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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】光走査装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/12 20060101AFI20231218BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231218BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20231218BHJP
   B41J 2/47 20060101ALI20231218BHJP
   H04N 1/113 20060101ALI20231218BHJP
   G03G 21/16 20060101ALN20231218BHJP
【FI】
G02B26/12
G03G15/00 550
G03G15/04 111
B41J2/47 101D
H04N1/113
G03G21/16 109
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020027990
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021131515
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】栗林 廉
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-105804(JP,A)
【文献】特開2015-219494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0259873(US,A1)
【文献】特開2004-287077(JP,A)
【文献】特開平07-281113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/12
G03G 15/00
G03G 15/04
B41J 2/47
H04N 1/113
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光束を出射する第1の光源と、
主走査方向において前記第1の光束に対して開き角を有する第2の光束を出射する第2の光源と、
前記第1の光束及び前記第2の光束を、同一面の副走査方向にずれた位置で、第1の方向及び前記第1の方向とは異なる第2の方向に偏向する偏向器と、
前記第1の方向及び前記第2の方向に偏向された前記第1の光束及び前記第2の光束に所定の光学特性を与える第1の結像素子と、
前記第1の方向に偏向された前記第1の光束を被走査面上に導く第2の結像素子と、
前記第1の方向に偏向された前記第2の光束を被走査面上に導く第3の結像素子と、
前記第2の方向に偏向された前記第1の光束を収束する第1の光学面と、
前記第2の方向に偏向された前記第2の光束を収束する第2の光学面と、
前記第2の方向に偏向された前記第1の光束を光検出部に導く第3の光学面と、
前記第2の方向に偏向された前記第2の光束を光検出部に導く、前記第3の光学面と平行でない第4の光学面と、
入射する前記第1の光束及び前記第2の光束を検出する前記光検出部と、を備える光走査装置。
【請求項2】
前記第1の光学面、前記第2の光学面、前記第3の光学面及び前記第4の光学面を備えた第4の結像素子を備える、請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記第2の光学面は、前記第1の光学面と光軸が異なる、請求項1又は請求項2に記載の光走査装置。
【請求項4】
第1の光源及び第2の光源は、偏向器に対向し、
前記第1の光束及び前記第2の光束は、前記偏向器から前記光検出部まで共通の光学素子を通過する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項5】
第1の光束を出射する第1の光源と、
主走査方向において前記第1の光束に対して開き角を有する第2の光束を出射する第2の光源と、
前記第1の光束及び前記第2の光束を、同一面の副走査方向にずれた位置で、第1の方向及び前記第1の方向とは異なる第2の方向に偏向する偏向器と、
前記第1の方向及び前記第2の方向に偏向された前記第1の光束及び前記第2の光束に所定の光学特性を与える第1の結像素子と、
前記第1の方向に偏向された前記第1の光束を被走査面上に導く第2の結像素子と、
前記第1の方向に偏向された前記第2の光束を被走査面上に導く第3の結像素子と、
前記第2の方向に偏向された前記第1の光束を収束する第1の光学面と、
前記第2の方向に偏向された前記第2の光束を収束する第2の光学面と、
前記第2の方向に偏向された前記第1の光束を光検出部に導く第3の光学面と、
前記第2の方向に偏向された前記第2の光束を光検出部に導く、前記第3の光学面と平行でない第4の光学面と、
入射する前記第1の光束及び前記第2の光束を検出する前記光検出部と、
被走査面上に導かれた前記第1の光束及び前記第2の光束によって形成される静電潜像を画像として媒体に転写する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光走査装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、ビームを走査することで像面に静電潜像を形成する。このような画像形成装置は、ビームを走査する光走査装置を備える。そして、光走査装置は、同期のためにビームを検出する光検出器を備える。光検出器に適切にビームを入射させるためには、ビームに対して光路補正を行い、所定の集光特性を与える必要がある。しかしながら、このためのレンズは、配置に制約があり、光走査装置及び画像形成装置の大型化に繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-280056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、従来よりも小型化が可能な光走査装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の光走査装置は、第1の光源、第2の光源、偏向器、第1の結像素子、第2の結像素子、第3の結像素子、第1の光学面、第2の光学面、第3の光学面、第4の光学面、及び光検出部を備える。第1の光源は、第1の光束を出射する。第2の光源は、主走査方向において前記第1の光束に対して開き角を有する第2の光束を出射する。偏向器は、前記第1の光束及び前記第2の光束を、同一面の副走査方向にずれた位置で、第1の方向及び前記第1の方向とは異なる第2の方向に偏向する。第1の結像素子は、前記第1の方向及び前記第2の方向に偏向された前記第1の光束及び前記第2の光束に所定の光学特性を与える。第2の結像素子は、前記第1の方向に偏向された前記第1の光束を被走査面上に導く。第3の結像素子は、前記第1の方向に偏向された前記第2の光束を被走査面上に導く。第1の光学面は、前記第2の方向に偏向された前記第1の光束を収束する。第2の光学面は、前記第2の方向に偏向された前記第2の光束を収束する。第3の光学面は、前記第2の方向に偏向された前記第1の光束を光検出部に導く。前記第3の光学面と平行でない第4の光学面は、前記第2の方向に偏向された前記第2の光束を光検出部に導く。光検出部は、入射する前記第1の光束及び前記第2の光束を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る画像形成装置の構成の概略の一例を示す図。
