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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】シート搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 41/00 20060101AFI20231218BHJP
   B65H 23/188 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
B65H41/00 A
B65H23/188
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022008591
(22)【出願日】2022-01-24
(65)【公開番号】P2023107405
(43)【公開日】2023-08-03
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】長久 晋輔
(72)【発明者】
【氏名】池田 透
(72)【発明者】
【氏名】松永 和樹
(72)【発明者】
【氏名】島田 航弥
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-312935(JP,A)
【文献】実開昭53-165832(JP,U)
【文献】特開2021-028966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 41/00
B65H 23/188
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートおよび前記シートの一面に付着された保護膜を有する膜付シートをガイドするロール装置と、前記ロール装置にガイドされる前記膜付シートの前記保護膜を剥離させる剥離部とを有するシート搬送装置であって、
前記保護膜の前記シートからの剥離位置を示す情報を取得する取得部と、
前記情報に基づいて、前記ロール装置を制御して、前記剥離位置を移動させる制御部と、
を有し、
前記ロール装置は、
前記一面とは反対の前記シートの他面が接触され、回転可能に支持されるローラ部と、
前記ローラ部に回転力を付与する回転力付与部と、
を有し、
前記情報は、前記ローラ部に送り出される前記膜付シートの張力である第1張力と、前記ローラ部から巻き取られる前記シートの張力である第2張力と、前記シートから剥離された前記保護膜の張力である第3張力であり、
前記制御部は、前記第3張力が所定範囲から外れた場合に、前記第1張力と前記第2張力との張力差が減るように前記回転力付与部を制御して、前記剥離位置を移動させる、シート搬送装置。
【請求項2】
シートおよび前記シートの一面に付着された保護膜を有する膜付シートをガイドするロール装置と、前記ロール装置にガイドされる前記膜付シートの前記保護膜を剥離させる剥離部とを有するシート搬送装置であって、
前記保護膜の前記シートからの剥離位置を示す情報を取得する取得部と、
前記情報に基づいて、前記ロール装置を制御して、前記剥離位置を移動させる制御部と、
を有し、
前記ロール装置は、
前記一面とは反対の前記シートの他面が接触され、回転可能に支持されるローラ部と、
前記ローラ部に回転力を付与する回転力付与部と、
前記ローラ部の周方向に間隔をあけて配置され、前記ローラ部の外周面から内周面にわたって貫通する複数の貫通孔と、
前記ローラ部の内側に配置される軸部と、
前記軸部に形成され、前記貫通孔を介して前記他面から前記シートに気体を排気する排気部と、
を有する、シート搬送装置。
【請求項3】
請求項に記載のシート搬送装置であって、
記制御部は、前記回転力付与部を制御することで、前記剥離位置を移動させる、シート搬送装置。
【請求項4】
請求項に記載のシート搬送装置であって、
前記情報は、前記ローラ部に送り出される前記膜付シートの張力と、前記ローラ部から巻き取られる前記シートの張力との張力差であり、
前記制御部は、前記張力差がある場合に、前記張力差が減るように前記回転力付与部を制御して、前記剥離位置を移動させる、シート搬送装置。
【請求項5】
請求項に記載のシート搬送装置であって、
前記制御部は、前記張力差が所定閾値以上となった場合に、前記回転力付与部を制御する、シート搬送装置。
【請求項6】
請求項に記載のシート搬送装置であって、
前記情報は、前記シートから剥離された前記保護膜の張力であり、
前記張力が所定範囲から外れた場合、前記制御部は、前記張力が所定範囲内となるように前記回転力付与部を制御して、前記剥離位置を移動させる、シート搬送装置。
【請求項7】
請求項に記載のシート搬送装置であって、
前記情報は、前記ローラ部に送り出される前記膜付シートの張力である第1張力と、前記ローラ部から巻き取られる前記シートの張力である第2張力と、前記シートから剥離された前記保護膜の張力である第3張力であり、
