(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】脱揮装置設計
(51)【国際特許分類】
B01D 1/00 20060101AFI20231218BHJP
C08J 3/00 20060101ALI20231218BHJP
C08F 2/04 20060101ALI20231218BHJP
C08F 2/01 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
B01D1/00 D
C08J3/00 CES
C08F2/04
C08F2/01
(21)【出願番号】P 2020563925
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(86)【国際出願番号】 US2019034788
(87)【国際公開番号】W WO2019232290
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-17
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ポラード、マリア
(72)【発明者】
【氏名】カーン、イルファン
(72)【発明者】
【氏名】ドダカー、スリカント
(72)【発明者】
【氏名】ロペス、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ユアン、クアン
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-183801(JP,A)
【文献】特表2003-526696(JP,A)
【文献】米国特許第02969347(US,A)
【文献】特許第7323553(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2021/0205729(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01B 1/00-1/08
B01D 1/00-8/00
C08J 3/00-3/28;99/00
C08F 2/00-2/60
B01D 23/00-35/04;35/08-37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒の少なくとも一部分を、前記溶媒およびポリマーを含むポリマー濃厚溶液から分離するための、温度(T)および圧力(P)で動作する脱揮装置(デボ)であって、前記脱揮装置が、少なくとも以下の構成要素、
A)構成要素Aの上部から下部までの垂直距離である長さLの分配器、加熱器、または加熱器/分配器の組み合わせ(構成要素A)と、
B)構成要素Aの周囲の一部またはすべての周りに配置されたシュラウド(構成要素B)であって、前記シュラウドが、構成要素Aの周囲の外側に位置する少なくとも1つの円筒形区分を含み、この円筒形区分が、構成要素Aの周囲の少なくとも一部分を包囲する、シュラウド(構成要素B)と、
C)構成要素Aの外面と構成要素Bの内面との間に配置された間隙(構成要素C)であって、前記間隙が、構成要素Aの外面から構成要素Bの前記少なくとも1つの円筒形区分の内面までの距離である幅(w)を有し、前記間隙が、L以下の長さを有し、wが、
前記長さLに沿って連続的または不連続的に
広がる、間隙(構成要素C)と、を含み、
構成要素Aが、内部チャネルと、前記内部チャネルから前記間隙まで延在する複数の断面開口部とを含み、前記ポリマー濃厚溶液の一部またはすべてが、前記内部チャネルに入り、前記断面開口部を通って半径方向に移動し、各開口部内で、前記ポリマー濃厚溶液の前記溶媒の一部またはすべてが気化して、溶媒蒸気およびポリマー
溶融物を形成し、前記ポリマー溶融物が、前記間隙に入り、入口点から前記間隙内に下向きに流れ、前記溶媒蒸気の一部またはすべてが、前記入口点から前記間隙内に下向きに流れ、
構成要素Aの外面の上部から測定された、各垂直距離yについて、所定の距離yで構成要素Aを離れて、構成要素C内に下向きに流れる前記溶媒蒸気の総量が、以下の速度、
a)前記間隙内での、「
総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義される、平均垂直下向き速度であって、「前記総溶媒蒸気流量」および「前記流れに利用可能な断面積」の各々が、同じ垂直距離yで測定される、平均垂直下向き速度と、
b)「前記脱揮装置の前記温度(T)および圧力(P)での構成要素Aの出口における前記総溶媒蒸気流量」の、「構成要素Aの開口部の数に各開口部の断面積を乗じたもの」に対する比率として定義される、前記構成要素Aを出る半径方向平均速度と、を有し、
前記平均垂直下向き速度が、前記構成要素Aを出る前記半径方向平均速度以下である、脱揮装置。
【請求項2】
前記間隙の幅(w)が、前記長さLに沿って変動する、請求項1に記載の脱揮装置。
【請求項3】
各距離yについて、前記平均垂直下向き速度が、1.0m/s~10.0m/sの範囲である、請求項1または請求項2に記載の脱揮装置。
【請求項4】
構成要素Bについて、前記円筒形区分が、円筒形のフレア状シリンダを含み、前記円筒形のフレア状シリンダが、前記フレア状シリンダの始点での直径よりも大きい、前記フレア状シリンダの端部での直径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の脱揮装置。
【請求項5】
前記フレア状
シリンダの端部の前記直径が、前記フレア状
シリンダの始点での前記直径の1.2倍よりも大きい、請求項4に記載の脱揮装置。
【請求項6】
前記脱揮装置が、100℃~300℃の温度(T)、および3m
bar~100m
barの圧力(P)で動作する、請求項1~
5のいずれか一項に記載の脱揮装置。
【請求項7】
前記脱揮装置が、外側容器をさらに含み、構成要素Bの前記円筒形区分の外面と前記外側容器の内面との間に配置される間隙(g
5)が存在し、g
5の幅が、構成要素Bの前記円筒形区分に沿って連続的または不連続的に変動し、「g
5の最小幅」の「構成要素Cの前記間隙の最大幅」に対する比率が、0.5以上である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の脱揮装置。
【請求項8】
少なくとも1つの反応器と、請求項1~
7のいずれか一項に記載の脱揮装置とを含む、反応器システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの反応器が、ループ反応器である、請求項
8に記載の反応器システム。
【請求項10】
ポリマーを形成するための溶液重合プロセスであって、前記プロセスが、少なくとも、
i)溶媒、モノマー、および任意選択で1つ以上のコモノマーを含む混合物を、少なくとも1つの反応器内で反応させて、前記溶媒および前記ポリマーを含むポリマー溶液を形成するステップと、
ii)前記溶媒の少なくとも一部分を前記ポリマー溶液から分離して、前記ポリマーおよび溶媒を含むポリマー濃厚溶液を形成するステップであって、前記ポリマー濃厚溶液が、前記ポリマー溶液よりも多くのポリマーを含む、ステップと、
iii)請求項1~
9のいずれか一項に記載の脱揮装置を使用して、前記溶媒の少なくとも一部分を前記ポリマー濃厚溶液から分離するステップと、を含む、プロセス。
【請求項11】
前記ポリマーが、オレフィン系ポリマーである、請求項
10に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
溶液重合では、真空コンデンサ内へのポリマーのキャリーオーバーを低減する脱揮設計が必要である。溶液ポリエチレンプロセスでは、未反応のエチレンおよび溶媒は、典型的には、脱揮(デボ)タンクと呼ばれる2つのフラッシュユニットを使用してポリマーから除去される。未反応のエチレンおよび溶媒の大部分は、第1のデボで除去され、ポリマー濃度は80~90重量%になる。残りの溶媒は、第2のデボで除去される。第1のデボからの流れは、典型的には、熱交換器または加熱器を使用して加熱される。ポリマーが加熱器を通って流れて加熱されると、溶媒が気化し、ポリマーから相分離して、加熱器のスロットの出口に向かって第2のデボタンク内に泡が形成される。揮発性物質は、加熱器の外側でポリマーから解放され、溶融ポリマーが容器の下部に集まり、蒸気がデボタンクの上部にあるノズルから除去される。しかしながら、典型的なデボ設計では、ベント内への高度のポリマーのキャリーオーバーが発生し、最終的には真空コンデンサ内へのキャリーオーバーが発生する。ポリマーが真空コンデンサ内に持ち越されると、コンデンサを汚染してその効果が低減し、すなわち、真空コンデンサが、デボ内の真空レベルを維持することができなくなる。いくつかのデボおよび/または加熱器の設計は、US4808262、US5084134、US5453158、US6627040、US7332058、およびUS8518212の参考文献に記載されている。しかしながら、真空コンデンサ内へのポリマーのキャリーオーバーを低減する脱揮設計が依然として必要とされている。この必要性は、以下の発明によって満たされている。
