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特許7404035経路別料金処理システム、経路判定装置、経路判定方法、及び経路判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】経路別料金処理システム、経路判定装置、経路判定方法、及び経路判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20231218BHJP
【FI】
G07B15/00 P
G07B15/00 510
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019205720
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2021077289
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓倉 陽介
(72)【発明者】
【氏名】北口 英利
(72)【発明者】
【氏名】出来 康造
(72)【発明者】
【氏名】小黒 晶夫
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-101580(JP,A)
【文献】特開2009-054157(JP,A)
【文献】特開2002-024885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通行経路を有する有料道路における車両の走行経路を判定する経路判定システムにおいて、
有料道路の入口に設けられ、当該入口から入場した車両の車両識別情報を受信する入口路側装置と、
有料道路の出口に設けられ、当該出口から出場した前記車両の前記車両識別情報を受信する出口路側装置と、
路側通信部で受信した車両識別情報及び車両の位置情報に基づいて通行経路を判定する経路判定装置と、を備え、
前記経路判定装置は、
前記有料道路の分岐と合流の間の通行経路の一部区間に仮想領域を設定し、設定された複数の仮想領域を示す領域情報と、複数の仮想領域及び通行経路を関連付けた経路判定情報とを記憶する記憶部と、
前記入口路側装置から前記有料道路の入口から入場した車両の車両識別情報を含む入場記録を受信し、また、出口路側装置から前記有料道路の出口から出場した前記車両の前記車両識別情報を含む出場記録を出口路側装置から受信する路側通信部と、
路側通信部を介して、前記車両の通信装置から複数回にわたり送信される前記車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する位置情報受信部と、
前記入場記録の受信後、前記位置情報が所定の仮想領域に含まれるか否かを判定し、前記位置情報が前記所定の仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して所定の通行経路を通過したと判定する経路判定部と、
前記入場記録、前記出場記録、及び前記所定の通行経路に基づき前記車両識別情報に対して通行料金を計算する計算部と、
を備える経路別料金処理システム。
【請求項2】
前記経路判定部は、前記入場記録の受信と前記入場記録に対応する前記出場記録の未受信の条件を満たし、前記位置情報が前記仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記所定の通行経路を通過したと判定する、
請求項1の経路別料金処理システム。
【請求項3】
前記経路判定部は、前記入場記録に含まれる入場日時が前記車両位置情報に含まれる日時情報より過去の日時を示す条件を満たし、前記位置情報が前記仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記所定の通行経路を通過したと判定する、
請求項1又は2の経路別料金処理システム。
【請求項4】
前記記憶部は、上流から下流に向かって通行することが定められた前記有料道路の分岐より下流の第1の通行経路における一部区間を含む第1の仮想領域を示す第1の領域情報、及び前記分岐より下流の第2の通行経路における一部区間を含む第2の仮想領域を示す第2の領域情報を記憶し、
さらに、前記記憶部は、前記第1の仮想領域及び前記第1の通行経路を関連付けた第1の経路判定情報と、前記第2の仮想領域及び前記第2の通行経路を関連付けた第2の経路判定情報とを記憶し、
前記経路判定部は、前記位置情報が前記第1の仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記第1の通行経路を通過したと判定し、前記位置情報が前記第2の仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記第2の通行経路を通過したと判定する、
請求項1の経路別料金処理システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記車両位置情報の送信又は受信周期に基づき定まる距離の前記一部区間を含む前記複数の仮想領域を示す前記領域情報を記憶する、
請求項1乃至4の何れか一つの経路別料金処理システム。
【請求項6】
複数の通行経路を有する有料道路における車両の走行経路を判定するための経路判定装置において、
前記有料道路の分岐と合流の間の通行経路の一部区間に仮想領域を設定し、設定された複数の仮想領域を示す領域情報と、複数の仮想領域及び通行経路を関連付けた経路判定情報とを記憶する記憶部と、
前記有料道路の入口に設けられた入口路側装置から、当該入口から入場した車両の車両識別情報を含む入場記録を受信する入場記録受信部と、
前記車両の通信装置から複数回にわたり送信される前記車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する位置情報受信部と、
前記入場記録の受信後、前記位置情報が所定の仮想領域に含まれるか否かを判定し、前記位置情報が前記所定の仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して所定の通行経路を通過したと判定する経路判定部と、
を備える経路判定装置。
【請求項7】
複数の通行経路を有する有料道路における走行経路を判定する経路判定方法であって、
記憶部に、前記有料道路の分岐と合流の間の通行経路上の複数の区間に仮想領域を設定し、設定された複数の仮想領域を示す領域情報と複数の仮想領域及び通行経路関連付けた経路判定情報とを記憶し、
入場記録受信部が、前記有料道路の入口に設けられた入口路側装置から、当該入口から入場した車両の車両識別情報を含む入場記録を受信し、
位置情報受信部は、車両の通信装置から複数回にわたり送信される車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信し、
経路判定部が、前記入場記録の受信後、前記入口から出口に繋がる前記有料道路の複数の通行経路の一部区間を含む複数の仮想領域を示す領域情報に基づき前記位置情報が所定の仮想領域に含まれるか否かを判定し、
経路判定部が、前記位置情報が前記所定の仮想領域に含まれる場合に、前記所定の仮想領域及び所定の通行経路を関連付けた経路判定情報と前記車両位置情報とに基づき前記車両識別情報に対して前記所定の通行経路を通過したと判定する、
経路判定方法。
【請求項8】
コンピュータに、
有料道路の入口に設けられた入口路側装置から、当該入口から入場した車両の車両識別情報を含む入場記録を受信する手順と、
