(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】ドアの開閉順序の制約がないロック装置{LOCKING DEVICE WITHOUT ANY RESTRICTIONS ON THE OPENING AND CLOSING ORDER OF DOORS}
(51)【国際特許分類】
E05B 83/38 20140101AFI20231218BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20231218BHJP
E05B 77/38 20140101ALI20231218BHJP
E05B 79/20 20140101ALI20231218BHJP
E05B 85/26 20140101ALI20231218BHJP
【FI】
E05B83/38
B60J5/04 Z
E05B77/38
E05B79/20
E05B85/26
(21)【出願番号】P 2019184603
(22)【出願日】2019-10-07
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0074335
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】513316326
【氏名又は名称】平和精工株式会社
【氏名又は名称原語表記】PYEONG HWA AUTOMOTIVE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】ミン、チ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン-ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジェ-ギュ
(72)【発明者】
【氏名】アン、ギ-リュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒョン-ドゥク
(72)【発明者】
【氏名】ピョン、ソン-ゴン
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102010053179(DE,A1)
【文献】特開2018-188839(JP,A)
【文献】国際公開第2016/098158(WO,A1)
【文献】特開2004-027557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
B60J 5/00
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に連結された第1ドアと第2ドアを互いにロックまたはロック解除させ、ドアが閉じられてロックになった状態で前記第1および第2ドアのいずれか一つが先に開かれるようにするか、またはロック解除されてドアが開かれた状態で前記第1および第2ドアのいずれか一つが先に閉じられるようにするドアの開閉順序の制約がないロック装置であって、
前記第1ドアの側部に位置し、第1プレートと回転可能に結合されたキャッチ部と、前記キャッチ部を回転または回転制限させるように前記第1プレートと回転可能に結合されたポール部と、前記ポール部の回転軸に連結され、前記ポール部の回転に助力する第1リリースレバーとを含む第1ラッチ部、および
前記第1ラッチ部と対向するように前記第2ドアの側部に位置し、第2プレートと回転可能に結合された第2リリースレバーと、回転する前記キャッチ部と係止保持または係止解除されるストライカー部とを含む第2ラッチ部
を含
み、
前記ポール部の一端には、前記第2リリースレバーと接触する係止突起が形成されることを特徴とする、ドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【請求項2】
前記キャッチ部は、前記ストライカー部を収容する収容溝、前記収容溝の一側に形成され、前記キャッチ部の回転が制限されるように前記ポール部と係止動作が可能な係止部、および前記収容溝の他側に形成され、前記キャッチ部の回転に助力する重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【請求項3】
前記ポール部は、前記係止部と対応する形状の係止対応部を含むことを特徴とする、請求項2に記載のドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【請求項4】
前記第2リリースレバーと前記ポール部が接触する一端は互いに反対方向に回転することを特徴とする、請求項1に記載のドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【請求項5】