【発明の概要】
【0002】
溶媒の少なくとも一部分を、溶媒およびポリマーを含むポリマー濃厚溶液から分離するための、温度(T)および圧力(P)で動作する脱揮装置(デボ)であって、脱揮装置が、少なくとも以下の構成要素、
A)構成要素Aの上部から下部の垂直距離である長さLの分配器、加熱器、または加熱器/分配器の組み合わせ(構成要素A)と、
B)構成要素Aの周囲の一部またはすべての周りに配置されたシュラウド(構成要素B)であって、シュラウドが、構成要素Aの周囲の外側に位置する少なくとも1つの円筒形区分を含み、この円筒形区分が、構成要素Aの周囲の少なくとも一部分を包囲する、シュラウド(構成要素B)と、
C)構成要素Aの外面と構成要素Bの内面との間に配置された間隙(構成要素C)であって、間隙が、構成要素Aの外面から構成要素Bの少なくとも1つの円筒形区分の内面までの距離である幅(w)を有し、間隙が、L以下の長さを有し、wが、任意選択で、長さLに沿って連続的または不連続的に変動し得る、間隙(構成要素C)と、を含み、
構成要素Aが、内部チャネルと、内部チャネルから間隙まで延在する複数の断面開口部とを含み、ポリマー濃厚溶液の一部またはすべてが、内部チャネルに入り、断面開口部を通って半径方向に移動し、各開口部内で、ポリマー濃厚溶液の溶媒の一部またはすべてが気化して、溶媒蒸気およびポリマー溶解物を形成し、ポリマー溶融物が、間隙に入り、入口点から間隙内に下向きに流れ、溶媒蒸気の一部またはすべてが、入口点から間隙内に下向きに流れ、
構成要素Aの外面の上部から測定された、各垂直距離yについて、所定の距離yで構成要素Aから離れて、構成要素C内に下向きに流れる溶媒蒸気の総量が、以下の速度、
a)間隙内での、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義される、平均垂直下向き速度であって、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々が、同じ垂直距離yで測定される、平均垂直下向き速度と、
b)「脱揮装置の温度(T)および圧力(P)での構成要素Aの出口における総溶媒蒸気流量」の、「構成要素Aの開口部の数に各開口部の断面積を乗じたもの」に対する比率として定義される、構成要素Aを出る半径方向平均速度と、を有し、
平均垂直下向き速度が、構成要素Aを出る半径方向平均速度以下である、脱揮装置。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図3】「加熱器および/または分配器」を出て、加熱器/分配器とシュラウドとの間の環状領域を通って移動するポリマーおよび蒸気の概略図である。
【
図4】比較例を含む、異なるシュラウド設計の概略図である。
【
図5】
図4に示す発明例のシュラウド設計の詳細の概略図である。
【
図6】発明設計-1の1つの実施形態/変形例を示す。
【
図7】
図4に示す各デボ設計について、構成要素AとBとの間の間隙における蒸気対y値。
図7は、構成要素Aを出る半径方向平均速度の一定の線を含有する。発明例2および発明例3の速度(V(m/s))の結果が一致することに留意されたい-
図7の一番下のプロファイルを参照。蒸気の平均半径方向速度も水平線で示される。「平均蒸気垂直下向き速度のプロットである。
【
図8】加熱器および/または分配器(構成要素A)およびシュラウド(構成要素B)を包囲する外部容器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
上で論じたように、装置には、上で論じたような(発明の要約を参照)、脱揮装置(デボ)が提供される。
【0005】
脱揮装置(デボ)は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態を含み得る。
【0006】
一実施形態では、ポリマー濃厚溶液は、ポリマー濃厚溶液の重量に基づいて、60重量%以上、または70重量%以上、または80重量%以上、または90重量%以上、または95重量%以上のポリマーを含む。
【0007】
一実施形態では、間隙の幅(w)は、長さLに沿って変動する。
【0008】
一実施形態では、間隙の幅(w)は、長さLに沿って連続的に変動する。
【0009】
一実施形態では、間隙の幅(w)は、長さLに沿って不連続的に変動する。
【0010】
一実施形態では、Lは、10cm~200cm、または20cm~180cm、または30cm~160cmである。
【0011】
一実施形態では、各距離yについて、平均垂直下向き速度は、1m/s~10m/s、または1m/s~8m/s、または1m/s~6m/s、または1m/s~4m/sである。
【0012】
一実施形態では、構成要素Aを出る半径方向平均速度は、10m/s以上、または8m/s以上、または6m/s以上である。
【0013】
一実施形態では、構成要素Aは、構成要素Aの長さに沿って対称的な断面積を有する。
【0014】
一実施形態では、構成要素Aは、円筒形状であり、さらにAは、シリンダである。
【0015】
一実施形態では、構成要素Aについて、断面開口部はすべて、同じ寸法を有する。本明細書で使用される、「同じ寸法」という句は、目標寸法の±1.0%の公差を指す。
【0016】
一実施形態では、構成要素Bの円筒形区分は、構成要素Aの長さ以上の長さを有する。さらなる実施形態では、構成要素Bの円筒形区分は、構成要素Aの長さに等しい長さを有する。
【0017】
一実施形態では、構成要素Bの円筒形区分は、構成要素Aの長さ未満の長さを有する。
【0018】
一実施形態では、構成要素Bについて、円筒形区分は、フレア状シリンダの始点における上方の外径よりも大きい、フレア状シリンダの端部における下方の外径を有する連続フレア状シリンダを含む。例えば、
図4の発明例1および
図6を参照されたい。さらなる実施形態では、下方の外径は、上方の外径の1.2倍よりも大きい。フレア状シリンダの下部は、フレア状シリンダの上部から下流にある。
【0019】
一実施形態では、構成要素Bについて、円筒形区分は、長さh
1の垂直区分と、それに続く長さh
2のフレア状区分とを含む。さらなる実施形態では、長さh
2のフレア状区分の後に、長さh
3の垂直区分が続く。例えば、
図6を参照されたい。一実施形態では、h
1=h
2である。一実施形態では、h
1=h
2=h
3である。一実施形態では、h
2≧h
1および/またはh
2≧h
3である。一実施形態では、h
1+h
2≦L、またはh
1+h
2≧L、またはh
1+h
2=Lである。一実施形態では、h
1+h
2+h
3≦L、またはh
1+h
2+h
3≧Lである。
【0020】
一実施形態では、構成要素Bのシュラウドは、2つ以上の別個の区分を含み、各区分は、構成要素Aの中心から距離d
1に配置される。さらなる実施形態では、構成要素Bのシュラウドは、4つ以上の別個の区分を含み、各区分は、構成要素Aの中心から距離d
1に配置される。本明細書で使用される、「構成要素Aの中心」という句は、構成要素Aの断面積の中心点(対称領域の場合)または幾何学的中心(非対称領域の場合)を指す。例えば、
図4の発明例2を参照されたい。
【0021】
一実施形態では、d1は、50cm以上、または55cm以上、または60cm以上、または65cm以上、または70cm以上、または75cm以上、または80cm以上である。一実施形態では、d1は、300cm以下、または280cm以下、または260cm以下、または240cm以下、または220cm以下、または200cm以下、または180cm以下、または160cm以下である。
【0022】
一実施形態では、構成要素Bのシュラウドは、8つの別個の区分を含み、区分のうちの4つは、構成要素Aの中心から距離d
1に配置され、区分のうちの4つは、構成要素Aの中心から距離d
2に配置され、d
2>d
1である。さらなる実施形態では、d
2>1.2xd
1である。例えば、
図4の発明例3を参照されたい。
【0023】
一実施形態では、d1は、50cm以上、または55cm以上、または60cm以上、または65cm以上、または70cm以上、または75cm以上、または80cm以上である。一実施形態では、d1は、300cm以下、または280cm以下、または260cm以下、または240cm以下、または220cm以下、または200cm以下、または180cm以下、または160cm以下である。
【0024】
一実施形態では、d2は、70cm以上、または75cm以上、または80cm以上、または85cm以上、または90cm以上、または95cm以上、または100cm以上である。一実施形態では、d2は、400cm以下、または380cm以下、または360cm以下、または340cm以下、または320cm以下、または300cm以下、または280cm以下、または260cm以下、または240cm以下、または220cm、または200cmである。
【0025】
一実施形態では、構成要素Bの円筒形区分は、長さL
Cの上方連続半径方向区分と、長さの各々がL
Sである2つ以上の別個のセグメントを含む下方セグメント化区分とを含み、L
S>L
Cであり、L
