(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】無線通信装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1268 20230101AFI20231218BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20231218BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W88/04
(21)【出願番号】P 2020144804
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍋谷 寿久
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0014606(US,A1)
【文献】国際公開第2017/168701(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/186059(WO,A1)
【文献】特開2013-51540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 72/1268
H04W 88/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ネットワークを介して基地局と通信可能に接続され、当該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続される無線通信装置において、
前記端末装置が送信すべきデータを保有していることが識別可能な第1信号を、第1タイミングで当該端末装置から受信し
、前記データを、前記第1タイミングよりも後の第2タイミングで前記端末装置から受信する受信手段と、
前記データを前記基地局に送信するためのリソースの割り当てを要求する第2信号を、前記第1タイミングよりも後であって前記第2タイミングよりも前に、前記基地局に送信する第1送信手段と
、
前記送信された第2信号に基づいて前記無線通信装置に対して前記リソースが割り当てられることによって、前記データを前記無線通信装置から前記基地局に送信する第3タイミングが当該基地局から通知されている場合に、前記第2タイミングが前記第3タイミングよりも前となるように前記端末装置を制御する制御手段と
を具備する無線通信装置。
【請求項2】
前記第1信号は、前記端末装置が送信すべきデータの量に関する情報を含む請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記第2信号は、前記受信された第1信号から取得される前記データのデータ量に関する情報を含む請求項1または2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記第2ネットワークを介して第1及び第2端末装置と通信可能に接続され、
前記受信手段は、前記第1端末装置から当該第1端末装置が送信すべきデータを保有していることが識別可能な第3信号を受信し、前記第2端末装置から当該第2端末装置が送信すべきデータを保有していることが識別可能な第4信号を受信し、
前記第1送信手段は、前記第1端末装置から受信された第3信号及び前記第2端末装置から受信された第4信号に基づくリソースの割り当てを要求する第2信号を送信する
請求項1~3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記第1送信手段は、前記第1タイミングよりも後であって前記第2タイミングよりも前に、新規の無線ベアラを形成するための第5信号を前記基地局に送信する請求項1~4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記第1送信手段は、前記送信された第2信号に基づいて前記無線通信装置に対して前記リソースが割り当てられることによって、前記データを前記無線通信装置から前記基地局に送信する第3タイミングが当該基地局から通知されている場合であって、当該第3タイミングが前記第1タイミングより後であって前記第2タイミングよりも前である場合、当該第3タイミングにおいて前記無線通信装置が前記データを保有していることが識別可能な第6信号を前記基地局に送信する請求項1~5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第2タイミングが前記第3タイミングよりも前となるように、当該データの送信を要求する第7信号を前記端末装置に送信し、
前記受信手段は、前記送信された第7信号に応じて前記端末装置から送信されたデータを受信する
請求項
1記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記データは、前記第7信号が送信されてから予め定められた時間が経過した後に前記端末装置から送信される請求項
7記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第7信号を用いて前記端末装置から前記無線通信装置に送信されるデータの送信時間長を制御する請求項
7または
8記載の無線通信装置。
【請求項10】
第1ネットワークを介して基地局と通信可能に接続され、当該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続される無線通信装置において、
前記端末装置が送信すべきデータを保有していることが識別可能な第1信号を、第1タイミングで当該端末装置から受信し、
前記データを、前記第1タイミングよりも後の第2タイミングで前記端末装置から受信する受信手段と、
前記データを前記基地局に送信するためのリソースの割り当てを要求する第2信号を、前記第1タイミングよりも後であって前記第2タイミングよりも前に、前記基地局に送信する第1送信手段と、
前記端末装置が送信すべきデータを保有しているか否かを問い合わせるための第8信号を当該端末装置に送信する第2送信手段
と
を具備し、
前記受信手段は、前記送信された第8信号に応じて前記端末装置から送信された第1信号を受信する
無線通信装置。
【請求項11】
前記第1信号は、前記第8信号が送信されてから予め定められた時間が経過した後に前記端末装置から送信される請求項
10記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記第2送信手段は、前記第2信号を前記無線通信装置から前記基地局に送信する第4タイミングが前記基地局から通知されている場合、当該第4タイミングよりも前に前記第1信号を受信するように前記第8信号を送信する請求項
10または
11記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記基地局との通信及び前記端末装置との通信を実行するために共通して用いられる少なくとも1つのアンテナを更に具備する請求項1~
12のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記基地局との通信を実行するために用いられる少なくとも1つの第1アンテナと、
前記端末装置との通信を実行するために用いられる少なくとも1つの第2アンテナと
を更に具備し、
前記少なくとも1つの第1アンテナ及び前記少なくとも1つの第2アンテナのいずれも、前記基地局との通信及び前記端末装置との通信を実行するために共通して用いられることはない、
請求項1~
12のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記受信手段は、第1半導体チップに内蔵され、
前記第1送信手段は、前記第1半導体チップとは異なる第2半導体チップに内蔵され、
前記受信手段によって受信される前記データは、前記第1半導体チップ外、かつ前記第2半導体チップ外に設置されたメモリに一時的に記憶された後、前記第1送信手段により送信される
請求項1~
14のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項16】
