(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】モバイルデバイスと方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/14 20180101AFI20231218BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20231218BHJP
H04W 76/11 20180101ALI20231218BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20231218BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W4/40
H04W76/11
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2021517597
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2019075872
(87)【国際公開番号】W WO2020064840
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-25
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】バダウリア,シュバンジ
(72)【発明者】
【氏名】ハッサン,カレッド シャウキー
(72)【発明者】
【氏名】ロース・マンズッツ,エルケ
(72)【発明者】
【氏名】レイ,マルチン
【合議体】
【審判長】齋藤 哲
【審判官】本郷 彰
【審判官】圓道 浩史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/029954(WO,A1)
【文献】AT & T,V2X sidelink design in supporting unicast, groupcast and broadcast,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #94 R1-1809066,2018年08月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信グループ(1、1’、1’’)のメンバーであり、前記通信グループ(1、1’、1’’)の1つ以上の他のメンバーとグループキャストを使用して通信するように構成され、かつ前記1つ以上の他のメンバーと制御情報(12cp)を交換するよう構成されたモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)であって、
前記モバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)は、識別情報(12id)を作成し、制御情報(12cp)の物理層上で前記識別情報(12id)を、前記識別情報が前記物理層内で利用可能であるようにサイドリンク制御情報(SCI)を使用して送信するように構成され、前記識別情報(12id)は通信グループ(1、1’、1’’)に割り当てら
れ、
前記制御情報(12cp)はサイドリンク制御情報フォーマットを使用し、かつ前記識別情報(12id)は前記サイドリンク制御情報フォーマットの1つ以上の予約済み情報ビットに挿入される、
モバイルデバイス。
【請求項2】
前記モバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)は、前記通信グループ(1、1’、1’’)のグループヘッド(10g、10g’)である、
請求項1に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項3】
前記識別情報(12id)は、グループデスティネーションID、グループソースID、グループデスティネーションおよびグループソースIDの組み合わせ、ならびに共通のグループIDを含む一群からのいずれかであり、及び/又は
前記識別情報(12id)は、グループのセル/ゾーン/地理的参照、および/または地理的エリア内のグループの固有IDから構成される、
請求項1
又は2に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項4】
無線/ネットワーク仮識別情報(12id)が識別情報(12id)として使用され;または
無線/ネットワーク仮識別情報(12id)が識別情報(12id)として使用され、かつ前記無線/ネットワーク仮識別情報(12id)が特定のエリアまたは地理的参照に依存し;または
サイドリンク識別情報(12id)が識別情報(12id)として使用される、
請求項1~
3のいずれか一項に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項5】
前記モバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)は、セットアップ段階中に前記無線/ネットワーク仮識別情報(12id)または前記サイドリンク識別情報(12id)を定義するように構成される、
