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特許7404269原因推定装置、原因推定出力方法及び紙葉類取扱システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】原因推定装置、原因推定出力方法及び紙葉類取扱システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/18 20120101AFI20231218BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20231218BHJP
【FI】
G06Q20/18
G06Q10/20
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020557441
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(86)【国際出願番号】 JP2018043640
(87)【国際公開番号】W WO2020110208
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2020-11-09
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敦
(72)【発明者】
【氏名】玉橋 知之
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 宏
(72)【発明者】
【氏名】丸山 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】小川 友章
(72)【発明者】
【氏名】南新 勇人
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】梶尾 誠哉
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6408063(JP,B1)
【文献】特開平5-266299(JP,A)
【文献】特開平10-275276(JP,A)
【文献】特開2017-216757(JP,A)
【文献】特開平10-143343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を投入する投入ユニットと、前記紙葉類を収納する収納ユニットと、前記投入ユニットと前記収納ユニットとの間で前記紙葉類を搬送する搬送ユニットとを有する紙葉類取扱装置内のユニット毎に備えられ、当該ユニット内の状態を検出する複数のセンサによる検出結果を収集する収集部と、
前記収集部にて収集された前記ユニット毎の各センサの前記検出結果を順次記憶する記憶部と、
前記記憶部内の前記センサの前記検出結果に対応するエラーの発生率、斜行率、および二重繰出し率の少なくとも1つに基づき、前記ユニット毎のエラー兆候を検出する検出部と、
前記記憶部内の前記センサの前記検出結果である前記状態に基づき前記紙葉類取扱装置のエラー種別を判別するための教師データを生成し、前記教師データを用いて、前記ユニット毎の前記エラー兆候に関わる前記エラー種別に応じた原因を推定するための学習モデルを生成する学習部と、
前記検出部にて前記ユニット毎の前記エラー兆候を検出した場合に、前記エラー兆候が検出されたときの前記センサの前記検出結果を前記学習モデルに入力し、前記ユニット毎の前記エラー兆候に対応した前記原因の確度を推定して出力する推定部と
を有することを特徴とする原因推定装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記検出部にて前記センサの検出結果に対応するエラー発生率に基づき、前記エラー兆候として、前記紙葉類取扱装置内の搬送路上を搬送する前記紙葉類のジャムを検出した場合に、前記紙葉類取扱装置内の前記ジャムの原因を推定して出力することを特徴とする請求項1に記載の原因推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記検出部にて前記センサの検出結果に対応するエラー発生率に基づき、前記エラー兆候として、前記紙葉類取扱装置内の搬送路上を搬送する前記紙葉類の斜行を検出した場合に、前記紙葉類取扱装置内の前記斜行の原因を推定して出力することを特徴とする請求項1に記載の原因推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記検出部にて前記センサの検出結果に対応するエラー発生率に基づき、前記エラー兆候として、前記紙葉類取扱装置内の搬送路に繰り出す前記紙葉類の二重繰出しを検出した場合に、前記紙葉類取扱装置内の前記二重繰出しの原因を推定して出力することを特徴とする請求項1に記載の原因推定装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記検出部にて前記センサの検出結果に対応するエラー発生率に基づき、前記エラー兆候として、前記紙葉類取扱装置内の収容ユニット内の収納部に前記紙葉類を収納する際の収納エラーを検出した場合に、前記紙葉類取扱装置内の前記収納エラーの原因を推定して出力することを特徴とする請求項1に記載の原因推定装置。
【請求項6】
前記推定部は、
前記検出部にて前記センサの検出結果に対応するエラー発生率に基づき、前記エラー兆候として、前記紙葉類取扱装置内の収容ユニット内の収納部に収納中の紙葉類の枚数が所定枚数以下になった場合に、前記紙葉類取扱装置内の収納エラーの原因を推定して出力することを特徴とする請求項1に記載の原因推定装置。
【請求項7】
前記推定部は、
前記エラー兆候が検出されたときのセンサの検出結果を前記学習モデルに入力し、前記エラー兆候に対応する前記ユニット毎の前記原因と、前記エラー兆候を復旧するための復旧手順とを推定して出力することを特徴とする請求項1に記載の原因推定装置。
【請求項8】
前記推定部は、
前記エラー兆候を復旧するための交換部品を特定する情報を含む前記復旧手順を推定して出力することを特徴とする請求項7に記載の原因推定装置。
【請求項9】
前記紙葉類取扱装置は、
前記紙葉類取扱装置内の前記ユニット毎の交換期限を管理する有効期限情報を有し、
前記推定部は、
前記有効期限情報を参照し、前記交換期限が超過した前記ユニットを交換部品として特定する情報を含む前記復旧手順を推定して出力することを特徴とする請求項7に記載の原因推定装置。
【請求項10】
前記推定部は、
前記検出部にて前記センサの検出結果に対応するエラー発生率が所定閾値を超えた場合に前記エラー兆候として検出することを特徴とする請求項1に記載の原因推定装置。
【請求項11】
情報処理装置が、
紙葉類を投入する投入ユニットと、前記紙葉類を収納する収納ユニットと、前記投入ユニットと前記収納ユニットとの間で前記紙葉類を搬送する搬送ユニットとを有する紙葉類取扱装置内のユニット毎に備えられ、当該ユニット内の状態を検出する複数のセンサによる検出結果を収集し、
収集された前記ユニット毎の各センサの前記検出結果を記憶部に順次記憶し、
前記記憶部内の前記センサの前記検出結果に対応するエラーの発生率、斜行率、および二重繰出し率の少なくとも1つに基づき、前記ユニット毎のエラー兆候を検出し、
前記記憶部内の前記センサの前記検出結果である前記状態に基づき前記紙葉類取扱装置のエラー種別を判別するための教師データを生成し、前記教師データを用いて、前記ユニット毎の前記エラー兆候に関わる前記エラー種別に対応した原因を推定するための学習モデルを生成し、
前記ユニット毎の前記エラー兆候を検出した場合に、前記エラー兆候が検出されたときの前記センサの前記検出結果を前記学習モデルに入力し、前記ユニット毎の前記エラー兆候に対応した前記原因の確度を推定して出力する
処理を実行することを特徴とする原因推定出力方法。
【請求項12】
紙葉類を投入する投入ユニットと、前記紙葉類を収納する収納ユニットと、前記投入ユニットと前記収納ユニットとの間で前記紙葉類を搬送する搬送ユニットとを有する紙葉類取扱装置と、前記紙葉類取扱装置のエラー兆候に関わる原因を推定して出力する原因推定装置と、前記紙葉類取扱装置を管理する管理装置とを有する紙葉類取扱システムであって、
前記原因推定装置は、
前記紙葉類取扱装置内のユニット毎に備えられ、当該ユニット内の状態を検出する各センサの検出結果を所定周期毎に前記ユニット毎の各センサの検出結果を収集する収集部と、
前記収集部にて収集された前記ユニット毎の各センサの前記検出結果を順次記憶する記憶部と、
前記記憶部内の前記センサの前記検出結果に対応するエラーの発生率、斜行率、および二重繰出し率の少なくとも1つに基づき、前記ユニット毎のエラー兆候を検出する検出部と、
前記記憶部内の前記センサの前記検出結果である前記状態に基づき前記紙葉類取扱装置のエラー種別を判別するための教師データを生成し、前記教師データを用いて、前記ユニット毎の前記エラー兆候に関わる前記エラー種別に応じた原因を推定するための学習モデルを生成する学習部と、
前記検出部にて前記ユニット毎の前記エラー兆候を検出した場合に、前記エラー兆候が検出されたときの前記センサの前記検出結果を前記学習モデルに入力し、前記ユニット毎の前記エラー兆候に対応した前記原因の確度を推定して前記管理装置に出力する推定部と
を有し、
前記管理装置は、
前記原因毎の当該エラー兆候を復旧する際の復旧手順を管理するテーブルを有し、
前記原因推定装置から前記エラー兆候に関わる前記原因を受信した場合に、前記テーブルを参照し、当該原因に対応する前記復旧手順を特定の端末装置に通知することを特徴とする紙葉類取扱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原因推定装置、原因推定出力方法及び紙葉類取扱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類取扱装置では、例えば、紙幣等の紙葉類を入出力する入出力部と、紙葉類を格納する格納庫とを有している。紙葉類取扱装置は、紙葉類を入出力部に挿入し、挿入された紙葉類を搬送路経由で格納庫に格納する。また、紙葉類取扱装置は、格納庫に格納された紙葉類を繰り出し、繰り出された紙葉類を搬送路経由で入出力部から出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-323198号公報
