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特許7404341外科用ステープラのアンビル用の強化された変形可能なアンビル先端部
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】外科用ステープラのアンビル用の強化された変形可能なアンビル先端部
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021509738
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 IB2019056873
(87)【国際公開番号】W WO2020039305
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】16/105,183
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】アロンホルト・テイラー・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・ザ・サード・チェスター・オー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-072791(JP,A)
【文献】国際公開第2017/083129(WO,A1)
【文献】特開2012-148083(JP,A)
【文献】特開2015-144807(JP,A)
【文献】特表2016-508419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068 - 17/072
17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラ用のアンビルであって、
第1の材料から作製され、アンビル軸線を画定している、アンビル本体と、
前記第1の材料とは異なる第2の材料から作製された先端部材と、を備え、
前記先端部材は、
前記アンビル本体の遠位端の開口部内に受容されるように構成された第1の可撓性取り付け部分、及び
前記第1の可撓性取り付け部分からある角度で突出し、可撓性を有する遠位部分、
を備え、
前記アンビルは、前記第1の可撓性取り付け部分と非破壊的に取り外すことができないように係合し、前記第1の可撓性取り付け部分が変形するように前記第1の可撓性取り付け部分を付勢して、前記第1の可撓性取り付け部分を前記アンビル本体の前記遠位端の対応する部分と保持係合させるように構成された、第2の取り付け部材を更に備える、アンビル。
【請求項2】
前記第1の可撓性取り付け部分が、前記第2の取り付け部材を、前記アンビル軸線を横断している挿入方向で中に受容するための、前記第1の可撓性取り付け部分を貫通するスロット型開口部を備える、請求項1に記載のアンビル。
【請求項3】
前記第2の取り付け部材における、前記第1の可撓性取り付け部分との係合部が、変形が可能な材料から作製される、請求項1に記載のアンビル。
【請求項4】
前記第1の材料が金属を含み、
前記第2の材料がプラスチック材料を含む、
請求項1に記載のアンビル。
【請求項5】
前記金属がチタンを含み、前記第2の材料が熱硬化性プラスチックを含む、請求項に記載のアンビル。
【請求項6】
前記アンビル本体が、
細長いスロットと、
ステープル成形下面と、
を更に備え、
前記アンビルが、前記アンビル本体に取り付けられて、前記細長いスロットの上端部の少なくとも一部分を覆い、かつ前記第1の可撓性取り付け部分を前記アンビル本体の前記遠位端の前記開口部内に保持するように構成された、アンビルキャップを備える、
請求項1に記載のアンビル。
【請求項7】
前記アンビルキャップが、前記第1の材料から作製され、前記アンビル本体に溶接されるように構成されている、請求項に記載のアンビル。
【請求項8】
前記先端部材が前記アンビル本体の前記遠位端に取り付けられ、前記先端部材の前記遠位部分が、前記ステープル成形下面の下方まで延在する、請求項に記載のアンビル。
【請求項9】
前記第2の取り付け部材が、上に組織把持機能部を備える、請求項2に記載のアンビル。
【請求項10】
前記第2の取り付け部材が、
本体部分と、
前記本体部分から横方向に延在し、上に前記組織把持機能部を備える横断部分と、
前記本体部分上の変形が可能な保持機能部と
を備え
前記保持機能部が、前記第1の可撓性取り付け部分の前記スロット型開口部に挿入されて、前記スロット型開口部と係合することで、前記第2の取り付け部材が前記第1の可撓性取り付け部分に保持されるようになっている、請求項に記載のアンビル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、また、様々な状況において組織をステープル留めし、切断するために設計された、外科用ステープル留め器具及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
図1】電動外科用ステープル留めシステムの斜視図である。
図2図1の電動外科用ステープル留めシステムの交換式外科用シャフトアセンブリの斜視図である。
図3図1の電動外科用ステープル留めシステムのハンドルアセンブリの一部分の分解組立図である。
図4図2の交換式外科用シャフトアセンブリの分解組立図である。
図5図4の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分の別の分解組立図である。
図6図2の交換式外科用シャフトアセンブリのエンドエフェクタ部分をその顎部が開放位置にある状態で示す、部分斜視図である。
図7図6のエンドエフェクタ及び交換式シャフトアセンブリの一部分の別の斜視図である。
図8】遠位閉鎖部材の一実施形態の斜視図である。
図9図8の遠位閉鎖部材の端面図である。
図10図7のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが完全開放位置にある状態で示す、側面図である。
図11図10の線11-11に沿って切り取った図10のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
図12図11のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をアンビルと閉鎖部材とが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
図13図12の線13-13に沿って切り取った図12のアンビル及び閉鎖部材の断面図である。
図14図13のエンドエフェクタ及び交換式外科用ツールアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが「過剰閉鎖」位置にある状態で示す、側面図である。
図15図14の線15-15に沿って切り取った図14のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
図16】別のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をそのアンビルが開放位置にある状態で示す、斜視図である。
図17図16のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分を、アンビル及びその閉鎖部材が完全開放位置にある状態で示す側面図である。
図18図17の線18-18に沿って切り取った図17のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
図19図17のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
図20図19の線20-20に沿って切り取った図19のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
図21図19のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが過剰閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
図22図21の線22-22に沿って切り取った図21のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
図23】遠位閉鎖部材の別の一実施形態の端面図である。
図24】別のエンドエフェクタ及び別の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが開放位置にある状態で示す、側面図である。
図25図24の線25-25に沿って切り取った図24のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
図26図24のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリをその閉鎖部材とアンビルとが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
図27図26の線27-27に沿って切り取った図26のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
図28図24のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリをその閉鎖部材とアンビルとが過剰閉鎖位置にある状態で示す側面図である。
図29図28の線29-29に沿って切り取った図28のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
図30】閉鎖部材の別の一実施形態の、端面図である。
図31】別のエンドエフェクタ及び別の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
図32図31のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリをその閉鎖部材とアンビルとが「過剰閉鎖」位置にある状態で示す、別の側面図である。
図33図31のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の一部をアンビルが閉鎖位置にある状態で示す、拡大側面図である。
図34図32のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の一部をアンビルが過剰閉鎖位置にある状態で示す、別の拡大側面図である。
図35】別のエンドエフェクタ及び別の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
図36図35のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の一部をアンビルが閉鎖位置にある状態で示す、拡大側面図である。
図37図35のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリをその閉鎖部材とアンビルとが過剰閉鎖位置にある状態で示す、別の側面図である。
図38図37のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の一部をアンビルが過剰閉鎖位置にある状態で示す、別の拡大側面図である。
図39】外科用ステープルが可撓性を有する列を形成するように構成された、従来の外科用ステープルカートリッジの斜視図である。
図40図39の外科用ステープルカートリッジによって組織に形成される外科用ステープルの列を示す上面図である。
図41】従来の外科用ステープルの一実施形態の側面図である。
図42】従来の外科用ステープルの別の一実施形態の側面図である。
図43】アンビルの一部分及びアンビル先端部の構成を示す分解組立図である。
図44図43のアンビル及びアンビル先端部の側面図である。
図45図90及び図91のアンビル及びアンビル先端部の上面図である。
図46】別のアンビルの一部分及びアンビル先端部の構成を示す分解組立図である。
図47図46のアンビルの一部分及びアンビル先端部の構成の底面斜視図である。
図48】二点鎖線で示されるアンビル先端部構成を有する別のアンビルの一部分の斜視図である。
図49図48のアンビルに成形されたアンビル先端部の構成を有するアンビルの別の斜視図である。
図50】別のアンビルの一部分及びアンビル先端部構成の一部の分解組立図である。
図51】アンビル先端部が取り付けられた図50のアンビルの斜視図である。
【0003】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第__________号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」(代理人整理番号第END8577USNP/180088M号)、
-米国特許出願第______________号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS WITH STAPLE DIRECTING PROTRUSIONS AND TISSUE STABILITY FEATURES」(代理人整理番号第END8579USNP/180089号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「FABRICATING TECHNIQUES FOR SURGICAL STAPLER ANVILS」(代理人整理番号第END8580USNP/180090号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED CLOSURE MEMBERS」(代理人整理番号第END8581USNP/180091号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS WITH TISSUE STOP FEATURES CONFIGURED TO AVOID TISSUE PINCH」(代理人整理番号第END8582USNP/180092号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT」(代理人整理番号第END8583USNP/180093M号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH PROGRESSIVE JAW CLOSURE ARRANGEMENTS」(代理人整理番号第END8584USNP/180094)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS TO CONVERT LINEAR DRIVE MOTIONS TO ROTARY DRIVE MOTIONS」(代理人整理番号第END8585USNP/180095)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLUTCHING AND LOCKING ARRANGEMENTS FOR LINKING AN ARTICULATION DRIVE SYSTEM TO A FIRING DRIVE SYSTEM」(代理人整理番号第END8586USNP/180096)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「ARTICULATABLE MOTOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH DEDICATED ARTICULATION MOTOR ARRANGEMENTS」(代理人整理番号第END8587USNP/180097)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SWITCHING ARRANGEMENTS FOR MOTOR POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(代理人整理番号第END8588USNP/180098)、及び
-米国意匠特許第__________号、意匠の関連する物品の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS」(代理人整理番号第END8581USDP/180099D)。
【0005】
本願の出願人は、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる、以下の米国特許出願及び米国特許を所有している。
-米国特許出願第15/386,185号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES THEREOF」(米国特許出願公開第2018/0168642号)、
-米国特許出願第15/386,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168649号)、
-米国特許出願第15/386,221号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS」(米国特許出願公開第2018/01686号)、
-米国特許出願第15/386,209号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND FIRING MEMBERS THEREOF」(米国特許出願公開第2018/0168645号)、
-米国特許出願第15/386,198号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES」(米国特許出願公開第2018/0168644号)、
-米国特許出願第15/386,240号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND ADAPTABLE FIRING MEMBERS THEREFOR」(米国特許出願公開第2018/0168651号)、
-米国特許出願第15/385,939号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168629号)、
-米国特許出願第15/385,941号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS FOR SHIFTING BETWEEN CLOSURE SYSTEMS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES AND ARTICULATION AND FIRING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168630号)、
-米国特許出願第15/385,943号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(米国特許出願公開第2018/0168631号)、
-米国特許出願第15/385,950号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168635号)、
-米国特許出願第15/385,945号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168632号)、
-米国特許出願第15/385,946号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(米国特許出願公開第2018/0168633号)、
-米国特許出願第15/385,951号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH JAW OPENING FEATURES FOR INCREASING A JAW OPENING DISTANCE」(米国特許出願公開第2018/0168636号)、
-米国特許出願第15/385,953号、発明の名称「METHODS OF STAPLING TISSUE」(米国特許出願公開第2018/0168637号)、
-米国特許出願第15/385,954号、発明の名称「FIRING MEMBERS WITH NON-PARALLEL JAW ENGAGEMENT FEATURES FOR SURGICAL END EFFECTORS」(米国特許出願公開第2018/0168638号)、
-米国特許出願第15/385,955号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH EXPANDABLE TISSUE STOP ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168639号)、
-米国特許出願第15/385,948号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(米国特許出願公開第2018/0168584号)、
-米国特許出願第15/385,956号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168640号)、
-米国特許出願第15/385,958号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR PREVENTING FIRING SYSTEM ACTUATION UNLESS AN UNSPENT STAPLE CARTRIDGE IS PRESENT」(米国特許出願公開第2018/0168641号)、
-米国特許出願第15/385,947号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168634号)、
-米国特許出願第15/385,896号、発明の名称「METHOD FOR RESETTING A FUSE OF A SURGICAL INSTRUMENT SHAFT」(米国特許出願公開第2018/0168597号)、
-米国特許出願第15/385,898号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENT TO ACCOMMODATE DIFFERENT TYPES OF STAPLES」(米国特許出願公開第2018/0168599号)、
-米国特許出願第15/385,899号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING IMPROVED JAW CONTROL」(米国特許出願公開第2018/0168600号)、
-米国特許出願第15/385,901号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE AND STAPLE CARTRIDGE CHANNEL COMPRISING WINDOWS DEFINED THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168602号)、
-米国特許出願第15/385,902号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CUTTING MEMBER」(米国特許出願公開第2018/0168603号)、
-米国特許出願第15/385,904号、発明の名称「STAPLE FIRING MEMBER COMPRISING A MISSING CARTRIDGE AND/OR SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(米国特許出願公開第2018/0168605号)、
-米国特許出願第15/385,905号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」(米国特許出願公開第2018/0168606号)、
-米国特許出願第15/385,907号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN END EFFECTOR LOCKOUT AND A FIRING ASSEMBLY LOCKOUT」(米国特許出願公開第2018/0168608号)、
-米国特許出願第15/385,908号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A FUSE」(米国特許出願公開第2018/0168609号)、
-米国特許出願第15/385,909号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A MULTIPLE FAILED-STATE FUSE」(米国特許出願公開第2018/0168610号)、
-米国特許出願第15/385,920号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168620号)、
-米国特許出願第15/385,913号、発明の名称「ANVIL ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(米国特許出願公開第2018/0168614号)、
-米国特許出願第15/385,914号、発明の名称「METHOD OF DEFORMING STAPLES FROM TWO DIFFERENT TYPES OF STAPLE CARTRIDGES WITH THE SAME SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2018/0168615号)、
-米国特許出願第15/385,893号、発明の名称「BILATERALLY ASYMMETRIC STAPLE-FORMING POCKET PAIRS」(米国特許出願公開第2018/0168594号)、
-米国特許出願第15/385,929号、発明の名称「CLOSURE MEMBERS WITH CAM SURFACE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARATE AND DISTINCT CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168626号)、
-米国特許出願第15/385,911号、発明の名称「SURGICAL STAPLERS WITH INDEPENDENTLY ACTUATABLE CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168612号)、
-米国特許出願第15/385,927号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SMART STAPLE CARTRIDGES」(米国特許出願公開第2018/0168625号)、
-米国特許出願第15/385,917号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES WITH DIFFERENT CLAMPING BREADTHS」(米国特許出願公開第2018/0168617号)、
-米国特許出願第15/385,900号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING PRIMARY SIDEWALLS AND POCKET SIDEWALLS」(米国特許出願公開第2018/0168601号)、
-米国特許出願第15/385,931号、発明の名称「NO-CARTRIDGE AND SPENT CARTRIDGE LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(米国特許出願公開第2018/0168627号)、
-米国特許出願第15/385,915号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN ANGLE」(米国特許出願公開第2018/0168616号)、
-米国特許出願第15/385,897号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING ZONED FORMING SURFACE GROOVES」(米国特許出願公開第2018/0168598号)、
-米国特許出願第15/385,922号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FAILURE RESPONSE MODES」(米国特許出願公開第2018/0168622号)、
-米国特許出願第15/385,924号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH PRIMARY AND SAFETY PROCESSORS」(米国特許出願公開第2018/0168624号)、
