(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】医療器具位置付けデバイス、システム、並びに使用方法及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/092 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A61M25/092
A61M25/092 510
A61M25/092 500
(21)【出願番号】P 2021533402
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(86)【国際出願番号】 US2019047930
(87)【国際公開番号】W WO2020041716
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-06-28
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521076937
【氏名又は名称】ヌベラ・メディカル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ミクスター・コリン
(72)【発明者】
【氏名】ソール・トム
(72)【発明者】
【氏名】ビトゥン・マーク
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0043158(US,A1)
【文献】特開2018-042819(JP,A)
【文献】特表2014-518717(JP,A)
【文献】特開2018-027300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内カテーテルであって、
ハンドルアセンブリに固定された近位領域を有する外側シャフトと、
前記外側シャフトの遠位端に軸線方向に固定された医療器具と、
前記外側シャフト内に配設された内側シャフトであって、前記ハンドルアセンブリに固定された近位領域を有する、内側シャフトと、を備え、
前記ハンドルアセンブリは、前記外側シャフトと動作可能に連通した第1のハンドルアクチュエータを備えることによって、第2のハンドルアクチュエータに対する前記第1のハンドルアクチュエータの作動によって、前記外側シャフト及び前記医療器具が前記内側シャフトに対して回転するようにし、
前記第2のハンドルアクチュエータは、前記内側シャフトと動作可能に連通することによって、前記第2のハンドルアクチュエータの作動により前記内側シャフトが偏向することによって、前記外側シャフトの偏向が生じるようにする、血管内カテーテル。
【請求項2】
前記第2のハンドルアクチュエータは、前記内側シャフトに沿って延在し、かつ前記内側シャフトの偏向可能なセクションの遠位端において固定された、1つ以上の引張要素によって前記内側シャフトと動作可能に連通している、請求項1に記載のカテーテル器具。
【請求項3】
前記第2のハンドルアクチュエータの作動により、前記1つ以上の引張要素に張力の付加が生じることによって、前記内側シャフトの偏向が生じる、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記第2のハンドルアクチュエータは、回転するが、軸線方向に移動しないよう適合されるように、前記ハンドルアセンブリに固定されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第2のハンドルアクチュエータは、前記ハンドルアセンブリ内の中央歯車と回転自在に連通しており、前記外側シャフト及び前記内側シャフトは、前記中央歯車を通って延在している、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記中央歯車は、前記中央歯車よりも、
前記ハンドルアセンブリの軸線から更に径方向に離れている
スピンドルと回転自在に連通している、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
内側シャフト引張要素は、前記スピンドルの周りに巻き付けられている、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記スピンドルは、前記外側シャフトの近位端よりも更に近位に延在している、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記内側シャフトは、前記第2のハンドルアクチュエータが作動されたときに前記内側シャフトが偏向するように適合された偏向部分を備え、前記偏向部分は、前記偏向部分の近位に配設されている前記内側シャフトの近位領域よりも柔軟である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記第1のハンドルアクチュエータは、回転しかつ前記第2のハンドルアクチュエータに対して軸線方向に移動するよう適合されるように、前記ハンドルアセンブリに対して固定されており、前記第1のハンドルアクチュエータの軸線方向の移動によって、前記内側シャフトに対する前記外側シャフト及び前記医療器具の軸線方向の移動が生じる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記内側シャフトは、第1及び第2の軸線方向に延在するプルワイヤを備え、前記内側シャフトの偏向セクションにおいて、前記第1及び第2の軸線方向に延在するプルワイヤは、前記内側シャフトを中心に180度未満、任意選択的に135度未満、任意選択的に90度未満、任意選択的に45度未満、任意選択的に30度未満、任意選択的に20度未満、任意選択的に10度未満離れている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記偏向セクションの近位の前記内側シャフトの一部において、前記第1及び第2の軸線方向に延在するプルワイヤは互いからそれており、前記内側シャフトを中心に互いに約180度(+/-5度)離れている、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記内側シャフトは、前記内側シャフトが偏向された後に前記内側シャフトを真っ直ぐにするように、前記第1及び第2の
軸線方向に延在するプルワイヤに対して位置付けられている第3の軸線方向に延在するプルワイヤを更に備える、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記第1及び第2の
軸線方向に延在するプルワイヤはそれぞれ、前記内側シャフト内の編組材料内に織り込まれている、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記第1及び第2の
軸線方向に延在するプルワイヤはそれぞれ、遠位領域を有し、前記遠位領域は、前記
第1及び第2の軸線方向に延在するプルワイヤの前記遠位領域を前記
内側シャフトに固定するように前記内側シャフト内の編組材料内に織り込まれており、前記遠位領域はそれぞれ、前記内側シャフトの操作可能なセクションよりも長手方向軸線に対してより直交して延在している、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記遠位領域はそれぞれ、前記内側シャフトの周りに少なくとも1回転巻き付いている、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記外側シャフト及び前記内側シャフトは同軸である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記内側シャフト及び前記外側シャフトのうちの1つ以上は編組材料を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記内側シャフトは、編組材料の内層及び編組材料の外層を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記編組材料の内層及び前記編組材料の外層は、編組構造体の密度及び編組構造体のパターンのうちの1つ以上において異なる、請求項19に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記医療器具は撮像素子を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記医療器具は超音波トランスデューサを備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記医療器具はアブレーション素子を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記外側シャフトは、異なる剛性を有する、軸線方向に離間された少なくとも第1及び第2のセクションを有し、前記異なる剛性によって、前記カテーテルの遠位端に対する前記カテーテルの偏向されたセクションの位置、又は前記カテーテルが偏向されたときの前記カテーテルの湾曲の度合いのうちの1つ以上が選択的に制御される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記医療器具はポリマー本体内に包み込まれ、前記ポリマー本体は1つ以上のポリマー材料を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記医療器具に電気的に結合されたケーブル束を更に備え、前記ケーブル束は、前記内側シャフトを通って延在し、前記内側シャフトに対して軸線方向に移動可能である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記外側シャフトの遠位端は、前記内側シャフトの遠位端よりも更に遠位に延在している、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記カテーテルは洗浄用ラインを備えていない、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記第1のハンドルアクチュエータは、前記第2のハンドルアクチュエータより遠位にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項30】
前記第1のハンドルアクチュエータ及び前記第2のハンドルアクチュエータは、前記ハンドルアセンブリの遠位端に配設されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項31】
前記第1のハンドルアクチュエータが中立位置にあるとき、前記第1のハンドルアクチュエータは、前記第2のハンドルアクチュエータに直接隣接している、請求項1に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年8月23日出願の米国特許仮出願第62/722,105号及び2018年10月4日出願の米国特許仮出願第62/741,375号に対する優先権を主張するものであり、これらはそれぞれ、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に援用されている。
【0002】
(参照による援用)
本明細書で言及される全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願それぞれが具体的かつ個別に示されて参照により援用されるかのように、同じ程度で参照により本明細書に援用されている。
【背景技術】
【0003】
幅広い種類の血管内医療デバイスが知られている。医療デバイスのより良好な制御、位置付け、及びユーザビリティを容易にする改善されたシステム、デバイス、及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、血管内カテーテル及び医療器具であって、血管内カテーテル及び医療器具は、外側シャフトであって、外側シャフトの近位端領域でハンドルアセンブリに連結された外側シャフトと、外側シャフト内に配設された内側シャフトであって、内側シャフトは、内側シャフトの近位端領域でハンドルアセンブリに連結されている、内側シャフトと、を備え、ハンドルは、外側シャフトと動作可能に連通した第1のハンドルアクチュエータを備えることによって、第2のハンドルアクチュエータに対する第1のハンドルアクチュエータの作動によって、外側シャフトが内側シャフトに対して回転するようにし、第2のハンドルアクチュエータは、内側シャフトと動作可能に連通することによって、第2のハンドルアクチュエータの作動により内側シャフトを偏向させる。
【0005】
医療器具は、外側シャフトの遠位端に固定され得る。
【0006】
内側シャフトは、少なくとも1つの引張要素を介してハンドルに連結され得る。第2のアクチュエータを作動させることによって、引張要素に張力が加わり、内側シャフトを偏向させることができる。引張要素は、内側シャフトの偏向部分に接続され得る。
【0007】
外側シャフト及び内側シャフトは同軸であり得る。
【0008】
外側シャフト及び内側シャフトは、互いに対して軸線方向に移動するようにサイズ決め、構成、及び適合され得る。
【0009】
内側シャフト及び外側シャフトの遠位端は、軸線方向に固着されていなくてもよく、外側シャフト及び内側シャフトは、互いに対して軸線方向に移動し得る。
【0010】
内側シャフトは、第2のアクチュエータが作動されたときに内側シャフトが偏向するように適合されている偏向部分を備えていてもよく、偏向部分は、偏向部分の近位に配設された内側シャフトの近位部分よりも柔軟であり得る。偏向部分は、近位部分よりも低いデュロメータのポリマー材料から形成され得る。偏向部分は、偏向のために適合された弱化側壁を備え得る。
【0011】
内側シャフトは、編組材料の外層及び内層を含み得る。
【0012】
外側シャフトは先端部分に連結され得る。先端は、撮像素子を含み得る。先端は、超音波トランスデューサを含み得る。先端は、アブレーション素子(例えば、アブレーション電極)を含み得る。先端は、構造的な心臓デバイス(例えば、閉塞デバイス、ステント、弁)を含み得る。
【0013】
外側シャフトは、多様な剛性(例えば、様々なデュロメータ)を有する軸線方向に離間された少なくとも第1及び第2のセクションを有し得、多様な剛性によって、以下の:デバイスの遠位端に対するデバイスの偏向されたセクションの位置、及びデバイスが偏向されたときのデバイスの湾曲の度合いのうちの少なくとも1つが選択的に制御される。
【0014】
第1のアクチュエータはまた、第1のアクチュエータを作動させることによって外側シャフトが内側シャフトに対して軸線方向に移動するように、外側シャフトと動作可能に連通し得る。
【0015】
第1のアクチュエータは、回転して、外側シャフトを内側シャフトに対して回転させるように構成及び適合され得る。
【0016】
第1のアクチュエータは、軸線方向に変位して、外側シャフトを内側シャフトに対して軸線方向に移動させるように構成及び適合され得る。
【0017】
内側シャフト及び外側シャフトは、内側シャフトの偏向によって、外側シャフト及び内側シャフトの相対位置に起因して外側シャフトが偏向するように配設され得る。
【0018】
外側シャフトは、医療器具の少なくとも一部分を含む遠位部分を備え得、医療器具は、材料内に、任意選択的にポリマー材料(例えば、PEBAX)などの可撓性材料の中に包み込まれている。
【0019】
外側シャフトは、遠位部分に連結することができ、遠位部分は、医療器具の少なくとも一部分を含む。
【0020】
外側シャフトは、遠位部分に連結することができ、遠位部分は、医療器具の少なくとも一部分を含み、医療器具は、外側シャフト内で軸線方向に延在する少なくとも1つの電気コネクタを含む。
【0021】
外側シャフトは、可撓性であってもよく、任意選択的に編組材料を含む。
【0022】
外側シャフトは、(例えば、接着剤で、又は別の手法で恒久的に取り付けられて)遠位部分に連結することができ、遠位部分は、医療器具の少なくとも一部分を含み、外側シャフト及び遠位部分は、外側シャフト及び遠位部分が連結されるところで同じ外形寸法を有し、任意選択的に同じ最大外形寸法を有する。
【0023】
遠位先端領域内に配設された医療器具は、内側シャフトの少なくとも一部分の中で軸線方向に延在し、かつ内側シャフト内で自由に軸線方向に移動可能である、少なくとも1つの電気接続部(及び任意選択的に電気ケーブル束)を含み得る。
【0024】
外側シャフトの遠位端は、内側シャフトの遠位端よりも更に遠位に延在し得る。
【0025】
内側シャフトは、内側シャフトの遠位端の近くに偏向可能なセクションを備え得る。
【0026】
内側シャフトは、少なくとも1つのプルワイヤなどの、少なくとも1つの軸線方向に延在する引張部材又は要素を備え得る。
【0027】
内側シャフトは、プルワイヤなどの、軸線方向に延在する第1及び第2の引張部材を含み得る。
【0028】
内側シャフトは、プルワイヤなどの、軸線方向に延在する第1及び第2の引張部材を備え得、内側シャフトの偏向セクションにおいて、第1及び第2の軸線方向に延在する引張部材は、内側シャフトを中心に180度未満、任意選択的に135度未満、任意選択的に90度未満、任意選択的に45度未満、任意選択的に30度未満、任意選択的に20度未満、任意選択的に10度未満離れている。
【0029】
内側シャフトは、プルワイヤなどの、軸線方向に延在する第1及び第2の引張部材を含み得、操作可能なセクションの近位にある内側シャフトの一部分において、第1及び第2の軸線方向に延在する引張部材は互いからそれており、内側シャフトを中心に互いに180度(+/-5度)離れている。
【0030】
内側シャフトは、内側シャフトが偏向された後に内側シャフトを真っ直ぐにするように適合されている第3の軸線方向に延在する部材を備え得る。
【0031】
軸線方向に延在する任意の引張部材(例えば、プルワイヤ)は、内側シャフト内の編組材料内に織り込まれてもよい。
【0032】
軸線方向に延在する任意の引張部材(例えば、プルワイヤ)は、軸線方向に延在する引張部材の遠位端を固定するのに少なくとも役立てるための、内側シャフト内の編組材料内に織り込まれている遠位領域を有し得、任意選択的に、遠位端は、織り込まれており、引張部材は、細長内側本体の操作可能なセクションよりも長手方向軸線に対してより直交して延在し、任意選択的に内側シャフトの周りに少なくとも1回転巻き付いている。
【0033】
デバイスは、外側シャフト及び内側シャフトの任意のタイプの相対移動が、他方の外側シャフト及び内側シャフトの任意のタイプの移動の前、最中、又は後に生じ得るように適合され得て、これらの移動は、任意選択的に、アクチュエータのうちの一方又は両方の作動によって促進され得る。
【0034】
デバイスは、洗浄用ラインを備えていなくてもよい。
【0035】
本開示の一態様は、カテーテルデバイスを制御する方法であって、カテーテルデバイスの外側シャフトを、カテーテルデバイスの内側シャフトに対して、軸線方向の移動及び回転移動のうちの少なくとも1つで移動させることと、カテーテルを偏向させるように内側シャフトを偏向させることと、を含む、方法である。
【0036】
移動させる工程は、第1のハンドルアクチュエータを作動させることによって実施され得る。
【0037】
偏向させる工程は、第2のハンドルアクチュエータを作動させることによって実施され得る。
【0038】
外側シャフトを内側シャフトに対して軸線方向に移動させることによって、以下の:デバイスの遠位端に対するデバイスの偏向されたセクションの位置、及び偏向されたセクションにおけるデバイスの湾曲の度合い(例えば、曲げ角度)のうちの少なくとも1つが選択的に制御される。
【0039】
本開示の一態様は、編組材料を含むシャフトと、少なくとも1つの引張部材(例えば、プルワイヤ)であって、引張部材の遠位領域は、少なくとも1つの引張部材の遠位端を操作可能な細長本体の場所に固定するのを補助するための編組材料に織り込まれている少なくとも1つの引張部材と、を備える、操作可能な細長本体である。
【0040】
少なくとも1つの引張部材は、任意選択的に、長手方向軸線に対して0度~少なくとも90度で、偏向可能なセクションにおけるよりも操作可能な細長本体の長手方向軸線に対してより直交する遠位領域を有し得る。
【0041】
少なくとも1つの引張部材は、偏向可能なセクションの少なくとも一部分において長手方向軸線に平行であり得る。
【0042】
操作可能な細長本体は、少なくとも1つの引張部材の遠位端を固定するのを補助するための接着剤又はマーカーバンドを含んでいなくてもよい。
【0043】
遠位領域を織り込むことによって、接着剤又はマーカーバンドを必要とすることなく、引張部材の遠位端を固定することができる。
【0044】
本開示の一態様は、偏向可能なセクションを有する偏向可能な細長本体を備え、偏向可能な細長本体は、第1及び第2の引張部材(例えば、プルワイヤ)を備え、偏向可能なセクションにおいて、第1及び第2の引張部材は、偏向可能なセクションの近位にある近位セクションよりも(度を単位として)互いに近い、操作可能な医療用部材である。
【0045】
第1及び第2の引張部材は、偏向可能なセクションにおいて、180度未満離れていてもよく、任意選択的に135度未満離れていてもよく、任意選択的に90度未満離れていてもよく、任意選択的に45度未満離れていてもよく、任意選択的に40度未満離れていてもよく、任意選択的に35度未満離れていてもよく、任意選択的に30度未満離れていてもよく、任意選択的に25度未満離れていてもよく、任意選択的に20度未満離れていてもよく、任意選択的に15度未満離れていてもよく、任意選択的に10度未満離れていてもよい。
【0046】
第1及び第2の引張部材は、偏向可能なセクションの近位にある近位セクションにおいて180度離れていてもよい。
【0047】
第1及び第2の引張部材は、近位セクションの近位にある第2の近位セクションにおいて(度を単位として)互いにより近くにあってもよい。
【0048】
本開示の一態様は、医療デバイスのハンドルとインターフェースするように適合されている構成を有するハンドルガイド領域と、(皮膚と直接接触しないように患者が着用している衣類を含む)患者の一部分とインターフェースするように構成された患者インターフェース領域と、患者に対して安定化部材を更に安定化させるために重み付けされている任意選択的な安定化補助部分と、を備える、ハンドル安定化部材である。
【0049】
ハンドルガイド領域は、ハンドル安定化部材の端部にあり得る。
【0050】
任意選択的な安定化補助部は、ハンドル安定化部材の端部にあり得る。
【0051】
患者インターフェース領域は、変形可能であり得る。
【0052】
患者インターフェース領域は、剛直性であり得る。
【0053】
ハンドルガイドは、患者インターフェースよりも剛直性であり得る。
【0054】
ハンドルガイド及び患者インターフェースは、様々な材料から製造され得る。
【0055】
ハンドルガイドは、U字形又はC字形などの湾曲形体を有し得る。
【0056】
ハンドルガイドは、少なくとも1つの平坦な表面を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1A】操作及び医療デバイスを含むシステムの例示的な実施形態を示す図である。
【
図1B】
図1Aの医療デバイスの操作及びデバイス部分の断面A-Aを示す図である。
【
図2】複数のアクチュエータを有するハンドルアセンブリと、操作可能なシースと、医療器具と、を含む、例示的なシステムを示す図である。
【
図3】操作可能な部分が
図2に示される断面と等しい断面を有し得るシステムの例示的な実施形態を示す図である。
【
図4】操作可能な部分が
図2に示される断面と等しい断面を有し得るシステムの例示的な実施形態を示す図である。
【
図5】操作可能な部分が
図1Bに示されるような断面を含み得るシステムの例示的な遠位領域を示す図である。
【
図6】操作可能な部分が
図1Bに示されるような断面を含み得るシステムの例示的な遠位領域を示す図である。
【
図7Ai】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Aii】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Aiii】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Bi】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Bii】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Ci】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Cii】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Di】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Dii】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Diii】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7Diiii】プルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図7E】シャフトの編組ワイヤに円周方向に織り込まれた1つ以上のプルワイヤを有する例示的な操作可能なシャフトを示す図である。
【
図8】一体的にユーザに提供されるモジュール式構成要素を有するように設計された、操作可能なシース又はシャフト内に医療器具を備える例示的なシステムを示す図である。
【
図9A】シースハンドルが除去可能な又は破壊可能なハンドル部分を含む実施形態を示す図である。
【
図9B】シースハンドルが除去可能な又は破壊可能なハンドル部分を含む実施形態を示す図である。
【
図10A】器具係止部及びハンドルが医療デバイスの回転範囲を制限するように構成された例示的なシステムの一部分を示す図である。
【
図10B】器具係止部及びハンドルが医療デバイスの回転範囲を制限するように構成された例示的なシステムの一部分を示す図である。
【
図11A】デバイスの再配置を補助するための例示的なモジュール式機構を有する操作可能なシースを含むシステムの実施形態を示す図である。
【
図11B】デバイスの再配置を補助するための例示的なモジュール式機構を有する操作可能なシースを含むシステムの実施形態を示す図である。
【
図12A】器具係止部がシースハンドル内に収容されているが、外側制御部に連結されているシステムの代替的な実施形態を示す図である。
【
図12B】器具係止部がシースハンドル内に収容されているが、外側制御部に連結されているシステムの代替的な実施形態を示す図である。
【
図13Ai】医療器具が複数の電気接点を含む近位電気コネクタを含む例示的なシステムを示す図である。
【
図13Aii】医療器具が複数の電気接点を含む近位電気コネクタを含む例示的なシステムを示す図である。
【
図13Bi】医療器具が複数の電気接点を含む近位電気コネクタを含む例示的なシステムを示す図である。
【
図13Bii】医療器具が複数の電気接点を含む近位電気コネクタを含む例示的なシステムを示す図である。
【
図13C】医療器具が複数の電気接点を含む近位電気コネクタを含む例示的なシステムを示す図である。
【
図14A】医療器具とコネクタとの間の例示的な近位連結を示す図である。
【
図14B】医療器具とコネクタとの間の例示的な近位連結を示す図である。
【
図14C】医療器具とコネクタとの間の例示的な近位連結を示す図である。
【
図15A】器具部分に取り付けられた器具係止部を取り囲むように設計された内部機構を含むコネクタを有する例示的なシステムを示す図である。
【
図15B】器具部分に取り付けられた器具係止部を取り囲むように設計された内部機構を含むコネクタを有する例示的なシステムを示す図である。
【
図16】医療器具に取り付けて、器具を、操作可能なシースに対して並進させ、トルク付与する機能を提供すると考えられる別個の医療器具トルクデバイスを備える例示的なシステムを示す図である。
【
図17A】外側部材及び内側リードアセンブリを備える例示的な器具を示す図である。
【
図17B】外側部材及び内側リードアセンブリを備える例示的な器具を示す図である。
【
図17C】外側部材及び内側リードアセンブリを備える例示的な器具を示す図である。
【
図18】束を含む例示的なシステムの例示的な部分を示す図である。
【
図19】プリント回路基板(printed circuit board、PCB)が内部に収容されている近位コネクタ内へと延在する導体束を含む、医療器具の例示的な近位端を示す図である。
【
図20A】フレキシブル回路ストリップを含む例示的な医療器具の一部分を示す図である。
【
図20B】ストリップの例示的な近位部分を示す図である。
【
図20C】ストリップの例示的な近位部分を示す詳細図である。
【
図20D】例示的なフレックスストリップを示す端面図である。
【
図20E】フレックスストリップの例示的な積層体を示す図である。
【
図20F】フレックスストリップと接地ストリップ及びシールドストリップとの例示的な積層体を示す図である。
【
図20G】ストリップとシールドストリップ及び接地ストリップとの積層体の周囲にチューブ材料を含む例示的な束を示す図である。
【
図21A】複数のフレックス回路ストリップが、互い違いの長さを有し、露出場所が、同様に互い違いの長さで設けられる接点でPCBに取り付けられている実施形態を示す図である。
【
図21B】複数のフレックス回路ストリップが、互い違いの長さを有し、露出場所が、同様に互い違いの長さで設けられる接点でPCBに取り付けられている実施形態を示す図である。
【
図21C】シース、任意選択的に操作可能なシースから外へ器具を遠位に移動させる例示的な方法を示す図である。
【
図22】導体束を、ロッド、チューブ、スピンドル、又は類似した回転可能な構造を含むスプールの周囲に可逆的に巻くか又は巻き付けることができる例示的な実施形態を示す図である。
【
図23】露出されたフレックス回路端部が、一方の側では同じサイズの接続部を有するが反対側ではより大きな露出された接続部を有する使い捨て小型PCB要素に取り付けられている例示的な実施形態の一部分を示す図である。
【
図24】一次フレックスストリップに接合された複数の中間フレックス延長ストリップの例示的な実施形態を示す図である。
【
図25】余剰の取り付け場所を有するように設計されたプリント回路基板を有する実施形態を示す図である。
【
図26A】各再配置サイクルにおいて一部分が切り取られたときにフレックスストリップがどのように変化し得るかを示す図である。
