(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】コネクタ、ハーネス及びコネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6471 20110101AFI20231218BHJP
H01R 13/6473 20110101ALI20231218BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H01R13/6471
H01R13/6473
H01R13/639 Z
(21)【出願番号】P 2020073778
(22)【出願日】2020-04-17
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】木村 心哉
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-113813(JP,A)
【文献】特開2015-018714(JP,A)
【文献】特開2009-032517(JP,A)
【文献】特表2005-503656(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0184330(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/77 -12/81
H01R 13/6471
H01R 13/6473
H01R 13/639
H01R 13/6581-13/6597
H01R 9/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブルに接続されるコネクタであって、基板に搭載された相手側コネクタと上下方向において上方から嵌合可能なコネクタであり、
前記ケーブルの夫々は、芯線と、外部導体とを有しており、
前記相手側コネクタは、複数の相手側信号端子と、複数の相手側グランド端子と、ホールドダウンとを備えており、
前記コネクタは、複数の端子と、保持部材と、前記ケーブルの前記外部導体に接続されるグランド部材とを備えており、
前記端子は、前記ケーブルに夫々対応する複数の信号端子と、前記ケーブルの前記外部導体
に接続される複数のグランド端子とからなり、
前記信号端子及び前記グランド端子は、前記保持部材に保持されており、前記上下方向と直交するピッチ方向において交互に並んで1つの端子列を形成しており、
前記グランド部材は、前記保持部材に取り付けられており、且つ、グランド部を有しており、
前記グランド部は、前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合した嵌合状態において、前記ホールドダウンに接続され、
前記信号端子の夫々は、第1接触部と、対応する前記ケーブルの前記芯線に接続される結線部と、第1調整部とを有しており、
前記第1接触部は、前記嵌合状態において、前記相手側信号端子と夫々接触し、
前記信号端子の夫々における前記第1接触部と前記結線部とは、前記上下方向及び前記ピッチ方向の双方と直交する前後方向において互いに離れており、
前記第1調整部の夫々は、前記前後方向において前記第1接触部から前記結線部まで延びており、
前記グランド端子の夫々は、第2接触部と、第2調整部とを有しており、
前記第2接触部は、前記嵌合状態において、前記相手側グランド端子と夫々接触し、
前記第2調整部の夫々は、前記前後方向において前記第2接触部から延びており、
前記上下方向及び前記前後方向によって規定される直交平面における前記第1調整部の位置は、前記直交平面における前記第2調整部の位置と少なくとも部分的に重なっており、
前記信号端子は、外側信号端子を含んでおり、
前記外側信号端子は、前記端子列の端に位置しており、且つ、前記ピッチ方向において、前記グランド部材の前記グランド部と前記グランド端子との間に位置しており、
前記外側信号端子の前記第1調整部は、前記ピッチ方向において、前記グランド部に向かって少なくとも部分的に張り出しており、
前記直交平面における前記外側信号端子の前記第1調整部の位置は、前記直交平面における前記グランド部の位置と少なくとも部分的に重なっており、
前記第1接触部及び前記第2接触部は、前記ピッチ方向において一定間隔をあけて並んでおり、
前記グランド部は、前記ピッチ方向において、前記外側信号端子の前記第1接触部から前記一定間隔よりも長い距離だけ離れている
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記信号端子は、内側信号端子を含んでおり、
前記内側信号端子は、前記端子列の内側に位置しており、
前記内側信号端子の前記第1調整部は、前記ピッチ方向において、隣り合う2つの前記グランド端子の夫々の前記第2調整部から内側所定距離だけ離れており、
前記外側信号端子の前記第1調整部は、隣り合う前記グランド端子の前記第2調整部から外側所定距離だけ離れており、
前記内側所定距離は、前記外側所定距離よりも長い
コネクタ。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタであって、
前記内側信号端子の前記第1調整部は、前記ピッチ方向において、隣り合う2つの前記グランド端子の前記第2調整部から夫々離れるように凹んでおり、
前記グランド端子の夫々の前記第2調整部は、前記ピッチ方向において、隣り合う前記内側信号端子の前記第1調整部から離れるように凹んでいる
コネクタ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載のコネクタであって、
前記外側信号端子の前記第1調整部は、前記ピッチ方向において、隣り合う前記グランド端子の前記第2調整部に向かって張り出しており、
前記外側信号端子と隣り合う前記グランド端子の前記第2調整部は、前記ピッチ方向において、前記外側信号端子の前記第1調整部に向かって張り出している
コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記信号端子の夫々の前記第1接触部及び前記第1調整部は、前記直交平面において第1形状を有しており、
前記グランド端子の夫々の前記第2接触部及び前記第2調整部は、前記直交平面において第2形状を有しており、
前記第1形状と前記第2形状とは、互いに一致している
コネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記グランド部材の前記グランド部は、前記相手側コネクタの前記ホールドダウンと共に、前記嵌合状態をロックする
コネクタ。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記端子は、N個(Nは3以上の奇数)の前記信号端子と、N-1個の前記グランド端子とからなり、
前記端子列は、前記端子列の前記ピッチ方向における中間点を通過しつつ前記前後方向に沿って延びる仮想直線について、対称な構造を有している
コネクタ。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記信号端子及び前記グランド端子は、前記保持部材にインサート成型されている
コネクタ。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれかに記載のコネクタと複数の前記ケーブルとを備えたハーネス。
【請求項10】
請求項1から請求項8までのいずれかに記載のコネクタと前記相手側コネクタとを備えたコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板コネクタと嵌合可能なケーブルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、このタイプのケーブルコネクタが開示されている。
【0003】
図22及び
図23を参照すると、特許文献1には、基板コネクタ95と嵌合可能なコネクタ90が開示されている。コネクタ90は、複数のケーブル98に接続されてハーネスを形成する。ケーブル98の夫々は、芯線982と、外部導体984とを有している。コネクタ90は、芯線982に夫々対応する複数のコンタクト(端子)92と、外部導体984に接続されてグランド電位を有するシェル94とを備えている。シェル94は、基板コネクタ95のホールドダウン952に接続される接続部(グランド部)942を有している。
