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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】配策部材のガイド構造及び作業機
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/36 20060101AFI20231218BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
E02F3/36 C
E02F9/00 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020083086
(22)【出願日】2020-05-11
(65)【公開番号】P2021179077
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】一原 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】草間 謙三
(72)【発明者】
【氏名】藤原 純一
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-237996(JP,A)
【文献】特開2015-094159(JP,A)
【文献】特開2004-353401(JP,A)
【文献】特開2016-075042(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0107743(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/36
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側部材に枢支された可動部材と、
前記可動部材に配策される第1配策部材と、
前記第1配策部材をガイドするガイド部材と、
を備え、
前記可動部材は、一側壁と、前記一側壁の側方に間隔を隔てて設けられた他側壁と、前記一側壁と前記他側壁との間に設けられて前記一側壁と前記他側壁とに連結され且つ上下方向に間隔を隔てて対向配置された第1壁部と第2壁部とを有し、
前記ガイド部材は、前記第1壁部と前記第2壁部との間に配策された状態の前記第1配策部材の延伸方向と交差する方向且つ前記側方から前記第1配策部材と前記第2壁部との間に差し込まれて前記可動部材に固定され、前記第1配策部材を前記第1壁部との間でガイドする配策部材のガイド構造。
【請求項2】
前記ガイド部材は、当該ガイド部材を前記第1配策部材と前記第2壁部との間へ差し込む方向である差し込み方向の一端部に、前記可動部材の一側面側または前記可動部材の一側面側に取り付けられた第1取付部材に設けられた孔部に、前記差し込み方向で挿通されて支持される差し込み部を有し、且つ前記差し込み方向の他端部に、前記可動部材の他側面側または前記可動部材の他側面側に取り付けられた第2取付部材に、前記差し込み部が前記孔部に挿通された状態で固定具によって固定される取付ステーが固定されている請求項1に記載の配策部材のガイド構造。
【請求項3】
前記第1配策部材の端部に当該第1配策部材を他の部材に接続する継手部が設けられており、
前記第1壁部と前記ガイド部材との間隔は前記継手部における前記第1配策部材の延伸方向と直交する方向の幅よりも狭い請求項1または2に記載の配策部材のガイド構造。
【請求項4】
前記第1配策部材と前記第2壁部との間に配策された第2配策部材を備え、
前記ガイド部材は、前記第1配策部材と前記第2配策部材とを前記第1壁部と前記第2壁部との間に配策した状態で前記第1配策部材と前記第2配策部材との間に差し込まれている請求項1~3のいずれか1項に記載の配策部材のガイド構造。
【請求項5】
間隔を隔てて対向配置された第1壁部と第2壁部とを有し、固定側部材に枢支された可動部材と、
前記可動部材に配策される第1配策部材と、
前記第1配策部材をガイドするガイド部材と、
前記第1配策部材と前記第2壁部との間に配策された第2配策部材と、
を備え
記ガイド部材は、前記第1壁部と前記第2壁部との間に配策された状態の前記第1配策部材の延伸方向と交差する方向から前記第1壁部と前記第2壁部との間に差し込まれて前記可動部材に固定され、前記第1配策部材を前記第1壁部との間でガイドするものであり、
さらに、前記ガイド部材は、前記第1配策部材と前記第2配策部材とを前記第1壁部と前記第2壁部との間に配策した状態で前記第1配策部材と前記第2配策部材との間に差し込まれており、且つ前記第1壁部と前記第2壁部との間の前記第1壁部寄りに配置され、
前記第1壁部と前記第2壁部との間の前記第2壁部寄りに配置された他のガイド部材を有し、
前記第1配策部材は、前記第1壁部と前記ガイド部材との間に配策され、
前記第2配策部材は、前記ガイド部材と前記他のガイド部材との間に配策され、
前記他のガイド部材と前記第2壁部との間に第3配策部材が配策されている配策部材のガイド構造。
【請求項6】
前記他のガイド部材は、前記第2配策部材の延伸方向に対して交差する方向に延伸して配置されると共に、前記第2配策部材の延伸方向で前記ガイド部材と位置ずれしている請求項5に記載の配策部材のガイド構造。
【請求項7】
前記第1配策部材は、前記第1壁部と前記第2壁部との間から前記可動部材の一側面側又は他側面側に配策され、
前記可動部材の一側面側又は他側面側に配策された前記第1配策部材をクランプするクランプ部材を有している請求項1~6のいずれか1項に記載の配策部材のガイド構造。
【請求項8】
機体と、
請求項1~7のいずれか1項に記載の配策部材のガイド構造と、