図2図1中の画像形成部の構成の概略の一例を示す図。
図3図1中の画像形成装置の要部回路構成の一例を示すブロック図。
図4図1中の光走査装置の一例を示す図。
図5図1中の光走査装置の光学系の一例を平面上に展開した図。
図6図5の要部を部分的に拡大した部分拡大図。
図7図6の構造を側方から見た図。
図8図5中の光路補正素子を側方から見た図。
図9図5中の光路補正素子の斜視図。
図10】ビームの光路ずれの補正について説明するための図。
図11】従来のレンズを用いた場合の比較例を示す図。
図12図5中の光路補正素子の変形例を示す図。
図13図5中の光路補正素子の変形例を示す図。
図14図5中の光路補正素子の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係る画像形成装置について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。
【0008】
図1は、実施形態に係る画像形成装置100の構成の概略の一例を示す図である。
画像形成装置100は、例えば、MFP(multifunction peripheral)、コピー機、プリンター又はファクシミリなどの、印刷機能を備える装置である。ただし、以下、画像形成装置100はMFPであるとして説明する。画像形成装置100は、例えば、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、消色機能及びファクシミリ機能などを備える。印刷機能は、画像形成媒体Pなどに対してトナーなどの記録材を用いて画像を形成する機能である。画像形成媒体Pは、例えば、シート状の紙などである。スキャン機能は、画像が形成された原稿などから画像を読み取る機能である。コピー機能は、スキャン機能を用いて原稿などから読み取った画像を、印刷機能を用いて画像形成媒体Pに印刷する機能である。消色機能は、画像形成媒体P上に消色可能な記録材で形成された画像を消色する機能である。画像形成装置100は、一例として、プリンター101、スキャナー102、及び操作パネル103を含む。
【0009】
プリンター101は、印刷機能を有する装置である。プリンター101は、一例として、給紙トレイ111、手差しトレイ112、給紙ローラー113、トナーカートリッジ114、画像形成部115、光走査装置116、転写ベルト117、2次転写ローラー118、定着部119、両面ユニット120及び排紙トレイ121を含む。
【0010】
給紙トレイ111は、印刷に用いる画像形成媒体Pを収容する。
手差しトレイ112は、画像形成媒体Pを手差しするための台である。
給紙ローラー113は、モーターの働きにより回転することで、給紙トレイ111又は手差しトレイ112に収容された画像形成媒体Pを給紙トレイ111又は手差しトレイ112から搬出する。
【0011】
トナーカートリッジ114は、画像形成部115に供給するための、トナーなどの記録材を蓄える。画像形成装置100は、複数のトナーカートリッジ114を備える。画像形成装置100は、一例として、図1に示すように、トナーカートリッジ114C、トナーカートリッジ114M、トナーカートリッジ114Y及びトナーカートリッジ114Kの4つのトナーカートリッジ114を備える。トナーカートリッジ114C、トナーカートリッジ114M、トナーカートリッジ114Y及びトナーカートリッジ114Kは、それぞれがCMYK(cyan, magenta, yellow, and key)の各色に対応する記録材を蓄える。すなわち、トナーカートリッジ114Cはシアン色(C)の記録材を蓄える。トナーカートリッジ114Mは、マゼンタ色(M)の記録材を蓄える。トナーカートリッジ114Yは、黄色(Y)の記録材を蓄える。トナーカートリッジ114Kは、黒色(K)の記録材を蓄える。なお、トナーカートリッジ114が蓄える記録材の色は、CMYKの各色に限らず、その他の色であっても良い。また、トナーカートリッジ114が蓄える記録材は、特殊な記録材であっても良い。例えば、トナーカートリッジ114は、所定の温度よりも高い温度で消色して不可視の状態となる、消色可能な記録材を蓄える。
【0012】
画像形成装置100は、複数の画像形成部115を備える。画像形成装置100は、一例として、図1に示すように、画像形成部115C、画像形成部115M、画像形成部115Y及び画像形成部115Kの4つの画像形成部115を備える。画像形成部115C、画像形成部115M、画像形成部115Y及び画像形成部115Kは、それぞれがCMYKの各色に対応する記録材で画像を形成する。すなわち、画像形成部115Cは、シアン色の画像を形成する。画像形成部115Mは、マゼンタ色の画像を形成する。画像形成部115Yは、黄色の画像を形成する。画像形成部115Kは、黒色の画像を形成する。
【0013】
画像形成部115について、図2を用いてさらに説明する。図2は、画像形成部115の構成の概略の一例を示す模式図である。画像形成部115は、一例として、感光体ドラム1151、帯電ユニット1152、現像ユニット1153、1次転写ローラー1154、クリーナー1155及び除電ランプ1156を含む。
【0014】
感光体ドラム1151は、光走査装置116から照射されるビームBが当たる。これにより、感光体ドラム1151の表面に静電潜像が形成される。
帯電ユニット1152は、感光体ドラム1151の表面に所定の正電荷を帯電させる。
【0015】
現像ユニット1153は、トナーカートリッジ114から供給される記録材Dを用いて、感光体ドラム1151の表面の静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム1151の表面に、記録材Dによる画像が形成される。
【0016】
1次転写ローラー1154は、転写ベルト117を間に挟んで感光体ドラム1151に対向する位置に配置されている。1次転写ローラー1154は、感光体ドラム1151との間で転写電圧を生じさせる。これにより、1次転写ローラー1154は、感光体ドラム1151の表面に形成された画像を、感光体ドラム1151と接触している転写ベルト117上に転写(1次転写)する。
【0017】
クリーナー1155は、感光体ドラム1151の表面に残留した記録材Dを除去する。
除電ランプ1156は、感光体ドラム1151の表面に残留した電荷を除去する。
【0018】
光走査装置116は、LSU(laser scanning unit)などとも呼ばれる。光走査装置116は、プロセッサー141による制御に基づき、入力される画像データに応じてビームBを制御して各画像形成部115の感光体ドラム1151表面に静電潜像を形成する。ここで入力される画像データは、例えば、スキャナー102によって原稿などから読み取られる画像データである。あるいは、ここで入力される画像データは、他の装置などから送信され、画像形成装置100によって受信される画像データである。
【0019】
なお、光走査装置116が画像形成部115Yに照射するビームBをビームBY、画像形成部115Mに照射するビームBをビームBM、画像形成部115Cに照射するビームBをビームBC、画像形成部115Kに照射するビームBをビームBKというものとする。したがって、光走査装置116は、画像データのY(yellow)成分に応じてビームBYを制御する。光走査装置116は、画像データのM(magenta)成分に応じてビームBMを制御する。光走査装置116は、画像データのC(cyan)成分に応じてビームBCを制御する。光走査装置116は、画像データのK(key)成分に応じてビームBKを制御する。光走査装置116については、後でさらに説明する。
【0020】
転写ベルト117は、例えば無端状のベルトであり、ローラーの働きにより回転可能である。転写ベルト117は、回転することで、各画像形成部115から転写された画像を2次転写ローラー108の位置に搬送する。
