(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】カテーテルシステムのための低引張セプタム
(51)【国際特許分類】
A61M 39/06 20060101AFI20231218BHJP
A61M 25/06 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
A61M39/06 100
A61M39/06 120
A61M25/06 500
(21)【出願番号】P 2021534115
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(86)【国際出願番号】 US2019045324
(87)【国際公開番号】W WO2020040986
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-05-24
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジテンドラ クマル
(72)【発明者】
【氏名】リンダ クナルディ
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-513267(JP,A)
【文献】特表2015-508010(JP,A)
【文献】特表2004-528127(JP,A)
【文献】特表2013-529116(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0007152(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/06
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢静脈内カテーテルアセンブリが、
セプタムであって、
末端端部および基端端部を有する本体を備え、前記本体の前記末端端部および基端端部がシールされている、本体と、
前記本体の外表面内に配置され、前記本体の長手方向軸に沿って配向されたスロットであって、前記スロットは、前記本体の前記末端端部から離間した末端端部と、前記本体の前記基端端部から離間した基端端部とを備える、スロットと、を備えるセプタムと、
前記スロットを通って延在する導入針と、
を備え
、
前記スロットが潤滑剤で満たされていて、患者に対する血液の液滴の出現を減少させるとともに前記導入針の引張力を低下させ得るようになっている、末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記末梢静脈内カテーテルアセンブリが前記患者に挿入するための挿入位置にあるときに、前記導入針のベベルが上向きであって前記スロットが下向きに向いていて、前記スロット内におよび前記導入針から配置された血液の液滴が前記患者から隠れるようになっている、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記導入針が前記スロットの底部から離間している、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項4】
カテーテルアダプタをさらに備え、前記セプタムが前記カテーテルアダプタ内に配置され、前記カテーテルアダプタの内表面が前記スロットをシールしている、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項5】
セプタムハウジングをさらに備え、前記セプタムが前記セプタムハウジング内に少なくとも部分的に配置され、前記セプタムハウジングの内表面が前記スロットをシールしている、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記セプタムがエラストマーである、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記セプタムが単一ユニットとしてモノリシックに形成されている、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記スロットの長さが前記本体の長さの過半に対応している、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記スロットの深さが前記本体の幅の半分よりも大きい、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記導入針のベベルが上向きであり、前記スロットが下向きである、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記本体内に配置された半環状溝をさらに備え、前記半環状溝は、前記本体の周囲の一部の周りに延在しており、前記スロットは、前記半環状溝の第1の端部と前記半環状溝の第2の端部との間に延在している、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記カテーテルアダプタが、一体化された延長管を有する側面ポートを備える、請求項
4に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
カテーテルは、様々な輸液療法のために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、通常の生理食塩水、各種薬剤、および全非経口栄養剤などの流体を患者に注入するために使用されてもよい。カテーテルはまた、患者から血液を引き出すために使用されてもよい。
【0002】
一般的なタイプのカテーテルは、針上末梢静脈内カテーテル(「PIVC」)である。その名が意味するように、針上PIVCは、鋭利な末端先端を有する導入針の上に取り付けられてもよい。PIVCおよび導入針は、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向いた状態で、導入針の末端先端がPIVCの末端先端を越えて延在するように、組み立てられてもよい。PIVCおよび導入針は、一般に、患者の静脈系内に皮膚を介して浅い角度で挿入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
