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特許7404115経路案内装置、経路案内装置の制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】経路案内装置、経路案内装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
G01C21/34
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020043261
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021143955
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100166648
【弁理士】
【氏名又は名称】鎗田 伸宜
(74)【代理人】
【識別番号】100168284
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 英夫
(72)【発明者】
【氏名】池永 権也
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-047456(JP,A)
【文献】特開2002-189792(JP,A)
【文献】特開2013-019797(JP,A)
【文献】特開2017-173228(JP,A)
【文献】国際公開第2008/155857(WO,A1)
【文献】特開2016-138822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に経路を案内する経路案内装置であって、
1以上の車両の各々により検知された照度情報と、前記照度情報が検知された際の当該車両の位置情報とを取得する取得手段と、
ユーザから日向の割合が相対的に多い経路又は日陰の割合が相対的に多い経路の何れを案内して欲しいかの指定を受け付ける受付手段と、
前記照度情報及び前記位置情報に基づいて、前記移動体に、前記日向の割合が相対的に多い経路又は前記日陰の割合が相対的に多い経路を案内する制御手段と、
を備え
前記制御手段は、
前記受付手段を介して日向の割合が相対的に多い経路が指定された場合、最も日向の割合が多い経路の目的地までの距離よりも、二番目に日向の割合が多い経路の前記目的地までの距離が短ければ、前記二番目に日向の割合が多い経路を推奨経路として案内し、
前記受付手段を介して日陰の割合が相対的に多い経路が指定された場合、最も日陰の割合が多い経路の前記目的地までの距離よりも、二番目に日陰の割合が多い経路の前記目的地までの距離が短ければ、前記二番目に日陰の割合が多い経路を前記推奨経路として案内することを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記1以上の車両の各々によりリアルタイムに検知された照度情報及び位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の経路案内装置。
【請求項3】
前記取得手段は、同一方向に複数の車線が存在する場合、車線ごとに照度情報及び位置情報を取得し、
前記制御手段は、通行すべき車線を考慮したうえで、前記移動体に経路を案内することを特徴とする請求項に記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記移動体は、前記1以上の車両のうちの少なくとも1つ、又は、ユーザが所持する通信装置であることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の経路案内装置。
【請求項5】
前記照度情報は、前記1以上の車両の各々に設けられた照度計により取得されることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の経路案内装置。
【請求項6】
移動体に経路を案内する経路案内装置の制御方法であって、
1以上の車両の各々により検知された照度情報と、前記照度情報が検知された際の当該車両の位置情報とを取得する取得工程と、
ユーザから日向の割合が相対的に多い経路又は日陰の割合が相対的に多い経路の何れを案内して欲しいかの指定を受け付ける受付工程と、
前記照度情報及び前記位置情報に基づいて、前記移動体に、前記日向の割合が相対的に多い経路又は前記日陰の割合が相対的に多い経路を案内する制御工程と、
を有し、
前記制御工程では、
前記受付工程で日向の割合が相対的に多い経路が指定された場合、最も日向の割合が多い経路の目的地までの距離よりも、二番目に日向の割合が多い経路の前記目的地までの距離が短ければ、前記二番目に日向の割合が多い経路を推奨経路として案内し、
