(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】表示装置、表示装置を備えた画像形成装置、表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 13/18 20060101AFI20231218BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231218BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231218BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G09F13/18 D
B41J29/00 T
B41J29/42 E
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2019217174
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 雄作
(72)【発明者】
【氏名】服部 真吾
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-225199(JP,A)
【文献】特開2018-012224(JP,A)
【文献】特開2017-220771(JP,A)
【文献】特開平11-007815(JP,A)
【文献】実開昭58-163818(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0360604(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/18
B41J 29/00
B41J 29/42
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する発光部と、
前記発光部の外側に配置され、前記発光部から発せられる光を外側に通過させない遮光部と、前記発光部から発せられる光を外側に通過させる開口部とを有する外装部材と、
外側から前記開口部を塞ぐように前記外装部材に着脱自在に設けられ、第一面から入射した前記開口部を通過した光
を前記第一面
に対して反対側の第二面から出射す
る導光部材と、を備え、
前記導光部材は、
前記導光部材の一方向において一端側に設けられ、前記外装部材が有する第一被係合部と係合する第一係合部と、前記一方向において他端側に設けられ、前記外装部材が有する第二被係合部と係合する第二係合部と、を有し、
前記第一係合部は、前記一方向において前記第二係合部から離れる方向に向かって突出する第一突出部を有し、
前記第二係合部は、前記一方向において前記第一係合部から離れる方向に向かって突出する第二突出部を有し、
前記第一突出部は、前記導光部材が前記外装部材に取り付けられた状態で、前記第二面に垂直な垂直方向から見たときに前記第一被係合部とオーバーラップし、
前記第二突出部は、前記導光部材が前記外装部材に取り付けられた状態で、前記垂直方向から見たときに前記第二被係合部とオーバーラップする、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記導光部材は、前記一方向において前記第一係合部と第二係合部との間に設けられ、前記外装部材が有する第三被係合部と係合する第三係合部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第三係合部は、前記一方向において前記第二係合部から離れる方向に向かって突出する第三突出部を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第三突出部は、前記導光部材が前記外装部材に取り付けられた状態で、前記垂直方向から見たときに、前記第三被係合部とオーバーラップする、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記一方向において、前記第一突出部の長さは前記第二突出部の長さよりも長い、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第二突出部は前記一方向において、前記第一突出部から離れるにつれて前記垂直方向における幅が小さくなる形状である、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第二係合部は、前記一方向において弾性変形する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記導光部材は、前記発光部が発した光を拡散光に変換して外部に導く、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記発光部は、複数の光源を含み、
前記導光部材は、前記複数の光源が発した光を外部に導く、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記導光部材は、長尺状の形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第三係合部は、
前記導光部材が前記外装部材に装着された状態で、前記発光部から光が発せられたときに、前記導光部材に影が映らないように配置される、
ことを特徴とする請求項
2に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第三係合部は、前記発光部から光が発せられたときに、前記導光部材における光の照度が5.0ルクス以下である位置に配置される、
