IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機照明株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-照明器具 図1
  • 特許-照明器具 図2
  • 特許-照明器具 図3
  • 特許-照明器具 図4
  • 特許-照明器具 図5
  • 特許-照明器具 図6
  • 特許-照明器具 図7
  • 特許-照明器具 図8
  • 特許-照明器具 図9
  • 特許-照明器具 図10
  • 特許-照明器具 図11
  • 特許-照明器具 図12
  • 特許-照明器具 図13
  • 特許-照明器具 図14
  • 特許-照明器具 図15
  • 特許-照明器具 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/195 20200101AFI20231218BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231218BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231218BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20231218BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20231218BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20231218BHJP
【FI】
H05B47/195
F21S2/00 230
F21V23/00 150
F21V23/04 500
H05B45/10
H05B47/105
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020191049
(22)【出願日】2020-11-17
(62)【分割の表示】P 2019041679の分割
【原出願日】2015-03-30
(65)【公開番号】P2021028914
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2020-11-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大島 悠一
(72)【発明者】
【氏名】木所 孝元
(72)【発明者】
【氏名】岩坪 幸喜
【合議体】
【審判長】藤井 昇
【審判官】中村 則夫
【審判官】久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-53212(JP,A)
【文献】特開2008-204926(JP,A)
【文献】特開2013-48052(JP,A)
【文献】特開2006-93098(JP,A)
【文献】特表2011-505053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V23/00,H05B45/00,H05B47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDモジュールと、
前記LEDモジュールを点灯制御する点灯回路と、
前記点灯回路に接続され、他の照明器具又は照明制御装置と無線通信を行うアンテナを有する無線通信モジュールと、
前記LEDモジュールを覆い、透光性を有するカバーとを備え、
前記無線通信モジュールは、光信号を受信する受光素子を有し、
前記無線通信モジュールのアドレスは、前記受光素子が受信した前記光信号に基づいて設定され、
前記無線通信モジュールは、前記LEDモジュールの開口部から前記受光素子の一部分が露出するように、前記LEDモジュールを覆う前記カバーの内部に配置され、
前記受光素子は、直接触られないように前記カバーにより保護され、
前記LEDモジュールは長尺状であり、
前記受光素子に光を入力する受光部が前記LEDモジュールの幅方向の一方の側の端部寄りに配置されている照明器具。
【請求項2】
前記LEDモジュールが下面に取り付けられた取付板を更に備え、
前記無線通信モジュールは前記取付板の上面に取り付けられている請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記カバーは、前記取付板に固着されている請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
