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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】検査用照明システム及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20231218BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231218BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20231218BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20231218BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231218BHJP
   F21Y 105/18 20160101ALN20231218BHJP
【FI】
H05B47/165
F21S2/00 233
F21S2/00 600
H05B47/155
H05B47/16
F21Y115:10
F21Y105:18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020071267
(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公開番号】P2021168267
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】倉野 一俊
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-112479(JP,A)
【文献】特開2008-122198(JP,A)
【文献】特開2014-209068(JP,A)
【文献】特開2014-056670(JP,A)
【文献】特開平06-290877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/165
F21S 2/00
H05B 47/155
H05B 47/16
F21Y 115/10
F21Y 105/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別に調光可能な複数の発光領域を備え、各発光領域が、複数のステップから成る所定の発光シーケンスに従って互いに独立して発光するように構成された検査用照明装置と、
前記各発光領域の前記ステップ毎に設定されている発光態様を、前記発光領域を縦軸及び横軸の一方に取り、前記ステップを前記縦軸及び前記横軸の他方に取るマトリクスで画面に一覧表示する表示部とを備え、
前記表示部が、
前記マトリクスの各位置にバーをそれぞれ表示し、各バーの態様によって、その位置が示すステップ及び発光領域での発光態様を表現し、
前記発光態様として、少なくとも、
前記バーの色により前記発光領域の調光値を表現する、
前記バーの長さにより前記発光領域の発光時間を表現する、又は
前記バーの端部の位置により前記発光領域の発光遅延時間を表現する検査用照明システム。
【請求項2】
前記表示部が、前記発光態様として、
前記バーの色により前記発光領域の調光値を表現し、
前記バーの長さにより前記発光領域の発光時間を表現し、かつ
前記バーの端部の位置により前記発光領域の発光遅延時間を表現するように構成された請求項1に記載の検査用照明システム。
【請求項3】
前記表示部が、
前記発光領域を前記縦軸に取り、かつ前記ステップを前記横軸に取るように前記マトリクスを表示し、
前記バーを、その長さ方向を前記マトリクスの横軸方向に一致させるように表示する請求項1又は2に記載の検査用照明システム。
【請求項4】
ユーザの選択操作により前記複数のバーの1つ又は複数が選択されると、
前記表示部が、前記選択されたバーが示す発光態様の設定値を、前記マトリクスと共に表示する請求項1~3のいずれか一項に記載の検査用照明システム。
【請求項5】
前記発光態様の設定値が前記マトリクスと共に表示されている状態でユーザからの所定の入力操作を受け付けると、前記設定値を変更するように構成された請求項4に記載の検査用照明システム。
【請求項6】