静脈内の導入針および/またはPIVCの適切な配置を確認するために、ユーザは一般に、PIVCアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されると、ユーザは、PIVCを静脈内の適所に残したまま、静脈内の流れを一時的に閉塞して導入針を除去してもよい。ユーザはまた、流体注入および/または血液の引き出しのための装置をPIVCアセンブリに取り付けてもよい。このプロセスは、多くのPIVC配置部位が単に静脈を容易に閉塞することを可能としないため、実際にはやや困難である。さらに、そのような閉塞が達成された場合でも、それは不完全であり、結果としてPIVCを収容するPIVCアセンブリから血液が漏出し、医療従事者を危険にさらす可能性がある。
【0004】
このように、静脈からの導入針の除去の間およびそれに続く流体の流出を防止するための様々なシールまたは「セプタ」を提供する技術が、PIVCアセンブリにおいて提供されてきた。セプタムは、セプタムとカテーテルアセンブリの壁との間の摩擦および/または接着剤を介して、PIVCアセンブリ内に確保(secure)されてもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、PIVCが静脈内に配置された後、導入針は、セプタムを介してPIVCアセンブリから引き出されてもよい。セプタムは、PIVCアセンブリから導入針を引き出すために、ユーザが導入針に及ぼす必要がある力を有意に増大させてもよい。ユーザがかける力は、患者にとって痛みをもたらしおよび/または静脈からのPIVCの離脱をもたらす可能性がある。
【0006】
ここで主張される主題は、いかなる不利益も解決するおよび上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景は、ここに記載された幾つかの実施形態が実践され得る1つの例示的な技術分野を例示するためだけに提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
本開示は、一般に、カテーテルアセンブリのためのセプタおよび関連するシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、セプタムは、セプタムに関して移動される導入針の引張力を低減してもよい。いくつかの実施形態では、引張力を低減することは、患者の快適性を向上させ、最初の試みでの最初の穿刺の成功または静脈内へのカテーテルの配置を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、引張力は、導入針と接触するセプタムの表面積を減少させることによって低減されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリのセプタムは、末端端部および基端端部を有する本体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体の末端端部および基端端部は、シールされていてもよい。いくつかの実施形態では、セプタムは、本体の外表面内に配置されて本体の長手方向軸に沿って配向されたスロットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、スロットは、本体の末端端部から離間した末端端部と、本体の基端端部から離間した基端端部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、導入針は、スロットを通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、導入針は、スロットの底部から離間してもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタとカテーテルとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、PIVCを有するPIVCカテーテルアセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、一体化された延長管を有する一体化されたカテーテルシステムを含んでもよい。これらおよび他の実施形態では、セプタムは、カテーテルアダプタ内に配置されてもよく、使い捨て用に構成されてもよい。さらなる詳細において、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリが挿入位置にあるときに、セプタムは導入針によって貫通されてもよいが、カテーテルが配置されて導入針がセプタムを通って引き出された後には、セプタムは閉じられたままであってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタの内表面がスロットをシールしてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、セプタムハウジングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタムは、セプタムハウジング内に少なくとも部分的に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタムハウジングの内表面は、スロットをシールしてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、スロットの長さは、本体の長さの過半に対応してもよい。いくつかの実施形態では、スロットの深さは、本体の幅の半分よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、導入針のベベルは上を向いていてもよく、スロットは下を向いていてもよい。いくつかの実施形態では、スロットは、スロット内に配置されたおよび導入針からの血液の液滴が患者から隠れるように、下を向いていてもよい。いくつかの実施形態では、スロットは潤滑剤で満たされていてもよく、これが患者に対する血液の液滴の出現を減少させて引張力を低下させてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、セプタムは、本体内に配置された半環状溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、半環状溝は、カテーテルアダプタ内でのセプタムの確保を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、半環状溝は、本体の周囲の一部の周りに延在していてもよい。いくつかの実施形態では、スロットは、半環状溝の第1の端部と半環状溝の第2の端部との間に延在してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、セプタムはチャネルを含んでもよく、これはセプタム内に配置されて本体の長手方向軸に沿って配向されてもよい。