前記機体に設けられた前記固定側部材である支持ブラケットと、
前記支持ブラケットに上下方向に延伸する軸心を有する枢軸回りに回動可能に支持された前記可動部材であるスイングブラケットと、
を備えている作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配策部材のガイド構造及びこのガイド構造を備えた作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。
特許文献1に開示された作業機は、機体に設けられた支持ブラケット(固定側部材)にスイングブラケット(可動部材)を枢支し、油圧駆動される作業装置をスイングブラケットに取り付けている。作業機には、作業装置を駆動する油圧アクチュエータに対して作動油を供給及び排出する複数の油圧ホース(配策部材)が機体からスイングブラケットを通って作業装置に配策される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-232712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の作業機にあっては、スイングブラケットは支持ブラケットに対して動くため、スイングブラケットには、油圧ホースの経路を制約したり、油圧ホース同士の干渉等を防止するためにホースガイドが設けられている。ホースガイドは、油圧ホースを配策する前に、スイングブラケットに組み付けられている。このため、従来では、油圧ホースを、スイングブラケットに組み付けられた状態のホースガイドとホースガイド周辺の壁部との間を通して配策しなければならず、油圧ホースの組み付け性が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、配策部材の組み付け性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る配策部材のガイド構造は、固定側部材に枢支された可動部材と、前記可動部材に配策される第1配策部材と、前記第1配策部材をガイドするガイド部材と、を備え、前記可動部材は、一側壁と、前記一側壁の側方に間隔を隔てて設けられた他側壁と、前記一側壁と前記他側壁との間に設けられて前記一側壁と前記他側壁とに連結され且つ上下方向に間隔を隔てて対向配置された第1壁部と第2壁部とを有し、前記ガイド部材は、前記第1壁部と前記第2壁部との間に配策された状態の前記第1配策部材の延伸方向と交差する方向且つ前記側方から前記第1配策部材と前記第2壁部との間に差し込まれて前記可動部材に固定され、前記第1配策部材を前記第1壁部との間でガイドする。
【発明の効果】
【0007】
上記の配策部材のガイド構造によれば、ガイド部材は、第1配策部材を配策した後に、可動部材に組み付けることができる。これにより、第1配策部材の組み付け性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】作業機の側面図である。
図2】スイングブラケットの正面図である。
図3】スイングブラケットの側面断面図である。
図4】スイングブラケットの斜視図である。
図5】ガイド構造体の全体構成を示す斜視図である。
図6】第1構造体の分解斜視図である。
図7】ガイド部材の組付けを説明する斜視図である。
図8】スイングブラケット及びガイド構造体の右側面図である。
図9】スイングブラケット及びガイド構造体の左側面図である。
図10】第2構造体の分解斜視図である。
図11】第1配策部材の配置を示す斜視図である。
図12】第2配策部材、第3配策部材の配置を示す斜視図である。
図13】配策部材の端部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の概略側面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1に示すように、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aに装備された作業装置4とを備えている。走行体1Aは、走行装置3と、走行装置3に搭載された機体(旋回台)2とを有している。機体2には、運転席6を含む運転部2Aと、運転席6の上方を覆うキャノピ5とが搭載されている。
【0010】
本実施形態においては、運転席6に着座したオペレータの前側(図1の矢印A1方向)を前方、オペレータの後側(図1の矢印A2方向)を後方、図1の矢印K1方向を前後方向(機体前後方向)として説明する。また、オペレータの左側(図1の手前側)を左方、オペレータの右側(図1の奥側)を右方、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向(機体2の幅方向)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体幅方向外方として説明する。機体幅方向外方とは反対の方向を、機体幅方向内方として説明する。つまり、機体幅方向内方とは、機体幅方向であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
【0011】
図1に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持する装置である。走行装置3は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)あるいは電動モータ等で構成される走行モータ11によって駆動される。なお、本実施形態ではクローラ式の走行装置3を用いているが、これに限らず、ホイール式等の走行装置を用いてもよい。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。