被取付部に設置される器具本体と、
前記器具本体に取り付けられる光源ユニットとを備え、
前記光源ユニットは、
LEDモジュールと、
前記LEDモジュールを点灯制御する点灯回路と、
前記点灯回路に接続され、他の照明器具又は照明制御装置と無線通信を行うアンテナを有する無線通信モジュールと、
前記LEDモジュールを覆い、透光性を有するカバーと、
前記光源ユニットを前記器具本体に取り付ける2つの取り付け具とを有し、
前記無線通信モジュールと前記点灯回路は前記2つの取り付け具の間に配置され、
前記無線通信モジュールは、光信号を受信する受光素子を有し、
前記無線通信モジュールは、前記光源ユニットの開口部から前記受光素子の一部分が前記LEDモジュール側に露出するように、前記LEDモジュールを覆う前記カバーの内部に配置され、
前記無線通信モジュールは、前記器具本体と前記カバーとの間に配置された照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の照明器具又は照明制御装置と無線通信を行う照明器具に関し、特にユーザ又は工事業者が無線通信用のアドレスを容易に設定することができる照明器具トに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明制御装置と複数の照明器具の信号の送受信は、照明制御装置と複数の照明器具を信号線で接続して行っていた。送受信する信号は、PWM(Pulse Width Modulation)信号などである。照明器具の点灯回路は、このPWM信号に基づいて光源に流れる電流を変えることで照明器具の点灯制御(調光制御)を行っていた。しかし、照明制御装置と複数の照明器具を接続する信号線の配線工事は非常に複雑である。
【0003】
一方、特許文献1には、ユーザからの指令を無線受信する着脱可能な無線通信モジュールを照明器具に設ける技術が示されている。この技術では、ユーザからの指令をリモコンにより入力し、リモコンと無線通信モジュールとの間で様々な無線通信方式が使用できるよう切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-235837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の照明システムを構築する場合、ソフトやPCの知識を有した人が照明制御装置と照明器具との無線通信用のアドレスを設定する必要があり、ユーザや工事業者が設定することが困難であった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的はユーザ又は工事業者が無線通信用のアドレスを容易に設定することができる照明器具を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明器具は、LEDモジュールと、前記LEDモジュールを点灯制御する点灯回路と、前記点灯回路に接続され、他の照明器具又は照明制御装置と無線通信を行うアンテナを有する無線通信モジュールと、前記LEDモジュールを覆い、透光性を有するカバーとを備え、前記無線通信モジュールは、光信号を受信する受光素子を有し、前記無線通信モジュールのアドレスは、前記受光素子が受信した前記光信号に基づいて設定され、前記無線通信モジュールは、前記LEDモジュールの開口部から前記受光素子の一部分が露出するように、前記LEDモジュールを覆う前記カバーの内部に配置され、前記受光素子は、直接触られないように前記カバーにより保護され、前記LEDモジュールは長尺状であり、前記受光素子に光を入力する受光部が前記LEDモジュールの幅方向の一方の側の端部寄りに配置されている
【発明の効果】
【0008】
本発明では、無線通信用のアドレスは、受光素子が受信した光信号に基づいて設定される。このため、ユーザ又は工事業者が無線通信用のアドレスを容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る無線通信モジュールを示す図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る無線通信モジュールを示す斜視図である。
図4図1の照明器具から光源ユニットを外した状態を示す斜視図である。
図5図4の器具本体と光源ユニットの4面図(a~d)と、器具本体に光源ユニットを取り付ける工程を示す側面図(e)と、図1の照明器具の正面図(f)である。