請求項
4に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項6】
前記無線/ネットワーク仮識別情報(12id)またはサイドリンク識別情報(12id)は、前記通信グループ(1、1’、1’’)または前記通信グループ(1、1’、1’’)の少なくとも1つのメンバーが、カバレッジ外であるか又はアイドルモードである場合、前記モバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)によってグループヘッド(10g、10g’)として生成され、及び/又は
前記無線/ネットワーク仮識別情報(12id)またはサイドリンク識別情報(12id)は、アプリケーショングループIDまたは疑似乱数に基づいて生成される、
請求項
4または
5に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項7】
ネットワーク及び/又は追跡エリアが変化する場合、前記無線/ネットワーク仮識別情報(12id)またはサイドリンク識別情報(12id)が更新される、
請求項
4~
6のいずれか一項に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項8】
前記モバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)又は各メンバーは、グループメンバーIDを生成するように構成される、
請求項1~
7のいずれか一項に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項9】
グループメンバーIDは、ネットワーク参照、セル/ゾーン/地理的参照、および/または地理的エリア内のグループの固有ID、および/またはグループ内の各グループメンバーの固有IDから構成される、
請求項
8に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項10】
前記識別情報が物理サイドリンク制御チャネルPSCCHの物理層の中で利用可能および/または直接的に利用可能となるように、前記識別情報が物理サイドリンク制御チャネルPSCCHの物理層上で前記1つ以上の他のメンバーに送信される、及び/又は、
前記識別情報が物理サイドリンク制御チャネルPSCCHの物理層上で前記1つ以上の他のメンバーに直接的に送信される、
請求項1に記載のモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)。
【請求項11】
通信グループ(1、1’、1’’)を識別する方法(100)であって、
前記方法(100)はモバイルデバイス(10g、10g’、10m1、10m2、10m1’~10mx’、10m1’’~10mx’’)によって前記通信グループ(1、1’、1’’)内でグループキャストを使用して実行され、
前記通信グループ(1、1’、1’’)内では、1つのメンバーが前記通信グループ(1、1’、1’’)の1つ以上の他のメンバーと通信しかつ1つ以上の他のメンバーと制御情報(12cp)を交換し、前記方法(100)は、
前記通信グループを識別する識別情報(12id)を作成(110)し、前記識別情報(12id)を前記通信グループ(1、1’、1’’)に割り当てるために、前記制御情報(12cp)の物理層上で、前記識別情報が前記物理層内で利用可能であるようにサイドリンク制御情報を使用して、前記識別情報(12id)を送信(120)するステップを含
み、
前記制御情報(12cp)はサイドリンク制御情報フォーマットを使用し、かつ前記識別情報(12id)は前記サイドリンク制御情報フォーマットの1つ以上の予約済み情報ビットに挿入される、
方法。
【請求項12】
コンピュータ上で動作するときに、請求項
11に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物理層上の識別情報を使用するモバイルデバイスを指す。さらなる実施形態は、物理層上の識別情報を使用する方法およびコンピュータプログラムを指す。一般に、本発明は、グループキャスト/グループID管理に焦点を合わせた移動通信の技術分野にある。
【背景技術】
【0002】
Rel-15(Release 15)を含め、LTEベースのV2Xサイドリンク通信はブロードキャストのみを使用している。(サイドリンク(sidelink)にNR(New Radio)を使用する)Rel-16を用いる場合のみ、グループキャストベースのサイドリンク通信を必要とする車両の隊列走行や高度な運転のような、NRの高度なユースケースが利用可能となる[非特許文献1]。
【0003】
現在の解決策は、ほとんどがIEEE 802.11pのアプリケーション層で解決されている。これは、Rel-16[非特許文献1]の5GのV2Xユースケースの遅延要件に適用できず、満たしていない可能性がある。
【0004】