前記受信手段と前記第1送信手段は、単一の半導体チップに内蔵され、
前記受信手段によって受信される前記データは、前記単一の半導体チップに内蔵されるメモリに一時的に記憶された後、前記第1送信手段により送信される
請求項1~
14のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項17】
前記受信手段と前記第1送信手段は、単一の半導体チップに内蔵され、
前記受信手段によって受信される前記データは、前記単一の半導体チップ外に設置されたメモリに一時的に記憶された後、前記第1送信手段により送信される
請求項1~
14のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項18】
第1ネットワークを介して基地局と通信可能に接続され、当該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続される無線通信装置において、
前記端末装置が送信すべきデータを保有していることが識別可能な第1信号を、第1タイミングで当該端末装置から受信し、前記データを、前記第1タイミングよりも後の第2タイミングで前記端末装置から受信する受信手段と、
前記無線通信装置に対して前記データを前記基地局に送信するためのリソースが割り当てられることによって、当該データを前記無線通信装置から前記基地局に送信する第3タイミングが当該基地局から通知されている場合であって、当該第3タイミングが前記第1タイミングよりも後であって前記第2タイミングよりも前である場合、当該第3タイミングにおいて前記無線通信装置が前記データを保有していることが識別可能な第6信号を前記基地局に送信する送信手段と
、
前記送信された第2信号に基づいて前記無線通信装置に対して前記リソースが割り当てられることによって、前記データを前記無線通信装置から前記基地局に送信する第3タイミングが当該基地局から通知されている場合に、前記第2タイミングが前記第3タイミングよりも前となるように前記端末装置を制御する制御手段と
を具備する無線通信装置。
【請求項19】
第1ネットワークを介して基地局と通信可能に接続され、当該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続される無線通信装置が実行する方法であって、
前記端末装置が送信すべきデータを保有していることが識別可能な第1信号を、第1タイミングで当該端末装置から受信し、前記データを、前記第1タイミングよりも後の第2タイミングで前記端末装置から受信するステップと、
前記データを前記基地局に送信するためのリソースの割り当てを要求する第2信号を、前記第1タイミングよりも後であって前記第2タイミングよりも前に、前記基地局に送信するステップと
、
前記送信された第2信号に基づいて前記無線通信装置に対して前記リソースが割り当てられることによって、前記データを前記無線通信装置から前記基地局に送信する第3タイミングが当該基地局から通知されている場合に、前記第2タイミングが前記第3タイミングよりも前となるように前記端末装置を制御するステップと
を具備する方法。
【請求項20】
第1ネットワークを介して基地局と通信可能に接続され、当該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続される無線通信装置が実行する方法であって、
前記端末装置が送信すべきデータを保有していることが識別可能な第1信号を、第1タイミングで当該端末装置から受信し、前記データを、前記第1タイミングよりも後の第2タイミングで前記端末装置から受信するステップと、
前記無線通信装置に対して前記データを前記基地局に送信するためのリソースが割り当てられることによって、当該データを前記無線通信装置から前記基地局に送信する第3タイミングが当該基地局から通知されている場合であって、当該第3タイミングが前記第1タイミングよりも後であって前記第2タイミングよりも前である場合、当該第3タイミングにおいて前記無線通信装置が前記データを保有していることが識別可能な第6信号を前記基地局に送信するステップと
、
前記送信された第2信号に基づいて前記無線通信装置に対して前記リソースが割り当てられることによって、前記データを前記無線通信装置から前記基地局に送信する第3タイミングが当該基地局から通知されている場合に、前記第2タイミングが前記第3タイミングよりも前となるように前記端末装置を制御するステップと
を具備する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、LTE(Long Term Evolution)及びLTE-A(LTE-Advanced)のような第4世代(4G)移動体通信や順次サービスの提供が開始されている第5世代(5G)移動体通信等においては、無線通信装置から基地局に(つまり、上り方向に)データが送信される場合、当該無線通信装置は基地局に対して当該データを送信するためのリソース(上りリンクリソース)の割り当てを要求する。
【0003】
このような無線通信装置からの要求に応じて当該無線通信装置に対してリソースが割り当てられることによって、当該無線通信装置は基地局にデータを送信することが可能となる。
【0004】
しかしながら、無線通信装置において基地局に送信すべきデータが発生した時点でリソースの割り当てを要求する場合、当該リソースの割り当てのためにデータ送信に遅延が生じ、当該データ送信を効率的に行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、基地局への効率的なデータ送信を実現することが可能な無線通信装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、第1ネットワークを介して基地局と通信可能に接続され、当該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続される無線通信装置が提供される。前記無線通信装置は、受信手段と、第1送信手段と、制御手段とを具備する。前記受信手段は、前記端末装置が送信すべきデータを保有していることが識別可能な第1信号を、第1タイミングで当該端末装置から受信し、前記データを、前記第1タイミングよりも後の第2タイミングで前記端末装置から受信する。前記第1送信手段は、前記データを前記基地局に送信するためのリソースの割り当てを要求する第2信号を、前記第1タイミングよりも後であって前記第2タイミングよりも前に、前記基地局に送信する。前記制御手段は、前記送信された第2信号に基づいて前記無線通信装置に対して前記リソースが割り当てられることによって、前記データを前記無線通信装置から前記基地局に送信する第3タイミングが当該基地局から通知されている場合に、前記第2タイミングが前記第3タイミングよりも前となるように前記端末装置を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る無線通信装置を備えるネットワークシステムの構成の一例を示す図。
【
図3】本実施形態の比較例におけるネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャート。
【
図4】第1リソースが既に割り当てられている場合の本実施形態の比較例におけるネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャート。
【
図5】本実施形態におけるネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャート。
【
図6】第2バッファ情報について説明するための図。
【
図7】基地局へのデータ送信タイミングにおいて上りデータが端末装置から受信されていない場合のネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャート。
【
図8】端末装置からのデータ受信タイミングが基地局へのデータ送信タイミングよりも前となるように端末装置を制御する場合のネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る無線通信装置を備えるネットワークシステムの構成の一例について説明する。