【0012】
機体2は、底部を構成する鋼板等から形成された旋回基板9を有する。旋回基板9は、走行装置3上に旋回ベアリング8を介して上下方向に延伸する軸心回りに旋回可能に支持されている。機体2の後部には、ウエイト10が設けられている。また、機体2の後部には、原動機が搭載されている。原動機は、ディーゼルエンジンである。なお、原動機は、ガソリンエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
【0013】
機体2は、前部に、作業装置4を支持する支持ブラケット(固定側部材)20及びスイングブラケット(可動部材)21を有している。支持ブラケット20は、機体2から前方に突出状に設けられている。支持ブラケット20は、第1ブラケット部20Aと、第1ブラケット部20Aの下方に間隔をあけて位置する第2ブラケット部20Bとを有している。第1ブラケット部20Aと及び第2ブラケット部20B(支持ブラケット20の前部)には、スイングブラケット21が上下方向に延伸する軸心(縦軸)であるスイング軸心X1回りに揺動可能に取り付けられている。スイングブラケット21は、伸縮可能な油圧シリンダによって構成された図示省略のスイングシリンダによって駆動される。スイングシリンダが伸縮することにより、スイングブラケット21がスイング軸心X1回りに左及び右に揺動する。
【0014】
図1に示すように、作業装置4は、ブーム装置30と、アーム装置40と、作業具装置50とを有している。ブーム装置30は、ブーム31と、ブームシリンダ32とを有している。ブーム31は、基部がスイングブラケット21の上部に機体幅方向に延伸する横軸35を介して揺動可能(回動自在)に支持されている。ブームシリンダ32は、伸縮可能な油圧シリンダによって構成され、スイングブラケット21とブーム31の中途部とにわたって設けられており、伸縮することによりブーム31を揺動させる。
【0015】
アーム装置40は、アーム41と、アームシリンダ42とを有している。アーム41の基端部は、横軸43を介してブーム31の先端部に揺動自在に支持されている。アームシリンダ42は、伸縮可能な油圧シリンダによって構成され、アーム41の基部とブーム31の中途部とにわたって設けられており、伸縮することによりアーム41を揺動させる。
作業具装置50は、作業具としてのバケット51と、作業具シリンダとしてのバケットシリンダ52とを有している。バケット51は、枢軸50Aを介してアーム41の先端部に揺動自在に支持されている。バケットシリンダ52は、伸縮可能な油圧シリンダによって構成され、バケット51とアーム41の先端部との間に設けたリンク機構53とアーム41の基部とにわたって設けられており、伸縮することによりバケット51を揺動させる。
【0016】
図2に示すように、スイングブラケット21は、一側壁56Lと、他側壁56Rとを有している。本実施形態では、一側壁56Lは、スイングブラケット21の左側の壁部を構成し、他側壁56Rは、スイングブラケット21の右側の壁部を構成している。
図2図3に示すように、スイングブラケット21は、複数のシリンダ取付部54を有している。複数のシリンダ取付部54は、第1シリンダ取付部57、第2シリンダ取付部58、第3シリンダ取付部59を含む。
【0017】
第1シリンダ取付部57は、ブーム31の基部が枢支される部位であり、スイングブラケット21の上部に設けられている。詳しくは、第1シリンダ取付部57は、一側壁56Lと他側壁56Rとを連結する枢支筒部57aと、一側壁56L及び他側壁56Rの外面に設けられたシリンダボス57bとを有している。枢支筒部57a及びシリンダボス57bに、ブーム31の基部を枢支する横軸35が挿通される。
【0018】
第2シリンダ取付部58は、ブームシリンダ32の基端側(油圧シリンダのシリンダチューブのボトム側)が枢支される部位であり、スイングブラケット21の前部に設けられている。詳しくは、第2シリンダ取付部58は、一側壁56L及び他側壁56Rの上下方向中途部の前部に設けられている。第2シリンダ取付部58の機体幅方向内方側には、シリンダボス58aが設けられ、シリンダボス58aを貫通する枢軸33を介してブームシリンダ32の基端側が枢支されている。
【0019】
第3シリンダ取付部59は、他側壁56Rの下部から機体幅方向外方に突出している。第3シリンダ取付部59には、スイングシリンダの先端側(油圧シリンダのロッドの先端側)が取り付けられる。
図3に示すように、スイングブラケット21の後部には、複数の枢支部55が設けられている。複数の枢支部55は、第1ブラケット部20Aに枢軸(上スイング軸)62Aを介して枢支される第1枢支部60と、第2ブラケット部20Bに枢軸(下スイング軸)62Bを介して枢支される第2枢支部61とを含む。第1枢支部60及び第2枢支部61は、一側壁56Lと他側壁56Rとの間に設けられ、一側壁56Lと他側壁56Rとを連結している。上スイング軸62A及び下スイング軸62Bの軸心は、スイング軸心X1に一致する。
【0020】
第1枢支部60は、第1ブラケット部20Aの上面側に配置される上壁60Aと、第1ブラケット部20Aの下面側に配置される下壁(第1壁部)60Bとを有する二股状に形成されている。上スイング軸62Aは、上壁60A、第1ブラケット部20A及び第1壁部60Bを貫通している。
第2枢支部61は、第2ブラケット部20Bの上面側に配置される上壁(第2壁部)61Aと、第2ブラケット部20Bの下面側に配置される下壁61Bとを有する二股状に形成されている。下スイング軸62Bは、第2壁部61A、第2ブラケット部20B及び下壁61Bを貫通している。
【0021】
