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特許7404096スキャンシステム、画像処理装置、方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】スキャンシステム、画像処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231218BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20231218BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
G06F13/00
G06F3/12 303
G06F3/12 337
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020021869
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021129181
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】川島 康彰
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-139341(JP,A)
【文献】特開2019-049901(JP,A)
【文献】特開2011-139380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 13/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、スキャナを備える画像処理装置と、を含むスキャンシステムであって、
前記ウェブアプリケーションは、
前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのスキャンにかかるメッセージの投稿に基づき生成されるスキャン要求に応じて、確認データを発行する発行手段と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータを送信する宛先として、前記メッセージ共有システム内のコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのダイレクトメッセージの指定を受け付ける受付手段と、
前記確認データと前記宛先とを紐づけて保持する保持手段と、
前記スキャンにかかるメッセージの投稿元に、前記メッセージ共有システムを介して、前記確認データを提供する提供手段と、を有し、
前記画像処理装置は、
ユーザから前記メッセージ共有システムへスキャンに基づき生成されたスキャンデータを投稿するために、確認データの入力を受け付ける受付手段と、
当該入力されたデータを前記ウェブアプリケーションに送信する第1送信手段と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータを前記ウェブアプリケーションに送信する第2送信手段と、を有し、
前記ウェブアプリケーションは、さらに、
前記画像処理装置から送信されてきたデータと一致する確認データが保持されていた場合に、該保持されていた確認データに紐づけられていた前記宛先を指定して、前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータを投稿する投稿手段と、
を有することを特徴とするスキャンシステム。
【請求項2】
前記ウェブアプリケーションは、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、前記スキャン要求を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載のスキャンシステム。
【請求項3】
前記ウェブアプリケーションは、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、前記確認データを提供する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスキャンシステム。
【請求項4】
前記ウェブアプリケーションは、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、前記スキャンデータを投稿する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスキャンシステム。
【請求項5】
前記画像処理装置には、スキャンに基づき生成されたスキャンデータを前記メッセージ共有システムへ投稿するために、前記確認データの入力を受け付けるアプリケーションがインストールされている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスキャンシステム。
【請求項6】
前記確認データは、有効期限を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスキャンシステム。
【請求項7】
メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、スキャナを備える画像処理装置と、を含むスキャンシステムにおける方法であって、

前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのスキャンにかかるメッセージの投稿に基づき生成されるスキャン要求に応じて、前記ウェブアプリケーションが確認データを発行する発行工程と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータを送信する宛先として、前記メッセージ共有システム内のコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのダイレクトメッセージの指定を前記ウェブアプリケーションが受け付ける第1受付工程と、
前記確認データと前記宛先とを紐づけて前記ウェブアプリケーションが保持する保持工程と、
前記スキャンにかかるメッセージの投稿元に、前記メッセージ共有システムを介して、前記ウェブアプリケーションが前記確認データを提供する提供工程と、
ユーザから前記メッセージ共有システムへスキャンに基づき生成されたスキャンデータを投稿するために、前記画像処理装置が確認データの入力を受け付ける第2受付工程と、
前記画像処理装置が当該入力されたデータを前記ウェブアプリケーションに送信する第1送信工程と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータを前記画像処理装置が前記ウェブアプリケーションに送信する第2送信工程と、
前記ウェブアプリケーションにおいて前記画像処理装置から送信されてきたデータと一致する確認データが保持されていた場合に、該保持されていた確認データに紐づけられていた前記宛先を指定して、前記ウェブアプリケーションが前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータを投稿する投稿工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
スキャナを備える画像処理装置であって、
ユーザからメッセージ共有システムへスキャンに基づき生成されたスキャンデータを投稿するために、確認データの入力を受け付ける受付手段と、
当該入力されたデータを前記メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションに送信する第1送信手段と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータを前記ウェブアプリケーションに送信する第2送信手段と、を有し、