前記制御部は、前記第3張力が所定範囲から外れた場合に、前記第1張力と前記第2張力との張力差が減るように前記回転力付与部を制御して、前記剥離位置を移動させる、シート搬送装置。
【請求項8】
請求項のいずれか1項に記載のシート搬送装置であって、
前記ロール装置は、
記軸部に設けられ、前記貫通孔を介して前記他面から前記シートを吸引する吸引部を有する、シート搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、供給リールから送り出されたラベルシートのラベルをシートから剥離することが開示されている。特許文献1のラベルは、吸着ヘッドによって台紙シートから部分的に剥離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-44658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シートの一面に保護膜が付着され、当該一面を保護膜によって保護する場合がある。この保護膜が最終製品の一部でない場合、製造時に剥離しなければならない。この場合、例えば、特許文献1の吸着ヘッドに代えて、巻取ロールを採用すれば、供給リールから送り出されたシートの保護膜を巻取ロールで巻き取って剥離し得る。
【0005】
しかし、この場合、供給リールまたは巻取ロールの速度等の変動に応じて、保護膜のシートからの剥離位置が変化する傾向がある。剥離位置が変化すると、シートに加わる張力が変化してシートに不要な負荷が加わるため、シートの損傷等の発生が懸念される。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、シートおよび前記シートの一面に付着された保護膜を有する膜付シートをガイドするロール装置と、前記ロール装置にガイドされる前記膜付シートの前記保護膜を剥離させる剥離部とを有するシート搬送装置であって、前記保護膜の前記シートからの剥離位置を示す情報を取得する取得部と、前記情報に基づいて、前記ロール装置を制御して、前記剥離位置を移動させる制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、剥離位置が変化することを抑制することができる。したがって、シートに加わる張力が変化して不要な負荷がシートに加わることを抑制することができる。その結果、シートの損傷等の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、シート搬送装置を示す図である。
図2図2は、ロール装置を示す断面図である。
図3図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線矢視断面図である。
図5図5は、保護膜のシートからの剥離位置が理想位置に配置される場合の張力の関係を示す概念図である。
図6図6は、保護膜のシートからの剥離位置が理想位置からシートの進行方向にずれた場合の張力の関係を示す概念図である。
図7図7は、第1実施形態による制御装置を示すブロック図である。
図8図8は、第2実施形態による制御装置を示すブロック図である。
図9図9は、変形例1による制御装置を示すブロック図である。
図10図10は、変形例2による制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔シート搬送装置〕
図1は、シート搬送装置10を示す図である。シート搬送装置10は、膜付シート12を搬送する。膜付シート12は、シート14と、保護膜16と、を有する。シート14は、膜電極構造体(MEA)であってもよい。膜電極構造体は、燃料電池セルに用いられる。シート14が膜電極構造体である場合、当該シート14は、多孔性を有する。なお、シート14は、膜電極構造体でなくても、多孔性を有する場合がある。保護膜16は、シート14の一面F1に付着される。保護膜16は、シート14から剥離可能である。保護膜16は、熱可塑性樹脂により形成されてもよい。
【0011】
シート搬送装置10は、巻出ロール18と、ロール装置20と、剥離部22と、巻取ロール24と、を有する。
【0012】
巻出ロール18は、ロール装置20に膜付シート12を送り出す。ロール装置20は、巻出ロール18から送り出される膜付シート12をガイドする。剥離部22は、ロール装置20にガイドされる膜付シート12の保護膜16を剥離させる。巻取ロール24は、保護膜16が剥離されたシート14を巻き取る。
【0013】
剥離部22は、膜巻取ロールであってもよい。この場合、剥離部22は、保護膜16を巻き取ることによって、ロール装置20によって膜付シート12がガイドされている途中においてシート14から保護膜16を剥離する。図1では、剥離部22が膜巻取ロールである場合の例が示されている。