【文献】特開2016-152011号公報
【文献】特開2010-86219号公報
【文献】特開2006-92141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紙葉類取扱装置では、例えば、搬送路上で紙幣ジャム等のエラーが生じた場合、例えば、利用者が紙葉類取扱装置を保守する保守会社に連絡し、保守会社が派遣した作業員が紙葉類取扱装置の場所に赴き、復旧作業を行っている。しかしながら、作業者がエラーの原因を突き止めるには作業者の熟練度に大きく依存するため、復旧作業に時間を要する。その結果、復旧作業の時間が長くなると、紙葉類取扱装置のサービスの低下につながる。
【0005】
一つの側面では、紙葉類取扱装置のサービス低下を防止する原因推定装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、原因推定装置として、収集部と、学習部と、推定部とを有する。収集部は、紙葉類を取り扱う紙葉類取扱装置内のユニット毎の状態データを収集する。学習部は、前記状態データに基づき、前記紙葉類取扱装置のエラー又はエラー兆候に対する前記ユニット毎の前記エラー又は前記エラー兆候に関わる原因を推定するための学習モデルを生成する。推定部は、前記状態データから前記エラー又は前記エラー兆候を検出した場合に、前記学習モデルに基づき、前記ユニット毎の前記原因を推定して出力する。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面として、紙葉類取扱装置のサービス低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施例のATM保守システムの一例を示す説明図である。
図2図2は、原因推定装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図3図3は、原因推定装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、ATMの一例を示す説明図である。
図5図5は、ATMのユニット構成の一例を示す説明図である。
図6図6は、紙幣入金時のATMの動作の一例を示す説明図である。
図7図7は、入金紙幣の返却時のATMの動作の一例を示す説明図である。
図8図8は、入金紙幣の収納時のATMの動作の一例を示す説明図である。
図9図9は、紙幣出金時のATMの動作の一例を示す説明図である。
図10図10は、紙幣出金時のATMの動作の一例を示す説明図である。
図11図11は、エラー兆候復旧処理に関わる原因推定装置及び管理装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
図12図12は、斜行回避処理に関わる原因推定装置及び管理装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
図13図13は、二重繰出し回避処理に関わる原因推定装置及び管理装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
図14図14は、ジャム復旧処理に関わる原因推定装置及び管理装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
図15図15は、ピックミス確認処理に関わる原因推定装置及び管理装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本願の開示する原因推定装置等の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例1】
【0010】
図1は、本実施例のATM(Automatic Teller Machine)保守システム1の一例を示す説明図である。図1に示すATM保守システム1は、複数のATM2と、原因推定装置3と、管理装置4と、保守会社端末5と、作業者端末6とを有する。ATM2は、例えば、紙幣を入出金する紙葉類取扱装置である。原因推定装置3は、ATM2のエラー又はエラー兆候に対応する原因を推定して出力する情報処理装置である。管理装置4は、エラー又はエラー兆候に対応する原因毎にエラー又はエラー兆候を復旧するための復旧手順を管理すると共に、エラー又はエラー兆候に対応する保守会社端末5や作業者端末6等の通報先を管理する装置である。保守会社は、ATM2の保守を管理する会社である。保守会社端末5は、保守会社の端末装置である。作業者端末6は、ATM2の配置箇所に赴き、ATM2の復旧作業を行う作業者が所有する特定の端末装置である。
【0011】
原因推定装置3は、図示せぬ通信網を通じて各ATM2と接続すると共に、通信網を通じて管理装置4と接続する。ATM2は、有線回線または無線回線を通じて通信網に接続する。尚、無線回線による通信はLAN(Local Area Network)やLPWA(Low Power Wide Area)等である。管理装置4は、通信網を通じて保守会社端末5と接続する。更に、保守会社端末5は、通信網を通じて作業者端末6と無線接続するものとする。
【0012】
ATM2は、所定周期毎にATM2内の状態データ、例えば、ATM2内の各種センサ等の検出結果を無線LAN経由で原因推定装置3に通知する。尚、状態データには、ATM2を識別する状態ID及び状態データを含むものとする。原因推定装置3は、各ATM2の状態データを収集し、収集したATM2毎の状態データを状態データDB3Aに記憶する。原因推定装置3は、状態データDB3Aに記憶したATM2毎の状態データに基づき、例えば、AI(Artificial Intelligence)を利用してATM2のエラー有無やエラー種別を判別するための教師データを生成する。原因推定装置3は、生成した教師データを教師データDB3Bに記憶する。更に、原因推定装置3は、教師データDB3Bに記憶中の教師データからATM2のエラー又はエラー兆候に関わる原因を推定するための学習モデルを生成し、生成した学習モデルを学習モデルDB3Cに記憶する。
【0013】
原因推定装置3は、ATM2からの状態データに基づき、ATM2のエラー又はエラー兆候を検出した場合、エラー又はエラー兆候の通報を管理装置4に通知する。通報には、エラー又はエラー兆候が検出されたATM2を識別する装置IDを含むものとする。管理装置4は、原因推定装置3からのATM2のエラー又はエラー兆候の通報を検出した場合、通報先の保守会社端末5にエラー又はエラー兆候の通報を通知する。保守会社端末5の担当者は、通報内の装置IDに基づき、エラー又はエラー兆候が検出されたATM2を認識できる。保守会社端末5は、管理装置4からのATM2のエラー又はエラー兆候の通報を検出した場合、ATM2のエラー又はエラー兆候の通報を作業者端末6に通知する。作業者端末6の作業者は、通報内の装置IDに基づき、エラー又はエラー兆候が検出されたATM2を認識できる。
【0014】
更に、原因推定装置3は、学習モデルDB3C内の学習モデルに基づき、ATM2のエラー又はエラー兆候の原因を推定し、推定結果の原因を管理装置4に通知する。尚、原因には、エラー有無の確度やエラー種別の確度を含む。管理装置4は、管理DB4Aと接続する。管理DB4Aは、復旧手順テーブル4Bと、通報先テーブル4Cとを管理している。復旧手順テーブル4Bは、エラー又はエラー兆候に関わる原因毎に、当該エラー又はエラー兆候を解消するための復旧手順を記憶するテーブルである。復旧手順には、例えば、エラー又はエラー兆候を解消するための手順や交換部品を識別する部品ID等の情報を含む。通報先テーブル4Cは、エラー又はエラー兆候に関わる原因毎に保守会社端末5及び作業者端末6等の連絡先を記憶するテーブルである。管理装置4は、ATM2のエラー又はエラー兆候に対応する原因を受信した場合、原因に対応する復旧手順を保守会社端末5及び作業者端末6に通知する。
【0015】
図2は、原因推定装置3のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図2に示す原因推定装置3は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、ROM(Read Only Memory)15と、RAM(Random Access Memory)16と、CPU(Central Processing Unit)17とを有する。通信部11は、通信網との間の通信を司るインタフェースである。入力部12は、原因推定装置3の入力インタフェースである。出力部13は、原因推定装置3の出力インタフェースである。HDD14は、各種情報を記憶する。ROM15は、各種プログラム等を記憶する。RAM16は、各種情報を記憶する。CPU17は、原因推定装置3全体を制御する。CPU17は、ROM15に格納された各種プログラムをRAM16上に展開して機能を実行する。
【0016】