ことを特徴とする請求項
2に記載の表示装置。
【請求項13】
画像を表示可能な表示器を備える、
ことを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記導光部材は、前記第二面と前記表示器の表面とのなす角が鋭角となるように、前記外装部材に斜めに取り付けられている、
ことを特徴とする請求項
13に記載の表示装置。
【請求項15】
請求項
1に記載の表示装置と、
画面を表示可能な表示器と、
記録材に画像を形成する画像形成部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
前記表示器を支持して角度調整自在に上下に揺動可能な揺動支持手段を備え、
前記表示装置は、前記導光部材が前記表示器の手前側に位置するように前記表示器に設けられている、
ことを特徴とする請求項
15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記表示装置は、前記導光部材が前記第二面と前記表示器の表面とのなす角が鋭角となるように、前記表示器に設けられている、
ことを特徴とする請求項
15に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記発光部は、前記画像形成部の稼働状態に応じて発光状態が変化する、
ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項19】
光を発する発光部と、前記発光部が発した光を外部に導出する導光部材と、を備える表示装置の製造方法であって、
前記表示装置が有する外装部材の開口に、前記導光部材の一方向において一端側に設けられた第一係合部を侵入させる第一工程と、
前記導光部材を前記導光部材の前記一方向において他端側に設けられた第二係合部から前記第一係合部に向かう方向に移動させ、前記第一係合部を前記外装部材に設けられた第一被係合部に係合させる第二工程と、
前記第二係合部を弾性変形させ、前記第二係合部を前記外装部材に設けられた第二被係合部に係合させる第三工程と、を有する、
ことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記第二工程において前記導光部材は弾性変形し、前記第二工程の間は前記第二係合部が前記第二被係合部と係合しない、
ことを特徴とする請求項19に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機などの装置に用いて好適な表示装置、及び表示装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、複合機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置には、起動状況や動作状況(例えば、画像形成動作中、エラーなど)をユーザに報知するために、起動状況や動作状況に応じて発光状態を変えられる表示装置が設けられている。表示装置として、遮光性の外装カバーの内側に複数のLEDが配置され、各LEDから発せられる光が導光部により導光されて、各LEDに対応して外装カバーに開けられた開口部から外側に発せられるものが提案されている(特許文献1)。特許文献1の記載の表示装置では、導光部の先端部分に設けられている出光部を外装カバーの表面から外側に突出させて、ユーザの視認性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の記載の表示装置のように、出光部が外装カバーの表面から突出されて装置の外観面を形成しているような場合には、出光部つまりは導光部に傷がつきやすく、また破損する虞がある。そこで、導光部を交換可能に設けることが考えられる。しかしながら、特許文献1に記載の装置の場合、導光部を交換するのに外装カバーを外すなどの作業を行わなければならず、また交換の際に導光部を所定の位置に確実に装着するのに手間がかかることから、導光部の交換は面倒な作業であった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、導光部を容易に交換可能な表示装置、表示装置を備えた画像形成装置、表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、光を発する発光部と、前記発光部の外側に配置され、前記発光部から発せられる光を外側に通過させない遮光部と、前記発光部から発せられる光を外側に通過させる開口部とを有する外装部材と、外側から前記開口部を塞ぐように前記外装部材に着脱自在に設けられ、第一面から入射した前記開口部を通過した光を前記第一面に対して反対側の第二面から出射する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記導光部材の一方向において一端側に設けられ、前記外装部材が有する第一被係合部と係合する第一係合部と、前記一方向において他端側に設けられ、前記外装部材が有する第二被係合部と係合する第二係合部と、を有し、前記第一係合部は、前記一方向において前記第二係合部から離れる方向に向かって突出する第一突出部を有し、前記第二係合部は、前記一方向において前記第一係合部から離れる方向に向かって突出する第二突出部を有し、前記第一突出部は、前記導光部材が前記外装部材に取り付けられた状態で、前記第二面に垂直な垂直方向から見たときに前記第一被係合部とオーバーラップし、前記第二突出部は、前記導光部材