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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】包装箱および包装箱の開封構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20231218BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
B65D5/54 301R
B65D5/52 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020115592
(22)【出願日】2020-07-03
(65)【公開番号】P2022013193
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】半田 雅之
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-137108(JP,A)
【文献】特開2002-68174(JP,A)
【文献】特開2018-177241(JP,A)
【文献】特開平10-59356(JP,A)
【文献】米国特許第6073833(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
B65D 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側壁(10)の第1方向の両端に対し第1方向に直交する第2方向に延びた一対の稜線(L1)を介して一対の第2側壁(11L,11R)を連設して筒状に形成される周壁(1W)と、
一対の前記稜線の間を結ぶように前記第1側壁に形成され、第2方向の一方に突出する一対の凸部(25)を有し、前記第1側壁を第2方向に分断する第1切断線(21)と、
前記第1切断線の両端に連続して一対の前記第2側壁に形成され、一対の前記第2側壁を第2方向に分断する一対の第2切断線(22)と、
前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、前記第1切断線の一対の前記凸部と一対の前記稜線との間に斜めに延設された一対の第1補助折線(L6)と、
前記第2切断線よりも第2方向の一方において一対の前記第2側壁に形成され、前記稜線と前記第1補助折線の交点(P2)と前記第2切断線との間に斜めに延設された一対の第2補助折線(L7)と、を備え、
一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされながら前記第1切断線に沿って分断され、各々の前記第2側壁の一部であって、前記稜線と前記第2切断線と前記第2補助折線とで囲まれた領域は、前記第2補助折線に沿って正折りされながら前記周壁の内側に引き込まれて前記第2切断線に沿って分断されることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、一対の前記稜線と一対の前記第1補助折線の交点から第2方向の一方に向かって互いに接近するように斜めに延設された一対の第3補助折線(L8)を更に備え、
一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされると共に前記一対の第3補助折線に沿って正折りされながら前記第1切断線に沿って分断されることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、一対の前記稜線と一対の前記第1補助折線の交点の間を結ぶように延設された第4補助折線(L9)を更に備え、
一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされると共に前記第4補助折線に沿って正折りされながら前記第1切断線に沿って分断されることを特徴とする請求項1または2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記第1切断線は、
一対の前記凸部の間で第1方向に沿って形成された第1切断開始部(24)と、
一対の前記凸部から一対の前記稜線に向かって第2方向の他方に傾斜した一対の第1側部(26)と、を有し、
一対の前記凸部は、前記第1切断開始部と一対の前記第1側部との間において第2方向の一方に向かって先細る台形状に突設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項5】
各々の前記第2切断線は、前記稜線から前記第2補助折線との交点までの間で前記第1切断開始部と平行に形成された第2切断開始部(27)を有し、
前記第2切断開始部は、前記第1切断開始部よりも第2方向の一方にずれた位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の包装箱。
【請求項6】
第1側壁(10)の第1方向の両端に対し第1方向に直交する第2方向に延びた一対の稜線(L1)を介して一対の第2側壁(11L,11R)を連設して筒状に形成される周壁(1W)を含む包装箱(1)の開封構造(18)であって、
一対の前記稜線の間を結ぶように前記第1側壁に形成され、第2方向の一方に突出する一対の凸部(25)を有し、前記第1側壁を第2方向に分断する第1切断線(21)と、
前記第1切断線の両端に連続して一対の前記第2側壁に形成され、一対の前記第2側壁を第2方向に分断する一対の第2切断線(22)と、
前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、前記第1切断線の一対の前記凸部と一対の前記稜線との間に斜めに延設された一対の第1補助折線(L6)と、
前記第2切断線よりも第2方向の一方において一対の前記第2側壁に形成され、前記稜線と前記第1補助折線の交点(P2)と前記第2切断線との間に斜めに延設された一対の第2補助折線(L7)と、を備え、