-米国特許出願第15/385,910号、発明の名称「ANVIL HAVING A KNIFE SLOT WIDTH」(米国特許出願公開第2018/0168611号)、
-米国特許出願第15/385,903号、発明の名称「CLOSURE MEMBER ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168604号)、
-米国特許出願第15/385,906号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN CONFIGURATIONS」(米国特許出願公開第2018/0168607号)、
-米国特許出願第15/386,188号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH ASYMMETRICAL STAPLES」(米国特許出願公開第2018/0168585号)、
-米国特許出願第15/386,192号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH TISSUE RETENTION AND GAP SETTING FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168643号)、
-米国特許出願第15/386,206号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE WITH DEFORMABLE DRIVER RETENTION FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168586号)、
-米国特許出願第15/386,226号、発明の名称「DURABILITY FEATURES FOR END EFFECTORS AND FIRING ASSEMBLIES OF SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168648号)、
-米国特許出願第15/386,222号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS HAVING END EFFECTORS WITH POSITIVE OPENING FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168647号)、
-米国特許出願第15/386,236号、発明の名称「CONNECTION PORTIONS FOR DEPOSABLE LOADING UNITS FOR SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168650号)、
-米国特許出願第15/385,887号、発明の名称「METHOD FOR ATTACHING A SHAFT ASSEMBLY TO A SURGICAL INSTRUMENT AND,ALTERNATIVELY,TO A SURGICAL ROBOT」(米国特許出願公開第2018/0168589号)、
-米国特許出願第15/385,889号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A MANUALLY-OPERABLE RETRACTION SYSTEM FOR USE WITH A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」(米国特許出願公開第2018/0168590号)、
-米国特許出願第15/385,890号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING SEPARATELY ACTUATABLE AND RETRACTABLE SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168591号)、
-米国特許出願第15/385,891号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A CLUTCH CONFIGURED TO ADAPT THE OUTPUT OF A ROTARY FIRING MEMBER TO TWO DIFFERENT SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168592号)、
-米国特許出願第15/385,892号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A FIRING MEMBER ROTATABLE INTO AN ARTICULATION STATE TO ARTICULATE AN END EFFECTOR OF THE SURGICAL SYSTEM」(米国特許出願公開第2018/0168593号)、
-米国特許出願第15/385,894号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」(米国特許出願公開第2018/0168595号)、
-米国特許出願第15/385,895号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING FIRST AND SECOND ARTICULATION LOCKOUTS」(米国特許出願公開第2018/0168596号)、
-米国特許出願第15/385,916号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168575号)、
-米国特許出願第15/385,918号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168618号)、
-米国特許出願第15/385,919号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168619号)、
-米国特許出願第15/385,921号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH MOVABLE CAMMING MEMBER CONFIGURED TO DISENGAGE FIRING MEMBER LOCKOUT FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168621号)、
-米国特許出願第15/385,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168623号)、
-米国特許出願第15/385,925号、発明の名称「JAW ACTUATED LOCK ARRANGEMENTS FOR PREVENTING ADVANCEMENT OF A FIRING MEMBER IN A SURGICAL END EFFECTOR UNLESS AN UNFIRED CARTRIDGE IS INSTALLED IN THE END EFFECTOR」(米国特許出願公開第2018/0168576号)、
-米国特許出願第15/385,926号、発明の名称「AXIALLY MOVABLE CLOSURE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR APPLYING CLOSURE MOTIONS TO JAWS OF SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168577号)、
-米国特許出願第15/385,928号、発明の名称「PROTECTIVE COVER ARRANGEMENTS FOR A JOINT INTERFACE BETWEEN A MOVABLE JAW AND ACTUATOR SHAFT OF A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2018/0168578号)、
-米国特許出願第15/385,930号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTOR WITH TWO SEPARATE COOPERATING OPENING FEATURES FOR OPENING AND CLOSING END EFFECTOR JAWS」(米国特許出願公開第2018/0168579号)、
-米国特許出願第15/385,932号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTOR WITH ASYMMETRIC SHAFT ARRANGEMENT」(米国特許出願公開第2018/0168628号)、
-米国特許出願第15/385,933号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT WITH INDEPENDENT PIVOTABLE LINKAGE DISTAL OF AN ARTICULATION LOCK」(米国特許出願公開第2018/0168580号)、
-米国特許出願第15/385,934号、発明の名称「ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR IN AN ARTICULATED POSITION IN RESPONSE TO ACTUATION OF A JAW CLOSURE SYSTEM」(米国特許出願公開第2018/0168581号)、
-米国特許出願第15/385,935号、発明の名称「LATERALLY ACTUATABLE ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR OF A SURGICAL INSTRUMENT IN AN ARTICULATED CONFIGURATION」(米国特許出願公開第2018/0168582号)、
-米国特許出願第15/385,936号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATION STROKE AMPLIFICATION FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168583号)、
-米国特許出願第14/318,996号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGES INCLUDING EXTENSIONS HAVING DIFFERENT CONFIGURATIONS」(米国特許出願公開第2015/0297228号)、
-米国特許出願第14/319,006号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING FASTENER CAVITIES INCLUDING FASTENER CONTROL FEATURES」(米国特許第10,010,324号)、
-米国特許出願第14/318,991号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGES WITH DRIVER STABILIZING ARRANGEMENTS」(米国特許第9,833,241号)、
-米国特許出願第14/319,004号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH FIRING ELEMENT MONITORING ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,844,369号)、
-米国特許出願第14/319,008号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING NON-UNIFORM FASTENERS」(米国特許出願公開第2015/0297232号)、
-米国特許出願第14/318,997号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING DEPLOYABLE TISSUE ENGAGING MEMBERS」(米国特許出願公開第2015/0297229号)、
-米国特許出願第14/319,002号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING TISSUE CONTROL FEATURES」(米国特許第9,877,721号)、
-米国特許出願第14/319,013号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE ASSEMBLIES AND STAPLE RETAINER COVER ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2015/0297233号)、及び
-米国特許出願第14/319,016号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE INCLUDING A LAYER ATTACHED THERETO」(米国特許出願公開第2015/0297235号)。
【0006】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/191,775号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」、
-米国特許出願第15/191,807号、発明の名称「STAPLING SYSTEM FOR USE WITH WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」、
-米国特許出願第15/191,834号、発明の名称「STAMPED STAPLES AND STAPLE CARTRIDGES USING THE SAME」、
-米国特許出願第15/191,788号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OVERDRIVEN STAPLES」、及び
-米国特許出願第15/191,818号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OFFSET LONGITUDINAL STAPLE ROWS」。
【0007】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国意匠特許出願第29/569,218号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」、
-米国意匠特許出願第29/569,227号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」、
-米国意匠特許出願第29/569,259号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」、及び
-米国意匠特許出願第29/569,264号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」。
【0008】
本願の出願人は、2016年4月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/089,325号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A SURGICAL STAPLING SYSTEM」、
-米国特許出願第15/089,321号、発明の名称「MODULAR SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY」、
-米国特許出願第15/089,326号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY INCLUDING A RE-ORIENTABLE DISPLAY FIELD」、
-米国特許出願第15/089,263号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE ASSEMBLY WITH RECONFIGURABLE GRIP PORTION」、
-米国特許出願第15/089,262号、発明の名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUALLY ACTUATABLE BAILOUT SYSTEM」、
-米国特許出願第15/089,277号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND STAPLING END EFFECTOR WITH ANVIL CONCENTRIC DRIVE MEMBER」、
-米国特許出願第15/089,296号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SURGICAL TOOL ASSEMBLY WITH A SURGICAL END EFFECTOR THAT IS SELECTIVELY ROTATABLE ABOUT A SHAFT AXIS」、
-米国特許出願第15/089,258号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SHIFTABLE TRANSMISSION」、
-米国特許出願第15/089,278号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO PROVIDE SELECTIVE CUTTING OF TISSUE」、
-米国特許出願第15/089,284号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A CONTOURABLE SHAFT」、
-米国特許出願第15/089,295号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A TISSUE COMPRESSION LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,300号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING AN UNCLAMPING LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,196号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW CLOSURE LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,203号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW ATTACHMENT LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,210号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,324号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」、
-米国特許出願第15/089,335号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT COMPRISING MULTIPLE LOCKOUTS」、
-米国特許出願第15/089,339号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、
-米国特許出願第15/089,253号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO APPLY ANNULAR ROWS OF STAPLES HAVING DIFFERENT HEIGHTS」、
-米国特許出願第15/089,304号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A GROOVED FORMING POCKET」、
-米国特許出願第15/089,331号、発明の名称「ANVIL MODIFICATION MEMBERS FOR SURGICAL STAPLERS」、
-米国特許出願第15/089,336号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES WITH ATRAUMATIC FEATURES」、
-米国特許出願第15/089,312号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING AN INCISABLE TISSUE SUPPORT」、
-米国特許出願第15/089,309号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING ROTARY FIRING SYSTEM」、及び
-米国特許出願第15/089,349号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING LOAD CONTROL」。
【0009】
本願の出願人はまた、2015年12月31日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/984,488号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR BATTERY PACK FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第14/984,525号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第14/984,552号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARABLE MOTORS AND MOTOR CONTROL CIRCUITS」。
【0010】
本願の出願人はまた、2016年2月9日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/019,220号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ARTICULATING AND AXIALLY TRANSLATABLE END EFFECTOR」、
-米国特許出願第15/019,228号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE LINK ARTICULATION ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,196号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ARTICULATION MECHANISM WITH SLOTTED SECONDARY CONSTRAINT」、
-米国特許出願第15/019,206号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH AN END EFFECTOR THAT IS HIGHLY ARTICULATABLE RELATIVE TO AN ELONGATE SHAFT ASSEMBLY」、
-米国特許出願第15/019,215号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH NON-SYMMETRICAL ARTICULATION ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,227号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH SINGLE ARTICULATION LINK ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,235号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH TENSIONING ARRANGEMENTS FOR CABLE DRIVEN ARTICULATION SYSTEMS」、
-米国特許出願第15/019,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH OFF-AXIS FIRING BEAM ARRANGEMENTS」、及び
-米国特許出願第15/019,245号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION ARRANGEMENTS」。
【0011】
本願の出願人はまた、2016年2月12日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/043,254号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/043,259号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/043,275号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第15/043,289号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」。
【0012】
本願の出願人は、2015年6月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/742,925号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH POSITIVE JAW OPENING ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第14/742,941号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH DUAL CAM ACTUATED JAW CLOSING FEATURES」、
-米国特許出願第14/742,914号、発明の名称「MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第14/742,900号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH COMPOSITE FIRING BEAM STRUCTURES WITH CENTER FIRING SUPPORT MEMBER FOR ARTICULATION SUPPORT」、
-米国特許出願第14/742,885号、発明の名称「DUAL ARTICULATION DRIVE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第14/742,876号、発明の名称「PUSH/PULL ARTICULATION DRIVE SYSTEMS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」。
【0013】
本願の出願人は、2015年3月6日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/640,746号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2016/0256184号)、
-米国特許出願第14/640,795号、発明の名称「MULTIPLE LEVEL THRESHOLDS TO MODIFY OPERATION OF POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2016/02561185号)、
-米国特許出願第14/640,832号、発明の名称「ADAPTIVE TISSUE COMPRESSION TECHNIQUES TO ADJUST CLOSURE RATES FOR MULTIPLE TISSUE TYPES」(米国特許出願公開第2016/0256154号)、
-米国特許出願第14/640,935号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY (RF) ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」(米国特許出願公開第2016/0256071号)、