【0004】
コネクタ90の端子92は、ピッチ方向(Y方向)に並んでいる。端子92の夫々は、対応する芯線982に接続される結線部922と、基板コネクタ95の相手側端子(図示せず)と接触する接触部(図示せず)とを有している。結線部922と接触部とは、前後方向(X方向)において互いに離れている。この構造によれば、端子92の上下方向(Z方向)におけるサイズを小さくでき、これにより、コネクタ90のZ方向におけるサイズを小さくできる。即ち、コネクタ90は、低背化可能なケーブルコネクタである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ケーブルコネクタを低背化するだけではなく、ケーブルコネクタのピッチ方向におけるサイズを小さくしたいという要望がある。
【0007】
そこで、本発明は、上下方向におけるサイズに加えてピッチ方向におけるサイズを小さくできるケーブルコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般的に、ケーブルコネクタには、信号の伝送特性の向上が求められる。この要望に応えるため、多くの場合、ケーブルコネクタには、ケーブルの信号を伝送するための複数の端子(信号端子)に加えて、伝送特性の劣化を防止するための複数のグランド端子が設けられる。また、信号端子の夫々は、2つのグランド端子の間に配置される。即ち、信号端子とグランド端子とは、ピッチ方向において交互に並べられて端子列を形成する。端子列の両端には、2つのグランド端子が夫々配置される。
【0009】
上述した一般的なケーブルコネクタによれば、端子列の両端のグランド端子を取り除けば、ケーブルコネクタのピッチ方向のサイズを小さくできる。しかしながら、端子列の両端のグランド端子を取り除いた場合、端子列の両端には、2つの信号端子(外側信号端子)が夫々配置される。この配置によれば、外側信号端子のインピーダンスが端子列の内側の信号端子(内側信号端子)に比べて高くなり易い。この結果、ケーブルコネクタ全体としての伝送特性が劣化するおそれがある。
【0010】
本願の発明者は、研究を進めた結果、上述した問題を解決できるケーブルコネクタの新たな構造を見出した。この新たな構造によれば、ピッチ方向における端子列の端に外側信号端子が配置され、これにより、ケーブルコネクタのピッチ方向のサイズを小さくできる。一方、外側信号端子のピッチ方向外側に、グランド電位を有する部位であってグランド端子とは異なる部位(例えば、基板コネクタのホールドダウンに接続されるグランド部)を配置する。外側信号端子をグランド部に向かって張り出すように形成する事で、外側信号端子のインピーダンスを低下できる。この結果、外側信号端子のインピーダンスと内側信号端子のインピーダンスとの間のバランスを調整できる。詳しくは、本発明によるケーブルコネクタは、以下の特徴を有している。
【0011】
本発明は、第1のコネクタとして、
複数のケーブルに接続されるコネクタであって、基板に搭載された相手側コネクタと上下方向において上方から嵌合可能なコネクタであり、
前記ケーブルの夫々は、芯線と、外部導体とを有しており、
前記相手側コネクタは、複数の相手側信号端子と、複数の相手側グランド端子と、ホールドダウンとを備えており、
前記コネクタは、複数の端子と、保持部材と、前記ケーブルの前記外部導体に接続されるグランド部材とを備えており、
前記端子は、前記ケーブルに夫々対応する複数の信号端子と、前記ケーブルの前記外部導体に接続される複数のグランド端子とからなり、
前記信号端子及び前記グランド端子は、前記保持部材に保持されており、前記上下方向と直交するピッチ方向において交互に並んで1つの端子列を形成しており、
前記グランド部材は、前記保持部材に取り付けられており、且つ、グランド部を有しており、
前記グランド部は、前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合した嵌合状態において、前記ホールドダウンに接続され、
前記信号端子の夫々は、第1接触部と、対応する前記ケーブルの前記芯線に接続される結線部と、第1調整部とを有しており、
前記第1接触部は、前記嵌合状態において、前記相手側信号端子と夫々接触し、
前記信号端子の夫々における前記第1接触部と前記結線部とは、前記上下方向及び前記ピッチ方向の双方と直交する前後方向において互いに離れており、
前記第1調整部の夫々は、前記前後方向において前記第1接触部から前記結線部まで延びており、
前記グランド端子の夫々は、第2接触部と、第2調整部とを有しており、
前記第2接触部は、前記嵌合状態において、前記相手側グランド端子と夫々接触し、
前記第2調整部の夫々は、前記前後方向において前記第2接触部から延びており、
前記上下方向及び前記前後方向によって規定される直交平面における前記第1調整部の位置は、前記直交平面における前記第2調整部の位置と少なくとも部分的に重なっており、
前記信号端子は、外側信号端子を含んでおり、
前記外側信号端子は、前記端子列の端に位置しており、且つ、前記ピッチ方向において、前記グランド部材の前記グランド部と前記グランド端子との間に位置しており、
前記外側信号端子の前記第1調整部は、前記ピッチ方向において、前記グランド部に向かって少なくとも部分的に張り出しており、
前記直交平面における前記外側信号端子の前記第1調整部の位置は、前記直交平面における前記グランド部の位置と少なくとも部分的に重なっており、
前記第1接触部及び前記第2接触部は、前記ピッチ方向において一定間隔をあけて並んでおり、
前記グランド部は、前記ピッチ方向において、前記外側信号端子の前記第1接触部から前記一定間隔よりも長い距離だけ離れている
コネクタを提供する。
【0012】
本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記信号端子は、内側信号端子を含んでおり、
前記内側信号端子は、前記端子列の内側に位置しており、
前記内側信号端子の前記第1調整部は、前記ピッチ方向において、隣り合う2つの前記グランド端子の夫々の前記第2調整部から内側所定距離だけ離れており、
前記外側信号端子の前記第1調整部は、隣り合う前記グランド端子の前記第2調整部から外側所定距離だけ離れており、
前記内側所定距離は、前記外側所定距離よりも長い
コネクタを提供する。
【0013】
本発明は、第3のコネクタとして、第2のコネクタであって、
前記内側信号端子の前記第1調整部は、前記ピッチ方向において、隣り合う2つの前記グランド端子の前記第2調整部から夫々離れるように凹んでおり、
前記グランド端子の夫々の前記第2調整部は、前記ピッチ方向において、隣り合う前記内側信号端子の前記第1調整部から離れるように凹んでいる
コネクタを提供する。
【0014】
本発明は、第4のコネクタとして、第2又は第3のコネクタであって、
前記外側信号端子の前記第1調整部は、前記ピッチ方向において、隣り合う前記グランド端子の前記第2調整部に向かって張り出しており、
前記外側信号端子と隣り合う前記グランド端子の前記第2調整部は、前記ピッチ方向において、前記外側信号端子の前記第1調整部に向かって張り出している
コネクタを提供する。
【0015】
本発明は、第5のコネクタとして、第1から第4までのいずれかのコネクタであって、
前記信号端子の夫々の前記第1接触部及び前記第1調整部は、前記直交平面において第1形状を有しており、
前記グランド端子の夫々の前記第2接触部及び前記第2調整部は、前記直交平面において第2形状を有しており、
前記第1形状と前記第2形状とは、互いに一致している
コネクタを提供する。
【0016】
本発明は、第6のコネクタとして、第1から第5までのいずれかのコネクタであって、
前記グランド部材の前記グランド部は、前記相手側コネクタの前記ホールドダウンと共に、前記嵌合状態をロックする
コネクタを提供する。
【0017】
本発明は、第7のコネクタとして、第1から第6までのいずれかのコネクタであって、
