、模擬窓照明装置5を「5」の明るさ及び色温度で点灯させ、電動遮蔽装置8はOPENに制御するとともに、屋外照明装置6は、昼白色のダウンライトを点灯するように制御する。これによって、外光がある昼間の生活シーンであることを見学者に理解させるとともに、ダイニング空間14、リビング空間13、パーソナル空間15でそれぞれ思い思いの時間を過ごしていることを見学者に理解させる。またディスプレイ9にはテレビ画面情報4を表示する。テレビ画像情報4は、昼の生活シーンを印象付けるテレビ画面情報であり、本実施形態においては、例えば昼のワイドショーを模した静止画である。なお、特に言及しない各種装置はoffとなっている。
【0059】
また、表示操作部12には、図13(c)に示すように、生活シーン10「適人適光(昼)」の生活者の行動や時間帯を示す生活シーン説明情報27が上段に表示され、下段に屋内照明装置Lnの状態や効果を説明する照明説明情報28が表示される。具体的には、このシーンでは、息子はダイニングで宿題をしており、母親はキッチンで昼食の片付けをしており、娘はリビング空間で雑誌及びテレビを見ており、父親はパーソナル空間15で読書中である旨の情報が上段に表示される。そして、下段に、外光にあわせた昼白色で空間を構成し、リビング空間13、ダイニング空間14、パーソナル空間15を昼白色で構成している点が表示される。操作者は、シーン10「適人適光(昼)」の生活シーン説明情報27及び照明説明情報28を見学者に説明を行った後、表示操作部12に表示される「次へ」ボタンをタッチする。
【0060】
操作者が「次へ」のボタンをタッチすると、表示操作部12に図示しない生活シーンの紹介を終了する旨の表示がなされて、処理を終了する。
【0061】
以上のように、制御部10は、模擬窓照明装置5の明るさ及び色温度を生活シーンの時間帯に応じて変化させ、屋外照明装置6の明るさ及び色温度を生活シーンの時間帯に応じて変化させるとともに、電動遮蔽装置8の開閉を当該生活シーンの時間帯に応じて変化させている。これによって実際には外光の入らない屋内に設けられている照明展示コーナー2で見学者に外光の変化を体感させることができ、早朝から夜間までの時間帯毎の外光に応じた照明の選択を見学者に体感させることができる。
【0062】
そして、一体的に構成されているリビング空間13、ダイニング空間14、及びパーソナル空間15を、複数の生活者の時間帯毎の行動を想定した生活シーンを時間経過の順番に並べて、各生活シーンの照明を再現しているので、見学者が一日の流れを体感しやすく、しかも複数の生活者がそれぞれ別の行動をとっている生活シーンを再現することで、よりリアリティのある生活シーンの照明を見学者に体感させることができる。
【0063】
なお、照明効果体感システムは、上述のように複数の生活者の時間帯毎の行動を想定した生活シーンを時間経過の順番に並べて、各生活シーンの照明を再現することができるものであるが、例えば、図9に示すように、表示操作部12に個別操作画面を表示して、屋内照明装置Ln、模擬窓照明装置5、屋外照明装置6、波発生装置25、電動遮蔽装置8、ディスプレイ9、及び模擬屋外空間4を、それぞれ個別に操作することもできる。
【0064】
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明に係る照明効果体感システム1は、例えば住宅及び住宅に設置される設備の性能や効果を見学者に体感させる見学施設に設けられる照明展示コーナー2のシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0066】
1 照明効果体感システム
3 模擬屋内空間
4 模擬屋外空間
5 模擬窓照明装置
6 屋外照明装置
7 開口部
8 電動遮蔽装置
9 ディスプレイ
10 制御部
11 記憶部
13 リビング空間
14 ダイニング空間
15 パーソナル空間
22 表示物
Ln 屋内照明装置
L9 キッチン壁面照明(壁面照明)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13