図6】本発明の実施の形態1に係る照明システムを示す図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る照明器具の器具本体と光源ユニットの4面図(a~d)である。
図8】本発明の実施の形態3に係る照明器具を示す斜視図である。
図9図8の照明器具から光源ユニットを外した状態を示す斜視図である。
図10図9の器具本体と光源ユニットの4面図(a~d)と、図8の照明器具の側面図(e)と、図8の照明器具の正面図(f)である。
図11】本発明の実施の形態4に係る照明器具の器具本体と光源ユニットの4面図(a~d)と、器具本体に光源ユニットを取り付ける工程を示す側面図(e)である。
図12】本発明の実施の形態5に係る無線通信モジュールを示す図である。
図13】本発明の実施の形態5に係る無線通信モジュールを示す斜視図である。
図14】本発明の実施の形態5に係る照明器具を示す斜視図である。
図15図12の照明器具の4面図(a~d)と光源ユニットからカバーを取り外した状態を示す図(e)である。
図16】本発明の実施の形態6に係る照明器具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る照明器具及び照明システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す斜視図である。照明器具1は、少なくとも1つのLEDを有するLEDモジュール2と、LEDモジュール2を点灯制御する点灯回路3と、点灯回路3に接続され、他の照明器具又は照明制御装置と無線通信を行う無線通信モジュール4とを備える。
【0012】
無線通信モジュール4は、図示しない照明制御装置から調光指令値を受信すると点灯回路3にこの調光指令値を送信する。点灯回路3は、この調光指令値に応じた調光を行うようLEDモジュール2を点灯制御する。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線通信モジュールを示す図である。点灯回路接続端子5は、図示しない商用電源と接続される点灯回路3と接続される。電源回路6は、点灯回路接続端子5を介して点灯回路3から供給される電源を無線通信制御回路7に供給する。アンテナ8は他の照明器具又は照明制御装置と信号を送受信する。無線通信制御回路7は、アンテナ8で受信した信号を点灯回路接続端子5を介して点灯回路3に送信する。なお、アンテナ8は、図2のように無線通信モジュール4内に配置してもよいし、外部に配置してもよい。
【0014】
DIPスイッチ9はユーザ又は工事業者の操作によって指令を受け付ける指令受付手段である。無線通信制御回路7は、このDIPスイッチ9がON(SHORT)の場合にはL信号を検出し、DIPスイッチ9がOFF(OPEN)の場合にはH信号を検出する。無線通信モジュール4は、ユーザ又は工事業者の操作によって受け付けられたDIPスイッチ9によるこの2種類の信号を無線通信制御回路7で検出してアドレスを設定する。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態1に係る無線通信モジュールを示す斜視図である。無線通信モジュール4のケース10内に図2の各構成が収納される。ケース10の材質は、電波を遮閉しないPC+ABS等の樹脂が好ましい。DIPスイッチ9はユーザ又は工事業者が操作し易いようにケース10から露出して配置される。照明器具1に無線通信モジュール4を取り付けた状態でユーザ又は工事業者はアドレス設定のためにDIPスイッチ9を操作する。
【0016】
図4は、図1の照明器具から光源ユニットを外した状態を示す斜視図である。図5は、図4の器具本体と光源ユニットの4面図(a~d)と、器具本体に光源ユニットを取り付ける工程を示す側面図(e)と、図1の照明器具の正面図(f)である。
【0017】
照明器具1は、天井に設置される器具本体11と、器具本体11に取り付けられる光源ユニット12とを備える。器具本体11には、コネクタ付きの電源端子台13と、2つの取付バネ14が取り付けられている。光源ユニット12は、取付板15と、この取付板15に取り付けられる電源16(点灯回路3)と、制御ユニット17(無線通信モジュール4)と、LEDモジュール2と、透光性を有するカバー18と、器具本体11の取付バネ14に引っ掛けられる受具19とを備える。制御ユニット17は、DIPスイッチ9を有しており、取付板15と対向する面側から操作可能な状態となっている。アンテナ8は制御ユニット17内に配置してもよいが、外部に配置してもよい。図5では制御ユニット17と電源16とを別々に構成して配線で接続する場合を例示したが、電源16内に制御ユニット17を配置して一体で構成してもよい。ただし、この場合もDIPスイッチ9は、アドレス設定しやすいように外部に露出させておく。