車両の通信装置から複数回にわたり送信される車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する手順と、
前記入場記録の受信後、前記入口から出口に繋がる前記有料道路の複数の通行経路の一部区間を含む複数の仮想領域を示す領域情報に基づき、前記位置情報が所定の前記仮想領域に含まれるか否かを判定する手順と、
前記位置情報が前記所定の仮想領域に含まれる場合に、前記所定の仮想領域及び所定の通行経路を関連付けた経路判定情報と前記車両位置情報とに基づき前記車両識別情報に対して前記所定の通行経路を通過したと判定する手順と、
を実行させる経路判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、経路別料金処理システム、経路判定装置、経路判定方法、及び経路判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国では有料道路を賢く使う取り組みを促進しており、経路別課金の施策を強く押し出している。経路別課金とは、有料道路を走行した車が出発地から目的地に到達するまでに通る経路が複数ある時に、経路ごとに徴収すべき金額を目的に応じて(渋滞緩和や混雑課金など)設定できるようにするものである。この経路別課金を実現することにおいて、経路判定技術が必要となる。
【0003】
高速道路の経路別課金を行うための経路判定技術には大きく分けて以下の2つが存在する。
【0004】
(1)GPSデバイスの位置データを用いたマップマッチングによる経路判定
本経路判定の技術は、車両に積載されたGPS(Global Positioning System)デバイスにより記録される位置データを収集し、位置データをXY座標に時系列に並べることで当該車両の位置情報の軌跡を構成し、この軌跡に対し補完等処理等を加えマップ上の道路と照合することで通過した経路を判定する技術である。
【0005】
(2)フリーフローアンテナ等を用いた経路判定
経路の分岐を把握できる箇所に、車両の車載器と無線通信するDSRC(Dedicated Short Range Communications)アンテナを設置する。車両が当該アンテナを通過する際に車載器とDSRCアンテナが通信し、車載器が当該アンテナから送信される経路情報をIC(integrated circuit)カード等に記録する、或いは経路管理サーバが当該アンテナに接続された情報処理装置から送信される車両識別情報を含む経路情報を記録する。本経路判定の技術は、このようにして記録された経路情報に基づき車両の通過経路を判定する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6339031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一つ目の経路判定技術は、経路判定のための計算負荷が重く、経路判定までにある程度の時間が必要となる。有料道路の料金表示には即時性が求められ、この要求を満たすことが難しい。
【0008】
二つ目の経路判定技術は、車載器と無線通信するためのアンテナを設置する必要があり、経路を緻密に判定しようとすればするほど多数のアンテナの設置が必要となり、コストがかさむ。経路情報を収集するためのアンテナは、高速走行中の車両の車載器と通信することが多く、通信エラーが発生する可能性がある。例えば、道路に沿って多数のアンテナを設置し通信エラーを補うことが考えられるが、コストの増加を招く。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するものであり、経路判定に優れた経路別料金処理システム、経路判定装置、経路判定方法、及び経路判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る経路判定システムは、複数の通行経路を有する有料道路における車両の走行経路を判定し、有料道路の入口に設けられ、当該入口から入場した車両の車両識別情報を受信する入口路側装置と、有料道路の出口に設けられ、当該出口から出場した前記車両の前記車両識別情報を受信する出口路側装置と、前記路側通信部で受信した車両識別情報及び車両の位置情報に基づいて通行経路を判定する経路判定装置と、を備え、前記経路判定装置は、前記有料道路の分岐と合流の間の通行経路の一部区間に仮想領域を設定し、設定された複数の仮想領域を示す領域情報と、複数の仮想領域及び通行経路を関連付けた経路判定情報とを記憶する記憶部と、前記入口路側装置から前記有料道路の入口から入場した車両の車両識別情報を含む入場記録を受信し、また、出口路側装置から前記有料道路の出口から出場した前記車両の前記車両識別情報を含む出場記録を出口路側装置から受信する路側通信部と、路側通信部を介して、前記車両の通信装置から複数回にわたり送信される前記車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する位置情報受信部と、前記入場記録の受信後、前記位置情報が所定の仮想領域に含まれるか否かを判定し、前記位置情報が前記所定の仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して所定の通行経路を通過したと判定する経路判定部と、前記入場記録、前記出場記録、及び前記所定の通行経路に基づき前記車両識別情報に対して通行料金を計算する計算部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係るETCシステムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る経路別料金処理システム1の概略構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る入口路側装置及び出口路側装置の概略構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る通信装置の概略構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る経路別課金の適用を受けるための登録処理の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、実施形態に係る通行経路の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る経路別料金計算の一例を示すシーケンス図である。
図8図8は、実施形態に係る車両管理テーブルの一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る経路判定テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係るETCシステムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すETCシステム(Electronic Toll Collection、登録商標)は、経路別料金処理システムの一例である。ETCシステムでは、入口に設置される入口路側装置が、車載器アンテナを介して有料道路の入口を通行する車両の車載器と無線通信し、出口に設置される出口路側装置が、入口を経て出口を通行する車両の車載器と無線通信する。このように、入口及び出口での無線通信により、入口及び出口にて車両を停止させずにノンストップでの料金収受を実現している。
【0013】
本実施形態で説明するETCシステムは、中央装置である経路別料金処理システム1と、路側装置である、入口路側装置2と出口路側装置3を備える。