第1枢支部60と第2枢支部61とは、上下方向で間隔を開けて並べて配置されている。つまり、第1壁部60Bと第2壁部61Aとは、対向配置されている。詳しくは、第1壁部60Bと第2壁部61Aとは、上下方向で間隔を隔てて対向している。
図2図3に示すように、スイングブラケット21は、一側壁56Lと他側壁56Rとを連結する連結壁63を有している。連結壁63は、第1枢支部60の前方側且つ第2シリンダ取付部の後方側に配置されている。連結壁63の上部には、ホースガイド64が取り付けられている。
【0022】
図4に示すように、スイングブラケット21には、複数の配策部材66が配策されている。詳しくは、複数の配策部材66は、機体2からスイングブラケット21を通って作業装置4に配策される部材であり、本実施形態では、油圧ホースである。複数の配策部材66は、複数の第1配策部材67、複数の第2配策部材68及び複数の第3配策部材69を含む。第1配策部材67は、作業装置4に装備されたバルブをパイロット操作するための作動油(パイロット油)を供給及び排出させる油圧ホースである。第2配策部材68及び第3配策部材69は、作業装置4に装備された油圧シリンダやバケット51の代わりに又はバケット51と共に装着される油圧アタッチメントに対して作動油を供給及び排出させるための油圧ホースである。
【0023】
なお、配策部材は、油圧ホースに限るものではなく、例えば電気配線を束ねて形成されたワイヤハーネスであってもよい。
図4に示すように、スイングブラケット21には、複数の配策部材66をガイドするガイド構造体70が取り付けられている。
図5に示すように、ガイド構造体70は、第1構成体71と、第2構成体72とを有している。第1構成体71は、スイングブラケット21に取り付けられた取付体73と、取付体73に取り付けられる第1配策ガイド74及び第2配策ガイド75を有している。取付体73は、スイングブラケット21の一側面側(左側面側)に取り付けられた第1取付部材76と、スイングブラケット21の他側面側(右側面側)に取り付けられた第2取付部材77とを有している。
【0024】
図6図8に示すように、第1取付部材76は、主要構成要素であるプレート部材76Aを有している。プレート部材76Aは、第1壁部60Bの一側方(左側方)に配置され、板面が機体幅方向を向く板材によって形成されている。プレート部材76Aは、第1部位76aと、第2部位76bとを有している。第1部位76aは、上部が第1壁部60Bに形成された取付部位79にボルト78によって取り付けられている。第2部位76bは、第1部位76aの前部から下方に延設されている。第2部位76bの下部は、第2配策ガイド75が取り付けられる取付部76cとされている。
【0025】
第1取付部材76の機体幅方向内方側の面には、杆材80が固定されている。杆材80は、棒材(丸棒材)で形成され、第1取付部材76の前後方向K1中途部で且つ第2部位76bより後方に配置されている。杆材80は、上部が第1部位76aに固定され、下部が第1部位76aから下方に突出している。
図6図8に示すように、第1取付部材76は、支持部81を有している。支持部81は、第1部位76aの後部且つ下部に設けられている。支持部81は、第1部位76aに形成された切り欠き部82と、第1部位76aに固定された支持杆83とを有して構成されている。切り欠き部82は、上縁部82aと、前縁部82bとから後方及び下方に開放状に切り欠かれている。支持杆83は、上下方向に延伸する縦杆部83aと、縦杆部83aの下端から前方に延びる横杆部83bとを有している。縦杆部83aは、切り欠き部82の後方に配置されていて、上部が第1部位76aに固定され、下部が切り欠き部82の後方開放部分を塞いでいる。横杆部83bの前部は第1部位76aに固定されている。横杆部83bの後部は、切り欠き部82の下方開放部分を塞いでいる。上記の支持部81は、上縁部82a、前縁部82b、縦杆部83a及び横杆部83bで囲まれる挿通部(孔部)81aを有している。
【0026】
図5図7に示すように、第2取付部材77は、主要構成要素であるプレート部材77Aを有している。プレート部材77Aは、第1壁部60Bの他側方(右側方)に配置され、板面が機体幅方向を向く板材によって形成されている。プレート部材77Aは、第1部位77aと、第2部位77bと、第3部位77cとを含む。第1部位77aは、前後方向K1に延伸して形成されていて、該第1壁部60Bに設けられた取付部位84にボルト85によって固定されている。第2部位77bは、第1部位77aの後部から下方に延出されている。第2部位77bは、第1配策ガイド74が取り付けられる取付部である。第3部位77cは、第1部位77aの前部から下方に延出されている。第3部位77cの下部は、第2部位77bよりも下方に延出されている。第3部位77cの下部は、第2配策ガイド75が取り付けられる取付部77eとされている。
【0027】
に示すように、第2取付部材77は、ガイド杆86と、保護杆87とを有している。ガイド杆86及び保護杆87は、棒材(丸棒材)で形成されている。ガイド杆86は、配策部材66(第1配策部材67)をガイドする。保護杆87は、配策部材66(第1配策部材67)がプレート部材77Aのエッジに接触するのを防止する。ガイド杆86は、上下方向に延伸して配置され、上部が第1部位77aの前部の機体幅方向内方側の面に固定されている。また、ガイド杆86は、第1部位77aから下方に突出している。ガイド杆86の下部は、第3部位77cの下部にまで延びている。保護杆87は、ガイド杆86の前側に略平行状に配置され、第3部位77cの後端に固定されている。
【0028】
図6図7に示すように、第2取付部材77には、ガイド杆88が固定されている。ガイド杆88は、棒材(丸棒材)で形成され、例えば、ワイヤハーネスをガイドすることが可能である。ガイド杆88は、第2部位77bに固定される基部88aと、基部88aの上端から機体幅方向内方に延出するガイド部88bとを有している。