【0018】
次に、光源ユニット12を器具本体11へ固定する工程について説明する。まず、制御ユニット17のDIPスイッチ9を予め設定したいアドレスに対応するように操作を行う。取付バネ14が受具19に引っ掛けられると、光源ユニット12は器具本体11に仮取り付けされた状態となり、この状態で電源端子台13のコネクタと電源16のコネクタとを接続する。光源ユニット12を器具本体11に押し上げて、取付バネ14を受具19に本止めすることで光源ユニット12を器具本体11に固定する。
【0019】
次に、光源ユニット12を器具本体11へ取り付けた後に、アドレスを設定(変更)する場合について説明する。器具本体11に取り付けた光源ユニット12を引き下げ、光源ユニット12を仮取り付けの状態にし、器具本体11と光源ユニット12の間に空間ができるようにする。次に、この空間にユーザが手を入れ、DIPスイッチ9を操作しアドレスを設定(変更)する。このようにすることで、光源ユニット12を器具本体11から取り外すことなく、しかも電源端子台13のコネクタと電源16のコネクタを外すことなくアドレスを設定することができるので、アドレス設定の作業性が向上する。また、アドレスをDIPスイッチ9で設定するようにしているので、目視しなくても、DIPスイッチ9を触った感触で、DIPスイッチ9の位置を把握することができる。
【0020】
なお、設置場所によっては光源ユニット12を器具本体11から取り外してアドレス設定したい場合も、この取付バネ14と受具19の構成によれば容易に対応できる。また、取付バネ14と受具19を器具本体11、取付板15の長手方向両端に配置する場合を例示したが、取付け箇所、個数はこれに限らず適宜調整してもよい。例えば器具本体11、取付板15の略中央に一箇所配置して構成してもよい。
【0021】
図6は、本発明の実施の形態1に係る照明システムを示す図である。第1の照明システム20aは、照明制御装置21aと、照明制御装置21aと無線通信する複数の照明器具22aとを有する。第2の照明システム20bは、照明制御装置21bと、照明制御装置21bと無線通信する複数の照明器具22bとを有する。第1及び第2の照明システム20a,20bにおいて、ユーザがリモコン等により照明制御装置21a,21bに指令を送信すると、その指令に応じて照明制御装置21a,21bとそれぞれ関連付けられた複数の照明器具22a,22bが制御される。このように照明制御装置が複数台ある場合、照明器具22aは照明制御装置21aと無線通信するためのアドレス設定が必要であり、照明器具22bは照明制御装置21bと無線通信するためのアドレス設定が必要である。
【0022】
図6の照明システム構成を例としてアドレス設定の関連付けについて説明する。照明制御装置21aは、L信号のアドレスが設定された照明器具22aを制御するようリモコン等により設定される。照明器具22aは、図2に示す通りDIPスイッチ9によって定められたL信号を無線通信制御回路7が検出して、L信号のアドレスに設定される。以上より、照明器具22aと照明制御装置21aは、L信号のアドレスで関連付けられ、無線通信を行うことが可能となる。
【0023】
一方、照明制御装置21bは、H信号のアドレスを設定した照明器具22bを制御するようリモコン等により設定される。照明器具22bは、DIPスイッチ9によって定められたH信号を無線通信制御回路7が検出して、H信号のアドレスに設定される。以上より、照明器具22bと照明制御装置21bは、H信号のアドレスで関連付けられ、無線通信を行うことが可能となる。従って、図6に示すように同一空間に複数台の照明制御装置21a,21bが設置されていても、本実施の形態の構成であれば、制御する照明器具22a,22bを容易に区別することができる。例えば、照明制御装置21aと照明制御装置21bが接近して配置されている場合でも、関連付けられた照明器具22a,22bを確実に制御することができる。しかも、照明器具22aと照明器具22bが同じエリア内で混在していても確実に制御できる。また、照明制御装置21aと照明制御装置21bは関連付けられた照明器具22a,22bに対して同時に通信制御するようにしてもよいし、照明制御装置21a,21bに対して予め優先順位付けの設定をしておき、その優先順位に基づいて照明器具22a,22bを順次制御するようにしてもよい。例えば照明制御装置21aの方を照明制御装置21bよりも優先度を高く設定するようにしてもよいし、逆にしてもよい。