【0010】
図1に示すネットワークシステムは、第1ネットワーク1及び第2ネットワーク2から構成され、基地局10、無線通信装置20及び端末装置30を備える。
【0011】
なお、本実施形態において、第1ネットワーク1は移動体通信の無線ネットワーク(移動体通信ネットワーク)であり、第2ネットワーク2は無線LAN等の無線ネットワーク(無線LANネットワーク)である場合を想定している。
【0012】
第1ネットワーク1は基地局(セルラー基地局)10を中心に形成され、無線通信装置20は、当該第1ネットワーク1を介して基地局10と通信可能に接続される。無線通信装置20は、第1ネットワーク1においてはUE(User Equipment)として動作する。
【0013】
なお、第1ネットワーク1において、基地局10及び無線通信装置20は、3GPP(Third Generation Partnership Project)準拠の通信規格(例えば、4Gまたは5Gにおいて規定されている通信方式)に従って通信を行うものとする。
【0014】
また、無線通信装置20は、第2ネットワーク2を介して複数の端末装置30(無線LAN端末)と通信可能に接続される。この場合、無線通信装置20は、無線LANにおけるアクセスポイント(AP)として動作する機能(以下、アクセスポイント機能と表記)を有しているものとする。
【0015】
なお、第2ネットワーク2において、無線通信装置20及び端末装置30は、IEEE 802.11準拠の通信規格(例えば、IEEE 802.11axにおいて規定されている通信方式)に従って通信を行うものとする。IEEE 802.11axは、Wi-fi6とも称される。
【0016】
このようなネットワークシステムによれば、例えば端末装置30の各々において発生したデータ(当該端末装置30が送信すべきデータ)は、第2ネットワーク2を介して当該端末装置30から無線通信装置20に送信され、第1ネットワーク1を介して当該無線通信装置20から基地局10に送信される。なお、以下の説明においては、端末装置30が送信すべきデータを便宜的に上りデータ(アップリンクデータ)と称する。
【0017】
一方、下りデータ(基地局10から端末装置30に送信されるデータ)の場合は、第1ネットワーク1を介して当該基地局10から無線通信装置20に送信され、第2ネットワーク2を介して当該無線通信装置20から基地局10に送信される。
【0018】
すなわち、本実施形態において、無線通信装置20は、基地局10及び端末装置30間のブリッジ機能の役割を果たす。
【0019】
なお、
図1に示す例では1つの無線通信装置20のみが示されているが、第1ネットワーク1においては、UEとして動作する無線通信装置20以外の端末装置が存在していてもよい。このUEとして動作する無線通信装置20以外の端末装置は、当該無線通信装置20と同様にアクセスポイント機能を有していてもよいし、アクセスポイント機能を有しておらず、第1ネットワーク1においてUEとして動作する機能のみを有していてもよい。
【0020】
また、
図1に示す例では3台の端末装置30が示されているが、第2ネットワーク2においては、少なくとも1台の端末装置30が存在していればよい。
【0021】
更に、本実施形態においては、基地局10及び無線通信装置20が4Gまたは5Gにおいて規定されている通信方式に従って通信を行うものとして説明したが、基地局10及び無線通信装置20は、当該通信方式とは異なる他の通信方式に従って通信を行う構成であってもよい。
【0022】
また、本実施形態においては、無線通信装置20及び端末装置30がIEEE 802.11axにおいて規定されている通信方式に従って通信を行うものとして説明したが、無線通信装置20及び端末装置30は、当該通信方式とは異なる他の通信方式に従って通信を行う構成であっても構わない。
【0023】
すなわち、本実施形態においては、無線通信装置20が第1ネットワーク1を介して基地局10と通信可能に構成されているとともに、当該無線通信装置20が第1ネットワーク1とは異なる第2ネットワーク2を介して端末装置30と通信可能に構成されているのであれば、当該第1ネットワーク1及び第2ネットワーク2に適用される通信方式は制限されない。
【0024】
図2は、本実施形態に係る無線通信装置20の構成の一例を示す。
図2に示すように、無線通信装置20は、第1アンテナ21、第1無線通信部22、第2アンテナ23、第2無線通信部24、制御部25及びバッファ26を含む。
【0025】
なお、
図2に示す第1無線通信部22及び第2無線通信部24は例えば無線通信装置20が備える無線通信デバイス等によって実現される。具体的には、第1無線通信部22及び第2無線通信部24は、物理的に同一の半導体チップによって実現されていてもよいし、別の半導体チップによって実現されていてもよい。また、第1無線通信部22及び第2無線通信部24を実現するための半導体チップは、単一の標準規格に準拠する通信機能を提供するチップであってもよいし、複数の標準規格に準拠する通信機能を提供するコンボチップであってもよい。
【0026】
また、制御部25は、当該無線通信装置20が備えるプロセッサ等によって実現される。また、バッファ26は、無線通信装置20が備えるメモリによって実現されてもよいし、SSD(Solid State Drive)またはHDD(Hard Disk Drive)等のストレージ装置等によって実現されてもよい。なお、バッファ26がメモリによって実現される場合、当該メモリは、DRAM等の揮発性メモリであってもよいし、NANDフラッシュメモリまたはMRAM等の不揮発性メモリであってもよい。
【0027】
第1アンテナ21は、第1ネットワーク1を介した通信(移動体通信)を行うための少なくとも1つのアンテナ素子から構成される。
【0028】
第1無線通信部22は、第1アンテナ21を用いて基地局10との通信を行うための送信部22a及び受信部22bを含む。送信部22aは、基地局10に送信すべきデータに対して例えば変調処理、D/A変換及び周波数変換等の必要な処理を施し、第1アンテナ21を介して当該データを基地局10に送信する。受信部22bは、第1アンテナ21を介して基地局10から受信されたデータに対して例えば周波数変換、A/D変換及び復調処理等の必要な処理を施す。なお、受信部22bによって受信されたデータは、例えば第2無線通信部24によって端末装置30に送信される。
【0029】
第2アンテナ23は、第2ネットワーク2を介した通信(無線LAN通信)を行うための少なくとも1つのアンテナ素子から構成される。
【0030】
第2無線通信部24は、第2アンテナ23を用いて端末装置30との通信を行うための送信部24a及び受信部24bを含む。送信部24aは、端末装置30に送信すべきデータに対して例えば変調処理、D/A変換及び周波数変換等の必要な処理を施し、第2アンテナ23を介して当該データを端末装置30に送信する。受信部24bは、第2アンテナ23を介して端末装置30から受信されたデータに対して例えば周波数変換、A/D変換及び復調処理等の必要な処理を施す。なお、受信部24bによって受信されたデータは、例えば第1無線通信部22によって基地局10に送信される。
【0031】
本実施形態においては、少なくとも1つの第1アンテナ21及び少なくとも1つの第2アンテナ23のいずれも、基地局10との通信及び端末装置30との通信を実行するために共通して用いられることはないものとする。
【0032】
制御部25は、移動体通信に必要な制御及び無線LAN通信に必要な制御を実行する。また、制御部25は、移動体通信と無線LAN通信との間の制御も司る。具体的には、制御部25は、例えば端末装置30から受信されたデータを基地局10に送信するための制御を実行する。また、制御部25は、例えば基地局10から受信されたデータを端末装置30に送信するための制御を実行する。更に、制御部25は、例えば基地局10及び端末装置30に対して各種要求を送信するタイミング等の制御を実行する。
【0033】