Cは、シュラウドの上部から上方連続半径方向区分の端部まで測定され、L
Sは、シュラウドの上部から下方セグメント化区分の端部まで測定される。さらなる実施形態では、下方セグメント化区分は、長さの各々がL
Sである4つ以上の別個のセグメントを含み、L
S>L
Cである。さらなる実施形態では、L
S>1.2xL
Cである。例えば、
図4の発明例4を参照されたい。
【0026】
一実施形態では、LSは、50cm以上、55cm以上、または60cm以上、または65cm以上、または70cm以上、または75cm以上、または80cm以上である。一実施形態では、LSは、300cm以下、または280cm以下、または260cm以下、または240cm以下、または220cm以下、または200cm以下、または180cm以下、または160cm以下である。
【0027】
一実施形態では、LCは、70cm以上、または75cm以上、または80cm以上、または85cm以上、または90cm以上、または95cm以上、または100cm以上である。一実施形態では、LCは、400センチメートル以下、または380センチメートル以下、または360センチメートル以下、または340センチメートル以下、または320センチメートル以下、または300センチメートル以下、または280センチメートル以下、または260センチメートル以下、または240センチメートル以下、または220cm以下、または200cm以下である。
【0028】
一実施形態では、構成要素Bのシュラウドは、構成要素Cの間隙における位置yでの溶媒蒸気の最大平均下向き速度が、以下の式5A~5Cを満たすように設計されている。
【数1】
式中、Dは、構成要素Aの直径であり、
yは、構成要素Aの上部から、間隙の幅が測定される構成要素Aに沿った点までの垂直距離であり、
qは、単位時間当たりの単位面積当たりの蒸発溶媒の体積流量であり、
g
1は、特定の長さh
1の初期間隙距離であり、g
2は、特定の長さh
2での間隙距離である。
【0029】
加熱器または分配器の上部から測定された、長さh
1>において、シュラウドの上部の初期間隙
1および長さh
1によって画定される、垂直軸からの角度θを有する円錐形部分が始まる。例えば、
図5の設計-1および
図6に示される、
図4の発明例1を参照されたい。長さh
1の下部から測定された、長さh
2において、一定の間隙距離gによって画定され、長さh
2で評価され、長さh
2の下部から測定された長さh
3を有する円筒形区分が始まる。
【0030】
一実施形態では、h1は、0~200インチ、または2~100インチ、または4~80インチ、または6~60インチより大きい。
【0031】
一実施形態では、θは、5~25度、または10~15度である。
【0032】
一実施形態では、Vvdは、1~30m/秒、または2~15m/秒である。
【0033】
一実施形態では、h2は、は、0~300インチ、または2~250インチ、または4~220インチ、または6~200インチより大きい。
【0034】
一実施形態では、h3は、0~100インチ、または2~80インチ、または4~60インチ、または6~40インチより大きい。
【0035】
一実施形態では、構成要素Bのシュラウドは、構成要素Cの間隙における位置yでの溶媒蒸気の最大平均下向き速度が、以下の式6A、6B、および6Cを満たすように設計されている。
式中、Dは、構成要素Aの直径であり、
【数2】
yは、構成要素Aの上部から、間隙の幅が測定される構成要素Aに沿った点までの垂直距離であり、
qは、単位時間当たりの単位面積当たりの蒸発溶媒の体積流量であり、
g
3は、特定の長さyの間隙距離であり、
nは、部分的またはセグメント化されたシュラウドを作成する、シュラウドの表面の周りの開口部またはスリットの数であり、各開口部は、シュラウドの上部から測定された長さαで始まり、シュラウドの下部から測定された距離βで終了する。各開口部のセグメントは、設計の上部の断面図から観察したときに、角度λを形成するようになっている。例えば、
図4の発明例2および4(
図5の設計2の変形例)を参照されたい。
【0036】
一実施形態では、g3は、2~40インチ、または6~30インチ、または12~20インチである。
【0037】
一実施形態では、λは、10~45度、または12~35度、または15~30度である。
【0038】
一実施形態では、αおよびβは各々、独立して、0~60インチ、または1~50インチ、または3~40インチを超える範囲である。
【0039】
一実施形態では、脱揮装置は、サーモウェルに埋め込まれた熱電対で測定された、100℃~300℃、または120℃~280℃、140℃~260℃、160℃~240℃、180℃~220℃の温度(T)、および容器に埋め込まれた圧力変換器で測定された、5mバール~100mバール、または10mバール~80mバール、または15mバール~60mバールの圧力(P)で動作する。
【0040】
一実施形態では、脱揮装置は、100℃~300℃、または120℃~280℃、140℃~260℃、160℃~240℃、180℃~220℃の温度(T)、および5mバール~50mバール、または10mバール~40mバール、または15mバール~30mバールの圧力(P)で動作する。
【0041】
一実施形態では、脱揮装置は、外側容器をさらに含み、構成要素Bの円筒形区分の外面と外側容器の内面との間に配置された間隙(g5)が存在する。さらなる実施形態では、g5の幅は、構成要素Bの円筒形区分の長さに沿って連続的または不連続的に変動する。
【0042】
一実施形態では、「構成要素Cの間隙の最大幅」に対する「g5の最小幅」の比率は、0.5以上、または1.0以上、または1.5以上、または2.0以上、または2.5以上、または3.0以上である。
【0043】
一実施形態では、外側容器Dタンクの直径は、1m~10m、または2m~10mである。一実施形態では、構成要素Bのシュラウドの上部は、外側容器の壁に溶接されている。
【0044】
また、少なくとも1つの反応器と、本明細書に記載の1つ以上の実施形態の脱揮装置とを含む反応器システムも提供される。さらなる実施形態では、各反応器は、ループ反応器である。
【0045】
また、ポリマーを形成するための溶液重合プロセスであって、上記プロセスが、少なくとも、
i)溶媒、モノマー、および任意選択で1つ以上のコモノマーを含む混合物を、少なくとも1つの反応器内で反応させて、溶媒およびポリマーを含むポリマー溶液を形成するステップと、
ii)溶媒の少なくとも一部分をポリマー溶液から分離して、ポリマーおよび溶媒を含むポリマー濃厚溶液を形成するステップであって、ポリマー濃厚溶液が、ポリマー溶液よりも多くのポリマーを含む、ステップと、
iii)本明細書に記載の1つ以上の実施形態の脱揮装置を使用して、溶媒の少なくとも一部分をポリマー濃厚溶液から分離するステップと、を含む、溶液重合プロセスも提供される。
【0046】
一実施形態では、ポリマー濃厚溶液は、ポリマー濃厚溶液の重量に基づいて、60重量%以上、または70重量%以上、または80重量%以上、または90重量%以上、または95重量%以上のポリマーを含む。
【0047】
一実施形態では、ポリマーは、オレフィン系ポリマーであり、さらにエチレン系ポリマーである。
【0048】
一実施形態では、反応器は、シングルループ反応器またはデュアルループ反応器である。適切な反応器は、「Olefin Solution Polymerization」と題された国際公開番号WO97/36942に開示されている。
【0049】
本明細書に記載されるような脱揮装置は、高圧(1000バール以上)のフリーラジカル重合で形成されたポリマー生成物の単離にも使用され得る。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)を形成するための重合プロセス。このような脱揮装置は、LDPEまたは他のポリマー生成物からエチレン、微量溶媒成分、および/または添加剤(例えば、過酸化物誘導体および触媒誘導体)を除去するための分離器として十分適している。
【0050】
定義
相反する記載、文脈から暗示的、または当該技術分野において慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づくものであり、全ての試験方法は本開示の出願日現在のものである。
【0051】
本明細書で使用される、「組成物」という用語は、組成物を含む材料(複数可)、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物を含む。
【0052】
本明細書で使用される、「ポリマー」という用語は、同じ種類または異なる種類のモノマーを重合することにより調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという一般的な用語は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下に、唯一の種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、および本明細書において以下に定義されるようなインターポリマーという用語を包含する。微量の不純物が、ポリマーにおよび/またはポリマー内に組み込まれ得る。