【0021】
2次転写ローラー108は、互いに対向する2つのローラーを備える。2次転写ローラー108は、転写ベルト117上に形成された画像を、2次転写ローラー108間を通過する画像形成媒体P上に(2次転写)転写させる。
【0022】
定着部119は、画像が転写された画像形成媒体Pに対して加熱及び加圧を行う。これにより、画像形成媒体P上に転写された画像が定着する。定着部119は、互いに対向する加熱部1191と加圧ローラー1192とを備える。
【0023】
加熱部1191は、例えば、加熱部1191を加熱するための熱源を備えるローラーである。当該熱源は、例えばヒーターである。熱源によって加熱されたローラーは、画像形成媒体Pを加熱する。
あるいは、加熱部1191は、複数のローラーに懸架された無端ベルトを備えるものであっても良い。例えば、加熱部1191は、板状熱源、無端ベルト、ベルト搬送ローラー、テンションローラー及びプレスローラーを備える。無端ベルトは、例えば、フィルム状の部材である。ベルト搬送ローラーは、無端ベルトを駆動する。テンションローラーは、無端ベルトに張力を与える。プレスローラーは、表面に弾性層が形成されている。板状熱源は、発熱部側が無端ベルトの内側に接触し、プレスローラー方向に押圧されることで、プレスローラーとの間に所定幅の定着ニップを形成する。板状熱源がニップ領域を形成しつつ加熱する構成のため、通電時における応答性はハロゲンランプによる加熱方式の場合よりも高い。
【0024】
加圧ローラー1192は、加圧ローラー1192と加熱部1191との間を通過する画像形成媒体Pを加圧する。
【0025】
両面ユニット120は、画像形成媒体Pを、裏面への印刷が可能な状態にする。例えば、両面ユニット120は、ローラーなどを用いて画像形成媒体Pをスイッチバックさせることで画像形成媒体Pの表裏を反転させる。
排紙トレイ121は、印刷が終わった画像形成媒体Pが排出される台である。
【0026】
スキャナー102は、スキャン機能を備える装置である。スキャナー102は、例えば、CCD(charge-coupled device)イメージセンサーなどの撮像素子を備える光学縮小方式である。あるいは、スキャナー102は、CMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)イメージセンサーなどの撮像素子を備える密着センサー(CIS(contact image sensor))方式である。あるいは、スキャナー102は、その他の公知の方式であっても良い。スキャナー102は、原稿などから画像を読み取る。スキャナー102は、読取モジュール131及び原稿送り装置132を備える。
【0027】
読取モジュール131は、入射した光をイメージセンサーによってデジタル信号に変換する。これにより、読取モジュール131は、原稿の表面から画像を読み取る。
【0028】
原稿送り装置132は、例えば、ADF(auto document feeder)などとも呼ばれる。原稿送り装置132は、原稿用のトレイに載せられた原稿を次々と搬送する。搬送された原稿は、スキャナー102によって画像が読み取られる。また、原稿送り装置132は、原稿の裏面から画像を読み取るためのスキャナーを備えていても良い。なお、スキャナー102によって画像を読み取られる面が表面である。
【0029】
操作パネル103は、画像形成装置100と画像形成装置100の操作者との間で入出力を行うマンマシンインターフェースなどを備える。操作パネル103は、例えば、タッチパネル1031及び入力デバイス1032などを備える。
【0030】
タッチパネル1031は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどのディスプレイとタッチ入力によるポインティングデバイスとが積層されたものである。タッチパネル1031が備えるディスプレイは、画像形成装置100の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する表示デバイスとして機能する。また、タッチパネル1031は、当該操作者によるタッチ操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。
【0031】
入力デバイス1032は、画像形成装置100の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス1032は、例えば、キーボード、キーパッド、又はタッチパッドなどである。
【0032】
次に、図3を用いて画像形成装置100の要部回路構成について説明する。図3は、画像形成装置100の要部回路構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置100は、一例として、プロセッサー141、ROM(read-only memory)122、RAM(random-access memory)123、補助記憶装置144、通信インターフェース145、プリンター101、スキャナー102及び操作パネル103を含む。そして、バス146などが、これら各部を接続する。
【0033】
プロセッサー141は、画像形成装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分に相当する。プロセッサー141は、ROM142又は補助記憶装置144などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア及びファームウェアなどのプログラムに基づいて、画像形成装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー141の回路内に組み込まれていても良い。プロセッサー141は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー141は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0034】
ROM142は、プロセッサー141を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。ROM142は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM142は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM142は、プロセッサー141が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0035】
RAM143は、プロセッサー141を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。RAM143は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM143は、プロセッサー141が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。RAM143は、例えば揮発性メモリである。
【0036】
補助記憶装置144は、プロセッサー141を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶装置144は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置144は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置144は、プロセッサー141が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー141での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。なお、画像形成装置100は、補助記憶装置144として、メモリカード又はUSB(universal serial bus)メモリなどの記憶媒体を挿入可能なインターフェースを備えていてもよい。当該インターフェースは、当該記憶媒体に情報を読み書きする。