誰がグループまたは隊列(platoon)のヘッド(head)であるかの決定は、通常、CAMメッセージ内のグループIDを定義することにより、アプリケーション層内のDSRCで処理される。これは、アプリケーション層における「グループID」がCAMおよびDENMメッセージ内で定義されるという、NR-V2Xによって適応できる1つの可能性である。このグループIDをデコードできる車両のみが隊列のメンバーになる。ただし、この解決策では、100ミリ秒ごとにブロードキャストされるため、メッセージのデコードにおける遅延が大きくなり、厳しい遅延要件に適合しない可能性がある[非特許文献2]。これは、隊列のメンバーが離脱したいときにも問題を引き起こすであろう。その場合、情報は、残りの隊列メンバーに対して100ミリ秒後でしか到達せず、その時点では既に隊列のダイナミクスが変更されているであろう。したがって、改善されたアプローチが必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】TR 22.886
【文献】TR 36.885
【文献】TS 36.212
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、通信ネットワーク内の通信グループまたは通信グループのメンバーを明確に識別するための概念を提供することである。
【0007】
この目的は、独立請求項1の主題によって解決される。
【0008】
本発明の実施形態は、通信グループのメンバーであるモバイルデバイスを提供する。モバイルデバイスは、通信グループの1つ以上の他のメンバーと(例えばサイドリンクを使用して)通信し、制御情報を1つ以上の他のメンバーと交換するように構成される。モバイルデバイスは、識別情報を作成(またはコンパイル)するだけでなく、制御情報の物理層(例えば制御チャネルの物理層)上で識別情報を送信(配布)するように構成されている。識別情報は、通信グループに割り当てられる(例えば、通信グループ及び/又は通信グループ内の個々のメンバーを識別することを可能にする)。識別情報は、アプリケーション/シナリオに適応され得ることに留意されたい。
【0009】
本発明の実施形態は、グループID管理のために下位層、例えば物理層を使用することで、待ち時間の制約を満たすことが可能になるという原理に基づいている。この一般的な考え方に基づいて、特に低遅延の要求の厳しいユースケースに必要とされる、グループID/グループ内部IDの割り当て方法に関する低遅延の変形例が提供される。この原則は、例えば、NRを使用するV2XのためのRel-16などのグループキャスト管理に使用できる。
【0010】
本発明の実施形態によれば、モバイルデバイスは、通信グループのグループヘッドである。通信グループは、V2Xを使用して相互に通信する隊列であってもよく、グループの他のメンバーはいわゆるグループメンバーである。さらなる実施形態によれば、モバイルデバイスはまた、グループメンバー、例えば隊列のグループメンバーであり得る。ここでは、いわゆる分散型グループキャストの(すべてのメンバーが対等である)アプローチを使用できる。
【0011】
実施形態によれば、制御情報は、SCIフォーマットを使用する。例えば、識別情報は、SCIフォーマットの1つ以上の予約済み情報ビットに挿入される。さらなる実施形態によれば、識別情報は、制御情報を識別情報と(例えばSCI情報をグループIDと)スクランブルまたは多重化することによって、制御情報に挿入される。
【0012】
実施形態によれば、識別情報は、グループデスティネーションID、グループソースID、グループデスティネーションおよびグループソースIDの組み合わせ、ならびに共通のグループIDを含む一群からのいずれかである。さらなる実施形態によれば、識別情報は、グループのセル/ゾーン/地理的参照、及び/又は地理的エリア内のグループの固有ID(unique ID)から構成される。
【0013】
さらなる実施形態によれば、いわゆる無線仮識別情報(radio temporary identification information)またはネットワーク仮識別情報が識別情報として使用される。無線/ネットワークの仮識別情報は、特定の地域または地理的な参照に依存してもよい。実施形態によれば、モバイルデバイスは、無線/ネットワークの仮識別情報を定義するように構成され得る。さらなる実施形態によれば、いわゆるサイドリンク識別情報を識別情報として使用することができる。ここで、モバイルデバイスは、セットアップ段階中にサイドリンク識別情報を定義するように構成され得る。実施形態によれば、無線/ネットワーク仮識別情報またはサイドリンク識別情報は、通信グループまたは通信グループの少なくとも1つのメンバーがカバレッジ外またはアイドルモードである場合、グループヘッドとして機能するモバイルデバイスによって生成され得る。これにより、ネットワークまたはネットワークの基地局が識別情報を提供できなかった場合でも、明確に定義されたIDを得ることができる。その生成は、アプリケーショングループIDまたはPNシーケンス番号に基づいてもよい。さらなる実施形態によれば、ネットワーク及び/又はトラッキングエリアが変更された場合、無線/ネットワーク仮識別情報またはサイドリンク通信情報が更新され得ることに留意されたい。
【0014】
実施形態によれば、モバイルデバイスまたはグループの各メンバーは、例えば隊列の順序に従って、追加のグループメンバーIDを生成するように構成され得る。この場合、グローバルグループメンバーIDは、実施形態によれば、ネットワーク参照、セル/ゾーン/地理的参照、及び/又は地理的エリア内のグループの固有のID、及び/又はグループ内のそれぞれのグループメンバーの固有のIDから構成されることができる。