ユーザのドラッグ操作により前記バーの長さ方向の端部の位置が移動されると、当該操作されたバーの位置が示すステップ及び発光領域での発光時間を変更するように構成された請求項2及び請求項2を引用する請求項3~5のいずれか一項に記載の検査用照明システム。
【請求項7】
ユーザのドラッグ操作により前記バーの位置が移動されると、当該操作されたバーの位置が示すステップ及び発光領域での発光遅延時間を変更するように構成された請求項2及び請求項2を引用する請求項3~6のいずれか一項に記載の検査用照明システム。
【請求項8】
前記検査用照明装置を複数備え、
前記表示部が、前記各検査用照明装置が備える前記各発光領域の前記ステップ毎の発光態様を示す前記マトリクスを一画面に並べて表示する請求項1~7のいずれか一項に記載の検査用照明システム。
【請求項9】
前記検査用照明装置が、複数の光源から形成される発光面を具備し、当該発光面が前記複数の発光領域に分割されている請求項1~8のいずれか一項に記載の検査用照明システム。
【請求項10】
個別に調光可能な複数の発光領域を備え、各発光領域が、複数のステップから成る所定の発光シーケンスに従って互いに独立して発光するように構成された検査用照明装置を制御するものであって、
前記各発光領域の前記ステップ毎の発光態様を、前記発光領域を縦軸及び横軸の一方に取り、前記ステップを前記縦軸及び前記横軸の他方に取るマトリクスで画面に一覧表示する表示部を備え、
前記表示部が、
前記マトリクスの各位置にバーをそれぞれ表示し、各バーの態様によって、その位置が示すステップ及び発光領域での発光態様を表現し、
前記発光態様として、少なくとも、
前記バーの色により前記発光領域の調光値を表現する、
前記バーの長さにより前記発光領域の発光時間を表現する、又は
前記バーの端部の位置により前記発光領域の発光遅延時間を表現する制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割発光型の検査用照明装置を具備する検査用照明システム、及び検査用照明装置を制御する制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば工場等で製品(ワーク)の表面検査等をする際に、個別に調光可能な複数の発光領域に分割されたリング状の発光面を備える所謂分割発光型の検査用照明装置が用いられることがある。この分割発光型の検査用照明装置は、各発光領域が、複数ステップからなる所定の発光シーケンスに従って互いに独立して発光するように構成されている。これにより、例えばワークに対して異なる方向から順に光を照射するとともにその撮像画像を処理することで、表面欠陥をコントラスト良く抽出することができる。
【0003】
ところでこのような分割発光型の検査用照明装置を使用する場合には、複数の発光領域の発光シーケンスの設定をユーザが確認しこれを調整できるよう、ステップ毎に設定された各発光領域の調光値等の発光態様を示す設定画面をディスプレイに表示させることがある。例えば特許文献1には、このような設定画面として、各発光領域の全ステップ分の発光態様を、数字等の文字によりマトリクス状に一覧表示するものが開示されている。ユーザは当該設定画面を見て、複数の発光領域の発光シーケンスを確認し、これを調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-181589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような各発光領域のステップ毎の発光態様を数字等の文字により一覧表示させるものは、発光領域数やステップ数が増えると画面が数字で埋め尽くされてしまい、複数の発光領域の発光シーケンスの設定を把握するのが容易でなく、その調整が難しいという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、個別に調光可能な複数の発光領域を有する検査用照明システムにおいて、複数の発光領域の発光シーケンスの設定を容易に把握でき、その調整をし易くすることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る検査用照明システムは、個別に調光可能な複数の発光領域を備え、各発光領域が、複数のステップから成る所定の発光シーケンスに従って互いに独立して発光するように構成された検査用照明装置と、前記各発光領域の前記ステップ毎に設定されている発光態様を、前記発光領域を縦軸及び横軸の一方に取り、前記ステップを前記縦軸及び前記横軸の他方に取るマトリクスで画面に一覧表示する表示部とを備え、前記表示部が、前記マトリクスの各位置にバーをそれぞれ表示し、各バーの態様によって、その位置が示すステップ及び発光領域での発光態様を表現することを特徴とする。