-米国特許出願第14/640,831号、発明の名称「MONITORING SPEED CONTROL AND PRECISION INCREMENTING OF MOTOR FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2016/0256153号)、
-米国特許出願第14/640,859号、発明の名称「TIME DEPENDENT EVALUATION OF SENSOR DATA TO DETERMINE STABILITY,CREEP,AND VISCOELASTIC ELEMENTS OF MEASURES」(米国特許出願公開第2016/0256187号)、
-米国特許出願第14/640,817号、発明の名称「INTERACTIVE FEEDBACK SYSTEM FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2016/0256186号)、
-米国特許出願第14/640,844号、発明の名称「CONTROL TECHNIQUES AND SUB-PROCESSOR CONTAINED WITHIN MODULAR SHAFT WITH SELECT CONTROL PROCESSING FROM HANDLE」(米国特許出願公開第2016/0256155号)、
-米国特許出願第14/640,837号、発明の名称「SMART SENSORS WITH LOCAL SIGNAL PROCESSING」(米国特許出願公開第2016/0256163号)、
-米国特許出願第14/640,765号、発明の名称「SYSTEM FOR DETECTING THE MIS-INSERTION OF A STAPLE CARTRIDGE INTO A SURGICAL STAPLER」(米国特許出願公開第2016/0256160号)、
-米国特許出願第14/640,799号、発明の名称「SIGNAL AND POWER COMMUNICATION SYSTEM POSITIONED ON A ROTATABLE SHAFT」(米国特許出願公開第2016/0256162号)、及び
-米国特許出願第14/640,780号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A LOCKABLE BATTERY HOUSING」(米国特許出願公開第2016/0256161号)。
【0014】
本願の出願人は、2015年2月27日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/633,576号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN INSPECTION STATION」(米国特許出願公開第2016/0249919号)、
-米国特許出願第14/633,546号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO ASSESS WHETHER A PERFORMANCE PARAMETER OF THE SURGICAL APPARATUS IS WITHIN AN ACCEPTABLE PERFORMANCE BAND」(米国特許出願公開第2016/0249915号)、
-米国特許出願第14/633,560号、発明の名称「SURGICAL CHARGING SYSTEM THAT CHARGES AND/OR CONDITIONS ONE OR MORE BATTERIES」(米国特許出願公開第2016/0249910号)、
-米国特許出願第14/633,566号、発明の名称「CHARGING SYSTEM THAT ENABLES EMERGENCY RESOLUTIONS FOR CHARGING A BATTERY」(米国特許出願公開第2016/0249918号)、
-米国特許出願第14/633,555号、発明の名称「SYSTEM FOR MONITORING WHETHER A SURGICAL INSTRUMENT NEEDS TO BE SERVICED」(米国特許出願公開第2016/0249916号)、
-米国特許出願第14/633,542号、発明の名称「REINFORCED BATTERY FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2016/0249908号)、
-米国特許出願第14/633,548号、発明の名称「POWER ADAPTER FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2016/0249909号)、
-米国特許出願第14/633,526号、発明の名称「ADAPTABLE SURGICAL INSTRUMENT HANDLE」(米国特許出願公開第2016/0249945号)、
-米国特許出願第14/633,541号、発明の名称「MODULAR STAPLING ASSEMBLY」(米国特許出願公開第2016/0249927号)、及び
-米国特許出願第14/633,562号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO TRACK AN END-OF-LIFE PARAMETER」(米国特許出願公開第2016/0249917号)。
【0015】
本願の出願人は、2014年12月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/574,478号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING AN ARTICULATABLE END EFFECTOR AND MEANS FOR ADJUSTING THE FIRING STROKE OF A FIRING MEMBER」(米国特許出願公開第2016/0174977号)、
-米国特許出願第14/574,483号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING LOCKABLE SYSTEMS」(米国特許出願公開第2016/0174969号)、
-米国特許出願第14/575,139号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2016/0174978号)、
-米国特許出願第14/575,148号、発明の名称「LOCKING ARRANGEMENTS FOR DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES WITH ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTORS」(米国特許出願公開第2016/0174976号)、
-米国特許出願第14/575,130号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AN ANVIL THAT IS SELECTIVELY MOVABLE ABOUT A DISCRETE NON-MOVABLE AXIS RELATIVE TO A STAPLE CARTRIDGE」(米国特許出願公開第2016/0174972号)、
-米国特許出願第14/575,143号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH IMPROVED CLOSURE ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2016/0174983号)、
-米国特許出願第14/575,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2016/0174975号)、
-米国特許出願第14/575,154号、発明の名称SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND IMPROVED FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2016/0174973号)、
-米国特許出願第14/574,493号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A FLEXIBLE ARTICULATION SYSTEM」(米国特許出願公開第2016/0174970号)、及び
-米国特許出願第14/574,500号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKABLE ARTICULATION SYSTEM」(米国特許出願公開第2016/0174971号)。
【0016】
本願の出願人は、2013年3月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/782,295号、発明の名称「Articulatable Surgical Instruments With Conductive Pathways For Signal Communication」(米国特許出願公開第2014/0246471号)、
-米国特許出願第13/782,323号、発明の名称「Rotary Powered Articulation Joints For Surgical Instruments」(米国特許出願公開第2014/0246472号)、
-米国特許出願第13/782,338号、発明の名称「Thumbwheel Switch Arrangements For Surgical Instruments」(米国特許出願公開第2014/0249557号)、
-米国特許出願第13/782,499号、発明の名称「Electromechanical Surgical Device with Signal Relay Arrangement」(米国特許第9,358,003号)、
-米国特許出願第13/782,460号、発明の名称「Multiple Processor Motor Control For Modular Surgical Instruments」(米国特許出願公開第2014/0246478号)、
-米国特許出願第13/782,358号、発明の名称「Joystick Switch Assemblies For Surgical Instruments」(米国特許第9,326,767号)、
-米国特許出願第13/782,481号、発明の名称「Sensor Straightened End Effector During Removal Through Trocar」(米国特許第9,468,438号)、
-米国特許出願第13/782,518号、発明の名称「Control Methods for Surgical Instruments with Removable Implement Portions」(米国特許出願公開第2014/0246475号)、
-米国特許出願第13/782,375号、発明の名称「Rotary Powered Surgical Instruments With Multiple Degrees of Freedom」(米国特許第9,398,911号)、及び
-米国特許出願第13/782,536号、発明の名称「Surgical Instrument Soft Stop」(米国特許第9,307,986号)。
【0017】
本願の出願人はまた、2013年3月14日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/803,097号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」(米国特許出願公開第2014/0263542号)、
-米国特許出願第13/803,193号、発明の名称「CONTROL ARRANGEMENTS FOR A DRIVE MEMBER OF A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許第9,332,987号)、
-米国特許出願第13/803,053号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SHAFT ASSEMBLIES FOR USE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0263564号)、
-米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」(米国特許出願公開第2014/0263541号)、
-米国特許出願第13/803,210号、発明の名称「SENSOR ARRANGEMENTS FOR ABSOLUTE POSITIONING SYSTEM FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2014/0263538号)、
-米国特許出願第13/803,148号、発明の名称「MULTI-FUNCTION MOTOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0263554号)、
-米国特許出願第13/803,066号、発明の名称「DRIVE SYSTEM LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2014/0263565号)、
-米国特許出願第13/803,117号、発明の名称「ARTICULATION CONTROL SYSTEM FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は米国特許第9,351,726号)、
-米国特許出願第13/803,130号、発明の名称「DRIVE TRAIN CONTROL ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許第9,351,727号)、及び
-米国特許出願第13/803,159号、発明の名称「METHOD AND SYSTEM FOR OPERATING A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0277017号)。
【0018】
本願の出願人はまた、2014年3月7日に出願された以下の特許出願を所有しており、その全体内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/200,111号、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2014/0263539号)。
【0019】
本願の出願人はまた、2014年3月26日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/226,106号、発明の名称「POWER MANAGEMENT CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2015/0272582号)、
-米国特許出願第14/226,099号、発明の名称「STERILIZATION VERIFICATION CIRCUIT」(米国特許出願公開第2015/0272581号)、
-米国特許出願第14/226,094号、発明の名称「VERIFICATION OF NUMBER OF BATTERY EXCHANGES/PROCEDURE COUNT」(米国特許出願公開第2015/0272580号)、
-米国特許出願第14/226,117号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SLEEP OPTIONS OF SEGMENTED CIRCUIT AND WAKE UP CONTROL」(米国特許出願公開第2015/0272574号)、
-米国特許出願第14/226,075号、発明の名称「MODULAR POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES」(米国特許出願公開第2015/0272579号)、
-米国特許出願第14/226,093号、発明の名称「FEEDBACK ALGORITHMS FOR MANUAL BAILOUT SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2015/0272569号)、
-米国特許出願第14/226,116号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING SENSOR ADAPTATION」(米国特許出願公開第2015/0272571号)、
-米国特許出願第14/226,071号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT CONTROL CIRCUIT HAVING A SAFETY PROCESSOR」(米国特許出願公開第2015/0272578号)、
-米国特許出願第14/226,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING INTERACTIVE SYSTEMS」(米国特許出願公開第2015/0272570号)、
-米国特許出願第14/226,126号、発明の名称「INTERFACE SYSTEMS FOR USE WITH SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2015/0272572号)、
-米国特許出願第14/226,133号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」(米国特許出願公開第2015/0272557号)、
-米国特許出願第14/226,081号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SEGMENTED CIRCUIT」(米国特許出願公開第2015/0277471号)、
-米国特許出願第14/226,076号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SEGMENTED CIRCUIT AND VARIABLE VOLTAGE PROTECTION」(米国特許出願公開第2015/0280424号)、
-米国特許出願第14/226,111号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT SYSTEM」(米国特許出願公開第2015/0272583号)、及び
-米国特許出願第14/226,125号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A ROTATABLE SHAFT」(米国特許出願公開第2015/0280384号)。
【0020】
本願の出願人はまた、2014年9月5日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/479,103号、発明の名称「CIRCUITRY AND SENSORS FOR POWERED MEDICAL DEVICE」(米国特許出願公開第2016/0066912号)、
-米国特許出願第14/479,119号、発明の名称「ADJUNCT WITH INTEGRATED SENSORS TO QUANTIFY TISSUE COMPRESSION」(米国特許出願公開第2016/0066914号)、
-米国特許出願第14/478,908号、発明の名称「MONITORING DEVICE DEGRADATION BASED ON COMPONENT EVALUATION」(米国特許出願公開第2016/0066910号)、
-米国特許出願第14/478,895号、発明の名称「MULTIPLE SENSORS WITH ONE SENSOR AFFECTING A SECOND SENSOR’S OUTPUT OR INTERPRETATION」(米国特許出願公開第2016/0066909号)、
-米国特許出願第14/479,110号、発明の名称「POLARITY OF HALL MAGNET TO DETECT MISLOADED CARTRIDGE」(米国特許出願公開第2016/0066915号)、
-米国特許出願第14/479,098号、発明の名称「SMART CARTRIDGE WAKE UP OPERATION AND DATA RETENTION」(米国特許出願公開第2016/0066911号)、
-米国特許出願第14/479,115号、発明の名称「MULTIPLE MOTOR CONTROL FOR POWERED MEDICAL DEVICE」(米国特許出願公開第2016/0066916号)、及び
-米国特許出願第14/479,108号、発明の名称「LOCAL DISPLAY OF TISSUE PARAMETER STABILIZATION」(米国特許出願公開第2016/0066913号)。
【0021】
本願の出願人はまた、2014年4月9日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/248,590号、発明の名称「MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKABLE DUAL DRIVE SHAFTS」(米国特許出願公開第2014/0305987号)、
-米国特許出願第14/248,581号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CLOSING DRIVE AND A FIRING DRIVE OPERATED FROM THE SAME ROTATABLE OUTPUT」(米国特許出願公開第2014/0305989号)、
-米国特許出願第14/248,595号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SHAFT INCLUDING SWITCHES FOR CONTROLLING THE OPERATION OF THE SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0305988号)、
-米国特許出願第14/248,588号、発明の名称「POWERED LINEAR SURGICAL STAPLER」(米国特許出願公開第2014/0309666号)、
-米国特許出願第14/248,591号、発明の名称「TRANSMISSION ARRANGEMENT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0305991号)、
-米国特許出願第14/248,584号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH ALIGNMENT FEATURES FOR ALIGNING ROTARY DRIVE SHAFTS WITH SURGICAL END EFFECTOR SHAFTS」(米国特許出願公開第2014/0305994号)、
-米国特許出願第14/248,587号、発明の名称「POWERED SURGICAL STAPLER」(米国特許出願公開第2014/0309665号)、
-米国特許出願第14/248,586号、発明の名称「DRIVE SYSTEM DECOUPLING ARRANGEMENT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0305990号)、及び
-米国特許出願第14/248,607号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH STATUS INDICATION ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2014/0305992号)。
【0022】
本願の出願人はまた、2013年4月16日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許仮出願第61/812,365号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」、
-米国特許仮出願第61/812,376号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH POWER」、
-米国特許仮出願第61/812,382号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH MOTOR AND PISTOL GRIP」、
-米国特許仮出願第61/812,385号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE WITH MULTIPLE ACTUATION MOTORS AND MOTOR CONTROL」、及び
-米国特許仮出願第61/812,372号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」。
【0023】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に記載され図示された実施形態は、非限定的な例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0024】
用語「含む(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える、含む(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、若しくは「含有する(contain)」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を保有(possess)するが、それらの1つ以上のみを保有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える、含む(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、若しくは「含有する(contain)」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を有する(possess)が、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0025】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0026】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手技を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば切開外科手技と関連するものを含む、多くの外科手技及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、もとからある開口部を通じて、組織に形成された切開部又は穿刺孔を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0027】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタと、を備えることができる。エンドエフェクタは第1の顎部及び第2の顎部を備える。第1の顎部は、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1の顎部へと挿入可能であり、かつ第1の顎部から取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1の顎部から取り外し可能でない、又は第1の顎部から少なくとも容易に交換可能ではない、その他の実施形態が想到される。第2の顎部は、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを。第2の顎部は、閉鎖軸の周りにて、第1の顎部に対して枢動可能であるが、第1の顎部が第2の顎部に対して枢動可能である、その他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成された関節運動接合部を更に備える。エンドエフェクタは、関節運動接合部を通って延在する関節運動軸線を中心にして回転可能である。関節運動接合部を含まない他の実施形態も想到される。