これらおよび他の実施形態では、セプタムは、単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、本体の内表面によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、導入針は、チャネルを通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、導入針は、本体の内表面から離間していてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの少なくとも一部は、全体としてシリンダ状であってもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの長さは、本体の長さの過半に対応してもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、セプタムは、本体の外表面からチャネルまで延在するスリットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、スリットは、本体の長手方向軸に沿って配向されてもよい。いくつかの実施形態では、スリットは、セプタムがカテーテルアダプタのルーメン内に配置されているときに閉じられていてもよい。いくつかの実施形態では、スリットは、本体の全体の長さにわたって延在してもよい。いくつかの実施形態では、スリットは、本体の長さにわたって部分的に延在してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、セプタムは、半環状溝または環状溝を含んでもよく、これは、カテーテルアダプタ内でのセプタムの確保を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、スリットは、半環状溝または環状溝を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、セプタムは、射出成形によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタムはエラストマーであってもよい。いくつかの実施形態では、セプタムは、スリットが開いた状態で膨らんだ位置に成形されて、金型の挿入およびチャネルの形成を可能にしてもよい。
【0016】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はいずれも例示的で説明的なものであり、請求されたように本発明を制限するものではないことが理解されるであろう。様々な実施形態は、図面に示された配置および装置に限定されないことが理解されるべきである。また、様々な実施形態を組み合わせてもよく、他の実施形態を利用してもよく、また、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、構造的な変更を行ってもよいことも理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味でとられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
例示的な実施形態が、添付の図面を使用して、さらなる特定によりおよび詳細にわたって詳述され、説明される。
【0018】
【
図1A】
図1Aは、先行技術の例示的なカテーテルアセンブリの上側斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aのカテーテルアセンブリと共に使用され得る先行技術のセプタムの上側斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、スロットを有する例示的なセプタムの上側斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、線2B-2Bに沿った
図2Aのセプタムの断面図である。
【
図2C】
図2Cは、いくつかの実施形態による、第1の位置に配向された
図2Aのセプタムを示す、例示的なカテーテルアセンブリの上側斜視図である。
【
図2D】
図2Dは、いくつかの実施形態による、第2の位置に配向された
図2Aのセプタムを示す、カテーテルアセンブリの上側斜視図である。
【
図2E】
図2Eは、いくつかの実施形態による、
図2Dのカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、スロットを有する別の例示的なセプタムの上側斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、線3B-3Bに沿った
図3Aのセプタムの断面図である。
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施形態による、例示的なセプタムハウジング内に配置された
図3Aのセプタムの上側斜視図である。
【
図3D】
図3Dは、いくつかの実施形態による、
図3Cのセプタムおよびセプタムハウジングの分解図である。
【
図3E】
図3Eは、いくつかの実施形態による、
図3Cのセプタムおよびセプタムハウジングの部分的な切断図である。
【
図3F】
図3Fは、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルアセンブリにおける
図3Cのセプタムおよびセプタムハウジングの断面図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、チャネルを有する例示的なセプタムの上側斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、線4B-4Bに沿った、
図4Aのセプタムの断面図である。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態による、
図4Aのセプタムを含む例示的なカテーテルアセンブリの上側斜視図である。
【
図4D】
図4Dは、いくつかの実施形態による、線4D-4Dに沿った
図4Cのカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による、部分的に引き出された例示的な導入針を示す、別のカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態による、
図5Aのカテーテルアセンブリの一部の拡大図である。
【
図5C】
図5Cは、いくつかの実施形態による、別の例示的なセプタムの上側斜視図である。
【
図5E】
