(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】直流電流遮断装置
(51)【国際特許分類】
H01H 33/59 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
H01H33/59 D
(21)【出願番号】P 2020114823
(22)【出願日】2020-07-02
【審査請求日】2023-02-06
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2015年度~2019年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 次世代洋上直流送電システム開発事業 システム開発/要素技術開発委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児山 裕史
(72)【発明者】
【氏名】石黒 崇裕
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-162713(JP,A)
【文献】特開2018-133867(JP,A)
【文献】特開2019-040710(JP,A)
【文献】特開平08-212878(JP,A)
【文献】特開2017-103919(JP,A)
【文献】特開平11-326393(JP,A)
【文献】特開2001-112295(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0106258(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/59
H01H 9/54
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式接点または電気式接点と、
前記機械式接点または電気式接点と並行に設けられた半導体遮断器と、
前記機械式接点または電気式接点を流れる電流を前記半導体遮断器に転流させる転流回路と、
複数の電流検出器と、
前記複数の電流検出器の検出値に基づいて前記機械式接点または電気式接点、前記半導体遮断器、および前記転流回路を制御し、直流電流遮断装置を流れる直流電流を遮断する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記複数の電流検出器のうち一部または全部の前記電流検出器の検出値の変化度合いまたは、他の電流検出器の検出値との関係に基づいて前記複数の電流検出器のうち一部または全部に異常が生じているか否かを判定し、異常が生じていると判定した場合、前記直流電流を遮断するための一連の動作を停止する、
直流電流遮断装置。
【請求項2】
前記複数の電流検出器は、前記転流回路を流れる電流を検出可能な電流検出器を含み、
前記制御装置は、前記転流回路の状態を切り替えることで生じる、前記転流回路を流れる電流の変化期間における、前記転流回路を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いに基づいて、前記転流回路を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する、
請求項1記載の直流電流遮断装置。
【請求項3】
前記複数の電流検出器は、前記転流回路を流れる電流を検出可能な電流検出器を含み、
前記制御装置は、前記転流回路の状態を切り替えた前後における、前記転流回路を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いに基づいて、前記転流回路を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する、
請求項1または2記載の直流電流遮断装置。
【請求項4】
前記転流回路は、互いに直列に接続された複数の子転流回路を含み、
前記制御装置は、前記検出値の変化度合いと、前記複数の子転流回路のうち状態を変更した子転流回路の数に応じた閾値との比較に基づいて、前記転流回路を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する、
請求項2または3記載の直流電流遮断装置。
【請求項5】
前記複数の電流検出器は、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器を含み、
前記制御装置は、前記半導体遮断器の状態を切り替えることで生じる、前記半導体遮断器を流れる電流の変化期間における、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いに基づいて、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する、
請求項1から4のうちいずれか1項記載の直流電流遮断装置。
【請求項6】
前記複数の電流検出器は、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器を含み、