【0028】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するデッキ部と、を含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置づけられ、アンビルは、組織の第2の側に位置づけられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキ部に対して組織を押し付けて及び挟む。続いて、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納されたステープルを、組織内に展開することができる。カートリッジ本体は、内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に取り外し可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第1の側に位置づけられ、3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第2の側に位置づけられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0029】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープルドライバによって支持されている。駆動部は、第1の、すなわち未発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、すなわち発射済み位置と、の間で移動可能である。駆動部は、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。駆動部は、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射済み位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端に隣接した近位位置と、遠位端に隣接した遠位位置と、の間で移動可能である。スレッドは、駆動部の下を摺動し、駆動部を持ち上げるように構成された複数の傾斜面を含み、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0030】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位方向に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端に向かって押し出すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受け入れるように構成されている。アンビルは、発射部材を受け入れるように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1の顎部に係合する第1のカムと、第2の顎部に係合する第2のカムと、を更に備える。発射部材を遠位方向に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキ部とアンビルとの間の距離、すなわち組織隙間を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されたナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位に位置づけられることが望ましい。
【0031】
図1及び図3は、再使用されてもされなくてもよい、モータ駆動式の外科用切断及び締結器具1010を示している。図示された実施形態では、器具1010は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル1014を備える前述のハウジング1012を備える。ハウジング1012は、1つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された外科用エンドエフェクタ1300は動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ1200に、動作可能に取り付けられるように構成されている。本発明を実施するための形態を読み進めるに従って、本明細書に開示される様々な形態の交換式シャフトアセンブリはまた、ロボット制御式の外科用システムと関連させて効果的に用いられ得ることが理解されよう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示する交換式シャフトアセンブリ及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。加えて、様々な構成要素は、ハウジング内に「収容」されるか又は含まれてもよく、あるいは様々な構成要素は、ハウジングに「関連付け」られていてもよい。このような例では、構成要素は、ハウジングとともに含まれていなくてもよく、又はハウジングによって直接支持されていなくてもよい。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するのに使用されてもよいロボットシステムの一部分を表してもよい。例えば、本明細書で開示する交換式シャフトアセンブリは、参照によって全ての内容が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」で開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素及び方法と共に用いられ得る。
【0032】
図1に描かれる前述のハウジング1012は、外科用ステープルカートリッジ4000をその中で動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結装置を備えるエンドエフェクタ1300を備える交換式シャフトアセンブリ1200(図2、4、及び5)と接続されて示されている。ハウジング1012は、種々のサイズ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、種々のシャフトの長さ、サイズ、及びタイプなどを有する交換式シャフトアセンブリと接続されて使用するように構成されてもよい。加えて、ハウジング1012はまた、例えば、運動、並びに高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などの他の形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置に関連して用いられるように適合されたエンドエフェクタ構成に印加するように構成されたアセンブリを含む様々な他の交換式シャフトアセンブリと接続されて効果的に用いられてもよい。更に、エンドエフェクタ、シャフトアセンブリ、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具(複数可)を利用して組織を締結することができる。例えば、内部に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジは、シャフトアセンブリのエンドエフェクタに着脱可能に挿入され得る及び/又は取り付けられ得る。
【0033】
図1は、ハウジング1012に動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ1200を含む外科用器具1010を示している。図2は、ハウジング1012又はハンドル1014から取り外された交換式シャフトアセンブリ1200を示している。図3で分かるように、ハンドル1014は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互連結され得る一対の相互連結可能なハウジングセグメント1016及び1018を備え得る。図示の構成において、ハンドルハウジングセグメント1016、1018は、臨床医に握持され操作され得るピストルグリップ部分1019を形成するように協働する。以下で更に詳しく説明するように、ハンドル1014は、中に複数の駆動システムを動作可能に支持しており、これらの駆動システムは、ハンドルに動作可能に取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応する部分に対して、様々な制御モーションを生成し適用するように構成されている。
【0034】
ここで図3を参照すると、ハンドル1014は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム1020を更に含んでもよい。例えば、フレーム1020は、全体として符号1030で示される「第1の」すなわち閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システム1030は、動作可能に取り付けられた又は結合された交換式シャフトアセンブリ1200に対して開閉運動を適用するために用いられてもよい。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム1030は、フレーム1020によって枢動可能に支持されている閉鎖トリガ1032の形態のアクチュエータを含んでもよい。より具体的には、図3に示されるように、閉鎖トリガ1032は、ピン1033によってハウジング1014に枢動可能に結合されている。かかる構成によって、閉鎖トリガ1032を臨床医が操作することが可能になる。具体的には、臨床医がハンドル1014のピストルグリップ部分1019を把持すると、閉鎖トリガ1032を、開始位置又は「非作動」位置から、「作動」位置、より詳細には完全に握り込んだ位置又は完全作動位置へと容易に枢動させることができる。閉鎖トリガ1032は、ばね又は他の付勢機構(図示せず)によって、非作動位置へと付勢されてもよい。様々な形態では、閉鎖駆動システム1030は、閉鎖トリガ1032に枢動可能に連結された閉鎖リンケージアセンブリ1034を更に含む。図3に示すように、閉鎖リンケージアセンブリ1034は、ピン1035によって閉鎖トリガ1032に枢動可能に結合された第1の閉鎖リンク1036及び第2の閉鎖リンク1038を含んでもよい。第2の閉鎖リンク1038は、本明細書では「取り付け部材」と呼ばれることもあり、横向き取り付けピン1037を含む。
【0035】
図3を引き続き参照すると、第1の閉鎖リンク1036はその上に、フレーム1020に枢動可能に結合された閉鎖解除アセンブリ1060と協働するように構成された、ロック壁又は端部1039を有してもよいことを観察することができる。少なくとも1つの形態では、閉鎖解除アセンブリ1060は、遠位方向に突出しているロック爪1064がその上に形成された解除ボタンアセンブリ1062を備えてもよい。解除ボタンアセンブリ1062は、解除ばね(図示せず)によって反時計方向に枢動させられてもよい。臨床医が閉鎖トリガ1032をその非作動位置からハンドル1014のピストルグリップ部分1019に向かって押下すると、ロック爪1064が第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との保持係合に至る地点に向かって第1の閉鎖リンク1036が上向きに枢動し、それによって閉鎖トリガ1032が非作動位置に復帰することが防止される。したがって、閉鎖解除アセンブリ1060は、閉鎖トリガ1032を完全作動位置にロックするように働く。臨床医が、閉鎖トリガ1032をロック解除して、それを非作動位置へ付勢することができるようにしたい場合、臨床医は単純に、閉鎖解除ボタンアセンブリ1062を枢動させ、それによってロック爪1064を移動させて、第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との係合から外す。ロック爪1064が第1の閉鎖リンク1036との係合から外れるように移動させられているとき、閉鎖トリガ1032は枢動して非作動構成に戻ってもよい。他の閉鎖トリガロック及び解除機構が用いられてもよい。
【0036】
アーム1061が、閉鎖解除ボタン1062から延在してもよい。例えば永久磁石などの磁気要素1063をアーム1061に取り付けてもよい。閉鎖解除ボタン1062をその第1の位置から第2の位置へと回転させると、磁気素子1063は、回路基板1100に向かって移動することができる。回路基板1100は、磁気要素1063の移動を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、例えば「ホール効果」センサ(図示せず)が、回路基板1100の下面に取り付けられ得る。ホール効果センサは、磁気要素1063の移動によって生じる、ホール効果センサを取り巻く磁場における変化を検出するように構成され得る。ホール効果センサは、例えば、マイクロコントローラとの信号通信が可能であり、それによって、閉鎖解除ボタン1062が、閉鎖トリガ1032の非作動位置とエンドエフェクタの開放構成とに関連付けられた第1の位置にあるか、閉鎖トリガ1032の作動位置とエンドエフェクタの閉鎖構成とに関連付けられた第2の位置にあるか、かつ/又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置にあるかを判断することができる。
【0037】
少なくとも1つの形態では、ハンドル1014及びフレーム1020は、取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応部分に対して発射運動を適用するように構成されている、本明細書では発射駆動システム1080と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持してもよい。発射駆動システム1080はまた、本明細書では「第2の駆動システム」と呼ばれることもある。発射駆動システム1080は、ハンドル1014のピストルグリップ部分1019内に位置づけられている電気モータ1082を用いてもよい。様々な形態において、モータ1082は、例えば、約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。その他の構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又はその他の任意の好適な電気モータを挙げてもよい。モータ1082は、電源1090によって給電されてもよく、一形態においては、取り外し可能なパワーパック1092を備えてもよい。例えば、図3で分かるように、パワーパック1092は、遠位ハウジング部分1096に取り付けるように構成された、近位ハウジング部分1094を備えてもよい。近位ハウジング部分1094及び遠位ハウジング部分1096は、その中に複数の電池1098を動作可能に支持するように構成される。電池1098はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(LI)又は他の好適な電池を含んでもよい。遠位ハウジング部分1096は、モータ1082にやはり動作可能に結合されている回路基板アセンブリ1100に、取り外し可能かつ動作可能に取り付けられるように構成されている。直列に接続されてもよい多数の電池1098が、外科用器具1010の電源として使用されてもよい。加えて、電源1090は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0038】
他の様々な形態に関連して上に概説したように、電気モータ1082は、回転可能なシャフト(図示せず)を含み、そのシャフトは、長手方向に移動可能な駆動部材1120上にある駆動歯1122の組又はラックと噛合係合して取り付けられたギヤ減速機アセンブリ1084と動作可能に連係し得る。使用の際、電源1090によって提供される電圧極性によって電気モータ1082を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ1082を反時計方向に動作させるために反転させることができる。電気モータ1082が1つの方向に回転されると、駆動部材1120は、遠位方向「DD」に軸線方向に駆動されることになる。モータ82が反対の回転方向に駆動されると、駆動部材1120は、近位方向「PD」に軸線方向に駆動されることになる。ハンドル1014は、電源1090によって電気モータ1082に印加される極性を反転させるように構成することができるスイッチを含むことができる。本明細書に記載される他の形態と同様に、ハンドル1014はまた、駆動部材1120の位置、及び/又は駆動部材1120が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを含むことができる。
【0039】
モータ1082の作動は、ハンドル1014上で枢動可能に支持される発射トリガ1130によって制御され得る。発射トリガ1130は、非作動位置と作動位置との間を枢動してもよい。発射トリガ1130は、ばね1132又は他の付勢装置によって非作動位置へと付勢されてもよく、それにより、臨床医が発射トリガ1130を解放すると、それがばね1132又は他の付勢装置によって非作動位置へと枢動されるか又は別の方法で復帰させられてもよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガ1130は、上述したように、閉鎖トリガ132の「外側」に配置することができる。少なくとも1つの形態では、発射トリガ安全ボタン1134が、ピン1035によって閉鎖トリガ1032に枢動可能に装着されてもよい。安全ボタン1134は、発射トリガ1130と閉鎖トリガ1032との間に位置づけられ、そこから突出する枢動アーム1136を有してもよい。図21を参照されたい。閉鎖トリガ1032が非作動位置にあるとき、安全ボタン1134は、ハンドル1014に収容される。ここには臨床医が容易にアクセスすることができず、発射トリガ1130の作動を防止する安全位置と発射トリガ1130が発射されてもよい発射位置との間で移動させることもできない。臨床医が閉鎖トリガ1032を押下すると、安全ボタン1134及び発射トリガ1130が下に枢動して、次いで、臨床医がそれらを操作することが可能になる。
【0040】
上に示されるように、少なくとも一形態において、長手方向に移動可能な駆動部材1120は、ギヤ減速機アセンブリ1084の対応する駆動ギヤ1086と噛合係合するために、その上に形成された歯1122のラックを有する。少なくとも1つの形態はまた、モータ1082が無効化された場合に、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材1120を手動で後退させることができるように構成された、手動作動式の「緊急離脱」アセンブリ1140を含む。緊急離脱アセンブリ1140は、手動で枢動させて、駆動部材1120にやはり設けられた歯1124とラチェット係合するように構成された、レバー又は緊急離脱ハンドルアセンブリ1142を含んでもよい。したがって、臨床医は、緊急離脱ハンドルアセンブリ1142を使用して駆動部材1120を手動により後退させて、駆動部材1120を近位方向「PD」にラチェットさせることができる。米国特許第8,608,045号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」は、緊急離脱機構、並びに同じく本明細書に開示の様々な器具と共に用いられてもよい他の構成要素、機構、及びシステムを開示している。米国特許第8,608,045号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
ここで図2及び図5を参照すると、交換式シャフトアセンブリ1200は、ステープルカートリッジ4000を中で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル1310を備える、外科用エンドエフェクタ1300を備える。エンドエフェクタ1300は、細長いチャネル1310に対して枢動可能に支持されたアンビル2000を更に含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフト軸線SAに対して所望の位置でエンドエフェクタ1300を解除可能に保持するように構成することができる、関節継手3020及び関節ロック2140を更に含んでもよい。エンドエフェクタ1300、関節継手3020、及び関節ロックの少なくとも1つの形態の様々な特徴の例が、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に記載されている。2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」の開示全体を、参照により本明細書に組み込む。図4で分かるように、交換式シャフトアセンブリ1200は、ノズル部分1202及び1203から構成される近位ハウジング又はノズル1201を更に備えることができる。
【0042】
交換式シャフトアセンブリ1200は、エンドエフェクタ1300のアンビル2000を開閉するために利用することができる、閉鎖システム又は閉鎖部材アセンブリ3000を更に含むことができる。シャフトアセンブリ1200はスパイン1210を含み、スパイン1210は、(1)発射部材を内部で摺動可能に支持し、(2)スパイン1210の周りに延在する閉鎖部材アセンブリ3000を摺動可能に支持するように構成され得る。図5に示すように、スパイン1210の遠位端1211は、上部ラグ取り付け機構1270及び下部ラグ取り付け機構1280で終端する。上部ラグ取り付け機構1270は、その内部にラグスロット1272を有して形成され、ラグスロット1272は、その内部に上部取り付けリンク1274を取り付けて支持可能になっている。同様に、下部ラグ取り付け機構1280は、その内部にラグスロット1282を有して形成され、そのラグスロット1282は、その内部に、下部取り付けリンク1284を取り付けて支持可能になっている。上部取り付けリンク1274は、その内部に枢動ソケット1276を含み、枢動ソケット1276は、枢動ピン1292を内部に回転可能に受容可能に適合され、枢動ピン1292は、細長いチャネル1310の近位端部分1312に取り付けられたチャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290上に形成されている。下部取り付けリンク1284は、細長いチャネル1310の近位端部分1312内に形成された枢動穴1314内に受容され得る下部枢動ピン1286を含む。図5を参照されたい。下部枢動ピン1286は、枢動ソケット1276と垂直に位置合わせされて関節運動軸線AAを画定し、これを中心として外科用エンドエフェクタ1300がシャフト軸線SAに対して関節運動し得る。図2を参照されたい。
【0043】
図示した例において、外科用エンドエフェクタ1300は関節運動システム2100により、関節運動軸線AAを中心として選択的に関節運動可能である。一形態において、関節運動システム2100は、関節運動リンク2120に枢動可能に連結された近位関節運動駆動部2102を含む。図5に最も具体的に確認できるように、オフセット取り付けラグ2114が、近位関節運動駆動部2102の遠位端2112に形成される。枢動穴2116がオフセット取り付けラグ2114に形成され、関節運動リンク3020の近位端2122に形成された近位リンクピン2124を、自らの中に枢動可能に受容するように構成されている。関節運動リンク2120の遠位端2126は、枢動穴2128を含み、枢動穴2128は自らの中に、細長いチャネル1310の近位端部分1312に形成されたチャネルピン1317を、枢動可能に受容するように構成されている。したがって、近位関節運動駆動部2102の軸線方向移動により、関節運動が細長いチャネル1310に適用され、これによって、外科用エンドエフェクタ1300はスパイン組立体1210に対して、関節運動軸線AAを中心に関節運動する。関節運動システム2100の構成及び操作に関する更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献に見出すことができ、その例としては、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」などが挙げられる。様々な状況において、近位関節運動駆動部2102が近位方向又は遠位方向に移動していない場合、近位関節運動駆動部2102は関節ロック2140によって適所に維持されてもよい。関節ロック2140の例に関する更なる詳細は、米国特許出願第15/635,631号、及び本明細書に参照により組み込まれる他の参考文献に見出すことができる。
【0044】
様々な状況において、スパイン1210は、シャーシ1240内で回転可能に支持される近位端1211を備えることができる。一構成では、例えば、スパイン1210の近位端1211には、シャーシ1240内で支持されるように構成されたスパイン軸受1216にねじ込みによって取り付けられるように、ねじ山1214が形成されている。図4を参照されたい。このような構成により、シャーシ1240に対するスパイン1210の回転可能な取り付けが容易になり、スパイン1210を、シャーシ1240に対してシャフト軸線SAの周りにて、選択的に回転させ得るようになる。
【0045】
主に図4を参照すると、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャーシ1240に対して軸線方向に移動され得るようにその中で摺動可能に支持される、閉鎖シャトル1250を含む。閉鎖シャトル1250は、一対の近位に突出するフック1252を含み、それらは、更に詳細に後述するように、第2の閉鎖リンク1038に取り付けられる取り付けピン1037(図2及び図3)に取り付けるように構成されている。少なくとも1つの例では、閉鎖部材アセンブリ3000は、閉鎖シャトル1250に対して回転するように閉鎖シャトル1250に連結された近位端3012を有する近位閉鎖部材セグメント3010を備える。例えば、U字型コネクタ1263は、近位閉鎖部材セグメント3010の近位端3012にある環状スロット3014へと挿入され、閉鎖シャトル1250における垂直スロット1253内で保持される。このような構成により、近位閉鎖管セグメント3010と閉鎖シャトル1250とが、一緒に軸線方向移動するように取り付けられる一方で、近位閉鎖管セグメント3010は、シャフト軸線SAを中心に、閉鎖シャトル1250に対して回転可能となる。閉鎖ばね1268が近位閉鎖部材3010上で軸止され、近位閉鎖部材3010を近位方向「PD」に付勢する役割を果たす。シャフトアセンブリがハンドル1014に動作可能に結合されると、上記の付勢により、閉鎖トリガ1032を非作動位置へと枢動させることができる。
【0046】
少なくとも1つの形態では、交換式シャフトアセンブリ1200は、関節継手3020を更に含んでもよい。しかしながら、他の交換式シャフトアセンブリが、関節屈曲可能でなくてもよい。図5に示すように、例えば、遠位閉鎖部材又は遠位閉鎖管セグメント3030が、近位閉鎖部材又は近位閉鎖管セグメント3010の遠位端に連結されている。関節継手3020は、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ3022を含む。様々な形態によれば、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ3022は、エンドエフェクタ閉鎖管3050を含み、エンドエフェクタ閉鎖管3050は、上部遠位方向突出タング3052及び下部遠位方向突出タング3054を有する。上側二重枢動リンク3056は、上向きに突出している遠位枢動ピン及び近位枢動ピンを含み、遠位枢動ピンは、遠位閉鎖管セグメント3030上にある上部近位方向突出タング3052の上部遠位ピンホールに、かつ近位枢動ピンは、上部遠位方向突出タング3032の上部近位ピンホールにそれぞれ係合する。下部二重枢動リンク3058は、上向きに突出している遠位枢動ピン及び近位枢動ピンを含み、遠位枢動ピンは、下部近位方向突出タング3054の下部遠位ピンホールに、かつ近位枢動ピンは、下部遠位方向突出タング3034の下部近位ピンホールにそれぞれ係合する。図4及び図5を参照されたい。以下により詳細に説明するように、例えば閉鎖トリガ1032の作動に応答して、閉鎖管アセンブリ3000は、アンビル2000を閉鎖するように遠位方向(方向DD)に並進される。アンビル2000は、閉鎖管アセンブリ3000を近位方向に並進させることによって開放され、これによってエンドエフェクタ閉鎖スリーブはアンビル2000と相互作用し、開放位置に枢動する。
【0047】
やはり上述したように、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフトスパイン1210内で軸線方向移動するように支持される発射部材1900を更に含む。発射部材1900は、中間発射シャフト部分1222を含み、中間発射シャフト部分1222は、遠位切断部分又はナイフバー1910に取り付けられるように構成されている。中間発射シャフト部分1222は、その遠位端に長手方向スロット1223を含み、長手方向スロット1223は、遠位ナイフバー1910の近位端にあるタブ1912を受容するように構成され得る。長手方向スロット1223及び近位端タブ1912は、それらの間の相対運動を可能にするような大きさ及び構成とすることができ、スリップ継手を備えることができる。スリップ継手1914は、ナイフバー1910を移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射駆動部の中間発射シャフト部分1222を移動させて、エンドエフェクタ1300を関節運動させることを可能にすることができる。ひとたびエンドエフェクタ1300が適切に配向されると、長手方向スロット1223の近位の側壁がタブ1912に接触するまで中間発射シャフト部分1222を遠位方向に前進させて、ナイフバー1910を前進させ、チャネル1310内に位置するステープルカートリッジ4000を発射することができる。ナイフバー1910は、ブレード又は組織切断縁部1922を含むナイフ部分1920を含み、上部アンビル係合タブ1924及び下部チャネル係合タブ1926を含む。様々な発射部材の構成及び動作は、参照により本明細書に組み込まれる様々な他の参考文献に開示されている。