前記端子は、N個(Nは3以上の奇数)の前記信号端子と、N-1個の前記グランド端子とからなり、
前記端子列は、前記端子列の前記ピッチ方向における中間点を通過しつつ前記前後方向に沿って延びる仮想直線について、対称な構造を有している
コネクタを提供する。
【0018】
本発明は、第8のコネクタとして、第1から第7までのいずれかのコネクタであって、
前記信号端子及び前記グランド端子は、前記保持部材にインサート成型されている
コネクタを提供する。
【0019】
本発明は、第1のハーネスとして、
第1から第8までのいずれかのコネクタと複数の前記ケーブルとを備えた
ハーネスを提供する。
【0020】
本発明は、第1のコネクタ組立体として、
第1から第8までのいずれかのコネクタと前記相手側コネクタとを備えた
コネクタ組立体を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコネクタは、複数のケーブルに接続されるケーブルコネクタである。本発明によれば、信号端子の夫々における第1接触部と結線部とは、前後方向において互いに離れている。この構造により、コネクタの上下方向におけるサイズを小さくできる。また、本発明によれば、ピッチ方向に並んだ端子列の端からグランド端子が取り除かれている。この構造により、ケーブルコネクタのピッチ方向のサイズを小さくできる。
【0022】
本発明によれば、外側信号端子のピッチ方向外側に、グランド部材の一部であるグランド部が配置される。グランド部材は、ケーブルの外部導体に接続され、これにより、グランド部は、グランド電位を有する。外側信号端子の第1調整部は、グランド部に向かって張り出している。加えて、直交平面における外側信号端子の第1調整部の位置は、直交平面におけるグランド部の位置と重なっている。この構造により、外側信号端子のインピーダンスを、2つのグランド端子の間に位置する信号端子のインピーダンスに近づけることができ、これにより、コネクタ全体としての伝送特性の劣化を防止できる。即ち、本発明によれば、伝送特性の劣化を防止しつつ、上下方向におけるサイズに加えてピッチ方向におけるサイズを小さくできるケーブルコネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態によるコネクタ組立体を示す斜視図である。コネクタ組立体のコネクタと相手側コネクタとは互いに離れている。コネクタは複数のケーブルに接続されている。ケーブルのうちの1つの隠れた輪郭及び相手側コネクタが搭載される基板の輪郭の一部を破線で描画している。
【
図2】
図1のコネクタ組立体を示す斜視図である。コネクタと相手側コネクタとは互いに嵌合している。
【
図5】
図4の相手側コネクタを示す平面図である。嵌合状態におけるコネクタのグランド部材の輪郭を破線で描画している。相手側コネクタの一部(1点鎖線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
【
図7】
図6のコネクタを示す正面図である。嵌合状態における相手側コネクタの相手側端子の位置を部分的に破線で描画している。
【
図8】
図1のコネクタを、カバーシェルを外した状態で示す斜視図である。
【
図9】
図8のコネクタを示す平面図である。カバーシェルの輪郭の一部を破線で描画している。
【
図10】
図8のコネクタの基部構造体を示す斜視図である。
【
図12】
図10の基部構造体の導電構造体を示す平面図である。グランド部材の接続部の輪郭を破線で描画している。
【
図14】
図12の導電構造体のベースシェル及び端子を示す斜視図である。
【
図15】
図14のベースシェル及び端子を示す別の斜視図である。
【
図17】
図14のベースシェル及び端子を示す側面図である。グランド部材のグランド部及びケーブルの輪郭を破線で描画している。
【
図18】
図9のコネクタを、保持部材を除いて示す平面図である。ケーブル及び端子の隠れた部位の輪郭を破線で描画している。
【
図20】
図19のコネクタをXX-XX線に沿って示す断面図である。
【
図21】
図19のコネクタをXXI-XXI線に沿って示す断面図である。
【
図22】特許文献1のケーブルコネクタ及び基板コネクタを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1及び
図2に示されるように、本発明の実施の形態によるコネクタ組立体10は、コネクタ30と、相手側コネクタ70とを備えている。コネクタ30は、複数のケーブル22に接続されるケーブルコネクタであり、ケーブル22と共にハーネス20を形成する。即ち、ハーネス20は、コネクタ30と、複数のケーブル22とを備えている。一方、相手側コネクタ70は、基板80に搭載される基板コネクタである。
【0025】
本実施の形態のケーブル22の夫々は、同軸ケーブルである。ケーブル22の夫々は、アンテナ(図示せず)に接続されており、アンテナの信号を伝送する。本実施の形態の基板80は、アンテナを介して信号を送受信する電子機器(図示せず)に組み込まれている。本実施の形態のコネクタ組立体10は、アンテナと電子機器との間で信号を伝送する。但し、本発明によるケーブル22及びコネクタ組立体10の用途は、特に限定されない。
【0026】
図1を参照すると、本実施の形態のケーブル22の夫々は、導電体からなる芯線222と、絶縁体からなる内部絶縁体224と、導電体からなる外部導体226と、絶縁体からなる外部絶縁体228とを有している。芯線222は、信号を伝送する。内部絶縁体224は、芯線222を覆って絶縁している。芯線222の夫々は、内部絶縁体224から部分的に露出しており、コネクタ30に接続されている。外部導体226は、内部絶縁体224を覆っており、芯線222を電磁的にシールドしている。外部絶縁体228は、外部導体226を覆って絶縁している。外部導体226の夫々は、外部絶縁体228から部分的に露出しており、コネクタ30に接続されている。
【0027】
本実施の形態のケーブル22の夫々は、上述した構造を有している。但し、ケーブル22が信号を伝送する芯線222と、グランド電位を有する外部導体226とを有している限り、ケーブル22の構造は、本実施の形態に限定されない。
【0028】
以下、本実施の形態によるコネクタ30及び相手側コネクタ70の嵌合構造について説明する。
【0029】
図1及び
図2を参照すると、本実施の形態のコネクタ30は、嵌合部30Mと、受容部30Rとを備えている。嵌合部30Mは、Z方向と直交する前後方向(X方向)において、コネクタ30の前端(+X側の端)近傍に位置しており、X方向及びZ方向の双方と直交するピッチ方向(Y方向)に沿って延びている。受容部30Rは、嵌合部30Mの後方(-X側)に位置している。受容部30Rは、Y方向に沿って延びており、Y方向両側に開口している。受容部30Rは、上方(+Z方向)に凹んだ空間であり、これにより、嵌合部30Mは、下方(-Z方向)に突出している。
【0030】
本実施の形態の相手側コネクタ70は、嵌合部30Mと嵌合可能な相手側受容部70Rを備えている。相手側受容部70Rは、下方に凹み且つ上方に開口した空間である。相手側受容部70Rは、Z方向と直交する水平面(XY平面)において相手側コネクタ70の中間部に位置している。相手側受容部70Rは、Y方向に沿って延びている。
【0031】
コネクタ30は、基板80に搭載された相手側コネクタ70と上下方向(Z方向)において上方から嵌合可能である。詳しくは、嵌合部30Mは、Z方向に沿って相手側受容部70Rに挿入可能である。嵌合部30Mを相手側受容部70Rに挿入すると、相手側コネクタ70の後側(-X側)の部位が受容部30Rに受容される。このとき、コネクタ30は、相手側コネクタ70と嵌合した嵌合状態にある。嵌合状態において、ケーブル22と基板80とは、互いに電気的に接続される。相手側コネクタ70と嵌合したコネクタ30は、嵌合部30Mを相手側受容部70Rから上方に引き抜くことで、相手側コネクタ70から抜去可能である。
【0032】
図3を参照すると、本実施の形態によれば、上述したコネクタ30及び相手側コネクタ70の嵌合構造に起因して、嵌合状態におけるコネクタ組立体10のZ方向におけるサイズは、コネクタ30のZ方向におけるサイズと略等しい。