【0037】
通信インターフェース145は、画像形成装置100がネットワークなどを介して通信するためのインターフェースである。
【0038】
バス146は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、画像形成装置100の各部で授受される信号を伝送する。
【0039】
以下、図4図7などを用いて光走査装置116についてさらに説明する。図4は、光走査装置116の一例を示す図である。図5は、光走査装置116の光学系の一例を平面上に展開した図である。図6は、図5の要部を部分的に拡大した部分拡大図である。図7は、図6の構造を側方から見た図である。光走査装置116は、一例として、ポリゴンミラー151、モーター152、光源153及び複数の光学素子を含む。
【0040】
ポリゴンミラー151は、各側面がレーザーを反射する反射面1511である正多角柱状のミラー(偏向器)である。図4図7に示すポリゴンミラー151は、一例として7つの側面(反射面1511)を備える正七角柱状のミラーである。ポリゴンミラー151が備える反射面1511は、ポリゴンミラー151の回転方向CCW(図5における反時計回り方向)に沿って連続しており、ポリゴンミラー151の外周面を構成している。ポリゴンミラー151は、各反射面1511と平行な回転軸を中心に回転可能である。また、ポリゴンミラー151の回転軸は、各感光体ドラム1151の回転軸と直交する。なお、図6の紙面は、ポリゴンミラー151の回転軸に垂直な平面であるとする。
【0041】
モーター152は、ポリゴンミラー151を回転方向CCWに所定の速度で回転させる。モーター152の回転軸とポリゴンミラー151の回転軸は、一例として同軸である。しかしながら、モーター152の回転軸とポリゴンミラー151の回転軸は、同軸でなくても良い。
【0042】
光源153は、レーザー光などのビームBを出射する。光源153は、例えば、複数のレーザーダイオードを備える。つまり、ビームBは、複数のレーザーダイオードから出射されたビームからなるマルチビームである。なお、複数のレーザーダイオードは、主走査方向に距離を持つ。したがって、ビームBに含まれる各ビームも主走査方向に距離を持つ。光走査装置116は、一例として、光源153C、光源153M、光源153Y及び光源153Kの4つの光源153を備える。例えば、光源153YはY成分に対応するビームBYを出射し、光源153MはM成分に対応するビームBMを出射し、光源153CはC成分に対応するビームBCを出射し、光源153KはK成分に対応するビームBKを出射する。
【0043】
光走査装置116は、各ビームBを、ビームBごとに設けられた所定の走査光学系により形成される光路を介して各感光体ドラム1151の表面に照射する。走査光学系は、複数の光学素子を含む。光走査装置116は、一例として、図4及び図5に示すように、2つのビームBを1組として、ポリゴンミラー151を中心に左右にそれぞれ1組分の走査光学系を配置している。つまり、光走査装置116は、図4及び図5に示すように、単一のポリゴンミラー151を中心に、その両側(図示左右側)にそれぞれ複数の光学素子を含む2つの走査光学系161及び走査光学系162を有する。なお、ポリゴンミラー151は、走査光学系161及び走査光学系162のそれぞれに含まれる。すなわち、走査光学系161及び走査光学系162のそれぞれに含まれるポリゴンミラー151は、同一のポリゴンミラー151である。
【0044】
図示左側の走査光学系161は、ビームBYを走査する走査光学系及びビームBMを走査する走査光学系を含む。走査光学系161は、光源153Yから出射されたビームBY及び光源153Mから出射されたビームBMを、回転方向CCWに回転するポリゴンミラー151の同一の反射面1511で反射する。これにより、ビームBY及びビームBMは、回転方向CCWに沿った主走査方向に偏向し、2つの感光体ドラム1151Y及び感光体ドラム1151Mの表面をそれぞれ走査する。走査光学系161は、ポリゴンミラー151、光源153Y、光源153M、偏向前光学系170Y、偏向前光学系170M、偏向後光学系180YMを含む。なお、偏向前光学系170Yは、ビームBY用の光学系である。また、偏向前光学系170Mは、ビームBM用の光学系である。さらに、偏向後光学系180YMは、ビームBY及びビームBM用の光学系である。
なお、ビームBY及びビームBMは、一例として、一方が第1の光束の一例でもう一方が第2の光束である。また、第1の光束を出射する光源133Y又は光源133Mは、第1の光源である。第2の光束を出射する光源133Y又は光源133Mは、第2の光源である。
【0045】
なお、ここで、偏向器であるポリゴンミラー151により各ビームBが偏向(走査)される方向(ポリゴンミラー151の周方向)を「主走査方向」と定義する。また、主走査方向と直交し、ビームBの光軸方向と直交する方向を当該ビームBの「副走査方向」と定義する。図5及び図6では、ポリゴンミラー151の回転軸方向が副走査方向である。図5及び図6では、ポリゴンミラー151の回転軸方向と直交し、ビームBの光軸方向と直交する方向が当該ビームBの主走査方向である。
【0046】
図示右側の走査光学系162は、ビームBCを走査する走査光学系及びビームBKを走査する走査光学系を含む。走査光学系162は、光源153Cから出射されたビームBC及び光源153Kから出射されたBKを、回転方向CCWに回転するポリゴンミラー151の同一の反射面1511で反射する。これにより、ビームBC及びビームBKは、回転方向CCWに沿った主走査方向に偏向し、2つの感光体ドラム1151C及び感光体ドラム1151Kの表面をそれぞれ走査する。走査光学系162は、ポリゴンミラー151、光源153C、光源153K、偏向前光学系170C、偏向前光学系170K、偏向後光学系180CKを含む。なお、偏向前光学系170Cは、ビームBC用の光学系である。また、偏向前光学系170Kは、ビームBK用の光学系である。さらに、偏向後光学系180CKは、ビームBC及びビームBK用の光学系である。
なお、ビームBC及びビームBKは、一例として、一方が第1の光束の一例でもう一方が第2の光束である。また、第1の光束を出射する光源133C又は光源133Kは、第1の光源である。第2の光束を出射する光源133C又は光源133Kは、第2の光源である。
【0047】
ここで、図示左側の走査光学系161を例にポリゴンミラー151、光源153及び偏向前光学系170についてさらに説明する。ポリゴンミラー151は、光源153Yから出射されたビームBY及び光源153Mから出射されたビームBMの2つのビームBを同じ反射面1511で反射しながら回転する。これにより、反射されたビームBは、偏向されて、感光体ドラムの表面及び走査位置AAを含む範囲を走査する。このうち、感光体ドラムの表面に入射しているビームBが偏向されている方向は、第1の方向である。また、走査位置AAに入射しているビームBが偏向されている方向は、第2の方向である。また、ポリゴンミラー151で偏向されたビームBは、それぞれ所定の位置に配置された2つの像面、すなわち対応する感光体ドラム1151Y及び感光体ドラム1151Mの表面を所定の線速度で主走査方向(感光体ドラム1151の回転軸方向)に走査する。このとき、画像形成装置100は、感光体ドラム1151Y及び感光体ドラム1151Mを副走査方向に回転させる。これにより、Y成分に応じた静電潜像が感光体ドラム1151Yの表面に形成される。また、M成分に応じた静電潜像が感光体ドラム1151Mの表面に形成される。