一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされながら前記第1切断線に沿って分断され、各々の前記第2側壁の一部であって、前記稜線と前記第2切断線と前記第2補助折線とで囲まれた領域は、前記第2補助折線に沿って正折りされながら前記周壁の内側に引き込まれて前記第2切断線に沿って分断されることを特徴とする包装箱の開封構造。
【請求項7】
前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、一対の前記稜線と一対の前記第1補助折線の交点から第2方向の一方に向かって互いに接近するように斜めに延設された一対の第3補助折線(L8)を更に備え、
一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされると共に前記一対の第3補助折線に沿って正折りされながら前記第1切断線に沿って分断されることを特徴とする請求項6に記載の包装箱の開封構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱および包装箱の開封構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図10に示すように、特許文献1には、4つの側面101に周設された切目線102等により包装箱100の上部を取り除く(開封する)技術が開示されている。包装箱100の背面部103には、水平に延びた切目線102と、切目線102から垂直下方に延びた一対の切目線104とが形成されている。垂直下方に延びた一対の切目線104の間には、押さえ部105が形成されている。ユーザは、押さえ部105を押し込んで開いたスペースに指を引っ掛け、背面部103を手前(後方)に引っ張って水平な切目線102に沿って切断した後、背面部103を引き上げることで包装箱100の上部を取り除いていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-216126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、包装箱100の開封手順を熟知していないユーザは、背面部103を手前に引く動作を行うことなく、背面部103を引き上げてしまうことが多い。仮に、ユーザが、背面部103を手前に引く動作を行うことなく、背面部103を引き上げた場合、図10に示すように、背面部103は、水平に延びた切目線102で切れずに、指を掛けた部分で裂けてしまうことがあった。この場合、切目線102に沿って切断することができず、包装箱100を適正に開封することができなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、適正に開封することができる包装箱および包装箱の開封構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装箱は、第1側壁の第1方向の両端に対し第1方向に直交する第2方向に延びた一対の稜線を介して一対の第2側壁を連設して筒状に形成される周壁と、一対の前記稜線の間を結ぶように前記第1側壁に形成され、第2方向の一方に突出する一対の凸部を有し、前記第1側壁を第2方向に分断する第1切断線と、前記第1切断線の両端に連続して一対の前記第2側壁に形成され、一対の前記第2側壁を第2方向に分断する一対の第2切断線と、前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、前記第1切断線の一対の前記凸部と一対の前記稜線との間に斜めに延設された一対の第1補助折線と、前記第2切断線よりも第2方向の一方において一対の前記第2側壁に形成され、前記稜線と前記第1補助折線の交点と前記第2切断線との間に斜めに延設された一対の第2補助折線と、を備え、一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされながら前記第1切断線に沿って分断され、各々の前記第2側壁の一部であって、前記稜線と前記第2切断線と前記第2補助折線とで囲まれた領域は、前記第2補助折線に沿って正折りされながら前記周壁の内側に引き込まれて前記第2切断線に沿って分断される。
【0007】
この場合、前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、一対の前記稜線と一対の前記第1補助折線の交点から第2方向の一方に向かって互いに接近するように斜めに延設された一対の第3補助折線を更に備え、一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされると共に前記一対の第3補助折線に沿って正折りされながら前記第1切断線に沿って分断されてもよい。
【0008】
この場合、前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、一対の前記稜線と一対の前記第1補助折線の交点の間を結ぶように延設された第4補助折線を更に備え、一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされると共に前記第4補助折線に沿って正折りされながら前記第1切断線に沿って分断されてもよい。
【0009】
この場合、前記第1切断線は、一対の前記凸部の間で第1方向に沿って形成された第1切断開始部と、一対の前記凸部から一対の前記稜線に向かって第2方向の他方に傾斜した一対の第1側部と、を有し、一対の前記凸部は、前記第1切断開始部と一対の前記第1側部との間において第2方向の一方に向かって先細る台形状に突設されてもよい。
【0010】
この場合、各々の前記第2切断線は、前記稜線から前記第2補助折線との交点までの間で前記第1切断開始部と平行に形成された第2切断開始部を有し、前記第2切断開始部は、前記第1切断開始部よりも第2方向の一方にずれた位置に形成されてもよい。
