(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】フィルムコンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/32 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
H01G4/32 510
H01G4/32 301A
H01G4/32 530
H01G4/32 305B
(21)【出願番号】P 2021541996
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2020017741
(87)【国際公開番号】W WO2021038962
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】P 2019158673
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】390022460
【氏名又は名称】株式会社指月電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】城岸 賢
(72)【発明者】
【氏名】真島 亮
(72)【発明者】
【氏名】菊池 公明
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-004916(JP,A)
【文献】特開平05-109583(JP,A)
【文献】実開昭63-142818(JP,U)
【文献】特開平06-251991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体フィルム及び金属層が積層方向に積層された積層体と、
前記金属層に接続された外部電極と、を備え、
前記誘電体フィルムは、互いに対向する第1の主面及び第2の主面を有する第1の誘電体フィルムと、互いに対向する第3の主面及び第4の主面を有する第2の誘電体フィルムと、を含み、
前記金属層は、前記第1の誘電体フィルムの前記第1の主面上に設けられた第1の金属層と、前記第1の誘電体フィルムの前記第2の主面及び前記第2の誘電体フィルムの前記第3の主面の一方の主面上に設けられた第2の金属層と、を含み、
前記外部電極は、前記積層方向と直交する幅方向における前記積層体の一方の端面上に設けられ、前記第1の金属層と接続された第1の外部電極と、前記幅方向における前記積層体の他方の端面上に設けられた第2の外部電極と、を含み、
前記第1の金属層、前記第1の誘電体フィルム、前記第2の金属層、及び、前記第2の誘電体フィルムは、前記積層方向に順に積層されることで金属化フィルム体を構成し、
前記積層体の一方の端面においては、連続した2つ以上の前記金属化フィルム体が前記幅方向において前記第2の外部電極側にずれることで構成される凹部が設けられており、
前記第1の外部電極は、
前記積層体の凹部を埋めるように前記積層方向に並ぶ複数の凸部を有し、
前記第1の外部電極の凸部は、前記幅方向において、前記第2の外部電極側に突出し、
前記積層体の凹部を構成するように前記幅方向において最も前記第2の外部電極側にずれている連続した2つ以上の前記金属化フィルム体に対して、前記積層方向の両側で隣接する前記金属化フィルム体同士の前記積層方向における間隔は、前記第1の誘電体フィルム及び前記第2の誘電体フィルムの合計厚みの2倍以上である、ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
【請求項2】
前記積層体の凹部を構成するように前記幅方向において最も前記第2の外部電極側にずれている連続した2つ以上の前記金属化フィルム体に対して、前記積層方向の両側で隣接する前記金属化フィルム体同士の前記積層方向における間隔は、30μm以上、500μm以下である、請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
【請求項3】
前記第1の外部電極の凸部の高さは、30μm以上、700μm以下である、請求項1又は2に記載のフィルムコンデンサ。
【請求項4】
前記第1の外部電極の凸部の間隔は、前記第1の外部電極の前記積層方向の中央部において、30μm以上、300μm以下である、請求項1~3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
【請求項5】
前記第1の外部電極の凸部の間隔は、前記第1の外部電極の前記積層方向の端部において前記積層方向の中央部よりも小さい、請求項1~4のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
【請求項6】
前記第1の外部電極の凸部の間に設けられた凹部を構成するように前記幅方向において最も前記第1の外部電極側にずれている連続した2つ以上の前記金属化フィルム体に対して、前記積層方向の両側で隣接する前記金属化フィルム体同士の前記積層方向における間隔は、前記第1の誘電体フィルム及び前記第2の誘電体フィルムの合計厚みの2倍以上である、請求項1~5のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
【請求項7】
前記積層体の一方の端面において、前記第1の誘電体フィルムは、前記第2の誘電体フィルムに対して前記幅方向に突出する、請求項1~6のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
【請求項8】
前記積層体の一方の端面において、連続した2つ以上の前記金属化フィルム体は、前記第1の誘電体フィルムの端面が揃った状態で、前記積層方向の両側で隣接する前記金属化フィルム体よりも前記幅方向において前記第2の外部電極側にずれている、請求項1~7のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
【請求項9】
誘電体フィルム及び金属層が積層方向に積層された積層体と、
前記金属層に接続された外部電極と、を備え、
前記誘電体フィルムは、互いに対向する第1の主面及び第2の主面を有する第1の誘電体フィルムと、互いに対向する第3の主面及び第4の主面を有する第2の誘電体フィルムと、を含み、
前記金属層は、前記第1の誘電体フィルムの前記第1の主面上に設けられた第1の金属層と、前記第1の誘電体フィルムの前記第2の主面及び前記第2の誘電体フィルムの前記第3の主面の一方の主面上に設けられた第2の金属層と、を含み、
前記外部電極は、前記積層方向と直交する幅方向における前記積層体の一方の端面上に設けられ、前記第1の金属層と接続された第1の外部電極と、前記幅方向における前記積層体の他方の端面上に設けられた第2の外部電極と、を含み、
前記第1の金属層、前記第1の誘電体フィルム、前記第2の金属層、及び、前記第2の誘電体フィルムは、前記積層方向に順に積層されることで金属化フィルム体を構成し、
前記積層体の一方の端面においては、連続した2つ以上の前記金属化フィルム体が、前記第1の誘電体フィルムの端面が揃った状態で、前記積層方向の両側で隣接する前記金属化フィルム体よりも前記幅方向において前記第2の外部電極側にずれることで構成される凹部が設けられており、
前記第1の外部電極は、前記積層体の凹部を埋めている、ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサの一種として、可撓性を有する樹脂フィルムを誘電体として用いながら、樹脂フィルムを挟んで互いに対向する第1の金属層及び第2の金属層を配置した構造のフィルムコンデンサが知られている。このようなフィルムコンデンサは、例えば、第1の金属層が形成された樹脂フィルムと第2の金属層が形成された樹脂フィルムとを巻回又は積層することによって作製される。