が前記外装部材に取り付けられた状態で、前記垂直方向から見たときに前記第二被係合部とオーバーラップする、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法は、光を発する発光部と、前記発光部が発した光を外部に導出する導光部材と、を備える表示装置の製造方法であって、前記表示装置が有する外装部材の開口に、前記導光部材の一方向において一端側に設けられた第一係合部を侵入させる第一工程と、前記導光部材を前記導光部材の前記一方向において他端側に設けられた第二係合部から前記第一係合部に向かう方向に移動させ、前記第一係合部を前記外装部材に設けられた第一被係合部に係合させる第二工程と、前記第二係合部を弾性変形させ、前記第二係合部を前記外装部材に設けられた第二被係合部に係合させる第三工程と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、交換前後で導光部材の明るさつまりはユーザの視認性を変えることなく、導光部材を容易に交換することが簡易な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の表示装置を用いて好適な画像形成装置を示す斜視図。
【
図3】制御部について説明するための制御ブロック図。
【
図4】角度調整機構について説明するための図であり、(a)は最小傾斜角の場合、(b)は最大傾斜角の場合。
【
図7】(a)導光部材を表面から見た斜視図、(b)は導光部材を裏面から見た斜視図。
【
図8】導光部材を外装部材に装着した状態を示す断面図。
【
図9】導光部材の装着について説明するための図であり、(a)は装着開始時、(b)は係合部の係合前、(c)は係合部の係合開始時。
【
図10】LEDと係合部との配置関係について説明するための拡大断面図。
【
図11】出射領域の明るさ測定について説明するための図。
【
図12】出射領域の明るさ測定の結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本実施形態の表示装置について説明する。まず、本実施形態の表示装置を用いて好適な画像形成装置について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式のフルカラーレーザープリンターである。以下の説明において、装置本体10に対して操作パネル部30が配置される側(
図1の右手前側)を「手前(又は正面)」、その反対側を「奥」と呼ぶ。また、正面から視た装置本体10の右手側を「右」、正面から視た装置本体10の左手側を「左」と呼ぶ。
【0011】
<画像形成装置>
図1に示すように、画像形成装置1は、大まかに、装置本体10と、装置本体10の上方に配置された画像読取部20とを備えている。装置本体10は画像形成部101(
図2参照)を内蔵し、給送カセット27から給送される記録材Sに対し画像形成部101により画像が形成される。そして、画像が形成された記録材Sは排出トレイ19へ排出される。なお、記録材Sとしては、普通紙、厚紙、ラフ紙、凹凸紙、コート紙、光沢紙、印画紙等の用紙、プラスチックフィルム、布など、といった様々な種類のシート材が挙げられる。
【0012】
装置本体10の上部には、ユーザが画像形成装置1を操作するための操作パネル部30が配置されている。本実施形態の場合、操作パネル部30は、左右を軸として上下に角度調整可能に傾けることができるように装置本体10に設けられている(後述の
図4(a)及び
図4(b)参照)。また、操作パネル部30には、画面を表示可能な表示器70と、面発光可能であり、その発光状態によって表示を行う発光表示装置40とが設けられている。操作パネル部30については詳細を後述する(
図5及び
図6参照)。なお、表示器70はユーザによるタッチ操作により、例えば記録材Sの種類やサイズなどの画像形成に関する情報を入力可能なタッチパネルであってもよい。また、ここでは図示を省略したが、操作パネル部30にはユーザ操作可能なボタン類やスイッチ、テンキーなどが設けられていてもよい。
【0013】
図2に示すように、原稿から画像情報を読取る画像読取部20は、プラテンガラスを備えた読取装置本体21と、読取装置本体21に対して開閉可能なプラテンカバー22とを有する。プラテンガラスに載置された原稿は、読取装置本体21に内蔵された走査光学系によって走査されることで、画像情報を抽出される。
【0014】
画像形成部101は、画像読取部20又は不図示の外部機器(例えば、スマートフォンなどの携帯端末やパーソナルコンピュータ等)から受け取った画像情報に基づいて画像を形成する。画像形成部101は、装置本体10の枠体を成す筐体11の内部に収容されている。本実施形態の場合、画像形成部101は4つの画像形成ユニットPY、PM、PC、PKを備えた、所謂タンデム型中間転写方式の構成である。画像形成ユニットPY,PM,PC,PKは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成し、中間転写ベルト7を介して記録材Sに画像を形成する。
【0015】
各画像形成ユニットPY、PM、PC、PKには、有機感光体(OPC)等の感光体からなる感光ドラム2の周囲に、図示を省略した帯電器、現像器、及びクリーナが配置されている。感光ドラム2は、帯電器によって表面を一様に帯電させられた後、露光装置3から照射されるレーザー光によって露光されることで、表面に静電潜像が形成される。現像器は現像剤を用いて、感光ドラム2上に形成された静電潜像をトナー像に現像する。感光ドラム2上に現像されたトナー像は、中間転写ベルト7を挟んで感光ドラム2に対向する一次転写ローラ5に一次転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト7へと一次転写される。