【0014】
図2図4を参照してロール装置20を説明する。図2は、ロール装置20を示す断面図である。図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。図4は、図2のIV-IV線矢視断面図である。なお、図2の断面は、ロール装置20の径方向に沿っている。また、図3および図4の断面は、ロール装置20の回転軸Ax(図3および図4参照)に沿っている。
【0015】
ロール装置20は、ローラ部26と、軸部28と、加熱部30と、吸引部32と、排気部34と、を有する。
【0016】
ローラ部26は、巻出ロール18から送られる膜付シート12のシート14を導くための部材であり、略円筒状に形成される。ローラ部26の外周面の一部は、巻出ロール18から送られる膜付シート12のシート14の他面F2と接触する。シート14の他面F2は、保護膜16が付着されるシート14の一面F1とは反対の面である。ローラ部26は、軸部28に対して回転可能に支持される。
【0017】
ローラ部26の内部には、中空部36(図3図4参照)が形成される。ローラ部26の軸心方向の一端面は、閉塞部38(図3図4参照)により閉塞される。ローラ部26の軸心は、ロール装置20の回転軸Ax(図3図4参照)と一致する。閉塞部38の径方向の中心には、突出部40が設けられる。突出部40は、ローラ部26の外側に向かって突出する。突出部40は、ローラ部26の軸心方向に沿って突出する。
【0018】
ローラ部26の軸心方向の他端には、円筒状の突出部42(図3図4参照)が設けられる。突出部42の外径は、ローラ部26の外径よりも小さい。また、突出部42の内径は、ローラ部26の内径よりも小さい。突出部42の内部は、中空部36と連通する。
【0019】
ローラ部26の一端に設けられる突出部40と、当該ローラ部26の他端に設けられる突出部42とがベアリング44を介して不図示の支持機構に取り付けられる。したがって、ローラ部26は、軸部28に対して回転し得る。
【0020】
ローラ部26には、複数の貫通孔46が形成される。貫通孔46は、ローラ部26の周方向に間隔をあけて配置される(図2参照)。また、貫通孔46は、ローラ部26の軸心方向に並べられる(図3図4参照)。なお、貫通孔46の個数および形状は特に限定されない。各貫通孔46は、ローラ部26の外周面から内周面にわたって貫通する。したがって、各貫通孔46は、ローラ部26の外側と、当該ローラ部26の内側の中空部36とを連通する。
【0021】
軸部28は、ローラ部26の内側に配置される。軸部28は、ローラ部26の軸心方向に沿って延在する。軸部28の軸心は、ロール装置20の回転軸Axと一致する。軸部28は、第1軸部48と、第2軸部50とを有する。第1軸部48は、中空部36に配置される。第2軸部50の一部は、突出部42の内部に配置され、当該第2軸部50の他の一部は、突出部42から外側に延びている。第2軸部50の外径は、第1軸部48の外径よりも小さい。
【0022】
軸部28は、回転可能に不図示の支持機構に支持されてもよいし、回転不能に不図示の支持機構に固定されていてもよい。本実施形態では、軸部28は、回転不能に不図示の支持機構に固定される。
【0023】
加熱部30は、膜付シート12を加熱する。加熱部30は、軸部28に形成される。加熱部30は、加熱室52と、熱気供給路54とを含む。加熱室52は、第1軸部48の表面の一部を切り欠くことで形成される。加熱室52は、複数の貫通孔46の一部と連通する。熱気供給路54は、加熱室52と連通し、熱気供給機55(図1)に接続される。熱気供給機55は、ロール装置20に設けられてもよいし、ロール装置20以外に設けられてもよい。
【0024】
熱気供給機55から出力される熱気は、熱気供給路54を介して加熱室52に供給される。加熱部30は、加熱室52と連通する貫通孔46を介して、ローラ部26の外周面に接触するシート14の他面F2から膜付シート12に熱気を供給する。
【0025】
吸引部32は、シート14を吸引する。吸引部32は、軸部28に形成される。吸引部32は、吸引室56と、吸引路58とを含む。吸引室56は、第1軸部48の表面の一部を切り欠くことで形成される。吸引室56は、加熱室52からローラ部26の回転方向へ僅かな隙間を隔てて、当該加熱室52の隣に配置される。吸引室56は、加熱室52および熱気供給路54と非連通である。吸引室56は、複数の貫通孔46のうち、加熱室52と連通する貫通孔46とは異なる貫通孔46の一部と連通する。吸引路58は、吸引室56と連通し、吸引機59(図1)に接続される。吸引機59は、ロール装置20に設けられてもよいし、ロール装置20以外に設けられてもよい。
【0026】
吸引機59は、吸引路58を介して吸引室56に負圧を発生させる。吸引部32は、負圧の吸引室56と連通する貫通孔46を介して、ローラ部26の外周面に接触するシート14を吸引する。