前記制御装置は、前記半導体遮断器の状態を切り替えた前後における、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いに基づいて、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する、
請求項1から5のうちいずれか1項記載の直流電流遮断装置。
【請求項7】
前記複数の電流検出器は、前記機械式接点または電気式接点を流れる電流を検出可能な電流検出器と、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器と、前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器とを含み、
前記制御装置は、前記機械式接点または電気式接点を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値および前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の和と、前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値が一致しているか否かに基づいて、前記機械式接点または電気式接点を流れる電流を検出可能な電流検出器、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器、または前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する、
請求項1から6のうちいずれか1項記載の直流電流遮断装置。
【請求項8】
前記複数の電流検出器は、三以上の線路が接続される節点に接続された前記三以上の線路のそれぞれを流れる電流を検出可能な三以上の電流検出器を含み、
前記制御装置は、前記三以上の線路のそれぞれを流れる電流を検出可能な三以上の電流検出器の検出値がキルヒホッフの第1法則を満たさない場合に、前記三以上の線路のそれぞれを流れる電流を検出可能な三以上の電流検出器のいずれかに異常が生じていると判定する、
請求項1から7のうちいずれか1項記載の直流電流遮断装置。
【請求項9】
前記複数の電流検出器は、前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器を含み、
前記制御装置は、前記直流電流を遮断するための一連の動作を指示する上位制御装置と通信し、前記上位制御装置から取得した前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流の値と、前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値とを比較することで、前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する、
請求項1から7のうちいずれか1項記載の直流電流遮断装置。
【請求項10】
前記複数の電流検出器は、前記機械式接点または電気式接点を流れる電流を検出可能な電流検出器と、前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器とを更に含み、
前記制御装置は、前記上位制御装置から取得した前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流の値と、前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値とが相違し、且つ、前記機械式接点または電気式接点を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値および前記半導体遮断器を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の和と、前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値が一致している場合、前記上位制御装置から取得した前記直流電流遮断装置の全体に流れる電流の値が異常である旨を、前記上位制御装置に通知する、
請求項9記載の直流電流遮断装置。
【請求項11】
前記転流回路は、一以上のスイッチング素子を備え、
前記制御装置は、前記直流電流を遮断するための一連の動作を停止する場合、前記転流回路と前記半導体遮断器に与える全てのゲート信号をオフにする、
請求項1から10のうちいずれか1項記載の直流電流遮断装置。
【請求項12】
前記制御装置は、
前記直流電流を遮断するための一連の動作を指示する上位制御装置と通信し、
前記直流電流を遮断するための一連の動作を停止する場合、前記複数の電流検出器のうち一部または全部に異常が生じている旨の情報を、前記上位制御装置に送信する、