前記ポール部の回転軸には、外力が作用すれば、前記ポール部と前記第1リリースレバーが連結された状態で一方向に回転するように弾性力を提供し、外力が除去されれば、反対方向に回転するように弾性復原力を提供するリターンスプリングが位置することを特徴とする、請求項1に記載のドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【請求項6】
前記第1プレートには移動制限突起が形成され、前記第1リリースレバーには前記移動制限突起を収容する移動制限溝が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【請求項7】
前記第1リリースレバーまたは前記第2リリースレバーにはケーブルが連結されることを特徴とする、請求項1に記載のドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【請求項8】
前記キャッチ部の一側には、前記ストライカー部の移動を制限し、移動時に発生する騒音を減少させるように前記ストライカー部を載置させるストライカー部ダンパーが位置することを特徴とする、請求項1に記載のドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【請求項9】
前記ポール部の一側には、前記ポール部の移動を制限し、移動時に発生する騒音を減少させるポール部ダンパーが位置することを特徴とする、請求項1に記載のドアの開閉順序の制約がないロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に取り付けられたドアの開閉順序の制約がないロック装置に関し、特に車体に連結されたフロントドアとリヤドアを互いにロックまたはロック解除させ、ドアが閉じられてロックになった状態でフロントドアおよびリヤドアのいずれか一つを先に開かれるようにするか、またはロック解除されてドアが開かれた状態でフロントドアおよびリヤドアのいずれか一つを先に閉じられるようにすることができるドアの開閉順序の制約がないロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両には運転者やその同乗者が搭乗できる所定大きさの車室が形成されており、車室を開閉するために車体には車室開閉ドアが設けられている。
【0003】
車室開閉ドアは、乗用車の場合、車両の長さ方向に沿って前方に設けられたフロントドア、および車両の長さ方向に沿って後方に設けられたリヤドアを備えており、フロントドアとリヤドアは、通常、車体にヒンジを介して回転可能に設けられている。
【0004】
近来、荷物の積載、狭い空間での乗降車性などを向上させるために、Bピラーを除去することによって車室の開放空間を拡大できるようにBピラーレスドアが用いられている。
【0005】
通常、Bピラーは車両の側面衝突に対する剛性を考慮して乗客の安全を保護するために設けられるものであるため、Bピラーレスドアを製作するためには車両の側面に加えられる衝撃からフロントドアおよびリヤドアが破損または開放されないことが必要である。
【0006】
それと関連して、従来の韓国登録特許第10-1199223号(B-ピラーレス車両用フロントドアのロック装置)は、ドアのロック装置であって、フロントドアの内側上端に備えられ、上端ストライカーに係止保持または係止解除される上端ラッチユニット、前記フロントドアの内側下端に備えられ、下端ストライカーに係止保持または係止解除される下端ラッチユニット、および前記フロントドアの内側に備えられ、セーフティーノブとキーのアンロック(unlock)またはロック(lock)モードに応じて、前記上端ラッチユニットおよび前記下端ラッチユニットが前記上端ストライカーおよび上記下端ストライカーと各々係止解除または係止保持されるように駆動させる駆動ユニットを含み、セーフティーノブとキーのアンロックまたはロックモードに応じて上端ラッチユニットと下端ラッチユニットが同時にコントロールされてフロントドアを開閉させるロック装置を開示している。
【0007】
但し、上述した韓国登録特許第10-1199223号は、フロントドアをより確実に車体にロックさせるための技術に過ぎず、リヤドアに対しては対策を全く提示していない。
【0008】