【0048】
図4で分かるように、シャフトアセンブリ1200は、閉鎖管1260上に回転可能に受け入れられるスイッチドラム1500を更に含む。スイッチドラム1500は、中空のシャフトセグメント1502を備え、シャフトセグメント1502の内部には、外側に突出している作動ピンを受容するためのシャフトボスが形成されている。様々な状況下で、作動ピンは、スロットを通ってロックスリーブ内に設けられた長手方向スロット内へ延在することで、ロックスリーブが関節運動駆動部と係合されている場合には、ロックスリーブの軸線方向移動を助ける。回転ねじりばね1420は、スイッチドラム1500上のボス及びノズルハウジング1203の一部分に係合して、付勢力をスイッチドラム1500に加えるように構成されている。スイッチドラム1500は、その中に画定された少なくとも部分的に円周状の開口部1506を更に備えることができ、その開口部は、ノズル半体1202、1203から延在する円周状のマウントを受容し、スイッチドラム1500と近位ノズル1201との間の相対回転は許容するが並進は許容しないように構成され得る。マウントはまた、近位閉鎖管セグメント3010の開口部3011を通って延在して、スパインシャフト1210の陥凹部1219に収まる。スイッチドラム1500がシャフト軸線SAを中心として回転すると、最終的に、作動ピン及びロックスリーブが、その係合位置と係合解除位置との間で回転する。一構成では、スイッチドラム1500の回転は、閉鎖管又は閉鎖部材の軸線方向の前進に連動されてもよい。したがって、本質的に、閉鎖システムの作動は、それぞれの開示全体が本明細書に参照により組み込まれる米国特許出願第13/803,086号、及び米国特許第9,913,642号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」に更に詳細に記載される様々な方法で、発射駆動システムと関節駆動システムを動作可能に係合及び係合解除し得る。例えば、閉鎖管が「顎部開放」位置に対応する最近位位置にあるとき、閉鎖管セグメント3010は、関節運動システムを発射駆動システムとリンクさせるように、スイッチドラム1500を配置している。閉鎖管が「顎部閉鎖」位置に対応する遠位位置に移動したとき、閉鎖管は、スイッチドラム1500を、関節運動システムが発射駆動システムからリンク解除される位置まで回転させている。
【0049】
図4にも示されるように、シャフトアセンブリ1200は、例えば、エンドエフェクタ1300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ1300との間で信号を通信するように構成することができる、スリップリングアセンブリ1600を備えることができる。スリップリングアセンブリ1600は、シャーシ1240から延在するシャーシフランジ1242に装着される近位コネクタフランジ1604と、シャフトハウジング内に画定されたスロット内に位置づけられる遠位コネクタフランジとを備えることができる。近位コネクタフランジ1604は第1の面を備えることができ、遠位コネクタフランジは、第1の面に隣接して位置づけられ、かつ第1の面に対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位コネクタフランジは、シャフト軸線SAを中心として、近位コネクタフランジ1604に対して回転することができる。近位コネクタフランジ1604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体を備えることができる。コネクタをコネクタフランジの近位部に装着することができ、そのコネクタは複数の接点を有してもよく、それぞれの接点は、導体の1つに対応し、それと電気的に接触する。かかる構成により、近位コネクタフランジ1604と遠位コネクタフランジとが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ1604は、例えば、シャフトシャーシ1240に装着されたシャフト回路基板1610と信号連通するように導体を配置可能な、電気コネクタ1606を含むことができる。少なくとも1つの例では、複数の導体を備える配線ハーネスが、電気コネクタ1606とシャフト回路基板1610との間に延在することができる。電気コネクタ1606は、シャーシ装着フランジ1242に画定されたコネクタ開口部1243を通って近位方向に延在してもよい。図4を参照されたい。スリップリングアセンブリ1600に関する更なる詳細は、例えば、米国特許出願第13/803,086号、2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、及び米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」に見出すことができる。米国特許出願第13/803,086号、同第13/800,067号、及び米国特許第9,345,481号は、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
上述したように、シャフトアセンブリ1200は、ハンドル1014に固定可能に装着される近位部分と、長手方向軸線を中心にして回転可能な遠位部分とを含むことができる。回転可能な遠位シャフト部分は、上述したように、スリップリングアセンブリ1600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリングアセンブリ1600の遠位コネクタフランジは、回転可能な遠位シャフト部分内に位置づけることができる。また、上記に加えて、スイッチドラム1500も、回転可能な遠位シャフト部分内に位置づけることができる。回転可能な遠位シャフト部分を回転させると、遠位コネクタフランジ及びスイッチドラム1500を互いに同期させて回転させることができる。加えて、スイッチドラム1500を、遠位コネクタフランジに対して第1の位置と第2の位置との間で回転させることができる。スイッチドラム1500がその第1の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムから動作可能に係合解除されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によって、シャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300を関節運動させることができない。スイッチドラム1500がその第2の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムと動作可能に係合されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によってシャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300を関節運動させることができる。スイッチドラム1500をその第1の位置とその第2の位置との間で移動させると、スイッチドラム1500は、遠位コネクタフランジに対して移動させられる。様々な例において、シャフトアセンブリ1200は、スイッチドラム1500の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。
【0051】
再び図4を参照すると、シャーシ1240は、シャーシ1240上に形成された、少なくとも1つ、好ましくは2つの先細の取り付け部分1244を含み、その取り付け部分1244は、フレーム1020の遠位取り付けフランジ部分1700内に形成された対応するダブテールスロット1702に受容されるように適合されている。図3を参照されたい。各ダブテールスロット1702は、取り付け部分1244を中に着座させて受け入れるように先細であってもよく、あるいは言い換えれば、ある程度V字形であってもよい。図22に更に見ることができるように、シャフト取り付けラグ1226が、中間発射シャフト1222の近位端上に形成される。更に詳細に後述するように、交換式シャフトアセンブリ1200がハンドル1014に連結されると、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1120の遠位端1125に形成された発射シャフト取り付けクレードル1126に受け入れられる。図3を参照されたい。
【0052】
様々なシャフトアセンブリの実施形態は、シャフトアセンブリ1200を、ハウジング1012に、より具体的にはフレーム1020に取り外し可能に連結するために、ラッチシステム1710を用いる。図4で分かるように、例えば、少なくとも1つの形態では、ラッチシステム1710は、シャーシ1240に対して移動可能に連結されているロック部材又はロックヨーク1712を含む。図示される実施形態では、例えば、ロックヨーク1712は、2つの離間した下方に延びる脚部1714を有するU字形状を有している。脚部1714にはそれぞれ枢動ラグ1715が形成され、枢動ラグ1715は、シャーシ1240に形成されたそれぞれ対応する穴1245内に受容されるように適合されている。かかる機構により、ロックヨーク1712をシャーシ1240に枢動可能に取り付けるのが容易になる。ロックヨーク1712は、2つの近位に突出しているロックラグ1716を含みうるが、それらのロックラグ1716は、フレーム1020の遠位取り付けフランジ1700の対応するロック戻り止め又は溝1704と解除可能に係合するように構成されている。図3を参照されたい。様々な形態では、ロックヨーク1712は、ばね又は付勢部材(図示せず)によって近位方向に付勢される。ロックヨーク1712の作動は、シャーシ1240に装着されたラッチアクチュエータアセンブリ1720上に摺動可能に装着される、ラッチボタン1722によって遂行されてもよい。ラッチボタン1722を、ロックヨーク1712に対して近位方向に付勢することができる。更に詳細に後述するように、ロックヨーク1712は、ラッチボタンを遠位方向に付勢することによってロック解除位置へと移動させられてもよく、そうすることによって、ロックヨーク1712は枢動し、フレーム1020の遠位取り付けフランジ1700との保持係合から外れることになる。ロックヨーク1712がフレーム1020の遠位取り付けフランジ1700と「保持係合」しているとき、ロックラグ1716は、遠位取り付けフランジ1700の対応するロック戻り止め又は溝1704内に保持されて着座している。
【0053】
組織を切断し締結するように適合された本明細書に記載されるタイプのエンドエフェクタ、並びに他のタイプのエンドエフェクタを含む、交換式シャフトアセンブリを用いる場合、エンドエフェクタの作動中に交換式シャフトアセンブリがハウジングから不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。例えば、使用の際に、臨床医が閉鎖トリガ1032を作動させて標的組織を把持し、所望の位置へと操作することがある。標的組織がエンドエフェクタ1300内に所望の向きで位置づけられると、臨床医は、次に、閉鎖トリガ1032を完全に作動させてアンビル1306を閉鎖し、標的組織を切断及びステープル留めのために適所にクランプしてもよい。その場合、第1の駆動システム1030は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ1300にクランプされた後、シャフトアセンブリ1200がハウジング1012から不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。ラッチシステム1710の1つの形態は、かかる不用意な分離を防止するように構成されている。
【0054】
図4で最も具体的に分かるように、ロックヨーク1712は、少なくとも1つの、好ましくは2つのロックフック1718を含み、そのロックフック1718は、閉鎖シャトル1250上に形成された対応するロックラグ部分1256に接触するように適合されている。閉鎖シャトル1250が非作動位置にある(すなわち、第1の駆動システム1030が非作動で、アンビル1306が開放されている)とき、ロックヨーク1712を遠位方向に枢動させて、交換式シャフトアセンブリ1200をハウジング1012からロック解除してもよい。その位置では、ロックフック1718は、閉鎖シャトル1250のロック突起部分1256と接触していない。しかしながら、閉鎖シャトル1250を作動位置へと移動させる(すなわち、第1の駆動システム1030が作動され、アンビル1306が閉鎖位置にある)と、ロックヨーク1712がロック解除位置へと枢動することが防止される。換言すれば、臨床医がロックヨーク1712をロック解除位置へと枢動させようとした場合、又は例えば、ロックヨーク1712に何かが意図せず突き当たるか又は接触し、下記のような機構がなければロックヨーク1712を遠位方向に枢動させてしまいかねないような場合にも、ロックヨーク1712上のロックフック1718が閉鎖シャトル1250上のロックラグ1256に接触し、ロックヨーク1712がロック解除位置へと移動することを防ぐ。
【0055】
以下に、ハンドル1014に対する交換式シャフトアセンブリ1200の取り付けについて記載する。連結プロセスを開始するために、臨床医は、交換式シャフトアセンブリ1200のシャーシ1240をフレーム1020の遠位取り付けフランジ1700の上方に、又はそれに隣接して位置づけて、シャーシ1240上に形成された先細取り付け部分1244がフレーム1020のダブテールスロット1702と整列されるようにしてもよい。臨床医は次いで、シャフトアセンブリ1200を、シャフト軸線SAに垂直な取り付け軸線に沿って移動させて、取り付け部分1244を対応するダブテール受け入れスロット1702と「動作可能に係合」させて着座させてもよい。その際、中間発射シャフト1222上のシャフト取り付けラグ1226もまた、長手方向に移動可能な駆動部材1120のクレードル1126に着座し、第2の閉鎖リンク1038上にあるピン1037の部分が、閉鎖ヨーク1250の対応するフック1252に着座する。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動動作をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は手順を実施し得ることを意味する。
【0056】
交換式シャフトアセンブリ1200の少なくとも5つのシステムを、ハンドル1014の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に連結することができる。第1のシステムは、シャフトアセンブリ1200のフレーム又はスパインをハンドル1014のフレーム1020と連結及び/又は位置合わせするフレームシステムを備えることができる。別のシステムは、閉鎖駆動システム1030を備えることができ、閉鎖駆動システム1030は、ハンドル1014の閉鎖トリガ1032と、閉鎖管1260と、シャフトアセンブリ1200のアンビル2000とを動作可能に接続することができる。上で概説したように、シャフトアセンブリ1200の閉鎖管取り付けヨーク1250を、第2の閉鎖リンク1038のピン1037と係合させることができる。別のシステムは、発射駆動システム1080を備えることができ、その閉鎖駆動システム1080は、ハンドル1014の発射トリガ1130をシャフトアセンブリ1200の中間発射シャフト1222と動作可能に接続することができる。上で概説したように、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1120のクレードル1126と動作可能に接続されることができる。別のシステムは、例えばシャフトアセンブリ1200などのシャフトアセンブリが、ハンドル1014と動作可能に係合されていることを、例えばマイクロコントローラなど、ハンドル1014内のコントローラに信号伝達することができ、かつ/又は第2に、電力及び/若しくは通信信号をシャフトアセンブリ1200とハンドル1014との間で伝導することができる、電気システムを含むことができる。一例として、シャフトアセンブリ1200は、シャフト回路基板1610に動作可能に装着される電気コネクタ1810を含むことができる。電気コネクタ1810は、ハンドル制御基板1100上の対応する電気コネクタ1800と形状一致して係合するように構成されている。回路類及び制御システムに関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号、及び同第14/226,142号に見出すことができるが、それらの各々の開示内容全体は、参照により本明細書に既に組み込まれている。第5のシステムは、シャフトアセンブリ1200をハンドル1014に解除可能にロックするラッチングシステムからなっていてもよい。
【0057】
ここで図5図7を参照すると、図示される例におけるアンビル2000は、アンビル取り付け部分2010で終端するアンビル本体2002を含んでいる。アンビル取り付け部分2010は、細長いチャネル1310上に移動可能又は枢動可能に支持されて、シャフト軸線SAを横断している、固定されたアンビル枢動軸線PAを中心に、細長いチャネル1310に対して選択的に枢動移動可能である。図示される構成では、枢動部材又はアンビルトラニオン2012は、アンビル取り付け部分2010の各横側面から横方向に延びて、細長いチャネル1310の近位端部分1312の直立壁1315に形成された対応するトラニオンクレードル1316内に受容される。アンビルトラニオン2012は、チャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290により、対応するトラニオンクレードル1316内で枢動可能に保持される。チャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290は、一対の取り付けラグを有し、その一対の取り付けラグは、細長いチャネル1310の近位端部分1312の直立壁1315に形成された対応するラグ溝又はノッチ内に受容され保持されるように構成されている。
【0058】
図7図8、及び図9を参照すると、少なくとも一構成では、遠位閉鎖部材又はエンドエフェクタ閉鎖管3050は、2つの軸線方向にオフセットされた近位及び遠位の正の顎部開放機構3060及び3062を使用する。図7では、近位の正の顎部開放機構2060は、シャフト軸線SAの右側(ツールアセンブリのユーザーから見て)位置づけられている。正の顎部開放機構3060、3062は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2017年6月28日出願の、米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」で更に詳細に説明されるように、対応する解放領域3064、3066と、かつアンビル取り付け部分2010上に形成された段差部分と相互作用するように構成されている。他の顎部開放構成を使用してもよい。
【0059】
図6及び図7は、アンビル2000の一形態を示し、そのアンビル2000は、エンドエフェクタ閉鎖スリーブ3050と相互作用するように構成された取り付け部分2010で終端する細長いアンビル本体部分2002を含む。アンビル2000が完全開放位置から閉鎖位置へと移動し、最終的には過剰閉鎖位置に移動する際に、その結果として生じる、エンドエフェクタ閉鎖管3050が受ける力の量が最小化される。アンビル本体部分2002は、ステープル成形下面2004を含み、ステープル成形下面2004は、自らの中に形成された一連のアンビル形成ポケット(図示せず)を有する。細長いスロット2006が、本体部分2002及び取り付け部分2010を通って延在し、ナイフ部分又は「発射部材」1920が通過するのを容易にする。加えて、アンビルカバー2030が、スロット2006を被覆するようにアンビル本体2002に取り付けられる。様々な状況において、アンビル取り付け部分2010は、その上に形成されたアンビルカム表面2020を備える。アンビルカム表面2020は、細長いスロット2006によって二分されるか、ないしは別の方法で分割される。図6及び図7に見られるように、アンビルカバー2030の近位端部分2032は、アンビルカム表面2020の角度/向きに対応する角度で配向されている。図10及び図11は、完全開放位置にあるアンビル2000を示している。図10に見られるように、「第2の顎部」又はアンビル2000がその完全開放位置にあるとき、遠位又はエンドエフェクタ閉鎖管3050は、その最も近位の位置にある。その位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3070上に形成されたカム表面3072は、カム閉鎖面2020にいかなる閉鎖力も加えない。エンドエフェクタ閉鎖管3050が遠位方向に移動されると、エンドエフェクタ閉鎖管3050上のカム表面3072は、アンビル取り付け部分2010上のカム閉鎖面2020及びアンビルカバー2030の近位端部分2032上の対応する閉鎖表面2034と接触し、アンビル2000を「閉鎖」位置へと枢動させる。図12及び図13は、アンビル2000が閉鎖位置にある場合の、エンドエフェクタ閉鎖管3050とアンビル2000との位置を示している。
【0060】
エンドエフェクタ閉鎖管3050が遠位方向に前進し続けて、アンビルに更なる閉鎖動作を加えて、最終的にアンビルを「過剰閉鎖」位置に移動させるにつれて、エンドエフェクタ閉鎖管には、相当の大きさの応力がかかり、その応力は時間が経過するとともに、エンドエフェクタ閉鎖管を垂直に伸長させ(一端から見たとき)、又は別の言い方をすれば、エンドエフェクタ閉鎖管の形状が、最終的に不具合につながり得るか、又は完全閉鎖位置に到達する能力を最終的に毀損する可能性のある幾分楕円形になる。薄壁の管又は円筒が内圧を受けると、チューブの壁に「フープ状」及び長手方向の応力が発生することは、自明である。このフープ応力は、円筒壁の軸線及び半径に対して円周方向及び垂直に作用する。かかるフープ応力は、以下のように計算され得る。
σ=pd/(2t)であり、式中、
σ=フープ応力(MPa、psi)
p=管又はシリンダ内の内圧(MPa、psi)
d=管又はシリンダの内径(mm,in)
t=管又はシリンダ壁厚(mm,in)
様々な管壁構成を有するエンドエフェクタ閉鎖管が開発されてきた。そのような管構成は、参照により開示全体が本明細書に組み込まれる、2016年12月21日に出願された米国特許出願第15/385,903号、発明の名称「CLOSURE MEMBER ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」に、開示されている。
【0061】
図8及び図9は、エンドエフェクタ閉鎖管3050の一形態を示す。閉鎖管3050は、外側表面3074及び内壁表面3076を備える。少なくとも1つの形態では、閉鎖管3050は、一定の内径IDと一定の外径ODとを有する。その内径IDと外径ODとによって画定される壁厚CTは、閉鎖管3050の長さ全体にわたって均一又は一定であるか、あるいは、閉鎖管3050のうちの少なくとも、アンビル2000及び細長いチャネル1310のようなエンドエフェクタの顎部と接点をなすように構成されている部分にわたって均一又は一定である。
【0062】
ここで図12を再び参照すると、少なくとも1つの構成では、アンビル2000が「閉鎖位置」にある場合、アンビル2000とカートリッジとの間に組織がクランプされていないときには細長いチャネル1310内に支持されるカートリッジのカートリッジデッキ表面と、アンビル本体2002のステープル成形下面2004との間に、クリアランス距離「CD」が観察され得る。図13は、閉鎖カム表面2020を横切って、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端部分を通り、かつアンビル取り付け部分2020と細長いチャネル1310の近位端部分とを通る、図12の線13-13に沿って取られた断面図である。この図で分かるように、エンドエフェクタ閉鎖管3050によって、アンビル2000及び細長いチャネル1310に様々な閉鎖力CFが印加される。例えば、閉鎖力CFは、閉鎖カム表面2020とアンビルキャップ2030の近位端部分2032と、細長いチャネル1310とに印加される。
【0063】
図6図15に示す例では、アンビル取り付け部分2020は、複数の、個々の負荷伝達位置を設置するように形成され、これらの負荷伝達位置は、エンドエフェクタ閉鎖管3050がアンビル2000の閉鎖位置に対応する位置にあるときに、エンドエフェクタ閉鎖管3050の内側表面3076によって接触されるように構成されている。少なくとも1つの構成において、少なくとも2つの個々の負荷伝達位置が、アンビル2000が閉鎖位置にあるときにアンビル2000を二分する垂直面VPの両側に位置づけられる。例えば、図13では、第1の右側負荷伝達位置又は縁部2070R、第2の右側負荷伝達位置又は縁部2072R、第3の右側負荷伝達位置又は縁部2074R、及び第4の右側負荷伝達位置又は縁部2076Rが、垂直面VPの右側に形成されている。同様に、第1の左側負荷伝達位置又は縁部2070L、第2の左負荷伝達位置又は縁部2072L、第3の左側負荷伝達位置又は縁部2074L、及び第4の左側負荷伝達位置又は縁部2076Lが、垂直面VPの左側に形成される。この文脈で使用するとき、用語「少なくとも2つの個々の負荷伝達位置」とは、それらの負荷伝達位置が互いに対して、アンビル取り付け部分2010のうちの負荷伝達位置どうしの間に伸びる部分と、エンドエフェクタ閉鎖管3050の内側表面3076との間に、空間又はクリアランスが形成されるように形成されることを意味する。
【0064】
例えば、第1の量のクリアランスCRが、第1の右側負荷伝達位置2070Rと第2の右側負荷伝達位置2072Rとの間に延在している部分と、エンドエフェクタ閉鎖管3050の内側表面3076との間に形成される。第2の量のクリアランスCRが、第3の右側負荷伝達位置2072Rと第3の右側負荷伝達位置2074Rとの間に延在している部分と、エンドエフェクタ閉鎖管3050の内面との間に形成される。第3の量のクリアランスCRが、第3の右側負荷伝達位置2074Rと第4の右側負荷伝達位置2076Rとの間に形成される。第1の量のクリアランスCLが、第1の左負荷伝達位置2070Lと第2の左側負荷伝達位置2072Lとの間に延在している部分と、エンドエフェクタ閉鎖管の内側表面との間に形成される。第2の量のクリアランスCLが、第2の左負荷伝達位置2072Lと第3の左側負荷伝達位置2074Lとの間に延在している部分と、エンドエフェクタ閉鎖管の内側表面3076との間に形成される。第3の量のクリアランスCLが、第3の左負荷伝達位置2074Lと第4左負荷伝達位置2076Lとの間に形成されている。少なくとも1つの構成において、閉鎖カム表面2020及びアンビルキャップ2030の近位部分2032に加えられた閉鎖力CFは、第1の右側負荷伝達位置2070Rと第1の左側負荷伝達位置2070Lとの間で均等に分配され得る。同様に、細長いチャネル1310に適用される閉鎖力CFは、例えば、第4の右側負荷伝達位置2076Rと第4の左側負荷伝達位置2076Lとの間で均等に分配され得る。
【0065】
少なくとも1つの構成では、少なくとも2つの右側負荷伝達位置2070R,2072R及び少なくとも2つの左負荷伝達位置2070L、2072Lは、エンドエフェクタ1300を二分する水平面HPの片側に位置づけられる。図13に示すように、2つの右側負荷伝達位置2070R、2072Rは、垂直面VPについて、2つの左側負荷伝達位置2070L、2072Lの反対側に位置づけられる。また、少なくとも1つの構成では、第3の右側負荷伝達位置2074R及び第4の右側負荷伝達位置2076Rは、水平面HPについて、第1の右側負荷伝達位置2070R及び第2の右側負荷伝達位置2072Rの反対側に位置づけられる。同様に、第3の左側負荷伝達位置2074L及び第4の左側負荷伝達位置2076Lは、水平面HPについて、第1の左側負荷伝達位置2070L及び第2の左側負荷伝達位置2072Lの反対側に位置づけられる。右側負荷伝達位置2074R、2076Rは、垂直面VPについて、2つの左側負荷伝達位置2074L、2076Lの反対側に位置づけられる。図6及び図10に見られるように、負荷伝達位置は、互いに隣接する表面どうしから形成された角部を含むように、波形状又は解放領域2080、2082、2084によって形成され得る。他の負荷伝達位置の形状も想到される。