【0003】
例えば、特許文献1には、少なくとも片側の表面に金属膜が形成された第1のフィルム部材と、第2のフィルム部材とを重畳して構成される金属化フィルムを備え、金属化フィルムが巻回されて形成され、かつ巻回された金属化フィルムの幅方向の両端のそれぞれに電極部材が接続されたフィルムコンデンサであって、第1のフィルム部材は、第2のフィルム部材に対して幅方向に突出するように配置されて巻回された金属化フィルムにおいて第1突出端と第1没入端とが積層方向に繰り返されるように構成され、金属膜は、第1突出端の第1没入端から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されている、フィルムコンデンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のフィルムコンデンサでは、第1のフィルム部材を加工することなく、金属化フィルムと電極部材との接触部分の機械的強度を向上させることができる、とされている。しかしながら、特許文献1に記載のフィルムコンデンサにおいては、金属化フィルムと電極部材との接触部分の機械的強度を向上させる点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、誘電体フィルム及び金属層の積層体と外部電極との接合強度が高いフィルムコンデンサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフィルムコンデンサは、第1の態様において、誘電体フィルム及び金属層が積層方向に積層された積層体と、上記金属層に接続された外部電極と、を備え、上記誘電体フィルムは、互いに対向する第1の主面及び第2の主面を有する第1の誘電体フィルムと、互いに対向する第3の主面及び第4の主面を有する第2の誘電体フィルムと、を含み、上記金属層は、上記第1の誘電体フィルムの上記第1の主面上に設けられた第1の金属層と、上記第1の誘電体フィルムの上記第2の主面及び上記第2の誘電体フィルムの上記第3の主面の一方の主面上に設けられた第2の金属層と、を含み、上記外部電極は、上記積層方向と直交する幅方向における上記積層体の一方の端面上に設けられ、上記第1の金属層と接続された第1の外部電極と、上記幅方向における上記積層体の他方の端面上に設けられた第2の外部電極と、を含み、上記第1の外部電極は、上記積層方向に並ぶ複数の凸部を有し、上記第1の外部電極の凸部は、上記幅方向において、上記第2の外部電極側に突出し、上記第1の外部電極の凸部の突出端の幅は、上記第1の誘電体フィルム及び上記第2の誘電体フィルムの合計厚みの2倍以上である、ことを特徴とする。
【0008】
本発明のフィルムコンデンサは、第2の態様において、誘電体フィルム及び金属層が積層方向に積層された積層体と、上記金属層に接続された外部電極と、を備え、上記誘電体フィルムは、互いに対向する第1の主面及び第2の主面を有する第1の誘電体フィルムと、互いに対向する第3の主面及び第4の主面を有する第2の誘電体フィルムと、を含み、上記金属層は、上記第1の誘電体フィルムの上記第1の主面上に設けられた第1の金属層と、上記第1の誘電体フィルムの上記第2の主面及び上記第2の誘電体フィルムの上記第3の主面の一方の主面上に設けられた第2の金属層と、を含み、上記外部電極は、上記積層方向と直交する幅方向における上記積層体の一方の端面上に設けられ、上記第1の金属層と接続された第1の外部電極と、上記幅方向における上記積層体の他方の端面上に設けられた第2の外部電極と、を含み、上記第1の金属層、上記第1の誘電体フィルム、上記第2の金属層、及び、上記第2の誘電体フィルムは、上記積層方向に順に積層されることで金属化フィルム体を構成し、上記積層体の一方の端面においては、連続した2つ以上の上記金属化フィルム体が、上記第1の誘電体フィルムの端面が揃った状態で、上記積層方向の両側で隣接する上記金属化フィルム体よりも上記幅方向において上記第2の外部電極側にずれることで構成される凹部が設けられており、上記第1の外部電極は、上記積層体の凹部を埋めている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、誘電体フィルム及び金属層の積層体と外部電極との接合強度が高いフィルムコンデンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のフィルムコンデンサの一例を示す斜視模式図である。
【
図2】
図1中の線分A1-A2に対応する部分を示す断面模式図である。
【
図3】第1の金属化フィルムを作製する工程の一例を示す斜視模式図である。
【
図4】第2の金属化フィルムを作製する工程の一例を示す斜視模式図である。
【
図5】積層体を作製する工程の一例を示す断面模式図である。
【
図6】
図5中の第1のフィルムリールから第1の金属化フィルムを巻き出す様子を上面視した模式図である。
【
図7】積層体と第1の外部電極との接合強度の測定方法を説明するための斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のフィルムコンデンサについて説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
【0012】
[フィルムコンデンサ]
本発明のフィルムコンデンサの一例として、誘電体フィルム及び金属層が積層された状態で巻回されてなる、いわゆる巻回型のフィルムコンデンサを以下に説明する。本発明のフィルムコンデンサは、誘電体フィルム及び金属層が交互に積層されてなる、いわゆる積層型のフィルムコンデンサであってもよい。
【0013】
図1は、本発明のフィルムコンデンサの一例を示す斜視模式図である。
図2は、
図1中の線分A1-A2に対応する部分を示す断面模式図である。
【0014】
本明細書中、フィルムコンデンサにおける積層方向及び幅方向を、
図1及び
図2に示すように、各々、矢印T及び矢印Wで定められる方向とする。なお、巻回型のフィルムコンデンサでは、積層方向が複数存在するとも言えるが、本明細書中では矢印Tで定められる方向とする。ここで、積層方向Tと幅方向Wとは、互いに直交している。
【0015】
図1及び
図2に示すように、フィルムコンデンサ1は、積層体10と、幅方向Wにおける積層体10の一方の端面上に設けられた第1の外部電極51と、幅方向Wにおける積層体10の他方の端面上に設けられた第2の外部電極52と、を有している。
【0016】
図2に示すように、積層体10は、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が積層方向Tに積層された状態で巻回されてなる、いわゆる巻回体である。フィルムコンデンサ1は、このような巻回体でもある積層体10を有する巻回型のフィルムコンデンサである。なお、
図2では、
図1中のフィルムコンデンサ1の積層方向Tにおける上半分の断面が主に示されているが、下半分の断面についても同様である。
【0017】
フィルムコンデンサ1においては、フィルムコンデンサ1の低背化の観点から、積層体10の断面形状が楕円又は長円のような扁平形状にプレスされ、積層体10の断面形状が真円であるときよりも厚みが小さい形状とされることが好ましい。
【0018】