【0016】
中間転写ベルト7は、二次転写部T2において記録材Sの搬送方向(図中上向き)に沿うように回転駆動される。中間転写ベルト7の表面には、各画像形成ユニットPY、PM、PC、PKによって形成された単色のトナー像が多重転写されることで、フルカラーのトナー像が形成される。中間転写ベルト7の表面に形成されたトナー像は、二次転写ローラ13と対向ローラ9との間に形成された二次転写部T2において、記録材Sへと二次転写される。その際に、二次転写ローラ13には二次転写電圧が印加される。
【0017】
このような画像形成プロセスにあわせて、画像形成部101に記録材Sが供給される。即ち、装置本体10の下部に設けられる給送部25は、記録材Sを収容する給送カセット27と、給送カセット27に収容された記録材Sを1枚ずつ分離して搬送する給送ローラ26とを備えている。
【0018】
給送ローラ26によって送り出された記録材Sは、レジストレーションローラ対12によって斜行を補正され、トナー像の転写タイミングに合わせて二次転写部T2に向けて搬送される。二次転写部T2において未定着のトナー像を形成された記録材Sは、ローラ対及び加熱源等を有する定着器14に搬送され、熱及び圧力を付与される。これにより、トナーが溶融・固着してトナー像が記録材Sに定着される。こうしてトナー像が定着された記録材Sは、排出ローラ対18により、画像形成部101の上部に設けられた排出トレイ19に排出される。なお、両面印刷の場合には、排出ローラ対18によって記録材Sがスイッチバック搬送された後、複数の両面搬送ローラ対17によって再び画像形成部101へと搬送される。そして、二次転写部T2及び定着器14において裏面に画像が形成された記録材Sは、排出ローラ対18によって排出トレイ19に排出される。
【0019】
<制御部>
画像形成装置1はまた、
図2に示すように制御部200を備えている。制御部200について、
図3を用いて説明する。ただし、制御部200には図示した以外にも画像形成装置1を動作させるためのモータや電源等の各種機器が接続されているが、ここでは発明の本旨でないのでそれらの図示及び説明を省略する。
【0020】
図3に示すように、制御部200は主電源部300からの電力供給を受けて駆動する。主電源部300は、画像形成装置1の各部に電力供給を行うための電力源であり、ユーザ操作可能な電源スイッチを有している。電源スイッチがオンされることで、制御部200を含む画像形成装置1の各部が動作し得る状態となり、電源スイッチがオフされることで、制御部200を含む画像形成装置1の各部が動作し得ない状態となる。
【0021】
制御部200は、画像形成動作などの各種制御を行うものであり、例えばCPU201(Central Processing Unit)と、メモリ202とを有する。メモリ202は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などにより構成されている。メモリ202は、画像形成装置1を制御するための各種プログラムや各種データなどが記憶される。なお、メモリ202は、各種プログラムの実行に伴う演算処理結果などを一時的に記憶することもできる。
【0022】
CPU201はメモリ202に記憶されている各種プログラムを実行可能であり、各種プログラムを実行して画像形成装置1を動作させ得る。本実施形態の場合、CPU201は、メモリ202に記憶されている「画像形成ジョブ(プログラム)」などを実行可能である。制御部200は画像形成ジョブの実行に伴い、画像形成装置1の動作を制御する。なお、画像形成ジョブとは、記録材Sに画像形成するプリント信号に基づいて、画像形成開始してから画像形成動作が完了するまでの一連の動作のことである。具体的には、プリント信号を受けた後の前回転時(画像形成前の準備動作)から、後回転(画像形成後の動作)までのことを指し、画像形成期間、紙間を含む。
【0023】
制御部200には、表示器70や発光表示装置40の発光部60(後述の
図6参照)が接続されている。CPU201は、表示器70を制御することにより画像形成に関する情報の表示画面(不図示)などの各種画面を表示させることができる。また、CPU201は、画像形成装置1の起動状況や動作状況に応じて発光部60を制御することで、発光表示装置40を光らせることができる。
【0024】
本明細書において、起動状況とは、主電源部300の電源スイッチがオンされているかオンされていないか、つまりは主電源部300から電源供給を受けている状態(電源オン状態)であるか、電源供給を受けていない状態(電源オフ状態)であるかを示す。動作状況とは、CPU201による画像形成ジョブの実行に伴い、画像形成動作が開始されて画像形成動作中である状態(正常状態と呼ぶ)であるか、何らかの原因により画像形成動作を開始できない状態(エラー状態と呼ぶ)であるかを示す。エラー状態となる原因としては、故障が生じた場合の他、例えば装置本体10に設けられた不図示のフロントドアが開いている場合、ジャムが生じている場合、給送カセット27などに画像形成に適当なサイズの記録材Sが収容されていない場合などがある。
【0025】