【0008】
このような構成であれば、各発光領域のステップ毎の調光値等の発光態様を、数字等の文字でなくバーの態様により表現して一覧表示するので、発光領域の数やステップの数が増えても画面が文字により埋め尽くされることがなく、ユーザはバーの態様により各発光領域のステップ毎の発光態様のイメージを視覚的に把握することができる。これによりユーザは、調光値等の発光態様が文字で表現されている場合に比べて、複数の発光領域の発光シーケンスの設定を容易に把握でき、その調整をし易くすることができるようになる。
【0009】
前記検査用照明システムは、表示部が、前記発光態様として、前記バーの色により前記発光領域の調光値を表現し、前記バーの長さにより前記発光領域の発光時間を表現し、前記バーの端部の位置により前記発光領域の発光遅延時間を表現することが好ましい。
このようにすれば、ユーザは、各発光領域のステップ毎の調光値、発光時間及び発光遅延時間を視覚的に把握することができるので、複数の発光領域の発光シーケンスの設定をより容易に把握し、その調整をよりし易くできる。
【0010】
前記検査用照明システムは、前記表示部が、前記発光領域を前記縦軸に取り、かつ前記ステップを前記横軸に取るように前記マトリクスを表示し、前記バーを、その長さ方向を前記マトリクスの横軸方向に一致させるように表示することが好ましい。
このようにすれば、マトリクスの横軸を時間軸とし、この時間軸方向にバーの長さ方向を一致させるので、各発光領域のステップ毎の発光時間及び発光遅延時間をより視覚的に把握し易くできる。
【0011】
前記検査用照明システムは、ユーザの選択操作により前記複数のバーの1つ又は複数が選択されると、前記表示部が、前記選択されたバーが示す発光態様の設定値を、前記マトリクスと共に表示することが好ましい。
このようなものであれば、ユーザは、各発光領域のステップ毎の発光態様の設定値を把握できるので、各発光領域の発光シーケンスの設定をより調整し易くできる。
【0012】
前記検査用照明システムは、前記発光態様の設定値が前記マトリクスと共に表示されている状態でユーザからの所定の入力操作を受け付けると、前記設定値を変更するように構成されていることが好ましい。
このようにすれば、ユーザは、発光領域全体の発光シーケンスをイメージしながら、各発光領域のステップ毎の発光態様の設定値を変更できるので、各発光領域の発光シーケンスの設定をより調整し易くできる。
【0013】
前記検査用照明システムは、ユーザのドラッグ操作により前記バーの長さ方向の端部の位置が移動されると、当該操作されたバーの位置が示すステップ及び発光領域での発光時間を変更するように構成されていることが好ましい。また、ユーザのドラッグ操作により前記バーの位置が移動されると、当該操作されたバーの位置が示すステップ及び発光領域での発光遅延時間を変更するように構成されていることが好ましい。
このようにすれば、発光時間や発光遅延時間の設定値を変更する際に、数値入力を行う必要がなく、直感的な操作を行うだけで極めて簡単にこれらの設定値を変更することができる。また、画面表示されたバーを直接操作して変更するので、変更後の発光時間や発光遅延時間をイメージしやすく、各発光領域の発光シーケンスの設定をより調整し易くできる。
【0014】
前記検査用照明システムはまた、前記検査用照明装置を複数備え、前記表示部が、前記各検査用照明装置が備える前記各発光領域の前記ステップ毎の発光態様を示す前記マトリクスを一画面に並べて表示することがこのましい。
このようにすれば、1つの画面で複数の検査用照明装置の発光シーケンスの設定を把握し、これを調整することができる。
【0015】
また本発明の制御装置は、個別に調光可能な複数の発光領域を備え、各発光領域が、複数のステップから成る所定の発光シーケンスに従って互いに独立して発光するように構成された検査用照明装置を制御するものであって、前記各発光領域の前記ステップ毎の発光態様を、前記発光領域を縦軸及び横軸の一方に取り、前記ステップを前記縦軸及び前記横軸の他方に取るマトリクスで画面に一覧表示する表示部を備え、前記表示部が、前記マトリクスの各位置にバーをそれぞれ表示し、各バーの態様によって、その位置が示すステップ及び発光領域での発光態様を表現することを特徴とする。