請求項1から11のうちいずれか1項記載の直流電流遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、直流電流遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、送電システムにおいて直流送電を行うことについて検討・導入が進められている。直流送電システムは、従来の交流送電システムに比べ、長距離大電力送電に適用した場合に、低コストで設置可能であり且つ送電損失が少ない高効率システムを構築することが可能である。その一方、直流送電においては系統事故の発生した個所を遮断・隔離することが難しい。直流電流では、電流がゼロを横切る点(ゼロ点)が生じないため、機械式接点では電流を容易に遮断できないためである。これを解決するため、様々な直流電流遮断装置が検討されている。
【0003】
直流電流遮断装置を運転する際には、内部の電流情報を動作の制御に用いるために、電流を検出することが重要となる。しかし直流電流遮断装置は平常時には導通状態を保ち、直流送電線に事故が発生した場合にのみ遮断動作するものであるため、平常時には特段の動作が発生しない。したがって、電流検出に故障が発生していても、それを検知できるのは事故が発生した時である。事故時に正常に回線を遮断するためには、電流検出器の故障をいち早く検出する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電流検出器の故障を早期に検出し、故障がある場合には速やかにシステムを保護停止させることができる直流電流遮断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の直流電流遮断装置は、機械式接点または電気式接点と、半導体遮断器と、転流回路と、複数の電流検出器と、制御装置とを持つ。半導体遮断器は、前記機械式接点または電気式接点と並行に設けられている。転流回路は、前記機械式接点または電気式接点を流れる電流を前記半導体遮断器に転流させる。制御装置は、前記複数の電流検出器の検出値に基づいて前記機械式接点または電気式接点、前記半導体遮断器、および前記転流回路を制御し、前記直流電流遮断装置を流れる直流電流を遮断する。また、前記制御装置は、前記複数の電流検出器のうち一部または全部の前記電流検出器の検出値の変化度合いまたは、他の電流検出器の検出値との関係に基づいて前記複数の電流検出器のうち一部または全部に異常が生じているか否かを判定し、異常が生じていると判定した場合、前記直流電流を遮断するための一連の動作を停止する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態の直流電流遮断装置1の構成の一例を示す図。
【
図2】直流電流遮断装置1の動作について説明するための図。
【
図3】直流電流遮断装置1の動作について説明するための図。
【
図4】直流電流遮断装置1の動作について説明するための図。
【
図5】変形例の直流電流遮断装置1Aの構成の一例を示す図。
【
図6】上位制御装置200と制御装置100との関係を示す図。
【
図7】遮断動作時において制御装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図9】第2の実施形態に係る直流電流遮断装置1Bの構成の一例を示す図。
【
図10】第3の実施形態に係る直流電流遮断装置1Cの構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の直流電流遮断装置を、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1の構成の一例を示す図である。例えば、図の左側には送電設備が存在し、図の右側には需要家が存在する。この場合、通常であれば左側から右側に直流電流が流れる。電流遮断装置1は、例えば、転流回路11、機械接点式の断路器12、遮断器13、半導体遮断器14、アレスタ15、ダイオード16、リアクトル17、補助断路器18、および制御装置100を備える。電流遮断装置1には、電流検出器S1~S6が取り付けられている。電流検出器S1~S6のそれぞれの検出値は制御装置100に入力される。
【0010】
直流電流遮断装置1の第1端である節点dと第2端である節点cは、断路器12と遮断器13が直列に接続された第1線路と、半導体遮断器14とアレスタ15が並列に接続され、更にダイオード16が直列に接続された第2線路とで並列に接続されている。また、第1線路における断路器12と遮断器13との間の節点aと、第2線路におけるダイオード16のカソード側の節点bとを接続する第3線路には、転流回路11が設けられている。
【0011】
転流回路11は、例えば、コンデンサ11A、ダイオード11B、スイッチング部11C、およびサイリスタ11Dを備え、それらが図示する形態で接続されている。スイッチング部11Cは、それぞれ、互いに並列に接続されたスイッチング素子とダイオードとを備える。サイリスタ11Dは、オフ状態において、流れる電流を双方向に阻止し、オン状態において、節点aから節点bに向けて流れる電流を許容し、その逆向きの電流を阻止する。転流回路11のスイッチング部11Cのオン・オフ制御は、制御装置100によって行われる。
【0012】
断路器12と遮断器13は、制御装置100によって開極状態または閉極状態のいずれかに制御される。
【0013】