前記受付工程で日陰の割合が相対的に多い経路が指定された場合、最も日陰の割合が多い経路の前記目的地までの距離よりも、二番目に日陰の割合が多い経路の前記目的地までの距離が短ければ、前記二番目に日陰の割合が多い経路を前記推奨経路として案内することを特徴とする経路案内装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至の何れか1項に記載の経路案内装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内装置、経路案内装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、照度計を用いることで、交差点が平面で交差しているか、或いは立体的に交差しているかを検知する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-053123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、歩行者などの移動体に対して経路を提案することは何ら考慮されていない。一方で、各種地図情報を用いて建物の大きさを取得することにより太陽の位置をシミュレーションし、照度情報を生成することはできるが、建築物の建て替え、雲や飛行船による障害物などの影響を考慮することは難しい。
【0005】
このように、従来の技術では、現実を反映した照度情報から、ユーザの意図に沿った経路を案内することが難しいという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、現実を反映した照度情報から、ユーザの意図に沿った経路を案内するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する本発明に係る経路案内装置は、
移動体に経路を案内する経路案内装置であって、
1以上の車両の各々により検知された照度情報と、前記照度情報が検知された際の当該車両の位置情報とを取得する取得手段と、
ユーザから日向の割合が相対的に多い経路又は日陰の割合が相対的に多い経路の何れを案内して欲しいかの指定を受け付ける受付手段と、
前記照度情報及び前記位置情報に基づいて、前記移動体に、前記日向の割合が相対的に多い経路又は前記日陰の割合が相対的に多い経路を案内する制御手段と、
を備え
前記制御手段は、
前記受付手段を介して日向の割合が相対的に多い経路が指定された場合、最も日向の割合が多い経路の目的地までの距離よりも、二番目に日向の割合が多い経路の前記目的地までの距離が短ければ、前記二番目に日向の割合が多い経路を推奨経路として案内し、
前記受付手段を介して日陰の割合が相対的に多い経路が指定された場合、最も日陰の割合が多い経路の前記目的地までの距離よりも、二番目に日陰の割合が多い経路の前記目的地までの距離が短ければ、前記二番目に日陰の割合が多い経路を前記推奨経路として案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現実を反映した照度情報から、ユーザの意図に沿った経路を案内することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る経路案内システムの構成例を説明するための図である。
図2】本発明の一実施形態に係る経路案内システムを構成する各装置の構成例を説明するためのブロック図である。
図3】本発明の実施形態1に係る経路案内装置が実施する全体処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態2に係る経路案内装置が実施する全体処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る歩行者への経路案内の説明図である。
図6】本発明の一実施形態に係る車両への経路案内の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。尚、各図は実施形態を説明するための模式図に過ぎず、例えば図中の各要素の寸法は必ずしも現実のものを反映するものではない。また、図中において同一の要素には同一の参照番号を付しており、本明細書において重複する内容については説明を省略する。
【0011】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る経路案内システムの構成を説明するための図である。経路案内システムは、経路案内装置10、1以上の車両20、1以上の通信装置30を含み、経路案内装置10と1以上の車両20、経路案内装置10と1以上の通信装置30とがネットワーク40を介して通信可能に構成されている。