図2を参照すると、嵌合状態におけるコネクタ組立体10のY方向におけるサイズは、コネクタ30のY方向におけるサイズと略等しい。但し、コネクタ30及び相手側コネクタ70の嵌合構造は、コネクタ30及び相手側コネクタ70がZ方向に沿って嵌合可能である限り、特に限定されない。
【0033】
以下、本実施の形態の相手側コネクタ70の構造について説明する。
【0034】
図1から
図3までを参照すると、本実施の形態の相手側コネクタ70は、金属等の導電体からなる複数の相手側端子72と、絶縁体からなる相手側保持部材74と、金属等の導電体からなる2つのホールドダウン76とを備えている。
図1を参照すると、相手側受容部70Rは、相手側保持部材74に形成されている。
【0035】
図1及び
図4を参照すると、相手側端子72は、相手側保持部材74に保持されており、相手側受容部70Rに沿って1列に並べられている。相手側端子72は、互いに同じ形状を有している。相手側端子72の夫々は、部分的に相手側受容部70R内に露出しており、且つ、部分的に下方に露出している。
図3を参照すると、相手側端子72の夫々の下端(-Z側の端)は、相手側コネクタ70が基板80に搭載されたとき、基板80の導電パッド(図示せず)に半田付け等によって固定され接続される。
【0036】
図4及び
図5を参照すると、相手側端子72は、複数の相手側信号端子722と、複数の相手側グランド端子728とからなる。即ち、相手側コネクタ70は、複数の相手側信号端子722と、複数の相手側グランド端子728とを備えている。相手側信号端子722及び相手側グランド端子728は、Y方向において交互に並んでいる。
図1を参照すると、相手側信号端子722は、ケーブル22に夫々対応して設けられている。相手側信号端子722の夫々は、嵌合状態(
図2参照)において、対応するケーブル22の芯線222と基板80との間で信号を伝送する。一方、相手側グランド端子728の夫々は、嵌合状態において、ケーブル22の外部導体226を基板80に接地する。
【0037】
図1、
図2、
図4及び
図5を参照すると、2つのホールドダウン76は、相手側受容部70RのY方向における両端に夫々配置されており、相手側保持部材74に保持されている。2つのホールドダウン76は、X方向及びZ方向によって規定される直交平面について互いに面対称な形状を有している。ホールドダウン76の夫々は、部分的に相手側受容部70R内に露出しており、且つ、部分的に下方に延びて下方に露出している。
図3を参照すると、ホールドダウン76の下端は、相手側コネクタ70が基板80に搭載されたとき、基板80の導電パッド(図示せず)に半田付け等によって固定され接続される。ホールドダウン76の夫々は、嵌合状態において、ケーブル22の外部導体226(
図1参照)を基板80に接地する。
【0038】
図1及び
図5を参照すると、ホールドダウン76の夫々には、2つのロック突起762が設けられている。2つのロック突起762は、相手側受容部70Rの内部に位置しており、X方向において互いに向かって突出している。
図5を参照すると、ホールドダウン76の夫々の2つのロック突起762は、嵌合部30Mが相手側受容部70Rに受容されたとき、X方向において嵌合部30Mを挟み込み、これにより嵌合状態をロックする。
【0039】
本実施の形態の相手側コネクタ70は、上述した構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、相手側コネクタ70の構造は、コネクタ30(
図1参照)の構造に対応している限り、様々に変形可能である。例えば、相手側信号端子722及び相手側グランド端子728は、互いに異なる形状を有していてもよい。2つのホールドダウン76は、互いに非面対称な形状を有していてもよい。ロック突起762は、必要に応じて設ければよい。また、相手側コネクタ70は、上述した部材に加えて、更に別の部材を備えていてもよい。
【0040】
以下、本実施の形態のコネクタ30の構造について説明する。
【0041】
図6及び
図8を参照すると、本実施の形態のコネクタ30は、基部構造体32と、ケーブル保持構造体36と、導電体からなるカバーシェル38とを備えている。本実施の形態のコネクタ30は、上述した構造体及び部材のみから形成されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コネクタ30は、上述した構造体及び部材に加えて更に別の構造体や部材を備えていてもよい。
【0042】
図10を参照すると、本実施の形態の基部構造体32は、絶縁体からなる保持部材33と、導電構造体34とを備えている。保持部材33は、モールド成型された単一の部材である。導電構造体34は、導電体からなる複数の部材の構造体である。導電構造体34は、保持部材33にインサート成型されて保持されている。即ち、本実施の形態のコネクタ30は、導電構造体34が埋め込まれた単一の保持部材33を備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、保持部材33は、複数の部材を組み合わせて形成されていてもよい。導電構造体34は、保持部材33に部分的に圧入されて保持されていてもよい。
【0043】
図10及び
図11を参照すると、本実施の形態の保持部材33は、2つの収容壁332と、保持部336とを有している。
図10に示されるように、収容壁332は、保持部材33の後側の部位であり、保持部材33のY方向両側に夫々位置している。収容壁332の夫々には、凹部333と、係合突起334とが形成されている。凹部333の夫々は、Y方向外側に凹んだ凹みである。2つの凹部333は、Y方向において対向している。係合突起334の夫々は、収容壁332のY方向外側の壁面に設けられており、Y方向外側に突出している。保持部336は、保持部材33の前側(+X側)の部位であり、Y方向に沿って保持部材33全体に亘って延びている。保持部336は、コネクタ30の嵌合部30M(
図1参照)として機能する。
【0044】
本実施の形態の保持部材33は、上述の構造を有している。但し、導電構造体34が保持部材33によって保持できる限り、保持部材33の構造は、特に限定されない。
【0045】
図10及び
図11を参照すると、本実施の形態の導電構造体34は、導電体からなる複数の端子40と、導電体からなるベースシェル50と、導電体からなる2つのグランド部材60とを含んでいる。即ち、本実施の形態のコネクタ30は、複数の端子40と、ベースシェル50と、2つのグランド部材60とを備えている。本実施の形態の導電構造体34は、端子40、ベースシェル50、及び、グランド部材60のみからなる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、ベースシェル50は、必要に応じて設ければよい。一方、導電構造体34は、上述した部材に加えて、更に別の部材を含んでいてもよい。
【0046】
図14及び
図15を参照すると、本実施の形態のベースシェル50は、曲げを有する1枚の金属板の一部である。ベースシェル50は、平板部52と、連結部54とを有している。平板部52は、Z方向と直交する水平面(XY平面)と平行に延びている。連結部54は、平板部52の前端に繋がっており、弧を描きつつ前方(+X方向)及び上方に延びている。平板部52には、2つの接合孔522が形成されている。接合孔522の夫々は、平板部52をZ方向に貫通する孔である。
【0047】
図10及び
図11を参照すると、ベースシェル50は、平板部52のうち接合孔522が形成された部位(接合部)を除き、保持部材33に埋め込まれている。一方、平板部52の接合部は、保持部材33から完全に露出しており、保持部材33の2つの収容壁332の下端を互いに連結するように配置されている。
【0048】
図11を参照すると、本実施の形態の端子40は、Y方向において1列に並べられて、端子列40Rを形成している。端子40の夫々は、保持部材33に埋め込まれている。
図11を
図1と併せて参照すると、端子40は、相手側コネクタ70の相手側端子72に夫々対応して設けられている。端子40の夫々は、保持部336(嵌合部30M)から露出している。