半導体遮断器14は、例えば、互いに直列に接続された複数(図では4つ)のスイッチング部を備える。スイッチング部は、それぞれ、互いに並列に接続されたスイッチング素子とダイオードとを備える。具体的には、ダイオードのカソードと、スイッチング素子のコレクタとが互いに接続され、ダイオードのアノードと、スイッチング素子のエミッタとが接続されている。スイッチング素子は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子である。スイッチング素子は、IGBTに限定されず、自己消弧を実現可能なスイッチング素子であれば、いかなる素子でもよい。半導体遮断器14のスイッチング素子のオン・オフ制御は、制御装置100によって行われる。
【0014】
アレスタ15は、半導体遮断器14がオフ状態に制御されることにより、直流送電線DLのインダクタンス19の分のエネルギーに起因して発生するサージエネルギーを吸収する。ダイオード16は、節点dから節点bに流れる電流を許容し、その逆向きの電流を阻止する。
【0015】
制御装置100は、例えば、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより以下の機能を実現するものである。制御装置100の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0016】
図2~
図4を参照し、直流電流遮断装置1の動作について説明する。
図2におけるCL1は、通常送電時における電流の流れを示している。直流送電線DLの電流は、第1端d、節点a、および第2端cを通り、節点bを通らずに流れる。
【0017】
図3におけるCL2は、直流電流遮断装置1の遮断動作時の第1段階における電流の流れを示している。例えば、制御装置100は、上位の制御システムから遮断指示信号を受信すると、断路器12と遮断器13とを開極状態にし、転流回路11を(スイッチング部11Cを)オン状態にする。断路器12と遮断器13とを開極状態にしただけでは、接点間にアークが生じるため、断路器12も遮断器13も電気的に遮断された状態にはならない。しかしながら、転流回路11がオン状態になると、転流回路11は、コンデンサ11Aに蓄電されている電荷を放電し、コンデンサ11Aの正極からスイッチング部11C-1(本図の説明においてのみハイフン以下の符号を示す)、節点b、遮断器13、節点a、スイッチング部11C-2、を順に経てコンデンサ11Aの負極に至る回路を形成する。この回路が形成されるのは、リアクトル17に対して上述した向きによってダイオード16が接続されていることにより、節点bから節点dに流れる電流が阻止されるためである。この回路を還流する電流は、遮断器13において通常送電時と同様に流れようとする電流と逆方向の電流であるため、遮断器13に生じたアークを打ち消すように作用する。この結果、遮断器13に流れる電流がゼロになり、遮断器13が電気的にも遮断状態となる。
【0018】
図4におけるCL3は、直流電流遮断装置1の遮断動作時の第2段階における電流の流れを示している。
図3に示す状態となった後、制御装置100は、半導体遮断器14をオン状態にし、転流回路11をオフ状態にする。すると、コンデンサ11Aに蓄電されている電荷による電圧が、断路器12を流れ続ける電流を減少させる方向に印加される。これによって、断路器12を流れる電流が減少し、半導体遮断器14の側の第2線路に転流する。最終的に断路器12を流れる電流が全て半導体遮断器14の側の第2線路に転流され、断路器12を流れる電流がゼロになるため、断路器12が電気的にも遮断状態となる。
【0019】
図4に示す状態の後、制御装置100は、半導体遮断器14をオフ状態にする。これによって、直流電流遮断装置1を流れる電流が遮断される。遮断後、直流送電線DLのインダクタンス19の分のエネルギーは、アレスタ15で消費される。その後、補助断路器18が開極状態にされることで、遮断動作が完了する。
【0020】
制御装置100は、例えば、上記説明した遮断動作を、電流検出器S1~S6のそれぞれの検出値に基づいて進行させる。ところが、前述したように通常送電時において制御装置100は特段の制御を行わないため、電流検出器S1~S6の検出値も特段に変化するものではなく、遮断動作時に初めて異常を検知するということが生じ得る。直流電流遮断装置1の遮断動作においては制御タイミングの正確さが要求されるため、電流検出器の故障を早期に検出し、故障がある場合には速やかにシステムを保護停止させることが望ましい。
【0021】
そこで、制御装置100は、以下に説明するように、複数の電流検出器S1~S6のうち一部または全部の電流検出器の検出値の変化度合いまたは、他の電流検出器の検出値との関係に基づいて、複数の電流検出器S1~S6のうち一部または全部に異常が生じているか否かを判定し、異常が生じていると判定した場合、直流電流を遮断するための一連の動作を停止する。なお、直流電流遮断装置1は複数の電流検出器S1~S6の全てを備えている必要は無く、一部の電流検出器が省略されてもよいし、他の箇所に別の電流検出器が設けられてもよい。
【0022】