【0011】
本発明は、第1側壁の第1方向の両端に対し第1方向に直交する第2方向に延びた一対の稜線を介して一対の第2側壁を連設して筒状に形成される周壁を含む包装箱の開封構造であって、一対の前記稜線の間を結ぶように前記第1側壁に形成され、第2方向の一方に突出する一対の凸部を有し、前記第1側壁を第2方向に分断する第1切断線と、前記第1切断線の両端に連続して一対の前記第2側壁に形成され、一対の前記第2側壁を第2方向に分断する一対の第2切断線と、前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、前記第1切断線の一対の前記凸部と一対の前記稜線との間に斜めに延設された一対の第1補助折線と、前記第2切断線よりも第2方向の一方において一対の前記第2側壁に形成され、前記稜線と前記第1補助折線の交点と前記第2切断線との間に斜めに延設された一対の第2補助折線と、を備え、一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされながら前記第1切断線に沿って分断され、各々の前記第2側壁の一部であって、前記稜線と前記第2切断線と前記第2補助折線とで囲まれた領域は、前記第2補助折線に沿って正折りされながら前記周壁の内側に引き込まれて前記第2切断線に沿って分断される。
【0012】
この場合、前記第1切断線よりも第2方向の一方において前記第1側壁に形成され、一対の前記稜線と一対の前記第1補助折線の交点から第2方向の一方に向かって互いに接近するように斜めに延設された一対の第3補助折線を更に備え、一対の前記凸部に挟まれた部分を押し込むと、前記第1側壁は、一対の前記第1補助折線に沿って逆折りされると共に前記一対の第3補助折線に沿って正折りされながら前記第1切断線に沿って分断されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、包装箱を適正に開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る包装箱のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る包装箱を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る包装箱の背面側を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る包装箱であって、背面壁および側壁の一部を分断した状態を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る包装箱の上部を取り除いた状態を示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態の第1変形例に係る包装箱のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
図9】本発明の一実施形態の第2変形例に係る包装箱のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
図10】先行技術に係る包装箱を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。また、左右方向(第1方向)、上下方向(第2方向)および前後方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、包装箱を組み立てて使用する状態における方向や位置を基準にしている。
【0016】
[包装箱の概要]
図1および図2を参照して、包装箱1の構成について説明する。図1は包装箱1を示す斜視図である。図2は包装箱1のブランク5を示す平面図である。
【0017】
図1に示すように、包装箱1は、前後方向に長い略直方体状に形成されている。包装箱1は、角筒状の周壁1Wの上下両端面を閉塞することで封緘されている。周壁1Wの周面には、包装箱1を開封するための開封構造18が形成されている。
【0018】
包装箱1は、図2に示すブランク5を組み立てることで形成される。ブランク5は、一枚の板紙(例えば、多層抄きの厚紙)を抜型等で打ち抜いて形成されている。なお、図2は、包装箱1の外面(表面)側を示している。また、図面に示す「X」は紙の繊維(紙目)が延びる「紙目方向」を示し、「Y」は紙目方向に直交する「直交方向(第2方向)」を示している。
【0019】
[ブランク]
図2に示すように、ブランク5は、背面壁10(第1側壁)と、右側壁11R(第2側壁)と、正面壁12(第1側壁)と、左側壁11L(第2側壁)と、継代片13と、一対の上内フラップ14と、蓋体15と、一対の第1底壁16と、一対の第2底壁17と、を備えている。なお、本明細書では、右側壁11Rと左側壁11Lとをまとめて説明する場合には、単に「側壁11」と呼び、符号として算用数字のみを付す。
【0020】
<背面壁、右側壁、正面壁、左側壁、継代片>
背面壁10、右側壁11R、正面壁12、左側壁11Lおよび継代片13は、この順番で紙目方向に一列に並設されている。背面壁10、右側壁11R、正面壁12、左側壁11Lおよび継代片13は、直交方向に延びた第1折曲線L1を介して連設されている。背面壁10、正面壁12および側壁11は、略同一の高さ(直交方向の寸法)となる略長方形状に形成されている。側壁11は、背面壁10および正面壁12よりも紙目方向に長い略長方形状に形成されている。継代片13は、左側壁11Lから紙目方向の外側に向かって徐々に先細る略台形状に形成されている。詳細は後述するが、背面壁10、右側壁11R、正面壁12、左側壁11Lおよび継代片13には開封構造18が形成されている。
【0021】
<上内フラップ>
一対の上内フラップ14は、第2折曲線L2を介して背面壁10と正面壁12との直交方向の一端(上端)に連設されている。上内フラップ14は略長方形状に形成されており、その直交方向の寸法(延出寸法)は、背面壁10等の紙目方向の寸法よりも十分に短く設定されている。なお、右側壁11Rを挟んで紙目方向に対向する一対の上内フラップ14の一辺は、延出方向に向かって互いに離れるように傾斜している。