前記ウェブアプリケーションでは、前記画像処理装置から送信されてきたデータと一致する確認データがあらかじめ保持されていた場合に、該保持されていた確認データに紐づけられていた宛先を指定して、前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータが投稿され、
前記宛先は、前記メッセージ共有システム内のコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのダイレクトメッセージの指定であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
スキャナを備える画像処理装置における方法であって、
ユーザからメッセージ共有システムへスキャンに基づき生成されたスキャンデータを投稿するために、確認データの入力を受け付ける受付工程と、
当該入力されたデータを前記メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションに送信する第1送信工程と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータを前記ウェブアプリケーションに送信する第2送信工程と、を有し、
前記ウェブアプリケーションでは、前記画像処理装置から送信されてきたデータと一致する確認データがあらかじめ保持されていた場合に、該保持されていた確認データに紐づけられていた宛先を指定して、前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータが投稿され、
前記宛先は、前記メッセージ共有システム内のコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのダイレクトメッセージの指定であることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の画像処理装置が有する各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャンシステム、画像処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して複数のユーザ端末間でメッセージをやり取りする、いわゆるチャットのためのメッセージアプリケーションの利用が広まっている。また、ユーザがメッセージアプリケーション上で送信したメッセージの内容に応じて自動的にメッセージを応答するBotアプリケーションを利用したサービスも増えている。
【0003】
例えば、特許文献1では、Botアプリケーションと連携するクラウド印刷サービスにおいて、ネットワーク上の印刷機器にメッセージアプリケーションを介して印刷指示を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-144698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、メッセージアプリケーションを介してスキャンを実行する処理については開示されていなかった。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、メッセージアプリケーションを介してスキャンを実行する仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態のスキャンシステムは、メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、スキャナを備える画像処理装置と、を含む。ウェブアプリケーションは、メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのスキャンにかかるメッセージの投稿に基づき生成されるスキャン要求に応じて、確認データを発行する発行手段と、スキャンに基づき生成されたスキャンデータを送信する宛先として、メッセージ共有システム内のコミュニケーションスペースまたはメッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのダイレクトメッセージの指定を受け付ける受付手段と、確認データと宛先とを紐づけて保持する保持手段と、スキャンにかかるメッセージの投稿元に、メッセージ共有システムを介して、確認データを提供する提供手段と、を有する。画像処理装置は、ユーザからメッセージ共有システムへスキャンに基づき生成されたスキャンデータを投稿するために、確認データの入力を受け付ける受付手段と、当該入力されたデータをウェブアプリケーションに送信する第1送信手段と、スキャンに基づき生成されたスキャンデータをウェブアプリケーションに送信する第2送信手段と、を有する。ウェブアプリケーションは、さらに、画像処理装置から送信されてきたデータと一致する確認データが保持されていた場合に、該保持されていた確認データに紐づけられていた宛先を指定して、メッセージ共有システムに画像処理装置から送信されてきたスキャンデータを投稿する投稿手段を有する。
【0008】
本発明の他の実施形態は、スキャナを備える画像処理装置である。画像処理装置は、ユーザからメッセージ共有システムへスキャンに基づき生成されたスキャンデータを投稿するために、確認データの入力を受け付ける受付手段と、当該入力されたデータをメッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションに送信する第1送信手段と、スキャンに基づき生成されたスキャンデータをウェブアプリケーションに送信する第2送信手段と、を有する。ウェブアプリケーションでは、画像処理装置から送信されてきたデータと一致する確認データがあらかじめ保持されていた場合に、該保持されていた確認データに紐づけられていた宛先を指定して、メッセージ共有システムに画像処理装置から送信されてきたスキャンデータが投稿される。宛先は、メッセージ共有システム内のコミュニケーションスペースまたはメッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのダイレクトメッセージの指定である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メッセージアプリケーションを介してスキャンを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態のシステム構成の一例を示す図である。
図2】第1実施形態のクライアント端末のハードウェア構成例を示す図である。
図3】第1実施形態のメッセージアプリケーションサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図4】第1実施形態の画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図5】第1実施形態におけるワンタイムパスワードの生成処理例を示す図である。
図6】メッセージアプリケーションのホーム画面例を示す図である。
図7】メッセージアプリケーションのチャンネル画面例を示す図である。
図8】複合機ボットとのメッセージ交換画面例を示す図である。
図9】ワンタイムパスワードメッセージの表示例を示す図である。
図10】第1実施形態におけるスキャンおよび送信処理例を示す図である。
図11図10の続きの図である。
図12】画像処理装置上に表示される送信機能画面例を示す図である。
図13】画像処理装置上に表示される宛先種別選択画面例を示す図である。
図14】画像処理装置上に表示されるメッセージサービス宛先入力画面例を示す図である。
図15】画像処理装置上に表示される送信先表示画面例を示す図である。
図16】メッセージアプリケーション上に表示されるスキャン画像メッセージの一例を示す図である。
図17】メッセージアプリケーション上に表示されるスキャン画像メッセージの別例を示す図である。