「一連の動作を停止する」とは、例えば、転流回路11のスイッチング部11Cと、半導体遮断器14のスイッチング素子に与える全てのゲート信号をオフにすることを意味する。また、「一連の動作を停止する」際に、制御装置100は、直流電流を遮断するための一連の動作を指示する上位制御装置200(後述)と通信し、複数の電流検出器S1~S6のうち一部または全部に異常が生じている旨の情報を、上位制御装置200に送信してもよい。
【0023】
制御装置100は、以下に示す判定処理A~Eのうち一部または全部、或いは他の種類の判定処理を実行する。
【0024】
(判定処理Aの第1例)
制御装置100は、転流回路11の状態をオフ状態からオン状態に、或いはオン状態からオフ状態に切り替えることで生じる、転流回路11を流れる電流の変化期間における、転流回路11を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いに基づいて、転流回路11を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する。例えば、転流回路11の状態をオフ状態からオン状態に切り替えた場合、一定期間の間、転流回路11を流れる電流は、制御サイクルの到来ごとに一定に近い傾き(変化率)で増加する。オン状態からオフ状態に切り替えた場合はその逆である。この状態が継続する時間は実験等で予め求められており、制御装置100は、例えば転流回路11の状態を切り替えた時点を起点として、上記求められた時間よりも若干短い時間が経過する時点までを電流の変化期間として、上記の判定を行う。「転流回路11を流れる電流を検出可能な電流検出器」とは、例えば、電流検出器S3、S5、S2のうち一部または全部である。制御装置100は、電流検出器S2を判定の対象とする場合、電流検出器S2の検出値は転流回路11を流れる電流が増加するのに応じて低下するものであるため、電流検出器S2の検出値の低下量を判定の対象とする。
【0025】
制御装置100は、電流の変化期間における、転流回路11を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の制御サイクルごとの傾き(直前の制御サイクルに対する変化率)が閾値未満である場合、当該電流検出器に異常が生じていると判定する。これに代えて、制御装置100は、電流の変化期間における、検出値(同上)の各制御サイクルに対応する移動平均値の傾きが閾値未満である場合、当該電流検出器に異常が生じていると判定してもよい。また、制御装置100は、電流の変化期間における、検出値(同上)を最小二乗法などで直線近似した直線の傾きが閾値未満である場合、当該電流検出器に異常が生じていると判定してもよい。同様の趣旨である限り、制御装置100は、如何なる手法で電流検出器に異常が生じているか否かを判定してよい。閾値は、コンデンサ11Aの電圧と、前述したスイッチング部11C-1、節点b、遮断器13、節点a、スイッチング部11C-2、を順に経てコンデンサ11Aの負極に至る回路のインダクタンス(主にリアクトル17による)から求められる電流の傾きの設計値に基づいて、予め計算され設定されている。電流検出器S3、S5、S2のそれぞれを判定の対象とする場合、それらに対する閾値は共通であってよい。
【0026】
(判定処理Aの第2例)
制御装置100は、転流回路11の状態をオフ状態からオン状態に、或いはオン状態からオフ状態に切り替えた前後における、転流回路11を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いに基づいて、転流回路11を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定してもよい。「切り替えた前後における(中略)変化度合い」とは、例えば、転流回路11の状態をオン状態にする直前の制御サイクルにおける検出値と、オン状態にすることによる電流変化が収束するのに十分な時間が経過した時点の制御サイクルにおける検出値との差分または変化率(いずれも絶対値)を意味する。転流回路11をオン状態からオフ状態にする場合も同様である。以下、そのような意味であるものとして「切り替えた前後における変化度合い」なる語を用いて説明する。
【0027】
制御装置100は、転流回路11の状態を切り替えた前後における、転流回路11を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いが閾値未満である場合、当該電流検出器に異常が生じていると判定する。閾値は、予め実験等により求められ設定されている。電流検出器S3、S5、S2のそれぞれを判定の対象とする場合、それらに対する閾値は共通であってよい。
【0028】
(判定処理Aの拡張)
転流回路11は、互いに直列に接続された複数の子転流回路を含んでもよい。