フィルムコンデンサ1は、円柱状の巻回軸を有していてもよい。巻回軸は、巻回状態の第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22の中心軸上に配置されるものであり、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22を巻回する際の巻軸となるものである。
【0019】
第1の金属化フィルム21は、第1の誘電体フィルム31の第1の主面31A上に第1の金属層41が設けられたものである。
【0020】
第1の金属層41は、幅方向Wにおいて、第1の金属化フィルム21の一方の側縁に届き、第1の金属化フィルム21の他方の側縁に届かないように設けられている。
【0021】
第2の金属化フィルム22は、第2の誘電体フィルム32の第3の主面32A上に第2の金属層42が設けられたものである。
【0022】
第2の金属層42は、幅方向Wにおいて、第2の金属化フィルム22の一方の側縁に届かず、第2の金属化フィルム22の他方の側縁に届くように設けられている。
【0023】
積層体10においては、第1の金属層41における第1の金属化フィルム21の側縁に届いている側の端部が積層体10の一方の端面に露出し、第2の金属層42における第2の金属化フィルム22の側縁に届いている側の端部が積層体10の他方の端面に露出するように、隣り合う第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が幅方向Wにずれている。
【0024】
積層体10は、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が積層方向Tに積層された状態で巻回されてなることから、第1の金属層41、第1の誘電体フィルム31、第2の金属層42、及び、第2の誘電体フィルム32が積層方向Tに順に積層された状態で巻回されてなる巻回体である、とも言える。
【0025】
積層体10においては、第1の誘電体フィルム31の第1の主面31Aと第2の誘電体フィルム32の第4の主面32Bとが対向し、第1の誘電体フィルム31の第2の主面31Bと第2の誘電体フィルム32の第3の主面32Aとが対向するように、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が積層方向Tに積層された状態で巻回されている。つまり、積層体10においては、第1の金属化フィルム21が第2の金属化フィルム22の内側となり、第1の金属層41が第1の誘電体フィルム31の内側となり、第2の金属層42が第2の誘電体フィルム32の内側となるように、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が積層方向Tに積層された状態で巻回されている。
【0026】
第2の金属層42は、第2の誘電体フィルム32の第3の主面32A上ではなく、第1の誘電体フィルム31の第2の主面31B上に設けられていてもよい。この場合、積層体10においては、第1の誘電体フィルム31の第1の主面31A上に第1の金属層41が設けられ、かつ、第2の主面31B上に第2の金属層42が設けられた金属化フィルムと、第2の誘電体フィルム32とが積層方向Tに積層された状態で巻回されていることになる。
【0027】
第1の金属層41、第1の誘電体フィルム31、第2の金属層42、及び、第2の誘電体フィルム32は、積層方向Tに順に積層されることで金属化フィルム体60を構成している。すなわち、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22は、積層方向Tに積層されることで金属化フィルム体60を構成している。積層体10においては、複数の金属化フィルム体60が積層方向Tに積層されており、その一部の領域で、隣り合う金属化フィルム体60が幅方向Wにずれている。
【0028】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、硬化性樹脂を主成分として含有することが好ましい。ここで、主成分とは、重量百分率が最も大きい成分を意味し、好ましくは、重量百分率が50重量%よりも大きい成分を意味する。
【0029】
硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよいし、光硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂とは、熱で硬化し得る樹脂を意味しており、硬化方法を限定するものではない。したがって、熱で硬化し得る樹脂である限り、熱以外の方法(例えば、光、電子ビーム等)で硬化した樹脂も熱硬化性樹脂に含まれる。また、材料によっては、材料自体が有する反応性によって反応が開始する場合があり、必ずしも外部から熱又は光等を与えずに硬化が進むものについても熱硬化性樹脂とする。光硬化性樹脂についても同様であり、光で硬化し得る樹脂である限り、硬化方法を限定するものではない。
【0030】
硬化性樹脂は、ウレタン結合及びユリア結合の少なくとも一方を有していてもよいし、ウレタン結合及びユリア結合の両方を有していなくてもよい。なお、ウレタン結合及び/又はユリア結合の存在については、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて確認できる。
【0031】
硬化性樹脂は、第1の有機材料と第2の有機材料との硬化物からなることが好ましい。このような硬化物としては、例えば、第1の有機材料が有する水酸基(OH基)と第2の有機材料が有するイソシアネート基(NCO基)とが反応して得られる硬化物等が挙げられる。このような反応によって硬化物を得る場合、出発材料の未硬化部分が誘電体フィルム中に残留する場合がある。例えば、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、水酸基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有していてもよい。この場合、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、水酸基及びイソシアネート基の一方を含有していてもよいし、水酸基及びイソシアネート基の両方を含有していてもよい。なお、水酸基及び/又はイソシアネート基の存在については、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて確認できる。
【0032】
第1の有機材料は、分子内に複数の水酸基を有するポリオールであることが好ましい。ポリオールとしては、例えば、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール、フェノキシ樹脂等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。第1の有機材料として、複数種類の有機材料を併用してもよい。
【0033】
第2の有機材料は、分子内に複数の官能基を有する、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、又は、メラミン樹脂であることが好ましい。第2の有機材料として、複数種類の有機材料を併用してもよい。
【0034】
イソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、等が挙げられる。イソシアネート化合物としては、これらのポリイソシアネートの変性体、例えば、カルボジイミド又はウレタン等を有する変性体であってもよい。
【0035】