図18】画像処理装置上に表示される送信成功時の表示例を示す図である。
図19】第2実施形態におけるエラー画面例を示す図である。
図20】第2実施形態における画像処理装置の処理例を示す流れ図である。
図21図20の続きの図である。
図22図21の続きの図である。
図23】第2実施形態におけるBotアプリケーションの処理例を示す流れ図である。
図24図23の続きの図である。
図25】画像処理装置上に表示される送信失敗時の表示例を示す図である。
図26】ワンタイムパスワードが未登録のときのエラー表示例を示す図である。
図27】ワンタイムパスワードが有効期限切れのときのエラー表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。ただし、以下の実施形態で説明されている特徴のすべてが本発明に必須のものであるとは限らない。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態では、メッセージ共有システムで使用されるBotアプリケーションと画像処理装置が連携するサービスの例について説明する。このサービスにおいては、ユーザがメッセージアプリケーションからスキャン要求を送信し、ネットワークを介して画像処理装置からメッセージアプリケーションへスキャン画像が送信される。
【0013】
図1は、第1実施形態のシステム構成の一例を示す図である。第1実施形態のスキャンシステムは、クライアント端末100、メッセージアプリケーションサーバ200、Botアプリケーションサーバ300、画像処理装置400を備える。図1において、メッセージアプリケーションサーバ200は、クライアント端末100とネットワーク1000を介して接続され、Botアプリケーションサーバ300とネットワーク1100を介して接続されている。
【0014】
ここで、第1実施形態に係るメッセージアプリケーションは、メッセージアプリケーションサーバ200を介して他のクライアント端末との送受信も可能である。図1の例では1つのクライアント端末100が示されているが、スキャンシステムにおけるクライアント端末100の数は複数であってもよい。この場合において、複数のクライアント端末はそれぞれハードウェア構成が異なっていてもよい。
【0015】
また、Botアプリケーションサーバ300と画像処理装置400は、ネットワーク1200を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク1000、1100、1200は、データの送受信が可能であればどのような仕様のネットワークでもよい。
【0016】
クライアント端末100は、ユーザによって操作されるコンピュータ装置であって、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末などが挙げられる。クライアント端末100は、メッセージ共有システムを利用するためのソフトウェアモジュールであるメッセージアプリケーション101を含む。
【0017】
メッセージアプリケーション101は、ユーザにより入力された文字列を含むメッセージを、ネットワーク1000を介して後述のメッセージサービスアプリケーション201へ送信する機能を担う。また、メッセージアプリケーション101は、メッセージサービスアプリケーション201からネットワーク1000を介して受信したメッセージをユーザへ通知する機能を担う。
【0018】
メッセージアプリケーションサーバ200は、メッセージアプリケーション101に対してメッセージ共有システムのサービスを提供するために設置されるサーバである。メッセージアプリケーションサーバ200は、ソフトウェアモジュールであるメッセージサービスアプリケーション201と、ファイルストレージ202を含む。なお、図1では示していないが、メッセージアプリケーションサーバ200は、複数のクライアント端末間でのメッセージのやり取りを行う場合には、メッセージの中継処理を行う。
【0019】
メッセージサービスアプリケーション201は、クライアント端末100のメッセージアプリケーション101から送信されたメッセージを受信する。
また、メッセージサービスアプリケーション201は、Botアプリケーションサーバ300の後述するBotアプリケーション301へメッセージの受信イベントを送信する。また、メッセージサービスアプリケーション201は、Botアプリケーション301からのリクエストに基づいてメッセージアプリケーション101へメッセージを送信する。さらに、メッセージサービスアプリケーション201は、受信した画像ファイルをファイルストレージ202に保存する処理を行う。
【0020】
ファイルストレージ202は、メッセージアプリケーションサーバ200によって管理される記憶装置である。ファイルストレージ202は、クライアント端末100のメッセージアプリケーション101から送信された画像ファイルや、Botアプリケーション301から送られてくる画像ファイルおよびメッセージを記憶する。
【0021】
Botアプリケーションサーバ300は、メッセージ共有システムと連携するBotアプリケーション301の機能を提供するために設置されるサーバである。Botアプリケーションサーバ300は、ウェブアプリケーションの一例であるBotアプリケーション301と、ファイルストレージ302を含む。
【0022】
Botアプリケーション301は、メッセージアプリケーションサーバ200のメッセージサービスアプリケーション201からのイベント通知を受信し、受信したイベントの内容に応じた処理を実行する。また、Botアプリケーション301は、必要に応じてメッセージサービスアプリケーション201へネットワーク1100を介してメッセージ送信リクエストを送信する。
【0023】
受信したイベントがスキャンリクエストであれば、Botアプリケーション301は、当該スキャンリクエストに対して一意に識別可能なワンタイムパスワードを発行する。ワンタイムパスワードは、確認データの一例である。
【0024】
そして、Botアプリケーション301は、リクエストしたユーザに対して、一意に識別可能なワンタイムパスワードを含んだメッセージ送信リクエストを送信する。ここで、ワンタイムパスワードには、ワンタイムパスワードを用いた認証の安全性を高めるために有効期限が設けられ、その有効期間を過ぎるとワンタイムパスワードが無効となるのが一般的である。そのため、第1実施形態ではワンタイムパスワードを発行する際には合わせて有効期限も設定する前提で説明するが、この前提は本発明を制限するものではない。
【0025】
また、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201の仮想ユーザとして機能し、クライアント端末100のメッセージアプリケーション101とのメッセージの送受信が可能である。
【0026】
ファイルストレージ302は、画像処理装置400から受信した画像ファイルやメッセージを記憶する。スキャンリクエストに画像ファイルの送信先情報(宛先)が含まれていた場合、ファイルストレージ302は、Botアプリケーション301によって発行されたワンタイムパスワードおよびリクエストしたユーザ情報に、当該送信先情報も紐づけて保持する。
【0027】
ここで、第1実施形態では、Botアプリケーションサーバ300上にBotアプリケーション301が配置される構成になっているが、Botアプリケーション301は画像処理装置400上に存在する構成としてもよい。
また、Botアプリケーション301は、画像処理装置400に対するスキャンに関する投稿に応じたスキャンリクエストに加えて、印刷に関する投稿に応じた印刷リクエストも発行できるように構成される。
【0028】
画像処理装置400は、スキャナ装置を有する装置であって、例えば、複合機(MFP)、卓上スキャナなどが該当する。画像処理装置400は、スキャナ装置での原稿読み取りによるスキャン機能を備えている。画像処理装置400は、用紙に対してトナーやインク等の記録剤を用いて画像形成を行う印刷装置を有していてもよく、コピーやFAX送信等の機能を備えていてもよい。