【0027】
排気部34は、シート14に気体を排気する。排気部34は、軸部28に形成される。排気部34は、排気室60と、排気路62とを含む。排気室60は、第1軸部48の表面の一部を切り欠くことで形成される。排気室60は、吸引室56からローラ部26の回転方向へ僅かな隙間を隔てて、当該吸引室56の隣に配置される。排気室60は、加熱室52、熱気供給路54、吸引室56および吸引路58と非連通である。排気室60は、複数の貫通孔46のうち、加熱室52および吸引室56と連通する貫通孔46とは異なる貫通孔46の一部と連通する。排気室60は、加熱室52および吸引室56より小さくてもよい。排気路62は、排気室60と連通し、気体供給機63(図1)に接続される。気体供給機63は、ロール装置20に設けられてもよいし、ロール装置20以外に設けられてもよい。
【0028】
気体供給機63から出力される気体は、排気路62を介して排気室60に供給される。排気部34は、排気室60と連通する貫通孔46を介して、ローラ部26の外周面に当接されるシート14の他面F2からシート14に気体を排気する。
【0029】
上記のシート搬送装置10を用いて、膜付シート12の保護膜16を剥離しながらシート14を搬送する搬送方法について説明する。先ず、巻出ロール18に巻かれている膜付シート12の端部が、剥離部22および巻取ロール24に取り付けられる。すなわち、膜付シート12の端部における保護膜16は、シート14から剥離され、剥離部22に取り付けられる。一方、保護膜16が剥離されたシート14は、ローラ部26に架けられ、当該シート14の端部が巻取ロール24に取り付けられる。
【0030】
その後、搬送動作が開始される。すなわち、巻出ロール18は所定の巻出速度で回転して膜付シート12をロール装置20に送る。また、剥離部22は、所定の剥離速度で保護膜16を剥離し、巻取ロール24は、所定の巻取速度でシート14を巻き取る。さらに、ロール装置20のローラ部26は、所定の回転速度で回転される。この回転速度は、巻出速度、剥離速度、巻取速度、シート14とローラ部26との摩擦等に基づいて、デフォルトとして予め設定される。
【0031】
搬送動作が開始されると、ロール装置20において加熱工程、吸引工程および排気工程がこの順に行われる。加熱工程において、加熱部30は、加熱室52と連通する貫通孔46を介して、ローラ部26の外周面に当接されるシート14の他面F2から、膜付シート12に熱気を供給する。これにより、膜付シート12が加熱され、保護膜16が軟化する。その結果、シート14から保護膜16が剥離し易くなる。
【0032】
吸引工程において、吸引部32は、負圧の吸引室56と連通する貫通孔46を介して、ローラ部26の外周面に当接されるシート14の他面F2から、シート14を吸引する。これにより、シート14から保護膜16が剥離し易くなる。
【0033】
排気工程において、排気部34は、排気室60と連通する貫通孔46を介して、ローラ部26の外周面に当接されるシート14の他面F2から、シート14に気体を排気する。これにより、シート14に、ローラ部26から離間する方向へ負荷を与えることができる。その結果、吸引部32によるシート14の吸引負荷が過度に加えられた状態で、シート14が巻き取られることが抑制され、シート14の破損等を抑制することができる。
【0034】
図5は、保護膜16のシート14からの剥離位置PPが理想位置に配置される場合の張力の関係を示す概念図である。剥離位置PPが理想位置に配置されている場合、第1張力Tlと第2張力Trとの間のバランスは概ね同じである。つまり、第1張力Tlと第2張力Trとが概ね均等になる。第1張力Tlは、ローラ部26に送り出される膜付シート12の張力である。第2張力Trは、ローラ部26から巻き取られるシート14の張力である。
【0035】
図6は、保護膜16のシート14からの剥離位置PPが理想位置からシート14の進行方向にずれた場合の張力の関係を示す概念図である。巻出ロール18または巻取ロール24の回転速度等の変動に応じて、理想位置からシート14の進行方向にずれる場合がある。この場合、第1張力Tlと第2張力Trとが不均等になる。具体的には、第1張力Tlに第3張力Tbの分力が加わることで、第1張力Tlは第2張力Trよりも大きくなる。第3張力Tbは、剥離部22によってシート14から剥離された保護膜16の張力である。
【0036】
また、理想位置からシート14の進行方向とは反対の方向にずれた場合(図示せず)にも、第1張力Tlと第2張力Trとが不均等になる。この場合、第1張力Tlは第2張力Trよりも小さくなる。
【0037】
第1張力Tlと第2張力Trとが不均等になると、シート14に不要な負荷が加わる。その結果、シート14の損傷等が発生し易くなる。そこで、本実施形態では、理想位置を含む所定の範囲内に剥離位置PPが収まるように、ローラ部26の回転が制御される。