【0053】
本明細書で使用される、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、インターポリマーという総称は、コポリマー(2種類の異なるモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、および3種類以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0054】
本明細書で使用される、「オレフィン系ポリマー」という用語は、重合形態で、50重量%または過半量のオレフィンモノマー、例えばエチレンまたはプロピレンを含み(ポリマーの重量に基づく)、任意選択で、少なくとも1つの重合コモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0055】
本明細書で使用される、「エチレン系ポリマー」という用語は、50重量%または過半量の重合エチレンモノマーを含み(ポリマーの総重量に基づく)、任意選択で、少なくとも1つの重合コモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0056】
本明細書で使用される、「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態で、50重量%または過半量のエチレンモノマー(インターポリマーの重量に基づく)と、少なくとも1つのα-オレフィンとを含むインターポリマーを指す。
【0057】
本明細書で使用される、「エチレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、50重量%または過半量のエチレンモノマー(コポリマーの重量に基づく)と、α-オレフィンとを2種類のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0058】
本明細書で使用される、「プロピレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマーを含み(ポリマーの総重量に基づく)、任意選択で、少なくとも1つの重合コモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0059】
本明細書で使用される、「脱揮装置」、または「デボ」、または「脱揮タンク」という用語は、典型的には上部が円筒形状であり、下部が円錐形区分である容器を指し、大気圧以上または真空下で動作することができ、典型的には上部に配置されるポリマー溶液のための少なくとも1つの入口、および蒸気が出るための1つ以上の出口、ならびに下部におけるポリマー溶融物のための出口を典型的には有する。脱揮装置(デボ)容器の目的は、重合生成物から溶媒を除去することである。プロセスは、ポリマー生成物から残留溶媒を除去するために、異なる条件で動作する複数の脱揮装置(デボ)容器を有し得る。
【0060】
本明細書で使用される、「溶媒」という用語は、有機化合物または2つ以上の有機化合物の混合物を指す。典型的な溶媒は、低臭気、低芳香族炭化水素溶媒を生成するために、触媒の存在下で水素で処理する石油系原料から生成されるISOPAR(登録商標)(ExxonMobil製)を含む。主成分には、アルカン、イソアルカン、およびシクロアルカンが含まれる。ここで、溶媒は、対象のポリマーおよび反応成分を溶解する。
【0061】
本明細書で使用される、「ポリマー溶液」は、ISOPAR(登録商標)Eなどの溶媒に溶解されたポリマーの単相溶液を指す。ポリマー溶液は、典型的には20~95重量%のポリマーを含有する。
【0062】
本明細書で使用される、「溶液重合」という用語は、ポリマー生成物が重合プロセスの溶媒中に溶解される重合プロセスを指す。
【0063】
本明細書で使用される、「分配器」という用語は、質量移動および蒸気溶媒化合物からのポリマー溶融物の除去および解放のためのポリマー溶液の面積を増加させるように、ポリマー溶液を分配するように設計された装置を指す。
【0064】
本明細書で使用される「加熱器」という用語は、典型的には、例えば、180℃から250℃にポリマー溶液を加熱するように設計された装置を指す。
【0065】
本明細書で使用される、「加熱器/分配器の組み合わせ」という用語は、本明細書に記載の加熱器と、本明細書に記載の分配器との両方を含む装置を指す。適切な加熱器の例は、米国特許第5,453,158号および米国特許第8,518,212号に記載されている。
【0066】
本明細書で使用される、「シュラウド」という用語は、分配器、加熱器、または加熱器/分配器の組み合わせを取り囲み、分配器、加熱器、または加熱器/分配器の組み合わせの外面とその内面との間に間隙を残す様々な設計の金属片を指す。構成要素Bとは、シュラウドであり、構成要素Aおよび構成要素Bを含有する容器の内面内または内面上への溶媒および/またはポリマーの飛散の防止に役立つように使用される。
【0067】
構成要素B(シュラウド)に関して本明細書で使用される、「連続円筒形区分」という句は、構成要素A(分配器、加熱器、または加熱器/分配器の組み合わせ)の少なくとも一部分を取り囲む、典型的には円筒形状の金属片を指す。
【0068】
構成要素Bのセグメント化区分は、構成要素Aを取り囲む金属片であり、構成要素Aを部分的に取り囲むように載置され、蒸気およびポリマーが構成要素Aの外面と構成要素Bの内面との間の領域を抜け出す開放した空間を含む。
【0069】
本明細書で使用される、「複数」という用語は、開口部または他の特徴に関して、2つ以上の開口部または他の特徴を指す。
【0070】
本明細書で使用される、「間隙」という用語は、構成要素A(分配器、加熱器、または加熱器/分配器の組み合わせ)の外面および構成要素B(シュラウド)の内面によって画定される領域を指す。
【0071】
本明細書で使用される、「構成要素Aの外面」という句、および同様の句は、構成要素Aの最も外側の表面を指す。
【0072】
本明細書で使用される、「構成要素Bの内面」という句、および同様の句は、構成要素Bの最も内側の表面を指す。
【0073】
本明細書で使用される、「構成要素Aの直径」という句、および同様の句は、構成要素Aの外径を指す。
【0074】
本明細書で使用される、「構成要素Aの長さ」という句、および同様の句は、構成要素Aの最も長い垂直区分を指す
【0075】
本明細書で使用される、「構成要素Bの直径」という句、および同様の句は、構成要素Bの最も外側の直径を指す。
【0076】
本明細書で使用される、「構成要素Bの長さ」という句、および同様の句は、構成要素Bの最も長い区分を指す。
【0077】
ポリマー濃厚溶液とは、ポリマー溶液であり、典型的には炭化水素溶媒中のエチレン系ポリマーであり、その溶液中のポリマー濃度は50重量%を超える。
【0078】
溶媒蒸気とは、典型的には、プロセス条件下で気化する例えばアルカンなどの溶媒に見られる化合物である。
【0079】
平均垂直下向き速度の決定に関する「総溶媒蒸気流量」という句は、ポリマー生成速度およびデボの入口に存在する溶媒の割合から計算することができる。
【0080】
平均垂直下向き速度の決定に関する「流れに利用可能な断面積」という句は、構成要素Bの上部から測定された長さLに沿って、構成要素Aの外面および構成要素Bの内面によって形成された間隙の幾何学的形状から計算することができる。
【0081】
構成要素Aの周囲の外側に位置する少なくとも1つの円筒形区分の長さ(L)は、この円筒形区分の上部から下部までの最長距離を指す。ここで、円筒形区分の下部は、円筒形区分の上部から下流にある。
【0082】
本明細書で使用される、「溶接線の長さ」という句、および同様の句は、溶接線のより短い寸法(典型的には垂直寸法)を指す。溶接線の長さは、1mm~50mm、または2mm~20mmであり得る。
【0083】
本明細書で使用される、「反応器システム」という用語は、ポリマーを重合するために使用される1つ以上の装置、およびポリマー生成物を単離するために使用される1つ以上の装置を指す。
【0084】
「含む(comprising)」という用語およびその派生語は、それらが本明細書において開示されているかどうかにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、または手順の存在を排除することを意図しない。いかなる疑いも避けるために、「~を含む(comprising)」という用語を使用して特許請求される全ての組成物は、矛盾する記述がない限り、ポリマー性かまたは別様かにかかわらず、いずれの追加の添加剤、補助剤、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、操作性に必須ではないものを除いて、あらゆる後続の記載の範囲から、任意の他の成分、ステップ、または手順を排除する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていない任意の成分、ステップ、または手順を排除する。