中央装置である経路別料金処理システム1は、1又は複数のコンピュータにより構成することができる。例えば、経路別料金処理システム1は、経路判定装置11及び料金計算装置12を備える。
【0014】
経路判定装置11は、第1の周波数帯(例えば700MHz帯)の電波を利用し、移動体通信事業者により提供されるキャリア回線を介して、各車両の車載通信装置5(位置情報提供装置52)と通信し、各車両の車載通信装置5から定期的に送信される車両位置情報、つまり複数回にわたり送信される車両位置情報を受信する。また、経路判定装置11は、各車両から送信される車両位置情報等に基づき、各車両の通行経路を判定する。
料金計算装置12は、各車両の入場記録、出場記録、及び通行経路に基づき通行料金を計算する。経路判定装置11の構成及び経路判定装置11による通行経路の判定については後に詳しく説明する。また、料金計算装置12の構成及び料金計算装置12による通行料金の計算についても後に詳しく説明する。
【0015】
車両位置情報は、車両識別情報及び位置情報を含み、加えて日時情報を含むようにしてもよい。入場記録は、車両識別情報及び入口情報を含み、入口情報は、少なくとも入口識別情報を含み、加えて入場日時を含むようにしてもよい。出場記録は、車両識別情報及び出口情報を含み、出口情報は、少なくとも出口識別情報を含み、加えて出場日時を含むようにしてもよい。さらに、出場記録は、入場記録の一部又は全部を含んでもよい。
【0016】
次に、路側通信装置としての入口路側装置2と出口路側装置3について、説明する。
入口路側装置2は、有料道路の各入口に設置される。入口路側装置2は、車両通信部25を備え、車両通信部25は、第1の周波数帯と周波数帯が異なる第2の周波数帯(例えば5.8GHz帯)の電波を利用し、DSRC用アンテナにより各車両の車載通信装置5(ETC車載器51)と通信し、入口処理を実行する。例えば、車両通信部25は、車載通信装置5から車両識別情報を受信し、車載通信装置5に対して入口情報を送信する。更に、入口路側装置2は、車両から受信した車両識別情報と、入口の料金所名、入場時間等を含む入口利用明細情報を作成し、経路別料金システム1の料金計算装置12に送信する。
【0017】
出口路側装置3は、有料道路の各出口に設置される。出口路側装置3は、車両通信部35を備え、車両通信部35は、DSRC用アンテナにより各車両の車載通信装置5(ETC車載器51)と通信し、出口処理を実行する。例えば、車両通信部35は、車載通信装置5から車両識別情報を受信し、車載通信装置5に対して出口情報を送信する。更に、出口路側装置3は、車両から受信した車両識別情報と、出口の料金所名、出場時間等を含む出口利用明細情報を作成し、経路別料金システム1の料金計算装置12に送信する。
入口路側装置2の構成及び入口処理、並びに出口路側装置3の構成及び出口処理については後に詳しく説明する。
【0018】
本システムを利用する各車両は、車載通信装置5を備える。車載通信装置5は、ETC車載器51及び位置情報提供装置52を備える。なお、ETC車載器51及び位置情報提供装置52のそれぞれは独立した機器であってもよい。例えば、位置情報提供装置52は、スマートフォン等のモバイル端末装置である。ETC車載器51は、第2の周波数帯の電波を利用した近距離通信により、入口路側装置2及び出口路側装置3に対して情報を送信し、また、情報を受信する。一方の位置情報提供装置52は、第1の周波数帯の電波を利用した遠距離通信により、移動体通信事業者により設置される基地局を介して、経路判定装置11に対して情報を送信する。
【0019】
また、図1に示すように、有料道路の入口と出口の間の一部区間を含む仮想領域VAが定義される。仮想領域VAは、ジオフェンス(Geo-fence)等と呼ばれ、仮想的な物理的境界線により形成される多角形の領域(閉構造)や自由曲線で囲われた領域(閉曲線)もしくはそれらの合成による領域であり、その領域は、各頂点を示す経度及び緯度の座標値と必要に応じて頂点での曲率で特定される。仮想領域VAは、経路判定装置11の記憶部に記憶される領域情報により定義され、領域情報の変更(追加、削除、又はサイズ変更)により、容易に仮想領域VAを変更(追加、削除、又はサイズ変更)が可能である。本システムを利用する各車両(移動体)は、位置情報を発信する車載通信装置5ととともに移動する。経路判定装置11は、車載通信装置5(移動体)から発信される位置情報と、仮想領域VAとを比較することにより、移動体が仮想領域VAに入ったこと、仮想領域VAから出たことを検知する。本実施形態では、有料道路の入口と出口の間の一部区間に、複数の仮想領域VAを定義し、各車両がどの仮想領域VAを通過したかを検知することを利用し、各車両の経路を判定する。
【0020】
次に、経路別料金処理システム1について説明する。
図2は、実施形態に係る経路別料金処理システム1の概略構成の一例を示す図である。
図2に示すように、経路別料金処理システム1は、経路判定装置11及び料金計算装置12を備える。
先に、経路判定装置11について説明する。経路判定装置11は、制御部111、記憶部112、機器通信部113、及びキャリア回線通信部114を備える。
【0021】
制御部111は、コンピュータの中枢に相当し、経路判定等に関するデータ処理を司る制御部であり、経路判定部として機能する。制御部111は、CPU(central processing unit)等のプロセッサ、メモリ、及びインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して経路判定装置11を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部111は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより経路判定等に関するデータ処理を実行する。
【0022】
記憶部112は、メインメモリ等の読み出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含み、また、HDD或はSSDなどの大容量の記憶装置を含む。記憶部112は、制御部111のCPUが実行するプログラムを記憶する。また、記憶部112は、入口から出口に繋がる道路の一部区間を含む仮想領域を示す領域情報を記憶する。複数の仮想領域を示す領域情報を記憶することにより、任意の複数の仮想領域を定義することができる。また、記憶部112は、1以上の仮想領域及び所定通行経路を関連付けた経路判定テーブルを記憶する。さらに、記憶部112は、各車両の位置及び通行履歴等を管理する車両管理テーブルを記憶する。例えば、所定の車両が有料道路の入口を通過したことに対応し、所定の車両の車両識別情報に対応する通行履歴は、有料道路に入場したことを示す入場履歴を含む。このように、所定の車両が有料道路の入口を通過した場合に、通行履歴は、少なくとも有料道路に入場したことを示す入場履歴を含めばよいが、通行履歴が、より詳しい履歴を含んでもよい。例えば、通行履歴が、入口情報を含む入場記録、及び出口情報を含む出場記録を含んでもよい。記憶部112に記憶される経路判定テーブル及び車両管理テーブルに基づき、有料道路の入口を通過し、所定の仮想領域を通過した車両の通行経路を所定の通行経路として判定することができる。通行経路の判定については後に詳しく説明する。
【0023】