図5は、変形例の直流電流遮断装置1Aの構成の一例を示す図である。図示するように転流回路11は、子転流回路11-1、11-2、…、11-nを含む(nは2以上の自然数)。係る構成の場合、一部の子転流回路は遮断動作の際にオン状態にされず、待機状態のまま放置される場合がある。また、直流送電線の状況に応じて全ての子転流回路を、遮断動作の際にオン状態にする可能性もあるし、直流電流遮断装置1Aの設置される環境に応じて一部の子転流回路のみオン状態にするか全ての子転流回路をオン状態にするかを切り替える場合もあり得る。すなわち、制御装置100Aは、遮断動作の際に、k個(n≧k)の子転流回路をオン状態にする。そして、制御装置100Aは、判定処理Aの第1例、第2例のいずれかを実行する場合において、転流回路11を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合い(電流の傾き、移動平均値または近似した直線の傾き、状態変化前後の変化度合い等)と、複数の子転流回路のうち状態を変更した子転流回路の数kに応じた閾値との比較に基づいて、転流回路を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する。この場合の閾値は、一つの子転流回路のみオン状態にする場合の閾値をTrefとすると、Tref×kで求められる。
【0029】
(判定処理Bの第1例)
制御装置100は、半導体遮断器14の状態をオフ状態からオン状態に、或いはオン状態からオフ状態に切り替えることで生じる、半導体遮断器14を流れる電流の変化期間における、半導体遮断器14を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いに基づいて、半導体遮断器14を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する。例えば、半導体遮断器14の状態をオフ状態からオン状態に切り替えた場合、一定期間の間、半導体遮断器14を流れる電流は、制御サイクルの到来ごとに一定に近い傾き(変化率)で増加する。オン状態からオフ状態に切り替えた場合はその逆である。この状態が継続する時間は実験等で予め求められており、制御装置100は、例えば半導体遮断器14の状態を切り替えた時点を起点として、上記求められた時間よりも若干短い時間が経過する時点までを電流の変化期間として、上記の判定を行う。「半導体遮断器14を流れる電流を検出可能な電流検出器」とは、例えば、電流検出器S4である。電流検出器S4は、半導体遮断器14とアレスタ15が並列に接続されている部分の半導体遮断器14側に設けられてもよい。制御装置100は、判定処理Aの第1例と同様に、半導体遮断器14を流れる電流の変化期間における、電流検出器S4の検出値の変化度合い(電流の傾き、移動平均値または近似した直線の傾き等)が閾値未満である場合、電流検出器S4に異常が生じていると判定する。閾値は、判定処理Aの第1例と同様に、コンデンサ11Aの電圧と、電流経路のインダクタンスに基づいて、予め計算され設定されている。
【0030】
(判定処理Bの第2例)
制御装置100は、半導体遮断器14の状態をオフ状態からオン状態に、或いはオン状態からオフ状態に切り替えた前後における、半導体遮断器14を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の変化度合いに基づいて、半導体遮断器14を流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定してもよい。制御装置100は、判定処理Aの第2例と同様に、半導体遮断器14の状態を切り替えた前後における、電流検出器S4の検出値の変化度合いが閾値未満である場合、電流検出器S4に異常が生じていると判定する。閾値は、判定処理Aの第2例と同様に、予め実験等により求められ設定されている。
【0031】
(判定処理C)
制御装置100は、断路器12を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値および半導体遮断器14を流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値の和と、直流電流遮断装置1の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値が一致しているか否かに基づいて、それらの電流検出器に異常が生じているか否かを判定する。「断路器12を流れる電流を検出可能な電流検出器」とは、例えば、電流検出器S1であり、「半導体遮断器14を流れる電流を検出可能な電流検出器」とは、例えば、電流検出器S4であり、「直流電流遮断装置1の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器」とは、例えば、電流検出器S6である。「一致している」とは、両者の差が種々の理由で生じ得る誤差の範囲内であることを含んでも良い。
【0032】
(判定処理D)