図7を参照すると、このように配置された端子40の夫々は、嵌合状態において、対応する相手側端子72と接触し、対応する相手側端子72と電気的に接続される。
【0049】
図14及び
図15を参照すると、端子40は、複数の信号端子42と、複数のグランド端子48とを含んでいる。信号端子42の夫々は、ベースシェル50と別体の部材である。より具体的には、信号端子42の夫々は、曲げを有する一定板厚の1枚の金属板である。一方、グランド端子48の夫々は、ベースシェル50と一体の部材である。より具体的には、グランド端子48の夫々は、曲げを有する一定板厚の1枚の金属片であり、ベースシェル50に連結されている。詳しくは、グランド端子48の夫々は、連結部484を有している。連結部484の夫々は、ベースシェル50の連結部54の前端に繋がっており、前方に延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、グランド端子48の夫々は、ベースシェル50と別体の部材であってもよく、ベースシェル50と接触していてもよい。
【0050】
図11を参照すると、信号端子42及びグランド端子48は、保持部材33に保持されている。本実施の形態の信号端子42及びグランド端子48は、保持部材33にインサート成型されており、保持部材33に埋め込まれている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、信号端子42及びグランド端子48は、保持部材33に圧入されて保持されていてもよい。
【0051】
図10及び
図11を参照すると、グランド部材60は、保持部材33に取り付けられている。本実施の形態のグランド部材60は、保持部材33にインサート成型されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、グランド部材60は、保持部材33に嵌め込まれていてもよい。
【0052】
本実施の形態のグランド部材60は、保持部材33の保持部336のY方向両側に夫々埋め込まれている。グランド部材60の夫々は、接続部62と、連結部64と、グランド部66とを有している。接続部62は、保持部336の上面(+Z側の面)から露出している。連結部64は、接続部62とグランド部66とを互いに連結している。グランド部66は、保持部336の側面及び下面(-Z側の面)から露出している。
【0053】
図10及び
図11を
図1と併せて参照すると、グランド部材60は、相手側コネクタ70(
図1参照)のホールドダウン76に夫々対応して設けられている。
図5を参照すると、グランド部66の夫々は、嵌合状態において、対応するホールドダウン76に接続される。詳しくは、グランド部66の夫々は、嵌合状態において、対応するホールドダウン76と接触し、対応するホールドダウン76と電気的に接続される。
【0054】
本実施の形態のグランド部66の夫々は、嵌合状態において、対応するホールドダウン76のロック突起762に押し付けられ、これにより、嵌合状態がフリクションロックされる。即ち、グランド部材60のグランド部66は、相手側コネクタ70のホールドダウン76と共に、嵌合状態をロックする。但し、本発明は、これに限られない。例えば、グランド部66は、ホールドダウン76と夫々係合して嵌合状態をロックしてもよい。また、グランド部66以外の部位によって嵌合状態がロックされてもよい。この場合、グランド部66の夫々は、ホールドダウン76と単に接触していてもよい。
【0055】
本実施の形態の端子40及びグランド部材60は、概ね上述の構造を有している。端子40及びグランド部材60(特に、グランド部66)の構造については、後に詳しく説明する。
【0056】
図8を参照すると、本実施の形態のケーブル保持構造体36は、複数のケーブル22を纏めて保持している。ケーブル保持構造体36は、導電体からなる2つのグランドバー362と、導電部材364とを備えている。グランドバー362の夫々は、矩形の平板形状を有している。2つのグランドバー362は、外部絶縁体228から露出した外部導体226を上下に挟み込んでいる。本実施の形態の導電部材364は、2つのグランドバー362の間を埋める半田である。上述の構造により、グランドバー362の夫々は、ケーブル22の外部導体226に接続されており、外部導体226と同じグランド電位を有している。
【0057】
図8及び
図9を参照すると、ケーブル22を保持したケーブル保持構造体36は、保持部材33の2つの収容壁332の間の空間に収容されている。ケーブル保持構造体36のY方向における両端は、収容壁332の凹部333に夫々受容されている。
【0058】
図11を
図8と併せて参照すると、上述のように収容されたケーブル保持構造体36は、ベースシェル50の平板部52に固定されている。本実施の形態によれば、ベースシェル50の接合孔522は、半田(図示せず)で埋められており、これにより、ベースシェル50は、ケーブル保持構造体36の下側(-Z側)のグランドバー362に固定され接続されている。即ち、ベースシェル50は、ケーブル22の外部導体226に電気的に接続されており、外部導体226と同じグランド電位を有している。本実施の形態のベースシェル50は、ケーブル保持構造体36を介して、外部導体226に間接的に接続されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、ベースシェル50は、外部導体226に直接的に接続されていてもよい。
【0059】
図2、
図3、
図6及び
図7を参照すると、本実施の形態のカバーシェル38は、曲げを有する1枚の金属板であり、平板部382と、2つの側板部386とを有している。平板部382は、XY平面と平行に延びている。側板部386は、平板部382のY方向両側に夫々繋がっている。側板部386の夫々は、XZ平面と平行に延びている。
【0060】
図2を参照すると、平板部382には、2つの前側接合孔383と、2つの後側接合孔384とが形成されている。前側接合孔383及び後側接合孔384の夫々は、平板部382をZ方向に貫通する孔である。前側接合孔383は、平板部382の前側の部位に位置している。後側接合孔384は、平板部382の後側の部位に位置している。
図2、
図3及び
図6を参照すると、側板部386の夫々には、係合孔388が形成されている。係合孔388は、側板部386をY方向に貫通する孔である。
【0061】
カバーシェル38は、基部構造体32に上方から取り付けられている。基部構造体32の係合突起334は、カバーシェル38の係合孔388と夫々係合しており、カバーシェル38の平板部382は、基部構造体32の殆ど全ての部位を上方から覆っている。
【0062】
図9を参照すると、上述のように取り付けられたカバーシェル38は、ケーブル保持構造体36に固定されている。本実施の形態によれば、カバーシェル38の後側接合孔384は、半田(図示せず)で埋められており、これにより、カバーシェル38は、ケーブル保持構造体36の上側(+Z側)のグランドバー362に固定され接続されている。即ち、カバーシェル38は、ケーブル22の外部導体226(
図8参照)に電気的に接続されており、外部導体226と同じグランド電位を有している。本実施の形態のカバーシェル38は、ケーブル保持構造体36を介して、外部導体226に間接的に接続されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、カバーシェル38は、外部導体226に直接的に接続されていてもよい。
【0063】
図6を参照すると、保持部材33の上側及び保持部材33のY方向両側は、カバーシェル38によって少なくとも部分的に覆われている。加えて、保持部材33の下側は、ベースシェル50によって少なくとも部分的に覆われている。即ち、本実施の形態の保持部材33は、YZ平面において、互いに別体の2つのシェル(カバーシェル38及びベースシェル50)によって、少なくとも部分的に覆われている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、カバーシェル38及びベースシェル50は、互いに一体の部材であってもよい。また、カバーシェル38及びベースシェル50の夫々の構造は、本実施の形態に限定されない。