機器通信部113は、入場記録受信部として機能し、料金計算装置12と通信する通信インターフェースである。機器通信部113は、入口料金所2から受信した入口利用明細に基づく入場記録を料金計算装置12から受信する。ここで、経路判定装置11では、どの車両が高速道路に入場したかを把握すれば十分であるため、経路判定装置11で受信する入場記録情報は、入口利用明細に含まれる情報の内、最低件、車両特定情報が含まれていれば良い。しかしながら、入口利用明細に含まれる、料金所情報や入場時間等の入口情報も更に含んでいてもよい。また、入場記録情報の他に出場記録情報も受信するようにしてもよい。そして、機器通信部113は、料金計算装置12に対して通行経路情報を送信する。
ここで、入場記録情報は、料金計算装置11から転送を受けるのではなく、入口料金所から料金計算装置12に送信される入口利用明細を、入口料金所から直接、受信するようにして、入場記録情報を把握するようにしてもよい。
【0024】
キャリア回線通信部114は、位置情報受信部として機能し、第1の周波数帯の電波を利用し、移動体通信事業者により提供されるキャリア回線を介して、各車両の車載通信装置5と通信する。キャリア回線通信部114は、車両の車載通信装置5から送信される車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する。
【0025】
次に、料金計算装置12について説明する。料金計算装置12は、制御部121、記憶部122、機器通信部123、及び路側通信部124を備える。
制御部121は、コンピュータの中枢に相当し、料金計算等に関するデータ処理を司る制御部であり、料金計算部として機能する。制御部121は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して料金計算装置12を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部121は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより料金計算等に関するデータ処理を実行する。
【0026】
記憶部122は、メインメモリ等の読み出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含み、また、HDD或はSSDなどの大容量の記憶装置を含む。記憶部122の記憶媒体は、制御部121のCPUが実行するプログラムを記憶する。また、記憶部122の記憶装置は、基本料金テーブルと変動料金テーブルを記憶する。
【0027】
基本料金テーブルは、入口と出口とに応じた通行料金(基本料金)を示す情報を格納する。例えば、基本料金テーブルは、道路網全体における各入口と各出口との組み合わせに対して同一発着で同一料金となるような基本料金を示す情報を格納する。
変動料金テーブルは、経路と通過時間などの条件に応じて変動させる課金額(変動額又は割引額)を示す情報を格納する。例えば、変動料金テーブルは、各経路の混雑状況又は混雑予想に応じて各経路に適用される変動額が格納される。なお、各経路の混雑状況又は混雑予測を外部サーバから取得するようにしても良いし、係員端末から手動で入力される情報から取得するようにしても良い。
【0028】
機器通信部123は、経路判定装置11と通信する通信インターフェースである。機器通信部123は、経路判定装置11に対して、入口料金所2から送信された入口利用明細に基づく入場記録情報を送信する。ここで、経路判定装置11ではどの車両が高速道路に入場したかを把握すれば十分であるため、経路判定装置11に送信する入場記録情報は、入口利用明細に含まれる情報の内、最低件、車両特定情報が含まれていれば良い。しかしながら、入口利用明細に含まれる料金所情報や入場時間等の入口情報も更に含んでいてもよい。更に、出口料金所3から受信した出口利用明細に基づく出場記録情報を、経路判定装置11に送信してもよい。また、機器通信部123は、経路判定装置11で経路判定が行われた後、通行経路情報を受信する。
【0029】
路側通信部124は、通信ネットワーク等を介して、各入口路側装置2及び各出口路側装置3と通信する通信インターフェースである。路側通信部124は、入口路側装置2から入口利用明細を受信し、出口路側装置3から出口利用明細を受信し、また、出口路側装置3に対して通行経路情報を送信する。
【0030】
次に、入口路側装置2及び出口路側装置3について説明する。図3は、実施形態に係る入口路側装置及び出口路側装置の概略構成の一例を示す図である。
先に、入口路側装置2について説明する。入口路側装置2は、上位通信部21、制御部22、記憶部23、路側表示器24、及び車両通信部25を備える。
【0031】
上位通信部21は、上位にあたる経路別料金処理システム1(料金計算装置12)と通信する通信インターフェースである。上位通信部21は、車両の通行に対応して取得される入口利用明細を料金計算装置12へ送信する。
【0032】
制御部22は、コンピュータの中枢に相当し、入口路側装置2全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部22は、CPU、メモリおよびインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して入口路側装置2を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データなどを保存する書換え可能な不揮発性メモリなどの各種のメモリを含む。
【0033】
路側表示器24は、入口を通行する車両に向けて設置される。路側表示器24は、入口を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。
【0034】
車両通信部25は、DSRC用アンテナを備え、このDSRC用アンテナを介して、車両の車載通信装置5(ETC車載器51)との無線通信に対応する通信インターフェースである。車両通信部25は、ETC車載器51から車両識別情報を受信し、入口利用明細を生成するための車両識別情報と車両の入場日時を出力する。例えば、入場日時は、車両通信部25と車両のETC車載器51との通信日時である。
【0035】
記憶部23は、入口路側装置2に対応する入口を示す入口識別情報を記憶する。入口識別情報は、各入口に対して一意に定まる情報である。この入口識別情報は、経路判定装置11による経路判定で利用され、また、料金計算装置12による料金計算において通行区間の起点として利用される。また、記憶部23は、ETC車載器51との無線通信で取得される車両識別情報と入場日時を記憶する。
【0036】
次に、出口路側装置3について説明する。出口路側装置3は、上位通信部31、制御部22、記憶部23、路側表示器24、及び車両通信部25を備える。
上位通信部31は、上位にあたる経路別料金処理システム1(料金計算装置12)と通信する通信インターフェースである。上位通信部31は、車両の通行に対応して取得される出場記録を料金計算装置12へ送信する。
【0037】
制御部32は、コンピュータの中枢に相当し、出口路側装置3全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部32は、CPU、メモリおよびインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して出口路側装置3を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データなどを保存する書換え可能な不揮発性メモリなどの各種のメモリを含む。
【0038】
路側表示器34は、出口を通行する車両に向けて設置される。路側表示器34は、出口を通行する車両に乗車する利用者に対して案内(例えば通行料金)などを表示する。
【0039】