【0012】
図2は、経路案内装置10、車両20、通信装置30の構成例を示す図である。経路案内装置10は、サーバ装置として機能し、出発地(又は現在地)から目的地までの推奨経路を生成し、移動体(例えば車両20又は通信装置30)に提供する。
【0013】
経路案内装置10は、CPU101と、記憶装置102と、通信部103とを備えている。CPU101は、記憶装置102に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、実施形態に係る処理を実行する。
【0014】
記憶装置102は、各種情報を記憶する。記憶装置102は、CPU101が読み出して実行するためのプログラムを記憶すると共に、通信部103を介して1以上の車両20又は通信装置30から取得した情報と、通信部103を介してネットワーク40から取得した情報とを記憶することができる。記憶装置102は、例えば、経路案内装置10が車両20又は通信装置30から受信した、車両20又は通信装置30を介してユーザにより入力された、出発地(又は現在地)及び目的地(又は経由地)の情報や、同様に入力された通行したい経路の情報を記憶する。ここで、通行したい経路の情報とは、例えば日向の割合が相対的に多い経路、又は、日陰の割合が相対的に多い経路を示す情報である。
【0015】
また、記憶装置102は、複数の車両20の各々により検知された照度情報及び位置情報を受信して記憶する。ここで、照度情報とは、車両20に備え付けられた照度計(後述する照度計204)により検知された照度を示す情報である。また、位置情報はその照度が検知された時の車両20の位置を示す情報である。これにより、どの位置でどのような照度なのかを把握することが可能となる。そして、走行中の各車両20からリアルタイムに照度情報及び位置情報を収集することで、現在、どの道路のどの部分が日陰になっているか、或いは、日向になっているかを把握することができる。通信部103は、各種情報を有線又は無線で送受信する。ネットワーク40は、例えばインターネット及び/又はローカルエリアネットワーク(LAN)である。
【0016】
経路案内装置10は、各車両20から取得された照度情報及び位置情報に基づいて、移動体(例えば車両20又は通信装置30)に推奨経路を案内する。例えば、日陰の割合が多い経路を案内してもよいし、反対に、日向の割合が多い経路を案内してもよい。
【0017】
車両20は、例えば四輪車であるが、二輪車など他の車両であってもよい。車両20は、ECU(電子制御ユニット)201と、記憶装置202と、通信部203と、照度計204と、車載ナビゲーション装置205とを備えている。
【0018】
ECU201は、CPU、メモリおよび通信インタフェースを含む。通信インタフェースを介して受け取った情報(データないし電気信号)に基づいてCPUにより所定の処理を行い、その処理結果を、メモリ又は記憶装置202に格納し、或いは、通信インタフェースを介して他の要素に出力する。
【0019】
ECU201は、運転者による加速用操作子(アクセルペダル)の操作量に基づいて駆動機構を制御する。また、ECU201は、運転者による制動用操作子(ブレーキペダル)の操作量に基づいて制動機構を制御する。制動機構は、例えば、車両20の各車輪に設けられたディスクブレーキである。また、ECU201は、運転者による操舵用操作子(ステアリングホイール)の操作量に基づいて操舵機構を制御する。操舵機構は、パワーステアリングを含む。
【0020】
記憶装置202は、照度計204により検知された照度情報や、車載ナビゲーション装置205を介して入力された出発地や目的地の情報等を記憶する。通信部203は、ネットワーク40を介して経路案内装置10と通信し、各種情報を有線又は無線で送受信することができる。
【0021】
照度計204は、車両20の周囲の照度を検知する。車載ナビゲーション装置205は、表示部2051と、操作入力部2052とを備えている。表示部2051は、液晶ディスプレイ等であり、出発地(又は現在地)から目的地(又は経由地)までの経路情報など各種のナビゲーション情報を表示したり、経路案内装置10により生成された推奨経路を経路案内装置10から受信して表示したりする。
【0022】
操作入力部2052は、物理ボタンや回転機構等であり、運転者(ユーザ)は操作入力部2052を操作して、出発地、目的地などの各種のナビゲーション情報を入力することができる。また、通行したい経路の情報(日向優先、日陰優先など)の指定を受け付ける。なお、表示部2051がタッチパネルである場合には、表示部2051が操作入力部2052の機能を兼ねてもよい。