エポキシ樹脂としては、エポキシ環を有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格エポキシ樹脂、シクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂、ナフタレン骨格エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0036】
メラミン樹脂としては、構造の中心にトリアジン環、その周辺に3つのアミノ基を有する有機窒素化合物であれば特に限定されず、例えば、アルキル化メラミン樹脂等が挙げられる。メラミン樹脂としては、メラミンの変性体であってもよい。
【0037】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、好ましくは、第1の有機材料及び第2の有機材料を含む樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理して硬化させることによって作製される。
【0038】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、蒸着重合膜を主成分として含有していてもよい。蒸着重合膜は、ウレタン結合及びユリア結合の少なくとも一方を有していてもよいし、ウレタン結合及びユリア結合の両方を有していなくてもよい。なお、蒸着重合膜は、蒸着重合法により成膜されたものを指し、基本的には硬化性樹脂に含まれる。
【0039】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、熱可塑性樹脂を主成分として含有していてもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート等が挙げられる。
【0040】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、主成分以外の成分として、例えば、シリコーン樹脂、第1の有機材料及び第2の有機材料等の出発材料の未硬化部分等を含有していてもよい。
【0041】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、各種機能を付加するための添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、平滑性を付与するためのレベリング剤等が挙げられる。添加剤は、水酸基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し、硬化物の架橋構造の一部を形成するものであることが好ましい。このような添加剤としては、例えば、水酸基、エポキシ基、シラノール基、及び、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂等が挙げられる。
【0042】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
【0043】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の厚みは、各々、好ましくは0.5μm以上、5μm以下である。第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の厚みは、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
【0044】
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の厚みについては、光学式膜厚計を用いて測定できる。
【0045】
第1の金属層41及び第2の金属層42の構成材料としては、各々、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属が挙げられる。
【0046】
第1の金属層41及び第2の金属層42の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
【0047】
第1の金属層41及び第2の金属層42の厚みは、各々、好ましくは5nm以上、40nm以下である。
【0048】
第1の金属層41の厚みについては、第1の金属化フィルム21の厚み方向における切断面を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより特定できる。第2の金属層42の厚みについても同様に特定できる。
【0049】
第1の外部電極51は、積層体10の一方の端面上に設けられ、第1の金属層41の露出端部と接触することで第1の金属層41と接続されている。
【0050】
第1の金属層41と第1の外部電極51との接続性の観点から、積層体10の一方の端面において、第1の金属化フィルム21は、第2の金属化フィルム22に対して幅方向Wに突出していることが好ましい。つまり、積層体10の一方の端面において、第1の誘電体フィルム31は、第2の誘電体フィルム32に対して幅方向Wに突出していることが好ましい。
【0051】
第2の外部電極52は、積層体10の他方の端面上に設けられ、第2の金属層42の露出端部と接触することで第2の金属層42と接続されている。
【0052】
第2の金属層42と第2の外部電極52との接続性の観点から、積層体10の他方の端面において、第2の金属化フィルム22は、第1の金属化フィルム21に対して幅方向Wに突出していることが好ましい。つまり、積層体10の他方の端面において、第2の誘電体フィルム32は、第1の誘電体フィルム31に対して幅方向Wに突出していることが好ましい。
【0053】
第1の外部電極51及び第2の外部電極52の構成材料としては、各々、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属が挙げられる。第1の外部電極51及び第2の外部電極52は、好ましくは、各々、積層体10の一方の端面上及び他方の端面上に、上述したような金属を溶射することにより形成される。
【0054】
第1の外部電極51及び第2の外部電極52の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
【0055】
積層体10の構成は、
図2に示すような構成と異なっていてもよい。例えば、第1の金属化フィルム21において第1の金属層41が幅方向Wで2つの金属層に分断され、一方の金属層が第1の金属化フィルム21の一方の側縁に届き、他方の金属層が第1の金属化フィルム21の他方の側縁に届くように設けられていてもよい。この場合、第1の金属層41において、一方の金属層が第1の外部電極51と接続され、かつ、他方の金属層が第2の外部電極52と接続されつつ、第2の金属層42が第1の外部電極51及び第2の外部電極52の両方と接続されないように設けられると、第1の金属層41と第2の金属層42との間でコンデンサを構成できる。
【0056】
第1の外部電極51は、積層方向Tに並ぶ複数の凸部51Aを有している。第1の外部電極51の凸部51Aは、幅方向Wにおいて、第2の外部電極52側に突出している。ここで、積層体10の一方の端面においては、金属化フィルム体60が幅方向Wにおいて第2の外部電極52側にずれることで構成される凹部10Aが設けられており、第1の外部電極51は、積層体10の凹部10Aを埋めている。つまり、第1の外部電極51の凸部51Aは、積層体10の凹部10Aを埋めるように構成されている。
【0057】