車両通信部35は、DSRC用アンテナを備え、このDSRC用アンテナを介して、車両の車載通信装置5(ETC車載器51)との無線通信に対応する通信インターフェースである。車両通信部35は、ETC車載器51から車両識別情報又は車両識別情報と入口情報を受信し、出場記録を生成するための車両識別情報と車両の出場日時を出力する。例えば、出場日時は、車両通信部25と車両のETC車載器51との通信日時である。
【0040】
記憶部33は、出口路側装置3に対応する出口を示す出口識別情報を記憶する。出口識別情報は、各出口に対して一意に定まる情報である。この出口識別情報は、料金計算装置12による料金計算において通行区間の終点として利用される。また、記憶部33は、ETC車載器51との無線通信で取得される車両識別情報と出場日時を記憶する。
【0041】
次に、車載通信装置5について説明する。
図4は、実施形態に係る通信装置の概略構成の一例を示す図である。図4に示すように、車載通信装置5は、ETC車載器51及び位置情報提供装置52を備える。
先に、ETC車載器51について説明する。ETC車載器51は、制御部511、記憶部512、入出口通信部513、及びカード処理部514を備える。
【0042】
制御部511は、コンピュータの中枢に相当し、入口路側装置2及び出口路側装置3との通信制御を司り、また、通行料金を決済するためのICカードの一種であるETCカードの処理を司る制御部である。制御部511は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介してETC車載器51を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部511は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。また、記憶部512は、各ETC車載器51に一意に定まる車載器識別情報を記憶する。また、記憶部512は、制御部511のCPUが実行するプログラムを記憶する。
【0043】
入出口通信部513は、入口路側装置2及び出口路側装置3と無線通信する通信インターフェースであり、入口路側装置2に対して、車載器識別情報及びカード識別情報を含む車両識別情報を送信し、入口路側装置2から入口情報を受信する。また、入出口通信部513は、出口路側装置3に対して、車両識別情報及び入口情報を送信し、出口路側装置3から出口情報及び通行料金を受信する。
【0044】
本実施形態では、車両識別情報が、車載器識別情報及びカード識別情報を含むことを想定するが、料金計算装置12により課金対象を特定することができる情報であればよく、これに限定されるものではない。例えば、車両識別情報が、少なくともカード識別情報を含めば、課金対象を特定することができる。また、車載器識別情報は、車両のナンバープレート情報を含むことができるので、車載器識別情報に基づき車両の車種を判別することができ、車種に応じた課金を採用する場合には、この車載器識別情報を利用することができる。
【0045】
カード処理部514は、ETCカードを受け入れ、入口路側装置2へ送信するカード識別情報をETCカードから読み出し、入口路側装置から送信される入口情報をETCカードへ書き込む。また、カード処理部514は、出口路側装置3へ送信するカード識別情報及び入口情報をETCカードから読み出し、出口路側装置3から送信される出口情報をETCカードへ書き込む。
【0046】
次に、位置情報提供装置52について説明する。位置情報提供装置52は、GPSを利用し位置情報を取得し、上位へ位置情報を提供するGPSデバイスである。位置情報提供装置52は、制御部521、記憶部522、キャリア回線通信部523、位置情報取得部524、及びユーザインターフェース525を備える。
【0047】
制御部521は、コンピュータの中枢に相当し、位置情報提供装置52全体の制御を司り、移動体通信事業者により設置される基地局との通信を制御し、また、GPSを利用した位置情報の取得を制御する。制御部521は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して位置情報提供装置52を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部521は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。また、記憶部522は、予め登録される車両識別情報を記憶し、位置情報取得部524により取得される位置情報を記憶する。また、記憶部522は、制御部521のCPUが実行するプログラムを記憶する。
【0048】
キャリア回線通信部523は、第1の周波数帯の電波を利用し、移動体通信事業者により設置される基地局と無線通信する通信インターフェースであり、経路判定装置11に対して、定期的に車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を送信する。
【0049】
位置情報取得部524は、定期的に現在の位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部524は、定期的にGPSの複数の衛星からの電波を受信し、受信データをGPSサーバへ送信し、GPSサーバで求められる位置情報を受信する。なお、位置情報取得部524は、車両に搭載された外部機器(例えばナビゲーションシステム)と接続するインターフェースを備え、ナビゲーションシステムから提供される車両の現在位置を取得してもよい。
【0050】
ユーザインターフェース525は、タッチパネル等の表示部及び入力部である。ユーザは、ユーザインターフェース525を介して車両識別情報等を登録することができ、記憶部522は、登録される車両識別情報等を記憶する。
【0051】
次に、経路別料金計算のシーケンスについて説明する。
図5は、実施形態に係る経路別課金の適用を受けるための登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【0052】
図5に示すように、本システムの利用者は、位置情報提供装置52によりシステム利用に関する情報を登録する。例えば、ユーザインターフェース525が、システムを利用するための経路別課金アプリケーションのダウンロードを受け付けると(ST101)、制御部521は、経路別課金アプリケーションのダウンロードを指示し、キャリア回線通信部523は、経路判定装置11等のサーバにアクセスして経路別課金アプリケーションを要求する(ST102)。経路判定装置11等のサーバは、経路別課金アプリケーションの要求に基づき、経路別課金アプリケーションを送信し(ST103)、キャリア回線通信部523は、経路別課金アプリケーションを受信する。記憶部522は、ダウンロードされたアプリケーションを登録する(ST104)。
【0053】
制御部521は、ダウンロードされた経路別課金アプリケーションを実行し、ユーザインターフェース525が、車両識別情報を受け付けると、キャリア回線通信部523は、車両識別情報を経路判定装置11へ送信する(ST105)。経路判定装置11のキャリア回線通信部114は、車両識別情報を受信し、制御部111は、記憶部112の車両管理テーブルに車両識別情報を登録する(ST106)。なお、システム利用に関する情報として、住所、氏名、及び生年月日などの個人情報を含めるようにしてもよい。また、車両識別情報に替えて、スマートフォンなどのモバイル端末装置に相当する位置情報提供装置52を一意に定める端末識別情報、又は位置情報提供装置5の所有者を示す所有者情報を利用するようにしてもよい。端末識別情報は、スマートフォンなどの位置情報提供装置自体を識別可能とする位置情報提供装置自体の識別情報である。所有者情報は、位置情報提供装置5の所有者の氏名、生年月日、及び電話番号などを含み、所有者を識別可能とする情報である。この場合、制御部111は、記憶部112の車両管理テーブルに車両識別情報と端末識別情報、又は車両識別情報と所有者情報の関連付けを登録し、位置情報提供装置52から送信される車両位置情報は、少なくとも端末識別情報及び位置情報、又は所有者情報及び位置情報を含む。