【0029】
図2は、第1実施形態に係るクライアント端末100のハードウェア構成例を示す図である。
クライアント端末100は、CPU111、RAM112、ROM113、表示装置114、入力装置115、通信モジュール116および外部記憶装置117を含む。これらの要素は、システムバス118を介して接続され、互いにデータのやり取りを行う。
なお、CPUは、Central Processing Unitの略であり、RAMは、Random Access Memoryの略であり、ROMは、Read Only Memoryの略である。
【0030】
CPU111は、RAM112またはROM113に格納されたプログラムに従って、各種の演算処理を行う。RAM112は、揮発性の記憶領域であって、CPU111が各種の演算処理を行う際の一時記憶領域として使用される。ROM113は、不揮発性の記憶領域であって、オペレーティングシステム(OS)、メッセージアプリケーション101やその他のアプリケーションを格納する。
【0031】
表示装置114は、グラフィックユーザインターフェース(GUI)等の表示を行うデバイスであって、例えば、液晶ディスプレイとグラフィックコントローラーとを含む。
入力装置115は、クライアント端末100に対するユーザの操作を受け付けるデバイスであって、例えば、キーボードやポインティングデバイスが挙げられる。クライアント端末100は、入力装置115から受け付けたユーザの各種指示に応じて、各種の制御を行う。
【0032】
ここで、入力装置115は、クライアント端末100に外付けされるデバイスであってもよい。また、図2の例では、クライアント端末100において表示装置114と入力装置115を別に示している。しかし、例えばタッチパネルディスプレイ等のように、表示装置114と入力装置115が一つのモジュールとして構成されていてもよい。
【0033】
通信モジュール116は、外部装置と通信を行うためのインターフェースである。通信モジュール116は、ルータなどの通信機器(不図示)と接続され、ネットワーク1000を介してメッセージアプリケーションサーバ200とのデータ通信を行う。なお、このデータ通信は、例えば無線回線による通信で行われてもよく、電話回線やLAN回線などの有線回線による通信で行われてもよい。
【0034】
外部記憶装置117は、不揮発性の記憶領域である。例えば、クライアント端末100がスマートフォンである場合、外部記憶装置117としてフラッシュメモリが使用されてもよい。
【0035】
図3は、第1実施形態のメッセージアプリケーションサーバ200のハードウェア構成例を示す図である。
メッセージアプリケーションサーバ200は、CPU211、RAM212、ROM213、通信モジュール214および外部記憶装置216を含む。これらの要素は、システムバス215を介して接続され、互いにデータのやり取りを行う。
【0036】
CPU211は、RAM212またはROM213に格納されたプログラムに従って、各種の演算処理を行う。RAM212は、揮発性の記憶領域であって、CPU211が各種の演算処理を行う際の一時記憶領域として使用される。ROM213は、不揮発性の記憶領域であり、各種のデータを格納する。
【0037】
通信モジュール214は、外部装置と通信を行うためのインターフェースである。通信モジュール214は、ネットワーク1000を介してクライアント端末100とのデータ通信を行い、ネットワーク1100を介してBotアプリケーションサーバ300とのデータ通信を行う。
外部記憶装置216は、不揮発性の記憶領域であって、例えば、オペレーティングシステム、メッセージサービスアプリケーション201などの格納に使用される。
【0038】
また、Botアプリケーションサーバ300のハードウェア構成は、以下の点を除いて上述のメッセージアプリケーションサーバ200と同様である。Botアプリケーションサーバ300では、外部記憶装置にBotアプリケーション301が格納される。また、Botアプリケーションサーバ300の通信モジュールは、ネットワーク1100を介してメッセージアプリケーションサーバ200とのデータ通信を行い、ネットワーク1200を介して画像処理装置400とのデータ通信を行う。
【0039】
そのため、Botアプリケーションサーバ300のハードウェア構成の説明については省略する。
なお、各サーバの構成は上記に限定されるものではなく、例えば、一般的な情報処理装置と同様の構成でもよく、それぞれのサーバが異なる構成であってもよい。
【0040】
図4は、第1実施形態の画像処理装置400のハードウェア構成例を示す図である。
画像処理装置400は、CPU401、RAM402、ハードディスク(以下、HDDとも称する)403、入力装置404、通信装置406およびスキャナ装置407を含む。これらの要素は、メインバス408を介して接続され、互いにデータのやり取りを行う。
【0041】
CPU401は、RAM402またはHDD403に格納されたプログラムに従って、各種の演算処理を行う。第1実施形態では特に断らない限り、画像処理装置400において、CPU401がメインバス408を介して、RAM402、HDD403、入力装置404、通信装置406およびスキャナ装置407を制御する。
【0042】
なお、画像処理装置400には、スキャンに基づき生成されたスキャンデータをメッセージ共有システムへ投稿するために、後述のワンタイムパスワードの入力を受け付けるアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0043】
RAM402は、揮発性の記憶領域であって、CPU401が各種の演算処理を行う際の一時記憶領域として使用される。HDD403は、画像処理装置400によって実行されるプログラムを記憶する記憶媒体である。なお、HDD403に代えて、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を用いてもよい。
【0044】
入力装置404は、GUIをユーザに提供する表示部を備え、GUIを介してユーザの各種入力を受け付ける。通信装置406は、ネットワーク1200を介してBotアプリケーションサーバ300との通信を制御する。スキャナ装置407は、原稿を光学的に読み取り、スキャンに基づく電子ファイル(スキャンデータ)を生成する。
【0045】
図5は、第1実施形態におけるワンタイムパスワードの生成処理例を示す図である。図5の処理は、例えば、ユーザがクライアント端末100から、以下の手順でワンタイムパスワードの生成を要求することで開始される。
【0046】
図6は、メッセージアプリケーション101のホーム画面600の一例を示す図である。メッセージアプリケーション101のホーム画面600は、チャンネル一覧表示部601と、ユーザ一覧表示部602の表示を含む。
【0047】
チャンネル一覧表示部601は、他のユーザとメッセージを共有するチャンネルのうち、操作しているユーザが所属しているチャンネルの一覧を表示する。ユーザ一覧表示部602は、直接メッセージの交換ができるユーザの一覧を表示する。図6に示すユーザ一覧表示部602には、直接メッセージの交換ができるユーザとして、ボットアカウント(複合機ボット603)が表示されている。ボットアカウント(複合機ボット603)は、メッセージ共有システムに登録された仮想ユーザであって、Botアプリケーション301によって応答が行われる。ユーザは、メッセージアプリケーション101において、直接メッセージの交換ができるユーザとして複合機ボット603の選択が可能である。
【0048】
図7は、メッセージアプリケーション101のチャンネル画面700の一例を示す図である。図7のチャンネル画面700は、図6のホーム画面600のチャンネル一覧表示部601から、「チャンネル」を選択する操作に応じて表示される。