【0022】
<蓋体>
蓋体15は、蓋壁15Aと、蓋差込片15Bと、を有している。蓋壁15Aは、略長方形状に形成され、第2折曲線L2を介して左側壁11Lの直交方向の一端(上端)に連設されている。蓋壁15Aの直交方向の寸法(延出寸法)は、背面壁10等の紙目方向の寸法と略同一である。蓋差込片15Bは、第4折曲線L4を介して蓋壁15Aの先端に連設されている。蓋差込片15Bは、先端側の角部を円弧状に面取りされた略長方形状に形成されている。蓋差込片15Bの紙目方向の両側には、第4折曲線L4に沿って一対の切込み15Cが形成されている。
【0023】
<第1底壁>
一対の第1底壁16は、第3折曲線L3を介して背面壁10と正面壁12との直交方向の他端(下端)に連設されている。第1底壁16は基端から先端に向かって徐々に先細る略台形状に形成されている。第1底壁16の流れ方向の寸法(延出寸法)は、背面壁10等の紙目方向(前後方向)の寸法の約半分に設定されている。
【0024】
<第2底壁>
一対の第2底壁17は、第3折曲線L3を介して右側壁11Rと左側壁11Lとの直交方向の他端(下端)に連設されている。第2底壁17は概ね長方形状に形成され、第2底壁17の流れ方向の寸法(延出寸法)は背面壁10等の紙目方向の寸法の半分よりも若干長く設定されている。第2底壁17の先端側には、噛合凹部17Aが略台形状に切り欠かれている。第2底壁17には、傾斜折線L5が噛合凹部17Aの角部から第2底壁17の角部に向かって斜めに延設されている。傾斜折線L5によって第2底壁17の角部領域に略三角形状の底接着部17Bが区画される。
【0025】
なお、第1~第4折曲線L1~L4および傾斜折線L5は、それぞれ、板紙を表面側から厚み方向に凹ませた汎用罫線である。第1~第4折曲線L1~L4および傾斜折線L5は、主に、板紙の裏面を内側に向けるように板紙を折り曲げる(以下「正折り」と呼ぶ。)機能を有している。第1~第4折曲線L1~L4および傾斜折線L5は、汎用罫線に限らず、例えば、汎用罫線上に複数の切目を所定間隔に並べたリード罫等、板紙を折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。また、本明細書では、板紙の表面を内側に向けるように板紙を折り曲げることを「逆折り」と呼ぶ。
【0026】
[開封構造]
次に、図2および図3を参照して、包装箱1を開封するための開封構造18について説明する。図3はブランク5の一部を拡大して示す平面図である。なお、詳細は後述するが、包装箱1は、背面壁10と左側壁11Lとを第1折曲線L1で折り返し、継代片13を背面壁10の裏面に接着して使用されるため(図4参照)、図3では、背面壁10に継代片13を接着して展開した状態を仮想線(二点鎖線)で示している。
【0027】
図2に示すように、開封構造18は、第1切断線21と、一対の第2切断線22と、第3切断線23と、一対の第1補助折線L6と、一対の第2補助折線L7と、一対の第3補助折線L8と、を備えている。第1切断線21は背面壁10に形成され、一対の第2切断線22は右側壁11Rと左側壁11Lとに形成され、第3切断線23は正面壁12に形成されている。一対の第1補助折線L6と一対の第3補助折線L8とは背面壁10に形成され、一対の第2補助折線L7は右側壁11Rと左側壁11Lとに形成されている。なお、一対の第2切断線22は、正面壁12を中心とした対称形状であるため、以下、特に明記した場合を除き、1つの第2切断線22に着目して説明する。これと同様に、一対の第1補助折線L6、一対の第2補助折線L7および一対の第3補助折線L8は、左右対称に形成されているため、以下、特に明記した場合を除き、1つの第1補助折線L6等に着目して説明する。
【0028】
<第1切断線>
図3に示すように、第1切断線21は、背面壁10に複数の切目を所定の間隔で形成したミシン目線である。包装箱1を組み立てた状態で、第1切断線21は、一対の第1折曲線L1(稜線)の間を結ぶように背面壁10に形成されている(図5も参照)。第1切断線21は、背面壁10を上下方向に分断する機能を有している。
【0029】
第1切断線21は、第1切断開始部24と、一対の凸部25と、一対の第1側部26と、を有している。
【0030】
(第1切断開始部)
第1切断開始部24は、背面壁10の紙目方向(左右方向)の中央領域において略水平に延設されている。第1切断開始部24は、一対の凸部25の間で紙目方向に沿って形成されている。
【0031】
(凸部)
一対の凸部25は、第1切断開始部24と一対の第1側部26との間において、直交方向(第2方向)の一方(上方)に突設されている。各々の凸部25は、上方に向かって先細る略台形状に突設されている。詳細には、一対の凸部25は、第1切断開始部24の両端から上方に向かって互いに離れるように斜めに延設された一対の傾斜辺部25Aと、一対の傾斜辺部25Aの上端から互いに離れるように延設された一対の上辺部25Bと、一対の上辺部25Bの両端から下方に延設された一対の縦辺部25Cと、を有している。さらに詳細には、一対の上辺部25Bは、紙目方向(左右方向)の中央側から外側に向かって僅かに下方に傾斜している。一対の縦辺部25Cは、上方から下方に向かって僅かに紙目方向の外側に傾斜している。各々の凸部25は、継ぎ目(切目の無い部分)なく切目のみで形成されている。なお、凸部25は、継ぎ目と切目とを交互に配置して構成されてもよい(図示せず)。
【0032】
なお、第1切断開始部24と一対の傾斜辺部25Aとで囲まれた領域には、略台形状の押込み部30が形成される。詳細は後述するが、押込み部30は、包装箱1を開封する際にユーザによって押し込まれる部分となる。
【0033】
(第1側部)
