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特許7404116遊技価値管理システム及び遊技価値管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】遊技価値管理システム及び遊技価値管理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020043280
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021142139
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】清水 知己
【審査官】手塚 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-068658(JP,A)
【文献】特開2019-110964(JP,A)
【文献】特開2007-190137(JP,A)
【文献】特開2019-198571(JP,A)
【文献】特開2016-036543(JP,A)
【文献】特開2019-130042(JP,A)
【文献】特開2017-202129(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムであって、
前記遊技用装置は、
前記遊技価値を記憶する第1遊技価値記憶手段と、
所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値を更新する第1更新処理を行う第1更新処理手段と
を備え、
前記管理装置は、
前記携帯端末装置に係る識別情報に対応して遊技価値を記憶する第2遊技価値記憶手段と、
前記所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値を更新する第2更新処理を行う第2更新処理手段と
前記第1遊技価値記憶手段に記憶した遊技価値の一部を前記携帯端末装置に移行する第2価値移行指示を前記遊技用装置から前記所定の価値移行指示として受け付ける第2価値移行指示受付手段と、
前記第2価値移行指示受付手段により前記第2価値移行指示を受け付けた場合に、前記遊技用装置に対して前記遊技用装置の識別情報を含む2次元コードを発行する2次元コード発行手段と、
前記2次元コードを読み取った前記携帯端末装置から該携帯端末装置に係る識別情報及び前記2次元コードに含まれる前記遊技用装置の識別情報を受信する識別情報受信手段と
を備え
前記第1更新処理手段は、
前記第2価値移行指示受付手段により前記第2価値移行指示を受け付けた場合に、前記第1遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値から指定数を減算処理し、
前記第2更新処理手段は、
前記携帯端末装置から受信した前記携帯端末装置に係る識別情報及び前記遊技用装置の識別情報に基づいて価値移行元装置及び価値移行先装置が正しいことを確認したことを条件として、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値に指定数を加算処理する
とを特徴とする遊技価値管理システム。
【請求項2】
遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムであって、
前記遊技用装置は、
前記遊技価値を記憶する第1遊技価値記憶手段と、
所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値を更新する第1更新処理を行う第1更新処理手段と
を備え、
前記管理装置は、
前記携帯端末装置に係る識別情報に対応して遊技価値を記憶する第2遊技価値記憶手段と、
前記所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値を更新する第2更新処理を行う第2更新処理手段と、
前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値の一部を前記遊技用装置に移行する第1価値移行指示を前記所定の価値移行指示として前記携帯端末装置から受け付ける第1価値移行指示受付手段と
を備え、
前記携帯端末装置は、
自装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記遊技用装置に移行させる価値移行数及び遊技客により入力された暗証番号を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた価値移行数、暗証番号、自装置に係る識別情報及び価値移行先となる遊技用装置の識別情報を含む前記第1価値移行指示を行う第1価値移行指示手段と
を備え
前記第2更新処理手段は、
前記第1価値移行指示受付手段により前記第1価値移行指示を受け付けた場合に、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値から指定数を減算処理し、
前記第1更新処理手段は、
前記第1価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値に指定数を加算処理する
とを特徴とする遊技価値管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記第1価値移行指示受付手段により前記第1価値移行指示を受け付けた場合に、該第1価値移行指示に含まれる識別情報を有する遊技用装置に対して暗証番号を要求する暗証番号要求手段と、
前記暗証番号要求手段の要求に応答して前記遊技用装置から通知される暗証番号と、前記第1価値移行指示に含まれる暗証番号とが対応することを条件として、該遊技用装置に対して前記第1価値移行指示に含まれる価値移行数を加算するよう指示する加算指示手段と
をさらに備え、
前記第2更新処理手段は、
前記暗証番号要求手段の要求に応答して前記遊技用装置から通知される暗証番号と、前記第1価値移行指示に含まれる暗証番号とが対応することを条件として、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記第1価値移行指示に含まれる価値移行数を減算処理する
ことを特徴とする請求項に記載の遊技価値管理システム。
【請求項4】
遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムであって、
前記管理装置は、
第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値及び第2携帯端末装置の識別情報に対応する第2遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段と、
前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値の一部を前記第2携帯端末装置に移行する所定の価値移行指示を前記携帯端末装置から受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記所定の価値移行指示を前記携帯端末装置から受け付けた場合に、前記遊技価値記憶手段に記憶された前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値の一部を減算処理するとともに、前記第2携帯端末装置の識別情報に対応する第2遊技価値に加算処理する更新処理を行う更新処理手段と
前記価値移行指示を受け付けた場合に、前記第1携帯端末装置に対して2次元コードを発行する2次元コード発行手段と、
前記2次元コードを読み取った前記第2携帯端末装置から該第2携帯端末装置に係る識別情報を受信する識別情報受信手段と
を備え
前記第1携帯端末装置は、
自装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記第2携帯端末装置に移行させる価値移行数を受け付ける受付手段と、
前記第2携帯端末装置に係る識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記受付手段により受け付けた価値移行数、自装置に係る識別情報及び前記第2携帯端末装置に係る識別情報を含む価値移行指示を前記管理装置に行う価値移行指示手段と
を備え、
前記更新処理手段は、
前記第2携帯端末装置から該第2携帯端末装置に係る識別情報を受信したことを条件として、前記遊技価値記憶手段に記憶された前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値から前記価値移行数を減算処理するとともに、前記第2携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値に前記価値移行数を加算処理する
とを特徴とする遊技価値管理システム。
【請求項5】
遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムにおける遊技価値管理方法であって、
前記遊技用装置が、第1遊技価値記憶部に前記遊技価値を格納する第1の格納工程と、
前記遊技用装置が、所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶部に記憶された遊技価値を更新する第1更新処理を行う第1更新処理工程と、
前記管理装置が、第2遊技価値記憶部に前記携帯端末装置に係る識別情報に対応して遊技価値を格納する第2の格納工程と、
前記管理装置が、前記所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第2遊技価値記憶部に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値を更新する第2更新処理を行う第2更新処理工程と
前記第1遊技価値記憶部に記憶した遊技価値の一部を前記携帯端末装置に移行する第2価値移行指示を前記遊技用装置から前記所定の価値移行指示として受け付ける第2価値移行指示受付工程と、
前記第2価値移行指示受付工程により前記第2価値移行指示を受け付けた場合に、前記遊技用装置に対して前記遊技用装置の識別情報を含む2次元コードを発行する2次元コード発行工程と、
前記2次元コードを読み取った前記携帯端末装置から該携帯端末装置に係る識別情報及び前記2次元コードに含まれる前記遊技用装置の識別情報を受信する識別情報受信工程と
を含み、
前記第1更新処理工程は、
前記第2価値移行指示受付工程により前記第2価値移行指示を受け付けた場合に、前記第1遊技価値記憶部に記憶された遊技価値から指定数を減算処理し、
前記第2更新処理工程は、
前記携帯端末装置から受信した前記携帯端末装置に係る識別情報及び前記遊技用装置の識別情報に基づいて価値移行元装置及び価値移行先装置が正しいことを確認したことを条件として、前記第2遊技価値記憶部に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値に指定数を加算処理する
とを特徴とする遊技価値管理方法。
【請求項6】
遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムにおける遊技価値管理方法であって、
前記遊技用装置が、第1遊技価値記憶部に前記遊技価値を格納する第1の格納工程と、
前記遊技用装置が、所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶部に記憶された遊技価値を更新する第1更新処理を行う第1更新処理工程と、
前記管理装置が、第2遊技価値記憶部に前記携帯端末装置に係る識別情報に対応して遊技価値を格納する第2の格納工程と、
前記管理装置が、前記所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第2遊技価値記憶部に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値を更新する第2更新処理を行う第2更新処理工程と、
前記管理装置が、前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値の一部を前記遊技用装置に移行する第1価値移行指示を前記所定の価値移行指示として前記携帯端末装置から受け付ける第1価値移行指示受付工程と、