【0064】
図9を参照すると、カバーシェル38の平板部382は、ケーブル保持構造体36に加えて、2つのグランド部材60に固定されている。本実施の形態によれば、カバーシェル38の前側接合孔383の夫々は、半田(図示せず)で埋められており、これにより、カバーシェル38は、2つのグランド部材60の接続部62に固定され接続されている。この結果、グランド部材60の夫々は、ケーブル22の外部導体226(
図8参照)に電気的に接続されており、外部導体226と同じグランド電位を有している。即ち、コネクタ30は、ケーブル22の外部導体226に接続されるグランド部材60を備えている。
【0065】
本実施の形態のグランド部材60の夫々は、グランド部材60と別体の部材であるカバーシェル38を介して、外部導体226(
図8参照)に間接的に接続されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、グランド部材60の夫々は、カバーシェル38と一体の部材であってもよい。また、グランド部材60の夫々は、ベースシェル50を介して、外部導体226に間接的に接続されていてもよいし、外部導体226に直接的に接続されていてもよい。
【0066】
以下、端子40及びグランド部材60(特に、グランド部66)の構造について、更に詳しく説明する。
【0067】
図18を参照すると、信号端子42は、ケーブル22に夫々対応して設けられている。グランド端子48は、ベースシェル50を介してケーブル22の外部導体226に接続されている。即ち、端子40は、ケーブル22に夫々対応する複数の信号端子42と、ケーブル22の外部導体226
に接続される複数のグランド端子48とからなる。
【0068】
本実施の形態のコネクタ30において、端子40のみが、相手側コネクタ70(
図1参照)の相手側端子72(
図1参照)と接続する。加えて、端子40は、信号端子42及びグランド端子48のみからなる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コネクタ30の端子40は、相手側端子72と共に低速信号を伝送する端子であってもよい。相手側コネクタ70は、相手側端子72に加えて、高速信号を伝送するための付加的相手側端子(図示せず)を備えていてもよい。この場合、コネクタ30は、端子40に加えて、付加的相手側端子と接続する付加的端子を備えていてもよい。
【0069】
図14を参照すると、信号端子42は、互いに同じ基本構造を有している。より具体的には、信号端子42の夫々は、第1接触部422と、結線部424と、第1調整部426とを有している。第1接触部422の夫々は、信号端子42の前端からX方向において後方に向かって延びており、XZ平面においてJ字形状を有している。結線部424の夫々は、信号端子42の後端(-X側の端)から前方に向かって直線状に延びている。第1調整部426の夫々は、X方向において第1接触部422から結線部424まで延びている。詳しくは、第1調整部426の夫々は、第1接触部422の後端から後方に向かって直線状に延びた後、結線部424の前端まで下方に傾斜している。
【0070】
本実施の形態の信号端子42は、上述した基本構造を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、信号端子42の夫々は、上述した部位に加えて、更に別の部位を有していてもよい。
【0071】
図11を参照すると、第1接触部422の夫々は、保持部336の前面(+X側の面)、後面(-X側の面)及び下面から露出している。
図7を参照すると、第1接触部422は、相手側信号端子722と夫々対応している。第1接触部422は、嵌合状態において、相手側信号端子722と夫々接触する。
図9を参照すると、内部絶縁体224から露出した芯線222は、結線部424に半田付け等によって夫々接続され固定されている。即ち、信号端子42の夫々は、対応するケーブル22の芯線222に接続される結線部424を有している。
図7を
図1と併せて参照すると、相手側信号端子722は、嵌合状態において、信号端子42を介して、ケーブル22の芯線222と電気的に夫々接続される。
【0072】
図14を参照すると、グランド端子48は、互いに同じ基本構造を有している。より具体的には、グランド端子48の夫々は、前述した連結部484に加えて、第2接触部482と、第2調整部486とを有している。第2接触部482の夫々は、グランド端子48の前端からX方向において後方に向かって延びており、XZ平面においてJ字形状を有している。第2調整部486の夫々は、X方向において第2接触部482から連結部484まで延びている。詳しくは、第2調整部486の夫々は、第2接触部482の後端から後方に向かって直線状に延びた後、連結部484の前端まで下方に傾斜している。
【0073】
本実施の形態のグランド端子48は、上述した基本構造を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、グランド端子48の夫々は、前述したように、ベースシェル50と別体の部材であってもよい。この場合、グランド端子48の夫々は、グランド端子48と別体の部材を介してベースシェル50に接続されていてもよい。この変形例によれば、第2調整部486の夫々は、連結部484を有していなくてもよく、X方向において第2接触部482からグランド端子48の後端まで延びていてもよい。一方、グランド端子48の夫々は、上述した部位に加えて、更に別の部位を有していてもよい。
【0074】
図11を参照すると、第2接触部482の夫々は、保持部336の前面、後面及び下面から露出している。
図7を参照すると、第2接触部482は、相手側グランド端子728と夫々対応している。第2接触部482は、嵌合状態において、相手側グランド端子728と夫々接触する。
図7を
図1と併せて参照すると、相手側グランド端子728は、嵌合状態において、グランド端子48を介して、ケーブル22の外部導体226と電気的
に接続される。
【0075】
図14を参照すると、信号端子42の夫々における第1接触部422と結線部424とは、X方向において互いに離れている。この構造により、信号端子42のX方向におけるサイズを大きくしつつ、信号端子42のZ方向におけるサイズを小さくでき、これにより、コネクタ30(
図6参照)のZ方向におけるサイズを小さくできる。
【0076】
図14及び
図15を参照すると、信号端子42及びグランド端子48は、Y方向において交互に並んで1つの端子列40Rを形成している。
図15を参照すると、本実施の形態の信号端子42は、2つの外側信号端子42Aと、2つの内側信号端子42Bとを含んでいる。外側信号端子42Aの夫々は、Y方向における端子列40Rの端に位置している。内側信号端子42Bの夫々は、Y方向における端子列40Rの内側に位置している。一方、本実施の形態のグランド端子48は、2つの外側グランド端子48Aと、1つの内側グランド端子48Bとを含んでいる。外側グランド端子48Aの夫々は、Y方向において1つの外側信号端子42Aと1つの内側信号端子42Bとの間に位置している。内側グランド端子48Bは、Y方向において2つの内側信号端子42Bの間に位置している。
【0077】
従来の一般的なケーブルコネクタにおける端子列の配置は、上述した本実施の形態と異なっている。具体的には、信号端子の夫々は、2つのグランド端子の間に配置される。即ち、端子列の両端には、2つの信号端子ではなく、2つのグランド端子が夫々配置される。一方、
図11を
図6と併せて参照すると、本実施の形態によれば、Y方向に並んだ端子列40Rの端からグランド端子48が取り除かれている。従って、コネクタ30のY方向のサイズは、端子列40Rの端にグランド端子48が配置される従来のコネクタに比べて小さい。即ち、本実施の形態によれば、コネクタ30のY方向のサイズを小さくできる。
【0078】