本実施形態の場合、CPU201は、主電源部300から電源供給を受けている電源オン状態である場合、発光表示装置40を発光させる。また、CPU201は、正常状態である場合やエラー状態である場合に、発光表示装置40を光らせる。ただし、ユーザが発光状態を視認して、上記の電源オン状態、正常状態、エラー状態を把握しやすいように、発光表示装置40における発光位置などを、電源オン状態、正常状態、エラー状態で異ならせている。
【0026】
<角度調整機構>
ここで、操作パネル部30を上下に角度調整可能に傾けるための角度調整機構(所謂、チルト機構)について、
図4(a)及び
図4(b)を用いて概要を説明する。操作パネル部30は、例えば高身長のユーザから車椅子に座ったユーザまで幅広い視点高さに対応するために、水平面を基準に所定範囲(例えば10度~60度)の任意の角度(傾斜角)に角度調整自在に上下に揺動可能に設けられている。
図4(a)は背の高いユーザ等を想定して操作パネル部30が最小傾斜角(例えば10度)まで揺動された場合を示し、
図4(b)は車椅子に乗ったユーザ等を想定して操作パネル部30が最大傾斜角(例えば60度)まで揺動された場合を示す。
【0027】
そうできるようにするために、操作パネル部30は角度調整自在な揺動支持手段としての揺動支持部材80に支持されている。揺動支持部材80は、操作パネル部30を支持する操作パネル支持部81と、装置本体10にビスにより固定される長尺状の装置側固定部83と、装置側固定部83に対し操作パネル支持部81を揺動させるための揺動部82とを有する。揺動部82には、摩擦によって任意の角度を保持するフリーストップヒンジが設けられている。フリーストップヒンジにはいくつかの方式があるが、本実施形態では樹脂製のパイプに金属軸を圧入したパイプ式を用いている。
【0028】
<発光表示装置>
本実施形態の発光表示装置40について、
図5及び
図6を用いて詳しく説明する。
図5に示すように、本実施形態の場合、発光表示装置40は表示器70と一体的に設けられて操作パネル部30を構成している。それ故、発光表示装置40の外装部材50は、表示器70を保持する操作パネル部30の外装カバーの一部を形成する。言い換えれば、操作パネル部30の外装カバーの一部が外装部材50を形成している。本実施形態の発光表示装置40では、外装部材50の外側に導光部材401が着脱自在に設けられ、外装部材50の内側に後述する発光部60(
図6参照)が配置されている。詳しくは後述するように、発光部60には発光素子として複数のLEDが配列して設けられ、これらのLEDが適宜に発光されることに応じて、LEDの光を出射面から出射するように光を導く導光部材401が設けられている。
【0029】
図6に示すように、発光部60には左右方向に複数のLED(光源)が間隔を空けて基板上に配列されている。ここでは、右から順に第一LED61(第一発光素子)、第二LED62(第二発光素子)、第三LED63が配置されている。そして、外装部材50には、長手方向(LEDの配列方向)に関し、第一LED61に対応した箇所に第一開口部51、第二LED62に対応した箇所に第二開口部52、第三LED63に対応した箇所に第三開口部53が形成されている。ここでは、各開口部(51~53)は、各LED(61~63)が長手方向中央に位置するように形成されている。第一開口部51は第一LED61から発せられる光を通過させ、第二開口部52は第二LED62から発せられる光を通過させ、第三開口部53は第三LED63から発せられる光を通過させる。外装部材50は遮光性部材であることから、第一開口部51、第二開口部52、第三開口部53を除いた外装部材50の他の部分は、第一LED61、第二LED62、第三LED63のそれぞれから発せられる光を通過させない遮光部59を形成する。なお、本実施形態では、第一LED61と第三LED63として発光色が緑色である緑色LEDを用い、第二LED62として発光色が赤色である赤色LEDを用いている。また、これらLED(61~63)の発光光量は同じである。
【0030】
導光部材401は例えば樹脂(アクリル樹脂など)製の導光体であり、入射した発光部60の光を出射面から出射可能である。本実施形態では、導光部材401が発光部60における第一LED61、第二LED62、第三LED63の配列方向に延びる長尺状に、且つ弾性変形可能に形成されている。導光部材401は、上記の第一開口部51、第二開口部52、第三開口部53を外側から塞ぐように外装部材50に設けられる。それ故、各LED(61~63)を発光させた場合に、導光部材401には、発光部60に面した第一面から上記の第一開口部51、第二開口部52、第三開口部53をそれぞれ通過した光が入射される。そして、導光部材401は第一面から入射した第一開口部51、第二開口部52、第三開口部53を通過した光をそれぞれ拡散光に変えて、第一面(裏面)と反対側の第二面(表面)から出射する。こうして、外装部材50の内側に配置された複数のLED(61~63)を発光させると、各LED(61~63)に対応して形成された複数の開口部(51~53)を介して入射した光が、導光部材401は複数の異なる箇所で光を出射する。導光部材401において複数の異なる箇所から光を出射させることで、画像形成装置1の動作状況や起動状況に応じた異なる表示を行うことが可能となる。
【0031】
本実施形態では、導光部材401において第二開口部52を通過した光を出射する範囲(便宜上、出射領域と呼ぶ)の大きさ(面積)と、第三開口部53を通過した光の出射領域の大きさとが同じである。そして、導光部材401において第二開口部52や第三開口部53を通過した光の出射領域の大きさや明るさが、第一開口部51を通過した光の出射領域よりも大きく明るくなるようにしている。LED発光時における導光部材401の出射領域の大きさや明るさを異ならせるために、本実施形態では、第一開口部51の開口面積を、第二開口部52の開口面積並びに第三開口部53の開口面積と異ならせている。具体的に、第一開口部51は、その開口面積が第二開口部52(また第三開口部53)よりも小さい。