前記携帯端末装置が、自装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記遊技用装置に移行させる価値移行数及び遊技客により入力された暗証番号を受け付ける受付工程と、
前記携帯端末装置が、前記受付工程により受け付けた価値移行数、暗証番号、自装置に係る識別情報及び価値移行先となる遊技用装置の識別情報を含む前記第1価値移行指示を行う第1価値移行指示工程と
を含み、
前記第2更新処理工程は、
前記第1価値移行指示受付工程により前記第1価値移行指示を受け付けた場合に、前記第2遊技価値記憶部に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値から指定数を減算処理し、
前記第1更新処理工程は、
前記第1価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶部に記憶された遊技価値に指定数を加算処理する
ことを特徴とする遊技価値管理方法。
【請求項7】
遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムにおける遊技価値管理方法であって、
前記管理装置が、第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値及び第2携帯端末装置の識別情報に対応する第2遊技価値を遊技価値記憶部に格納する格納工程と、
前記管理装置が、前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値の一部を前記第2携帯端末装置に移行する所定の価値移行指示を前記携帯端末装置から受け付ける受付工程と、
前記管理装置が、前記受付工程により前記所定の価値移行指示を前記携帯端末装置から受け付けた場合に、前記遊技価値記憶部に記憶された前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値の一部を減算処理するとともに、前記第2携帯端末装置の識別情報に対応する第2遊技価値に加算処理する更新処理を行う更新処理工程と
前記管理装置が、前記所定の価値移行指示を受け付けた場合に、前記第1携帯端末装置に対して2次元コードを発行する2次元コード発行工程と、
前記管理装置が、前記2次元コードを読み取った前記第2携帯端末装置から該第2携帯端末装置に係る識別情報を受信する識別情報受信工程と、
前記第1携帯端末装置が、自装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記第2携帯端末装置に移行させる価値移行数を受け付ける受付工程と、
前記第1携帯端末装置が、前記第2携帯端末装置に係る識別情報を取得する識別情報取得工程と、
前記第1携帯端末装置が、前記受付工程により受け付けた価値移行数、自装置に係る識別情報及び前記第2携帯端末装置に係る識別情報を含む価値移行指示を前記管理装置に行う価値移行指示工程と
を含み、
前記更新処理工程は、
前記第2携帯端末装置から該第2携帯端末装置に係る識別情報を受信したことを条件として、前記遊技価値記憶部に記憶された前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値から前記価値移行数を減算処理するとともに、前記第2携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値に前記価値移行数を加算処理する
とを特徴とする遊技価値管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技客が遊技に使用可能な価値である遊技価値を管理する遊技価値管理システム及び遊技価値管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技客は各遊技台にて遊技の結果として得た遊技媒体を記録媒体に関連付けて発行を受け、他の遊技台に移動したり、賞品カウンタに持参して賞品との交換を行ったりする記録媒体の運用が行われている場合がある。
【0003】
このような従来の記録媒体の運用においては、遊技客が他の遊技客に自らが獲得した遊技媒体を分与したいと考える場合、獲得した遊技媒体の一部を確保しておきたいと考える場合がある。このため、獲得した遊技媒体の一部を指定して、他の記録媒体に関連付けて発行する持玉分割機能を備えたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-050753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる特許文献1に代表される従来の持玉分割機能においては、遊技機に併設された遊技用装置(記録媒体処理装置とも呼ばれる)の内部から遊技媒体の一部を関連付けた記録媒体を発行する必要がある。遊技用装置の内部から記録媒体を発行するためには、遊技用装置に受け付け中の記録媒体(つまり、現在遊技に使用している記録媒体)を一旦排出する必要があるため、持玉分割機能を使用する場合には複数枚の記録媒体が遊技用装置から排出される。このため、排出された複数の記録媒体のうち、遊技に使用する分割元の記録媒体がいずれの記録媒体であるのかが分からなくなる可能性があり、遊技客にとっては利便性が低いものであった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、遊技客の利便性を向上できる遊技価値管理システム及び遊技価値管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムであって、前記遊技用装置は、前記遊技価値を記憶する第1遊技価値記憶手段と、所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値を更新する第1更新処理を行う第1更新処理手段とを備え、前記管理装置は、前記携帯端末装置に係る識別情報に対応して遊技価値を記憶する第2遊技価値記憶手段と、前記所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値を更新する第2更新処理を行う第2更新処理手段と、前記第1遊技価値記憶手段に記憶した遊技価値の一部を前記携帯端末装置に移行する第2価値移行指示を前記遊技用装置から前記所定の価値移行指示として受け付ける第2価値移行指示受付手段と、前記第2価値移行指示受付手段により前記第2価値移行指示を受け付けた場合に、前記遊技用装置に対して前記遊技用装置の識別情報を含む2次元コードを発行する2次元コード発行手段と、前記2次元コードを読み取った前記携帯端末装置から該携帯端末装置に係る識別情報及び前記2次元コードに含まれる前記遊技用装置の識別情報を受信する識別情報受信手段とを備え、前記第1更新処理手段は、前記第2価値移行指示受付手段により前記第2価値移行指示を受け付けた場合に、前記第1遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値から指定数を減算処理し、前記第2更新処理手段は、前記携帯端末装置から受信した前記携帯端末装置に係る識別情報及び前記遊技用装置の識別情報に基づいて価値移行元装置及び価値移行先装置が正しいことを確認したことを条件として、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値に指定数を加算処理することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムであって、前記遊技用装置は、前記遊技価値を記憶する第1遊技価値記憶手段と、所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値を更新する第1更新処理を行う第1更新処理手段とを備え、前記管理装置は、前記携帯端末装置に係る識別情報に対応して遊技価値を記憶する第2遊技価値記憶手段と、前記所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値を更新する第2更新処理を行う第2更新処理手段と、前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値の一部を前記遊技用装置に移行する第1価値移行指示を前記所定の価値移行指示として前記携帯端末装置から受け付ける第1価値移行指示受付手段とを備え、前記携帯端末装置は、自装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記遊技用装置に移行させる価値移行数及び遊技客により入力された暗証番号を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けた価値移行数、暗証番号、自装置に係る識別情報及び価値移行先となる遊技用装置の識別情報を含む前記第1価値移行指示を行う第1価値移行指示手段とを備え、前記第2更新処理手段は、前記第1価値移行指示受付手段により前記第1価値移行指示を受け付けた場合に、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値から指定数を減算処理し、前記第1更新処理手段は、前記第1価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値に指定数を加算処理することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記管理装置は、前記第1価値移行指示受付手段により前記第1価値移行指示を受け付けた場合に、該第1価値移行指示に含まれる識別情報を有する遊技用装置に対して暗証番号を要求する暗証番号要求手段と、前記暗証番号要求手段の要求に応答して前記遊技用装置から通知される暗証番号と、前記第1価値移行指示に含まれる暗証番号とが対応することを条件として、該遊技用装置に対して前記第1価値移行指示に含まれる価値移行数を加算するよう指示する加算指示手段とをさらに備え、前記第2更新処理手段は、前記暗証番号要求手段の要求に応答して前記遊技用装置から通知される暗証番号と、前記第1価値移行指示に含まれる暗証番号とが対応することを条件として、前記第2遊技価値記憶手段に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記第1価値移行指示に含まれる価値移行数を減算処理することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムであって、前記管理装置は、第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値及び第2携帯端末装置の識別情報に対応する第2遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段と、前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値の一部を前記第2携帯端末装置に移行する所定の価値移行指示を前記携帯端末装置から受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記所定の価値移行指示を前記携帯端末装置から受け付けた場合に、前記遊技価値記憶手段に記憶された前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値の一部を減算処理するとともに、前記第2携帯端末装置の識別情報に対応する第2遊技価値に加算処理する更新処理を行う更新処理手段と、前記価値移行指示を受け付けた場合に、前記第1携帯端末装置に対して2次元コードを発行する2次元コード発行手段と、前記2次元コードを読み取った前記第2携帯端末装置から該第2携帯端末装置に係る識別情報を受信する識別情報受信手段とを備え、前記第1携帯端末装置は、自装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記第2携帯端末装置に移行させる価値移行数を受け付ける受付手段と、前記第2携帯端末装置に係る識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記受付手段により受け付けた価値移行数、自装置に係る識別情報及び前記第2携帯端末装置に係る識