図12を参照すると、全ての信号端子42の第1接触部422及び全てのグランド端子48の第2接触部482は、Y方向において一定間隔CIをあけて並んでいる。即ち、全ての端子40の第1接触部422及び第2接触部482は、等ピッチで並んでいる。この配置によれば、一定間隔CIをコネクタ30(
図6参照)の構造に応じた最小距離にすることで、コネクタ30のY方向のサイズを更に小さくできる。
【0079】
図15を参照すると、本実施の形態の外側信号端子42Aの数は2である。2つの外側信号端子42Aは、Y方向における端子列40Rの両端に夫々位置している。即ち、本実施の形態の端子40は、N個(Nは3以上の奇数)の信号端子42と、N-1個のグランド端子48とからなる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、外側信号端子42Aの数は1であってもよい。この場合、1つの外側信号端子42A及び1つの外側グランド端子48Aが、Y方向における端子列40Rの両端に夫々位置していてもよい。但し、コネクタ30(
図6参照)のY方向におけるサイズをできるだけ小さくするという観点から、本実施の形態の配置が好ましい。
【0080】
仮に、従来の一般的なケーブルコネクタにおける端子列から、本実施の形態と同様に端子列の端に位置するグランド端子を取り除くと、取り除かれたグランド端子に代わって、信号端子のうちの1つが端子列の端に位置する。端子列の端に位置する信号端子(即ち、外側信号端子)のインピーダンスは、2つのグランド端子の間に位置する信号端子(即ち、端子列の内側に位置する内側信号端子)に比べて高くなり易い。外側信号端子のインピーダンスが内側信号端子に比べて高くなると、コネクタ全体の伝送特性が劣化する恐れがある。即ち、本実施の形態の端子列40Rは、従来の一般的なケーブルコネクタの端子列から容易に得られない。
【0081】
一方、
図12を参照すると、本実施の形態のコネクタ30(
図6参照)は、外側信号端子42Aのインピーダンスと内側信号端子42Bのインピーダンスとを互いに近づけるインピーダンス調整機構を有している。このインピーダンス調整機構は、信号端子42及びグランド端子48に加えて、グランド部材60のグランド部66を含んでいる。以下、本実施の形態のインピーダンス調整機構について説明する。
【0082】
図13、
図18及び
図19を参照すると、本実施の形態のグランド部材60の夫々のグランド部66は、側板662と、下板664と、前板666と、後板668とを有している。
【0083】
図10を参照すると、側板662の夫々は、連結部64のY方向外側の端から下方に向かってXZ平面と平行に延びている。
図11を参照すると、側板662の夫々は、保持部336のY方向外側の部位(外側部)の側面に埋め込まれており、Y方向外側に露出している。下板664の夫々は、側板662の下端に繋がっており、XY平面と平行に延びている。下板664の夫々は、保持部336の外側部の下面に埋め込まれており、下方に露出している。前板666の夫々は、下板664の前端から上方に向かってYZ平面と平行に延びている。前板666の夫々は、保持部336の外側部の前面に埋め込まれており、前方に露出している。後板668の夫々は、下板664の後端から上方に向かってYZ平面と平行に延びている。後板668の夫々は、保持部336の外側部の後面に埋め込まれており、後方に露出している。
【0084】
本実施の形態のグランド部66は、上述の構造を有している。但し、グランド部66が後述するように信号端子42のインピーダンス調整に寄与する限り、グランド部66の構造は、特に限定されない。
【0085】
図19及び
図20を参照すると、外側信号端子42Aの夫々は、Y方向において、グランド部材60のグランド部66とグランド端子48(外側グランド端子48A)との間に位置している。即ち、外側信号端子42Aの夫々のY方向外側に、グランド部材60の一部であるグランド部66が配置される。前述したように、グランド部材60は、ケーブル22の外部導体226に接続され、これにより、グランド部66は、グランド電位を有する。
【0086】
図12を参照すると、グランド部66の夫々は、Y方向において、外側信号端子42Aの第1接触部422から一定間隔CIよりも長い距離GDだけ離れている。一方、外側信号端子42Aの夫々の第1調整部426は、Y方向においてグランド部66に向かって張り出している。
図17及び
図21を参照すると、XZ平面における外側信号端子42Aの夫々の第1調整部426の位置は、XZ平面におけるグランド部66の位置と重なっている。この構造により、距離GDが一定間隔CIよりも長くても、外側信号端子42Aの夫々のインピーダンスを低下できる。
【0087】
図12を参照すると、本実施の形態によれば、外側信号端子42Aの夫々のインピーダンスを下げて、2つのグランド端子48の間に位置する信号端子42(内側信号端子42B)のインピーダンスに近づけることができ、これにより、コネクタ30(
図1参照)全体としての伝送特性の劣化を防止できる。即ち、本実施の形態によれば、伝送特性の劣化を防止しつつ、Z方向におけるサイズに加えてY方向におけるサイズを小さくできるコネクタ30を提供できる。
【0088】
本実施の形態によれば、外側信号端子42Aの夫々の第1調整部426全体が、Y方向においてグランド部66に向かって張り出している。詳しくは、本実施の形態の外側信号端子42Aの夫々は、第1外側張出部429Aと第1内側張出部429Bとからなる2つの第1張出部429を有している。2つの第1張出部429は、外側信号端子42AのY方向両側に夫々形成されており、第1接触部422からY方向両側に張り出している。第1張出部429の夫々は、第1接触部422の後端から第1調整部426全体に亘って後方に向かって延びている。即ち、第1外側張出部429Aは、Y方向において第1接触部422からグランド部66に向かって張り出している。
【0089】
本実施の形態の外側信号端子42Aは、上述した張出部を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1外側張出部429Aは、外側信号端子42Aの第1調整部426に部分的に設けられていてもよい。即ち、外側信号端子42Aの夫々の第1調整部426は、Y方向において、グランド部66に向かって少なくとも部分的に張り出していてもよい。
【0090】
図17及び
図21を参照すると、本実施の形態によれば、XZ平面における外側信号端子42Aの夫々の第1調整部426の位置は、XZ平面におけるグランド部66の位置と部分的に重なっている。詳しくは、外側信号端子42A及びグランド部66をY方向に沿って見たとき、第1調整部426は、グランド部66の後板668及び側板662と部分的に重なっている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、外側信号端子42A及びグランド部66をY方向に沿って見たとき、第1調整部426全体がグランド部66と重なっていてもよい。即ち、XZ平面における外側信号端子42Aの夫々の第1調整部426の位置は、XZ平面におけるグランド部66の位置と少なくとも部分的に重なっていてもよい。また、グランド部66の夫々は、側板662に加えて、又は、側板662に代えて、グランド部66のY方向内側に位置する付加的板部を有していてもよい。
【0091】
図16を参照すると、本実施の形態によれば、内側信号端子42Bの夫々の第1調整部426は、Y方向において、隣り合う2つのグランド端子48の第2調整部486から内側所定距離DIだけ離れている。外側信号端子42Aの夫々の第1調整部426は、隣り合うグランド端子48(外側グランド端子48A)の第2調整部486から外側所定距離DEだけ離れている。内側所定距離DIは、外側所定距離DEよりも長い。
【0092】
本実施の形態によれば、内側信号端子42Bの第1調整部426をグランド端子48から遠ざけることで内側信号端子42Bのインピーダンスを高くできる。即ち、内側信号端子42Bのインピーダンスを上げて、外側信号端子42Aのインピーダンスに近づけることができ、これにより、コネクタ30(