【0049】
チャンネルは、メッセージ共有システムにおいて複数ユーザアカウントでメッセージ共有するチャット機能で使用されるコミュニケーションスペースの一例である。この種のコミュニケーションスペースとしては、例えば、Slackのチャネル、Chatworkのグループチャット、LINEのグループトーク等が挙げられる。
【0050】
図8は、メッセージアプリケーション101における複合機ボットとのメッセージ交換画面800の一例を示す図である。図8のメッセージ交換画面800は、図6のホーム画面600のユーザ一覧表示部602から、仮想ユーザである「複合機ボット603」を選択する操作に応じて表示される。
【0051】
図8のメッセージ交換画面800は、例えば、プリントを指示するためのプリント指示ボタン801と、スキャンを指示するためのスキャン指示ボタン802と、操作説明のメッセージ803と、メッセージ入力部804の表示を含む。
図8のメッセージ交換画面800が表示されると、クライアント端末100は、ワンタイムパスワードの生成の要求を行う。これにより、図5の処理が開始される。
【0052】
図5の処理が開始されると、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201に対して、ネットワーク1100を介して指示要求メッセージの要求を送信する(S501)。
【0053】
メッセージサービスアプリケーション201は、指示要求メッセージの要求を受信すると、ネットワーク1000を介してメッセージアプリケーション101のユーザアカウントに対して、ボットアカウントからの指示要求メッセージを送信する(S502)。指示要求メッセージは、一例として、プリント指示ボタン801、スキャン指示ボタン802、メッセージ803を含むメッセージ交換画面800としてユーザに提示される。
【0054】
ここで、メッセージアプリケーション101がプリント指示ボタン801の押下を受け付けた場合について説明する。プリント指示ボタン801が押下されると、メッセージアプリケーション101は、印刷対象となる画像データの投稿を受け付ける。そして、メッセージアプリケーション101は、ネットワーク1000を介して、印刷リクエストと画像データをメッセージサービスアプリケーション201に対して送信する。
【0055】
すると、メッセージサービスアプリケーション201は、Botアプリケーション301に当該リクエストを通知し、Botアプリケーション301に印刷用のワンタイムパスワードを発行させる。
メッセージサービスアプリケーション201は、発行されたワンタイムパスワードを取得して、メッセージアプリケーション101を介してユーザにそのワンタイムパスワードを提示する。
【0056】
ユーザは、メッセージアプリケーション101で提示されたワンタイムパスワードを画像処理装置400で入力する。これにより、Botアプリケーション301を介して、メッセージアプリケーション101を用いて投稿した画像データを取得し、印刷することが可能となる。
【0057】
図5の説明に戻る。指示要求メッセージを受信したメッセージアプリケーション101は、ユーザからの入力を受付ける(S503)。ユーザは、操作説明のメッセージ803に従って、必要に応じてチャンネル一覧表示部601に表示されていたチャンネル名を送信先としてメッセージ入力部804に入力し、メッセージを投稿する操作を行う。
【0058】
その後、スキャン指示ボタン802が押下されると、メッセージアプリケーション101は、ネットワーク1000を介して、スキャンリクエストをメッセージサービスアプリケーション201に対して送信する(S504)。これにより、メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのスキャンにかかるメッセージの投稿に基づくスキャン要求が行われる。上記のS503でユーザがチャンネル名の入力を行っていた場合には、S504で送信されるスキャンリクエストには当該チャンネル名も含まれる。
【0059】
メッセージサービスアプリケーション201は、スキャンリクエストを受信すると、当該スキャンリクエストをBotアプリケーション301に通知する(S505)。
【0060】
Botアプリケーション301は、スキャンリクエストを受信すると、リクエストを一意に識別可能で、有効期限の設定されたワンタイムパスワードを発行する(S506)。
ワンタイムパスワードはどのような構成であってもよいが、本実施形態ではワンタイムパスワードが10桁の数字で構成される例を説明する。また、以下の説明では、ワンタイムパスワードとして「1362325623」が発行され、ワンタイムパスワードの有効期限として発行から1週間後が設定された場合を想定する。
【0061】
Botアプリケーション301は、ワンタイムパスワードの送信先をS506で発行したワンタイムパスワードと紐づけて、ファイルストレージ302に記録する(S507)。送信先は、メッセージ共有システム内のコミュニケーションスペースまたはメッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのダイレクトメッセージを選択することができる。
【0062】
例えば、上記のS503でメッセージ共有システム内のコミュニケーションスペースであるチャンネル情報が送信されていれば当該チャンネルが送信先となる。上記のチャンネル情報が送信されていなければ、スキャンリクエストを送信してきたユーザが送信先となり、ユーザアカウントへのダイレクトメッセージが送信されることとなる。
【0063】
本実施形態では、ユーザBがチャンネル情報を送信せずに実行した場合について説明する。このケースでは、チャンネル情報が送信されていない。そのため、S507でのBotアプリケーション301は、実行者であるユーザBを送信先として、ワンタイムパスワード「1362325623」と紐づけてファイルストレージ302に記録する。
【0064】
その後、Botアプリケーション301は、ワンタイムパスワードメッセージの送信要求をメッセージサービスアプリケーション201に送信する(S508)。ワンタイムパスワードメッセージの送信要求には、ワンタイムパスワードを含んだメッセージを送信先に送信する指示が含まれる。
【0065】
メッセージサービスアプリケーション201は、ワンタイムパスワードメッセージの送信要求を受信すると、ワンタイムパスワードメッセージをメッセージアプリケーション101に送信する(S509)。
【0066】
メッセージアプリケーション101は、ワンタイムパスワードメッセージを受信すると、ボットアカウントにより、図9に示すワンタイムパスワードメッセージの通知901を表示する。ワンタイムパスワードメッセージの通知901には、ワンタイムパスワードおよびその有効期限と、画像処理装置400にワンタイムパスワードの入力を促すメッセージが含まれる。これにより、スキャンにかかるメッセージの投稿元にワンタイムパスワードが提供される。
以上で、図5の説明を終了する。
【0067】
図10図11は、第1実施形態におけるスキャンおよび送信処理例を示す図である。
スキャンおよび送信処理に際し、画像処理装置400は、図12に示す送信機能画面1101を入力装置404上に表示している。
【0068】
送信機能画面1101においてアドレス帳ボタン1102が押下されると、画像処理装置400内に記録されているアドレス帳が表示される。送信機能画面1101においてワンタッチボタン1103が押下されると、画像処理装置400内に記録されているワンタッチ宛先が表示される。画像処理装置400は、これらのアドレス帳やワンタッチ宛先から宛先を選択する操作をユーザから受け付ける。
【0069】
送信機能画面1101において設定ボタン群1105が押下されると、スキャンして生成される電子ファイルのカラー/モノクロ、解像度、ファイル形式などの設定を変更する画面(不図示)に遷移する。これらの設定変更についての説明は省略する。