凸部51Aの突出端51AEの幅D1(積層方向Tにおける長さ)は、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である。凸部51Aの突出端51AEの幅D1が上記範囲であることにより、積層体10と第1の外部電極51との接触面積が増え、結果的に、積層体10と第1の外部電極51との接合強度が高まる。凸部51Aの突出端51AEの幅D1は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの3倍以上である。また、凸部51Aの突出端51AEの幅D1は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの50倍以下である。
【0058】
凸部51Aの突出端51AEは、凹部10Aにおいて幅方向Wで最も第2の外部電極52側に位置する端面と同じ位置に定められる。凹部10Aの端面は、凹部10Aを構成するように幅方向Wにおいて最も第2の外部電極52側にずれている金属化フィルム体60の第1の外部電極51側の端面でもある。
【0059】
金属化フィルム体60の端面は、第1の金属層41、第1の誘電体フィルム31、第2の金属層42、及び、第2の誘電体フィルム32のうち、幅方向Wに最も突出しているものの端面を意味する。
図2に示すような積層体10では、金属化フィルム体60の第1の外部電極51側の端面は、第1の誘電体フィルム31(第1の金属層41)の端面を延伸した位置である。
【0060】
凸部51Aの突出端51AE(凹部10Aの端面)は、平坦面であることが好ましいが、10μm以下の高低差を有する面であってもよい。
【0061】
図2に示すような積層体10では、一方の端面において、連続した2つ以上の金属化フィルム体60が、金属化フィルム体60の端面が揃った状態、ここでは、第1の誘電体フィルム31の端面が揃った状態で、積層方向Tの両側に隣接する金属化フィルム体60よりも幅方向Wにおいて第2の外部電極52側にずれている。よって、積層体10の一方の端面においては、連続した2つ以上の金属化フィルム体60が上述したようにずれることで構成される凹部10Aが設けられる。そのため、凸部51Aの突出端51AE(凹部10Aの端面)の幅D
1は、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上となる。
【0062】
第1の外部電極51が有する複数の凸部51Aには、突出端51AEの幅D1が第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である凸部が少なくとも1つ含まれていればよく、突出端51AEの幅D1が第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍未満である凸部が含まれていてもよい。第1の外部電極51が有する複数の凸部51Aのすべてについて、突出端51AEの幅D1が第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上であることが好ましい。この場合、複数の凸部51Aについて、突出端51AEの幅D1は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0063】
積層体10と第1の外部電極51との接合強度の観点から、凸部51Aの突出端51AEの幅D1は、好ましくは30μm以上、500μm以下である。
【0064】
積層体10と第1の外部電極51との接合強度の観点から、凸部51Aの高さH1は、好ましくは30μm以上、700μm以下である。
【0065】
積層体10と第1の外部電極51との接合強度の観点から、凸部51Aの間隔P1は、第1の外部電極51の積層方向Tの中央部において、好ましくは30μm以上、300μm以下である。また、凸部51Aの間隔P1は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である。凸部51Aの間隔P1は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの30倍以下である。凸部51Aの間隔P1は、隣り合う凸部51Aの積層方向Tにおける最短距離を意味する。
【0066】
凸部51Aの間隔P
1は、
図2に示すように、第1の外部電極51の積層方向Tの端部において積層方向Tの中央部よりも小さいことが好ましい。これにより、積層体10との接合強度が低くなりやすく、積層体10から剥がれやすい第1の外部電極51の積層方向Tの端部において、接合強度を高められる。
【0067】
第1の外部電極51では、凸部51Aの間に凹部51Bが設けられていてもよい。凹部51Bは、幅方向Wにおいて、第2の外部電極52とは反対側に窪んでいる。ここで、積層体10の一方の端面においては、金属化フィルム体60が幅方向Wにおいて第1の外部電極51側にずれることで構成される凸部11Aが設けられており、第1の外部電極51の凹部51Bは、積層体10の凸部11Aを避けるように設けられている。
【0068】
凹部51Bの没入端51BEの幅D2(積層方向Tにおける長さ)は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である。凹部51Bの没入端51BEの幅D2が上記範囲であることにより、積層体10と第1の外部電極51との接触面積が更に増え、結果的に、積層体10と第1の外部電極51との接合強度が更に高まる。凹部51Bの没入端51BEの幅D2は、より好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの3倍以上である。また、凹部51Bの没入端51BEの幅D2は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの30倍以下である。
【0069】
凹部51Bの没入端51BEは、凸部11Aにおいて幅方向Wで最も第1の外部電極51側に位置する端面と同じ位置に定められる。凸部11Aの端面は、凸部11Aを構成するように幅方向Wにおいて最も第1の外部電極51側にずれている金属化フィルム体60の第1の外部電極51側の端面でもある。
【0070】
凹部51Bの没入端51BE(凸部11Aの端面)は、平坦面であることが好ましいが、10μm以下の高低差を有する面であってもよい。
【0071】
凸部51Aの突出端51AEの幅D
1、凸部51Aの高さH
1、凸部51Aの間隔P
1、及び、凹部51Bの没入端51BEの幅D
2については、
図2に示す断面を回転研磨機等で作製し、測長機能を有する顕微鏡を用いて測定できる。
【0072】
第2の外部電極52は、
図2に示すように、積層方向Tに並ぶ複数の凸部52Aを有していてもよい。凸部52Aは、幅方向Wにおいて、第1の外部電極51側に突出している。ここで、積層体10の他方の端面においては、金属化フィルム体60が幅方向Wにおいて第1の外部電極51側にずれることで構成される凹部10Bが設けられており、第2の外部電極52は、積層体10の凹部10Bを埋めている。つまり、第2の外部電極52の凸部52Aは、積層体10の凹部10Bを埋めるように構成されている。
【0073】
凸部52Aの突出端52AEの幅D3(積層方向Tにおける長さ)は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である。凸部52Aの突出端52AEの幅D3が上記範囲であることにより、積層体10と第2の外部電極52との接触面積が増え、結果的に、積層体10と第2の外部電極52との接合強度が高まる。凸部52Aの突出端52AEの幅D3は、より好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの3倍以上である。また、凸部52Aの突出端52AEの幅D3は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの50倍以下である。