【0085】
試験方法
メルトインデックス
メルトインデックスI2(またはI2)およびI10(またはI10)を、それぞれ190℃ならびに2.16kgおよび10kg荷重でASTM D-1238(方法B)に従って測定する。それらの値は、g/10分で報告される。
【0086】
密度
密度測定用の試料は、ASTM D 4703に従って調製した。試料加圧の1時間以内に、ASTM D792、方法Bに従って測定した。
【0087】
従来のゲル浸透クロマトグラフィー(従来のGPC)
PolymerChar(Valencia、Spain)からのGPC-IR高温クロマトグラフィーシステムには、Precision Detectors(Amherst、MA)の2角度レーザー光散乱検出器モデル2040と、いずれもPolymerCharからのIR5赤外線検出器および4細管粘度計とが備わっていた。データ収集は、PolymerChar Instrument Controlソフトウェアおよびデータ収集インターフェースを使用して実施した。このシステムには、Agilent Technologies(カリフォルニア州サンタクララ)からのオンラインの溶媒脱ガスデバイスおよびポンプシステムが備わっていた。
【0088】
注入温度を摂氏150度に制御した。使用したカラムは、Polymer Laboratories(Shropshire、UK)からの3つの10ミクロン「Mixed-B」カラムであった。使用した溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼンであった。試料は、「50ミリリットルの溶媒中0.1グラムのポリマー」の濃度で調製した。クロマトグラフィー溶媒および試料調製溶媒はそれぞれ、「200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)」を含有した。両溶媒源を窒素スパージした。エチレン系ポリマー試料を摂氏160度で3時間静かに撹拌した。注入容量は、「200マイクロリットル」であり、流速は、「1ミリリットル/分」であった。GPCカラムセットは、21の「狭い分子量分布」ポリスチレン標準物を流すことによって較正した。標準物の分子量(MW)は、580~8,400,000g/モルの範囲であり、標準物を6つの「カクテル」混合物に含有させた。各標準混合物は、個々の分子量間で少なくとも一桁の間隔を有した。標準混合物は、Polymer Laboratoriesから購入した。ポリスチレン標準物は、1,000,000g/モル以上の分子量については、「50mLの溶媒中0.025g」、および1,000,000g/モル未満の分子量については、「50mLの溶媒中0.050g」で調製した。
【0089】
ポリスチレン標準物を、80℃で30分間、静かに撹拌しながら溶解した。分解を最小限に抑えるために、狭い標準混合物を最初に、かつ「最高分子量成分」が減少する順に流した。ポリスチレン標準物ピーク分子量を、式1(Williams and Ward,J.Sci.,Polym.Letters,6,621(1968))に記載)を使用してポリエチレン分子量に変換した。
Mポリエチレン=Ax(Mポリスチレン)B(式1)、
式中、Mは、分子量であり、Aは、0.4316に等しく、Bは、1.0に等しい。
【0090】
数平均分子量(Mn(従来のgpc))、重量平均分子量(Mw-従来のgpc)、およびz平均分子量(Mz(従来のgpc))を、以下の式2~4に従って計算した。
【数3】
【0091】
式2~4において、RVは、「1秒あたり1点」で収集されたカラム保持容積(直線的に離間される)であり、IRは、GPC計器のIR5測定チャネルからの、ボルト単位でのベースライン減算IR検出器信号であり、MPEは、f式1から決定されたポリエチレン当量MWである。データ計算は、PolymerCharからの「GPC Oneソフトウェア(バージョン2.013H)」を使用して実施した。
【0092】
実験
図1は、1つ以上のアルファオレフィンモノマーを十分な量の溶媒中で重合して、オレフィン系ポリマーを生成するための全体的な溶液重合プロセスを説明する。基本的な重合および単離装置は、供給ライン(例えば、エチレン供給、水素供給、触媒系供給、コモノマー供給(例えば、ブテン、ヘキセン、またはオクテンなどのアルケン)、反応器システム、脱揮装置システム、溶媒回収システム、精製システム、ペレット化システム、ならびにペレット乾燥および材料処理のためのシステムを含む。
【0093】
典型的には、反応器システムを出るポリマー溶液は、溶液の重量に基づいて、3~40重量パーセント、好ましくは10~30重量パーセントのポリマー含有量を有する。このような重合を使用して、平均分子量が2,000~1,000,000g/モルのポリマー、例えば実質的に線状のポリマーを生成することができる。反応システムは、断熱反応器、等温反応器、またはそれらの組み合わせを含み得る。反応器の温度は、100~300℃、さらに100~250℃、好ましくは150~220℃の範囲であり得、圧力は、350~3000psi、好ましくは700~1,000psiの範囲であり得る。ポリマー溶液は、溶液の中間加熱を伴う断熱フラッシュによって濃縮され、その結果、ペレット化、ペレットの乾燥および包装を可能にするのに残留溶媒が十分低いポリマー溶融物がもたらされる。溶媒は回収され、精製され、反応器システムに戻って再利用され、そこで新しいモノマーが注入される。
【0094】
このプロセスは、エチレンホモポリマーなどのオレフィン系ポリマー、または他のアルケンとのインターポリマー(例えば、コポリマーまたはターポリマー)、および任意選択で、ジエン(例えば、EPDMターポリマー)を作製するために使用することができる。使用される触媒は、チーグラー・ナッタ、ビスメタロセン、拘束幾何、または多価アリールオキシエーテル錯体であり得る。ExxonMobil製のISOPAR(登録商標)などの多種多様な市販溶媒を使用することができる。実際には、反応器システムを出る溶媒は、未反応のモノマー、ならびにそれらのモノマーの異性体および様々な不純物を含む。
【0095】
適切な脱揮プロセスの概略図を
図2に提示する。反応器システムを出たポリマー溶液は、第1のフラッシュユニットに入り、脱揮ステップに供される。第1のフラッシュユニットでは、ポリマー濃度は、濃縮ポリマー溶液の重量に基づいて、40~90重量%、好ましくは60~85重量%に増加する。第1のフラッシュユニットからの液体流は、最大300℃、好ましくは最大260℃に加熱することができ、真空下でフラッシュされて、より多くの溶媒を3000重量ppm未満、好ましくは500重量ppm未満まで除去する。加熱器は、第2のフラッシュユニットの外側に位置することができ、分配器は、第2フラッシュユニットの内側に位置することができ、または加熱器は、第2フラッシュユニットの内側に配置することができ、したがって加熱器は、濃縮ポリマー溶液の加熱器および得られたポリマー溶融物の分配器の両方として動作する。
【0096】
図3および
図4は、フラッシュユニットの概略図であり、各々は、加熱器および分配器を含有する。フラッシュユニットは、容器であり、上部が円筒形状で、下部が収束する円錐形区分であり得る。円筒形区分の直径は、加熱器および/または分配器の直径の2~6倍であり得る。円筒形区分の長さは、加熱器および/または分配器の長さの1~2倍であり得る。円錐形区分は、容器の円筒形部分の長さの2~5倍であり得、ギアポンプまたは押出機の開口部で終了する。容器は、大気圧以上または真空下で動作し得る。典型的には上部に配置された、ポリマー溶液の入口と、蒸気が出るための1つまたは複数の出口とが存在し、下部にポリマー溶融物の出口が存在する。容器の目的は、重合生成物から溶媒を除去することである。プロセスは、ポリマー生成物から残留溶媒を徐々に除去するために、異なる条件で動作する複数のフラッシュ容器を有することができる。適切な加熱器の例は、米国特許第5,453,158号および米国特許第8,518,212号に記載されている。
【0097】
ポリマーがフラッシュユニットの壁(図示せず)上に飛散することを防止するために、加熱器および/または分配器を取り囲む円筒形シュラウドが存在し得る。濃縮ポリマー(ポリマー濃縮)溶液は、「加熱器および/または分配器」内の中空コアに流れ込み、コアから「加熱器および/または分配器」の外壁まで水平に延在する複数のスロットを通って半径方向外側に移動することによって出る。ポリマー溶液が加熱器または分配器のスロットを通って半径方向に移動するとき、圧力がポリマー溶液の気泡点に到達するのに十分低くなると、溶媒が気化して、二相流が生じ得る。二相溶液が加熱器または分配器スロットを出ると、蒸気溶媒がポリマーから分離する。蒸気は、典型的にはフラッシュ容器の上部に配置されたベントまたは出口を通ってフラッシュ容器を出る。溶媒が蒸発すると、大部分が溶融したポリマー流が生じ、「加熱器および/または分配器」の外壁を流れ落ち、ポリマー溶融物プール内に落下し、ペレット化またはさらなる単離ユニットに排出される。溶媒蒸気および溶融ポリマーの両方は、最初に半径方向の速度で加熱器および/または分配器スロットを出る。溶媒蒸気および溶融ポリマーの両方が、加熱器または分配器スロットを出ると、加熱器および/または分配器とシュラウドとの間に作成された環状領域内に下向きに流される。より多くのポリマーおよび蒸気が加熱器および/または分配器のスロットを出ると、蒸気およびポリマーの総質量流量は増加し続け、加熱器および/または分配器の外壁に沿って下向きに進む。より多くの材料が下向きに流れると、蒸気およびポリマーの両方の速度が増加し、その結果、加熱器および/または分配器とシュラウドとの間の間隙の下部で高い蒸気速度がもたらされる。蒸気速度が高いと、溶融ポリマーが小さな液滴に分解され、フラッシュユニットの下部内に流れ落ちるのではなく、フラッシュ容器の上部から出る蒸気流とともに運ばれ得る。