【0048】
走査光学系161の光源153Y及び光源153Mは、図5及び図6に示すように、紙面手前側から見て異なる角度位置に配置されている。つまり、2つの光源153Y及び光源153Mは、ビームBY及びビームBMが反射面1511に入射する方向が開き角θを有するような配置である。換言すると、2つの光源153Y及び光源153Mは、ビームBY及びビームBMが主走査方向に開き角θを有するような配置である。これにより、ビームBYとビームBMは、ポリゴンミラー151の反射面1511に対してθ異なる角度で入射する。また、当該2つの光源153のうちの光源153Yは、ポリゴンミラー151の回転方向CCWに沿って光源153Mより上流側にある。対して、光源153Mは、回転方向CCWに沿って光源153Yより下流側にある。また、光源153M及び光源153Yは、出射面がポリゴンミラー151の反射面1511に対向可能に配置されている。したがって、ビームBY及びビームBMは、ミラーで反射せずにポリゴンミラー151に入射する。
【0049】
また、図7に示すように、2つの光源153Yと光源153Mとは、副走査方向にわずかにずれた位置にある。例えば、光源153Mが光源153Yよりも高い位置にある。これを図5及び図6で見た場合には、光源153Mが光源153Yよりも紙面手前側にある。また、偏向前光学系170Y及び偏向前光学系170Mの光軸(光線進行方向)は、ポリゴンミラー151の回転軸131bと直交する。このため、光源153Y及び光源153Mから出射されたビームBYとビームBMとは、同一の反射面1511に対して副走査方向にわずかにずれた位置に入射する。
【0050】
走査光学系161は、光源153とポリゴンミラー151との間の光路上それぞれに偏向前光学系170を備える。すなわち、走査光学系161は、偏向前光学系170Y及び偏向前光学系170Mの2つの偏向前光学系170を備える。偏向前光学系170Yは、光源153Yとポリゴンミラー151との間の光路上に配置されている。偏向前光学系170Mは、光源153Mとポリゴンミラー151との間の光路上に配置されている。各偏向前光学系170は、コリメーターレンズ171、絞り172及びシリンダーレンズ173を含む。偏向前光学系170Yは、コリメーターレンズ171Y、絞り172Y及びシリンダーレンズ173Yを含む。また、偏向前光学系170Mは、コリメーターレンズ171M、絞り172M及びシリンダーレンズ173Mを含む。なお、コリメーターレンズ171Y及びコリメーターレンズ171Mは、コリメーターレンズ171である。また、絞り172Y及び絞り172Mは、絞り172である。そして、シリンダーレンズ173Y及びシリンダーレンズ173Mは、シリンダーレンズ173である。
【0051】
コリメーターレンズ171は、光源153から出射されたビームBに所定の収束性を与える。コリメーターレンズ171は、ビームBを平行光にする。
【0052】
絞り172は、コリメーターレンズ171を通過したビームBに対して、主走査及び副走査方向の形状を整形する。例えば、絞り172は、ビームBの主走査方向及び副走査方向の幅を所定の幅に整形する。
【0053】
シリンダーレンズ173は、絞り172を通過したビームBに対して、副走査方向に所定の収束性を与える。これにより、シリンダーレンズ173を通過したビームBは、反射面1511に近付くにつれて副走査方向の幅が狭くなる。このため、複数のビームBが、同一の反射面1511に対して重ならないように副走査方向にずれた位置に入射することが可能となる。
【0054】
さらに、図示右側の走査光学系162のポリゴンミラー151、光源153及び偏向前光学系170についても説明する。ポリゴンミラー151は、光源153Cから出射されたビームBC及び光源153Kから出射されたビームBKの2つのビームBを同じ反射面1511で反射しながら回転する。これにより、反射されたビームBは、偏向されて、感光体ドラムの表面及び走査位置ABを含む範囲を走査する。このうち、感光体ドラムの表面に入射しているビームBが偏向されている方向は、第1の方向である。また、走査位置ABに入射しているビームBが偏向されている方向は、第2の方向である。また、ポリゴンミラー151で偏向されたビームBは、それぞれ所定の位置に配置された2つの像面、すなわち対応する感光体ドラム1151C及び感光体ドラム1151Kの表面を所定の線速度で主走査方向(感光体ドラム1151の回転軸方向)に走査する。このとき、画像形成装置100は、感光体ドラム1151C及び感光体ドラム1151Kを副走査方向に回転させる。これにより、C成分に応じた静電潜像が感光体ドラム1151Cの表面に形成される。また、K成分に応じた静電潜像が感光体ドラム1151Kの表面に形成される。
【0055】
走査光学系162の2つの光源153C及び光源153Kは、上述した走査光学系161の光源153Y及び光源153Mと同様に、図5及び図6の紙面手前側から見て異なる角度位置に配置されている。つまり、2つの光源153C及び光源153Kは、ビームBC及びビームBKが反射面1511に入射する方向が開き角θを有するような配置である。換言すると、2つの光源153C及び光源153Kは、ビームBC及びビームBKが主走査方向に開き角θを有するような配置である。これにより、ビームBCとビームBKは、ポリゴンミラー151の反射面1511に対してθ異なる角度で入射する。また、当該2つの光源のうちの光源153Cは、ポリゴンミラー151の回転方向CCWに沿って光源153Kより下流側にある。対して、光源153Kは、回転方向CCWに沿って光源153Cより上流側にある。また、光源153C及び光源153Kは、出射面がポリゴンミラー151の反射面1511に対向可能に配置されている。したがって、ビームBC及びビームBKは、ミラーで反射せずにポリゴンミラー151に入射する。
【0056】
また、光源153Cと光源153Kとは、副走査方向にわずかにずれた位置にある。例えば、光源153Cが光源153Kよりも高い位置にある。このため、光源153C及び光源153Kら出射されたビームBCとビームBKとは、同一の反射面1511に対して副走査方向にわずかにずれた位置に入射する。
【0057】
走査光学系162は、光源153とポリゴンミラー151との間の光路上それぞれに偏向前光学系170を備える。すなわち、走査光学系162は、偏向前光学系170C及び偏向前光学系170Kの2つの偏向前光学系170を備える。偏向前光学系170Cは、光源153Cとポリゴンミラー151との間の光路上に配置されている。偏向前光学系170Kは、光源153Kとポリゴンミラー151との間の光路上に配置されている。偏向前光学系170Cは、コリメーターレンズ171C、絞り172C及びシリンダーレンズ173Cを含む。また、偏向前光学系170Kは、コリメーターレンズ171K、絞り172K及びシリンダーレンズ173Kを含む。なお、コリメーターレンズ171C及びコリメーターレンズ171Kは、コリメーターレンズ171である。また、絞り172C及び絞り172Kは、絞り172である。そして、シリンダーレンズ173C及びシリンダーレンズ173Kは、シリンダーレンズ173である。以上のように、走査光学系162は、走査光学系161と同様の構成要素を備える。
【0058】
次に、偏向後光学系180について説明する。偏向後光学系180は、反射面1511で反射されたビームBを感光体ドラム1151の表面に導光する。光走査装置116は、偏向後光学系180YM及び偏向後光学系180CKの2つの偏向後光学系180を含む。偏向後光学系180は、fθレンズ181、fθレンズ182、光検出器183、折り返しミラー184、光路補正素子185、折り返しミラー186~折り返しミラー188を含む。