【0023】
通信装置30は、例えばスマートフォンなどの携帯情報端末である。通信装置30は、CPU301と、記憶装置302と、通信部303と、表示部304と、操作入力部305とを備えている。CPU301は、記憶装置302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、通信装置30の動作を制御する。記憶装置302は、CPU301が読み出して実行するためのプログラムを記憶すると共に、操作入力部305を介して通信装置30に入力された各種情報を記憶する。通信部303は、ネットワーク40を介して経路案内装置10と通信し、各種情報を有線又は無線で送受信することができる。通信部203は、記憶装置302に記憶された各種情報を経路案内装置10へ送信すると共に、経路案内装置10から各種情報を受信する。
【0024】
表示部304は、液晶ディスプレイ等であり、経路案内装置10により生成された推奨経路を経路案内装置10から受信して表示したり、各種の画面を表示したりする。操作入力部305は、物理ボタンや回転機構等であり、運転者(ユーザ)は操作入力部305を操作して、出発地、目的地、経由地などの各種のナビゲーション情報を入力することができる。また、通行したい経路の情報(日向優先、日陰優先など)の指定を受け付ける。なお、表示部304がタッチパネルである場合には、表示部304が操作入力部305の機能を兼ねてもよい。
【0025】
<処理>
図3は、本実施形態に係る経路案内装置10が実施する処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、経路案内装置10のCPU101が記憶装置102に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実施される。
【0026】
ステップS301において、CPU101は、通信部103を介して、1以上の車両20から送信された、各車両20の照度計204により検知された照度情報と、その照度が検知されたときの当該車両20の位置情報とを受信する。ここで、図5は、本実施形態に係る照度情報及び位置情報の収集及び推奨経路の一例を示す図である。図5おいて、1以上の車両20が道路を走行している。各車両20は、例えば所定の時間間隔で、或いはリアルタイムに、各車両20において検知された照度情報及びその時の車両20の位置情報を経路案内装置10へ送信している。経路案内装置10(図5では不図示)はその情報を受信している。
【0027】
ステップS302において、CPU101は、ステップS301で取得した照度情報及び位置情報に基づいて、移動体に対して案内する経路を生成し、生成した経路の情報を移動体に送信することにより推奨経路を案内する。図5の例では、経路判定装置10は、照度が所定値以下である場合に、その照度が検知された位置を日陰と判定する。その結果、日陰エリア501、502、503、504を判定することができる。
【0028】
ここで、移動体として歩行者を例に説明する。図5において、歩行者は通信装置30を所持している。歩行者は現在地から目的地500まで歩行する。この際、歩行者は日向の割合が多い経路552を案内されてもよい。あるいは、日陰の割合が多い551を案内されてもよい。歩行者は通信装置30を操作して予め日向が多い経路を案内してほしいことを指定し、経路案内装置10へ送信しておくことで、経路552が案内されるようにすることができる。
【0029】
あるいは、反対に、歩行者は通信装置30を操作して予め日陰が多い経路を案内してほしいことを指定し、経路案内装置10へ送信しておくことで、経路551が案内されるようにすることができる。日焼けをしたいとき、反対に日焼けをしたくないときなど、状況に応じて好みの経路が案内されることを指定できる。
【0030】
ここで、日陰の割合は、現在地から目的地500までの道路の長さにおける、日陰であると判定された道路の長さとして定義することができる。複数の移動する車両20からリアルタイムに照度情報を取得するので、道路のどこからどこまでが日陰であるかを精度よく把握することができる。
【0031】
これにより、歩行者の周辺の照度情報から日陰が多い経路又は日向が多い経路を判別することができるので、歩行者の意図に合った適切な経路を案内することが可能となる。ここで、照度情報とは車道で検知された情報であるが、それを、車道と隣接する歩道の照度情報として取り扱うものとする。
【0032】