別情報を含む価値移行指示を前記管理装置に行う価値移行指示手段とを備え、前記更新処理手段は、前記第2携帯端末装置から該第2携帯端末装置に係る識別情報を受信したことを条件として、前記遊技価値記憶手段に記憶された前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値から前記価値移行数を減算処理するとともに、前記第2携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値に前記価値移行数を加算処理することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムにおける遊技価値管理方法であって、前記遊技用装置が、第1遊技価値記憶部に前記遊技価値を格納する第1の格納工程と、前記遊技用装置が、所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶部に記憶された遊技価値を更新する第1更新処理を行う第1更新処理工程と、前記管理装置が、第2遊技価値記憶部に前記携帯端末装置に係る識別情報に対応して遊技価値を格納する第2の格納工程と、前記管理装置が、前記所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第2遊技価値記憶部に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値を更新する第2更新処理を行う第2更新処理工程と、前記第1遊技価値記憶部に記憶した遊技価値の一部を前記携帯端末装置に移行する第2価値移行指示を前記遊技用装置から前記所定の価値移行指示として受け付ける第2価値移行指示受付工程と、前記第2価値移行指示受付工程により前記第2価値移行指示を受け付けた場合に、前記遊技用装置に対して前記遊技用装置の識別情報を含む2次元コードを発行する2次元コード発行工程と、前記2次元コードを読み取った前記携帯端末装置から該携帯端末装置に係る識別情報及び前記2次元コードに含まれる前記遊技用装置の識別情報を受信する識別情報受信工程とを含み、前記第1更新処理工程は、前記第2価値移行指示受付工程により前記第2価値移行指示を受け付けた場合に、前記第1遊技価値記憶部に記憶された遊技価値から指定数を減算処理し、前記第2更新処理工程は、前記携帯端末装置から受信した前記携帯端末装置に係る識別情報及び前記遊技用装置の識別情報に基づいて価値移行元装置及び価値移行先装置が正しいことを確認したことを条件として、前記第2遊技価値記憶部に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値に指定数を加算処理することを特徴とする。
また、本発明は、遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムにおける遊技価値管理方法であって、前記遊技用装置が、第1遊技価値記憶部に前記遊技価値を格納する第1の格納工程と、前記遊技用装置が、所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶部に記憶された遊技価値を更新する第1更新処理を行う第1更新処理工程と、前記管理装置が、第2遊技価値記憶部に前記携帯端末装置に係る識別情報に対応して遊技価値を格納する第2の格納工程と、前記管理装置が、前記所定の価値移行指示がなされた場合に、前記第2遊技価値記憶部に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値を更新する第2更新処理を行う第2更新処理工程と、前記管理装置が、前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値の一部を前記遊技用装置に移行する第1価値移行指示を前記所定の価値移行指示として前記携帯端末装置から受け付ける第1価値移行指示受付工程と、前記携帯端末装置が、自装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記遊技用装置に移行させる価値移行数及び遊技客により入力された暗証番号を受け付ける受付工程と、前記携帯端末装置が、前記受付工程により受け付けた価値移行数、暗証番号、自装置に係る識別情報及び価値移行先となる遊技用装置の識別情報を含む前記第1価値移行指示を行う第1価値移行指示工程とを含み、前記第2更新処理工程は、前記第1価値移行指示受付工程により前記第1価値移行指示を受け付けた場合に、前記第2遊技価値記憶部に記憶された前記携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値から指定数を減算処理し、前記第1更新処理工程は、前記第1価値移行指示がなされた場合に、前記第1遊技価値記憶部に記憶された遊技価値に指定数を加算処理することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、遊技店に設置され、遊技に使用可能な遊技価値を管理する管理装置と、遊技機に対応して設置され、遊技価値が関連付けられた記録媒体を取り扱う遊技用装置と、前記管理装置と通信可能であり、前記遊技価値が関連付けられた携帯端末装置とを有する遊技価値管理システムにおける遊技価値管理方法であって、前記管理装置が、第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値及び第2携帯端末装置の識別情報に対応する第2遊技価値を遊技価値記憶部に格納する格納工程と、前記管理装置が、前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値の一部を前記第2携帯端末装置に移行する所定の価値移行指示を前記携帯端末装置から受け付ける受付工程と、前記管理装置が、前記受付工程により前記所定の価値移行指示を前記携帯端末装置から受け付けた場合に、前記遊技価値記憶部に記憶された前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値の一部を減算処理するとともに、前記第2携帯端末装置の識別情報に対応する第2遊技価値に加算処理する更新処理を行う更新処理工程と、前記管理装置が、前記所定の価値移行指示を受け付けた場合に、前記第1携帯端末装置に対して2次元コードを発行する2次元コード発行工程と、前記管理装置が、前記2次元コードを読み取った前記第2携帯端末装置から該第2携帯端末装置に係る識別情報を受信する識別情報受信工程と、前記第1携帯端末装置が、自装置に係る識別情報に対応する遊技価値から前記第2携帯端末装置に移行させる価値移行数を受け付ける受付工程と、前記第1携帯端末装置が、前記第2携帯端末装置に係る識別情報を取得する識別情報取得工程と、前記第1携帯端末装置が、前記受付工程により受け付けた価値移行数、自装置に係る識別情報及び前記第2携帯端末装置に係る識別情報を含む価値移行指示を前記管理装置に行う価値移行指示工程とを含み、前記更新処理工程は、前記第2携帯端末装置から該第2携帯端末装置に係る識別情報を受信したことを条件として、前記遊技価値記憶部に記憶された前記第1携帯端末装置の識別情報に対応する第1遊技価値から前記価値移行数を減算処理するとともに、前記第2携帯端末装置に係る識別情報に対応する遊技価値に前記価値移行数を加算処理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、持玉分割等の価値移行を行う際の遊技客の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態1に係る遊技価値管理システムの概要を説明するための説明図である。
図2図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。
図3図3は、図2に示した台間カード処理機の外観を示す図である。
図4図4は、図3に示した台間カード処理機の構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、図4に示した台間カード処理機の記憶部に記憶されるデータの一例である。
図6図6は、図2に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図7図7は、図6に示した管理装置の記憶部に記憶されるデータの一例である。
図8図8は、図6に示した管理装置の記憶部に記憶されるデータの一例である。
図9図9は、図2に示した携帯端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
図10図10は、実施形態1における表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態1に係る分割処理手順を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態2に係る遊技価値管理システムの概要を説明するための説明図である。
図13図13は、実施形態2における表示画面の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態2に係る分割処理手順を示すフローチャートである。
図15図15は、実施形態3に係る遊技価値管理システムの概要を説明するための説明図である。
図16図16は、実施形態3における表示画面の一例を示す図である。
図17図17は、実施形態3に係る分割処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技価値管理システム及び遊技価値管理方法の好適な実施形態を詳細に説明する。以下に示す実施形態1では、台間カード処理機(特許請求の範囲の「遊技用装置」に対応)に記憶した持玉数の一部を携帯端末装置に持玉分割する場合について説明する。また、実施形態2では、携帯端末装置に関連付けられた持玉数の一部を台間カード処理機に持玉分割する場合について説明し、実施形態3では、第1携帯端末装置に関連付けられた持玉数を第2携帯端末装置に持玉分割する場合について説明する。なお、実施形態1~3では、装置内部に遊技玉を封入した遊技機を対象とする場合を示すとともに、遊技価値の一例として持玉数を分割処理する場合を中心に示すこととする。
【0021】
本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ賞品交換や遊技に使用することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も賞品交換や遊技に使用することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技に用いる遊技機の変更(いわゆる台移動)を行った場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
【0022】
[実施形態1]
<実施形態1に係る遊技価値管理システムの概要>
まず、本実施形態1に係る遊技価値管理システムの概要について説明する。図1は本実施形態1に係る遊技価値管理システムの概要を説明するための説明図である。遊技店には複数の遊技機20が設置されており、各遊技機20には台間カード処理機10が併設される。遊技機20は、遊技客が遊技媒体である遊技玉に触れない構造となっている封入式の遊技機であり、遊技玉を発射可能な数を遊技球数として管理する。
【0023】
遊技機20の遊技盤面に多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技盤面から排出された遊技玉は、遊技機20の内部で搬送され、再び発射に用いられる。
【0024】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸出などの処理を実行する各台装置である。遊技玉の貸出は、遊技玉を現物で払い出すのではなく、遊技機20の遊技球数を加算させることで行う。また、台間カード処理機10は、計数操作により遊技機20が管理する遊技球数を自装置が管理する持玉数に移行させることができる。
【0025】
従来の遊技価値管理システムでは、遊技客が持玉分割を行う場合、まず台間カード処理機10の表示操作部において持玉分割操作を行い、暗証番号及び分割玉数を入力し、分割元のカードを排出した後、分割先のカードを排出する。分割先のカード及び分割元のカードを遊技中の台間カード処理機10から排出しなければならず、排出された複数のカードのうち現遊技に使用する分割元のカードがいずれであるか分からなくなってしまうという問題点がある。