【0038】
〔第1実施形態による制御装置〕
図7は、第1実施形態による制御装置70を示すブロック図である。制御装置70は、ロール装置20を制御する装置である。制御装置70は、第1張力センサ72と、第2張力センサ74と、取得部76と、制御部78と、回転力付与部80とを有する。
【0039】
第1張力センサ72は、第1張力Tlを検出するセンサである。第1張力センサ72は、ローラ部26と巻出ロール18との間に配置される(図5参照)。第1張力センサ72は、ローラ部26と巻出ロール18との間における第1張力Tlを検出する。
【0040】
第2張力センサ74は、第2張力Trを検出するセンサである。第2張力センサ74は、ローラ部26と巻取ロール24との間に配置される(図5参照)。第2張力センサ74は、ローラ部26と巻取ロール24との間における第2張力Trを検出する。
【0041】
取得部76は、剥離位置PPを示す情報を取得する。本実施形態では、取得部76は、剥離位置PPを示す情報として、第1張力Tlと第2張力Trとの差(張力差)を演算する。取得部76は、第1張力Tlから第2張力Trを減算して張力差を演算する。張力差の絶対値は、剥離位置PPの理想位置からのずれ量を示し、張力差の正負は、剥離位置PPの理想位置からのずれの方向を示す。
【0042】
なお、張力差の正負と、剥離位置PPの理想位置からのずれの方向との関係は、減算方法によって異なる。すなわち、第1張力Tlから第2張力Trが減算される場合、張力差がプラスになると、剥離位置PPの理想位置からのずれ方向は、シート14の進行方向となる(図6参照)。逆に、張力差がマイナスになると、剥離位置PPの理想位置からのずれ方向は、シート14の進行方向とは反対の方向となる。
【0043】
これに対し、第2張力Trから第1張力Tlが減算される場合、張力差がプラスになると、剥離位置PPの理想位置からのずれ方向は、シート14の進行方向とは反対の方向となる。逆に、張力差がマイナスになると、剥離位置PPの理想位置からのずれ方向は、シート14の進行方向となる(図6参照)。
【0044】
制御部78は、回転力付与部80を制御してローラ部26を回転させる。回転力付与部80は、本実施形態では、モータである。すなわち、制御部78は、デフォルトの回転速度で、シート14の進行方向に対応する回転方向にローラ部26を回転させるための指令値を回転力付与部80に出力する。回転力付与部80は、指令値にしたがってローラ部26に回転力を付与する。これにより、ローラ部26は、デフォルトの回転速度で、シート14の進行方向に対応する回転方向に回転する。
【0045】
また、制御部78は、張力差に基づいて、ローラ部26の回転速度を調整することで、剥離位置PPを移動させる。張力差がない場合、制御部78は、剥離位置PPの位置が理想位置にあると判定する(図5参照)。この場合、制御部78は、ローラ部26の回転速度を調整しない。したがって、ローラ部26は、デフォルトの回転速度で、シート14の進行方向に対応する回転方向に回転する。
【0046】
一方、張力差がある場合、制御部78は、剥離位置PPの位置が理想位置にないと判定する。上記のように、張力差は、本実施形態では、第1張力Tlから第2張力Trを減算して得られる。したがって、張力差がプラスである場合、第1張力Tlが第2張力Trよりも大きい(図6参照)。この場合、制御部78は、張力差の絶対値が大きいほど、デフォルトの回転速度よりも回転速度を遅く設定する。これにより、剥離位置PPは、シート14の進行方向とは反対の方向に移動する。その結果、第1張力Tlと第2張力Trとの張力差が小さくなる。
【0047】
逆に、張力差がマイナスである場合、第1張力Tlが第2張力Trよりも小さい。この場合、制御部78は、張力差の絶対値が大きいほど、デフォルトの回転速度よりも回転速度を速く設定する。これにより、剥離位置PPは、シート14の進行方向に移動する。その結果、第1張力Tlと第2張力Trとの張力差が小さくなる。
【0048】
このように第1実施形態では、張力差がある場合、制御部78は、当該張力差が減るように回転力付与部80を制御して、剥離位置PPを移動させる。
【0049】
〔第2実施形態による制御装置〕
図8は、第2実施形態による制御装置70を示すブロック図である。図8では、上述した構成と同等の構成に同一の符号が付されている。なお、本実施形態では、上述した説明と重複する説明は割愛する。
【0050】
本実施形態による制御装置70は、第1張力センサ72および第2張力センサ74に代えて、第3張力センサ82を有する。
【0051】
第3張力センサ82は、第3張力Tbを検出するセンサである。第3張力Tbは、上記のように、剥離部22によってシート14から剥離された保護膜16の張力である。第3張力センサ82は、ローラ部26と剥離部22との間に配置される(図5参照)。第3張力センサ82は、ローラ部26と剥離部22との間における第3張力Tbを検出する。