【0054】
システム利用に関する情報登録を完了させた位置情報提供装置52は、定期的に車両位置情報を送信し(ST107-1)、経路判定装置11のキャリア回線通信部114は、車両位置情報を受信し、制御部111は、順次、車両管理テーブルに車両位置情報を登録(蓄積)する(ST108-1)。この後、車両位置情報の送信を停止する操作がなされるまで、位置情報提供装置52は、定期的に車両位置情報を送信し続け(ST107-2)(ST107-3)、車両管理テーブルに車両位置情報が登録され続ける)(ST108-2)(ST108-3)。例えば、この位置情報提供装置52を含む車載通信装置5を搭載した車両が移動すると、車両の移動に応じた車両位置情報が送信され、車両管理テーブルには、車両の移動に応じた車両位置情報が登録される。
【0055】
なお、位置情報提供装置52が、経路判定装置11から活性化信号を受信した場合に、車両位置情報の送信を開始し、経路判定装置11から不活性化信号を受信した場合に、車両位置情報の送信を停止するようにしてもよい。
【0056】
次に、図6を参照して、分岐と合流を含む通行経路の一例について説明する。図6は、実施形態に係る通行経路の一例を示す図である。
図6に示すように、上流側の入口から下流側の出口に向かって通行することが定められた有料道路において、入口(入口識別情報IN11)、分岐B、通行経路X、Y、Z、合流M、及び出口を仮定する。さらに、分岐Bより下流(分岐Bと合流Mの間)の通行経路Xにおける一部区間を含む仮想領域VAx、分岐Bより下流(分岐Bと合流Mの間)の通行経路Yにおける一部区間を含む仮想領域VAy、及び分岐Bより下流(分岐Bと合流Mの間)の通行経路Zにおける一部区間を含む仮想領域VAzを仮定する。
【0057】
次に、図7を参照して、経路別料金計算の流れを説明する。図7は、実施形態に係る経路別料金計算の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
図7において、車両位置情報が送信され続けている状態で、車両が、入口を通過すると、入口路側装置2の車両通信部25と、車両のETC車載器51の入出口通信部513との間の通信が確立され、車両のETC車載器51の入出口通信部513は入口路側装置2に対して車両識別情報を送信する(ST201)。入口路側装置2の車両通信部25は、車両識別情報を受信し、ETC車載器51に対して入口情報を送信する(ST202)。入出口通信部513は、入口路側装置2からの入口情報を受信し、カード処理部514は、ETCカードに入口情報を書き込む。
【0058】
また、入口路側装置2の制御部22は、車両識別情報の受信及び入口情報の送信に対応して、車両識別情報、入口情報を含む入口利用明細を生成し、上位通信部21は、料金計算装置12へ送信する(ST203)。料金計算装置12の路側通信部124は、入口利用明細を受信し、記憶部122は、入口利用明細に基づく入場記録を記憶する。そして、機器通信部123は、経路判定装置11に対して、少なくとも車両識別情報を含む入場記録を送信する(ST204)。ここで入場記録には、入場した料金所名に相当する入口識別情報や入場日時は含まれなくても問題ないが、含まれていてもよい。
【0059】
経路判定装置11の機器通信部113は、入場記録を受信し、制御部111は、車両管理テーブルに入場記録を登録する(ST205)。車両管理テーブルには、車両識別情報に関連付けて各種情報が登録される。車両管理テーブルには、車両識別情報、車両位置情報、入場記録、及び出場記録が関連付けて登録される。
【0060】
制御部111は、車両管理テーブル及び経路判定テーブルに基づき、車両識別情報の車両の通行経路を判定する(ST206)。例えば、制御部111は、入場記録が受信され登録された後で、車両位置情報が都度登録されるタイミングに基づき、入場記録に含まれる車両識別情報の車両の通行経路を判定する(ST206)。制御部111は、仮想領域を示す領域情報に基づき、車両管理テーブルに登録された位置情報が仮想領域に含まれるか否かを判定する。例えば、制御部111は、位置情報P11が仮想領域VAxに含まれると判定した場合、車両識別情報C1を含む入場記録IN10(入場記録IN10は少なくとも車両識別情報C1及び有料道路に入場したことを示す入場履歴を含む)と車両位置情報P10(車両位置情報P10は車両識別情報C1及び位置情報P11を含む)とに基づき、車両識別情報C1に対して通行経路Xを通過したと判定する(ST206)。なお、制御部111は、入場記録IN10を受けた後、車両位置情報P10を受信する度に、車両識別情報C1に対して通行経路Xを通過したと判定し、機器通信部113は、車両識別情報C1に対して通行経路Xを通過したと判定する度に、この判定結果を料金計算装置12へ通知する。
【0061】
或いは、制御部111は、位置情報P21が仮想領域VAyに含まれると判定した場合、車両識別情報C1を含む入場記録IN10と車両位置情報P20(車両位置情報P20は車両識別情報C1及び位置情報P21を含む)とに基づき、車両識別情報C1に対して通行経路Yを通過したと判定する(ST206)。同様に、制御部111は、位置情報P31が仮想領域VAzに含まれると判定した場合、車両識別情報C1を含む入場記録IN10と車両位置情報P30(車両位置情報P30は車両識別情報C1及び位置情報P31を含む)とに基づき、車両識別情報C3に対して通行経路Zを通過したと判定する(ST206)。
【0062】
なお、制御部111は、入場記録IN10の受信とこの入場記録IN10に対応する出場記録OUT10の未受信の判定条件を満たし、位置情報P21が仮想領域VAxに含まれる場合に、入場記録IN10及び車両位置情報P10に基づき、車両識別情報C1に対して通行経路Xを通過したと判定する。ここで、入場記録IN10に対応する出場記録OUT10について補足すると、出場記録OUT10が、入場記録IN10に含まれる車両識別情報C1と同一の車両識別情報C1を含み、且つ出場記録OUT10に含まれる出場日時が、入場記録IN10に含まれる入場日時より未来の日時であり、且つその差分が一定時間以内である場合に、出場記録OUT10は入場記録IN10に対応する。
【0063】
また、制御部111は、入場記録に含まれる入場日時と車両位置情報に含まれる日時情報とを比較し、通行経路を判定してもよい。例えば、制御部111は、入場記録IN10に含まれる入場日時が、車両位置情報P10に含まれる日時情報より過去の日時を示す判定条件を満たし、例えば、位置情報P11が仮想領域VAxに含まれると判定した場合に、車両識別情報C1を含む入場記録IN10と車両位置情報P10とに基づき、車両識別情報C1に対して通行経路Xを通過したと判定する。
【0064】
或いは、制御部111は、入場記録IN10に含まれる入場日時が、車両位置情報P10に含まれる日時情報より過去の日時であり、且つその差分が一定時間以内を示す判定条件を満たし、位置情報P11が仮想領域VAxに含まれると判定した場合に、車両識別情報C1を含む入場記録IN10と車両位置情報P10とに基づき、車両識別情報C1に対して通行経路Xを通過したと判定するようにしてもよい。