図5Eは、いくつかの実施形態による、例示的なセプタムホルダの上側斜視図である;および
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態の説明
今、
図1A~1Cを参照すると、先行技術のカテーテルアセンブリ10が図示されている。カテーテルアセンブリ10は、カテーテルアセンブリ10のカテーテルアダプタ14のルーメン内に配置されたセプタム12を含んでもよい。カテーテル16は、カテーテルアダプタ14から末端に延在してもよい。セプタム12は、例えば、BD INTIMA II(商標)IVカテーテルのセプタムに対応していてもよい。カテーテルアセンブリ10のカテーテル16が患者の静脈内に配置されていることをユーザが確認した後、カテーテルアセンブリ10の導入針18は、カテーテル16のみを静脈内の適所に残して、患者およびカテーテルアセンブリ10から引き出されてもよい。
図1Cに図示されているように、セプタム12内に配置された導入針18の全体の部分がセプタム12に接触して、導入針18が患者およびカテーテルアセンブリ10から基端に引き出される際に高い引張力を生じさせることがある。導入針18とセプタム12との間の大きな摩擦は、導入針18が患者から引き出される際に患者に不快感を与え、および/またはカテーテルアセンブリ10のカテーテル16が患者の静脈から外れてしまうことがある。
【0020】
次に
図2A~2Cを参照すると、いくつかの実施形態では、セプタム20は、患者およびカテーテルアセンブリ24からの導入針22の基端方向への引き出しの間に、セプタム20に関して移動する導入針22の引張力を減少させてもよい。いくつかの実施形態では、引張力を低減することは、患者の快適性を向上させてもよく、最初の試みでの最初の穿刺の成功または静脈内へのカテーテル26の配置を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、引張力は、導入針22に接触するセプタム20の表面積を減少させることによって低減されてもよい。いくつかの実施形態では、導入針22の基端端部は、針ハブ27に確保されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ24のセプタム20は、末端端部30および基端端部32を有する本体28を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体28の末端端部30および本体28の基端端部32は、シールされていてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、導入針22の保管および使用中に導入針18についてのシールを提供してもよく、その後、導入針22が引き出されたときにカテーテルアセンブリ24をシールして、流体の漏出を防止してもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、セプタム20を介して導入針22を挿入する前に、長手方向軸36に沿って予めスリットが設けられていてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、長手方向軸36に沿って予めスリットが設けられていなくてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、本体28の末端端部30は、カテーテルアセンブリ24のユーザから最も遠く患者に最も近い位置に配置されて、一次シールとして機能し、カテーテルアセンブリ24からの血液の漏出を防止してもよい。いくつかの実施形態では、本体28の基端端部32は、二次シールとして機能してカテーテルアセンブリ24からの血液の漏出を防止してもよい。いくつかの実施形態では、末端端部30および/または基端端部32は、導入針22が引き出される際にそれを拭いてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、エラストマーまたは弾力性のある材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、シリコーンおよび/またはゴムで構成されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、より少ない材料使用量およびコストの節約をもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、1ピースまたはマルチピースのセプタムを含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、セプタム20は、本体28の外表面内に配置されていて本体の長手方向軸36に沿って配向されたスロット34を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スロット34は、本体28の末端端部30から離間した末端端部38と、本体28の基端端部32から離間した基端端部40とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、導入針22は、スロット34を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、導入針22は、スロット34の底部42から離間していてもよい。いくつかの実施形態では、スロット34は、導入針22の摩擦を低減してもよい。いくつかの実施形態では、セプタムは、本体28の末端端部30および基端端部32においてのみ導入針に接触してもよい。いくつかの実施形態では、スロット34は、様々な形状を有していてもよい。いくつかの実施形態では、スロット34は、全体として長方形であってもよい。いくつかの実施形態では、末端端部38と基端端部40との間に配置されたスロット34の側面は、例えば