このような制御装置であれば、本発明の検査用照明システムと同様の作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0016】
このように構成した本発明によれば、個別に調光可能な複数の発光領域を有する検査用照明システムにおいて、複数の発光領域の発光シーケンスの設定を容易に把握でき、その調整をし易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態の検査用照明システムの全体構成を示す模式図。
図2】同実施形態の検査用照明装置の構成を模式的に示す斜視図。
図3】同実施形態の検査用照明システムの機能ブロック図。
図4】同実施形態の発光シーケンス設定画面を示す模式図。
図5】他の実施形態の発光シーケンス設定画面を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明に係る検査用照明システム100の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態の検査用照明システム100は、工場等において製品等のワークWの表面検査で用いられるものである。具体的にこの検査用照明システム100は、図1に示すように、ワークWと撮像装置Cとの間に設けられてワークWに対して検査光を照射する検査用照明装置1と、検査用照明装置1の発光態様を制御する制御装置2とを備えている。この検査用照明装置1は、図2に示すように、その発光面12が個別に調光可能な複数の発光領域121に分割されている所謂分割発光型のものであり、制御装置2から送信される制御信号に基づき、各発光領域121が、複数のステップから成る所定の発光シーケンスに従って互いに独立して発光するように構成されている。各発光領域121の発光シーケンスの設定は、制御装置2に接続されたディスプレイDの発光シーケンス設定画面3に表示されており、ユーザが確認できるようにされている。以下において、各部を説明する。
【0020】
検査用照明装置1は、図1及び図2に示すように、リング状(円環状)を成し、その中心軸11a方向へ向かって傾斜した内側周面111を有するケーシング11と、ケーシング11の内側周面111上に形成されたリング状を成す発光面12とを備えるものである。ケーシング11の内側周面111上には複数の光源13(具体的には発光ダイオード)が均一に配列するように保持されており、当該複数の光源13によって発光面12が形成されている。なおこの発光面12は、複数の光源13の光射出方向に設けられた光拡散板等により構成されてもよく、露出するようにケーシング11に保持された複数の光源13そのものから構成されてもよい。
【0021】
発光面12は、本実施形態では個別に調光可能な12個の発光領域121に分割されている。この複数の発光領域121は、互いに同一形状を成し、ケーシング11の内側周面111の中心軸11a周りに沿って等間隔に形成されている。すなわちこの複数の発光領域121は、ケーシング11の内側周面111の中心軸11aを対称軸として互いに軸対称となるように形成されている。各発光領域121は複数の光源13により形成されており、制御装置2から送信される制御信号に基づいて、複数の光源13が各発光領域121を構成するユニット毎に制御されるように構成されている。
【0022】
制御装置2は、検査用照明装置1が備える複数の発光領域121を調光制御するためのものである。具体的に制御装置2は、CPU、メモリ等を備えた所謂コンピュータであり、メモリに格納された所定プログラムに従ってCPUやその周辺機器が協働することにより、図3に示すように、発光シーケンス設定部21、発光制御部22及び表示部23としての機能を少なくとも発揮する。以下に各機能部を説明する。
【0023】
発光シーケンス設定部21は、検査用照明装置1が備える各発光領域121の発光シーケンスの設定を記憶している。この発光シーケンスは複数(ここでは10個)のステップから構成されるものであり、各ステップでは発光領域121毎の発光態様が個別に設定されている。この発光態様とは、例えば発光領域121の調光値、発光時間、発光遅延時間等である。
【0024】
発光シーケンス設定部21は、記憶している各発光領域121の発光シーケンスの設定を変更する設定変更部としての機能も発揮する。具体的には、発光シーケンス設定部21は、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力手段Iによるユーザからの入力操作を受け付けて、各発光領域121にステップ毎に設定されている調光値等の発光態様を変更するように構成されている。