【
図26B】各再配置サイクルにおいて一部分が切り取られたときにフレックスストリップがどのように変化し得るかを示す図である。
【
図26C】各再配置サイクルにおいて一部分が切り取られたときにフレックスストリップがどのように変化し得るかを示す図である。
【
図26D】各再配置サイクルにおいて一部分が切り取られたときにフレックスストリップがどのように変化し得るかを示す図である。
【
図26E】各再配置サイクルにおいて一部分が切り取られたときにフレックスストリップがどのように変化し得るかを示す図である。
【
図26F】各再配置サイクルにおいて一部分が切り取られたときにフレックスストリップがどのように変化し得るかを示す図である。
【
図27A】余剰の延在部の各積層体が千鳥配置されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図27B】余剰の延在部の各積層体が千鳥配置されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図27C】余剰の延在部の各積層体が千鳥配置されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図27D】余剰の延在部の各積層体が千鳥配置されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図27E】余剰の延在部の各積層体が千鳥配置されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図27F】余剰の延在部の各積層体が千鳥配置されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図27G】余剰の延在部の各積層体が千鳥配置されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図28】本明細書におけるいずれかのシステムに組み込むことができる、ルーメン(lumen)内の束状の積層体の断面の代替的な例示的な実施形態を示す図である。
【
図29】本明細書におけるいずれかのシステムに組み込むことができる、ルーメン内の束状の積層体の断面の代替的な例示的な実施形態を示す図である。
【
図30】本明細書におけるいずれかのシステムに組み込むことができる、ルーメン内の束状の積層体の断面の代替的な例示的な実施形態を示す図である。
【
図31】本明細書におけるいずれかのシステムに組み込むことができる、ルーメン内の束状の積層体の断面の代替的な例示的な実施形態を示す図である。
【
図32】本明細書におけるいずれかのシステムに組み込むことができる、ルーメン内の束状の積層体の断面の代替的な例示的な実施形態を示す図である。
【
図33】医療器具と操作可能なシースとがインターフェースするように構成されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図34】医療器具と操作可能なシースとがインターフェースするように構成されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図35A】医療器具と操作可能なシースとがインターフェースするように構成されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図35B】医療器具と操作可能なシースとがインターフェースするように構成されている例示的な実施形態を示す図である。
【
図36A】操作可能なシャフトとは別個の医療器具の軸線方向の移動及び回転移動を生じさせるように適合されたハンドルアセンブリを備える例示的なシステムを示す図である。
【
図36B】操作可能なシャフトとは別個の医療器具の軸線方向の移動及び回転移動を生じさせるように適合されたハンドルアセンブリを備える例示的なシステムを示す図である。
【
図37A】ハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図37B】ハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図38A】ハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図38B】ハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図39A】操作可能なシースの制御部を含むハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図39B】操作可能なシースの制御部を含むハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図39C】操作可能なシースの制御部を含むハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図39D】操作可能なシースの制御部を含むハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図39E】操作可能なシースの制御部を含むハンドルアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
【
図40A】操作可能なシースの制御機構の例示的な態様を示す図である。
【
図40B】操作可能なシースの制御機構の例示的な態様を示す図である。
【
図42A】例示的なハンドルアセンブリ内の例示的なプローブ制御システムを示す図である。
【
図42B】例示的なハンドルアセンブリ内の例示的なプローブ制御システムを示す図である。
【
図43A】例示的なプローブ制御システムの例示的な部分を示す図である。
【
図43B】例示的なプローブ制御システムの例示的な部分を示す図である。
【
図43C】例示的なプローブ制御システムの例示的な部分を示す図である。
【
図44A】例示的な操作可能なシースの制御システムの例示的な部分を示す図である。
【
図44B】例示的な操作可能なシースの制御システムの例示的な部分を示す図である。
【
図44C】例示的な操作可能なシースの制御システムの例示的な部分を示す図である。
【
図44D】例示的な操作可能なシースの制御システムの例示的な部分を示す図である。
【
図44E】例示的な操作可能なシースの制御システムの例示的な部分を示す図である。
【
図45A】中立開始位置又は停止位置に対するノブの位置を信号通知するためにノブに組み込まれた可聴及び/又は触知合図機構(cue features)の例示的な組み合わせを示す図である。
【
図45B】中立開始位置又は停止位置に対するノブの位置を信号通知するためにノブに組み込まれた可聴及び/又は触知合図機構の例示的な組み合わせを示す図である。
【
図46】例示的なハンドルアセンブリを示す図である。
【
図48】束の弛みのための空間を有する例示的なハンドルアセンブリを示す図である。
【
図49A】操作可能なシャフトから医療器具を可逆的に取り付けるための様々な適合を示す図である。
【
図49B】操作可能なシャフトから医療器具を可逆的に取り付けるための様々な適合を示す図である。
【
図49C】操作可能なシャフトから医療器具を可逆的に取り付けるための様々な適合を示す図である。
【
図50】システムがコネクタケーブルを介してコンソールに接続されている、操作可能なシースと医療器具との一体型システムを示す図である。
【
図51-1】本明細書におけるシステム及びコンソールが、本明細書におけるシステムの使用及び再使用を制御するために通信し得る方法の例示的なプロセスを示す図である。
【
図51-2】本明細書におけるシステム及びコンソールが、本明細書におけるシステムの使用及び再使用を制御するために通信し得る方法の例示的なプロセスを示す図である。
【
図52】多様な拡張可能な非外傷性先端機構を示す図である。
【
図53】例示的な外側細長本体の一部分を示す図である。
【
図54A】例示的な内側細長本体の一部分を示す図である。
【
図54B】例示的な内側細長本体の一部分を示す図である。
【
図55A】外側細長本体及び内側細長本体を含む例示的な医療デバイスの一部分を示す図である。
【
図55B】
図55Aの医療デバイス又は本明細書における任意の他の関連する医療デバイスを使用する例示的な方法を示す図である。
【
図55C】
図55Aの医療デバイス又は本明細書における任意の他の関連する医療デバイスを使用する例示的な方法を示す図である。
【
図57A】本明細書における内側細長本体及び外側細長本体又はシャフトのいずれかと共に使用され得る例示的なハンドルアセンブリを示す図である。
【
図57B】本明細書における内側細長本体及び外側細長本体又はシャフトのいずれかと共に使用され得る例示的なハンドルアセンブリを示す図である。
【
図58A】例示的な内側細長本体の一部分を示す図である。
【
図58B】例示的な外側細長本体の一部分を示す図である。
【
図59A】例示的なハンドルアセンブリの一部分を示す図である。
【
図59B】例示的な外側細長本体移動サブアセンブリを示す分解図である。
【
図60】第1及び第2のアクチュエータの回転インジケータを含む例示的なハンドルアセンブリを示す図である。
【
図61A】例示的なハンドル安定化部材を示す図である。
【
図61B】
図61Aにおける例示的なハンドル安定化部材と共に使用されるように構成されている例示的なハンドルアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1Aは、操作及び医療デバイスを一体化したシステムの例示的な実施形態を示す。システム1000は、ハンドルアセンブリ1002と、操作及び医療デバイス部分1004と、を含む。操作及び医療デバイス部分1004は、近位部分1006と、操作可能な部分1008と、を含む。システムは、ハンドルアセンブリ1002を作動させて、操作可能な部分1008を操作させることができるように、かつ任意選択的に更に作動させて、医療デバイス1010を操作及び医療デバイス部分1004に対して移動させることができるように適合されている。この例示的な実施形態では、ハンドルアセンブリ1002は、第1のアクチュエータ1001と、第2のアクチュエータ1003と、第3のアクチュエータ1005と、を含む。第1のアクチュエータ1001は、ハンドル本体1007に対して作動(この例では、回転)して、操作可能な部分1008を操作させるように、具体的には外側シース1102を操作させるように適合されている。本実施形態における操作可能な部分1008は、
図1Aに実線で示される形体に操作されるか又は屈曲させることができ、また破線で示される形体又は実線で示される形体と破線で示される形体との間の任意の位置に操作されることもでき、いくつかの実施形態では、反対の操作機能は、
図1Aの実線の屈曲された形体など、最初の屈曲された形体から単にシャフトを真っ直ぐにすることに制限されている。本開示では、「操作する」という用語は、任意選択的に少なくとも1つのプルワイヤの作動を介して、偏向又は屈曲することを意味するが、場合によっては、この用語は、シャフトの回転(トルク付与)及び軸線方向の移動を含み得る。本明細書では、「プルワイヤ」という用語は、デバイスの近位端から遠位端領域に張力を伝達することができる任意の要素を指す。プルワイヤは、中実若しくは撚線/編組線のいずれかのいずれか一方のステンレス鋼若しくはニッケルチタンなどの金属ワイヤからなっていてもよく、又は好ましくは撚線/編組線であるがモノフィラメント形態でもあるアラミド繊維(Kevlar(登録商標))、ポリエチレン、PTFE、ePTFEなどのポリマーからなっていてもよい。好ましい実施形態では、プルワイヤは、1インチあたり高い目数で共に編組された4本の50デニールのマルチフィラメント(約25本のフィラメント)糸を有するアラミド繊維束から構成される。ワイヤの断面直径は、通常、0.005インチ~0.012インチ、より好ましくは0.008インチ~0.010インチの範囲にあるが、編組された又は撚られたワイヤは、デバイスのルーメン内で平坦化又は楕円化される場合がある。好ましい構造の実施形態は、シャフトの直径を最小に保つために必要なサイズに関して、最適化された強度及び耐摩耗性をもたらすと考えられる。任意選択的な第2のアクチュエータ1003は、ハンドル本体1007に対して作動(この例では、回転)して、医療器具1010をシャフト1102に対して回転(回転移動「R」と符号が付されている)させるように適合されており、任意選択的なアクチュエータ1005は、ハンドル本体1007に対して(この例では、軸線方向に)作動して、医療デバイス1010を外側シース1102に対して軸線方向(遠位-近位)に移動させるように適合されている。近位部分1006は、操作可能な部分1008を操作(屈曲/偏向)したときに著しく屈曲するように構成されてはいないが、近位部分は、近位部分が内部で使用される解剖学的構造に適合するように屈折及び屈曲することができる。多くの実施形態において、これは、近位部分1006よりも軟質であるか又は剛直性の低い材料及び/又は複合構造体から操作可能な部分1008を構築することによって達成される。
【0059】
図1Aに示される実施形態は、操作可能な外側シャフト及び内側の医療器具の両方と動作可能に連通している一体型ハンドルアセンブリを含む装置の例である。ハンドルアセンブリは、包装及び使用の前に、外側シャフト及び内側の医療器具と動作可能に連通するように組み立て及び構築されるという点で一体化されている。「一体化された」は、この用語が一体化されたハンドルアセンブリの文脈において使用されるとき、医療器具を外側シャフト内から除去することが可能になる前にハンドルアセンブリの少なくとも一部を破壊又は分解する必要のあるハンドルアセンブリを指す。
【0060】
図1Bは、操作及びデバイス部分1004の、具体的には操作可能な部分1008における例示的な断面A-A(
図1Aに図示)を示す。本実施形態では、医療デバイス1010は、操作可能なシース内に配設されるようにサイズ決め及び構成されている。操作可能なシースは、外側シャフト1102と、操作可能な部分1008の遠位領域において軸線方向に固定されている一組のプルワイヤ1104と、を含む。
【0061】
図1A及び
図1Bの医療器具は、例えば、超音波器具などの本明細書における任意の医療器具であり得る。「超音波プローブ」が本明細書で使用されるとき、これは、大略的に、少なくとも1つの超音波トランスデューサと、少なくとも1つの超音波トランスデューサを細長い器具の近位領域に電気的に接続する1つ以上の導電性要素と、を含む、細長い器具を指す。超音波プローブの近位領域は、少なくとも1つの超音波トランスデューサと電気的に連通しており、かつ別のデバイス、ケーブル、又はコネクタ上の電気接点と、任意選択的にこれらへのアタッチメントを介して電気的に連通させることが可能な、少なくとも1つの近位接点を含むか、又はこれを含むように変更されている。
【0062】
図2は、
図1A及び1Bのシステムと同様に機能するように適合された例示的なシステム10を示し、また、ハンドルアセンブリ12の例示的な内部の構成要素(破線として示される内部の構成要素)も示す。ハンドルアセンブリ12は、外側の操作可能なシャフト20及び医療器具30と一体化されており、外側の操作可能なシャフト20及び医療器具30と動作可能に連通している。ハンドルアセンブリ12は、ハンドル本体15に対して作動すると、操作可能なシャフト20を操作するように適合されているアクチュエータ14を含む。アクチュエータ14は、ハンドルアセンブリ12内に配設された操作制御部16を介して、操作可能なシャフト20と動作可能に連通している。医療器具30は、ハンドルアセンブリ12内に配設され、ハンドルアセンブリ12に組み込まれた近位部分18を含む。アクチュエータ13は、医療器具30と動作可能に連通しており、アクチュエータ13をハンドル本体15に対して作動(この例では、回転)させることによって、回転制御部1215を介して、医療器具30を外側シャフト20に対して回転させる。任意選択的な第3のアクチュエータ17はまた、医療器具30と動作可能に連通しており、本実施形態では、(ハンドル本体15に対して)軸線方向に作動することによって、軸線方向制御部1217を介して、医療器具30を外側の操作可能なシャフト20に対して軸線方向に移動させるように適合されている。
【0063】
図2の医療器具は、例えば、超音波器具などの本明細書における任意の医療器具であり得る。
【0064】
図3及び
図4は、操作可能な部分が
図1Bに示されるような断面を有し得るシステム1200の例示的な実施形態を示す。システム1200は、操作可能な部分1202及び医療器具1204を備え、操作可能な部分1202及び医療器具1204はどちらも、互いにインターフェースするように構成されている。操作可能な部分1202は、ハンドル部分1206と、操作可能な部分1222を含むシース部分1208と、を含む。シース部分1208は、外側のチューブ状部材1207を含む。医療器具1204は、ハンドル部分1210と、少なくとも1つのシャフトと、ハンドル部分1210の遠位端にある遠位作用領域を含む器具部分1212と、を含む。ハンドル部分1206は、ハンドル本体1209に対して回転されて、操作可能な部分1222を操作するように本実施形態では適合されている操作アクチュエータ1220を含む。
【0065】
医療器具1204は、操作可能な部分1202を通って前進するように構成されており、操作可能な部分1202及び医療器具1204はどちらも、互いにインターフェースするように構成されている。医療器具1204の器具部分1212は前進する際に、器具部分1212の遠位端がシース部分1208の遠位端の近くにくるまで、シース部分1208を通って前進し、ハンドル部分1210の一部分は、ハンドル部分1206内で遠位に前進する。医療器具1204のハンドル部分1210は、ハンドル1214及びスタビライザ1218を含む。スタビライザ1218は、ハンドル部分1206の内部部分と共に、しっかり固定された関係で互いにインターフェースして、それらの間の少なくとも一方向での相対移動を防ぐように構成されている。ハンドル部分1210はまた、ハンドル部分1206の近位端とインターフェースするように構成されているナット1216も含む。スタビライザ1218は、操作可能なシース1202に対して、医療器具1204の軸線方向拘束部として作用する。
【0066】
図4に示されるように、器具部分1212の遠位作用領域は、医療器具1204及び操作可能なシース1202が安定して互いにインターフェース接続しているとき、シース部分1208から外に遠位に延在している。本実施形態では、器具部分1212の遠位端は、シース部分1208の遠位端に対して軸線方向に固定されてはいない。
【0067】
図3及び
図4の医療器具は、例えば、超音波器具などの本明細書における任意の医療器具であり得る。
【0068】
ハンドル1214は、任意選択的に、医療デバイスを、操作可能なシースに対して軸線方向の動き及び/又は回転の動きをさせることができる少なくとも1つのアクチュエータを含み得る。したがって、器具及びシースが安定してインターフェースされると、1つ以上の器具ハンドルアクチュエータによって、医療器具の(例えば、回転又は軸線方向)の動きを制御することができる。器具及びシースは、包装後かつ使用直前にインターフェースされても、又は包装前に一体化されてもよい。ハンドル1214はまた、医療器具の機能性を制御する他の制御部も含み得る。
【0069】
図5及び
図6は、内側の医療器具を含む操作可能なシステムの例示的な遠位領域を示す。システム1300は、操作可能なシース1302及び医療器具部分1304を含む。操作可能なシース1302は、外側部材1308及び1つ以上のプルワイヤ1306を含み、プルワイヤ1306は、操作可能な部分の遠位に固定されており、ハンドルアクチュエータが作動すると、操作可能な部分に対して軸線方向に近位に移動し、それによって操作可能な部分において軸線方向の相対移動がもたらされ、それによって操作可能な部分が(上述したように)操作されるように構成されている。プルワイヤ1306は、シースの操作可能な部分における中心軸線に平行であり得る。
【0070】
この単なる例示的な実施形態では、器具部分1304は、遠位端にRF先端電極を含む細長い医療器具1310と、ガイドワイヤルーメン1312と、を含むが、医療器具は、本明細書における任意の他の医療器具であってもよい。本実施形態では、器具1310及び操作可能なシース1302は、(遠位端に非常に近い領域を含む)器具の遠位端が、(遠位端に非常に近い領域を含む)操作可能なシース1302の遠位端に対して、軸線方向に不動であるが回転移動可能であるように構成されている。部品を軸線方向に不動かつ回転移動可能にするために、外側部材1308は延在部1314を含み、延在部1314は、延在部1314の近位にある外側部材1308の内側表面に対して径方向内向きに延在している。器具1310は、延在部1314に対応する(径方向内向きに形成された)外側形体1315を有する領域を含む。2つの構成要素は同様に、要素1314及び1315の遠位にある成形された要素1317及び1318を有する。したがって、器具及び外側部材の構成は、器具及びシースが図示されるようにインターフェースされたとき、外側部材に対して、したがって、操作可能なシースに対して、器具が遠位及び近位に移動することを防いでいる。本実施形態では、器具1310は、操作可能なシースに対して、回転自在であるか、又は移動可能である。すなわち、器具1310は、(操作可能な部分の遠位にある)固定場所において軸線方向に移動することはできないが、回転させることができる。1つ以上の機器が載置された医療器具が、特定の方向に向けられるか、又は特定の方向に対向しなければならない場合、回転自在であることは有益であり得る。
【0071】
器具及びシースは、操作可能な部分の遠位に軸線方向に固定されているので、器具の近位端は、操作中にわずかに軸線方向に移動することができるように構成されている。例えば、ハンドル内に内蔵されたバネによって、器具シャフトを操作可能なシースに対してわずかに移動させることができる。近位方向の軸線方向の移動を可能にする他の手法も同様に組み込むことができる。
【0072】
システム1300の近位端は、
図3及び
図4の実施形態に示されるものなどの2つのハンドル構成要素を含んでもよく、近位端における器具の適度な軸線方向の移動を除いて、同様にインターフェース接続することができる。
【0073】
他の実施形態では、
図5及び
図6に示される遠位領域は、
図1A又は
図2に示されるハンドルアセンブリを組み込むことができる。
【0074】
本開示の一態様は、元々軸線方向に移動可能であった2つの同軸の構成要素を軸線方向に不動にする(軸線方向で2つの同軸の構成要素を固定する)方法である。この態様はまた、構成要素を再び軸線方向に移動させることができるように、軸線方向の固定を除去する方法も含む。これは、解放可能な軸線方向の固定であると考えることができる。軸線方向の固定は、一般に、システムを患者の中に前進させる前に行われ、いくつかの実施形態では、軸線方向の固定は製造中に行われる。軸線方向の固定の解放は、再仕上げプロセス(refurbishing process)中に行うことができ、軸線方向の固定を再仕上げプロセス中に再びもたらすことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、医療器具を軸線方向で固定するように体積を変更する(増加又は減少させる)ことができる構成要素を含むようにシステムを変更することができる。いくつかの実施形態では、この構成要素は、医療器具を軸線方向で固定させるように変更する構成を有する。
【0076】
いくつかの実施形態では、システム1300は、延在部1314の体積を変更して、軸線方向の固定をもたらすか又は解放することができるよう延在部1314が構成されるように適合されている。この特定の変形例では、充填可能な環状体積1319(断面において1回のみ示されて符号が付されているが、これは、その構成が環状であるため、反対側に存在していると理解される)は、充填材料で充填されるように、かつ充填材料が同様に除去可能であるように適合されている。これらの代替的な実施形態では、外側部材は、径方向外側の点線表面によって、また前述の延在部1314の径方向内側部分によって画定された環状の充填体積1319を含む。すなわち、延在部1314は、充填可能な環状チャンバ又は体積1319を含むように変更されるが、延在部1314の外側表面は、環状の充填可能な体積1319を維持及び画定する。
【0077】
器具1310及びシース1302が、システムの製造中などに相対的に軸線方向に移動可能であることが望ましい場合、充填可能な体積1319は、少なくとも部分的に未充填のままであるので、器具1310をシース1302内で軸線方向に容易に前進又は後退させることができる。(これらが、製造中又は再仕上げ中など、望ましい相対的な軸線方向位置にあった後)器具1310及び1302を軸線方向に不動にすること又は固定することが望ましい場合、充填可能な体積1319は充填材料が充填され、その結果、延在部は、径方向内向きに延在し、より剛直性であり、器具1310がシース1302に対して軸線方向に移動することを防ぐ。したがって、本実施形態における延在部は、再構成可能な軸線方向の制止部である。
【0078】
器具1310及びシース1302を後の時点で(再仕上げ中など、例えば、清浄化中及び滅菌中のうちの少なくとも1つ)軸線方向に移動させることが望ましい場合、充填可能な材料を体積(又はチャンバ)1319から除去し、延在部の剛直性を低下させることができるので、器具1310をシース1302に対して軸線方向に移動させることができる。
【0079】
これらの代替的な実施形態では、延在部1314は、拡張可能及び拡張不能であるか、充填可能及び充填不能であるか、再構成可能であるか、変更可能な剛性を有するように構成及び適合されるか、その剛直性を変更することができるように構成されるか、また変更可能な体積を有すると考えられる。
【0080】
いくつかの実施形態では、充填可能な材料を、針などの充填用デバイスで環状の充填体積1319に挿入し、またそこから除去することができる。
【0081】
1つの例示的な使用では、器具1310は、
図6の位置まで軸線方向に前進され、その後、充填体積1319は充填材料で充填されて、(例えば、製造中又は再仕上げ中に)器具1310及びシース1302を軸線方向に固定する。この方法はまた、充填材料を除去することと、(例えば、再仕上げ中に)器具1301及びシース1302のうちの少なくとも一方を軸線方向に移動させることと、を含み得る。
【0082】
例示的な実施形態では、充填材料を、その温度を変化させることによって、固体から液体に、またその逆に変形させることができる。いくつかの実施形態では、充填可能な材料(本明細書では「充填材料」とも称される)は、動作温度では固体であり、延在部1314の体積又は剛直性を増加させるが、溶融すると(又は粘度が低下すると)、環状体積1319から除去することが可能になる。
【0083】
いくつかの実施形態では、充填材料はワックスである。ワックスは、いくつかの実施形態では、内側部材又は外側部材などの隣接する構成要素のポリマー材料よりも低い融点を有し得る。
【0084】
例えば、充填材料を追加及び除去することによって軸線方向の固定をもたらす(かつ軸線方向の固定の除去を可能にする)この概念は、操作可能なシースの外側シースと、その内部の医療器具と、を含む、本明細書における任意の2つの構成要素を軸線方向で固定するために使用することができる。
【0085】
図7A~
図7Eは、システム1200内の操作可能なシース1202のシース部分1208の遠位領域の例示的な実施形態を表す。簡略化のために、図示される断面は、外側シース1208のみを示し、内側の器具1212は示されていない。外側シース1208は、好ましくは、近位端からシャフトの外側に加えられるトルク伝達を改善するための、又は器具1212からなど、シャフト内から外側シース1208に加えられるトルク力に抵抗するための複合構造を有する。
図7Ai~
図7Aiiiに示されるように、複合体を形成するために、好ましくは金属ワイヤ(丸形、数対の丸形、又はリボン形)及び/又は複数の繊維(例えば、アラミド又はナイロン)から形成された複数の編組要素1250が、PTFE又はFEP材料などの薄肉の(例えば、0.0010インチ±0.0005インチ)潤滑性ライナーチューブ1251の上に直接編組されてもよい。熱可塑性ポリマー1252(25D~72Dのデュロメータの範囲のPebax、又はナイロン、又は他の一般的なカテーテル材料など)を、熱収縮チューブ(FEPなど)を使用して熱でラミネートして、ポリマーを編組要素1250及びライナーチューブ1251上にリフローして、均一な部材を形成することができる。熱可塑性ポリマー1252はまた、X線透視下でシースの先端がユーザに見えるように、ビスマス、硫酸バリウム、又はタングステンなどの材料を含む放射線不透過性化合物を有し得る。
図7Ai~
図7Aiiiの実施形態では、プルワイヤ1104は、好ましくは、シースの操作可能な(偏向可能な)部分1222において中央アクセスに平行であり、また好ましくは、操作可能なシース1208の壁内に作製されたルーメン1253内に設けられている。このルーメンは、熱可塑性ポリマーチューブの押出成形プロセス中に、又は除去可能なマンドレルを用いたシャフト熱ラミネート融合プロセス中に作製され得る。好ましくは除去可能なマンドレルによって一時的に支持されるプルワイヤチューブ1254を壁内部に組み込むことによって、プルワイヤルーメン1253が更に作製されてもよい。除去可能なマンドレルはまた、融合プロセス中にプルライン1104又は1104’に沿って配置されてもよく、その結果、いくぶん楕円形のルーメン1253が得られ、内部で、繊維状のプルワイヤを平坦化することができ、プルワイヤが自由に移動するための空間が確保される。チューブ1254は、PTFE、FEP、ポリイミド、又は約500°Fまでの熱ラミネートプロセス中にチューブ1254の壁の完全性を保つ他の材料を含んでもよい。チューブは、好ましくは、熱可塑性ポリマー1252によって囲まれて支持されており、熱可塑性ポリマー1252は、好ましくは、チューブに対して熱ラミネートされている。別の実施形態では、好ましくはプルワイヤチューブを備えるプルワイヤルーメンが、編組要素1250の織物の内部に組み込まれる。例えば、ある方向に延びる編組要素1250は、プルワイヤルーメンの下方を通ると考えられる一方、反対方向に延びる編組要素1250は、プルワイヤルーメンの上方を通ると考えられる。編組補強材は、カテーテルの操作中に寸法がより安定したルーメンを提供し、また必要に応じてルーメンの真直性を保証するのに役立つ。操作可能な部分の近位では、プルワイヤは、