【0032】
本実施形態の場合、画像形成装置1の起動状況として電源オン状態を表示するために、第一LED61を点灯させ、第一開口部51を通過する光を導光部材401のうちの一部から出射させる。また、画像形成装置1の動作状況として正常状態を表示するために、第三LED63を点灯(又は点滅)させ、第三開口部53を通過する光を導光部材401のうちの一部から出射させる。さらに、画像形成装置1の動作状況としてエラー状態を表示するために、第二LED62を点灯(又は点滅)させ、第二開口部52を通過する光を導光部材401のうちの一部から出射させる。導光部材401において、第一LED61を点灯させた場合と、第二LED62を点灯させた場合と、第三LED63を点灯させた場合とで、導光部材401における光の出射面はそれぞれ異なる。こうして、画像形成装置1の電源オン状態、正常状態、エラー状態に応じて、導光部材401の異なる箇所から光を出射させるようにしている。また、その際には、画像形成装置1の電源オン状態、正常状態、エラー状態に応じて出射領域の大きさや発光色を異ならせている。特に、同じ色(ここでは緑色)で光る画像形成装置1の電源オン状態と正常状態とでは、出射領域の大きさを異ならせている。
【0033】
そして、外装部材50には長手方向に関し、第一開口部51と第二開口部52の間に、外装部材50から発光部60側(発光部側)に向けて突出する被係合部(第三被係合部57)が設けられている。また、外装部材50には長手方向に関し、第二開口部52と第三開口部53との間に、外装部材50から発光部60側(発光部側)に向けて突出する被係合部(第三被係合部56)が設けられている。これら被係合部(56、57)は、導光部材401が外装部材50に装着される際に、導光部材401に設けられている係合部に係合される。詳しくは後述する。
【0034】
次に、外装部材50に着脱自在な導光部材401について、
図7(a)乃至
図8を用いて説明する。
図7(a)及び
図7(b)に示すように、本実施形態の導光部材401は、発光部60の光を出射する出射面を有する本体部49と、装着される際に外装部材50に係合する弾性変形可能な第一係合部45、第二係合部48、第三係合部46、47を有する。また、導光部材401には、導光部材401を外装部材50の所定位置に固定するための規制部44が第二係合部48と第三係合部47との間に設けられている。
【0035】
これら係合部(45~48)と規制部44とは、本体部49の裏面(即ち、開口部を通過した光が入射する面)から突出するように本体部49に一体的に構成されており、本体部49と共に導光体を形成している。第一係合部45、第三係合部46、47は先端が挿入方向(装着時に先端が先行して挿入される方向、図中矢印X方向)に曲げられた断面略L字状に形成され、第二係合部48は先端が挿入方向と反対側に突起した鉤状に形成されている。本実施形態では、導光部材401の長手方向に関し、第一係合部45が一端側に、第二係合部48が他端側に、第三係合部46、47が第一係合部45と第二係合部48との間に、それぞれ設けられている。なお、第三係合部46、47は、第一係合部45と第二係合部48との間に、ほぼ同じ間隔を空けて配置されるのが好ましい。ただし、後述するように、第三係合部46、47は導光部材401の出射面に影が映らないように形成するのが好ましいので、それを優先する場合には等間隔でなくてもよい。
【0036】
図8に、導光部材401が外装部材50に装着された状態を示す。
図8に示すように、外装部材50は、第一係合部45と係合する第一被係合部55、第二係合部48と係合する第二被係合部58、第三係合部46、47とそれぞれ係合する第三被係合部56、57を有する。そして、外装部材50において導光部材401の長手方向に関し、第三開口部53の両端に第一被係合部55と第三被係合部56がそれぞれ配設され、第二開口部52の両端に第三被係合部56と第三被係合部57がそれぞれ配設されるようにしている。第三被係合部56、57は外装部材50から発光部60側へ向けて(出射面側から入射面側へ向けて)突出するように、第三係合部46、47と係合可能に、挿入方向(図中矢印X方向)と反対に曲げられた断面略L字状に形成されている。
【0037】
本実施形態の場合、導光部材401を外装部材50に装着する際には、第一係合部45が第三開口部53に侵入し、第三係合部46が第二開口部52に侵入する。また、第三係合部47が第二開口部52と第一開口部51との間に設けられている第一装着孔510に侵入し、第二係合部48が第二装着孔512に侵入する。さらに、規制部44は第一開口部51と第二装着孔512との間に設けられている規制孔511に嵌められる。なお、規制孔511は規制部44がぴったりと嵌合するように形成されている。
【0038】
次に、ユーザが導光部材401を外装部材50へ装着する過程について、
図8乃至
図9(c)を参照して説明する。まず、
図9(a)に示すように、ユーザは導光部材401の第二係合部48側を把持し持ち上げた状態で、第一係合部45を第三開口部53に侵入させる。そして、ユーザは第一係合部45を第一被係合部55へと係合させるように、導光部材401を挿入方向(図中矢印X方向)へ動かす。この際に、ユーザは第三係合部46を第二開口部52に、第三係合部47を第一装着孔510に侵入させるように、導光部材401を外装部材50側に向けて押し込みながらスライド移動する。