【0015】
別の実施形態は、通信グループを識別するための方法を提供する。この方法は、メンバーが通信グループの1つ以上の他のメンバーと(例えばサイドリンクを介して)通信し、制御情報を1つ以上の他のメンバーと交換する、通信グループ内で実行することができる。この方法は、識別情報を作成し、制御情報の物理層上(制御チャネルの物理層上)で識別情報を送信(配布)して、通信グループに識別情報を割り当てる(通信グループ及び/又は通信グループ内の個々のメンバーの識別を可能にする)ステップを含む。別の実施形態は、この方法を実行するためのコンピュータプログラムを提供する。
【0016】
続いて、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1a】基本的な実施形態に従って識別される通信グループの通信デバイスを示す。
【
図1b】基本的な実施形態による通信グループを識別するための方法を示す。
【
図2a】一実施形態による集中型グループキャストの原理を概略的に示す図である。
【
図2b】別の実施形態による分散型グループキャストの原理を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して次に説明する。図中では、同一または類似の機能を有する項目には同一の参照番号が提供され、その説明は交換可能であり、相互に適用可能である。
【0019】
図1aは、通信デバイス10gを示しており、これは、例えば、通信デバイス10gならびに1つ以上のさらなる通信デバイス10m1および10m2を含む通信グループ1の一部であり得る。通信デバイス10gは、通信グループ1のグループヘッドであり得る一方で、他の通信デバイス10m1および10m2は、通信グループ1のグループメンバーである。
【0020】
この実施形態では、通信デバイス10g、10m1および10m2は、サイドリンク通信(12slを参照)を使用して互いに通信すると想定されている。
【0021】
グループの周囲には、1つの基地局5が示されている。複数のグループが基地局5の周囲にあり得るので、または複数のグループが存在し得るので、グループを明確に識別することは有益であろう。これは特に、ユーザー機器10g~10m2が相互に通信するのに役立つ。したがって、一実施形態によれば、サイドリンク通信12slは、ID、例えばグループID 1IDを含む。好ましい実施形態によれば、サイドリンク通信12slは、少なくとも2つの部分、すなわち、制御部分12cpとデータ部分12dpとを含む。制御情報12cpおよびデータ部分12dpは、サイドリンク12slの拡大図によって示されるように、異なるサブリソースプール(BWP、帯域幅部分)内に配置され得る。サイドリンクに使用されるリソースは、例えば、基地局5によって割り当てられるか、または事前設定/事前割り当てされたリソースであることに留意されたい。リソースの一部は、制御情報に使用できる(部分12cpを参照)。制御部分12cpおよびデータ部分12dpに対して別個の帯域幅部分が利用可能であることが、すべての実施形態において必要とされている訳ではないことに留意されたい。このサイドリンク12sl内で、別の情報、すなわち、ID、グループ1の1IDが交換される。サイドリンク12slの拡大図に示されているように、IDは、制御部分12cpの一部であるか、またはそれ自体の部分を持つことができる。したがって、グループID 1IDを運ぶ追加部分12idは、サイドリンク通信の拡大図の中に図示されている。実施形態によれば、ID 1IDは、物理層、好ましくは制御チャネルの物理層(12cpを参照)を使用して、モバイルデバイス10g、10m1および10m2の間で交換される。必須ではないが、多くの場合、制御情報はいわゆるSCIフォーマットを使用して、識別情報1IDを予約済みビットに挿入することができる。別の変形例は、制御情報12cpを識別情報12IDとスクランブルまたは多重化することである。いくつかの実施形態内では、識別情報が物理層内で利用可能であり、待ち時間を短縮するので有益である。
【0022】
図1bに示されているように、モバイルデバイス、例えば、グループヘッドとしてのモバイルデバイス10gは、識別情報1ID/12IDを生成および交換するために以下の方法を使用する。この方法100は、2つの基本的なステップ110および120を含む。第1のステップ110内で、識別情報1IDが作成/コンパイルされる。その後、ステップ120によって示されるように、識別情報1IDが送信されるか、または一般に配布される。
【0023】
実施形態によれば、ID 1IDを生成する(110)ための異なるアプローチが存在する。例えば、識別情報1IDは、アプリケーショングループIDまたはPNシーケンスIDに基づいていてもよい。別の変形例では、ネットワーク参照、セル/ゾーン/地理的参照、もしくは地理的エリア内のグループの固有ID、またはグループ内の各グループメンバーの固有IDがコンパイルに使用できる。その背景には、実施形態によれば、ID 1IDが必ずしもグループIDである必要はないということがある。それは、(代替的または追加的に)グループメンバーID(グループ1/隊列内のモバイルデバイス/隊列メンバーの順序に依存する追加のグループメンバーID)であってもよい。通信グループとその通信グループ内の個々のメンバーとを識別できるようにするため、好ましくは、通信グループIDと個々のメンバーIDの両方のIDが含まれていることに留意されたい。