なお、移動体は通信装置30を所持する歩行者に限定されない。例えば自転車に乗った人物であってもよい。また、移動体は車両20であってもよい。例えば、図6に示すように、自身も照度情報及び位置情報を経路案内装置10に提供している車両20aが移動体であってもよい。車両20aに乗車して現在地から目的地500へ向かっている場合にも、車両20aにおいて予め日陰が多い経路又は日向が多い経路を案内してほしいことを指定し、車両20aから経路案内装置10へ送信しておくことで、意図に沿った経路を走行することができる。図6の例では、経路651よりも、経路652のほうが日陰の割合が少ない経路である。以上で図3の一連の処理が終了する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、照度に応じてより適切な経路を案内することが可能となる。
【0034】
[変形例]
なお、図5及び図6において、経路503のように片側一車線が日陰で、もう対向車線が日向である場合もありうる。道路ごとに、或いは、同一方向に複数車線が存在する場合は車線ごとに、照度情報を詳細に集計し、道路ごとに、或いは車線ごとに推奨経路を算出するようにしてもよい。
【0035】
また、日向の割合が多い経路として最も日向の割合が多い経路、日陰の割合が多い経路として最も日陰の割合が多い経路を推奨経路としてもよい。ただし、日陰又は日向の割合が最も多い経路と、二番目に多い経路とで、目的地までの距離に差がある場合には、距離が短い経路を推奨してもよい。例えば、最も日向が多い経路の目的地までの距離よりも、二番目に日向が多い経路の目的地までの距離が短い場合、二番目に日向が多い経路を推奨経路としてもよい。日陰についても同様である。回り道になるようであれば、希望する日陰又は日向の割合が少なくても、距離を優先する趣旨である。
【0036】
(実施形態2)
本実施形態では、季節に応じて移動体に適切な経路を案内する例を説明する。本実施形態では、実施形態1で説明した照度情報及び位置情報に加えて、現在の季節の情報をさらに考慮し、これらの情報に基づいてより適切な経路を案内する。システム構成及び装置構成は実施形態1と同様なので詳細な説明は省略する。
【0037】
<処理>
図4は、本実施形態に係る経路案内装置10が実施する処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、経路案内装置10のCPU101が記憶装置102に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実施される。
【0038】
ステップS401はステップS301と同一の処理であるため、説明を省略する。ステップS402において、CPU101は、現在の季節の情報を取得する。例えば、カレンダー情報(時刻情報)から現在の季節の情報を取得することができる。
【0039】
ステップS403において、CPU101は、ステップS401で取得された照度情報及び位置情報と、ステップS402で取得された季節の情報とに基づいて、移動体に推奨経路を案内する。例えば、季節が夏である場合、移動体は日陰を通行したいと考えられるので、日陰の割合が多い経路を案内する。反対に、季節が冬である場合には、移動体日向を通行したいと考えられるので、日向の割合が多い経路を案内する。以上で、図4の一連の処理が終了する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、現在の季節の情報を考慮することで、移動体から希望する経路(日向の割合が多い経路又は日陰の割合が多い経路)の指定を受け付けなくても、適切な経路を案内することが可能となる。
【0041】
[変形例]
なお、本実施形態では季節の情報を用いる例を説明したが、この例に限られない。例えば、季節ではなく現在の気温に応じて提案する経路を変更するように構成してもよい。経路案内装置10は、移動体の現在地から、その移動体が位置する場所の気温の情報を気象情報から取得することができる。例えば気温が所定値以上である場合に日陰の割合が多い経路を案内し、反対に、気温が所定地未満である場合に日向の割合が多い経路を案内するようにしてもよい。
【0042】
<実施形態のまとめ>
第1の態様による経路案内装置は、
移動体(例えば20、30)に経路を案内する経路案内装置(例えば10)であって、
1以上の車両(例えば20)の各々により検知された照度情報と、前記照度情報が検知された際の当該車両の位置情報とを取得する取得手段(例えば101、103)と、
前記照度情報及び前記位置情報に基づいて、前記移動体に経路を案内する制御手段(例えば101)と、
を備える。
【0043】
これにより、現実を反映した照度情報(日向、日陰の情報)から、ユーザの意図に沿った経路を案内することが可能となる。
【0044】
第2の態様による経路案内装置では、
前記制御手段は、前記移動体に日陰の割合が相対的に多い経路を案内する。
【0045】