【0026】
そこで、本実施形態に係る遊技価値管理システムでは、遊技客が持玉分割を行う場合に、携帯端末装置110で実行される遊技アプリケーションプログラム(以下、単に「アプリ」と言う)を持玉分割の分割先とすることができるように構成している。ただし、管理装置40においては、携帯端末装置110のアプリの識別情報(以下、単に「アプリID」と言う)に対応付けて持玉数が管理されているものとする。なお、特許請求の範囲に記載された「携帯端末装置に係る遊技価値」は、本実施形態1における「携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数」に相当する。
【0027】
図1は、台間カード処理機10に記憶された持玉数「5000玉」のうちの「1000玉」を携帯端末装置110のアプリIDに分割処理する状況を示している。なお、携帯端末装置110は、遊技店の店内に設けられた無線ルータ装置90を介して管理装置40と無線通信することが可能であるものとする。
【0028】
図1に示すように、遊技客は、台間カード処理機10において持玉分割数「1000玉」を入力し、決定ボタンを押下操作し(S1)、分割先となる携帯端末装置110のアプリIDを特定する。これにより、台間カード処理機10は、管理装置40に対し持玉分割要求を行う(S2)。この持玉分割要求には、台間カード処理機10の装置ID、持玉分割数「1000玉」、携帯端末装置110のアプリIDが含まれる。なお、携帯端末装置110のアプリIDは、台間カード処理機10のかざし部に携帯端末装置110をタッチすることにより取得することができる。
【0029】
管理装置40は、台間カード処理機10の装置IDを含むQRコード(登録商標)等の2次元コードを生成し、生成した2次元コードを台間カード処理機10に対して送信し(S3)、台間カード処理機10は、持玉分割画面に2次元コードを表示する(S4)。
【0030】
遊技客は、携帯端末装置110のカメラを用いて台間カード処理機10に表示された2次元コードを読み取り(S5)、2次元コードに含まれる装置IDとともに自装置のアプリIDを管理装置40に送信する(S6)。管理装置40は、携帯端末装置110からアプリIDを受信したならば、このアプリIDと持玉分割要求されたアプリIDを比較し、両者が一致するか否かを確認する。両者が一致したならば、持玉分割先の携帯端末装置110が正しいことが分かる。また、装置IDと持玉分割元の台間カード処理機10の装置IDとを比較し、両者が一致するか否かを確認する。両者が一致したならば、持玉分割元の台間カード処理機10が正しいことが分かる。このようにして、管理装置40は、持玉分割元と持玉分割先が正しいことを確認したならば、台間カード処理機10に対して持玉分割数「1000玉」を減算するよう指示し(S7)、台間カード処理機10は持玉を減算する(S8)。管理装置40は、台間カード処理機10から完了通知を受信したならば、携帯端末装置110のアプリIDに持玉分割数「1000玉」を加算する(S9)。
【0031】
このように、本実施形態1に係る遊技価値管理システムは、遊技客が持玉分割を行う際、持玉分割の分割先となる携帯端末装置110のアプリIDに対する持玉分割を行うことができるよう構成したので、分割元カードと分割先カードが排出される事態を防ぎつつ、遊技客に対する利便性の向上を図ることができる。
【0032】
特に、親子、同僚のように複数人が連れ立って遊技店で遊技を行う場合に、ある遊技客が多量の持玉数を獲得したならば、この持玉数の一部を携帯端末装置110に持玉分割することにより、持玉分割を受けた他の遊技客が、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数を用いて遊技を行うことができる。また、ある遊技客が、5000玉の一部を再プレイしないようにするために、携帯端末装置110のアプリIDに持玉数の一部を分割することもできる。
【0033】
<システム構成>
次に、実施形態1に係る遊技価値管理システムのシステム構成について説明する。図2は、実施形態1に係る遊技価値管理システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、管理装置40と賞品管理装置60と、精算機80と、無線ルータ装置90とが接続される。
【0034】
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技玉は、現物のパチンコ玉であり、上記の遊技球数とは異なる。遊技球数は、遊技機20の記憶部に記憶されたデータであり、遊技玉の打ち出しにより減算され、遊技玉の入賞により加算される。
【0035】
遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定数が遊技球数に加算される。遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選が行われる。該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。始動口への遊技玉の通過による抽選の結果は、抽選の結果を表示する特別図柄表示装置にて表示される。特別図柄表示装置の抽選結果の表示は、所定時間の変動表示後、確定表示を行う態様で行なわれる。また、遊技盤面には、抽選の結果に基づいて所定の数字等の装飾図柄を可変表示する装飾図柄表示装置が設けられており、抽選の結果が大当りとなった場合に、例えば(7,7,7)などの揃い図柄を表示して報知を行なう。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域を設けることもできる。
【0036】
上記入賞領域には、該入賞領域への遊技玉の通過を検出するための入賞センサが設けられており、この入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知する。
【0037】
したがって、特定の入賞領域への遊技玉の通過が入賞センサにより検知されたならば、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技球数とから、付与すべき数を決定し、決定した数を遊技球に加算する。打ち込んだ遊技玉は、入賞領域を通過したか否かにかかわらず、最終的に遊技盤面裏側から遊技機外部に排出される。遊技機外部に排出された遊技玉は、遊技機ごとに付設されたアウト玉検出装置によって検出される。
【0038】
台間カード処理機10は、入金の受付、遊技玉の貸し出し、管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データを管理装置40に送信し、管理装置40が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置40に送信し、管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数を遊技球数に加算させる処理を行う。
【0039】
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置40にカード挿入通知データを送信する。台間カード処理機10は、管理装置40から持玉数を受信したならば、受信した持玉数を記憶する。そして、台間カード処理機10は、持玉数を記憶したならば、管理装置40に対して持玉減算要求データを送信することで、管理装置40が管理する持玉数をゼロにクリアする。なお、台間カード処理機10には、カードに関連付けられたプリペイド価値の残高及び貯玉数の残高が表示されるため、管理装置40から送信されるプリペイド価値の残高及び貯玉数の残高を受信する。
【0040】
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、自装置に記憶した持玉数から所定数を減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技球に加算させる処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば、管理装置40に対して貯玉再プレイ要求データを送信することで、管理装置40が管理する貯玉数から所定数を減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技球に加算させる処理を行う。
【0041】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を含む持玉加算要求データを管理装置40に送信し、管理装置40に持玉数を加算させた後、カード排出通知データを管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
【0042】
台間カード処理機10は、持玉数の一部を分割する持玉分割操作を受け付けた場合に、管理装置40に対して持玉分割要求を行い、分割先の携帯端末装置110のアプリIDを分割先とした持玉分割要求を行うこともできる。
【0043】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。管理装置40は、カードID又は携帯端末装置のアプリIDに対応付けてプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する装置である。
【0044】
管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉数を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知データに示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、管理装置40は、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0045】
管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合には、持玉数を「0」にクリアする。また、管理装置40は、台間カード処理機10から持玉加算要求データを受信した場合には、持玉加算要求データに含まれる持玉数を記憶部に記憶した持玉数に加算する。
【0046】
管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可データを台間カード処理機10に送信する。管理装置40は、貯玉再プレイ要求データを受信した場合、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0047】
管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
【0048】
管理装置40は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードID又は携帯端末装置110のアプリIDに関連付けて、貯玉数、ポイント数、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0049】
管理装置40は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードID又は携帯端末装置110のアプリIDに対応する貯玉数を賞品管理装置60に通知する。
【0050】
管理装置40は、台間カード処理機10から持玉分割要求を受け付けたならば、持玉分割待機データを生成するとともに、台間カード処理機10の装置IDを含む2次元コードを生成し、生成した2次元コードを台間カード処理機10に対して送信する。その後、この2次元コードを台間カード処理機10から読み取った携帯端末装置110からアプリIDを受信し、このアプリIDが持玉分割待機データのアプリIDと一致するならば、台間カード処理機10に対して持玉分割数を減算するよう指示するとともに、携帯端末装置110のアプリIDに持玉分割数を加算する。