【0039】
ユーザにより外装部材50側に向けて押し込みながらスライド移動されると、導光部材401は弾性変形して一時的に
図9(b)に示す状態になる。即ち、導光部材401は挿入方向から見て、第一係合部45が第一被係合部55に重なり合う位置に、第三係合部46が第三被係合部56に重なり合う位置に、第三係合部47が第三被係合部57に重なり合う位置に、それぞれ位置づけられた状態となる。ただし、上記の係合部(45、46、47)のいずれもが、対応する被係合部(55、56、57)に係合していない。また、このとき、ユーザにより持ち上げられている第二係合部48側では、第二係合部48が外装部材50に乗り上げた状態である。
【0040】
上記の
図9(b)に示した状態から、ユーザによって導光部材401がさらに挿入方向にスライド移動されると、
図9(c)に示す状態になる。即ち、第一係合部45が第一被係合部55に、第三係合部46が第三被係合部56に、第三係合部47が第三被係合部57にそれぞれ係合し、導光部材401のそれ以上の挿入方向の移動が規制される。このとき、第二係合部48は第二被係合部58との係合を開始する。また、規制部44は規制孔511との嵌合を開始する。
【0041】
そして、
図8に示すように、導光部材401は外装部材50に装着される。このとき、ユーザにより第二係合部48が第二装着孔512に押し込まれることに応じて、第二係合部48が第二被係合部58と係合し、また規制部44が規制孔511に嵌合する。これにより、第一係合部45が第一被係合部55に、第三係合部46が第三被係合部56に、第三係合部47が第三被係合部57にそれぞれ係合した状態に維持されて、導光部材401が外装部材50に装着される。本実施形態の場合、装着状態で導光部材401の裏面(入射面)とLED(61~63)との距離が一定に維持される。なお、導光部材401を外装部材50から取り外すときには、上記した装着手順と反対の手順に従えばよいので、その説明は省略する。
【0042】
ところで、ユーザは導光部材401の発光状態を視認して画像形成装置1の起動状況や動作状況を把握し得る。したがって、導光部材401から出射される光のユーザ視認性を向上するためには、出射領域に影が映り込むことを抑制するのが好ましい。そこで、本実施形態では、導光部材401が外装部材50に装着された状態で(
図8参照)、発光部60から光が発せられた場合に、少なくとも第三係合部46、47の影が出射領域に映らないようにしている。ここでは、第三係合部46、47は、発光部60から光が発せられたときに、導光部材401の表面(出射面)に影が映らないように配設されている。以下、
図10乃至
図14を用いて説明する。
【0043】
図10に示すように、第二LED62からは導光部材401の裏面(入射面)に向かって光が照射される。第二LED62による光の照射角度を「θ」とした場合に、ユーザが導光部材401の表面(出射面)から視認できる出射領域の長手方向長さを「L」で示す。
図10から理解できるように、第三係合部46、47は、第二LED62の照射角度θの内側に存在しないように、導光部材401に配設されている。こうすると、出射領域の範囲内に第三係合部46、47並びに第三被係合部56、57などの光を遮蔽する物が存在しないため、導光部材401の出射領域に影が映り込むことを抑制できる。また、ここでは図示を省略したが、第三係合部46はさらに第三LED63の照射角度の内側に存在しないように、第三係合部47はさらに第一LED61の照射角度の内側に存在しないように、それぞれが導光部材401に配設されている。
【0044】
<出射領域の明るさについて>
発明者らは本実施形態の導光部材401に関し、代表として第二開口部52を通過した光が出射される導光部材401の出射領域の明るさを測定した。なお、発明者らは、第一開口部51、第三開口部53を通過した光が出射される導光部材401の出射領域の明るさについても測定したが、照度の大きさを除きほぼ同様の測定結果であったことから、ここでは図示及び説明をしている。
【0045】
まず、測定器90を用いた出射領域の明るさ測定の方法について、
図11を用いて説明する。出射領域の明るさ測定は測定器90を用いて、第二開口部52を通過した光の出射領域の明るさを測定した。測定器90は、
図11に示すように、第二開口部52を通過した光を出射する出射領域に対向するように配置される。測定器90は、検知部91が測定対象の出射領域に接触された状態で、導光部材401の長手方向に沿って移動される。そして、長手方向の異なる位置で出射領域の明るさが測定される。ここでは、所定間隔(例えば6mm)毎に複数の測定位置(9か所)で出射領域の明るさを測定した。なお、測定器90は「デジタル照度計T-1M」(コニカミノルタ株式会社)を用い、また測定環境の明るさを「0.14ルクス」とした。また、本実施形態における出射領域の「最大発光可能位置L1」から第三係合部46までの距離である「係合部端部距離L2」は、「約2.9mm」であった。
【0046】
上記した導光部材401の出射領域の明るさ測定の結果を、
図12及び
図13に示す。
図12、
図13に示すように、第二LED62の直上である測定箇所「No5」が最大照度となり、そこから左右に配置されている第三係合部46、47に近づくにつれて照度が低くなっている。本実施形態の場合、第三係合部46の端部は測定箇所「No8」と「No9」の間に存在する。測定箇所「No8」の測定結果が「2.0ルクス」であるため、出射領域の「最大発光可能位置L1」における照度は「2.0ルクス」以下である。最大照度である測定箇所「No5」の照度を基準とすると、測定箇所「No8」の照度は