図2Aに図示されているように、真っ直ぐであってもよく、または別の形状であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ24は、カテーテルアダプタ44とカテーテル26とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ24は、PIVCカテーテルアセンブリを含んでもよく、カテーテル26がPIVCを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ24は、カテーテルアダプタ44の側面ポートから延在する一体的な延長管46を有する一体的なカテーテルシステムを含んでもよい。これらおよび他の実施形態ではセプタム20は、カテーテルアダプタ44内に配置されていてもよく、使い捨て用に構成されていてもよい。さらなる詳細において、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ24が患者に挿入するための挿入位置にあるときに、導入針22はセプタム20を貫通してもよいが、カテーテル26が静脈内に配置され導入針22がセプタムを通って基端に引き出された後、セプタム20は閉じられたままであってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、スロット34の長さ48は、本体28の長さ50の過半に対応してもよい。いくつかの実施形態では、スロット34の深さ52は、本体28の幅54の半分よりも大きくてもよく、これはスロット34を通って延在する導入針22の一部がスロット34に接触することを妨げてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、カテーテルアダプタ44内に様々な配向で配置されてもよい。
図2Cは、カテーテルアセンブリ24が挿入位置にあるときに、スロット34がカテーテルアダプタ44の側面に面しているセプタム20を図示している。他の実施形態では、カテーテルアセンブリ24が挿入位置にあるとき、スロット34は、カテーテルアダプタ44の頂部または底部を向いていてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ44の内表面がスロット34をシールしてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、セプタム20は溝56を含んでもよく、これは本体28の外表面内に配置されて半環状であってもよい。いくつかの実施形態では、溝56は、カテーテルアダプタ44内でのセプタム20の確保を容易にしてもよい。例えば、カテーテルアダプタ44は、溝56内に嵌まる突起または類似の要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、溝56は、本体28の周囲の一部の周りに延在してもよい。いくつかの実施形態では、スロット34は、溝56の第1の端部58と溝56の第2の端部60との間で延在してもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、少なくとも部分的にセプタムハウジング内に配置されていてもよい。
【0027】
次に
図2D-2Eを参照すると、いくつかの実施形態では、挿入位置では、導入針22のベベルは上向きであってもよく、スロット34が下向きまたはカテーテルアダプタ44の底部に向かっていてもよい。いくつかの実施形態では、例えば
図2D-2Eに図示されているように、スロット34が下向きに向いていて、スロット34内におよび導入針22から配置された血液の液滴が患者から隠れるようにしてもよい。いくつかの実施形態では、スロット34は潤滑剤で満たされていてもよく、これは患者に対する血液の液滴の出現を減少させるとともに引張力を低下させてもよい。
【0028】
次に
図3A-3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ62は、セプタム64を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ62は、
図2のカテーテルアセンブリ24を含んでもよいしこれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ62は、カテーテルアセンブリ24の1つ以上の特徴または要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ24は、カテーテルアセンブリ62の1つ以上の特徴または要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム64は、
図2のセプタム20を含んでもよいしこれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、セプタム64は、セプタム20の1つ以上の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20は、セプタム64の1つ以上の特徴を含んでもよい。
【0029】
次に
図3C~3Fを参照すると、いくつかの実施形態では、セプタム62は、セプタムハウジング66内に少なくとも部分的に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタムハウジング66の内表面は、セプタム62のスロット34をシールしてもよい。いくつかの実施形態では、セプタムハウジング66は、セプタム62に圧縮を提供してもよい。いくつかの実施形態では、セプタムハウジング66は、別個の構成要素であってもよく、または代わりにカテーテルアダプタ44の領域であってもよい。いくつかの実施形態では、セプタムハウジング66は、半径方向の圧縮を提供するキャニスタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、キャニスタからの半径方向の圧縮は、セプタム62がそこを通って挿入される導入針22の形状に適合すること、および導入針22の引き出し時にタイトにシールすることを保証するのに役立つ。いくつかの実施形態では、セプタム62は、圧縮だけによって、機械的なアタッチメントまたはインターロックによって、および/または当業者に知られているような接着剤によって、適所に保持されてもよい。
図3Eは、いくつかの実施形態によれば、部分的に引き出された針22を図示している。
【0030】
次に
図4A~4Dを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ72のセプタム70はチャネル74を含んでもよく、これはセプタム70内に配置されて本体28の長手方向軸36に沿って配向されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ72は、
図2のカテーテルアセンブリ24および/または
図3のカテーテルアセンブリ62を含んでもよいしこれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ72は、カテーテルアセンブリ24および/またはカテーテルアセンブリ62の1つ以上の特徴または要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ24および/またはカテーテルアセンブリ62は、カテーテルアセンブリ72の1つ以上の特徴または要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム70は、