【0051】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり貯玉数及び持玉数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又会員カードからカードIDを読み出した場合、若しくは、携帯端末装置110からアプリIDを取得した場合には、カードID又はアプリIDを管理装置40に送信して、該カードID又はアプリIDの持玉数を要求する。また、貯玉数を賞品交換する場合は、管理装置40に対して貯玉数を要求する。
【0052】
精算機80は、プリペイド価値が関連付けられたカードの挿入を受け付けた場合、又は、携帯端末装置110がタッチされることによりアプリIDが取得された場合に、このカードID又はアプリIDを管理装置40に送信し、その応答データを受信することにより、カードID又はアプリIDに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に応じて貨幣を払い出す。
【0053】
<台間カード処理機10の構成>
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観について説明する。図3は、台間カード処理機10の外観を示す図である。なお、図3に示した台間カード処理機10は、遊技機20に接続される装置である。また、図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
【0054】
図3に示すように、台間カード処理機10は、状態表示部11、紙幣挿入口12a、表示操作部13、カード挿入口14a及びかざし部14bを有する。状態表示部11は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する。紙幣挿入口12aは、貸出に必要な各種紙幣の挿入口である。表示操作部13は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等の操作ボタンの表示や操作ボタンによる入力操作を受け付けるデバイスである。
【0055】
カード挿入口14aは、遊技客が所持するカードの挿入を受け付けるカード挿入口である。かざし部14bは、携帯端末装置110がかざされる部位であり、かざし部14bに携帯端末装置110がかざされると、携帯端末装置110から固有ID(例えばIDm)等のデータが読み取られる。なお、この固有IDは、持玉分割を行う場合に利用されるアプリIDとは異なる。
【0056】
次に、図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、状態表示部11と、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信I/F部15と、記憶部16と、制御部17とを有する。
【0057】
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、玉貸に使用可能なプリペイド価値、持玉数、貯玉数等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受付及び持玉分割操作画面の表示等を行なうタッチパネル式の液晶ディスプレイ等の入出力装置である。
【0058】
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る装置である。カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。
【0059】
リーダライタ14は、遊技客の返却操作に応じて、カード収納部に収納されたカードにカードデータ16bに示される持玉やプリペイド価値等の価値データを関連付けて新たなカードとして発行する機能も有する。
【0060】
かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、赤外線通信などの近距離無線通信により携帯端末の固有ID(例えばIDm)等の各種情報を読み取るインターフェース部である。
【0061】
通信I/F部15は、遊技機20、島コントローラ30、管理装置40、賞品管理装置60、精算機80との間のデータ通信を行なうためのインターフェース部である。なお、台間カード処理機10は、携帯端末装置110と直接通信を行わないものとする。
【0062】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a、カードデータ16b、持玉分割数データ16c、2次元コードデータ16d及び暗証番号データ16eを記憶する。
【0063】
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機の装置IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機の装置IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別データである。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数の貸出レートの持玉を扱う場合には、1玉4円の貸出レートの持玉に「玉1」、1玉2円の貸出レートの持玉に「玉2」、1玉1円の貸出レートの持玉に「玉3」というように、貸出レート毎に遊技種名を設定して管理する。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用する貸出レートを選択して、遊技設定として記憶する。
【0064】
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bは、カードID、持玉数が含まれる。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。カードが一般カードである場合には、図示しないカード保持部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カードが一般カードである場合には、カード挿入口14aから図示しないカード保持部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。カードが会員カードである場合には、カード挿入口14aから受け付けられたカードはリーダライタ14の位置に保持された状態でデータの読み取り、更新等の処理が行われる。また、携帯端末装置110をかざし部14bでタッチ操作を受け付けることにより、会員カードとして使用可能である。
【0065】
持玉分割数データ16cは、持玉分割処理を実行する場合に使用されるデータであり、アプリIDと、持玉分割数とを含む。アプリIDは、携帯端末装置110にインストールされた遊技用アプリのIDである。持玉分割数は、台間カード処理機10に記憶する持玉数のうち携帯端末装置110に分割する持玉数である。
【0066】
2次元コードデータ16dは、管理装置40から受信した台間カード処理機10の装置IDの情報を含むデータである。この2次元コードデータ16dは表示操作部13に表示される。暗証番号データ16eは、持玉分割処理時に遊技客により入力された暗証番号のデータである。
【0067】
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、遊技設定処理部17b、カードデータ通知部17c、持玉管理部17d、持玉分割処理部17eを有する。
【0068】
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ16aの装置IDと、カードデータ16bのカードIDとを含むカード挿入通知データを管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、管理装置40から持玉数のデータを受信した場合に、受信した持玉数とカードIDによりカードデータ16bを更新する。データ管理部17aは、カードデータ16bに含まれる持玉数を適宜表示操作部13に表示制御する。
【0069】
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aから紙幣を受け付けた場合に、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機10の装置IDを含む入金通知データを管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、遊技客による玉貸操作を受け付けた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求データを管理装置40に送信する。この玉貸要求データへの応答として玉貸許可データを受信したならば、データ管理部17aは、所定数の玉数を遊技球数に加算するよう遊技機20に指示する。
【0070】
また、データ管理部17aは、遊技客による持玉再プレイ操作を受け付けた場合には、カードデータ16b内の持玉数から所定数を減算し、対応する数を遊技球数に加算するよう遊技機20に指示する。
【0071】
また、データ管理部17aは、遊技客によるカード返却操作を受け付けた場合に、カードID、装置ID並びに持玉数を含む持玉加算要求データを管理装置40に送信し、カードデータ16bの持玉数をゼロにクリアした後、カード排出通知データを管理装置40に送信し、カードを排出する。
【0072】
また、データ管理部17aは、一般カードの持玉とプリペイド価値が0になった場合には、カードデータ16bのカードIDを含む一般カード使切データを管理装置40に送信する。遊技設定処理部17bは、自装置状態データ16aの遊技設定に設定された現在の遊技種に対応するレートを表示操作部13に表示する。
【0073】
カードデータ通知部17cは、遊技の開始時にカードデータ16bのカードIDを遊技機20に通知する処理部である。遊技機20は、通知されたカードIDを遊技球と対応付けて管理し、遊技球がゼロとならない限りカードIDの変更を禁止する。
【0074】
したがって、遊技客が一般カード又は会員カード(すなわち、持玉やプリペイド価値が関連付けられたカード)を台間カード処理機10に挿入して遊技を開始した場合には、カードデータ通知部17cは、挿入されたカードのカードIDを遊技球に対応付ける識別情報として遊技機20に通知することになる。
【0075】
また、遊技客が入金及び玉貸操作により遊技を開始した場合には、カードデータ通知部17cは、自装置の内部にストックしていたカードから読み出されたカードIDを遊技球に対応付ける識別情報として遊技機20に通知することになる。持玉管理部17dは、記憶部16に記憶したカードデータ16bを用いて遊技客の持玉数を管理する管理部である。
【0076】
持玉分割処理部17eは、遊技客の操作を受けて、持玉数の分割処理を行う処理部であり、持玉分割要求部17e1と、2次元コード表示部17e2と、持玉減算処理部17e3とを有する。
【0077】
持玉分割要求部17e1は、表示操作部13から遊技客の持玉分割操作を受け付けたならば、管理装置40に持玉分割要求の送信処理を行う。2次元コード表示部17e2は、管理装置40から受け付けた2次元コードを表示操作部13に表示する。持玉減算処理部17e3は、カードデータ16b内の持玉数から持玉分割数データ16cの持玉分割数を減算する。
【0078】
次に、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例について説明する。図5は、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
【0079】
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の装置IDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
【0080】
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」である状態を示している。また、カードデータ16bは、プリペイド価値が「2000度数」である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数は、1度数が1円相当である。また、カードデータ16bは、玉1の持玉数が「5000玉」、玉2の持玉数が「0玉」、玉3の持玉数が「0玉」である状態を示している。