図6図7に示すように、第1配策ガイド74は、複数の杆材92で形成された第1ガイド部材(ガイド部材)90と、板面が機体幅方向を向く板材によって形成されていて第1ガイド部材90の右側部に固定された取付ステー89とを有している。
【0029】
図5に示すように、第1ガイド部材90は、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間の第1壁部60B寄りに配置されている。
図6図7に示すように、第1ガイド部材90を構成する複数の杆材92は、棒材(丸棒材)で形成されている。複数の杆材92は、第1杆材93、第2杆材94、第3杆材95及び第4杆材96を含む。
【0030】
第1杆材93は、第1部位93a、第2部位93b、第3部位93c及び第4部位93dを有している。第1部位93aは、機体幅方向に延伸して形成されている。第2部位93bは、第1部位93aの右端部から前方に延出していて取付ステー89の下端に固定されている。第3部位93cは、第1部位93aの左端部から左方に向かうにつれて前方に移行する傾斜方向に延出している。第4部位93dは、第3部位93cの左端部から左方に向けて延出し且つ機体幅方向に延伸して形成されている。
【0031】
第2杆材94は、第1部位94a、第2部位94b、第3部位94c及び第4部位94dを有している。第1部位94aは、機体幅方向に延伸して形成されていて、第1杆材93の第1部位93aの前方に平行状に配置されている。第2部位94bは、第1部位94aの右端部から後方に向かうにつれて右方に移行する傾斜方向に延出している。第3部位94cは、第2部位94bの後端部から上方に延出していて、取付ステー89の前端に固定されている。第4部位94dは、第1部位94aの左端から左方に直線状に延出していて、第1杆材93の第4部位93dに重ね合わされて固定されている。第1杆材93の第4部位93dと第2杆材94の第4部位94dとは、支持部81の挿通部81aに差し込み可能である。つまり、第4部位93d及び第4部位94dは、支持部81の挿通部81aに差し込み可能な差し込み部90aを構成している。
【0032】
図6図7に示すように、第3杆材95は、第1杆材93の第1部位93aと第2杆材94の第1部位94aとの間の左側に配置され、これら第1部位93aと第1部位94aとを連結している。
第4杆材96は、第1部位96aと第2部位96bとを有している。第1部位96aは、第1杆材93の第1部位93aと第2杆材94の第1部位94aとの間の右側に配置され、これら第1部位93aと第1部位94aとを連結している。第2部位96bは、第1部位96aの後端部から上方に延出している。
【0033】
図5に示すように、取付ステー89は、第2取付部材77の第2部位77bに取り付けられる。詳しくは、取付ステー89は、第2部位77bの機体幅方向外方側の面に重ね合わされて、ボルト及び該ボルトにねじ込まれるナットによって構成される固定具91によって第2部位77bに取り付けられ、固定される。
第1配策ガイド74は、以下のようにして取り付けられる。
【0034】
図7に示すように、スイングブラケット21に取り付けられた状態の取付体73(第2取付部材77)の右方に第1配策ガイド74(第1ガイド部材90)を配置すると共に該第1配策ガイド74を取付体73に対して左方に移動し、差し込み部90aを支持部81の挿通部81aに差し込み且つ取付ステー89を第2取付部材77の第2部位77bに取り付ける。これにより、図5に示すように、第1配策ガイド74の一側部が第1取付部材76の支持部81に挿通されて支持されると共に第1配策ガイド74の他側部が第2取付部材77の第2部位(取付部)77bに固定具91によって固定される。
【0035】
以上のように、第1配策ガイド74は、スイングブラケット21に取り付けられた取付体73に対して側方から取り付けることができるので、スイングブラケット21に配策された第1配策部材67及び第2配策部材68に対して、第1配策部材67と第2配策部材68との間に差し込んで取付体73に取り付けることができる。
なお、第1配策ガイド74は、配策された状態の第1配策部材67と第2配策部材68との間に第1ガイド部材90が差し込まれた後に、取付体73に取り付けられる構造であればよく、種々の設計変更が可能である。例えば、第1ガイド部材90の一端側の差し込み部90aの代わりに取付ステーを設け、該取付ステーがボルト及びナット等の固定具によって第1取付部材76に取り付けられる構造にすることもできる。
【0036】
また、上記構成では、第1ガイド部材90は、一端部がスイングブラケット21の一側面側に取り付けられた第1取付部材76に設けられた挿通部(孔部)81aに挿通されて支持され、他端部がスイングブラケット21の他側面側に取り付けられた第2取付部材77に固定具91によって固定される構造としたが、これに限定されることはなく、第1ガイド部材90は、一端部がスイングブラケット21の一側面側に直接的(スイングブラケット21自体)に形成された孔部に挿通されて支持され、他端部がスイングブラケット21の他側面側に直接的に固定具91によって固定される構造としてもよい。
【0037】
次に、第2配策ガイド75について説明する。
図7に示すように、第2配策ガイド75は、第2ガイド部材(他のガイド部材)97と、第2ガイド部材97の一端側(左端側)に固定された第1ステー98Lと、第2ガイド部材97の他端(右端側)に固定された第2ステー98Rとを有している。