バッファ26には、上記したように端末装置30から受信されたデータ(つまり、基地局10に送信されるデータ)及び基地局10から受信されたデータ(つまり、端末装置30に送信されるデータ)が格納される。なお、バッファ26は、無線通信装置20内で発生したデータ(無線通信装置20から基地局10または端末装置30に送信すべきデータ)を格納してもよい。
【0034】
なお、本実施形態において、第1アンテナ21及び第2アンテナ23は、上記したように別個のアンテナであるものとして説明したが、第1ネットワーク1を介した通信(つまり、基地局10との通信)及び第2ネットワーク2を介した通信(つまり、端末装置30との通信)を実行するために共通して用いられる少なくとも1つのアンテナとして実現されていても構わない。
【0035】
以下、本実施形態に係る無線通信装置20を備えるネットワークシステムの動作について説明する。本実施形態においては、端末装置30から基地局10にデータが送信される場合の動作(つまり、上りリンク送信)について主に説明する。
【0036】
まず、
図3のシーケンスチャートを参照して、本実施形態の比較例におけるネットワークシステムの動作の一例を説明する。本実施形態の比較例におけるネットワークシステムは、上記した本実施形態に係る無線通信装置20の代わりに無線通信装置20´を備えるものとして説明する。
【0037】
ここで、第2ネットワーク2を介して本実施形態の比較例に係る無線通信装置20´と通信可能に接続されている端末装置30において、上りデータが発生した場合を想定する。
【0038】
この場合、端末装置30は、第2ネットワーク2を介して、上りデータを無線通信装置20´に送信する(ステップS1)。
【0039】
ステップS1において送信された上りデータは、無線通信装置20´によって受信される。これにより、無線通信装置20´は、基地局10に送信すべきデータの存在を把握する。なお、無線通信装置20´によって受信された上りデータは、上記した
図2に示すバッファ26に相当するバッファに格納される。
【0040】
ここで、無線通信装置20´は第1ネットワーク1を介して基地局10と通信可能に接続されるが、当該基地局10にデータを送信するためには、当該データを送信するためのリソース(無線リソース)が無線通信装置20´に割り当てられる必要がある。なお、この無線通信装置20´に割り当てられるリソースには、無線通信装置20´が利用可能な周波数帯及び通信時間帯(以下、タイムスロットと表記)等が含まれる。
【0041】
このため、無線通信装置20´は、リソースの割り当てを要求するための信号(以下、スケジューリング要求と表記)を基地局10に送信する(ステップS2)。
【0042】
ステップS2の処理が実行されると、基地局10は、当該ステップS2において送信されたスケジューリング要求に基づいて無線通信装置20´に対するリソースの割り当てをスケジューリングし、当該無線通信装置20´に含まれるバッファに関する信号(以下、第1バッファ情報と表記)を送信するためのリソース(以下、第1リソースと表記)を当該無線通信装置20´に対して割り当てる(ステップS3)。なお、第1バッファ情報は、例えばバッファステータスレポート(BSR)等と称される。
【0043】
ステップS3の処理が実行されると、無線通信装置20´は、当該ステップS3において割り当てられた第1リソースに基づいて、第1バッファ情報(BSR)を基地局10に送信する(ステップS4)。
【0044】
なお、ステップS4において送信される第1バッファ情報は、基地局10に送信すべきデータが無線通信装置20´に含まれるバッファに格納されている(つまり、無線通信装置20が上りデータを保有している)ことが識別可能な情報である。また、第1バッファ情報には、例えば上りデータのデータ量(サイズ)及びトラフィック種別(データ種別)に関する情報等が含まれる。
【0045】
次に、基地局10は、ステップS4において送信された第1バッファ情報(上りデータのデータ量等)に基づいて、当該上りデータを送信するためのリソース(以下、第2リソースと表記)を当該無線通信装置20´に対して割り当てる(ステップS5)。
【0046】
ステップS5の処理が実行されると、無線通信装置20´は、当該ステップS5において割り当てられた第2リソースに基づいて、バッファに格納されている上りデータを基地局10に送信する(ステップS6)。
【0047】
本実施形態の比較例においては、上記した
図3に示す処理が実行されることによって端末装置30において発生した上りデータ(つまり、端末装置30が送信すべきデータ)を基地局10に送信することができる。
【0048】
なお、上記したスケジューリング要求及び第1バッファ情報は所定の物理チャネルを用いて送信されればよいが、当該スケジューリング要求及び第1バッファ情報の送信に用いられる物理チャネルには、例えばPUCCH(Physical Uplink Control Channel)及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)等が含まれる。
【0049】
ここで、
図3においてはスケジューリング要求及び第1バッファ情報が無線通信装置20´から基地局10に送信されるものとして説明したが、例えば
図3に示す処理が実行される前に、無線通信装置20´から基地局10に他の上りデータが既に送信されている(つまり、上記した第1及び第2リソースが既に割り当てられている)場合がある。この場合、ステップS1において端末装置30から無線通信装置20´に送信された上りデータのデータ量は既に送信された他の上りデータのデータ量と異なるため、第2リソースの割り当ては再度実施される必要があるが、第1リソース(第1バッファ情報を基地局10に送信するためのリソース)は再度利用可能である。
【0050】
このため、無線通信装置20´から基地局10に他の上りデータが以前に送信され、第1リソースが既に無線通信装置20´に割り当てられている(つまり、既にスケジューリング要求が行われている)場合には、
図3に示す処理に代えて、
図4に示すステップS11~S14の処理が実行される。なお、
図4に示す処理は
図3に示す処理からステップS2及びS3の処理が省略された処理であり、
図4に示すステップS11~S14は、
図3に示すステップS1及びS4~S6の処理に相当する。
【0051】
この
図4に示す処理によれば、端末装置30から上りデータが送信された際に既にスケジューリング要求が行われている場合には、当該スケジューリング要求に基づいて割り当てられている第1リソースを利用して第1バッファ情報を送信することができる。
【0052】
なお、以下の説明においては、端末装置30から送信された上りデータを基地局10に送信するために無線通信装置20から基地局10に対して送信される信号を、リソース割り当て要求(メッセージ)と称する。例えば
図3に示す処理が実行される場合のリソース割り当て要求はスケジューリング要求及び第1バッファ情報であり、
図4に示す処理が実行される場合のリソース割り当て要求は第1バッファ情報である。ただし、リソース割り当て要求は、基地局10に対して上りデータを送信するためのリソースの割り当てを要求するものであれば、上記したスケジューリング要求及び第1バッファ情報と内容が異なるものであってもよい。
【0053】
ここで、上記した
図3または
図4に示す処理が実行される場合、リソース割り当て要求は、端末装置30から上りデータが受信された後に基地局10に送信される。換言すれば、無線通信装置20´は当該無線通信装置20´内部に上りデータが発生した(つまり、端末装置30から上りデータを受信し、当該上りデータがバッファに格納された)タイミングでなければ当該上りデータの存在を把握することができないため、リソース割り当て要求を送信するタイミングは、端末装置30から上りデータが受信されたタイミング以降となる。
【0054】
このため、上記した本実施形態の比較例においては、上りデータが端末装置30から受信された後、当該上りデータが基地局10に送信されるまでの遅延が大きい。
【0055】
以下、
図5のシーケンスチャートを参照して、本実施形態におけるネットワークシステムの動作の一例を説明する。
【0056】
本実施形態において、無線通信装置20(送信部24a)は、第2ネットワーク2を介して、端末装置30が上りデータを保有しているか否かを問い合わせるための信号(以下、バッファ情報送信要求と表記)を当該端末装置30に送信する(ステップS21)。