【0052】
取得部76は、第3張力センサ82によって検出される第3張力Tbを、剥離位置PPを示す情報として取得する。制御部78は、第3張力Tbに基づいて、ローラ部26の回転速度を調整することで、剥離位置PPを移動させる。
【0053】
制御部78には、剥離位置PPが理想位置になくてもシート14が不要な負荷に耐え得る範囲の上限値と下限値とが予め設定される。上限値および下限値は、シート14の強度等に基づいて設定される。
【0054】
第3張力Tbが所定の上限値を超えると、剥離位置PPの理想位置からのずれ方向は、シート14の進行方向となる。また、第3張力Tbと上限値との差の絶対値が大きいほど、剥離位置PPの理想位置からのずれ量が大きくなる。
【0055】
これに対し、第3張力Tbが所定の下限値を下回ると、剥離位置PPの理想位置からのずれ方向は、シート14の進行方向とは反対の方向となる。また、第3張力Tbと下限値との差の絶対値が大きいほど、剥離位置PPの理想位置からのずれ量が大きくなる。
【0056】
すなわち、第3張力Tbは、剥離位置PPを示す情報となる。第3張力Tbが所定の上限値以下であり、かつ、第3張力Tbが所定の下限値以上である場合、制御部78は、剥離位置PPが許容範囲内にあると判定する。この場合、制御部78は、ローラ部26の回転速度を調整しない。したがって、ローラ部26は、デフォルトの回転速度で、シート14の進行方向に対応する回転方向に回転する。
【0057】
一方、第3張力Tbが所定の上限値を超える場合、制御部78は、剥離位置PPが許容範囲内にないと判定する。この場合、制御部78は、第3張力Tbと上限値との差の絶対値が大きいほど、デフォルトの回転速度よりも回転速度を遅く設定する。これにより、剥離位置PPは、シート14の進行方向とは反対の方向に移動する。
【0058】
他方、第3張力Tbが所定の下限値を下回る場合、制御部78は、剥離位置PPが許容範囲内にないと判定する。この場合、制御部78は、第3張力Tbと下限値との差の絶対値が大きいほど、デフォルトの回転速度よりも回転速度を速く設定する。これにより、剥離位置PPは、シート14の進行方向に移動する。
【0059】
このように第2実施形態では、シート14の強度が耐え得る範囲に第3張力Tbが収まるように回転力付与部80を制御して、剥離位置PPを移動させる。
【0060】
〔変形例〕
上記の実施形態は、下記のように変形してもよい。
【0061】
(変形例1)
図9は、変形例1による制御装置70を示すブロック図である。図9では、上述した構成と同等の構成に同一の符号が付されている。なお、本変形例では、上述した説明と重複する説明は割愛する。
【0062】
本変形例による制御装置70は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせている。本変形例による制御装置70は、第1張力センサ72と、第2張力センサ74と、第3張力センサ82と、取得部76と、制御部78と、回転力付与部80と、を有する。
【0063】
取得部76は、第1張力Tl、第2張力Trおよび第3張力Tbを、剥離位置PPを示す情報として取得する。制御部78は、第3張力Tbが所定範囲から外れた場合に、第1張力Tlと第2張力Trとの張力差が減るように回転力付与部80を制御する。
【0064】
すなわち、第3張力Tbが所定の上限値を超える場合、制御部78は、張力差の絶対値が大きいほど、デフォルトの回転速度よりも回転速度を遅く設定する。これにより、剥離位置PPは、シート14の進行方向とは反対の方向に移動する。
【0065】
逆に、第3張力Tbが所定の下限値を下回る場合、制御部78は、張力差の絶対値が大きいほど、デフォルトの回転速度よりも回転速度を速く設定する。これにより、剥離位置PPは、シート14の進行方向に移動する。
【0066】
(変形例2)
図10は、変形例2による制御装置70を示すブロック図である。図10では、上述した構成と同等の構成に同一の符号が付されている。なお、本変形例では、上述した説明と重複する説明は割愛する。上記の実施形態では、軸部28は、回転不能に不図示の支持機構に固定された。本変形例では、軸部28は、回転可能に不図示の支持機構に支持される。
【0067】
本変形例による制御装置70は、第1実施形態の第1張力センサ72、第2張力センサ74、取得部76、制御部78および回転力付与部80に加えて、第2回転力付与部84を有する。
【0068】
第2回転力付与部84は、制御部78から与えられる指令値にしたがって軸部28に回転力を付与する。第2回転力付与部84は、軸部28を回転駆動するモータ(軸部用モータ)であってもよい。
【0069】
制御部78は、第2回転力付与部84を制御して軸部28を回転させる。すなわち、制御部78は、張力差に基づいて軸部28の回転量および回転方向を決定し、当該回転量および回転方向で軸部28を回転させるための指令値を第2回転力付与部84に出力する。