また、車両によっては、フロントドアおよびリヤドアを開閉する順序が定められている場合もある。例えば、ドア開閉順序と関連して、ドアを開く時にはフロントドアを先に開いた後にリヤドアを開き、その後、ドアを閉じる時にはリヤドアを閉じてからフロントドアを閉じる式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するために、フロントドアとリヤドアを互いに連結させてロックまたはロック解除させることができ、開閉順序に関係なくフロントドアまたはリヤドアを開閉できる新しい構造のロック装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した問題点を具体的に解決するために、車体に連結された第1ドアと第2ドアを互いにロックまたはロック解除させ、ドアが閉じられてロックになった状態で前記第1および第2ドアのいずれか一つが先に開かれるようにするか、またはロック解除されてドアが開かれた状態で前記第1および第2ドアのいずれか一つが先に閉じられるようにするドアの開閉順序の制約がないロック装置であって、前記第1ドアの側部に位置し、第1プレートと回転可能に結合されたキャッチ部と、前記キャッチ部を回転または回転制限させるように前記第1プレートと回転可能に結合されたポール部と、前記ポール部の回転軸に連結され、前記ポール部の回転に助力する第1リリースレバーとを含む第1ラッチ部、および前記第1ラッチ部と対向するように前記第2ドアの側部に位置し、第2プレートと回転可能に結合された第2リリースレバーと、回転する前記キャッチ部と係止保持または係止解除されるストライカー部とを含む第2ラッチ部を含むドアの開閉順序の制約がないロック装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ドアの開放順序に拘らずロック装置の個別的操作に応じて第1ドアおよび第2ドアのうちのいずれかを開放することができるため、ドアの開閉順序に制約がない。
【0013】
また、本発明によれば、ドアの閉鎖時、第1ラッチ部および第2ラッチ部が互いに結束状態を保持することができるため、ドアの開放および破損を防止できるという利点がある。
【0014】
なお、本発明によれば、第1ドアと第2ドアを各々車体にロックまたはロック解除させる方式ではなく、第1ドアと第2ドアを互いにロックまたはロック解除させる方式が用いられるため、部品数が簡素化されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による第1ラッチ部と第2ラッチ部が第1ドアおよび第2ドアに各々取り付けられた状態を示す図である。
【
図3】
図2の第1ラッチ部を分解した分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるキャッチ部を示す図である。
【
図6】
図5の第2ラッチ部を分解した分解斜視図である。
【
図7a】第1ラッチ部に連結されたケーブルが引っ張られるとロック装置が解除される動作を示す図である。
【
図7b】ロック装置が解除された後に第1ラッチ部と第2ラッチ部が分離した状態を示す図である。
【
図8a】第2ラッチ部に連結されたケーブルが引っ張られてロック装置が解除される動作を示す図である。
【
図8b】ロック装置が解除された後に第1ラッチ部と第2ラッチ部が分離した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るドアの開閉順序の制約がないロック装置の好ましい実施形態について図面を参照して詳しく説明する。以下で用いられた用語や単語は通常的または辞典的な意味に限定して解釈してはならず、発明者は自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に立ち、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈しなければならない。
【0017】
図1は本発明の一実施形態による第1ラッチ部と第2ラッチ部が第1ドアおよび第2ドアに各々取り付けられた状態を示す図であり、
図2は
図1の第1ラッチ部を示す斜視図であり、
図3は
図2の第1ラッチ部を分解した分解斜視図であり、
図4は本発明の一実施形態によるキャッチ部を示す図であり、
図5は
図1の第2ラッチ部を示す斜視図であり、
図6は
図5の第2ラッチ部を分解した分解斜視図である。
【0018】
図1~
図6を参照すれば、本発明の一実施形態によるドアの開閉順序の制約がないロック装置は、B-ピラーレス車体に結合されたドアのロックおよびロック解除のためのものであり、第1ラッチ部100および第2ラッチ部200を含む。ここで、第1ラッチ部100は第1ドア10の内側に位置し、第2ラッチ部200は第2ドア20の内側に位置する。第1ドア10と第2ドア20の位置は特に制限がないが、本明細書においては、車体を基準に、第1ドア10は前方に位置し、第2ドア20は後方に位置することにする。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第1ドア10と第2ドア20は互いに対向するかまたは遠くなる方向に車体にスライド結合される。但し、本発明の他の実施形態において、第1ドア10は車体にスイングするように連結(レギュラードア)され、第2ドア20は車体にスライドするように連結されることができ、その逆の場合も可能であり、第1ドア10および第2ドア20が車体にスイングするように連結されることもできる。しかし、どのような形態のドア構造であれ、本発明のロック装置は車体にBピラーがない構造に適用されることが好ましい。