一対の第1側部26は、一対の凸部25から一対の第1折曲線L1(稜線)に向かって下方に傾斜するように延設されている。正確には、一対の第1側部26は、一対の縦辺部25Cの下端から一対の第1折曲線L1の近傍まで斜めに延設され、そこから一対の第1折曲線L1まで略水平に延設されている。各々の第1側部26の下端(略水平な部分)は、第1切断開始部24よりも僅かに上方にずれて配置されており、一対の第1折曲線L1に接触(交差)している。
【0034】
なお、凸部25の一部(上辺部25B、縦辺部25C)および第1側部26は継代片13にも形成されており(図2参照)、継代片13を背面壁10の裏面に接着した状態で、継代片13に形成された凸部25等は背面壁10に形成された凸部25等に一致する。
【0035】
<第2切断線>
包装箱1を組み立てた状態で、一対の第2切断線22は、第1切断線21の両端に連続して一対の側壁11に形成されている(図1および図5も参照)。第2切断線22は、一対の第1折曲線L1の間を結ぶように側壁11に形成され、側壁11を上下方向に分断する機能を有している。
【0036】
第2切断線22は、第2切断開始部27と、第2切断本体部28と、第2切断終了部29と、を有している。
【0037】
(第2切断開始部)
第2切断開始部27は、側壁11に複数の直線状の切目を所定の間隔で形成したミシン目線である。第2切断開始部27は、第1切断線21の第1側部26に連続し、第1側部26の端部から紙目方向の外側に向かって略水平に延設されている。第2切断開始部27は、第1切断開始部24よりも僅かに上方(第2方向の一方)にずれた位置で第1切断開始部24と平行に形成されている。
【0038】
(第2切断本体部)
図2に示すように、第2切断本体部28は、側壁11に複数の切目を所定の間隔で形成したジッパーである。包装箱1を組み立てた状態で、第2切断本体部28は、第2切断開始部27の先端(前端)から前方に向かって下方に傾斜するように延設されている(図1および図5も参照)。各々の切目は、下方に向かって膨出する湾曲部と、湾曲部の切断方向の上流側で略垂直に延びた脱線防止部と、を有している。
【0039】
(第2切断終了部)
第2切断終了部29は、第2切断本体部28の先端(前端)から後方に向かって略水平に延びるミシン目線である。
【0040】
<第3切断線>
図2に示すように、第3切断線23は、正面壁12に複数の湾曲した切目を所定の間隔で形成したミシン目線である。包装箱1を組み立てた状態で、第3切断線23は、一対の第1折曲線L1(稜線)の間を結ぶように正面壁12に形成され(図1も参照)、正面壁12を上下方向に分断する機能を有している。第3切断線23は、下方に向かって膨出する円弧状に形成されている。
【0041】
なお、第1~第3切断線21~23を構成する切目は第1折曲線L1に交差するように形成されている。しかし、これに限らず、第1~第3切断線21~23の継ぎ目が第1折曲線L1に交差してもよい。つまり、本明細書で「連続する」とは、切目が連続する必要はなく、継ぎ目を介して切目が連続することを含む意味である。
【0042】
<第1補助折線>
図3に示すように、一対の第1補助折線L6は、第1切断線21よりも上方(第2方向の一方)において背面壁10に形成されている。第1補助折線L6は、汎用罫線上に切目を入れたリード罫である。一対の第1補助折線L6は、第1切断線21の一対の凸部25と一対の第1折曲線L1(稜線)との間に斜めに延設されている。つまり、一対の第1補助折線L6は、下方から上方に向かって互いに離れるように傾斜している。第1補助折線L6の下端は凸部25の上辺部25Bに接触(交点P1)し、第1補助折線L6の上端は第1折曲線L1に接触(交点P2)している。
【0043】
<第2補助折線>
一対の第2補助折線L7は、第2切断線22よりも上方において一対の側壁11に形成されたリード罫である。第2補助折線L7は、第1折曲線L1(稜線)と第1補助折線L6の交点P2と第2切断線22との間に斜めに延設されている。つまり、第2補助折線L7は、第1補助折線L6とは逆向きに傾斜している。第2補助折線L7は、第1補助折線L6よりも長く形成されている。第2補助折線L7の上端は第1補助折線L6の上端(交点P2)に接触し、第2補助折線L7の下端は第2切断開始部27に接触(交点P3)している。正確には、第2補助折線L7の下端(交点P3)は、第2切断開始部27の前端近傍(第2切断開始部27と第2切断本体部28との接続点の近傍)に接している。
【0044】
<第3補助折線>
一対の第3補助折線L8は、第1切断線21よりも上方において背面壁10に形成されたリード罫である。一対の第3補助折線L8は、一対の第1折曲線L1と一対の第1補助折線L6の交点P2から上方に向かって互いに接近するように斜めに延設されている。つまり、第3補助折線L8は、第1補助折線L6とは逆向き(第2補助折線L7と同じ向き)に傾斜している。第3補助折線L8の下端は第1補助折線L6の上端(交点P2)に接触し、第3補助折線L8の上端は背面壁10の上端(第2折曲線L2)に接触(交点P4)している。なお、一対の第3補助折線L8の上端は互いに紙目方向に離間しており、一対の第3補助折線L8の上端の間隔は第1切断開始部24の長さよりも短く設定されている。
【0045】
なお、第1補助折線L6と第3補助折線L8の一部は継代片13にも形成されており(図2参照)、継代片13を背面壁10の裏面に接着した状態で、継代片13に形成された第1補助折線L6等は背面壁10に形成された第1補助折線L6等に一致する。
【0046】
図3に示すように、背面壁10と一対の側壁11との間には、第1切断線21、一対の第2切断線22、一対の第1補助折線L6および一対の第2補助折線L7によって一対の角部引込領域31が区画されている。各々の角部引込領域31は、3つの交点P1~P3を頂点とする略三角形状に区画されている。各々の角部引込領域31は、背面壁10の一部である第1引込領域32と、側壁11の一部である第2引込領域33と、で構成されている。第1引込領域32と第2引込領域33とは、第1折曲線L1を挟んで隣接している。第1引込領域32は、第1折曲線L1、上辺部25Bの一部、縦辺部25C、第1側部26および第1補助折線L6で囲まれた領域に略三角形状(正確には略台形状)に形成されている。第2引込領域33は、第1折曲線L1、第2切断開始部27の一部および第2補助折線L7で囲まれた領域に略三角形状に形成されている。