【0070】
軸部28の回転量および回転方向は、以下のように決定される。張力差がプラスである場合、上記のように、保護膜16のシート14からの剥離位置PPが理想位置からシート14の進行方向にずれている(図6参照)。この場合、制御部78は、軸部28の回転方向を、第1回転方向とは反対の第2回転方向に決定する。なお、第1回転方向は、シート14の進行方向に対応する回転方向であり、第2回転方向は、シート14の進行方向とは反対の方向に対応する回転方向である。また、制御部78は、張力差の絶対値が大きいほど、軸部28の現在位置からの移動量が大きくなるように、軸部28の回転量を決定する。
【0071】
逆に、張力差がマイナスである場合、上記のように、保護膜16のシート14からの剥離位置PPが理想位置からシート14の進行方向とは反対の方向にずれている。この場合、制御部78は、軸部28の回転方向を、第回転方向に決定する。また、制御部78は、張力差の絶対値が大きいほど、軸部28の現在位置からの移動量が大きくなるように、軸部28の回転量を決定する。
【0072】
このようにして制御部78は、張力差に基づいて軸部28を回転させる。これにより、剥離位置PPに対する、加熱位置、吸引位置および排気位置の相対位置を適切な位置に配置することができる。なお、加熱位置は、加熱部30が膜付シート12を加熱する位置である。吸引位置は、吸引部32がシート14を吸引する位置である。排気位置は、排気部34がシート14に気体を排気する位置である。
【0073】
制御部78は、回転力付与部80と、第2回転力付与部84とのいずれを制御するか選択可能であってもよい。例えば、ユーザの操作に応じて、回転力付与部80または第2回転力付与部84が制御対象として設定される。制御部78は、回転力付与部80および第2回転力付与部84のうち、ユーザの操作に応じて設定された1つを選択する。
【0074】
なお、第2回転力付与部84は、第2実施形態による制御装置70に備えられてもよいし、変形例1による制御装置70に備えられてもよい。
【0075】
(変形例3)
第1実施形態による制御装置70の制御部78は、張力差の絶対値が所定の閾値を超えた場合に、ローラ部26の回転速度を調整してもよい。これにより、制御上のハンチングに起因してローラ部26の回転が不安定になることを抑制することができる。その結果、ローラ部26に搬送されるシート14の損傷等から保護することができる。
【0076】
(変形例4)
第1実施形態または第2実施形態による制御装置70の制御部78は、巻取ロール24の巻取速度に基づいて、ローラ部26の回転速度を調整することで、剥離位置PPを移動させてもよい。巻取速度が所定値よりも速くなるほど、剥離位置PPの理想位置からのずれ方向は、シート14の進行方向となる。逆に、巻取速度が所定値よりも遅くなるほど、剥離位置PPの理想位置からのずれ方向は、シート14の進行方向とは反対の方向となる。すなわち、巻取速度は、剥離位置PPを示す情報となる。
【0077】
制御部78は、巻取ロール24を駆動する巻取駆動用モータのエンコーダから出力される信号に基づいて巻取速度を測定する。巻取速度が予め定められた所定の上限値を超える場合、制御部78は、剥離位置PPが許容範囲内にないと判定する。この場合、制御部78は、巻取速度と上限値との差の絶対値が大きいほど、デフォルトの回転速度よりも回転速度を遅く設定する。これにより、剥離位置PPは、シート14の進行方向とは反対の方向に移動する。
【0078】
一方、巻取速度が予め定められた所定の下限値を下回る場合、制御部78は、剥離位置PPが許容範囲内にないと判定する。この場合、制御部78は、巻取速度と下限値との差の絶対値が大きいほど、デフォルトの回転速度よりも回転速度を速く設定する。これにより、剥離位置PPは、シート14の進行方向に移動する。
【0079】
上記と同様に、制御部78は、巻出ロール18の巻出速度に基づいて、ローラ部26の回転速度を調整することで、剥離位置PPを移動させてもよい。
【0080】
(変形例5)
吸引部32によって吸引室56から吸気される空気が排気室60に流入するように構成されてもよい。この場合、排気部34は、吸引部32によって吸引室56から吸気される空気をシート14に排気する。したがって、気体供給機がなくても、シート14に、ローラ部26から離間する方向へ負荷を与えることができる。
【0081】
(変形例6)
加熱部30は軸部28に形成されていなくてもよい。この場合、加熱部30は、巻出ロール18とローラ部26との間に配置されてもよい。加熱部30が巻出ロール18とローラ部26との間に配置される場合、ローラ部26に到達する前の膜付シート12に熱気を供給することができる。
【0082】
〔本発明〕