【0059】
fθレンズ181及びfθレンズ182は、ポリゴンミラー151により偏向(走査)されたビームBの像面上における形状及び位置を最適化する2枚組みの結像レンズである。
ポリゴンミラー151に近い上流側のfθレンズ181は、1つの偏向後光学系180に対して1つ設けられている。すなわち、fθレンズ181は、1組の2つのビームBの光路上にある。そして、1組の2つのビームBが同一のfθレンズ181を通過する。例えば、fθレンズ181YMは、ビームBYの光路上且つビームBMの光路上である位置にある。そして、ビームBY及びビームBMは、fθレンズ181YMを通過する。
なお、fθレンズ181は、第1の光束及び第2の光束に所定の光学特性を与える第1の結像素子の一例である。
【0060】
感光体ドラム1151に近い下流側のfθレンズ182は、図5では1つの偏向後光学系180ごとに1枚を図示している。しかしながら、fθレンズ182は、図6に示すように各ビームBの光路にそれぞれ1枚ずつ独立して設けられている。図5に示すfθレンズ182YMは、図6に示すfθレンズ182Y及びfθレンズ182Mをまとめて示したものである。図5に示すfθレンズ182CKは、図6に示すfθレンズ182C及びfθレンズ182Kをまとめて示したものである。なお、fθレンズ182Y、fθレンズ182M、fθレンズ182C及びfθレンズ182Kは、fθレンズ182である。各ビームBは、それぞれの光路上のfθレンズ182を通過する。fθレンズ182は、それぞれ、後述する第3のカバーガラス193の近傍に位置する。
なお、fθレンズ182Y及びfθレンズ182Mは、一方が第1の光束を被走査面上に導く第2の結像素子で、他方が第2の光束を被走査面上に導く第3の結像素子である。また、fθレンズ182C及びfθレンズ182Kは、一方が第2の結像素子で、他方が第3の結像素子である。
【0061】
光検出器183は、ビームBの走査開始部の上流(走査位置AA及び走査位置AB)にある。なお、ビームBは、折り返しミラー184で反射して折り返す。しかしながら、図5には、走査位置AA及び走査位置ABが走査開始部の上流であることを分かりやすくするために、ビームBを折り返さずに描いたものも破線で示している。また、図5には、折り返さずに描いたビームBが入射する光検出器183及び光路補正素子185についても破線で示している。光検出器183は、ビームBの水平同期を整合するために設けられる。なお、光検出器183に入射するビームBは、fθレンズ181は通過するが、fθレンズ182は通過しない。光走査装置116は、1つの偏向後光学系180に対して1つの光検出器183を含む。偏向後光学系180YMは、光検出器183YMを備える。偏向後光学系180CKは、光検出器183CKを備える。光検出器183YMは、入射するビームBY及びビームBMを検出する。光検出器183CKは、入射するビームBC及びビームBKを検出する。光検出器183は、光検出部の一例である。
【0062】
折り返しミラー184は、fθレンズ181から光検出器183に向かう光路上にある。折り返しミラー184は、ビームBを反射することで、光検出器183に向けて折り返す。ただし、図5では、ビームBの光路並びに当該光路上の光検出器183、折り返しミラー184及び光路補正素子185を平面上に展開して示している。光走査装置116は、例えば、1つの偏向後光学系180に対して1つの折り返しミラー184を含む。偏向後光学系180YMは、折り返しミラー184YMを備える。偏向後光学系180CKは、折り返しミラー184CKを備える。折り返しミラー184YMは、ビームBY及びビームBMを反射する。折り返しミラー184は、ビームBC及びビームBKを反射する。
【0063】
光路補正素子185は、折り返しミラー184と光検出器183との間の光路上にあるレンズである。光路補正素子185は、折り返しミラー184によって反射されたビームBを光検出器183の検出面上に案内する。したがって、ビームBY及びビームBMは、いずれも、ポリゴンミラー151で反射した後、fθレンズ181YM、折り返しミラー184YM及び光路補正素子185YMを通過して光検出器183YMに入射する。すなわち、ビームBY及びビームBMは、ポリゴンミラー151で反射した後、共通の光学素子(レンズ及びミラー)を通過して共通の光検出器183YMに入射する。また、ビームBC及びビームBKは、いずれも、ポリゴンミラー151で反射した後、fθレンズ181CK、折り返しミラー184CK及び光路補正素子185CKを通過して光検出器183CKに入射する。すなわち、ビームBY及びビームBMは、ポリゴンミラー151で反射した後、共通の光学素子(レンズ及びミラー)を通過して共通の光検出器183CKに入射する。このように、複数のビームBが共通の光学素子を用いることで、光学素子の数を減らすことができる。
光走査装置116は、1つの偏向後光学系180に対して1つの光路補正素子185を含む。偏向後光学系180YMは、光路補正素子185YMを備える。偏向後光学系180CKは、光路補正素子185CKを備える。光路補正素子185YMは、ビームBY及びビームBMを光検出器183YMの検出面上に案内する。光路補正素子185は、ビームBC及びビームBKを光検出器183CKの検出面上に案内する。
【0064】
折り返しミラー186~折り返しミラー188は、fθレンズ181を通過したビームBを反射することで、各感光体ドラム1151の表面に向けて折り返す複数のミラーである。光走査装置116は、折り返しミラー186YM及び折り返しミラー186CKの2つの折り返しミラー186を備える。光走査装置116は、折り返しミラー187Y、折り返しミラー187M、折り返しミラー187C及び折り返しミラー187Kの4つの折り返しミラー187を備える。光走査装置116は、折り返しミラー188Y及び折り返しミラー188Kの2つの折り返しミラー188を備える。なお、図5においては、折り返しミラー186~折り返しミラー188の図示を省略している。
【0065】
また、光走査装置116は、第1のカバーガラス191、第2のカバーガラス、及び第3のカバーガラス193を備える。
【0066】
第1のカバーガラス191は、偏向前光学系170とポリゴンミラー151の間にある。第2のカバーガラス192は、ポリゴンミラー151と偏向後光学系180の間にある。第1のカバーガラス191及び第2のカバーガラス192は、ポリゴンミラー151が回転する際の風切り音対策のために設けられる。第1のカバーガラス191は、ビームBの入口から当該風切り音が漏れることを防ぐ。第2のカバーガラス192は、ビームBの出口から当該風切り音が漏れることを防ぐ。
【0067】
第3のカバーガラス193は、fθレンズ182と感光体ドラム1151の間にある。第3のカバーガラス193は、光走査装置116の筐体においてビームBが出射する出口をカバーする。
【0068】
なお、光走査装置116は、前述したようにポリゴンミラー151を中央にして走査光学系161と走査光学系162とが左右に配置されている。このため、光走査装置116は、ポリゴンミラー151を一定方向に回転した場合、走査光学系161による感光体ドラム1151の走査方向と走査光学系162による感光体ドラム1151の走査方向とが逆になる。ここで、図5において、ポリゴンミラー151を中心として光源153Y、光源153M、光源153C及び光源153Kを描いた側(紙面上側)をプラス側と仮定し、反対側(紙面下側)をマイナス側と仮定する。この場合、走査光学系161は、矢印Sで示すプラス側からマイナス側へ像面を走査する。対して、走査光学系162は、矢印Tで示すマイナス側からプラス側へ像面を走査する。