【0024】
以上説明したように、本実施の形態では、無線通信モジュール4のアドレスはDIPスイッチ9の操作に基づいて設定される。このため、ユーザ又は工事業者が無線通信用のアドレスを容易に設定することができる。また、DIPスイッチ9の極数を増やすことで、関連付けられる照明制御装置の台数やシステム構成を増やすことが可能であり、照明システム構成によって、アドレス設定の組み合わせを自由に決定することができる。例えば、8極のON/OFF操作が可能なスイッチを使用すると、256通りのアドレス設定が可能になる。
【0025】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る照明器具の器具本体と光源ユニットの4面図(a~d)である。実施の形態1の図5では制御ユニット17(無線通信モジュール4)が光源ユニット12側にある場合について説明したが、図7のように器具本体11側にあっても構わない。この場合、アドレスの設定を行う際に光源ユニット12を器具本体11から取り外すことが好ましいが、複数の器具本体11を天井に設置した状態でそれぞれの器具本体11のアドレス設定を行うことができる。従って、隣り合う器具本体11のアドレスを同じにしたり、異なるものにしたりする時に、作業者が目視でアドレスを確認することができ、設定作業を効率的に行うことができる。なお、実施の形態2も設置場所によっては実施の形態1のように光源ユニット12を器具本体11に仮取付けした状態で手を差し入れてアドレス設定してもよい。
【0026】
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係る照明器具を示す斜視図である。図9は、図8の照明器具から光源ユニットを外した状態を示す斜視図である。図10は、図9の器具本体と光源ユニットの4面図(a~d)と、図8の照明器具の側面図(e)と、図8の照明器具の正面図(f)である。本実施の形態では、実施の形態1と比べて制御ユニット17(無線通信モジュール4)の取り付け位置が変更されている。
【0027】
制御ユニット17は、取付板15から側面方向に突出する突出板にねじ止めや接着等により取り付けられ、カバー18の側面に並列に配置している。この制御ユニット17には、カバー18と対向する外郭側から操作可能な位置にDIPスイッチ9が取り付けられている。そのため、実施の形態1に係る照明器具1とは異なり、光源ユニット12を器具本体11に取り付けた状態でアドレス設定ができ、また、作業者が目視でDIPスイッチ9の状態(アドレス設定情報)を確認することができる。
【0028】
なお、実施の形態3では、制御ユニット17を全て外部に配置する場合を例示したが、DIPスイッチ9は外部に露出させた状態で一部を器具本体11内に埋め込むように配置してもよく、この場合、光源ユニット12の照明効率の点で好ましい。また、器具本体11の天井設置面に対して略垂直となるよう配置したが、照射方向に行くに従って外方に向くように配置してもよく、同様に照射効率の点で好ましい。この場合も、制御ユニット17の一部を器具本体11内に埋め込んでもよい。また、制御ユニット17を取付板15の周囲の長手方向片側の略中央に配置した例を示したが、設置場所の状況に応じて配置すればよく、長手方向端側に配置してもよいし、短手方向片側に配置してもよい。
【0029】
実施の形態4.
図11は、本発明の実施の形態4に係る照明器具の器具本体と光源ユニットの4面図(a~d)と、器具本体に光源ユニットを取り付ける工程を示す側面図(e)である。本実施の形態ではDIPスイッチ9が制御ユニット17(無線通信モジュール4)の天井面側に配置されている点が実施の形態3と異なる。これにより、アドレス設定を行う場合、実施の形態1と同様に、光源ユニット12を器具本体11から引き下げて仮取り付け状態にすることが好ましい。ただし、DIPスイッチ9がユーザに直接目視されないため、照明器具1の意匠性を向上させることができる。なお、実施の形態4も、設置場所によっては光源ユニット12を器具本体11から取り外して対応するようにしてもよい。また、制御ユニット17の配置方法も、DIPスイッチ9が天井面側に配置されていればよいので、実施の形態3のように設置場所の状況に応じて配置可能である。
【0030】
実施の形態5.