図3は、このような起こり得る状況を示す。フラッシュユニットを出るポリマー液滴は、蒸気流とともに運ばれ、フラッシュユニットの下流のユニットに汚染を引き起こし得る。「加熱器および/または分配器」の外面と内面シュラウドとの間の環状領域における下向き垂直蒸気速度が低下する場合、このポリマーのキャリーオーバーが低減し得る。
【0098】
加熱器および/または分配器とシュラウドとの間の環状空間において下向き垂直蒸気速度が増加するにつれて、ポリマーフィルム上の高い蒸気速度の剪断によって生じる平均ポリマー液滴サイズは、小さくなる傾向がある。この効果は、文献で調査されており、蒸気速度と液滴サイズとの関係は無次元数の形で提供されている。ウェーバー数(We)は、表面張力に対する慣性力の相対的な効果を提供し、[1~3]で与えられる。
【数4】
、式中、ρは、蒸気の密度であり、Vは、平均垂直下向き蒸気速度であり、dは、溶融ポリマー液滴の直径であり、σは、液体溶融ポリマー液滴の表面張力である。オーネゾルゲ数Ohは、表面張力に対する粘性力の相対的な効果を与え、[1-3]で与えられる。
【数5】
、式中、μは、溶融ポリマー液滴の動的粘度であり、ρ
dは、溶融ポリマー液滴の密度である。重要なウェーバー数We
critは、所定の蒸気流における液体の最大安定液滴サイズ(d
max)に関連付けられたウェーバー数として定義される。Brodkey(1969)は、オーネゾルゲ数に対する重要なウェーバー数の変動について経験的な相関関係を提供し、これは[2]与えられる。
【数6】
式中、
【数7】
は、粘性効果がほとんどない(Oh<<1)液体および蒸気系の重要なウェーバー数であり、その値は、約13と考えられる[1、2、3]。上記式1A~3Aを使用して、加熱器または分配器の外面の上を流れるポリマーフィルム表面の上を高蒸気流がせん断するときに発生する、最大の安定的なポリマー液滴サイズ、d
maxを予測することが可能である。
【0099】
図4は、比較の「シュラウド加熱器/分配器」設計と、蒸気流による不要なポリマー液滴のキャリーオーバーを低減するために設計されたいくつかの本発明の「シュラウド加熱器/分配器」設計を示す。例の上面図と正面図が示される。影付きの領域は、加熱器または分配器を示し、それを取り囲む輪郭は、様々なシュラウドの構成の輪郭である。
図5は、
図4に示した本発明の設計の詳細を示す。
【0100】
図4の比較例では、「加熱器および/または分配器」の外面とシュラウドとの内面の間に一定の間隙(g
1)を含む円筒形のシュラウドを有する。ここで、Lは、「加熱器および/または分配器」の長さ、Dはその外径である。Dは、20~70インチ、好ましくは30~60インチの範囲であり得、Lは、6~240インチ、好ましくは30~150インチの範囲であり得る。間隙g
1は、2~40インチ、好ましくは10~30インチであり得る。シュラウドの長さ(L)は、加熱器または分配器の長さの0.8~1.5倍の範囲であり得る。
【0101】
図4の発明例1は、
図5の設計-1によって示される。この設計は、
図5に示すように、シュラウドの上部から測定され、かつ0から長さ値h
1の範囲である特定の長さh
1>について、初期間隙g
1を有し得る。長さh
1は、0~200インチ、好ましくは6~60インチの範囲であり得る。加熱器または分配器の上部から測定された長さh
1>において、シュラウドの上部の初期間隙
1および長さh
1によって画定される、垂直軸からの角度θを有する円錐形部分が始まる。角度θは、5~25度、好ましくは10~15度の範囲であり得る。ゆえに、「加熱器および/または分配器」の外面とシュラウドの内面との間の間隙gは可変であり、式4Aによって定義される。
【数8】
式中、Dは、構成要素Aの直径であり、yは、構成要素Aの上部から、間隙の幅が測定される構成要素Aに沿った点までの垂直距離であり、qは、単位時間当たりの単位面積当たりの蒸発溶媒の体積流量であり、V
vdは、構成要素Bと構成要素Aとの間の間隙領域での所望の最大下向き平均速度であり、その点yにおける溶媒の総体積流量を構成要素AとBの間の環状断面積で割った比率として定義される。V
vdは、1~30m/s、好ましくは2~15m/sの値の範囲であり得る。シュラウドの設計は、yの値に応じて、式5Aおよび5Bによって決まる。
【数9】
【0102】
発明例1の変形例では、円錐形区分の下部に円筒形区分が存在し得る。下部の円筒形区分の長さh
3は、長さ0~100インチ、さらに長さ1~50インチ、および好ましくは長さ2~40インチであり得る。典型的には、下部の円筒形区分h
3は、構成要素Aの長さを超えて延在し得る。下部の円筒形区分には、式5Cが適用される。
【数10】
【0103】
図4の発明例2および4は、
図5の設計-2の変形例である。これらの場合、シュラウドは、一定の間隙g
3を含むほぼ円筒形であり、g
3は、2~40インチ、好ましくは12~20インチの範囲であり得る。上部から測定された、シュラウドの上部近くおよび下部近くの両方のシュラウドの連続部分が存在し得る。部分的またはセグメント化されたシュラウドを作成する、シュラウドの表面の周りにn個の開口部またはスリットが存在し、各開口部は、シュラウドの上部から測定された長さαで始まり、シュラウドの下部から測定された距離βで終了し、αおよびβは、0~60インチ、好ましくは3~40インチの範囲であり得る。各開口部のセグメントは、設計の上部の断面図から観察したときに、角度λを形成するようになっており、λは、10~45度、好ましくは15~30度の範囲であり得る。
【0104】
図4の発明例3は、
図5の設計3によって説明され、これは、発明例2の変形例であり、セグメント化されたシュラウドの追加の層が存在し、これは、発明例2および4のセグメント化されたシュラウドよりも直径が大きい。最も内側の部分的なシュラウドの外径と外側のセグメント化されたシュラウドの内径との間の間隙g
4は、2~30インチの範囲である。外側シュラウドは、外側シュラウドの各セグメントが最も内側の部分的な円筒形シュラウドからの開口部を覆うように載置されるようにセグメントを作成し、各サイズは、設計の上部断面から観察したときに角度γを形成するセグメントによって画定され、γは、10~60度、好ましくは15~40度の範囲であり得る。
【0105】
発明例2~4のシュラウド設計は、加熱器および/または分配器の上部から測定された、位置yに応じて、式6A~6Cを満たすようになっている。
【数11】
【0106】
図4および5に示す例では、「加熱器および/または分配器」は、30インチの直径Dおよび65インチの高さLを有する。この例で使用される「加熱器および/または分配器」は、9.44m
3/時間のポリマー流量、および14130m
3/時間の溶媒蒸気流量を受容する。ポリマー流量は、ペレット重量の測定または全体的な質量平衡のいずれかから、プラントでの生産速度によって決定することができる。溶媒蒸気流量は、フラッシュユニットを離れるすべての蒸気流を合計し、様々な流れに配置される流量測定を使用して決定することができる。
【0107】
図4および
図5に示す例では、溶融ポリマーの密度は、742kg/m
3であるとみなされ、蒸気密度は、0.085kg/m
3であるとみなされる。ポリマー溶融物密度は、ASTMD1238法を使用して測定され得る。この方法は、典型的には、0.7634g/cm
3の190℃のポリエチレン材料の溶解物密度を提供する。溶媒蒸気密度は、蒸気流の温度および圧力が与えられた場合に、AspenTechソフトウェアプログラム[4]に実装されたPC-SAFTなどのプロセス条件での状態式を使用して推定され得る。これらの例では、蒸気密度は、210℃および30mバールの絶対圧力で推定された。非常に低いせん断速度(1・10
-4-1・10
2秒
-1)で測定されたこれらの条件での溶融ポリマーの粘度は、750Pa・sと推定され、溶融ポリマーの表面張力は、0.03Nmで推定された。加熱器および/または分配器のスロットを半径方向に出る蒸気の平均速度qは、5.2m/sである。V
vdは、5m/sになるように選択されている。
【0108】
図4に提示した比較例および発明例の各々について、スロットからの半径方向の蒸気速度および最大下向き蒸気速度の計算の詳細について以下に説明する。
参考文献
1.Lefebvre,A.H.;Atomization and Sprays,Taylor & Francis,(1989).