【0069】
光路補正素子185について、図8及び図9を用いてさらに説明する。
図8は、光路補正素子185を側方から見た図である。なお、図8の上下方向は、副走査方向である。また、図8の紙面に垂直な方向は、主走査方向である。図9は、図8中の光路補正素子185の斜視図である。なお、図8及び図9には、ビームBY及びビームBM用の光路補正素子185YMを示している。ビームBC及びビームBK用の光路補正素子185CKも光路補正素子185YMと同様の形状であるので、光路補正素子185YMを用いて光路補正素子185について説明する。
【0070】
光路補正素子185は、図8及び図9に示すように、一例として、高さ方向が主走査方向と一致する直柱体である。また、光路補正素子185は、シリンドリカル面18511、プリズム面18512、シリンドリカル面18513及びプリズム面18514の4つの側面を含む直柱体である。ただし、図8及び図9に示す光路補正素子185の形状は一例であって、光路補正素子185は、ビームBが通過する部分以外の形状については任意の他の形状であっても良い。
【0071】
シリンドリカル面18511は、円柱の側面の一部を切り取った曲面の形状をしている。すなわち、シリンドリカル面18511は、副走査方向に曲率を持ち、主走査方向の曲率が0である。なお、以下に説明する他のシリンドリカル面も同様に、副走査方向に曲率を持ち、主走査方向の曲率が0である。したがって、シリンドリカル面18511を主走査方向に垂直な面で切断した断面は、円弧である。シリンドリカル面18511は、ビームBYを副走査方向に収束させる円柱レンズとして機能する。また、図8にはシリンドリカル面18511の光軸18515を示している。
【0072】
プリズム面18512は、平面である。すなわち、プリズム面18512は、副走査方向の曲率及び主走査方向の曲率が0である。なお、以下に説明する他のプリズム面も同様に、副走査方向の曲率及び主走査方向の曲率が0である。プリズム面18512は、ビームBYを屈折させて方向を変える。
ビームBYは、シリンドリカル面18511から光路補正素子185YMに入射してプリズム面18512から出射する。これにより、ビームBYは、光検出器183YMの検出面に導かれ、当該検出面で収束する。
【0073】
シリンドリカル面18513は、円柱の側面の一部を切り取った曲面の形状をしている。すなわち、シリンドリカル面18513は、副走査方向に曲率を持ち、主走査方向の曲率が0である面である。シリンドリカル面18513は、ビームBMを副走査方向に収束させる円柱形の凸レンズとして機能する。また、図8にはシリンドリカル面18513の光軸18516を示している。
なお、シリンドリカル面18511及びシリンドリカル面18513は、一方が第1の光学面で、他方が第2の光学面である。
【0074】
プリズム面18514は、平面である。プリズム面18514は、ビームBMを屈折させて方向を変える。
なお、プリズム面18512及びプリズム面18514は、一方が第3の光学面で、他方が第4の光学面である。以上より、光路補正素子185は、第4の結像素子の一例である。
ビームBMは、シリンドリカル面18513から光路補正素子185YMに入射してプリズム面18514から出射する。これにより、ビームBMは、光検出器183YMの検出面に導かれ、当該検出面で収束する。
【0075】
シリンドリカル面18511とシリンドリカル面18513は、光軸が異なる。これにより、光路補正素子185の焦点距離を、光路補正素子185の配置位置に拘らず適切な値にしやすい。
また、プリズム面18512とプリズム面18514は、平行ではない。これにより、光路補正素子185は、ビームBMとビームBYをそれぞれ異なる方向に曲げることができる。したがって、光路補正素子185は、配置位置に拘らずビームBMとビームBYを適切な方向に曲げることができる。
【0076】
図5に示すように折り返しミラー184によって折り返したビームBの光路は、一例として、fθレンズ182を通過するビームBの光路と交差する。このため、このような場合には、交差する範囲内に光学素子を配置することができない。このように光学素子の配置に制約がある場合、従来の光学素子では、折り返しミラー184から光検出器183までの光路が長くなり、光走査装置及び画像形成装置の大型化に繋がる。これに対し、実施形態の光路補正素子185を用いれば、配置位置に制約がある場合でも、適切なパワーでビームBを収束し、適切な方向に曲げることができる。したがって、実施形態の光路補正素子185を用いた光走査装置116及び画像形成装置100は、従来よりも小型化が可能である。
【0077】
なお、光路補正素子185は、シリンドリカル面18511及びプリズム面18512を含む部分と、シリンドリカル面18513及びプリズム面18514を含む部分とが分離せず一体となっていることが好ましい。光路補正素子185は、当該2つの部分が一体となっていることにより、当該2つの部分の位置がずれたりねじれたりすることを防ぐことができる。
【0078】
図10は、ビームBの光路ずれの補正について説明するための図である。図10には、ビームBMの他、ビームBMb及びビームBMcを示している。ビームBMb及びビームBMcは、光路が副走査方向にずれた場合のビームBMを示している。光路補正素子185は、図10に示すように、ビームBMb及びビームBMcのように光路ずれが発生している場合でも、光路がずれていないビームBMと同じ位置で収束することが分かる。また、図10には、ビームBYの他、ビームBYb及びビームBYcを示している。ビームBYb及びビームBYcは、光路が副走査方向にずれた場合のビームBYを示している。光路補正素子185は、図10に示すように、ビームBYb及びビームBYcのように光路ずが発生している場合でも、光路がずれていないビームBYと同じ位置で収束することが分かる。
【0079】
図11は、光路補正素子185YMに代えて従来のレンズ200を用いた場合の比較例を示す図である。レンズ200は、一般的なシリンドリカルレンズであり、シリンドリカル面201及びプリズム面202を含む。図11に示すように、従来のレンズ200は、光学配置に制約があると光路補正と収束性の両立ができない。例えば、図11に示す比較例のレンズ200では、光路補正はできているが、光束の収束位置が光検出器と光路補正素子の間に存在している。この場合、ビームスポット径が大きくなった状態で光検出器に入射するため、検出の不具合を起こす恐れがある。
【0080】
光路補正素子185の他の形状として、図12図14を用いて説明する。図12図14は、光路補正素子185の変形例を側方から見た平面図である。
図12は、光路補正素子185YMの変形例として、光路補正素子1852YMを示す。光路補正素子1852YMは、プリズム面18521、シリンドリカル面18522、プリズム面18523及びシリンドリカル面18524の4つの側面を含む直柱体である。
【0081】
プリズム面18521は、平面である。プリズム面18521は、ビームBYを屈折させて方向を変える。
【0082】
シリンドリカル面18522は、円柱の側面の一部を切り取った曲面の形状をしている。すなわち、シリンドリカル面18522は、副走査方向に曲率を持ち、主走査方向の曲率が0である面である。シリンドリカル面18522は、ビームBYを副走査方向に収束させる円柱レンズとして機能する。また、図12にはシリンドリカル面18522の光軸18525を示している。
ビームBYは、プリズム面18521から光路補正素子1852YMに入射してシリンドリカル面18522から出射する。これにより、ビームBMは、光検出器183YMの検出面に導かれ、当該検出面で収束する。