【0065】
経路判定装置11の機器通信部113は、料金計算装置12に対して、車両識別情報及び通行経路を含む通行経路情報を送信する(ST207)。料金計算装置12の機器通信部123は、通行経路情報を受信し、記憶部122は、通行経路情報を記憶する。
【0066】
入口を経て所定経路を通過した車両が、出口を通過すると、車両のETC車載器51の入出口通信部513は、出口路側装置3に対して車両識別情報を送信する(ST208)。さらに、入出口通信部513が、出口路側装置3に対して入口情報を送信するようにしてもよい。出口路側装置3の車両通信部35は、車両識別情報(又は車両識別情報と入口情報)を受信する。出口路側装置3の上位通信部31は、料金計算装置12に対して、車両識別情報及び出口情報を含む出場記録を送信する(ST209)。
【0067】
料金計算装置12の路側通信部124は、出口利用明細を受信し、記憶部122は、出口利用明細に基づく出場記録を記憶する。制御部121は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通行経路情報を選択する。つまり、制御部121は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通行経路情報、及び出場記録を選択する。制御部121は、選択された入場記録、通行経路を含む通行経路情報、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を特定し、特定された通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、経路別の通行料金を算出する(ST210)。
【0068】
路側通信部124は、出口路側装置3に対して、車両識別情報、出口情報、及び経路別の通行料金を含む通行料金情報を送信する(ST211)。又は、路側通信部124は、車両識別情報、出口情報、及び非経路別の通行料金を含む通行料金情報を送信する。出口路側装置3の上位通信部31は、通行料金情報を受信し、車両通信部35は、ETC車載器51に対して通行料金情報を送信する(ST212)。また、路側表示器34は、経路別の通行料金又は非経路別の通行料金を案内表示する。この際、路側表示器34が、経路別の通行料金であること、又は非経路別の通行料金であることを併せて表示してもよい。
【0069】
ETC車載器51の入出口通信部513は、通行料金情報を受信し、カード処理部514は、通行料金情報をETCカードへ書き込む。
【0070】
また、料金計算装置12の機器通信部123は、経路判定装置11に対して、車両識別情報及び出口情報を含む出場記録を送信する(ST213)。経路判定装置11の機器通信部113は、出場記録を受信し、制御部111は、車両管理テーブルに出場記録を登録する(ST214)。
【0071】
なお、経路判定装置11の制御部111が、車両管理テーブルに登録された車両識別情報に基づき、料金計算装置12に対して、定期的に入場記録及び出場記録等を要求し、受信するようにしてもよい。
【0072】
図8は、実施形態に係る車両管理テーブルの一例を示す図である。
図8に示すように、車両管理テーブルには、車両識別情報に関連付けて、車両位置情報、入場記録、及び出場記録が登録される。制御部111は、車両管理テーブルに基づき、各車両の状態を判定することができる。つまり、制御部111は、各車両について、有料道路に入場中且つ出場前の条件を満たすか否か、及びどの仮想領域VAに入場したか否かを判定することができる。
【0073】
図9は、実施形態に係る経路判定テーブルの一例を示す図である。
図9に示すように、経路判定情報としての経路判定テーブルには、通行経路に関連付けて1以上の仮想領域VAが登録される。制御部111は、経路判定テーブルに基づき、各車両の通行経路を判定することができる。
【0074】
ここで、仮想領域VAのサイズ及び位置について補足する。
例えば、車両位置情報は位置情報提供装置52から一定周期で送信され、また、経路判定装置11により一定周期で受信されるので、この送信周期又は受信周期(以下、送受信周期)に基づき仮想領域VAを定義する。つまり、この送受信周期に基づき定まる距離の一部区間(有料道路の一部区間)を含むように仮想領域VAを定義する。さらに、送受信周期と車両の想定最高速度とに基づき定まる距離の一部区間(有料道路の一部区間)を含むように仮想領域VAを定義してもよい。言い換えれば、これらの定義は、仮想領域VAの道路距離方向に沿った長さの定義である。これにより、車両が一部区間を通過する間に、車両に搭載される位置情報提供装置52から、少なくとも1回の車両位置情報が送信され、また、経路判定装置11により、少なくとも1回の車両位置情報が受信されることになり、仮想領域VAの通行可否を漏れなく判定することができる。
【0075】
また、分岐の下流に各仮想領域VAを定義するにあたり、分岐から所定距離だけ離れた位置に仮想領域VAを定義するようにしてもよい。分岐点から一方の境界内の最大距離の半分の長さより、離間した距離に仮想領域VAが入らないように設定することが良く、より好ましくは境界内の最大距離の2倍の長さより離間させて設定することが好ましい。また、分岐後の道路に対応する各仮想領域VAがラップしないように設定、各仮想領域VAの外側境界通しの最短の離間距離が一方の境界内の距離の半分の長さより、長く設定することが良く、より好ましくは一方の境界内の距離の2倍の長さより長いことが好ましい。各仮想領域VAが分岐に近いと、各仮想領域VA同士が近くなることが想定される。このように、分岐から所定距離だけ離れた位置に仮想領域VAを定義することにより、各仮想領域VA同士の距離が遠くなり、車両位置情報に基づきどの仮想領域VAを通過しているかを判定する際、誤判定防止及び判定精度向上が期待できる。
【0076】
また、仮想領域VAを定義するにあたり、近くにトンネルやビルが無い領域を選択するようにしてもよい。言い換えれば、仮想領域VAをトンネルの領域と異なる位置に設定するようにしてもよい。トンネルやビルの影響により車両位置情報の検出精度が低下することがあるが、このような仮想領域VAの定義により、車両位置情報に基づきどの仮想領域VAを通過しているかを判定する際、誤判定防止及び判定精度向上が期待できる。
【0077】
また、仮想領域VAを定義するにあたり、上り車線と下り車線のそれぞれに仮想領域VAを定義するようにしてもよい。この場合、上り車線の仮想領域VAと下り車線の仮想領域VAとが重複しないように定義する。このような仮想領域VAの定義により、経路の誤判定防止及び判定精度向上が期待できる。
【0078】
また、仮想領域VAを定義するにあたり、上り車線と下り車線のそれぞれの車線幅(上り車線全ての車線幅と下り車線全ての車線幅)に基づき、仮想領域VAを定義するようにしてもよい。つまり、一部区間(有料道路の一部区間)の車線幅を含むように仮想領域VAを定義する。言い換えれば、この定義は、仮想領域VAの車線幅方向に沿った長さの定義である。このような仮想領域VAの定義により、経路の誤判定防止及び判定精度向上が期待できる。
【0079】
なお、フリーフローアンテナ又はITSスポットなどのETC車載器と無線通信する経路路側装置を併用し、車両識別情報に対応する車両の位置を検知するようにしてもよい。また、ナンバープレート読取カメラにより車両から読み取られるナンバープレート情報を併用し、車両の位置を検知するようにしてもよい。例えば、料金計算装置12は、経路路側装置から送信される経路情報を受信し、また、経路判定装置11から送信される経路判定情報を受信し、これら情報に基づき通行料金を計算するようにしてもよい。また、経路判定装置11が、経路路側装置から送信される経路情報を受信し、この受信した経路情報を加えて、経路を判定するようにしてもよい。