図3は、原因推定装置3の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示す原因推定装置3は、制御部21と、記憶部22とを有する。制御部21は、収集部21Aと、学習部21Bと、推定部21Cとを有する。収集部21Aは、各ATM2の状態データを通信網から収集し、収集したATM2毎の状態データを状態データDB3Aに記憶する。学習部21Bは、ATM2毎の状態データに基づき教師データを生成し、生成した教師データに基づき学習モデルを生成する教師有学習を実行する。学習部21Bは、教師データDB3Bに記憶中の教師データに基づいて、ATM2のエラー又はエラー兆候に対する原因を推定するための学習モデルを生成する。更に、学習部21Bは、生成した学習モデルを学習モデルDB3Cに記憶する。推定部21Cは、収集部21Aにて収集された状態データからATM2のエラー又はエラー兆候を検出した場合、学習モデルDB3Cに記憶中の学習モデルに基づき、当該エラー又はエラー兆候に関わる原因を推定し、推定結果である原因を管理装置4に出力する。記憶部22は、有効期限メモリ22Aを有する。有効期限メモリ22Aは、ATM2を識別する装置IDと、ATM2内のユニットを識別する部品IDと、ユニットの有効期限との有効期限情報を管理している。尚、ユニットは、ATM2を構成する図5に示す複数の各種ユニットである。推定部21Cは、収集部21Aにて収集された状態データからATM2のエラー又はエラー兆候を検出した場合、有効期限メモリ22A内のATM2の各ユニットの有効期限を参照し、有効期限を超過したユニットを特定する。そして、推定部21Cは、特定したユニットを識別する部品IDを原因と一緒に管理装置4に通知する。
【0017】
図4は、ATM2の一例を示す説明図である。図4に示すATM2は、通信部31と、投入ユニット32と、分離ユニット33と、第1の搬送ユニット34と、鑑別ユニット35と、保留ユニット36とを有する。ATM2は、リジェクトユニット37と、収納ユニット38と、第2の搬送ユニット39と、第3の搬送ユニット40と、サブCPU41と、メモリ42と、メインCPU43とを有する。尚、サブCPU41及びメインCPU43は別体として説明したが、一体でも良く、適宜変更可能である。通信部31は、通信回線と接続すると共に、無線LANと無線接続するインタフェースである。
【0018】
図5は、ATM2内のユニット構成の一例を示す説明図である。図5に示す投入ユニット32は、紙幣をATM2内に投入すると共に、ATM2内に格納された紙幣を返却するためのユニットである。分離ユニット33は、投入ユニット32から投入された紙幣束を紙幣に分離するためのユニットである。第1の搬送ユニット34は、分離ユニット33で分離された紙幣を鑑別ユニット35に搬送するためのユニットである。鑑別ユニット35は、第1の搬送ユニット34からの紙幣を鑑別するためのユニットである。保留ユニット36は、紙幣を一時的に保留するためのユニットである。リジェクトユニット37は、リジェクト紙幣を格納するためのユニットである。第2の搬送ユニット39は、鑑別ユニット35、保留ユニット36、リジェクトユニット37及び第3の搬送ユニット40間で紙幣を搬送するためのユニットである。収納ユニット38は、紙幣を格納するためのユニットである。第3の搬送ユニット40は、第2の搬送ユニット39と収納ユニット38との間の紙幣を搬送するためのユニットである。
【0019】
サブCPU41は、投入ユニット32、分離ユニット33、第1の搬送ユニット34、鑑別ユニット35、第2の搬送ユニット39、保留ユニット36、リジェクトユニット37、第3の搬送ユニット40及び収納ユニット38を制御する。メモリ42は、各種情報を記憶する。メインCPU43は、ATM2全体を制御する。
【0020】
投入ユニット32は、紙幣を入出金する入出金口32Aと、入出金口32Aで紙幣束が搬送する束搬送路32Bとを有する。分離ユニット33は、紙幣を一時的に格納する分離側保留部33Aと、分離側保留部33Aに格納中の紙幣束を一枚づつ繰り出す繰出し部33Bと、分離ユニット33内の搬送路上の紙幣の通過を検出するための3個のセンサ33C、33D及び33Eとを有する。鑑別ユニット35は、搬送路上の紙幣を鑑別する鑑別部35Aを有する。鑑別部35Aは、搬送路上の紙幣の正券又はリジェクト券等を鑑別する。保留ユニット36は、搬送紙幣を一時保留するための2個の一時保留部36A、36Dとを有する。一時保留部36Aは、搬送紙幣の内、異常券を一時保留する異常券保留部である。一時保留部36Dは、搬送紙幣の内、正券を一時保留する正券保留部である。保留ユニット36は、一時保留部36Aに異常券を格納する際に異常券の通過を検出するためのセンサ36Cと、一時保留部36Dに正券を格納する際に正券の通過を検出するためのセンサ36Bとを有する。リジェクトユニット37は、リジェクト紙幣を格納する3個のリジェクト部37Aを有する。第2の搬送ユニット39は、リジェクト部37Aに搬送紙幣を格納する際に搬送紙幣の通過を検出するための3個のセンサ39A,39B及び39Cと、鑑別部35Aからの搬送紙幣の通過を検出するための1個のセンサ39Dとを有する。収納ユニット38は、第3の搬送ユニット40から搬送された紙幣を収納する4個の収納カセット38Aを有する。収納カセット38Aは、収納中の紙幣を第3の搬送ユニット40に繰り出す繰出し部38Bを有する。第3の搬送ユニット40は、収納ユニット38内の収納カセット38Aに搬送紙幣を格納する際に搬送紙幣の通過を検出するための3個のセンサ40A、40B及び40Cを有する。
【0021】
尚、投入ユニット32、分離ユニット33、第1の搬送ユニット34、鑑別ユニット35、第2の搬送ユニット39、保留ユニット36、リジェクトユニット37、第3の搬送ユニット40及び収納ユニット38内には、紙幣を搬送する搬送路上に搬送ローラや繰り出しゴム等が複数配置されているものとする。サブCPU41は、各ユニット内の搬送路上のセンサを含む各種センサのセンサ結果を収集する。サブCPU41は、収集したセンサ結果等の状態データを通信部31を通じて無線LAN経由で原因推定装置3に所定周期毎に送信する。
【0022】
図6は、紙幣入金時のATM2の動作の一例を示す説明図である。ATM2の利用者は、ATM2内の投入ユニット32内の入出金口32Aから紙幣を投入する。投入ユニット32は、入出金口32Aから投入された入金紙幣を分離ユニット33内の分離側保留部33Aに一時的に蓄積する。分離ユニット33内の繰出し部33Bは、分離側保留部33Aに蓄積された入金紙幣束から1枚づつ入金紙幣を順次繰出し、繰り出し後の入金紙幣を第1の搬送ユニット34経由で鑑別ユニット35に順次搬送する。尚、ATM2は、分離側保留部33Aに蓄積中の入金紙幣が1枚づつ繰出される都度、センサ等を使用して紙幣枚数をカウントする。鑑別ユニット35内の鑑別部35Aは、搬送された入金紙幣を鑑別し、第2の搬送ユニット39に順次搬送する。第2の搬送ユニット39は、鑑別後の正券の入金紙幣を保留ユニット36内の一時保留部36Dに順次搬送する。また、鑑別後の異常紙幣を保留ユニット36内の一時保留部36Aに順次搬送する。一時保留部36Dは、第2の搬送ユニット39からの正券の入金紙幣を順次蓄積する。また、一時保留部36Aは第2の搬送ユニット39からの異常券の入金紙幣を順次蓄積する。第2の搬送ユニット39は、正券及び異常券のどちらも搬送する。
【0023】
図7は、入金紙幣の返却時のATM2の動作の一例を示す説明図である。保留ユニット36内の一時保留部36Dは、蓄積された正券の入金紙幣束を分離ユニット33内の分離側保留部33Aに搬送する。分離ユニット33は、分離側保留部33Aに蓄積された正券の入金紙幣束を投入ユニット32内の入出金口32Aから返却する。一時保留部36Aは、蓄積された異常券の入金紙幣束を入出金口32Aから返却する(紙幣を受け付けない)。
【0024】
図8は、入金紙幣の収納時のATM2の動作の一例を示す説明図である。保留ユニット36内の一時保留部36Dは、蓄積された正券の入金紙幣束を分離ユニット33内の分離側保留部33Aに搬送する。分離ユニット33内の繰出し部33Bは、分離側保留部33A内に蓄積された正券の入金紙幣束を1枚づつ順次繰出し、繰り出された入金紙幣を第1の搬送ユニット34経由で鑑別ユニット35内の鑑別部35Aに順次搬送する。鑑別部35Aは、入金紙幣を鑑別し、第2の搬送ユニット39に順次搬送する。第2の搬送ユニット39は、鑑別後の正券の入金紙幣を第3の搬送ユニット40に順次搬送する。第3の搬送ユニット40は、正券の入金紙幣を収納ユニット38内の各収納カセット38Aに順次搬送する。収納ユニット38内の各収納カセット38Aは、正券の入金紙幣を順次蓄積する。
【0025】
図9は、紙幣出金時のATM2の動作の一例を示す説明図である。収納ユニット38内の繰出し部38Bは、収納カセット38Aに収納された出金紙幣束から1枚づつ出金紙幣を順次繰り出し、繰り出された出金紙幣を第3の搬送ユニット40に順次搬送する。第3の搬送ユニット40は、搬送された出金紙幣を第1の搬送ユニット34経由で鑑別ユニット35に順次搬送する。鑑別ユニット35内の鑑別部35Aは、搬送された出金紙幣を鑑別する。鑑別部35Aは、鑑別後の出金紙幣を第2の搬送ユニット39に順次搬送する。第2の搬送ユニット39は、正券の出金紙幣を保留ユニット36内の一時保留部36Dに順次蓄積して出金紙幣束を蓄積する。第2の搬送ユニット39は、出金紙幣が異常券の場合、異常券の出金紙幣をリジェクト部37Aに蓄積する。
【0026】
図10は、紙幣出金時のATM2の動作の一例を示す説明図である。保留ユニット36内の一時保留部36Dは、蓄積された出金紙幣束を分離ユニット33内の分離側保留部33Aに搬送する。分離ユニット33は、分離側保留部33Aに搬送された出金紙幣束を投入ユニット32内の入出金口32Aから返却する。
【0027】
図1に示す原因推定装置3内の収集部21Aは、無線LAN経由で各ATM2から状態データを収集し、収集した各ATM2の状態データを状態データDB3Aに記憶する。状態データは、ATM2内のユニット内の各種センサのセンサ結果等の情報である。原因推定装置3内の学習部21Bは、状態データDB3Aに記憶中の状態データに基づき、教師データを生成し、生成した教師データを教師データDB3Bに記憶する。学習部21Bは、教師データDB3Bに記憶中の教師データに基づき、ATM2のエラー又はエラー兆候に関わる原因を推定するための学習モデルを生成する。学習部21Bは、生成した学習モデルを学習モデルDB3Cに順次記憶する。原因推定装置3内の推定部21Cは、各ATM2の状態データからエラー又はエラー兆候を検出した場合、ATM2内の各ユニット内のセンサ結果からエラー又はエラー兆候の発生箇所を特定する。更に、推定部21Cは、学習モデルに基づき、エラー又はエラー兆候に関わる原因を推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する。管理装置4は、原因を受信した場合、復旧手順テーブル4Bを参照し、原因に対応する復旧手順を取得し、復旧手順を保守会社端末5及び作業者端末6に通知する。