【0070】
一方、送信機能画面1101においてメッセージサービスへの新規宛先入力ボタン1104が押下されると、画像処理装置400は、図13に示す宛先種別選択画面1201を入力装置404上に表示する(S1001)。
【0071】
宛先種別選択画面1201は、新規に入力する宛先の種別を選択する操作をユーザから受け付ける。宛先種別選択画面1201は、Eメール宛先ボタン1202、Iファクスボタン1203、ファイルボタン1204、ボックスに保管ボタン1205、メッセージサービスボタン1206を含む。ボタン1202~1205が押下されると、宛先の種別として、Eメール、Iファクス、SMB/FTP/WebDAVなどのファイル共有プロトコル、画像処理装置400内のハードディスク403がそれぞれ選択される。ボタン1202~1205が操作されたときの動作についての説明は省略する。
【0072】
メッセージ共有システムにスキャンデータを投稿する場合、宛先種別選択画面1201においてメッセージサービスボタン1206が押下される操作が行われる。メッセージサービスボタン1206が押下されると、画像処理装置400は、図14に示すメッセージサービス宛先入力画面1301を入力装置404上に表示する(S1002)。
【0073】
メッセージサービス宛先入力画面1301は、ワンタイムパスワード入力欄1302、キャンセルボタン1303、OKボタン1304、ソフトウェアキーボード1305の表示を含む。ソフトウェアキーボード1305を用いてワンタイムパスワードの文字列が入力されると、入力された文字列はワンタイムパスワード入力欄1302に表示される。ただし、ワンタイムパスワードは秘匿の必要があるため、ワンタイムパスワード入力欄1302においては、文字列が*(アスタリスク)でマスクされて表示される。また、キャンセルボタン1303が押下されると、画像処理装置400は、メッセージサービス宛先入力画面1301を閉じて、入力装置404上に送信機能画面1101を表示する。
【0074】
ワンタイムパスワードの文字列の入力が完了した後に、OKボタン1304が押下されると、画像処理装置400はワンタイムパスワードの入力を受け付ける(S1003)。
すると、画像処理装置400は、通信装置406を用いて、入力されたワンタイムパスワードを含む送信先名の検索要求をBotアプリケーション301に対して送信する(S1004)。
【0075】
Botアプリケーション301は、ワンタイムパスワードを含む送信先名の検索要求を受信すると、検索要求に含まれるワンタイムパスワードがファイルストレージ302に記録されているかを検索する(S1005)。
【0076】
検索要求のワンタイムパスワードが記録されていた場合、Botアプリケーション301は、当該ワンタイムパスワードに紐づけられた送信先名を画像処理装置400に応答する(S1006)。例えば、メッセージサービス宛先入力画面1301でユーザBがワンタイムパスワード入力欄1302にワンタイムパスワードとして「1362325623」を入力した場合を考える。この場合、図5のS507で「1362325623」と紐づけて記録されたユーザBが、S1006において送信先名として応答される。
【0077】
画像処理装置400は、送信先名を受信すると、図15に示す送信先表示画面1401を入力装置404上に表示する(S1007)。送信先表示画面1401の送信先表示欄1402には、S1006で受信した送信先名が表示される。また、送信先表示画面1401の宛先の指定ボタン1403が押下されると、送信機能画面1101が表示され、ユーザはさらに宛先を追加する操作を行うことができる。
【0078】
送信先表示画面1401においてスタートボタン1404が押下されると、画像処理装置400は、設定ボタン群1105に設定された内容に基づいて、スキャナ装置407を動作させて原稿のスキャンを実行する(S1008)。
【0079】
画像処理装置400は、スキャンしたデータからPDFやJPEGなどの形式で電子ファイルを生成する(S1009)。そして、画像処理装置400は、S1009で生成した電子ファイルと、入力されたワンタイムパスワードをBotアプリケーション301に送信する(S1010)。
【0080】
Botアプリケーション301は、電子ファイルおよびワンタイムパスワードを受信すると、ファイルストレージ302を検索して受信したワンタイムパスワードと一致するものがあるかを判断する(S1011)。これにより、ワンタイムパスワードに紐づけされた送信先が検索される。
【0081】
受信したワンタイムパスワードが記録されていた場合、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201に対して、スキャン画像メッセージの送信要求を送信する(S1012)。スキャン画像メッセージの送信要求は、S1009で生成された電子ファイルを含むメッセージ(スキャン画像メッセージ)を、ワンタイムパスワードに紐づく送信先へ送信させるために行われる。これにより、Botアプリケーション301は、画像処理装置400から送信されてきたスキャンデータを送信先に投稿する処理を行う。
【0082】
メッセージサービスアプリケーション201は、スキャン画像メッセージの送信要求を受信すると、ワンタイムパスワードに紐づく送信先にスキャン画像メッセージを送信する(S1013)。
【0083】
メッセージアプリケーション101は、スキャン画像メッセージを受信すると、図16または図17に示すメッセージ交換画面800を表示する。
図16は、図5のS507でチャンネル情報を送信せずにユーザが送信先となっている場合の画面であり、ボットアカウントから受信したスキャン画像メッセージ1501の表示を含んでいる。一方、図17は、図5のS507でチャンネル情報を送信した場合の画面であり、チャンネル内においてボットアカウントから受信したスキャン画像メッセージ1502の表示を含んでいる。
【0084】
一方、Botアプリケーション301は、キャン画像メッセージの送信要求(S1012)を送信すると、S1010で検索されたワンタイムパスワードと、それに紐づく送信先をファイルストレージ302から消去する(S1014)。
そして、Botアプリケーション301は、S1012でのメッセージサービスアプリケーション201への送信結果を画像処理装置400に送信する(S1015)。
【0085】
画像処理装置400は、S1015の送信結果を受信すると、図18に示す結果通知のポップアップ表示1601を、入力装置404に表示する(S1016)。図18のポップアップ表示1601は、送信先表示画面1401に重畳して表示され、閉じるボタン1602が押下されるとその表示が解除される。
以上で、図10図11の説明を終了する。
【0086】
第1実施形態では、Botアプリケーション301は、スキャンにかかるメッセージの投稿元に、メッセージ共有システムを介してスキャンデータの宛先と紐づけされたワンタイムパスワードを提供する(S507~S509)。画像処理装置400は、入力されたワンタイムパスワードとスキャンデータをBotアプリケーション301に送信する(S1010)。Botアプリケーション301は、画像処理装置400から送信されたワンタイムパスワードが保持されていた場合に、ワンタイムパスワードに紐づけされた宛先を指定して、メッセージ共有システムにスキャンデータを投稿する(S1011~S1013)。これにより、メッセージ共有システムのメッセージアプリケーションを介してスキャンを実行することができる。
【0087】
(第2実施形態)
第2実施形態では、ワンタイムパスワードの発行件数に上限を設定する構成について説明する。
なお、第2実施形態の説明では、装置構成や各種の表示画面につき第1実施形態と同様のものは同一符号を付し、重複説明はいずれも省略する。
【0088】