図7Ai~
図7Aiiiに示されるように、外側シース1208の同じ側で中心軸線に平行に近位に延びていてもよい。本実施形態及び以下の他の実施形態では、操作可能な部分1222を通ってシース1208の壁内で引き回された更なるプルワイヤルーメン内の更なるプルワイヤ1104’が、デバイスの操作可能な部分を真っ直ぐにするために必要とされ得る。この真っ直ぐにするプルワイヤ1104’は、好ましくは、操作可能な部分1222での操作(偏向)に使用されるプルワイヤ(複数可)1104とは反対側で、操作可能な部分1222内で引き回される。別の実施形態(図示せず)では、対になったプルワイヤ1104の構成と実質的に鏡映対称である2つのルーメン及び2つの真っ直ぐにするプルワイヤ1104’を使用することができる。これらの真っ直ぐにするワイヤはまた、ハンドル内で(単に真っ直ぐにするだけでなく)より長い距離に張力をかけることによって、反対方向への偏向を可能にするように構成されると考えられる。
【0086】
使用中、操作可能な(偏向可能な)部分1222のすぐ近位にある遠位カテーテルの部分1223は、部分1223が使用される解剖学的構造の制約に基づいて曲線を取るように付勢されてもよい。デバイスが鼠径部のアクセスから心腔内に前進する特定の実施形態に関して、付勢されて曲線になる部分1223は、長さ5~25cmの範囲であると予想される。近位端からのシースシャフト1208の回転中に、この遠位湾曲領域1223を介してカテーテル先端にトルクが伝達される。この領域1223におけるデバイスの不均一な断面及び/又は張力は、シャフトがトルクを蓄積し、突然解放する傾向を誘発する場合があり、デバイスにトルクが加えられると「ホイップ」又は回転の突然のがたつきが生じる。ホイップの可能性を最小限に抑えるために、任意選択的に、湾曲領域1223の表面の周りで、プルワイヤの張力及び構成材料を分散させる。
図7Bi~
図7Biiiに示されるような一実施形態では、プルワイヤ1104は、少なくとも部分1222の近位にある湾曲領域1223でシースの中心軸線の周りに螺旋状に巻かれていてもよい。本実施形態のプルワイヤは、5~15cmの範囲に及び約10cmの長さにわたって全周に巻き付いていてもよい。螺旋体は、湾曲領域1223にのみ存在すればよく、その後、近位部分1224(1006と同様)を通って近位に真っ直ぐに延び、それによって、プルワイヤルーメン内での摩擦と、操作可能な部分1222を操作(偏向)するのに必要な関連するプルワイヤの力と、を最小限に抑えることができる。螺旋体は、最低1回転した後、真っ直ぐに延びてもよく、又はシャフトの全長に螺旋状に巻かれてもよい。ホイップを最小限に抑えるための別の実施形態では、プルワイヤの張力をシャフトの反対側に分散させるだけでよい場合もある。
図7Ci~
図7Ciiに示されるように、操作可能なセクション1222の偏向は、シース1208の同じ側で互いに隣接して位置付けられた2つの平行なプルワイヤ1104によって達成される。操作可能なセクション1222の近位にある湾曲領域1223及び近位部分1224(1006と同様)では、プルワイヤは、張力をより均等に分散するために、シャフトの反対側に、操作可能なセクション1222における位置からそれぞれ90°で引き回される。2つの平行なプルワイヤをハンドルアクチュエータによって等しい力で同時に作動させることが好ましいが、他の実施形態では、力の差を適用して、2つのプルワイヤが等しい力で作動されるときに形成される平面の一方の側又は他方の側へと先端を操作することができる。他の実施形態では、任意の複数のプルワイヤを、
図7B又は
図7Cに示される構成と同じ構成で引き回すことができ、複数の近位プルワイヤが、シャフトの円周の周りに均一に分配される。また、
図7Ci~
図7Ciiに示されるように、プルワイヤ1104は、シャフト近位部分1124の長さの大半にわたってシャフトの反対側に沿って近位に引き回され得るが、好ましくは、シャフトの近位端部分の近くで再び互いに隣接して合わされ、ワイヤが近位シャフトの同じ側から一緒に出ることができ、同時作動張力のためにこれらがハンドル構成要素に一緒に固定されるのを容易にする。
【0087】
図7Di~
図7Divは、前述したものと同様の構造を有するが、代わりに、2つの異なる方向に偏向させることができる遠位の操作可能な部分1222を提供するように構成されたカテーテルの遠位領域の別の実施形態を示す。図示されるように、2対のプルワイヤ1105/1107及び1106/1108は、近位シャフト領域1224及び湾曲領域1223に沿っている。これは、
図7Ai~
図7Aiiiと同様であるが、シャフトの各側でワイヤが対にされている点で異なる。引き回しは、
図7Bi~
図7Biiのように螺旋巻きであっても、又は論じられる他の構成であってもよい。遠位の操作可能な部分1222の中で、ワイヤは、近位部分から90°引き回されるが、他の角度も想到される。1222内の接合部1225で、プルワイヤのうちの1つ以上(例えば、1105及び1107)が終端され、シャフトに固定されてもよく、残りのプルワイヤ(例えば、1106及び1108)は、より遠位の先端場所1226まで延び、そこで固定される。この構成によって、1225及び1226で終端するプルワイヤの独立した作動が可能になり、作動中に異なる形状を形成することができる。
図7Diiは、同じ方向で可変の曲線を形成するように張力がかけられたライン1107及び1108を両方示す。
図7Diiiは、「S」曲線を形成するように張力がかけられたライン1107及び1106を示す。他の構成も可能である。
【0088】
繰り返し張力が加えられるときにプルワイヤが破壊したり又は自由に引っ張られたりしないように、プルワイヤ(1104及び1104’など)は、プルワイヤの遠位端において、プルワイヤが遠位の操作可能なシャフト部分1222の壁に確実に固着されるように終端される必要がある。
図7Eに示される好ましい実施形態では、プルワイヤ1104及び1104’は、遠位のプルワイヤルーメン1253から出た後に、(熱可塑性ポリマー1252を備えないで示される)遠位シャフト1222の編組ワイヤ1250内に円周方向に織り込まれる。更に又は代替的に、プルワイヤ1104又は1104’のうちの1つ以上を、更なる固定のために編組ワイヤ1250の外側の周りに巻き付けるか、かつ/又は結び付けることもできる。次いで、編組ワイヤ1250を、固定点の遠位で切り落とすことができ、織り込まれたかつ/又は巻き付けられたプルワイヤによって、編組ワイヤの拡張及び/又はほつれが防がれる。また、UV硬化又はシアノアクリレートなどの更なる接着剤を使用して、プルワイヤを編組ワイヤに固定することもできる。次いで、プルワイヤ及び編組ワイヤの織り及び/また巻き付けが、熱可塑性ポリマーでラミネートされ、熱可塑性ポリマーは、ワイヤの周りの空間内で溶融し、冷却されてワイヤを所定の位置に固定する。熱可塑性ポリマーはまた、X線透視下でシースの先端がユーザに見えるように、ビスマス、硫酸バリウム、又はタングステンなどの材料を含む放射線不透過性化合物を有し得る。
【0089】
更なる実施形態では、器具1212は、同様に又は代替的に、外側シース1208について述べた前述の実施形態のいずれかと同じように先端を偏向させるために、1つ以上のプルワイヤを用いて構築され得る。器具1212のチューブ状部材の壁内でプルワイヤを引き回すことに加えて、プルワイヤを、チューブ状要素1212のルーメン内の導体に並べて引き回すことが考えられる。プルワイヤの作動は、近位ハンドル1206内に位置するアクチュエータ由来であると考えられる。器具1212の遠位シャフトは、特定の形状(例えば、円弧状)に形成されていてもよく、器具1212の遠位シャフトは、器具1212の遠位シャフトが外側シース1208の操作可能な部分1222の先端から出るときに特定の形状に屈曲する。器具1212の遠位シャフトの剛性は、内部にある間は遠位シャフトが外側シース1208を実質的に変形させず、出た後に屈曲するような剛性である。形状は、以下の手段:ポリマー材料の熱処理、シャフト1212の内側ルーメン内における又はシャフト1212の壁内のルーメン内における可動又は固定の成形されたスタイレットの使用のうちのいずれか1つ又はこれらの組み合わせによって定められ得る。そのようなスタイレットは、断面が丸形、楕円形、又は矩形であり、ステンレス鋼、ニチノール、又はPEEK、Vestamidなどの剛直性ポリマーから形成されると考えられる。代替的には、外側の操作可能なシースを、更なるプルワイヤの偏向を伴うか又は伴わずに、かつ器具シャフト1212の遠位部分の更なる成形又は偏向を伴うか又は伴わずに、上記と類似した方法によって屈曲させることができる。
【0090】
図8は、操作可能なシース1202内に部分的に配設された医療器具1204を備えるシステム1400を示す。医療器具1204及びシース1202は、1204及び1202と符号が付されているが、本明細書に記載の医療器具及びシースのうちのいずれかであり得る。操作可能なシース1202は、例えば、プルワイヤ又は他の機能的偏向機構(本明細書に記述されるもののうちのいずれか)を使用することによって、好ましくは「操作可能」であるが、この「操作可能な」シース(又は本明細書における任意の操作可能なシース)は、「操作可能な」シースが単なる直線のチューブ状要素であるか、又は固定された偏向不能な遠位の曲線形状を有するという点で、操作不能でもあると考えられると理解される。操作はまた、偏向機構を使用して又は使用することなく、シースにトルク付与することによって達成することもできる。
【0091】
図8に示されるシステム1400は、一体化された形でユーザに提供されるが、システムのモジュール式構成要素のいずれかを清浄化、修理、及び/又は交換する専門プロセスを使用する手順後に分解することができるモジュール式構成要素を有するように設計されている。次いで、システム1400を再び組み立て、殺菌し、再包装してもよい。本明細書では、このプロセス、又は場合によってこのプロセスの一部分を、「再配置」又は「再仕上げ」と称することができ、本明細書における方法のいずれかを使用して、本明細書における任意のシステムを再配置又は再仕上げすることができる。システム1400の性能は、医療器具1204及びシース1202について、互いとだけ作用し、類似の機能を有し得る市場の他のデバイスと置き換えられないように最適化されている。また、デバイスの再配置には、システムの安全性及び性能の質が継続することを担保するように特別に注意を払う。
【0092】
以下の本開示では、破壊すること又は制御されたプロセスを使用することのいずれかによる、システムの様々なモジュール式構成要素を分離する手法が多く参照されている。実施形態に応じて、ハンドル部分1960(
図9A及び
図9Bを参照)、後部ハンドル1961(
図11を参照)、及びハンドルリップ1962(
図12Aを参照)をハンドルアセンブリから分離することができる。器具係止部1955(例えば、
図42及び
図43に示されるシャフト1240)を、例えば、医療器具1204の器具部分1212から、又はハンドルアセンブリ1206から分離することができる。例えば、器具コネクタ1210(
図8を参照)又は1990(
図13Aを参照)は、器具部分1212から分離されると考えられる。止血弁1950アセンブリ(
図8を参照)は、ハンドルアセンブリ1206から分離されると考えられる。シース部分1208は、ハンドルアセンブリ1206から分離されると考えられる。器具部分1212の外側部材2010(
図17Bを参照)は、内側リードアセンブリ2011及びその内部電気接続部から分離されると考えられる。多くの同様に制御されたプロセス及び材料を使用して、本明細書における実施形態のいずれかの構成要素の最初の組み立て並びにその後の分解及び再組み立てを可能にすると考えられる。
【0093】
任意の所与のプロセス又はプロセスの組み合わせを、前述のモジュール分離点のいずれか1つ又は全てで使用することが考えられる。プロセスには以下の例が挙げられるが、これらに限定するものではない。接着剤又は機械的係止部のように作用するが、構成要素を除去するために熱で変形することができる材料を使用して、構成要素を接合することが考えられる。これには、ワックス及び熱可塑性エラストマー(数例を挙げると、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド)などの材料が挙げられる。(本明細書において前述したものなどの)ヒドロゲルなどの材料を水溶液で膨潤させて、材料が軟化するか又は構成要素を分離するのに十分に滑らかとなるように、材料の特性を変化させてもよい。結晶又は粉末形態の糖、塩、デンプン、又は他の同様の材料を使用して、構成要素間に機械的締まりばめを形成することが考えられるが、次いで、水溶液中に容易に溶解させて、構成要素を分離することが考えられる。これらの材料はまた、その後、結晶構造が溶解されると発泡体のように圧縮される非分解性材料中のマトリックスとして使用されることも考えられる。当業者にもまた既知のものを含む、流体(使用中に導入されるものなど)との接触後に経時的に分解することが知られている他のポリマーは、それらの弱化特性による置換が要求されるようなシステムにおいて使用することが考えられる。化学溶媒の存在下で保持強度を失う他の材料を使用することが考えられる。強酸又は強塩基を使用して、特定の金属及びプラスチックを溶解させることが考えられる。例えば、シリコーンは、ヘプタン、ヘキサン、又はイソプロピルアルコールの存在下で容易に膨潤し、引き裂くことができる。封止部を変化させるために液体材料が分配される場合、封止部は、(針穿刺隔膜又はルアー作動弁などの)特殊器具でのみアクセスできる保護空間内部で使用中に保護されることが考えられる。
【0094】
はんだ又ははんだ様プロセスを使用して特定の構成要素を接合してもよく、この場合、はんだを再加熱することにより、部品を分離することとなる。いくつかの実施形態では、金属接合部は、電気分解を使用して分離されることが考えられる。機械的干渉はまた、構成要素を共に保持するために使用されることが考えられる(例えば、ねじ、ピン、ねじ山、ウェッジなど)。ラチェット機構(例えば、結束バンド、ベルトループスタイル、ローラーウェッジ、カム作動式グリップ)を使用して構成要素を共に保持することもまた考えられるが、器具を破壊及び交換又は使用して、構成要素を一時的に分離するために部品への製造業者のアクセスを必要とする。構成要素は、磁力(磁石対磁石又は磁石対鉄)によって定位置に保持されると考えられる。特定の実施形態では、磁石を消磁することなく磁気保持は解除されないと考えられる。消磁は、磁石を物理的に破壊するか若しくは機械的に疲労させること、磁石の温度をその磁石のキュリー点(例えば、ネオジム磁石については80℃)よりも高く上げること、又は磁石全体に交流電流を印加して双極子を破壊することによってもたらされると考えられる。別の実施形態では、部品は、(ドアロックと同様の)穴又は他の捕捉機構に嵌合するバーなどの係止部と係合させて適所に保持されると考えられる。バーは、通常は穴に係合されているが、遷移温度を超える熱に曝露されると、形状を変化させて穴の外へ戻る(部品が分解される)湾曲構造体又はヒンジ構造体に熱処理されることが考えられる。同様に、バーを磁化して、磁場に曝露されたとき、穴から押し出すことが考えられる。他の同様の機構では、コイル若しくは他のばね、又は熱若しくは磁場の存在下で形状を変化させて係止解除するばね作動デバイスを使用することが考えられる。別の実施形態では、構成要素は、ピストン、ベローズ、隔膜、バルーンなどを有する密閉シリンダなど、液圧下(例えば、水又は鉱油若しくはシリコーンオイルなどの油)で結合されると考えられる。構成要素を分離するために、圧力は、封止部を穿刺するか、又は別の方法で破壊することによって加圧チャンバに放出されてもよい。弁を開放するか又は弛緩させて圧力を解放することを用いることもまた考えられる。多くの場合、部品を分離するために使用されるプロセスはまた、再組み立て及び他の後続の処理工程の前に、交換、更なる修復、及び/又は追加の清浄化を必要とするほどに部品を汚染又は損傷させることとなる。上記の例示的なプロセスの任意の組み合わせを使用することもまた考えられる。
【0095】
本明細書における実施形態のいずれにおいても、医療器具は、医療器具の遠位領域に配設された1つ以上の超音波トランスデューサを有する超音波デバイスであり得る。例えば、超音波デバイスは、4D-ICE(心内エコー検査)撮像器具などの超音波撮像デバイスであってもよい。
【0096】
図8は、医療器具1204の器具部分1212が、操作可能なシース1202内で、かつ操作可能なシース1202に対して回転可能であり得、任意選択的に、シース内で軸線方向に並進することができ得ることを示す。
図8においてハンドル1206の本体内に配設された器具係止部1955は、器具部分1212に固定され、シース1202内での移動を制約し、かつ/又は医療器具1204(例えば、
図42及び
図43のシャフト1240)の機能性を制御するための1つ以上の機能を有してもよい。器具1212の軸線方向の動きを近位方向において制約するいくつかの実施形態では、器具1212の先端は、シース内に入らないようにしてもよく、器具1212の先端は、(例えば、目的が組織に電気エネルギーを送達するか、又は超音波パルスを送信/受信することである場合)非機能性の状態にされてもよい。他の実施形態では、ルーメン封止部は、遠位作業端部の機能部分のすぐ近位の器具1212上に提供されてもよく、近位後退制限部によって画定されるシース1208の遠位ルーメン空間内の特定の場所にルーメン封止部を後退させると、ルーメン内の封止が形成される。器具1212の遠位端領域がシースのIDよりも大きい他の実施形態では、
図13Aの先端1821で示されるように、近位制限部は、器具先端がシース部分1208の遠位先端に対して後退している場合、シース、他のデバイス、又は組織への損傷を防止することができる。器具1212の近位進行制限部は、先端1821の近位端とシース部分1208の遠位端との間にわずかなオフセット(例えば、0.5~3.0mm)をもたらし、シースのルーメンの出口へ流された流体用の空間を可能にするために有益であり得、かつ/又は、先端がシース1208の遠位端に近接して引き戻されるときに、先端1821とシース1208との間の組織構造若しくは介入デバイスの挟み込みを回避するために有益であり得る。
【0097】
器具1212の適切な制御を確実にするために、器具1212の遠位方向への軸線方向の動きの制約が必要であり得る。例えば、遠位操作を伴わない延在部が過度に遠くにあると、ユーザによる組織構造への不注意な損傷を引き起こすおそれがあり、あるいは、器具1212が柔らかすぎるので、システム1200を使用して適切な精度でトルクをかけて操作すると考えられ、この場合、器具1212の性能を制限する。軸線方向の動きを制限するために、ハンドル1206内に拘束された器具係止部1955を使用することはまた、ハンドル1206の長さに対して実用的な制限を有することとなる。上記の考慮事項を念頭に置くと、ハンドル1206内の器具係止部1955の相互作用によって作り出された器具1212の任意選択的な実用上の遠位延在制限部は、約3cmとなるであろう。他の実施形態は、最大5cmまでの器具延在部であると考えられる。様々な解剖学的構造の中に入れるための、柔らかい器具シャフト、又は予め成形された操作可能な器具シャフト、又は偏向可能な器具シャフトの利点を活用する、最大20cmまでの延在部を有する他の構成もまた想到される。器具係止部1955などの進行制限部を排除すると、シース部分1208のルーメン内を通過するのに十分な隙間を有する器具シャフトの長さによって進行を制限するであろう。
図8はまた、血液又は他の流体が操作可能なシース1202の近位端から漏出しないようにし、器具1204とシース1202の内側ルーメンとの間のルーメン空間の洗浄を可能にするのに有用である、ハンドル部分1206内の止血弁アセンブリ1950を示す。
【0098】
図9A及び
図9Bは、ハンドルアセンブリ1206が、ハンドルアセンブリ1206から除去することができるか又はアセンブリ1206から破壊されることができる除去可能又は破壊可能なハンドル部分1960を含んで、ハンドルアセンブリ1206の内部空間へのアクセスを可能にするシステムの別の実施形態を示す。
図9Aに示すように、除去されるか又は破壊されると、ハンドルアセンブリ1206と共に配設された器具係止部1955にアクセスすることができる。次いで、器具係止部1955は、
図8Aに示されるように、器具部分1212から分離することができる。器具係止部1955が除去されると、
図9Bに示すように、器具1204をシース1202から除去することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、ハンドル部分1960(及びハンドルアセンブリから除去するか又は破壊することができる本明細書における任意の他のハンドル部分)は、ハンドルアセンブリ1206の対応する構成要素とインターフェースするように構成することができるため、使用時に1206に対して安定化させることができるが、ハンドル1206と部分1960との間のインターフェースを破壊することなく、制御された方法でハンドル1206から除去することができる。例えば、限定するものではないが、2つの部品は、ねじ山付きインターフェースを有すると考えられる。あるいは、例えば、部分1960は、部分1960とハンドルアセンブリ1206との間のインターフェースを破壊する必要があるように構成することができるが、インターフェースは、その破壊が比較的容易かつ予測可能な方法で行うことができるようなものである。
【0100】
器具係止部1955の一機能は、前述のようにシステムの完全性を確保するために、シース1202からの医療器具1204の除去を防止することである。器具係止部はまた、ハンドルアセンブリ内で物理的に拘束されることによって、ハンドルアセンブリ内での医療器具の軸線方向の並進を制限する。これは、医療器具が軸線方向に移動しないか、又は移動が、シースの先端を越えて医療器具の安全かつ機能的な範囲に制約されることのいずれか一方を確実にすることが所望され得る。
【0101】
図10A及び
図10Bに示される別の実施形態では、器具係止部1955及びハンドルアセンブリ1206は両方とも、医療器具の回転範囲を制限するように構成されてもよい。これは、外側部材2010又は内側リードアセンブリ2011(
図17A~
図17Cを参照)の一部分を捻り、損傷させると考えられる一方向にトルクが蓄積するのを防止するために所望され得る。
【0102】
図10A及び
図10Bに示されるように、器具係止部1955は、本実施形態では両方向に360°未満の角度で回転されることを可能にする径方向突出部である機構1956を片側に有する。ハンドルアセンブリ1206は、(図の底部に配設された)径方向内側に延在する突出部を有し、この突出部は、機構1956と係合し、機構1956の動きを停止させ、それ故に、器具係止部1955及び医療器具1212を停止させるように構成されている。所与の方向での有限数の完全回転にトルクを制限する制限部を含む、当該技術分野において既知の他のトルク制限部を用いることもまた考えられる。軸線方向の進行及びトルクはまた、対向する磁石によって制限されることも考えられる。(軸線方向の進行又は回転の進行により)接近する器具係止部内の磁石、ハンドル部分に位置付けられた対向する磁石として抵抗に直面すると考えられる。
図10A及び
図10Bに図示される回転制限部は、本明細書におけるシステムのいずれかに組み込むことができる。
【0103】
図42及び
図43は、ハンドル内の代替の例示的な医療器具回転制限機構を示す。その実施形態では、回転制限部は、複合回転制限部であり、止血弁の近位にもまた配設され、ハンドル内の回転制限部の場所における医療器具シャフトの360度超の回転を可能にする。
【0104】
器具係止部を含む実施形態では、器具係止部の回転移動及び/又は軸線方向の移動はまた、移動可能であるようにハンドル内の機構と摩擦嵌合を有してもよいが、ユーザの動作による場合を除いて、元の位置に回転又は摺動して戻ることはない。例えば、器具係止部の外側表面及び(ハンドル部分1960などの)ハンドル部分の内側表面のいずれか一方又は両方は、PTFE、FEP、Delrin(アセタール)などの潤滑性材料を含んでもよい。同じ材料から形成されない限り、噛合材料は、滑らかな研磨されたポリマー又は金属であると考えられる。2つの部品は、例えば、最大0.0002インチの精密な隙間又は干渉を有すると考えられる。摩擦はまた、(部分1960などの)ハンドル部分の一部分への器具係止部の表面の単に一部分からのわずかな干渉によって制御されると考えられる。干渉は、小型の一体化機構、及び/又は、又は圧縮性ポリマー(シリコーン、ポリウレタンなど)などの弾性材料上に、中実若しくは発泡体の形態のいずれかで搭載される別個の構成要素、又はコイル若しくはフラットリボンから形成された金属ばね若しくは剛直性ポリマーばねであると考えられる。摺動可能なウェッジもまた、圧縮を調節するために使用されると考えられる。圧縮干渉の量はまた、干渉機構を共に駆動させる送りねじ又は加圧チャンバを用いて製造時に調整されると考えられる。再配置プロセス中、この圧縮摩擦干渉部は、分解され、次いで再組み立てされ、製造業者の設定に戻される必要があると考えられる。別の実施形態では、圧縮機構は、器具係止機構を必要とせずに、器具部分1212に直接作用するように(部分1960などの)ハンドル部分に組み付けられると考えられる。器具係止部は、器具部分1212に一体化されているように図示されているが、器具係止部はまた、シースハンドル部分1960に係合されると考えられる器具ハンドル部分1210に直接一体化されるとも考えられる。これは、シース1202に対する医療器具1204の軸線方向の並進が必要とされない場合に特に適用可能である。
【0105】
器具係止部1955はまた、ハンドル部分1960(又は他のハンドル部分)の存在を感知する電子機構又は電磁機構を有してもよい。ハンドル部分(例えば、部分1960)が除去されると、器具係止部は、医療器具1204の機能性を無効にしてもよい。例えば、ハンドル部分は、器具係止部に近接して搭載された磁石を含んでもよい。磁石は、医療器具における機能回路を完成させる器具係止部内でオンになったリードスイッチを保持することができる。磁石がハンドル部分(例えば、部分1960)で除去されると、リードスイッチは、オフになり、医療器具の動作を停止させる。同じ機能を達成するための他の近接スイッチもまた使用することができる。器具係止部はまた、又は代替的に、器具係止部が医療器具から除去されると(例えば、医療器具をシースから除去するために必要であると考えられる場合)、医療器具の機能を無効にし得る。例えば、器具係止部は、器具除去時に医療器具から切断する、医療器具(例えば、器具部分1212内)への直接的な有線接続を有すると考えられる。医療器具はまた、器具部分1212内に近接センサを含むことも考えられ、近接センサは、医療器具がシースから除去されると、動作が停止される。例えば、上述したものと同様に、医療器具内の機能回路を完成させるリードスイッチは、器具係止部内の磁石によってオンのままにされると考えられる。次いで、器具係止部を除去すると、リードスイッチは、オフになり、医療器具の動作が停止される。当該技術分野において既知の他の近接センサもまた利用されると考えられる。器具係止部を交換することで、機能を再有効化させると考えられる。しかしながら、ソフトウェアが回路の遮断を検出すると、医療器具の機能をリセットするために、制御器具のソフトウェアの追加の再プログラミングもまた必要とされ得る。関連するシナリオでは、(部分1960などの)ハンドル部分の除去又は破壊により、医療器具及び/又はより具体的には制御器具のソフトウェアによって感知される器具係止部内の回路を遮断することが考えられる。次いで、器具係止部の修復、交換、又は再プログラミング、並びに(部分1960などの)ハンドル部分の交換及び/又は修復によって、器具に対して機能を回復させることが考えられる。
【0106】
図11A及び
図11Bは、デバイスの再配置を支援するためのモジュール式機構を有するシステムの別の実施形態を示す。本実施形態では、ハンドルアセンブリ1506は、ハンドルアセンブリ1506の残りの部分からハンドル後部構成要素1961の除去又は破壊によって分解されてもよい。これにより、器具係止部(図示しないが、本明細書に記載されているいずれかの器具係止部であり得る)及び止血弁アセンブリ1950へのアクセスを可能にする。器具ハンドルの構成に応じて、ハンドル後部1961は、(器具係止部を除去することなく)器具から近位方向に除去され得、又は器具係止部は、ハンドル部分1955のみが除去された前述の実施形態よりも、器具係止部を除去するためにより容易にアクセスされ得る。本構成では、止血弁アセンブリ1950にアクセスして、弁アセンブリを除去、交換してもよい。あるいは、個々の構成要素のいずれかを含む弁アセンブリを、除去、分解、清浄化、修復、及び交換することが考えられる。修復は、アセンブリ1950内の止血封止部1951の交換のみを伴い得る。封止部は、当該技術分野において既知のスリット付きシリコーン若しくは他の軟質ポリマー化合物、又は本開示における封止部のいずれかであり得る。止血弁アセンブリは、止血弁アセンブリの遠位端にルアー取付具1952を含むことが好ましく、ハンドル内の噛合ルアー取付具の内外に単純に圧入されると考えられる。代替の取付具もまた使用することができる。
【0107】
操作可能なシース1202はまた、シース部分1208がハンドルアセンブリ1506から分離されることを可能にするように適合されてもよい。他のモジュール式構成要素と同様に、これは、清浄化、修復、又は交換のための除去を可能にすると考えられる。シース1202は、カテーテル先端を偏向させるための張力要素を装備してもよい。これらの張力要素と同様の張力要素が、要素1970として
図11Bに示されている。1つ以上の張力要素1970は、好ましくは、溶接、はんだ付け、圧着、スエージング、又は接着剤/エポキシ接合プロセスなどによって締結具1971に恒久的に固定される。張力要素の端部を接着剤/エポキシ中にポッティングする場合、張力要素の端部は、好ましくは、張力要素自体の断面よりも大きい、拡大されたボール、コイル、ループ、又は他の類似の機構に形成される。あるいは、張力要素は、止めねじ又は他の機械的締結具によって解放可能に固定されてもよい。張力要素の近位端に圧着された拡大された溶接ボール端部又は別個のチューブは、締結具1971における張力要素1970の機械的捕捉を補助し得る。締結具1971は、係合機構1972によって作動され、操作可能なアクチュエータ1520に結合されるように構成されている。係合機構1972は、それぞれがねじ山を含む部分1972’及び1972’’を含み、一方は他方の逆向きである。アクチュエータ1520は、一方が他方の逆向きである二重ねじ山を備えており、アクチュエータ1520が回転されると、係合機構の部分1972’及び1972’’が反対方向に駆動されることによって、操作可能なセクションが一方向又は別の方向に偏向する。締結具は、再配置中に迅速かつ費用効率の高い処理のために、容易に切断かつアクチュエータに再接続されるように設計されてもよい。あるいは、張力要素は、締結具を使用することなく、係合機構に除去可能に直接接続されてもよい。