【0020】
第1ラッチ部100と第2ラッチ部200は第1ドア10および第2ドア20が閉じられた時に互いに対向する位置において向き合って連結される。よって、第1ラッチ部100は第1ドア10の側部に位置し、第1ラッチ部100と対向するように、第2ラッチ部200は第2ドア20の側部に位置する。
【0021】
第1ラッチ部100は、第1ドア10に取り付けられるようにブラケット部位を有する第1プレート110、第1プレート110に連結されるキャッチ部120、ポール部130および第1リリースレバー140を含む。
【0022】
キャッチ部120は、
図2および
図3に示すように、キャッチ部回転軸121を基準に第1プレート110と回転可能に連結される。ここで、キャッチ部回転軸121は、第1プレート110に固定連結される。キャッチ部120は、収容溝122、収容溝122を基準に一側に形成された係止部124、および収容溝122を基準に他側に形成された重量部126を含む。
【0023】
収容溝122は、キャッチ部120の内側に窪んだ形状を有し、これは後述するストライカー部220を収容するためのものであり、ストライカー部220と対応する形状を有する。よって、キャッチ部120の回転領域は、収容溝122がストライカー部220と向き合う領域を含むように形成される。
【0024】
一方、第1プレート110は、ストライカー部220がキャッチ部120の収容溝122に収容され、第1ラッチ部100の内部に挿入されるようにストライカー部220の形状と対応するプレート挿入溝112を含む。
【0025】
係止部124は、収容溝122の一側に形成され、鉤状を有する。ここで、収容溝122の一側とは、
図2および
図3に示すように、ストライカー部220と近い方向を意味する。
【0026】
重量部126は、収容溝122の他側に形成され、係止部124より大きい重量を有する。ここで、収容溝122の他側とは、
図2および
図3に示すように、ストライカー部220と遠い方向を意味する。
【0027】
上述したように、キャッチ部120の収容溝122、係止部124および重量部126はキャッチ部回転軸121を基準に回転し、キャッチ部120に如何な外力が作用しなければ、重量部126はその重量により下側に位置するようになり、この時、収容溝122および係止部124はストライカー部220に向かって傾く。
【0028】
キャッチ部120の一側には、ストライカー部220が載置できるようにストライカー部ダンパー150が位置する。このようなストライカー部ダンパー150は、第1ラッチ部100の内部に挿入されたストライカー部220の移動を制限しつつ、移動時に発生する騒音を減少させる。ストライカー部ダンパー150の材質は特に制限がないが、ゴムなどの弾性成分を有することが好ましい。
【0029】
ポール部130は、
図3に示すように、ポール部回転軸131を基準に第1プレート110と回転可能に連結され、キャッチ部120の下側に位置する。ここで、ポール部回転軸131は、第1プレート110に固定連結される。ポール部130の一端には係止突起133が形成され、他端にはポール部回転軸131が挿入される。ここで、係止突起133は、後述する第2リリースレバー240の一端と接触することができる。
【0030】
ポール部130には係止対応部134が形成され、係止対応部134は、キャッチ部120の係止部124と対応する鉤状を有し、係止部124と接触および接触解除が可能である。よって、係止部124と係止対応部134が接触すれば、キャッチ部120の回転は制限され、係止部124と係止対応部134が接触しなければ、キャッチ部120は回転するようになる。
【0031】
ポール部130の一側には、ポール部ダンパー136が位置する。このようなポール部ダンパー136は、ポール部130が一定範囲まで回転するように動きを制限しつつ、ポール部130の移動時に発生する騒音を減少させる。ポール部ダンパー136の材質は特に制限がないが、ゴムなど弾性成分を有することが好ましい。
【0032】
ポール部回転軸131には、ポール部130と反対方向に第1リリースレバー140の一端が回転可能に連結される。ポール部回転軸131と第1リリースレバー140との間にはリターンスプリングRが位置し、このようなリターンスプリングRは、ポール部130と第1リリースレバー140が共に回転するように助力しつつ、回転時に弾性力を提供する。
【0033】