【0025】
発光制御部22は、検査用照明装置1の各発光領域121を互いに独立して発光させるものである。具体的には、発光制御部22は、発光シーケンス設定部21が記憶している発光シーケンスを参照し、この発光シーケンスに従って各発光領域121を独立して発光させるように、各光源13に電力を供給するように構成されている。
【0026】
表示部23は、発光シーケンス設定部21が記憶している各発光領域121の発光シーケンスの設定を参照し、これを示す発光シーケンス設定画面3をディスプレイDに一画面で表示させるものである。具体的にこの表示部23は、図4に示すように、各発光領域121のステップ毎に設定されている発光態様を、発光領域121を縦軸にとり、ステップを横軸に取るマトリクスMにして発光シーケンス設定画面3に一覧表示させる。このマトリクスMでは、各発光領域121は縦軸に沿って先頭から順に表示され、各ステップは横軸に沿って先頭から順に表示される。またこのマトリクスMは、各発光領域121のステップ毎に矩形状のセルR(マス目)で区切られており、各セルR内に、当該セルRの位置が示すステップ及び発光領域121で設定されている発光態様が表示されている。
【0027】
しかして本実施形態の検査用照明システム100では、各発光領域121の発光シーケンスの設定をユーザが容易に把握できるようにすべく、図4に示すように、表示部23がマトリクスMの各位置にバーBをそれぞれ表示し、各バーBの態様によって、その位置が示すステップ及び発光領域121で設定されている発光態様を表現するように構成されている。
【0028】
具体的に表示部23は、長さ方向がマトリクスMの横軸方向に一致するよう、各セルR内に1つの矩形状のバーBを表示させる。ここで表示部23は、図4に示すように、発光態様として、バーBの色(例えば、色味、濃淡、明暗、強度、彩度等の違い)により発光領域121の調光値を表現し、バーBの長さにより発光領域121の発光時間を表現し、セルR内におけるバーBの相対位置により発光領域121の発光遅延時間を表現するように構成されている。
【0029】
調光値の表現としては、表示部23は、図4に示すように、調光値の設定値が大きいほどバーBの色を明るく表示し、調光値の設定値が小さいほどバーBの色を暗く表示する。表示部23は、対応する発光領域121の発光色と同色になるようにバーBの色を表示するのが好ましい。
【0030】
また発光時間の表現としては、表示部23は、バーBの長さ(すなわち、横軸方向に沿った両端間の距離)を、発光時間の設定値の大きさに比例させるようにして表示する。具体的には、発光時間の設定値が大きいほどバーBを長く表示し、発光時間の設定値が小さいほどバーBを短く表示する。
【0031】
また発光遅延時間の表現としては、表示部23は、横軸方向におけるバーBの先頭側の端部BのセルR内での相対位置によって発光遅延時間を表現する。具体的には、発光遅延時間の設定値が小さいほどバーBの先頭側の端部Bの位置をセルRの先頭側の端部Rの位置に近づけ、発光遅延時間の設定値が大きいほどバーBの先頭側の端部Bの位置をセルRの先頭側の端部Rの位置から遠ざけるように表示する。発光遅延時間の設定値がゼロの場合、バーBの先頭側の端部Bの位置とセルRの先頭側の端部Rの位置とを一致させるように表示する。
【0032】
表示部23はまた、ユーザのマウス操作等による選択操作により、マトリクスM内のバーBの1つ又は複数が選択されると、当該選択されたバーBの位置が示すステップ及び発光領域121での発光態様の設定値をマトリクスMと共に数字や文字で表示する。例えば、図4に示すように、選択されたバーBが示す発光態様の設定値を、当該バーBの近傍、又はバーBの上にオーバーレイさせるようにポップアップPとして表示させる。
【0033】
ここで発光シーケンス設定部21は、バーBが選択されて、発光態様の設定値がマトリクスMと共に表示されている状態で、ユーザからの例えばキーボード操作などの入力操作を受け付け、当該選択されたバーBの位置が示すステップ及び発光領域121での発光態様の設定値を変更する。
【0034】