【0024】
ステップ120に関しては、
図1aの文脈で説明したように、識別情報1IDが物理層12ID上で送信されるようにそのステップが実行されることに留意されたい。制御情報12cpおよび識別情報12IDを交換する様々なタイプ、例えば、ユニキャスト、グループキャスト/マルチキャストまたはブロードキャストがあることにさらに留意されたい。
【0025】
上記の実施形態に関して、
図1aの実施形態では、グループ1が基地局5のカバレッジ内、または部分的にカバレッジ内にあるとして示されているが、上述した原理、特に
図1bの文脈で説明した方法は、グループ1またはそのグループの少なくとも一部が基地局5のカバレッジ外にある通信シナリオにも適用可能であることに留意されたい。
【0026】
以下では、更なる実施形態を
図2aおよび
図2bに関して説明する。
【0027】
図2aは、グループヘッド10g'と複数のグループメンバー10m1'~10mx'とを有する集中型グループ1'を示している。図示されているように、隊列1'は隊列ヘッド10g'と隊列メンバー10m1'~10mx'とで構成されてもよい。隊列メンバー10m1'~10mx'は、(事前)定義され又は固定され又は適合された距離をおいて、かつ(事前)定義され又は固定され又は適合された速度で、隊列ヘッド10g1'に続く。以下の解決策の説明では、グループキャストに関連するいくつかの用語が最初に定義されている。
【0028】
グループID 1ID'はグループ1'を識別する。各グループメンバー10m1'~10mx'、およびグループヘッド10g'は、所属するグループ1'のグループID 1ID'を既知であることが望ましい。グループID 1ID'の一例は隊列IDである。典型的には、各グループは、1つ(または通常)複数のグループメンバーと、グループヘッド10g'/ghとで構成され、グループごとに集中型グループ管理を使用してグループ1'内の制御機能を担う1つのグループヘッド10g'が存在していてもよい。
【0029】
他の実施形態によれば、
図2bに示されているように、グループヘッドのないグループも使用可能である。
図2bは、すべてが同じグループ1''に属するグループメンバー10m1''~10mx''を有する隊列を示している。ここで、この分散型グループアプローチでは、すべてのメンバー10m1''~10mx''は対等である。
【0030】
以下では、これらの隊列について、下位層を使用してグループIDの割り当てを改善および加速する方法の3つの変形例を持つ2つのアイデアについて説明する。
【0031】
グループIDは、次のいずれかを指す。
・グループデスティネーション(group destination)ID
・グループソース(group source)ID
・グループデスティネーション及びソースID(両方の組み合わせ)
・共通グループID(固有ID)
【0032】
サイドリンク(SL)は、D2Dサイドリンク、M2Mサイドリンク、またはV2Xサイドリンクを指すことに注意されたい。
【0033】
実施形態によれば、ID、例えばグループIDは、例えばSCIフォーマット内で、サイドリンク制御チャネルPSCCHを使用して転送することができる。ここでは、遅延要件を満たすために、サイドリンク制御チャネルPSCCHおよびSCIフォーマットが変更されている。実施形態によれば、グループIDまたは一般にIDはSCIフォーマット1に追加される。0に設定された予約済みの32情報ビットがあり、そのうちのすべてまたは一部の(例えば8)ビットが、構成(アプリケーション層によって設定(第1の変形例))され得る、グループIDまたは一般にIDを定義するために使用可能である。
【0034】
別の/強化された実施形態を提供する別の変形例(2)によれば、SCI情報またはSCI情報の一部を、それぞれのID、例えばグループIDとスクランブルすることができる。
【0035】
別の実施形態は、第3の変形例を提供する:グループID/IDのために、例えばいわゆる新たなRNTIが導入される。「グループサイドリンク(GSL)」-RNTIは、グループセットアップ中に定義されることができ、特定のエリアにとって(例えば、カバレッジ内の場合は特定のネットワーク、セル、またはゾーン内で)典型的に固有である。
【0036】
実施形態によれば、例えばグループRNTIまたはGSL-RNTIは、ネットワークに接続されたグループヘッドまたはグループヘッドおよび複数のメンバーのために選択される。
【0037】
実施形態によれば、カバレッジ内シナリオにおいて、本明細書におけるRNTI、例えばグループRNTIまたはGSL-RNTI、およびさらに本発明のRNTI、例えばグループRNTIまたはGSL-RNTIは、ネットワーク識別子にマッピングされ得る。
【0038】