【0047】
[包装箱の組立]
次に、図1および図4を参照して、包装箱1の組立手順の一例について説明する。
図4は包装箱1を折り畳んだ状態を示す斜視図である。ここでは、一例として、作業者が手作業で包装箱1を組み立てる場合について説明する。
【0048】
まず、組立前の包装箱1の初期状態について説明する。図4に示すように、初期状態の包装箱1では、背面壁10が第1折曲線L1に沿って右側壁11Rの裏側に折り返され、左側壁11Lが第1折曲線L1に沿って正面壁12の裏側に折り返され、継代片13が背面壁10の裏面に接着されている。これにより、初期状態の包装箱1は二重に折り畳まれている。また、図4からは明らかでないが、第1底壁16および第2底壁17は第3折曲線L3に沿って内側に折り返され、第2底壁17の底接着部17Bは傾斜折線L5で逆折りされ、第1底壁16の表面に接着されている。
【0049】
作業者は折り畳まれた包装箱1を組み立てる。具体的には、作業者は、背面壁10、一対の側壁11および正面壁12を第1折曲線L1に沿って略直角に折り曲げる(正折りする)。一対の側壁11が背面壁10(または正面壁12)の左右両端に対し一対の第1折曲線L1を介して連設され、略角筒状の周壁1Wが形成される(図1参照)。
【0050】
周壁1Wの形成に伴って、内側に折り返された第1底壁16と第2底壁17とは、逆折りされた底接着部17Bを平らに戻しながら、互いに略平行になるまで押し出される(図示せず)。一対の第2底壁17は、押し出される過程で互いの噛合凹部17Aに入り込んで噛み合わされる(図示せず)。以上によって、周壁1Wの下端面が閉塞され、包装箱1の底面が形成される(図示せず)。包装箱1の底面は、周壁1Wの形成に伴って自動的に形成される所謂ワンタッチ底である。
【0051】
次に、作業者は、周壁1Wの内部(底面の上)に商品を収容(載置)する(図示せず)。続いて、作業者は、一対の上内フラップ14を第2折曲線L2に沿って内側に折り曲げた後、蓋壁15Aを第2折曲線L2に沿って内側に折り曲げ、第4折曲線L4で折り曲げた蓋差込片15Bを周壁1W内に差し込む。周壁1Wの上面開口は蓋壁15Aによって閉塞され、包装箱1の天面が形成される(図1参照)。
【0052】
以上によって、包装箱1の組立が完了し、包装箱1が封緘される(図1参照)。この状態で、第1切断線21、一対の第2切断線22および第3切断線23は、周壁1Wの全周に渡って形成されている。
【0053】
[包装箱の開封]
次に、図5ないし図7を参照して、開封構造18を用いて包装箱1を開封する手順(開封構造18の作用)について説明する。図5は包装箱1の背面側を示す斜視図である。図6は背面壁10および側壁11の一部を分断した状態を示す斜視図である。図7は包装箱1の上部を取り除いた状態を示す斜視図である。
【0054】
図5および図6に示すように、ユーザは、背面壁10の押込み部30(一対の凸部25に挟まれた部分)を手(指)で押し込む(図6の白抜き矢印参照)。図6に示すように、押込み部30を押し込むと、背面壁10(第1切断線21よりも上側部分)は、一対の第1補助折線L6に沿って逆折りされると共に一対の第3補助折線L8に沿って正折りされながら第1切断線21に沿って分断される。この際、背面壁10が一対の第3補助折線L8に沿って正折りされて大きく撓みながら内側に押し込まれるため、背面壁10を第1切断線21に沿って容易に切断することができる。
【0055】
また、押込み部30を押し込むと、背面壁10の左右両側に設けられた一対の第1引込領域32は、一対の第1補助折線L6で逆折りされながら周壁1Wの内側に引き込まれる(図6の破線矢印参照)。第1引込領域32が引き込まれると、第1切断線21(凸部25や第1側部26)に沿って剪断方向(厚さ方向)に力が働き、第1切断線21の継ぎ目は容易に破断する。また、一対の第1側部26は左右両側に向かって下方に傾斜しているため、押込み部30を押し込む力が第1側部26の上方から下方に順次伝播する。これにより、第1側部26に沿って第1引込領域32を小さな力で円滑に切断することができる。
【0056】
また、押込み部30を押し込むと、第2引込領域33は、第2補助折線L7に沿って正折りされながら周壁1Wの内側に引き込まれて第2切断線22(第2切断開始部27)に沿って分断される。上記したように、第2引込領域33は第1折曲線L1を介して第1引込領域32に連設されているため、第2引込領域33は、第1引込領域32に引きずられて、第2補助折線L7で正折りされながら周壁1Wの内側に引き込まれる(図6の破線矢印参照)。第2引込領域33が引き込まれると、第2切断開始部27に沿って剪断方向(厚さ方向)に力が働き、第2切断開始部27の継ぎ目は容易に破断する。ここで、第2切断開始部27は第1切断開始部24よりも上方にずれて配置されているため、押込み部30を押し込む力を、効果的に第2引込領域33に伝播させることができる。これにより、押込み部30を押し込むだけで、第2引込領域33を周壁1Wの内側に引き込むことができる。
【0057】
以上によって、背面壁10から一対の側壁11の後部までが上下に分断されたことになる(図6参照)。この状態で、角部引込領域31(第1および第2引込領域32,33)は、凸部25の一部、第1側部26および第2切断開始部27の一部で切断され、第1補助折線L6で鈍角に逆折りされ、第1折曲線L1で鋭角に正折りされ、第2補助折線L7で鈍角に正折りされている。
【0058】
次に、ユーザは、押込み部30を押し込んだ手で、背面壁10の上部を把持して引き上げる(または前方に倒すように引っ張る)。一対の側壁11は、一対の第2切断本体部28から一対の第2切断終了部29に沿って切断される(図7参照)。第2切断開始部27は既に切断されているため、第2切断本体部28等に沿った側壁11の切断を円滑に行うことができる。