【0081】
また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、玉1の貯玉数が「0玉」であり、玉2の貯玉数が「0玉」であり、玉3の貯玉数が「0玉」である状態を示している。
【0082】
図5(c)に示す持玉分割数データ16cは、台間カード処理機10のかざし部14bにより読み取られた携帯端末装置110のアプリIDが「AAAA」である状態を示している。また、持玉分割数データ16cは、玉1が「1000玉」、玉2が「0玉」、玉3が「0玉」である状態を示している。
【0083】
<管理装置40の構成>
次に、図2に示した管理装置40の構成について説明する。図6は、図2に示した管理装置40の構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、管理装置40は、表示部41、入力部42、通信インターフェース部43、記憶部44及び制御部45を有する。
【0084】
表示部41は、液晶ディスプレイ装置、有機EL等の表示デバイスである。入力部42は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。インターフェース部43は、通信回線を介して島コントローラ30、賞品管理装置60、精算機80及び無線ルータ装置90と通信するためのインターフェース部である。
【0085】
記憶部44は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技種設定データ44a、カード管理データ44b、装置管理データ44c、持玉分割待機データ44d、会員管理データ44e及び2次元コードデータ44f等を記憶する。
【0086】
遊技種設定データ44aは、各台間カード処理機10の貸出レートに関するデータである。この遊技種設定データ44aには、玉又はメダルの種別を含めることもできる。カード管理データ44bは、カード及びアプリに関連付けられたプリペイド価値、遊技種ごとの持玉数、使用先装置ID(台間カード処理機10の装置ID)を含むデータである。
【0087】
装置管理データ44cは、遊技店に配置された各種装置に関するデータであり、台間カード処理機10の装置ID、設置場所、台間カード処理機10に併設された遊技機20の遊技機ID、機種データ及び稼働状況が含まれる。
【0088】
持玉分割待機データ44dは、台間カード処理機10から受信した持玉分割要求内の情報を含むデータである。台間カード処理機10から持玉分割要求を受け付けた場合に、2次元コードの送信及び携帯端末装置110のアプリIDの受信などの処理を行う必要があるため、一時的に持玉分割要求に含まれる情報を持玉分割待機データ44dとして記憶部44に記憶する。この持玉分割待機データ44dには、持玉分割要求を受け付けた持玉分割受付日時、分割元情報、分割先情報、台間カード処理機10の装置ID、暗証番号、台間カード処理機10に記憶された持玉数、持玉分割数、未処理又は処理済みのステータスが含まれる。なお、本実施形態1では、台間カード処理機10に記憶された持玉数の一部を携帯端末装置110に持玉分割を行うため、分割元情報は「-(空情報)」となる。
【0089】
会員管理データ44eは、会員に発行した会員カードのカードID又は携帯端末装置110のアプリIDに対し、氏名、貯玉、携帯IDm、住所、電話番号、遊技の履歴等を関連付けたデータである。遊技の履歴には、入金の履歴、遊技時間の履歴、差玉の履歴などが含まれる。2次元コードデータ44fは、持玉分割処理時に台間カード処理機10の表示操作部13に表示され、携帯端末装置110のカメラにより読み取られる2次元コードのデータである。
【0090】
制御部45は、管理装置40の全体を制御する制御部であり、遊技種設定管理部45a、カード管理部45b、装置管理部45c、持玉分割待機処理部45d、2次元コード生成処理部45e、2次元コード送信処理部45f及び持玉分割処理部45gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、遊技種設定管理部45a、カード管理部45b、装置管理部45c、持玉分割待機処理部45d、2次元コード生成処理部45e、2次元コード送信処理部45f及び持玉分割処理部45gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0091】
遊技種設定管理部45aは、遊技店において使用される遊技種すなわち貸出レートと表示名とを対応付けて遊技種設定データ44aとして管理する処理部である。
【0092】
カード管理部45bは、カード管理データ44bを用いてカード情報を管理する管理部である。具体的には、カード管理部45bは、カードIDの使用先となる台間カード処理機10の装置ID(使用先装置ID)、カードID、持玉数を管理する。台間カード処理機10からカード挿入通知データを受け付けたならば、カード挿入通知データに含まれるカードIDに関連付けられた持玉数を台間カード処理機10に通知する。カード管理部45bは、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信したならば、持玉減算要求データに示された貸出レートの持玉数をゼロにクリアする。
【0093】
カード管理部45bは、台間カード処理機10からカードIDを含む玉貸要求データを受信したならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値が所定値(例えば、「500」)以上であるか否かを判定する。プリペイド価値が所定値以上である場合には、カード管理部45bは、カード管理データ44bに記憶されるプリペイド価値から所定値を減算して、台間カード処理機10に玉貸許可データを送信する。一方、プリペイド価値が所定値以下である場合には、カード管理部45bは、台間カード処理機10に玉貸不可データを通知する。
【0094】
カード管理部45bは、台間カード処理機10から投入された貨幣の金額、カードID及び装置IDを含む入金通知データを受信したならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値に対して入金通知に示された金額分のプリペイド価値を加算する。
【0095】
カード管理部45bは、携帯端末装置110からプリペイド価値の使用通知を受け付けたならば、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられたプリペイド価値から、使用通知に示された金額分のプリペイド価値を減算する。
【0096】
カード管理部45bは、カード返却に伴う持玉加算要求データを受信したならば、該当するレートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。また、カード管理部45bは、カード排出通知データを受信したならば、該カードIDの使用先装置IDを消去する。
【0097】
カード管理部45bは、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられた各レートの持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。また、カード管理部45bは、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
【0098】
装置管理部45cは、装置管理データ44cを用いて装置データを管理する処理部である。具体的には、装置管理部45cは、台間カード処理機10から取得した装置ID、台間カード処理機10の設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ44cの生成と更新とを行う。
【0099】
持玉分割待機処理部45dは、台間カード処理機10から持玉分割要求を受け付けた場合に、2次元コードの送信及び携帯端末装置110のアプリIDの受信などの処理を行う必要があるため、一時的に持玉分割要求に含まれる情報を含む持玉分割待機データ44dを生成して記憶部44に格納する処理部である。
【0100】
2次元コード生成処理部45eは、台間カード処理機10から持玉分割要求を受け付けた場合に、台間カード処理機10に表示するための2次元コードデータ44fを生成する処理部である。2次元コード送信処理部45fは、2次元コード生成処理部45eにより生成された2次元コードデータ44fを持玉分割要求元の台間カード処理機10に対して送信する処理部である。
【0101】
持玉分割処理部45gは、携帯端末装置110からアプリIDを受け付けた場合に、持玉分割要求元の台間カード処理機10に対して持玉分割数の減算指示を行うとともに、携帯端末装置110のアプリIDに対して持玉分割数を加算する処理部である。この持玉分割処理部45gの処理により、台間カード処理機10に記憶した持玉数の一部が携帯端末装置110のアプリIDに移行される。
【0102】
次に、図6に示した管理装置40の記憶部44に記憶されたデータの一例について説明する。図7図8は、管理装置40の記憶部44に記憶されたデータの一例を説明するための説明図である。
【0103】
図7(a)に示す遊技種設定データ44aは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ44aは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ44aは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。
【0104】
図7(b)に示すカード管理データ44bは、「N0.1」のIDが「2002」であり、種別が「カード会員」であり、プリペイド価値「2000」、玉1の持玉数「0」と、玉2の持玉数「0」と、玉3の持玉数「0」とが関連付けられている。すなわち、カードID「2002」のカードは、台間カード処理機10の装置ID「3001」で使用されているため、持玉数が台間カード処理機10に移行されている。
【0105】
また、図7(b)に示すカード管理データ44bでは、「No.7」のID「AAAA」であり、種別が「アプリ会員」であり、プリペイド価値「0」、玉1の持玉数「1000」、玉2の持玉数「0」、玉3の持玉数「0」、使用先装置ID「-」が関連付けられている。
【0106】
図7(c)に示す装置管理データ44cは、ID「3001」の台間カード処理機10の設置場所が「島1-1」であり、接続された遊技機20のIDが「P001」であり、遊技種が「玉3」であり、併設される遊技機20のIDが「P001」であり、遊技種が「玉1」であり、機種が「EV01」であり、稼働状況が「使用中」である状態を示している。
【0107】
図8に示す持玉分割待機データ44dは、台間カード処理機10からの持玉分割要求日時が「2020/1/1 14:45」であり、分割元情報は入力されておらず、分割先情報としての分割先ID「AAAA」、媒体「アプリ」が対応付けられている。また、台間カード処理機10の装置IDが「3001」であり、暗証番号が「7777」であり、台間カード処理機10の持玉数が「5000」であり、持玉分割数が「1000」であり、ステータスが「未」である状況を示している。なお、分割元情報が入力されていない理由は、台間カード処理機10内に持玉数が記憶されており、現時点でカード又は携帯端末装置110のアプリに関連付けられていないためである。
【0108】
次に、図2に示した携帯端末装置110の内部構成について説明する。図9は、図2に示した携帯端末装置110の構成を示す機能ブロック図である。携帯端末装置110は、携帯電話、スマートフォン又はタブレットなどの端末装置であり、表示操作部111、スピーカ112、通信部113、カメラ114、記憶部115及び制御部116などを有する。
【0109】
表示操作部111は、例えばタッチパネルディスプレイのように表示出力や操作入力を行う入出力部である。スピーカ112は、音声出力を行う出力インターフェースである。通信部113は、無線通信を利用してデータの送受信を行うWi-Fi(登録商標)により管理装置40との通信を行うインターフェース部である。なお、遊技店の外部に設けられた無線基地局を介して3G通信、LTE通信、5G通信を行う通信部も設けられるが、ここではその説明を省略する。カメラ114は、CCD(Charge Coupled Device)により画像又は映像を撮像する撮像部である。遊技アプリケーションが実行されている場合には、このカメラ114を介して2次元コードを読み取ることができる。