【0080】
また、経路判定装置11が、位置情報提供装置52に対して、経路の判定結果を送信するようにしてもよい。位置情報提供装置52は、経路の判定結果を受信し、画像又は音声等により経路の判定結果を出力することができる。加えて、位置情報提供装置52は、経路に応じた割引などの情報を出力してもよい。
【0081】
以上説明した実施形態によれば、経路判定に優れた経路別料金処理システム、経路判定装置、経路判定方法、及び経路判定プログラムを提供することができる。マップマッチングによる経路判定の場合は判定に長時間を要したり、GPSの位置精度への依存度が高く誤判定が懸念されたりしていたが、本実施形態によれば、車両が入口を通過し且つ仮想領域VAを通過したか否かに基づき経路を判定するので、短時間且つ高精度に経路を判定することができる。また、フリーフローアンテナ等を用いた経路判定の場合は、フリーフローアンテナ等を設定するための高額な費用がかかっていたが、本実施形態によれば、メモリ空間に仮想領域VAを定義することにより経路を判定することができるので、フリーフローアンテナ等を設置するケースに比べて大幅なコストダウンを図ることができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
有料道路の入口から入場した車両の車両識別情報を含む入場記録を入口路側装置から受信し、また、前記有料道路の出口から出場した前記車両の前記車両識別情報を含む出場記録を出口路側装置から受信し、前記出口路側装置に対して通行料金を送信する路側通信部と、
前記入口から前記出口に繋がる前記有料道路の一部区間を含む仮想領域を示す領域情報と、前記仮想領域及び通行経路を関連付けた経路判定情報とを記憶する記憶部と、
前記車両の通信装置から複数回にわたり送信される前記車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する位置情報受信部と、
前記入場記録の受信後、前記位置情報が前記仮想領域に含まれるか否かを判定し、前記位置情報が前記仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記通行経路を通過したと判定する経路判定部と、
前記入場記録、前記出場記録、及び前記通行経路に基づき前記車両識別情報に対して通信料金を計算する計算部と、
を備える経路別料金処理システム。
[C2]
前記経路判定部は、前記入場記録の受信と前記入場記録に対応する前記出場記録の未受信の条件を満たし、前記位置情報が前記仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記通行経路を通過したと判定する、[1]の経路別料金処理システム。
[C3]
前記経路判定部は、前記入場記録に含まれる入場日時が前記車両位置情報に含まれる日時情報より過去の日時を示す条件を満たし、前記位置情報が前記仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記通行経路を通過したと判定する、[1]又は[2]の経路別料金処理システム。
[C4]
前記記憶部は、上流から下流に向かって通行することが定められた前記有料道路の分岐より下流の第1の通行経路における一部区間を含む第1の仮想領域を示す第1の領域情報、及び前記分岐より下流の第2の通行経路における一部区間を含む第2の仮想領域を示す第2の領域情報を記憶し、
さらに、前記記憶部は、前記第1の仮想領域及び前記第1の通行経路を関連付けた第1の経路判定情報と、前記第2の仮想領域及び前記第2の通行経路を関連付けた第2の経路判定情報とを記憶し、
前記経路判定部は、前記位置情報が前記第1の仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記第1の通行経路を通過したと判定し、前記位置情報が前記第2の仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記第2の通行経路を通過したと判定する、[1]の経路別料金処理システム。
[C5]
前記記憶部は、前記車両位置情報の送信又は受信周期に基づき定まる距離の前記一部区間を含む前記仮想領域を示す前記領域情報を記憶する、[1]乃至[4]の何れか一つの経路別料金処理システム。
[C6]
有料道路の入口から入場した車両の車両識別情報を含む入場記録を受信する入場記録受信部と、
前記入口から出口に繋がる前記有料道路の一部区間を含む仮想領域を示す領域情報と、前記仮想領域及び通行経路を関連付けた経路判定情報とを記憶する記憶部と、
前記車両の通信装置から複数回にわたり送信される前記車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する位置情報受信部と、
前記入場記録の受信後、前記位置情報が前記仮想領域に含まれるか否かを判定し、前記位置情報が前記仮想領域に含まれる場合に、前記車両位置情報に基づき前記車両識別情報に対して前記通行経路を通過したと判定する経路判定部と、
を備える経路判定装置。
[C7]
車両の通信装置から複数回にわたり送信される車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信し、
有料道路の入口から入場した前記車両の前記車両識別情報を含む入場記録を受信し、
前記入場記録の受信後、前記入口から出口に繋がる前記有料道路の一部区間を含む仮想領域を示す領域情報に基づき前記位置情報が前記仮想領域に含まれるか否かを判定し、
前記位置情報が前記仮想領域に含まれる場合に、前記仮想領域及び通行経路を関連付けた経路判定情報と前記車両位置情報とに基づき前記車両識別情報に対して前記通行経路を通過したと判定する、経路判定方法。
[C8]
コンピュータに、
車両の通信装置から複数回にわたり送信される車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する手順と、
有料道路の入口から入場した前記車両の前記車両識別情報を含む入場記録を受信する手順と、
前記入場記録の受信後、前記入口から出口に繋がる前記有料道路の一部区間を含む仮想領域を示す領域情報に基づき、前記位置情報が前記仮想領域に含まれるか否かを判定する手順と、
前記位置情報が前記仮想領域に含まれる場合に、前記仮想領域及び通行経路を関連付けた経路判定情報と前記車両位置情報とに基づき前記車両識別情報に対して前記通行経路を通過したと判定する手順と、を実行させる経路判定プログラム。
【符号の説明】
【0083】
1…経路別料金処理システム
2…入口路側装置
3…出口路側装置
5…車載通信装置
11…経路判定装置
12…料金計算装置
21…上位通信部
22…制御部
23…記憶部
24…路側表示器
25…車両通信部
31…上位通信部
32…制御部
33…記憶部
34…路側表示器
35…車両通信部
51…ETC車載器
52…位置情報提供装置
111…制御部
112…記憶部
113…機器通信部
114…キャリア回線通信部
121…制御部
122…記憶部
123…機器通信部
124…路側通信部
511…制御部
512…記憶部
513…入出口通信部
514…カード処理部
521…制御部
522…記憶部
523…キャリア回線通信部
524…位置情報取得部
525…ユーザインターフェース
図1
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