発光シーケンス設定部21はまた、ユーザのドラッグ操作によりバーBの長さ方向の端部B、Bの位置が移動されてその長さが変更されると、当該ドラッグ操作されたバーBの位置が示すステップ及び発光領域121での発光時間を変更するように構成されている。また発光シーケンス設定部21は、ユーザのドラッグ操作により、バーBの先頭側の端部Bの位置が移動されると、当該ドラッグ操作されたバーBが示すステップ及び発光領域121での発光遅延時間を変更するように構成されている。
【0035】
発光シーケンス設定画面3にはまた、発光シーケンスの詳細な設定をユーザが入力する複数の設定入力欄がマトリクスMとは別に表示されている。具体的には図4に示すように、各ステップの時間間隔の長さをユーザが入力する発光間隔入力欄(テキスト入力欄)T1と、ユーザの選択操作により選択されたバーBが示す発光態様の設定値をユーザが入力する発光態様入力欄(テキスト入力欄)T2と、発光シーケンスの最終ステップの番号をユーザが入力するエンドポイント入力欄(テキスト入力欄)T3と、予めプリセットされた発光シーケンス(例えば(1)順次発光、(2)n個順次発光、(3)全発光、等)を選択するための発光シーケンス選択入力欄S1と、発光シーケンスを設定する検査用照明装置1を選択するための装置選択欄S2とが表示されている。発光態様入力欄(テキスト入力欄)T2としては、調光値を入力するための調光値入力欄T21と、発光時間を入力するための発光時間入力欄T22と、発光遅延時間を入力するための発光遅延時間入力欄T23とが表示されている。
【0036】
このように構成した本実施形態の検査用照明システム100によれば、各発光領域121のステップ毎の調光値等の発光態様を、数字等の文字でなくバーBの態様により表現して一覧表示するので、発光領域121の数やステップの数が増えても画面が文字により埋め尽くされることがない。そしてユーザは、バーBの態様により各発光領域121のステップ毎の発光態様のイメージを視覚的に把握することができる。これによりユーザは、調光値等の発光態様が文字で表現されている場合に比べて、各発光領域の発光シーケンスの設定を容易に把握でき、その調整をし易くすることができるようになる。
【0037】
<その他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0038】
前記実施形態の検査用照明装置1は、リング状の発光面12を備えるリング照明であったがこれに限らない。他の実施形態では、例えばフラット照明やドーム照明等の任意の照明であってもよい。また、各発光領域121は、同一のケーシング11内に形成されている必要はなく、互いに異なるケーシング11内に形成されていてもよい。また他の実施形態の検査用照明装置1はケーシング11を備えていなくてもよい。本発明は、個別に調光可能な複数の発光領域121を備えるものであれば、任意の照明システムに適用できる。また、光源13はケーシング11内に収容されるように保持されたものに限らず、例えばケーシング11から剥き出しになるように保持されていてもよい。
【0039】
前記実施形態においてこの表示部23は、各発光領域121のステップ毎に設定されている発光態様を、発光領域121を縦軸にとり、ステップを横軸に取るマトリクスMにして表示させたが、これに限らない。他の実施形態の表示部23は、各発光領域121のステップ毎に設定されている発光態様を、発光領域121を横軸にとり、ステップを縦軸に取るマトリクスMにして表示してもよい。
【0040】
前記実施形態の表示部23は、1つの検査用照明装置1が備える発光領域121に対する発光シーケンスの設定を一画面に表示するものであったが、これに限らない。他の実施形態の表示部23は、図5に示すように、複数の検査用照明装置1が備える発光領域121の発光シーケンスの設定を一画面に表示してもよい。この場合、表示部23は、各検査用照明装置1が備える発光領域121のステップ毎の発光態様を示すマトリクスMを、一画面に並べて表示するようにしてもよい。
【0041】
前記実施形態では、発光シーケンス設定部21、発光制御部22及び表示部23の機能が単一の制御装置2により発揮されるよう構成されたが、これに限らない。他の実施形態では、これらの機能が異なる制御装置2により発揮されてもよい。またディスプレイDは、制御装置2が備えるものであってもよい。
【0042】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0043】
100 ・・・検査用照明システム
1 ・・・検査用照明装置
121 ・・・発光領域
23 ・・・表示部
M ・・・マトリクス
B ・・・バー
図1
図2
図3
図4
図5