【0028】
保守会社端末5及び作業者端末6は、管理装置4から復旧手順を受信した場合、図示せぬ表示部に復旧手順を表示する。保守会社端末5の担当者は、復旧手順を視認しながら、復旧手順内に交換部品等の部品IDがある場合、その交換部品を準備できる。
【0029】
また、作業者端末6の作業者は、復旧手順を視認しながら、復旧手順内に交換部品等の部品IDがある場合、その交換部品を保守会社から受け取り、エラー対象のATM2の設置個所で復旧手順を見ながら復旧作業を行うことになる。
【0030】
原因推定装置3は、エラー又はエラー兆候に対する原因が複数ある場合、複数の原因を管理装置4に通知する。管理装置4は、複数の原因に対応する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。作業者端末6及び保守会社端末5は、複数の原因に対応する複数の復旧手順を受信した場合、複数の復旧手順を可能性の高い順に表示することになる。
【0031】
また、原因推定装置3は、作業者によるATM2のエラー又はエラー兆候の復旧後、収集部21Aを通じて復旧後のATM2の状態データを自動的に収集することになるため、復旧後のATM2のメンテナンスを実行できる。
【0032】
図11は、エラー兆候復旧処理に関わる原因推定装置3及び管理装置4の処理動作の一例を示すフロー図である。エラー兆候復旧処理は、例えば、ユニットの交換期限、エラー発生率、斜行率、二重繰出し率等でATM2のエラー兆候の原因を推定し、推定結果となる原因の復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する処理である。原因推定装置3内の制御部21は、有効期限メモリ22Aを参照し、各ATM2内のユニット32~40内に交換期限を超過したユニットがあるか否かを判定する(ステップS21)。制御部21は、交換期限を超過したユニットがある場合(ステップS21:Yes)、交換期限超過のユニットを特定する(ステップS22)。制御部21は、交換期限超過のユニットを特定する情報を管理装置4に通知する(ステップS23)。尚、情報には、交換対象のATM2を識別する装置ID及び、交換対象のユニットを識別する部品IDを含む。管理装置4は、交換期限超過のユニットを特定する情報を受信した場合、交換期限超過のユニットの交換に関する復旧手順を保守会社端末5及び作業者端末6に通知する(ステップS23A)。その結果、保守会社端末5の担当者は、復旧手順を見て、装置ID及び交換部品IDを交換対象のATM2の交換ユニットを準備する。更に、作業者端末6の作業者は、復旧手順内の部品IDを見て保守会社から交換部品を受け取り、復旧手順内の装置IDを見て、交換対象のATM2に赴き、交換作業を行うことができる。
【0033】
制御部21は、交換期限を超過したユニットがない場合(ステップS21:No)、エラー発生率が第1の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS24)。尚、第1の閾値は、例えば、10%である。制御部21は、エラー発生率が第1の閾値を超えた場合(ステップS24:Yes)、エラー回避処理を実行し(ステップS25)、図11に示す処理動作を終了する。エラー回避処理は、ATM2のエラー兆候毎に原因を推定し、エラー兆候の原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する処理である。
【0034】
制御部21は、エラー発生率が第1の閾値を超えたのでない場合(ステップS24:No)、斜行率が第2の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS26)。尚、斜行率は、取引単位、例えば、1000枚以上の繰出し枚数に対して紙幣斜行が発生した枚数の割合である。第2の閾値は、例えば、10%である。制御部21は、斜行率が第2の閾値を超えた場合(ステップS26:Yes)、図12に示す斜行回避処理を実行し(ステップS27)、図11に示す処理動作を終了する。斜行回避処理は、ATM2内の斜行率上昇の原因を推定し、斜行率上昇の原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する処理である。
【0035】
制御部21は、斜行率が第2の閾値を超えたのでない場合(ステップS26:No)、二重繰出し率が第3の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS28)。尚、二重繰出し率は、取引単位、例えば、1000枚以上の繰出し枚数に対して、紙幣が重なって繰出される二重繰出しが発生した枚数の割合である。第3の閾値は、例えば、10%である。制御部21は、二重繰出し率が第3の閾値を超えた場合(ステップS28:Yes)、図13に示す二重繰出し回避処理を実行し(ステップS29)、図11に示す処理動作を終了する。二重繰出し回避処理は、ATM2内の二重繰出し率上昇の原因を推定し、二重繰出し率上昇の原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する処理である。
【0036】
制御部21は、二重繰出し率が第3の閾値を超えたのでない場合(ステップS28:No)、図11に示す処理動作を終了する。
【0037】
図11に示す原因推定装置3は、交換期限超過のユニットを特定した場合、交換期限超過のユニットの交換を管理装置4に通知する。管理装置4は、交換期限超過のユニットの交換に関する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、保守会社端末5の担当者は、復旧手順を見て交換超過期限のユニットを準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、復旧手順を見て、交換超過期限のユニットを保守会社から受け取り、交換対象のATM2の配置箇所に赴いて交換作業を行うことができる。
【0038】
原因推定装置3は、エラー発生率が第1の閾値を超えた場合、エラー発生率が第1の閾値を超えた原因を推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する。管理装置4は、エラー発生率が第1の閾値を超えた原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、保守会社端末5の担当者は、復旧手順を見て交換部品を準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、エラー発生率上昇によるエラー兆候が表れた場合、復旧手順を見て、交換部品を保守会社から受け取り、交換対象のATM2の配置箇所に赴いてエラーを事前に回避できる。
【0039】
原因推定装置3は、斜行率が第2の閾値を超えた場合、斜行率が第2の閾値を超えた原因を推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する。管理装置4は、斜行率が第2の閾値を超えた原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、保守会社端末5の担当者は、復旧手順を見て交換部品を準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、斜行率上昇によるエラー兆候が表れた場合、復旧手順を見て、交換部品を保守会社から受け取り、交換対象のATM2の配置箇所に赴いて斜行率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0040】
原因推定装置3は、二重繰出し率が第3の閾値を超えた場合、二重繰出し率が第3の閾値を超えた原因を推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する。管理装置4は、二重繰出し率が第3の閾値を超えた原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、保守会社端末5の担当者は、復旧手順を見て交換部品を準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、二重繰出し率上昇によるエラー兆候が表れた場合、復旧手順を見て、交換部品を保守会社から受け取り、交換対象のATM2の配置箇所に赴いて二重繰出し率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0041】
図12は、斜行回避処理に関わる原因推定装置3及び管理装置4の処理動作の一例を示すフロー図である。原因推定装置3内の制御部21は、斜行が投入ユニット32の不具合によるか否かを判定する(ステップS31)。制御部21は、斜行が投入ユニット32の不具合による場合(ステップS31:Yes)、投入ユニット32の不具合による斜行がエラー兆候の原因と推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS32)。管理装置4は、エラー兆候の原因に対する、投入ユニット32の確認又は投入ユニット32の交換等の復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS32A)、図12に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、投入ユニット32を確認し、状況によって、持参した投入ユニット32を交換することで、斜行率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0042】