具体的には、リターンスプリングRは、外力が作用すれば、弾性力を提供して、ポール部130と第1リリースレバー140が一方向に共に回転するように助力する。その逆に、外力が除去されれば、リターンスプリングRの弾性復原力によってポール部130と第1リリースレバー140が反対方向に共に回転する。
【0034】
一方、
図3に示すように、ポール部130と第1リリースレバー140はボディー160を間に置いてポール部回転軸131を介して連結されることができる。すなわち、ボディー160の一側にリターンスプリングRおよび第1リリースレバー140が位置し、ボディー160の反対側にポール部130が位置し、ポール部回転軸131がボディー160を貫通することによってポール部130と第1リリースレバー140が互いに連結される。
【0035】
このような第1リリースレバー140はポール部回転軸131を中心に回転し、その回転領域を一定範囲に制限するために移動制限溝142を含む。移動制限溝142が第1プレート110に連結固定された移動制限突起144を収容することによって、第1リリースレバー140の動きは移動制限溝142の領域内で制限される。
【0036】
第1リリースレバー140の反対端にはケーブルCが連結される。よって、ケーブルCが直線運動をすれば、第1リリースレバー140はポール部回転軸131を中心に回転する。ここで、ケーブルCは、第1プレート110の一側に位置した第1ケーブル部170に収容され、第1ケーブル引出口172を通して外部へ引き出される。ケーブルCの直線運動は、ケーブルCと連結されたモータなどの巻取り部、およびそれを制御するコントローラによって自動で行われることができる。
【0037】
一方、本発明の一実施形態においては、第1プレート110、および第1プレート110に連結された構成を収容するためにハウジング180を含む。ハウジング180の一側には、プレート挿入溝112の形状と対応するハウジング挿入溝182が形成される。
【0038】
第2ラッチ部200は、第2ドア20に取り付けられるようにブラケット部位を有する第2プレート210、第2プレート210に連結されるストライカー部220および第2リリースレバー240を含む。
【0039】
ストライカー部220は、
図6に示すように、第2プレート210に固定連結され、第1ラッチ部100に向かうループ形状を有する。キャッチ部120の係止部124は、ストライカー部220のループ内に挿入されるか、またはループから引き出されることができる。
【0040】
第2リリースレバー240は、
図5に示すように、レバー回転軸241を基準に第2プレート210と回転可能に連結される。ここで、レバー回転軸241は、第2プレート210に固定連結される。レバー回転軸241と第2リリースレバー240との間にはリターンスプリングR’が位置し、このようなリターンスプリングR’は、弾性力を提供しつつ、第2リリースレバー240の回転に助力する。
【0041】
具体的には、リターンスプリングR’は、外力が作用すれば、弾性力を提供して、第2リリースレバー240が一方向に回転する間急激な動きを防止するのに助力し、その逆に、外力が除去されれば、リターンスプリングR’の弾性復原力によって第2リリースレバー240が反対方向に回転するのに助力する。
【0042】
第1ドア10と第2ドア20が閉じられた状態で、第2リリースレバー240の一端は、ポール部130の係止突起133と接触することができる。本発明の一実施形態において、第2リリースレバー240の一端は、係止突起133の上側に位置する。
【0043】
第2リリースレバー240の反対端にはケーブルCが連結される。よって、ケーブルCが直線運動をすれば、第2リリースレバー240はレバー回転軸241を中心に回転する。ここで、ケーブルCは、第2プレート210の一側に位置した第2ケーブル部270に収容され、第2ケーブル引出口272を通して外部へ引き出される。ケーブルCの直線運動は、ケーブルCと連結されたモータなどの巻取り部、およびそれを制御するコントローラによって自動で行われることができる。
【0044】
図7(a)は第1ラッチ部に連結されたケーブルが引っ張られるとロック装置が解除される動作を示す図であり、
図7(b)はロック装置が解除された後に第1ラッチ部と第2ラッチ部が分離した状態を示す図であり、
図8(a)は第2ラッチ部に連結されたケーブルが引っ張られるとロック装置が解除される動作を示す図であり、
図8(b)はロック装置が解除された後に第1ラッチ部と第2ラッチ部が分離した状態を示す図である。
【0045】
以下では、
図7a、
図7b、
図8aおよび
図8bを参照して、本発明の一実施形態によるドアの開閉順序の制約がないロック装置の作動過程について説明する。
【0046】