【0066】
図14及び図15は、「過剰閉鎖」状態のアンビル2000及びエンドエフェクタ閉鎖管3050を示すが、その「過剰閉鎖」状態とは、アンビル2000が閉鎖位置に到達した後にエンドエフェクタ閉鎖管3050が更に遠位方向に前進するときに形成される状態である。少なくとも1つの例において、アンビル2000の本体部分2002の遠位端部分2003が、細長いチャネル1310で動作可能に支持されたステープルカートリッジのカートリッジデッキと接触しているときに、アンビル2000は過剰閉鎖状態にある。図14を参照されたい。アンビル2000が閉鎖位置に達した後にエンドエフェクタ閉鎖管3050が引き続き遠位方向への前進することによって、エンドエフェクタ閉鎖管3050内に形成されたフープ応力を大幅に増加させることができ、これにより、エンドエフェクタ閉鎖管は、事実上不具合を起こすか、垂直方向に伸びるかのいずれかを引き起こし、将来の用途で使用されるときに、アンビルが適切に閉鎖されるのに有害な影響を及ぼし得る。図15に見られるように、第1の右側のクリアランス量CR及び第1の左側のクリアランス量CLはそれぞれ、水平面HPの共通する側に位置づけられているクリアランス幅CWを有してもよい。第2の右側のクリアランス量CR2、及び第2の左のクリアランス量CLはそれぞれ、水平面HPにわたって広がる。換言すれば、第2の右側のクリアランス量CRの部分は、水平面HPのそれぞれの側に位置し、第2の左側クリアランス量CLの部分は、水平面HPのそれぞれの側に位置づけられている。
【0067】
垂直面のそれぞれの側に位置づけられている少なくとも2つの個々の負荷伝達位置を形成することによって、エンドエフェクタ閉鎖管3050が過剰閉鎖位置へと遠位方向に移動するにつれてエンドエフェクタ閉鎖管3050内に発生する有害なフープ応力の量を、低減することができる。垂直面のそれぞれの側に位置づけられている少なくとも3つの負荷伝達位置を形成することによって、エンドエフェクタ閉鎖管3050が過剰閉鎖位置へと遠位方向に移動するにつれてエンドエフェクタ閉鎖管3050内に発生する有害なフープ応力の量を、更に低減することができる。垂直面のそれぞれの側に位置づけられている少なくとも4つの負荷伝達位置を形成することによって、エンドエフェクタ閉鎖管3050が過剰閉鎖位置に遠位方向に移動する際に、エンドエフェクタ閉鎖管3050内に設けられる有害なフープ応力の量を更に低減することができる。それゆえ上記のような構成は、エンドエフェクタ閉鎖管3050が上述のように一定の壁厚で作製されることを可能にし、これにより、エンドエフェクタ閉鎖管の製造に伴う製造コスト額を低減することができる。
【0068】
図16図22は、以下に述べる相違点を除く、上述のアンビル2000と実質的に同一であるアンビル2000’を図示する。図16に見られるように、アンビル取り付け部分2010’は、いかなる負荷伝達位置によっても中断されない連続的な弓状アンビルカム面2020’を備えて形成される。図17及び図18は、その完全開放位置にあるアンビル2000’を示している。図17に見られるように、「第2の顎部」又はアンビル2000’がその完全開放位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050’は、その最も近位の位置にある。その位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050’は、カム閉鎖面2020’にいかなる閉鎖力も加えない。
【0069】
図23は、以下に記載される相違点を除く、上述のエンドエフェクタ閉鎖管3050と同一であり得るエンドエフェクタ閉鎖管3050’の一形態を示す。エンドエフェクタ閉鎖管3050’は、外側表面3074’と、内壁表面3076’と、を備える。少なくとも1つの形態では、閉鎖管3050’は、一定の壁厚WTを有するが、例外として、エンドエフェクタ閉鎖管3050’の上部に位置づけられている壁のセグメントAは、WTよりも厚い壁厚WTを有する。このような構成は、単一の負荷伝達位置2070’を形成する。
【0070】
図19及び図20は、アンビル2000’が閉鎖位置にある場合の、エンドエフェクタ閉鎖管3050’とアンビル2000’との位置を示している。図20に見られるように、エンドエフェクタ閉鎖管3050’が遠位方向に移動するにつれて、エンドエフェクタ閉鎖管3050’上の負荷伝達位置2070’は、アンビルキャップ2030の近位部分2032上のカム表面2034と接触する。エンドエフェクタ閉鎖管3050’はまた、細長いチャネル1310の、エンドエフェクタを二分する垂直面VPの両側にある部分のそれぞれと接触する。図20に示されるように、負荷伝達位置2070’は、垂直面VPの両側それぞれの上のカム表面2020’の上部と接触するように、カム表面2034全体にわたって広がることができる。図19及び図20に示される閉鎖位置にあるとき、上記のような構成は、図20に示されるように、エンドエフェクタ閉鎖管3050’の内側表面3076’の対応する部分と、アンビル取り付け部分2010’のカム表面2020’との間に、空間3077を形成する役割を果たす。空間3077はそれぞれ、負荷伝達位置2070’と、内側表面3076’が細長いチャネル1310に接触する領域とから延在する(空間距離S)。したがって、アンビル2000’が閉鎖位置に移動されると、水平面HPの一方の側には、個々の第1の負荷伝達位置2070’が位置づけられており、水平面HPの反対側には、2つの個々の負荷伝達位置2072R’、2072L’が位置している。アンビル2000’が閉鎖位置にあるとき、個々の第1の負荷伝達位置2070’は、空間3077によって、個々の負荷伝達位置2072R’、2072L’のそれぞれから分離される。図20を参照されたい。図20でも分かるように、負荷伝達位置2072R’、2072L’は、垂直面VPについて、互いに反対の側に位置づけられている。
【0071】
図21及び図22は、エンドエフェクタ閉鎖管3050’がアンビル2000’を過剰閉鎖方向に移動させたときの、エンドエフェクタ閉鎖管3050’とアンビル2000’との間の相互関係を示す。図22に見られるように、過剰閉鎖位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050’はアンビル2000’及び細長いチャネル1310と接触して、空間3079R、3079Lによって、個々の負荷伝達位置2074R’、2074L’から分離された、個々の負荷伝達位置2070’を形成する。個々の負荷伝達位置2074R’は、空間3081Rによって、個々の負荷伝達位置2076R’から分離され、個々の負荷伝達位置2074L’は、空間3081Lによって、個々の負荷伝達位置2076L’から分離される。したがって、この構成では、少なくとも1つの個々の負荷伝達位置(2070’)は、エンドエフェクタを二分する垂直面VPの両側にわたり、少なくとも2つの個々の負荷伝達位置は、エンドエフェクタを二分する水平面HPの両側にわたる。加えて、少なくとも1つの個々の負荷伝達位置が、水平面HPの各側に位置し、少なくとも1つの個々の負荷伝達位置が、垂直面VPの各側に位置づけられている。上記の構成での負荷伝達位置のこのような配置は、エンドエフェクタ閉鎖管3050’の垂直方向の伸びを防止するのに役立ち得る。
【0072】
図24図30は、以下に述べる相違点を除く、上述のアダプタ2000と実質的に同一であるアダプタ2000”を示す。図24に見られるように、アンビル取り付け部分2010”は、弓状のアンビルカム面2020”と、右及び左のノッチ部又は凹部2022”とを備えて形成される。図24及び図25は、その完全開放位置にあるアンビル2000”を示している。図24に見られるように、「第2の顎部」又はアンビル2000”がその完全開放位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050”は、その最も近位の位置にある。その位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050”は、カム閉鎖面2020”にいかなる閉鎖力も加えない。図30は、以下に記載される相違点を除く、上述のエンドエフェクタ閉鎖管3050と同一であり得るエンドエフェクタ閉鎖管3050”の一形態を示す。エンドエフェクタ閉鎖管3050”は、外側表面3074”と、内壁表面3076”と、を備える。少なくとも1つの形態では、閉鎖管3050”は、図30に示されるように配置された、第1の壁厚WT、第2の壁厚WT2、第3の壁厚WT、及び第4の壁厚WTを有する。少なくとも1つの構成では、例えば、WT<WT<WT≦WTである。場合によっては、WT>WTである。エンドエフェクタ閉鎖管3050”のうち、WTに対応する壁厚を有する部分が、負荷伝達位置2070”を形成する。図示された構成では、例えば、負荷伝達位置2070”は、エンドエフェクタ閉鎖管3050”を二分する垂直面VPにわたって広がる。エンドエフェクタ閉鎖管3050”のうち、壁厚WTを有する部分は、負荷伝達位置2072R”、2072L”を形成する。図30に示されるような少なくとも1つの構成では、負荷伝達位置2072R”、2072L”は、エンドエフェクタ閉鎖管3050”を二分する水平面HPの両側にわたって広がる。
【0073】
ここで図26及び図27を参照すると、エンドエフェクタ閉鎖管3050”が遠位方向に移動されるにつれて、負荷伝達位置2070”が、アンビルキャップ2030の近位部分2032上のカム表面2034に接触する。負荷伝達位置2072R”、2072L”はまた、アンビル取り付け部分2010”のそれぞれ対応する部分に接触する。また、エンドエフェクタ閉鎖管3050”の部分が、負荷伝達位置2074R”、2074L”を形成し、負荷伝達位置2074R”、2074L”は、細長いチャネル1310の対応する部分に接触してアンビル2000”を、図26及び図27に示される閉鎖位置に移動させる。図26及び図27に示される閉鎖位置にあるとき、上記のような構成は、図27に示されるように、エンドエフェクタ閉鎖管3050”の内側表面3076”の対応する部分と、アンビル取り付け部分2010”のカム表面2020”との間に、空間3077”、3079”を形成する役割を果たす。空間3077”は、負荷伝達位置2070”と負荷伝達位置2072R”、2072L”との間に位置づけられている。空間3079”は、図27に示すように、負荷伝達位置2072R”、2072L”と負荷伝達位置2074R、2074L”との間に位置づけられている。
【0074】
図28及び図29は、エンドエフェクタ閉鎖管3050”がアンビル2000”を過剰閉鎖方向に移動させたときの、エンドエフェクタ閉鎖管3050’とアンビル2000’との間の相互関係を示す。図29に見られるように、負荷伝達位置2070”、2072R”、2072L”、2074R”、2074L”に加えて、個々独立の負荷伝達位置2076R”、2076L”が、アンビル取り付け部分2010”上に形成された凹部2022”の縁部によって形成される。このような個々の負荷伝達位置2076R”、2076L”は、対応する空間3081”によって、対応する個々の負荷伝達位置2072R”、2072L”から分離される。上記の様式での個々の負荷伝達位置のこのような配置は、エンドエフェクタ閉鎖管3050”の垂直方向の伸びを防止するのに役立ち得る。
【0075】
本明細書に記載されるタイプ及び構成のエンドエフェクタ1300を使用するとき、臨床医は、第1の顎部及び第2の顎部(アンビル2000及びその中に動作可能に装着された外科用ステープルカートリッジを有する細長いチャネル1310)を操作して、切断及びステープル留めされる組織(「標的組織」)を上記顎部どうしの間に捕捉する。図5図7に見られるように、例えば、外科用ステープルカートリッジ4000は、細長いチャネル1310内で取り外し可能に支持されるように構成されたカートリッジ本体4010を備える。カートリッジ本体4010は、細長いカートリッジスロット4016を含み、細長いカートリッジスロット4016は、カートリッジ本体4010を通って近位端4012から遠位端4014まで延在し、ナイフ部材又は発射部材1920がそれを通ることを可能にする。カートリッジ本体4010は、細長いスロット4016の両側のそれぞれに、カートリッジデッキ表面4020を更に画定する。複数のステープルキャビティ4022が、細長いスロット4016の両側それぞれで、カートリッジ本体4010内に設けられる。各キャビティ4022は、デッキ表面4020を通って開口し、外科用ステープル(複数可)をその中に取り外し可能に支持する。少なくとも1つのカートリッジ構成では、細長いスロット4016の両側それぞれに、3列のステープルキャビティ4022が設けられている。上記の列は、中心列内のステープルが、2列の隣接する外側列内のステープルに対して互い違いになるように形成される。ステープルは、各ステープルキャビティ内に移動可能に支持されるステープルドライバ上に支持される。少なくとも一部の構成において、ステープルドライバは、例えば、ナイフ部材1920と関連付けられたカム部材又はカム部分によって接触されると、上方に向けて接触されるか、又は「発射」されるように配置されている。一部の構成では、楔形スレッド又はカムスレッドが、カートリッジ本体内で移動可能に支持され、ナイフ部材1920がカートリッジ本体4010の近位端部分4012から遠位端部分4014までカートリッジを通って軸線方向に展開されるにつれて、カートリッジ本体を通って軸線方向に変位されるように適合されている。楔形スレッドは、ステープルキャビティ内に支持されたステープルドライバを連続的に展開するように、ステープルキャビティの各列に関連付けられたカム部材又は楔部材を含む。カムがステープルドライバに接触すると、ドライバは、ステープルキャビティ内で上方に駆動され、自らの上に支持されている1つ又は複数のステープルを、ステープルキャビティからクランプされた組織を通して打ち出し、アンビルのステープル成形下面との成形接触を実現する。楔形スレッド又はカム部材は、ナイフ又は発射部材1920のナイフ又は組織切断縁部の遠位に位置づけられ、組織が組織切断縁部によって切断される前にステープル留めされるようになっている。
【0076】
臨床医が最初に標的組織をアンビルとステープルカートリッジとの間に配置するとき、標的組織がまずステープル留めされるまでは、ナイフが標的組織に切り込まないように位置づけられることが重要である。従来のアンビル配置においては、組織止めがアンビル本体の近位端上に提供されて、標的組織がステープルカートリッジ内で最も近位にあるステープルポケットを越えて近位方向に移動することを防止する。そのような組織止めにより、エンドエフェクタ閉鎖管の遠位端に直面又は対向する、切り立った形状の近位端を形成する。閉鎖管が遠位方向に移動してアンビルを閉鎖すると、アンビルとカートリッジとの間から外側に延在している組織は、時折、組織止めの近位端とエンドエフェクタ閉鎖管の遠位端との間に、望ましくない形で動けないように留められたり又は挟持されたりすることになる。以下に開示される実施例は、本明細書に記載される様々なやり方で、アンビルが閉鎖位置及び過剰閉鎖位置に移動されるとき、組織が組織止めとエンドエフェクタ閉鎖管との間に挟まれる可能性を最小限に抑えるように構成される。
【0077】
図7を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ4000は、細長いスロット4016の各側部上のカートリッジ本体4010内に位置づけられたステープルキャビティ4022の列内に位置づけられた、最も近位にあるステープルキャビティ4022Pのそれぞれに取り外し可能に支持又は格納されたステープル(図示せず)を含む。
【0078】
様々な状況において、標的組織が最も近位にあるステープルキャビティ4022P内のステープルの近位にクランプされることを防止するために、アンビル2000は、アンビル本体の各側のステープル成形下面を越えて下方に突出している2つの組織止め部材2040を含む。アンビルが閉鎖位置又は過剰閉鎖位置にあるとき、組織止め部材2040のそれぞれは、カートリッジ本体4010の各側において下向きに突出する。図7は、解放位置にあるアンビルアセンブリ2000を示す。その図に見られるように、組織止め2040のそれぞれは、カートリッジデッキ表面の下方にまで延在して、標的組織が、最も近位にあるステープルキャビティ4022P内のステープルを越えて近位に延在するのを防止する。図に7、図31、及び図32見られるように、少なくとも1つの構成において、組織止め2040はアンビル本体部分2002と一体的に形成される。アンビル本体部分2002及び組織止め2040の近位端は、アンビル取り付け部分2010上に形成された対応するカム面2020のわずかに上方にまで延在する。図示された例では、組織止め2040の近位端は、上部近位端部分2042、下側近位端部分2043、及び底部近位端部分2044に区分される。図31及び図32を参照されたい。図31及び図32にも見られるように、傾斜面又は面取り表面2045が、アンビル取り付け部分上の上部近位端部分2042とカム面2020との間に形成される。傾斜面又は面取り表面2046は、下部近位端部分2043とカム面2020との間に形成され、傾斜面又は面取り表面2047は、底部近位端部分2044とカム面2020との間に形成される。波形状又は解放領域2080、2082、2084がアンビル取り付け部分2010内に形成されている上図に示された構成では、面取り表面2045は、解放領域2080に対応する。図33を参照されたい。下部近位端部分2043及び付随する面取り部2046は、解放領域2082及び底部近位端部分2044に対応し、付随する面取り部2047は、解放領域2084に対応する。
【0079】
上述のように、アンビル2000は、軸線方向に移動可能なエンドエフェクタ閉鎖管3050によって完全開放位置から閉鎖位置へ、更には過剰閉鎖位置へと移動される。図31及び図33は、アンビル2000が閉鎖位置にあるときの、組織止め2040に対するエンドエフェクタ閉鎖管3050の位置を示す。図33に見られるように、上部近位端部分2042及び付随する面取り部2045は、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051のうちの対応する部分にほぼ平行である。組織が組織止め2040とエンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051との間に意図せず挟まれる可能性を低減するために、組織止め2040の下部近位端部分2043及び底部近位端部分2044と、対応する面取り部2046及び2047とは、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051からは離れるように曲がっている。この構成は、隣接する組織に遭遇する可能性が最も高い、組織止めの部分とエンドエフェクタ閉鎖管との間の距離を増加させる実用的な効果を有する。
【0080】
図33は、アンビル2000が閉鎖位置にある、図31に示されるエンドエフェクタの一部分の拡大図である。その位置にあるとき、各組織止め2040の上部近位端部分2042は、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051から、第1の組織距離TDに位置づけられる。各組織止め2040の底部近位端部分2044は、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051から、第2の組織距離TD離れて位置づけられる。この図で分かるように、TD>TDである。図32及び図34は、過剰閉鎖位置にあるアンビル2000を示している。各組織止め2040の上部近位端部分2042とエンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051との間の第1の組織距離TD’は、各組織止め2040の底部近位端部分2044とエンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051との間の第2の組織距離TD’よりもわずかに小さいが、これは依然として、それらの間に組織が挟み込まれる可能性を低減する。少なくとも1つの例では、TD及び/又はTD’は、1000分の10インチ程度~約1000分の25インチ程度であり得る。しかしながら、他の隙間間隔が実現されてもよい。また、面取りされた表面2045、2046、及び2047を含めることは、アンビル200が閉鎖位置に更に過剰閉鎖位置に移動されるときに、組織止め2040とエンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051との間に組織を挟み込んでしまう可能性を低減するのに役立ち得る。当業者であれば、上述の組織止め構成はまた、他の形態のエンドエフェクタ閉鎖管及び閉鎖部材構成とともにも機能するということを理解するであろう。
【0081】
図35図38は、組織止め5040に関する相違点を除く、上記のアンビル2000と同一である、アンビルの別の実施形態5000を示す。組織止め5040は、各組織止めの近位端部分5042、5043、5044、及び付随する面取り表面5045、5046、5047がエンドエフェクタ閉鎖管5030の遠位端5031にほぼ平行であることを除く、組織止め2040と同一であり得る。エンドエフェクタ閉鎖管5050は、以下で説明する相違点を除く、上記のエンドエフェクタ閉鎖管3050と同一であってもよい。図35及び図36は、閉鎖位置にあるアンビル5000を示している。この構成では、この構成でなければ組織を挟み込む可能性の高い領域が、エンドエフェクタ閉鎖管5050の底部近位端部分5044の縁部及び遠位端5031の対面部分である。そのような可能性を減らしかつ最小化するために、解放領域5060が、エンドエフェクタ閉鎖管5030の遠位端5031に形成されるが、これは組織止め5040のそれぞれの底部近位端5044と対面するか、換言すると反対側にあるものである。図示した例では、各解放領域5060は、エンドエフェクタ閉鎖管5030の遠位端5031のうちの、各組織止め5040の底部近位端部分5044に対応する部分に形成された、弓状ノッチ5062を備える。図示された構成では、例えば、組織止め5040のそれぞれの底部近位端部分5044は、下部角部5070で終端し、エンドエフェクタ閉鎖管5050がアンビル5000の閉鎖位置に対応する位置にあるときに、頂部又は底部5064が底部角部5070の真向いに存在する。しかしながら、他のノッチ形状が採用されてもよい。
【0082】
図36は、アンビル5000が閉鎖位置にある、図35に示されるエンドエフェクタの一部分の拡大図である。その位置にあるとき、各組織止め5040の上部近位端部分5042、下部近位端部分5043、及び底部近位端部分5044は、エンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端3051から、第1の組織距離TD離れて位置づけられる。各組織止め5040の底部近位端部分5044は、エンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端5051内のノッチ5062の頂点又は底部5064から、第2の組織距離TD離れて位置づけられる。この図で分かるように、TD>TDである。図37及び図38は、過剰閉鎖位置にあるアンビル5000を示している。各組織止め5040の底部近位端部分5044とエンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端5051と間の第1の組織距離TD’は、依然として、各組織止め2040の底部近位端部分5044とエンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端5051内の対応するノッチ5062の頂点5064との間の第2の組織距離TD’よりも小さいが、これは依然として、それらの間に組織が挟み込まれる可能性を低減する。また、面取りされた表面5045、5046及び5047を含めることは、アンビル5000が閉鎖位置に更に過剰閉鎖位置に移動されるときに、組織止め5040とエンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端5051との間に組織を挟み込んでしまう可能性を低減するのに役立ち得る。当業者であれば、上述の組織止め構成はまた、他の形態のエンドエフェクタ閉鎖管及び閉鎖部材構成とともにも機能するということを理解するであろう。
【0083】
図39は、細長いチャネル1310内で取り外し可能に支持されるように構成されたカートリッジ本体4010を含む、従来の外科用ステープルカートリッジ4000を示す。カートリッジ本体4010は、細長いカートリッジスロット4016を含み、細長いカートリッジスロット4016は、カートリッジ本体4010を通って近位端4012から遠位端4014まで延在し、ナイフ部材又は発射部材1920(図5参照)がそれを通ることを可能にする。カートリッジ本体4010は、細長いスロット4016の両側のそれぞれに、カートリッジデッキ表面4020を更に画定する。図39を参照されたい。複数のステープルキャビティ4022が、細長いスロット4016の両側それぞれで、カートリッジ本体4010内に設けられる。各キャビティ4022は、デッキ表面4020を通って開口し、外科用ステープル(複数可)をその中に取り外し可能に支持する。少なくとも1つのカートリッジ構成では、細長いスロット4016の両側それぞれに、3列のステープルキャビティ4022が設けられている。図示した例では、上記の列は、中心列内のステープルが、2列の隣接する外側列内のステープルに対して互い違いになるように形成される。ステープルは、各ステープルキャビティ内に移動可能に支持されるステープルドライバ上に支持される。少なくとも一部の構成において、ステープルドライバは、例えば、ナイフ部材1920と関連付けられたカム部材又はカム部分によって接触されると、上方に向けて接触されるか、又は「発射」されるように配置されている。一部の構成では、「楔形」スレッド又はカムスレッドが、カートリッジ本体4010内で移動可能に支持され、ナイフ部材1920がカートリッジ本体4010の近位端部分4012から遠位端部分4014までカートリッジを通って軸線方向に展開されるにつれて、カートリッジ本体4010を通って軸線方向に変位されるように適合されている。楔形スレッドは、ステープルキャビティ内に支持されたステープルドライバを連続的に展開するように、ステープルキャビティの各列に関連付けられたカム部材又は「楔部材」を含む。対応する楔部材又はカムがステープルドライバに接触すると、ドライバは、ステープル内で上方に駆動され、それによって自らの上に支持されている1つ又は複数のステープルを、ステープルキャビティからクランプされた組織を通して打ち出し、エンドエフェクタの対面するアンビルの、ステープル成形下面との成形接触を実現する。楔形スレッド又はカム部材は、ナイフ又は発射部材1920のナイフ又は組織切断縁部の遠位に位置づけられ、組織が、ナイフ又は発射部材上の組織切断縁部によって切断される前にステープル留めされるようになっている。
【0084】
ステープル列内のステープルの配置及び/又は幾何形状の変形は、ステープル列の可撓性及び密封特性に影響を与えることがある。例えば、直線状に整列されたステープルで構成されるステープル列は、ステープル列が直線状のステープルどうしの間で曲がったり伸びたりすることができるため、限定的な量の可撓性又は伸張性を与えることができる。その結果、ステープル列のうち限定された部分(例えば、ステープルどうしの間の部分)が可撓性を有することになる。角度を付けられて配向されたステープルで構成されるステープル列も、ステープル間で曲がったり伸びたりすることができる。しかし、角度を付けられて配向されたステープルは、回転することもでき、ステープル列内で更なる伸長性を与える。角度を付けられて配向されたステープルで構成されるステープル列は、例えば、60%を超えて伸長可能であり得る。特定の場合には、角度を付けられて配向されたステープルで構成されるステープル列は、例えば、少なくとも25%又は少なくとも50%伸長することができる。ステープルの配置は、例えば、ステープルの相対的な配置と、ステープル間の空間を含む。ステープルの幾何形状は、例えば、ステープルの大きさ及び形状を含む。ステープル列の可撓性及び密封特性は、ステープルの配置及び/又は幾何形状に基づき、長手方向及び/又は横方向の位置で変わり得る。特定の場合には、ステープル列に沿った1つ以上の位置で、ステープル列の可撓性及び/又は密封特性を変えることが望ましい。例えば、ステープル列又はその一部の可撓性を最大化することが望ましい場合がある。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル列又はその一部の柔軟性を最小化することが望ましい場合がある。ステープル列又はその一部の密封特性を最大化することが望ましい場合もある。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル列又はその一部の密封特性を最小にすることが望ましい場合がある。