【0108】
図12A及び
図12Bは、一体化されたハンドルアセンブリ、操作可能なシース、及び医療器具を含む一体化された医療デバイス(例えば、超音波)又はシステム1700の代替的な実施形態を示し、本明細書における方法のいずれかを使用して再構成することができる。システム1700では、ハンドルアセンブリ1703は、操作可能なシース1702及び医療器具1704と動作可能に連通しており、ハンドルアセンブリ1703は、外側表面がユーザによって把持されるように位置付けられたハンドル本体1705と、ハンドル本体1705に対して移動されるように適合された第1のアクチュエータ1720と、ハンドル本体1705に対して移動されるように適合された第2のアクチュエータ1780と、を含む。操作可能なシース1702は、少なくとも1つのプルワイヤと動作可能に連通している遠位偏向可能領域(符号なし)を有する。いくつかの実施形態では、医療器具1704は、超音波トランスデューサを含む遠位部分を有する細長い超音波デバイスであり、細長い超音波デバイスの少なくとも一部は、操作可能なシース1702内に配設され、細長い超音波デバイスは、第2のアクチュエータ1780と動作可能に連通している。第1のアクチュエータ1720は、少なくとも1つのプルワイヤと動作可能に連通しており、ハンドル本体1705に対する第1のアクチュエータ1720の作動は、操作可能なシース1702の遠位偏向可能領域の偏向を引き起こす。
【0109】
第2のアクチュエータ1780は、ハンドル本体1705に対して回転されるように適合され、また、ハンドル本体1705に対して軸線方向に移動されるように適合されている。第2のアクチュエータ1780は、細長い医療デバイス1704と動作可能に連通しており、ハンドル本体1705に対する第2のアクチュエータの軸線方向の移動は、操作可能なシースの遠位端に対して(遠位及び近位の)細長い医療デバイス1704の軸線方向の移動を引き起こし、ハンドル本体1705に対する第2のアクチュエータ1780の回転は、
図12A及び
図12Bにおいて回転移動「R」として示されるように、操作可能なシースの遠位端に対する細長い医療デバイス1704の回転を引き起こす。
【0110】
器具が超音波撮像器具である場合、シースに対する器具の軸線方向の移動は、移動により、プローブが特定の場所に操作された後に身体のより大きな領域を撮像するためのプローブの機能が改善され、プローブが概ね実行可能な場所に操作されると、操作者が視野をより容易に精緻化することを可能にするという点で概ね望ましい。
【0111】
システム1700はまた、任意選択的な器具係止部1755を備える。器具係止部1755は、ハンドルアセンブリ1703内に収容されるが、第2のアクチュエータ1780に連結されている。器具係止部1755及び第2のアクチュエータ1780は、例えば、互いに係合するように磁石を装備してもよい。あるいは、構成要素のうちの一方は、鉄を含み、他方は、磁石を含んでもよい。器具係止部1755は、医療器具1704の器具部分1712に堅固かつ解除可能に連結されている。第2のアクチュエータ1780を遠位に前進させるか、又は近位に後退させることにより、器具係止部1755をそれぞれ遠位又は近位に移動させる。アクチュエータ器具1755の結果として生じる軸線方向の移動により、医療器具1704の軸線方向の移動が引き起こされる。同様に、ハンドル本体1705に対する第2のアクチュエータ1780の回転により、器具係止部1755の回転を引き起こし、これによって(
図12A及び
図12Bに回転「R」として示される)医療器具1704の回転が引き起こされる。本実施形態では、(シースに対する)器具の軸線方向の移動及び(シースに対する)器具の回転移動は、固定された動作域内に制限される。一実施形態では、(例えば、再仕上げ中など)医療器具1704を操作可能なシース1702から除去するために、ハンドル後部リップ1762を除去するか又は破壊して、器具係止部1755(及び器具部分1712の残り)をハンドル1706から除去すると考えられる。加えて、第2のアクチュエータ1780は、器具係止部1755から分離されると考えられる。これは、連結されたユニットを引き離すためにカスタム仕様の固定具が必要であり得、又は特別な器具を使用して、外側カプラ若しくは器具係止部のいずれか一方の極性を(少なくとも一時的に)消磁するか、別様に変更することが必要であり得る。前述のように、器具係止部は、磁石又は他の近接制御装置が除去されたときに器具の機能を無効化するための機構を含んでもよい。後部リップ1762は、例示的かつ任意選択的な構成要素であり、ハンドルアセンブリは、様々な部品を有することができる。
【0112】
図13Ai~
図13Aii及び
図13Bi~
図13Cは、(本明細書において任意の他の医療器具でもあり得る)医療器具1204が複数の電気接点1992を含むシステムの実施形態を示す。
図13Ai及び
図13Aiiは、分解された構成要素を示す。
図13Bi及び
図13Biiは、シース部分1208に装填して戻された器具部分1212を示す。
図13Cは、器具部分1212がコネクタ1990と電気的に連通するように器具部分1212に接続された(エネルギーコンソールと直接的又は間接的に取り付けることができる)近位器具コネクタ1990を示す。器具部分1212は、複数の噛合電気接点1992を有する近位端において嵌合される。器具1204は、器具部分1212のルーメンよりも直径が大きい遠位作業端部1821(例えば、超音波撮像器具)を含み、その図示は
図13Biiに示されている。本実施形態では、器具部分1212及び電気接点1992の外形寸法は、シース部分1208のルーメンを通過するようにサイズ決めされるが、遠位作業端部1821は、大きすぎてルーメンを通過することができない。結果として、シース部分1208を通る器具の組み立ては、器具部分1212の近位端がシースの遠位先端を通って前進し、電極がシースハンドル1206の近位端から出るまで近位に前進させる必要がある。この構成は、シース部分1208が必ずしも遠位作業端部1821よりも大きくないように、シース部分1208の外形寸法を最小限に抑えるのに役立つ。特定の用途では、遠位作業端部は、電子構成要素及びこれらの接続部を収容するための最大許容寸法であるか、又は特定の用途では、組織の過熱若しくはキャビテーションを最小限に抑えるために、電流又は音響エネルギーの密度を最小化することが必要であり得る。近位電気接点1992は、別個の導電性表面(例えば、ディスク、バー、ストリップ、球体など)、又は外周リング若しくは部分的な外周リングであってもよい。好ましい実施形態では、接点は、別様に絶縁されたフレックス回路の露出した導電性材料から形成される(例えば、絶縁材は、露出した導電性材料の上に配設されない)。コネクタ内の噛合接点1991は、接触するように同様に設計されてもよい。接触面は、環状又は平坦であってもよく、好ましくは確実に接触するように、ばね荷重が付与されているか、又は別様に機械的に圧縮されている。
図13A~
図3Cのハンドルアセンブリは、本明細書におけるハンドルアセンブリのいずれかであり得、操作可能なシースは、本明細書における操作可能なシースのいずれかであり得、医療器具は、本明細書における医療器具のいずれかであり得る。前方装填アセンブリは、本明細書における任意のシステムの組み立て中に使用することができる。
【0113】
図14A~
図14Cは、システムの例示的な近位部分を示し、本明細書におけるシステムのいずれかの近位部分であり得る。
図14Aに示すように、医療器具の近位接点1992は、接点1991に対してコネクタ1990内に圧入され得る。あるいは、
図14Bに示すように、コネクタ1990’は、
図14Cの閉じた構成で示されるように、接点1991を受容するように上へ開いた後、接点1991の上に下方へクランプするように適合され得る。コネクタ1990’は、製造中に封止部1995で封止することができる。封止部1995は、ヒドロゲル、ワックス、シリコーンリング若しくはガスケット、又は本開示で前述した他の手段及び組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。デバイスを再配置するために、コネクタ1990’の接点は、破壊又は注意深く分解されて、(操作可能なシースなどの)シースを通って器具1212のシャフトを遠位方向に除去する必要がある。封止部1995の分解は、ワックス又は他の溶融可能な物質を加熱及び溶融させること、乾燥した材料を水溶液に溶解させること、及び/又はシリコーンをヘプタン若しくは同様の化学化合物で膨潤させることによって達成されてもよい。
【0114】
図15A~
図15Bは、コネクタ1990’’が、器具部分1212に取り付けられた器具係止部1955と安定的にインターフェースし、器具係止部1955を封入するように設計された内部機構2000を含むことを除いて、
図14A~
図14Cと同様の例示的なシステムを示す。
図15Aは、コネクタ1990’’の器具部分1212への接続直前のシステムを示し、
図15Bは、接続が完了したシステムを示す。器具係止部1955は、器具の近位接点1992のすぐ遠位に図示されているが、器具係止部1955はまた、接点の近位側に構成されることも考えられ、対応する内部機構2000の場所は、コネクタの接点1991の近位にある。前述のように、器具係止部は、磁石又は他の近接制御装置が除去されたときに器具の機能を無効化するための機構を含んでもよい。本実施形態では、無効化機構は、特に内部機構2000内のコネクタ1990’’内に構築されてもよく、制御コンソールに戻るように導くケーブルにおける回路接続は、無効化機能の状態に依拠する。コネクタ収容機構2000の一部の組み立て及び分解は、
図15のコネクタ1990、
図9のハンドル部分、又は
図11の後部ハンドルについて前述した手段によって得られると考えられる。
図15A~
図15Bのハンドルアセンブリは、本明細書におけるハンドルアセンブリのいずれかであり得、操作可能なシースは、本明細書における操作可能なシースのいずれかであり得、医療器具は、本明細書における医療器具のいずれかであり得る。
【0115】
図15A及び
図15Bの実施形態の変形例では、器具1212の組み立ては、
図13A~
図13Cの実施形態に記載されるように、操作可能なシース部分1208の遠位端を通る器具1212の「後方装填」を必要とし得、器具及び電気接点の外形寸法は、シース部分のルーメンを通過するようにサイズ決めされているが、遠位作業端部は通過しなくてもよい。
図15A及び
図15Bの本実施形態では、器具を後方装填した後に器具係止部を組み立てる必要がある。再配置の間、器具係止部は、器具1212をシース部分1208から除去するために除去され、清浄化、及びシース部分1208を通って器具1212を再後方装填した後に修復及び/又は交換される必要がある。実施形態の代替的な変形例では、器具1212は、シース1202の近位ハンドル端部を通る遠位先端の挿入である「前方装填」することによって組み付けられてもよい。
図15A及び
図15Bのこの代替的な実施形態では、器具係止部1955は、必ずしも器具1212から除去可能である必要はない。
【0116】
図15A~
図15Bに示されるように、器具係止部1955の上の内部機構2000のクランプ動作は、軸線方向の並進及びトルクがコネクタ1990’’から器具1212に伝達され得るように、2つの機構の機械的係合をもたらす。これにより、器具1212を把持して、シース1202に対する器具1212の位置を操作するより便利な手段を使用者に提供することができる。
【0117】
図16の例示的なシステムで示されるように、別個のトルクデバイス2005を器具1212に取り付けて、器具1212をシース1202に対して並進させ、トルクを付与するが、
図15A及び
図15Bに前述したように、コネクタ1990への接続を行う必要がなく、上述のような同様の能力を提供することができる。トルクデバイス2005はまた、強化された機械的係合を提供するように器具係止部1955の上に係合されてもよい。トルクデバイス2005はまた、器具の機能がトルクデバイス2005の存在に依拠するという点で、内部機構2000と同様の目的を果たすと考えられる。
図13A~
図13Cの実施形態で前述したように、トルクデバイスは、トルクデバイス及び/又は器具1212を破壊することなく、又はトルクデバイスを除去するためにカスタム仕様の再配置プロセスを使用することなく、シース1202から器具1212を除去することが不可能であるように、器具1212の上に組み付けられると考えられる。
図16のハンドルアセンブリは、本明細書におけるハンドルアセンブリのいずれかであり得、操作可能なシースは、本明細書における操作可能なシースのいずれかであり得、医療器具は、本明細書における医療器具のいずれかであり得る。
【0118】
図17A~
図17Cの実施形態は、器具部分1212が外側部材2010及び内側リードアセンブリ2011を備える例示的な医療器具を示す。内側リードアセンブリは、遠位作業端部1821及び近位電気接点1992を更に含む。外側部材2010は、再配置プロセスの一部として組み付けられ、内側リードアセンブリから分離されてもよい。外側部材2010は、例えば、編組複合構造を介してトルクを伝達することができるチューブ状構造体であり得る。外側部材2010は、本開示に前述したプロセスを使用して、場所2015及び2013で内側リードアセンブリに可逆的に封止されて固定される。
図17Bは、
図17Aの囲まれた領域のより大きい図を示す。
図17Cは、外側部材2010から除去された内側リードアセンブリ2011、遠位作業端部、及び近位端を示す。
図17A~
図17Cのハンドルアセンブリは、本明細書のハンドルアセンブリのいずれかであり得、操作可能なシースは、本明細書における操作可能なシースのいずれかであり得、医療器具は、本明細書における医療器具のいずれかであり得る。
【0119】
以下の開示は、全般的に、医療デバイスにおける電気接続部及び接点に関し、特に指定されていない場合は、任意選択的に超音波プローブに関する。以下の開示は、本明細書におけるシステム又はシステムの態様のいずれかに適用することができる。電気接続部、接点、デバイス、及び方法は、限定するものではないが、
図12のハンドルアセンブリなどの、上記のシステムのいずれかに一体化することができる。
【0120】
本開示の一態様は、システムの少なくとも一部分を他の構成要素から、任意選択的に再配置プロセスの一部として切り離す方法を含む。いくつかの実施形態では、医療器具は、エネルギーコンソールと電気的に連通する他の電気接点に連結された1つ以上の電気接点を含み、コンソールの例は、超音波技術において既知である。
【0121】
図18は、超音波コンソールなどのエネルギーコンソールに直接的又は間接的に電気的に結合することができる超音波プローブなどの例示的な医療器具の一部を単に示す。
【0122】
図18に示される実施形態は、
図13A~
図13Cに示される実施形態と同様の方法で使用することができ、デバイスを再配置することは、1つ以上の近位電気接点の切断、及び器具部分をシース部分の遠位端から遠位に外側に移動させることを伴う。本実施形態では、器具部分1212は、少なくとも器具外側シース又は器具外側部材2010、(少なくとも1つの超音波トランスデューサを含むことができる)遠位作業端部1821、及び導体束2020を備える。導体束2020は、遠位作業端部1821から器具外側部材2010を通って近位コネクタまで延在する(明確にするために、コネクタ及びハンドル機構は
図18には示されていない)。いくつかの実施形態では、医療器具は超音波撮像に使用され、任意選択的に、遠位作業端部1821は、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit,ASIC)に搭載された圧電素子の二次元(two-dimensional,2D)アレイを含む。
【0123】
図19は、医療デバイスの単に例示的な近位端を示し(医療デバイスは、右に示されている)、本実施形態では、医療デバイスは、超音波プローブである。医療デバイスの近位端2015は、超音波エネルギーコンソールなどのエネルギーコンソールに直接電気的に結合されるか、又は間接的に電気的に結合されるように適合されているコネクタケーブル270に電気的に結合されるように適合されている。
図19に示されるように、導体束2020は、医療器具の遠位領域(遠位領域は図示せず)から近位コネクタ2015内に延在し、近位コネクタ2015の内部に剛直性又はフレキシブルプリント回路基板(PCB)2030が収容されている。コネクタ束2020は、PCB基板接点2031に取り付けられている(その例を後述する)複数の接点2024を含む。それぞれの接点2031からのそれぞれの個々の配線は、PCBの別の部分、任意選択的により近位の、個々の露出接点2050に結合される。個々のPCB配線はまた、PCB上の他の有用な回路を通過し得る。露出接点2050は、前述した近位器具コネクタ1990と同様の考え方の噛合接続コネクタケーブル2070上の同様の接点2060への電気伝導のための機械的噛合のために構成され、器具1204をユーザインターフェースコンソールに接続する。近位コネクタ2015は、例えば、
図12A及び
図12Bに示されるものなどの、本明細書におけるシステム、ハンドル、操作可能なシース、医療器具などのいずれかに組み込むことができる。
【0124】
図20A及び
図20Bは、本明細書における導体束のいずれかに含むことができる例示的な導体ストリップ(本明細書ではフレキシブル回路ストリップとも称する)2021を示す。
図20A及び
図20Bの実施形態は、
図18及び
図19の束2020に含むことができる導体ストリップの例である。
図20A及び
図20Bの実施形態は、本明細書における任意の他のシステムに組み込むことができる。
【0125】
図20A、
図20B及び
図20Gに示されるように、導体束2020は、複数配線のストリップ2021、並びに接地2022及びシールド2023のための導電ストリップ(その一部分のみが図示されている)を含む複数のフレックス回路ストリップを含む。それぞれの複数配線のストリップは、
図20B、
図20C及び
図20Dにおいて明確に見ることができる複数の導電性配線2025を含む。
図20D~
図20Gの配線2025の数は12であり、
図20A~
図20Cの配線の数は16であり、これらは共に、使用することができる配線2025の数に関して例示的である。それぞれのストリップ2021は、およそ0.072インチ幅及び0.0022インチ厚であってもよく、任意選択的に、それぞれおよそ0.0022インチ間隔で離間配置された、16本の0.0022インチ幅×約0.0007インチ厚の導電性(例えば、銅)配線を含むことができる。配線は、ポリイミド基板などの絶縁基板層2027上に配設され、配線は、感光性フィルムカバー(photoimageable film cover、「PIC」)層若しくは他のドライフィルム型はんだマスク(dry film solder mask、DFSM)などのカバー層2026、又は他の同様の材料によって少なくとも部分的に被覆され得る。カバー層は、電気的結合のための近位領域及び遠位領域内の別個の場所を除いて、束の大部分に沿って概ね延在する。他の実施形態では、ストリップ2021は、およそ0.055インチ幅であり、12本の導電性配線を含む(
図20D~
図20Gを参照)。他の実施形態では、ストリップ2021は、およそ0.037インチ幅であり、8本の銅導電性配線を含む。接地及びシールドに使用される外側ストリップ2022及び2023は、銅の単一の全幅ストリップを含むことができることを除いて、同様の構成及び寸法を有してもよい。2D圧電アレイのために最適化されるように、複数配線のストリップの積層体の各側のストリップ2022及び2023のそれぞれ1つに沿って、およそ7個の16本配線ストリップ2021の積層体(又は9個の12本配線、又は14個の8本配線)が必要とされると考えられる。
図20Eは、9個のストリップ2021が共に積層された例示的な束2020の一部分を示す。
図20Fは、積層された9個のストリップ2021、並びに接地ストリップ2022及びシールドストリップ2023(一番上のストリップのみに符号が付けられている)を含む束の一部分を示す。完全な束は、任意選択的に、例えば、限定するものではないが、
図20Gのチューブ2028などの、約0.001インチの肉厚の収縮チューブと共に保持されてもよい。上述のフレックス回路の寸法及び配線の数は、圧電アレイ(及び/又はそのASICコントローラ)の特定の構成のためのものであり、アレイ素子の数及びサイズが特定の用途のために最適化される方法に応じて変化させてもよい。
【0126】
それぞれのフレックス回路ストリップの近位端は、場所2024でカバー層2026を除去することにより、例えば、およそ3mmの長さにわたって露出させた導電性材料(例えば、金メッキ銅)を有する。場所2024及び本明細書に記載される他の露出場所は、大略的に「接点」と称される。この文脈で使用される場合、接点は、(領域の場所に示されるなどの)複数の分離された導電配線を実際に含み、これらの配線のそれぞれは、それ自体が対応する導電性要素と電気的に連通するように適合されていることが理解される。したがって、「接点」は、2つの導電性要素間の単一の電気接続部のみを意味することに限定されない。
図20Aは、複数の露出領域2024を示しているが、
図20Aの実施形態は、最初に、1つの露出領域(すなわち、近位端の領域2024)のみが存在するかのように、本明細書に記載されている。ストリップ2021は、PCB2030上の導電配線のために、
図20A~
図20Cに示した、一致する露出接点2031への電気接続部を作り出すように製造することができる。いくつかの実施形態では、複数配線のストリップ2021内の16本の配線と一致するようにサイズ決めされ、かつ離間された16本の個々の配線が、所与の接点2031内に提供されると考えられる。異方性導電フィルム(anisotropic conductive film、ACF)、はんだ付け、導電性接着剤、機械的接続、又はこれらの任意の組み合わせを使用して、ストリップ配線とPCBの接点との間の好適な電気的接続(電気的連結)を達成してもよい。
【0127】
図21A及び
図21Bに示されるように、(全てが図示されているわけではない)複数のフレックス回路ストリップは、好ましくは、互い違いの長さを有し、露出場所2024(それぞれのストリップが近位端に露出場所2024を有する)は、同様に互い違いの長さで提供される接点2031においてPCB2030に取り付けられている。接点2031のアレイ(好ましくは線形アレイ)のうちの1つ以上は全て、PCBの一方の側にあると考えられ、あるいは第2のアレイ(又は複数のアレイ)2031’(
図21Bを参照)はPCBの下面に設けられると考えられる。PCBの他方の側のアレイは、他のストリップの露出領域2024がPCBの他方の側に取り付けられることを可能にすると考えられ、より多くの余裕及び接続の選択肢が作り出される。
【0128】
本明細書に記載される再配置プロセスのいずれかの一部として、ストリップからPCBへの接続が切断されて、このとき切断された(PCBから切断された)導体束2020を含む器具部分1212全体が、
図21Cに示される矢印の方向で示されるように、シース部分1208の遠位端から外側に摺動可能に除去されることを可能にしてもよい。除去されると、器具部分1212の外側、並びにシース部分1208の少なくとも内側表面及び外側表面は清浄化及び除染され得る。次いで、本明細書でより詳細に記載されるように、遠位作業端部1821がシース部分1208の遠位端に対して適切に着座するまで、器具部分1212は、シース部分1208を通って近位に後方装填されてもよい。次いで、ストリップ2021、2022、及び2023の近位端は、同じ接点又は異なる接点であり得る露出接点2031及び2031’に再取り付けされる。ACF接合の場合、同じACF材料が使用されてもよく、かつ/又はACF材料は、接合前に清浄化され、新たなACF材料が塗布されてもよい。次いで、接続完全性及び超音波性能を試験して、許容可能な性能を検証し得る。この再配置プロセスは、本明細書におけるシステムのいずれかにおいて使用することができる。
【0129】
本明細書における開示の一態様は、被験体の体液に既に曝露された(例えば、血液環境、食道などに曝露された)システムを分解する方法であり、システムは、超音波プローブ、操作可能なシャフト、及びハンドルアセンブリなどの医療器具を含む。本方法は、ハンドルアセンブリと、被験体の体液環境に曝露されていた操作可能なシースと、被験体の体液環境に曝露されていた超音波プローブと、を提供することを含むことができ、ハンドルアセンブリは、操作可能なシース及び超音波プローブと動作可能に連通し、ハンドルアセンブリは、ユーザによって把持することができる外側表面を有するハンドル本体と、ハンドル本体に対して移動されるように適合された第1のアクチュエータと、ハンドル本体に対して移動されるように適合された第2のアクチュエータと、を含み、操作可能なシースは、少なくとも1つのプルワイヤと動作可能に連通している遠位偏向可能領域を有し、第1のアクチュエータは、プルワイヤと動作可能に連通して、ハンドル本体に対する第1のアクチュエータの作動が、遠位偏向可能領域の偏向を生じさせ、第2のアクチュエータは、ハンドル本体に対して回転されるように適合され、かつハンドル本体に対して軸線方向に移動されるように適合され、第2のアクチュエータは、超音波プローブと動作可能に連通して、ハンドル本体に対する第2のアクチュエータの軸線方向の移動が、操作可能なシースの遠位端に対する超音波プローブの軸線方向の移動を引き起こし、ハンドル本体に対する第2のアクチュエータの回転が、操作可能なシースの遠位端に対する超音波プローブの回転を生じさせ、超音波プローブは、超音波トランスデューサを含む遠位部分を有し、遠位部分は、操作可能なシースの遠位端よりも更に遠位に延在し、プローブが配設される操作可能なシースのルーメンの寸法よりも大きい外形寸法を有し、超音波プローブは、フレキシブル回路ストリップを更に含み、フレキシブル回路ストリップは、絶縁基板と、絶縁基板上に配設され、絶縁基板に沿って延在する複数の導電配線と、絶縁部材によって覆われた複数の導電配線のそれぞれの一部分と、絶縁部材によって覆われていない複数の導電配線の一部分と、を含み、第2の絶縁層によって覆われていない複数の導電配線の一部分は、プローブ接点を画定し、プローブ接点は、プリント回路基板上の電気接点に電気的に結合され、プリント回路基板又は本明細書におけるプリント回路基板のいずれかは、フレキシブル回路基板であり得る。この方法で使用されることが考えられる例示的なシステムを
図12A及び
図12Bに示す。上記の(又は本明細書における任意の他の方法における)「提供する」工程は、システムが以下の方法の工程で利用可能であることが単に必要であり、システムを別の人物又は主体に提供又は付与する行為を必要とするものではない。したがって、卓上に単に着座しているシステムは、この文脈において「提供」されている。
【0130】
分解の方法は、本明細書に記載されているプリント回路基板上の電気接点からプローブ接点を電気的に切断することを更に含む。
【0131】
分解の方法は、任意選択的に、
図21Cに示されるように、操作可能なシースに対して超音波プローブを遠位に、操作可能なシースの遠位端から外側に移動させることを更に含む。
【0132】
分解の方法は、必ずしも含む必要はないが、超音波プローブの少なくとも一部分を清浄化することを任意選択的に更に含んでもよく、一部分は、移動させる工程の前に、シースから延出していない、かつ任意選択的にハンドルアセンブリ内に配設された超音波プローブの領域を含む。例えば、
図12A及び
図12Bでは、医療デバイスの一部がハンドルアセンブリ内に配設されている。
【0133】
分解の方法は、必ずしも含む必要はないが、任意選択的な清浄化する工程の後のある時点で、プローブ接点をプリント回路基板又は異なるプリント回路基板のいずれか一方に電気的に連結することを任意選択的に更に含んでもよい。
【0134】
分解の方法は、移動させる工程の前のある時点で、ハンドルアセンブリ構成要素と解除可能に固定された係合から超音波プローブを解除することを更に含んでもよい(かつ実際に必要としてもよい)。いくつかの実施形態では、超音波プローブは、最初にこれを行うことなく、ハンドルアセンブリから除去することができない。ハンドルアセンブリ構成要素との解除可能に固定された係合から超音波プローブを解放することは、第2のアクチュエータと直接的に又は間接的に動作可能に連通するハンドルアセンブリ構成要素との解除可能に固定された係合からプローブを解除することを含むことができる。例えば、
図12Aは、本実施形態において器具係止部として記載されているハンドルアセンブリ構成要素1755に解除可能に固定された医療デバイスを示す。分解の方法は、移動させる工程の前に、器具係止部1755と解除可能に固定された係合から超音波プローブを解除することを含むことができ、器具係止部1755はまた、本実施形態において、第2のアクチュエータ1780と直接的に又は間接的に動作可能に連通するハンドルアセンブリの構成要素の例である。
【0135】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、超音波プローブ及びハンドルアセンブリは、プローブがシースに対して軸線方向(遠位及び近位)に移動することができるように適合される。血液などの体液は、プローブとシースとの間の空間に入ることができ、したがって、通常比較的高価なプローブを再使用する前に清浄化することを必要とする。いくつかの実施形態では、超音波プローブの遠位先端は、操作可能なシースの遠位端よりも大きな最外寸法を有する。これは、患者の中のシースの痕跡を最小化する方法として所望され得る。したがって、プローブが使用され、体液に曝露された後、プローブは、シース内でかつシースに対して近位に後退させて、シースからプローブを分解することができない。プローブは、プローブを別の目的で使うために、シースに対してかつシースから遠位に除去される必要がある。プローブは、近位端において、ある種類のコネクタに(例えば、超音波コンソールに直接又は間接的に)取り付けられているため、プローブをシースに対して遠位に移動させる前に、プローブは、最初に、コネクタとの電気的な連通を外される必要がある。