図5図7に示すように、第2ガイド部材97は、棒材(丸棒材)で形成されていて、第1ガイド部材90の下方側に機体幅方向に延伸するように配置されている。言い換えると、図12に示すように、第2ガイド部材97は、第2配策部材68の延伸方向に対して交差する方向に延伸して配置されている。
【0038】
図3に示すように、第2ガイド部材97は、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間の第2壁部61A寄りに配置されている。さらに、第2ガイド部材97は、第2配策部材68の延伸方向で第1ガイド部材90と位置ずれしている。具体的には、第2ガイド部材97は、第1ガイド部材90よりも前方(第2配策部材68を横切る方向及び第1壁部60Bと第2壁部61Aとの対向方向に直交する方向)に配置されている。
【0039】
図5図7に示すように、第1ステー98Lは、第1取付部材76の取付部76cの機体幅方向外方側(左方側)に配置され、前部がボルト99L及びボルト99Lにねじ込まれるナットによって取付部76cに取り付けられている。第1ステー98Lの後部に第2ガイド部材97の左端部が固定されている。
第2ステー98Rは、第2取付部材77の取付部77eの機体幅方向外方側(右方側)に配置され、前部がボルト99R及びボルト99Rにねじ込まれるナットによって取付部77eに取り付けられている。第2ステー98Rの後部に第2ガイド部材97の右端部が固定されている。
【0040】
次に、第2構成体72について説明する。
図9に示すように、第2構成体72は、スイングブラケット21の右側面側に設けられている。また、第2構成体72は、第2取付部材77の前方に配置されている。
なお、第2構成体72は、スイングブラケット21の左側面側に設けられていてもよい。この場合、第2取付部材77をスイングブラケット21の左側面側に設け、第1取付部材76をスイングブラケット21の右側面側に設ける。
【0041】
第2構成体72は、取付ステー101と、クランプ部材102と、ガイド杆103と、複数の杆材104とを有している。
図10に示すように、取付ステー101は、第1プレート101aと、第2プレート101bと、筒部101cとを有している。第1プレート101aは、上下方向に長い板材によって形成され、上部がスイングブラケット21の他側壁56Rに設けられた取付部位109にボルト105によって取り付けられている。第2プレート101bは、第1プレート101aの下部に固定されている。筒部101cは、機体幅方向に延伸する軸心を有する筒体によって形成され、第2プレート101bに、右方に突出状に固定されている。
【0042】
クランプ部材102は、クランプ本体107と、保持部材108とを有している。クランプ本体107は、ゴム等の弾性部材によって矩形ブロック状に形成されている。クランプ本体107には、複数の挿通穴(第1挿通穴107a~第4挿通穴107d)と、貫通穴107eとが形成されている。第1挿通穴107a~第4挿通穴107dは、配策部材66(第1配策部材67)を通す穴であって、クランプ本体107を前後方向K1に貫通して形成されている。第1挿通穴107aと第2挿通穴107bとは、クランプ本体107の上部に機体幅方向に並べて形成されている。第3挿通穴107cと第4挿通穴107dとは、クランプ本体107の下部に機体幅方向に並べて形成されている。なお、クランプ本体107には、クランプ本体107の外表面から第1挿通穴107a~第4挿通穴107dに至るスリットが形成されていて、該スリットを介して配策部材66が第1挿通穴107a~第4挿通穴107dに挿入可能とされている。貫通穴107eは、クランプ本体107の上下方向中途部を機体幅方向で貫通して形成されている。貫通穴107eに筒部101cが挿通可能である。
【0043】
保持部材108は、側壁部108aと、側壁部108aの上端部から機体幅方向内方(左方)に延出された上壁部108bと、側壁部108aの下端部から機体幅方向内方に延出された下壁部108cとを有している。保持部材108は、クランプ本体107の外側に嵌められると共に側壁部108aを貫通して筒部101cにねじ込まれるボルト106によって取付ステー101に取り付けられる。これにより、保持部材108は、クランプ本体107を保持する。
【0044】
ガイド杆103は、棒材(丸棒材)によって形成され、第1部位103a~第5部位103eを有している。第1部位103aは、前方に向かうにつれて右方に移行する傾斜方向に延伸し、保持部材108の上壁部108bに固定されている。第2部位103bは、第1部位103aの前端部から前方に延出されている。第3部位103cは、第2部位103bの前端部から下方に延出されている。第4部位103dは、第3部位103cの下端部から左方に延出されている。第5部位103eは、第1部位103aの後端部から上方に延出されている。
【0045】
複数の杆材104は、保持部材108の側壁部108a上部に固定された上杆材104Aと、側壁部108a下部に固定された下杆材104Bとを含む。上杆材104Aの前部は、側壁部108aの上部に固定されている。上杆材104Aの後部は、後方に向かうにつれて左方且つ上方に移行する傾斜方向に延伸している。下杆材104Bの前部は、側壁部108aの下部に固定されている。下杆材104Bの後部は、後方に向かうにつれて左方且つ下方に移行する傾斜方向に延伸している。
【0046】