本発明は、上述した実施形態および変形例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。以上の記載から把握し得る発明および効果について以下に記載する。
【0083】
(1)本発明は、シート(14)および前記シートの一面(F1)に付着された保護膜(16)を有する膜付シート(12)をガイドするロール装置(20)と、前記ロール装置にガイドされる前記膜付シートの前記保護膜を剥離させる剥離部(22)とを有するシート搬送装置(10)であって、前記保護膜の前記シートからの剥離位置(PP)を示す情報を取得する取得部(76)と、前記情報に基づいて、前記ロール装置を制御して、前記剥離位置を移動させる制御部(78)と、を有する。
【0084】
これにより、剥離位置が変化することを抑制することができる。したがって、シートに加わる張力が変化して不要な負荷がシートに加わることを抑制することができる。その結果、シートの損傷等の発生を抑制することができる。
【0085】
(2)本発明は、シート搬送装置であって、前記ロール装置は、前記一面とは反対の前記シートの他面(F2)が接触され、回転可能に支持されるローラ部(26)と、前記ローラ部に回転力を付与する回転力付与部(80)と、を有し、前記制御部は、前記回転力付与部を制御することで、前記剥離位置を移動させてもよい。これにより、ローラ部に付与する回転力によって、剥離位置を適切な位置に移動させることができる。
【0086】
(3)本発明は、シート搬送装置であって、前記情報は、前記ローラ部に送り出される前記膜付シートの張力と、前記ローラ部から巻き取られる前記シートの張力との張力差であり、前記制御部は、前記張力差がある場合に、前記張力差が減るように前記回転力付与部を制御して、前記剥離位置を移動させてもよい。これにより、シートに加わる張力が変化することを、ローラ部に付与する回転力によって適切に抑制することができる。
【0087】
(4)本発明は、シート搬送装置であって、前記制御部は、前記張力差が所定閾値以上となった場合に、前記回転力付与部を制御してもよい。これにより、制御上のハンチングに起因してローラ部の回転が不安定になることを抑制することができる。
【0088】
(5)本発明は、シート搬送装置であって、前記情報は、前記シートから剥離された前記保護膜の張力であり、前記張力が所定範囲から外れた場合、前記制御部は、前記張力が所定範囲内となるように前記回転力付与部を制御して、前記剥離位置を移動させてもよい。これにより、シートに加わる張力が変化することを、ローラ部に付与する回転力によって適切に抑制することができる。また、制御上のハンチングに起因してローラ部の回転が不安定になることを抑制することができる。
【0089】
(6)本発明は、シート搬送装置であって、前記情報は、前記ローラ部に送り出される前記膜付シートの張力である第1張力(Tl)と、前記ローラ部から巻き取られる前記シートの張力である第2張力(Tr)と、前記シートから剥離された前記保護膜の張力である第3張力(Tb)であり、前記第3張力が所定範囲から外れた場合に、前記第1張力と前記第2張力との張力差が減るように前記回転力付与部を制御して、前記剥離位置を移動させてもよい。これにより、シートに加わる張力が変化することを、ローラ部に付与する回転力によって適切に抑制することができる。また、制御上のハンチングに起因してローラ部の回転が不安定になることを抑制することができる。
【0090】
(7)本発明は、シート搬送装置であって、前記ロール装置は、前記ローラ部の周方向に間隔をあけて配置され、前記ローラ部の外周面から内周面にわたって貫通する複数の貫通孔(46)と、前記ローラ部の内側に配置される軸部(28)と、前記軸部に設けられ、前記貫通孔を介して前記他面から前記シートを吸引する吸引部(32)と、を有してもよい。これにより、シートから保護膜を剥離し易くできる。
【0091】
(8)本発明は、シート搬送装置であって、前記軸部に形成され、前記貫通孔を介して前記他面から前記シートに気体を排気する排気部(34)を有してもよい。これにより、シートに、ローラ部から離間する方向へ負荷を与えることができる。その結果、吸引部によるシートの吸引負荷が過度に加えられた状態で、シートが巻き取られることが抑制され、シートの破損等を抑制することができる。
【符号の説明】
【0092】
10…シート搬送装置 12…膜付シート
14…シート 16…保護膜
18…巻出ロール 20…ロール装置
22…剥離部 24…巻取ロール
26…ローラ部 28…軸部
30…加熱部 32…吸引部
34…排気部 46…貫通孔
70…制御装置 72…第1張力センサ
74…第2張力センサ 76…取得部
78…制御部 80…回転力付与部
82…第3張力センサ 84…第2回転力付与部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10