【0085】
ステープルカートリッジ内のステープルキャビティの配置は、ステープルカートリッジによって作られるステープル列内のステープルの配置に対応する。例えば、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティの空間及び相対的な配向は、ステープルカートリッジによって作られるステープル列内のステープルの空間及び相対的な配向に対応する。種々の場合に、ステープルカートリッジは、得られるステープル列の可撓性及び/又は密封特性を最適化するように選択され、かつ/又は設計されたステープルキャビティの配置を含んでもよい。外科医は、例えば、行われる外科手技及び/又はその手技中に治療される組織の特性に基づき、特定の配置のステープルキャビティを有するステープルカートリッジを選択してもよい。
【0086】
特定の場合には、異なるステープルパターンを有するステープル列を作ることが望ましい場合がある。ステープル列は、その第1の部分のためのステープルの第1のパターンと、その第2の部分のためのステープルの第2のパターンとを有していてもよい。第1のパターンと第2のパターンは、長手方向にずれていてもよい。例えば、第1のパターンは、ステープル列の近位端又は遠位端に位置づけられてもよい。他の場合には、第1のパターンと第2のパターンは、横方向にずれていてもよく、更に他の場合には、第1のパターンと第2のパターンは、横方向にずれており、かつ、長手方向にずれていてもよい。ステープル列は、少なくとも2つの異なるステープルパターンを含んでいてもよい。
【0087】
特定の場合には、ステープル列内の大部分のステープルは、主パターンを形成してもよく、ステープル列内の他のステープルは、1つ以上の副パターンを形成してもよい。主パターンは、ステープル列のかなりの部分に広がっていてもよく、長手方向に繰り返すサブパターンを含んでいてもよい。特定の場合には、副パターン(又は不規則性)は、主パターンから逸脱していてもよい。副パターンは、例えば、ステープル列の長さ方向に沿った1つ以上の位置で変則的であってもよい。ステープル列内の異なるパターンは、あらかじめ定められた位置で異なる特性を生じるように構成されてもよい。例えば、主パターンは、非常に可撓性又は弾性のパターンであってもよく、ステープル留めされた組織の伸長による伸びを可能にし、副パターンは、それよりも可撓性が低くてもよく、又は弾性が低くてもよい。例えば、ステープル列の大部分が非常に高い可撓性を有し、1つ以上の限定された部分がそれより可撓性が低いことが望ましい場合がある。他の場合には、副パターンは、主パターンよりも可撓性が高くてもよい。特定の場合には、副パターンが、ステープル列の短い部分に沿って延在しているため、副パターンの可撓性が、ステープル列全体の可撓性には影響を与えない、又は顕著に影響を与えない場合がある。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/385,389号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168629号)は、様々なステープルカートリッジ及びステープルドライバの配置を開示している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第9,801,627号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE FOR CREATING FLEXIBLE STAPLE LINES」は、外科用ステープルの可撓性を有する列を作製するための様々なカートリッジ及びアンビル構成を開示している。
【0088】
再び図39を参照すると、カートリッジ4000内のステープルキャビティ4022の大部分は、第1のパターン又は主要パターン4030で配置されている。第1のパターン4030は、角度を付けられて配向されたステープルキャビティ4022が長手方向の繰り返しパターンである。長手方向の繰り返しパターンは、サブパターン又は配置が長手方向に繰り返されるパターンである。例えば、スロット4016のそれぞれの側にある3個のステープルキャビティの配置(内側ステープルキャビティ、中央ステープルキャビティ、及び外側ステープルキャビティ)は、ステープルカートリッジ本体4010の長さの少なくとも一部に沿って繰り返されていてもよい。角度を付けられて配向されたステープルキャビティの種々の長手方向の繰り返しパターンは、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、2014年9月26日出願の米国特許出願第14/498,145号、発明の名称「METHOD FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」(米国特許出願公開第2016/0089142号)に記載される。第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022の開口部4024は、カートリッジデッキ表面4020内に6列の、角度を付けられて配向されたステープルキャビティ開口部4024を有するヘリンボーンパターンを形成する。ステープルキャビティ4022の内側列4026a、中間列4026b、及び外側列4026cは、スロット4016のそれぞれの側に位置づけられる。
【0089】
各ステープルキャビティ開口部4024は、近位端4027と遠位端4028とを有する。第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022の近位端4027と遠位端4028は、横方向にずれている。異なる言い方をすると、第1のパターン4030内の各ステープルキャビティ4022は、ステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して角度を付けられて配向されている。キャビティ軸線CAは、各開口部4024の近位端4027と遠位端4028との間に延在する。キャビティ軸線CAは、スロット4016に対して斜めに配向されている。より具体的には、ステープルキャビティ4022の内側列4026a内及びステープルキャビティ4022の外側列4026c内の開口部4024は、ステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して45°、又は約45°の角度で配向され、ステープルキャビティ4022の中間列4026b内の開口部4024は、内側列4026a及び外側列4026cの開口部4024に対して90°、又は約90°の角度で配向されている。
【0090】
図39の例では、カートリッジ本体4010内の特定のステープルキャビティが、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022に対して変則的な角度又は不規則な角度で配向されている。より具体的には、近位ステープルキャビティ4022a、4022b、4022c、及び4022d、並びに遠位ステープルキャビティ4022e、4022f、4022g、及び4022hの角度配向は、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022のヘリンボーン配置には一致しない。むしろ、近位ステープルキャビティ4022a~4022d及び遠位ステープルキャビティ4022e~4022hは、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022からは角度的にずれている。近位ステープルキャビティ4022a、4022b、4022c、及び4022dは、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022に対して斜めに配向され、遠位ステープルキャビティ4022e、4022f、4022g、及び4022hも、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022に対して斜めに配向されている。近位及び遠位のステープルキャビティ4022a~4022hは、スロット4016及びステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して平行に配向されている。
【0091】
近位ステープルキャビティ4022a~4022dは、第1のパターン4030とは別個の近位パターン4040を形成し、遠位ステープルキャビティ4022e~4022hは、これも第1のパターン4030とは別個の遠位パターン4042を形成する。図示した構成では、近位パターン4040は、スロット4016の第1の側に、平行かつ長手方向に整列したステープルキャビティ4022a、4022bの第1の対、長手方向スロット4016の第2の側に、平行かつ長手方向に整列したステープルキャビティ4022c、4022dの第2の対を含む。遠位パターン4042は、スロット4016の第1の側に、平行かつ長手方向に整列したステープルキャビティ4022e、4022fの第1の対、長手方向スロット4016の第2の側に、平行かつ長手方向に整列したステープルキャビティ4022g、4022hの第2の対を含む。他の場合には、遠位パターン4042は、近位パターン4040とは異なっていてもよい。
【0092】
近位パターン4040と遠位パターン4042は、ステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して対称である。他の場合には、近位パターン4040及び/又は遠位パターン4042は、ステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して非対称であってもよい。例えば、ステープルキャビティ4022e及び4022fは、ステープルキャビティ4022g及び4022hから長手方向にずれていてもよく、かつ/又はステープルキャビティ4022a及び4022bは、ステープルキャビティ4022c及び4022dから長手方向にずれていてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、特定の場合には、ステープルカートリッジ本体4010は、近位パターン4040又は遠位パターン4042のいずれかを含んでいてもよい。他の場合には、ステープルカートリッジ本体4010内で画定されるステープルキャビティ4022は、ステープルキャビティ4022の更なるかつ/又は異なるパターンを含んでいてもよい。
【0093】
図39に更に見られるように、非外傷性エクステンダ4050が、第1のパターン4030のステープルキャビティ4022の一部の周りにあるデッキ表面4020から延在しているか、又は突出している。非外傷性エクステンダ4050は、第1のパターン4030のステープルキャビティ4022の開口部4024の近位端4027及び遠位端4028をそれぞれ囲む。非外傷性エクステンダ4050は、エンドエフェクタによってクランプされる組織を把持するように構成されてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、特定の場合には、ステープル脚部の先端は、カートリッジ本体4010から突出していてもよい。このような場合に、非外傷性エクステンダ4050は、ステープル脚部の先端が時期尚早に組織に刺し込まれるのを防ぐために、ステープル脚部の先端と同一平面まで、かつ/又はそれを越えて延在するように構成されてもよい。その結果、より大きなステープル、例えば、より長い脚部を有するステープルが、その周りに配置された非外傷性エクステンダ4050を有するステープルキャビティ4022内に位置づけられてもよい。例えば、再び図39を参照すると、近位パターン4040及び遠位パターン4042のステープルキャビティ内のステープルよりも大きなステープルが、このより長いステープル脚部によって組織を時期尚早に穿孔してしまう危険性なく、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022内に位置づけられ得る。特定の場合には、非外傷性エクステンダ4050は、近位パターン4040及び/又は遠位パターン4042のステープルキャビティ4022の周りに位置づけられてもよく、より大きなステープルは、同様に、より多くのこれらのステープルキャビティ4022a~4022hの1つ以上に位置づけられてもよい。
【0094】
ステープルカートリッジ本体4010は、その長さ方向に沿って異なる特性を有するステープル列を作るように構成されてもよい。ステープルカートリッジ本体4010によって作られ、組織Tに埋め込まれるステープル列4060を図40に示す。ステープル列4060は、ステープル4062で構成され、本明細書に記載する種々のステープルカートリッジと共に使用するための例示的なステープル4062を図41に示す。ステープル4062は、例えば、曲げられたワイヤで構成されていてもよい。ワイヤは、直径が0.0079インチ、又は約0.0079インチであってもよい。他の場合には、ワイヤは、直径が0.0089インチ、又は約0.0089インチであってもよい。更に他の場合には、ワイヤは、直径が0.0094、又は約0.0094インチであってもよい。特定の場合には、ワイヤは、直径が0.0079インチ未満、又は0.0094インチより大きくてもよい。読者は、ワイヤの直径が、ステープルの直径を示し得るということを理解するだろう。ステープル4062は、基部4064と、基部4064の第1の端部から延在する第1の脚部4066と、基部4064の第2の端部から延在する第2の脚部4068とを有する、実質的にU字形のステープルである。第1の脚部4066は、第2の脚部4068と実質的に平行であり、基部4064に対して実質的に垂直である。組織Tに埋め込まれると、基部4064の角度配向は、ステープル4062がそこから発射されるステープルキャビティ開口部4024の角度配向に対応する。
【0095】
本明細書に記載される種々のステープルカートリッジと共に使用し得る別の例示的なステープル4070を、図42に示す。ステープル4070は、基部4072と、基部4072の第1の端部から延在する第1の脚部4074と、基部4072の第2の端部から延在する第2の脚部4076とを有する、実質的にV字形のステープルである。第1の脚部4074は、第2の脚部4076及び基部4072に対して斜めに配向されている。組織Tに埋め込まれると、基部4072の配向は、ステープル4070がそこから発射されるステープルキャビティ開口部4024の方向に対応する。読者は、異なる幾何形状を有するステープルが本明細書に記載のステープルカートリッジから発射されてもよいことを理解するだろう。
【0096】
図40を再び参照すると、ステープル列4060は、第1の部分4061と、近位部分4063と、遠位部分4065とを含む。第1の部分4061は、第1のパターン(すなわち、主パターン)4030から作られ、ステープル列4030のかなりの部分に沿って延在している。第1の部分4030内のステープル4062の角度の向きに起因して、第1の部分4061は、実質的に可撓性を有しているか、又は弾性を有している。例えば、角度を付けられて配向されたステープル4062は、組織Tに対する外傷を最小限にしつつ、ステープル留めされた組織T内で回転することができ、第1の部分4061は、ステープル留めされた組織が伸長するにつれて、長手方向及び/又は横方向に伸長するか又は延伸するように構成されている。
【0097】
近位部分4063は、近位パターン4040から作られ、ステープル列4060の近位端を形成する。遠位部分4065は、遠位パターン4042から作られ、ステープル列4060の遠位端を形成する。ステープル列4060の近位部分4063及び遠位部分4065内のステープル4062の平行な配向に起因して、ステープル列4060の近位部分4063及び遠位部分4065は、第1の部分4061よりも可撓性が低くなり得る。しかし、近位部分4063及び遠位部分4065の可撓性の低下は、ステープル列4060の全体的な可撓性に影響を与えないか、又は実質的に影響を与えない場合がある。更に、本明細書に記載されるとおり、近位部分4063及び遠位部分4065は、切断線に隣接して延在していなくてもよく、特定の場合には、近位部分4063は、ステープル列4060に存在していなくてもよく、ステープル列4060から欠けていてもよい。
【0098】
本明細書に記載されるとおり、ステープルは、ステープルカートリッジ内に着脱可能に位置づけられ、使用中にステープルカートリッジから発射される。種々の場合に、ステープルは、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティから外に駆動され、アンビルとの接触を形成してもよい。例えば、発射要素は、発射ストローク中にステープルカートリッジを通って並進し、ステープルカートリッジからアンビルに向かってステープルを駆動させてもよい。特定の場合には、ステープルは、ステープルドライバによって支持されてもよく、発射要素は、ステープルドライバを持ち上げ、ステープルカートリッジからステープルを放出するか、又は取り出してもよい。
【0099】
アンビルは、その中にステープル成形ポケットを画定するステープル成形下面を有していてもよい。特定の場合には、ステープル成形ポケットは、アンビル内に型打ちされていてもよい。例えば、ステープル成形ポケットは、アンビルの平らな表面に圧印加工されてもよい。読者は、ステープル成形ポケットの特定の特徴が、圧印プロセスの意図的な結果であり得るということを理解するだろう。例えば、ステープルを成形製造部の角及び/又は縁部の特定の丸め度は、圧印プロセスの意図した結果であってもよい。このような特徴はまた、歪んでいたりかつ/又は他の様式で展開中にアライメントが乱れていたりするステープルを含めて、ステープルをその成形後の形状に、より良く成形するように設計されていてもよい。
【0100】
ステープルカートリッジ中の各ステープルは、アンビルのステープル成形ポケットと位置揃えされ得る。言い換えると、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティ及びステープルのエンドエフェクタ用の配置は、エンドエフェクタのアンビル内のステープル成形ポケットの配置に対応、又はこれと一致していることが可能である。より具体的には、各ステープルキャビティの角度配向は、それぞれ対応するステープル成形ポケットの角度配向と一致していてもよい。例えば、ステープルキャビティがヘリンボーンパターンに配置されている場合、ステープル成形ポケットもヘリンボーンパターンに配置されていてもよい。
【0101】
ステープルが、ステープルカートリッジから駆動され、アンビルと成形接触する場合、ステープルから、発射形状に成形されてもよい。種々の場合に、発射形状は、B字形状であってもよい。つまり、ステープル脚部の先端が、ステープル基部又はクラウンに向かって曲げられて、対称な上側ループと下側ループを有する大文字のBを形成する。他の場合には、発射される構成は、改変されたB形態(例えば、ステープル脚部の少なくとも一部が、ステープル基部と共に面からはずれてトルクを受ける、歪んだB形態の構成、又は大文字Bの上側ループと下側ループが非対称である、非対称なB形態の構成)であってもよい。組織は、形成されたステープル内に捕捉されてもよく、又はクランプ留めされてもよい。
【0102】
ステープルカートリッジ内のステープル及び/又はステープルキャビティの配置は、相補的なアンビルの成形面内のステープル成形ポケットの対応する配置を最適化するように構成されてもよい。例えば、ステープルカートリッジ内のステープルの角度の向き及び空間は、アンビルの成形面を最適化するために設計されてもよい。特定の場合には、アンビル内のステープル成形ポケットの専有領域は、アンビルの幾何形状によって制限され得る。ステープル成形ポケットが、長手方向軸線に対して斜めに配向されている場合には、アンビルの幅は、斜めに配向されたステープル成形ポケットの大きさ及びステープル成形ポケットどうしの間隔を制限することがある。例えば、ステープル成形ポケットの中間列の幅は、中間列の片側の第1の列(例えば、外側列)と、中間列の他の側の第2の列(例えば、内側列)との間の最小距離を規定し得る。更に、ステープル成形ポケットの列は、アンビルの内側縁部(例えばナイフスロット)とアンビルの外側縁部との間に制限される。
【0103】
種々の場合に、ポケットは、アンビルのステープル成形下面に沿って、互いに隣接して入れ子になっていてもよい。例えば、中間ポケットは、内側ポケットと外側ポケットとの間に入れ子になっていてもよい。ポケットの角度配向は、ポケットを入れ子状にするのを容易にするために、列ごとに様々であってもよい。例えば、内側列内のステープル成形ポケットは、第1の角度で配向されていてもよく、中間列内のステープル成形ポケットは、第2の角度で配向されていてもよく、外側列内のステープル成形ポケットは、第3の角度で配向されていてもよい。第1の角度、第2の角度及び第3の角度が異なっていてもよく、これにより、ステープル成形ポケットの密な配置が容易になり得る。
【0104】
図39に示されている従来のステープルカートリッジ、及び、例えば、米国特許第9,801,627号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE FOR CREATING FLEXIBLE STAPLE LINES」、及び/又は2014年9月26日に出願された米国特許出願第14/498,145号(米国特許出願公開第2016/0089142号)、発明の名称「METHOD FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」に開示されている他の従来のステープルカートリッジを再び参照すると、各列におけるステープル及びステープルキャビティの様々な角度を選択して、相補的アンビル内のステープル成形ポケットの入れ子状構成を最適化することができる。上記のようなステープルカートリッジの各々について、相補的アンビルは、ステープル成形ポケットの対応する配置を有するように構成されてもよい。更に、相補的アンビル内のステープル成形ポケットは、ステープル脚部をステープル成形ポケット内に確実に着面させるか又は落下させるために、ステープルキャビティより大きくてもよい。例えば、ステープル脚部は、例えば、V字形のステープル(図42を参照)の場合には、外側に付勢されてもよく、ステープル成形ポケットのより大きな専有領域が、発射中に、外側に付勢されたステープル脚部を捕捉することができる。種々の場合に、ステープル成形ポケットは、対応するステープルキャビティ及び/又はステープルよりも、0.005インチ~0.015インチ長くてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、各ステープル成形ポケットのステープルを受け入れるカップは、対応するステープルキャビティよりも、0.005インチ~0.015インチ幅広であってよい。他の場合には、長さ及び/又は幅の差は、0.005インチ未満、又は0.015インチより大きくてもよい。
【0105】
ステープルの大きさが、ステープルカートリッジ内で変わる場合、ステープル成形ポケットの大きさは、相補的アンビル内でこれに対応して変わってもよい。ステープル成形ポケットの大きさを変えると、その入れ子状構成の実現が更に容易になる場合がある。例えば、中間列内のステープル成形ポケットが、内側列又は外側列内のステープル成形ポケットより短い場合、中間列のステープル成形ポケットの幅を小さくすることができ、内側列と外側列との間の必要な間隔を最小化することができる。
【0106】
ステープル成形ポケットどうしの間隔も、それらの入れ子状構成を最適化するように構成されていてもよい。例えば、内側列に配置されたポケットは、外側列に配置されたポケットに対して、長手方向に互い違いになっていてもよい。更に、内側列内のポケットは、外側列内のポケットと、長手方向に部分的に重なり合っていてもよい。中間列内のポケットは、内側列内のポケット及び外側列内のポケットに対して、長手方向に互い違いになっていてもよい。例えば、中間列内のポケットは、外側列内のポケット及び内側列内のポケットに対して、長手方向に等間隔にずれていてもよい。
【0107】
ここで図43図45を参照すると、アンビル9000が変形可能なアンビル先端部9010を含むことを除く、本明細書に記載されたアンビルと同様であり得る、アンビル9000が図示されている。アンビル9000は、細長いスロット9006が貫通する、9004として全体的に称されるステープル成形下面を含むアンビル本体9002を備える。ステープル成形下面9004は、ステープル発射プロセス及び組織切断プロセス中に、スロット9006を貫通するよう構成されている発射部材であるナイフに成形されるか、又はこれに取り付けられている突出部により摺動係合させるため、アンビル本体9002内の細長いスロット9006の各側に位置づけられたレッジ9008、9010を画定する。図43図45に見られるように、変形可能なアンビル先端部9050は、アンビル本体9002の遠位端9020に取り付けられる。
【0108】
図示される構成では、アンビル本体9002は、第1の金属材料などの第1の材料から作製されてもよく、第1の金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタンなどを含み得る。変形可能なアンビル先端部9050は、例えば第1の材料よりも可撓性が高く、より大きく変形可能である第2の材料から作製されてもよい。第2の材料は、プラスチック材料を含み得る。少なくとも1つの構成では、変形可能なアンビル先端部9050は、例えば、熱の下で成形され直されない、熱硬化性プラスチックから作製されてもよい。図43図45に示される実施例では、変形可能なアンビル先端部9050は、第1の可撓性取り付けアセンブリ9054を備える取り付け部分9052を含む。1つの構成では、第1の可撓性取り付けアセンブリ9054は、上から見たときにT字形状である。T字形状の第1の取り付けアセンブリ9054は、アンビル本体9002の遠位端9020に形成されたT字形状のスロット構成9022内に摺動可能に受容されるように構成されている。T字形状の第1の取り付けアセンブリ9054は、アンビル本体9002によって画定されたアンビル軸線ANAを横断している挿入方向IDで、スロット9022へ挿入されるように構成されている。
【0109】
なおも図43図45を参照すると、T字形状の第1の取り付けアセンブリ9054は、スロット型貫通穴9056を含み、スロット型貫通穴9056は、右側可撓性取り付けタブ9058及び左側可撓性取り付けタブ9060を画定する。右側可撓性取り付けタブ9058及び左側可撓性取り付けタブ9060は、挿入方向IDで、T字形状のスロット構成9022の対応する部分に摺動可能に受容されるように構成されている。第1の取り付けアセンブリ9054がアンビル本体9002の遠位端9020のT字形状のスロット9022内に挿入されると、第2の取り付け部材9070は、第1の取り付けアセンブリ9054のスロット型貫通穴9056内に挿入される。少なくとも1つの構成では、第2の取り付け部材9070は、横断方向頂部部材9074を含む本体9072を備える。本体9072は、その上に形成された、変形可能なねじ山又は肩部9076の形態である1つ又は複数の保持機能部を備える。変形可能なアンビル先端部9050をアンビル本体9002に取り付けるために、第1の取り付けアセンブリ9054は、挿入方向にT字形状のスロット構成9022へと挿入され、これはレッジ9008、9010に対してその底部に着座する。第2の取り付け部材9070の本体9072は、第1の取り付けアセンブリ9054のスロット型貫通穴9056内に挿入方向IDで挿入される。少なくとも1つの構成では、スロット型貫通穴9056は、可撓性取り付けタブ9058、9060を横方向取り付け方向LADで横方向外側に屈曲させて、T字形状のスロット9022の対応する部分と横方向に保持係合させるように、第2の取り付け部材9070の本体部分9072に対してサイズ決めされる。第2の取り付け部材9070が第1の取り付けアセンブリ9054のスロット型貫通穴9056内に挿入されると、その上の変形可能な肩部9076が、第2の部材9070を保持係合状態に保持し、貫通穴9056から外れるのを防止する。1つの構成では、第2の取り付け部材9070は、スロット型貫通穴9056内に圧力下で挿入される。別の構成では、ひとたび第2の取り付け部材9070がスロット型貫通穴9056に挿入され着座されると、肩部9076が永久的に変形されて、保持位置に第2の取り付け部材9070を保持するように、第2の取り付け部材9070が加熱され、圧力下で挿入され(熱かしめされ)る。
【0110】