実施形態によれば、GHがカバレッジ外になると、一時的なローカルRNTI、例えばグループRNTIまたはGSL-RNTIは、次にGHがカバレッジ内に入るまで考慮され得る。
【0039】
実施形態によれば、UE(端末)が再びカバレッジ内に入ると、RRC(Radio Resource Control)が接続されると直ぐに、このローカルRNTI、例えばグループRNTIまたはGSL-RNTIは、ネットワークの新たなRNTIにマッピングされ得るか、またはグループRNTI、例えばグループRNTIまたはGSL-RNTIを更新することができる。
【0040】
以下は、カバレッジ外の場合である(アイドルモードのシナリオについて説明する)。UEがカバレッジ外またはアイドルモード(NR2のような)の場合、GSL-RNTIがグループヘッド(GH)によって生成され、他のグループメンバー(GMS)に配布されてもよい。例えば、これはPNシーケンス番号であってもよい。代替的/追加的に、(既知の)アプリケーション層グループID(例えばCAMまたはDENMメッセージで使用されるもの)が、例えばGSL-RNTIの生成のためのソースとして使用される。
【0041】
実施形態によれば、この方法は、以下のように、ネットワーク/トラッキングエリア変更シナリオに適合され得る。
【0042】
ネットワーク及び/又はトラッキングエリアが変化する場合、GSL-RNTIは現在のグループヘッドによって更新されてもよい。その更新は、グループヘッド、(最近の)ネットワークコントローラ、または両方の組み合わせによって実行できる(例えば、ネットワークコントローラが支援している間、そのヘッドによって)。
【0043】
以下では、グローバルグループ(メンバー)IDの実施形態について説明する。1つのネットワーク内の固有のグローバルグループIDは、ネットワーク内の各グループと各グループメンバーを一意に識別する。それは、実施形態によれば、以下の情報の少なくとも1つから構成され得る。
1.セル/ゾーン/などのID:グループの地理的参照
2.グループID:地理的エリア内のグループの固有ID
3.グループ内部ID:グループ内の各GMの固有ID
【0044】
実施形態によれば、各グループ(同じグループID)内で、各グループメンバーは、グループ内部IDによって識別される。
・隊列(またはグループ内のGMの位置が重要な任意の他のグループ)の場合、グループ内部IDは隊列内の車両の順序を表すことができる。これにより、隊列内の車両、例えば隊列内の最初、中央、最後の車両の位置の迅速かつ容易なトラッキングが向上する。
・・隊列内の車両の位置が変わるたびに、グループ内部IDがそれに応じて更新され得る。
【0045】
さらなる実施形態によれば、グループメンバーIDは、以下の要素のうちの1つから構成され得る。
・グループIDとメンバーの固有ID(C-RNTI、V-RNTI、V2X RNTI)。
・ネットワークRNTIが利用できない場合(特にカバレッジ外の場合)、グループメンバーIDは、グループID(例えばPNシーケンスジェネレータから選択されたものなど)と各GMの固有の識別子とで構成される。
【0046】
以下に、いくつかの実例を示す。
【0047】
3つのグループメンバー(互いに続く3台の車両)を持つ1つの隊列グループキャスト(グループID x)は、次のグループメンバーIDを持つことができる。
・GH:グループID(XYZ)+グループメンバー内部ID(01)=XYZ01
・1番目のGM:グループキャストID;x,グループメンバー内部ID(02)=XYZ02
・2番目のGM:グループキャストID;x,グループメンバー内部ID(03)=XYZ03
【0048】
注:グループメンバー内部IDは、隊列内の車両の順序を表すことができる。
【0049】
上述の解決策は、隊列走行するユースケースについて部分的に説明されており、V2Xでのグループキャストの最も顕著なユースケースと見なされている。ただし、この解決策は隊列走行やV2Xに限定されるものではなく、5Gグループキャスト管理におけるグループキャストに全般的に適用できる。
【0050】
本発明がTS 36.212に含まれている場合、本発明はV2Xグループキャストが5G NRで機能できるように使用されるべきである。
【0051】
その他の技術分野は、グループIDとGMのグループ内部IDの効率的な低遅延の割り当てと変更とを可能にするV2Xグループキャストである。
【0052】
いくつかの態様は装置の文脈で説明されてきたが、これらの態様が対応する方法の説明も表すことは明らかであり、ブロックまたはデバイスは方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法ステップの文脈で説明される態様はまた、対応するブロックまたはアイテム、または対応する装置の特徴の説明を表す。方法ステップのいくつかまたはすべては、例えば、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ、または電子回路などのハードウェア装置によって(または使用して)実行され得る。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップのいくつかの1つまたは複数は、そのような装置によって実行され得る。