【0136】
代替的な実施形態では、再配置プロセス中に、導電ストリップ2021の元の露出場所2024(及び、必要に応じて、2022及び2023)を再付着させないことにより、より効率的かつ/又は信頼性が高くなり得る。この場合、
図20A及び
図20Bに示されるように、それぞれのストリップ2021は、ストリップの長さに沿って遠位方向に互い違いに配置された複数の露出場所2024、2024’、2024’’など(それぞれ任意選択的に約3mmの長さ)を備えてもよい。したがって、元の場所2024並びに層2026のセクションは、他の技術を使用して切り取られるか又は除去されてもよく、次の最も近位の場所2024’を新しい接続取り付けに使用することができる。このプロセスはまた、露出場所の全てが使用されるまで、将来の再配置プロセスのために繰り返すことができる。これはまた、デバイスの再使用回数を制限するためにも役立つと考えられる。ストリップ上の露出されているが、未使用の場所はまた、例えば、剥離絶縁性低粘着接着性ストリップと共に使用する準備が整うまで保護され得る。他の実施形態では、この保護層は、所与のストリップ内の隣接する露出導体を絶縁するのに十分な誘電特性及び適合性を有する、ペースト、接着剤、又は硬化ポリマーであると考えられる。材料は、導体を損傷することなく、露出導体から容易に剥離又は溶解され得るように、好ましくは可逆的に接着される。いくつかの実施形態では、配線の上に配設されている被覆層は、(例えば、レーザ、サンドブラスト、又はサンディングを使用して)除去されて、配線の露出領域を露出させることができ、次いで、露出領域を接触場所として使用することができる。
【0137】
図20A及び
図20Bに示されるものを代替するいくつかの実施形態では、ストリップは、最初に、最近位領域2024である唯一の露出領域に取り付けられてもよく、その場合、カバー層2026は、層2026において一切途切れることなく遠位に延在する。最初の使用後、領域2024は除去されてもよい。別の導電性領域を露出させるために、層2026の現在の近位端の一部分をアブレーションなどによって除去することができ、又は層2026が剥離セクションである場合、層2026を剥離することができる。このプロセスは、新たに露出した導電性領域を作製するために、それぞれの使用後に必要に応じて繰り返すことができる。
【0138】
他の実施形態では、中間のストリップ-ストリップACF接合場所は、PCB間で作製されることが考えられ、ストリップは、近位シャフトから出る。この場所は、ストリップ-PCBの場所の代わりに分離/再接合することが考えられる。超音波トランスデューサのすぐ近位のカテーテルシャフト内のストリップ-ストリップACF接合場所はまた、再配置プロセス中に分離/再接合が生じる場所であると考えられる。上述のように、それぞれの側のフレックスストリップ上の元の接合場所までの複数の別個の領域は、再配置プロセス中に元のACF接合ジョイントが分離され、切り取られた後に再接合するための露出した導体領域を有してもよい。また、上記のように、露出領域は、使用に必要とされるまで保護されると考えられる。
【0139】
フレックス回路ストリップが任意の好適な技術を使用して切り取られるか又は除去されて、フレックス回路ストリップの次の露出要素をPCBに取り付ける実施形態では、ストリップを前方に前進させて電気接続部を確立することが必要であり得る。これは、ストリップがチューブ内に閉じ込められ不動であるか、又は他の方法でPCBに確実に収容されている場合、困難であるか又は不可能であり得る。
図22の例示的な実施形態に示されるように、余分な長さをチューブに対して前進させることを可能にするために、(本明細書における束2020と同じ束又は異なる束であり得る)導体束2020は、全ての露出要素を前進させるのに好適な長さの、ロッド、チューブ、スピンドル、又は同様の回転可能な構造体を含むスプール2035の周りに可逆的に巻かれるか又は巻き付けられると考えられる。巻き付けの前に、導体束は、最初に、中心軸線を横断して通過するスロットを通過すると考えられ、又は、束は、スプールの外側表面の一方の端部から他方まで巻かれると考えられる。したがって、1つの接点の組を切り取った後、導体は、スプールから巻き出されて、PCB2030上の次の組の接続を作製する。スプールは、好ましくは、PCBの遠位端上に、又は基板のすぐ遠位の機構内に搭載され、近位コネクタ2015内に固定されることが考えられる中心軸線を有する。スプールはまた、フレックス導体束に加えられた張力又は捻れ力により、PCBへの接続が引っ張られることから保護するように機能することができる。早期の巻き戻しを防止するために、スプールは、PCB又は近位コネクタ若しくはコネクタハウジング自体の内部の他の場所に可逆的に接続されたキー機構を装備することが考えられる。
【0140】
PCB2030及び適用可能であればスプール2035へのアクセスを可能にするために、近位コネクタ(例えば、近位コネクタ2015)は、コネクタ及び/又はPCB2030及び/又はスプール2035の他の部分と噛合するためのカスタム仕様の設計を有する除去可能なハウジングを装備することができる。任意選択的に、このハウジングを完全に除去するためには、ハウジングを破壊することを必要とし、破壊することによって、ハウジングが機能しなくなり、引き続き使用する前に交換が必要となる。
【0141】
スプールの遠位において、導体束2020は、任意選択的に、器具外側部材2010内に不可逆的に固定される。器具外側部材2010はまた、好ましくは、ハンドル1206の近位に延在する。PCBからフレックス回路を切断した後、器具外側部材2010及び導体束のアセンブリをハンドル1206及びシース部分1208から除去することを可能にするために、アセンブリは、好ましくは、ハンドル1206と近位コネクタ2015との間の任意のチューブ状接続線内で摺動可能であることが好ましい。本明細書に前述したものと同様の可逆的封止部もまた、器具外側部材2010とチューブ状接続線との間で使用されると考えられる。
【0142】
コネクタ2031においてPCBへの元の接続を除去することで、これらの接続の完全性が損なわれる場合、PCBは、デバイスのそれぞれの再配置サイクルで接続を行うことができる冗長コネクタ2031’、2031’’などの複数のアレイを含むと考えられる。
【0143】
別の実施形態では、PCBは、フレックス回路ストリップの露出端部2024(又は2024’など)が取り付けられると考えられる新たな同一のPCBと単に交換されると考えられる。
【0144】
図23は、一方の側に同じ接続部2031を有するが、小型PCB内の配線を介して結合され、PCB2030への再利用可能な機械的接続に好適な、反対側のより大きな露出接続部2041を有する使い捨て小型PCB要素2040に露出したフレックス回路端部(2024又は2024’)を取り付けることが考えられる別の実施形態を示す。小型PCB2040上の接続部2041からの機械的な接続は、PCB2030上の整合している露出した機械的接続部2042に対して行われる。ばねクリップ又は他の好適な保持機構がPCBに一体化されて、小型PCBの接点をPCB上の接点に対して保持すると考えられる。それぞれの接点2042からのそれぞれの個々の配線は、PCBの好ましくはより近位の別の部分の個々の露出接点2050に結合される。個々のPCB配線はまた、PCB上の他の有用な回路を通過し得る。露出接点2050は、医療器具をコンソールに結合する噛合コネクタケーブル(例えば、ケーブル2070)上の同様の接点2060への電気伝導のための機械的噛合のために構成されている。再配置プロセス中、小型PCBは、PCBから外されてもよく、フレックス回路は、(前述のように)小型PCBから取り外されるか又は抜き取られてもよい。シース内の器具の除去、清浄化、及び再組み立ての後、フレックス回路を、元のPCBに再接続されている新しい小型PCBに再取り付けしてもよい。
【0145】
医療器具1212の構成は、直径を最小化し、遠位作業端部(例えば、作業端部1812)の最適なトルク応答を提供するように最適化されてもよい。いくつかの実施形態では、フレックス回路は、
図17Bに示されるものと同様に、器具部材2010の内側ルーメンを通って引き回される。
【0146】
図24に示される別の実施形態では、それぞれの一次フレックスストリップ2021に接合された複数の中間フレックス延長ストリップ2026を有することが所望され得る。
図20の例を使用して、これらの中間延長ストリップ2026は、場所2024’、2024’’、2024’’’などで製造中に接合され、新しい延在された接合場所2027’、2027’’、2027’’’などを生成する。複数のストリップ2026は、使用準備が整うまで折り畳まれ、チューブ、コイル、テープなどを用いて元のフレックス2021に対して解除可能に緊密に固定されると考えられる。再配置プロセス中、元の取り付け延在部(場所2024)は、PCBから切り取られ、(例えば、取り付け場所2027’を含む)次の延在部がPCBに接合される。
図24では、PCBは、取り付け部が切り取られるたびに交換されてもよい。
図25では、PCBは、切り取られた元の延在部の取り付けを妨げることなく、次のフレックスが取り付けられることを可能にするように、冗長的な取り付け場所2031を含んで設計されてもよい。これは、元の延在部の除去により、開回路接続又は交差回路接続を引き起こすこととなる場合、所望され得る。それぞれの延長ストリップの取り付けられていない端部はまた、
図23に記載されているように、ミニPCB2040と嵌合すると考えられる。
図26A~
図26Fは、それぞれの部分がそれぞれの再配置サイクルにおいて切り取られているときにフレックスがどのように変化するかを示し、
図26Aは、元の取り付けを示し、
図26Bは、2回目の使用などを示し、
図26Fは、6回目の使用を示している。フレックスを切り取る目的は、外側シース1202を通って器具1212を使用してフレックスを除去することであるため、冗長延在部のそれぞれの積層体は、
図27A~
図27G(
図27Aにだけフレックスストリップ2021に符号が付けられている)に示されるように、除去を容易にするために、長さ方向に互い違いに配置される必要があり得る。積層体間の互い違いの長さは、除去のために伸張することが可能になるまで、コネクタ内又はコネクタとハンドルとの間の取り付け部内で圧縮されてもよい。
【0147】
図28は、部材2010内部の束ねられた積層体2020の断面を示す。本実施形態では、フレックス回路束の約0.072インチ幅は、圧電構成要素が装着されるASICの幅に対して最適化されている。積層体の周囲の収縮チューブを考慮に入れると、積層体の寸法は、およそ0.028インチ厚×0.085インチ幅である。器具の部材2010の内側ルーメンは、少なくとも1つの寸法で約0.089インチの内側寸法を要すると考えられる。次いで、この寸法は、シース部分1208の内形寸法及び外形寸法にもまた影響を及ぼす部材2010の外形寸法を動かす。
【0148】
図28に示されるように、導体束2020は、単に器具の部材2010の円形内側ルーメンを通って引き回されてもよいが、代替的に、
図29に示されるような非円形ルーメン内に拘束されてもよい。この構成では、追加の「D」字形ルーメンもまた提供され、導体束2020の長軸に沿う剛性がシャフト剛性を左右しないように、追加の補強部材2100を追加して、様々な方向により均一な曲げ剛性を生成してもよい。これは、器具の部材2010にトルクがかけられるときに、「ホイッピング」、又はトルク応答の突然の急激な引っ張りを最小化する役割を果たすこととなる。
【0149】
図30は、補強部材2101及び2102を受容するように異なるサイズのルーメンが提供されている、
図29に示される実施形態と同様の実施形態を示す。これらはまた、均一な曲げ剛性を生成するように機能し得る。器具の部材2010は、好ましくは、熱可塑性ポリマー(例えば、デュロメータで25D~72Dの範囲のPebax、又は当該技術分野において既知の他の好適なカテーテル材料)の外被で熱積層されるワイヤ及び/又は繊維の外側の編組で構成される。
【0150】
図31の実施形態は、フレックス回路束2020の両側に適用された「D」字形状部材2103を示す。これにより、薄肉(約0.001インチ厚)の熱収縮チューブで定位置に保持され得る均一な丸形部材が生成される。一実施形態では、次いで、アセンブリは、器具の部材のシャフト2010に挿入されてもよい。別の実施形態では、器具の部材のシャフトは、導体束の周囲に直接構築することができる。例えば、トルク応答を改善し、器具1212のサイズを最小化するために、複数の繊維及び/又は金属ワイヤ(丸形又はリボン形状)は、導体束2020上に直接編組されてもよい。ポリマー(例えば、25D~72Dのデュロメータの範囲のPebax、又は他の一般的なカテーテル材料など)の外被を熱で積層して、ポリマーを編組全体にリフローして、均一な部材を形成してもよい。外被に類似するポリマー層はまた、熱積層中の編組へのポリマーのリフロー浸透を改善するために、編組前に導体束の上に積層されてもよい。
【0151】
図28~
図31の実施形態では、導体束とシャフト2010の内径との間のルーメン空間を使用して、操作可能なシース1202とは独立して器具1212を操作するために使用されるプルワイヤを引き回すことが考えられる。補強部自体は、プルワイヤとして使用されるか、又は、より従来のプルワイヤ(例えば、丸形のかつ/若しくは平坦なステンレス鋼若しくはニチノール、又はこれらの材料のケーブル編組)と交換されると考えられる。プルワイヤは、シャフト2010の遠位端に固定され、本明細書に記載の他の実施形態と同様の方法で作動されると考えられる。
【0152】
図32に例示され、例示的な束2020を示す代替的な実施形態では、それぞれのフレックス回路ストリップは、およそ半分の配線数で製造され、したがって、およそ半分の幅(約0.037インチ幅)を有すると考えられる。上述の特定の実施形態では、これは、複数配線の回路の数を約14個まで倍増させることを必要とする。これは、接地フレックス回路及びシールドフレックス回路と組み合わせて、約17個のフレックス回路の積層体として生成する。得られた幅及び高さは、より均一であり、それぞれが熱収縮して0.042インチに近い。これにより、部材2010のルーメン内の空間のより効率的な使用が可能になり、トルク応答の均一性が向上する。
図31に記載されるように、積層体は、チューブ状シャフト、又は編組及び外被を用いて周囲に構築されたシャフトに挿入されると考えられる。トランスデューサアセンブリを最適化するための、
図28及び
図32に示される構成の間の他の構成もまた想到される。例えば、熱収縮を有するフレックス束の幅は、およそ0.031インチ厚の13個のフレックス回路の積層体を有して、およそ0.068インチに制限されてもよい。
【0153】
別の実施形態では、接地ストリップ及び/又はシールドストリップは、柔軟な複数配線のフレックス回路の束の周りの(個別に絶縁されているか、又は絶縁されていない)導体ワイヤの別個の編組又は巻取りによって置き換えられる。接地導体及びシールド導体が絶縁されていない場合、絶縁性ポリマー層が、接地導体及びシールド導体の編組の間に追加されてもよい。この導体の編組は、繊維及び/又は金属ワイヤ/リボンの編組に加えて、あるいはこれらの代わりに提供されてもよい。金属又は導電性ポリマー(例えば、銀粒子を有するポリウレタン)でコーティングされた1つ以上のチューブを、束の周囲に適用することが考えられる。いくつかの実施形態では、このチューブは、熱収縮性であり得る。器具1212又はシャフト1208のトルク応答を最適化し、編組層の数を最小化するために、絶縁導体もまた、器具1212のシャフトの壁内の繊維及び/若しくは金属ワイヤ/リボンの編組又はシャフト1208に織り込まれてもよい。
【0154】
別の実施形態では、導体束2010は、器具1212の長さの大部分に沿ってよりバランスのとれた断面を提供するように捻られてもよい。捻られた束は、束の所与の部分の端部を固定し、反対方向に捻ることによって捻り合わされてもよく、又は、束は、マンドレルの周りに巻き付けられ、マンドレルが除去され、束がそれ自体で引き下げられてもよい。2+/-1cmを超える完全な回転が最適であると考えられるが、束の厚さ及び導体の堅牢性に応じて、より緊密な又はより緩んだ他の巻付ピッチが想到される。束は、外側シャフト1208(
図7A~
図7Eのいずれかのシャフト部分1222など)から偏向を受けることとなる器具シャフト1212の部分のみで捻られることが好ましい。導体束は、遠位作業端部1821への接続を容易にするように、遠位数センチメートルにおいて真っ直ぐに延びてもよい。
【0155】
別の実施形態では、個々のフレックス回路ストリップは、細長中央コア部材の外形寸法の周りに巻き付けられてもよい。コアは、ポリマー若しくは金属、又は複合編組の中実構造又はチューブ状構造であってもよい。巻き付けは、1つの層の平行なストリップ群であってもよいが、複数の層に巻き付けられてもよい。好ましくは、層は、ユニットのトルクを最適化するように交互方向に巻き付けられている。巻き付けられたストリップは、ポリマー外被を用いて中央コアに対して積層されることが好ましい。他の実施形態では、外被の内側は、ストリップの歪み緩和のためのいくらかの屈曲動作を可能にするために、導体ストリップとの緩い隙間を有してもよい。この外被を覆う編組、続いて編組の上の第2の外被の積層体もまた提供されてもよい。上述の実施形態と同様に、接地導体及び/又はシールド導体は、編組導体又は巻付導体で置き換えられてもよい。別の実施形態では、フレックスストリップの積層体は、前述のように外被付きで、次いで、所与の方向に捻れて、シャフト2010のルーメン内での曲げに対する付勢をより少なくしてもよい。外被付き積層体はまた、ルーメン内のアコーディオン状の形状に形成されて、デバイスの遠位部分の曲がりに伴って積層体が屈曲する能力を改善し、それ故に、導体の破損の可能性を最小化することができる。捻られた又はアコーディオン状の形状は、屈曲が起こりやすい器具1212の遠位部分内でのみ必要であってもよい。
【0156】
前述したように、医療器具(例えば、本明細書における器具1212のいずれか)は、
図7の例に示されるものなど、外側シャフト内で前進及び回転されてもよい。ハンドル内の制限部は、軸線方向及び回転方向の進行量を制御し得る。好ましくは、器具1212の遠位端に取り付けられた先端(例えば、
図13Aの1821又は
図33~
図35の3000)の遠位への前進は、必ずより長い距離を用いると考えられるが、最大3cmに制限される。同様に、器具1212の回転は、好ましくは、中立開始位置から時計回り又は反時計回りのいずれか一方におよそ180度に制約されている。先端の回転を制限することにより、器具の連続的な回転、及び導体に損傷を引き起こすと考えられる、結果として生じる器具における導体のいかなる「巻き上げ」も防止される。先端が、医療器具の中心軸線に垂直に撮像する超音波トランスデューサを含む場合、ユーザは、所望の撮像窓を見つけるために、最大で合計およそ360度まで回転すれば十分であると考えられる。先端が所望の回転を達成することができるように、380度などの360度(両方向180度)をわずかに超える医療器具の近位端の回転が、シャフトの長さに沿うトルク損失を解消するために必要であり得る。ユーザの嗜好に基づいて、合計540度又は720度などのより大きな合計回転角度が想到される。
【0157】
図19に示すように、器具1212は、動作中に典型的にコネクタケーブル2070に接続されているコネクタ2015を有してもよい。中央シャフト1240が(器具1212の)器具シャフト1210に接合されている中央シャフト1240の近位で、導体束2020は、器具シャフト1210の近位端から出るときだけ、又は器具シャフト1210内にまだ収容されている間のいずれか一方で、束2020が収容されている空間に対して並進又は回転するのに十分な弛みが許容される空間に収容されている。
図48に示されるように、この収容空間1241又は弛み領域は、ハンドル1206内の体積によって画定されてもよい。弛み領域はまた、コネクタハウジングの体積内のハンドルの近位に、又はハンドル1206とコネクタ2015とを結合する歪み緩和チューブ内の体積内に設けられると考えられる。接続されたコネクタ2015及び2070は、デバイス動作中に移動が制約されるため、ハンドル1206とコネクタ2015との間の空間における器具1212の並進及び回転が調整される必要がある。弛みは、シャフト1210の有無にかかわらず、束2020の掃引コイルを生成することによって調整されてもよく、これにより、束2020が回転巻き付け又は巻き戻しされ、かつ軸線方向に前後に並進することができる。別の実施形態では、弛み領域内のシャフト2010は、シャフト2010が導体束2020に対して伸張するか、又は導体束2020と共に容易に屈曲することを可能にする、非常に適合性である材料又は複合構造体で製造されてもよい。導体束2020自体の更なる適合性は、弛み領域内の導体の正弦波様又はアコーディオン様の構造を生成することによって生成されてもよい。軸線方向の並進をより良好に調整するために、導体は、(例えば)数センチメートルの「S」字形状で折り重ねられて、並進を調整すると考えられる。
【0158】
図33は、遠位シース1208内で摺動可能な器具部分1212を有する医療デバイス器具1204を示す。器具は、撮像トランスデューサ3005を含む撮像先端3000を有する超音波撮像デバイスであることが好ましい。撮像先端3000は、好ましくはシャフト1212よりも大きく、また、シース1208の遠位端上の噛合シースキー3020に挿入することが意図される、近位縁上の先端キー3010も含む。
図33に示されるように、先端キー3010は、シースキー3020に挿入されるが、逆もまた想到される。噛合キーは、トランスデューサ3005の向きを、キー、及びシース1208に結合された任意の他の機構(例えば、操作方向、ハンドルノブの向きなど)に適合させることができる。キーはまた、シース1208と器具1212との間の先端3000へのトルクの伝達を結合させるのに役立つ。一実施形態では、キーの間の十分な隙間は、先端キー3010がシースキー3020の中へ容易に後退し、シースキー3020から出て前進するように提供されてもよい。他の実施形態では、キーは、軽摩擦嵌合によって結合されてもよい。他の実施形態では、キーにおける機構は、係合時に自動ロックを提供することができ、機械的アクチュエータ又は電気機械的アクチュエータが近位ハンドルに戻ってキーを係止解除させる。キーは、軸線方向に共に引き寄せられた後、「捻れ係止」係合を可能にする「L」字形状又は同様の形状に形成されてもよい。キーの機械的係止解除は、シャフト1208に対して器具1212を係止解除し、前進させるのに必要である暗号化キーを含む回路に更に結び付けられてもよい。別の実施形態では、暗号化は、好ましくは、トランスデューサ3005の性能に影響を与える同じ回路内に先端3000が位置する暗号化チップを介して直接制御される。一実施形態では、キーは、それぞれのシャフトを通ってコネクタに戻る別個の導体を有する導電性材料(例えば、白金又は金)から形成されてもよい。この導電性リンクは、所与の内側器具の外側シースへの正しい適合を確実にする認証回路に結合されてもよい。これをまた使用して、プローブの位置(例えば、キーが噛合し、回路が完成したときにハンドル上の視覚的インジケータ先端)においてユーザフィードバックを提供してもよい。キー3010及び3020はまた、正の軸線方向の係合及び回転位置合わせのための反対磁極の磁石を含んでもよい。特定の磁石の実施形態では、磁極の整列は、キーの機械的(例えば、雄型/雌型)嵌合の必要性をなくすのに十分であり得る。特定の実施形態では、キーは、先端及びシャフトにそれぞれ容易に接合される環状先端キー材料3011及びシースキー先端材料3021から作製され得る。キー3010/3011又は3020/3021は、好ましくは、硬質の機械加工プラスチック若しくは成形プラスチック(当該技術分野で既知である、例えば、ポリカーボネート、PEEK、エポキシなど)、若しくは金属(例えば、ステンレス鋼、白金、イリジウム、タングステンなど)、希土類磁石(例えば、ネオジム、サマリウムコバルトなど)、又はこれらの任意の組み合わせから形成される。X線透視法における視覚化を可能にするために、材料は、本質的に放射線不透過性であってもよく、又は硫酸バリウム、タンタル、タングステンなどの放射線不透過性充填剤を含有してもよい。
【0159】
図34は、周囲の先端面に対して隆起しているキー3030が先端3000に設けられていることを除いて
図33と同様の実施形態を示している。この隆起部分は、先端3000の全長に沿ってもよく、又はトランスデューサ3005のすぐ近位にあってもよく、又は先端3000の近位縁から更なる遠位の任意の場所まで高さを漸減させてもよい。隆起部分がトランスデューサ3005の上で続いている場合、トランスデューサは、好ましくは位置合わせされて、キー機構の隆起方向と反対の方向に撮像面又は体積3006を生成する。キー3030を有する先端3000は、キー3030の通過を可能にする追加の内部空間3040を設けることによってのみシャフト1208のルーメンを貫通するように設計されている。内部空間3040内で位置合わせされると、キー3030は、先端3030がシャフト1208のルーメンの内部で自由に回転することを許容しない。
図35Aでは、キー3030は、シャフト1208を通る挿入中に下方へ圧縮され得るが、その後シャフトを出る際に自動的に跳ね上がるリビングヒンジ3031に形成される。
図35Bでは、キー3030は、シース受容部3035と係合するように径方向内側に向けられた機構3033を有する近位延在部3032が形成される。係合は、シース1208から外へ先端3000を前進させてから、先端に対して後退させた後に生じる。3033を3035に係合させるために先端3000の回転が必要であり得る。
【0160】
図36Aは、シースハンドル1206及び医療器具1204を含む操作可能なシース1202を備えるシステム1200の別の実施形態を示す。器具1212は、シースシャフト1208内で摺動可能である。シース操作アクチュエータの作動により、操作可能なシャフト部分1222を偏向させる。ユーザはまた、ハンドルシェル1206’を回転させることによってシース本体1208を回転させることができる。器具1212は、シースの近位端でシース部分1208に(好ましくは、操作可能なシースの近位端に取り付けられた止血弁1950を介して)入るため、器具用ノブ1230は、シースシャフト1208及び止血弁1950の近位端に近位の器具1212上の取り付け点と動作可能に連通している必要がある。好ましくは、器具1212は、前述したように、撮像トランスデューサを収容するのに好適であると考えられるような先端3000が装着されている。
図36Bに示すように、医療器具(
図36Bに図示)の軸線方向の前進及び回転は、操作アクチュエータ1220のすぐ遠位に位置付けられている器具用ノブ1230の作動によって達成される。遠位の器具用ノブ1230により、器具のハンドル/コネクタ1210又は器具のシャフト1212自体を把持することによって器具1212が操作される
図8に示されるような、ハンドルの近位の場所から器具1212を操作する必要がなくなる。
【0161】
器具用ノブ1230を操作アクチュエータ1220のすぐ遠位に配置することは、2つの制御部を互いに隣接させ続けて、操作者が手の位置を調節する必要性を最小限に抑え、片手での使用を可能にするのに役立つ。好ましい実施形態では、(遠位-近位の直線移動の矢印によって示されるような)器具用ノブ1230の遠位への前進は、手の把持を変えることなく指の容易な単一の移動に対して3cmに制限されてもよい。一部のユーザにとっては、最大5cmが好ましい場合がある。他の長い距離もまた想到され、所望の用途に基づいて選択されてもよい。器具用ノブの最近位配置時に、器具用ノブ1230と操作アクチュエータ1230との間に、例えば、1~5mmなどの照準用間隙を設けることは、ユーザがノブを遠位方向に前進させる前にノブの後ろに指を置くための空間を有するために所望され得る。
図3B6に示されるように、ノブ1220及び1230は、同様の直径である。ノブ1220及び1230の直径、形状、長さ、及び/又はテクスチャに違いを設けることは、ユーザが、(身体内のデバイスのX線透視位置及び/又は超音波位置を表示するスクリーン上にユーザが集中し続けているときなど)ノブ1220及び1230を直接見ることなく、ノブ1220とノブ1230とを直感的に区別するためであると想到される。
【0162】
図37Aは、ハンドルシェル1206’の上半分を除去して内部の構成要素を可視化したシステム1200の実施形態を示す。操作アクチュエータ1220は、回転されてもよく、操作アクチュエータ1220は、シャフト1208の近位端の近く(止血弁アセンブリ1950のすぐ遠位)から出るプルワイヤ(図示せず)を駆動する。いくつかの実施形態では、プルワイヤはシャフトから出て、遠位に引き回され、次いでアクチュエータ1220のバレル1221(
図38Aを参照)の周りに巻き付けられ得る。別の実施形態では、アクチュエータのバレルは、プルワイヤに取り付けられた長手方向ロッド又はシャフトを駆動して、プルワイヤを軸線方向に作動させる、カム、送りねじ、又は傾斜部から構成されてもよい。
図38A及び
図38Bは、上述のような長手方向移動機構の一例を示す。
図38Aでは、作動の機構を示すためにハンドルシェル1206’が除去されている。操作アクチュエータ1220は、外側シャフト1208の長手方向軸線に平行な軸線に沿って進む(すなわち、遠位/近位方向に位置合わせされた)1つ以上のロッド1403を駆動する。1つ以上のプルワイヤをそれぞれのロッド1403に取り付けることができる。ロッド1403が遠位及び近位に進むと、プルワイヤ1104は、プルワイヤ1104が引っ張られるか又は弛緩するように変位し、1222の偏向を増加又は減少させる。
図38Bでは、ロッド1403が乗るアクチュエータ1220の内側表面上の同心螺旋状傾斜面1408を明らかにするためにハンドルの部分が除去又は切断されている。同心傾斜面は、反対方向か又は類似の方向かのいずれか一方であり得る。傾斜面はまた、ピッチが多様であってもよい。
【0163】
図39A~
図39Eは、本明細書で制御システムとも称され得る代替的な操作機構の実施形態を示す。
図39Aでは、操作の機構を示すためにハンドルシェル1206’が除去されている。操作アクチュエータ1220が回転されて、1つ以上のスピンドル1400(本実施形態では2つ存在する)の回転を駆動する。
図39Cに示されるように、1220上の内歯車の歯1404は、スピンドル1400の遠位端で外歯車の歯1405と噛合して、