図2のセプタム20および/または
図3のセプタム64を含んでもよいしこれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、セプタム20および/またはセプタム64は、セプタム70の1つ以上の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム70は、セプタム20および/またはセプタム64の1つ以上の特徴を含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、セプタム70は、単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。いくつかの実施形態では、チャネル74は、本体28の内表面によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、導入針22は、チャネルを通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、導入針22は、本体28の内表面から離間していてもよい。いくつかの実施形態では、チャネル74の少なくとも一部は、全体としてシリンダ状であってもよい。いくつかの実施形態では、チャネル72の末端端部および/または基端端部は、テーパ状であってもよい。いくつかの実施形態では、チャネル74の長さは、本体28の長さの大部分に対応してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、セプタム70は、本体28の外表面からチャネル74に向かって延在するスリット76を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スリット76は、本体28の長手方向軸36と整列していてもよい。いくつかの実施形態では、スリット76は、セプタム70がカテーテルアダプタ44のルーメン内に配置されていることに応じて閉じられてもよく、これがセプタム70を圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、スリット76は、本体28の長さにわたって延在してもよい。いくつかの実施形態では、スリット76は、本体28の長さを通って部分的に延在してもよい。いくつかの実施形態では、スリット76は、本体28の中央に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム70は、溝56を含んでもよいし含まなくてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、セプタム70は溝56を含んでもよく、これは環状または半環状であってもよく、これはカテーテルアダプタ内でのセプタム70の確保を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、スリット76は、溝56を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、セプタム70は、射出成形によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム70は、スリットが開いた状態で膨らんだ位置に成形されて、金型のアンダーカット造形のスリット76内への挿入とチャネル74の形成を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム70のエラストマー材料は、射出成形に続いて、チャネル74からスリット76を通してアンダーカット造形が除去されることを可能にしてもよい。
【0034】
今、
図5A~5Fを参照すると、いくつかの実施形態によれば、別のカテーテルアセンブリ78が図示されている。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ78は、セプタムホルダ80を含んでもよく、これは頭部82および本体84を含んでもよい。いくつかの実施形態では、頭部82の外径は、環状フランジ86が頭部82と本体84との間に配置されるように、本体84の外径よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、セプタムホルダ80がカテーテルアダプタ44のルーメン88内に配置されるとき、頭部82は、本体84に対して末端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、頭部82は全体としてシリンダ状であってもよい。いくつかの実施形態では、本体84は、テーパ状の外表面を有する、全体として円錐形であってもよい。いくつかの実施形態では、本体84の外表面は、基端方向に外向きにテーパ状であってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、頭部82は、セプタム92のキャビティ90またはポケット内にぴったりと嵌まるように寸法決めされ構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、キャビティ90はシリンダ状であってもよい。いくつかの実施形態では、セプタム92の外径は、キャビティ90の直径よりもわずかに小さくてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム92の外径は、キャビティ90の直径と等しいか、またはキャビティ90の直径よりもわずかに大きくてもよく、セプタムホルダ80は、セプタム92と干渉嵌めしてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム92の基端端部94は、セプタムホルダ80の環状フランジ86に接触してもよい。いくつかの実施形態では、セプタムホルダ80および/またはカテーテルアダプタ44は、プラスチック材料または別の好適な材料で構成されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、セプタムホルダ80は、カテーテルアダプタ44のルーメン88内でのセプタム92の確保を容易にしてもよい。さらなる詳細において、いくつかの実施形態では、ルーメン88を形成するカテーテルアダプタ44の内壁は、1つ以上の突起96を含んでもよく、これは本体84の外表面に接触して本体84を挟み込んで本体84を適所に保持し、それによってセプタム92も確保してもよい。いくつかの実施形態では、突起96は環状であってもよい。