【0057】
ここで、端末装置30は、無線通信装置20と同様にバッファを備えており、当該端末装置30において発生した上りデータは当該バッファに格納される構成を有するものとする。
【0058】
この場合、端末装置30は、ステップS21においてバッファ情報送信要求に応じて、当該端末装置30に含まれるバッファに関する信号(以下、第2バッファ情報と表記)を無線通信装置20に送信(通知)する(ステップS22)。
【0059】
この第2バッファ情報は、端末装置30に含まれるバッファに上りデータが格納されている(つまり、端末装置30が上りデータを保有している)か否かが識別可能な情報である。第2バッファ情報は例えばバッファステータスレポート等と称される場合があるが、上記した第1ネットワーク1を介して無線通信装置20から基地局10に送信される第1バッファ情報(BSR)とは異なる。
【0060】
なお、無線通信装置20(無線LANアクセスポイント)と端末装置30(無線LAN端末)との間で当該端末装置30が当該端末装置30に含まれるバッファに関する情報(つまり、第2バッファ情報)を無線通信装置20に通知する仕組みは無線LANの規格(IEEE 802.11ax)で規定されており、本実施形態においてはこの仕組みを利用する。
【0061】
ここで、
図6を参照して、上記したIEEE 802.11axの規定に基づいて端末装置30から無線通信装置20に送信される第2バッファ情報について説明する。
【0062】
図6においては、ACI Bitmapフィールド301、Delta TIDフィールド302、ACI Highフィールド303、Scaling Factorフィールド304、Queue Size Highフィールド305及びQueue Size Allフィールド306が示されているが、第2バッファ情報は、これらのフィールド301~306をMACヘッダ内に含むフレームの形式で端末装置30から無線通信装置20に送信される。
【0063】
なお、ACI Bitmapフィールド301は、4ビットの情報が格納されるフィールドである。また、Delta TIDフィールド302、ACI Highフィールド303及びScaling Factorフィールド304は、それぞれ2ビットの情報が格納されるフィールドである。また、Queue Size Highフィールド305及びQueue Size Allフィールド306は、それぞれ8ビットの情報が格納されるフィールドである。
【0064】
ここで、上記した無線通信装置20及び端末装置30間の無線通信がIEEE 802.11axにおいて規定されている通信方法に従って行われるものとすると、上記したバッファ情報送信要求(フレーム)としては、当該IEEE 802.11axにおいて規定されているTriggerフレームを利用することができる。また、このTriggerフレームを利用してバッファ情報送信要求が無線通信装置20から端末装置30に送信された場合には、第2バッファ情報を通知するフレームとしてはQos Nullフレームを利用することができる。この場合、QoS NullフレームのMACヘッダ内に
図6に示す情報が含まれる。
【0065】
この場合、第2バッファ情報(Qos Nullフレーム)は、バッファ情報送信要求(Triggerフレーム)が送信されてから、IEEE 802.11axにおいて規定されているSIFS(Short Inter Frame Space)と称される予め定められた時間が経過した後に端末装置30から無線通信装置20に送信される。
【0066】
なお、第2ネットワーク2内に複数の端末装置30が存在する場合、無線通信装置20は、当該複数の端末装置30のうち第2バッファ情報の送信を要求する対象となる端末装置30をバッファ情報送信要求(Triggerフレーム)において指定することができる。第2バッファ情報の送信を要求する対象となる端末装置30は複数であってもよい。
【0067】
上記したような構成によれば、無線通信装置20は、バッファ情報送信要求を送信することによって、任意の端末装置30から任意のタイミングで第2バッファ情報を受信することができる。
【0068】
ここではバッファ情報送信要求としてTriggerフレーム、第2バッファ情報を通知するフレームとしてQos Nullフレームが用いられるものとして説明したが、他の形式のフレーム等が当該バッファ情報送信要求及び第2バッファ情報の通知に用いられても構わない。
【0069】
再び
図5に戻ると、無線通信装置20(受信部24b)は、ステップS22において送信された第2バッファ情報を受信する。
【0070】
ここで、第2バッファ情報によれば端末装置30が上りデータを保有しているか否かが識別可能であるが、ステップS22において送信された第2バッファ情報に基づいて端末装置30が上りデータを保有していないことが識別される場合、
図5の処理は終了される。
【0071】
一方、ステップS22において送信された第2バッファ情報に基づいて端末装置30が上りデータを保有していることが識別される場合、無線通信装置20(送信部22a)は、リソース割り当て要求を基地局10に送信する(ステップS23)。
【0072】
なお、第2バッファ情報には例えば上りデータ(これから送信するデータ)の有無及び当該上りデータの量(の情報)が含まれており、当該上りデータを基地局10に転送すべきであるか否かは当該データを端末装置30から受信することで判別可能であるものとする。このような第2バッファ情報が受信された場合、無線通信装置20は、今後受信される上りデータを全て基地局10に転送するものとして仮定してもよいし、当該上りデータの一定の割合のみを基地局10に転送するものとして仮定してもよい。なお、これらの仮定については、使用されるシステムの運用上の制約やルール、あるいは過去の統計情報等に基づいて設定されてもよいし、上りデータを送信した端末装置、当該上りデータ(または第2バッファ情報)を受信する時間帯、何らかの事象の発生に関連するタイミング等の各種環境情報に基づいて設定されてもよい。
【0073】
一方、第2バッファ情報には、基地局10への転送の要否(の情報)が更に含まれていてもよい。このような第2バッファ情報によれば、第2バッファ情報を受信した時点で上りデータの基地局10への転送要否を判別することができるため、無線通信装置20は、上りデータを基地局10へ転送すると判別された場合にリソース割り当て要求を基地局10に送信すればよい。
【0074】
ここで、第2バッファ情報が
図6に示すフィールド301~306をMACヘッダ内に含むフレームの形式で無線通信装置20に通知されたものとすると、無線通信装置20は、ACI Bitmapフィールド301及びDelta TIDフィールド302を参照することにより、端末装置30に含まれるバッファに格納されている上りデータのトラフィック種別及びトラフィック数を把握することができる。また、無線通信装置20は、Scaling Factorフィールド304を参照することにより、端末装置30に含まれるバッファに格納されている上りデータに関するトラフィック量の単位を把握することができる。また、無線通信装置20は、Queue Size Highフィールド305及びQueue Size Allフィールド306を参照することにより、Scaling Factorフィールド304において通知される単位でのトラフィック量(つまり、データ量)をトラフィック種別毎に把握することができる。
【0075】
これによれば、第2バッファ情報にはデータ量及びトラフィック種別に関する情報が含まれており、無線通信装置20は、このような第2バッファ情報に基づいて、端末装置30に含まれているバッファに格納されている上りデータのデータ量(送信バッファ量)をトラフィック種別毎に取得(収集)することができる。
【0076】
この場合、ステップS23においては、上記したように第2バッファ情報に基づいてトラフィック種別毎に取得されたデータ量を含むリソース割り当て要求(第1バッファ情報)が基地局10に送信される。
【0077】
なお、上記したスケジューリング要求が行われていない状態で