図39B及び
図39Cに示すようにスピンドル1400の回転を駆動する。
図39Bは、
図39Aに対して長手方向軸線を中心に90°回転して示され、一部の構成要素は、内部機構のより良好な可視化のために切断又は除去されていることに留意されたい。
図39Dは、操作可能なシャフト1208の近位端から出て、次いでスピンドルに固定されたプルワイヤ1104を示し、アクチュエータ1220の操作は、プルワイヤ(複数可)の引張/弛緩を引き起こす。
【0164】
図40A~
図40Bは、
図39Cに示される内歯車の歯1404の代わりに、操作アクチュエータ1220に連結された外歯車の歯1404’が提供される、同様であるが代替的な操作機構の実施形態を示す。外歯車の歯1404’は、スピンドル1400の遠位端に位置する外歯車の歯1405と係合する。システムの他の特徴は、本明細書に記載された実施形態のいずれかであり得る。
【0165】
図39D及び
図39Eに示されるように、アクチュエータ1220が回転されると、プルワイヤ1104は、スピンドル1400の近位端に設けられたリール1407の上に巻き付くか又はリール1407から巻が外れる。機械的利点及び操作精度は、スピンドル1400の外歯車1405及び/又はスピンドル1400のリール1407の直径を増加及び/又は減少させることによって増加又は減少させることができる。例えば、
図39Dに示される実施形態は、
図40Bに示される実施形態とは異なる機械的利点を有する。例示的な例では、
図39Dに示されるような1220のノブの完全な一回転により、例えば、プルワイヤ1104を3.59インチだけ変位させることとなるが、
図40Bに示されるような1220のノブの完全な一回転により、プルワイヤ1104を0.60インチだけ変位させることとなる。
【0166】
図39D及び
図39Eに示されるように、遠位スピンドル支持体1401及び近位スピンドル支持体1402は、アクチュエータ1220及びスピンドル1400の噛合している歯車を係合させたままにする。スピンドル支持体1401及び1402はまた、アクチュエータ1220、ノブシャフト1231、及び(複数の)スピンドル1400の軸線方向の回転を依然として可能にしながら、(複数の)スピンドル1400を適所に固定したまま維持する。
【0167】
図39D、
図39E、及び
図40Bは、外側偏向シャフト1208からプルワイヤ1104が出る地点において開始するプルワイヤ1104の経路を示す。プルワイヤ1104は、シャフト1208を出、近位スピンドル支持体1402を通って引き回される。
図39Dに示されるように、大きい半径の軸受面がスピンドル支持体1402に組み込まれて、プルワイヤが90度の旋回部の周りを引き回される際のプルワイヤの摩耗を制限している。半径は、プルワイヤがシャフトを出るときにプルワイヤルーメンの中心軸線から離れる方向に向かって、任意の負荷を最小限に抑えるように、シャフトからのプルワイヤの出口点に対する近似接線として開始するように配向される。
図40Bに示されるように、大きい半径の軸受面は、スピンドル支持体1402に組み込まれた合わせピン1402’によって提供される。図示されていない別の実施形態では、軸受面は、プルワイヤが滑車輪表面の周りを前進する際に、滑車輪自体のスピンドル上で回転する滑車輪であると考えられる。軸受面は、Delrin、ポリエチレン、又はテフロンを含むがこれらに限定されない当該技術分野において既知の研磨金属又は低摩擦ポリマーから構成されると考えられる。これらの実施形態では、2本のプルワイヤが1つのリールに巻き付けられ、1つのプルワイヤが他のリールに巻き付けられる。代替的な実施形態は、より多い又は少ないプルワイヤ、リール、及びスピンドルを有してもよい。代替的な実施形態は、リールに巻き付けられた3本以上のプルワイヤを有してもよい。
【0168】
操作可能なシースの制御を説明する上記の実施形態は、本明細書におけるハンドル及びシステムのいずれかに組み込むことができ、本明細書における医療器具制御機構のいずれかと一体化することができる。
【0169】
本明細書におけるハンドルアセンブリはまた、回転及び軸線方向の移動などの器具の作動を可能にすることができるように適合されている。本明細書におけるいくつかの実施形態は、医療器具を制御する遠位アクチュエータを備え、制御を可能にするハンドル機構は、操作可能なシースの近位端及び弁よりも更に近位に延在する。
【0170】
図37Bは、器具アクチュエータ1230が近位の器具部分1212にどのように動作可能に連通しているかを示すために、ハンドルシェル1206’の半分及びアクチュエータ1220が除去された例示的なハンドル1206を示す。本実施形態では、ノブ1230は、遠位中央歯車1235を駆動する(遠位中央歯車1235と動作可能に連通している)ノブシャフト1231に取り付けられている。遠位中央歯車1235は、側方シャフト1237を駆動し、これにより近位側方歯車1238を駆動する遠位側方歯車1236に連結されている(遠位側方歯車1236と動作可能に連通している)。近位側方歯車は、近位中央シャフト1240を駆動する近位中央歯車1239に連結されている(近位中央歯車1239と動作可能に連通している)。器具部分1212は、シャフト1240内部で接合されている。ハンドル1206は、器具駆動アセンブリ(構成要素1230~1240)が、器具1212を軸線方向に前進及び後退させるように、ユニットとして遠位/近位方向(
図37Bにおける両方向矢印)に軸線方向に摺動可能であるように設計されている。ノブシャフト1231及び遠位中央歯車1235は、ハンドル内で、外側シャフト1208が止血弁アセンブリ1950に固着されるまで、ハンドル内で近位に延在する操作可能なシャフトの外側シャフト1208の外側の周囲で自由に回転するように適合されている。側方シャフト1237の長さにより、操作可能なシャフトの近位端に配設されている止血弁アセンブリ1950の固定位置の周りでのノブアセンブリの軸線方向の並進を可能にする。
図37Bは、機構に対称性及びバランスを提供する2つの側方歯車及びシャフトを示しているが、アセンブリは、単一の側方歯車機構、又はハンドルの内周の周りのより多い複数の歯車により構成されることが考えられる。歯車は、歯係合機構によって示されているが、張力付与された摩擦ベルト機構及び当該技術分野において既知の他の手段が想到される。操作アクチュエータ1220及び/又は捕捉ノブ1230はまた、更に作動されるまでプルワイヤ又は器具シャフトの位置を保持するように、摩擦機構に連結されてもよい。一定の干渉力を有するか、あるいは当該技術分野において既知の手段によって係止力を増加及び減少させる機構を有する圧縮Oリング又はガスケットシール、低摩擦ベアリングなどが想到される。このような封止部及び軸受面の除去及び交換もまた、再配置プロセスの一部として必要であり得る。
【0171】
本明細書における器具制御機構のいずれも、本明細書における任意の操作可能なシャフトの制御機構と一体化され得る。
【0172】
図42A及び
図42B(
図42Bは分解図である)は、器具の操作に重要であるハンドルシェル1206によって拘束された構成要素を示す。操作可能なシャフト及び制御部は、明確にするために含まれていないか、又は符号が付されていないかのいずれか一方である。1206によって拘束されている器具操作の構成要素は、以下の参照番号:1240、1414、1413、1239、1238、1237、1236、及び1235によって特定される構成要素を含む。器具制御シャフト1231は、ハンドルシェル1206によって間接的に拘束されるが、器具の回転の機能に重要であり、このセクションで参照されることとなる。
図42Aは、組み立てられた状態の、1206によって拘束された器具操作の構成要素のみを示している。
図42Bは、部品がハンドルシェル1206内にどのように収まるかを示すのに役立つ、
図42Aと同じ構成要素を分解図において示している。中央シャフト1240及び取り付けられた歯車1239は、スペーサ1414、器具回転制限部1413、及び1238並びにハンドルシェル1206のガイド1515によって拘束されている。中央シャフト1240及び歯車1239は、中央シャフト1240の軸線を中心とした回転及び中央シャフト1240の軸線に沿う並進を可能にするように拘束されている。中央シャフト1240は、回転制限部に関して本明細書に記載されるように、中央シャフト1240の回転が防止されるまで自由に回転することができる。スペーサ1414及び制限部1413は、ハンドルシェル1206の一部として一体的に形成されている、内部に凹部を有する壁1511及び内部に凹部を有する壁1512とインターフェースし、壁1511及び壁1512によって拘束され、スペーサ1414及び制限部1413は、中心軸線を中心にしてだけ回転することができ、軸線方向には回転することができない。壁1511及び1512という用語が本明細書で使用される場合、ハンドル本体の「ガイド」の一部と見なすことができる。側方シャフト1237及び取り付けられた歯車1238及び1236は、ハンドルシェルの壁1513、1514、1516、及び1517によって拘束され、ハンドルシェルの壁1513、1514、1516、及び1517は、側方シャフト1237及び取り付けられた歯車1236及び1238が中心軸線を中心に回転及び中心軸線に沿って軸線方向に並進することを可能にする軸受面を提供する。壁1513及び壁1514は、本体1206の近位部分における近位ガイドの一部であり、壁1516及び壁1517は、本体1206の遠位部分における遠位ガイドの一部であり、両方のガイドは、ハンドルの軸線に平行である軸線と径方向に位置合わせされ、本体1206の長さに沿って延在している。壁及びガイドは、壁が片側でのみ符号が付されていても、ハンドル本体の両側に一体化されている。ハンドルシェルの壁1513、1514、1516、及び1517はまた、依然としてそれぞれの軸線を中心に自由に回転し、軸線に沿って軸線方向に自由に並進しながら、歯車1238の、噛合している歯車1239との係合、及び歯車1236の、歯車1235との係合を維持するように構成されている。本実施形態に示されるように、ハンドル本体と任意選択的に一体であるこれらの壁及びガイドは、器具用ノブ1230のみを作動させることによって、医療器具を軸線方向に移動させ、回転させることを可能にするものである。
【0173】
壁1513/1514及び1516/1517によって画定されるガイドは、壁1511/1512によって画定されるガイドに直交する。
【0174】
図8に関連するなど本明細書において使用される場合、中央シャフト1240は、器具係止部の一例である。
【0175】
本明細書に記載された実施形態のいずれかにおける1つ以上の部品を説明するために使用され得る長さ「L」、幅「W」、及び高さ「H」の寸法もまた符号が付される。長さは、概ね、幅W及び高さHの両方に直交する近位-遠位方向に測定される。長さLの寸法は、システムのハンドルアセンブリ及び/又はシャフト部分の長手方向軸線と平行である方向で測定されると考えることができる。幅対高さのグラフは、図面の表示に適用することを意図しておらず、幅及び高さ寸法の直交する性質を単に示すものである。
【0176】
図10Bに関連するなど本明細書において前述したように、器具の回転を制限することができる。
図43A~
図43Cは、制限された全回転が360度を超えることを可能にする、医療器具のアクチュエータの回転制限部の代替的な実施形態を示す。
図43A~
図43Cは、
図42A及び
図42Bにおける実施形態における回転を制限する構成要素を示す。
図43Aは断面図であり、
図43Bは、システムの一部分のみを示す斜視図であり、43Cは、ハンドルシェルとの相互作用を示す側面図である。(組み付けられ、1413が切断された)
図43B及び(分解され、示された)
図42Bに示されるように、実施形態は、制限部1413と、制限部1413の遠位及び近位にそれぞれ位置付けられた第1及び第2のスペーサ1414と、を含む。それぞれのスペーサ1414は、内側キースロット1414’(
図43Bを参照)が形成されており、内側キースロット1414’は、エンボス加工されたキー機構1415(前述したキー機構1956と同様の概念)を中央シャフト1240(前述した器具係止部1955と同様の概念)に一体化させながら、それぞれのスペーサ1414を軸線方向に摺動させ、回転させることができる。スペーサ1414はまた、制限部1413の内径の内側に軸線方向に延在する内側ラジアルリップ1414’’が形成され、制限部1413の均一な支持を提供し、中央シャフト1240の上でスペーサ1414は自由にスピンすることができる。
図43Aは、図の端部が制限部1413を通る断面として示されている、ハンドルシェル1206’内に配設されたアセンブリを示す。アクチュエータノブ1230が回転されると、回転は側方シャフト1237を通って中央シャフト1240に移される。アクチュエータノブ1230、シャフト1240、及びキー機構1415は、キー1415が回転制限部1413上の内側小突起機構1416(
図43A及び
図43Bを参照)と接触するまで自由に回転することとなる。アクチュエータノブ1230、シャフト1240、及び制限部1413は、制限部1413上の2つの外側小突起機構1417が、ハンドルシェル1206’に一体化された内側制限部1418に接触するまで自由に回転することとなる。2つのスペーサ1414は、制限部1413をシャフト1240と同心に保つ。重要なことに、近位の複合回転制限部はまた、医療器具を軸線方向に移動させることが重要であるシャフト1240の軸線方向の並進を可能にするように適合されている。許容される回転の程度は、小突起機構1415、1416、1417、及び1418のうちの1つ以上の位置及び/又は周辺の範囲を増加又は減少させることによって調整することができる。小突起を有する追加の径方向入れ子状環状部がまた追加されて、許容される回転数を複合させることが考えられる。他の実施形態では、軸線方向に係合環状部を追加することによって、回転の複合を可能にするように、追加的に又は軸線方向の代わりに小突起を形成すると考えられる。
図43Cは、明確にするために、ハンドルシェルに一体化された制限部1418及び制限部1413を含む、システムの構成要素の一部の側面図を示す。
【0177】
図43Aはまた、回転停止部1418の高さなどの、内部の構成要素のいずれかのための高さ測定の方向Hを示す。
図43Bはまた、内部の構成要素のいずれかのための幅測定の方向W及び長さ測定の長さLを示す。
【0178】
図44A~
図44Cは、アクチュエータ1220の作動の際、医療器具の回転制限部と同様に動作する、回転を制限するための偏向アクチュエータノブ回転制限部1408を示す。この複合回転制限部は、回転制限部の急停止部に当る前に、偏向アクチュエータノブ1220の360度超の回転を可能にする。アクチュエータノブ1220が回されると、小突起機構1409はアクチュエータノブと共に回転する。アクチュエータノブ1220及び小突起機構1409は、1409が、回転制限部1408上の内側小突起機構1410と接触するまで自由に回転することとなる。アクチュエータノブ1220及び小隆起1408は、2つの外側小突起機構1411がハンドルシェル1206’上の内側小突起機構1412と接触するまで自由に回転することとなる。回転度は、小突起機構1409、1410、1411、及び1412のうちの1つ以上の位置及び/又は周方向の幅を増加又は減少させることによって調整することができる。小突起を有する追加の径方向入れ子状環状部がまた追加されて、許容される回転数を複合させることが考えられる。他の実施形態では、軸線方向に係合環状部を追加することによって、回転の複合を可能にするように、追加的に又は代替的に軸線方向に小突起が形成されると考えられる。
【0179】
図44B及び
図41は、ハンドルが保持されないか又は使用されていない間に、ハンドルが押しのけられたときに、アクチュエータノブの不要な回転又は並進を排除する摩擦を付加するガスケット1406及び1406’を示す。偏向アクチュエータノブ1220とシェル1206’との間のガスケット1406の制御された圧縮により、回転後のノブ1220の弛緩を防止する摩擦がもたらされる。ガスケット1406’は、プローブアクチュエータノブ1230に連結されている同様の制御された圧縮摩擦器具1212を追加する。尚、ガスケット1406’は、止血弁1950において使用される封止部と同一であってもよい。
【0180】
プローブアクチュエータノブ1230の摩擦を制御するための他の実施形態は、プローブのアクチュエータノブ1230に連結された中央シャフト1240の摩擦を制御する方法を含むと考えられる。中央シャフト1240は、前述した器具係止部1955などの器具係止部の一例であり、前述した器具係止部1955の摩擦制御は、中央シャフト1240、並びに偏向アクチュエータ1220とシェル1206’との間のインターフェースに適用可能である。
【0181】
操作可能なシャフト及び医療器具(例えば、ノブ1230及び偏向アクチュエータノブ1220)を制御するアクチュエータは、ユーザが二者の間の関係を直感的に理解することを可能にする特徴を備えてもよい。システム1200がユーザに提供される場合、操作可能なシース1202は真っ直ぐである。これは、偏向アクチュエータ1220が、好ましくは、1本以上のプルワイヤ1104に張力が加えられていない、中立位置又はホーム位置にあることを意味する。同様に、器具用ノブ1230は、医療器具の遠位端に取り付けられた先端が、製造中に設定された位置にある、中立位置又はホーム位置にある。例えば、器具用ノブ1230のホーム位置は、偏向ノブ1220の遠位端に対して引き戻され(又は遠位端からわずかにずれ)、所与の位置に回転されてもよく、先端(例えば、先端3000)の近位端は、シース部分1208の遠位端を背にし(又は遠位端からわずかにずれ)、また、トランスデューサが(デバイスの一部である場合)、単なる一例において、回転位置にあり、作用面がシース部分1208の偏向方向と反対に方向付けられるようにする。ハンドルシェル1206’内の機構又はハンドル内の他の構成要素に対して、医療器具の近位端が取り付けられる(器具係止部1955と同様の)近位中央シャフト1240の機械的停止部は、医療器具の先端の近位端とシース1208の遠位端との間に所望の近位後退オフセット(例えば、0.5mm~3.0mm)、並びに器具1212及び先端の延長のための遠位進行制限部を提供する。静置したハンドル本体、より具体的には、ハンドルシェル1206’に対する器具用ノブ1230及び偏向用ノブ1220のホーム位置の連通により、それぞれのノブ1220及び1230並びにハンドルシェル1206’の外部上のマーキング及び/又はエンボス加工又は凹加工された機構などの視覚的機構と連通し得る。例示的な一実施形態では、これらの視覚的機構は全て、ホーム位置にあるときに整列する。凸状又は凹状のマーキングはまた、ノブの相対位置に関してユーザに触覚的な合図を提供する。明確にするために、ノブ1220が切断されている、
図45A及び
図45Bの強調表示された図に示されるように、可聴及び/又は触知合図機構1525及び1526の組み合わせがノブ1220に組み込まれて、中立開始位置又は停止位置に対するノブ1220の位置を信号通知することができる。例えば、片持ちアーム1525は、片持ちアーム1525の自由端が、片持ちアーム1525が相対的に移動する別の機構1526の上を移動する(又は、他の実施形態では、下を移動する)と、片持ちアーム1525の取り付け点に対して屈曲するか、又はヒンジで動くことが可能にされ得る。この動きにより、機構1525及び1526が相互作用すると、可聴性及び/又は振動性の「パチン」又は「カチッ」が生成される。可聴/触知機構は、器具用ノブ1230又は偏向アクチュエータノブ1220のいずれか一方に組み込まれると考えられる。別の実施形態では、片持ちアーム1525はまた、
図40Aの回転歯車の歯1404’及び/若しくは1405、又は
図37Bの回転歯車の歯1235、1236、1238及び/若しくは1239などの、ハンドルシェル内で移動する機構に対して組み込まれると考えられる。可聴/触知の作動速度は、連続的であってもよく、又は特定の移動範囲の後にのみ係合するか、又は制限が近づくにつれて加速若しくは減速してもよい。後者の例において、実施形態は、片持ちアーム1525が接触する1526などの機構の密集度が増加することを含むと考えられる。
【0182】
関連する実施形態において上記に述べたように、医療器具は、近位中央シャフト1240内に接合される。これは、本明細書に記載される器具係止部の機能と同様の実施形態である。具体的には、器具部分1212がシャフト1240から解放され得るように、(器具係止部1955と同様の)近位中央シャフト1240を可逆的に取り付ける方法を提供することが有益である。この解放により、器具部分1212は、その通常の動作の前進の制限を超えて前進するか、又は完全に除去されることができる。通常の制限を超える前進により、シャフトを完全に除去する必要なく、特に、遠位端に関して、器具部分1212の清浄化又は修復を容易にすることができる(本明細書に記載されるように、PCB2030からフレックス束2020を切断する必要がある)。例えば、器具部分1212の遠位端は、使用中に、摩耗するか、かつ/又は体液で汚染される特定の長さ(例えば、3~15cm、好ましくは10cmであるが、これらに制限されない)にわたってシャフトに塗布される潤滑性コーティングを有してもよい。再配置プロセス中にシャフトを適切に清浄化するために、コーティングを除去し再塗布する必要があり得る。シャフトを遠位に(好ましくは、この例では)およそ12cm前進させることにより、(以前は、清浄化及び修復のために外側シャフト1208の遠位端内部においてアクセスできない遠位器具部分の外側への物理的アクセスが可能になると考えられる。器具部分1212の前進を可能にするために、近位導体束内の十分な弛みがもたらされると考えられる。他の例では、器具1212の遠位部分は、器具1212とシャフト1208の内側ルーメンとの間のルーメンの空間を占有するOリングシール、鍵穴、又は膨潤可能なヒドロゲルなどの、遠位部分に取り付けられた他の機構を有すると考えられ、この場合、通常の動作延長の制限を越えて器具1212を前進させることなく、再配置プロセス中に清浄化及び修理/交換のためにアクセスできないと考えられる。
図20A~
図20Cに記載されるように、フレックス束2020が1つ以上のPCB2030から切断される場合、器具1212を中央シャフト1240から解放することによっても、内側シャフトが完全に除去される。
【0183】
別の実施形態では、操作可能なシャフト1208が、患者に挿入されたイントロデューサシースに入る場所より近位の操作可能なシャフト1208の近位部分は、器具1212の近位端の拡大された外径(特に、以下で説明するように中央シャフト1240から解放する目的のために拡大された部分)を受け入れると考えられる拡大された内径及び拡大された外径を有すると考えられる。シャフト1208の拡大された近位内側ルーメンにより、上述した清浄化及び修復の目的のために、器具1212の拡大された近位シャフトが、通常の前進の制限を越えて十分に前進することが可能になると考えられる。
【0184】
図46は、
図40A~
図44Cに示される実施形態からの例示的な構成要素の多くを示す分解図を示す。構成要素は、上記の実施形態と同じ参照番号で符号が付され得る。構成要素は、本明細書における他の実施形態において記載されるように組み立てられ得、かつ/又は機能し得る。
図46はまた、栓1536と、ハンドル本体1206内に形成され、弁1950に連結された洗浄用ラインポート1539を通って引き回された洗浄用ラインチューブ1537と、を示す。
【0185】
図47は、(ライン1537などの洗浄用ラインが取り付けられていてもよい)一体型洗浄用ポート1540’を有する弁本体1540と、弁シール1951と、弁キャップ1538と、を含む、
図46に示されるものなどの例示的な止血弁1950を示し、キャップ1538は、弁本体1540内のシール1951を拘束するように設計されている。パージラインを使用して、器具1212と操作可能なシース1208の内側ルーメンとの間の環状空間から空気をパージしてもよい。シャフト1208の近位端は、止血弁本体1540の遠位端に挿入することができ、二者は、接着剤で不可逆的に接合されてもよい。止血体は、シャフト1208上にオーバーモールドされてもよい。シャフト1208の近位端は、近位端に不可逆的に接合されたルアー嵌合部(好ましくは雌型)を有してもよい。止血体1540の遠位端はまた、シース1208上の雌型ルアー嵌合部に、圧入によって可逆的に取り付けられている(又は接着剤による圧入によって不可逆的に取り付けられている)噛合ルアー嵌合部(好ましくは、この場合、
図11Aの嵌合部1952などの雄型)と嵌合し得る。本実施形態では、可逆的圧入ルアーは、再配置プロセス中に、シャフト1208上の嵌合部から止血弁アセンブリを除去することを可能にすると考えられる。
【0186】
図49A~
図49Cは、操作可能なシャフトから医療器具を可逆的に取り付けるための様々な適合を示す。一実施形態では、
図49Aに示されるように、固着チューブ状要素1519は、シャフト1240に連結され得る領域内で器具1212の近位端に恒久的に固着される。固着チューブ1519は、(器具1212の)シャフト2010の近位端に構造的補強を提供し、好ましくは、(例えば、接着剤で接合すること、及び/又はナイロン若しくはPebaxなどの熱積層ポリマーチューブ類でいずれかの端部に固着チューブ1519を拘束することによって)シャフト2010に固着された薄肉の金属又は剛性のポリマーチューブ(例えば、0.005インチ~0.010インチの肉厚)である。固着チューブ1519のODは、外側シャフト1208の内側ルーメンを通過するように設計されている。シャフト1240は、機械加工又は射出成形されたプラスチック又は金属で構成されてもよい。1つ以上のねじ付き止めねじ機構1518を使用して、シャフト1240を固着チューブ1519に対して可逆的に固定することができる。固着チューブ1519に対する止めねじ1518の圧縮及び連動を容易にするために、溝、切り欠き、平坦部、エンボス加工部、又は他の同様の機構が固着チューブ1519に設けられてもよい。別の実施形態では、止めねじ1518は合わせピンと置き換えられてもよい。これらのピンは、固着チューブ1518に対してピンと係合するように締め付けられるか、又は固着チューブ1519及び器具1212をシャフト1240から自由にするように緩めることができると考えられる径方向クランプによって定位置に保持されると考えられる。別の実施形態では、固着チューブ1519は、長手方向軸線に沿って分割されたチューブなどの2つの半管で構成されると考えられ、それぞれの半分は、好ましくは、チューブの円周のわずか半分未満を有し、器具のシャフト2010に対して上述の手段のいずれかによって圧縮されている。これにより、固着チューブもシャフト2010から除去されることが可能になると考えられる。別の実施形態では、固着チューブ1519の半分の一方のみを使用して、器具シャフト2010に対して固着チューブ1519を圧縮及び固定することができ、次に、中央シャフト1240の内部に対して圧縮される。
図49B及び
図49Cは、スナップカラー1520を有する別の実施形態を示しており、スナップカラー1520は、中央シャフト1240の内側ルーメンに挿入されると、器具1212(又は、より具体的な実施形態では、器具シャフト2010)に対して圧縮されて、器具1212をシャフト1240に可逆的に係止する。スナップカラー1520は、
図49Bに示すように、シャフト1240上のテーパ状チャネル機構1523と係合する機構1521を有する。これらの機構が
図49に示されるように係合されると、機構1521は、機構1523によって圧縮され、この圧縮により、機構1521は、スナップカラー1520の内側ルーメン内に侵入させられ、次いで、1212、すなわち、係止器具1212上にシャフト1240に対してクランプする。加えて、
図49Cに示されるように、1520が1240と完全に係合されると、スナップ機構1522は受容機構1524と係合する。これらの機構が係合されると、スナップカラー1520は、シャフト1240内で回転することができないか、又はシャフト1240から除去されることができない。スナップカラー1520をシャフト1240から係合解除するために、機構1522を押し下げて、1524から1522を係合解除し、スナップカラー1520及びシャフト1240から器具1212を解放する1240の内側ルーメンから1520を除去することができる。スナップカラー1520を使用する上記実施形態では、固着チューブ1519はまた、カラー1520が固着チューブ1519と係合するように器具1212の上で接合され得る。
【0187】
ハンドルシェル1206’の内側表面は、中央シャフト1240の固定又は器具1212及び/又は固着チューブ1519からの中央シャフト1240の係合解除を可能にする1つ以上のアクセスポートが構築されてもよい。一実施形態では、このアクセスポートは、シェル1206’の内側表面から径方向内側にエンボス加工された構造内の孔又はチャネルであってもよく、シャフト1240に近接して終端させることができる。
【0188】
ハンドルシェル1206’は、全体として、ハンドルアセンブリの機能と一体であるいくつかの機構を有する。これらの機構の一部は、構成要素を適所に固定する一方で、他の機構は、中心軸線を中心に構成要素が回転すること、及び/又は構成要素が長手方向に並進することを可能にする。加えて、1206’上のいくつかの機構は、いくつかの機構が噛合構成要素と係合したままであり、器具及び/又は操作可能なシャフトの動きを維持するように、他の構成要素を拘束することが重要である。
【0189】
以下の説明は、カテーテルシースの偏向に関連する1206’のハンドルシェル機構に関する。ハンドルシェル機構は、概して、エンボス加工され、噛合構成要素を拘束する軸受面、レール、又はガイドとして機能するハンドルシェルの径方向表面から径方向内方に延在する、一体型リブ(本明細書では「壁」とも称される)として説明することができる。例えば、
図44A及び
図44Bを参照すると、ハンドルシェル1206’によって拘束される構成要素は、以下の参照番号1950、1400、1220、1408、1406、及び1402によって識別される構成要素を含む。
図44Aは、組み立てられた状態の1206’によって拘束された偏向構成要素の全てを示す。
図44Bは、