これにより、移動体に対して日陰の多い経路を案内することが可能となる。
【0046】
第3の態様による経路案内装置では、
前記制御手段は、前記移動体に日向の割合が相対的に多い経路を案内する。
【0047】
これにより、移動体に対して日向の多い経路を案内することが可能となる。
【0048】
第4の態様による経路案内装置では、
前記制御手段は、前記照度情報、前記位置情報及び現在の季節の情報に基づいて、日陰の割合が相対的に多い経路又は日向の割合が相対的に多い経路を案内する。
【0049】
これにより、季節に応じてより適切な経路を案内することが可能となる。
【0050】
第5の態様による経路案内装置では、
前記制御手段は、前記季節が夏である場合、日陰の割合が相対的に多い経路を案内する。
【0051】
これにより、夏場に、より涼しく快適な経路を移動体に対して案内することが可能となる。
【0052】
第6の態様による経路案内装置では、
前記制御手段は、前記季節が冬である場合、日向の割合が相対的に多い経路を案内する。
【0053】
これにより、冬場に、より暖かく快適な経路を移動体に対して案内することが可能となる。
【0054】
第7の態様による経路案内装置では、
前記制御手段は、前記照度情報、前記位置情報及び前記移動体の位置する場所の気温の情報に基づいて、日陰の割合が相対的に多い経路又は日向の割合が相対的に多い経路を案内する。
【0055】
これにより、気温に応じてより適切な経路を案内することが可能となる。
【0056】
第8の態様による経路案内装置では、
前記制御手段は、前記気温が所定値以上である場合、日陰の割合が相対的に多い経路を案内する。
【0057】
これにより、暑い時に、より涼しく快適な経路を移動体に対して案内することが可能となる。
【0058】
第9の態様による経路案内装置では、
前記制御手段は、前記気温が所定値未満である場合、日向の割合が相対的に多い経路を案内する。
【0059】
これにより、寒い時に、より暖かく快適な経路を移動体に対して案内することが可能となる。
【0060】
第10の態様による経路案内装置では、
前記取得手段は、前記1以上の車両の各々によりリアルタイムに検知された照度情報及び位置情報を取得する。
【0061】
これにより、より正確に現在の情報を反映することが可能となる。
【0062】
第11の態様による経路案内装置では、
前記取得手段は、同一方向に複数の車線が存在する場合、車線ごとに照度情報及び位置情報を取得し、
前記制御手段は、通行すべき車線を考慮したうえで、前記移動体に経路を案内する。
【0063】
これにより、例えば移動体が車両である場合、車両に対してどの車線を走行するかまで詳細に案内を行うことで、より適切な経路を走行することが可能となる。
【0064】
第12の態様による経路案内装置では、
前記移動体は、前記1以上の車両のうちの少なくとも1つ、又は、ユーザが所持する通信装置である。
【0065】
これにより、車両に乗車中の乗員や、歩行者又は自転車に乗っているユーザに対して、適切な経路を案内することが可能となる。
【0066】
第13の態様による経路案内装置では、
前記照度情報は、前記1以上の車両の各々に設けられた照度計により取得される。
【0067】
これにより、車両において照度情報を取得することが可能となる。
【0068】
第14の態様による経路案内装置の制御方法は、
移動体(例えば20、30)に経路を案内する経路案内装置(例えば10)の制御方法であって、
1以上の車両(例えば20)の各々により検知された照度情報と、前記照度情報が検知された際の当該車両の位置情報とを取得する取得工程(例えばS301)と、
前記照度情報及び前記位置情報に基づいて、前記移動体に経路を案内する制御工程(例えばS302)と、
を有する。
【0069】
これにより、現実を反映した照度情報(日向又は日陰の情報)から、ユーザの意図に沿った経路を案内することが可能となる。
【0070】
第15の態様によるプログラムは、
コンピュータを、第1の態様乃至第13の態様の何れかに記載の経路案内装置(例えば10)として機能させるためのプログラムである。
【0071】
これにより、経路案内装置の処理をコンピュータにより実現可能となる。
【符号の説明】
【0072】
10:経路案内装置、20:車両、30:通信装置、101:CPU、102:記憶装置、103:通信部、201:ECU、202:記憶装置、203:通信部、204:照度計、205:ナビゲーション装置、301:CPU、302:記憶装置、303:通信部、304:表示部304、操作入力部305
図1
図2
図3
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図5
図6