【0059】
ユーザが更に包装箱1の上部を前方に倒すと、その力は一対の第3切断線23に伝達され、正面壁12は第3切断線23に沿って切断される(図7参照)。
【0060】
以上によって、図7に示すように、包装箱1(周壁1W)は上下方向に二分割にされ、包装箱1の上部(開封構造18よりも上部)は取り除かれて下部が残される。また、上部を取り除かれた包装箱1の下部には商品が収容され、商品の上部は露出している。包装箱1の下部は、そのまま店頭等に陳列される。
【0061】
なお、図示は省略するが、包装箱1は、開封構造18を用いることなく開封することもできる。具体的には、ユーザは、蓋差込片15Bを周壁1W内から引き抜き、蓋壁15Aを立ち上げることで、周壁1Wの上面開口を開放する。また、周壁1Wの上下両端面を開放することで、包装箱1(周壁1W)を再び平坦に折り畳むことができる。
【0062】
以上説明した本実施形態に係る包装箱1によれば、押込み部30(一対の凸部25に挟まれた部分)を押し込むだけで、背面壁10から一対の側壁11の後側(第2引込領域33)までを一度に分断することができる(図6参照)。つまり、押込み部30を押し込んだ時点で、左右両側の角部を含む周壁1Wの後側を分断することができる。これにより、ユーザは、背面壁10を手前に引くことなく、背面壁10の上部を引き上げる(または前方に引き倒す)だけで、包装箱1を適正に開封することができる。また、包装箱1の開封時に、角部引込領域31は第1補助折線L6と第2補助折線L7とで互いに逆向きに折り曲げられるため、角部引込領域31が第1折曲線L1に沿って裂けてしまうことを抑制することができる。
【0063】
[第1変形例]
本実施形態に係る包装箱1では、第1補助折線L6および第2補助折線L7が、第1折曲線L1の上端よりも下方で交差していたが、本発明はこれに限定されない。図8に示すように、第1変形例に係る包装箱1(ブランク6)では、一対の第1補助折線L6は、一対の凸部25(上辺部25B)と一対の第1折曲線L1の上端(第2方向の一端)との間に斜めに延設されてもよい。また、一対の第2補助折線L7は、一対の第1折曲線L1の上端と第2切断線22(第2切断開始部27)との間に斜めに延設されてもよい。つまり、交点P2が一対の第1折曲線L1の上端に位置していてもよい。なお、この場合、第3補助折線L8は省略される。
【0064】
[第2変形例]
また、本実施形態に係る包装箱1では、背面壁10の上部(第1切断線21よりも上方)に一対の第3補助折線L8が形成されていたが、本発明はこれに限定されない。
図9に示すように、第2変形例に係る包装箱1(ブランク7)では、一対の第3補助折線L8に代えて、第4補助折線L9(例えばリード罫)が一対の第1折曲線L1と一対の第1補助折線L6の交点P2の間を結ぶように延設されている。押込み部30(一対の凸部25に挟まれた部分)を押し込むと、背面壁10は、一対の第1補助折線L6に沿って逆折りされると共に第4補助折線L9に沿って正折りされながら第1切断線21に沿って分断される。これにより、押込み部30を押し込んだ時点で周壁1Wの後側を分断することができ、ユーザは、背面壁10の上部を引き上げるだけで、包装箱1を適正に開封することができる。なお、第2変形例に係る包装箱1(ブランク7)では、一対の第3補助折線L8を省略していたが、これに限らず、一対の第3補助折線L8に加えて、第4補助折線L9を設けてもよい(図示せず)。
【0065】
なお、本実施形態(第1および第2変形例も含む。以下同じ。)に係る包装箱1では、第1切断線21および第3切断線23がミシン目線で構成されていたが、これに限らず、例えばジッパー等、板紙を切断する構造であれば如何なるものでもよい。
【0066】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第1切断開始部24が直線状に形成されていたが、これに限らず、湾曲していてもよいし折線状に形成されてもよい(図示せず)。また、第1切断線21の凸部25が略台形状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、凸部25は、開封時に除去される側に向かって突出していればよく、例えば、長方形状、三角形状または半円形状等に形成されてもよい(図示せず)。
【0067】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第1切断線21の第1側部26は斜めに形成されていたが、これに限らず、例えば略水平に形成されてもよい(図示せず)。また、第1側部26の下端(略水平な部分)は、第1切断開始部24(湾曲等している場合には最下部)よりも僅かに上方にずれていたが、これに限らず、第1切断開始部24よりも僅かに下方にずれてもよいし、第1切断開始部24と同じ高さに形成されてもよい(図示せず)。
【0068】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第2切断線22がミシン目線とジッパーを組み合わせて構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2切断線22は、ミシン目線のみで構成されてもよいし、ジッパーのみで構成されてもよい(図示せず)。
【0069】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第2切断開始部27が第2補助折線L7との交点よりも前方に延設されていたが、本発明はこれに限定されない。第2切断開始部27は、少なくとも、第1折曲線L1から第2補助折線L7との交点までの間で第1切断開始部24と平行に形成されていればよい。また、第2切断開始部27は、第1切断開始部24(湾曲等している場合には最下部)よりも僅かに上方にずれていたが、これに限らず、第1切断開始部24よりも僅かに下方にずれてもよいし、第1切断開始部24と同じ高さに形成されてもよい(図示せず)。さらに、第2切断開始部27は、略水平に形成されていたが、これに限らず、後方から前方に向かって下り勾配または上り勾配に形成されてもよい(図示せず)。これと同様に、第2切断終了部29が傾斜していてもよい(図示せず)。