図11に示すように、本実施形態では、複数の第1配策部材67は、4本設けられている。4本の第1配策部材67は、第1壁部60Bと第1ガイド部材90との間において、第1配策部材67の幅方向(油圧ホースの径方向)に並べて配策されている。また、4本の第1配策部材67は、第1壁部60Bと第1ガイド部材90との間から、ガイド杆86と第2杆材94の第3部位94cとの間を通ってスイングブラケット21の右方に配策されてクランプ部材102にクランプされている。クランプ部材102の上部にクランプされた2本の第1配策部材67は、ガイド杆103の第2部位103bの左方を通って、アームシリンダ42に取り付けられるバルブに対して作動油を供給及び排出するための油圧管路に接続される。クランプ部材102の下部にクランプされた2本の第1配策部材67は、ガイド杆103の第3部位103cの左方且つ第4部位103dの上方を通って、ブームシリンダ32に取り付けられるバルブに接続される。
【0047】
図12に示すように、複数の第2配策部材68は、6本設けられている。6本の第2配策部材68のうち、2本はアームシリンダ42に対して作動油を供給及び排出するための油圧ホースであり、他の2本はバケットシリンダ52に対して作動油を供給及び排出するための油圧ホースであり、残りの2本は油圧アタッチメントに対して作動油を供給及び排出するための油圧ホースである。第2ガイド部材97は、6本の第2配策部材68を横切って配置されている。6本の第2配策部材68は、第1ガイド部材90と第2ガイド部材97との間を通して配策される。また、図3に示すように、6本の第2配策部材68は、第1ガイド部材90と第2ガイド部材97との間を通った後、連結壁63と第1枢支部60との間を通ってスイングブラケット21の前上方に配策される。
【0048】
図12に示すように、複数の第3配策部材69は、2本設けられている。2本の第3配策部材69は、ブームシリンダ32に対して作動油を供給及び排出するための油圧ホースである。図3に示すように、2本の第3配策部材69は、第2ガイド部材97と第2壁部61Aとの間に配策され、第2ガイド部材97と第2壁部61Aとの間から連結壁63と枢軸33との間を通ってスイングブラケット21の前方に配策される。
【0049】
図13に示すように、配策部材66(油圧ホース)の端部には、当該配策部材66を他の部材(バルブ、鋼管、油圧ホース、油圧シリンダ等)に接続する口金具(継手部)111が設けられている。この口金具111の幅(口金具111における配策部材66の延伸方向と直交する方向の幅)111aは、配策部材66の幅(油圧ホースの直径)66aよりも大きい幅に形成されている。
【0050】
第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に、アームシリンダ42、バケットシリンダ52、油圧アタッチメント、ブームシリンダ32に対して作動油を供給及び排出する第2配策部材68、第3配策部材69に加えて、パイロット用の第1配策部材67を配策する場合、配策部材66の配策が困難になることがある。
例えば、第1ガイド部材90及び第2ガイド部材97をスイングブラケット21に取り付けた後に、配策部材66を配策する場合、第1壁部60Bと第1ガイド部材90との間の間隔、第1ガイド部材90と第2ガイド部材97との間の間隔、第2ガイド部材97と第2壁部61Aとの間の間隔を、口金具111が通る間隔に形成しなければならない。しかしながら、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間の間隔が十分にないと、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に、口金具111を通す間隔を十分に形成できない場合がある。
【0051】
本実施形態では、第1ガイド部材90(第1配策ガイド74)は、スイングブラケット21の側方から第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に差し込んで取付体73に取り付けることができる。即ち、第1ガイド部材90(第1配策ガイド74)は、配策部材66を配策した後に、第1配策部材67の延伸方向と交差する方向から第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に差し込まれてスイングブラケット21に組み付けることができる。詳しくは、第1ガイド部材90(第1配策ガイド74)を組み付ける前に、第1配策部材67、第2配策部材68を第2ガイド部材97の上方に配策すると共に第3配策部材69を第2ガイド部材97の下方に配策し、この状態で、第1ガイド部材90を第1配策部材67と第2配策部材68との間に差し込んで取付体73に組み付けることができる。これにより、図3に示す第1壁部60Bと第1ガイド部材90との間の間隔W1を、第1配策部材67の幅以上で且つ口金具111の幅111a以下に(口金具111の幅111aよりも狭く)形成することができる。したがって、本実施形態では、従来よりも多い本数の配策部材66を同一空間で(第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に)配置することができる。
【0052】
なお、第1ガイド部材90に、第1杆材93及び第2杆材94と第1壁部60Bとの間に配置される他の杆材を含めることもできる。この場合は、第1杆材93及び第2杆材94と他の杆材との間の間隔を、第1配策部材67の幅以上で且つ口金具111の幅以下に形成することができる。即ち、第1杆材93及び第2杆材94と該第1杆材93及び第2杆材94の上方に在る部材との間隔が、第1配策部材67を通すことのできる隙間に形成されていればよい。
【0053】
また、配策部材66を配置した後に、第1ガイド部材90(第1配策ガイド74)を組み付けることができるので、第1壁部60Bと第2ガイド部材97との間に第1配策部材67及び第2配策部材68を容易に配置することができる。