2.Brodkey,R.S.;The Phenomena of Fluid Motions.Addison-Wesley,Reading,Mass.(1969).
3.Pilch,M.;Erdman C.A.;Use of break-up time data and velocity history data to predict the maximum size of stable fragments for acceleration-induced break-up of a liquid drop.Int.J.Multiphase Flow.13(6)741-757 (1987).
4.ASPENTECH Software,Version 8.6,2017.
5.Rosin,P.;Rammler,E.(1933),“The Laws Governing the Fineness of Powdered Coal”,Journal of the Institute of Fuel,7:29-36.
【0109】
異なるシュラウド設計の速度決定のさらなる再考察
以下の各devo設計では、同じ加熱器および/または分配器ユニット(構成要素A)を使用したことに留意されたい。加えて、前述の間隙幅wは、発明例1(
図6)ではg
1およびg
2、ならびに発明例2、3、および4ではg
3のいずれかと呼ばれる。V
vdは、加熱器および/または分配器のスロットからの平均蒸気速度に等しく設定される。構成要素Aの外径=30インチ(0.76メートル)。構成要素Aの長さ=65インチ(1.65メートル)。
【0110】
構成要素Aには、2000個のスロットがあり、各スロット開口部の面積=3.76×10-4m2であり、すべてのスロット開口部の総面積=0.753m2である。構成要素Aの開口部の数に各開口部の断面積を乗じたもの=0.753m2である。
【0111】
脱揮装置の温度および圧力での、構成要素Aの出口での総溶媒蒸気流量は、総ポリマー生成速度に基づく。ポリマー生産速度=7000kg/時間であり、溶媒(ISOPAR(登録商標)E)流量=1200kg/時間、デボの温度=210℃、デボの圧力=30mバールである。温度および圧力は、平衡化された温度および圧力を表す。溶媒の体積流量=3.92m3/秒である。単離されたポリマーの体積流量=0.0027m3/秒である。
【0112】
溶媒の密度(kg/m3)とは、検量線を作成し、溶媒密度対温度および設定圧力、例えば、ASTM D 1657を測定し、対象の温度での密度を決定する。
【0113】
脱揮装置の圧力および温度での構成要素Aの出口での総溶媒蒸気流量=溶媒の体積流量=脱揮装置の圧力および温度での(質量流量)/(溶媒の密度)である。
【0114】
「脱揮装置の温度および圧力での総溶媒蒸気」の、「構成要素Aの開口部の数に、構成要素Aを出る各開口部の半径方向平均速度の断面積を乗じたもの」に対する比率として定義される、構成要素Aを出る半径方向平均速度=(3.92m3/秒)/(0.753m2)=5.2m/秒である。
【0115】
各デボ設計の「平均垂直下向き速度対y値」のプロットについて、
図7を参照されたい。
図7は、構成要素Aを出る半径方向平均速度の一定の線を含有する。発明例2および発明例3の速度(V(m/s))の結果は一致するため、
図7では互いに区別しないことに留意されたい。
【0116】
1)
図4、発明例1
構成要素Aは、構成要素Aの長さに沿った各距離において、0.76m以上の直径を有する。外側容器は、1.8m以上の直径、D
タンクを有する。
【0117】
間隙g内において、g2≧g≧g1により、平均垂直下向き速度は、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義され、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定され、ここで、構成要素Aの外面の上部からの垂直距離yは、y=0.80mである。
【0118】
構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離、y=0.80mで測定される、「総溶媒蒸気流量は、
【数12】
。
q=(溶媒の体積流量)/(構成要素Aの単位表面積)であり、構成要素Aの表面積、面積、=πD*Lであり、D=構成要素Aの外径である。所望の平均垂直速度、V
vdは、構成要素Aを出る半径方向平均速度=(3.92m
3/秒)/(0.753m
2)=5.2m/秒に等しく設定される。ここで、D=0.762mである。ここで、L=構成要素Aの長さであり、ここで、L=1.65mである。面積=3.95m
2である。溶媒の体積流量=3.92m
3/秒である。q=(3.92m
3/秒)/(3.95m
2)=0.99m/秒である。h
1=構成要素Bの上面から測定された、構成要素Bの連続した長さであり、この長さは、このような長さに沿って垂直軸から偏位しない。ここで、h
1=0である。ここで、h
2=Lおよびh
3=0である。g
1=構成要素Aの外面から構成要素Bの内面までの最小距離であり、この距離は、構成要素Bの溶接線に配置される。ここで、g
1=0.0504mである。θ=は、構成要素Bの上面から測定された、構成要素Bの連続した長さからの偏角であり、この長さは、このような長さに沿って垂直軸から偏位せず、θは、構成要素Aから離れた垂直軸から測定される。θ=10度である。
【0119】
構成要素Aの外面の上部からの所定の垂直距離yから下向きに流れる溶媒蒸気の総量(距離yでの総下向き溶媒蒸気)は、a)間隙内での、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義される平均垂直下向き速度を有し、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定される。
【0120】
平均垂直下向き速度=「流れに利用可能な断面積」に対する「総溶媒蒸気流量である。
「流れに利用可能な断面積」に対する「総溶媒蒸気流量」=
【数13】
=3.44m/秒である。
【0121】
平均垂直下向き速度≦構成要素Aを出る半径方向平均速度である。y=0.80mの場合、3.44m/秒≦5.2m/秒である。
【0122】
2)
図4、発明例2
構成要素Aは、構成要素Aの長さに沿った各距離において、0.76m以上の直径を有する。外側容器は、1.0m以上の直径、D
タンクを有する。
【0123】
間隙内での、平均垂直下向き速度は、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義され、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定される。
【0124】
構成要素Aの外面の上部からの垂直距離yは、y=0.80mである。
総溶媒蒸気流量」は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離、y=0.80mで測定される。
【数14】
所望の平均垂直速度、V
vdは、構成要素Aを出る半径方向平均速度=(3.92m
3/秒)/(0.753m
2)=5.2m/秒に等しく設定される。q=(溶媒の体積流量)/(構成要素Aの単位表面積)である。構成要素Aの表面積、面積=πD*Lである。
D=構成要素Aの外径である。ここで、D=0.762mである。ここで、L=構成要素Aの長さである。ここで、L=1.65mである。面積=3.95m
2である。溶媒の体積流量=3.92m
3/秒である。q=(3.92m
3/秒)/(3.95m
2)=0.99m/秒である。
αは、構成要素Bの上部から測定された、構成要素Bの連続した半径方向区分の連続した長さである。ここでα=0である。
βは、構成要素Bの下部から測定された、構成要素Bの連続した半径方向区分の連続した長さである。ここでβ=0である。
nは、構成要素Bの半径方向軸に沿ったスリット(不連続区分)の数であり、各スリットは、半径方向に同じ幅を有する。ここで、n=4である。
λは、構成要素Aの中心を起点とし、同じ平面にあり、構成要素Bのスリットの幅の各それぞれの縁で終端となる2つのベクトルによって形成される角度であり、平面は、構成要素Aの垂直軸に対して直角である。ここで、λ=4度である。
g
3=構成要素Aの外面から構成要素Bの内面までの半径方向距離である。ここで、g
3=2インチ=構成要素Aの外面の上部からの所定の垂直距離yから下向きの総溶媒蒸気流量(距離yでの総下向き溶媒蒸気)は、a)間隙内での、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義される平均垂直下向き速度を有し、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定される。