【0070】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第2切断本体部28が、後方から前方に向かって下り勾配に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2切断線22は、上り勾配に形成されてもよいし、水平に形成されてもよい(図示せず)。
【0071】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第3切断線23が正面壁12に形成されていたが、第3切断線23は省略されてもよい(図示せず)。
【0072】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第1~第3切断線21~23を構成する切目が第1折曲線L1に交差していたが、これに限らず、切目を第1折曲線L1上に形成せずに、切目間の繋ぎ部が第1折曲線L1に交差してもよい(図示せず)。
【0073】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第1~第4補助折線L6~L9がリード罫であったが、これに限らず、例えば汎用罫線やミシン目線等、板紙を折り曲げる構造であれば如何なるものでもよい。また、第1~第4補助折線L6~L9は直線状に延設されていたが、これに限らず、例えば、僅かに湾曲しながら延設されてもよいし、僅かに折れ曲がりながら延設されてもよい(図示せず)。
【0074】
また、本実施形態に係る包装箱1では、第1補助折線L6の両端が凸部25と第1折曲線L1とに接触していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1補助折線L6の両端は、凸部25と第1折曲線L1とから僅かに離間していてもよい(図示せず)。これと同様に、例えば、第2補助折線L7の両端は、第1折曲線L1と第2切断開始部27とから僅かに離間してもよいし、第3補助折線L8の両端は、第1折曲線L1と第2折曲線L2とから僅かに離間してもよい(図示せず)。さらに、第4補助折線L9の両端は、交点P2から僅かに離間してもよい(図示せず)。
【0075】
また、請求項で言う「一対の凸部25と一対の稜線(第1折曲線L1)との間に斜めに延設された一対の第1補助折線L6」とは、第1補助折線L6の下端(一端)が上辺部25Bの中間に接し、第1補助折線L6の上端(他端)が第1折曲線L1の中間に接することのみを意味するものではない。上記は、第1補助折線L6の下端(一端)が凸部25の角部(屈曲部)や縦辺部25C等に接することを許容する意味であり(図示せず)、第1補助折線L6の上端(他端)が第1折曲線L1の上端に接する(図8参照)ことを許容する意味である。
【0076】
また、本実施形態に係る包装箱1では、一対の第3補助折線L8が背面壁10に形成されていたが、一対の第3補助折線L8は省略されてもよい(図示せず)。
【0077】
また、本実施形態に係る包装箱1は、開封構造18の第1~第3切断線21~23によって上下方向に二分割にされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、開封構造18が、包装箱を左右方向または前後方向に分断してもよい(図示せず)。また、本実施形態に係る包装箱1では、上下方向に二分割された包装箱1の上部が取り除かれ、包装箱1の下部が残されていたが、これとは逆に、包装箱1の下部が取り除かれ、包装箱1の上部が残されてもよい(図示せず)。
【0078】
また、本実施形態に係る包装箱1の底面は、所謂ワンタッチ底であったが、これに限らず、例えば、内フラップと外フラップとが重ね合わされて底面を形成してもよい(図示せず)。また、包装箱1の天面は、蓋体15で周壁1Wの上面開口を閉塞していたが、これに限らず、例えば、内フラップと外フラップとが重ね合わされて天面を形成してもよい(図示せず)。
【0079】
また、本実施形態に係る包装箱1では、周壁1Wが角筒状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。周壁は、少なくとも、背面壁10の左右方向の両端に第1折曲線L1を介して一対の側壁11を連設し、筒状に形成されていればよい(図示せず)。この場合の周壁は略三角形の断面を有し、第3切断線23は省略される。また、他にも、周壁は、三角形や四角形以外の多角形断面を有してもよい(図示せず)。
【0080】
また、本実施形態に係る包装箱1は、板紙で形成されていたが、これに限らず、例えば、樹脂製の板、紙製または樹脂製の段ボールシート等で形成されていてもよい。また、本実施形態に係る包装箱1(ブランク5~7)では、紙目方向が水平方向に延びていたが、これに限らず、垂直方向に延びていてもよい。
【0081】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る包装箱における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0082】
1 包装箱
1W 周壁
10 背面壁(第1側壁)
11L 左側壁(第2側壁)
11R 右側壁(第2側壁)
12 正面壁(第1側壁)
18 開封構造
21 第1切断線
22 第2切断線
23 第3切断線
24 第1切断開始部
25 凸部
26 第1側部
27 第2切断開始部
L1 第1折曲線(稜線)
L6 第1補助折線
L7 第2補助折線
L8 第3補助折線
L9 第4補助折線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10