【0110】
記憶部115は、不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技アプリケーションプログラム115a及びアプリID115bなどを記憶する。なお、遊技アプリケーションプログラムとは、すでに説明した持玉分割時に用いられる。
【0111】
遊技アプリケーションプログラム115aは、会員カード機能や持玉分割など遊技に関する処理を実行するプログラムである。アプリID115bは、携帯端末装置110を会員カードの機能の代替として使用する場合に、携帯端末装置110と管理装置40間で通信を行うことで価値管理を行うために、各携帯端末装置110を特定するためのIDである。
【0112】
制御部116は、携帯端末装置110の全体制御を行う制御部であり、記憶部115から遊技アプリケーションプログラム115aを読み出して実行することにより、会員カード機能部116a、2次元コード読取部116b及びアプリID送信部116cなどの機能を実現する。
【0113】
会員カード機能部116aは、遊技店内において、携帯端末装置110を会員カードの代替として使用可能とする機能部である。具体的には、会員カード機能部116aは、記憶部115からアプリID115bを読み出し、無線ルータ装置90を介して管理装置40にアプリIDを送信することにより、携帯端末装置110を会員カードの代替として動作させる。
【0114】
2次元コード読取部116bは、台間カード処理機10の表示操作部13に表示された2次元コードをカメラ114によって撮像し、読み取る処理部である。アプリID送信部116cは、通信部113を通じて管理装置40にアプリIDを送信する処理部である。
【0115】
次に、図1に示した台間カード処理機10から携帯端末装置110に持玉分割を行う場合の画面表示の一例について説明する。図10は、台間カード処理機10から携帯端末装置110に持玉分割を行う場合の台間カード処理機10及び携帯端末装置110に表示する画面の一例である。
【0116】
図10(a)に示すように、台間カード処理機10において持玉分割操作を行う場合には、台間カード処理機10の表示操作部13に持玉分割数の入力画面を表示する。ここでは、「1000玉」が入力された状況を示している。そして、持玉分割先の携帯端末装置110のアプリIDが特定されていたならば、決定ボタンの押下操作により、管理装置40に対して持玉分割要求が行われる。
【0117】
また、図10(b)に示すように、台間カード処理機10が管理装置40から2次元コードを受信したならば、台間カード処理機10の表示操作部13に2次元コードを表示する。また、図10(c)に示すように、管理装置40において携帯端末装置110のアプリIDに対する持玉加算が完了したならば、携帯端末装置110の表示操作部111に現在の持玉数が表示される。ここでは、「1000玉」である場合を示している。
【0118】
<実施形態1に係る持玉分割の処理手順>
次に、実施形態1に係る持玉分割の処理手順について説明する。図11は、実施形態1に係る持玉分割の処理手順を示すフローチャートである。
【0119】
図11に示すように、台間カード処理機10は、持玉分割操作の受付待ちの状態にあり(ステップS101;No)、持玉分割操作を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、持玉分割数の入力を受け付けるとともに、携帯端末装置110のアプリIDを取得し、台間カード処理機10の装置ID、持玉分割数「1000玉」、携帯端末装置110のアプリIDを含む持玉分割要求を管理装置40に対して行う(ステップS102)。
【0120】
管理装置40は、持玉分割要求の受付待ちの状態にあり(ステップS103;No)、持玉分割要求を受け付けたならば(ステップS103;Yes)、台間カード処理機10の装置IDを関連付けた2次元コードを生成して、台間カード処理機10に対し送信する(ステップS104)。台間カード処理機10は、管理装置40から2次元コードを受信したならば、受信した2次元コードを表示操作部13に表示する(ステップS105)。
【0121】
携帯端末装置110は、持玉分割元である台間カード処理機10の表示操作部13に表示された2次元コードを撮像して読み取ったならば(ステップS106;Yes)、管理装置40に対してアプリIDを送信する(ステップS107)。
【0122】
管理装置40は、携帯端末装置110からアプリIDを受信したならば、受信したアプリIDと持玉分割待機データ44d内のアプリIDとが一致するか否かを判定する。正しい携帯端末装置110に持玉分割しようとしているか否かを確認するためである。その結果、両アプリIDが一致したならば、台間カード処理機10に対して持玉減算指示を行う(ステップS108)。
【0123】
台間カード処理機10は、管理装置40からの持玉減算指示に応答して持玉数の減算処理を行い(ステップS109)、減算処理を終えたならば、管理装置40に対して完了通知を行うとともに(ステップS110)、減算後の持玉数を表示して(ステップS111)、処理を終了する。
【0124】
管理装置40は、台間カード処理機10から完了通知を受信したならば、携帯端末装置110のアプリIDに持玉分割数を加算処理し(ステップS112)、携帯端末装置110に完了通知を行う(ステップS113)。この完了通知には、アプリIDに関連付けられた持玉数が含まれる。携帯端末装置110は、表示操作部111に持玉数を表示して(ステップS114)、処理を終了する。
【0125】
上述してきたように、本実施形態1では、台間カード処理機10に記憶した持玉数の一部を携帯端末装置110のアプリIDに持玉分割するよう構成したので、持玉分割を行う場合の遊技客の利便性を向上させることができる。
【0126】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、台間カード処理機10に記憶した持玉数の一部を携帯端末装置110のアプリIDに持玉分割する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数の一部を台間カード処理機10に持玉分割することもできる。このため、本実施形態2では、かかる場合について説明する。なお、実施形態1と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0127】
まず、本実施形態2に係る遊技価値管理システムの概要について説明する。図12は本実施形態2に係る遊技価値管理システムの概要を説明するための説明図である。図12は、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数「5000玉」のうちの「1000玉」を台間カード処理機10に分割処理する状況を示している。
【0128】
図12に示すように、遊技客は、携帯端末装置110に対して所定の操作を行ったならば、管理装置40に対して携帯端末装置110のアプリIDが通知され(S21)、管理装置40は、アプリIDに関連付けられた持玉数を携帯端末装置110に送信する(S22)。これにより、携帯端末装置110上に現在の持玉数が表示され(S23)、遊技客は、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数を確認することができる。
【0129】
ここで、遊技客が、携帯端末装置110上で持玉分割数「1000玉」と暗証番号「1234」を受け付け(S24)、持玉分割先の台間カード処理機10の装置IDを特定したならば、管理装置40に対して持玉分割要求を行う(S25)。この持玉分割要求には、携帯端末装置110のアプリID、台間カード処理機10の装置ID、持玉分割数「1000玉」、暗証番号などが含まれる。
【0130】
管理装置40は、携帯端末装置110から持玉分割要求を受け付けたならば、台間カード処理機10に対して暗証番号を要求し(S26)、台間カード処理機10Bが遊技客により入力された暗証番号を送信する(S27)。この暗証番号が、持玉分割要求に含まれる暗証番号と一致したならば、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数から持玉分割数を減算した後(S28)、台間カード処理機10に対して持玉加算指示を行う(S29)。台間カード処理機10は、管理装置40から持玉加算指示を受け付けたならば、持玉数に持玉分割数を加算する(S30)。
【0131】
上記一蓮の処理を行うことにより、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数の一部を台間カード処理機10に分割処理することができるため、遊技客の利便性を向上させることができる。
【0132】
次に、本実施形態2に係る画面表示の一例について説明する。図13は、本実施形態2における台間カード処理機10及び携帯端末装置110に表示する画面の一例を示す図である。図13(a)に示すように、携帯端末装置110の表示操作部111において、持玉分割操作を行う場合に、現在の持玉数「5000玉」が表示される。
【0133】
図13(b)に示すように、携帯端末装置110の表示操作部111において、遊技客が持玉分割設定処理を行う場合には、持玉分割数「1000玉」、暗証番号「1234」を入力して決定ボタンが押下される。なお、ここでは図示省略したが、持玉分割先となる台間カード処理機10の装置IDをこの画面上で入力することもできる。
【0134】
図13(c)に示すように、台間カード処理機10の表示操作部13において、分割先特定のための暗証番号の確認を行う場合には、持玉分割待機中の文言とともに暗証番号の入力を促す画面が表示される。遊技客は、この画面上で暗証番号「1234」を入力すると、暗証番号が管理装置40に送信される。
【0135】
図13(d)に示すように、管理装置40より持玉分割が完了したならば、携帯端末装置110の表示操作部111に、持玉分割数を減算した後の持玉数が表示される。
【0136】
次に、実施形態2に係る持玉分割の処理手順について説明する。図14は、実施形態2に係る持玉分割の処理手順を示すフローチャートである。図14に示すように、携帯端末装置110は、持玉分割操作の受付待ちの状態にあり(ステップS201;No)、持玉分割操作を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、管理装置40に対してアプリIDを送信する(ステップS202)。管理装置40は、アプリIDを受信したならば(ステップS203;Yes)、持玉情報を携帯端末装置110に送信する(ステップS204)。
【0137】
携帯端末装置110は、表示操作部13の画面上に持玉数を表示するとともに(ステップS205)、持玉分割数、持玉分割先となる台間カード処理機10の装置ID(台番号)及び暗証番号を受け付け(ステップS206)、管理装置40に対して持玉分割要求を行う(ステップS207)。この持玉分割要求には、携帯端末装置110のアプリID、台間カード処理機10の装置ID、持玉分割数及び暗証番号が含まれる。
【0138】
管理装置40は、携帯端末装置110から持玉分割要求を受け付けたならば、アプリID、台間カード処理機10の装置ID、持玉分割数及び暗証番号を関連付けて持玉分割待機データとして記憶し(ステップS208)、台間カード処理機10に対して暗証番号を要求する(ステップS209)。
【0139】
台間カード処理機10は、管理装置40から暗証番号の要求を受け付けたならば(ステップS210;Yes)、暗証番号入力画面を表示操作部13に表示し(ステップS211)、暗証番号の入力を受け付けたならば(ステップS212;Yes)、管理装置40に対して暗証番号を送信する(ステップS213)。
【0140】
管理装置40は、台間カード処理機10から暗証番号を受信したならば、この暗証番号が持玉分割待機データの暗証番号と一致するか否かを判定し(ステップS214)、両者が一致しない場合には(ステップS214;No)、S209に移行して暗証番号の再要求を行う。なお、所定の回数不一致であれば、エラー処理を行う。