また、第1配策ガイド74は、差し込み部90aを支持部81(挿通部81a)に差し込み、固定具91を構成する一本のボルトによって第2部位77bに取り付けられるので、第1配策ガイド74の取り付けを、スイングブラケット21の片側の側方から容易に行える。
【0054】
また、図3に示すように、第2ガイド部材97は、第1ガイド部材90に対して前方に位置ずれしているので、第1ガイド部材90(第2杆材94)と第2ガイド部材97との間隔を広くとることができる。
本実施形態の配策部材のガイド構造は、固定側部材(支持ブラケット20)に枢支された可動部材(スイングブラケット21)と、可動部材21に配策される第1配策部材67と、第1配策部材67をガイドするガイド部材(第1ガイド部材90)と、を備え、可動部材21は、間隔を隔てて対向配置された第1壁部60Bと第2壁部61Aとを有し、ガイド部材90は、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に配策された状態の第1配策部材67の延伸方向と交差する方向から第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に差し込まれて可動部材21に固定され、第1配策部材67を第1壁部60Bとの間でガイドする。
【0055】
この構成によれば、ガイド部材90は、第1配策部材67を配策した後に、可動部材21に組み付けることができる。これにより、第1配策部材67の組み付け性を向上させることができる。
また、ガイド部材90は、一端部が可動部材21の一側面側または可動部材21の一側面側に取り付けられた第1取付部材76に設けられた孔部(挿通部81a)に挿通されて支持され、他端部が可動部材21の他側面側または可動部材21の他側面側に取り付けられた第2取付部材77に固定具91によって固定されている。
【0056】
この構成によれば、ガイド部材90の組み付けを容易に行うことができる。
また、第1配策部材67の端部に当該第1配策部材67を他の部材に接続する継手部(口金具111)が設けられており、第1壁部60Bとガイド部材90との間隔W1は継手部111における第1配策部材67の延伸方向と直交する方向の幅111aよりも狭い。
ガイド部材90は、第1配策部材67を配策した後にでも可動部材21に組み付けることができるので、第1壁部60Bとガイド部材90との間隔W1が継手部111の幅111aよりも狭くても、ガイド部材90及び第1配策部材67を組み付けることができる。
【0057】
また、第1配策部材67と第2壁部61Aとの間に配策された第2配策部材68を備え、ガイド部材90は、第1配策部材67と第2配策部材68とを第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に配策した状態で第1配策部材67と第2配策部材との間に差し込まれている。
この構成によれば、第1配策部材67及び第2配策部材の組み付け性を向上させることができる。
【0058】
また、ガイド部材90は、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間の第1壁部60B寄りに配置され、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間の第2壁部61A寄りに配置された他のガイド部材(第2ガイド部材97)を有し、第1配策部材67は、第1壁部60Bとガイド部材90との間に配策され、第2配策部材68は、ガイド部材90と他のガイド部材97との間に配策され、他のガイド部材97と第2壁部61Aとの間に第3配策部材69が配策されている。
【0059】
この構成によれば、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間に、従来よりも多くの配策部材66を配置することができる。
また、他のガイド部材97は、第2配策部材68の延伸方向に対して交差する方向に延伸して配置されると共に、第2配策部材68の延伸方向でガイド部材90と位置ずれしている。
【0060】
この構成によれば、ガイド部材90と他のガイド部材97との間隔を広くとることができる。
また、第1配策部材67は、第1壁部60Bと第2壁部61Aとの間から可動部材21の一側面側又は他側面側に配策され、可動部材21の一側面側又は他側面側に配策された第1配策部材67をクランプするクランプ部材102を有している。
【0061】
この構成によれば、第1配策部材67をクランプ部材102でクランプした状態で第1配策部材67と第2配策部材68との間にガイド部材90を差し込むことができ、ガイド部材90の組み付け性のよい配策部材のガイド構造を提供することができる。
また、本実施形態の作業機1は、機体2と、上記配策部材のガイド構造と、機体2に設けられた固定側部材である支持ブラケット20と、支持ブラケット20に上下方向に延伸する軸心を有する枢軸62A,62B回りに回動可能に支持された可動部材であるスイングブラケット21と、を備えている。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0063】
2 機体
20 固定側部材(支持ブラケット)
21 可動部材(スイングブラケット)
60B 第1壁部
61A 第2壁部
62A 枢軸
62B 枢軸
67 第1配策部材
68 第2配策部材
69 第3配策部材
70 ガイド構造体
73 取付体
76 第1取付部材
77 第2取付部材
81 支持部
81a 孔部(挿通部)
90 ガイド部材(第1ガイド部材)
91 固定具
97 他のガイド部材(第2ガイド部材)
102 クランプ部材
111 継手部(口金具)
111a 幅
W1 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13