制御部21は、斜行が投入ユニット32の不具合によらない場合(ステップS31:No)、斜行が分離ユニット33の不具合によるか否かを判定する(ステップS33)。制御部21は、斜行が分離ユニット33の不具合による場合(ステップS33:Yes)、斜行率の変化量が第1の所定量以上、かつ第2の所定量未満であるか否かを判定する(ステップS34)。
【0043】
制御部21は、斜行率の変化量が第1の所定量以上、かつ第2の所定量未満の場合(ステップS34:Yes)、斜行率の変化量が徐々に上昇と判断し、斜行が分離ユニット33内の繰出しゴム摩耗の搬送力低下によるか否かを判定する(ステップS35)。制御部21は、斜行が繰出しゴム摩耗の搬送力低下による場合(ステップS35:Yes)、繰出しゴム摩耗の搬送力低下による斜行がエラー兆候の原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS36)。管理装置4は、エラー兆候の原因に対して、分離ユニット33内の繰出しゴム交換の復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS36A)、図12に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、分離ユニット33内の繰出しゴムを交換することで、斜行率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0044】
制御部21は、斜行が繰出しゴム摩耗の搬送力低下によらない場合(ステップS35:No)、斜行が分離ユニット33内の搬送ローラ摩耗の搬送力低下によるか否かを判定する(ステップS37)。制御部21は、斜行が搬送ローラ摩耗の搬送力低下による場合(ステップS37:Yes)、搬送ローラ摩耗の搬送力低下による斜行がエラー兆候の原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS38)。管理装置4は、エラー兆候の原因に対して、分離ユニット33内の搬送ローラ又は分離ユニット33自体を交換する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS38A)、図12に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、分離ユニット33内の搬送ローラ又は分離ユニット33自体を交換することで、斜行率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0045】
制御部21は、斜行が搬送ローラ摩耗の搬送力低下によらない場合(ステップS37:No)、斜行によるエラー兆候の他の原因を引き続き推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、復旧作業を実行することで、斜行率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0046】
制御部21は、斜行率の変化量が第1の所定量以上、かつ第2の所定量未満でない場合(ステップS34:No)、斜行率の変化量が急激に上昇と判断し、斜行が分離ユニット33内の搬送ガイド破損の引っ掛かりによるか否かを判定する(ステップS39)。制御部21は、斜行が搬送ガイド破損の引っ掛かりによる場合(ステップS39:Yes)、搬送ガイド破損の引っ掛かりによる斜行がエラー兆候の原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS40)。管理装置4は、エラー兆候の原因に対して分離ユニット33を交換する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS40A)、図12に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、分離ユニット33を交換することで、斜行率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0047】
制御部21は、斜行が搬送ガイド破損の引っ掛かりによらない場合(ステップS39:No)、斜行によるエラー兆候の他の原因を引き続き推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、復旧作業を実行することで、斜行率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0048】
制御部21は、斜行が分離ユニットの不具合によらない場合(ステップS33:No)、斜行が投入ユニット32及び分離ユニット33以外の他のユニットの不具合によるか否かを引き続き順次推定し、確定したエラー兆候の原因を管理装置4に通知する。尚、説明の便宜上、例えば、斜行が投入ユニット32及び分離ユニット33の不具合の場合を例示した。しかしながら、斜行について、第1の搬送ユニット34、鑑別ユニット35、保留ユニット36、リジェクトユニット37、収納ユニット38、第2の搬送ユニット39及び第3の搬送ユニット40の不具合による原因を順次推定する。そして、管理装置4は、推定結果となる原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、復旧作業を実行することで、斜行率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0049】
図13は、二重繰出し回避処理に関わる原因推定装置3及び管理装置4の処理動作の一例を示すフロー図である。原因推定装置3内の制御部21は、二重繰出しが投入ユニット32の不具合によるか否かを判定する(ステップS51)。制御部21は、二重繰出しが投入ユニット32の不具合による場合(ステップS51:Yes)、投入ユニット32の不具合による二重繰出しがエラー兆候の原因と推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS52)。管理装置4は、エラー兆候の原因に対する、投入ユニット32を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS52A)、図13に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、投入ユニット32を確認することで、二重繰出し率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0050】
制御部21は、二重繰出しが投入ユニット32の不具合によらない場合(ステップS51:No)、二重繰出しが分離ユニット33の不具合によるか否かを判定する(ステップS53)。制御部21は、二重繰出しが分離ユニット33の不具合による場合(ステップS53:Yes)、二重繰出し率の変化量が第3の所定量以上、かつ、第4の所定量未満であるか否かを判定する(ステップS54)。
【0051】
制御部21は、二重繰出し率の変化量が第3の所定量以上、かつ、第4の所定量未満の場合(ステップS54:Yes)、二重繰出し率の変化量が徐々に上昇と判断する。そして、制御部21は、二重繰出しが分離ユニット33内の繰出しゴム又は分離ゴム摩耗の分離力低下によるか否かを判定する(ステップS55)。制御部21は、二重繰出しが繰出しゴム又は分離ゴム摩耗の分離力低下による場合(ステップS55:Yes)、繰出しゴム又は分離ゴム摩耗の分離力低下による二重繰出しがエラー兆候の原因と推定する。そして、制御部21は、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS56)。管理装置4は、エラー兆候の原因に対する、分離ユニット33内の繰出しゴム又は分離ゴム等を交換する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS56A)、図13に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、分離ユニット33内の繰出しゴム又は分離ゴムを交換することで、二重繰出し率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0052】
制御部21は、二重繰出しが繰出しゴム又は分離ゴム摩耗の分離力低下によらない場合(ステップS55:No)、二重繰出しが分離ユニット33内の搬送ローラ摩耗の紙幣滞留によるか否かを判定する(ステップS57)。制御部21は、二重繰出しが搬送ローラ摩耗の紙幣滞留による場合(ステップS57:Yes)、搬送ローラ摩耗の紙幣滞留による二重繰出しがエラー兆候の原因と推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS58)。管理装置4は、エラー兆候の原因に対する、分離ユニット33内の搬送ローラ又は分離ユニット33自体を交換する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS58A)、図13に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、分離ユニット33内の搬送ローラ又は分離ユニット33自体を交換することで、二重繰出し率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0053】
制御部21は、二重繰出しが搬送ローラ摩耗の紙幣滞留によらない場合(ステップS57:No)、二重繰出しによるエラー兆候の他の原因を引き続き推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、復旧作業を実行することで、二重繰出し率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0054】