Botアプリケーション301がワンタイムパスワードと送信先を紐づけて記憶するファイルストレージ302の容量にも上限がある。そのため、第2実施形態では、ファイルストレージ302に記録されているワンタイムパスワードが一定数を超えた場合、Botアプリケーション301は、一定数を下回るまでスキャンリクエスト通知を受信(S505)した際にエラーを応答する。
【0089】
第2実施形態において、上記のエラーが応答された場合、図19に示すように、メッセージアプリケーション101のメッセージ交換画面800には、エラーメッセージ1701が表示される。エラーメッセージ1701は、ワンタイムパスワードの発行件数が上限数を超えていることを示すメッセージが含まれる。なお、ワンタイムパスワードの発行件数の上限は、全ユーザ分の総数に対して設定してもよく、リクエストしたユーザ毎に個別に設定してもよい。
【0090】
また、第2実施形態の処理で他にエラーが発生するケースとしては、以下の場合が挙げられる。第1のケースは、図10のS1005または図11のS1011の検索の結果、ワンタイムパスワードがファイルストレージ302に記録されていない場合である。第2のケースは、検索でヒットしたワンタイムパスワードの有効期限が過ぎている場合である。
【0091】
以下、図20図22を参照して、第2実施形態における画像処理装置400の処理例を説明する。図20図22の各処理は、例えば、画像処理装置400のCPU401がプログラムをRAM402にロードして実行することで実現される。
【0092】
S1801にて、画像処理装置400は、例えば電源の投入に応じて処理を開始する。
S1802にて、画像処理装置400は、図12に示す送信機能画面1101を入力装置404上に表示する。
【0093】
S1803にて、画像処理装置400は、送信機能画面1101で新規宛先入力ボタン1104が押下されたかを判断する。新規宛先入力ボタンが押下された場合にはS1804に処理が移行する。一方、新規宛先入力ボタンが押下されていない場合にはS1802に処理が戻る。
【0094】
S1804にて、画像処理装置400は、図13に示す宛先種別選択画面1201を入力装置404上に表示する。
S1805にて、画像処理装置400は、宛先種別選択画面1201でメッセージサービスボタン1206が押下されたかを判断する。メッセージサービスボタンが押下された場合にはS1806に処理が移行する。一方、メッセージサービスボタンが押下されていない場合にはS1804に処理が戻る。
【0095】
S1806にて、画像処理装置400は、図14に示すメッセージサービス宛先入力画面1301を入力装置404上に表示する。
S1807にて、画像処理装置400は、メッセージサービス宛先入力画面1301でキャンセルボタン1303が押下されたかを判断する。キャンセルボタンが押下された場合にはS1802に処理が戻る。一方、キャンセルボタンが押下されていない場合にはS1808に処理が移行する。
【0096】
S1808にて、画像処理装置400は、メッセージサービス宛先入力画面1301でOKボタン1304が押下されたかを判断する。OKボタンが押下された場合にはS1809に処理が移行する。一方、OKボタンが押下されていない場合にはS1806に処理が戻る。
【0097】
S1809にて、画像処理装置400は、ワンタイムパスワードを含む送信先名の検索要求をBotアプリケーション301に対して送信する。
S1810にて、画像処理装置400は、Botアプリケーション301から応答を受信したかを判断する。応答を受信した場合にはS1811に処理が移行する。一方、応答を受信しない場合には、画像処理装置400は、Botアプリケーション301からの応答を待機する。
【0098】
S1811にて、画像処理装置400は、Botアプリケーション301から送信先名が応答されたかを判断する。送信先名が応答された場合にはS1812に処理が移行する。一方、送信先名が応答されていない場合にはS1823に処理が移行する。
S1812にて、画像処理装置400は、図15に示す送信先表示画面1401を入力装置404上に表示し、受信した送信先名を送信先表示欄1402に表示する。
【0099】
S1813にて、画像処理装置400は、送信先表示画面1401でスタートボタン1404が押下されたかを判断する。スタートボタンが押下された場合にはS1814に処理が移行する。一方、スタートボタンが押下されていない場合にはS1812に処理が戻る。
【0100】
S1814にて、画像処理装置400は、スキャナ装置407を動作させて原稿のスキャンを実行する。
S1815にて、画像処理装置400は、スキャンしたデータからPDFやJPEGなどの形式で電子ファイルを生成する。
【0101】
S1816にて、画像処理装置400は、S1815で生成した電子ファイルと、メッセージサービス宛先入力画面1301で入力されたワンタイムパスワードをBotアプリケーション301に送信する。
【0102】
S1817にて、画像処理装置400は、Botアプリケーション301から送信結果の応答を受信したかを判断する。送信結果の応答を受信した場合にはS1818に処理が移行する。一方、送信結果の応答を受信しない場合には、画像処理装置400は、Botアプリケーション301からの送信結果の応答を待機する。
【0103】
S1818にて、画像処理装置400は、送信先へのスキャン画像メッセージの送信が成功したかを判断する。送信が成功した場合にはS1819に処理が移行する。一方、送信が失敗した場合にはS1821に処理が移行する。
【0104】
S1819にて、画像処理装置400は、図18に示すように、送信先への送信成功を通知するポップアップ表示1601を、入力装置404の送信先表示画面1401上に表示する。
S1820にて、画像処理装置400は、ポップアップ表示1601内の閉じるボタン1602が押下されたかを判断する。閉じるボタンが押下された場合には画像処理装置400はポップアップ表示1601を閉じ、S1802に処理が戻る。一方、閉じるボタンが押下されていない場合にはS1819に処理が戻る。
【0105】
S1821にて、画像処理装置400は、図25に示すように、送信先への送信失敗を通知するポップアップ表示2001を、入力装置404の送信先表示画面1401上に表示する。
S1822にて、画像処理装置400は、ポップアップ表示2001内の閉じるボタン2002が押下されたかを判断する。閉じるボタンが押下された場合には画像処理装置400はポップアップ表示2001を閉じ、S1802に処理が戻る。一方、閉じるボタンが押下されていない場合にはS1821に処理が戻る。
【0106】
S1823にて、画像処理装置400は、Botアプリケーション301からの応答を確認し、送信したワンタイムパスワードが未登録のものかを判断する。ワンタイムパスワードが未登録の場合にはS1824に処理が移行する。一方、ワンタイムパスワードが登録されている場合にはS1825に処理が移行する。
【0107】
S1824にて、画像処理装置400は、図26に示すように、ワンタイムパスワードが未登録であることを通知するエラー表示2101を、入力装置404のメッセージサービス宛先入力画面1301上に表示する。その後、S1828に処理が移行する。
【0108】
S1825にて、画像処理装置400は、Botアプリケーション301からの応答を確認し、送信したワンタイムパスワードが有効期限切れかを判断する。ワンタイムパスワードが有効期限切れの場合にはS1826に処理が移行する。一方、ワンタイムパスワードが有効期限切れではない場合にはS1827に処理が移行する。
【0109】
S1826にて、画像処理装置400は、図27に示すように、ワンタイムパスワードが有効期限切れであることを通知するエラー表示2201を、入力装置404のメッセージサービス宛先入力画面1301上に表示する。その後、S1828に処理が移行する。
【0110】