図5に示す処理が実行されるものとすると、ステップS23の処理は、第2バッファ情報に基づいてトラフィック種別毎に取得されたデータ量を含む第1バッファ情報が基地局10に送信される点を除いて
図3に示すステップS2~S4の処理に相当する。
【0078】
一方、既にスケジューリング要求が行われている状態で
図5に示す処理が実行されるものとすると、ステップS23の処理は、第2バッファ情報に基づいてトラフィック種別毎に取得されたデータ量を含む第1バッファ情報が基地局10に送信される点を除いて
図4に示すステップS12の処理に相当する。
【0079】
ステップS23の処理が実行されると、基地局10は、当該ステップS23において送信されたリソース割り当て要求(第1バッファ情報に含まれるトラフィック種別毎のデータ量)に基づいて、端末装置30から後に送信される上りデータを送信するための第2リソースを無線通信装置20に対して割り当てる(ステップS24)。なお、ステップS24においては、例えば無線通信装置20が基地局10に上りデータを送信する際のタイムスロット(当該データを送信するタイミング)がスケジューリング情報として無線通信装置20に通知される。このスケジューリング情報は、例えばPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を用いて基地局10から無線通信装置20に送信される。
【0080】
ここで、例えば第1ネットワーク1が5G移動体通信の無線ネットワークである場合、基地局10及び無線通信装置20間の無線通信にネットワークスライス技術が適用される場合がある。ネットワークスライス技術とは、ネットワークに配置される共通のリソース上に複数の論理的な区分(ネットワークスライス)を設定し、当該各ネットワークスライスを独立して運用することができる技術である。
【0081】
このようなネットワークスライス技術が適用可能であるものとすると、例えば端末装置30から後に送信される上りデータに関してトラフィック種別が複数存在するような場合に、無線通信装置20(制御部25)は、上記したネットワークスライスを生成すると判定することができる。この場合、無線通信装置20は、上記したステップS23において基地局10に送信されるリソース割り当て要求とは別に、新規(追加)の無線ベアラを形成するための一連のメッセージ(第5信号)を基地局10と送受信(やり取り)してもよい。
【0082】
なお、トラフィック種別の数によっては複数の無線ベアラが形成される場合があるが、この場合におけるリソースの割り当ては、当該無線ベアラ毎に要求してもよいし、当該複数の無線ベアラに対して一括して要求してもよい。
【0083】
ここで、端末装置30に含まれるバッファに格納されている上りデータが当該端末装置30から無線通信装置20に送信されたものとする(ステップS25)。ステップS25において端末装置30から送信された上りデータは、無線通信装置20(受信部24b)によって受信される。
【0084】
この場合、ステップS24において既に第2リソースが割り当てられているため、無線通信装置20(送信部22a)は、受信部24bによって受信された上りデータをステップS24において割り当て済みのリソースを利用して低遅延で基地局10に送信することができる(ステップS26)。
【0085】
なお、
図5に示す例では、バッファ情報送信要求に応じて第2バッファ情報が端末装置30から無線通信装置20に送信されるものとして説明したが、当該第2バッファ情報は、バッファ情報送信要求を受信することなく、自発的に端末装置30から送信されてもよい。
【0086】
また、上記したステップS23において説明したリソース割り当て要求は、少なくとも1台の端末装置30から送信される第2バッファ情報を受信したタイミングをトリガとして基地局10に送信されればよいが、例えば複数の端末装置30から第2バッファ情報が受信される場合には、当該複数の端末装置30からの第2バッファ情報(データ量及びトラフィック種別)に基づくリソース割り当て要求を総合的に送信する(つまり、当該複数の端末装置30が保有する上りデータを送信するためのリソースの割り当てを要求する)ようにしてもよい。
【0087】
上記したように本実施形態においては、端末装置30が送信すべきデータ(上りデータ)を保有していることが識別可能な第2バッファ情報(第1信号)を当該端末装置30から受信した後に、当該上りデータを端末装置30から受信する。
【0088】
なお、以下の説明においては、無線通信装置20が端末装置30から第2バッファ情報を受信するタイミング(第1タイミング)をバッファ情報受信タイミングと称し、無線通信装置20が端末装置30から上りデータを受信するタイミング(第2タイミング)をデータ受信タイミングと称する。
【0089】
この場合、本実施形態において、上りデータを基地局10に送信するためのリソースの割り当てを要求するリソース割り当て要求(第2信号)は、バッファ情報受信タイミングよりも後であってデータ受信タイミングよりも前に、基地局10に送信される。
【0090】
本実施形態においては、このような構成により、基地局10への効率的なデータ送信を実現することができる。
【0091】
具体的には、本実施形態においては、端末装置30から無線通信装置20に送信される第2バッファ情報を利用することにより、無線通信装置20は、端末装置30から実際に上りデータを受信するよりも前に、当該上りデータの存在(つまり、後に上りデータを端末装置30から受信すること)把握することができる。
【0092】
これによれば、無線通信装置20は、端末装置30から第2バッファ情報を受信したことをトリガとして、基地局10にリソース割り当て要求を送信することが可能となる。
【0093】
すなわち、本実施形態においては、無線通信装置20が実際に上りデータを受信するよりも前に基地局10に対してリソース割り当て要求を送信することができるため、当該上りデータを端末装置30から受信した後、低遅延で当該上りデータを基地局10に送信することが可能となる。
【0094】
なお、本実施形態においては、上記したように第2バッファ情報から取得される上りデータのデータ量(及びトラフィック種別)を含むリソース割り当て要求が基地局10に送信されるため、当該データ量に応じた適切なリソース(第2リソース)を無線通信装置20に対して割り当てることができる。
【0095】
また、本実施形態においては、複数の端末装置30から第2バッファ情報(第3及び第4信号)を受信し、当該複数の端末装置30から受信された第2バッファ情報に基づくリソースの割り当てを基地局10に要求するようにしてもよい。このような構成によれば、基地局10による無線通信装置20に対するリソースの割り当てを効率的に行うことが可能となる。
【0096】
更に、本実施形態において、無線通信装置20が基地局10との通信及び端末装置30との通信を実行するために共通して用いられる少なくとも1つのアンテナを備える構成である場合には、当該無線通信装置20においてアンテナを実装するために必要なスペースを節約することができるとともに、ハードウェア部品点数の削減によるコスト減を達成することができる。
【0097】
一方、
図2に示すように無線通信装置20が基地局10との通信を実行するために用いられるアンテナ21と端末装置20との通信を実行するために用いられるアンテナ22とを備える構成である場合には、無線通信装置20における設計の自由度の向上及び実装の容易化によるコスト減を達成することができる。
【0098】
また、本実施形態においては、第2無線通信部24(受信部24b)が第2半導体チップに内蔵され、第1無線通信部22(送信部22a)が第2半導体チップとは異なる第1半導体チップに内蔵される構成であってもよいが、このような構成の場合、受信部24bによって受信される上りデータは、第1半導体チップ外、かつ、第2半導体チップ外に設置されたメモリに一時的に記憶された後に、送信部22aによって送信されるものとする。これによれば、例えばIEEE802.11ax通信と5G通信の双方の機能を有する単一の半導体チップ(コンボチップ)を用いなくても、IEEE802.11axチップと5Gチップとをそれぞれ接続させるホストプロセッサが外部メモリをバッファとして用いて上りデータを中継することができる。