制御部21は、二重繰出しが分離ユニット33の不具合によらない場合(ステップS53:No)、二重繰出しが投入ユニット32及び分離ユニット33以外の他のユニットの不具合によるか否かのエラー兆候の原因を引き続き推定する。そして、制御部21は、推定結果となるエラー兆候の原因を管理装置4に通知する。尚、説明の便宜上、例えば、二重繰出しが投入ユニット32及び分離ユニット33の不具合の場合を例示した。しかしながら、二重繰出しについて、第1の搬送ユニット34、鑑別ユニット35、保留ユニット36、リジェクトユニット37、収納ユニット38、第2の搬送ユニット39及び第3の搬送ユニット40の不具合による原因を順次推定する。そして、管理装置4は、推定結果となる原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、復旧作業を実行することで、二重繰出し率上昇によるエラーを事前に回避できる。制御部21は、二重繰出し率の変化量が所定量未満の場合(ステップS54:No)、二重繰出しによるエラー兆候の他の原因を引き続き推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、エラー兆候の原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、復旧作業を実行することで、二重繰出し率上昇によるエラーを事前に回避できる。
【0055】
図14は、ジャム復旧処理に関わる原因推定装置3及び管理装置4の処理動作の一例を示すフロー図である。原因推定装置3内の制御部21は、紙幣ジャムのエラーコードを検出したか否かを判定する(ステップS61)。制御部21は、紙幣ジャムのエラーコードを検出した場合(ステップS61:Yes)、エラーコードから紙幣ジャム発生のユニットを特定する(ステップS62)。
【0056】
制御部21は、状態データ等のログ情報から紙幣ジャムの原因を分析し(ステップS63)、ジャム原因が斜行であるか否かを判定する(ステップS64)。制御部21は、ジャム原因が斜行である場合(ステップS64:Yes)、ジャム原因が分離ユニット33内の繰出し時のピックミスによる斜行であるか否かを判定する(ステップS65)。制御部21は、ジャム原因がピックミスによる斜行の場合(ステップS65:Yes)、図15に示すピックミス確認処理を実行し(ステップS66)、図14に示す処理動作を終了する。
【0057】
制御部21は、ジャム原因がピックミスによる斜行でない場合(ステップS65:No)、ジャム原因が搬送力左右差拡大による斜行であるか否かを判定する(ステップS67)。制御部21は、ジャム原因が搬送力左右差拡大による斜行の場合(ステップS67:Yes)、搬送力左右差拡大による斜行のジャムを原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS68)。管理装置4は、ジャム原因に対して斜行発生箇所の搬送ローラ及び搬送ベルトを確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS68A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、斜行発生箇所の搬送ローラ及び搬送ベルトを確認することで、搬送力左右差拡大によるジャムを復旧できる。
【0058】
制御部21は、ジャム原因が搬送力左右差拡大による斜行でない場合(ステップS67:No)、ジャム原因が異物による斜行であるか否かを判定する(ステップS69)。制御部21は、ジャム原因が異物による斜行の場合(ステップS69:Yes)、異物による斜行のジャムを原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS70)。管理装置4は、ジャム原因に対して斜行発生箇所の異物有無を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS70A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、斜行発生箇所の異物を確認することで、異物による斜行のジャムを復旧できる。
【0059】
制御部21は、ジャム原因が異物による斜行でない場合(ステップS69:No)、ジャム原因が搬送路引っ掛かりによる斜行であるか否かを判定する(ステップS71)。制御部21は、ジャム原因が搬送路引っ掛かりによる斜行の場合(ステップS71:Yes)、搬送路引っ掛かりによる斜行のジャムを原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS72)。管理装置4は、ジャム原因に対して斜行発生箇所の部品形状を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS72A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、斜行発生箇所の部品形状を確認することで、搬送路引っ掛かりによる斜行のジャムを復旧できる。
【0060】
制御部21は、ジャム原因が搬送路引っ掛かりによる斜行でない場合(ステップS71:No)、ジャム原因が劣悪紙幣による斜行であるか否かを判定する(ステップS73)。制御部21は、ジャム原因が劣悪紙幣による斜行の場合(ステップS73:Yes)、劣悪紙幣の斜行によるジャムの原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS74)。管理装置4は、ジャム原因に対してジャム紙幣を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS74A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、ジャム紙幣を確認することで、劣悪紙幣による斜行のジャムを復旧できる。
【0061】
制御部21は、ジャム原因が劣悪紙幣による斜行でない場合(ステップS73:No)、他のジャム原因を推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS75)。管理装置4は、他のジャム原因に対して斜行箇所を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS75A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、斜行箇所を確認することで、斜行のジャムを復旧できる。制御部21は、紙幣ジャムのエラーコードを検出しなかった場合(ステップS61:No)、図14に示す処理動作を終了する。
【0062】
制御部21は、ジャム原因が斜行でない場合(ステップS64:No)、ジャム原因が搬送力不足によるか否かを判定する(ステップS76)。制御部21は、ジャム原因が搬送力不足の場合(ステップS76:Yes)、搬送力不足によるジャムを原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS77)。管理装置4は、ジャム原因に対して搬送ローラ及び搬送ベルトを確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS77A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、搬送ローラ及び搬送ベルトを確認することで、搬送力不足によるジャムを復旧できる。
【0063】
制御部21は、ジャム原因が搬送力不足によらない場合(ステップS76:No)、ジャム原因が異物であるか否かを判定する(ステップS78)。制御部21は、ジャム原因が異物の場合(ステップS78:Yes)、異物によるジャム原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS79)。管理装置4は、ジャム原因に対して異物を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS79A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、異物を確認することで、異物によるジャムを復旧できる。
【0064】
制御部21は、ジャム原因が異物でない場合(ステップS78:No)、ジャム原因が搬送路引っ掛かりによるか否かを判定する(ステップS80)。制御部21は、ジャム原因が搬送路引っ掛かりによる場合(ステップS80:Yes)、搬送路引っ掛かりによるジャムの原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS81)。管理装置4は、ジャム原因に対して搬送路内の部品形状を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS81A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、搬送路内の部品形状を確認することで、搬送路引っ掛かりによるジャムを復旧できる。
【0065】
制御部21は、ジャム原因が搬送路引っ掛かりによらない場合(ステップS80:No)、ジャム原因が劣悪紙幣によるか否かを判定する(ステップS82)。制御部21は、ジャム原因が劣悪紙幣による場合(ステップS82:Yes)、劣悪紙幣によるジャムの原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS83)。管理装置4は、ジャム原因に対してジャム紙幣を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS83A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、ジャム紙幣を確認することで、劣悪紙幣によるジャムを復旧できる。
【0066】