図44Aにおける同じ構成要素の全てを示すが、分解図である。操作アクチュエータ1220及び偏向制限部1408は、本実施形態では、長さ寸法に直交する幅寸法で延在する壁部である、ハンドルシェル1206’上の機構1501及び1502によって拘束され、機構1501及び1502のそれぞれは、内部に形成された凹領域を有する。これらの機構は、アクチュエータ1220及び制限部1408が中心軸線を中心に回転することだけを可能にする。これらの構成要素は、本明細書における他の箇所に記載されるように、偏向制限部が更なる回転を防止するまで自由に回転する。ガスケット1406は、1220と1501との間の摩擦を生成する。摩擦は、本明細書における他の箇所に記載されるように、1406を1501に対してわずかに圧縮することによって得られる。本明細書に記載されるように、操作アクチュエータ1220と噛合するスピンドル1400は、内部に凹部が形成された1206’のハンドルシェル機構1503、1504、1505、1506、内部に凹部が形成された壁部1507と、内部に凹部が形成された壁部1508と、操作アクチュエータ1220及びスピンドル支持体1402との間に拘束される。スピンドル1400は、中心軸線を中心に回転することだけできるように拘束される。スピンドル支持体1402は、ハンドルシェル1206’の、本明細書で形成された凹部を有する壁機構1507及び1508によって適所に固定され、移動の自由を有さない。幅寸法に沿って延在する壁部1507及び1507は、スピンドル支持体1402用のガイドを少なくとも部分的に画定することができる。止血弁アセンブリ1950は、幅寸法に延在し、止血弁のためのガイドを少なくとも部分的に画定する、ハンドルシェル壁機構1509及び1510によって適所に固定される。スピンドル支持体1402及び止血弁1950は、ハンドルシェルの完全な閉鎖を容易にするのを助けるように、追加的に、ハンドルシェル1206’のそれぞれの機構に恒久的に接着剤で固着されてもよい。本実施形態では、一体型ハンドル本体は、少なくとも1つのガイド(例えば、止血弁用のガイド及び/又はスピンドル支持体1402用のガイド)を含む中央領域を含み、少なくとも1つの中央ガイドは、シャフト1237を支持するハンドル本体1206の近位領域及び遠位領域内のガイド壁に直交する壁部を含み、医療器具の移動を容易にする歯車に対応している。
【0190】
本明細書における本実施形態及び他の実施形態は、医療器具制御システムが操作可能なシャフトの近位端よりも更に近位に延在し、遠位アクチュエータによって作動されることを可能にする一体型機構を含むハンドル本体の例である。
【0191】
図44D及び
図44Eは、スピンドル支持体1402の正面斜視図及び背面斜視図をそれぞれ提供する。スピンドル支持体1402は、ハンドルアセンブリ内のスピンドル1400を支持する。スピンドル支持体1402は、操作可能なシャフトが通過することを可能にするようにサイズ決めされ、かつ通過することを可能にするように構成された中央ルーメン1420(並びに操作可能なシャフトを通過する器具)を含む。スピンドル支持体1402は、支持体1402の残りの部分とは別個の構成要素であってもよく、又は支持体1402内部に一体的に形成されてもよい2つの軸受面1422(例えば、本明細書に記載されるピン1402’の一部など)を含む。いくつかの実施形態では、軸受面1422は、支持体1402内のガイド内に配設された概ね円筒状に構成された構成要素の一部であり得る。例えば、それぞれの円筒状要素(例えば、ピン1402’)は、プルワイヤが巻き付けられているスピンドル1400の部品の軸線に直交する軸線を有することができる。部品1402’に関連する本明細書における説明は、本明細書における支持体1402のいずれかと等しく適用される。支持体1402はまた、2つの凹領域1421を含み、凹領域1421のそれぞれは、スピンドル1400のうちの1つを受容し、スピンドル1400のうちの1つに安定性を提供するように構成されている。
【0192】
いくつかの実施形態では、支持体1420の長さLは、0.5インチなどの0.4インチ~0.6インチである。いくつかの実施形態では、支持体の幅Wは、0.55インチなどの0.4インチ~0.65インチである。いくつかの実施形態では、支持体1402の高さHは、0.85インチなどの0.6インチ~1.1インチである。いくつかの実施形態では、軸受面1422を含む構成要素の直径は、0.22インチなどの0.15インチ~0.35インチである。
【0193】
図50は、操作可能なシース1202及び医療器具1204の一体化システム1200を示し、システム1200は、コネクタケーブル2070を介してコンソール4000に接続されている。
図19に関してなど、前述のように、器具1204は、ケーブル2070への噛合接続を形成する近位コネクタ2015を備える。前述のように、システム1200を再配置(例えば再処理及び再使用)することが所望される。システムが、非関連の第三者ではなく、正規製造業者だけによって再配置され、デバイスが特定の回数だけ再使用されることを確実にすることが更に所望される。再配置プロセスを制御するために、暗号認証チップ(暗号化チップ)が、好ましくは、PCB2030上の器具1204に組み込まれるが、操作可能なハンドル1206内又は先端3000内などの他の場所が想到される。暗号化チップは、認証キーを制御する正規製造業者だけがプログラム可能である。システム1200が接続されるコンソール4000は、認証キーも有するトラステッド・プラットフォーム・モジュール(Trusted Platform Module、TPM)を有する。システム1200の使用中、コンソール4000は、暗号化チップを介してシステム1200を認証することができ、所望により、(例えば、EEPROM機構を介して)情報を読み出し、チップに情報を書き込むことができる。検討されたシナリオのいずれにおいても、RFIDチップ、好ましくは暗号化されたRFIDチップを使用して、コンソール、コネクタ、及びデバイス間でデータを読み取り、送信することができる。システム1200及びコンソール4000がどのように通信して、システム1200の使用及び再使用を制御することができるかについてのより詳細な説明を
図51に記載する。
図33及び
図34の機械的キーに関連する実施形態では、操作可能なカテーテル先端から器具先端を係止解除するために、コンソールの認証が必要とされ得る。
【0194】
再配置プロセスは、再配置のためのデバイスの返却に依拠するため、信頼性の高いデバイスの収集が重要である。収集を奨励するために、利害関係者(例えば、医師、病院の職員、病院の購入者、製造業者の営業担当者)は、デバイスを返却するように動機付けられるべきである。1つの手段は、デバイス返却文書に基づいて、リベートを提供することであると考えられる。他の方法は、デバイスを良好な状態に戻す必要性を検査技師に注意喚起することを含む。デバイスの返却を自動的に記録する、製造業者によって提供される収集ボックスが想到される。ボックスは、1つ以上のデバイス(例えば、ICEカテーテル)を置くための1つ以上の入れ物又は容器を有してもよい。容器は、デバイスのためのバイオハザードバリアを提供するように、封止可能な耐液性バッグを備えるか、又は含んでもよい。容器は、代替的に又は追加的に、デバイスを保護するための剛直性チューブなどの中空形状を含んでもよい。中空形状は、中空形状を有する、封止するキャップを受容するように構成されてもよく、容器及び/又は収集ボックスと連通するためのデバイスコネクタに接続するように更に構成されてもよい。中空形状は、エチレンオキシド滅菌剤の透過性を有する滅菌封止部を提供する手段を含むように構成されてもよい。入れ物又は容器は、ボックスの中に固定されると、デバイスの除去を防止する一方向係止部を有してもよく、好ましくは、係合して返却を記録及び/又は認可すると、除去が不可能となる。あるいは、除去された場合、ボックスは、除去を示すために返却の記録を消去又は修正する。ボックス自体は、再処理のために製造業者又は他の認可された第三者に出荷されてもよく、あるいは出荷のために二次的保護輸送ボックス内に配置されてもよい。ボックスは、デバイスから情報(例えば、シリアル番号、販売日、使用日、使用場所など)を読み取るRFIDリーダーを含有してもよい。この情報の一部は、コンソールからデバイスに書き込まれただけでもよい。デバイスへの直接接続を提供して、情報を読み取り、必要に応じて、返却の記録を記録するためにデバイスに書き込む、収集ボックス又は容器内の再使用可能なコネクタもまた提供されてもよい。このコネクタは、上記の容器封止可能キャップ内に構築されると考えられる。コンソールと同様に、ボックス自体が、ボックス自体にTPMユニットを含む暗号化技術を含んで構成されてもよい。ボックスは、電池によって電源供給されるか、かつ/又は壁コンセントへプラグ接続されてもよい。電池は、電源を維持するように、好ましくは、除去可能、再充電可能、かつ/又は交換可能であることによって有用である。製造業者の代表者又は現地の研究室スタッフは、このサービスを提供することができる。収集ボックスは、コンソール及び/又は直接的な病院及び/又は(製造業者又は認可された第三者によってアクセス可能な)クラウドサーバの間の無線(例えば、WIFI、Bluetooth)又は有線(例えば、イーサネット)接続を提供して、デバイス返却に関する情報を送信又は受信するように構成されてもよい。この通信は、返却する準備ができているデバイスの存在及び数に関する情報を含んで、製造業者又は他の第三者に信号通知して、ボックスを収集及び返却することができる。病院の任意の所望の領域における収集ボックスの保管を可能にし、輸送中のアクセスを防止するために、収集ボックスの外部は、閉鎖されると、バイオハザード汚染が不可能となるように、気密封止及び/又は液密封止を有して設計されてもよい。係止可能なドア、蓋、又は他の好適なアクセスポイントが提供されてもよい。収集ボックスは、デバイスが共に使用されるコンソールに物理的に取り付けること及び/又はコンソールと電子的に通信することを容易にする取付点を含んで構成されてもよい。収集ボックスは、殺菌した製品が最初に病院に出荷される同じボックスであってもよい。
【0195】
デバイスコネクタは、デバイスコネクタが、最初、アンビリカルコネクタからコンソールまでプラグ接続されていない場合、可聴アラート及び/又は点滅可視アラートを提供する電池及び回路が装着されてもよい。このアラートは、デバイスがコネクタにプラグ接続されるか、又は収集ボックスのRFIDセンサの近傍範囲内に配置されるか、又は収集ボックスの入れ物又は容器内に直接プラグ接続されることによって、デバイスが収集ボックスによって認識されるまで継続し得る。
【0196】
別の実施形態では、デバイスは、デバイスを収集ボックスの入れ物又は容器内に嵌合するために、除去されなければならない着脱可能な構成要素又は分離した構成要素を装備してもよい。この構成要素は、収集ボックスの別個の場所に配置されてもよく、又は廃棄されてもよい。構成要素の除去により、製造業者によって再配置されるまでデバイスは使用不能となり得る。
【0197】
カテーテルシステム1200の操作中、撮像先端は、心内構造物と接触し得る。繊細な構造物(例えば、薄い心臓壁、弁尖)に対する潜在的な損傷を最小限に抑えるために、器具の遠位先端(又は特定の実施形態では、超音波プローブ先端)上により非外傷性である機構を提供することが有利であり得る。具体的には、この機構は、好ましくは、先端のより大きな面積の表領域にわたって接触力を分配し、かつ/又は組織に対する先端の力を緩和するように、座屈させるか若しくは偏向させることが可能である。非外傷性機構は、好ましくは、非外傷性機構がより大きい寸法及び表面積に拡張することができ、超音波撮像に干渉しない先端の遠位に配置される。
図52は、多様な拡張可能な非外傷性先端機構を示す図である。拡張は、膨張可能なバルーンで、又はばね様構造を使用して得られると考えられる。膨張可能バルーンは、シリコーン若しくはポリウレタンなどの柔軟な材料、又はナイロン若しくはポリエステルなどの相対的に非柔軟な材料、又はこれらの2つの間の柔軟性を有する材料から構成されてもよい。ばね様構造は、好ましくは、ニッケルチタン又は冷間加工ステンレス鋼から構築されるが、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、又はePTFEなどのポリマーからも作製されると考えられる。ばね様構造は、所与の要素のJ字形カール又は「ピグテール」状カール、バスケット形状のスプライン群(直線状又は螺旋状)、ワイヤ要素の編組、コイル、ループ若しくはループ群、又はレーザ切断シート若しくはハイポチューブとして構成されてもよい。これらの構造の要素は、矩形断面を有する丸型ワイヤ又はリボン又はシートで形成されてもよい。他の実施形態では、構造の所与の要素自体は、より小さい要素のコイル又は編組であってもよい。他の実施形態では、機構は、シリコーン又はポリウレタンなどの弾性ポリマーマトリックスによって包囲されるか、又はコーティングされた、上述の要素の環形状の複合体であってもよい。別の実施形態では、湾曲した花弁形状の表面の環状アレイは、表面が互いに対して摺動して、拡張及び崩壊するように提供されると考えられる。いくつかの実施形態は、自己拡張する、すなわち、要素の作動を介して、又は流体若しくは気体による膨張によって拡張するように構成されてもよい。
【0198】
身体への最初の進入のために、自己拡張する要素は、カテーテル先端の外側の上に装着されたチューブ状シース要素によって、折り畳まれた形状で拘束され得る。このチューブ状シース要素は、デバイスがイントロデューサから血管(又はより一般的には体腔)に入るとすぐに、又は標的場所(例えば、心臓の心室)に到達した後に後退させることができる。イントロデューサシース自体は、血管又は体腔内への進入を可能にするのに十分な長さの拡張可能な要素を拘束するのに十分であり得る。例えば、J字形、ピグテール状、又は編組の最先端縁は、イントロデューサシースの止血弁を通って前進し、最先端縁がシース先端から出るまでシース内で拘束されるのに十分な長さで、手動で真っ直ぐにされると考えられる。しかしながら、機構が機構の近位端でデバイス先端に取り付けられる場合などのほとんどの例では、遠位端は拘束されておらず、機構は、血管、体腔、又はイントロデューサシースを通って引き抜かれる間に張力が付与され、かつ/又は径方向に圧縮される際に、自己真直化するか、かつ/又は潰れる。非外傷性機構の先端への取り付けは、構造が溶接又ははんだ付けされる金属製環状部又は円盤部をカテーテルの遠位先端に組み込むことによって達成することが考えられる。環状部又は円盤部はまた、ニチノール製ハイポチューブからレーザ切断されたスプラインなどの、環状部又は円盤部から離れる方向に延在するスプラインと連続的な機構であると考えられ、次いで、拡張した形状に熱処理され得る。必要に応じて、環状部分からの材料の除去もまた、カテーテル先端のポリマー内への封入を容易にすると考えられる。上述したように、このような構造の表面は、シリコーン又はポリウレタンでオーバーモールドされると考えられ、その後、ポリマーの丸みを帯びた先端を含んで、自己拡張性及び折り畳み可能な体積を生成することができる。非外傷性先端のための支持構造は、トランスデューサが内部に組み付けられるポリマー先端用成形型内にインサート成形されると考えられる。非外傷性先端機構はまた、トランスデューサ(非撮像側)の後ろに近位に延在する要素を組み込むと考えられ、要素は、接着剤接合、溶接、はんだ付け、ポリマーの熱融着、又はこれらの任意の組み合わせによって先端内に固定される。
【0199】
【0200】
本明細書で使用するとき、「清浄化」は、限定するものではないが、クリーナ及び/又は消毒剤の洗浄システムを使用して外側シャフトの内部を清浄化し、任意選択的に小さなブラシで機械的に摺洗すること、クリーナ/消毒剤によって、外側シャフトの外側部分及び/又は医療デバイスのシャフト(例えば、超音波プローブ)の外側部分を機械的に清浄化(例えば、ワイプ、ブラシ)し、任意選択的に、特定の期間にわたって、クリーナ/消毒剤の超音波浴にシャフトを浸漬させること、並びにUV光を使用することを含むなどの光学的清浄化方法などの任意のタイプの洗浄を指すことができる。本明細書で使用するとき、「清浄化」は、特定の清浄化プロセスを指すものではなく、むしろ、物体を清浄化する一般的な概念を指す。
【0201】
本明細書における開示はまた、本明細書におけるハンドルアセンブリのいずれかの内部のサブアセンブリのいずれかを含む、本明細書におけるサブアセンブリ又はアセンブリのいずれかを組み立てるか、又は組み立て直す方法を含む。例えば、限定するものではないが、本明細書での開示は、スピンドル支持体の軸受面の上に、次いでスピンドルの周囲に1本以上のプルワイヤを巻き付ける方法を含む。
【0202】
本明細書における方法はまた、本明細書におけるサブアセンブリ又はアセンブリのいずれかの個々の構成要素のいずれかを製造又は構築することを含む。例えば、本開示は、本明細書に記載されたアセンブリ又はサブアセンブリが意図されるように機能することを可能にする内部部品を収容することができる特定の構成(例えば、ガイド、壁など)を有するハンドルシェルの構成要素を製造する方法を含む。
【0203】
符号が付される参照番号にかかわらず、本明細書に記載されたハンドルアセンブリ、医療器具、操作可能なシース、及び電気接続部のいずれも、互いに任意の組み合わせでシステム内で共に使用することができる。
【0204】
以下の米国特許参照文献のいずれかにおける、超音波及び操作技術を含む技術のうちの任意は、本明細書における医療器具、デバイス、システム、又はこれらの使用方法のいずれかに組み込まれてもよく、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれている:6100626、6537217、6559389、7257051、7297118、7331927、7338450、7451650、7451650、7527591、7527592、7569015、7621028、7731516、7740584、7766833、7783339、7791252、7791252、7819802、7824335、7966058、8057397、8096951、8207652、8207652、8213693、8364242、8428690、8451155、8527032、8659212、8721553、8727993、8742646、8742646、8776335、8790262、8933613、8978216、8989842、9055883、9439625、9575165、9639056、及び20080287783。
【0205】
上記の任意の好適な開示は、以下の実施形態のいずれかに組み込むことができる。例えば、デバイス、システム、並びに製造及び使用方法の態様は、本明細書に組み込まれ、特に指示がない限り、以下の実施形態のいずれかに組み込むことができる。
【0206】
図53、
図54A、
図54B、
図55A、
図55B、
図55C及び
図56は、例示的な医療装置の一部を示す。例示的な実施形態では、医療装置は超音波撮像カテーテルであるが、本明細書に記載される発明は、他の種類の医療デバイスに等しく適用され得ることを理解するであろう。
図53は、例示的な医療装置の細長本体の一部分を示す。
図54A及び
図54Bは、例示的な医療装置の細長内側本体の一部分の異なる図を示す。
図55Aは、
図53からの細長本体及び
図54A及び
図54Bにおける細長内側本体のアセンブリを示す。
図56は、
図55Aのアセンブリにおいて示される断面A-Aを示す。
図57A及び
図57Bは、
図53からの細長本体及び
図54A及び
図54Bからの細長内側本体(それ故に、
図55Aのアセンブリにも連結されている)を制御するために連結及び使用されることができる、単なる例示的なハンドルアセンブリを示す。
図57A及び
図57Bにおけるものと同様の図が、
図36A及び36Bに示され、これらの実施形態の任意の好適な態様(デバイス、構成要素、製造方法、及び/又は使用方法を含む)は、特に指示がない限り、参照により本明細書に組み込まれ得る。
【0207】
例示的な医療装置117は、
図53に示される例示的な細長外側本体100を含む。本実施形態では、細長外側本体100は、インターフェース106において遠位セクション102に連結された外側シャフト101を含む。シャフト101は、可撓性シャフト(例えば、ポリマー、例えば、PEBAX)であってもよく、図示のように、可撓性材料に埋め込まれた編組材料を任意選択的に含む。遠位セクション102は、カテーテル技術の任意の様々な既知の連結手法を使用してシャフト101に連結され得る。シャフト101及び遠位セクション102は、インターフェース106において同じ外形寸法を有し得、また同じ最大直径を有し得る。
【0208】
遠位セクション102は、少なくとも1つの超音波トランスデューサ、及び任意選択的に超音波撮像トランスデューサを含み得る医療器具103を含む。医療器具103は、1つ以上の材料、及び/又は1つ以上の別個のセクションの材料から構成され得る部材104によって取り囲まれている。部材104は、部材104の材料が医療器具103と接続し、医療器具103を取り囲むように医療器具103を包み込むことができる。部材104のための例示的な材料は、PEBAXなどの可撓性ポリマー材料である。
【0209】
医療器具103は、例えば、医療器具103と電気的に連通している(電気導体の電気束などの)電気コネクタであり得るが、これに制限されない、電気接続部105を含むことができる。例えば、限定するものではないが、電気接続部105は、超音波プローブを含む医療器具から延在するケーブル束であり得る。電気接続部105は、シャフト101内で径方向に延在し(すなわち、シャフト101は接続部105の径方向外側にある)、シャフト101の少なくとも一部を通って軸線方向に延在する。
【0210】
外側シャフト101及び遠位セクション102(及び医療器具103)は、シャフト101の軸線方向の移動が遠位セクション102及び医療器具103の軸線方向の移動を引き起こすように固着されている。シャフト101の回転は、同様に、遠位セクション102の回転を引き起こす。
【0211】
図54A及び
図54Bは、
図55Aの部分組立側面図でも見ることができる例示的な細長内側本体110を示す。細長内側本体110は、細長外側本体の少なくともシャフト部分101の内部に径方向に配設される。細長外側本体100は、細長内側本体に対して軸線方向及び回転方向に移動するように適合されている。これにより、医療器具は、細長内側本体に対して軸線方向及び回転方向に独立して移動することが可能になり、これにより、使用時に、医師が、医療器具の軸線方向の位置及び回転位置をより細かく制御することが可能にするように助けることができる。
【0212】
【0213】
細長内側本体110は、内側シャフト114を含み、本実施形態では、内側シャフト114は、偏向可能なセクション113と、第1の引張要素111(例えば、プルワイヤ)及び第2の引張要素112(例えば、プルワイヤ)と、任意選択的な真直化引張要素116と、を含む。本実施形態では、引張要素111及び112を(後述される)ハンドルアセンブリと組み合わせて使用して、偏向可能なセクション113を偏向させる。偏向セクション113の偏向はまた、細長本体100及び内側本体110の相対位置に起因して、(器具103を含む)細長外側本体100を偏向させる。したがって、内側細長本体を使用して、外側細長本体を偏向させることができる一方で、外側細長本体は、内側細長本体に対して軸線方向及び回転方向に移動され得る。したがって、医療器具の軸線方向の位置、回転方向の位置、及び偏向可能な位置は、本明細書における外側細長本体及び内側細長本体を使用して独立して制御することができる。したがって、本明細書における装置は、超音波撮像トランスデューサなどの医療器具の微細な制御を可能にする。
【0214】
偏向可能なセクション113では、第1及び第2の軸線方向引張部材は、細長内側本体110の長手方向軸線に平行に延在している。偏向可能なセクション113では、第1及び第2の軸線方向引張部材は、細長内側本体を中心に180度未満離間し、互いから135度未満、90度未満、45度未満、30度未満、25度未満、20度未満、及び10度未満離間している。本実施形態では、第1及び第2の軸線方向引張部材は、互いに非常に近接しているが、概ね、180度未満離間していてもよい。互いに近接していることから、引張部材を介して付与された張力がより緊密に整列されるので、偏向可能なセクション113の偏向がより容易に達成される。
【0215】
図54Aに見られるように、偏向可能なセクション113より近位において、第1及び第2の軸線方向引張部材は、遷移領域において互いからそれており、次いで、操作可能な部分の近位のセクションにおいて互いから180度離間している。本実施形態では、移行セクションは、操作可能なセクション、及び引張要素が180度離れているセクションよりも短い。
【0216】
引張部材が細長内側本体の両側(180度離れて)にあるセクションでは、引張部材が(例えば、以下に説明するようなハンドルアセンブリを介して)張力を付与されたとき張力が細長内側本体の両側に適用される。対向する側に引張部材を有することにより、不要な反対の屈曲が発生するのを低減させるか又は防止し、有利には、急な動きを減少させる。
【0217】
引張部材が180度離れている場所の近位には、
図54Aに示されるように、引張部材が互いに対してより近くに移動する別の移行領域が存在する。この領域において、引張部材をもっと近づけ、任意選択的にハンドルアセンブリにわざわざ引き戻すことにより、ハンドルアセンブリにおいて引張部材を共に引っ張ることがより容易にし得るが、引張部材はすぐ近くにある必要はない。この最近位領域では、第1及び第2の引張部材は、180度未満離間、135度未満、90度未満離間、45度未満離間、35度未満、25度未満、20度未満、及び15度未満離間していてもよい。本実施形態では、第1及び第2の引張部材は、10度未満離間するなど、互いに非常に近接している。
【0218】
本実施形態では、引張部材111、112及び116は、参照番号115で大略的に示された遠位領域を有し、ここでは、引張部材が、細長内側本体110内の編組材料と織り合わされている(例えば、上-下-上など)遠位領域を有する。引張部材を編組材料と織り合わせることは、例えば、一般的に使用されるようなマーカーバンドを必要とせずに、引張部材の遠位端を固定する方法であり得る。引張部材の遠位端を固定するための接着剤の必要性も排除することができる。固定領域115において、引張部材は、偏向セクション113内の内側細長本体の(その用語が医療デバイスの分野で一般的に使用されているので)長手方向軸線に対してより直交して配向される。固定領域115では、引張部材のいずれかが、少なくとも1回転、少なくとも1回転半、少なくとも2回転、少なくとも2回転半、少なくとも3回転、又はそれ以上など、少なくとも1回転以上細長本体の周囲に巻かれ得る。1つ以上の引張部材は、長手方向軸線に対して完全に直交して(すなわち、90度で)配向される必要はないが、例えば、偏向セクション113における引張部材の配向に直交する角度により近い角度であってもよい。例えば、引張部材は、少なくとも5度、少なくとも10度、少なくとも15度、少なくとも20度、少なくとも25度、少なくとも30度(5度の増分で最大90度まで続く)など、長手方向軸線に対して0度~90度の角度で配向してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の引張部材は、ハンドルの近位端から測定したときに、長手方向軸線に対して90度を超える角度で配向され得る。
【0219】
1つ以上の引張部材を織り込んで、引張部材の遠位端を適所に固定させることによって、例えば、引張部材の遠位端を適所に固定するための接着剤及び/又はマーカーバンドを使用することは不要であり得る。これにより、厚さを有するマーカーバンドなどの追加の構成要素を排除することによって、細長本体の外形寸法を低減することができ、細長本体の全体的な輪郭がより小さくなる。これにより、細長内側本体と外側細長本体との間に更なる自由空間を提供することができ、本明細書において詳細に検討されている細長内側本体と外側細長本体との間の拘束が少ない相対的な軸線方向の移動を可能にすることができる。
【0220】
細長内側本体110はまた、この例示的な実施形態では、内側細長本体110が偏向された後に内側細長本体110を真っ直ぐにするための真直化要素として機能するように適合されている第3の引張要素116を含む。本実施形態における偏向可能なセクション113では、真直化要素116は、
図54Bにおいて見ることができる引張部材111及び112からおよそ180度離れている。本実施形態では、偏向可能なセクション113の近位に、真直化要素116が、引張要素111及び112のそれぞれから90度離れている。真直化要素116は、本実施形態のように、真直化要素116の長さに沿って真っ直ぐであり得る(すなわち、それていない)。
【0221】
内側本体とは対照的に外側細長本体内に回転制御を有する装置117は、場合によっては、装置のより良好な回転制御を提供することができる。これは、超音波トランスデューサなどの医療器具のより良好な回転制御を提供することができる。内側細長本体ではなく、外側細長本体内に回転制御を有することにより、装置のトルク付与を最小限に抑えるか又は防止することができる。場合によっては、比較的小さい内側シャフトは、トルク付与がより困難であり、それ故に、医療器具へ回転を提供し得る。回転制御を外側及び比較的大きいシャフトに組み込むことにより、医療器具のトルク付与をより容易にすることができ、それ故に、医療器具のより良好な回転制御を提供することができる。
【0222】
本明細書で論じられるように、本実施形態では、外側細長本体は、細長内側本体に対して軸線方向に(かつ回転して)移動するように適合される。このタイプの設計では、体液(例えば、血液)は外側細長本体と接触するが、偏向可能な細長内側本体と接触することはできない。これは、外側細長本体に対する内側シャフトの遠位方向の移動が起こり得る装置の設計とは対照的である。この設計により、体液が内側細長本体と外側細長本体との間の空間に入ることが可能になり、体液が患者の外側に配設されたハンドルアセンブリと同じくらい後方へ遠くに進む場合がある。したがって、
図53~
図55Cにおける設計において、使用中に流体溶液を遠位に洗い流すための洗浄用ラインが必要とされない。これは、本実施形態及び同様に構成された他の設計に有利であると考えられ得る。
【0223】
図56は、偏向可能なセクション113における断面である、
図55Aにおけるアセンブリにおいて示される断面A-Aを示す。
図53、
図54A、
図54B及び
図55Aからの部品は同様に符号が付されている。
図56において見られるように、引張部材111及び112は、互いに非常に近く、真直化引張部材116から約180度離れている。
【0224】