図43図45にも見られるように、アンビル9000は、アンビル本体9002内の細長いスロット9006を覆うようにサイズ決めされたアンビルキャップ9080を備え得る。アンビルキャップ9080は、アンビル本体9002をなしているのと同じ材料から作製されてもよく、変形可能なアンビル先端部9050が上述の方法で取り付けられた後にアンビル本体9002へと溶接されてもよい。アンビルキャップ9080は遠位端9082を備え、遠位端9082は、変形可能なアンビル先端部9050の取り付け部分9052に設けられたキャビティ9062内に受容されるように構成されている。このような構成は、第2の取り付け部材9070を適所に更に保持する。ひとたび変形可能なアンビル先端部9050がアンビル本体9002に取り付けられると、アンビル先端部9050の遠位端部分9051は、アンビル本体9002のステープル成形下面9004の下方で曲がる。図44を参照されたい。
【0111】
次に図46及び図47を参照すると、以下の相違点を除く、上記のアンビル9000と同様のアンビル9100が示されている。アンビル9100は、細長いスロット9106が貫通する、9104として全体的に称されるステープル成形下面を含むアンビル本体9102を備える。ステープル成形下面9104は、ステープル発射プロセス及び組織切断プロセス中に、スロット9106を貫通する発射部材であるナイフに成形されるか、又はこれに取り付けられている突出部により摺動係合させるため、アンビル本体9102内の細長いスロット9106の各側上のレッジ9108、9110を形成するように機能する。図46及び図47に見られるように、アンビル9100は、アンビル本体9102の遠位端9120に取り付けられる、変形可能なアンビル先端部9150を備える。
【0112】
図示される構成では、アンビル本体9102は、第1の金属材料などの第1の材料から作製されてもよく、第1の金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタンなどを含み得る。変形可能なアンビル先端部9050は、例えば第1の材料よりも可撓性が高く、より大きく変形可能である第2の材料から作製されてもよく、例えばプラスチック材料を含んでいてもよい。少なくとも1つの構成では、変形可能なアンビル先端部9050は、例えば、熱の下で成形され直されない、熱硬化性プラスチックから作製されている。図46図47に示される実施例では、変形可能なアンビル先端部9050は、第1の可撓性取り付けアセンブリ9154を備える取り付け部分9152を含む。1つの構成では、第1の可撓性取り付けアセンブリ9154は、上から見たときにT字形状である。T字形状の第1の取り付けアセンブリ9154は、アンビル本体9102の遠位端9120に形成されたT字形状のスロット構成9122内に摺動可能に受容されるように構成されている。図46に最も具体的に見られ得るように、T字形状のスロット構成9122は、ステープル成形下面9104を貫通して形成された2つのキャビティ9124を備える。上記のアンビル9000とは異なり、T字形状の第1の取り付けアセンブリ9154の構成は、アンビル本体9102によって画定されるアンビル軸線ANAを横断している挿入方向IDで、ステープル成形下面9104の底部からスロット9122内に挿入されるように構成されている。
【0113】
なおも図46及び図47を参照すると、T字形状の第1の取り付けアセンブリ9154は、スロット型貫通穴9156を含み、スロット型貫通穴9156は、右側可撓性取り付けタブ9158及び左側可撓性取り付けタブ9160を画定する。右側可撓性取り付けタブ9158及び左側可撓性取り付けタブ9160は、挿入方向IDで、T字形状のスロット構成9122の対応するキャビティ9124に摺動可能に受容されるように構成されている。第1の取り付けアセンブリ9154がアンビル本体9102の遠位端9120のT字形状のスロット9122内に挿入されると、第2の取り付け部材9170が、第1の取り付けアセンブリ9154のスロット型貫通穴9156内に挿入される。少なくとも1つの構成では、第2の取り付け部材は、横断方向頂部部材9174を含む本体9172を備える。本体9172は、上に形成された変形可能なねじ山又は肩部9176の形態の1つ又は複数の保持機能部を有する。変形可能なアンビル先端部9150をアンビル本体9102に取り付けるために、第1の取り付けアセンブリ9154は、挿入方向IDにT字形状のスロット構成9122に挿入され、キャビティ9124内に着座する。第2の取り付け部材9170の本体9172は、第1の取り付け部材9154のスロット型貫通穴9156内に、挿入方向IDで挿入される。少なくとも1つの構成では、スロット型貫通穴9156は、第2の取り付け部材9170の本体部分9172に対してサイズ決めされ、可撓性取り付けタブ9058、9160を横方向の取り付け方向で、横方向にて外側に屈曲させて、キャビティ9124の対応する部分と横方向に保持係合させるようになっている。第2の取り付け部材9170が第1の取り付けアセンブリ9154のスロット型貫通穴9156内に挿入されると、その上の変形可能な肩部9176が、第2の部材9170を保定係合状態に保持し、貫通穴9156から外れるのを防止する。1つの構成では、第2の取り付け部材9170は、スロット型貫通穴9156内に圧力下で挿入される。別の構成では、第2の取り付け部材9170が加熱され、圧力の下で挿入され(熱かしめされ)るが、ひとたび第2の取り付け部材9170がスロット型貫通穴9156に挿入されて着座されると、肩部9176が永久的に変形されて、所定の位置に第2の取り付け部材9170を保持するようになっている。図示された実施例では、組織把持機能部又は小結節部9178は、アンビル9100で組織を把持する一助となるために、第2の取り付け部材9170の頂部9174上に形成される。図46にも見られるように、アンビル9100は、アンビル本体9102内のスロット9106を覆うようにサイズ決めされたアンビルキャップ9180を備えてもよい。アンビルキャップ9180は、アンビル本体9102をなしているのと同じ材料から作製され、アンビル本体9102に溶接されてもよい。ひとたび変形可能なアンビル先端部9150がアンビル本体9102に取り付けられると、アンビル先端部9150の遠位先端部9151は、アンビル本体9102のステープル成形下面9104の下方で曲がる。図47を参照されたい。1つの構成では、変形可能なアンビル先端部9150は、その全長にわたって一定の幅を有してもよく、また、相対的に四角化された遠位端部分を有してもよい。
【0114】
次に図48及び図49を参照すると、9204として全体的に称されるステープル成形下面を含むアンビル本体9202を備えるアンビル9200が示される。アンビル9200は、アンビル本体9202の遠位端9220に取り付けられた、変形可能なアンビル先端部9250を含む。図示される構成では、アンビル本体9202は、第1の金属材料を含み得る第1の材料から作製されてもよく、第1の金属材料としては、ステンレス鋼、チタンなどが挙げられる。変形可能なアンビル先端部9050は、第1の材料より可撓性が高く、より大きく変形可能である第2の材料から作製されてもよく、例えばプラスチック材料を含んでもいてもよい。少なくとも1つの構成において、変形可能なアンビル先端部9250は、例えば、熱の下で成形され直されない熱硬化性プラスチックから作製されている。図48及び図49に示される実施例では、遠位方向に延在する取り付け部材又はラグアセンブリ9230が、アンビル本体9202の遠位端9020上に形成される。図48に見られるように、1つの構成では、取り付けアセンブリ9230は、第1の平面部分9232を備え、第1の平面部分9232は、アンビル本体9202の遠位端9220から突出する弓状成形肩部9225から延在している。セグメント化されたラグ部分9234は、第1の平面部分9232から横断方向に延在するようにこれに取り付けられる。平面取り付け部分9232は、アンビル先端部9250がそこに成形で取り付けられるときに、可撓性先端部材料の流れを容易にするために、平面取り付け部分9232に穴9236を追加的に有してもよい。様々なアンビルアセンブリと共通であり得るように、上のアンビル本体は、改善されたステープル成形、及びトロカールカニューレを通る挿入を容易にするために、潤滑性材料でコーティングされてもよい。図示された例では、アンビル本体9202のうち、遠位端位置9220の近位にある部分は、例えばそのような方法で潤滑されてもよい。しかしながら、取り付けアセンブリ9230をエッチングして、そこからあらゆる潤滑剤をも除去して、上から成形された変形可能なアンビル先端部9250のアンビル本体9202への接着性を改善することができる。エッチングプロセスは、より良好に接着させるための、第2の材料の摩擦接着面を作り出すことができる。他の構成では、例えば、取り付けアセンブリは、潤滑媒体が取り付けアセンブリに付いてしまうことを防止するために、これをアンビル本体に付ける間に被覆されてもよい。ひとたび変形可能なアンビル先端部9250がアンビル本体9202に成形されると、アンビル先端部9250の遠位端部分9251は、アンビル本体9202のステープル成形下面9204の下方で曲がる。1つの構成では、変形可能なアンビル先端部9250は、その全長にわたって一定の幅を有してもよく、また、相対的に四角化された遠位端部分を有してもよい。
【0115】
ここで図50及び図51を参照すると、別のアンビル構成9300は、細長いスロット9306が貫通する、9304として全体的に称されるステープル成形下面を含むアンビル本体9302を備える。図50及び図51に見られるように、アンビル9300は、アンビル本体9302の遠位端9320に取り付けられる、変形可能なアンビル先端部アセンブリ9350を備える。
【0116】
図示される構成では、アンビル本体9302は、例えば第1の金属材料を含み得る第1の材料から作製されてもよく、第1の金属材料としては、ステンレス鋼、チタンなどが挙げられる。変形可能なアンビル先端部アセンブリ9350の第1の部分9351は、第1の材料より可撓性が高く、より大きく変形可能である第2の材料から作製されてもよく、例えばプラスチック材料を含んでいてもよい。少なくとも1つの構成において、変形可能なアンビル先端部アセンブリ9350は、例えば、熱の下で成形し直されない熱硬化性プラスチックを含む、第1の先端部分9351を備える。図50及び図51に示される実施例では、変形可能なアンビル先端部アセンブリ9350は、近位方向に延在している取り付けタブ9354を備える取り付け部分9352を含む。1つの構成では、取り付けタブ9354は、アンビル本体9302の遠位端9320に形成された対応する形状のキャビティ9322内に受容されるように構成される。取り付けタブ9354は、アンビル本体9302内のスロット9306を覆うようにサイズ決めされたアンビルキャップ9380によって、キャビティ9322内に保持される。アンビルキャップ9380がアンビル本体9302に取り付けられている場合、アンビルキャップ9380は、キャビティ9322内に取り付けタブ9354を保持して、変形可能なアンビル先端部アセンブリ9350をアンビル本体9302に固定する。加えて、変形可能なアンビル先端部アセンブリ9350の第1の部分9351はまた、内部に先端部インサート9390を受容するように構成されたスロット9355を備えてもよい。1つの構成では、先端部インサート9390は、第1の先端部分が作製される第2の材料よりも剛性の高い材料から作製される。一実施例では、アンビル先端部アセンブリ9350の第1部分9351は、先端部インサート9390へと成形されてもよい。いくつかの構成において、先端部インサート9390は、アンビル本体9302に追加的に溶接又は取り付けられてもよい。ひとたび変形可能なアンビル先端部アセンブリ9350がアンビル本体9302に取り付けられると、アンビル先端部アセンブリ9350の遠位端部分9353は、アンビル本体9302のステープル成形下面9304の下で曲がる。図50及び図51を参照されたい。1つの構成では、アンビル先端部アセンブリ9350は、その全長にわたって一定の幅を有してもよく、また、相対的に四角化された遠位端部分を有してもよい。
【実施例
【0117】
実施例1-第1の材料から作製されたアンビル本体を備える外科用ステープラ用のアンビル。アンビル本体が、アンビル軸線を画定する。先端部材が、第1の材料とは異なる第2の材料から作製される。先端部材が、アンビル本体の遠位端の開口部内に受容されるように構成された第1の可撓性取り付け部分を備える。遠位側部分が、第1の可撓性取り付け部分からある角度で突出する。アンビルは、第1の可撓性取り付け部分と取り外し不可能に係合し、第1の可撓性取り付け部分を付勢してアンビル本体の遠位端の対応する部分と保持係合させるように構成された、第2の取り付け部材を更に備える。
【0118】
実施例2-第1の可撓性取り付け部分が、第2の取り付け部材を、アンビル軸線を横断している挿入方向で中に受容するための、第1の可撓性取り付け部分を貫通するスロット型開口部を備える、実施例1のアンビル。
【0119】
実施例3-第2の取り付け部材が、第2の取り付け部材に圧力及び熱が印加されている状態でスロット型開口部に挿入される、実施例2に記載のアンビル。
【0120】
実施例4-第2の取り付け部材が、永久的変形が可能な材料から作製される、実施例1、2、又は3に記載のアンビル。
【0121】
実施例5-第1の材料が金属を含み、第2の材料がプラスチック材料を含む、実施例1、2、3、又は4に記載のアンビル。
【0122】
実施例6-金属がチタンを含み、第2の材料が熱硬化性プラスチックを含む、実施例5のアンビル。
【0123】
実施例7-アンビル本体が、細長いスロット及びステープル成形下面を更に備える、実施例1、2、3、4、5、又は6に記載のアンビル。アンビルは、アンビル本体に取り付けられて、細長スロットの上端部の少なくとも一部分を覆い、かつ第1の可撓性取り付け部分をアンビル本体の遠位端の開口部内に保持するように構成された、アンビルキャップを更に備える。
【0124】
実施例8-アンビルキャップが、第1の材料から作製され、アンビル本体に溶接されるように構成されている、実施例7に記載のアンビル。
【0125】
実施例9-先端部材がアンビル本体の遠位端に取り付けられ、先端部材の遠位部分がステープル成形下面の下方まで延在する、実施例7又は8に記載のアンビル。
【0126】
実施例10-第2の取り付け部材が、上に組織把持機能部を有する、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、又は9に記載のアンビル。
【0127】
実施例11-第2の取り付け部材が、本体部分と、本体部分から横方向に延在する横断部分と、を備える、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10に記載のアンビル。横断本体部分は、上に組織把持機能部を有する。永久的変形が可能な保持機能部が、本体部分上に提供される。
【0128】
実施例12-アンビルが、第1の材料から作製されるアンビル本体であって、自らの遠位端から突出している遠位方向に延在する取り付け部材を備える、アンビル本体を備える、外科用ステープラ用のアンビル。先端部材が、第1の材料とは異なる第2の材料から作製され、遠位方向に延在する取り付け部材の周りに成形されるように構成されている。アンビル本体は、上に潤滑媒体を含むが、遠位方向に延在する取り付け部材は、上に潤滑媒体を有さない。
【0129】
実施例13-アンビル本体がステープル成形下面を画定し、先端部材が、近位取り付け部分と、近位取り付け部分からある角度で延在し、アンビル本体のステープル成形下面の下方まで延在する遠位端部分と、を備える、実施例12に記載のアンビル。
【0130】
実施例14-第1の材料が金属を含み、第2の材料が熱可塑性材料を含む、実施例12又は13に記載のアンビル。
【0131】
実施例15-遠位方向に延在する取り付け部材が、アンビル本体の遠位端から遠位方向に突出している平面取り付け部分と、平面取り付け部分に取り付けられ、そこから横方向に延在している横断部分と、を備える、実施例12、13、又は14に記載のアンビル。
【0132】
実施例16-横断部分が、上に形成された複数のラグを有する、実施例15に記載のアンビル。
【0133】
実施例17-平面取り付け部分が、これを貫通する穴を有する、実施例16に記載のアンビル。
【0134】
実施例18-アンビルが、アンビル本体であって、第1の材料から作製され、これを貫通して延在している細長いスロットを画定している、アンビル本体を備える、外科用ステープラ用のアンビル。先端部材が、第1の材料とは異なる第2の材料から作製される。先端部材は、アンビル本体の遠位端の開口部内に受容されるように構成された第1の取り付け部分を備える。遠位部分が、第1の可撓性取り付け部分からある角度で突出する。アンビルが、アンビル本体に取り付けられて、細長いスロットの上端部の少なくとも一部分を覆い、かつ第1の取り付け部分をアンビル本体の遠位端の開口部内に保持するように構成された、アンビルキャップを更に備える。
【0135】
実施例19-先端部材が、第2の材料とは異なるインサート材料から作製される、先端部材に取り付けられたインサートを更に備える、実施例18に記載のアンビル。
【0136】
実施例20-インサート材料が、第1の材料を含む、実施例19に記載のアンビル。
【0137】
本明細書で説明する外科用器具システムの多くは、電動モータによって駆動されている。本明細書に記載された外科用器具システムは、任意の好適な様態で動作することができる。様々な事例において、本明細書で説明した外科用器具システムは、例えば、手動操作トリガにより動作することができる。特定の例では、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御式システムの1つ又は複数の部分を備えることができる。更に、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び/又は工具アセンブリのいずれもロボット外科用器具システムと共に利用することができる。例えば、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(米国特許第9,072,535号)は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例をより詳細に開示している。
【0138】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきた。しかしながら、本明細書に記載された実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結要素を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【0139】
以下の開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、1995年4月4日に発行、
-米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、2006年2月21日に発行、
-米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、2008年9月9日に発行、
-米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、2008年12月16日に発行、
-米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、2010年3月2日に発行、
-米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、2010年7月13日に発行、
-米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、2013年3月12日に発行、
-米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」(米国特許第7,845,537号)、
-米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、2008年2月14日に出願、
-米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」、2008年2月15日に出願、(米国特許第7,980,443号)、
-米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」(米国特許第8,210,411号)、
-米国特許出願第12/235,972号、発明の名称「MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許第9,050,083号)、
-米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」(米国特許第8,608,045号)、
-米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」、2009年12月24日に出願、(米国特許第8,220,688号)、
-米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、2012年9月29日に出願(米国特許第8,733,613号)、
-米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、2011年2月28日に出願(米国特許第8,561,870号)、
-米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(米国特許第9,072,535号)、
-米国特許出願第13/524,049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、2012年6月15日に出願、(米国特許第9,101,358号)、
-米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、2013年3月13日に出願、(米国特許第9,345,481号)、
-米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、2013年3月13日に出願、(米国特許出願公開第2014/0263552号)、
-米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、2006年1月31日に出願、及び
-米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」、2010年4月22日に出願、(米国特許第8,308,040号)。
【0140】
特定の実施形態と共に本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ以上の実施形態で、任意の好適な様態で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能(複数可)を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0141】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0142】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0143】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0144】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープラ用のアンビルであって、
第1の材料から作製され、アンビル軸線を画定している、アンビル本体と、
前記第1の材料とは異なる第2の材料から作製された先端部材と、を備え、
前記先端部材は、
前記アンビル本体の遠位端の開口部内に受容されるように構成された第1の可撓性取り付け部分、及び
前記第1の可撓性取り付け部分からある角度で突出している遠位部分、
を備え、
前記アンビルは、前記第1の可撓性取り付け部分と取り外し不可能に係合し、前記第1の可撓性取り付け部分を付勢して前記アンビル本体の前記遠位端の対応する部分と保持係合させるように構成された、第2の取り付け部材を更に備える、アンビル。
(2) 前記第1の可撓性取り付け部分が、前記第2の取り付け部材を、前記アンビル軸線を横断している挿入方向で中に受容するための、前記第1の可撓性取り付け部分を貫通するスロット型開口部を備える、実施態様1に記載のアンビル。
(3) 前記第2の取り付け部材が、前記第2の取り付け部材に圧力及び熱が印加されている状態で前記スロット型開口部に挿入される、実施態様2に記載のアンビル。
(4) 前記第2の取り付け部材が、永久的変形が可能な材料から作製される、実施態様1に記載のアンビル。
(5) 前記第1の材料が金属を含み、
前記第2の材料がプラスチック材料を含む、
実施態様1に記載のアンビル。
【0145】
(6) 前記金属がチタンを含み、前記第2の材料が熱硬化性プラスチックを含む、実施態様5に記載のアンビル。
(7) 前記アンビル本体が、
細長いスロットと、
ステープル成形下面と、
を更に備え、
前記アンビルが、前記アンビル本体に取り付けられて、前記細長いスロットの上端部の少なくとも一部分を覆い、かつ前記第1の可撓性取り付け部分を前記アンビル本体の前記遠位端の前記開口部内に保持するように構成された、アンビルキャップを備える、
実施態様1に記載のアンビル。
(8) 前記アンビルキャップが、前記第1の材料から作製され、前記アンビル本体に溶接されるように構成されている、実施態様7に記載のアンビル。
(9) 前記先端部材が前記アンビル本体の前記遠位端に取り付けられ、前記先端部材の前記遠位部分が、前記ステープル成形下面の下方まで延在する、実施態様7に記載のアンビル。
(10) 前記第2の取り付け部材が、上に組織把持機能部を備える、実施態様2に記載のアンビル。
【0146】
(11) 前記第2の取り付け部材が、
本体部分と、
前記本体部分から横方向に延在し、上に前記組織把持機能部を備える横断部分と、
前記本体部分上の永久的変形が可能な保持機能部と
を備える、実施態様10に記載のアンビル。
(12) 外科用ステープラ用のアンビルであって、前記アンビルが、
第1の材料から作製され、自らの遠位端から突出している遠位方向に延在する取り付け部材を備える、アンビル本体と、
前記第1の材料とは異なる第2の材料から作製された先端部材であって、前記遠位方向に延在する取り付け部材の周りに成形されるように構成された、先端部材と、
を備え、
前記アンビル本体が、上に潤滑媒体を備え、
前記遠位方向に延在する取り付け部材が、前記潤滑媒体を欠いている、
外科用ステープラ用のアンビル。
(13) 前記アンビル本体がステープル成形下面を画定し、
前記先端部材が、
近位取り付け部分と、
前記アンビル本体の前記ステープル成形下面の下方まで延在するように、前記近位取り付け部分からある角度で延在する遠位端部分と、
を備える、
実施態様12に記載のアンビル。
(14) 前記第1の材料が金属材料を含み、
前記第2の材料が熱可塑性材料を含む、
実施態様12に記載のアンビル。
(15) 前記遠位方向に延在する取り付け部材が、
前記アンビル本体の前記遠位端から遠位方向に突出している平面取り付け部分と、
前記平面取り付け部分に取り付けられ、そこから横方向に延在している横断部分と、
を備える、実施態様12に記載のアンビル。
【0147】
(16) 前記横断部分が、上に形成された複数のラグを含む、実施態様15に記載のアンビル。
(17) 前記平面取り付け部分が、これを貫通する穴を備える、実施態様15に記載のアンビル。
(18) 外科用ステープラ用のアンビルであって、前記アンビルが、
第1の材料から作製されたアンビル本体であって、これを貫通して延在している細長いスロットを画定している、アンビル本体と、
前記第1の材料とは異なる第2の材料から作製された先端部材と、を備え、前記先端部材が、
前記アンビル本体の遠位端の開口部内に受容されるように構成された第1の取り付け部分、及び
前記第1の可撓性取り付け部分からある角度で突出している遠位部分、
を備え、
前記アンビルが、前記アンビル本体に取り付けられて、前記細長いスロットの上端部の少なくとも一部分を覆い、かつ前記第1の取り付け部分を前記アンビル本体の前記遠位端の前記開口部内に保持するように構成された、アンビルキャップを更に備える、アンビル。
(19) 前記先端部材が、前記第2の材料とは異なるインサート材料から作製される、前記先端部材に取り付けられたインサートを更に備える、実施態様18に記載のアンビル。
(20) 前記インサート材料が、前記第1の材料を含む、実施態様19に記載のアンビル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
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図50
図51