制御部21は、ジャム原因が劣悪紙幣によらない場合(ステップS82:No)、他のジャム原因を推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS84)。管理装置4は、他のジャム原因に対してジャム箇所を確認する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS84A)、図14に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、ジャム箇所を確認することで、他の原因によるジャムを復旧できる。尚、説明の便宜上、図14に示す処理でジャム原因を推定し、その原因に対する復旧手順を作業者端末6等に通知する場合を例示したが、ジャム原因等に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0067】
図15は、ピックミス確認処理に関わる原因推定装置3及び管理装置4の処理動作の一例を示すフロー図である。原因推定装置3内の制御部21は、ジャム原因の斜行が分離ユニット33内の繰出しローラ摩耗によるか否かを判定する(ステップS91)。制御部21は、ジャム原因の斜行が繰出しローラ摩耗による場合(ステップS91:Yes)、繰出しローラ摩耗による斜行のジャムを原因と推定し、推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS92)。管理装置4は、ジャム原因に対して分離ユニット33内の繰出しゴムを交換する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS92A)、図15に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、分離ユニット33内の繰出しゴムを交換することで、繰り出しローラ摩耗による斜行のジャムを復旧できる。
【0068】
制御部21は、ジャム原因の斜行が繰出しローラ摩耗によらない場合(ステップS91:No)、ジャム原因の斜行が分離ユニット33内の繰出し周辺ガイド破損によるか否かを判定する(ステップS93)。制御部21は、ジャム原因の斜行が繰出し周辺ガイド破損による場合(ステップS93:Yes)、繰出し周辺ガイド破損による斜行がジャムの原因と推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS94)。管理装置4は、ジャム原因に対して、分離ユニット33の交換の復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS94A)、図15に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、分離ユニット33を交換することで、分離ユニット33内の繰出し周辺ガイド破損によるジャムを復旧できる。
【0069】
制御部21は、ジャム原因の斜行が繰出し周辺ガイド破損によらない場合(ステップS93:No)、ジャム原因の斜行が繰出し前の紙幣状態によるか否かを判定する(ステップS95)。制御部21は、ジャム原因の斜行が繰出し前の紙幣状態による場合(ステップS95:Yes)、ジャム原因の斜行が投入ユニット32の不具合によるか否かを判定する(ステップS96)。制御部21は、ジャム原因の斜行が投入ユニット32の不具合による場合(ステップS96:Yes)、投入ユニット32の不具合によるジャム原因と推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS97)。管理装置4は、ジャム原因に対して投入ユニット32を交換する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS97A)、図15に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、投入ユニット32を交換することで、投入ユニット32の不具合による斜行のジャムを復旧できる。
【0070】
制御部21は、ジャム原因の斜行が投入ユニット32の不具合によらない場合(ステップS96:No)、ジャム原因の斜行が分離ユニット33の不具合によるか否かを判定する(ステップS98)。制御部21は、ジャム原因の斜行が分離ユニット33の不具合による場合(ステップS98:Yes)、分離ユニット33の不具合による斜行のジャムを原因と推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS99)。管理装置4は、ジャム原因に対して分離ユニット33を交換する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS99A)、図15に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、分離ユニット33を交換することで、分離ユニット33の不具合による斜行のジャムを復旧できる。
【0071】
制御部21は、ジャム原因の斜行が分離ユニット33の不具合によらない場合(ステップS98:No)、ジャム原因の斜行が保留ユニット36の不具合によるか否かを判定する(ステップS100)。制御部21は、ジャム原因の斜行が保留ユニット36の不具合による斜行の場合(ステップS100:Yes)、保留ユニット36の不具合による斜行のジャムを原因と推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する(ステップS101)。管理装置4は、ジャム原因に対して保留ユニット36を交換する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知し(ステップS101A)、図15に示す処理動作を終了する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、保留ユニット36を交換することで、保留ユニット36の不具合による斜行のジャムを復旧できる。
【0072】
制御部21は、ジャム原因の斜行が保留ユニット36の不具合によらない場合(ステップS100:No)、ジャム原因の斜行が他のユニットの不具合によるか否かのジャム原因を引き続き推定し、確定したジャム原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、ジャム原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、復旧作業を実行することでジャムを復旧できる。
【0073】
制御部21は、ジャム原因の斜行が繰出し前の紙幣状態によらない場合(ステップS95:No)、ジャム原因の斜行が他のユニットの不具合によるか否かのジャム原因を引き続き推定し、推定結果となるジャム原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、ジャム原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者端末6の担当者は、復旧手順を見ながら、復旧作業を実行することで、ジャムを復旧できる。
【0074】
[実施例の効果]
本実施例の原因推定装置3では、ATM2内のユニット毎の状態データを無線LAN経由で収集し、状態データに基づき教師データを生成し、生成した教師データに基づき、ユニット毎のエラー又はエラー兆候に関わる原因を推定するための学習モデルを生成する。その結果、原因推定装置3は、例えば、遠隔地にあるATM2の状態データを収集し、各ATM2の状態を認識できる。しかも、原因推定装置3は、無線LAN経由でATM2内のユニット毎の状態データを収集するため、状態データを収集するためのケーブル回線を敷設する必要がない。更に、原因推定装置3は、各ATM2から収集した状態データからエラー又はエラー兆候に対するユニット毎の原因を学習できる。
【0075】
更に、原因推定装置3では、状態データからエラー又はエラー兆候を検出した場合に、学習部21Bの学習モデルに基づき、ユニット毎のエラー又はエラー兆候に対する原因を推定し、その原因を管理装置4に通知する。その結果、原因推定装置3は、状態データからエラー又はエラー兆候を検出した場合でも、ユニット毎のエラー又はエラー兆候に対する原因を自動的に管理装置4に通知できる。そして、管理装置4は、原因推定装置3から原因を受信した場合、原因に対する復旧手順を作業者端末6や保守会社端末5に通知する。作業者端末6及び保守会社端末5は、例えば、エラー又はエラー兆候の原因毎の復旧手順を表示する。その結果、保守会社端末5の担当者は、ATM2のエラー又はエラー兆候の原因に対する復旧手順内に交換対象の部品IDがある場合、復旧手順内の部品IDを見ながら、交換部品を準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、熟練者でなくても、復旧手順を見ながらATM2のエラーを復旧できる。しかも、エラー復旧時間を短縮化し、復旧時間の長期化に伴うATM2のサービス低下を回避できる。しかも、エラー兆候が表れた場合でも、復旧手順が提示されることになるため、エラー発生を事前に回避できる。
【0076】
原因推定装置3では、状態データから紙幣ジャムを検出した場合に、紙幣ジャムの原因を推定し、紙幣ジャムの原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、紙幣ジャムの原因を受信した場合、紙幣ジャムの原因に対する復旧手順を作業者端末6や保守会社端末5に通知する。作業者端末6及び保守会社端末5は、管理装置4から復旧手順を受信した場合、紙幣ジャムの復旧手順を表示する。その結果、保守会社端末5の担当者は、ATM2内の紙幣ジャムに対する復旧手順内に部品IDがある場合、復旧手順内の部品IDを見ながら、交換部品を準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、熟練者でなくても、復旧手順を見ながら紙幣ジャムを復旧できる。しかも、紙幣ジャムのエラー兆候が表れた場合でも、復旧手順が提示されることになるため、紙幣ジャム発生を事前に回避できる。