【0099】
更に、第1無線通信部22(送信部22a)及び第2無線通信部24(受信部24b)が単一の半導体チップに内蔵される構成である場合、当該受信部24bによって受信される上りデータは、当該単一の半導体チップに内蔵されるメモリに一時的に記憶された後に送信部22aによって送信されるものとする。これによれば、IEEE802.11ax通信と5G通信の双方の機能を有する単一の半導体チップ(コンボチップ)において、内蔵メモリを用いて効率的に両者の異なる通信の間を仲介することができる。
【0100】
また、上記したように第1無線通信部22(送信部22a)及び第2無線通信部24(受信部24b)が単一の半導体チップに内蔵される構成であっても、当該受信部24bによって受信される上りデータは、当該単一の半導体チップ外に設置されたメモリに一時的に記憶された後に送信部22aによって送信されてもよい。これによれば、IEEE802.11ax通信と5G通信の双方の機能を有する単一の半導体チップ(コンボチップ)において、チップ内部の大きな実装の変更を伴うことなく、外部メモリを用いて両者の異なる通信の間を仲介することができる。
【0101】
ここで、例えば
図5の処理が実行される前に、上記したように既にスケジューリング要求が行われており、無線通信装置20に対して第1リソース(例えば、PUSCH)が割り当てられている場合を想定する。この場合、無線通信装置20に対しては例えば無線通信装置20が第1バッファ情報を送信する際のタイムスロットがスケジューリング情報として基地局10から通知されており、無線通信装置20は、当該タイムスロットに応じたタイミング(第4タイミング)でリソース割り当て要求(第1バッファ情報)を送信することになる。
【0102】
本実施形態においては、無線通信装置20から送信されるバッファ情報送信要求(端末装置30が送信すべきデータを保有しているか否かを問い合わせるための第8信号)に応じて端末装置30から無線通信装置20に第2バッファ情報が送信されるものとして説明したが、リソース割り当て要求を基地局10に送信する前に、上記したように当該リソース割り当て要求を送信するタイミング(以下、リソース割り当て要求タイミングと表記)が基地局10から通知されている場合、無線通信装置20は、当該リソース割り当て要求タイミングよりも前に端末装置30から第2バッファ情報を受信することができるようにバッファ情報送信要求を端末装置30に送信するものとする。
【0103】
この場合、第2バッファ情報はバッファ情報送信要求(Triggerフレーム)が無線通信装置20から端末装置30に送信されてから予め定められた時間(SIFSと称される時間)が経過した後に受信されるため、当該バッファ情報送信要求を送信するタイミングは、当該時間を考慮(逆算)して決定すればよい。
【0104】
このような構成によれば、基地局10から通知されているリソース割り当て要求タイミングまでに第2バッファ情報を受信することが可能であるため、当該リソース割り当て要求タイミングで効率的にリソース割り当て要求を送信することが可能となる。
【0105】
また、本実施形態においては、
図5において説明したように、上りデータを送信するためのリソース(第2リソース)が無線通信装置20に割り当てられた後に、上りデータが端末装置30から受信される。また、第2リソースが無線通信装置20に割り当てられた場合、上記したように当該無線通信装置20が上りデータを基地局10に送信する際のタイムスロット(に応じたタイミング)が基地局10から無線通信装置20に通知される。
【0106】
この場合、第2リソースが割り当てられるタイミング及び上りデータが端末装置30から受信されるタイミング(データ受信タイミング)によっては、基地局10から通知されているタイムスロットに応じた上りデータを無線通信装置20から基地局10に送信するタイミング(以下、データ送信タイミングと表記)の時点で、当該上りデータが端末装置30から受信されていない可能性がある。
【0107】
以下、
図7のシーケンスチャートを参照して、データ送信タイミングにおいて上りデータが端末装置30から受信されていない場合の本実施形態におけるネットワークシステムの動作の一例を説明する。
【0108】
まず、上記した
図5に示すステップS21~S24の処理に相当するステップS31~S34の処理が実行されたものとする。これにより、端末装置30から送信される上りデータを送信するための第2リソースが無線通信装置20に対して割り当てられる。
【0109】
ここで、上記したように第2リソースが無線通信装置20に対して割り当てられた場合、基地局10から無線通信装置20に対してデータ送信タイミング(タイムスロット)がスケジューリング情報として通知されるが、当該データ送信タイミングにおいて、端末装置30から上りデータが受信されていない場合を想定する。
【0110】
このようにデータ送信タイミングにおいて上りデータが受信されていない場合、例えば一般的な無線通信装置は当該上りデータを保有していない(つまり、上りデータがバッファに格納されていない)ことを基地局10に通知することになるが、このような通知が基地局10において受け取られると、当該基地局10は、第2リソースの割り当てをリリースする。
【0111】
このように第2リソースがリリースされた後に上りデータが端末装置30から受信された場合、当該上りデータを基地局10に送信するためのリソースの割り当てを再度要求(つまり、リソース割り当て要求を再度送信)しなければならず、効率的なデータ送信が阻害される。
【0112】
そこで、本実施形態においては、
図7に示すように、無線通信装置20が上りデータを保有していない場合であっても、端末装置30が上りデータを保有していることを把握している(つまり、第2バッファ情報が受信されている)場合には、上りデータを保有していることが識別可能な信号(以下、データ保有通知と表記)が無線通信装置20(送信部22a)から基地局10に送信されるものとする(ステップS35)。
【0113】
ステップS35の処理が実行された場合、
図5に示すステップS25及びS26の処理に相当するステップS36及びS37の処理が実行されればよい。
【0114】
上記したように本実施形態においては、リソース割り当て要求に基づいて無線通信装置20に対して第2リソースが割り当てられることによって、上りデータを無線通信装置20から基地局10に送信するデータ送信タイミング(第3タイミング)が当該基地局10から通知されている場合であって、当該データ送信タイミングがバッファ情報受信タイミング(端末装置30から第2バッファ情報を受信するタイミング)より後であってデータ受信タイミング(端末装置30から上りデータを受信するタイミング)よりも前である場合、無線通信装置20が上りデータを保有していることが識別可能なデータ保有通知(第6信号)を基地局10に送信するものとする。
【0115】
すなわち、本実施形態においては、端末装置30から第2バッファ情報が受信されている場合には、後に当該端末装置30から上りデータを受信する(つまり、基地局10に送信すべきデータが発生する)ことを把握することができるため、データ送信タイミングにおいて上りデータを保有していない場合であっても、上りデータを保有しているものとして振る舞い、データ保有通知を基地局10に送信する。
【0116】
このような構成によれば、無線通信装置20に対して割り当てられた第2リソースがリリースされることを回避し、当該第2リソースの割り当てを維持することができるため、リソースの割り当てを再度要求する必要がなく、効率的なデータ送信を実現することができる。
【0117】
なお、ここでは
図7に示す処理が実行されるものとして説明したが、無線通信装置20は、単に第2バッファ情報が既に受信されている場合であって、データ送信タイミングにおいて上りデータが受信されていない場合に、当該データ送信タイミング時にデータ保有通知を基地局10に送信する構成であってもよい。
【0118】