【0141】
これに対して、暗証番号が一致した場合には(ステップS214;Yes)、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数から持玉分割数を減算処理するとともに(ステップS215)、台間カード処理機10に対して持玉加算指示を行う(ステップS216)。この持玉加算指示には、持玉分割数が含まれる。
【0142】
台間カード処理機10は、管理装置40から持玉加算指示を受け付けたならば、持玉数に持玉分割数を加算処理し(ステップS217)、管理装置40に完了通知を行うとともに(ステップS218)、持玉数を表示操作部13に表示する(ステップS219)。
【0143】
管理装置40は、台間カード処理機10から完了通知を受信したならば、携帯端末装置110に完了通知を行う(ステップS220)。この完了通知には、減算処理後の持玉数が含まれる。携帯端末装置110は、完了通知を受け取ったならば、持玉数を表示操作部111に表示する(ステップS221)。
【0144】
上述してきたように、本実施形態2では、携帯端末装置110のアプリIDに関連付けられた持玉数の一部を台間カード処理機10に持玉分割するよう構成したので、遊技客の利便性を向上させることができる。
【0145】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態1及び2では、台間カード処理機10と携帯端末装置110との間で持玉分割する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2台の携帯端末装置相互間で持玉分割することもできる。このため、本実施形態3では、かかる場合について説明する。なお、実施形態1と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0146】
まず、本実施形態3に係る遊技価値管理システムの概要について説明する。図15は本実施形態3に係る遊技価値管理システムの概要を説明するための説明図である。図15は、携帯端末装置110AのアプリIDに関連付けられた持玉数「5000玉」のうちの「1000玉」を携帯端末装置110Bに分割処理する状況を示している。
【0147】
図15に示すように、遊技客は、携帯端末装置110Aに対して所定の操作を行ったならば、管理装置40に対して携帯端末装置110AのアプリIDが通知され(S41)、管理装置40は、アプリIDに関連付けられた持玉数を携帯端末装置110Aに送信する(S42)。これにより、携帯端末装置110A上に現在の持玉数が表示され(S43)、遊技客は、携帯端末装置110AのアプリIDに関連付けられた持玉数を確認することができる。
【0148】
ここで、遊技客が、分割先の携帯端末装置110BのアプリIDを取得するとともに(S44)、携帯端末装置110A上で持玉分割数「1000玉」を受け付けたならば(S45)、管理装置40に対して持玉分割要求を行う(S46)。この持玉分割要求には、携帯端末装置110AのアプリID、携帯端末装置110BのアプリID、持玉分割数「1000玉」などが含まれる。
【0149】
管理装置40は、携帯端末装置110Aから持玉分割要求を受け付けたならば、持玉分割要求に含まれる携帯端末装置110AのアプリID、携帯端末装置110BのアプリID、持玉分割数などを持玉分割待機データとして一時記憶するとともに、2次元コードを生成して携帯端末装置110Aに送信する(S47)。
【0150】
携帯端末装置110Aは、管理装置40から2次元コードを受信したならば、表示操作部111に2次元コードを表示する(S48)。携帯端末装置110Bは、携帯端末装置110Aに表示された2次元コードを読み取り(S49)、自装置のアプリIDを管理装置40に通知する。
【0151】
管理装置40は、携帯端末装置110Bから受信したアプリIDが、持玉分割待機データ内の持玉分割先のアプリIDと一致する場合には、持玉分割元の携帯端末装置110AのアプリIDの持玉数から持玉分割数を減算処理した後(S51)、持玉分割先の携帯端末装置110BのアプリIDの持玉数に持玉分割数を加算処理する(S52)。
【0152】
上記一蓮の処理を行うことにより、携帯端末装置110AのアプリIDに関連付けられた持玉数の一部を携帯端末装置110Bに分割処理することができるため、遊技客の利便性を向上させることができる。
【0153】
次に、本実施形態3に係る画面表示の一例について説明する。図16は、本実施形態3に係る画面の一例を示す図である。図16(a)に示すように、携帯端末装置110Aの表示操作部111において、持玉分割操作を行う場合に、現在の持玉「5000玉」が表示される。
【0154】
図16(b)に示すように、携帯端末装置110Aの表示操作部111において、遊技客が持玉分割数を設定する場合には、持玉分割数「1000玉」が入力され決定ボタンが押下される。
【0155】
図16(c)に示すように、携帯端末装置110Aが管理装置40から2次元コードを受信したならば、携帯端末装置110Aの表示操作部111に2次元コードが表示される。図16(d)に示すように、持玉分割処理を終了したならば、携帯端末装置110Aの表示操作部111において、現在の持玉数「1000玉」が表示される。
【0156】
次に、実施形態3に係る持玉分割の処理手順について説明する。図17は、実施形態3に係る持玉分割の処理手順を示すフローチャートである。図17に示すように、携帯端末装置110Aは、持玉分割操作の受付待ちの状態にあり(ステップS301;No)、持玉分割操作を受け付けたならば(ステップS301;Yes)、管理装置40に対してアプリIDを送信する(ステップS302)。管理装置40は、アプリIDを受信したならば(ステップS303;Yes)、持玉情報を携帯端末装置110Aに送信する(ステップS304)。
【0157】
携帯端末装置110Aは、表示操作部13の画面上に持玉数を表示するとともに(ステップS305)、例えば近距離無線通信などを用いて持玉分割先となる携帯端末装置110BのアプリIDを取得する(ステップS306)。その後、持玉分割数を受け付け(ステップS307)、管理装置40に対して持玉分割要求を行う(ステップS308)。この持玉分割要求には、携帯端末装置110AのアプリID、携帯端末装置110AのアプリID、持玉分割数が含まれる。
【0158】
管理装置40は、携帯端末装置110Aから持玉分割要求を受け付けたならば、携帯端末装置110AのアプリID、携帯端末装置110AのアプリID、持玉分割数を関連付けて持玉分割待機データとして記憶し(ステップS309)、2次元コードを生成して携帯端末装置110Aに送信する(ステップS310)。
【0159】
携帯端末装置110Aは、管理装置40から2次元コードを受信したならば、2次元コードを表示操作部111に表示する(ステップS311)。携帯端末装置110Bが、携帯端末装置110Aの表示操作部111に表示された2次元コードを読み取ったならば(ステップS312;Yes)、自装置のアプリIDを管理装置40に送信する(ステップS313)。
【0160】
管理装置40は、携帯端末装置110Bから受信したアプリIDが、持玉分割待機データに含まれる持玉分割先のアプリIDと一致する場合には、持玉分割元の携帯端末装置110AのアプリIDに関連付けられた持玉数から持玉分割数を減算処理した後に(ステップS314)、持玉分割先の携帯端末装置110BのアプリIDに関連付けられた持玉数に持玉分割数を加算処理し(ステップS315)、携帯端末装置110A及び携帯端末装置110Bに完了通知を行う(ステップS316)。携帯端末装置110A及び携帯端末装置110Bは、それぞれの持玉数を表示して(ステップS317、318)、処理を終了する。
【0161】
上述してきたように、本実施形態3では、携帯端末装置110AのアプリIDに関連付けられた持玉数の一部を携帯端末装置110Bに持玉分割するよう構成したので、遊技客の利便性を向上させることができる。
【0162】
なお、上記の実施形態1~3では、持玉を分割する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリペイド価値を分割対象とすることもできる。また、上記の実施形態1~3では、持玉を分割する場合に持玉分割数に制限を行わなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、一回に行える持玉分割数に上限値を設けるよう構成してもよい。
【0163】
また、上記の実施形態1~3では、遊技球を遊技媒体として用い、遊技球を遊技盤面に打ち込んで遊技を行うパチンコ遊技機を例に説明を行ったが、遊技媒体としてメダルを用いる回胴式遊技機、いわゆるスロットマシンも適用することも可能である。
【0164】
また、上記の実施形態1~3では、封入式の管理遊技機について取り扱うよう構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各台計数機能を有する遊技機を対象とすることもできる。
【0165】
また、上記の実施形態1~3では、店舗内の無線LAN(店内のWi-Fi(登録商標))を用いて携帯端末装置110が管理装置40と通信を行う場合を示したが、この店内のWi-Fi以外のインターネット回線を介して携帯端末装置110から管理装置40にアクセスさせる状況を制限することが望ましい。店舗外に所在する第三者が、携帯端末装置110のアプリから持玉分割などを行うことが可能となり、トラブルが生ずる可能性があるためである。また、持玉の店外への持ち出しを制限するうえでも、店内のWi-Fiのみを可能にすることが望ましい。
【0166】
ただし、店内Wi-Fiが設けられていない場合には、インターネット回線を介して携帯端末装置110から管理装置40に対するアクセスを許容するよう構成することもできる。かかる場合には、例えば携帯端末装置110から管理装置40にアクセスする際にGPS(Global Positioning System)情報などを通知させ、このGPS情報に基づいて遊技店から離隔した場所に位置する携帯端末装置110からのアクセスを制限する等の措置を講ずることができる。
【0167】
また、上記の実施形態1~3で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明に係る遊技価値管理システム及び遊技価値管理方法は、遊技客の利便性を向上する場合に適している。
【符号の説明】
【0169】
10 台間カード処理機
11 状態表示部
12 紙幣運送部
12a 紙幣挿入口
13、111 表示操作部
14 リーダライタ
14a カード挿入口
14b かざし部
15 通信I/F部
16、44、115 記憶部
16a 自装置状態データ
16b カードデータ
16c 持玉分割数データ
16d 2次元コードデータ
16e 暗証番号データ
16f 持玉分割データ
17、45、116 制御部
17a データ管理部
17b 遊技設定処理部
17c カードデータ通知部
17d 持玉管理部
17e 持玉分割処理部
17f、116c 持玉分割要求送信部
17g 2次元コード表示部
17h 暗証番号入力画面表示部
20 遊技機
30 島コントローラ
40 管理装置
41 表示部
42 入力部
43 インターフェース部
44a 遊技種設定データ
44b カード管理データ
44c 装置管理データ
44d 持玉分割待機状態データ
44e 会員管理データ
44f 2次元コードデータ
44g 持玉分割データ
45a 遊技種設定管理部
45b カード管理部
45c 装置管理部
45d 持玉分割待機状態処理部
45e 2次元コード生成処理部
45f 2次元コード送信処理部
45g 持玉分割処理部
45h 持玉分割完了通知部
60 賞品管理装置
80 精算機
110 携帯端末装置
112 スピーカ
113 通信部
114 カメラ
115a 遊技アプリケーションプログラム
115b アプリID
116a 会員カード機能部
116b 2次元コード読取部
116c アプリID送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17