いくつかの実施形態では、突起96の1つ以上の側面は、アンダーカットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、突起96は、2つの対向する突起を含んでもよい。いくつかの実施形態では、突起96は、ルーメン88を形成する内壁の周囲の周りに等間隔に、または非等間隔に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、突起96と整列した本体84の外径は、突起96の間の距離よりも大きくして、挟む作用を容易にしてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、セプタム92およびセプタムホルダ80は、導入針22が基端方向に引き出される際に、導入針22上の引張力を減少させてもよい。さらなる詳細において、セプタムホルダ80は、導入針22が通過して接触するセプタム92の減少した領域を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、セプタムホルダ80は、セプタムホルダ80を通って延在する通路98を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ78が挿入位置にあるとき、および/または導入針22が引き抜出されているとき、導入針22は、通路98を通って延在してもよく、および/または通路98の長さの全部または一部に沿って通路98の壁から離間していてもよい。いくつかの実施形態では、通路98内に配置された導入針22の一部は、環状の空間によって囲まれていてもよい。いくつかの実施形態では、導入針22の外径は、通路98の直径よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、通路98を形成する壁と導入針22との間には接触がなくてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、セプタム92はフランジ100を含んでもよく、これはカテーテルアダプタ44の1つ以上の対応するフランジ102に接触してもよく、これがセプタム92の確保を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ44の対応するフランジ102は、セプタム92の末端移動を防止してもよく、セプタムホルダ80がセプタム92の基端移動を防止してもよい。いくつかの実施形態では、以下のうちの1つ以上は、ルーメン88内でのセプタム92の確保を容易にしてもよく、これがセプタム92の液体シールを強化してもよい:フランジ100と対応するフランジ102との間の接触または干渉、セプタムホルダ80の頭部82とセプタム92との間の接触または干渉、およびセプタムホルダ80の本体84と突起96との間の接触または干渉。
【0039】
いくつかの実施形態では、セプタム92の末端端部30は、カテーテルアダプタ44のYチャネルと面一または略面一であってもよく、これが面一性を容易にして血液のためのデッドスペースを減少させてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム92の末端端部30は、スリット104を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム92は、予めスリット形成されていてもよく、またはスリット104は組立中に導入針22によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、スリット104の全部または一部は、例えば、パリレンまたは別の適切な疎水性コーティングでコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、疎水性コーティングは、導入針22がカテーテルアセンブリ78から基端に引き出されるときに摩擦係数を減少させてもよい。いくつかの実施形態では、スリット104内に配置された疎水性コーティングと、セプタム92に対する導入針22の接触面積の減少との組み合わせが、導入針22がカテーテルアセンブリ78から基端に引き出されるときに、導入針22にかかる引張力を減少させてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、通路98の壁の全部または一部は、高粘度潤滑剤106でコーティングされていてもよく、これは非移行性であってもよい。いくつかの実施形態では、高粘度潤滑剤106は、通路98の基端端部に塗布されてもよい。いくつかの実施形態では、高粘度潤滑剤106は、導入針22が引き出されているときに、導入針22のノッチ108を少なくとも部分的に閉塞するとともに覆ってもよく、これが血液の漏れを防止してもよい。いくつかの実施形態では、高粘度潤滑剤106は、導入針22がカテーテルアセンブリ78から基端に引き出されるときに、引張力を減少させてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ78は、
図2のカテーテルアセンブリ24、
図3のカテーテルアセンブリ62、または
図4のカテーテルアセンブリ72のうちの1つ以上の特徴または要素を含んでもよいし、これに対応してもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ78は、カテーテルアセンブリ24、カテーテルアセンブリ62、およびカテーテルアセンブリ72のうちの1つまたは複数の特徴または要素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、セプタム92は、
図2のセプタム20、
図3のセプタム64、および
図4のセプタム70のうちの1つまたは複数の特徴または要素を含んでもよいし、これに対応してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ78、カテーテルアセンブリ24、カテーテルアセンブリ62、およびカテーテルアセンブリ72の1つ以上の特徴または要素を含んでもよい。
【0042】
ここに記載されるすべての例および条件の言語は、技術のさらなる発展のために本発明および本発明者により貢献された概念の理解を読者に資するための教育目的を意図しており、そのような具体的に記載される例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態が詳細に記載されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換および変更がここになされ得ることが理解されるべきである。