本発明の一実施形態によるドアの開閉順序の制約がないロック装置は、第1ドア10および第2ドア20が閉じられた状態で第1ラッチ部100または第2ラッチ部200のうちの一つを作動させれば、第1ドア10または第2ドア20が開かれるため、ドアの開閉作動順序に制約がない。
【0047】
第1ドア10および第2ドア20が閉じられた状態で、ストライカー部220は第1プレート110のプレート挿入溝112に挿入され、ストライカー部220のループ内にキャッチ部120の係止部124が挿入される。そして、係止部124はポール部130の係止対応部134と接触した状態であるため、キャッチ部120は回転をすることができない。結果、第1ラッチ部100と第2ラッチ部200が互いに連結されているため、第1ドア10と第2ドア20は互いに結束する。
【0048】
先ず、第1ラッチ部100の作動によって第1ドア10または第2ドア20が開かれる過程について説明する。
【0049】
図7aに示すように、ケーブルCが上方に直線運動をすれば、第1リリースレバー140およびそれと連結されたポール部130が反時計方向に回転する。ここで、ポール部回転軸131に挿入されたリターンスプリングRの弾性力によってポール部130の急激な動きが防止される。
【0050】
ポール部130が反時計方向に回転しつつ下方に動くと、係止対応部134と係止部124の接触が解除され、重量部126の重力によりキャッチ部120が時計方向に回転しつつ係止部124がストライカー部220のループ外へ引き出される。すると、第1ラッチ部100と第2ラッチ部200の連結が解除される。よって、
図7bに示すように、第1ドア10または第2ドア20は開かれる状態となる。
【0051】
次に、第2ラッチ部200の作動によって第1ドア10または第2ドア20が開かれる過程について説明する。
【0052】
図8aに示すように、ケーブルCが上方に直線運動をすれば、第2リリースレバー240が時計方向に回転する。ここで、レバー回転軸241に挿入されたリターンスプリングRの弾性力によって第2リリースレバー240の急激な動きが防止される。
【0053】
回転する第2リリースレバー240は、係止突起133にかかり、ポール部130を反時計方向に回転させる。この時、ポール部130が下方に動きつつ係止対応部134と係止部124の接触が解除され、重量部126の重力によりキャッチ部120が時計方向に回転しつつ係止部124がストライカー部220のループ外へ引き出される。すると、第1ラッチ部100と第2ラッチ部200の連結が解除される。よって、
図8bに示すように、第1ドア10または第2ドア20は開かれる状態となる。
【0054】
本発明の一実施形態によるドアの開閉順序の制約がないロック装置は、車体に連結された第1ドア10および第2ドア20を互いにロックまたはロック解除させる。
【0055】
ロックになって閉じられた状態の第1ドア10および第2ドア20は、第1ラッチ部100または第2ラッチ部200が操作されてロック解除される。この時、第1ドア10および第2ドア20のいずれか一つは先に開かれてもよく、これは、第1ドア10および第2ドア20が同時に開かれてもよいという意味を含む。
【0056】
また、ロック解除になって開かれた状態の第1ドア10および第2ドア20のいずれか一つは先に閉じられてもよく、これは、第1ドア10および第2ドア20が同時に閉じられてもよいという意味を含む。第1ドア10および第2ドア20が閉じられれば、第1ラッチ部100および第2ラッチ部200は互いに締結される。
【0057】
以上のように本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、これに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者によって、本発明の技術思想と下記に記載される請求範囲の均等範囲内で多様に修正および変形できることは勿論である。
【符号の説明】
【0058】
10 ・・・第1ドア
20 ・・・第2ドア
100 ・・・第1ラッチ部
110 ・・・第1プレート
112 ・・・プレート挿入溝
120 ・・・キャッチ部
121 ・・・キャッチ部回転軸
122 ・・・収容溝
124 ・・・係止部
126 ・・・重量部
130 ・・・ポール部
131 ・・・ポール部回転軸
133 ・・・係止突起
136 ・・・ポール部ダンパー
140 ・・・第1リリースレバー
142 ・・・移動制限溝
144 ・・・移動制限突起
150 ・・・ストライカー部ダンパー
160 ・・・ボディー
170 ・・・第1ケーブル部
172 ・・・第1ケーブル引出口
180 ・・・ハウジング
182 ・・・ハウジング挿入溝
200 ・・・第2ラッチ部
210 ・・・第2プレート
220 ・・・ストライカー部
240 ・・・第2リリースレバー
241 ・・・レバー回転軸
270 ・・・第2ケーブル部
272 ・・・第2ケーブル引出口