制御装置100は、三以上の線路が接続される節点に接続された三以上の線路のそれぞれを流れる電流を検出可能な三以上の電流検出器の検出値がキルヒホッフの第1法則(節点に流れ込む電流と流出する電流の総和は等しい)を満たさない場合に、三以上の線路のそれぞれを流れる電流を検出可能な三以上の電流検出器のいずれかに異常が生じていると判定する。三以上の線路が接続される節点とは、例えば、節点aであり、節点aに接続された三以上の線路のそれぞれを流れる電流を検出可能な三以上の電流検出器は、電流検出器S1、S2、S3である。制御装置100は、電流検出器S1の検出値と、電流検出器S2、S3の検出値の和とが一致しているか否かに基づいて、それらの電流検出器に異常が生じているか否かを判定する。また、三以上の線路が接続される節点とは、例えば、節点bであり、節点bに接続された三以上の線路のそれぞれを流れる電流を検出可能な三以上の電流検出器は、電流検出器S3、S4、S5である。制御装置100は、電流検出器S3、S4の検出値の和と、電流検出器S5の検出値とが一致しているか否かに基づいて、それらの電流検出器に異常が生じているか否かを判定する。また、三以上の線路が接続される節点とは、例えば、節点cであり、節点cに接続された三以上の線路のそれぞれを流れる電流を検出可能な三以上の電流検出器は、電流検出器S2、S5、S6である。制御装置100は、電流検出器S2、S5の検出値の和と、電流検出器S6の検出値とが一致しているか否かに基づいて、それらの電流検出器に異常が生じているか否かを判定する。
【0033】
(判定処理E)
制御装置100は、上位制御装置200から取得した直流電流遮断装置1の全体に流れる電流の値と、直流電流遮断装置1の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器の検出値とを比較することで、直流電流遮断装置1の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器に異常が生じているか否かを判定する。
図6は、上位制御装置200と制御装置100との関係を示す図である。上位制御装置200は、直流送電線DLや直流電流遮断装置1などシステム全体の情報を統括する装置である。上位制御装置200と制御装置100はネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット、公衆回線、光ファイバーや電気ケーブルによる直接接続等である。上位制御装置200は、直流送電線DLに流れる電流を検出する電流検出器210の検出値を取得し、これをネットワークNWを介して制御装置100に伝送する。
【0034】
「直流電流遮断装置1の全体に流れる電流を検出可能な電流検出器」とは、例えば、電流検出器S6である。制御装置100は、上位制御装置200から取得した値と、電流検出器S6の検出値とが一致しない場合、電流検出器S6に異常が生じていると判定する。但し、上記の場合であっても、電流検出器S6の検出値が電流検出器S2、S5の検出値の和と一致している場合には、電流検出器210の方に異常が生じていると判定し、その旨を上位制御装置200に送信してもよい。この場合、制御装置100は、「一連の動作を停止する」ことを行わないようにしてもよいし、念のため行ってもよい。
【0035】
図7は、遮断動作時において制御装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、遮断動作が開始されたタイミングで、遮断動作に係る処理と並行して実行される。
【0036】
まず、制御装置100は、前述した判定処理C~Eを実行する(ステップS100)。いずれかの判定処理において電流検出器に異常が生じていると判定した場合、制御装置100は、直流電流を遮断するための一連の動作を停止し(ステップS114)、その旨を上位制御装置200に通知する(ステップS116)。なお、ステップS100の判定処理に関しては、遮断動作時以外にも行われてよいし、本フローチャートが実行されている間の任意のタイミングで行われてよい。遮断動作時以外に行われる場合、ステップS114の処理は省略されてよい。
【0037】
判定処理C~Eの結果、電流検出器に異常が生じていないと判定した場合、制御装置100は、転流回路11がオフ状態からオン状態に変更されたか否かを判定する(ステップS102)。転流回路11がオフ状態からオン状態に変更されると、制御装置100は、判定処理Aを実行する(ステップS104)。判定処理Aにおいて電流検出器に異常が生じていると判定した場合、制御装置100は、直流電流を遮断するための一連の動作を停止し(ステップS114)、その旨を上位制御装置200に通知する(ステップS116)。
【0038】
ステップS104の判定処理Aの結果、電流検出器に異常が生じていないと判定した場合、制御装置100は、転流回路11がオン状態からオフ状態に変更されたか否かを判定する(ステップS106)。転流回路11がオン状態からオフ状態に変更されると、制御装置100は、再度判定処理Aを実行する(ステップS108)。判定処理Aにおいて電流検出器に異常が生じていると判定した場合、制御装置100は、直流電流を遮断するための一連の動作を停止し(ステップS114)、その旨を上位制御装置200に通知する(ステップS116)。
【0039】