図1参照)全体としての伝送特性の劣化を防止できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、外側信号端子42Aのインピーダンスを十分に低下できる場合、内側信号端子42Bのインピーダンスを上げなくてもよい。
【0093】
本実施の形態によれば、内側信号端子42Bの夫々の第1調整部426は、Y方向において、隣り合う2つのグランド端子48の第2調整部486から夫々離れるように凹んでいる。加えて、グランド端子48の夫々の第2調整部486は、Y方向において、隣り合う1つ又は2つの内側信号端子42Bの第1調整部426から夫々離れるように凹んでいる。
【0094】
詳しくは、本実施の形態の内側信号端子42Bの夫々は、2つの第1凹部428を有している。2つの第1凹部428は、内側信号端子42BのY方向両側に夫々形成されており、第1接触部422からY方向両側に凹んでいる。第1凹部428の夫々は、第1接触部422の後端から第1調整部426全体に亘って後方に向かって延びている。
【0095】
加えて、グランド端子48の夫々は、1つ又は2つの第2凹部488を有している。外側グランド端子48Aの夫々において、1つの第2凹部488は、外側グランド端子48AのY方向内側に形成されており、第2接触部482からY方向外側に凹んでいる。内側グランド端子48Bの夫々において、2つの第2凹部488は、内側グランド端子48BのY方向両側に形成されており、第2接触部482からY方向両側に凹んでいる。第2凹部488の夫々は、第2接触部482の後端から第2調整部486全体に亘って後方に向かって延びている。
【0096】
本実施の形態の内側信号端子42B及びグランド端子48は、上述した凹みを有している。本実施の形態によれば、この凹みにより内側所定距離DIを外側所定距離DEよりも長くできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1凹部428及び第2凹部488の一方のみを設けてもよい。
【0097】
図12を参照すると、本実施の形態によれば、外側信号端子42Aの夫々の第1調整部426は、Y方向において、隣り合うグランド端子48(外側グランド端子48A)の第2調整部486に向かって張り出している。加えて、外側信号端子42Aと隣り合うグランド端子48(外側グランド端子48A)の夫々の第2調整部486は、Y方向において、外側信号端子42Aの第1調整部426に向かって張り出している。
【0098】
詳しくは、本実施の形態によれば、外側信号端子42Aの夫々の第1内側張出部429Bは、Y方向において第1接触部422から外側グランド端子48Aに向かって張り出している。加えて、外側グランド端子48Aの夫々は、1つの第2張出部489を有している。外側グランド端子48Aの夫々において、第2張出部489は、外側グランド端子48AのY方向外側に形成されており、第2接触部482からY方向外側に張り出している。第2張出部489の夫々は、第2接触部482の後端から第2調整部486全体に亘って後方に向かって延びている。
【0099】
図16を参照すると、本実施の形態の外側信号端子42A及び外側グランド端子48Aは、上述した張出部を有している。本実施の形態によれば、この張出部により、内側所定距離DIを外側所定距離DEよりも長くできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1張出部429及び第2張出部489の一方のみを設けてもよい。
【0100】
図12を参照すると、本実施の形態によれば、第1外側張出部429AのY方向におけるサイズ(張出量)は、第1内側張出部429BのY方向におけるサイズ(張出量)よりも大きい。但し、本発明は、これに限られない。第1外側張出部429A及び第1内側張出部429Bの夫々の張出量は、他の導電体との位置関係(例えば、一定間隔CI及び距離GD)に応じて設定すればよい。
【0101】
図12を参照すると、本実施の形態の内側信号端子42B及び内側グランド端子48Bの夫々は、XZ平面について対称な形状を有している。外側信号端子42A及び外側グランド端子48Aの夫々は、XZ平面について非対称な形状を有している。一方、本実施の形態の端子列40Rは、端子列40RのY方向における中間点を通過しつつX方向に沿って延びる仮想直線ILについて、対称な構造を有している。換言すれば、端子列40Rは、仮想直線ILを含むXZ平面について、面対称な構造を有している。特に、端子列40RをZ方向に沿って見たとき、端子列40Rは、仮想直線ILについて、線対称な構造を有している。この対称構造によれば、信号端子42のインピーダンスを調整し易い。但し、本発明は、これに限られず、端子列40Rは、仮想直線ILについて、非対称な構造を有していてもよい。
【0102】
図14及び
図17を参照すると、信号端子42の夫々の第1接触部422及び第1調整部426は、XZ平面において互いに同じ形状(第1形状)を有している。グランド端子48の夫々の第2接触部482及び第2調整部486は、XZ平面において互いに同じ形状(第2形状)を有している。第1形状と第2形状とは、互いに一致している。この構造によれば、コネクタ30(
図6参照)のXZ平面におけるサイズを大きくすることなく、信号端子42のインピーダンスを調整できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1形状と第2形状とは、互いに異なっていてもよい。
【0103】
図17を参照すると、本実施の形態によれば、XZ平面における全ての信号端子42の第1調整部426の位置は、XZ平面における全てのグランド端子48の第2調整部486の位置と完全に重なっている。加えて、XZ平面における全ての信号端子42の第1接触部422の位置は、XZ平面における全てのグランド端子48の第2接触部482の位置と完全に重なっている。この配置によれば、第1調整部426及び第2調整部486のY方向におけるサイズを調整することで、信号端子42のインピーダンスを調整し易い。但し、本発明は、これに限られない。例えば、XZ平面における第1調整部426の位置は、XZ平面における
第2調整部486の位置と少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0104】
本実施の形態は、既に説明した変形例に加えて、さらに様々に変形可能である。例えば、
図12を参照すると、本実施の形態の第1接触部422、第2接触部482、結線部424及び連結部484は、Y方向において互いに同じサイズを有しており、X方向に沿って真直ぐ延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1接触部422、第2接触部482、結線部424及び連結部484の夫々は、Y方向において曲がっていてもよい。
【符号の説明】
【0105】
10 コネクタ組立体
20 ハーネス
22 ケーブル
222 芯線
224 内部絶縁体
226 外部導体
228 外部絶縁体
30 コネクタ
30M 嵌合部
30R 受容部
32 基部構造体
33 保持部材
332 収容壁
333 凹部
334 係合突起
336 保持部
34 導電構造体
36 ケーブル保持構造体
362 グランドバー
364 導電部材
38 カバーシェル
382 平板部
383 前側接合孔
384 後側接合孔
386 側板部
388 係合孔
40 端子
40R 端子列
42 信号端子
42A 外側信号端子
42B 内側信号端子
422 第1接触部
424 結線部
426 第1調整部
428 第1凹部
429 第1張出部
429A 第1外側張出部
429B 第1内側張出部
48 グランド端子
48A 外側グランド端子
48B 内側グランド端子
482 第2接触部
484 連結部
486 第2調整部
488 第2凹部
489 第2張出部
50 ベースシェル
52 平板部
522 接合孔
54 連結部
60 グランド部材
62 接続部
64 連結部
66 グランド部
662 側板
664 下板
666 前板
668 後板
70 相手側コネクタ
70R 相手側受容部
72 相手側端子
722 相手側信号端子
728 相手側グランド端子
74 相手側保持部材
76 ホールドダウン
762 ロック突起
80 基板