【0083】
プリズム面18523は、平面である。プリズム面18523は、ビームBMを屈折させて方向を変える。
なお、プリズム面18521及びプリズム面18523は、一方が第3の光学面で、他方が第4の光学面である。
【0084】
シリンドリカル面18524は、円柱の側面の一部を切り取った曲面の形状をしている。すなわち、シリンドリカル面18524は、副走査方向に曲率を持ち、主走査方向の曲率が0である面である。シリンドリカル面18524は、ビームBMを副走査方向に収束させる円柱レンズとして機能する。また、図12にはシリンドリカル面18524の光軸18526を示している。
なお、シリンドリカル面18522及びシリンドリカル面18524は、一方が第1の光学面で、他方が第2の光学面である。
ビームBMは、プリズム面18523から光路補正素子1852YMに入射してシリンドリカル面18524から出射する。これにより、ビームBMは、光検出器183YMの検出面に導かれ、当該検出面で収束する。
【0085】
プリズム面18521とプリズム面18523は、平行ではない。これにより、光路補正素子1852は、ビームBMとビームBYをそれぞれ異なる方向に曲げることができる。したがって、光路補正素子1852は、配置位置に拘らずビームBMとビームBYを適切な方向に曲げることができる。
また、シリンドリカル面18522と、シリンドリカル面18524は、光軸が異なる。これにより、光路補正素子1852の焦点距離は、光路補正素子1852の配置位置に拘らず適切な値にしやすい。
【0086】
図13は、光路補正素子185YMの変形例として、光路補正素子1853YMを示す。光路補正素子1853YMは、シリンドリカル面18531、プリズム面18532及びプリズム面18533の3つの側面を含む直柱体である。
【0087】
シリンドリカル面18531は、円柱の側面の一部を切り取った曲面の形状をしている。すなわち、シリンドリカル面18531は、副走査方向に曲率を持ち、主走査方向の曲率が0である面である。シリンドリカル面18531は、ビームBYを副走査方向に収束させる円柱レンズとして機能する。また、図13にはシリンドリカル面18531の光軸18534を示している。
なお、シリンドリカル面18531は、第1の光学面であり第2の光学面である。
【0088】
プリズム面18532は、平面である。プリズム面18532は、ビームBYを屈折させて方向を変える。
ビームBYは、シリンドリカル面18531から光路補正素子1853YMに入射してプリズム面18532から出射する。これにより、ビームBYは、光検出器183YMの検出面に導かれ、当該検出面で収束する。
【0089】
プリズム面18533は、平面である。プリズム面18533は、ビームBMを屈折させて方向を変える。
なお、プリズム面18532及びプリズム面18533は、一方が第3の光学面で、他方が第4の光学面である。
ビームBMは、シリンドリカル面18531から光路補正素子1853YMに入射してプリズム面18533から出射する。これにより、ビームBMは、光検出器183YMの検出面に導かれ、当該検出面で収束する。
【0090】
プリズム面18532とプリズム面18533は、平行ではない。これにより、光路補正素子1853は、ビームBMとビームBYをそれぞれ異なる方向に曲げることができる。したがって、光路補正素子1853は、配置位置に拘らずビームBMとビームBYを適切な方向に曲げることができる。
【0091】
図14は、光路補正素子185YMの変形例として、光路補正素子1854YMを示す。光路補正素子1854YMは、プリズム面18541、シリンドリカル面18542、プリズム面18543の3つの側面を含む直柱体である。
【0092】
プリズム面18541は、平面である。プリズム面18541は、ビームBYを屈折させて方向を変える。
【0093】
シリンドリカル面18542は、円柱の側面の一部を切り取った曲面の形状をしている。すなわち、シリンドリカル面18542は、副走査方向に曲率を持ち、主走査方向の曲率が0である面である。シリンドリカル面18542は、ビームBM及びビームBYを副走査方向に収束させる円柱レンズとして機能する。また、図14にはシリンドリカル面18542の光軸18544を示している。
なお、シリンドリカル面18542は、第1の光学面であり第2の光学面である。
ビームBYは、プリズム面18541から光路補正素子1852YMに入射してシリンドリカル面18542から出射する。これにより、ビームBYは、光検出器183YMの検出面に導かれ、当該検出面で収束する。
【0094】
プリズム面18543は、平面である。プリズム面18543は、ビームBMを屈折させて方向を変える。
なお、プリズム面18541及びプリズム面18543は、一方が第3の光学面で、他方が第4の光学面である。
ビームBMは、プリズム面18543から光路補正素子1854YMに入射してシリンドリカル面18542から出射する。これにより、ビームBMは、光検出器183YMの検出面に導かれ、当該検出面で収束する。
【0095】
プリズム面18541とプリズム面18543は、平行ではない。これにより、光路補正素子1854は、ビームBMとビームBYをそれぞれ異なる方向に曲げることができる。したがって、光路補正素子1854は、配置位置に拘らずビームBMとビームBYを適切な方向に曲げることができる。
【0096】
上記の実施形態は以下のような変形も可能である。
光路補正素子185は、シリンドリカル面に代えて非球面を用いたレンズであっても良い。例えば、図8に示す光路補正素子185のシリンドリカル面18511に代えて非球面αを、シリンドリカル面18513に代えて非球面βを用いる。この場合、非球面α及び非球面βを主走査方向に垂直な面で切断した断面は、例えば放物線、双曲線又は楕円弧である。あるいは、当該断面は、4次曲線などのより高次の曲線であっても良い。
なお、光路補正素子185は、コストの観点から、シリンドリカル面を用いたものであることが好ましい。
【0097】
光路補正素子185は、主走査方向の曲率が0でなくても良い。
【0098】
実施形態の光走査装置は、上記実施形態における1つの光学素子に代えて、同様の光学特性を有する複数の光学素子を用いて実現しても良い。また、実施形態の光走査装置は、上記実施形態における複数の光学素子に代えて、同様の光学特性を有する1つの光学素子を用いて実現しても良い。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
100……画像形成装置、101……プリンター、115,115C,115K,115M,115Y……画像形成部、116……光走査装置、117……転写ベルト、118……2次転写ローラー、119……定着部、151……ポリゴンミラー、153……光源、161,162……走査光学系、170……偏向前光学系、171……コリメーターレンズ、172……絞り、173……シリンダーレンズ、180……偏向後光学系、181,182……fθレンズ、183……光検出器、184,186,187,188……折り返しミラー、185……光路補正素子、1511……反射面、18511,18513,18522,18524,18531,18542……シリンドリカル面、18512,18514,18521,18523,18532,18533,18541,18543……プリズム面、18515,18516,18525,18526,18534,18544……光軸
図1
図2
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図5
図6
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図14