ステップS108の判定処理Aの結果、電流検出器に異常が生じていないと判定した場合、制御装置100は、半導体遮断器14がオフ状態からオン状態に変更されたか否かを判定する(ステップS110)。半導体遮断器14がオフ状態からオン状態に変更されると、制御装置100は、判定処理Bを実行する(ステップS112)。判定処理Bにおいて電流検出器に異常が生じていると判定した場合、制御装置100は、直流電流を遮断するための一連の動作を停止し(ステップS114)、その旨を上位制御装置200に通知する(ステップS116)。
【0040】
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。
図8は、変形例に係る転流回路11#1の構成の一例を示す図である。転流回路11#1は、
図1等に示したダイオード11Bが混在したハーフブリッジ回路ではなく、ダイオード11Bに代えてスイッチング部11Cが設けられたフルブリッジ回路である。なお、
図8においてはサイリスタ11Dの図示を省略している。
【0041】
また、半導体遮断器14は、同様の回路を逆向きにも接続した双方向型であってもよい。また、遮断器13や半導体遮断器14を、直列に複数設けてもよい。また、補助断路器18は省略されてもよい。
【0042】
以上説明した第1の実施形態によれば、電流検出器の故障を早期に検出し、故障がある場合には速やかにシステムを保護停止させることができる。
【0043】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る直流電流遮断装置1Bの構成の一例を示す図である。第1実施形態と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。図中の左側から右側に流れる電流を遮断する場合において、第2の実施形態の制御装置100Bは、断路器12を開極状態にしてアークが生じた状態で、転流回路11#1と半導体遮断器14をオン状態にする。すると図中時計回りの電流が生じ、これがアークの電流を打ち消すように作用するため断路器12に電流ゼロ点が生じ、断路器12を電気的遮断状態にすることができる。その後で、制御装置100Bは、半導体遮断器14と転流回路11#1をオフ状態にすることで直流電流遮断装置1Bを流れる直流電流を遮断する。制御装置100Bは、電流検出器S12について判定処理A、Bを行い、電流検出器S11、S12、S13について判定処理C~Eを行うことができる。
【0044】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。
図10は、第3の実施形態に係る直流電流遮断装置1Cの構成の一例を示す図である。第1実施形態と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。第3の実施形態の直流電流遮断装置1Cは、転流回路11#2を備える。転流回路11#2は、スイッチング素子とダイオードが逆並列に設けられたスイッチングが、逆向きで直列に接続されたものである。転流回路11#2は、通常送電時においてオン状態に維持される。図中の左側から右側に流れる電流を遮断する場合において、第3の実施形態の制御装置100Cは、断路器12を開極状態にしてアークが生じた状態で、半導体遮断器14をオン状態にした上で、転流回路11#2のスイッチング部のいずれかまたは双方をオフ状態にする。すると電流は半導体遮断器14に転流する。その後で、制御装置100Cは、半導体遮断器14をオフ状態にすることで直流電流遮断装置1Cを流れる直流電流を遮断する。第3の実施形態の制御装置100Cは、電流検出器S22について判定処理A、Bを行い、電流検出器S21、S22、S23について判定処理C~Eを行うことができる。
【0045】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、機械式接点または電気式接点(12)と、機械式接点または電気式接点と並行に設けられた半導体遮断器(14)と、機械式接点または電気式接点を流れる電流を半導体遮断器に転流させる転流回路(11、11#1、11#2)と、複数の電流検出器(S1~S6、S11~S13、S21~S23)と、複数の電流検出器の検出値に基づいて機械式接点または電気式接点、半導体遮断器、および転流回路を制御し、直流電流遮断装置(1、1A、1B、1C)を流れる直流電流を遮断する制御装置(100、100A、100B、100C)と、を備え、制御装置は、複数の電流検出器のうち一部または全部の電流検出器の検出値の変化度合いまたは、他の電流検出器の検出値との関係に基づいて複数の電流検出器のうち一部または全部に異常が生じているか否かを判定し、異常が生じていると判定した場合、直流電流を遮断するための一連の動作を停止することにより、電流検出器の故障を早期に検出し、故障がある場合には速やかにシステムを保護停止させることができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
1、1A、1B、1C 直流電流遮断装置
11、11#1、11#2 転流回路
11A コンデンサ
11B ダイオード
11C スイッチング部
11D サイリスタ
12 断路器
13 遮断器
14 半導体遮断器
15 アレスタ
16 ダイオード
17 リアクトル
100、100A、100B、100C 制御装置
DL 直流送電線