図56にも示されるように、細長内側本体110は、2層の編組材料119を含み、引張部材は、少なくともこのセクションの場所において、2層の編組材料の間に本質的に挟まれている。環状空間118は、任意選択的な潤滑剤の移動及び空間の自由を可能にする。内側本体110は、例えば、限定するものではないが、任意選択的に潤滑添加剤を含むPebaxなどのポリマー材料で製造されてもよい。内側本体110は、PTFEライナーなどのライナー125を含んでもよい。ケーブル束は、PTFE絶縁材などの1層以上の絶縁層126によって取り囲まれてもよい。外側部材100は、Pebaxなどのポリマー材料127を含んでもよい。外側部材100はまた、PTFEライナーなどの径方向内側ライナー128を含んでもよい。プルワイヤ(例えば、111、112、116)のいずれも、PTFEライナー129などのライナーを有するルーメン内に配設されてもよい。
【0225】
図57A及び
図57Bは、細長外側本体100及び細長内側本体110と動作可能に連通し得る単に例示的なハンドルアセンブリを示す。この例示的な実装において、ハンドルアセンブリ120は、ユーザによって保持されるようにサイズ決めされ構成された外側表面、第1のアクチュエータ121、及び第2のアクチュエータ122を有するハンドル本体123を含む。アクチュエータ121は、細長外側本体100と動作可能に連通することができ、アクチュエータ122は、細長内側本体110と動作可能に連通することができる。アクチュエータ121は、ハンドル本体123に対して(かつ第2のアクチュエータ122に対して)回転され、軸線方向に移動するように適合されている。これにより、アクチュエータ121は、医療器具103の軸線方向の移動及び細長内側本体110の遠位端に対する医療器具103の回転を引き起こすことができる。第2のアクチュエータ122は、ハンドル本体123に対して作動される(例えば、本実施形態において回転される)ように適合されており、これにより、操作可能なセクションにおいて細長内側本体110の偏向を生じさせる。例えば、ハンドルアセンブリは、引張部材(例えば、引張部材111、112及び116)の近位端とインターフェースする内部の構成要素を有することができ、これにより、アクチュエータ122の作動により、細長内側本体、それ故に、内側シャフト及び外側シャフトの相対的位置に起因して医療器具の偏向を引き起こすように1つ以上の引張部材に張力を付与する。本実施形態では、アクチュエータ121はアクチュエータ122の遠位にあるが、他の設計では、アクチュエータ121及びアクチュエータ122の相対位置を逆転させると考えられる。
図57Bは、アクチュエータ121が
図57Aのアクチュエータ121の位置の遠位に前進した後のハンドルアセンブリ120を示す。この遠位の前進により、外側細長本体100を遠位に前進させ、それ故に、医療器具を遠位に前進させる。アクチュエータ121は、同様に、
図57Bのアクチュエータ121の位置の近位に後退させることができ、医療器具の近位方向の移動を引き起こす。
【0226】
他の設計では、アクチュエータ121は、細長内側本体110と動作可能に連通していると考えられ、アクチュエータ122は、細長本体100と動作可能に連通することができる。
【0227】
外側細長本体が細長内側本体に対して並進することをより良好に可能にするために、ハンドルアセンブリ内の1つ又は引張部材(例えば、プルワイヤ)に弛みが加えられてもよい。
【0228】
図55B及び
図55Cは、外側細長本体の回転移動(「R」)及び軸線方向の移動(L1対L2)を示す。内側細長本体の偏向により、図示されるように外側細長本体の偏向を引き起こす。様々な種類の移動が、他の種類の移動に対していかなる時でも生じ得る。
【0229】
本明細書に記載されるように、外側シャフトは、内側偏向可能シャフトに対して軸線方向に移動することができる。外側シャフトは、外側シャフトの少なくとも一部分の長さに沿って剛性(例えば、デュロメータ)が変化する材料のセクションを含んで構成され得る。例えば、第2の部分の遠位にある第1の部分は、第2の部分よりも低いデュロメータを有し得る。外側シャフトは、偏向可能な内側シャフトに対して軸線方向に移動することができ、外側シャフトの剛性は外側シャフトの長さに沿って変化し得るため、デバイス全体の程度(又は量)を含む偏向は、(内側シャフトに対する)外側シャフトの軸線方向の位置を制御することによって選択的に制御することができる。したがって、外側シャフトの軸線方向の移動により、デバイスの偏向を選択的に制御することができる。例えば、ユーザ(例えば、医師)は、外側シャフトを内側シャフトに対して軸線方向に移動させることによって、(遠位端から測定された)デバイスの長さに沿って屈曲が生じる場所を変更又は制御することができる。加えて、例えば、外側シャフトにおける多様な剛性のセクションにより、偏向可能な内側シャフトに対する外側シャフトの相対位置に応じて、より多くの又はより少ない偏向を可能にすることができる。例えば、外側シャフトが比較的高い剛性を有する領域で内側シャフトを偏向させることにより、内側シャフトは、外側シャフトがより低い剛性を有する領域で偏向されるときよりも、偏向が小さくなり得る。
【0230】
【0231】
医療装置130(又は独立して、細長内側本体132及び細長外側本体131のうちのいずれか一方)は、
図57A及び
図57Bにおいて示されるハンドルアセンブリ120を含む、本明細書におけるハンドルアセンブリのいずれかと動作可能に連通することができる。
【0232】
【0233】
【0234】
図59Aは、ハンドルアセンブリのいくつかの内部の構成要素が見られるようにハンドル本体141の一部分が取り除かれたハンドルアセンブリ140の側面図である。ハンドルアセンブリ140は、第1のアクチュエータ143及び第2のアクチュエータ142を含み、本実施形態では、第1のアクチュエータ143は、第2のアクチュエータ142の遠位にある。
図36Aに示されるアクチュエータ1230と同様に、第1のアクチュエータ143は、ハンドル本体に対してかつ第2のアクチュエータ(本実施形態ではアクチュエータ142)に対して軸線方向に移動され、回転される両方を行うことができる。第1のアクチュエータ143は、外側細長本体100(
図53を参照)又は外側細長本体131(
図58Bを参照)などの外側細長本体と動作可能に連通している。アクチュエータ143の軸線方向の(遠位の又は近位へ)移動は、外側細長本体の軸線方向の移動を引き起こし、一方、アクチュエータ143の回転は、外側細長本体の回転を引き起こす。第2のアクチュエータ142は、内側細長本体110(
図54Aを参照)又は内側細長本体132(
図58Aを参照)などの内側細長本体と動作可能に連通している。本実施形態の回転における第2のアクチュエータ142の作動は、内側細長本体の偏向(又は屈曲)を引き起こす。本実施形態と
図37A及び
図37Bに示す実施形態との間の例示的な差は、本実施形態では、回転可能かつ軸線方向に移動可能なアクチュエータ(すなわち、第1のアクチュエータ143)が外側細長本体と動作可能に連通しているが、
図37A~
図37Bでは、回転可能かつ軸線方向に移動可能なアクチュエータ1230は、内側細長本体と動作可能に連通していることである。
【0235】
第1のアクチュエータ143は、第1のアクチュエータ143の移動がアセンブリ150の移動を引き起こすように、
図59Bの分解図に示される細長外側本体の移動アセンブリ150に動作可能に連結されている。細長外側本体の移動アセンブリ150は、細長外側本体に同様に連結されており、第1のアクチュエータの移動はまた、細長外側本体の移動を引き起こす。本実施形態では、外側細長本体は、チャネル156内に挿入された後に、除去可能な部品153に取り付けられてもよい。除去可能な部品153及びチャネル156は、除去可能な部品153が、チャネル156に挿入されたときに、チャネル156の少なくとも1つの内側表面によって拘束されるように構成されてもよい。細長外側本体の移動アセンブリ150はまた、第1のアクチュエータ143に固定されている遠位ヘッド部分151を含む。細長外側本体の移動アセンブリ150はまた、第1のアクチュエータ143の回転を制限することによって外側細長本体の回転を制限する、本明細書に記載されているものと同様の回転制限機構を含む。回転制限サブアセンブリ、機能性、及び使用に関する上記の開示のいずれも、全ての目的のために本実施形態に組み込まれ、この設計及び同様の設計に組み込まれてもよい。回転中、(
図59Bに示される)部品157は、部品161と相互作用し、部品162は部品158と相互作用する。これら2組の部品の物理的相互作用は、例えば、外側本体の回転の最大630度までの回転を制限する(他の実施形態では、許容される回転は、例えば、720度以下など630度超であると考えられる)など、所望の回転制限に回転を制限する。
【0236】
例えば、使用後に外側細長本体を清浄化することが所望される場合、部品153が損傷又は破壊された場合に、除去可能な部品153又は新しい除去可能な部品に再挿入及び再取り付けされる前に、除去可能な部品153は、外側細長本体から除去されて、外側細長本体をハンドルアセンブリから除去、清浄化することができる。
【0237】
ハンドルアセンブリ140はまた、第2のアクチュエータ142と動作可能に連通している内側細長本体の偏向アセンブリ146を含む。内側細長本体の偏向アセンブリ146は、第2のアクチュエータ142が回転されるときに回転するように適合及び構成された中央歯車147を含む。中央歯車147は、個々の歯車付きインターフェースを介して第1のスピンドル148及び第2のスピンドル149のそれぞれの歯車と接続し、中央歯車147の回転によってスピンドルの反対方向の回転を生じさせる。スピンドル148及び149は、
図39C~
図41の実施形態を参照して記載されたスピンドル1400と同様であり、
図39C~
図41におけるスピンドルを参照した本開示のいずれかは、1本以上のプルワイヤとインターフェースして、内側細長本体の偏向を引き起こす方法を含む、本実施形態におけるスピンドルに組み込まれてもよい。スピンドルを含む内側細長本体の偏向アセンブリ146は、細長外側本体の移動アセンブリ150よりも更に近位に延在している。内側細長本体は、外側細長本体を通って延在し、ハンドルアセンブリ150内の外側細長本体及び外側細長本体移動アセンブリ150よりも更に近位に延在している。これにより、内側細長本体の一部である1本以上のプルワイヤは、径方向外側に延在し、かつプルワイヤとスピンドルとの間に動作可能な連通を生成するリール160とのインターフェースを可能にする。リール160は、
図39C~
図41における実施形態におけるリール1407と同様又は同じであってもよく、リール1407に関連する任意の好適な開示がリール160に組み込まれてもよい。
【0238】
細長外側本体の移動アセンブリ150と細長内側本体の移動アセンブリ146との間の相互作用の欠如により、内側及び外側細長本体が、第1のアクチュエータ143及び第2のアクチュエータ142によって独立して制御されることを可能にする。
【0239】
ハンドルアセンブリ150はまた、ハンドル本体141内に配設されたプリント回路基板(「PCB」)170を含み、PCBは、
図53におけるケーブル束105又は超音波トランスデューサなどの医療器具と連通する本明細書におけるケーブル束のいずれかなどのケーブル束又は他の(複数の)電気接続部と電気的に連通している。
【0240】
ハンドルアセンブリ150はまた、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータのうちの少なくとも一方がホーム又は中立位置に対して回転される程度をユーザに示すか、又は指示するために使用され得る任意の回転インジケータ180を含む。第1のアクチュエータ143は、
図60に示すように、第1のアクチュエータ143が中立位置にあるとき、回転インジケータ180と軸線に沿って位置合わせされている回転インジケータ181を含むことができる。第1のアクチュエータ143が回転されると、回転インジケータ181は、回転インジケータ180が延在する軸線に対して回転され、これにより、ユーザは、第1のアクチュエータ143、それ故に、細長外側本体及び医療器具が中立位置に対してある程度回転していることを視覚的に理解することができる。同様に、第2のアクチュエータ142はまた、
図60に示すように、第2のアクチュエータ142が中立位置にあるとき、回転インジケータ180と軸線に沿って位置合わせされている回転インジケータ182を有してもよい。第2のアクチュエータ143が回転されると、回転インジケータ182は、回転インジケータ180が延在する軸線に対して回転され、これにより、ユーザは、第2のアクチュエータ143、それ故に、細長内側本体が中立位置に対してある程度偏向されていることを視覚的に理解することができる。
【0241】
いくつかの代替的な実施形態では、ハンドルアセンブリは、外側細長本体に対してどのくらいの回転が生じたか、又は内側細長本体においてどのくらいの偏向が生じたかを追跡するための1つ以上のセンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリは、アクチュエータごとのエンコーダを含むことができる。
【0242】
外側細長本体及び内側細長本体を含む本明細書における実施形態のいずれかにおいて、デバイスは、内側細長本体と外側細長本体との間に1つ以上の潤滑剤を含んで、外側細長本体と内側細長本体との間の摩擦を低減することによって、内側細長本体及び外側細長本体を互いに対して移動させることをより容易にすることができる。再使用のために医療デバイスを清浄化する必要がある場合、清浄化プロセス後に、内側細長本体と外側細長本体との間に追加の潤滑剤が添加されてもよい。
【0243】
使用されている間、医療デバイスのハンドルの移動を安定化、最小化、又は医療デバイスのハンドルの位置を維持することが可能であることが有益であり得る。例えば、医師は、ハンドルを常に保持しなければならないことを望まない場合があるが、ハンドルが患者に対して特定の位置に留まることを望む場合がある。ここで、医師は、単に患者の身体の一部分にわたってハンドルを配置してもよいが、ハンドルは、患者の上に置かれるとすぐに移動することができる。加えて、例えば、特定の医療デバイスが使用時に安定化され、医療デバイスの1つ以上の遠位部分の不要な移動を回避することが所望され得る。尚、更に、例えば、医師は、一方の手を他の何かのために使用しながら、他方の手のみでハンドルを保持することを所望する場合があり、ハンドルを移動させることを所望しない場合がある。
図61Aは、以下のうちの少なくとも1つなど、以前に列挙された機能又は利益のいずれかを提供し、患者の一部に対して医療デバイスのハンドルを安定化させ、患者の一部などに対してハンドルの動きを最小化することができる例示的なハンドル安定化部材190を示す。ハンドル安定化部材190は、ハンドル受容ガイド191及び患者インターフェース192、並びに任意選択的な安定化補助部193を含む。ガイド191は、ハンドルの一部分と安定的にインターフェースすることを可能にする任意の構成を含んで構成されて、
図61Bに示される例示的なハンドルアセンブリにおける単に例示的なハンドル部分195などのハンドルの動きを安定化又は最小化するのを助けることができる。例えば、本実施形態では、ガイド191は、ハンドル部分195の湾曲形体とインターフェースする湾曲形体を有する。本実施形態では、湾曲形体は、概ねU字形を有するが、概ねC字形状のような任意の他の湾曲形状、又は湾曲形体を画定することが困難な任意の他の湾曲形体であってもよい。ガイドはまた、ハンドルの一部分と安定的にインターフェースすることができる任意の曲線形体を含んで構成されてもよい。ガイドは、代替的に、平坦な表面(例えば、部分正方形又は部分矩形)のみを有してもよい。
【0244】
ガイドは、少なくとも1つの方向(例えば、左右、近位-遠位など)におけるハンドルの移動を防止するように構成することができる。ハンドルの移動に対する制約はまたハンドルの構成に依拠し得る。例えば、ガイド191は、チャネルとして構成され、ハンドルが開放領域から上方に持ち上げられることを可能にしながら、左右の移動を防止するように適合されている。真円柱のハンドルがガイド191内に配置された場合、円柱はまた、ガイド191内で近位又は遠位に移動すると考えられる。
図61Bにおけるハンドル部分195などのハンドル部分は、ガイド191とのインターフェース時にハンドルの移動を更に制限又は最小化することができる1つ以上の移動制限領域196及び197を含んで構成され得る。例えば、移動制限領域196及び197は、移動制限領域196と移動制限領域197との間の中央領域よりも大きい外形寸法を有し、ハンドル部分195が上からガイド191内に配置されると、移動制限領域196及び197の相対的に大きい寸法に起因して、領域197は、ハンドルの純粋な遠位方向の移動を防止し、領域196は、純粋な近位方向の移動を防止する。ハンドルは、代替的に、移動制限領域を1つだけ又は2つ以上を有すると考えられる。領域196と領域197との間の中央領域、並びにガイド191は、ハンドル部分195及びガイド191が締まりばめとインターフェースするようにサイズ決めされ得る。
【0245】
安定化部材190は、患者の一部分とインターフェースし、任意選択的に適合するように構成されている患者インターフェース192を含む。本実施形態では、インターフェース192が患者の脚とインターフェースし、患者の脚に適合することが想定されるが、任意の他の表面(例えば、腕、胴体、手首など)とインターフェースし、任意の他の表面に適合するように、任意の他の構成を有すると考えられる。部分192は、図示される構成で製造された剛直性材料又は半剛直性材料であってもよく、あるいは様々な患者により容易に適合することができる可撓性材料であってもよい。例えば、部分92は、患者の上に置かれたときに安定化部材190の位置を維持するのに十分な剛性を有するが、包装及び/又は保管中の空間を節約するために巻き上げられるなど、使用されていないときに変形するのに十分な柔軟性を有するポリマー材料であると考えられる。柔軟性であっても、部分192は、部分192が配置される患者の部分の構成をより自然に想定するように製造することができる。例えば、部分192は、柔軟性/折り畳み可能であってもよいが、
図61Aに図示される湾曲形体などの、より湾曲した形体に向かって反転するか、又はより湾曲した形体を想定する自然な傾向を有することができる。部分192の例示的な形体としては、脚及び腕又は身体の他の部分へのより良好な適合性を促進し得る、概ねU字形状、C字形状などが挙げられる。患者インターフェース部材192はまた、剛直性であり、変形不可能であってもよく、任意の所望の形体で製造することができる。
【0246】
安定化部材190はまた、この例示的な実施形態では、ハンドルが配置されるガイドセクション191に対してカウンター・ウェイトとして作用することができる任意選択的な追加の安定化補助部材193を含む。安定化補助部分193は、ガイド内のハンドルの重量を相殺するように、所望の重量を提供する任意の所望の形状、構成、及び/又は材料を有することができる。部分193は任意であり、必要でない場合がある。いくつかの実施形態では、部分193は、カウンター・ウェイト機能を提供する異なる材料で製造することができる。
【0247】
本実施形態では、安定化補助部材193は、安定化部材190の一端に図示され、他端にガイド191を備え、一端と他端との間に患者インターフェース/適合部分を備える。
【0248】
図61Bは、
図61Aにおける例示的なハンドル安定化部材と共に使用されるように構成されている例示的なハンドルアセンブリを示す。
図61Bにおけるハンドルアセンブリは、本明細書におけるハンドルアセンブリのいずれかと同じ又は類似であってもよい。他のハンドルアセンブリを安定化部材190と共に使用することができる。
【0249】
〔実施の態様〕
(1) 血管内カテーテルであって、
ハンドルアセンブリに固定された近位領域を有する外側シャフトと、
前記外側シャフトの遠位端に軸線方向に固定された医療器具と、
前記外側シャフト内に配設された内側シャフトであって、前記ハンドルアセンブリに固定された近位領域を有する、内側シャフトと、を備え、
前記ハンドルアセンブリは、前記外側シャフトと動作可能に連通した第1のハンドルアクチュエータを備えることによって、第2のハンドルアクチュエータに対する前記第1のハンドルアクチュエータの作動によって、前記外側シャフト及び前記医療器具が前記内側シャフトに対して回転するようにし、
前記第2のハンドルアクチュエータは、前記内側シャフトと動作可能に連通することによって、前記第2のハンドルアクチュエータの作動により前記内側シャフトが偏向することによって、前記外側シャフトの偏向が生じるようにする、血管内カテーテル。
(2) 前記第2のハンドルアクチュエータは、前記内側シャフトに沿って延在し、かつ前記内側シャフトの偏向可能なセクションの遠位端において固定された、1つ以上の引張要素によって前記内側シャフトと動作可能に連通している、実施態様1に記載のカテーテル器具。
(3) 前記第2のハンドルアクチュエータの作動により、前記1つ以上の引張要素に張力の付加が生じることによって、前記内側シャフトの偏向が生じる、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記第2のハンドルアクチュエータは、回転するが、軸線方向に移動しないよう適合されるように、前記ハンドルアセンブリに固定されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記第2のハンドルアクチュエータは、前記ハンドルアセンブリ内の中央歯車と回転自在に連通しており、前記外側シャフト及び前記内側シャフトは、前記中央歯車を通って延在している、実施態様1に記載のカテーテル。
【0250】
(6) 前記中央歯車は、前記中央歯車よりも、ハンドルアセンブリの軸線から更に径方向に離れているスピンドルギアと回転自在に連通している、実施態様5に記載のカテーテル。
(7) 内側シャフト引張要素は、前記スピンドルの周りに巻き付けられている、実施態様6に記載のカテーテル。
(8) 前記スピンドルは、前記外側シャフトの近位端よりも更に近位に延在している、実施態様6に記載のカテーテル。
(9) 内側シャフトは、前記第2のハンドルアクチュエータが作動されたときに前記内側シャフトが偏向するように適合された偏向部分を備え、前記偏向部分は、前記偏向部分の近位に配設されている前記内側シャフトの近位領域よりも柔軟である、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記第1のハンドルアクチュエータは、回転しかつ前記第2のハンドルアクチュエータに対して軸線方向に移動するよう適合されるように、前記ハンドルアセンブリに対して固定されており、前記第1のハンドルアクチュエータの軸線方向の移動によって、前記内側シャフトに対する前記外側シャフト及び前記医療器具の軸線方向の移動が生じる、実施態様1に記載のカテーテル。
【0251】
(11) 前記内側シャフトは、第1及び第2の軸線方向に延在するプルワイヤを備え、前記内側シャフトの偏向セクションにおいて、前記第1及び第2の軸線方向に延在するプルワイヤは、前記内側シャフトを中心に180度未満、任意選択的に135度未満、任意選択的に90度未満、任意選択的に45度未満、任意選択的に30度未満、任意選択的に20度未満、任意選択的に10度未満離れている、実施態様1に記載のカテーテル。
(12) 前記偏向セクションの近位の前記内側シャフトの一部において、前記第1及び第2の軸線方向に延在するプルワイヤは互いからそれており、前記内側シャフトを中心に互いに約180度(+/-5度)離れている、実施態様11に記載のカテーテル。
(13) 前記内側シャフトは、前記内側シャフトが偏向された後に前記内側シャフトを真っ直ぐにするように、前記第1及び第2のプルワイヤに対して位置付けられている第3の軸線方向に延在するプルワイヤを更に備える、実施態様11に記載のカテーテル。
(14) 前記第1及び第2のプルワイヤはそれぞれ、前記内側シャフト内の編組材料内に織り込まれている、実施態様11に記載のカテーテル。
(15) 前記第1及び第2のプルワイヤはそれぞれ、遠位領域を有し、前記遠位領域は、前記プルワイヤの前記遠位領域を前記シャフトに固定するように前記内側シャフト内の編組材料内に織り込まれており、前記遠位領域はそれぞれ、前記内側シャフトの操作可能なセクションよりも長手方向軸線に対してより直交して延在している、実施態様11に記載のカテーテル。
【0252】
(16) 前記遠位領域はそれぞれ、前記内側シャフトの周りに少なくとも1回転巻き付いている、実施態様15に記載のカテーテル。
(17) 前記外側シャフト及び前記内側シャフトは同軸である、実施態様1に記載のカテーテル。
(18) 前記内側シャフト及び前記外側シャフトのうちの1つ以上は編組材料を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(19) 前記内側シャフトは、編組材料の内層及び編組材料の外層を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(20) 前記編組材料の内層及び前記編組材料の外層は、編組構造体の密度及び編組構造体のパターンのうちの1つ以上において異なる、実施態様19に記載のカテーテル。
【0253】
(21) 前記医療器具は撮像素子を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(22) 前記医療器具は超音波トランスデューサを備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(23) 前記医療器具はアブレーション素子を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(24) 前記外側シャフトは、異なる剛性を有する、軸線方向に離間された少なくとも第1及び第2のセクションを有し、前記異なる剛性によって、前記カテーテルの遠位端に対する前記カテーテルの偏向されたセクションの位置、又は前記カテーテルが偏向されたときの前記カテーテルの湾曲の度合いのうちの1つ以上が選択的に制御される、実施態様1に記載のカテーテル。
(25) 前記医療器具はポリマー本体内に包み込まれ、前記ポリマー本体は1つ以上のポリマー材料を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0254】
(26) 前記医療器具に電気的に結合されたケーブル束を更に備え、前記ケーブル束は、前記内側シャフトを通って延在し、前記内側シャフトに対して軸線方向に移動可能である、実施態様1に記載のカテーテル。
(27) 前記外側シャフトの遠位端は、前記内側シャフトの遠位端よりも更に遠位に延在している、実施態様1に記載のカテーテル。
(28) 前記カテーテルは洗浄用ラインを備えていない、実施態様1に記載のカテーテル。
(29) 前記第1のハンドルアクチュエータは、前記第2のハンドルアクチュエータより遠位にある、実施態様1に記載のカテーテル。
(30) 前記第1のハンドルアクチュエータ及び前記第2のハンドルアクチュエータは、前記ハンドルアセンブリの遠位端に配設されている、実施態様1に記載のカテーテル。
【0255】
(31) 前記第1のハンドルアクチュエータが中立位置にあるとき、前記第1のハンドルアクチュエータは、前記第2のハンドルアクチュエータに直接隣接している、実施態様1に記載のカテーテル。
(32) カテーテルを制御する方法であって、
第1のハンドルアクチュエータを作動させて、カテーテル内側シャフトに対する外側カテーテルシャフトの回転を生じさせることであって、前記外側シャフトは、ハンドルアセンブリに固定された近位端と、医療器具に対して軸線方向に固定された遠位端と、を有する、ことと、
前記第1のハンドルアクチュエータを作動させて、前記内側カテーテルシャフトに対する前記外側シャフトの軸線方向の移動を生じさせることと、
第2のハンドルアクチュエータを作動させて、前記内側カテーテルシャフトの偏向を生じさせることによって、前記外側カテーテルシャフトの偏向を生じさせることと、を含む、方法。
(33) 前記外側カテーテルシャフト及び前記内側カテーテルシャフトの相対的な軸線方向の位置を制御することによって、前記外側カテーテルシャフトの偏向の度合いを制御することを更に含む、実施態様32に記載の方法。
(34) 前記偏向の度合いを制御することは、前記内側カテーテルシャフトの偏向セクションが前記外側カテーテルシャフトの相対的により柔軟なセクションに隣接する位置にあるときに、前記第2のハンドルアクチュエータを作動させることによって、前記外側カテーテルシャフトの前記偏向の度合いを増加させることを含む、実施態様33に記載の方法。
(35) 前記偏向の度合いを制御することは、前記内側カテーテルシャフトの偏向セクションが前記外側カテーテルシャフトの相対的により剛性なセクションに隣接する位置にあるときに、前記第2のハンドルアクチュエータを作動させることによって、前記外側カテーテルシャフトの前記偏向の度合いを減少させることを含む、実施態様33に記載の方法。
【0256】
(36) 前記第2のハンドルアクチュエータを作動させて、前記内側カテーテルシャフトの偏向を生じさせることは、時間的に、前記第1のハンドルアクチュエータを作動させて、前記外側シャフトの軸線方向の移動を生じさせることの後に起こる、実施態様32に記載の方法。
(37) 第1のハンドルアクチュエータを作動させて、外側カテーテルシャフトの回転を生じさせることは、前記第1のハンドルアクチュエータを回転させることを含む、実施態様32に記載の方法。
(38) 前記第1のハンドルアクチュエータを作動させて、前記内側カテーテルシャフトに対する前記外側シャフトの軸線方向の移動を生じさせることは、前記第1のハンドルアクチュエータを軸線方向に移動させることを含む、実施態様37に記載の方法。
(39) 前記第2のハンドルアクチュエータを作動させて、前記内側カテーテルシャフトの偏向を生じさせることによって、前記外側カテーテルシャフトの偏向を生じさせることは、前記第2のハンドルアクチュエータの回転を含む、実施態様32に記載の方法。
(40) 前記第2のハンドルアクチュエータを作動させることは、前記内側カテーテルシャフトの遠位領域に固定された1つ以上のプルワイヤを引っ張ることを含む、実施態様32に記載の方法。
【0257】
(41) 前記第2のハンドルアクチュエータを作動させることは、複数の歯車を回転させ、前記ハンドルアセンブリ内の1つ以上のスプールの周りに前記1つ以上のプルワイヤを巻き付けることを含む、実施態様40に記載の方法。