【0053】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。実装は、デジタル記憶媒体、例えば、フレキシブルディスク、DVD、Blu-Ray(登録商標)、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリを使用して実行することができ、電子的に読み取り可能な制御信号が格納されている。その上で、それぞれの方法が実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)。したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータで読み取り可能である可能性がある。
【0054】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協調することができる電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0055】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法の1つを実行するために動作可能である。プログラムコードは、例えば機械可読キャリアに格納され得る。
【0056】
他の実施形態は、機械可読キャリアに格納された、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。
【0057】
換言すれば、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0058】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上に記録したデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタルストレージメディア、または記録されたメディアは、通常、有形および/または非一時的である。
【0059】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えばインターネットを介して、データ通信接続を介して転送されるように構成され得る。
【0060】
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するように構成または適合された処理手段、例えば、コンピュータ、またはプログラマブルロジックデバイスを含む。
【0061】
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上にインストールしたコンピュータを含む。
【0062】
本発明によるさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを(例えば電子的または光学的に)受信機に転送するように構成された装置またはシステムを含む。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイスなどであり得る。装置またはシステムは、例えばコンピュータプログラムを受信機に転送するためのファイルサーバーを備え得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、プログラマブル論理デバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載の方法の機能のいくつかまたはすべてを実行することができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法の1つを実行するために、マイクロプロセッサと協調することができる。一般に、これらの方法は、好ましくは、任意のハードウェア装置によって実行される。
【0064】
上記の実施形態は、本発明の原理を単に例示するものである。本明細書に記載の配置および詳細の修正および変形は、当業者には明らかであることが理解される。したがって、本明細書の実施形態の説明および説明として提示された特定の詳細によってではなく、添付の特許クレームの範囲によってのみ制限されることが意図されている。
【0065】
-略語とその意味-
NR・・・ニューラジオ(New Radio)
DSRC・・・専用狭域通信
SLR・・・サービスレベル要件
CAM・・・協調認識メッセージ(Cooperative Awareness messages)
DENM・・・分散環境通知(Decentralized Environmental Notification)
PSCCH・・・物理サイドリンク制御チャネル
SCI・・・サイドリンク制御情報
PN・・・疑似乱数
ACK/NACK・・・確認/否定確認
DMRS・・・ 復調参照信号
S-RSRP・・・サイドリンク-受信された信号強度
GSL・・・グループサイドリンク
GH・・・グループヘッド
GM・・・グループメンバー
RNTI・・・無線ネットワークの仮ID;以下のユースケース
-gNB支援された通信
-ネットワークの事前設定
-カバレッジ外
に依存して、この無線ネットワークの仮IDは異なる名前、例えばグループRNTIまたはGSL-RNTIを持ち得ることに注意されたい。