【0074】
凸部52Aの突出端52AEは、凹部10Bにおいて幅方向Wで最も第1の外部電極51側に位置する端面と同じ位置に定められる。凹部10Bの端面は、凹部10Bを構成するように幅方向Wにおいて最も第1の外部電極51側にずれている金属化フィルム体60の第2の外部電極52側の端面でもある。
【0075】
図2に示すような積層体10では、金属化フィルム体60の第2の外部電極52側の端面は、第2の誘電体フィルム32(第2の金属層42)の端面を延伸した位置である。
【0076】
凸部52Aの突出端52AE(凹部10Bの端面)は、平坦面であることが好ましいが、10μm以下の高低差を有する面であってもよい。
【0077】
図2に示すような積層体10では、他方の端面において、連続した2つ以上の金属化フィルム体60が、金属化フィルム体60の端面が揃った状態、ここでは、第2の誘電体フィルム32の端面が揃った状態で、積層方向Tの両側に隣接する金属化フィルム体60よりも幅方向Wにおいて第1の外部電極51側にずれている。よって、積層体10の他方の端面においては、連続した2つ以上の金属化フィルム体60が上述したようにずれることで構成される凹部10Bが設けられる。そのため、凸部52Aの突出端52AE(凹部10Bの端面)の幅D
3は、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上となる。
【0078】
第2の外部電極52が有する複数の凸部52Aには、突出端52AEの幅D3が第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である凸部が少なくとも1つ含まれていることが好ましいが、突出端52AEの幅D3が第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍未満である凸部が含まれていてもよい。第2の外部電極52が有する複数の凸部52Aのすべてについて、突出端52AEの幅D3が第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上であることがより好ましい。この場合、複数の凸部52Aについて、突出端52AEの幅D3は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0079】
積層体10と第2の外部電極52との接合強度の観点から、凸部52Aの突出端52AEの幅D3は、好ましくは30μm以上、500μm以下である。
【0080】
積層体10と第2の外部電極52との接合強度の観点から、凸部52Aの高さH2は、好ましくは30μm以上、700μm以下である。
【0081】
積層体10と第2の外部電極52との接合強度の観点から、凸部52Aの間隔P2は、第2の外部電極52の積層方向Tの中央部において、好ましくは30μm以上、300μm以下である。また、凸部52Aの間隔P2は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である。凸部52Aの間隔P2は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの30倍以下である。凸部52Aの間隔P2は、隣り合う凸部52Aの積層方向Tにおける最短距離を意味する。
【0082】
凸部52Aの間隔P
2は、
図2に示すように、第2の外部電極52の積層方向Tの端部において積層方向Tの中央部よりも小さいことが好ましい。これにより、積層体10との接合強度が低くなりやすく、積層体10から剥がれやすい第2の外部電極52の積層方向Tの端部において、接合強度を高められる。
【0083】
第2の外部電極52では、凸部52Aの間に凹部52Bが設けられていてもよい。凹部52Bは、幅方向Wにおいて、第1の外部電極51とは反対側に窪んでいる。ここで、積層体10の他方の端面においては、金属化フィルム体60が幅方向Wにおいて第2の外部電極52側にずれることで構成される凸部11Bが設けられており、第2の外部電極52の凹部52Bは、積層体10の凸部11Bを避けるように設けられている。
【0084】
凹部52Bの没入端52BEの幅D4(積層方向Tにおける長さ)は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である。凹部52Bの没入端52BEの幅D4が上記範囲であることにより、積層体10と第2の外部電極52との接触面積が更に増え、結果的に、積層体10と第2の外部電極52との接合強度が更に高まる。凹部52Bの没入端52BEの幅D4は、より好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの3倍以上である。また、凹部52Bの没入端52BEの幅D4は、好ましくは、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの30倍以下である。
【0085】
凹部52Bの没入端52BEは、凸部11Bにおいて幅方向Wで最も第2の外部電極52側に位置する端面と同じ位置に定められる。凸部11Bの端面は、凸部11Bを構成するように幅方向Wにおいて最も第2の外部電極52側にずれている金属化フィルム体60の第2の外部電極52側の端面でもある。
【0086】
凹部52Bの没入端52BE(凸部11Bの端面)は、平坦面であることが好ましいが、10μm以下の高低差を有する面であってもよい。
【0087】
凸部52Aの突出端52AEの幅D
3、凸部52Aの高さH
2、凸部52Aの間隔P
2、及び、凹部52Bの没入端52BEの幅D
4については、
図2に示す断面を回転研磨機等で作製し、測長機能を有する顕微鏡を用いて測定できる。
【0088】
[フィルムコンデンサの製造方法]
本発明のフィルムコンデンサは、例えば、以下の方法で製造される。
【0089】
<金属化フィルムを作製する工程>
図3は、第1の金属化フィルムを作製する工程の一例を示す斜視模式図である。
図4は、第2の金属化フィルムを作製する工程の一例を示す斜視模式図である。
【0090】
まず、例えば、上述した第1の有機材料及び第2の有機材料、添加剤等を混合することにより、樹脂溶液を調製する。そして、得られた樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理して硬化させることによって、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32を作製する。
【0091】
そして、
図3に示すように、第1の誘電体フィルム31の第1の主面31A上に、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属を蒸着して第1の金属層41を形成することにより、第1の金属化フィルム21を作製する。この際、幅方向において、第1の金属化フィルム21の一方の側縁に届き、第1の金属化フィルム21の他方の側縁に届かないように第1の金属層41を形成する。
【0092】
また、
図4に示すように、第2の誘電体フィルム32の第3の主面32A上に、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属を蒸着して第2の金属層42を形成することにより、第2の金属化フィルム22を作製する。この際、幅方向において、第2の金属化フィルム22の一方の側縁に届かず、第2の金属化フィルム22の他方の側縁に届くように第2の金属層42を形成する。