S1827にて、画像処理装置400は、その他のエラー(ワンタイムパスワードの未登録または有効期限切れ以外の理由)であることを示すエラー表示(不図示)を、入力装置404のメッセージサービス宛先入力画面1301上に表示する。その後、S1828に処理が移行する。
【0111】
S1828にて、画像処理装置400は、エラー表示内の閉じるボタン(図26の2102、図27の2202)が押下されたかを判断する。閉じるボタンが押下された場合には、画像処理装置400はエラー表示を閉じ、S1802に処理が戻る。一方、閉じるボタンが押下されていない場合には、画像処理装置400は閉じるボタンの押下を待機する。
以上で、図20図22の説明を終了する。
【0112】
次に、図23図24を参照して、第2実施形態におけるBotアプリケーション301の処理例を説明する。図23図24の各処理は、例えば、Botアプリケーションサーバ300のCPUがBotアプリケーション301のプログラムをRAMにロードして実行することで実現される。
【0113】
S1901にて、例えば、Botアプリケーション301の起動に応じて処理が開始される。
S1902にて、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201に対して、指示要求メッセージの要求を送信する。
【0114】
S1903にて、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201からスキャンリクエストの通知を受信したかを判断する。スキャンリクエストの通知を受信した場合には、S1904に処理が移行する。一方、スキャンリクエストの通知を受信していない場合には、S1910に処理が移行する。
【0115】
S1904にて、Botアプリケーション301は、ファイルストレージ302を検索し、リクエストしたユーザに対して発行したワンタイムパスワードが一定数以上保存されているかを判断する。当該ユーザのワンタイムパスワードが一定数以上保存されている場合には、S1906に処理が移行する。一方、当該ユーザのワンタイムパスワードが一定数以上保存されていない場合には、S1905に処理が移行する。
【0116】
S1905にて、Botアプリケーション301は、ファイルストレージ302を検索し、保存されているワンタイムパスワードの総数が一定数以上かを判断する。S1904とS1905の閾値(一定数)は異なる値とすることができる。ワンタイムパスワードの総数が一定数以上の場合には、S1906に処理が移行する。一方、ワンタイムパスワードの総数が一定数未満の場合には、S1907に処理が移行する。
【0117】
S1906にて、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201に対してエラーメッセージ要求を送信する。エラーメッセージ要求を受けたメッセージサービスアプリケーション201は、クライアント端末100に対して、ワンタイムパスワードの発行ができない旨のエラーメッセージ(不図示)を送信する。その後、処理はS1910に移行する。
【0118】
S1907にて、Botアプリケーション301は、リクエストを一意に識別可能で、有効期限の設定されたワンタイムパスワードを発行する。
S1908にて、Botアプリケーション301は、ワンタイムパスワードの送信先をS1907で発行したワンタイムパスワードと紐づけて、ファイルストレージ302に記録する。
S1909にて、Botアプリケーション301は、ワンタイムパスワードメッセージの送信要求をメッセージサービスアプリケーション201に送信する。
【0119】
S1910にて、Botアプリケーション301は、画像処理装置400から送信先名の検索要求を受信したかを判断する。送信先名の検索要求を受信した場合には、S1911に処理が移行する。一方、送信先名の検索要求を受信していない場合には、S1917に処理が移行する。
【0120】
S1911にて、Botアプリケーション301は、送信先名の検索要求を受信するとファイルストレージ302を検索する。そして、Botアプリケーション301は、検索要求に含まれるワンタイムパスワードがファイルストレージ302に記録されているかを判断する。ワンタイムパスワードがファイルストレージ302に記録されている場合には、S1912に処理が移行する。一方、ワンタイムパスワードがファイルストレージ302に記録されていない場合には、S1916に処理が移行する。
【0121】
S1912にて、Botアプリケーション301は、現在時刻がワンタイムパスワードの有効期限内であるかを判断する。現在時刻が有効期限内である場合には、S1913に処理が移行する。一方、現在時刻が有効期限より後(有効期限切れ)の場合には、S1914に処理が移行する。
S1913にて、Botアプリケーション301は、ワンタイムパスワードに紐づけられた送信先名を画像処理装置に応答する。その後、S1917に処理が移行する。
【0122】
S1914にて、Botアプリケーション301は、画像処理装置400に対して、ワンタイムパスワードが有効期限切れであることを示すエラーの通知を送信する。
S1915にて、Botアプリケーション301は、ワンタイムパスワードおよび紐づけされた送信先の情報をファイルストレージ302から削除する。その後、S1917に処理が移行する。
【0123】
S1916にて、Botアプリケーション301は、画像処理装置400に対して、ワンタイムパスワードが未登録であることを示すエラーの通知を送信する。その後、S1917に処理が移行する。
【0124】
S1917にて、Botアプリケーション301は、スキャン画像の電子ファイルとワンタイムパスワードを画像処理装置400から受信したかを判断する。スキャン画像とワンタイムパスワードを受信した場合には、S1918に処理が移行する。一方、スキャン画像とワンタイムパスワードを受信していない場合には、S1903に処理が戻る。
【0125】
S1918にて、Botアプリケーション301は、S1917で受信したワンタイムパスワードがファイルストレージ302に記録されているかを判断する。ワンタイムパスワードがファイルストレージ302に記録されている場合には、S1919に処理が移行する。一方、ワンタイムパスワードがファイルストレージ302に記録されていない場合には、S1922に処理が移行する。
【0126】
S1919にて、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201に対して、スキャン画像メッセージの送信要求を送信する。
S1920にて、Botアプリケーション301は、ワンタイムパスワードおよび紐づけされた送信先の情報をファイルストレージ302から削除する。
【0127】
S1921にて、Botアプリケーション301は、画像処理装置400に対して、送信結果として送信成功を示す通知を送信する。その後、S1903に処理が戻る。
S1922にて、Botアプリケーション301は、画像処理装置400に対して、送信結果として送信失敗を示すエラー通知を送信する。その後、S1903に処理が戻る。
以上で、図23図24の説明を終了する。
【0128】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0129】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0130】
100 クライアント端末
101 メッセージアプリケーション
200 メッセージアプリケーションサーバ
201 メッセージアプリケーション
300 Botアプリケーションサーバ
301 Botアプリケーション
302 ファイルストレージ
400 画像処理装置
401 CPU
402 RAM
403 ハードディスク
404 入力装置
406 通信装置
407 スキャナ装置
1000、1100、1200 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27