図12は、本発明の実施の形態5に係る無線通信モジュールを示す図である。実施の形態1~4のDIPスイッチ9の代わりに、外部から指令を受け付ける指令受付手段として、アドレス設定のための光信号を受信する受光素子23が設けられている。無線通信モジュール4のアドレスは受光素子23にて受信した光信号に基づいて設定される。ユーザ又は工事業者は、リモコン等で無線通信モジュール4の受光素子23に所定のアドレスを送信することで、各々の照明器具に対してアドレスを容易に設定することができる。具体的には、無線通信モジュール4のアドレスは、受光素子23にて受信した光信号により、無線通信制御回路7が保存している固有アドレスを抽出して設定される。
【0031】
図13は、本発明の実施の形態5に係る無線通信モジュールを示す斜視図である。無線通信モジュール4のケース10内に図12の各構成が収納される。ケース10の材質は、電波を遮閉しないPC+ABS等の樹脂が好ましい。受光素子23は、外部リモコン等からの光信号を受信し易いようケース10から露出するように配置される。
【0032】
図14は、本発明の実施の形態5に係る照明器具を示す斜視図である。無線通信モジュール4の受光素子23が照明器具1の外郭から露出している。リモコン24から受光素子23に光信号を送信することで、照明器具1のアドレスを設定することができる。なお、LEDモジュール2のカバー18から受光素子23を露出させる場合を例示したが、照明器具1であればどこに配置してもよく、例えば器具本体11側に配置して器具本体11から露出させるよう構成してもよい。
【0033】
図15は、図14の照明器具の4面図(a~d)と光源ユニットからカバーを取り外した状態を示す図(e)である。受光部25が取付板15に設けられている。この受光部25を介してリモコン24からの光が受光素子23に入力される。この受光部25は光を透過させる構造であればよく、例えば受光部25のカバー18部分はそのまま残しても構わない。また、受光部25のカバー18部分を取り除いて穴構造にし、その中に受光素子23を埋め込むようにしてもよい。また、受光部25内に光信号を増強するような光透過部材を充填する構成にしてもよい。
【0034】
図6の照明システム構成を例としてアドレス設定の関連付けについて説明する。照明制御装置21aは、リモコン24からの光信号に基づいて、照明制御装置21a自体のアドレスと、照明制御装置21aと複数の照明器具22aから構成される第1の照明システム20aのアドレスを設定する。照明器具22aには、リモコン24からの光信号に基づいて、制御される照明制御装置21aのアドレスとシステムのアドレスを設定する。以上より、照明器具22aと照明制御装置21aはアドレスで関連付けられ、無線通信を行うことが可能となる。
【0035】
照明制御装置21bは、リモコン24からの光信号に基づいて、照明制御装置21b自体のアドレスと、照明制御装置21bと複数の照明器具22bから構成される第2の照明システム20bのアドレスを設定する。照明器具22bには、リモコン24からの光信号に基づいて、制御される照明制御装置21bのアドレスとシステムのアドレスを設定する。以上より、照明器具22bと照明制御装置21bはアドレスで関連付けられ、無線通信を行うことが可能となる。
【0036】
従って、図6に示すように同一空間に複数台の照明制御装置が設置されていても、本実施の形態の構成であれば、制御する照明器具を容易に区別することができる。また、照明器具22aの1台を個別に制御する場合は、対象の照明器具22aからリモコン24で直接抽出した固有のアドレスを照明制御装置21aにインプットすることで、照明制御装置21aと照明器具22aの1台が関連付けられ、インプットされた照明器具22aのみ制御することが可能になる。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態では、無線通信モジュール4のアドレスは受光素子23が受信した光信号に基づいて設定される。このため、ユーザ又は工事業者が無線通信用のアドレスを容易に設定することができる。また、照明システムを設定した後に照明制御装置と照明器具の組み合わせを変更したい場合、リモコン等で容易に組み合わせを変更することができる。
【0038】
実施の形態6.
図16は、本発明の実施の形態6に係る照明器具を示す斜視図である。実施の形態5の図14と比較すると、無線通信モジュール4の配置のみ異なり、その他の構成及び動作は同一である。無線通信モジュール4は、LEDモジュール2の開口部から受光素子23の一部分が露出するように、LEDモジュール2を覆うカバー18の内部に配置されている。リモコン24からの光信号は、カバー18を透過して、無線通信モジュール4の受光素子23に送信される。無線通信モジュール4をカバー18の内部に配置することにより、受光素子23や無線通信モジュール4の電子部品等に直接触れる可能性がなく、安全性に優れている。また、外観が他の照明器具と変わることなく、照明器具の統一性が図れる。
【符号の説明】
【0039】
1 照明器具、2 LEDモジュール(光源)、3 点灯回路、4 無線通信モジュール、7 無線通信制御回路、8 アンテナ、9 DIPスイッチ(指令受付手段)、11 器具本体、12 光源ユニット、18 カバー、21a,21b 照明制御装置、23 受光素子(指令受付手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16