【0077】
原因推定装置3では、状態データから紙幣の斜行を検出した場合に、ATM2内の斜行の原因を推定し、紙幣斜行の原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、紙幣斜行の原因を受信した場合、紙幣斜行の原因に対する復旧手順を作業者端末6や保守会社端末5に通知する。作業者端末6及び保守会社端末5は、管理装置4から復旧手順を受信した場合、紙幣斜行の原因毎の復旧手順を表示する。保守会社端末5の担当者は、紙幣斜行が発生した場合でも、ATM2内の紙幣斜行に対する復旧手順内に部品IDがある場合、復旧手順内の部品IDを見ながら、交換部品を準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、熟練者でなくても、復旧手順を見ながら紙幣斜行を復旧できる。しかも、紙幣斜行のエラー兆候が表れた場合でも、復旧手順が提示されることになるため、紙幣斜行発生を事前に回避できる。
【0078】
原因推定装置3では、状態データから紙幣の二重繰出しを検出した場合に、二重繰出しの原因を推定し、二重繰出しの原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、二重繰出しの原因を受信した場合、二重繰出しの原因に対する復旧手順を作業者端末6や保守会社端末5に通知する。作業者端末6及び保守会社端末5は、管理装置4から復旧手順を受信した場合、二重繰出しの復旧手順を表示する。その結果、保守会社端末5の担当者は、ATM2内の紙幣の二重繰出しに対する復旧手順内に部品IDがある場合、復旧手順内の部品IDを見ながら、交換部品を準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、熟練者でなくても、復旧手順を見ながら紙幣の二重繰出しを復旧できる。しかも、紙幣の二重繰出しのエラー兆候が表れた場合でも、復旧手順が提示されることになるため、紙幣の二重繰出し発生を事前に回避できる。
【0079】
原因推定装置3は、ATM2内のユニット毎の交換期限を管理する有効期限メモリ22Aを参照し、交換期限が超過したユニットを交換部品として特定する情報を含む原因を管理装置4に通知する。管理装置4は、原因を受信した場合、交換対象の部品IDを含む復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。作業者端末6及び保守会社端末5は、管理装置4から復旧手順を受信した場合、部品交換の復旧手順を表示する。その結果、保守会社端末5の担当者は、復旧手順内の部品IDを見ながら、交換ユニットを準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、熟練者でなくても、復旧手順を見ながら、交換期限が超過したユニットを交換できる。
【0080】
しかも、管理装置4は、交換対象の部品IDを含む復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、保守会社担当者は、作業者に対して交換部品を準備し、作業者は、交換部品を持参してエラー対象のATM2の配置箇所に赴き、エラー復旧作業を実行することになる。その結果、エラー復旧時間を短縮化し、復旧時間の長期化に伴うATM2のサービス低下を回避できる。
【0081】
[他の実施例]
本実施例のATM保守システム1では、保守対象としてATM2を例示したが、例えば、CD(Cash Dispenser)、TCR(Teller Cash Recycler)、両替機や投票券集計機等の紙葉類取扱装置でも良く、適宜変更可能である。また、本実施例では、紙葉類として紙幣を例示したが、紙幣に限定されるものではなく、例えば、投票券や株券等の紙葉類であっても良く、適宜変更可能である。
【0082】
上記実施例の管理装置4は、原因毎に復旧手順を管理し、原因に対応する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、管理装置4を経由することなく、原因推定装置3が原因毎に復旧手順を管理し、原因に対する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知しても良く、適宜変更可能である。
【0083】
この場合、原因推定装置3は、学習モデルに基づき、エラー又はエラー兆候に対応するユニット毎の原因と、エラー又はエラー兆候を復旧するための復旧手順とを推定して出力しても良い。そして、原因推定装置3は、原因及び復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。その結果、作業者や保守会社担当者は、ATM2のエラー又はエラー兆候の原因に対する復旧手順を認識できる。特に作業者は、熟練者でなくても、作業者端末6の復旧手順を見ながらATM2のエラーの復旧は勿論のこと、エラー兆候が表れる場合でも、エラー発生を事前に回避できる。エラー復旧時間を短縮化し、復旧時間の長期化に伴うATM2のサービス低下を回避できる。
【0084】
また、原因推定装置3は、エラー又はエラー兆候を復旧するための交換部品を特定する情報を含む復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知しても良い。この場合、作業者や保守会社担当者は、ATM2のエラー又はエラー兆候の原因を復旧するための交換部品を認識できる。
【0085】
原因推定装置3は、無線LAN経由で各ATM2の状態データを収集し、各ATM2の状態データを通信網経由で収集する場合を例示した。しかしながら、通信網に限定されるものではなく、各ATM2を巡回する職員の端末でATM2の状態データを収集し、収集された状態データを原因推定装置3に伝送しても良く、適宜変更可能である。
【0086】
また、原因推定装置3は、所定周期毎にATM2内の状態データを無線LAN経由で自動収集する場合を例示したが、連続的や不定期に状態データを収集しても良く、適宜変更可能である。
【0087】
例えば、エラー発生率の第1の閾値、斜行率の第2の閾値、二重繰出し率の第3の閾値を夫々10%としたが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0088】
また、学習部21Bは、教師有学習を構築する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、教師無学習又半教師学習でも良く、適宜変更可能である。
【0089】
本実施例の管理装置4は、エラー又はエラー兆候の通報を保守会社端末5経由で作業者端末6に通知する場合を例示したが、作業者端末6に直接通知しても良く、適宜変更可能である。
【0090】
また、説明の便宜上、エラー兆候として、例えば、エラー発生率、斜行率、二重繰出し率の上昇を例示したが、これらに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0091】
例えば、ATM保守システム1では、紙幣を収納ユニット38内に収納する際の収納枚数上限エラー等の収納エラーを検出した場合にも適用可能である。ATM2は、紙幣収納枚数を分析し、紙幣収納上限枚数に対し、極端に紙幣収納枚数が少ない場合でも収納枚数上限と判断した場合、紙幣収納が乱れて、上限検知センサを検知している可能性がある。例えば、紙幣は紙幣厚み方向に1枚ずつ収納されるが、静電気等の影響で紙幣が乱れ、紙幣が縦方向に収納されてしまった場合等に発生する。この場合でも、原因推定装置3は、ATM2の状態データから収納エラーを検出した場合、収納エラーに対する原因を推定し、その推定結果となる原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、収納エラーに対する原因を受信した場合、原因に対応する復旧手順を作業者端末6及び保守会社端末5に通知する。作業者端末6及び保守会社端末5は、管理装置4から復旧手順を受信した場合、収納エラーの復旧手順を表示する。その結果、保守会社端末5の担当者は、収納エラーに対する復旧手順内に交換対象の部品IDがある場合、復旧手順内の部品IDを見ながら、交換部品を準備できる。更に、作業者端末6の作業者は、熟練者でなくても、復旧手順を見ながら収納エラーを復旧できる。しかも、収納エラーのエラー兆候が表れる場合でも、復旧手順が提示されることになるため、収納エラー発生を事前に回避できる。
【0092】
また、紙幣収納枚数に対し、紙幣出金枚数が多い場合、装填した紙幣が足りなくなる可能性が高くなる。原因推定装置3では、状態データからATM2内の収納ユニット38内の収納カセット38Aに収納中の紙幣の枚数が所定枚数以下になった場合に、ATM2内の紙幣補充不足の原因を推定し、紙幣補充不足の原因を管理装置4に通知する。そして、管理装置4は、紙幣補充不足の原因を受信した場合、補充不足の原因毎の復旧手順を作業者端末6や保守会社端末5に通知する。作業者端末6及び保守会社端末5は、管理装置4から復旧手順を受信した場合、紙幣補充不足の復旧手順を表示する。その結果、作業者端末6の作業者は、熟練者でなくても、復旧手順を見ながら、収納カセット38Aに紙幣を補充できる。エラー復旧時間を短縮化し、復旧時間の長期化に伴うATM2のサービス低下を回避できる。
【0093】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0094】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0095】
1 ATM保守システム
2 ATM
3 原因推定装置
4 管理装置
4B 復旧手順テーブル
5 保守会社端末
6 作業者端末
21 制御部
21A 収集部
21B 学習部
21C 推定部
22A 有効期限メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15