【0093】
第2の金属層42については、第2の誘電体フィルム32の第3の主面32A上ではなく、第1の誘電体フィルム31の第2の主面31B上に形成してもよい。この場合、本工程では、第1の誘電体フィルム31の第1の主面31A上に第1の金属層41が設けられ、かつ、第2の主面31B上に第2の金属層42が設けられた金属化フィルムを作製することになる。この際、幅方向において、金属化フィルムの一方の側縁に届き、金属化フィルムの他方の側縁に届かないように第1の金属層41を形成し、かつ、金属化フィルムの一方の側縁に届かず、金属化フィルムの他方の側縁に届くように第2の金属層42を形成してもよい。
【0094】
<積層体を作製する工程>
図5は、積層体を作製する工程の一例を示す断面模式図である。
【0095】
まず、
図5に示すように、第1の金属化フィルム21が第1のリール軸111に巻回された第1のフィルムリール101と、第2の金属化フィルム22が第2のリール軸112に巻回された第2のフィルムリール102とを準備する。そして、第1のフィルムリール101から第1の金属化フィルム21を巻き出し、第2のフィルムリール102から第2の金属化フィルム22を巻き出す。この際、第1の誘電体フィルム31の第2の主面31Bと第2の誘電体フィルム32の第3の主面32Aとが対向するように、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22を巻き出す。
【0096】
そして、巻き出された第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22は、幅方向に所定の距離だけずれた状態で重なって金属化フィルム体60を構成した後、巻軸200に巻回される。
【0097】
ここで、第1の金属化フィルム21を巻き出す際、第1のリール軸111を巻き出し方向と直交する幅方向に周期的に揺動させる。
図6は、
図5中の第1のフィルムリールから第1の金属化フィルムを巻き出す様子を上面視した模式図である。
図6に示すように、第1のリール軸111が、巻き出し方向と直交する幅方向(両矢印で示す方向)に周期的に揺動することにより、第1の金属化フィルム21が同じ幅方向に周期的に動きつつ巻き出される。
【0098】
第2の金属化フィルム22を巻き出す際も同様に、第2のリール軸112を巻き出し方向と直交する幅方向に周期的に揺動させることにより、第2の金属化フィルム22が同じ幅方向に周期的に動きつつ巻き出される。
【0099】
第1のリール軸111及び第2のリール軸112については(以下、両者を特に区別しない場合、単にリール軸とも言う)、揺動タイミング、揺動周期、揺動距離等の揺動条件を互いに同じとする。これにより、隣り合う金属化フィルム体60が一部の領域で幅方向にずれた、
図2に示すような積層体10が、巻軸200に巻回された状態で作製される。
【0100】
上述したリール軸の揺動条件を変更することにより、
図2に示すような積層体10の一方の端面における、凹部10Aの没入端の幅、凹部10Aの深さ、凹部10Aの間隔、凸部11Aの突出端の幅等の仕様を調整できる。その結果、後の工程で形成される第1の外部電極51における、凸部51Aの突出端51AEの幅D
1、凸部51Aの高さH
1、凸部51Aの間隔P
1、凹部51Bの没入端51BEの幅D
2等の仕様を調整できる。
【0101】
巻軸200の巻回速度をリール軸の揺動条件と組み合わせて変更することによっても、積層体10の凹部10A及び凸部11Aの仕様、すなわち、第1の外部電極51の凸部51A及び凹部51Bの仕様を調整できる。例えば、リール軸の揺動周期が同じ、かつ、巻軸200の巻回速度が同じ条件下では、リール軸の揺動距離が大きいほど、積層体10の一方の端面における凹部10Aの深さが大きくなる、つまり、第1の外部電極51の凸部51Aの高さH1が大きくなる。
【0102】
また、リール軸の揺動周期が同じ、かつ、リール軸の揺動距離が同じ条件下では、巻軸200の巻回速度が遅いほど、積層体10の一方の端面における凹部10Aの間隔が小さくなる、つまり、第1の外部電極51の凸部51Aの間隔P
1が小さくなる。よって、1つの積層体10を作製する際に、巻軸200の巻回速度を巻き始め及び巻き終わりのタイミングで遅くすると、凹部10Aの間隔が、
図2に示すように、積層体10の一方の端面の積層方向Tの端部において積層方向Tの中央部よりも小さくなる。つまり、第1の外部電極51の凸部51Aの間隔P
1が、
図2に示すように、第1の外部電極51の積層方向Tの端部において積層方向Tの中央部よりも小さくなる。
【0103】
後の工程で形成される第2の外部電極52の凸部52A及び凹部52Bの仕様についても、同様に調整できる。
【0104】
なお、必要に応じて、得られた積層体10を幅方向とは垂直な方向から挟んで楕円円筒形状にプレスしてもよい。
【0105】
<外部電極を形成する工程>
積層体10の一方の端面上に、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属を溶射することにより、
図2に示すような第1の外部電極51を第1の金属層41と接続されるように形成する。
【0106】
第1の外部電極51は、
図2に示すように、積層方向Tに並ぶ複数の凸部51Aを有している。凸部51Aは、幅方向Wにおいて、第2の外部電極52側に突出している。凸部51Aの突出端51AEの幅D
1は、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上である。
【0107】
また、積層体10の他方の端面上に、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属を溶射することにより、
図2に示すような第2の外部電極52を第2の金属層42と接続されるように形成する。
【0108】
第2の外部電極52は、
図2に示すように、積層方向Tに並ぶ複数の凸部52Aを有していてもよい。凸部52Aは、幅方向Wにおいて、第1の外部電極51側に突出している。凸部52Aの突出端52AEの幅D
3は、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の合計厚みの2倍以上であることが好ましい。
【0109】
以上により、
図2に示すようなフィルムコンデンサ1が製造される。
【実施例】
【0110】
以下、本発明のフィルムコンデンサをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0111】
[実施例1]
実施例1のフィルムコンデンサを、以下の方法で製造した。
【0112】
<金属化フィルムを作製する工程>
まず、第1の有機材料としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂と第2の有機材料としてのジフェニルメタンジイソシアネートとを、重量比7:3で混合することにより、樹脂溶液を調製した。そして、得られた樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理して硬化させることによって、第1の誘電体フィルム及び第2の誘電体フィルムを作製した。第1の誘電体フィルム及び第2の誘電体フィルムの厚みは、3μmであった。
【0113】