【0125】
「流れに利用可能な断面積」に対する「総溶媒蒸気流量」=
【数15】
=2.59m/sである。
平均垂直下向き速度は、構成要素Aを出る半径方向平均速度以下である。y=0.80mの場合、2.59m/秒≦5.2m/秒である。
【0126】
3)
図4、発明例3
構成要素Aは、構成要素Aの長さに沿った各距離において、0.76m以上の直径を有する。外側容器は、1.5m以上の直径、D
タンクを有する。
【0127】
間隙内での、平均垂直下向き速度は、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義され、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定される。
【0128】
構成要素Aの外面の上部からの垂直距離yは、y=0.80mである。
構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離y=0.80mで測定された、総溶媒蒸気流量」である。
【数16】
V
vdは、構成要素Aを出る半径方向平均速度=(3.92m
3/秒)/(0.753m
2)=5.2m/秒に等しく設定される。
q=(溶媒の体積流量)/(構成要素Aの単位表面積)である。
構成要素Aの表面積、面積=πD*Lである。
D=構成要素Aの外径である。ここで、D=0.762mである。
L=構成要素Aの長さである。ここで、L=1.65m、面積=3.95m
2である。
溶媒の体積流量=3.92m
3/秒である。
q=(3.92m
3/秒)/(3.95m
2)=0.99m/秒である。
αは、構成要素Bの上部から測定された、構成要素Bの連続した円筒形区分の連続した長さである。ここでα=0である。
βは、構成要素Bの下部から測定された、構成要素Bの連続した円筒形区分の連続した長さである。ここでβ=0である。
nは、構成要素Bの半径方向軸に沿ったスリット(不連続区分)の数であり、各スリットは、半径方向に同じ幅を有する。ここで、n=4である。
λは、構成要素Aの中心を起点とし、同じ平面にあり、構成要素Bのスリットの幅の各それぞれの縁で終端となる2つのベクトルによって形成される角度であり、平面は、構成要素Aの垂直軸に対して直角である。ここで、λ=4度である。
γは、構成要素Aの中心を起点とし、構成要素Aの垂直軸に直角である同じ平面にあり、構成要素Bからの間隙
3に載置されたカバーシートの各それぞれの縁で終端となる2つのベクトルによって形成される角度である。
γ=6度である。
g
3=構成要素Aの外面から構成要素Bの内面までの半径方向距離である。
g
4=構成要素Bの外面から構成要素Bのスリットを塞ぐように載置されたカバーシートの内面までの半径方向距離である。
ここで、g
3=2インチであり、g
4=3インチである。
【0129】
構成要素Aの外面の上部からの所定の垂直距離yから下向きの総溶媒蒸気流量(距離yでの総下向き溶媒蒸気流量)は、a)間隙内での、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義される平均垂直下向き速度を有し、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定される。
【0130】
「流れに利用可能な断面積」に対する「総溶媒蒸気流量」=
【数17】
=2.59m/sである。
平均垂直下向き速度≦構成要素Aを出る半径方向平均速度である。y=0.80mの場合、2.59m/秒≦5.2m/秒である。
【0131】
4)
図4、発明例4
構成要素Aは、構成要素Aの長さに沿った各距離において、0.76m以上の直径を有する。外側容器は、1.2m以上の直径、D
タンクを有する。
【0132】
間隙内での、平均垂直下向き速度は、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義され、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定され、構成要素Aの外面の上部からの垂直距離yは、y=0.80mである。
【0133】
構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離y=0.80mで測定された、総溶媒蒸気流量」。
【数18】
V
vdは、構成要素Aを出る半径方向平均速度=(3.92m
3/秒)/(0.753m
2)=5.2m/秒に等しく設定される。
q=(溶媒の体積流量)/(構成要素Aの単位表面積)である。
構成要素Aの表面積、面積=πD*Lである。
D=構成要素Aの外径である。ここで、D=0.762mである。
ここで、L=構成要素Aの長さである。ここで、L=1.65mである。
面積=3.95m
2である。
溶媒の体積流量=3.92m
3/秒である。
q=3.92m
3/秒)/(3.95m
2)=0.99m/秒である。
αは、構成要素Bの上部から測定された、構成要素Bの連続した半径方向区分の連続した長さである。ここでα=18インチ=0.457mである。
βは、構成要素Bの下部から測定された、構成要素Bの連続した半径方向区分の連続した長さである。ここでβ=0である。
nは、構成要素Bの半径方向軸に沿ったスリット(不連続区分)の数であり、各スリットは、半径方向に同じ幅を有する。ここで、n=4である。
λは、構成要素Aの中心を起点とし、同じ平面にあり、構成要素Bのスリットの幅の各それぞれの縁で終端となる2つのベクトルによって形成される角度であり、平面は、構成要素Aの垂直軸に対して直角である。ここで、λ=4度である。
g
3=構成要素Aの外面から構成要素Bの内面までの半径距離である。ここで、g
3=3.25インチ=0.0825mである。
【0134】
構成要素Aの外面の上部からの所定の垂直距離yから下向きの総溶媒蒸気流量(距離yでの総下向き溶媒蒸気流量)は、a)間隙内での、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義される平均垂直下向き速度を有し、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定される。
【0135】
「流れに利用可能な断面積」に対する「総溶媒蒸気流量」=
【数19】
=3.80m/sである。
平均垂直下向き速度≦構成要素Aを出る半径方向平均速度である。y=0.80mの場合、3.80m/秒<5.2m/秒である。
【0136】
5)
図4、比較例
構成要素Aは、構成要素Aの長さに沿った各距離において、0.76m以上の直径を有する。外側容器は、1.0m以上の直径、D
タンクを有する。
a)間隙内での、平均垂直下向き速度は、「総溶媒蒸気流量」と「流れに利用可能な断面積」の比率として定義され、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定される。
【0137】
構成要素Aの外面の上部からの垂直距離yは、y=0.80mである。
【0138】
構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離y=0.80mで測定された、総溶媒蒸気流量」。
【数20】
V
vdは、構成要素Aを出る半径方向平均速度=(3.92m
3/秒)/(0.753m
2)=5.2m/秒に等しく設定される。
q=(溶媒の体積流量)/(構成要素Aの単位表面積)である。
構成要素Aの表面積、面積=πD*Lである。
D=構成要素Aの外径である。ここで、D=0.762mである。
L=構成要素Aの長さである。ここで、L=1.65mである。面積=3.95m
2である。
溶媒の体積流量=3.92m
3/秒である。
q=3.92m
3/秒)/(3.95m
2)=0.99m/秒である。
g
3=構成要素Aの外面から構成要素Bの内面までの半径方向距離である。ここで、g
3=2インチ=0.051mである。
【0139】
構成要素Aの外面の上部からの所定の垂直距離yから下向きの総溶媒蒸気流量(距離yでの総下向き溶媒蒸気流量)は、a)間隙内での、「総溶媒蒸気流量」の「流れに利用可能な断面積」に対する比率として定義される平均垂直下向き速度を有し、「総溶媒蒸気流量」および「流れに利用可能な断面積」の各々は、構成要素Aの外面の上部からの同じ垂直距離yで測定される。
【0140】
「流れに利用可能な断面積」に対する「総溶媒蒸気流量」=
【数21】
=14.8m/sである。
平均垂直下向き速度≧構成要素Aを出る半径方向平均速度である。y=0.80mの場合、14.8m/秒>5.2m/秒である。