図13に示すように「0.055倍」となり非常に低い。そして、ユーザは、出射領域が照度「5.0ルクス以下(照射角が約54°以上)」で例え発光していたとしても、その範囲については発光していると認識し難い(つまりは発光していることを視認し得ない)。したがって、第三係合部46、47は、導光部材401における発光部60から発せられた光の照度(出射領域の照度)が「5.0ルクス」以下である位置に配設されるとよい。こうすると、発光部60から光が発せられたときに、出射領域の照度が「5.0ルクス」より大きい範囲では出射領域に影が映らず明るさを確保できるので好ましい。
【0047】
なお、発光源である第二LED62(第一LED61、第三LED63も同様)は、
図14に示すような指向性(発光ピーク値を100%としたときの各スキャン角度における光の相対強度)を有している。上述した第二LED62の照射角度θは、導光部材401の出射領域としてユーザが視認可能な光の相対強度が高い照射角度である。したがって、照射角度θ以外の、光の相対強度が低い範囲に第三係合部46、47を配置しても、ユーザは配置していない場合と比較して出射領域の明るさの違いに気づきづらい。そのため、本実施形態では、第三係合部46、47が第二LED62の照射角度θの内側に存在しないように、導光部材401に配設されてよい。
【0048】
以上のように、本実施形態では、導光部材401に第一係合部45、第二係合部48、第三係合部46、47が設けられており、導光部材401はこれらの係合部(45~48)による外装部材50との係合により、外側から外装部材50に着脱され得る。そして、長尺状の導光部材401において、第三係合部46、47は長手方向に関し第一係合部45と第二係合部48との間にそれぞれ設けられる。この場合、導光部材401が外装部材50に装着された状態で、導光部材401の裏面(入射面)とLED(61~63)との距離が一定に維持される。こうすると、ユーザは交換前後で導光部材401の出射領域の明るさに差異を生じさせることなく、つまりは導光部材401から光を出射する場合におけるユーザ視認性を変えることなく、導光部材401を容易に交換することができるようになる。
【0049】
なお、上述した
図4(a)及び
図4(b)に示すように、導光部材401は操作パネル部30がどのような傾斜角に角度調整された場合であっても、常に表示器70よりも手前側に位置するように表示器70に設けられるのが好ましい。また、上述した
図5に示すように、導光部材401は、光が出射する第二面と表示器70の表面とのなす角が鋭角となるように、外装部材50に斜めに取り付けられるのが好ましい。こうすると、操作パネル部30が角度調整により
図4(a)及び
図4(b)含むどのような角度に傾けられたとしても、導光部材401は常にユーザに近い手前側にあるので、どのユーザにとっても導光部材401の発光状態が見やすくなるので有利である。
【0050】
<他の実施形態>
なお、外装部材50には長手方向に関し、第一開口部51と第二開口部52との間に、また第二開口部52と第三開口部53との間に、外装部材50から発光部60側(発光部側)に向けて突出する第一、第二の遮光用リブが設けられると好ましい。第一の遮光用リブ(遮光用突出部)は、第一LED61からの光が第二開口部52を通過するのを低減するため、また第二LED62からの光が第一開口部51を通過するのを低減するために設けられる。第二の遮光用リブ(遮光用突出部)は、第二LED62からの光が第三開口部53を通過するのを低減し、また第三LED63からの光が第二開口部52を通過するのを低減するために設けられる。これら第一、第二の遮光用リブを設けると、発光部60において隣り合って配置されたLEDが異なる色で発光するものである場合には、導光部材401から出射する光の色が混ざることを抑制できるので有利である。また、発光部60において隣り合って配置されたLEDが同じ色で発光するものである場合には、導光部材401の出射領域の明るさを調整しやすくなるので有利である。
【0051】
このような第一、第二の遮光用リブが設けられている場合に、第一の遮光用リブに導光部材401の第三係合部46を係合させ、第二の遮光用リブに導光部材401の第三係合部47を係合させるのが好ましい。言い換えれば、上述した
図8に示すように、第三被係合部56、57が、第一開口部51と第二開口部52の間、また第二開口部52と第三開口部53との間に配設され、上記の機能を有する遮光用リブを兼ねるようにしてよい。
【0052】
なお、上述した画像形成装置1では、発光表示装置40を表示器70と一体的に設けた場合を例に説明したがこれに限らず、例えば操作パネル部30から発光表示装置40を着脱自在に構成してもよい。また、
図1に鎖線で示すような装置本体10の正面側の位置に、本実施形態の発光表示装置(40B、40C)が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…画像形成装置、40(40B、40C)…表示装置(発光表示装置)、45…第一係合部、46(47)…第三係合部、48…第二係合部、50…外装部材、51…開口部(第一開口部)、52…開口部(第二開口部)、56(57)…第三被係合部(遮光用突出部、遮光用リブ)、59…遮光部、60…発光部、61…第一発光素子(第一LED)、62…第二発光素子(第二LED)、70…表示器、80…揺動支持手段(揺動支持部材)、101…画像形成部、401…導光部材