そして、第1の誘電体フィルムの第1の主面上に、アルミニウムを蒸着して第1の金属層を形成することにより、第1の金属化フィルムを作製した。この際、幅方向において、第1の金属化フィルムの一方の側縁に届き、第1の金属化フィルムの他方の側縁に届かないように第1の金属層を形成した。第1の金属層の厚みは、20nmであった。
【0114】
また、第2の誘電体フィルムの第3の主面上に、アルミニウムを蒸着して第2の金属層を形成することにより、第2の金属化フィルムを作製した。この際、幅方向において、第2の金属化フィルムの一方の側縁に届かず、第2の金属化フィルムの他方の側縁に届くように第2の金属層を形成した。第2の金属層の厚みは、20nmであった。
【0115】
<積層体を作製する工程>
まず、第1の金属化フィルムが第1のリール軸に巻回された第1のフィルムリールと、第2の金属化フィルムが第2のリール軸に巻回された第2のフィルムリールとを準備した。そして、第1のフィルムリールから第1の金属化フィルムを巻き出し、第2のフィルムリールから第2の金属化フィルムを巻き出した。この際、第1の誘電体フィルムの第2の主面と第2の誘電体フィルムの第3の主面とが対向するように、第1の金属化フィルム及び第2の金属化フィルムを巻き出した。
【0116】
そして、巻き出された第1の金属化フィルム及び第2の金属化フィルムは、幅方向に所定の距離だけずれた状態で重なって金属化フィルム体を構成した後、巻軸に巻回された。巻軸の巻回速度については、1m/秒とした。
【0117】
ここで、第1の金属化フィルムを巻き出す際、第1のリール軸を巻き出し方向と直交する幅方向に周期的に揺動させた。第2の金属化フィルムを巻き出す際も同様に、第2のリール軸を巻き出し方向と直交する幅方向に周期的に揺動させた。第1のリール軸及び第2のリール軸については、揺動タイミングを同じとし、揺動周期を1秒、揺動距離を0.2mmとした。その結果、隣り合う金属化フィルム体が一部の領域で幅方向にずれた積層体が、巻軸に巻回された状態で作製された。その後、得られた積層体を幅方向とは垂直な方向から挟んで楕円円筒形状にプレスした。
【0118】
<外部電極を形成する工程>
積層体の一方の端面上に、亜鉛-アルミニウム合金を溶射することにより、第1の外部電極を第1の金属層と接続されるように形成した。
【0119】
第1の外部電極は、積層方向に並ぶ複数の凸部を有していた。これらの複数の凸部は、幅方向において、第2の外部電極側に突出していた。凸部の突出端の幅は、第1の誘電体フィルム及び第2の誘電体フィルムの合計厚みの2倍以上であり、200μmであった。
【0120】
また、積層体の他方の端面上に、亜鉛-アルミニウム合金を溶射することにより、第2の外部電極を第2の金属層と接続されるように形成した。
【0121】
第2の外部電極は、積層方向に並ぶ複数の凸部を有していた。これらの複数の凸部は、幅方向において、第1の外部電極側に突出していた。凸部の突出端の幅は、第1の誘電体フィルム及び第2の誘電体フィルムの合計厚みの2倍以上であり、200μmであった。
【0122】
以上により、実施例1のフィルムコンデンサを製造した。
【0123】
[実施例2]
積層体を作製する工程において、リール軸の揺動距離を0.7mmに変更したこと以外、実施例1のフィルムコンデンサと同様にして、実施例2のフィルムコンデンサを製造した。第1の外部電極の凸部の突出端の幅は、200μmであった。また、第2の外部電極の凸部の突出端の幅は、200μmであった。
【0124】
[実施例3]
積層体を作製する工程において、巻軸の巻回速度を6m/秒に変更したこと以外、実施例1のフィルムコンデンサと同様にして、実施例3のフィルムコンデンサを製造した。第1の外部電極の凸部の突出端の幅は、500μmであった。また、第2の外部電極の凸部の突出端の幅は、500μmであった。
【0125】
[実施例4]
積層体を作製する工程において、巻軸の巻回速度を6m/秒に変更し、リール軸の揺動距離を0.5mmに変更したこと以外、実施例1のフィルムコンデンサと同様にして、実施例4のフィルムコンデンサを製造した。第1の外部電極の凸部の突出端の幅は、500μmであった。また、第2の外部電極の凸部の突出端の幅は、500μmであった。
【0126】
[実施例5]
積層体を作製する工程において、巻軸の巻回速度を6m/秒に変更し、リール軸の揺動距離を0.7mmに変更したこと以外、実施例1のフィルムコンデンサと同様にして、実施例5のフィルムコンデンサを製造した。第1の外部電極の凸部の突出端の幅は、500μmであった。また、第2の外部電極の凸部の突出端の幅は、500μmであった。
【0127】
[比較例1]
積層体を作製する工程において、巻軸の巻回速度を6m/秒に変更し、リール軸を揺動させない(揺動距離:0mm)に変更したこと以外、実施例1のフィルムコンデンサと同様にして、比較例1のフィルムコンデンサを製造した。第1の外部電極及び第2の外部電極は、凸部を有していなかった。
【0128】
[評価]
実施例1~5及び比較例1のフィルムコンデンサについて、積層体と第1の外部電極との接合強度を測定した。
図7は、積層体と第1の外部電極との接合強度の測定方法を説明するための斜視模式図である。
図7に示すように、フィルムコンデンサ1は、積層体10と、積層体10の一方の端面上に設けられた第1の外部電極51と、積層体10の他方の端面上に設けられた第2の外部電極52と、を有している。
【0129】
フィルムコンデンサ1に対して、まず、第1の外部電極51の上面(積層体10とは反対側の面)の全体を覆うようにエポキシ樹脂層80を接着させた。エポキシ樹脂層80には、引張試験機のフォースゲージに固定するためのボルト90を埋め込んだ。その後、ボルト90を引張試験機のフォースゲージに固定するとともに積層体10を固定した状態で、積層体10及び第1の外部電極51の間の接合平面に対して垂直方向(
図7中の矢印方向)に引張荷重を加えた。そして、第1の外部電極51が積層体10から剥離した際の引張荷重Lと、積層体10及び第1の外部電極51の間の接合平面の面積Mとから、L/Mで定められる単位面積当たりの接合強度(単位:MPa)を算出した。結果を表1に示す。
【0130】
【0131】
表1に示すように、実施例1~5のフィルムコンデンサでは、積層体と第1の外部電極との接合強度が比較例1のフィルムコンデンサよりも高かった。
【符号の説明】
【0132】
1 フィルムコンデンサ
10 積層体
10A、10B 積層体の凹部
11A、11B 積層体の凸部
21 第1の金属化フィルム
22 第2の金属化フィルム
31 第1の誘電体フィルム
31A 第1の主面
31B 第2の主面
32 第2の誘電体フィルム
32A 第3の主面
32B 第4の主面
41 第1の金属層
42 第2の金属層
51 第1の外部電極
51A 第1の外部電極の凸部
51AE 第1の外部電極の凸部の突出端
51B 第1の外部電極の凹部
51BE 第1の外部電極の凹部の没入端
52 第2の外部電極
52A 第2の外部電極の凸部
52AE 第2の外部電極の凸部の突出端
52B 第2の外部電極の凹部
52BE 第2の外部電極の凹部の没入端
60 金属化フィルム体
80 エポキシ樹脂層
90 ボルト
101 第1のフィルムリール
102 第2のフィルムリール
111 第1のリール軸
112 第2のリール軸
200 巻軸
H1 第1の外部電極の凸部の高さ
H2 第2の外部電極の凸部の高さ
P1 第1の外部電極の凸部の間隔
P2 第2の外部電極の凸部の間隔
T 積層方向
W 幅方向
D1 第1の外部電極の凸部の突出端の幅
D2 第1の外部電極の凹部の没入端の幅
D3 第2の外部電極の凸部の突出端の幅
D4 第2の外部電極の凹部の没入端の幅