また、ここではデータ送信タイミングにおいてデータ保有通知を送信する場合について説明したが、例えば第2リソースが通知された(割り当てられた)タイミングで上りデータが受信されていない場合、当該タイミングで上りデータを保有していないことを基地局10に通知するような構成が考えられるが、このような通知が基地局10において受け取られた場合であっても、第2リソースの割り当てがリリースされる。
【0119】
したがって、本実施形態においては、第2リソースが通知されたタイミングで上りデータが受信されていない場合であっても、端末装置30が上りデータを保有していることを把握している(つまり、第2バッファ情報が受信されている)場合には、データ保有通知が無線通信装置20から基地局10に送信される(つまり、ステップS35の処理が実行される)ものとする。
【0120】
ただし、例えば
図7に示す処理によれば、ステップS33においてリソース割り当て要求が無線通信装置20から基地局30に送信されるが、そもそもこのタイミングでリソース割り当て要求を送信すること自体が上記したデータ保有通知を送信することに相当するとも考えられる。このような観点からすれば、第2リソースの割り当てがリリースされるような通知(第2リソースのリリース可能通知)が基地局10に送信されないのであれば、上記したデータ保有通知が送信されない(つまり、ステップS35の処理が省略される)構成であっても構わない。
【0121】
また、
図7においてはデータ送信タイミングにおいて上りデータが端末装置30から受信されていない場合について説明したが、本実施形態においては、上りデータを端末装置30から受信するデータ受信タイミングが当該上りデータを基地局10に送信するデータ送信タイミングよりも前となるように端末装置30を制御する構成としてもよい。
【0122】
以下、
図8のシーケンスチャートを参照して、端末装置30からのデータ受信タイミングが基地局10へのデータ送信タイミングよりも前となるように端末装置30を制御する場合の本実施形態におけるネットワークシステムの動作の一例を説明する。
【0123】
まず、上記した
図5に示すステップS21~S24の処理に相当するステップS41~S44の処理が実行される。
【0124】
ここで、ステップS44の処理が実行されることによって第2リソースが無線通信装置20に割り当てられると、上記したようにデータ送信タイミングがスケジューリング情報として基地局10から無線通信装置20に通知される。
【0125】
この場合、無線通信装置20(送信部24a)は、制御部25による制御の下、上りデータの送信を要求するデータ送信要求(データ送信要求フレーム)を端末装置30に送信する(ステップS45)。なお、このデータ送信要求フレームとしては、上記したバッファ情報送信要求フレームと同様に、IEEE 802.11axにおいて規定されているTriggerフレームを利用することができる。
【0126】
なお、バッファ情報送信要求フレーム及びデータ送信要求フレームとしてTriggerフレームを利用する場合には、当該Triggerフレーム内のフレーム種別(フィールド)にそれぞれのフレームを識別するための識別子を格納することによって、端末装置30は、無線通信装置20から送信されるTriggerフレームがバッファ情報送信要求フレームまたはデータ送信要求フレームであることを識別することができる。
【0127】
ステップS45においてデータ送信要求フレーム(Triggerフレーム)が無線通信装置20から端末装置30に送信された場合、端末装置30は、予め定められた時間(SIFSと称される時間)が経過した後に上りデータを送信する(ステップS46)。
【0128】
ステップS46の処理が実行された場合、無線通信装置20(受信部24b)は、当該ステップS46において送信された上りデータを受信する。
【0129】
これにより、無線通信装置20(送信部22a)は、受信された上りデータをデータ送信タイミングにおいて上りデータを基地局10に送信することができる(ステップS47)。
【0130】
すなわち、
図8に示す処理においては、ステップS44において第2リソースが割り当てられた際に基地局10から通知されたデータ送信タイミングT2よりも前のデータ受信タイミングT1において上りデータが端末装置30から受信されるように、データ送信要求(第7信号)を端末装置30に送信する。なお、上りデータは、データ送信要求が送信されてから予め定められた時間が経過した後に端末装置30から送信される。これによれば、データ送信タイミングに間に合うように端末装置30から上りデータを受信することができるため、効率的なデータ送信を実現することができる。
【0131】
ここで、Triggerフレームにおいては、上りデータの送信を要求する端末装置30の指定に加え、当該端末装置30が上りデータを送信する際の送信時間長を指定することができる。このようにTriggerフレームにおいて送信時間長が指定されている場合、端末装置30は、当該送信時間長に従って上りデータを無線通信装置20に送信する。このため、本実施形態においては、データ送信要求の送信タイミングだけでなく、Triggerフレームを用いて端末装置30から無線通信装置20に送信される上りデータの送信時間長を更に制御するようにしてもよい。
【0132】
上記したようにデータ送信要求の送信タイミングに加えて上りデータの送信時間長を制御する構成の場合には、無線通信装置20(制御部25)は、当該無線通信装置20での上りデータの受信完了タイミングをより正確に制御することが可能となる。
【0133】
すなわち、上記したようにデータ送信要求の送信タイミングのみを制御した場合には、例えば上りデータの送信時間長が長いと上りデータの受信完了タイミングT1がデータ送信タイミングT2を超えてしまう可能性があるが、当該送信時間長自体も制御することでデータ送信タイミングよりも前に上りデータを受信しておく確実性を向上させることができる。
【0134】
本実施形態においては、このような構成により、データ送信タイミングにおいて上りデータが受信されていない(つまり、無線通信装置20内に上りデータを保有していない)という事態を回避し、より確実に効率的なデータ送信を実現することができる。
【0135】
ここでは、Triggerフレームを用いて送信時間長を制御(指定)する場合について説明したが、上記した上りデータの受信完了タイミングをより正確に制御するために、Triggerフレームを用いて例えば伝送フレーム等を更に制御する構成とすることも可能である。
【0136】
また、本実施形態においては、データ送信要求としてTriggerフレームが用いられるものとして説明したが、他の形式のフレーム等がデータ送信要求に用いられても構わない。
【0137】
なお、本実施形態においては、第2ネットワーク2が無線LAN等の無線ネットワークであるものとして説明したが、当該第2ネットワークは無線LAN以外の無線ネットワークであってもよい。また、本実施形態においては、無線通信装置20がアクセスポイント機能を有するものとして説明したが、無線通信装置20は、第2ネットワーク2内に存在する端末装置30において発生したデータ(上りデータ)を基地局10に送信するような親局としての機能を有する端末装置であればよい。
【0138】
すなわち、本実施形態においては、移動体通信における移動体通信端末及び当該移動体通信とは別の無線システムの親局として動作する無線通信装置20において、当該移動体通信とは別の無線システムの端末装置30から上りデータを受信するよりも前に、事前に当該上りデータの存在を第2バッファ情報により把握し、当該第2バッファ情報に基づいて基地局10にリソース割り当て要求を送信することで、効率的に上りデータを移動体通信端末として基地局10に送信することが可能となる。本実施形態においては、このような構成により、低遅延な上りリンク通信を実現することが可能となる。
【0139】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0140】
1…第1ネットワーク、2…第2ネットワーク、10…基地局、20…無線通信装置、30…端末装置、21…第1アンテナ、22…第1無線通信部、22a…送信部、22b…受信部、23…第2アンテナ、24…第2無線通信部、24a…送信部、24b…受信部、25…制御部、26…バッファ。